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特開2023-152280支払いを処理するためのシステム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152280
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】支払いを処理するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/24 20120101AFI20231005BHJP
   G06Q 20/22 20120101ALI20231005BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q20/22
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141281
(22)【出願日】2022-09-06
(62)【分割の表示】P 2022062155の分割
【原出願日】2022-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】518375683
【氏名又は名称】株式会社UPSIDER
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】石神 直樹
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA51
5L055AA52
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】 様々な取引における支払いの利便性を向上させる。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る支払処理サーバ10は、通信ネットワーク20を介して通信可能に接続されているユーザ端末30を操作するユーザに対して支払処理サービスを提供する。当該支払処理サーバ10は、支払者に対する請求情報に含まれる請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定し、当該決済用カードを利用して当該決済額を決済するから、支払者は、請求書払い等の請求額を、クレジットカード等の決済用カードを利用して支払うことが可能となる。さらに、支払者は、複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することもできるから、例えば、複数の決済用カードの利用限度額を合算して活用する支払いが可能となる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、支払いを処理するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
少なくとも請求額の情報を含む請求情報を取得するステップと、
前記請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定するステップと、
設定された決済用カードを利用して前記決済額を決済するための承認要求処理を行うステップと、を実行し、
前記決済用カードを設定するステップは、足し合わせると少なくとも前記決済額以上となるように複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することを含む、
システム。
【請求項2】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記請求情報に含まれる請求元に対して前記請求額を支払うための支払処理を行うステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記決済用カードを設定するステップは、ユーザによる指示に従って、前記複数に分割された決済額を設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項4】
前記決済用カードを設定するステップは、予め設定されたルールに従って、前記複数に分割された決済額を自動的に設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記決済用カードを設定するステップは、指定された金額となるように、前記複数に分割された決済額を設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項6】
前記決済用カードを設定するステップは、指定された割合となるように、前記複数に分割された決済額を設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項7】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、決済用カードを登録するステップを実行し、
前記決済用カードを設定するステップは、複数の登録済み決済用カードの中から、前記複数の決済用カードを設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項8】
前記決済用カードを設定するステップは、予め設定されたルールに従って、前記複数の決済用カードを自動的に設定することを含む、
請求項7のシステム。
【請求項9】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記複数の登録済み決済用カードの各々の優先度を設定するステップを実行し、
前記決済用カードを設定するステップは、前記複数の登録済み決済用カードの各々の優先度に少なくとも基づいて、前記複数の決済用カードを自動的に設定することを含む、
請求項8のシステム。
【請求項10】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記複数の登録済み決済用カードの各々の利用限度額を設定するステップを実行し、
前記決済用カードを設定するステップは、前記複数の登録済み決済用カードの各々の利用限度額に少なくとも基づいて、前記複数の決済用カードを自動的に設定することを含む、
請求項8のシステム。
【請求項11】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記複数の決済用カードの全ての承認要求処理が成功した場合に、前記複数の決済用カードの各々を利用した決済を確定するための決済確定処理を行うステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項12】
前記承認要求処理を行うステップは、前記複数の決済用カードの一部の承認要求処理が失敗した場合に、前記複数の決済用カードの全ての承認要求処理を取り消すことを含む、
請求項1のシステム。
【請求項13】
前記承認要求処理を行うステップは、前記複数の決済用カードのうち、承認要求処理が失敗した決済用カードを通知することを含む、
請求項12のシステム。
【請求項14】
前記承認要求処理を行うステップは、前記複数の決済用カードに含まれる第1決済用カードの承認要求処理が失敗した場合に、前記第1決済用カードに代えて、前記複数の決済用カードに含まれない第2決済用カードを自動的に設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項15】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記請求情報に少なくとも基づいて、前記決済額の分割を提案するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項16】
前記決済用カードを設定するステップは、設定された決済用カードを利用した場合の報酬を通知することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項17】
前記決済用カードを設定するステップは、複数月払いの指定を受け付けることを含む、
請求項1のシステム。
【請求項18】
前記決済用カードを設定するステップは、設定された決済用カードを利用した決済のための承認要求処理を行う決済日の指定を受け付けることを含み、
前記承認要求処理を行うステップは、指定された決済日において承認要求処理を行うことを含む、
請求項1のシステム。
【請求項19】
1又は複数のコンピュータによって実行され、支払いを処理するための方法であって、
少なくとも請求額の情報を含む請求情報を取得するステップと、
前記請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定するステップと、
設定された決済用カードを利用して前記決済額を決済するための承認要求処理を行うステップと、を備え、
前記決済用カードを設定するステップは、足し合わせると少なくとも前記決済額以上となるように複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することを含む、
方法。
【請求項20】
支払いを処理するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
少なくとも請求額の情報を含む請求情報を取得するステップと、
前記請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定するステップと、
設定された決済用カードを利用して前記決済額を決済するための承認要求処理を行うステップと、を実行させ、
前記決済用カードを設定するステップは、足し合わせると少なくとも前記決済額以上となるように複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支払いを処理するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オンラインショッピング等の個人による取引において、クレジットカード、プリペイドカード、及び、デビットカード等の決済用カードを用いた決済が行われている(例えば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-348621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、BtoB(企業間)取引では、請求書払いが一般的であり、上述したような決済用カードを用いた決済は一般的であるとは言えない。したがって、例えば、企業等の法人による様々な取引においても、こうした決済用カードを用いた決済が利用可能となれば便利である。
【0005】
本発明の実施形態は、様々な取引における支払いの利便性を向上させることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、支払いを処理するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、少なくとも請求額の情報を含む請求情報を取得するステップと、前記請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定するステップと、設定された決済用カードを利用して前記決済額を決済するための承認要求処理を行うステップと、を実行し、前記決済用カードを設定するステップは、足し合わせると少なくとも前記決済額以上となるように複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することを含む。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、支払いを処理するための方法であって、少なくとも請求額の情報を含む請求情報を取得するステップと、前記請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定するステップと、設定された決済用カードを利用して前記決済額を決済するための承認要求処理を行うステップと、を備え、前記決済用カードを設定するステップは、足し合わせると少なくとも前記決済額以上となるように複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することを含む。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、支払いを処理するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、少なくとも請求額の情報を含む請求情報を取得するステップと、前記請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定するステップと、設定された決済用カードを利用して前記決済額を決済するための承認要求処理を行うステップと、を実行させ、前記決済用カードを設定するステップは、足し合わせると少なくとも前記決済額以上となるように複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、様々な取引において柔軟な決済を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る支払処理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
図2】ユーザ情報テーブル152が管理する情報を例示する図。
図3】請求情報管理テーブル154が管理する情報を例示する図。
図4】決済管理テーブル156が管理する情報を例示する図。
図5】クレジットカードによる決済を行う際に支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
図6】請求情報入力画面60を例示する図。
図7】カード決済登録画面70を例示する図。
図8】複数カード決済登録画面80を例示する図。
図9】決済日の指定がある決済のオーソリ処理を行う際に支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
図10】決済の売上処理を行う際に支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
図11】金融機関の口座への振込処理を行う際に支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る支払処理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。支払処理サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されている。図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、支払処理サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。また、支払処理サーバ10は、同じく通信ネットワーク20を介して金融機関システム50及び決済用カードシステム52と通信可能に接続されている。支払処理サーバ10は、ユーザ端末30を操作するユーザに対して支払処理サービスを提供する。支払処理サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、支払処理サーバ10のハードウェア構成について説明する。支払処理サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU、GPU又はFPGA等、またはそれらを含む回路により構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、図1に示すように、支払処理サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル152と、ユーザに対応する支払者(ユーザ自身、又は、ユーザが所属する法人等を含む。)に対する請求に関する情報を管理する請求情報管理テーブル154と、支払者の決済用カードを用いた決済に関する情報を管理する決済管理テーブル156とを有する。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、支払処理サーバ10を、支払処理サービスを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する端末側プログラム42を介してユーザ端末30側において実行されるように構成され得る。
【0018】
本実施形態において、支払処理サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、支払処理サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成された支払処理サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有し、ユーザ端末30にインストールされている端末側プログラム42からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力される。
【0020】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU、GPU又はFPGA等、またはそれらを含む回路により構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ35は、上述した端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、支払処理サービス用のアプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0025】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、又はパーソナルコンピュータ等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35等にインストールされている端末側プログラム42を介した支払処理サーバ10との通信を実行することによって、支払処理サーバ10が提供する支払処理サービスを利用することができる。
【0027】
次に、このように構成された支払処理サーバ10が有する機能について説明する。支払処理サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部112、カード決済管理部114、及び、支払管理部116として機能するように構成されている。
【0028】
管理機能制御部112は、支払処理サービスの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部112は、管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。管理機能制御部112によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、及び、ユーザ情報の管理等を含む。
【0029】
カード決済管理部114は、決済用カードを利用した決済の管理に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、カード決済管理部114は、当該決済の管理に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。
【0030】
本実施形態において、カード決済管理部114は、ユーザに対応する支払者に対する請求情報(当該支払者を請求先とする請求情報)を取得するように構成されている。例えば、カード決済管理部114は、ユーザ端末30において出力される画面を介してユーザによって入力された請求情報を取得する。また、例えば、カード決済管理部114は、こうした請求情報を、支払者によって管理される会計管理システム等のシステムから通信ネットワーク20を介して取得する。取得した請求情報は、例えば、請求情報管理テーブル154において管理される。
【0031】
また、カード決済管理部114は、取得した請求情報に含まれる請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定するように構成されている。決済額は、請求額に基づいて算出され、例えば、当該請求額に対して所定の手数料(決済手数料、及び、振込手数料等の様々な手数料を含み得る。)を加算した金額が決済額とされる。なお、印紙税等の税が発生する場合は手数料に税を加えてもよい。例えば、カード決済管理部114は、ユーザ端末30において出力される画面を介してユーザによって特定された決済用カードを、決済に利用する決済用カードとして設定する。また、例えば、カード決済管理部114は、予め登録されている1又は複数の決済用カードの中から自動的に特定された決済用カードを、決済に利用する決済用カードとして設定する。
【0032】
本実施形態において、決済用カードは、決済に利用可能な様々なカード(物理的なカード又は仮想的なカードを含む。)を含み、これらに限定されないが、例えば、クレジットカード、プリペイドカード、及び、デビットカード等を含む。
【0033】
また、カード決済管理部114は、設定された決済用カードを利用して決済額を決済するための承認要求処理を行うように構成されている。承認要求処理は、決済用カードの利用の承認を、決済用カード会社に対して要求する処理であり、オーソリ処理と呼ばれることもある。また、承認要求処理と同じタイミングで、又は、これとは別のタイミングで、決済額に対応する売上を計上する(決済を確定させる)ための決済確定処理(売上処理)が行われ、これらの一連の処理は、決済処理と呼ばれることがある。こうした決済処理は、例えば、決済用カードシステム52との間の通信を伴って実現され、例えば、支払処理サービスの提供者が決済用カードの加盟店とされる。例えば、承認要求処理では、オーソリデータとして、決済用カード情報、決済額、及び、加盟店情報等が決済用カードシステム52に送信され、決済用カードシステム52では、これらの情報、及び、対応する与信情報に基づいて、決済用カードの利用(決済)の可否が判断される。承認要求処理(つまり、決済用カード会社による承認)が成功すると、決済額の利用枠が確保される。また、決済確定処理では、売上データとして、決済用カード情報、決済額、及び、加盟店情報等が決済用カードシステム52に送信され、決済用カードシステム52では、これらの情報に基づいて、売上が計上される。すなわち、カード決済管理部114は、承認要求処理にて決済用カードシステム52において利用可能な金額枠のうち決済額分を仮として確保し、決済確定処理にて決済用カードシステム52において利用可能な金額枠のうち決済額分を利用することを確定させる。決済確定処理は、クリアリング処理と呼ばれることもある。
【0034】
本実施形態において、決済額は、複数に分割することができ、分割後の複数の決済額に対して、相互に異なる複数の決済用カードがそれぞれ設定され得る。つまり、カード決済管理部114は、複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定するように構成されている。複数に分割された決済額を足し合わせると、分割前の決済額に一致し、又は、分割前の決済額を超える(例えば、所定の分割手数料が加算されている場合)。複数に分割された決済額は、同じ金額であってもよいし、相互に異なる金額であってもよい。また、複数の決済用カードの各々についての決済処理は、別々に行われる。
【0035】
支払管理部116は、請求情報に含まれる請求額の支払に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、支払管理部116は、当該請求情報に含まれる請求元に対して請求額を支払うための支払処理を行うように構成されている。支払処理は、例えば、請求元が指定する振込先の金融機関の口座に対する振込処理を含む。例えば、支払管理部116は、支払者に対応するユーザからの指示に応じて、又は、自動的に、支払処理を行う。こうした支払処理は、対応する金融機関システム50との間の通信を伴って実現され得る。
【0036】
このように、本実施形態における支払処理サーバ10は、支払者に対する請求情報に含まれる請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定し、当該決済用カードを利用して当該決済額を決済するから、支払者は、請求書払い等の請求額を、クレジットカード等の決済用カードを利用して支払うことが可能となる。さらに、支払者は、複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することもできるから、例えば、複数の決済用カードの利用限度額を合算して活用する支払いが可能となる。このように、支払処理サーバ10は、様々な取引における支払いの利便性を向上させる。
【0037】
本実施形態において、決済額の分割は、様々な態様で実現され得る。例えば、カード決済管理部114は、支払者に対応するユーザによる指示に従って、分割された決済額を設定するように構成され得る。こうした指示は、例えば、ユーザ端末30において出力される画面を介して行われる。また、カード決済管理部114は、予め設定されたルール(ユーザによって指定されたルールを含む。)に従って、分割された決済額を自動的に設定するように構成され得る。こうした構成は、決済額の手動又は自動での分割を可能とする。
【0038】
また、決済額を分割する際に、分割後の決済額の金額の指定を伴うようにしてもよい。つまり、カード決済管理部114は、指定された金額となるように、分割された決済額を設定するように構成され得る。こうした構成は、金額を指定した決済額の分割を可能とする。
【0039】
また、決済額を分割する際に、分割後の決済額の割合(比率)の指定を伴うようにしてもよい。つまり、カード決済管理部114は、指定された割合となるように、分割された決済額を設定するように構成され得る。こうした構成は、割合を指定した決済額の分割を可能とする。
【0040】
本実施形態において、決済用カードの設定は、様々な態様で実現され得る。例えば、カード決済管理部114は、支払者に対応するユーザによる指示に従って、利用する決済用カードを設定するように構成され得る。こうした指示は、例えば、ユーザ端末30において出力される画面を介して行われる。また、カード決済管理部114は、予め設定されたルールに従って、利用する決済用カードを自動的に設定するように構成され得る。こうした構成は、決済用カードの手動又は自動での設定を可能とする。
【0041】
本実施形態において、支払者の決済用カードを予め登録できるようにしてもよい。例えば、カード決済管理部114は、支払者の複数の決済用カードを登録するように構成され得る。例えば、ユーザ端末30において出力される画面を介して入力された決済用カード情報が、ユーザ情報テーブル152に登録される。また、カード決済管理部114は、登録済み決済用カードの中から特定された決済用カードを利用する決済用カードとして設定するように構成され得る。こうした構成は、決済用カードを予め登録しておくことを可能とする。
【0042】
また、複数の登録済み決済用カードの各々の優先度を設定できるようにしてもよい。この場合、カード決済管理部114は、複数の登録済み決済用カードの各々の優先度に少なくとも基づいて、利用する決済用カードを自動的に設定するように構成され得る。こうした構成は、決済用カードの優先度に基づく決済用カードの自動設定を可能とする。
【0043】
また、複数の登録済み決済用カードの各々の利用限度額を設定できるようにしてもよい。この場合、カード決済管理部114は、複数の登録済み決済用カードの各々の利用限度額に少なくとも基づいて、利用する決済用カードを自動的に設定するように構成され得る。こうした構成は、決済用カードの利用限度額に基づく決済用カードの自動設定を可能とする。
【0044】
また、カード決済管理部114は、分割された決済額の決済に利用する複数の決済用カードの一部の承認要求処理(つまり、決済用カード会社による承認)が失敗した場合に、これらの複数の決済用カードの全ての承認要求処理を取り消すように構成され得る。この場合、複数の決済用カードの全ての承認要求処理が成功した場合に、対応する決済確定処理が行われることになる。また、この場合、複数の決済用カードのうち、承認要求処理が失敗した決済用カードを通知するようにしてもよい。例えば、ユーザ端末30に出力される画面において、承認要求処理が失敗した決済用カード情報が表示される。こうした構成は、承認要求処理が失敗した決済用カードをユーザに知らせることを可能とする。
【0045】
また、複数の決済用カードの一部の承認要求処理が失敗した場合に、他の決済用カードを自動的に設定するようにしてもよい。例えば、カード決済管理部114は、分割された決済額の決済に利用する複数の決済用カードに含まれる特定の決済用カードの承認要求処理が失敗した場合に、当該特定の決済用カードに代えて、これらの複数の決済用カード以外の他の(予め登録されている)決済用カードを自動的に設定するように構成され得る。こうした構成は、承認要求処理が失敗した決済用カードの他のカードへの自動的な変更を可能とする。
【0046】
本実施形態において、請求情報に少なくとも基づいて、当該請求情報に含まれる請求額に基づく決済額の分割を提案するようにしてもよい。例えば、カード決済管理部114は、請求情報に含まれる様々な情報(例えば、請求元、請求額、及び、支払期限等)が所定条件を充足する場合に、決済額の分割を提案する。例えば、カード決済管理部114は、請求額が閾値を超える場合、請求額が登録済み決済用カードの与信(利用限度額)を超える場合、請求元が特定の請求元である場合、及び、支払期限が所定の期日以内である場合に決済額の分割を提案する。また、カード決済管理部114は、1枚の決済用カードでの承認要求処理が失敗した場合に、決済額の分割(つまり、複数の決済用カードの利用)を提案する。こうした提案は、例えば、ユーザ端末30において出力される画面を介して行われる。こうした構成は、決済額の適切な分割を促進する。
【0047】
また、カード決済管理部114は、設定された決済用カードを利用した場合の報酬(例えば、得られるポイント等を含む。)を通知するように構成され得る。こうした通知は、例えば、ユーザ端末30において出力される画面を介して行われる。こうした構成は、支払者に対応するユーザが、得られる報酬を考慮しながら決済用カードを設定することを可能とする。
【0048】
また、カード決済管理部114は、決済用カードの設定の際に、決済額の複数月払いの指定を受け付けるように構成され得る。例えば、カード決済管理部114は、複数月払いの指定を受け付けた場合には、複数月払いの指定を伴って上述した決済処理を行うことになる。こうした構成は、支払者に対応するユーザが、決済用カードの設定の際に複数月払いの指定を行うことを可能とする。
【0049】
また、カード決済管理部114は、決済用カードの設定の際に、承認要求処理を行う決済日(決済用カードの利用日)の指定を受け付けるように構成され得る。指定された決済日は、例えば、決済管理テーブル156において管理される。例えば、カード決済管理部114は、決済日の指定を受け付けた場合には、指定された決済日において承認要求処理を行うことになる。複数の決済用カードを設定する場合には、複数の決済用カードの各々について、相互に異なる決済日を指定できるようにしてもよい。こうした構成は、支払者に対応するユーザが、決済日の指定を行うことを可能とする。例えば、決済日をクレジットカードの締め日よりも後の日付となるようにユーザが指定可能とすることによって、クレジットカードの利用額の支払日を遅らせることができ、この結果、支払者の良好な資金繰りを支援する。
【0050】
次に、このような機能を有する本実施形態の支払処理サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この具体例における支払処理サービスは、金融機関の口座振込の請求書を受領した支払者が、口座振込に代えて、クレジットカードによる支払を行うためのサービスとして構成されている。
【0051】
まず、この例において、各テーブルが管理する情報について説明する。図2は、この例において、ユーザ情報テーブル152が管理する情報を例示する。この例におけるユーザ情報テーブル152は、支払処理サービスのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザID」に対応付けて、名称、連絡先等を含む「基本情報」、1番目のクレジットカードに関する情報である「第1クレジットカード情報」、2番目のクレジットカードに関する情報である「第2クレジットカード情報」、3番目のクレジットカードに関する情報である「第3クレジットカード情報」等の情報を管理する。
【0052】
この例では、支払者が請求額の支払い(正確に言うと、当該請求額に基づく決済額の決済)に利用する決済用カードとしてのクレジットカードを3枚まで予め登録することができ、第1~第3クレジットカード情報の各々には、こうしたクレジットカードに関する情報が設定される。クレジットカード情報は、カード番号、有効期限、及び、カード名義人を含む。なお、クレジットカード情報の一部として、CVC番号等のセキュリティコードを記録しておいてもよい。
【0053】
また、この例では、登録されている3枚のクレジットカードには、優先度が設定されている。具体的には、第1クレジットカード情報が最も優先度が高いクレジットカードに対応しており、第2クレジットカード情報が2番目に優先度が高いクレジットカードに対応しており、第3クレジットカード情報が最も優先度が低いクレジットカードに対応している。詳しくは後述するが、クレジットカードに設定されている優先度は、クレジットカードの自動的な初期設定の際に利用される。
【0054】
図3は、この例において、請求情報管理テーブル154が管理する情報を例示する。この例における請求情報管理テーブル154は、支払者に対する請求に関する情報を管理し、図示するように、個別の請求を識別する「請求ID」に対応付けて、対応するユーザを識別する「ユーザID」、この請求の振込先に関する情報である「振込先情報」、ユーザによって指定された振込日である「振込指定日」、「振込依頼人」、「振込金額」等の情報を管理する。
【0055】
図4は、この例において、決済管理テーブル156が管理する情報を例示する。この例における決済管理テーブル156は、支払者によるクレジットカード決済に関する情報を管理し、図示するように、個別の決済を識別する「決済ID」に対応付けて、対応する請求を識別する「請求ID」、決済に利用するクレジットカードに関する情報である「クレジットカード情報」、ユーザによって指定された決済日(クレジットカードの利用日)である「決済指定日」、売上処理(決済確定処理)が行われる日付である「売上処理日」、「決済額」等の情報を管理する。
【0056】
以上、この例において、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例において、支払処理サーバ10が実行する処理、及び、ユーザ端末30において出力される画面等について説明する。図5は、クレジットカードによる決済を行う際に、支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。支払処理サーバ10は、まず、図示するように、請求情報を登録する(ステップS100)。この例において、請求情報は、ユーザ端末30において出力される画面を介してユーザによって入力される。なお、請求書の画像に含まれる請求情報をOCRによって取得できるようにしてもよい。
【0057】
図6は、ユーザ端末30において出力される請求情報入力画面60を例示する。当該画面60は、ユーザが請求情報を入力するための画面であり、図示するように、振込先情報を入力するための振込先情報入力領域62と、振込情報を入力するための振込情報入力領域64と、「次へ」というテキストが付加された続行ボタン66とを有する。
【0058】
振込先情報入力領域62を介して入力される振込先情報は、具体的には、図示するように、振込先の金融機関、支店、口座種別、及び、口座番号を含む。また、振込情報入力領域62を介して入力される振込情報は、具体的には、振込金額、振込人名義(振込依頼人)、及び、振込指定日を含む。ユーザは、例えば、取引先等から受領した請求書等に含まれる情報に基づいて、これらの項目を入力する。なお、複数の振込先情報を予め登録できるようにし、これらの複数の振込先情報の中から選択された情報が振込先情報入力領域62に入力されるようにしてもよい。この例では、振込指定日は、対応するクレジットカード決済のオーソリ処理が行われる決済日から3営業日以降の日付が指定可能となっている。なお、営業日は金融機関の営業日であってもよいし、支払処理サービスの提供者の営業日であってもよい。また、オーソリ処理が行われる決済日から振込指定日を指定できない期間は、支払処理サービスの提供者により任意の期間が設定されてよい。
【0059】
続行ボタン66が選択されると、領域62、64を介して入力された請求情報が登録される。具体的には、支払処理サーバ10は、請求情報管理テーブル154に新たなレコードを生成し、請求ID、ユーザID、振込先情報、振込指定日、振込依頼人、及び、振込金額を設定する。
【0060】
図5のフローチャートに戻り、こうして請求情報を登録すると、次に、支払処理サーバ10は、決済用のクレジットカードを設定する(ステップS110)。設定されるクレジットカードは、図7に例示するカード決済登録画面70を介してユーザによって入力される。当該画面70は、上述した請求情報入力画面60の続行ボタン66の選択に応じて、当該画面60に代えて出力される。
【0061】
カード決済登録画面70は、図示するように、クレジットカードによる決済額に関する情報を表示する決済額情報表示領域72と、決済用に設定するクレジットカードに関する情報を入力するための決済用カード情報入力領域74と、複数カード決済ボタン76と、確定ボタン78とを有する。
【0062】
決済額情報表示領域72は、対応する請求情報に含まれる振込金額、手数料、及び、クレジットカードによる決済額を表示する。手数料は、この例の支払処理サービスを利用するための手数料であり、この例では、振込金額(つまり、元の請求額)の4%である。そして、振込金額に手数料を加えた金額が、クレジットカードによる決済額となる。
【0063】
決済用カード情報入力領域74を介して入力されるクレジットカード情報は、具体的には、カード番号、有効期限、CVC番号(セキュリティコード)、カード名義人、及び、決済指定日を含む。これらのデータ項目のうち、決済指定日は入力が任意の項目である。入力された決済指定日が、対応する請求情報に含まれる振込指定日の3営業日前の日付以降である場合に、エラーとするようにしてもよい。
【0064】
また、この例では、ユーザに関連付けて予めクレジットカードが登録されている場合には、登録されているクレジットカードに関する情報が領域74に初期設定される。具体期には、ユーザ情報テーブル152の第1クレジットカード情報(最も優先度の高いクレジットカードに相当する。)に登録されている情報(カード番号、有効期限、及び、カード名義人)が初期設定される。
【0065】
また、決済用カード情報入力領域74には、その右上隅において、登録済みカードボタン742が配置されている。当該ボタン742が選択されると、対応するユーザに関連付けて予め登録されているクレジットカードを一覧表示する図示しない画面が出力され、当該画面を介してユーザによって指定されたクレジットカードに関する情報が、決済用カード情報入力領域74に反映される。なお、ユーザは、決済用カード情報入力領域74における各項目について手入力することもできる。
【0066】
確定ボタン78が選択されると、領域74を介して入力されたクレジットカードを利用した決済の情報が登録される。具体的には、支払処理サーバ10は、決済管理テーブル156に新たなレコードを生成し、決済ID、請求ID、クレジットカード情報、決済指定日、決済額を設定する。
【0067】
カード決済登録画面70の複数カード決済ボタン76は、クレジットカードによる決済額を2つに分割して、相互に異なる2つのクレジットカードを利用して決済するためのボタンである。当該ボタン76が選択されると、カード決済登録画面70に代えて、図8に例示する複数カード決済登録画面80が出力される。当該画面80は、図示するように、分割前の決済額に関する情報を表示する決済額情報表示領域82と、決済用に設定する2つのクレジットカードに関する情報をそれぞれ入力するための第1決済用カード情報入力領域84及び第2決済用カード情報入力領域85と、決済額を自動的に分割するための金額自動分割ボタン86と、カード決済登録画面70へと戻るための戻るボタン87と、確定ボタン88とを有する。
【0068】
第1及び第2決済用カード情報入力領域84、85の各々は、カード番号、有効期限、CVC番号、カード名義人、及び、決済指定日に加えて、分割後の決済額を入力できるように構成されている。ユーザは、第1及び第2決済用カード情報入力領域84、85の各々の決済額の合計が、決済額情報表示領域82に表示されている分割前の決済額と同一となるように、領域84、85の各々の決済額(分割後の決済額)を設定する。なお、決済額の分割手数料が発生するようにしてもよく、この場合、領域84、85の各々の決済額の合計は、分割前の決済額に分割手数料を加えた金額と同一となる。
【0069】
この例では、対応するユーザに関連付けて予めクレジットカードが登録されている場合には、登録されているクレジットカードに関する情報が領域84、85に初期設定される。具体期には、ユーザ情報テーブル152の第1クレジットカード情報(最も優先度の高いクレジットカードに相当する。)に登録されている情報が第1決済用カード情報入力領域84に初期設定され、ユーザ情報テーブル152の第2クレジットカード情報(2番目に優先度の高いクレジットカードに相当する。)に登録されている情報が第2決済用カード情報入力領域85に初期設定される。なお、ユーザは、領域84、85にそれぞれ配置されている登録済みカードボタン842、852の選択を介して、予め登録されているクレジットカードの中から設定するクレジットカードを手動で指定することもできる。
【0070】
金額自動分割ボタン86が選択されると、第1及び第2決済用カード情報入力領域84、85の各々の決済額が自動的に設定される。この例では、分割前の決済額を2等分した値が、領域84、85の各々の決済額に設定される。
【0071】
確定ボタン88が選択されると、領域84、85を介して入力された2つのクレジットカードをそれぞれ利用した2つの決済の情報が登録される。具体的には、支払処理サーバ10は、決済管理テーブル156に新たな2つのレコードを生成し、決済ID、請求ID、クレジットカード情報、決済指定日、決済額をそれぞれ設定する。請求IDには、同じ値が設定される。
【0072】
図5のフローチャートに戻り、こうして決済用のクレジットカードを設定すると、次に、支払処理サーバ10は、決済日の指定がない決済について、オーソリ処理(承認要求処理)を実行する(ステップS120)。具体的には、設定されたクレジットカードに対応する決済用カードシステム52(クレジットカード会社システム)に対して、オーソリゼーション(クレジットカードによる取引の承認)を要求する。オーソリ処理は、決済額を2つに分割している場合には、設定された2つのクレジットカードの各々について別々に行われる。
【0073】
ここで、オーソリ処理が失敗した場合、所定のエラー処理が行われ、カード決済登録画面70又は複数カード決済登録画面80へと戻る。例えば、設定されたクレジットカードが有効でない場合(例えば、セキュリティコード等のクレジットカード情報の一部の入力ミスがあった場合を含む。)、又は、当該クレジットカードの利用限度額を超えてしまう場合にオーソリ処理が失敗する。
【0074】
また、この例では、決済額を2つに分割している場合には、一方のクレジットカードについてのオーソリ処理が失敗すると、他方のクレジットカードについてのオーソリ処理が成功していても、当該オーソリ処理は取り消される。そして、複数カード決済登録画面80において、2つのクレジットカードのうち、オーソリ処理が失敗したクレジットカードが特定される(例えば、第1決済用カード情報入力領域84又は第2決済用カード情報入力領域85において、オーソリ処理の失敗の通知が表示される。)。ユーザは、オーソリ処理が失敗したクレジットカードを他のクレジットカードに変更する。
【0075】
こうしてオーソリ処理を実行すると、続いて、支払処理サーバ10は、売上処理日を設定する(ステップS130)。具体的には、この例では、オーソリ処理日(つまり、当日)から3営業日後の日付が売上処理日に設定される。
【0076】
図9は、決済日の指定がある決済のオーソリ処理を行う際に支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。これらの処理は、毎営業日の所定時刻において実行される。支払処理サーバ10は、まず、図示するように、当日が決済指定日である決済情報を抽出する(ステップS200)。具体的には、決済管理テーブル156の決済指定日が当日であるレコードが抽出される。
【0077】
続いて、支払処理サーバ10は、抽出した決済のオーソリ処理を実行する(ステップS210)。具体的には、各決済について、対応する決済用カードシステム52に対して、対応するクレジットカードのオーソリゼーション(クレジットカードによる取引の承認)を要求する。
【0078】
ここで、オーソリ処理が失敗した場合、所定のエラー処理が行われ、例えば、ユーザの連絡先(メールアドレス等)に対する通知が行われる。
【0079】
こうしてオーソリ処理を実行すると、続いて、支払処理サーバ10は、売上処理日を設定する(ステップS220)。具体的には、この例では、オーソリ処理日(つまり、当日)から3営業日後の日付が売上処理日に設定される。
【0080】
図10は、決済の売上処理(決済確定処理)を行う際に支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。これらの処理は、毎営業日の所定時刻において実行される。支払処理サーバ10は、まず、図示するように、当日が売上処理日である決済情報を抽出する(ステップS300)。具体的には、決済管理テーブル156の売上処理日が当日であるレコードが抽出される。
【0081】
続いて、支払処理サーバ10は、抽出した決済の売上処理を実行する(ステップS310)。具体的には、各決済について、対応する決済用カードシステム52に対して、対応するクレジットカードの売上処理を依頼する。売上処理は、支払処理サービスの提供者を加盟店として行われる。また、売上処理は、決済額を2つに分割している場合には、2つのクレジットカードの各々について別々に行われる。売上処理が行われると、対応するクレジットカードによる決済が確定する。
【0082】
図11は、金融機関の口座への振込処理を行う際に支払処理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。これらの処理は、毎営業日の所定時刻において実行される。支払処理サーバ10は、まず、図示するように、当日が振込指定日である請求情報を抽出する(ステップS400)。具体的には、請求情報管理テーブル154の振込指定日が当日であるレコードが抽出される。
【0083】
続いて、支払処理サーバ10は、振込処理を実行する(ステップS410)。具体的には、各請求について、対応する金融機関システム50に対して振込処理を依頼する。振込処理では、請求情報管理テーブル154において管理されている、振込先情報、振込依頼人、及び、振込金額が用いられる。振込元の口座は、支払処理サービスの提供者が管理する所定口座である。
【0084】
このように、この例では、支払者に対する請求情報に含まれる請求額は、支払処理サービスの提供者による口座振込によって支払われ、当該請求額に手数料が加算された決済額が、支払者のクレジットカードを利用して、支払処理サービスの提供者を加盟店として決済される。なお、所定期間の売上代金が、各クレジットカード会社から加盟店としての支払処理サービスの提供者に対して振り込まれる。
【0085】
上述した例では、金融機関の口座への振込処理が自動的に行われるようにしたが、こうした振込処理が手動で(例えば、オペレータによる指示に応じて)行われるようにしてもよい。また、こうした振込処理が、支払処理サーバ10においては実行されないようにしてもよい。
【0086】
上述した例では、複数カード決済登録画面80において、ユーザが、第1及び第2決済用カード情報入力領域84、85の各々の決済額(分割後の決済額)を入力するようにしたが、こうした金額の入力に代えて、分割後の決済額の割合を入力するようにしてもよい。この場合、割合が入力されると、当該割合を適用した分割後の決済額が自動的に算出及び表示されるようにしてもよい。
【0087】
上述した例では、複数カード決済登録画面80の金額自動分割ボタン86が選択されると、分割前の決済額を2等分した値が分割後の決済額に設定されるようにしたが、2等分以外の割合となるように、決済額を分割するようにしてもよい。この場合、こうした割合は、支払処理サービスの提供者によって予め設定されてもよいし、ユーザによって予め個別に設定されてもよい。また、決済額を自動的に分割するルールは、こうした割合に基づくルールに限定されず、様々なルールを適用することができ、例えば、金額に基づくルール(例えば、所定金額を第1決済用カード情報入力領域84の決済額に設定し、所定金額を超えた部分を第2決済用カード情報入力領域85の決済額に設定する等)を適用することもできる。
【0088】
上述した例では、登録されている3枚のクレジットカードに優先度を設定するようにしたが、こうした優先度に代えて、又は、これに加えて、各クレジットカードの利用限度額を設定(管理)するようにしてもよい。この場合、カード決済登録画面70又は複数カード決済登録画面80において決済用のクレジットカードを初期設定する際に、こうした利用限度額を考慮することもできる。例えば、決済額が閾値以下である場合には、利用限度額が少ないクレジットカードを優先的に設定する一方、決済額が閾値以上である場合には、利用限度額が多いクレジットカードを優先的に設定するようにしてもよい。
【0089】
上述した例において、オーソリ処理が失敗した場合に、他のクレジットカード(例えば、登録されている3枚のクレジットカードのうちの未設定のクレジットカード)を自動的に設定するようにしてもよい。
【0090】
上述した例において、決済額の分割を提案するようにしてもよい。例えば、決済額が閾値以上である場合に、カード決済登録画面70において、決済額の分割を提案する通知を表示するようにしてもよい。
【0091】
また、上述した例のカード決済登録画面70又は複数カード決済登録画面80において、設定された決済用のクレジットカードを利用した場合にクレジット会社から提供されるポイントを表示するようにしてもよい。こうしたポイントは、例えば、決済用カードシステム52(クレジットカード会社システム)から取得して表示される。
【0092】
また、上述した例のカード決済登録画面70又は複数カード決済登録画面80において、複数月払いの指定を受け付けるようにしてもよい。この場合、決済処理の際に、複数月払いの指定を示すデータが決済用カードシステム52(クレジットカード会社システム)に対して提供される。
【0093】
以上説明した本実施形態に係る支払処理サーバ10は、支払者に対する請求情報に含まれる請求額に基づく決済額の決済に利用する決済用カードを設定し、当該決済用カードを利用して当該決済額を決済するから、支払者は、請求書払い等の請求額を、クレジットカード等の決済用カードを利用して支払うことが可能となる。さらに、支払者は、複数に分割された決済額の決済にそれぞれ利用する複数の決済用カードを設定することもできるから、例えば、複数の決済用カードの利用限度額を合算して活用する支払いが可能となる。このように、支払処理サーバ10は、様々な取引における支払いの利便性を向上させる。
【0094】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態における支払処理サーバ10が有する機能の一部又は全部は、支払処理サーバ10及びユーザ端末30が協動することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。
【0095】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0096】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0097】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0098】
10 支払処理サーバ
11 コンピュータプロセッサ
112 管理機能制御部
114 カード決済管理部
116 支払管理部
15 ストレージ
152 ユーザ情報テーブル
154 請求情報管理テーブル
156 決済管理テーブル
30 ユーザ端末
40 サーバ側プログラム
42 端末側プログラム
50 金融機関システム
52 決済用カードシステム
60 請求情報入力画面
70 カード決済登録画面
80 複数カード決済登録画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11