(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152209
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】釣糸針結び具
(51)【国際特許分類】
A01K 97/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A01K97/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022067930
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】517215353
【氏名又は名称】松江 孝
(72)【発明者】
【氏名】松江 孝
(57)【要約】
【課題】釣針に釣糸を結ぶための釣糸針結び具において、構成が簡単で釣針に釣糸を早く結ぶことができ、結び目の強度の高い本結びが簡単に出来る、釣糸針結び具および結ぶ方法を提供する。
【解決手段】把手部と把手部先端側に設けられたチモト受け部で扇型をした溝型形状を設け、チモト受け部の一部で狭くなった部分であるチモト引っ掛け部を設け、軸通り部でU字型の溝形状を設け、U字型の溝の始まりは深く先端に行くほど浅くなる形状であり、長ガイド部で側面が円弧形状をした爪型の形状を設け、短ガイド部で側面が円弧形状をした爪型の形状を設け、引っ掛け部で軸通り部の先端が2つに分かれた部分であり、一連の形状をしたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣針のチモトを載置するための扇型をした溝型形状を形成し、
前記扇型をした溝型形状の狭くなった部分が釣針のチモトが抜け出さないための部分を形成し
釣針の軸部を挿入するためのものである、前記扇型をした溝型形状の先から長溝を形成し
前記溝の先端が2つに分けれ、釣糸の結び目の輪が段階的に締まっていくための長ガイド部と短ガイド部を形成し
前記長ガイド部は、短ガイド部の間が結び目の輪の始まりになり釣糸を引っ掛けるための部分であり、一連の形状をしたことを特徴とする釣糸針結び具。
【請求項2】
前記長溝は、溝の深さは先端に行くほど浅くなる形状を特徴とする請求項1に記載の釣糸針結び具。
【請求項3】
前記長ガイド部は、短ガイド部と爪型の長さが異なり、長ガイド部と短ガイド部は対抗することを特徴とする請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の釣糸針結び具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣糸が切れにくく容易にしかも確実に結びつけることができ、本結びで結ぶことのできる釣糸針結び具および結ぶ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、釣針に釣糸を手結びによって結ぶ方法には、漁師結び、内掛け結び、外掛け結び、本結び、等の方法があるが、習熟を要し困難な作業である。そこで器具が必要となり、電動式の針結び器と機械式の針結び器のものが考案され、その形態は様々なものが提案されている。
【0003】
釣針に釣糸を簡単に短時間でかつ確実に結び付けるために用いる、電動式の針結び器が知られている。特許文献1では、釣針に釣糸または、釣糸同士の結びもでき、小型軽量で一台の器械で可能にした電動式釣糸結び器が開示されている。
【0004】
機械式の針結び器が知られており、特許文献2では、ケースに湾凹部と、人差し指を自由な状態にして器具を把持することが出来る把持部を設け、人差し指で、釣針に釣糸を巻き付け、手結びに近い形で、釣糸を自然な状態で結ぶことができ器具の構造は簡単なものである。
【0005】
特許文献3では、釣針結び具は釣針の軸部を載置するための長溝が軸方向に沿って形成されるとともに、引っ掛けるための引っ掛け溝を先端に有する本体と長溝に載置された釣針の軸部を本体に対して押圧することにより、釣針を長溝内で保持する保持体があるもので、軸部に釣糸を巻き付けて針結びをするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平07-255341号広報
【特許文献2】実開平09-019249号広報
【特許文献3】特開2002-065134号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
釣針に釣糸を結ぶ方法で、本結びの特徴は使っている最中に結び目が緩んでくることがなく、正しく結べていれば最も強い結び方であることが知られており、背景技術には以下のような改善すべき点がある。これらの電動式の針結び器と機械式の針結び器は内掛け結びまたは外掛け結び、のどちらかの方法で針結びするものである。電動式のものは電池がなくなると結ぶことが出来なくなる。また、構造も複雑であり、携帯して持ち運ぶには不便である。
【0008】
釣針結び具は釣針の軸部の溝に釣針の軸部を挿入するには、チモトの幅も考慮して軸部の溝が出来ており、その軸部の周囲に釣糸を巻き付けて結ぶため、巻き付けた結び目の輪が大きく、引っ張って結び目を仕上げる時に、結び目が重なり整然とした結び目が出来ないことがあり、結び目の強度が下がるという問題がある。
【0009】
本発明は、構成が簡単で釣針に釣糸を早く結ぶことができ、結び目の強度の高い本結びが簡単に出来る、釣糸針結び具および結ぶ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、釣針のチモトを載置するための扇型をした溝型形状を形成し、前記扇型をした溝型形状の狭くなった部分が釣針のチモトが抜け出さないための部分を形成し、釣針の軸部を挿入するための長溝は前記扇型をした溝型形状の先から長溝を形成し、前記長溝の先端が2つに分かれて、釣糸の結び目の輪が段階的に締まっていくための長ガイド部と短ガイド部を形成し、前記長ガイド部と短ガイド部の間が結び目の輪の始まりになり、釣糸を引っ掛けるための部分であり、一連の形状をしたものである。
【0011】
また、本発明の長溝は、溝の深さは先端に行くほど浅くなる形状を特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の長ガイド部はと短ガイド部は爪型の長さが異なり、長ガイド部と短ガイド部は対抗していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る釣糸針結び具は、手の内に収まる形状をしており、携行するのに便利で早く結ぶことができ、強度の高い本結びができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】 本発明の実施例1に係る釣糸針結び具の斜視図
【
図2】 本発明の実施例1に係る釣糸針結び具の平面図
【
図3】 本発明の実施例1に係る釣糸針結び具の側面図
【
図4】 本発明の実施例1に係るチモト受け部に釣針を挿入した拡大図
【
図5】 本発明の実施例1に係る結び目の中に釣針のチモトを挿入する状態図
【
図6】 本発明の実施例1に係る結び目の移動する状態図
【
図7】 本発明の実施例1に係る長ガイド部にある釣針の状態図
【
図8】 本発明の実施例1に係る釣糸を引っ掛け部に掛ける状態図
【
図9】 本発明の実施例1に係る釣糸を軸通り部に通す状態図
【
図10】本発明の実施例1に係る釣針を軸通り部に挿入する状態図
【
図11】本発明の実施例1に係る結び目を長ガイドまで滑らせる状態図
【
図12】本発明の実施例1に係る結び目を釣針の直線軸部まで滑らせる状態図
【
図13】本発明の実施例1に係る釣針の結び日を締め付ける状態図
【
図14】本発明の実施例1に係る結び目を釣針のチモトまで滑らせ結び目を締め付ける状態図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例1に係る釣糸針結び具30は、
図2及び
図3に示すように、チモト受け部1、チモト引っ掛け部2、軸通り部3、長ガイド部4、短ガイド部5、引っ掛け部6、把手部7、針置き用磁石8、押さえ部9から構成される。
【0016】
1はチモト受け部で扇型をした形状である。2はチモト引っ掛け部でチモト受け部の一部で狭くなった部分である。3は軸通り部でU字型の溝形状であり、U字型の溝の始まりは深く先端に行くほど浅くなる形状である。4は長ガイド部で側面が円弧形状をした爪型の形状である。5は短ガイド部で側面が円弧形状をした爪型の形状である、6は引っ掛け部で軸通り部の先端が2つに分かれた部分である。これらは一連の形状をしており、扇型をした形状からU字型の溝構造になり、U字型の先端が2つに分かれた一体の形状である。
【0017】
7は把手部で長方形の形状あり、8は針置き用磁石で把手部の長方形部分に永久磁石を埋め込んだ部分であり、9は押さえ部で把手部の長方形部分の一部を斜めに欠いた部分である。
【0018】
図4に示すように、チモト受け部1に釣針11のチモト11cを載置し、チモト引っ掛け部2にチモト11cが引っ掛かり、釣針11が抜け落ちるのを防止するものである。軸通り部3は釣針11の直線軸部11aを収納し再び容易に取り出しができる。
【0019】
図5に示すように、引っ掛け部6は結び目10cの始まりで軸通り部3の結び目10cの輪の中を釣針11のチモト11cが十分に通過することが出来る溝の高さである。長ガイド部4及び短ガイド部5は円弧状をしており、結び目10cの輪を小さくすることになる。また、長ガイド部4及び短ガイド部5が円弧状であるため、結び目10cが滑りやすい形状である。但し、長ガイド部4及び短ガイド部5は平面形状でも同様の効果が得られる。
【0020】
図6に示すように、軸通り部3にある結び目10cが(1)の位置から(2)の位置の長ガイド部4に移動すると結び目10cの輪が一段と締まり、結び目10cが(3)の位置に移動すると釣針11の直線軸部11aに結び目10cの輪が締まり直線軸部11aに密着し、結び目10cが乱れることがなく整然と並び結び目10cが出来上がる。
【0021】
図7に示すように、長ガイド部4に移動すると結び目10cは釣針11の直線軸部11aが長ガイド部4に密着し、直線軸部11aが軸通り部3の溝の底部から、軸通り部3の溝の上部に浮き上がり釣針11が軸通り部3から抜けやすくなる。
【0022】
次に使用方法について
図8から
図14により説明する。
図8に示すように、釣糸針に結ぶ方法は釣糸針結び具30の把手部7を左手に持ち、針置き用磁石8に結ぶための釣針11を保持し、押さえ部9の上に釣糸10を置き親指で押さえ右手で釣糸短端部10aを持ち、軸通り部3の溝に釣糸短端部10aを挿入し、引っ掛け部6に釣糸10を掛けて外に出す。
【0023】
図9に示すように、右手で釣糸短端部10aを持ち軸通り部3の周囲に釣糸10を5回巻き付け、釣糸短端部10aを軸通り部3の溝の中に通して、巻き付けた結び目10cの中を通し持ち替えて引き抜き、軽く引っ張ると巻き付けた結び目10cが整然と揃える。
【0024】
図10示すように、把手部7の針置き用磁石8にある釣針11を右手で取り出し、長ガイド部4の内側に釣針11のチモト11cの平らな部分を沿わせて軸通り部3の結び目10cの中に通し、チモト受け部1まで挿入し、釣針11の曲り部11bを90度回転させ、曲り部11bを下に向ける。
【0025】
図11に示すように、把手部7を持っている左手の人差し指で軸通り部3にある結び目10c押さえて、長ガイド部4まで結び目10cを滑らせながら、右手で釣糸短端部10aを軽く引っ張り、結び目10cが長ガイド部4と釣針11の直線軸部11aに密着する。
【0026】
図12に示すように、長ガイド部4にある結び目10cを左手の人差し指で釣針11の直線軸部11aまで滑らせて、右手で釣糸短端部10aを軽く引っ張り、結び目10cを直線軸部11aに密着させ、さらに釣糸短端部10aを軽く引っ張ると、釣糸針結び具30から結ばれた釣針11が取り出せる。
【0027】
図13に及び
図14示すように、釣糸針結び具30から釣糸短端部10aを右手で取り出し、左手で釣糸長端部10bを引っ張り、直線軸部11aの結び目10cをチモト11cまで滑らせ、釣糸短端部10aと、釣糸長端部10bを強く引っ張り結び目10cを締め付けることにより本結びが出来る。
【0028】
釣針に釣糸を巻き付ける動作を指で直接行うことが出来るので釣糸を自然な状態で締結することができ、強度の高い結び目を得ることができる。自己の意思で巻く力を制御できるので細い釣糸も簡単に結ぶことが出来る。
【0029】
この釣糸針結び具30は携行するのに便利であり、少しの釣糸で結び目10cが出来上がるので釣針だけを結び変えることができ、仕掛けを取り替えずに済み、早く針結びができることから、釣果向上ができる。
【0030】
本発明の釣糸針結び具30は小さい釣針も大きい釣針も同じように短時間に確実に本結びが出来る。釣糸が切れにくいという効果が得られる。また、釣糸と釣糸を連結にも使用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 チモト受け部
2 チモト引っ掛け部
3 軸通り部
4 長ガイド部
5 短ガイド部
6 引っ掛け部
7 把手部
8 針置き用磁石
9 押さえ部
10 針糸
10a 釣糸短端部
10b 釣糸長端部
10c 結び目
11 釣針
11a 直線軸部
11b 曲り部
11c チモト
30 釣糸針結び具