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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152217
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
   B42F 1/02 20060101AFI20231005BHJP
   F16B 2/24 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B42F1/02 F
F16B2/24 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022069085
(22)【出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】522157491
【氏名又は名称】齋 博之
(72)【発明者】
【氏名】齋 博之
【テーマコード(参考)】
2C017
3J022
【Fターム(参考)】
2C017BA06
2C017DA01
3J022DA30
3J022EA02
3J022EC13
3J022ED20
3J022FA01
3J022FB08
3J022HA05
3J022HB03
(57)【要約】
【課題】束ねた用紙類等の厚さにかかわらず、用紙類等からの浮き上がりがなく、しっかりと保持できる線状材で形成されるクリップを提供する。
【解決手段】線対称形状で線状材を曲げ、線対称軸6に向けて垂直に延びる直線部3が、用紙類等を挟んだ時に用紙類等の側面に沿って裏面から表面を斜めに沿って変形することで、用紙類等の厚さ変化に対応する。線対称軸から離れる方向に伸びた腕部4の先に、直線部2と交差して押圧部5を形成することで、線対称位置の2箇所の押圧部5間の距離を大きくし、押圧部5は線条材の弾性力により用紙類を挟んでいない時に於ても押圧力を有した状態とする。線条材を弾性変形させて押圧部の位置を直線部2の裏側に一時的に移動し塑性変形させることで押圧力の調整ができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線条材を略平面状に線対称形状に曲げ、線状材の全長の中間点から先に形成される部分は前記線対称軸を超えない領域にあり、線状材の全長の中間点から前記線対称軸を離れる方向に延びた後、線状材の全長の中間点から180度曲がった位置から、前記線対称軸に対し垂直で、前記線対称軸方向に近づく直線部を形成し、前記直線部の端部から前記中間点側に曲がり、前記線対称軸から離れる方向に延びた後、線状材の中間点からそこまでの線状材の一部分と交差し、前記交差部分が押圧部となり、前記押圧部は線状材の曲げを開く方向に弾性変形させると、中間点からそこまでの線状材と交差しない位置に移動することを特徴とするクリップ。
【請求項2】
被挟持物を挟んでいない状態に於いて、前記押圧部と、前記押圧部と交差している線状材とは互いに線状材の弾性力により押し合う状態となっている請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
線状材の全長の中間点から線対称軸に対して垂直に延びる第一直線部と、第一直線部の端末から90度屈曲した第二直線部と、第二直線部の端末から線対称軸方向に90度屈曲した第三直線部と、第三直線部の端末からさらに屈曲し、第二直線部と交差する形状を成すことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙類等を挟んで保持するためのクリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数枚の用紙類等を挟んで保持するクリップとして、金属線材を楕円形状に曲げた、所謂ゼムクリップ(登録商標)がある。ゼムクリップ(登録商標)は用紙の保持力が小さい、クリップが被挟持物から外れやすい、被挟持物の厚さ変化への対応力が小さい短所がある。
【0003】
それらの短所に対して、保持力を高め外れにくく、被挟持物の厚さ変化への対応力を増したクリップが考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭61-022640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているクリップについて、特許文献1の図に記載されている符号を括弧内に記載して説明する。特許文献1に記載されているクリップは、局部的な二箇所の押圧端部(22)で被挟持物(14)を押圧し、主としてネジリ軸部(16)が捩られるため前曲部(20)や内曲部(21)に強い曲がりを生じないことにより、押圧端部(22)が滑りにくく、しっかりと被挟持物を保持することができる。
【0006】
しかし、両腕部(18)の外端部(19)から押圧端部(22)へ続く前曲部(20)と内曲部(21)が押圧端部(22)よりも外側にあるため、とくに被挟持物が厚い場合に前曲部(20)と内曲部(21)が被挟持物表面に密着せず浮き上がった状態となり、使用時に引っ掛かるなど障害となり、被挟持物の厚さ変化への対応が十分でない欠点がある。
【0007】
また、押圧端部(22)より外側に前曲部(20)と内曲部(21)があるため、2箇所の押圧部間の距離に対しクリップ全体の寸法が大きくなる欠点がある。
【0008】
したがって、本発明の目的は2箇所の押圧部がクリップ全体の外周部にあり、被挟持物の厚さ変化に対する対応力が大きく、被挟持物表面に密着する線状材から成るクリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るクリップは、線状材を略平面状に線対称形状に曲げたもので、線状材の全長の中間点から線対称軸を離れる方向に延びた後、線状材の全長の中間点から180度曲がった位置から、前記線対称軸と垂直で、前記線対称軸に近づく直線部を形成し、前記直線部の端部から前記中間点側に曲がり、前記線対称軸から離れる方向に延びた後、線状材の全長の中間点からそこまでの線状材の一部分と交差する位置で押圧部を形成し、前記押圧部は線状材の曲げを開く方向に弾性変形させることで、中間点からそこまでの線状材と交差しない場所に移動できる位置にあるように形成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、図3に示すように線状材の全長の中間点6から180度曲がった位置の第三直線部3が被挟持物11の側面を被挟持物の片面から反対面まで斜めに沿うように変形することで、被挟持物の厚さ変化に対応することができる。
【0011】
また、被挟持物の厚みに対し主に第三直線部3が斜めに沿う形で変形するとともに、腕部4が線対称線から離れる方向に延びその先端に押圧部5が形成されていることにより、腕部4は押圧部5よりも被挟持物側に近い側に位置しようとする力が作用し、線状材が被挟持物に密着した状態を保つことができる。
【0012】
また、図1図8図9図10のように、押圧部5が線対称軸6から最も離れた位置にある場合に於ては、2箇所の押圧部5間の距離がクリップ全体寸法に対して最大になることにより、挟持物を2箇所で保持する効果を効果的に得ることができる。
【0013】
また、被挟持物を挟んでいない状態で、線状材の交差部が弾性力により、互いに押し合う状態となっている場合に於ては、被挟持物を挟んだことにより増加する弾性力に加え、挟んでいないときの弾性力も作用することで被挟持物をより強く保持することができる。
【0014】
図5図1のクリップに於て線状材を弾性変形させ、押圧部5が中間点6からそこまでの線状材と交差しない位置に移動させた状態を示しており、この状態から、図6のように押圧部5を第二直線部2の反対側に移動させた後、押圧部5と第二直線部2の隙間距離11を線状材を塑性変形させることで変化させ、その後、押圧部5を図1の位置に戻すことで、被挟持物を挟んでいない時の押圧力を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】 本発明の一実施例のクリップを示す正面図
図2図1の斜視図
図3図1のクリップに於て、被挟持物を挟んだ場合の例を示す斜視図
図4図1の下面図
図5図1のクリップに於て、押圧部を他の部分の線状材と交差しない位置へ弾性変形させた状態を示す正面図
図6図1のクリップに於て、押圧部を第二直線部2の反対側に移動させた状態を示す斜視図
図7図6の側面図
図8】 押圧部5の曲げ方向が図1と異なる実施例を示す正面図
図9】 腕部4の形状が図1と異なる実施例を示す正面図
図10】 中間点6から第三直線部3までの形状が図1と異なる実施例を示す正面図
図11図10の実施例に於て、押圧部5を線状材と交差しない位置に弾性変形させた状態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【実施例0016】
図1は本発明に係るクリップの実施例を示している。図1に於ては、線状材の全長の中間点6から線対称軸10に対して垂直に延びる第一直線部1と、第一直線部の端末から90度の屈曲部7を経て延びる第二直線部2と、第二直線部2の端末から90度の屈曲部8を経て線対称軸方向へ延びる第三直線部3と、第三直線部3の端末から屈曲部9を経て延びる腕部4を経て、第二直線部2と交差する押圧部5を形成している。
【0017】
押圧部5は腕部4の延長上で第二直線部2と交差した後、曲折することなく線状材の端末となることでも良いが、押圧部が鋭利な状態となるのを避けるため、本実施例に於ては、線状材の端末を第三直線部3の方向に円形に曲げている。
【0018】
押圧部の形状は円形以外の形でもよく、線状材に他の部材を取り付ける形態でもよい。
【0019】
被挟持物を挟み込むときは、屈曲部7に被挟持物の端部を載せ、被挟持物の上から屈曲部7を押さえながら、腕部4を屈曲部7の押さえ方向と反対方向に押さえると押圧部5が持ち上がり、次に押圧部5を被挟持物の表面にずらし被挟持物の表面に押圧部5を配置する。同様の操作で他方の押圧部5も被挟持物の表面に配置することでクリップで被挟持物を挟み込み保持することができる。
【0020】
図3図1に示す実施例のクリップに於て被挟持物を挟み込んだ場合の例で、第三直線部3が被挟持物11の側面を被挟持物の片面から反対面まで斜めに沿うように変形していることを示している。第三直線部3が被挟持物の側面を斜めに沿うことで、被挟持物の厚さの変化に対応することが可能となる。
【0021】
図5図1に示した実施例のクリップに於て、押圧部5が線状材の全長の中間点6から押圧部5までの曲げを開く方向に弾性変形させ、押圧部5が線状材と交差しない位置に移動したときの状態を示している。
【0022】
図6図1に示した実施例のクリップに於て、図5の状態を経て、押圧部5を第二直線部2の反対側に移動し、弾性力が働かない状態とした斜視図を示している。
【0023】
図7図6の側面図で、押圧部5を第二直線部2の反対側に移動したときに、押圧部5と第二直線部2の間に隙間11があることを示している。
【0024】
図6の状態から図1の状態に戻すことで、押圧部5と第二直線部2は、互いに押し合う弾性力を作用させることができる。
【実施例0025】
図8は本発明に係る他の実施例を示しており、押圧部5の形状が腕部4の端末から第一直線部1の方向に円形に曲がった形状となっていることで、押圧部5が腕部4よりも第一直線部1に近い方向にあることにより、被挟持物を挟み込む時に、腕部4を押して押圧部5を被挟持物の表面に配置する時の操作が容易となる。
【実施例0026】
図9は本発明に係る他の実施例を示しており、腕部4が第一直線部1側に湾曲した形状となっていることで、押圧部5が腕部4よりも第一直線部1に近づくことにより、被挟持物を取り付ける時に、押圧部5が腕部4よりも被挟持物に近くなることで、被挟持物の表面に押圧部5を配置する操作が容易となる。
【実施例0027】
図10は本発明に係る他の実施例を示しており、第一直線部1から第三直線部3までの線状材を半円形状に曲げた実施例で、図11図10に示した実施例のクリップに於て、押圧部5が線状材の全長の中間点から押圧部までの曲げを開く方向に線状材を弾性変形させ、押圧部5が線状材と交差しない位置に移動したときの状態を示している。
【0028】
2箇所ある押圧部5の間隔が広いほど被挟持物をしっかりと保持できるので、クリップ全体の大きさに対する被挟持物の保持効果を高めるために、押圧部5の位置は、2つの押圧部5間の方向に対してクリップ全体寸法の最も外側にあることが望ましく、図1図8図9図10に示した実施例は、いずれも2箇所の押圧部5がクリップ全体の最も外側の位置に形成したものである。
【符号の説明】
【0029】
1 第一直線部
2 第二直線部
3 第三直線部
4 腕部
5 押圧部
6 中間点
7 第一屈曲部
8 第二屈曲部
9 第三屈曲部
10 線対称軸を示す補助線
11 押圧部と第二直線部間の隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11