(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152237
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】シート角度調整器及びこのシート角度調整器のための爪車
(51)【国際特許分類】
B60N 2/235 20060101AFI20231005BHJP
A47C 1/025 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B60N2/235
A47C1/025
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082219
(22)【出願日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】202210345791.6
(32)【優先日】2022-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521052388
【氏名又は名称】湖北中航精机科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、 ミン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、 シャンフー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 リペン
(72)【発明者】
【氏名】リー、 シュアンチアン
【テーマコード(参考)】
3B087
3B099
【Fターム(参考)】
3B087BD01
3B087BD03
3B099BA04
3B099CA17
3B099CA29
3B099CA31
(57)【要約】
【課題】本発明は、シート角度調整器及びこのシート角度調整器のための爪車を開示する。
【解決手段】本発明は、シート角度調整器のための爪車(3)を開示し、爪車(3)は、プレス溝(a)を有するベースプレート(A)を含み、プレス溝(a)の周壁には、深さがベースプレート(A)の厚さより大きい爪車ラチェット歯(3a)が設けられている。本発明は、シート角度調整器をさらに提供する。本発明の爪車(3)は、ベースプレート(A)からプレス成形され、爪車ラチェット歯(3a)の深さは、ベースプレート(A)の厚さより大きくするように配置され、従来の技術に比べると、ベースプレート(A)の厚さは薄くなり、重量は軽くなり、シート角度調整器の重量及び厚さを低減させ、軽量化の要求を満たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート角度調整器のための爪車(3)であって、
前記爪車(3)は、プレス溝(a)を有するベースプレート(A)を含み、
前記プレス溝(a)の周壁には、深さが前記ベースプレート(A)の厚さより大きい爪車ラチェット歯(3a)が設けられていることを特徴とする爪車(3)。
【請求項2】
シートクッションに固定接続される摺動溝板(2)、請求項1に記載の爪車(3)、駆動機構、及び、少なくとも1つのスライダー(1)を含み、
前記爪車(3)は、シート背もたれに固定接続され、
前記摺動溝板(2)の内側壁には、径方向に沿って延伸する少なくとも1つの摺動溝(o)が設けられ、
前記スライダー(1)は、前記摺動溝(o)の内部に一々対応するように取り付けられ、その周壁の外側にはスライダーラチェット歯(1a)が設けられ、
前記爪車(3)は、前記摺動溝板(2)に相対回動可能に取り付けられ、周壁の内側には前記爪車ラチェット歯(3a)が設けられ、
前記駆動機構は、前記スライダー(1)を前記摺動溝(o)の延伸方向に沿って外側に移動させるように駆動することで前記スライダーラチェット歯(1a)を前記爪車ラチェット歯(3a)に噛合させ、又は、前記スライダー(1)を内側に移動させるように駆動することで前記スライダーラチェット歯(1a)を前記爪車ラチェット歯(3a)から離脱させることを特徴とするシート角度調整器。
【請求項3】
1つの前記スライダー(1)における前記爪車(3)に向かう一方側には、第1突起(11)が設けられ、
前記爪車(3)の内側壁には、周方向に沿って延伸する1つの第2突起(31)が設けられ、
前記爪車(3)は、前記第2突起(31)部分が径方向で前記第1突起(11)と対向するまで回動すると、前記第1突起(11)の外側壁は前記第2突起(31)の内側壁に当接され、且つ、前記スライダーラチェット歯(1a)は前記爪車ラチェット歯(3a)から離脱することを特徴とする請求項2に記載のシート角度調整器。
【請求項4】
前記摺動溝板(2)に設けられる前記摺動溝(o)の数は、5つであり、
前記摺動溝(o)は、周方向に沿って均一に分布され、
前記シート角度調整器は、5つの前記スライダー(1)を含むことを特徴とする請求項2に記載のシート角度調整器。
【請求項5】
前記スライダー(1)における前記爪車(3)に向かう一方側には、接続突起(12)が設けられ、
前記駆動機構は、周方向で位置制限されるように接続されたロックカム(4)、アンロックカム(5)及び駆動軸(6)を含み、
前記ロックカム(4)の外縁には、前記スライダー(1)に対応するロック面(4a)が設けられ、
前記アンロックカム(5)は、周方向に沿って延伸する駆動摺動溝(5a)を有し、
前記接続突起(12)は、前記駆動摺動溝(5a)の内部に一々対応するように挿着され、
前記駆動軸(6)が回転すると、前記駆動摺動溝(5a)は、前記スライダー(1)を内側に移動させるように駆動し、前記駆動軸(6)が逆方向に回転すると、前記ロック面(4a)は、前記スライダー(1)を外側に移動させるように駆動することを特徴とする請求項2に記載のシート角度調整器。
【請求項6】
前記ロックカム(4)と前記アンロックカム(5)とは、中間部には角形孔が設けられ、
前記駆動軸(6)は、周方向で位置制限されるように前記角形孔に挿着される角形セグメントを有していることを特徴とする請求項5に記載のシート角度調整器。
【請求項7】
前記駆動機構は、戻しバネ(7)をさらに含み、
前記駆動軸(6)が回転して、前記駆動摺動溝(5a)が前記スライダー(1)を内側に移動させるように駆動する場合、前記戻しバネ(7)は、だんだんエネルギを貯蔵することを特徴とする請求項6に記載のシート角度調整器。
【請求項8】
前記摺動溝板(2)の内側壁には、ノッチ(2a)が設けられ、
前記戻しバネ(7)のインナリングは、周方向の位置制限を形成するように前記角形セグメントに外嵌され、
前記戻しバネ(7)の延出端(71)は、周方向の位置制限を形成するように前記ノッチ(2a)に挿着されていることを特徴とする請求項7に記載のシート角度調整器。
【請求項9】
前記摺動溝板(2)の内側壁の中間部には、前記ノッチ(2a)に連通する取付溝が設けられ、
前記駆動軸(6)は、前記摺動溝板(2)を相対回動可能に貫通し、
前記戻しバネ(7)は、前記取付溝に設けられていることを特徴とする請求項8に記載のシート角度調整器。
【請求項10】
環状の接合スリーブ(8)をさらに含み、
前記接合スリーブ(8)は、前記摺動溝板(2)のアウターリングに外嵌され、その一方側の側壁が、前記摺動溝板(2)に固定接続され、他方側の側壁が、前記爪車(3)における前記摺動溝板(2)と反対側の側壁と隙間を有していることを特徴とする請求項2~請求項9の何れか1項に記載のシート角度調整器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの技術分野に関して、具体的に、シート角度調整器及びこのシート角度調整器のための爪車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車業界における省エネ・排出削減の発展傾向に連れて、自動車は、安全性能を確保することを前提に、自動車のシートは、もっと軽くなる必要があり、シート角度調整器も軽くなる必要があり、これは、自動車業界の軽量化に対する要求である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
安全を確保するとともに、シート角度調整器の重量を低減するために、部品をより小さく、薄くする必要がある。
この目的は、高強度材料を選択することによっても達成できるが、高強度材料は、材料及び製造のコストを高めて、シート角度調整器のコストを増やすので、軽量化要求を満たすとともに、強度を向上させるために、如何により合理的な構造設計及び部材製造工程によって材料を十分に利用することは、当業者が解决しようとする問題である。
【0004】
本発明は、リングギヤの深さが同じである場合、爪車の厚さをより薄くすることによってシート角度調整器の重量及び厚さを低減させて、軽量化の要求を満たすシート角度調整器のための爪車を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、リングギヤの深さが同じである場合、爪車の厚さをより薄くすることによって、シート角度調整器の重量及び厚さを低減させて、軽量化の要求を満たす、シート角度調整器を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、シート角度調整器のための爪車を提供し、爪車は、プレス溝を有するベースプレートを含む。
そして、このプレス溝の周壁には、深さがベースプレートの厚さより大きい爪車ラチェット歯が設けられる。
【0007】
従来技術のシート角度調整器において、爪車に設けられる爪車ラチェット歯の深さは、いずれも材料の厚さより小さく、爪車ラチェット歯の深さは、スライダーラチェット歯の厚さ、即ち、スライダーの厚さとマッチングし、スライダーの厚さが厚いと、爪車の歯丈を深くしなければならなく、爪車の歯丈が深いと、爪車の材料を厚くしなければならなく、爪車の厚さは、シート角度調整器のコア部材の厚さ及び重量を増やす。
本発明は、伝統の設計方式を変更し、爪車は、ベースプレートからプレス成形され、爪車ラチェット歯の深さが、ベースプレートの厚さより大きく、爪車ラチェット歯の深さが同じである場合、爪車の材料の厚さがより薄くなってもよく、これによって、シート角度調整器の重量及び厚さを低減させ、軽量化の要求を満たす。
【0008】
本発明は、シート角度調整器をさらに提供し、シートクッションに固定接続される摺動溝板、上記爪車、駆動機構、及び、少なくとも1つのスライダーを含む。
そして、前記爪車は、シート背もたれに固定接続され、前記摺動溝板の内側壁には、径方向に沿って延在する少なくとも1つの摺動溝が設けられている。
さらに、前記スライダーは、摺動溝の内部には、それぞれ対応するように取り付けられており、その周壁の外側には、スライダーラチェット歯が設けられている。
また、前記爪車は、摺動溝板に相対回動可能に取り付けられるとともに、その周壁の内側に爪車ラチェット歯が設けられている。
前記駆動機構は、前記スライダーを摺動溝の延在する方向に沿って外側に移動させるように駆動することで、前記スライダーラチェット歯を爪車ラチェット歯に噛合させ、又は、前記スライダーを内側に移動させるように駆動することで、前記スライダーラチェット歯を爪車ラチェット歯から離脱させる。
【0009】
本発明は、シート角度調整器を提供し、上記爪車を含むため、上記爪車と同様な効果を具備し、ここで、贅言していない。
【0010】
1つのスライダーにおける爪車に向かう一方側には、第1突起が設けられ、前記爪車の内側壁には、第2突起が設けられ、この第2突起は、周方向に沿って延在し、前記爪車は、第2突起の部分が径方向で第1突起と対向するまで回動すると、第1突起の外側壁は、第2突起の内側壁に当接することができ、且つ、前記スライダーラチェット歯は、爪車ラチェット歯から離脱するのが好ましい。
【0011】
前記摺動溝板に設けられる摺動溝の数は、5つであり、前記摺動溝は、周方向に沿って均一に分布され、前記シート角度調整器は、5つのスライダーを含むのが好ましい。
【0012】
前記スライダーにおける爪車に向かう一方側には、接続突起が設けられ、前記駆動機構は、周方向で位置制限するように接続されたロックカム、アンロックカム及び駆動軸を含む。
そして、前記ロックカムの外縁には、前記スライダーに対応するロック面が設けられ、前記アンロックカムは、周方向に沿って延在する駆動摺動溝を有し、前記接続突起は、駆動摺動溝の内側にそれぞれ対応するように挿着されるのが好ましい。
前記駆動軸が回転すると、前記駆動摺動溝は、スライダーを内側に移動させるように駆動することができ、前記駆動軸が逆方向に回転すると、前記ロック面は、スライダーを外側に移動させるように駆動することができる。
【0013】
前記ロックカムとアンロックカムとは、中間部には角形孔が設けられ、前記駆動軸は、周方向で位置制限されるように、前記角形孔に挿着される角形セグメントを有するのが好ましい。
【0014】
前記駆動機構は、戻しバネをさらに含むのが好ましい。
前記駆動軸が回転し、前記駆動摺動溝がスライダーを内側に運動させる場合、戻しバネは、だんだんエネルギを貯蔵する。
【0015】
前記摺動溝板の内側壁には、ノッチが設けられ、前記戻しバネのインナリングは、周方向の位置制限を形成するように、前記角形セグメントに外嵌され、前記戻しバネの延出端は、周方向の位置制限を形成するように、前記ノッチに挿着されているのが好ましい。
【0016】
前記摺動溝板の内側壁の中間部には、前記ノッチに連通する取付溝が設けられ、前記駆動軸は、摺動溝板を相対回動可能に貫通し、前記戻しバネは、取付溝に設けられているのが好ましい。
【0017】
好ましくは、環状の接合スリーブをさらに含み、前記接合スリーブは、前記摺動溝板のアウターリングに外嵌され、その一方側の側壁が、前記摺動溝板に固定接続され、他方側の側壁が、爪車における摺動溝板と反対側の側壁と隙間を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例であるシート角度調整器のための爪車の構成模式図。
【
図2】本発明の実施例であるシート角度調整器の構成模式図。
【
図3】
図2のシート角度調整器における爪車の内部の構成模式図。
【
図4】
図2のシート角度調整器における爪車を除去した際の構成模式図。
【
図5】
図2のシート角度調整器においてロックカム、アンロックカム及び駆動軸が一体として固定される構成模式図。
【
図7】
図2のシート角度調整器におけるロック過程での動力伝達の模式図。
【
図8】
図2のシート角度調整器におけるロック状態での構成模式図。
【
図9】
図2のシート角度調整器におけるアンロック過程での動力伝達の模式図。
【
図10】
図2のシート角度調整器におけるアンロック状態での構成模式図。
【
図11】
図2のシート角度調整器において戻しバネと駆動軸との取付模式図。
【
図12】
図11の戻しバネが摺動溝板に取り付けされる構成模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を理解するために、以下は、図面及び実施例を結合し、本発明を詳しく説明する。
【0020】
本明細書に記載の「第1」、「第2」などの用語は、順序及び/又は重要性に対する特別な限定ではなく、同様或いは類似の構成及び/又は機能を有する2つ以上の構成、若しくは、部品を記載するためのものである。
【0021】
図1は、本発明の実施例であるシート角度調整器のための爪車の構成模式図である。
【0022】
本発明は、シート角度調整器のための爪車を提供し、爪車3は、プレス溝aを有するベースプレートAを含み、このプレス溝aの周壁には、爪車ラチェット歯3aが設けられている。
そして、この爪車ラチェット歯3aの深さは、Hであり、ベースプレートAの厚さは、Tであり、爪車ラチェット歯3aの深さは、ベースプレートAの厚さより大きく、即ち、H>Tである。
【0023】
従来のシート角度調整器において爪車に設けられる爪車ラチェット歯の深さは、いずれも材料の厚さより小さく、爪車ラチェット歯の深さは、スライダーラチェット歯の厚さ、即ち、スライダーの厚さとマッチングし、スライダーの厚さが厚いと、爪車の歯丈を深くしなければならなく、爪車の歯丈が深いと、爪車材料を厚くしなければなく、爪車の厚さは必然的に、シート角度調整器のコア部材の厚さ及び重量を増やす。
本発明は、伝統の設計方式を変更し、爪車3は、ベースプレートAからプレス成形され、爪車ラチェット歯3aの深さは、ベースプレートAの厚さより大きく、爪車の歯丈が同じである場合、爪車材料の厚さがより薄くなってもよい。
これによって、シート角度調整器の重量及び厚さを低減させ、軽量化の要求を満たす。
【0024】
本発明は、シート角度調整器をさらに提供し、シートクッションに固定接続される摺動溝板2、上記爪車、駆動機構、及び、少なくとも1つのスライダー1を含む。
爪車3は、シート背もたれに固定接続され、摺動溝板2の内側壁には、径方向に沿って延伸する少なくとも1つの摺動溝oが設けられている。
そして、スライダー1は、それぞれに対応するように、摺動溝oの内側に取り付けられ、その周壁の外側には、スライダーラチェット歯1aが設けられている。
さらに、爪車3は、相対回動可能に摺動溝板2に取り付けられ、周壁の内側には、爪車ラチェット歯3aが設けられている。
【0025】
駆動機構は、スライダー1を摺動溝oの延在方向に沿って外側に移動させるように駆動することで、スライダーラチェット歯1aを爪車ラチェット歯3aに噛合させ、シート背もたれのロックを実現し、又は、摺動溝oを内側に移動させるように駆動することで、スライダーラチェット歯1aを爪車ラチェット歯3aから離脱させ、シート背もたれのアンロックを実現し、乗客は、シート背もたれを必要な角度に調節することができる。
【0026】
本発明は、シート角度調整器を提供し、上記爪車を含むため、この爪車と同様な効果を具備し、ここで、贅言していない。
【0027】
図2及び
図3を参照し、
図3は、
図2のシート角度調整器における爪車の内側構成模式図である。
【0028】
本発明において、1つのスライダー1の爪車3に向かう一方側には、第1突起11が設けられ、爪車3の内側壁には、1つの第2突起31が設けられる。
そして、第2突起31は、弧状構成であり、爪車3の周方向に沿って延在し、爪車3は、第2突起31の部分が径方向で第1突起11と対向するまで回動する場合、第1突起11の外側壁は、第2突起31の内側壁に当接されることができ、スライダーラチェット歯1aは、爪車ラチェット歯3aから離脱する。
【0029】
上記から分かるように、第1突起11は、第2突起31に当接される場合、スライダー1は、ロックされず、シート背もたれの折畳機能を実現し、具体的には、摺動溝板2と爪車3との相対位置を調節することで、シート背もたれが折畳状態にある場合、第1突起11と第2突起31とを互いに当接させる。
このように、座る場合、作業者は、駆動機構を制御する必要がなく、シート背もたれを直接的に背もたれ位置に回動させ、操作が便利であり、また、第1突起11が第2突起31から離脱する場合、駆動機構の戻しバネ(以下、詳しく紹介する)の作用で、スライダー1は、自動に外側に移動し、爪車ラチェット歯3aと噛合し、シート背もたれを背もたれ位置にロックする。
これから分かるように、当該背もたれ位置の角度は、決定され、シート数は、複数である場合、各シート背もたれの背もたれ位置は、いずれも同一角度にあり、より整然とし、ユーザー体験がよい。
また、本発明は、第1突起11を有する1つのスライダー1、及び、1つの第2突起31を配置し、爪車3は、360°回動するごとに、1つの循環になり、シートのロック可能な角度は、より大きく、ユーザーのいくつかの特別な需求を満たす。
【0030】
図2を参照し、摺動溝板2の内側壁には、径方向に沿って延在する5つ摺動溝oが設けられ、5つの摺動溝oは、周方向に沿って均一に分布され、シート角度調整器に含まれるスライダー1の数の5つであり、スライダー1は、それぞれが対応するように摺動溝o内に設けられる。
【0031】
以上のように配置すれば、摺動溝oは、案内作用を果たし、スライダー1を摺動溝板2の径方向のみに沿って移動させ、摺動溝o及びスライダー1の数は、いずれも5つであり、シート角度調整器の内側空間を十分に利用することができ、材料強度を最大化し、ラチェット歯の噛合強度と摺動溝の押出強度とのマッチングを最適にする。
【0032】
実際には、摺動溝o及びスライダー1の数を限定していなく、ロック作用を実現すればよく、例えば、摺動溝o及びスライダー1は、4つであってもよい。
【0033】
図2、
図4~
図10を参照し、
図4は、
図2のシート角度調整器における爪車を除去した際の構成模式図であり、
図5は、
図2のシート角度調整器においてロックカム、アンロックカム及び駆動軸が一体として固定される構成模式図であり、
図6は、
図4の別の角度の構成模式図であり、
図7は、
図2のシート角度調整器におけるロック過程での動力伝達模式図であり、
図8は、
図2のシート角度調整器におけるロック状態での構成模式図であり、
図9は、
図2のシート角度調整器におけるアンロック過程での動力伝達模式図であり、
図10は、
図2のシート角度調整器におけるアンロック状態での構成模式図である。
【0034】
本発明において、スライダー1の爪車3に向かう一方側には、接続突起12が形成され、アンロックカム5をさらに含む。
ロックカム4及びアンロックカム5は、3つの位置制限ピンによって一体として固定され、即ち、両者は、周方向に位置制限され、同期回動することができる。
そして、ロックカム4の外縁には、スライダー1に対応するロック面4aが設けられ、アンロックカム5は、周方向に沿って延在する異形の駆動摺動溝5aを有し、スライダー1の接続突起12は、それぞれが対応するように、駆動摺動溝5aの内部に挿着される。
図7に示すように、ロックカム4及びアンロックカム5は、矢印方向に沿って回動する場合、スライダー1が
図8の位置にあり、且つ、スライダーラチェット歯1aが爪車ラチェット歯3aと噛合するまで、ロックカム4の外縁ロック面4aは、スライダー1を径方向に沿って外側に移動させるように駆動する。
図9に示すように、ロックカム4及びアンロックカム5は、矢印方向に沿って回動する場合、スライダー1が
図10の位置にあり、且つ、スライダーラチェット歯1aが爪車ラチェット歯3aから離脱するまで、駆動摺動溝5aは、スライダー1を径方向に沿って内側に移動させるように駆動する。
【0035】
ロックカム4及びアンロックカム5の駆動は、動力の伝達軸となる駆動軸6によって実現される。
具体的に、ロックカム4とアンロックカム5とは、中間部には角形孔が設けられ、駆動軸6の周壁部分は、角形であり、駆動軸6の角形セグメントは、ロックカム4及びアンロックカム5の角形孔に挿着されることで、周方向の位置制限を実現する。
即ち、駆動軸6は、回動すると、ロックカム4とアンロックカム5とを同期回動させることができる。
一般的に、シートには、2つのシート角度調整器が設けられるため、本実施例の駆動軸6も、中空軸の形態として配置され、その内部も角形である。
これによって、リンクバー(図示せず)が貫通して、2つの駆動軸6を一体として接続し、乗客は、アンロックグリップ(図示せず)によって、一方側の駆動軸6を回動させるように駆動する場合、両側の駆動軸6は、同期回動でき、アンロックの目的を実現する。
【0036】
無論、動力の伝達軸となる駆動軸6と、ロックカム4及びアンロックカム5との周方向の位置制限を実現することに対して、三者を一体として溶接するなどの方式を採用してもよく、ここで、限定していない。
【0037】
【0038】
本発明のシート角度調整器は、戻しバネ7をさらに含む。
そして、この戻しバネ7のインナリングは、周方向の位置制限を実現するように、駆動軸6の角形セグメントに圧着され、摺動溝板2の内側壁には、取付溝、及び、この取付溝に連通するノッチ2aが設けられ、取付溝の中間部は、駆動軸6が貫通するための貫通孔を有している。
さらに、戻しバネ7は、摺動溝板2の取付溝に設けられ、その延出端71は、周方向の位置制限を実現するように、摺動溝板2のノッチ2a内に挿着される。
このような配置によって、駆動軸6は、力を受けて、アンロック方向に回転する場合、戻しバネ7は、だんだんエネルギを貯蔵し、シートバックは、アンロック状態にあるとともに、必要な位置に調節された場合、駆動軸6に付与される作用力を取り消すと、スライダーラチェット歯1aが爪車ラチェット歯3aと噛合されてシートがロックされるまで、駆動軸6は、戻しバネ7の復帰力の作用で逆方向に回転する。
【0039】
ここで、戻しバネ7が設けられなくてもよく、この場合、乗客は、手動で駆動軸6をロック位置に回転させるように駆動し、ロック構成を追加して駆動軸6をロック位置に保持し、その構成は、複雑である。
本発明は、戻しバネ7を配置することで、シートバックを自動にロック状態に戻させ、操作が簡単であり、安全性が高く、より好適である。
【0040】
図2を参照し、環状の接合スリーブ8をさらに含む。
この接合スリーブ8は、摺動溝板2の外縁に外嵌され、その一方側が、摺動溝板2に固定接続され、他方側が、爪車3における摺動溝板2と反対側の側壁と隙間を有している。
これによって、爪車3と摺動溝板2とを一体として固定し、爪車3と摺動溝板2との離脱を防止する。
【0041】
ここに記載の隙間は、爪車3の軸方向移動が生じないとともに、爪車3の回動に影響しないことを保証すべきである。
【0042】
以上は、本発明におけるシート角度調整器及びこのシート角度調整器のための爪車を紹介し、本明細書は、実施形態を記載し、以上の説明は、本発明の方法及びその本旨を理解するためのものである。
ここで、本発明の原理から逸脱しないことを前提に、本発明に対して改良を行ってもよく、これらの改良も本発明の請求項の保護範囲に該当する。
【符号の説明】
【0043】
1 ・・・スライダー
1a・・・スライダーラチェット歯
11 ・・・第1突起
12 ・・・接続突起
2 ・・・摺動溝板
o ・・・摺動溝
2a・・・ノッチ
3 ・・・爪車
A ・・・ベースプレート
3a・・・爪車ラチェット歯
a ・・・プレス溝
31 ・・・第2突起
4 ・・・ロックカム
4a・・・ロック面
5 ・・・アンロックカム
5a・・・駆動摺動溝
6 ・・・駆動軸
7 ・・・戻しバネ
71 ・・・延出端
8 ・・・接合スリーブ