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  • 特開-床面の洗浄および/または研磨装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152334
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】床面の洗浄および/または研磨装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/164 20060101AFI20231010BHJP
   A47L 11/162 20060101ALI20231010BHJP
   B24B 7/18 20060101ALI20231010BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
A47L11/164
A47L11/162
B24B7/18
B24B23/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062256
(22)【出願日】2022-04-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】522135145
【氏名又は名称】中村 正光
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】中村 正光
【テーマコード(参考)】
3C043
3C158
【Fターム(参考)】
3C043BB16
3C043CC06
3C043CC13
3C043DD02
3C043DD06
3C158AA06
3C158AA09
3C158AA14
3C158AA16
3C158AC01
3C158CA01
3C158CB04
(57)【要約】
【課題】ヘッド部のブラシやスポンジを回転させるなどして床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、取扱いを容易にする。
【解決手段】ヘッド部2に鉛直軸線5回りに回転するブラシ21やスポンジが1個設けられるだけの簡単で小型の洗浄装置1において、前記ヘッド部2から伸びる腕部(アーム)3の先端(基端31)に、使用者が肩を通す孔部41を有する吊下げ部4を設ける。したがって、その孔部41を通った使用者の腕と使用者の体側とで前記腕部(アーム)3を挟み込むので、ヘッド部2の逃げを押さえ込み易くなり、小柄な女性などでも取扱いの容易な洗浄装置1を実現することができる。また、吊下げ部4で、該洗浄装置1を肩からぶら下げて持運びを楽に行うこともできる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、
前記床面の洗浄および/または研磨を行うヘッド部と、
前記ヘッド部から伸び、使用者の脇に挟まれる腕部と、
前記腕部の前記ヘッド部とは反対側に設けられ、前記使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部とを含むことを特徴とする床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項2】
前記ヘッド部は、1本の鉛直軸線回りに回転する回転軸の先端に、前記洗浄および/または研磨を行う部材が取付けられて構成されることを特徴とする請求項1記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項3】
前記腕部は、前記使用者が脇で挟む帯状に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項4】
前記吊下げ部は、環状に形成されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項5】
前記ヘッド部は、取付けられた先端工具を回転させることができる回転式電動工具と、それを保持する保持部と、前記先端工具として取付けられて前記洗浄および/または研磨を行う部材とを備えて構成されることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項6】
前記回転式電動工具は、インパクトドライバーであることを特徴とする請求項5記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項7】
前記腕部には、前記保持部に保持された前記回転式電動工具のトリガレバーを遠隔操作する操作部をさらに備えることを特徴とする請求項5または6記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項8】
前記操作部は、前記腕部の前記保持部とは反対側の端部付近から引出されて前記トリガレバーに引掛けられて往復する帯または紐状体から成ることを特徴とする請求項7記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項9】
前記操作部は、撚り線の電線から成ることを特徴とする請求項8記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクラブランチャーやポリッシャーなどとして実現される床面の洗浄および/または研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記の床面の洗浄および/または研磨装置(以下、簡略的に洗浄装置と表現することもある)は、床面に接触させたブラシやスポンジを回転させることで、前記床面の洗浄や研磨を行うものである。なお、ワックス剥離等も、磨きの一種として本発明の対象とする。
【0003】
そのような洗浄装置の典型的な従来技術は、特許文献1で示されている。特許文献1は、ポリッシャーで、洗浄水のタンク付である。そして、業務用途か、比較的大型で、回転ブラシの径も大きく、ヘッド部分の重さで床面に押付けることで、洗浄効果を高めている。そのため、装置の取り回しに力が必要で、前記ヘッドから伸びる腕部(アーム)の手元は、使用者が両手で保持する平行ハンドルとなっている。
【0004】
一方、コードレス掃除機のような形態で、先端に回転ブラシを取付けたスクラブランチャーと呼ばれる比較的小型の商品も販売されている。その装置によれば、床面に水や洗浄液を撒いて、該装置でブラシを掛けた後、洗い流して、水切りワイパーで前記水や洗浄液を拭取ることで、簡単に洗浄を行うことができる。そのため、たとえば、マンションの管理人が供用スペースを洗浄したりするのに好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-10086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、掃除機では、回転ブラシは左右の水平軸線周りに回転しており、使用者がブラシ(ヘッド)を押す際には助力になり、引く際には抗力になる程度で、格別、作業性には問題は無い。これに対して、上述のようなスクラブランチャーやポリッシャーなどの洗浄装置では、先端のブラシやスポンジは鉛直軸線回りに回転させており、どうしても先端が左右方向に逃げて行ってしまい、取扱いが困難である。そのようなことを防止するために、少し大型の洗浄装置では、ブラシなどを左右一対で設け、相互に逆回転させることで対応している。しかしながら、特にブラシやスポンジを1個にした簡単で小型の洗浄装置では、上述のような問題が残る。
【0007】
本発明の目的は、取扱いの容易な床面の洗浄および/または研磨装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の床面の洗浄および/または研磨装置は、床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、前記床面の洗浄および/または研磨を行うヘッド部と、前記ヘッド部から伸び、使用者の脇(胸の両側で両腕の付け根、腋)に挟まれる腕部と、前記腕部の前記ヘッド部とは反対側に設けられ、前記使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、ヘッド部のブラシやスポンジを回転させるなどして床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、前記ヘッド部から伸びる腕部(アーム)の先端(基端)に、使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部を設け、その孔部を通った使用者の腕と使用者の体側とで、前記腕部(アーム)を挟み込むようにする。
【0010】
したがって、前記ヘッド部にたとえば鉛直軸線回りに回転するブラシやスポンジが1個設けられるだけの簡単で小型の洗浄装置であっても、ヘッド部の逃げを押さえ込み易くなり、小柄な女性などでも取扱いの容易な洗浄および/または研磨装置を実現することができる。また、吊下げ部で、該洗浄および/または研磨装置を肩からぶら下げて持運びを楽に行うこともできる。
【0011】
また、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記ヘッド部は、1本の鉛直軸線回りに回転する回転軸の先端に、前記洗浄および/または研磨を行う部材が取付けられて構成されることを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、ヘッド部にブラシやスポンジを1個備え、鉛直軸線回りに回転させることで床面の洗浄および/または研磨を行う装置の場合、前記ブラシやスポンジの回転に伴い、ヘッド部が左右に逃げ易いので、孔部を通した腕と体側とで腕部(アーム)を押え込むことができる本発明が特に効果的である。
【0013】
さらにまた、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記腕部は、前記使用者が脇(胸の両側で両腕の付け根、腋)で挟む帯状に形成されることを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、ヘッド部に回転するブラシやスポンジを有する床面の洗浄および/または研磨装置において、吊下げ部の孔部に使用者が肩を通すことで、腕部(アーム)は、その長手軸線回りに回らなくなるが、さらに該腕部(アーム)を帯状に形成することで、該腕部(アーム)を前記使用者の腕と体側とで、より押え(締め)易くなり、ヘッド部をなお安定させることができる。
【0015】
また、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記吊下げ部は、環状に形成されることを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、肩を通し易く、角度も変え易く、また肩にぶら下げて、前記床面の洗浄および/または研磨作業や、持運びを行い易くなる。
【0017】
さらにまた、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記ヘッド部は、取付けられた先端工具(ビット)を回転させることができる回転式電動工具と、それを保持する保持部と、前記先端工具(ビット)として取付けられて前記洗浄および/または研磨を行う部材とを備えて構成されることを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、ヘッド部に、先端工具(ビット)が着脱自在で、それを回転させることができるドリルドライバーやインパクトドライバーなどの汎用の回転式電動工具を用い、それを保持部で挟んで保持して、前記腕部(アーム)および吊下げ部を設けるとともに、前記先端工具(ビット)として、ブラシやスポンジなどの洗浄および/または研磨を行う部材を用いることで、該床面の洗浄および/または研磨装置を、安価に実現することができる。
【0019】
また、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記回転式電動工具は、インパクトドライバーであることを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、回転式電動工具としてのインパクトドライバーは、バッテリー駆動であるため、電源コードを不要にして、洗浄や研磨作業を容易に行うことができるようになる。また、バッテリーによっては、1万円以下からあり、ヘッド部を安価に実現することができる。
【0021】
さらにまた、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記腕部には、前記保持部に保持された前記回転式電動工具のトリガレバーを遠隔操作する操作部をさらに備えることを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、ヘッド部に汎用の回転式電動工具をそのまま使用しても、その駆動(トリガレバー操作)を、操作部によって、手元で容易に行うことができる。
【0023】
また、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記操作部は、前記腕部(アーム)の前記保持部とは反対側の端部付近から引出されて前記トリガレバーに引掛けられて往復する帯または紐状体から成ることを特徴とする。
【0024】
上記の構成によれば、回転式電動工具のトリガレバー操作を、それに往復して引掛けた操作部としての帯または紐状体によって行うことで、簡単に手元操作を実現することができる。
【0025】
さらにまた、本発明の床面の洗浄および/または研磨装置では、前記操作部は、撚り線の電線から成ることを特徴とする。
【0026】
上記の構成によれば、撚り線の電線は、或る程度の太さがあっても、曲がり易く、前記トリガレバーに引掛けて折返す前記操作部としての帯または紐状体として、特に好適である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の床面の洗浄および/または研磨装置は、以上のように、ヘッド部のブラシやスポンジを回転させるなどして床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、前記ヘッド部から伸びる腕部(アーム)の先端(基端)に、使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部を設け、その孔部を通った使用者の腕と使用者の体側とで前記腕部(アーム)を挟み込むようにする。
【0028】
それゆえ、前記ヘッド部にたとえば鉛直軸線回りに回転するブラシやスポンジが1個設けられるだけの簡単で小型の洗浄装置であっても、ヘッド部の逃げを押さえ込み易くなり、小柄な女性などでも取扱いの容易な洗浄および/または研磨装置を実現することができる。また、吊下げ部で、該洗浄および/または研磨装置を肩からぶら下げて持運びを楽に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の斜視図である。
図2】前記洗浄装置におけるヘッド部の一部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の実施の一形態に係る洗浄装置1の斜視図である。この洗浄装置1は、スクラブランチャーやポリッシャーなどとして実現され、床面の洗浄、研磨、ワックス剥離などを行う装置である。この洗浄装置1は、大略的に、ヘッド部2と、ヘッド部2から伸びる腕部(アーム)3と、腕部3の先端(基端32)に取付けられる吊下げ部4とを備えて構成される。
【0031】
ヘッド部2は、先端に取付けられたブラシ21やスポンジ(図1および図2ではブラシで示す)を、床面に押当てつつ、モータ22で鉛直軸線5回りに回転させることで、前記の床面の洗浄や研磨を行う。注目すべきは、本実施形態の洗浄装置1では、そのヘッド部2に一端31が取付けられて、前記鉛直軸線5から所定角度θだけ傾斜して延びる腕部3が、使用者の脇(胸の両側で両腕の付け根、腋)に挟まれることである。そうするために、また注目すべきは本実施形態の洗浄装置1では、腕部3の前記ヘッド部2とは反対側の端部(基端32)に設けられる吊下げ部4には、使用者が肩を通す孔部41が形成されることである。
【0032】
このように構成することで、その孔部41を通った使用者の腕と使用者の体側とで前記腕部3を挟み込むようになり、図1のように、ヘッド部2に鉛直軸線5回りに回転するブラシ21やスポンジが1個設けられるだけの簡単で小型の該洗浄装置1であっても、ヘッド部2の逃げを押さえ込み易くなり、小柄な女性などでも取扱いの容易な洗浄装置を実現することができる。また、吊下げ部4で、該洗浄装置1を肩からぶら下げて持運びを楽に行うこともできる。なお、本実施形態は、ヘッド部2の回転軸23が1本であればよく、ブラシ21やスポンジには、洗浄液や汚れを通すために、溝が形成されたり、或いは長手状のブラシやスポンジが、十字などに組まれて構成されていてもよい。
【0033】
前記吊下げ部4は、C字状やU字状など、使用者の肩を通す孔部41を有していればよいが、環状に形成されることで、角が無いので、肩を通し易く、また肩にぶら下げて、前記床面の洗浄や研磨作業を行い易く、さらに床面の洗浄や研磨作業から肩にぶら下げた持運びまで、角度を変え易く、持運びが容易になる。
【0034】
腕部3は、たとえば掃除機や前記スクラブランチャーのように、円筒状に形成されてもよい。そして、吊下げ部4の孔部41に使用者が肩を通すことで、該腕部3は、その長手軸線回りに回らなくなっているが、本実施形態では、さらに前記使用者が脇で挟んでも密着できる(隙間ができない)ように、帯状に形成されている。そうすることで、該腕部3を前記使用者の腕と体側とで、より押え(締め)易くなり、ヘッド部2をなお安定させることができる。また、本実施形態では、腕部3の使用者の脇の下に近い先端(基端32)側は、前記帯の幅が広くなっているが、傾斜部分33を介して、中間部分34は、持ち易いように幅が狭くなっている。
【0035】
図2は、前記洗浄装置1におけるヘッド部2の一部の分解斜視図である。このヘッド部2は、1本の鉛直軸線5回りに回転する回転軸23の先端に、前記洗浄および/または研磨を行う部材(図1および図2ではブラシ21)が取付けられて構成される。具体的に本実施形態では、該ヘッド部2は、取付けられた先端工具(ビット)211を回転させることができる前記モータ22としての回転式電動工具と、それを保持する保持部24と、前記先端工具(ビット)として取付けられて前記洗浄および/または研磨を行う部材であるブラシ21とを備えて構成される。
【0036】
本実施形態では、前記回転式電動工具は、インパクトドライバーなどの汎用の回転式電動工具から構成される。そのため、チャック(前記回転軸23)の部分に前記先端工具(ビット)211が着脱自在であり、図1および図2のブラシ21以外にも、スポンジやセーム革など、形状や材質が異なる洗浄や研磨の部材を適宜交換可能になる。本実施形態の洗浄装置1は、ヘッド部2にこの汎用の回転式電動工具(22)を用い、これを保持部24で挟んで保持して、前記腕部3および吊下げ部4を設けるとともに、前記先端工具(ビット)211として、ブラシ21やスポンジなどを用いることで、安価に実現することができるものである。
【0037】
特に、前記回転式電動工具としてのインパクトドライバーは、バッテリー25による駆動であるので、電源コードを不要にして、洗浄や研磨作業を容易に行うことができるようになる。また、該インパクトドライバーは、バッテリー25によっては、1万円以下からあり、ヘッド部2を安価に実現することができる。そして、上述のように、ヘッド部2にブラシ21やスポンジを1個備え、鉛直軸線5回りに回転させることで床面の洗浄や研磨を行う装置の場合、前記ブラシ21やスポンジの回転に伴い、ヘッド部2が左右に逃げ易いので、吊下げ部4の孔部41に肩を通した使用者の腕と体側とで腕部3を押え込むことができる本実施形態の洗浄装置1の構造は、特に有効である。
【0038】
本実施形態では、保持部24は、インパクトドライバーのモータ22やグリップ26の部分を左右から鋏込む一対の側板27と、それらを連結し、適宜モータ22やグリップ26の部分を押さえ込む図示しないシャフトなどを備えて構成される。前記側板27の下面には、ブラシ21などによる洗浄液などの飛び撥ねを押えるカバー板29が適宜の大きさで設けられるとともに、前記腕部3の端部31との連結部分は、適宜の連結部材28によって連結される。
【0039】
そして、本実施形態の洗浄装置1では、上述のようにヘッド部2に汎用の回転式電動工具を使用している。そこで、その駆動、すなわちトリガレバー20を遠隔操作するために、腕部3に、操作部6をさらに設けている。これによって、トリガレバー20の操作を手元で容易に行うことができる。
【0040】
また注目すべきは、本実施形態の洗浄装置1では、前記操作部6は、腕部3の保持部2とは反対側の端部(基端32)付近から引出されて前記トリガレバー20に引掛けられて往復する帯または紐状体から成ることである。図1の実施形態では、撚り線の電線が用いられている。その電線の端部は、ゴムバンド7で、前記腕部3の端部(基端32)に括り付けられている。
【0041】
こうして、回転式電動工具(22)のトリガレバー20の操作を、それに往復して引掛けた操作部6としての帯または紐状体によって行うことで、簡単に手元操作を行うことができる。さらにまた、前記操作部6を撚り線の電線から構成することで、該撚り線の電線は、或る程度の太さがあっても、曲がり易く、前記トリガレバー20に引掛けて折返す前記操作部6としての帯または紐状体として、好適である。つまり、このトリガレバー20の操作を、リンク構造などでも実現可能であるが、汎用の回転式電動工具(22)の何れを用いるかで、トリガレバー20の位置や操作量も異なり、リンク構造では調整が複雑である。
【0042】
図1では省略しているが、たとえば、孔部41と、腕部3の保持部2とは反対側の端部31との間に、運搬用のベルトなどを設けるようにしてもよい。なお、そのベルトは、洗浄や研磨作業の際に床面に垂下がって邪魔にならないように、また操作部6の操作の邪魔にならないように、持運び以外の時は、適宜巻取られてもよい。該洗浄装置1は、上述のように、吊下げ部4の孔部41に肩を通して、腕部3からヘッド2を持ち上げることで持運びは可能であるが、上述のような運搬用のベルトを別途設けることで、該ベルトを肩に掛け、腕部3をほぼ水平に保持することで、ヘッド部2や吊り下げ部4が下に着かず、階段や坂での持運びも容易になる。
【0043】
同様に、回転式電動工具(22)にも、保持部24から取外して、本来のインパクトドライバーなどとして使用可能である場合、これを壁面などにぶら下げるベルトなどが設けられてもよい。さらに、インパクトドライバーなどの回転式電動工具(22)は、連続通電されることは少ないが、床面の洗浄や研磨作業では、連続通電されることが多くなり、その分、バッテリー25の減りも早くなるので、保持部24や腕部3に、予備のバッテリー25を収容しておくホルダなどが設けられてもよい。
【0044】
モータ22は、回転式電動工具用に限らず、トルクや回転数に適合するものであれば、他の物が用いられてもよい。その際、さらにバッテリー25に適合するものが好ましい。また、減速歯車などが適宜介在されてもよい。しかしながら、回転式電動工具は、モータや制御回路ならびにバッテリー25およびその保護回路などが一体化されており、モータ22として、簡単に流用することができ、好適である。本発明は、バッテリー25による駆動が望ましいが、吊下げ部4の孔部41に肩を通して、腕部3を脇で挟む構成であれば、電源線が接続されていてもよい。また、立掛けスタンドに立てて、充電を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 洗浄装置(床面の洗浄および/または研磨装置)
2 ヘッド部
20 トリガレバー
21 ブラシ
211 先端工具(ビット)
22 モータ(回転式電動工具)
23 回転軸(チャック)
24 保持部
25 バッテリー
26 グリップ
27 側板
29 カバー板
3 腕部(アーム)
4 吊下げ部
41 孔部
5 鉛直軸線
6 操作部
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、
前記床面の洗浄および/または研磨を行うヘッド部と、
前記ヘッド部から伸び、使用者の脇に挟まれる腕部とを含み
前記腕部の前記ヘッド部とは反対側の端部には、前記使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部を形成していることを特徴とする床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項2】
前記ヘッド部は、1本の鉛直軸線回りに回転する回転軸の先端に、前記洗浄および/または研磨を行う部材が取付けられて構成されることを特徴とする請求項1記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項3】
前記腕部は、前記使用者が脇で挟む帯状に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項4】
前記吊下げ部は、環状に形成されることを特徴とする請求項1記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項5】
前記ヘッド部は、取付けられた先端工具を回転させることができる回転式電動工具と、それを保持する保持部と、前記先端工具として取付けられて前記洗浄および/または研磨を行う部材とを備えて構成されることを特徴とする請求項1記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【請求項6】
前記回転式電動工具は、インパクトドライバーであることを特徴とする請求項5記載の床面の洗浄および/または研磨装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の床面の洗浄および/または研磨装置は、床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、前記床面の洗浄および/または研磨を行うヘッド部と、前記ヘッド部から伸び、使用者の脇に挟まれる腕部とを含み、前記腕部の前記ヘッド部とは反対側の端部には、前記使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部を形成していることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記の構成によれば、ヘッド部のブラシやスポンジを回転させるなどして床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、前記ヘッド部から伸びる腕部(アーム)の先端(基端)、使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部を形成し、その孔部を通った使用者の腕と使用者の体側とで、前記腕部(アーム)を挟み込むようにする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本発明の床面の洗浄および/または研磨装置は、以上のように、ヘッド部のブラシやスポンジを回転させるなどして床面の洗浄および/または研磨を行う装置において、前記ヘッド部から伸びる腕部(アーム)の先端(基端)、使用者が肩を通す孔部を有する吊下げ部を形成し、その孔部を通った使用者の腕と使用者の体側とで前記腕部(アーム)を挟み込むようにする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
図1は、本発明の実施の一形態に係る洗浄装置1の斜視図である。この洗浄装置1は、スクラブランチャーやポリッシャーなどとして実現され、床面の洗浄、研磨、ワックス剥離などを行う装置である。この洗浄装置1は、大略的に、ヘッド部2と、ヘッド部2から伸びる腕部(アーム)3とを備え、腕部3の先端(基端32)吊下げ部4を形成していことを特徴とする
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
ヘッド部2は、先端に取付けられたブラシ21やスポンジ(図1および図2ではブラシで示す)を、床面に押当てつつ、モータ22で鉛直軸線5回りに回転させることで、前記の床面の洗浄や研磨を行う。注目すべきは、本実施形態の洗浄装置1では、そのヘッド部2に一端31が取付けられて、前記鉛直軸線5から所定角度θだけ傾斜して延びる腕部3が、使用者の脇(胸の両側で両腕の付け根、腋)に挟まれることである。そうするために、また注目すべきは本実施形態の洗浄装置1では、腕部3の前記ヘッド部2とは反対側の端部(基端32)には、使用者が肩を通す孔部41を有する吊下げ部4を形成していることである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
腕部3において、一端31から他端(基端32)の間の中間部分34は、たとえば掃除機や前記スクラブランチャーのように、円筒状に形成されてもよい。そして、吊下げ部4の孔部41に使用者が肩を通すことで、該腕部3は、その長手軸線回りに回らなくなっているが、本実施形態では、さらに前記使用者が脇で挟んでも密着できる(隙間ができない)ように、帯状に形成されている。そうすることで、該腕部3を前記使用者の腕と体側とで、より押え(締め)易くなり、ヘッド部2をなお安定させることができる。また、本実施形態では、腕部3の使用者の脇の下に近い先端(基端32)側は、前記帯の幅が広くなっているが、傾斜部分33を介して、前記中間部分34は、持ち易いように幅が狭くなっている。