(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152302
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】プラスチック容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/38 20060101AFI20231010BHJP
B65D 1/26 20060101ALI20231010BHJP
B65D 25/34 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
B65D81/38 R
B65D1/26 110
B65D25/34 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055822
(22)【出願日】2022-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】502038989
【氏名又は名称】ベスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】高茂 功
(72)【発明者】
【氏名】原 信治
【テーマコード(参考)】
3E033
3E062
3E067
【Fターム(参考)】
3E033AA08
3E033BA16
3E033CA08
3E033DA08
3E033DC03
3E033DC04
3E033DD03
3E033DE20
3E033EA03
3E033EA04
3E033FA04
3E033GA03
3E062AA10
3E062AB02
3E062BB06
3E062BB10
3E062JB01
3E062JC02
3E062JC03
3E062JC05
3E062JD04
3E067AA03
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA07A
3E067BB01A
3E067BB16A
3E067BB17A
3E067BB24A
3E067CA17
3E067CA18
3E067EE02
3E067GA01
3E067GA06
3E067GA11
(57)【要約】
【課題】スリーブが容器本体に嵌着されている状態を良好に維持することが可能な構造のプラスチック容器を提供する。
【解決手段】プラスチック容器100は、上端が開口している胴体部11と、胴体部11の下端を閉塞している底面部14と、を有する樹脂製の容器本体10と、胴体部11の周囲に嵌着されている筒状のスリーブ20と、を備え、胴体部11及びスリーブ20の各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、胴体部11の下部には、径方向外側に向けて膨出し、スリーブ20の下端面23を下支えする膨出部30が形成されており、膨出部30の上面31において、胴体部11において膨出部30の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部35は、スリーブ20の下端面23よりも傾斜が緩い。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体と、
前記胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブと、
を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部及び前記スリーブの各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、前記スリーブの下端面よりも傾斜が緩いか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器。
【請求項2】
前記外方延出部は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、直線状に延在している請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記外方延出部は、前記スリーブの下端面を径方向における全域において支持している請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端と、当該下端を通り前記スリーブの前記下端面に対して平行な線分が前記膨出部と交差する点である交差点と、の径方向における距離を第1距離L1とし、
前記交差点と、径方向における前記膨出部の最外縁と、の径方向における距離を第2距離L2とすると、
L1>L2を満たす請求項3に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記膨出部において、当該膨出部の膨らみの頂点よりも下側の部分は、当該膨出部の膨らみの頂点よりも上側の部分よりも、上下寸法が大きい請求項1から4のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
前記スリーブの下端部の内周面が、前記胴体部の外周面に対して接している請求項1から5のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項7】
前記胴体部の外周面には、水平方向に周回状に延在する複数の水平リブが形成されており、
前記スリーブの下端部の内周面が、前記水平リブに接している請求項6に記載のプラスチック容器。
【請求項8】
前記胴体部は、
当該胴体部の上端部において円筒状に形成されている円筒部と、
当該胴体部の上端部において前記円筒部の下端から径方向内側に向けて内フランジ状に張り出している内フランジ部と、
前記内フランジ部の内周縁の下方に連接されており、逆錐台形状に形成されている逆錐台状部と、
を有し、
前記逆錐台状部の少なくとも上部外面には、前記円筒部の下端から下方に延びる複数の縦リブが、周方向において間欠的に形成されており、
前記スリーブの上端部の内周面が、前記円筒部と前記内フランジ部との境界部から前記縦リブにかけて当接している請求項1から7のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項9】
前記縦リブの少なくとも上端部は、前記スリーブの上端部の内周面に対して平行に延在しており、
上下方向において当該上端部が存在する範囲に亘って前記スリーブに対して接触している請求項8に記載のプラスチック容器。
【請求項10】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記胴体部の周囲にスリーブが嵌着されたときに当該スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、水平に配置されているか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のプラスチック容器は、上端が開口している胴体部(同文献には胴部と記載)と、を有する樹脂製の容器本体と、胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブ(同文献には紙製のスリーブと記載)と、を備えている。胴体部の下部には径方向外側に向けて膨出し、スリーブの下端面を下支えする膨出部(同文献には、円環状突起部と記載)が形成されており、当該膨出部の上面は、スリーブの下端面よりも急傾斜となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1に記載のプラスチック容器は、スリーブが容器本体に嵌着されている状態を良好に維持する観点において、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、スリーブが容器本体に嵌着されている状態を良好に維持することが可能な構造のプラスチック容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体と、
前記胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブと、
を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部及び前記スリーブの各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、前記スリーブの下端面よりも傾斜が緩いか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スリーブが容器本体に嵌着されている状態を良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るプラスチック容器の斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
【
図3】第1実施形態に係るプラスチック容器の正面断面図(
図2のA-A線に沿った断面図)である。
【
図4】第1実施形態に係るプラスチック容器の分解断面図(
図2のA-A線に沿った断面図)である。
【
図5】
図5(a)は
図3に示すA部の部分拡大図であり、
図5(b)は
図5(a)に示すA部の部分拡大図である。
【
図6】
図6(a)は第1実施形態の変形例1に係るプラスチック容器の膨出部及びその周辺構造を部分拡大で示す図であり、
図6(b)は
図6(a)に示すA部の部分拡大図である。
【
図7】
図7(a)は第1実施形態の変形例2に係るプラスチック容器の膨出部及びその周辺構造を部分拡大で示す図であり、
図7(b)は
図7(a)に示すA部の部分拡大図である。
【
図8】第2実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
【
図9】第2実施形態に係るプラスチック容器の正面断面図(
図8のA-A線に沿った断面図)である。
【
図11】第2実施形態の変形例に係るプラスチック容器の縦リブ及びその周辺構造を部分拡大で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、
図1から
図11を用いて説明する。
なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0010】
〔第1実施形態〕
先ず、
図1から
図5(b)を用いて第1実施形態を説明する。なお、
図1から
図5(b)では、図面が煩雑になることを避けるため、水平リブ41の数を減らして示している。
【0011】
図1から
図3に示すように、本実施形態に係るプラスチック容器100は、上端が開口している胴体部11と、胴体部11の下端を閉塞している底面部14と、を有する樹脂製の容器本体10と、胴体部11の周囲に嵌着されている筒状のスリーブ20と、を備える。
胴体部11及びスリーブ20の各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されている。
胴体部11の下部には、径方向外側に向けて膨出し、スリーブ20の下端面23を下支えする膨出部30が形成されている。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、膨出部30の上面31において、胴体部11において膨出部30の上側に連なっている部分の下端(本実施形態の場合、後述する逆錐台状部18の下端18b)から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部35は、スリーブ20の下端面23よりも傾斜が緩い。
そして、スリーブ20の下端面23の少なくとも一部分が、外方延出部35によって支持されている。
【0012】
なお、本発明において、上下方向とは、プラスチック容器100の軸方向であり、当該軸方向において、底面部14が配置されている側が下(下方)であり、その反対側が上(上方)である。径方向とは、プラスチック容器100の径方向であり、当該径方向において、プラスチック容器100の中心軸AX1(
図2及び
図3参照)側が内(内方)であり、その反対側が外(外方)である。また、中心軸AX1に対して直交する方向が水平方向であり、中心軸AX1に沿う方向(すなわち水平方向に対して直交する方向)が鉛直方向である。
また、本発明において、「外方延出部35は、スリーブ20の下端面23よりも傾斜が緩い」とは、水平方向に延在する仮想線と外方延出部35とのなす角度の平均値が、当該仮想線とスリーブ20の下端面23とのなす角度の平均値よりも小さいことを意味している。
【0013】
本実施形態によれば、スリーブ20の下端面23が膨出部30によって下支えされているので、スリーブ20が容器本体10から抜け落ちてしまうことを抑制できる。
また、上述のように特許文献1の場合、膨出部の上面はスリーブの下端面よりも急傾斜となっているので、容器本体からのスリーブの脱落を確実に抑制することが困難である。一方、本発明における膨出部30の外方延出部35は、スリーブ20の下端面23よりも傾斜が緩いので、当該スリーブ20の下縁が径方向外側に向けて膨出部30から滑り落ちてしまうことも抑制できる。
このように、本実施形態によれば、スリーブ20が容器本体10に嵌着されている状態を良好に維持することができる。
【0014】
以下、プラスチック容器100について、より詳細に説明する。
容器本体10は、例えば、真空成形により、その全体が一体成形されたものである。容器本体10の材料は、特に限定されないが、一例として、ポリプロピレンであることが挙げられる。
【0015】
容器本体10の胴体部11は、例えば、当該胴体部11の上端部において円筒状に形成されている円筒部16と、当該胴体部11の上端部において円筒部16の下端から径方向内側に向けて内フランジ状に張り出している内フランジ部17と、内フランジ部17の内周縁の下方に連接されており、逆錐台形状に形成されて逆錐台状部18と、を有する。
また、円筒部16の上端には、径方向外側に向けてフランジ状に張り出しているフランジ部12が形成されている。フランジ部12の内周縁が、胴体部11の上端の開口13となっている。より詳細には、フランジ部12は、径方向外側に向けて僅かに下り傾斜して終端している。
円筒部16の内径及び外径の各々は、例えば、上下方向における位置にかかわらず一定となっている。
内フランジ部17の外周縁は、円筒部16の下縁に連接されており、内フランジ部17の内周縁は、逆錐台状部18の上縁に連接されている。内フランジ部17は、円筒部16の下側に連なっている。
逆錐台状部18の内径及び外径の各々は、下方に向けて徐々に縮径している。
また、上述のように、胴体部11の下端部には、膨出部30が形成されている。
膨出部30は、逆錐台状部18の下縁から径方向外側に向けて周回状に張り出している円環状のリブである。膨出部30は、逆錐台状部18の下側に連なっている。
膨出部30の下端32aは、底面部14の外周縁(以下に説明する傾斜弧状部142の外周縁)に連接されている。
【0016】
なお、容器本体10における円筒部16よりも上側の部分は、複数の容器本体10を積み重ねた(スタックした)際に、下側の容器本体10における開口13よりも下方の部分には入り込まないようになっている。これにより、上側のプラスチック容器100のフランジ部12に指を掛けて、上側のプラスチック容器100を容易に上に抜き取ることができる。
より詳細には、本実施形態の場合、円筒部16と内フランジ部17との境界部19aは、例えば、丸みを帯びた形状に形成されており、当該境界部19aは、下側の容器本体10の上端部の内周面に対して点接触又は線接触するようになっている。
本実施形態では、円筒部16と内フランジ部17とを含む部分が、プラスチック容器100の周囲360度に亘って連続的な周回状に形成されているが、本発明は、この例に限らず、円筒部16と内フランジ部17とを含む部分は、プラスチック容器100の周方向において間欠的に複数配置されていてもよい。
【0017】
底面部14の形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、
図3に示すように、底面部14の中央部14aは、その周縁部を除いて上方に向けて凸の形状に形成されている。底面部14の周縁部14bには、径方向外側に向けて階段状に上方に変位する段差部141が形成されている。段差部141は、複数の段部を含んでいる。段差部141の内周縁は、中央部14aの外周縁に連接されている。
また、
図5(a)に示すように、周縁部14bにおける膨出部30との境界部には、膨出部30の下端32aから径方向内側に向けて弧状に上り傾斜している傾斜弧状部142と、傾斜弧状部142の内周縁から径方向内側に延出している水平部143と、がそれぞれ形成されている。水平部143の内周縁は、段差部141の外周縁に連接されている。
一例として、プラスチック容器100の上下寸法は、プラスチック容器100の開口13における内径よりも僅かに小さい寸法となっているが、開口13の内径とプラスチック容器100の上下寸法との関係は、この例に限らない。
本実施形態の場合、プラスチック容器100は、以上のような概略形状に形成されている。
ただし、本発明において、プラスチック容器100の概略形状は、上記の例に限らず、例えば、略円筒状に形成されていてもよい。
【0018】
更に、本実施形態の場合、胴体部11の外周面11aには、水平方向に周回状に延在する複数の水平リブ41が形成されている。
より詳細には、本実施形態の場合、逆錐台状部18に複数の水平リブ41が形成されている。複数の水平リブ41は、互いに並列に延在していることが好ましい。
本発明において、複数の水平リブ41が延在する方向は、特に限定されないが、本実施形態の場合、複数の水平リブ41は、それぞれ逆錐台状部18の周方向に延在している。
より詳細には、複数の水平リブ41は、それぞれ逆錐台状部18の周囲を360度周回している。これにより、逆錐台状部18の周方向における全域が複数の水平リブ41により補強されている。ただし、水平リブ41は、必ずしも逆錐台状部18の周囲を360度周回していなくてもよい。
より詳細には、複数の水平リブ41は上下方向において等間隔に配置されている。これにより、逆錐台状部18の上下方向において複数の水平リブ41が配置されている領域の全域が、同程度に補強されている。
【0019】
図3及び
図5(a)に示すように、複数の水平リブ41の並び方向に沿って切断した断面(本実施形態の場合、プラスチック容器100の中心軸AX1に沿って切断した断面)において、複数の水平リブ41の集合体の形状は、例えば、波線状となっている。すなわち、この断面において、胴体部11の外面側の複数の水平リブ41の集合体の形状は波線状になっているとともに、胴体部11の内面側の複数の水平リブ41の集合体の形状も波線状になっている。換言すれば、複数の水平リブ41の集合体の形状は、略正弦波状となっている。
外面側の複数の水平リブ41の集合体の外形線である波線と、内面側の複数の水平リブ41の集合体の外形線である波線とは、互いに並列に延在しており、これら波線により囲まれている胴体部11の肉部の厚みは、略一定となっている。
複数の水平リブ41の並び方向に沿って切断した断面は、各水平リブ41の延在方向に対して直交する断面でもある。水平リブ41の延在方向に対して直交する断面において、各水平リブ41は、弧状に形成されており、隣り合う水平リブ41どうしの間の谷部も弧状に形成されている。
ただし、本発明において、複数の水平リブ41の並び方向に沿って切断した断面における複数の水平リブ41の集合体の形状は、この例に限らず、三角波状や略矩形波状などであってもよく、水平リブ41の延在方向に対して直交する断面における水平リブ41の形状は、略三角形や略矩形であってもよい。
【0020】
スリーブ20は、例えば、上述のように逆円錐台形状に形成されており、その上端及び下端の各々は開口している。
図4に示すように、スリーブ20を容器本体10に嵌着する際には、スリーブ20の上端側の開口から容器本体10を挿入し、スリーブ20を容器本体10に対して嵌め込む。
図1及び
図3に示すように、スリーブ20は、例えば、膨出部30を除く胴体部11の外周面11aの実質的に全域を覆っている。より詳細には、例えば、膨出部30は、スリーブ20の下端側の開口から外部に露出している。
プラスチック容器100がスリーブ20を有することにより、商品の説明などの表示をスリーブ20の外面に施された印刷により好適に行うことができる。
図3に示すように、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、スリーブ20の下端面23は、例えば、径方向外側に向けて下り傾斜している。
【0021】
ここで、
図5(b)に示すように、スリーブ20の下端部21の内周面は、例えば、胴体部11の外周面11aに対して接している。
これにより、スリーブ20の下端部21が、胴体部11の外周面11aに対して変位することを抑制できる。
【0022】
また、
図5(a)に示すように、スリーブ20の下端部21の内周面は、例えば、水平リブ41に接している。
これにより、スリーブ20の下端部21が、胴体部11の外周面11aに対して変位することをより確実に抑制できる。
【0023】
より詳細には、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、スリーブ20の内周面20aは、例えば、上方から下方に向けて逆錐台状部18の外周面に近づく方向に傾斜している。したがって、スリーブ20の内周面20aと逆錐台状部18の外周面との径方向における離間距離は、下方に向けて徐々に小さくなっている。そして、スリーブ20の下端部21の内周面の一部分が、径方向において対向する位置(本実施形態の場合、逆錐台状部18の下端部)に配置されている水平リブ41に対して周回状に線接触している。また、スリーブ20の下端部21の内周面の一部分が、逆錐台状部18の下端18bに対して周回状に線接触している。これにより、スリーブ20の下端部21が、逆錐台状部18の下端部を周回状に拘束するようにできるので、容器本体10に対するスリーブ20の相対変位をより確実に規制することができる。
一方、スリーブ20の内周面20aにおいて、対応する水平リブ41に対して接している部分よりも上側の部分は、逆錐台状部18の外周面から離間している。
また、円筒部16と内フランジ部17との境界部19aは、例えば、スリーブ20の内周面20aに対して周回状に線接触している。これにより、容器本体10に対するスリーブ20の相対変位をより確実に規制することができる。
スリーブ20の上端の内径寸法は、例えば、胴体部11の上端(円筒部16の上端)の外径寸法よりも大きい寸法に設定されており、スリーブ20の下端の内径寸法は、例えば、逆錐台状部18の下端18bの外径寸法と略同等に設定されている。
【0024】
容器本体10の肉厚(厚み寸法)は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上2.0mm以下であり、好ましく0.3mm以上1.2mm以下である。容器本体10の各部の肉厚は、略一定でもよいが、部位により相違していてもよい。例えば、フランジ部12の肉厚が最も大きく、胴体部11及び中央部14aの肉厚が互いに同等であり、周縁部14bの肉厚は中央部14aの肉厚よりも小さい。
胴体部11の肉厚は、例えば、0.01mm以上1.8mm以下であり、好ましくは0.02mm以上1.0mm以下である。
【0025】
スリーブ20の肉厚は、例えば、胴体部11の肉厚よりも大きいことが好ましい。
スリーブ20の肉厚(厚み寸法)は、特に限定されないが、例えば、0.2mm以上2.0mm以下とすることができる。スリーブ20の各部の肉厚は、略一定でもよいが、部位により相違していてもよい。
【0026】
スリーブ20の材料(材質)は、紙である(スリーブは紙スリーブである)ことが好ましい一例であるが、本発明において、スリーブ20の材質は紙に限らず、樹脂フィルムや発泡樹脂であってもよい。
【0027】
また、プラスチック容器100は、内容物の充填後、図示しないフィルム状の蓋部が開口13を密閉状態で閉塞するようにフランジ部12の上面に接合された状態で流通してもよい。
この場合、プラスチック容器100ごと内容物が冷却されると、プラスチック容器100の内部が減圧することとなる。ここで、上述のように、底面部14の周縁部14bには複数の段部を含む段差部141が形成されているので、プラスチック容器100の内部が減圧すると、当該複数の段差部141が上方に向けて変形することにより、中央部14aが上方に変位するので、胴体部11の変形(凹み)は抑制することができる。
なお、上述した底面部14における各部の位置関係は、プラスチック容器100の内部が減圧する前の自然状態での位置関係を説明したものであり、内部の減圧により底面部14が変形した後の状態では、底面部14の各部における位置関係は、自然状態での位置関係とは相違する。
【0028】
なお、プラスチック容器100の内容物は、特に限定されず、液体(流動体を含む)であってもよいし、固形物であってもよい。
【0029】
ここで、膨出部30において、例えば、当該膨出部30の膨らみの頂点(
図5(a)及び
図5(b)に示すP1)よりも下側の部分32は、当該膨出部30の膨らみの頂点P1よりも上側の部分33よりも、上下寸法が大きい。
なお、ここで、膨出部30の膨らみの頂点P1とは、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面(
図3、
図5(a)及び
図5(b)参照)において、逆錐台状部18の外周面(各水平リブ41の頂点を通る仮想線)の延長線上に配置されている仮想線201(
図5(a))から、膨出部30の外周面に向けて垂線202(
図5(a))を引いたときに当該垂線202の長さ寸法が最も長くなる位置である。また、本実施形態の場合、上記垂線202の最大長さ寸法が、膨出部30の突出高さD1である。
そして、上述のように、膨出部30の下端32a(すなわち下側の部分32の下端)は、底面部14に連なっている。より詳細には、底面部14の外周縁は、上述のように傾斜弧状部142となっており、当該傾斜弧状部142の外周縁に下端32aが連なっている。
このような構成によれば、膨出部30における底面部14に連なっている部分(下側の部分32)において、鉛直方向の成分を含む方向に延在する部分を良好に確保することができる。よって、膨出部30が径方向外側に向けて延出している外方延出部35を有しつつも、当該膨出部30の下側の部分32が良好に荷重を支えることが可能な構造を実現できる。
【0030】
また、本実施形態の場合、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、外方延出部35は、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、直線状に延在している。
これにより、膨出部30によって、スリーブ20の下端面23をより安定的に支持することができる。
【0031】
より詳細には、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、膨出部30の下側の部分32は、径方向外側に向けて弧状に下り傾斜している。
一方、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、膨出部30の上側の部分33は、例えば、逆錐台状部18の下縁から径方向外側に向けて水平に延出している水平部33aと、水平部33aの外周縁から下側の部分32の上縁に向けて弧状に延びている弧状部33bと、を含む。そして、本実施形態の場合、上側の部分33の水平部33aが、外方延出部35を構成している。すなわち、外方延出部35は、例えば、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、水平に延在している。
弧状部33bは、例えば、径方向外側に向けて弧状に上り傾斜している。
上側の部分33の弧状部33bの曲率半径は、例えば、下側の部分32の曲率半径よりも小さい。
上側の部分33の内周縁(外方延出部35の内周縁)は、例えば、下側の部分32の内周縁よりも径方向外側に配置されている。
下側の部分32の内周縁は、例えば、底面部14の傾斜弧状部142の外周縁と連接されている。
【0032】
下側の部分32の上下寸法H1は、例えば、上側の部分33の上下寸法H2の2倍以上10倍以下であることが好ましく、より好ましくは当該上下寸法H2の3倍以上6倍以下であることが好ましい、
本実施形態の場合、下側の部分32の上下寸法H1は、2.0mm以上15.0mm以下である。また、上側の部分33の上下寸法H2は、0.1mm以上3.0mm以下である。
【0033】
更には、外方延出部35は、例えば、スリーブ20の下端面23を径方向における全域において支持していることが好ましい。
このようにすることにより、膨出部30によってスリーブ20の下端面23をより良好に下支えすることができる。
【0034】
また、
図5(b)に示すように、プラスチック容器100は、例えば、胴体部11において膨出部30の上側に連なっている部分の下端(本実施形態の場合、逆錐台状部18の下端18b)と、当該下端18bを通りスリーブ20の下端面23に対して平行な線分(
図5(b)に示す仮想線203)が膨出部30と交差する点である交差点P2と、の径方向における距離を第1距離L1とし、交差点P2と、径方向における膨出部30の最外縁と、の径方向における距離を第2距離L2とすると、L1>L2を満たすことが好ましい。
すなわち、膨出部30と逆錐台状部18との境界(下端18b)から、当該境界を通りスリーブ20の下端面23に平行な仮想線203が、膨出部30と再交差する点(交差点P2)までの径方向長さが、当該点から膨出部30の最外縁の点(頂点P1)までの径方向長さよりも大きいことが好ましい。
このようにすることにより、膨出部30の上面31において、スリーブ20の下端面23よりも傾斜が緩い部分すなわち外方延出部35の形成範囲を十分に確保することができる。よって、外方延出部35によりスリーブ20の下端面23を良好に下支えすることができる。
【0035】
より詳細には、本実施形態の場合、下端面23の外周縁(スリーブ20の最下端)が、外方延出部35の外周縁よりも径方向内側に配置されているとともに、当該外方延出部35に対して当接している。
また、膨出部30の上側の部分33において、外方延出部35(水平部33a)の幅寸法(
図5(b)に示す寸法L3)は、例えば、弧状部33bの幅寸法(
図5(b)に示す寸法L4)よりも小さい。
また、外方延出部35(水平部33a)の幅寸法L3は、径方向における胴体部11の外周面11aからスリーブ20の肉厚の中心までの寸法よりも大きいことが好ましい。このようにすることにより、スリーブ20の重心を外方延出部35によって良好に下支えできる。
本実施形態の場合、外方延出部35(水平部33a)の幅寸法L3は、一例として、0.3mm以上0.4mm以下である。
また、膨出部30の突出高さD1(
図5(a)参照)は、例えば、スリーブ20の肉厚と同等以上であることが好ましく、より好ましくは当該厚み寸法の3/2以上である。
一例として、膨出部30の突出高さD1は、例えば、0.5mm以上0.7mm以下である。
【0036】
<第1実施形態の変形例1>
次に、
図6(a)及び
図6(b)を用いて第1実施形態の変形例1を説明する。なお、
図6(a)及び
図6(b)では、図面が煩雑になることを避けるため、水平リブ41の数を減らして示している。また、
図6(a)は、
図3に示すA部と対応する部位の部分拡大図である。
【0037】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、本変形例に係るプラスチック容器100は、外方延出部35が、径方向外側に向けて下り傾斜している点において、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
このような構成によっても、スリーブ20の下端部21が、膨出部30から径方向外側に滑り落ちてしまうことを抑制できる。すなわち、スリーブ20が容器本体10から抜け落ちてしまうことを抑制できる。
【0038】
より詳細には、本変形例の場合、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、膨出部30の上側の部分33は、例えば、逆錐台状部18の下縁から径方向外側に向けて直線状に下り傾斜している下り傾斜部33cと、上述の弧状部33bと、を含む。そして、下り傾斜部33cが、外方延出部35を構成している。
プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、水平に延在する仮想線204に対する下り傾斜部33cの傾斜角度R1は、当該仮想線204に対する下端面23の傾斜角度R2よりも小さい。
本実施形態の場合、一例として、下り傾斜部33cの傾斜角度R1は、1度以上10度以下である。
また、一例として、下端面23の傾斜角度R2は、5度以上15度以下である。
【0039】
<第1実施形態の変形例2>
次に、
図7(a)及び
図7(b)を用いて第1実施形態の変形例2を説明する。なお、
図7(a)及び
図7(b)では、図面が煩雑になることを避けるため、水平リブ41の数を減らして示している。また、
図7(a)は、
図3に示すA部と対応する部位の部分拡大図である。
【0040】
図7(a)及び
図7(b)に示すように、本変形例に係るプラスチック容器100は、外方延出部35が、径方向外側に向けて上り傾斜している点において、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
このような構成によっても、スリーブ20の下端部21が、膨出部30から径方向外側に滑り落ちてしまうことを抑制できる。すなわち、スリーブ20が容器本体10から抜け落ちてしまうことを抑制できる。
【0041】
より詳細には、本変形例の場合、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、膨出部30の上側の部分33は、例えば、逆錐台状部18の下縁から径方向外側に向けて直線状に上り傾斜している上り傾斜部33dと、上述の弧状部33bと、を含む。そして、上り傾斜部33dが、外方延出部35を構成している。
プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、例えば、仮想線204に対する上り傾斜部33dの傾斜角度R3は、仮想線204に対する下端面23の傾斜角度R2よりも小さい。
本実施形態の場合、一例として、上り傾斜部33dの傾斜角度R3は、1度以上10度以下である。
また、一例として、下端面23の傾斜角度R2は、5度以上15度以下である。
【0042】
〔第2実施形態〕
次に、
図8から
図10を用いて第2実施形態を説明する。なお、
図8から
図9では、図面が煩雑になることを避けるため、水平リブ41の数を減らして示している。
本実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0043】
図8及び
図9に示すように、本実施形態の場合、逆錐台状部18の少なくとも上部外面には、円筒部16の下端から下方に延びる複数の縦リブ51が、周方向において間欠的に形成されている。
そして、
図10に示すように、スリーブ20の上端部の内周面が、円筒部16と内フランジ部17との境界部19aから縦リブ51にかけて当接している。
このような構成によれば、スリーブ20の上部が胴体部11に対して良好に嵌着するようにできる。よって、上下方向における容器本体10に対するスリーブ20の相対変位をより確実に抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態の場合、縦リブ51の少なくとも上端部は、例えば、スリーブ20の上端部22の内周面20aに対して平行に延在しており、上下方向において当該上端部22が存在する範囲に亘ってスリーブ20に対して接触している。
このような構成によれば、スリーブ20の上端部22が胴体部11に対してより良好に嵌着するようにできる。
【0045】
より詳細には、
図10に示すように、本実施形態の場合、プラスチック容器100を中心軸AX1に沿って切断した断面において、縦リブ51の稜線52の全体が、スリーブ20の内周面20aに対して平行に延在している。また、縦リブ51の稜線52の全体が、スリーブ20の内周面20aに対して線接触している。
【0046】
複数(例えば、8つ)の縦リブ51は、例えば、胴体部11の周方向において間欠的に、等間隔(等角度間隔)で配置されている。
これにより、プラスチック容器100の周方向において、容器本体10に対するスリーブ20の相対変位もより確実に抑制することができる。
各縦リブ51は、互いに同一形状及び同一寸法に設定されている。
【0047】
縦リブ51の突出高さ(逆錐台状部18の外周面を基準とした突出高さ)は、例えば、当該縦リブ51の上端から下方に向けて縮小している。また、縦リブ51の幅寸法(太さ)も、例えば、当該縦リブ51の上端から下方に向けて縮小している。逆錐台状部18の下部には、縦リブ51は形成されていない。
縦リブ51は、例えば、平面視において、径方向外側に向けて凸の円弧状に突出していてもよいし、径方向外側に向けて突出した略三角形や略矩形であってもよい。
【0048】
本実施形態の場合、縦リブ51の形成領域には、水平リブ41は形成されていない。すなわち、胴体部11の上部の水平リブ41は、縦リブ51の形成領域において途切れており、複数の縦リブ51どうしの間にそれぞれ配置されている。
【0049】
<第2実施形態の変形例>
次に、
図11を用いて第2実施形態の変形例を説明する。なお、
図11は、
図9に示すA部と対応する部位の部分拡大図である。
【0050】
本変形例の場合、縦リブ51の上端部が、例えば、局所的にスリーブ20の上端部22の内周面20aに対して平行に延在しており、上下方向において当該上端部22が存在する範囲に亘ってスリーブ20に対して接触している。
このような構成によっても、スリーブ20の上端部22が胴体部11に対して良好に嵌着するようにできる。よって、上下方向における容器本体10に対するスリーブ20の相対変位をより確実に抑制することができる。
【0051】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0052】
例えば、上記においては、プラスチック容器100が、容器本体10とスリーブ20とを備える例を説明したが、プラスチック容器100は、スリーブ20を備えておらず、別のスリーブ(不図示)が胴体部11に嵌着するように構成されていてもよい。この場合、膨出部30は、水平に配置されているか、又は径方向外側に向けて上り傾斜している。
このような構成によっても、スリーブ20が容器本体10に嵌着された状態を良好に維持することができる。
【0053】
すなわち、本発明は、上端が開口している胴体部11と、胴体部11の下端を閉塞している底面部14と、を有する樹脂製の容器本体10を備えるプラスチック容器であって、胴体部11は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、胴体部11の下部には、径方向外側に向けて膨出し、胴体部11の周囲にスリーブ20が嵌着されたときに当該スリーブ20の下端面23を下支えする膨出部30が形成されており、
(1)膨出部30の上面31において、胴体部11において膨出部30の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部35は、水平に配置されているか、
又は、
(2)外方延出部35は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器を含む。
【0054】
また、上記においては、膨出部30の上側の部分33において、外方延出部35(水平部33a)の幅寸法L3は、例えば、弧状部33bの幅寸法L4よりも小さい例を説明した。ただし、本発明において、膨出部30の上側の部分33において、外方延出部35(水平部33a)の幅寸法L3は、例えば、弧状部33bの幅寸法L4よりも大きくてもよい。このようにすることによって、外方延出部35によりスリーブ20の下端面23を一層良好に下支えすることができる。
【0055】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
<1>上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体と、
前記胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブと、
を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部及び前記スリーブの各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、前記スリーブの下端面よりも傾斜が緩いか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器。
<2>前記外方延出部は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、直線状に延在している<1>に記載のプラスチック容器。
<3>前記外方延出部は、前記スリーブの下端面を径方向における全域において支持している<1>又は<2>に記載のプラスチック容器。
<4>前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端と、当該下端を通り前記スリーブの前記下端面に対して平行な線分が前記膨出部と交差する点である交差点と、の径方向における距離を第1距離L1とし、
前記交差点と、径方向における前記膨出部の最外縁と、の径方向における距離を第2距離L2とすると、
L1>L2を満たす<3>に記載のプラスチック容器。
<5>前記膨出部において、当該膨出部の膨らみの頂点よりも下側の部分は、当該膨出部の膨らみの頂点よりも上側の部分よりも、上下寸法が大きい<1>から<4>のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
<6>前記スリーブの下端部の内周面が、前記胴体部の外周面に対して接している<1>から<5>のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
<7>前記胴体部の外周面には、水平方向に周回状に延在する複数の水平リブが形成されており、
前記スリーブの下端部の内周面が、前記水平リブに接している<6>に記載のプラスチック容器。
<8>前記胴体部は、
当該胴体部の上端部において円筒状に形成されている円筒部と、
当該胴体部の上端部において前記円筒部の下端から径方向内側に向けて内フランジ状に張り出している内フランジ部と、
前記内フランジ部の内周縁の下方に連接されており、逆錐台形状に形成されて逆錐台状部と、
を有し、
前記逆錐台状部の少なくとも上部外面には、前記円筒部の下端から下方に延びる複数の縦リブが、周方向において間欠的に形成されており、
前記スリーブの上端部の内周面が、前記円筒部と前記内フランジ部との境界部から前記縦リブにかけて当接している<1>から<7>のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
<9>前記縦リブの少なくとも上端部は、前記スリーブの上端部の内周面に対して平行に延在しており、
上下方向において当該上端部が存在する範囲に亘って前記スリーブに対して接触している<8>に記載のプラスチック容器。
<10>上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記胴体部の周囲にスリーブが嵌着されたときに当該スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、水平に配置されているか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器。
【符号の説明】
【0056】
10 容器本体
11 胴体部
11a 外周面
12 フランジ部
13 開口
14 底面部
14a 中央部
14b 周縁部
141 段差部
142 傾斜弧状部
143 水平部
16 円筒部
17 内フランジ部
18 逆錐台状部
18b 下端
20 スリーブ
20a 内周面
21 下端部
22 上端部
23 下端面
30 膨出部
31 上面
32 下側の部分
33 上側の部分
33a 水平部
33b 弧状部
33c 下り傾斜部
33d 上り傾斜部
35 外方延出部
41 水平リブ
51 縦リブ
52 稜線
100 プラスチック容器
201、203、204 仮想線
202 垂線
AX1 中心軸
D1 突出高さ
H1、H2 上下寸法
L1 第1距離
L2 第2距離
L3、L4 幅寸法
P1 頂点
P2 交差点
R1、R2、R3 傾斜角度
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体と、
前記胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブと、
を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部及び前記スリーブの各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、前記スリーブの下端面よりも傾斜が緩いか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器であって、
前記底面部の周縁部は、径方向内側に向けて階段状に下方に変位する段差部を有し、
前記段差部は、前記底面部の中央部が上方に変位するように変形可能となっており、
前記膨出部において、当該膨出部の膨らみの頂点よりも下側の部分は、当該膨出部の膨らみの頂点よりも上側の部分よりも、上下寸法が大きく、
前記下側の部分は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、前記上側の部分の下端から前記底面部の外縁に亘って弧状に延在しているプラスチック容器。
【請求項2】
前記外方延出部は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、直線状に延在している請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記外方延出部は、前記スリーブの下端面を径方向における全域において支持している請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端と、当該下端を通り前記スリーブの前記下端面に対して平行な線分が前記膨出部と交差する点である交差点と、の径方向における距離を第1距離L1とし、
前記交差点と、径方向における前記膨出部の最外縁と、の径方向における距離を第2距離L2とすると、
L1>L2を満たす請求項3に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記スリーブの下端部の内周面が、前記胴体部の外周面に対して接している請求項1から4のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
前記胴体部の外周面には、水平方向に周回状に延在する複数の水平リブが形成されており、
前記スリーブの下端部の内周面が、前記水平リブに接している請求項5に記載のプラスチック容器。
【請求項7】
前記胴体部は、
当該胴体部の上端部において円筒状に形成されている円筒部と、
当該胴体部の上端部において前記円筒部の下端から径方向内側に向けて内フランジ状に張り出している内フランジ部と、
前記内フランジ部の内周縁の下方に連接されており、逆錐台形状に形成されている逆錐台状部と、
を有し、
前記逆錐台状部の少なくとも上部外面には、前記円筒部の下端から下方に延びる複数の縦リブが、周方向において間欠的に形成されており、
前記スリーブの上端部の内周面が、前記円筒部と前記内フランジ部との境界部から前記縦リブにかけて当接している請求項1から6のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項8】
前記縦リブの少なくとも上端部は、前記スリーブの上端部の内周面に対して平行に延在しており、
上下方向において当該上端部が存在する範囲に亘って前記スリーブに対して接触している請求項7に記載のプラスチック容器。
【請求項9】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記胴体部の周囲にスリーブが嵌着されたときに当該スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、水平に配置されているか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器であって、
前記底面部の周縁部は、径方向内側に向けて階段状に下方に変位する段差部を有し、
前記段差部は、前記底面部の中央部が上方に変位するように変形可能となっており、
前記膨出部において、当該膨出部の膨らみの頂点よりも下側の部分は、当該膨出部の膨らみの頂点よりも上側の部分よりも、上下寸法が大きく、
前記下側の部分は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、前記上側の部分の下端から前記底面部の外縁に亘って弧状に延在しているプラスチック容器。
【請求項10】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体と、
前記胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブと、
を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部及び前記スリーブの各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体と、
前記胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブと、
を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部及び前記スリーブの各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、前記スリーブの下端面よりも傾斜が緩いか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器であって、
前記底面部の周縁部は、径方向内側に向けて階段状に下方に変位する段差部を有し、
前記段差部は、
前記容器本体への内容物の充填後、前記胴体部の前記上端が蓋部によって密閉状態で閉塞された状態において、前記底面部の中央部が上方に変位するように変形可能となっており、
前記膨出部において、当該膨出部の膨らみの頂点よりも下側の部分は、当該膨出部の膨らみの頂点よりも上側の部分よりも、上下寸法が大きく、
前記下側の部分は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、前記上側の部分の下端から前記底面部の外縁に亘って弧状に延在しているプラスチック容器。
【請求項2】
前記外方延出部は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、直線状に延在している請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記外方延出部は、前記スリーブの下端面を径方向における全域において支持している請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端と、当該下端を通り前記スリーブの前記下端面に対して平行な線分が前記膨出部と交差する点である交差点と、の径方向における距離を第1距離L1とし、
前記交差点と、径方向における前記膨出部の最外縁と、の径方向における距離を第2距離L2とすると、
L1>L2を満たす請求項3に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記スリーブの下端部の内周面が、前記胴体部の外周面に対して接している請求項1から4のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
前記胴体部の外周面には、水平方向に周回状に延在する複数の水平リブが形成されており、
前記スリーブの下端部の内周面が、前記水平リブに接している請求項5に記載のプラスチック容器。
【請求項7】
前記胴体部は、
当該胴体部の上端部において円筒状に形成されている円筒部と、
当該胴体部の上端部において前記円筒部の下端から径方向内側に向けて内フランジ状に張り出している内フランジ部と、
前記内フランジ部の内周縁の下方に連接されており、逆錐台形状に形成されている逆錐台状部と、
を有し、
前記逆錐台状部の少なくとも上部外面には、前記円筒部の下端から下方に延びる複数の縦リブが、周方向において間欠的に形成されており、
前記スリーブの上端部の内周面が、前記円筒部と前記内フランジ部との境界部から前記縦リブにかけて当接している請求項1から6のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【請求項8】
前記縦リブの少なくとも上端部は、前記スリーブの上端部の内周面に対して平行に延在しており、
上下方向において当該上端部が存在する範囲に亘って前記スリーブに対して接触している請求項7に記載のプラスチック容器。
【請求項9】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記胴体部の周囲にスリーブが嵌着されたときに当該スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
(1)前記膨出部の上面において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、水平に配置されているか、
又は、
(2)前記外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器であって、
前記底面部の周縁部は、径方向内側に向けて階段状に下方に変位する段差部を有し、
前記段差部は、
前記容器本体への内容物の充填後、前記胴体部の前記上端が蓋部によって密閉状態で閉塞された状態において、前記底面部の中央部が上方に変位するように変形可能となっており、
前記膨出部において、当該膨出部の膨らみの頂点よりも下側の部分は、当該膨出部の膨らみの頂点よりも上側の部分よりも、上下寸法が大きく、
前記下側の部分は、当該プラスチック容器を中心軸に沿って切断した断面において、前記上側の部分の下端から前記底面部の外縁に亘って弧状に延在しているプラスチック容器。
【請求項10】
上端が開口している胴体部と、前記胴体部の下端を閉塞している底面部と、を有する樹脂製の容器本体と、
前記胴体部の周囲に嵌着されている筒状のスリーブと、
を備えるプラスチック容器であって、
前記胴体部及び前記スリーブの各々は、下方に向けて縮径する逆錐台形状に形成されており、
前記胴体部の下部には、径方向外側に向けて膨出し、前記スリーブの下端面を下支えする膨出部が形成されており、
前記膨出部の膨らみの頂点よりも上側の部分において、前記胴体部において前記膨出部の上側に連なっている部分の下端から径方向外側に向けて延出している部分である外方延出部は、径方向外側に向けて上り傾斜しているプラスチック容器。