(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152213
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】薄型無給電表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 19/00 20060101AFI20231005BHJP
G09F 23/00 20060101ALI20231005BHJP
H02S 40/38 20140101ALI20231005BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G09F19/00 Z
G09F23/00 Z
H02S40/38
G09F9/00 351
G09F9/00 347A
G09F9/00 313
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022068531
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】502291610
【氏名又は名称】神田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003557
【氏名又は名称】弁理士法人レクシード・テック
(74)【代理人】
【識別番号】230116447
【弁護士】
【氏名又は名称】野中 啓孝
(72)【発明者】
【氏名】玉水 陽規
(72)【発明者】
【氏名】中野 俊
(72)【発明者】
【氏名】菊池 匡斉
(72)【発明者】
【氏名】木田 芳利
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大地
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
5G435
【Fターム(参考)】
5F151AA11
5F151AA14
5F151BA05
5F151JA28
5F151KA03
5F251AA11
5F251AA14
5F251BA05
5F251JA28
5F251KA03
5G435AA16
5G435AA18
5G435BB12
5G435BB16
5G435EE13
5G435EE41
5G435EE49
5G435FF13
5G435GG16
5G435GG43
5G435HH02
5G435LL19
(57)【要約】
【課題】薄型で、外部給電を必要とすることなく、独立した装置として表示内容を変更・維持できる表示装置を提供する。
【解決手段】 本発明の薄側無給電表示装置は、
図1のように、機能面がそれぞれ外側を向いている、薄型のメモリ性反射型表示部1及び薄型太陽電池モジュール2を備えた本体部を含んでいる。薄型太陽電池モジュール2は、外部光によって発電し、メモリ性反射型表示部1の表示の維持・変更に必要な電流を供給する。本発明の薄側無給電表示装置は、この本体部について、本体部のいずれかの外側面の一方に固定部3を貼り付けて透明構造物(例:ガラス)に貼り付けることができるようにしたものである。固定部3は、例えば、無色透明粘着シートであるので、メモリ性反射型表示部1及び薄型太陽電池モジュール2のそれぞれの機能を損なわずして本体部を透明構造体に貼り付けることが可能となる。貼り付けた状態は、例えば
図2に説明されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、制御部、を備える、全体の厚みが7mm以下の薄型無給電表示装置であって、
前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールは、それぞれ前記薄型無給電表示装置の両外側平面に配置され、
前記薄型無給電表示装置は、前記薄型太陽電池モジュールのみを電源として稼働し、
前記固定部は、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの面上に配置され、それぞれの機能を損なうことなく前記薄型無給電表示装置を透明構造物へ固定することを可能とすることを特徴とする薄型無給電表示装置。
【請求項2】
メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、制御部、記憶部、通信部、フィルム型二次電池、を備える、全体の厚みが7mm以下の薄型無給電表示装置であって、
前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールは、それぞれ前記薄型無給電表示装置の両外側平面に配置され、
前記薄型無給電表示装置は、前記薄型太陽電池モジュール及び前記フィルム型二次電池のみを電源として稼働し、
前記記憶部は、前記メモリ性反射型表示部に表示する表示コンテンツを保管し、
前記通信部は、無線通信によって外部機器と通信して、前記表示コンテンツを書換えすることを可能とし、
前記固定部は、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの面上に配置され、それぞれの機能を損なうことなく前記薄型無給電表示装置を透明構造物へ固定することを可能とすることを特徴とする薄型無給電表示装置。
【請求項3】
前記メモリ性反射型表示部及び前記薄型太陽電池モジュールが、それぞれ前記薄型無給電表示装置の外側平面の90%以上の面積を占めていることを特徴とする請求項1又は2記載の薄型無給電表示装置。
【請求項4】
前記メモリ性反射型表示部が、メモリインピクセル反射型液晶ディスプレイ又はメモリ性反射型電子ペーパーであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項5】
前記固定部が、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの略全面を覆う無色透明粘着シートあることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項6】
前記固定部が、波長380~200nmの近紫外線を99%以上カットすることを特徴とする請求項5に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項7】
前記固定部が、薄型太陽電池モジュール側にあることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項8】
前記通信部が、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFCまたはRFIDのいずれかであることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項9】
前記制御部が、制御基板上に搭載されており、かつ、前記制御基板が、表面の凹凸をスペーサで充填した上でラミネート加工されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項10】
前記透明構造物が、商業店舗のガラス製自動ドアであることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項11】
前記制御部、前記記憶部、前記通信部、前記フィルム型二次電池を搭載する制御基板が、前記メモリ性反射型表示部及び前記薄型太陽電池モジュールの少なくとも一方とコネクタ接続されていることを特徴とする請求項2~10のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項12】
全体の厚みが3mm以下であることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項13】
更に外部電源の接続端子を有していることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項14】
前記薄型太陽電池モジュールにおいて、太陽電池の一部についてカラー太陽電池を採用し、かつ、前記一部のカラー太陽電池の配置によって、前記薄型太陽電池モジュールの外側面に文字又はデザインを付したことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項15】
チ
前記薄型太陽電池モジュールにおいて、シースルー型太陽電池を採用し、かつ、前記シースルー型太陽電池の奥に文字又はデザインを付して、前記シースルー型太陽電池越しに前記文字又はデザインを観察可能であることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型で、外部給電を必要とすることなく、独立した装置として表示内容を変更・維持できる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、外観や機能性に優れ、かつ、簡単に設置できる表示装置が望まれている。
【0003】
一般的な液晶ディスプレイや有機EL等の表示装置を採用すれば、表示内容を変更・維持することは可能であるが、電源が必要となるため、電源コードが表示装置の外観や機能性を損ねるという問題があった。
【0004】
また、電源として太陽電池パネルを採用すれば、電源は確保できるが、一般的な液晶ディスプレイ等を稼働させるために十分な電力を補うためには相当大きなサイズのパネルが必要となり、同様に表示装置の外観や機能性を損ねるという問題は解消できなかった。
【0005】
従来、ソーラーシステム機能と広告機能とを同時に併用してなる広告具が知られている(特許文献1)。
【0006】
しかしながら、この技術は、ソーラーシステム機能と広告機能とを連携させるものではなかった。すなわち、想定されている広告は電力を消費するものではなく、グラフィックスデザインを塩化ビニル等のフィルムの表面にプリントアウトした内容の固定化された広告を表示するものであり、発電された電力は広告の表示内容を変更・維持するために使用されるものではなかった。
【0007】
また、太陽電池複合型表示体として、太陽電池パネルを併設した交通標識が知られている(特許文献2)。
【0008】
しかしながら、この技術は、昼間に太陽電池パネルにて発電した電力を蓄え、この蓄えた電力を照明用電源として利用し、夜間の視認性や昼間の注意喚起効果を向上させるものであり、発電された電力は広告の表示内容を変更・維持するために使用されるものではなかった。
【0009】
また、電子表示装置と太陽電池とを、支持部材を中心に反対向きに貼り合わせて、太陽電池が電子表示装置に供給される電力を発電する掲示板が知られている(特許文献2)。
しかしながら、この技術は、掲示板についての発明であり、薄型装置ではない。むしろ、掲示板としての自立構造を保つために相応の厚みを要する。また、省電力を実現するための構成についても記載がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011-70065
【特許文献2】特開2017-46496
【特許文献3】特開2020-52077
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、薄型で、外部給電を必要とすることなく、独立した装置として省電力で表示内容を変更・維持できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の薄型無給電表示装置は、メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、制御部、を備える、全体の厚みが7mm以下の薄型無給電表示装置であって、メモリ性反射型表示部と薄型太陽電池モジュールは、それぞれ薄型無給電表示装置の両外側平面に配置され、薄型無給電表示装置は、薄型太陽電池モジュールのみを電源として稼働し、固定部は、メモリ性反射型表示部又は薄型太陽電池モジュールのいずれかの面上に配置され、それぞれの機能を損なうことなく薄型無給電表示装置を透明構造物へ固定することを可能とすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の薄型無給電表示装置は、更に記憶部、通信部、フィルム型二次電池を備えており、フィルム型二次電池において蓄電できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、薄型で、外部給電を必要とすることなく、独立した装置として省電力で表示内容を変更・維持できる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の本体部の概略を説明する図である。
【
図2】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の透明構造物への取付状態を説明する図(1)である。
【
図3】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の透明構造物への取付状態を説明する図(2)である。
【
図4】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の透明構造物への取付状態を説明する図(3)である。
【
図5】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の透明構造物への取付状態を説明する図(4)である。
【
図6】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の本体部の機能を説明する図(1)である。
【
図7】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の透明構造物への取付状態を説明する図(5)である。
【
図8】本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の本体部の機能を説明する図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の薄型無給電表示装置を実施するための実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
(薄型無給電表示装置)
図1(a)は、本実施形態に係る薄型無給電表示装置100の本体部の全体斜視図である。本体部とは、本発明の薄型無給電表示装置100のうち、固定部を含まない構成をいう。本発明の薄型無給電表示装置100は、
図1の本体部の両外側面のいずれか一方の面上に固定部を配置することによって構成され、この固定部を介して、透明構造物へ固定される。
【0018】
本体部の一方の外側平面には、メモリ性反射型表示部1が配置され(
図1(b))、反対側の外側平面には、薄型太陽電池モジュール2が配置されている(
図1(c))。
【0019】
薄型無給電表示装置100のサイズは特に制限はない。薄型無給電表示装置100の厚みは、全体が7mm以下、好ましくは3mm以下の薄い平板状の装置である。この薄さは、メモリ性反射型表示部1、薄型太陽電池モジュール2、固定部、制御基板など各部材を薄型にすることによって実現される。
【0020】
薄型無給電表示装置100の電源は、基本的には薄型太陽電池モジュール2のみである。薄型無給電表示装置100は、フィルム型二次電池を備えていてもよく、その場合は、薄型太陽電池モジュール2及びフィルム型二次電池を電源とすることができる。場合によっては、薄型無給電表示装置100は、外部電源の供給を受けるための接続端子を有していてもよい。
【0021】
薄型無給電表示装置100の外側平面のうち、メモリ性反射型表示部及び薄型太陽電池モジュールがそれぞれ90%以上の面積を占めていることが望ましい。機能を有する部分の面積を大きくして、装置としての効率や機能密度を高めるためである。
【0022】
(メモリ性反射型表示部)
本発明の表示部は、メモリ性反射型表示部である。メモリ性とは、電源を切っても、或いは微弱電流だけにしておいても、外部の制御から画像データを出力することなく、その直前の画像もしくは画像データが残り、表示の変更時以外は大きな電流を必要としない特性をいう。この特性により、通電しなくても、あるいは微弱な電流の通電だけでも表示内容を保持することが可能となる。また、反射型とは、反射構造を備えることにより、周囲の照明光などの外光を光源とし、通常の液晶の様にバックライトシステムを必要としない構成をいう。メモリ性かつ反射型にすることにより、低消費電力が可能となる。
【0023】
メモリ性反射型表示部の具体例としては、メモリインピクセル反射型液晶ディスプレイが挙げられる。メモリインピクセル液晶ディスプレイでは、各画素がメモリを有し、静止画像を表示する場合、メモリに記憶された映像信号を用いて映像を表示することができ、一度ディスプレイ上で画像を作ると、その後は微弱電流を流すだけで、そのままの画像を表示した状態を維持できる。このメモリインピクセル液晶ディスプレイに反射型構造を採用したものが、メモリインピクセル反射型液晶ディスプレイである。このようなメモリインピクセル反射型液晶ディスプレイは、例えば、株式会社ジャパンディスプレイが製造するメモリインピクセル機能搭載カラー反射型液晶を利用することが可能である(https://www.j-display.com/product/reflective.html)。
【0024】
メモリ性反射型表示部の別の具体例としては、メモリ性反射型電子ペーパーが挙げられる。電子ペーパーは、様々な種類・方式が存在するが、その一つとして、上部電極と下部電極との間に粒子回転型又は電気泳動型などの電子インクが配置された構造を有し、表示内容を切り替える際に電力を消費するが、電力の供給がない状態でも表示状態を維持することができるタイプが知られている。このタイプの電子ペーパーは、通常、反射型構造を採用している。このような電子ペーパーは、メモリ性反射型電子ペーパーといえる。このようなメモリ性反射型電子ペーパーは、例えば、凸版印刷株式会社が製造する電子ペーパーを利用することが可能である(https://www.toppan.co.jp/denshipaper/search/product/dotmatrix.html)。
【0025】
薄型無給電表示装置100の全体の厚みが7mm以下、好ましくは3mm以下であることから、メモリ性反射型表示部の厚みは5mm以下、好ましくは2mm以下が望ましい。株式会社ジャパンディスプレイが製造するメモリインピクセル機能搭載カラー反射型液晶として、モジュールの厚みが、1.39mmの型番が存在する(LPM027M128B)。凸版印刷株式会社が製造するメモリ性反射型電子ペーパーとして、モジュールの厚みが、1.2mmの型番が存在する(オーロラMb(V231))。これらの市販のメモリ性反射型表示部を採用することで、本発明の薄型無給電表示装置を実現することが可能となる。
【0026】
メモリ性反射型表示部は、表示部自体に、画像を保管する表示メモリを搭載している。表示メモリは、複数の画像を保管することも可能である。
【0027】
(薄型太陽電池モジュール)
近年、ポリマーフィルム基板上に塗布プロセスを用いて太陽電池を作製することで、薄型で軽量の太陽電池モジュールを製造することが可能となっている。フィルム基板を用いることでロールツーロール方式での製造が可能となるため、製造コストの低減も見込まれている。このような塗布型の太陽電池としては、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、ペロブスカイト太陽電池(特開2021-132233)などが知られている。
【0028】
本発明の薄型太陽電池モジュールとしては、例えば、TDK株式会社のフィルム太陽電池(BCSシリーズ)を使用することができる。このフィルム太陽電池は、厚みが0.2mm以下と薄型であり、軽く、蛍光灯やLED光源下での発電効率が高く屋内でも使用できるといった特徴がある。
【0029】
本発明の薄型太陽電池モジュールは、メモリ性反射型表示部に電気的に接続されており、外部光を受光して発電し、メモリ性反射型表示部に給電する。このため、十分な外部光がある限り、薄型無給電表示装置を稼働させることができる。
【0030】
本発明の薄型太陽電池モジュールとして、カラー太陽電池又はシースルー型太陽電池を採用することができる。カラー太陽電池の例として、リコージャパン株式会社製の色素増感太陽電池(DSSC)RICOH EH DSSC5284aなどが挙げられる。シースルー型太陽電池の例として、同社製有機薄膜太陽電池(OPV)などが挙げられる。
【0031】
一般的な太陽電池は、黒色に近い色であり、本発明の薄型無給電表示装置に用いた場合、給電機能として問題はないが、観察者からすれば、面白みのない無機質なものに見えてしまう。ここで、薄型太陽電池モジュールにおいて、給電機能を損なうことなく、文字又はデザインを表示できるのであれば、本発明の薄型無給電表示装置に更に情報やデザインを付加することができ、観察者に情報提供したり、面白みを提供したりすることが可能となる。
【0032】
ここで、本発明の薄型太陽電池モジュールにおいて、太陽電池の一部についてカラー太陽電池を採用し、かつ、当該カラー太陽電池の配置によって、薄型太陽電池モジュールの外側面に文字又はデザインを付すことにより、薄型太陽電池モジュールに固定メッセージを表示したり、固定デザインを表示したりすることができる。グレー又は黒色の太陽電池モジュール内に、カラーの太陽電池の単位が文字状に配置されることにより、文字又はデザインを付すことが可能となる。これにより、本発明の薄型無給電表示装置を透明構造体に固定した場合であっても、観察者は、薄型太陽電池モジュールを見て、上記固定メッセージや固定デザインを把握することができる。このような固定メッセージや固定デザインは、印刷によって付すことも可能である。
【0033】
同様のことは、本発明の薄型太陽電池モジュールにおいて、シースルー型太陽電池を採用し、かつ、当該シースルー型太陽電池の奥に文字又はデザインを付して、シースルー型太陽電池越しに当該文字又はデザインを観察可能であるように表示することによっても実現できる。シースルー型太陽電池は、奥が透けて見えるので、奥に配置されている、例えば制御基板の薄型太陽電池モジュール側表面に文字又はデザインを付すと、シースルー型太陽電池越しにこの文字又はデザインを観察することが可能となる。
【0034】
(固定部)
固定部は、薄型無給電表示装置100の本体部を透明構造物に固定するものであり、本体部のメモリ性反射型表示部又は薄型太陽電池モジュールのいずれかの面上に配置される。固定部は、メモリ性反射型表示部又は薄型太陽電池モジュールの機能を損なうことなく、かつ、本体部を透明構造物に安定的に固定できるものであれば特に制限されるものではない。
【0035】
メモリ性反射型表示部の機能を損なわないような固定部とは、案内や広告などを表示するメモリ性反射型表示部の表示を外部から見た際に邪魔しないということである。
【0036】
薄型太陽電池モジュールの機能を損なわないような固定部とは、外部光を受けて発電する薄型太陽電池モジュールの発電機能を大幅に阻害しないということである。
【0037】
固定部の例としては、薄型無給電表示装置100本体部のいずれかの面の全体を覆う無色透明の粘着シートが挙げられる。無色透明の粘着シートであれば、薄型太陽電池モジュール側に配置したとしても、薄型太陽電池モジュールの発電に必要な波長域の光をほとんど吸収しないので、好適に用いることができる。無色透明の粘着シートとしては、日東電工株式会社製光学用透明粘着シート(LUCIACS(登録商標)CS986シリーズ)、日榮新化株式会社製両面粘着シート(MHM-FWDシリーズ)などが例示される。いずれも厚み0.1mm未満のものが利用可能である。
【0038】
固定部は、波長380~200nmの近紫外線を99%以上カットすることが好ましい。本発明の薄型無給電表示装置が太陽光を受ける位置に設置された場合、太陽光に含まれる近紫外線によってメモリ性反射型表示部による表示機能や薄型太陽電池モジュールによる発電機能が劣化することが考えられるためである。固定部自体が近紫外線吸収剤を含有していてもよいし、近紫外線吸収フィルムを2枚の無色透明粘着シートで挟んだものを固定部として用いてもよい。
【0039】
図2(a)は、本発明の薄型無給電表示装置100をガラス(透明構造物10)に固定した状態を示す図である。
図2(b)は、その断面拡大図である。薄型無給電表示装置100は、ガラスの屋内側に固定され、薄型太陽電池モジュール2が屋外側を向くように配置されている。薄型太陽電池モジュール2は、ガラス及び固定部3越しに外部光20を受光して発電する。そして、メモリ性反射型表示部1は、屋内の人に対して、表示コンテンツを表示する。
【0040】
また、無色透明の粘着シートであれば、メモリ性反射型表示部側に配置したとしても、メモリ性反射型表示部の表示を外部から見た際に邪魔しないので、好適に用いることができる。
【0041】
図3(a)は、本発明の薄型無給電表示装置100をガラス(透明構造物10)に固定した状態を示す図である。
図3(b)は、その断面拡大図である。薄型無給電表示装置100は、ガラスの屋外側に固定され、メモリ性反射型表示部1が屋内側を向くように配置されている。薄型太陽電池モジュール2は、屋外に配置されているため直接外部光20を受光して発電する。そして、メモリ性反射型表示部1は、ガラス及び固定部3越しに、屋内の人に対して、表示コンテンツを表示する。
【0042】
また別の固定部の例としては、不透明な両面テープも挙げられる。不透明な両面テープは、メモリ性反射型表示部の表示箇所又は薄型太陽電池モジュールの発電箇所を避けて配置される。これにより、メモリ性反射型表示部による表示機能や薄型太陽電池モジュールによる発電機能を阻害することなく、薄型無給電表示装置100の本体部分を透明構造物に固定することができる。
【0043】
以上、
図2、3において、屋内の人が見る向きに配置され、屋外光を用いて発電する薄型無給電表示装置100を説明した。これとは逆に、屋外の人が見る向きに配置され、屋内光を用いて発電する薄型無給電表示装置100も考えられる。この場合は、メモリ性反射型表示部を屋外に、薄型太陽電池モジュールを屋内に向けて固定することになる。
図4、5は、そのような態様で本発明の薄型無給電表示装置100をガラス(透明構造物10)に固定した状態を示す図である。薄型無給電表示装置100本体部の向きは逆になるが、固定部を用いて固定する点は同様である。
【0044】
(表示コンテンツ)
本発明の薄型無給電表示装置が表示する表示コンテンツとしては、宣伝広告、各種案内、イラスト、画像などが挙げられ、その内容は特に限定されない。各種案内には、災害時等の停電の際の緊急伝達事項が含まれる。
【0045】
(制御部)
制御部は、集積回路を備え、本発明の薄型無給電表示装置の稼働をコントロールする。
【0046】
(電源回路)
電源回路は、薄型太陽電池モジュールで発生した電流を、メモリ性反射型表示部に送電する役割を担う。
【0047】
(記憶部)
記憶部は、表示コンテンツを保管する。初期状態において表示コンテンツを保管していてもよいし、通信によって新たに表示コンテンツを取得し保管することもできる。メモリ性反射型表示部内の表示メモリにも表示コンテンツが保管されているが、記憶部は、表示メモリに保管しきれない容量の表示コンテンツを保管することができる。制御部は、記憶部に保管されている表示コンテンツを、表示メモリに転送して置き換えることができる。これにより、メモリ性反射型表示部内の表示部においてより多くの内容を表示することが可能となる。
【0048】
(通信部)
通信部は、無線で外部通信できるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくはBluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)またはRFID(Radio Frequency Identification)である。これにより、記憶部は、通信部から新たな表示コンテンツを取得して保管することができ、表示コンテンツの内容を更新することが可能となる。
【0049】
(フィルム型二次電池)
本発明のフィルム型二次電池としては、市販されている任意の製品を用いることができる。市販品として0.4mm以下のものが知られている。このようなフィルム型二次電池として、例えば、日本碍子株式会社製のチップ型セラミクス二次電池であるEnerCera(登録商標)Pouchラインアップなどが挙げられる。このフィルム型二次電池は、一例として、集積回路の横に配置され、電気配線によって電気的に接続することができる。この配置方法や接続方法は、特開2020-072117やWO2020/241166に記載されている方法を用いることができる。
【0050】
フィルム型二次電池は、薄型太陽電池モジュールが供給する電力に余剰分が生じた場合に、その余剰電力を蓄える。これにより、夜間であっても、表示コンテンツを維持し、変更することが可能となる。
【0051】
(制御基板)
本発明の薄型無給電表示装置は、メモリ性反射型表示部と薄型太陽電池モジュールとに挟まれた位置において、制御基板を有している。この制御基板は、少なくとも、制御部と電源回路とを有し、この電源回路は、薄型太陽電池モジュールで発生した電流をメモリ性反射型表示部に供給する。また、本発明の薄型無給電表示装置は、制御部、電源回路に加えて、記憶部、通信部、フィルム型二次電池を有していてもよい。
【0052】
制御基板は、そのままでは制御部、記憶部、通信部、フィルム型二次電池などが搭載されており、表面に凹凸がある状態である。このまま制御基板として用いてもよいが、より取り扱いしやすくするために、この凹凸をスペーサで吸収させて平面状にした上で、全体をラミネート加工して一体化してもよい。これにより、表面に凹凸がある状態が解消され、作業性、取扱い性が向上する。この処理方法については、例えば、WO2019/059305が、凹部や穴を設けたスペーサ層を積層させ、最終的にプレス加工することによって表面の凹凸を解消する製造方法を開示しており、この方法を採用してもよい。
【0053】
制御基板の厚みをできる限り薄くするため、制御基板に搭載する部品は、できるだけ薄いものを選択し、重ねて搭載しないように設計することが好ましい。特に、フィルム型二次電池などの大きめの部品を搭載する場合は、制御基板上にフィルム型二次電池を置くのではなく、制御基板に必要なスペースの切込みを設けて、そこにフィルム型二次電池を置くことも可能である。この場合、フィルム型二次電池と制御基板は、接続回路によって電気的に接続されることになる。強度を高めるため、プレス加工することが好ましい。
【0054】
(各機能部の電気的な接続方法)
本発明において、メモリ性反射型表示部と制御基板、薄型太陽電池モジュールと制御基板は、電気的に接続される(
図8)。接続方法としては、制御基板上の回路と、メモリ性反射型表示部又は薄型太陽電池モジュールの接続回路とを樹脂圧着して電気的に接続する方法が挙げられる。
【0055】
樹脂圧着は、正確な位置合わせや圧着作業などが手間になるため、別の接続方法として、コネクタ接続を用いてもよい。コネクタ接続は、制御基板上にコネクタを配置し、メモリ性反射型表示部又は薄型太陽電池モジュールにも対応するコネクタを配置し、両者を接合することによって電気的接続する部品である。コネクタの種類としては、接続回路(フレキシブル基板)を差し込んで挟み込むことにより接続するタイプ、嵌合型タイプなど特に限定はされない。コネクタ接続を使用することにより、メモリ性反射型表示部又は薄型太陽電池モジュールが不良となった場合に、簡単に交換することができる。
【0056】
制御基板をラミネートする場合には、コネクタ部分だけ外部に露出するようにラミネートフィルムを加工した上でプレス加工する必要がある。これにより、ラミネート加工後にメモリ性反射型表示部又は薄型太陽電池モジュールと電気的に接続することができる。
【0057】
〔第1の実施形態〕
本実施形態に係る薄型無給電表示装置は、メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、電源回路及び制御部を配設した制御基板を備えている。
【0058】
メモリ性反射型表示部として、大きさ88.6mm×69.4mm、厚さ1.6mmの株式会社ジャパンディスプレイ製メモリインピクセル機能搭載カラー反射型液晶を使用した。メモリには、表示コンテンツA~Cを記憶させた。
【0059】
薄型太陽電池モジュールとして、大きさ44.0mm×30.0mm、厚さ0.18mmのフィルム基板を用いたTDK株式会社製BCS4430B6の太陽電池モジュールを4枚貼り合わせてメモリ性反射型表示部と同サイズにしたものを用いた。なお、太陽電池モジュールの大きさは適宜調整が可能なので、同サイズのものを受注製造してもよい。
【0060】
電源回路及び制御部を配設した制御基板(大きさ80.0mm×60.0mm、厚さ0.8mm)を準備し、凹凸部をスペーサで埋めた上で、全体をラミネート加工した。なお、電気的接続のために挟み込みタイプのコネクタ(厚み1.2mm)を用い、コネクタ部分は外部に露出させた状態にした。
【0061】
この制御基板の両面に、前記メモリ性反射型表示部及び前記薄型太陽電池モジュールをコネクト接続によって電気的に接続した。メモリ性反射型表示部は、表示面が外側になるように、薄型太陽電池モジュールは、太陽電池が外側になるように、それぞれ配置し、制御基板とメモリ性反射型表示部、及び制御基板と太陽電池モジュールは、各々接着剤で固定した。このように薄型無給電表示装置の本体部を作製した。
【0062】
固定部として、無色透明の粘着シートである日東電工株式会社製光学用透明粘着シート(LUCIACS(登録商標)CS9864UA)(大きさ90.0mm×84.0mm、厚さ0.1mm)を準備した。この粘着シートの一面を薄型太陽電池モジュール側に貼り付け、反対側の面には保護フィルムを貼り付けたままにした。このようにして、大きさ90.0mm×84.0mm、厚さ2.7mmの薄型無給電表示装置を作製した。
【0063】
本実施形態に係る薄型無給電表示装置は、その後、例えば、
図2のようにして、商業施設の一般的なガラス窓に貼り付けることが可能である。これにより、商業施設の屋内の人が薄型無給電表示装置の表示コンテンツを閲覧することが可能となる。他にも、本実施形態に係る薄型無給電表示装置は薄型であるため、自動扉の開閉の妨げにならないため、
図7のようにして、自動扉が開閉する領域の透明構造物に設置することも可能である。
【0064】
本実施形態に係る薄型無給電表示装置は、太陽光が当たる昼間には、メモリ性反射型表示部に搭載した表示コンテンツA~Cを所定のプログラムに基づいて、切り替えて表示する。切り替えは、メモリ性反射型表示部上の制御部が行うが、制御基板上の制御部が行ってもよい。薄型無給電表示装置は、メモリ性反射型表示部を採用しているので、太陽光が当たらない夜間であっても、表示コンテンツA~Cのいずれかを視認することが可能である。
【0065】
図6は、本実施形態の薄型無給電表示装置の本体部の機能ブロック図である。
メモリ性反射型表示部1は、表示部311と表示メモリ312を備える。表示メモリ312には、表示部311で表示するための表示コンテンツA~Cが保管されている。表示部311の各画素が、表示メモリを有しているが、それらをまとめて表示メモリ312として表記している。
薄型太陽電池モジュール2は、発電部321を有し、制御基板4の電源回路341を介して、表示部311と表示メモリ312に電気を供給している。制御基板4には、電源回路341の他に制御部343があり、表示部311と表示メモリ312を制御している。外部光が少なくなると発電部321の発電が弱くなるため、表示部311は、表示コンテンツの変更はしにくくなる。しかし、表示部311は、メモリ性反射型表示部であることから、表示コンテンツをそのまま表示し続けることができる。
【0066】
〔第2の実施形態〕
別の本実施形態に係る薄型無給電表示装置は、メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、制御部、記憶部、通信部、フィルム型二次電池を備えている。
第1の実施形態と第2の実施形態の違いは、電源回路を配設した制御基板が、更に制御部、記憶部、通信部、フィルム型二次電池を備えている点である。
【0067】
制御基板(大きさ80.0mm×60.0mm、厚さ0.8mm)として、制御部、記憶部、通信部、フィルム型二次電池を搭載したものを作製して用いた。フィルム型二次電池としては、日本碍子株式会社製EC382704P-H(27mm×38mm×0.45mm、電圧3.8V、放電ピーク電流10mA)のものを用いた。通信部としては、Bluetooth(登録商標)モジュールを用いた。
【0068】
制御部、記憶部は、集積回路内に設計し、制御基板上に搭載させた。通信部、フィルム型二次電池は、制御基板に必要なスペースの切込みを設けて制御基板の厚みが加算されないように配設し、全体をラミネートでフィルム化した。
【0069】
以上のようにして、大きさ90.0mm×84.0mm、厚さ2.7mmの薄型無給電表示装置を作製した。
【0070】
図8は、本実施形態の薄型無給電表示装置の本体部の機能ブロック図である。
メモリ性反射型表示部1と薄型太陽電池モジュール2は、第1の実施形態と同様である。本実施形態では、制御基板4は、制御部343及び電源回路341の他に、フィルム型二次電池342、記憶部344、通信部345を有する。
【0071】
フィルム型二次電池342は、発電部321が供給する電力に余剰分が生じた場合に、その余剰電力を蓄える。フィルム型二次電池342は、その後、発電部321が電力を供給できなくなった場合に、予備的電源として機能する。これにより、夜間など発電部321が電力を供給できない場合であっても、表示部311は表示コンテンツを変更することが可能となる。
【0072】
記憶部344は、表示メモリ312だけでは保管しきれない表示コンテンツD~Fを保管することができる。表示部311は、表示メモリ312で保管している表示コンテンツA~Cに加えて、記憶部344に保管している表示コンテンツD~Fをも表示することができる。また、制御部343は、表示メモリに保管されている表示コンテンツA~Cを、表示コンテンツD~Fに置き換えることも可能である。
【0073】
通信部345は、外部装置351と無線通信することにより、表示コンテンツG~Iを取得することができる。無線通信手段としては、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFC(近距離無線通信)またはRFID(Radio Frequency identifier)などがあるが特に限定されるものではない。通信部345で取得した表示コンテンツG~Iは、記憶部344で保管される。制御部343は、表示メモリ312や記憶部344で保管している表示コンテンツを新たに取得した表示コンテンツで上書きする処理を行うこともできる。このようにして、表示部311が、新たに取得した表示コンテンツG~Iを表示できるように処理することができる。これにより、薄型無給電表示装置が表示コンテンツを更新できるようになる。
【0074】
通信部345は、外部装置351と無線通信することにより、制御部343をコントロールするプログラムをアップデートすることも可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 メモリ性反射型表示部
2 薄型太陽電池モジュール
3 固定部
4 制御基板
10 透明構造物
20 外部光
30 視線
100 薄型無給電表示装置
311表示部
312 表示メモリ
321 発電部
341 電源回路
342 フィルム型二次電池
343 制御部
344 記憶部
345 通信部
351 外部装置
500 自動扉
【手続補正書】
【提出日】2022-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、制御部、を備える、全体の厚みが7mm以下の薄型無給電表示装置であって、
前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールは、それぞれ前記薄型無給電表示装置の両外側平面に配置され、
前記薄型無給電表示装置は、
(1)前記薄型太陽電池モジュールのみを電源として稼働し、
(2)前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールとに挟まれた位置において制御基板を有し、ここで、前記制御基板は、前記制御部、電源回路を有し、
前記固定部は、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの面上に配置され、それぞれの機能を損なうことなく前記薄型無給電表示装置を透明構造物へ固定することを可能とし、
前記制御部は、前記制御基板上に搭載されており、かつ、前記制御基板の表面の凹凸は、ラミネート加工によって平面状にされていることを特徴とする薄型無給電表示装置。
【請求項2】
メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、制御部、記憶部、通信部、フィルム型二次電池、を備える、全体の厚みが7mm以下の薄型無給電表示装置であって、
前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールは、それぞれ前記薄型無給電表示装置の両外側平面に配置され、
前記薄型無給電表示装置は、
(1)前記薄型太陽電池モジュール及び前記フィルム型二次電池のみを電源として稼働し、
(2)前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールとに挟まれた位置において制御基板を有し、ここで、前記制御基板は、前記制御部、前記記憶部、前記通信部、前記フィルム型二次電池、電源回路を有し、
前記記憶部は、前記メモリ性反射型表示部に表示する表示コンテンツを保管し、
前記通信部は、無線通信によって外部機器と通信して、前記表示コンテンツを書換えすることを可能とし、
前記固定部は、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの面上に配置され、それぞれの機能を損なうことなく前記薄型無給電表示装置を透明構造物へ固定することを可能とし、
前記制御部は、前記制御基板上に搭載されており、かつ、前記制御基板の表面の凹凸は、ラミネート加工によって平面状にされていることを特徴とする薄型無給電表示装置。
【請求項3】
前記薄型無給電表示装置が、透明構造物の一方の側に固定され、前記メモリ性反射型表示部が、その同じ側を向くように配置され、前記固定部が、前記薄型太陽電池モジュール側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項4】
前記薄型無給電表示装置が、透明構造物の一方の側に固定され、前記メモリ性反射型表示部が、その反対側を向くように配置され、前記固定部が、前記メモリ性反射型表示部側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項5】
前記メモリ性反射型表示部及び前記薄型太陽電池モジュールが、それぞれ前記薄型無給電表示装置の外側平面の90%以上の面積を占めていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項6】
前記メモリ性反射型表示部が、メモリインピクセル反射型液晶ディスプレイ又はメモリ性反射型電子ペーパーであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項7】
前記固定部が、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの略全面を覆う無色透明粘着シートであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項8】
前記固定部が、波長380~200nmの近紫外線を99%以上カットすることを特徴とする請求項7に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項9】
前記固定部が、薄型太陽電池モジュール側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項10】
前記通信部が、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFCまたはRFIDのいずれかであることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項11】
前記透明構造物が、商業店舗のガラス製自動ドアであることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項12】
前記制御部、前記記憶部、前記通信部、前記フィルム型二次電池、前記電源回路を有する前記制御基板が、
前記メモリ性反射型表示部及び前記薄型太陽電池モジュールの少なくとも一方とコネクタ接続されていることを特徴とする請求項2~11のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項13】
全体の厚みが3mm以下であることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項14】
前記薄型太陽電池モジュールにおいて、太陽電池の一部についてカラー太陽電池を採用し、かつ、前記一部のカラー太陽電池の配置によって、前記薄型太陽電池モジュールの外側面に文字又はデザインを付したことを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項15】
前記薄型太陽電池モジュールにおいて、シースルー型太陽電池を採用し、かつ、前記シースルー型太陽電池の奥に文字又はデザインを付して、前記シースルー型太陽電池越しに前記文字又はデザインを観察可能であることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ性反射型表示部、薄型太陽電池モジュール、固定部、制御部、記憶部、通信部、フィルム型二次電池、を備える、全体の厚みが7mm以下の薄型無給電表示装置であって、
前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールは、それぞれ前記薄型無給電表示装置の両外側平面に配置され、
前記薄型無給電表示装置は、
(1)前記薄型太陽電池モジュール及び前記フィルム型二次電池のみを電源として稼働し、
(2)前記メモリ性反射型表示部と前記薄型太陽電池モジュールとに挟まれた位置において制御基板を有し、ここで、前記制御基板は、前記制御部、前記記憶部、前記通信部、前記フィルム型二次電池、電源回路を有し、
前記記憶部は、前記メモリ性反射型表示部に表示する表示コンテンツを保管し、
前記通信部は、無線通信によって外部機器と通信して、前記表示コンテンツを書換えすることを可能とし、
前記固定部は、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの面上に配置され、それぞれの機能を損なうことなく前記薄型無給電表示装置を透明構造物へ固定することを可能とし、
前記制御部は、前記制御基板上に搭載されており、
前記フィルム型二次電池は、前記制御基板に設けられている切込み中のスペースに配設され、前記制御基板に電気的に接続されており、
前記制御基板の表面の凹凸は、ラミネート加工によって平面状にされていることを特徴とする薄型無給電表示装置。
【請求項2】
前記薄型無給電表示装置が、透明構造物の一方の側に固定され、前記メモリ性反射型表示部が、その同じ側を向くように配置され、前記固定部が、前記薄型太陽電池モジュール側にあることを特徴とする請求項1に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項3】
前記薄型無給電表示装置が、透明構造物の一方の側に固定され、前記メモリ性反射型表示部が、その反対側を向くように配置され、前記固定部が、前記メモリ性反射型表示部側にあることを特徴とする請求項1に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項4】
前記メモリ性反射型表示部及び前記薄型太陽電池モジュールが、それぞれ前記薄型無給電表示装置の外側平面の90%以上の面積を占めていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項5】
前記メモリ性反射型表示部が、メモリインピクセル反射型液晶ディスプレイ又はメモリ性反射型電子ペーパーであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項6】
前記固定部が、前記メモリ性反射型表示部又は前記薄型太陽電池モジュールのいずれかの略全面を覆う無色透明粘着シートであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項7】
前記固定部が、波長380~200nmの近紫外線を99%以上カットすることを特徴とする請求項6に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項8】
前記固定部が、薄型太陽電池モジュール側にあることを特徴とする請求項1に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項9】
前記通信部が、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFC又はRFIDのいずれかであることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項10】
前記透明構造物が、商業店舗のガラス製自動ドアであることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項11】
前記制御基板が、前記メモリ性反射型表示部及び前記薄型太陽電池モジュールの少なくとも一方とコネクタ接続されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項12】
全体の厚みが3mm以下であることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項13】
前記薄型太陽電池モジュールにおいて、太陽電池の一部についてカラー太陽電池を採用し、かつ、前記一部のカラー太陽電池の配置によって、前記薄型太陽電池モジュールの外側面に文字又はデザインを付したことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。
【請求項14】
前記薄型太陽電池モジュールにおいて、シースルー型太陽電池を採用し、かつ、前記シースルー型太陽電池の奥に文字又はデザインを付して、前記シースルー型太陽電池越しに前記文字又はデザインを観察可能であることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の薄型無給電表示装置。