(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152342
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】注文処理システムおよびサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231010BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20231010BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062271
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】520341957
【氏名又は名称】ジャストウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 大吾
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【弁理士】
【氏名又は名称】宇高 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】呉 俊
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB66
5L049BB72
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】伝統的注文方法の延長であり、より簡易な注文処理システムを提供する。
【解決手段】商品コード6が商品陳列棚および/または接近容易な任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている。注文処理システムは、商品コードを読み取り可能な顧客端末1と、店舗端末2と、顧客端末と店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバ10と、を備える。サーバ10は、接続要求情報を受信する接続要求受付部21と、各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部22と、商品コードに含まれる商品情報を読み取り、商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部23と、注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、商品情報を整理番号とともに店舗端末に送信する指令判断部25と、顧客端末に整理番号を送信する整理番号発行部27とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品販売店の商品陳列棚に各種商品と対応して提示されている商品コードと、
前記商品コードを読み取り可能な顧客端末と、
店舗端末と、
前記顧客端末と店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、
を備え、
前記サーバは、
前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信する接続要求受付部と、
各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、
前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、
前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、
前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、
を有する
ことを特徴とする注文処理システム。
【請求項2】
顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードと、
前記商品コードを読み取り可能な顧客端末と、
店舗端末と、
前記顧客端末と店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、
を備え、
前記サーバは、
前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信する接続要求受付部と、
各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、
前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、
前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、
前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、
を有する
ことを特徴とする注文処理システム。
【請求項3】
食品販売店の商品陳列棚および顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードと、
前記商品コードを読み取り可能な顧客端末と、
店舗端末と、
前記顧客端末と店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、
を備え、
前記サーバは、
前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信する接続要求受付部と、
各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、
前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、
前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、
前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、
を有する
ことを特徴とする注文処理システム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記商品情報を一時的に記憶するカート管理部と、
前記顧客端末にカメラ起動を指令するカメラ起動指令部と、
を有し、
前記指令判断部は、
前記注文画像データを表示させた顧客端末から追加注文指令を受信したと判断すると、前記カメラ起動指令部を介して、前記顧客端末にカメラ起動を指令する
ことを特徴とする請求項1~3記載の注文処理システム。
【請求項5】
食品販売店の商品陳列棚および/または顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードを読み取り可能な顧客端末と、店舗端末と、ネットワークを介して接続されるサーバであって、
前記サーバは、
前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信する接続要求受付部と、
各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、
前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、
前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、
前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、
を有する
ことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
食品販売店の商品陳列棚および/または顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードを読み取り可能な顧客端末と、店舗端末と、ネットワークを介して接続されるサーバが、
各種商品と対応する注文画像データを記憶し、
前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信し、
前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させ、
前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信し、
前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する
ことを特徴とする注文処理方法。
【請求項7】
食品販売店の商品陳列棚および/または顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードを読み取り可能な顧客端末と、店舗端末と、ネットワークを介して接続されるサーバに、
各種商品と対応する注文画像データを記憶する処理と、
前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信する処理と、
前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示する処理と、
前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する処理と、
前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する処理と、
を実行させることを特徴とする注文処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば食品販売店例えばベーカリにおける注文処理システムおよびその構成要素であるサーバ等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、食品販売店における伝統的な注文方法について説明する。食品販売店では複数の商品をショーケースに陳列しておき、顧客はショーケースを眺めながら、所望の商品を選択し、店員に注文を伝える。店員が注文を聞き、ショーケースから対象商品を取り出して、いわゆるレジ打ち動作をおこない、代金と引き換えに、商品を顧客に引き渡す。
【0003】
食品販売店のなかでもベーカリでの取引形態は少し特殊である。顧客は棚に陳列されている各種パンから所望のパンを選択し、顧客がトングでトレイに乗せ、トレイをレジに持っていく。店員は、トレイ上のパンの種類を確認しながら、会計処理をする。
【0004】
パン販売形態が他と異なるのは、顧客が焼きたてのパンの香りを楽しみたいからだと推察される。焼きたてのパンの香りが、顧客の購買欲を刺激する。
【0005】
ところが、2019年末に起きた感染症パンデミックの影響で、一部の顧客の意識に変化がみられる。顧客同士の距離が近くなることを懸念したり、任意の顧客が触れるトングを忌避したりする傾向がみられる。その結果、ベーカリでは来店客が減るようになった。
【0006】
これに対し、パンの個包装をするといった対応をしている店舗もみられるが、パンの個包装は、店舗側の負担が大きくなるとともに、焼きたてのパンの香りという特徴がなくなる。事前予約アプリも開発されている。当該アプリは利便性では優れているが、焼きたてのパンの香りを楽しみながら、パンを選びたいという顧客要望にはそぐわない。また、事前予約アプリによるパン購入では、商品メニューを端末画面に表示する。しかしながら、顧客端末画面には画面サイズ制限があり、全商品を表示することは困難である。
【0007】
ところで、食品販売店の一形態または類似形態としてコンビニエンスストアやスーパーマーケットがある。近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケットではセルフレジの導入がされている。
【0008】
セルフレジには、商品に付されたバーコードを顧客がスキャンして会計する方法(特許文献1)と、店内に設置されたカメラにより、顧客と商品の動きを追跡する方法(特許文献2)とがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2021-015335号公報
【特許文献2】特許6734949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ベーカリとコンビニエンスストア等とでは販売形態が異なるため、コンビニエンスストアのセルフレジをそのままベーカリに適用することは困難である。また、中小零細のベーカリでは、大掛かりな設備投資は困難である。
【0011】
更に、ベーカリにて焼きたてのパンの香りを楽しむという特徴を生かせない。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するものであり、伝統的注文方法の延長であり、ベーカリを含む食品販売店に適した注文処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する本発明の注文処理システムは、食品販売店の商品陳列棚に各種商品と対応して提示されている商品コードと、前記商品コードを読み取り可能な顧客端末と、店舗端末と、前記顧客端末と店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備える。
【0014】
前記サーバは、各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、を有する。
【0015】
これにより、顧客は、商品特性を五感で楽しみながら、商品を選ぶことができる。顧客端末画面には注文画像データが表示される。顧客は、当該画面を介して注文を確定する。当該操作は容易である。
【0016】
上記課題を解決する本発明の注文処理システムは、顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードと、前記商品コードを読み取り可能な顧客端末と、店舗端末と、前記顧客端末と店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備える。
【0017】
前記サーバは、各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、を有する。
【0018】
これにより、商品特性を十分知っている常連客は、煩わされることなく、商品を選ぶことができる。顧客端末画面には注文画像データが表示される。顧客は、当該画面を介して注文を確定する。当該操作は容易である。
【0019】
上記課題を解決する本発明の注文処理システムは、食品販売店の商品陳列棚および顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードと、前記商品コードを読み取り可能な顧客端末と、店舗端末と、前記顧客端末と店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備える。
【0020】
前記サーバは、各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、を有する。
【0021】
一連の注文処理における店員動作は共通である。これにより、客層の異なる2つのシステムが併存可能となる。
【0022】
上記発明において、好ましくは、前記サーバは、前記商品情報を一時的に記憶するカート管理部と、前記顧客端末にカメラ起動を指令するカメラ起動指令部と、を有する。前記指令判断部は、前記注文画像データを表示させた顧客端末から追加注文指令を受信したと判断すると、前記カメラ起動指令部を介して、前記顧客端末にカメラ起動を指令する。
【0023】
これにより、顧客は、簡単な操作で、追加注文できる。
【0024】
上記課題を解決する本発明のサーバは、顧客端末と、店舗端末と、ネットワークを介して接続される。前記顧客端末は、食品販売店の商品陳列棚および/または顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードを読み取り可能である。
【0025】
前記サーバは、各種商品と対応する注文画像データを管理する注文画像データ管理部と、前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させる商品情報管理部と、前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する指令判断部と、前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する整理番号発行部と、を有する。
【0026】
上記課題を解決する本発明の注文管理方法では、サーバを用いる。サーバは、顧客端末と、店舗端末と、ネットワークを介して接続される。前記顧客端末は、食品販売店の商品陳列棚および/または顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードを読み取り可能である。
【0027】
サーバは各種商品と対応する注文画像データを記憶し、前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信し、前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示させ、前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信し、前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する。
【0028】
上記課題を解決する本発明のプログラムは、サーバに、各種商品と対応する注文画像データを記憶する処理と、前記商品コードを読み取った顧客端末から、接続要求情報を受信する処理と、前記商品コードに含まれる商品情報を読み取り、前記商品情報と対応する注文画像データを顧客端末に表示する処理と、前記注文画像データを表示させた顧客端末から注文確定指令を受信したと判断すると、前記商品情報を整理番号とともに前記店舗端末に送信する処理と、前記注文確定指令に対応する顧客端末に前記整理番号を送信する処理と、を実行させる。
【0029】
サーバは、顧客端末と、店舗端末と、ネットワークを介して接続される。前記顧客端末は、食品販売店の商品陳列棚および/または顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に掲示される商品メニュー表に各種商品と対応して提示されている商品コードを読み取り可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明のシステムは簡易であり、伝統的注文方法の延長として適用可能である。その結果、食品販売店において新規設備投資がほぼ不要である。伝統的注文方法に慣れ親しんだ顧客層も容易に注文可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図16】アイスクリーム店舗イメージ(第5実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0032】
~共通構成~
図1は本願システムの概略図である。本願システムは、ベーカリを含む飲食販売店などの店舗において、注文処理をおこなう。適宜、店舗店員が補助してもよいが、原則として顧客からの注文は、店舗店員を介さず、店舗端末に伝達される。
【0033】
本願システムはサーバ10を主構成とする。サーバ10はインターネット等の通信網を介して顧客端末1、店舗端末2、店員端末3と通信可能に接続している。通信は無線を原則とするが、例えば、サーバ-店舗端末間の通信は有線でも良い場合もある。
【0034】
サーバ10は、店舗に設置していてもよいし、店舗外において管理されていてもよい。サーバ10は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。
【0035】
顧客端末1は、店舗を利用する顧客が所有するスマートフォン等の個人端末を想定している。タブレットコンピュータやパーソナルコンピュータ等を排除するものではない。顧客は複数であり、各顧客はそれぞれユーザ端末1A,1Bを有している。
【0036】
店舗端末2は、店舗に設置されたタブレットまたは店員が所有するスマートフォンである。別途、大型モニターを設置して、情報を表示してもよい。
【0037】
店員端末3は、店舗で働く店員が携帯する端末である。市販のスマートフォンを利用してもよいし、店舗独自の携帯端末でもよい。また、個人端末を有していない顧客に対し、店員端末3をレンタルしてもよい。
【0038】
本願システムでは、既存の商品陳列棚に各種商品と対応して商品コード(例えば2次元バーコード)6が付されていることを特徴とする。
【0039】
伝統的注文方法と同様、陳列棚に焼き立てのパンが陳列される。更に、各種パンに対応して陳列棚の対応する箇所に商品コード6が付される。既存の陳列棚に商品コードが印刷されたステッカーを貼ってもよい。大規模な新規設備投資はほぼ不要である。
【0040】
図2はサーバ10の物理構成図である。サーバ10の各構成は、本願システムを制御する。サーバ10は、CPU11、ROM12、RAM13、大容量記憶部14、通信部15、表示部16、操作部17などを備える演算処理装置である。物理構成11~17はバスを介して各々接続されている。
【0041】
ROM12または大容量記憶部14には、所定の動作プログラムが予め格納されている。動作プログラムはCPU11にて実行され、所定の演算処理が実現される。
【0042】
通信部15はユーザ端末1、店舗端末2、店員端末3と通信する。
【0043】
本実施形態では説明の簡便化のため、サーバ10を操作することに言及していないため、必ずしも表示部16、操作部17を備えていなくてもよい。一方、サーバ10の動作状況を確認したり、メンテナンスする際には、表示部16、操作部17は有用である。
【0044】
~第1実施形態構成~
本願の基本構成を有する第1実施形態について説明する。第1実施形態のサーバ10の機能ブロック図については、共通構成を有する第3実施形態に係る
図7を参考にする。
【0045】
サーバ構成について説明する。サーバ10は各種機能部21,22,23,25,27を有する。
【0046】
接続要求受付部21は、商品コード6を読み取った顧客端末1から、接続要求情報を受信する。
【0047】
注文画像データ管理部22は、各種商品と対応する注文画像データを保存管理している。すなわち、商品の数だけ注文画像データが存在する。
【0048】
商品コード6には、ネットワーク接続先情報とともに、商品情報が含まれている。本システムを複数の店舗で運用する場合は、店舗情報も含まれる。なお、本願では簡略化のため一店舗での運用について説明する。
【0049】
商品情報管理部23は、商品情報を読み取り、商品情報に対応する注文画像データを注文画像データ管理部22から読み込み、注文画像データを顧客端末1に表示させる。たとえば、顧客端末1に注文画像データである顧客端末画面101を表示する。
【0050】
指令判断部25は、注文画像データを表示させた顧客端末1から注文確定指令を受信したと判断すると、商品情報管理部23から商品情報を受信し、整理番号とともに店舗端末2に送信する。
【0051】
整理番号発行部27は、注文確定指令に対応する顧客端末1に整理番号を送信する。整理番号は注文済情報と合わせて顧客端末画面107に表示される。
【0052】
~第1実施形態動作~
次に、サーバ動作およびこれに伴う顧客、店舗店員の動作について説明する。
図3は第1実施形態に係るシステムのシーケンス図である。サーバ10の制御フロー図については、共通構成を有する第3実施形態に係る
図8を参考にする。
【0053】
本願システムでは、陳列棚の商品毎に、ネットワーク接続先情報、商品情報を含む商品コード6が提示されている。顧客端末1はカメラを有し、商品コード6を読み取り可能である。
【0054】
顧客は、陳列棚の前で、各商品を見ながら、注文する商品を選択する。商品が焼きたてのパンであれば香りを楽しみながら選択できる。注文する商品が決まったら、顧客端末1のコード読み取りアプリを起動させる。コード読み取りアプリは汎用的に利用されるアプリであり、あらかじめ、顧客端末1にインストールされている。アプリ起動に伴い、顧客端末1にカメラ起動指令201が送信される。
【0055】
顧客端末1は商品コード情報202を読み取り、サーバ10に接続要求203を発信する。サーバ10が接続要求203を受信すると、サーバ10と顧客端末1とは接続する(ステップ21)。
【0056】
サーバ10は、顧客端末1から商品情報204を受信する(ステップ22)。サーバ10は、顧客端末1に当該商品情報に対応する注文画像データ205を送信する。たとえば、顧客端末1に当該商品情報に対応する注文画像である顧客端末画面101を表示する(ステップ23)。
【0057】
図4は顧客端末画面101の例である。陳列されている商品の写真と同じまたは同様な写真が表示される。商品写真を介して、顧客は直感的に陳列されている商品と顧客端末画面を紐づけることができる。その他、商品名、値段、数量、さらに、注文確定ボタンが表示される。数量については増減指示が可能である。
【0058】
顧客端末画面101をユーザインターフェースとして、顧客は注文確定ボタンを押す。サーバ10は、顧客端末1から注文確定指令216を受信し(ステップ24)、整理番号219を発行し、注文済情報とともに顧客端末1に送信する。たとえば、顧客端末1に注文済商品と整理番号を含む顧客端末画面107を表示する(ステップ27)。
【0059】
図5は顧客端末画面107の例である。注文済みである旨、注文済み商品、整理番号が表示される。整理番号の代わりに、または、整理番号と合わせて、番号コード(例えば2次元バーコード)を表示してもよい。
【0060】
さらに、商品情報と整理番号とを含む注文情報220を店舗端末2に送信する(ステップ28)。
【0061】
店舗端末2には、整理番号毎に注文された商品情報が表示される。店舗店員は店舗端末2を見ながら当該注文された商品を陳列棚からピックアップして袋に入れる。整理番号ごとに、決済後、顧客に商品を引き渡す。すべての注文はサーバ10により管理されているため、様々な決済手段にも容易に対応できる。これにより、一連の注文処理は完了する。
【0062】
以上の動作において、顧客がパン等の商品を直接手に取ることがないため、感染症対策にもなる。一方で、顧客は焼きたてのパンの香りを楽しみながら、パンを選ぶことができる。
【0063】
~第1実施形態効果~
一連の注文処理における店員動作において、いわゆるレジ打ち動作は不要であり、店員負担は限定的である。その結果、店舗の省人化に寄与する。
【0064】
顧客端末を活用するため新規設備投資がほぼ不要である。具体的には既存の陳列棚に商品コードが印刷されたステッカーを貼る程度である。したがって、どのような経営規模においてもシステムの適用は容易である。
【0065】
一連の注文処理において、顧客は焼きたてのパンの香りを楽しみながら、パンを選択する。パン選択時には画面サイズ制限のある顧客端末画面を介さないので、ストレスなくパンを選択できる。すなわち、原則として、商品メニュー表は顧客端末画面に表示されない。
【0066】
一連の注文処理において、顧客の端末操作は、汎用アプリであるコード読み取りアプリの起動と、注文確定ボタンを押すことである。コード読み取りアプリは、日頃から頻繁に使用しているものであり、スマートフォン操作が未熟な顧客でも、容易に起動できる。また、顧客端末画面101において、注文確定ボタンを比較的目立たせることができるため、スマートフォン操作が未熟な顧客でも、容易に操作できる。
【0067】
一連の注文処理は、伝統的注文方法の延長として適用可能である。伝統的注文方法に慣れ親しんだ顧客層も容易に注文可能である。
【0068】
以上の相乗効果により、従来技術に比べ、特に中小零細のベーカリなど食品販売店でも適用容易であり、本システムの普及が期待できる。
【0069】
~第2実施形態~
第1実施形態では、商品毎に陳列棚に商品コード6が付されていることを特徴とする。これにより、顧客は焼きたてのパンの香りを楽しみながら、パンを選択することができる。一方で、いわゆる常連客は商品特徴をよく知っており来店前に所望の商品を決めていることも多い。選択に迷っている顧客との動線の錯綜を招くおそれがある。
【0070】
図6は第2実施形態のイメージ図である。第2実施形態では、顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に商品メニュー表が掲示されている。例えば、店頭や店内に大き目なポスターを掲示する。商品メニュー表には各種商品の写真が掲示されており、各種商品と対応して商品コード6が提示されている。陳列棚に付される商品コードと商品メニュー表に記載される商品コードとは対応する。それ以外の構成は、第1実施形態と共通である。
【0071】
常連客は、顧客端末1を介して商品メニュー表に記載されている商品コード6を読みとり、注文を確定する。常連客は、選択に迷っている顧客に煩わされることなく、注文できる。
【0072】
第2実施形態における商品メニュー表は、第1実施形態における陳列棚と併用する。これにより、客層の異なる2つのシステムが併存可能となる。すなわち、一連の注文処理における店員動作は共通である。
【0073】
異なる2つ客層の動線をわけることで、顧客同士の距離を確保し、感染症対策にもなる。
【0074】
なお、店舗によっては商品コード6が付された商品メニュー表のみでもよい。商品メニュー表はいわゆる券売機を代替可能である。顧客は券売機の注文ボタンを押す代わりに、商品メニュー表の商品コード6を読み取る。
【0075】
~第3実施形態構成~
第1実施形態および第2実施形態では一つの商品ごとに注文処理が完結するのに対し、第3実施形態では追加注文が可能である。
図7はサーバの機能ブロック図である。
【0076】
第3実施形態特有の構成について説明する。陳列棚には、パンAに対応する商品コード6aとパンBに対応する商品コード6bとを含むように、各商品毎に商品コード6が付されている。サーバ10は各種機能部21,22,23,25,27に加えて、カート管理部24と、カメラ起動指令部26を有する。
【0077】
カート管理部24は、商品情報管理部23が取得した商品情報を一時的に記憶する。複数の商品情報をカートに一時記憶できる。さらに、指令判断部25の判断により、たとえば、顧客端末1にカート内容である顧客端末画面104を表示することもできる。
【0078】
カメラ起動指令部26は、ネットワークを介して顧客端末1にカメラ起動を指令する。
【0079】
指令判断部25は、注文画像データを表示させた顧客端末1から追加注文指令を受信したと判断すると、カメラ起動指令部26を介して、顧客端末1にカメラ起動を指令する。
【0080】
~第3実施形態動作~
第3実施形態特有のサーバ動作およびこれに伴う顧客、店舗店員の動作について説明する。パンAにパンBを追加注文する例について説明する。
図8はサーバ制御フロー図であり、
図9はシステムのシーケンス図である。
【0081】
顧客は焼きたてのパンの香りを楽しみながら、陳列棚のパンを選択し、コード読み取りアプリを起動させる。顧客端末1にカメラ起動指令201が送信される。顧客端末1のカメラが起動した状態で、顧客はパンAに対応する商品コード6aを読み取る。
【0082】
顧客端末1はパンAに係る商品コード情報202を読み取り、サーバ10に接続要求203を発信する。サーバ10が接続要求203を受信すると、サーバ10と顧客端末1とは接続する(ステップ21)。
【0083】
サーバ10は、顧客端末1から商品情報204を受信し(ステップ22)、顧客端末1に当該商品情報に対応する注文画像データ205を送信する。たとえば、顧客端末1にパンAに対応する注文画像である顧客端末画面102を表示する(ステップ23)。パンAに係る商品情報はカートに一時記憶される。
【0084】
図10は顧客端末画面102の例である。第1実施形態における顧客端末画面101(
図4)に、カート確認ボタンと、追加注文ボタンとが追加されている。
【0085】
サーバ10は、いずれかのボタンが押されるまで待機し、注文確定ボタン、カート確認ボタン、追加注文ボタンのいずれかが押されたか判断する。まず、注文確定ボタンが押されたか判断する(ステップ24)。
【0086】
ついで、注文確定ボタン以外が押された場合、追加注文ボタンが押されたか判断する(ステップ25)。
【0087】
顧客端末画面102をユーザインターフェースとして、顧客は追加注文ボタンを押す。サーバ10は、顧客端末1から追加注文指令210を受信する。さらに、顧客端末1にカメラ起動指令211を送信する。(ステップ26)。
【0088】
図11は追加注文に係る動作イメージ図である。顧客端末1のカメラが起動した状態で、顧客はパンBに対応する商品コード6bを読み取る。
【0089】
顧客端末1はパンBに係る商品コード情報212を読み取り、サーバ10は、顧客端末1から商品情報214を受信し(ステップ22)、顧客端末1に当該商品情報に対応する注文画像データ215を送信する。たとえば、顧客端末1に当該商品情報に対応する注文画像である顧客端末画面103を表示する(ステップ23)。パンBに係る商品情報はカートに一時記憶される。
【0090】
図12は顧客端末画面103の例である。パンBに係る商品写真、商品名、値段、数量、注文確定ボタン、カート確認ボタンと、追加注文ボタンが表示される。
【0091】
サーバ10は、いずれかのボタンが押されるまで待機する。顧客が注文確定ボタンを押すと、サーバ10は、顧客端末1から注文確定指令216を受信する(ステップ24)。整理番号219を発行し、注文済情報とともに顧客端末1に送信する(ステップ27)。さらに、カートに記憶されている商品情報および整理番号を含む注文情報220を店舗端末2に送信する(ステップ28)。
【0092】
店舗端末2には、整理番号毎に注文された商品情報が表示される。店舗店員は店舗端末2を見ながら当該注文された商品を陳列棚からピックアップして袋に入れる。決済後、顧客に商品を引き渡す。これにより、一連の注文処理は完了する。
【0093】
~第3実施形態動作変形例~
複数の商品を注文した場合、注文確定前に、最終的に何と何を注文したのかを確認したい場合もある。その場合、顧客端末画面103においてカート確認ボタンを押してもよい。
【0094】
顧客がカート確認ボタンを押すと、サーバ10は、カート情報に基づいて、顧客端末1にカート内容に対応するカート画像データ217(図示省略)を送信する。たとえば、顧客端末1にカート内容である顧客端末画面104を表示する。
【0095】
図13は顧客端末画面104の例である。パンA及びパンBに係る商品写真、商品名、値段、小計、注文確定ボタン、追加注文ボタンが表示される。
【0096】
顧客が追加注文ボタンを押すと、サーバ10は、ステップS25→S26→S22→S23→S24の処理を行う。顧客が注文確定ボタンを押すと、サーバ10は、ステップS24→S27→S28の処理を行う。
【0097】
~第4実施形態~
図14は第4実施形態における顧客端末画面105の例である。第3実施形態における顧客端末画面102(
図10)に、キャンセルボタンと、オプションボタンと、メニュー画面ボタンが追加されている。
【0098】
顧客がキャンセルボタンを押すと、サーバ10は、カート内の当該商品情報を消去し、カート確認画面に遷移させる。顧客は、カート確認画面を介して当該商品がキャンセルされたことを確認するとともに、カート確認画面における追加注文ボタンを押すか、注文確定ボタンを押す。
【0099】
顧客がオプションボタンを押すと、サーバ10は、トッピングの追加等が可能なオプション選択画面(図示省略)に遷移させる。
【0100】
顧客がメニュー画面ボタンを押すと、サーバ10は、メニュー画面106に遷移させる。
図15は顧客端末画面106の例である。
【0101】
本願では、画面サイズ制限のある顧客端末画面に、情報量の多くなりがちなメニュー情報を原則表示させないことを特徴とするが、画面サイズ制限のある顧客端末画面での操作に慣れている熟練者であれば、メニュー画面106で操作の方が好ましい場合もある。顧客は、メニュー画面106を見ながら商品を選択し注文する。
【0102】
第4実施形態では、顧客端末画面105のメニュー画面ボタンを介して、メニュー画面106を表示させる。メニュー画面106を介して追加注文を行ってもよい。
【0103】
商品コードとは別に、最初からメニュー画面106を表示させるコードを準備してもよい。
【0104】
~第5実施形態~
第1~4実施形態では、本願発明のベーカリへの適用例について説明したが、本願発明はベーカリへの適用に限定されず、他の食品販売店に適用してもよい。本願発明は、特に、実際の食品を五感で感じながら購入する場合に最適である。
【0105】
図16は、第5実施形態に係る店舗イメージ図である。ベーカリでは焼きたてのパンの香りを楽しむのに対し、アイスクリーム店では味とともに色彩を楽しむ。
【0106】
例えば、アイスクリームをダブルで盛るとき、異なる2種類を選択することで、様々な色彩と味を楽しむことができる。色彩はアイスクリームの本質的要素ではないが、顧客の購買欲を刺激する。
【0107】
顧客が接近容易な食品販売店の任意な個所に商品メニュー表が掲示されている。例えば、店外店頭に商品メニュー表が記載された外看板を掲示する。商品メニュー表には各種商品の写真が掲示されており、各種商品と対応して商品コード6が提示されている。
【0108】
さらに、食品販売店内のアイスクリーム什器には各種アイスクリームが陳列されている。各種アイスクリームに対応して什器の対応する箇所に商品コード6が付される。既存の什器に商品コードが印刷されたステッカーを貼ってもよい。大規模な新規設備投資はほぼ不要である。什器に付される商品コードと商品メニュー表に記載される商品コードとは対応する。
【0109】
顧客は色彩の組み合わせを楽しみながら顧客端末1を介してアイスクリームを選択し顧客端末1を介し商品コード6を読みとり、注文を確定する。一方で、常連客は、顧客端末1を介して商品メニュー表に記載されている商品コード6を読みとり、注文を確定する。常連客は、選択に迷っている顧客に煩わされることなく、注文できる。
【0110】
店舗端末2には、整理番号毎に注文された商品情報が表示される。店舗店員は店舗端末2を見ながら当該注文された商品を什器からピックアップして盛り付ける。整理番号ごとに、決済後、顧客に商品を引き渡す。
【0111】
これにより、客層の異なる2つのシステムが併存可能となる。
【符号の説明】
【0112】
1 顧客端末(ユーザ端末)
2 店舗端末
3 店員端末
6 商品コード
10 サーバ
21 接続要求受付部
22 注文画像データ管理部
23 商品情報管理部
24 カート管理部
25 指令判断部
26 カメラ起動指令部
27 整理番号発行部