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特開2023-152324パーティションウェザーストリップの取付構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152324
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】パーティションウェザーストリップの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 10/70 20160101AFI20231010BHJP
【FI】
B60J10/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062234
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(71)【出願人】
【識別番号】000158840
【氏名又は名称】鬼怒川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100205682
【弁理士】
【氏名又は名称】高嶋 一彰
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅年
(72)【発明者】
【氏名】小川 峻佑
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 弘樹
【テーマコード(参考)】
3D201
【Fターム(参考)】
3D201AA12
3D201BA01
3D201CA23
3D201CB04
3D201EA01
3D201EA05
(57)【要約】
【課題】パーティションウェザーストリップのミラーブラケットに対する位置決め作業と取り付け作業能率の向上を図り得るパーティションウェザーストリップの取付構造を提供する。
【解決手段】ミラーブラケット18の底壁18bの上面の長手方向の所定位置に位置決め用の一つの係止孔20が設けられている一方、パーティションウェザーストリップ5の底辺部6の下部壁11の下面に、底辺部のスライド移動時に係止孔20に係入する一つの突起部17が設けられ、この突起部の下面17aが、車両前方側の前端縁17bから車両後方側の後端面17cに掛けて下り傾斜状に形成されている。この傾斜状の下面は、パーティションウェザーストリップの取り付け時に底辺部をスライド移動させる際に、ミラーブラケットの底壁上面を摺接可能としている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントドアの前端部のドアパネルとドアサッシュ及びセンターサッシュとの間に装着されて、パーティションガラスの外周を保持するパーティションウェザーストリップの底辺部を、前記ドアパネルに固定されるブラケットの底壁上面にスライド移動させながら該ブラケットに取り付けるパーティションウェザーストリップの取付構造であって、
前記ブラケットの底壁上面の長手方向の所定位置に位置決め用の一つの係止孔が設けられている一方、
前記パーティションウェザーストリップの底辺部の下面に、該底辺部のスライド移動時に前記係止孔に係入する一つの突起部が設けられ、
前記突起部の下面が、該突起部の車両前方側の前端縁から車両後方側の後端縁に掛けて下り傾斜状に形成され、
前記傾斜状の下面は、前記底辺部をスライド移動させた際に、前記ブラケットの底壁の上面に摺接可能とすることを特徴とするパーティションウェザーストリップの取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のパーティションウェザーストリップの取付構造であって、
前記係止孔は、前記ブラケットの底壁の長手方向に沿って長孔状に形成されている一方、
前記突起部は、長孔状の前記係止孔の長さよりも短い矩形ブロック状に形成されていることを特徴とするパーティションウェザーストリップの取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載のパーティションウェザーストリップの取付構造であって、
前記係止孔は、長手方向のほぼ中央の両対向孔縁を互いに内側に突出させて、平面視ほぼ瓢箪状に形成されていることを特徴とするパーティションウェザーストリップの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフロントドアの前端部に取り付けられるパーティションガラスの周囲に装着されて、ドアサッシュやアウトサイドミラーの取付部に取り付けられるパーティションウェザーストリップの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパーティションウェザーストリップの取付構造としては、以下の特許文献1に記載されているものが知られている。
【0003】
図1は本発明及び従来技術のパーティションウェザーストリップが取り付けられる自動車のフロントドアの側面図、図13は従来のパーティションウェザーストリップの取付構造を断面して示す要部分解斜視図である。
【0004】
パーティションウェザーストリップ30は、図1に示すように、フロントドア1の窓部の前端部にパーティションガラス9を保持しつつ、ドア本体2とドアサッシュ3及びセンターサッシュ4の周囲に閉ループ状に配設されている。
【0005】
パーティションウェザーストリップ30は、図13に示すように、内周にパーティションガラス9の周縁部が嵌合保持される横断面ほぼU字形状のガラス保持部31を有しており、このガラス保持部31の底辺部31aが、ドアミラーを取り付けるためのドアパネルの車両上方側に設けられたミラーレインフォース(ミラーブラケット)32に取り付けられる。
【0006】
前記ミラーブラケット32は、金属板を例えばプレス加工によって成形されて、車幅方向の内側にパーティションウェザーストリップ30を保持するクランク状に折曲形成されたストリップ取付部33を有している。このストリップ取付部33は、車両幅方向に沿ったほぼ平板状のストリップ受け部33aを有し、このストリップ受け部33aには、平面視でほぼ長方形状の挿入孔33bが穿設されている。この挿入孔33bは、車両前後方向で所定の間隔を開けた2箇所に設けられている。
【0007】
一方、前記ガラス保持部31の底辺部31aの下面には、前記各挿入孔33bに挿入される2つの差込部31bが突設されている。この各差込部31bは、外周形状が前記各挿入孔33bの内周形状とほぼ同一に形成されて、各挿入孔33bに対して上方から下方へ、つまり鉛直方向から挿入されるようになっている。
【0008】
したがって、パーティションウェザーストリップ30は、各差込部31bがミラーブラケット18の各挿入孔33bに差し込まれることによってミラーブラケット18に位置決めされつつ取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2019-209941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記公報記載の従来技術にあっては、前述のように、パーティションウェザーストリップ30を、ミラーブラケット32に取り付けるに際し、2つの差込部31bを対応する2つの挿入孔33bに鉛直方向から挿入するようになっている。
【0011】
しかしながら、パーティションウェザーストリップ30の押出成形の精度やミラーブラケット32のプレス成形の加工精度の誤差によっては、各差込部31bや各挿入孔33bの形成位置にばらつきが生じる、あるいは、各差込部31bの外周形状や各挿入孔33bの内周形状や大きさにばらつきが発生するおそれがある。
【0012】
そうすると、各差込部31bを各挿入孔33bに挿入し難くなるとか、場合によっては挿入できなくなって、ミラーブラケット32に対するパーティションウェザーストリップ30の取り付け作業が困難になる。
【0013】
特に、差込部31bと挿入孔33bがそれぞれ2つ設けられているので、これらの距離間などの高い位置合わせの精度が要求されることから、前述した成形誤差や加工誤差によってさらに挿入性がさらに悪化し易くなり、パーティションウェザーストリップ30の取り付け作業が一層困難になるおそれがある。
【0014】
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、パーティションウェザーストリップのミラーブラケットに対する位置決め作業と取り付け作業能率の向上を図ることができるパーティションウェザーストリップの取付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願請求項1に記載の発明は、車両のフロントドアの前端部のドアパネルとドアサッシュ及びセンターサッシュとの間に装着されて、パーティションガラスの外周を保持するパーティションウエザーストの底辺部を、前記ドアパネルに固定されるブラケットの底壁上面にスライド移動させながら該ブラケットに取り付けるパーティションウェザーストリップの取付構造であって、
前記ブラケットの底壁上面の長手方向の所定位置に位置決め用の一つの係止孔が設けられている一方、
前記パーティションウェザーストリップの底辺部の下面に、該底辺部のスライド移動時に前記係止孔に係入する一つの突起部が設けられ、
前記突起部の下面が、該突起部の車両前方側の前端縁から車両後方側の後端縁に掛けて下り傾斜状に形成され、
前記傾斜状の下面は、前記底辺部をスライド移動させた際に、前記ブラケットの底壁の上面に摺接可能とすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、パーティションウェザーストリップのブラケットに対する位置決め作業と取り付け作業能率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明及び従来技術に供されるパーティションウェザーストリップが取り付けられる自動車のフロントドアの側面図である。
図2図1の一部を透視して示すA部拡大図である。
図3】本実施形態に供されるパーティションウェザーストリップとミラーブラケットを示す分解斜視図である。
図4図2のB-B線断面図である。
図5図2のC-C線断面図である。
図6】本実施形態に供されるパーティションウェザーストリップの一部を下方から示す斜視図である。
図7】本実施形態に供されるパーティションウェザーストリップに設けられた突起部を示す要部側面図である。
図8】本実施形態に供されるミラーブラケットに設けられた係止孔を示す要部平面図である。
図9】本実施形態に供されるパーティションウェザーストリップをフロントドアに取り付ける取付手順を示し、(a)はパーティションウェザーストリップをフロントドアに取り付ける前の状態を示し、(b)はパーティションウェザーストリップの突起部をミラーブラケットの底壁上面に摺接移動中の状態を示し、(c)はパーティションウェザーストリップの突起部がミラーブラケットの係止孔に落ち込む前の状態を示し、(d)は突起部が係止孔に落ち込み係止した状態を示している。
図10】本発明の第2実施形態に供される突起部を示す要部側面図である。
図11】本発明の第3実施形態に供される突起部を示す要部側面図である。
図12】本発明の第4実施形態に供される係止孔を示す要部平面図である。
図13】従来のパーティションウェザーストリップの取付構造を断面して示す要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のパーティションウェザーストリップの取付構造の実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0019】
図2図1のA部拡大図であり、一部を透視して示している。図3は本実施形態に供されるパーティションウェザーストリップとミラーブラケットの分解斜視図、図4図2のB-B線断面図、図5図2のC-C線断面図である。
【0020】
図1に示すように、車両である自動車のフロントドア1のドア本体2の上部には、ドアサッシュ3が設けられ、このドアサッシュ3は、車内側のインナーパネル2aの端末部と車外側のアウターパネル2bの端末部をヘミング加工によって結合して形成されている。前記フロントドア1の窓部の前端部には、ドア本体2とドアサッシュ3及びセンターサッシュ4の周囲にパーティションウェザーストリップ5が閉ループ状に配設されている。
【0021】
このパーティションウェザーストリップ5は、図2に示すように、例えば、ポリ塩化ビニル、塩ビ(PVC)やポリプロピレン(PP)などの樹脂やゴム材料を押出成形によって側面視、ほぼ矩形状に形成されている。すなわち、パーティションウェザーストリップ5は、図2及び図3に示すように、ドア本体2のインナーパネル2aに固定された後述するミラーブラケット18の底壁18bの上面に載置保持される底辺部6と、該底辺部6の前端部から車両後方へ傾斜状に立ち上がってドアサッシュ3の先端部に嵌合保持される傾斜状の傾斜辺部7と、底辺部6の後端部からほぼ垂直に立ち上がって上端が前記傾斜辺部7の一端に結合され、センターサッシュ4に嵌合保持される縦辺部8と、を有し、これらによって、全体がほぼ矩形状に形成されている。
【0022】
パーティションウェザーストリップ5は、図4及び図5に示すように、横断面ほぼU字形状に形成されて、内周部には三角形状のパーティションガラス9の周縁部を嵌合保持するガラス保持部10が設けられている。また、パーティションウェザーストリップ5の前記底辺部6は、下部壁11と、該下部壁11の車内側と車外側の両側縁から立ち上がった車内側側壁12及び車外側側壁13と、を有し、これら下部壁11と車内、車外側の両側壁12,13の間に前記ガラス保持部10の一部が形成されている。
【0023】
前記車内側側壁12は、車内側の外面に上下二段の保持リップ12a、12bが車内方向へ突設されており、この両保持リップ12a、12bによってインナーパネル2aの上端部まで延びたドアトリム14の端部を保持するようになっている。
【0024】
前記車外側側壁13は、車外側の外面にミラーブラケット18の上端部に装着されたモール16の上端に車内方向から当接する支持リップ13aが突設されている。
【0025】
前記下部壁11は、底面の車内側と車外側の端部にミラーブラケット18の底壁18bの上面に弾接する3つの弾接リップ11a、11b、11cが下方に向けて突設されていると共に、底面の長手方向の所定位置に一つの突起部17が設けられている。
【0026】
図6は本実施形態に供されるパーティションウェザーストリップの一部を下方から示す斜視図、図7は本実施形態に供されるパーティションウェザーストリップに設けられた突起部を示す要部側面図である。
【0027】
この突起部17は、図6及び図7に示すように、底辺部6の長手方向に沿った矩形ブロック状に形成されて、自身の下面17a側から視ると長方形状に形成されている。また、この突起部17は、下面17aが車両前方の前端縁17bから車両後方の後端面17cまで下り傾斜状に形成されて、側面から視るとほぼ直角三角形に形成されている。つまり、突起部17は、下面17aが前端縁17bから後端面17cの端縁まで漸次下り傾斜状に形成されていると共に、後端面17cが底辺部6の下部壁11の下端面11dから垂下した矩形面に形成されている。
【0028】
前記下面17aの傾斜角度は、パーティションウェザーストリップ5を持って車両後方からドアサッシュ3やミラーブラケット18に取り付ける際に、パーティションウェザーストリップ5の底辺部6の前端部が低くなるように傾けた姿勢の状態(図9(b)参照)で、下面17aがミラーブラケット18の底壁18bの上面とほぼ平行になる角度に設定されている。
【0029】
このパーティションウェザーストリップ5の底辺部6は、ドアミラーを取り付けるためのドア本体2のベルトラインBL(図1参照)よりも下側に設けられたミラーブラケット18に取り付けられている。このミラーブラケット18は、ドア本体2のインナーパネル2aとアウターパネル2bとの間に配置されて、図外のドアミラーを取り付けるためのものである。
【0030】
このミラーブラケット18は、図3に示すように、細長い金属板を例えばプレス加工によって成形されて、車体の前後方向に沿って配置されていると共に、前端部18aがドア本体2の前端部とドアサッシュ3に沿ってほぼL字形状に折曲形成されて、ドアサッシュ3に溶接固定されている。また、ミラーブラケット18は、横断面がほぼL字形状に折曲形成されて、インナーパネル2aの端末部との間でパーティションウェザーストリップ5の底辺部6を保持するようになっている。ミラーブラケット18は、パーティションウェザーストリップ5が上面に載置される平坦な底壁18bと、該底壁18bの一側縁から立ち上がった外側壁18cと、を有している。
【0031】
図8は本実施形態に供されるミラーブラケットに設けられた係止孔を示す要部平面図である。
【0032】
ミラーブラケット18の底壁18bには、図8に示すように、長手方向の所定位置にパーティションウェザーストリップ5の突起部17が係入可能な一つの係止孔20が上下方向に貫通形成されている。この係止孔20は、底壁18bの幅方向のほぼ中央位置で、かつ底壁18bの長手方向に沿って長孔状に形成されている。また、係止孔20は、両側縁間の幅長さWが均一なほぼ長方形状に形成され、前後端縁20a、20bがほぼ円弧状に形成されていると共に、長手方向の長さLがほぼ前記突起部17の前後方向の長さL1よりも僅かに長く形成されて突起部17が係入可能になっている。そして、係止孔20は、パーティションウェザーストリップ5をミラーブラケット18に取り付ける際に、前記突起部17が係入して、パーティションウェザーストリップ5の位置決め用として機能するようになっている。
【0033】
〔本実施形態に係るパーティションウェザーストリップの取付構造の作用効果〕
図9(a)はパーティションウェザーストリップ5をドアサッシュ3やミラーブラケット18に取り付ける前の状態を示す側面図、図9(b)はパーティションウェザーストリップ5をミラーブラケット18の底壁18b上面に摺動させて取り付ける途中の状態を示す側面図、図9(c)はパーティションウェザーストリップ5の突起部17がミラーブラケット18の係止孔に落ち込み係入する直前の状態を示す要部拡大側面図、図9(d)は突起部17が係止孔20に落ち込み係入してパーティションウェザーストリップ5の底辺部がミラーブラケット18に取り付けられた状態を示す側面図である。
【0034】
以下、パーティションウェザーストリップ5を、図9(a)~(d)に基づいてドアサッシュ3やミラーブラケット18などに取り付ける手順について説明する。
【0035】
まず、図9(a)に示すように、フロントドア1側では、予めセンターサッシュ4を取り外した状態にしておき、また、パーティションウェザーストリップ5のガラス保持部10には、予めパーティションガラス9が嵌合保持されている状態になっている。
【0036】
この状態で、パーティションガラス9と一緒にパーティションウェザーストリップ5を、作業者が手に持って図中黒線矢印方向へ、つまり車両の後方から前方のドアサッシュ3方向へ押し込んで、パーティションウェザーストリップ5の底辺部6を、ミラーブラケット18の底壁18bの上面に摺接させながら前方に移動させる。この状態では、パーティションウェザーストリップ5は、前方側が所定の角度で下り傾斜状に傾いた状態となっていることから、パーティションウェザーストリップ5の突起部17の下面17aが、底壁18bの上面上を摺接しながら前方へスライド移動する。
【0037】
そうすると、所定のスライド移動位置で、突起部17が、図9(c)(d)に示すように、ミラーブラケット18の係止孔20に到達した時点で該係止孔20に落ち込んで係入する。これによって、パーティションウェザーストリップ5は、それ以上の前方及び後方移動が規制され、この位置で底壁18bに対する前後方向および左右幅方向の位置決めがなされる。
【0038】
その後、センターサッシュ4を、パーティションウェザーストリップ5の縦辺部8側に組み付ければ、パーティションウェザーストリップ5の取付作業が完了する。
【0039】
以上のように、本実施形態では、パーティションウェザーストリップ5の一つの突起部17の下面に有する下面17aを、ミラーブラケット18の底壁18bの上面にスライド移動させながらミラーブラケット18の一つの係止孔20に係止させるだけであるから、たとえ、パーティションウェザーストリップ5の押出成形時の成形誤差やミラーブラケット18の成形加工時の加工誤差が発生していたとしても、ミラーブラケット18に対するパーティションウェザーストリップ5の位置決め及び取り付け作業を簡単かつ確実に行うことができる。
【0040】
特に、突起部17の傾斜状の下面17aをミラーブラケット18の底壁18bの上面に摺接させつつパーティションウェザーストリップ5をスライド移動させるので、このスライド移動時における突起部17によるパーティションウェザーストリップ5の高さ方向の変化量が少なくなる。つまり、スライド移動中におけるパーティションウェザーストリップ5は、上下方向の高さが大きく変化することなく少ない変化量となる。この結果、スライド移動時に、パーティションウェザーストリップ5の傾斜辺部7と縦辺部8の上端部などがドアサッシュ3に干渉して移動性が悪化することがなくなる。
【0041】
しかも、本実施形態によれば、係止孔20が長孔状に形成されていることによって、矩形ブロック状の突起部17が傾斜状の下面17aを介して係止孔20の長手方向の後端縁20bに摺接しつつ突起部17全体が係止孔20に落ち込み係入することによって位置決め完了の節度感が得られる。
〔第2実施形態〕
図10は本発明の第2実施形態を示し、パーティションウェザーストリップ5やミラーブラケット18などの基本構造は第1実施形態を同じであるが、異なるところはパーティションウェザーストリップ5の突起部17の形状を変更したものである。
【0042】
すなわち、突起部17は、側面視ほぼ鈍角三角形に形成されて、傾斜状の下面17aと後端面17cが鈍角状に結合されて、該後端面17cも僅かに傾斜状に形成されている。
【0043】
したがって、この第2実施形態も第1実施形態と同じく、パーティションウェザーストリップ5の取り付け時に、突起部17の傾斜状の下面17aがミラーブラケット18の底壁18bの上面を上下変化量が少ない状態でスムーズに摺接移動する。よって、第1実施形態を同じ作用効果が得られる。
【0044】
他の構成は第1実施形態と同じであるから、これらと同じ作用効果が得られる。
〔第3実施形態〕
図11は本発明の第3実施形態を示し、第2実施形態と同じくパーティションウェザーストリップ5の突起部17の形状をさらに変更したものである。
【0045】
すなわち、突起部17は、側面視ほぼ円弧状に形成されて、傾斜状の下面17aと後端面17cの結合箇所(頂部)がなだらかな円弧面17dで結合されている。
【0046】
したがって、この第3実施形態によれば、突起部17の頂部に円弧面17dを有していることから、パーティションウェザーストリップ5の取り付け時に、突起部17の傾斜状の下面17aがミラーブラケット18の底壁18b上面を摺接するが、このときに円弧面17dによって滑らかな摺接移動が得られる。
【0047】
他の構成は第1、第2実施形態と同じであるから、これらと同じ作用効果が得られる。
〔第4実施形態〕
図12は本発明の第4実施形態を示し、ミラーブラケット18の係止孔20の形状を変更したものである。
【0048】
すなわち、第1実施形態と同じく長孔状に形成された係止孔20は、長手方向のほぼ中央の両対向孔縁を互いに内側に円弧状に突出させて、平面視ほぼ瓢箪状に形成されている。互いに内方に突出された両突部20c、20dは、対向縁間の幅長さW1がパーティションウェザーストリップ5の突起部17の幅長さよりも僅かに大きく形成されて、係入時における突起部17の両側面が両突部20c、20dの対向内縁に当接可能に形成されている。
【0049】
したがって、この実施形態によれば、係止孔20の両突部20c、20dを内方に突出させて絞り部としたことによって、突起部17の落ち込み係入時における節度感をさらに高くすることができる。
【0050】
本発明は、各実施形態の構成に限定されるものではなく、突起部17の形状を、例えば底面視、正方形状に形成し、あるいは係止孔20の形状に合わせて同じ形状とすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…フロントドア
2…ドア本体
2a…インナーパネル
2b…アウターパネル
3…ドアサッシュ
4…センターサッシュ
5…パーティションウェザーストリップ
6…底辺部
7…傾斜辺部
8…縦辺部
9…パーティションガラス
10…ガラス保持部
11…下部壁
11d…下端面
17…突起部
17a…下面
17b…前端縁
17c…後端面
18…ミラーブラケット
18b…底壁
20…係止孔
20a・20b…前後端縁
20c・20d…両突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13