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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152321
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20231010BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231010BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
A61K8/36
A61Q19/10
A61K8/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062229
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】中村 天馬
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC182
4C083AC232
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC561
4C083AC562
4C083AC712
4C083AC782
4C083AD092
4C083AD132
4C083BB04
4C083CC23
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】洗浄後の肌表面における白残りを低減し、泡の弾力性、起泡性、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさに優れる皮膚洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)高級脂肪酸塩と、(B)グリコール脂肪酸エステルと、を含有し、前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が、1以上200以下であることを特徴とする皮膚洗浄剤組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)高級脂肪酸塩と、
(B)グリコール脂肪酸エステルと、を含有し、
前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が、1以上200以下であることを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
(C)グリセリン骨格を有するノニオン性界面活性剤を含有する、請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
(D)アルキルアミンオキシドを含有する、請求項1から2のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンドソープや洗顔料等の皮膚洗浄剤組成物には、泡性能(泡の弾力性、及び起泡性等)や使用感(洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさ等)に優れる皮膚洗浄剤組成物が望まれている。
【0003】
近年、泡立ちのクリーミー性に優れ、皮膚刺激性がなく、乾燥後のしっとりとした感触を与えると共に、低温安定性を良好にする観点から、特定の構造を有する脂肪酸カリウム塩と、アミン類と、グリセリンとを含有し、脂肪酸カリウム及びグリセリンの質量比が0.3~3.0である液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物は、組成物内に含まれる脂肪酸塩由来の脂肪酸カス(脂肪酸カルシウム)が、洗浄後の肌表面に残留することによって白残りが生じる場合があり、改善の余地があった。また、泡性能(泡の弾力性や起泡性)、及び使用感(洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさ)についても十分であるとは言えず、更なる改善の余地があった。
【0005】
したがって、洗浄後の肌表面における白残りを低減し、泡の弾力性、起泡性、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさに優れる皮膚洗浄剤組成物は未だ提供されておらず、その速やかな開発が強く望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2011/043226号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、洗浄後の肌表面における白残りを低減し、泡の弾力性、起泡性、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさに優れる皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(A)高級脂肪酸塩と、(B)グリコール脂肪酸エステルと、を含有し、前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が、1以上200以下であることにより、洗浄後の肌表面における白残りを低減し、泡の弾力性、起泡性、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさに優れることを知見した。
【0009】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。
<1>(A)高級脂肪酸塩と、(B)グリコール脂肪酸エステルと、を含有し、前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が、1以上200以下であることを特徴とする皮膚洗浄剤組成物である。
<2>(C)グリセリン骨格を有するノニオン性界面活性剤を含有する、<1>に記載の皮膚洗浄剤組成物である。
<3>(D)アルキルアミンオキシドを含有する、<1>から<2>のいずれかに記載の皮膚洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、洗浄後の肌表面における白残りを低減し、泡の弾力性、起泡性、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさに優れる皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(皮膚洗浄剤組成物)
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、(A)高級脂肪酸塩と、(B)グリコール脂肪酸エステルと、を含有し、必要に応じて、(C)グリセリン骨格を有するノニオン性界面活性剤、(D)アルキルアミンオキシド、及びその他の成分を含んでいてもよい。
なお、本明細書において、(A)高級脂肪酸塩は「(A)成分」、(B)グリコール脂肪酸エステルは「(B)成分」、(C)グリセリン骨格を有するノニオン性界面活性剤は「(C)成分」、(D)アルキルアミンオキシドは「(D)成分」と称することがある。
【0012】
<(A)高級脂肪酸塩>
前記(A)高級脂肪酸塩は、泡の弾力性、及び起泡性を向上させるために含有される。
前記(A)高級脂肪酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、及びステアリン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、泡の弾力性、及び起泡性を向上させる観点から、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、及びパルミチン酸塩から選択される少なくとも1種以上を含む高級脂肪酸塩であることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0013】
前記高級脂肪酸塩における塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アミン塩、アミノ酸塩などが挙げられる。
前記アルカリ金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
前記アミン塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチルプロパンジオール等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
前記アミノ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リジン塩、アルギニン塩などが挙げられる。
これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましく、カリウム塩がより好ましい。
【0014】
前記(A)高級脂肪酸塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、泡の弾力性、起泡性、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、及びタオルドライ後の肌のなめらかさが向上する観点から、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、2質量%以上28質量%以下が好ましく、4質量%以上22質量%以下がより好ましい。
前記(A)高級脂肪酸塩の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して2質量%以上であると、泡の弾力性、及び起泡性が良好であるため好適である。
前記(A)高級脂肪酸塩の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して28質量%以下であると、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、及びタオルドライ後の肌のなめらかさが良好であるため好適である。
【0015】
前記(A)高級脂肪酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(A)高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NIKKOL ラウリン酸カリLK-120(ラウリン酸カリウム)、NIKKOL ミリスチン酸カリMK-140(ミリスチン酸カリウム)(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、ノンサールPK-1(パルミチン酸カリウム)(日油株式会社製)などが挙げられる。
【0016】
前記(A)高級脂肪酸塩の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、常法により得られた高級脂肪酸塩をそのまま配合してもよいし、皮膚洗浄剤組成物の配合過程において、高級脂肪酸と水酸化カリウム等のアルカリとを配合槽中で中和反応させることにより高級脂肪酸塩を合成してもよい。
具体的には、ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(商品名:NAA-122、日油株式会社製)を水酸化カリウム(商品名:液体苛性カリ、AGC株式会社製)で中和して調製したものであってもよい。ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(商品名:NAA-142、日油株式会社製)を水酸化カリウム(商品名:液体苛性カリ、AGC株式会社製)で中和して調製したものであってもよい。パルミチン酸カリウムは、パルミチン酸(商品名:NAA-160、日油株式会社製)を水酸化カリウム(商品名:液体苛性カリ、AGC株式会社製)で中和して調製したものであってもよい。ステアリン酸カリウムは、ステアリン酸(商品名:NAA-180、日油株式会社製)を水酸化カリウム(商品名:液体苛性カリ、AGC株式会社製)で中和して調製したものであってもよい。
【0017】
<(B)グリコール脂肪酸エステル>
前記(B)グリコール脂肪酸エステルは、本発明の皮膚洗浄剤組成物を用いて洗浄した肌におけるつっぱり感のなさを向上させるために含有される。
前記(B)グリコール脂肪酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄後の肌のつっぱり感のなさが向上する観点から、ステアリン酸グリコール、ジラウリン酸グリコール、ジオレイン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、セスキイソステアリン酸プロピレングリコールが好ましく、ジステアリン酸グリコールがより好ましい。
【0018】
前記(B)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさが向上する観点から、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上6質量%以下がより好ましい。
前記(B)成分の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して0.05質量%以上であると、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさが向上し、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生を抑制することができるため好適である。
前記(B)成分の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して10質量%以下であると、タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさが良好となるため好適である。
なお、本明細書における「脂肪酸カス」とは、皮膚洗浄剤組成物に含まれる高級脂肪酸と、水道水のミネラル分(カルシウムやマグネシウム等)とが反応することにより生成される脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムのことを示す。
【0019】
前記(B)グリコール脂肪酸エステルは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(B)グリコール脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、商品名で、EMALEX EG-di-SE(ジステアリン酸グリコール)(日本エマルジョン株式会社製)などが挙げられる。
【0020】
<質量比[(A)/(B)]>
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]は、1以上200以下である。前記質量比[(A)/(B)]が上記範囲であることで、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生を抑制することができる。
前記質量比[(A)/(B)]としては、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生を抑制する観点から、10以上150以下が好ましく、15以上120以下がより好ましい。
前記質量比[(A)/(B)]が10以上であることで、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生をより抑制することができ好適である。
前記質量比[(A)/(B)]が150以下であることで、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生をより抑制することができ好適である。
【0021】
<(C)グリセリン骨格を有するノニオン性界面活性剤>
前記(C)グリセリン骨格を有するノニオン性界面活性剤は、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生を抑制するために含有されていてもよい。
前記(C)成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生を抑制する観点から、ラウリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリルが好ましく、オレイン酸グリセリルがより好ましい。
【0022】
前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生を抑制する観点、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさが向上する観点から、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%以上3質量%以下が好ましく、0.015質量%以上2質量%以下がより好ましい。
前記(C)成分の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%以上であると、洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りの発生を抑制することができ好適である。
前記(C)成分の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、3質量%以下であると、タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさが良好であるため好適である。
【0023】
前記(C)成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分の市販品としては、例えば、NIKKOL MGO(オレイン酸グリセリル)(日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0024】
<(D)アルキルアミンオキシド>
前記(D)アルキルアミンオキシドは、起泡性を向上させるために含有されていてもよい。
前記(D)アルキルアミンオキシドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、起泡性、及び洗浄後の肌におけるつっぱり感なさが向上する観点から、オレイルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、パルミチルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ジメチルラウリルエトキシアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドが好ましく、ラウリルジメチルアミンオキシドがより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記(D)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定できるが、起泡性、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさが向上する観点から、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記(D)成分の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して1質量%以上であると、起泡性、及びタオルドライ後の肌のなめらかさが良好であるため好適である。
前記(D)成分の含有量が、皮膚洗浄剤組成物全量に対して15質量%以下であると、タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさが良好であるため好適である。
【0026】
前記(D)成分は、適宜合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
前記(D)成分の市販品としては、例えば、商品名で、AX剤S(物質名:ラウリルジメチルアミンオキシド、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0027】
<その他の成分>
本発明の皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他の成分を配合することができる。
前記その他の成分としては、例えば、前記(A)成分以外の非石けん系アニオン界面活性剤、水溶性高分子、油分、シリコーン類、アルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、薬剤(例えば、ビタミン類など)、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、中和剤、粘度調整剤、湿潤剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、動植物抽出物又はその誘導体、キレート剤、アミノ酸類、色素、香料、顔料、無機粉体、粘土鉱物、水不溶性高分子化合物粉体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記その他の成分の前記皮膚洗浄剤組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0028】
-(A)成分以外の非石けん系アニオン界面活性剤-
前記(A)成分以外の非石けん系アニオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミノ酸系界面活性剤などが挙げられる。
【0029】
--ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸塩--
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物などが挙げられる。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
【化1】
前記一般式(A1)中、Rはアルキル基を示し、前記アルキル基部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
前記一般式(A1)中、nはエチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数を示し、前記エチレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
前記一般式(A1)中、Xは、アルカリ金属、又はアンモニウムを示す。前記アルカリ金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
【0031】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(2)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(別名:POE(3)ラウレス硫酸ナトリウム)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C12,13)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、エチレンオキサイド(E.O.)の平均付加モル数(n)を表す。
【0032】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、Texapon(テキサポン)(登録商標)N70(物質名:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、BASF社製)、シノリンSPE-1250(物質名:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、新日本理化株式会社製)などが挙げられる。
【0033】
--エーテルカルボン酸塩--
前記エーテルカルボン酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A2)又は(A3)で表される化合物などが挙げられる。
前記エーテルカルボン酸塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
【化2】
前記一般式(A2)及び(A3)中、Rは炭素数5~23の直鎖、分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖、分岐鎖のアルキル基、若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示し、前記R部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
前記一般式(A2)中、Rは同一でも異なっていてもよく、炭素数2~4のアルキレン基を示し、炭素数2が好ましい。
前記一般式(A2)中、oは1~20のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、前記アルキレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
前記一般式(A2)及び(A3)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0035】
前記一般式(A2)又は(A3)で表されるエーテルカルボン酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0036】
前記エーテルカルボン酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記エーテルカルボン酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、エナジコールEC-30(物質名:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ビューライト LCA-25F(物質名:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-30D(物質名:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-H(物質名:ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸)、ビューライト LCA-25NH(物質名:ラウレス-4カルボン酸)、ビューライト SHAA(物質名:ラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム)、ビューライト LCA(物質名:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(いずれも、三洋化成工業株式会社製)、カオーアキポRLM-45NV(物質名:ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、カオーアキポRLM-100NV(物質名:ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(いずれも、花王株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0037】
--アミノ酸系界面活性剤--
前記アミノ酸系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A4)で表される化合物などが挙げられる。前記アミノ酸系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
【化3】
前記一般式(A4)中、R10は炭素数5~23の直鎖、分岐鎖のアルキル基、若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖、分岐鎖のアルキル基、若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示し、前記R10部分の炭素数としては、8~18が好ましい。
前記一般式(A4)中、R11は、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を示す。
前記一般式(A4)中、R12及びR13は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は-(CH-COOMを示す。
前記一般式(A4)中、m及びnは同一でも異なっていてもよく、0~20の数を示す。
前記一般式(A4)中、M及びMは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0039】
前記アミノ酸系界面活性剤の親水部のアミノ酸構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、グリシン、グルタミン酸、メチルアラニンが好ましい。
【0040】
前記一般式(A4)で表されるアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N-ココイル-グリシンカリウム(N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)等のN-アシル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-N-カルボキシエチル-グリシンナトリウム等のN-アシル-N-カルボキシエチル-グリシン及びその塩;N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸カリウム、N-パーム脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム等のN-アシルグルタミン酸及びその塩;N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンカリウムなどが挙げられる。
【0041】
前記アミノ酸系界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記アミノ酸系界面活性剤の市販品としては、例えば、商品名で、アミライト(登録商標)GCK-11(物質名:N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCK-12K(物質名:N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム)、アミライト(登録商標)GCS-12K(物質名:N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミライト(登録商標)GCS-11(物質名:N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-11(物質名:N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)CS-22(物質名:N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)LS-11(物質名:N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)MS-11(物質名:N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(物質名:N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS-11P(F)(物質名:N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム)、アミソフト(登録商標)HS21(物質名:N-ステアロイル-L-グルタミン酸ジナトリウム)、アミライト(登録商標)ACS-12(物質名:ココイルアラニンナトリウム)(いずれも、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)、アミノサーファクト(登録商標)AMMS-P1(物質名:N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム、旭化成ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL サルコシネート MN(物質名:ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム)、NIKKOL アラニネート LN-30(物質名:ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(いずれも、日光ケミカルズ株式会社製)、アラノンACE(物質名:ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム)、アラノンAME(物質名:ミリストイルメチル-β-アラニンナトリウム)、アラノンALE(物質名:ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム)(いずれも、川研ファインケミカル株式会社製)、エナジコール L-30AN(物質名:ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、ソフティルトAT-L(物質名:ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム、日油株式会社製)などが挙げられる。
【0042】
前記非石けん系アニオン界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、2質量%以上20質量%以下が好ましい。
【0043】
-湿潤剤-
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソルビット、プロピレングリコールなどが挙げられる。
前記湿潤剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましい。
【0044】
-粘度調整剤-
前記粘度調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸アルキル共重合体エマルション(2)などが挙げられる。
前記粘度調整剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下が好ましい。
【0045】
-殺菌剤-
前記殺菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロピルメチルフェノールなどが挙げられる。
前記殺菌剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましい。
【0046】
-油分-
前記油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類及びそれらのエステル化合物;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類;グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル、2-エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記油分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下が好ましい。
【0047】
-アルコール類-
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルコール類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下が好ましい。
【0048】
-保湿剤-
前記保湿剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記保湿剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。
【0049】
-防腐剤-
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名:ケーソンCG、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記防腐剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上1質量%以下が好ましい。
【0050】
-酸化防止剤-
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上1質量%以下が好ましい。
【0051】
-キレート剤-
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記キレート剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上1質量%以下が好ましい。
【0052】
-pH調整剤-
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸などが挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウムが好ましい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記pH調整剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下が好ましい。
【0053】
-中和剤-
前記中和剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノエタノールアミンなどが挙げられる。
前記中和剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
【0054】
-紫外線吸収剤及び前記紫外線散乱剤-
前記紫外線吸収剤及び前記紫外線散乱剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルクなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線吸収剤及び前記紫外線散乱剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%以上10質量%以下が好ましい。
【0055】
-ビタミン類-
前記ビタミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、α-リポ酸、オロット酸及びその誘導体などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビタミン類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.001質量%以上0.5質量%以下が好ましい。
【0056】
-アミノ酸類-
前記アミノ酸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ酸類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.001質量%以上0.5質量%以下が好ましい。
【0057】
-水不溶性高分子化合物粉体-
前記水不溶性高分子化合物粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイロン、ポリエチレンなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水不溶性高分子化合物粉体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、皮膚洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%以上2質量%以下であることが好ましい。
【0058】
本発明の皮膚洗浄剤組成物においては、前記(B)成分であるジステアリン酸グリコール、前記(C)成分であるオレイン酸グリセリル、その他の成分であるポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸ナトリウム)、コカミドプロピルベタイン、安息香酸ナトリウム、及びクエン酸を配合するために、それら成分を含む市販品を用いることができる。該市販品としては、例えば、商品名で、Euperlan OP White(BASFジャパン製)などを用いることができる。
【0059】
<pH>
本発明の皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、9~11であることが好ましく、10であることがより好ましい。
前記pHの測定方法としては、特に制限はないが、例えば、皮膚洗浄剤組成物を25℃に恒温した後、pHメーター(商品名:HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で3分間後の値を測定する方法などが挙げられる。
【0060】
<粘度>
本発明の皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、50mPa・s以上500mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以上400mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度の測定方法としては、特に制限はないが、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃、回転数60rpm、No.2のローターにて1分間後の粘度を測定する方法などが挙げられる。
【0061】
<皮膚洗浄剤組成物の製造方法>
本発明の皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分、及び前記(B)成分、必要に応じて、前記(C)成分、前記(D)成分、前記その他の成分、及び精製水(皮膚洗浄剤組成物全体が100質量%となるように残量として配合)を混合して得ることができる。
具体的には、以下のようにして製造することができる。70℃~80℃に加温した精製水に、前記(A)成分を溶解した後、40℃以下に冷却してから、前記(B)成分、前記(C)成分、及び前記(D)成分を添加し、溶解させることにより製造することができる。
【0062】
前記皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。前記装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0063】
<用途>
前記皮膚洗浄剤組成物の使用部位及び使用方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全身、顔、手などに通常の使用方法で使用することができる。
前記皮膚洗浄剤組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープクレンジングフォーム、メイク落としなどが挙げられる。
【実施例0064】
以下に、本発明を実施例、比較例、及び処方例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
また、実施例、比較例、及び処方例に記載の各成分の含有量は「質量%」で示し、全て純分換算した値である。
【0065】
(実施例1~24及び比較例1~4)
下記表1~表6に示す組成、及び含有量の皮膚洗浄剤組成物を以下の方法で調製した。
その他の成分であるプロピレングリコール、ソルビット、及び精製水を使用し、最終的に得られる皮膚洗浄剤組成物全体量の60質量%になる量の混合液を調製した。この混合液を70℃~80℃に加温した後、(A)成分である高級脂肪酸塩、その他の成分であるエデト酸、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、イソプロピルメチルフェノール、及びアクリル酸アルキル共重合体エマルション(2)を添加し溶解させた。次いで、40℃以下に冷却し、(B)成分であるグリコール脂肪酸エステル、(C)成分であるオレイン酸グリセリル、(D)成分であるアルキルアミンオキシド、その他の成分であるラウレス硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、及び香料を添加し溶解させた。その後、所定のpHに満たない場合は、その他の成分である水酸化カリウムを添加し、pH10に調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加え、実施例1~24及び比較例1~4の皮膚洗浄剤組成物を得た。
なお、各成分の混合は、攪拌羽根としてプロペラを使用し、スリーワンモーター(商品名:HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌することにより行った。
なお、pHは、pHメーター(商品名:HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた実施例1~24及び比較例1~4の皮膚洗浄剤組成物の粘度は、25℃に恒温した後、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、25℃でスピンドルNo.2のローターを使用し、回転数60回転/分間で1分間の条件で測定した。
【0066】
得られた実施例1~24及び比較例1~4の皮膚洗浄剤組成物について、「泡の弾力性」、「起泡性」、「洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ」、「タオルドライ後の肌のなめらかさ」、「タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさ」、及び「洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りのなさ」を評価し、判定した。結果を下記表1~表6に示した。
【0067】
<泡の弾力性の評価>
専門評価者10名が、実施例1~24及び比較例1~4の各皮膚洗浄剤組成物を手のひらに1プッシュ(約1g)取り、往復20回両手の手のひらを擦った後、泡を両手で挟んで引き離すことにより泡のツノを立たせて泡の弾力性を観察し、下記評価基準に基づいて評価した。前記専門評価者10名が評価した評価点の平均値(平均評価点)を求め、「泡の弾力性」を下記判定基準に基づき判定した。なお、判定基準が「〇」、「◎」、又は「◎◎」であった場合を合格レベルとした。
-「泡の弾力性」の評価基準-
5点:泡の弾力を感じ、2cm以上のツノが立つ
4点:泡の弾力を感じ、1cm以上2cm未満のツノが立つ
3点:泡の弾力を感じ、0.1cm以上1cm未満のツノが立つ
2点:泡の弾力を感じるが、ツノが立たない
1点:泡の弾力を感じない
-「泡の弾力性」の判定基準-
◎◎:平均評価点が4.0点以上5.0点以下
◎:平均評価点が3.5点以上4.0点未満
〇:平均評価点が3.0点以上3.5点未満
△:平均評価点が2.0点以上3.0点未満
×:平均評価点が1.0点以上2.0点未満
【0068】
<起泡性の評価>
専門評価者10名が、実施例1~24及び比較例1~4の各皮膚洗浄剤組成物を手のひらに1プッシュ(約1g)取り、往復20回両手の手のひらを擦った後の泡の量の多さを観察し、下記評価基準に基づいて評価した。前記専門評価者10名が評価した評価点の平均値(平均評価点)を求め、「起泡性」を下記判定基準に基づき判定した。なお、判定基準が「〇」、「◎」、又は「◎◎」であった場合を合格レベルとした。
-「起泡性」の評価基準-
5点:擦った後の泡の量が、両手の手のひらの面積の80%以上の量である
4点:擦った後の泡の量が、両手の手のひらの面積の60%以上80%未満の量である
3点:擦った後の泡の量が、両手の手のひらの面積の40%以上60%未満の量である
2点:擦った後の泡の量が、両手の手のひらの面積の20%以上40%未満の量である
1点:擦った後の泡の量が、両手の手のひらの面積の20%未満の量である
-「起泡性」の判定基準-
◎◎:平均評価点が4.0点以上5.0点以下
◎:平均評価点が3.5点以上4.0点未満
〇:平均評価点が3.0点以上3.5点未満
△:平均評価点が2.0点以上3.0点未満
×:平均評価点が1.0点以上2.0点未満
【0069】
<洗浄後の肌のつっぱり感のなさの評価>
専門評価者10名が、実施例1~24及び比較例1~4の各皮膚洗浄剤組成物を手のひらに1プッシュ(約1g)取り、手のひらと手の甲とを往復20回ずつ擦って手肌全体を洗浄した後、タオルドライした。この洗浄を1日に7回行い、7回目の洗浄及びタオルドライから5分間後に、手肌のつっぱり感を下記評価基準に基づいて評価した。前記専門評価者10名が評価した評価点の平均値(平均評価点)を求め、「洗浄後の肌のつっぱり感のなさ」を下記判定基準に基づき判定した。なお、判定基準が「〇」、「◎」、又は「◎◎」であった場合を合格レベルとした。
-「肌のつっぱり感のなさ」の評価基準-
4点:肌のつっぱりを全く感じない
3点:肌のつっぱりをやや感じる
2点:肌のつっぱりを感じる
1点:肌のつっぱりを非常に感じる
-「肌のつっぱり感のなさ」の判定基準-
◎◎:平均評価点が3.7点以上4.0点以下
◎:平均評価点が3.3点以上3.7点未満
〇:平均評価点が3.0点以上3.3点未満
△:平均評価点が2.0点以上3.0点未満
×:平均評価点が1.0点以上2.0点未満
【0070】
<タオルドライ後の肌のなめらかさの評価>
専門評価者10名が、実施例1~24及び比較例1~4の各皮膚洗浄剤組成物を手のひらに1プッシュ(約1g)取り、手のひらと手の甲とを往復20回ずつ擦って手肌全体を洗浄した後、タオルドライした。この洗浄を1日に7回行い、7回目の洗浄及びタオルドライから5分間後に、手の甲に手のひらをすべらせ、手の甲表面のなめらかさを下記評価基準に基づいて評価した。前記専門評価者10名が評価した評価点の平均値(平均評価点)を求め、「タオルドライ後の肌のなめらかさ」を下記判定基準に基づき判定した。なお、判定基準が「〇」、「◎」、又は「◎◎」であった場合を合格レベルとした。
-「タオルドライ後の肌のなめらかさ」の評価基準-
5点:手の甲表面がなめらかで、手のひらがよくすべる
4点:手の甲表面がややなめらかで、手のひらがすべる
3点:手の甲表面がわずかになめらかで、手のひらがややすべる
2点:手の甲表面がなめらかではなく、手のひらのすべりが悪い
1点:手の甲表面にざらつきを感じ、手のひらのすべりが悪い
-「タオルドライ後の肌のなめらかさ」の判定基準-
◎◎:平均評価点が4.0点以上5.0点以下
◎:平均評価点が3.0点以上4.0点未満
〇:平均評価点が2.0点以上3.0点未満
×:平均評価点が1.0点以上2.0点未満
【0071】
<タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさの評価>
専門評価者10名が、実施例1~24及び比較例1~4の各皮膚洗浄剤組成物を手のひらに1プッシュ(約1g)取り、手のひらと手の甲とを往復20回ずつ擦って手肌全体を洗浄した後、タオルドライした。この洗浄を1日に7回行い、7回目の洗浄及びタオルドライ直後に、べたつきのなさを下記評価基準に基づいて評価した。前記専門評価者10名が評価した評価点の平均値(平均評価点)を求め、「タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさ」を下記判定基準に基づき判定した。なお、判定基準が「〇」、「◎」、又は「◎◎」であった場合を合格レベルとした。
-「タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさ」の評価基準-
5点:肌のべたつきを全く感じない
4点:肌のべたつきをほとんど感じない
3点:肌のべたつきをわずかに感じるが、問題のないレベル
2点:肌のべたつきを感じる
1点:肌のべたつきを強く感じる
-「タオルドライ後の肌におけるべたつきのなさ」の判定基準-
◎◎:平均評価点が4.0点以上5.0点以下
◎:平均評価点が3.0点以上4.0点未満
〇:平均評価点が2.0点以上3.0点未満
×:平均評価点が1.0点以上2.0点未満
【0072】
<洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りのなさの評価>
専門評価者10名が、実施例1~24及び比較例1~4の各皮膚洗浄剤組成物を手のひらに1プッシュ(約1g)取り、手のひらと手の甲とを往復20回ずつ擦って手肌全体を洗浄した後、タオルドライした。この洗浄を1日に7回行い、7回目の洗浄及びタオルドライ後に、脂肪酸カス由来の白残りのなさを下記評価基準に基づいて評価した。前記専門評価者10名が評価した評価点の平均値(平均評価点)を求め、「洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りのなさ」を下記判定基準に基づき判定した。なお、判定基準が「〇」、「◎」、又は「◎◎」であった場合を合格レベルとした。
-「洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りのなさ」の評価基準-
5点:白残りが全くない
4点:白残りがほとんどない
3点:白残りがわずかにあるが、問題のないレベル
2点:白残りがある
1点:白残りが多くある
-「洗浄後に生じる脂肪酸カス由来の白残りのなさ」の判定基準-
◎◎:平均評価点が4.0点以上5.0点以下
◎:平均評価点が3.0点以上4.0点未満
〇:平均評価点が2.0点以上3.0点未満
×:平均評価点が1.0点以上2.0点未満
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
(処方例1~14)
下記表7~10に示す組成及び含有量の皮膚洗浄剤組成物を、実施例1と同様の方法で調製した。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】
【表9】
【0083】
【表10】
【0084】
前記実施例1~24、比較例1~4、及び処方例1~14で使用した各成分の詳細について、下記表11に示す。
なお、処方例1~14におけるジステアリン酸グリコール、ポリオキシエチレン(1~2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、オレイン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、及びクエン酸は、Euperlan OP White(BASFジャパン製)由来のものである。
【0085】
【表11】
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗浄後の肌表面における白残りを低減し、泡の弾力性、起泡性、洗浄後の肌におけるつっぱり感のなさ、タオルドライ後の肌のなめらかさ、及びタオルドライ後の肌におけるべたつきのなさに優れるため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープクレンジングフォーム、メイク落としなどに好適に用いることができる。