IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山崎 明美の特許一覧

<>
  • 特開-指定位置照射装置 図1
  • 特開-指定位置照射装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152259
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】指定位置照射装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B60Q1/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022115944
(22)【出願日】2022-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】520105164
【氏名又は名称】山崎 明美
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴志
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA12
3K339AA22
3K339BA09
3K339BA22
3K339BA25
3K339CA30
3K339DA05
3K339EA03
3K339EA10
3K339FA04
3K339HA11
3K339LA01
3K339MA10
3K339MB05
3K339MC01
3K339MC27
3K339MC41
(57)【要約】
【課題】車両などの移動体上から、任意の位置に向けて、指向性照明またはレーザー光を照射するのに好適な、指定位置照射装置を提供する。
【解決手段】車両等の移動体に設置する照射装置であって、指向性照明またはレーザー光を照射する照射機器1と、照射機器1の照射方向を制御する制御装置2と、を備え、各種計測機器により得る、本指定位置照射装置の絶対位置座標と姿勢角の情報、および、既存情報から得る、照射の目標とする絶対位置座標の情報、を含む情報を用いた演算により、照射の目標位置へ向けて照射機器1による照射を行えるように、制御装置2をリアルタイムに制御することを特徴とする、指定位置照射装置とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両等の移動体に設置する照射装置であって、指向性照明またはレーザー光を照射する照射機器(1)と、照射機器(1)の照射方向を制御する制御装置(2)と、を備え、各種計測機器により得る、本指定位置照射装置の絶対位置座標と姿勢角の情報、および、既存情報から得る、照射の目標とする絶対位置座標の情報、を含む情報を用いた演算により、照射の目標位置へ向けて照射機器(1)による照射を行えるように、制御装置(2)をリアルタイムに制御することを特徴とする、指定位置照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などの移動体上から、任意の位置に向けて、指向性照明またはレーザー光を照射するのに好適な、指定位置照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吹雪の中での車両運転では、視界不良により自車が道路上のどの位置にいるのかが分からなくなる場合があり、これにより道路逸脱事故が発生している。この対策のため、特許文献1には、道路の外側線等に向けてラインレーザー光を照射してライン標示を行う、視線誘導装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-128684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吹雪の中での車両運転では、視界不良により自車が道路上のどの位置にいるのかが分からなくなる場合があり、これにより道路逸脱事故が発生しているため、車両の運転者に対して道路の外側線などを明示する対策が有効である。
【0005】
特許文献1には、道路の外側線等に向けてラインレーザー光を照射してライン標示を行う、視線誘導装置が開示されているが、固定支柱に設置される装置であるため、車両の運転者は装置を設置した周辺でしか道路の外側線等の位置を把握できないものとなっている。
【0006】
本発明は、車両が移動していても車両の運転者が道路の外側線などの位置を常に把握できるようにするために、車両などの移動体上に設置した照射装置により、道路の外側線などの任意位置に向けて指向性照明またはレーザー光を照射して、道路の外側線などの位置をリアルタイムに明示することができる、指定位置照射装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
車両等の移動体に設置する照射装置であって、指向性照明またはレーザー光を照射する照射機器1と、照射機器1の照射方向を制御する制御装置2と、を備え、各種計測機器により得る、本指定位置照射装置の絶対位置座標と姿勢角の情報、および、既存情報から得る、照射の目標とする絶対位置座標の情報、を含む情報を用いた演算により、照射の目標位置へ向けて照射機器1による照射を行えるように、制御装置2をリアルタイムに制御することを特徴とする、指定位置照射装置とする。
【発明の効果】
【0008】
本指定位置照射装置内または本指定位置照射装置を設置する移動体に設置される、GNSS受信機3、ジャイロセンサー4、などの各種計測機器により、本指定位置照射装置の絶対位置座標と姿勢角を含む情報を得る。また、既存の数値地図情報や事前に計測して作成した数値地図情報などから、照射の目標とする絶対位置座標を定める。
こうして得られた、本指定位置照射装置の絶対位置座標と姿勢角を含む情報、および照射の目標とする絶対位置座標の情報、を用いた演算により、制御装置2の制御を行うことで、照射の目標とする位置へ向けて、照射機器1による照射を行うことができる。
【0009】
車両等の移動体から指定位置への照射を行って、道路の外側線などを明示することで、吹雪などの視界不良時において視線誘導の効果が得られるほか、除雪作業において除雪車両走行位置の目安となる効果が得られる。(除雪車両による除雪作業では、ガードレールなどの道路附属物が雪に埋まっていたりして、自車の位置を把握するための情報が少ないため、どの位置を走行して除雪すれば良いのかの判断が難しい。)
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の模式図である。
図2】実施例2の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
車両等の移動体に設置する照射装置であって、指向性照明またはレーザー光を照射する照射機器1と、照射機器1の照射方向を制御する制御装置2と、を備え、各種計測機器により得る、本指定位置照射装置の絶対位置座標と姿勢角の情報、および、既存情報から得る、照射の目標とする絶対位置座標の情報、を含む情報を用いた演算により、照射の目標位置へ向けて照射機器1による照射を行えるように、制御装置2をリアルタイムに制御することを特徴とする、指定位置照射装置とする。
【0012】
図1に、本指定位置照射装置の実施例1を示す。実施例1では、照射機器1を、ライン状にレーザー光を照射するレーザー発振器とし、制御装置2を3軸(パン・チルト・ロール)の電動雲台としている。また、車輌のキャビン上部に本指定位置照射装置を設置し、道路外側線の位置へ向けて、視線誘導となるライン状のレーザー光を照射している。ここでは、本指定位置照射装置にそれぞれ搭載した、GNSS受信機3により絶対位置座標を取得し、ジャイロセンサー4により姿勢角を取得し、演算装置5により演算を行っている。
【0013】
図2に、本指定位置照射装置の実施例2を示す。本指定位置照射装置は、自車の進行方向数メートル地点に視線誘導となる照射を行うのみであれば、制御装置2を実施例1よりも簡易なものとすることもできる。実施例2では、照射機器1を、ライン状の照射範囲に照射することができる指向性照明装置とし、制御装置2を1軸(ロール)の電動雲台としている。また、車輌のキャビン上部に本指定位置照射装置を設置し、道路車線中央位置へ向けて、視線誘導となるライン状の照射光を照射している。ここでは、本指定位置照射装置にそれぞれ搭載した、GNSS受信機3により絶対位置座標を取得し、ジャイロセンサー4により姿勢角を取得し、演算装置5により演算を行っている。
【0014】
図1および図2に示した実施例1および実施例2は、本発明の実施例に過ぎず、本指定位置照射装置の形状・設置位置・照射範囲・照射方向、照射機器1の種類・形状、制御装置2の構造・形状、GNSS受信機3やジャイロセンサー4など各種計測機器の種類・設置位置、演算装置5の設置位置、等を限定するものではない。
【0015】
各種計測機器としてIMU(慣性計測装置)を用いることで、GNSSの受信状態が悪い場合でも、本指定位置照射装置の絶対位置座標を推計することができるほか、IMUはジャイロセンサー4としての機能も持っているためジャイロセンサー4の代替ともなる。
【0016】
GNSSによる絶対位置座標の取得では、一般的に平面位置と比較して高さ位置の精度が悪いため、本指定位置照射装置の対地高さの情報を、前記演算に用いる情報に含めることも考えられる。これにより、本指定位置照射装置の高さ位置座標の精度向上が見込める。本指定位置照射装置の対地高さ情報の取得方法としては、レーザー距離計などによるリアルタイム計測のほか、車両への取り付け高さの事前計測などが考えられる。
【0017】
車両等の移動体には、本指定位置照射装置とは関係なく、GNSS受信機3やジャイロセンサー4などの各種計測機器や演算装置5が搭載されることがあるため、これらの機器や演算装置5を用いて、本指定位置照射装置の制御に必要な情報を取得したり演算したりすることも考えられる。
【0018】
本指定位置照射装置では、実用上、いわゆるセンチメートル級以上のGNSS測位精度が必要と考えられるが、GNSSの測位方式について限定するものではない。
【符号の説明】
【0019】
1 照射機器
2 制御装置
3 GNSS受信機
4 ジャイロセンサー
5 演算装置
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-01-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
車両等の移動体に設置する照射装置であって、指向性照明またはレーザー光を照射する照射機器(1)と、照射機器(1)の照射方向を制御する制御装置(2)と、を備え、各種計測機器により得る、本指定位置照射装置の絶対位置座標と姿勢角の情報、および、既存情報から得る、照射の目標とする絶対位置座標の情報、を含む情報を用いた演算により、道路の外側線や車線中央等の道路横断方向位置を識別できる照射の目標位置へ向けて照射機器(1)による照射を行えるように、制御装置(2)をリアルタイムに制御することを特徴とする、指定位置照射装置。