(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152388
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】制御装置、制御装置のためのコンピュータプログラム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 8/61 20180101AFI20231010BHJP
【FI】
G06F8/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062361
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 純也
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AD17
5B376DA03
5B376FA19
5B376GA01
(57)【要約】
【課題】新しいソフトウエアをメモリに記憶することができない事態を回避するための技術を提供する。
【解決手段】
制御装置は、対象のワークフロー情報を記憶する記憶指示が入力される場合に、メモリ内の情報を削除するための情報削除処理を実行する。対象のワークフロー情報によって示される複数個の処理のうちの特定の処理は、メモリに記憶されていない第2種のソフトウエアを利用した特定の種類の機能を利用する処理であり、情報削除処理は、第1の削除処理と第2の削除処理とのうちの少なくとも一つを含み、第1の削除処理は、他のワークフロー情報を削除する処理であり、他のワークフロー情報によって示される複数個の処理の組み合わせは、対象のワークフロー情報によって示される複数個の処理の組み合わせと少なくとも一部で重複し、第2の削除処理は、第2種のソフトウエアと同じ特定の種類の機能で利用される第1種のソフトウエアを削除する処理である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に関する複数種類の機能を実行可能な機能実行装置を制御する制御装置であって、
前記複数種類の機能のうちの特定の種類の機能は、2種類以上のソフトウエアのうちのいずれかを利用して実行可能であり、
前記制御装置は、
前記2種類以上のソフトウエアのうちの第1種のソフトウエアと1個以上のワークフロー情報とを記憶するメモリであって、前記1個以上のワークフロー情報のそれぞれは、複数個の処理を示す情報であり、前記複数個の処理は、前記複数種類の機能のうちの2種類以上の機能の組み合わせで構成されている、前記メモリと、
対象のワークフロー情報を前記メモリに新しく記憶する記憶指示が前記制御装置に入力される場合に、前記メモリ内の情報を削除するための情報削除処理を実行する処理実行部であって、
前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理のうちの特定の処理は、前記2種類以上のソフトウエアのうち、前記メモリに記憶されていない第2種のソフトウエアを利用した前記特定の種類の機能を利用する処理であり、
前記情報削除処理は、第1の削除処理と、第2の削除処理と、のうちの少なくとも一つを含み、
前記第1の削除処理は、前記メモリから他のワークフロー情報を削除する処理であり、
前記他のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせは、前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせと少なくとも一部で重複し、
前記第2の削除処理は、前記メモリから前記第2種のソフトウエアと同じ前記特定の種類の機能で利用される前記第1種のソフトウエアを削除する処理である、
前記処理実行部と、
前記情報削除処理が実行された後に、前記第2種のソフトウエアと、前記対象のワークフロー情報と、を前記メモリに記憶させる記憶制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、さらに、
前記記憶指示が前記制御装置に入力される場合に、前記メモリから前記他のワークフロー情報を削除するのか否かを確認するための第1の画面を表示する第1の表示制御部を備え、
前記第1の削除処理では、前記第1の画面において前記他のワークフロー情報の削除が指示される場合に、前記メモリから前記他のワークフロー情報が削除される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、さらに、
前記記憶指示が前記制御装置に入力される場合に、前記メモリから前記第1種のソフトウエアを削除するのか否かを確認するための第2の画面を表示する第2の表示制御部を備え、
前記第2の削除処理では、前記第2の画面において前記第1種のソフトウエアの削除が指示される場合に、前記メモリから前記第1種のソフトウエアが削除される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、さらに、
前記情報削除処理を実行しても、前記第2種のソフトウエアを前記メモリに記憶不可能である場合に、前記対象のワークフロー情報と同じ前記組み合わせで構成されている前記複数個の処理を示す代替ワークフロー情報を前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部であって、前記代替ワークフロー情報によって示される前記複数個の処理のうちの前記特定の処理は、前記メモリに記憶されている前記第1種のソフトウエアを利用した前記特定の種類の機能を利用する処理である、前記第2の記憶制御部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、さらに、
前記情報削除処理を実行しても、前記第2種のソフトウエアを前記メモリに記憶不可能である場合に、前記代替ワークフロー情報を提案する提案画面を表示する第3の表示制御部を備える、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、さらに、
前記記憶指示が前記制御装置に入力される場合に、複数個の削除処理の中から1個の削除処理を選択するための選択画面を表示する第4の表示制御部を備え、
前記処理実行部は、
前記選択画面において前記複数個の削除処理の中から前記第1の削除処理が選択される場合に、前記第1の削除処理を実行し、
前記選択画面において前記複数個の削除処理の中から前記第2の削除処理が選択される場合に、前記第2の削除処理を実行する、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記メモリは、さらに、前記情報削除処理の実行を許可することを示す第1の値と、前記情報削除処理の実行を許可しないことを示す第2の値と、のうちのいずれかを示す設定値を記憶し、
前記処理実行部は、前記設定値が前記第1の値を示す場合に、前記情報削除処理を実行し、
前記設定値が前記第2の値を示す場合に、前記情報削除処理は実行されない、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
画像に関する複数種類の機能を実行可能な機能実行装置を制御する制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記複数種類の機能のうちの特定の種類の機能は、2種類以上のソフトウエアのうちのいずれかを利用して実行可能であり、
前記制御装置は、
コンピュータと、
前記2種類以上のソフトウエアのうちの第1種のソフトウエアと1個以上のワークフロー情報とを記憶するメモリであって、前記1個以上のワークフロー情報のそれぞれは、複数個の処理を示す情報であり、前記複数個の処理は、前記複数種類の機能のうちの2種類以上の機能の組み合わせで構成されている、前記メモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、以下の各部、即ち、
対象のワークフロー情報を前記メモリに新しく記憶する記憶指示が前記制御装置に入力される場合に、前記メモリ内の情報を削除するための情報削除処理を実行する処理実行部であって、
前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理のうちの特定の処理は、前記2種類以上のソフトウエアのうち、前記メモリに記憶されていない第2種のソフトウエアを利用した前記特定の種類の機能を利用する処理であり、
前記情報削除処理は、第1の削除処理と、第2の削除処理と、のうちの少なくとも一つを含み、
前記第1の削除処理は、前記メモリから他のワークフロー情報を削除する処理であり、
前記他のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせは、前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせと少なくとも一部で重複し、
前記第2の削除処理は、前記メモリから前記第2種のソフトウエアと同じ前記特定の種類の機能で利用される前記第1種のソフトウエアを削除する処理である、
前記処理実行部と、
前記情報削除処理が実行された後に、前記第2種のソフトウエアと、前記対象のワークフロー情報と、を前記メモリに記憶させる記憶制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項9】
画像に関する複数種類の機能を実行可能な機能実行装置を制御するための制御方法であって、
前記複数種類の機能のうちの特定の種類の機能は、2種類以上のソフトウエアのうちのいずれかを利用して実行可能であり、
前記制御方法は、
対象のワークフロー情報をメモリに新しく記憶する記憶指示が前記制御装置に入力される場合に、前記メモリ内の情報を削除するための情報削除処理を実行する処理実行工程であって、
前記メモリは、前記2種類以上のソフトウエアのうちの第1種のソフトウエアと1個以上のワークフロー情報とを記憶し、
前記1個以上のワークフロー情報のそれぞれは、複数個の処理を示す情報であり、
前記複数個の処理は、前記複数種類の機能のうちの2種類以上の機能の組み合わせで構成されており、
前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理のうちの特定の処理は、前記2種類以上のソフトウエアのうち、前記メモリに記憶されていない第2種のソフトウエアを利用した前記特定の種類の機能を利用する処理であり、
前記情報削除処理は、第1の削除処理と、第2の削除処理と、のうちの少なくとも一つを含み、
前記第1の削除処理は、前記メモリから他のワークフロー情報を削除する処理であり、
前記他のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせは、前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせと少なくとも一部で重複し、
前記第2の削除処理は、前記メモリから前記第2種のソフトウエアと同じ前記特定の種類の機能で利用される前記第1種のソフトウエアを削除する処理である、
前記処理実行工程と、
前記情報削除処理が実行された後に、前記第2種のソフトウエアと、前記対象のワークフロー情報と、を前記メモリに記憶させる記憶制御工程と、
を備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、画像に関する複数種類の機能を実行可能な機能実行装置を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の機能プロバイダ(拡張ソフト)がワークフロー定義ファイルに従い連携する情報処理装置が開示されている。情報処理装置は、新しい機能プロバイダのインストールの指示を受けると、メモリから複数の機能プロバイダのうちの未使用の機能プロバイダを削除する。これにより、新しい機能プロバイダをインストールする容量を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、複数の機能プロバイダの全てが利用されている場合には、メモリ内の情報が削除されず、新しい機能プロバイダをインストールすることができない。本明細書では、新しいソフトウエアをメモリに記憶することができない事態を回避するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、画像に関する複数種類の機能を実行可能な機能実行装置を制御する制御装置を開示する。前記複数種類の機能のうちの特定の種類の機能は、2種類以上のソフトウエアのうちのいずれかを利用して実行可能であり、前記制御装置は、前記2種類以上のソフトウエアのうちの第1種のソフトウエアと1個以上のワークフロー情報とを記憶するメモリであって、前記1個以上のワークフロー情報のそれぞれは、複数個の処理を示す情報であり、前記複数個の処理は、前記複数種類の機能のうちの2種類以上の機能の組み合わせで構成されている、前記メモリと、対象のワークフロー情報を前記メモリに新しく記憶する記憶指示が前記制御装置に入力される場合に、前記メモリ内の情報を削除するための情報削除処理を実行する処理実行部であって、前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理のうちの特定の処理は、前記2種類以上のソフトウエアのうち、前記メモリに記憶されていない第2種のソフトウエアを利用した前記特定の種類の機能を利用する処理であり、前記情報削除処理は、第1の削除処理と、第2の削除処理と、のうちの少なくとも一つを含み、前記第1の削除処理は、前記メモリから他のワークフロー情報を削除する処理であり、前記他のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせは、前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせと少なくとも一部で重複し、前記第2の削除処理は、前記メモリから前記第2種のソフトウエアと同じ前記特定の種類の機能で利用される前記第1種のソフトウエアを削除する処理である、前記処理実行部と、前記情報削除処理が実行された後に、前記第2種のソフトウエアと、前記対象のワークフロー情報と、を前記メモリに記憶させる記憶制御部と、を備える。
【0006】
上記の構成によれば、少なくとも一部で重複する組み合わせを有する他のワークフロー情報及び同じ機能で利用される第1種のソフトウエアのうちの少なくとも一方を削除して、第2種のソフトウエアをメモリに記憶するための容量の確保を試みることができる。容量の確保により、新しいソフトウエアをメモリに記憶することができない事態を回避することができる。
【0007】
制御装置のためのコンピュータプログラム、制御装置を制御するための制御方法、上記のコンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(多機能機10の構成;
図1)
多機能機(以下では、「MFP」と記載)100は、印刷機能、スキャン機能、FAX機能等の画像に関する複数種類の機能(即ち多機能)を実行可能な装置である。MFP10は、操作部12と、表示部14と、通信インターフェース16と、印刷実行部20と、スキャン実行部22と、制御部30と、を備える。なお、以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0010】
操作部12は、1個以上のボタンを備える。操作部12は、ユーザから様々な指示を受け付けることができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。通信I/F16は、外部装置(例えばPC等の端末装置)との通信を実行するためのI/Fであり、例えば、LANに接続されている。
【0011】
印刷実行部20は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部22は、CCD、CIS等のスキャン機構である。なお、図示は省略するが、MFP10は、印刷機能及びスキャン機能以外の他の機能(例えばFAX機能等)を実行するための機構を含む。
【0012】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラム40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、1個のメモリであってもよいし、互いに分離した複数個のメモリによって構成されていてもよい。
【0013】
メモリ34は、さらに、1個以上のワークフロー情報42と、複数個のプロバイダ44と、プロバイダテーブル46と、最適化設定値48と、を記憶する。
【0014】
1個以上のワークフロー情報42のそれぞれは、画像に関する複数個の処理(即ち一連の処理)を示す情報である。当該複数個の処理は、MFP10が有する複数種類の機能のうちの2種類以上の機能の組み合わせで構成される。当該複数個の処理は、例えば、印刷処理、スキャン処理、画像ダウンロード処理、画像アップロード処理、メール送信処理、画像編集処理、文字認識処理等のうちの少なくとも2個の処理を含む。
【0015】
印刷処理は、印刷実行部20に印刷を実行させる処理であり、外部装置(例えばPC)から印刷データを受信することを含む。印刷処理は、印刷機能を利用する。スキャン処理は、スキャン実行部22にスキャンを実行させる処理であり、スキャンデータを外部装置に送信することを含む。スキャン処理は、スキャン機能を利用する。
【0016】
画像ダウンロード処理は、インターネット上のサーバ(図示省略)から画像データをダウンロードする処理である。画像アップロード処理は、画像データをインターネット上のサーバ(図示省略)にアップロードする処理である。インターネット上のサーバは、例えば、Dropbox(登録商標)等である。メール送信処理は、画像データを添付した電子メールを生成して送信する処理である。画像ダウンロード処理、画像アップロード処理及びメール送信処理は、通信I/F16によって実現される通信機能である。
【0017】
画像編集処理は、画像を編集する処理であり、編集は、例えば、平滑化等のフィルタを利用した画像変換、サイズ変更、トリミング等である。文字認識処理は、画像から文字列を認識する処理であり、いわゆる、OCR(Optical Character Recognitionの略)である。画像編集処理及び文字認識処理は、プログラム40によって実現されるデータ処理機能である。
【0018】
なお、上記の複数個の処理は、一例に過ぎない。例えば、複数個の処理は、ユーザによって予め入力された印刷設定を示す設定情報を当該情報の保存先から取得する取得処理と、当該取得処理で取得された設定情報に従った印刷処理と、であってもよい。
【0019】
例えば、ワークフロー情報42は、スキャン処理、画像編集処理、及び、画像アップロード処理の3個の処理を示し得る。別言すれば、ワークフロー情報42によって示される3個の処理は、スキャン機能、データ処理機能、及び、通信機能の組み合わせで構成され得る。各処理の内容(例えば、スキャン設定(解像度、データ形式)、編集内容、アップロードの設定(サーバ内のフォルダ名、ファイル名の規則等))は、ユーザによって予め設定される。1個のワークフロー情報42の中から、特定のワークフロー情報42が選択される場合には、上記の3個の処理が順次に実行される。具体的には、MFP10は、ワークフロー情報42に従ってスキャン実行部22にスキャンを実行させる。次いで、MFP10は、スキャンデータに対応する画像に対して、ワークフロー情報42に従った画像編集処理を実行する。次いで、MFP10は、画像編集処理において生成された画像データをワークフロー情報42によって示されるインターネット上のサーバにアップロードする。ユーザは、特定のワークフロー情報42を選択する指示をすればよく、上記の3個の処理のそれぞれについて指示をしなくてもよい。ユーザの利便性に寄与する。
【0020】
複数個のプロバイダ44のそれぞれは、MFP10が実行可能な複数種類の機能のうちの特定の種類の機能(例えばスキャン機能)で利用されるソフトウエアである。複数個のプロバイダ44は、例えば、簡易スキャンプロバイダ、標準スキャンプロバイダ、簡易OCRプロバイダ、詳細OCRプロバイダ、及び、標準メールプロバイダ等を含む。簡易スキャンプロバイダ及び標準スキャンプロバイダは、スキャン機能を利用するためのソフトウエアである。簡易スキャンプロバイダは、標準スキャンプロバイダと比較して、簡易なスキャン設定画面(例えば設定項目が少ない画面)を提供する。簡易OCRプロバイダ及び詳細OCRプロバイダは、文字認識処理(即ちOCRに関するデータ処理機能)を実行するためのソフトウエアである。簡易OCRプロバイダは、詳細OCRプロバイダと比較して、OCRの精度が低い。しかし、簡易OCRプロバイダのサイズは、詳細OCRプロバイダのサイズよりも小さい。標準メールプロバイダは、メール送信処理(即ちメール送信に関する通信機能)を実行するためのソフトウエアである。なお、上記のプロバイダは、一例に過ぎない。例えば、複数個のプロバイダ44は、画像ダウンロード処理を実行するためのプロバイダを含んでもよい。
【0021】
複数個のプロバイダ44のそれぞれは、例えば、MFP10のベンダによって提供されるインターネット上のサーバ(図示省略)からメモリ34にインストールされる。なお、変形例では、当該サーバは、MFP10のベンダとは異なる事業者によって提供されてもよい。
【0022】
プロバイダテーブル46は、メモリ34に記憶されている(即ちインストールされている)複数個のプロバイダ44を管理するテーブルである。プロバイダテーブル46は、複数個のプロバイダ44のそれぞれについて、当該プロバイダを識別するプロバイダIDと、プロバイダ名と、属性値と、を記憶する。例えば、プロバイダテーブル46において、簡易スキャンプロバイダ及び標準スキャンプロバイダの双方は、同じスキャン機能を意味する属性値「scan」を示す。別言すれば、スキャン機能は、簡易スキャンプロバイダ及び標準スキャンプロバイダを含む2種類以上のソフトウエアのうちのいずれかを利用して実行可能である。
【0023】
最適化設定値48は、後述する最適化処理(
図4参照)の実行を許可することを示す値「ON」と、最適化処理の実行を許可しないことを示す値「OFF」と、のうちのいずれかの値を示す。
【0024】
(ワークフロー情報を生成するための各画面;
図2)
図2は、ワークフロー情報を生成するための各画面の遷移を示す。MFP10のCPU32は、プログラム40に従って、
図2の各画面を表示部14に表示させる。
【0025】
CPU32は、ワークフロー情報の生成の指示が操作部12に入力されると、処理選択画面100を表示部14に表示させる。処理選択画面100は、様々な処理の中から1個の処理を選択するための画面である。処理選択画面100は、様々な処理のそれぞれについて、当該処理を示す処理アイコン102(例えば、文字認識処理を示す「OCR」アイコン102)を含む。なお、
図2では、1個のアイコンに符号を付し、全てのアイコンに符号を付すことを省略している。
【0026】
CPU32は、処理選択画面100内の1個の処理アイコン102が選択されると、プロバイダ選択画面110を表示部14に表示させる。プロバイダ選択画面110は、選択済みの1個の処理アイコン102によって示される処理で利用可能な複数個のプロバイダの中から1個のプロバイダを選択するための画面である。例えば、処理選択画面100内の「OCR」アイコン102が選択される。この場合、プロバイダ選択画面110は、MFP10がインストール可能な簡易OCRプロバイダ及び詳細OCRプロバイダのそれぞれについて、当該プロバイダを示すプロバイダアイコン112を含む。プロバイダ選択画面110は、メモリ34にインストール済みのプロバイダだけでなく、メモリ34にインストールされていないプロバイダを示すプロバイダアイコン112も含む。
【0027】
CPU32は、プロバイダ選択画面110内の1個のプロバイダアイコン112が選択されると、選択確認画面120を表示部14に表示させる。選択確認画面120は、選択結果画像122と、容量画像124と、次の処理の選択を指示する次ボタン126と、選択の終了を指示する終了ボタン128と、を含む。CPU32は、次ボタン126が選択される場合に、次の処理の選択を受け付けるために、処理選択画面100を表示部14に再び表示させる。ユーザは、処理選択画面100において処理アイコンを繰り返し選択することによって、所望の複数個の処理を選択する。選択結果画像122には、繰り返し選択された複数個の処理を示す情報が表示される。
【0028】
また、CPU32は、終了ボタン128が選択される場合に、後述する生成処理(
図3参照)を実行する。生成処理は、ユーザによって選択された複数個の処理を示すワークフロー情報42を新たに生成するための処理である。
【0029】
また、容量画像124は、メモリ34の現在の使用容量と、メモリ34の現在の空き容量と、を含む。ユーザは、容量画像124を見て、メモリ34の現在の容量を知ることができる。
【0030】
また、処理選択画面100は、さらに、設定ボタン104を含む。CPU32は、設定ボタン104が選択される場合に、各種設定値を入力するための設定画面130を表示部14に表示させる。設定画面130は、新たに生成するワークフロー情報42の有効期限を入力するための入力欄132と、最適化設定値48を入力するためのラジオボタン134と、を含む。当該ラジオボタン134において、ユーザは、後述する最適化処理を実行するのか否かを選択することができる(
図3のS20参照)。
【0031】
また、複数個の処理の順番は、繰り返し表示される処理選択画面100において順次に選択した順番に設定される。なお、変形例では、当該複数個の処理の順番は、
図2の各画面とは異なる他の画面でユーザによって入力されてもよい。
【0032】
また、複数個の処理それぞれの内容は、
図2の各画面とは異なる入力画面(図示省略)においてユーザによって入力される。当該入力画面は、プロバイダ選択画面110と選択確認画面120との間で表示される。なお、変形例では、入力画面は、終了ボタン128が選択される場合に表示されてもよい。この場合には、各処理の内容は、ユーザによって一括で入力されてもよい。
【0033】
(生成処理;
図3)
S10では、CPU32は、プロバイダ選択画面110で選択された全てのプロバイダがメモリ34に記憶されているのか否かを判断する。CPU32は、プロバイダ選択画面110で選択された全てのプロバイダがメモリ34に記憶されていると判断する場合(S10でYES)に、後述するS12をスキップして、S16に進む。S16では、CPU32は、処理選択画面100において選択された複数個の処理を示すワークフロー情報42(以下では、「新しいワークフロー情報42」と記載)を生成しメモリ34に記憶する。S16が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0034】
また、CPU32は、プロバイダ選択画面110で選択された全てのプロバイダのうちの少なくとも1個のプロバイダがメモリ34に記憶されていないと判断する場合(S10でNO)に、S12に進む。なお、以下では、プロバイダ選択画面110で選択された全てのプロバイダのうち、メモリ34に記憶されていないプロバイダを、「新しいプロバイダ」と記載する。
【0035】
S12では、CPU32は、新しいプロバイダ及び新しいワークフロー情報42を記憶するためのメモリ34の空き容量が足りるのか否かを判断する。CPU32は、空き容量が足りると判断する場合(S12でYES)に、S14に進む。
【0036】
S14では、CPU32は、プロバイダ選択画面110で選択された全てのプロバイダのうち、メモリ34に記憶されていないプロバイダをメモリ34に記憶する。具体的には、CPU32は、当該プロバイダをインターネット上のサーバ(図示省略)からダウンロードし、当該プロバイダをインストールする。S14が終了すると、CPU32は、S16に進む。
【0037】
また、CPU32は、空き容量が不足すると判断する場合(S12でNO)に、S20に進む。S20では、CPU32は、最適化設定値48が「ON」を示すのか否かを判断する。CPU32は、最適化設定値48が「ON」を示すと判断する場合(S20でYES)に、S22に進む。S22では、CPU32は、空き容量を確保するためにメモリ34内の情報を最適化するための最適化処理を実行する。最適化処理については、
図4にて後述する。S22が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0038】
また、CPU32は、最適化設定値48が「OFF」を示すと判断する場合(S20でNO)に、S24に進む。S24では、CPU32は、空き容量の不足に起因して新しいワークフロー情報42を記憶不可能であることを示すエラー画面を表示部14に表示させる。S24が終了すると、
図3の処理が終了する。
【0039】
(最適化処理;
図4)
S50では、CPU32は、プロバイダ選択画面110で選択された全てのプロバイダの中から1個のプロバイダを選択する。S52では、CPU32は、メモリ34に記憶されている1個以上のワークフロー情報42の中から、S50で選択した1個のプロバイダを利用する1個以上のワークフロー情報42を特定する。そして、CPU32は、特定済みのワークフロー情報42の全てについて有効期限が徒過しているのか否かを判断する。
【0040】
CPU32は、特定済みのワークフロー情報42の全てについて有効期限が徒過していると判断する場合(S52でYES)に、S54に進む、S54では、CPU32は、メモリ34からS50で選択したプロバイダを削除する。特定済みのワークフロー情報42の全てについて有効期限が徒過していることは、S50で選択したプロバイダは利用されていない可能性がある。利用されていない可能性があるプロバイダを削除することにより、空き容量を確保することができる。なお、変形例では、メモリ34から、S50で選択したプロバイダに加えて、特定済みのワークフロー情報42も削除してもよい。S54が終了すると、CPU32は、S56に進む。
【0041】
また、CPU32は、特定済みのワークフロー情報42の少なくとも1個について有効期限が徒過していないと判断する場合(S52でNO)に、S54をスキップして、S56に進む。S56では、CPU32は、プロバイダ選択画面110で選択された全てのプロバイダの中に未選択のプロバイダが存在するのか否かを判断する。CPU32は、未選択のプロバイダが存在すると判断する場合(S56でYES)に、S50に戻る。一方、CPU32は、未選択のプロバイダが存在しないと判断する場合(S56でNO)に、S60に進む。
【0042】
S60~S64は、
図3のS12~S16と同様である。S64が終了すると、
図4の処理が終了する。一方、CPU32は、空き容量がメモリ34に存在しないと判断する場合(S60でNO)に、S70に進む。
【0043】
S70では、CPU32は、削除選択画面140を表示部14に表示させる。削除選択画面140は、第1の削除処理(
図5参照)と第2の削除処理(
図6参照)のうちのいずれかを選択するためのラジオボタン142を含む。このような構成によれば、いずれの処理を実行するべきかをユーザに選択させることができる。
【0044】
S72では、CPU32は、削除選択画面140において第1の削除処理が選択されたのか否かを判断する。CPU32は、第1の削除処理が選択されたと判断する場合(S72でYES)に、S74において、第1の削除処理を実行する。一方、CPU32は、第2の削除処理が選択されたと判断する場合(S72でNO)に、S76において、第2の削除処理を実行する。S74又はS76が終了すると、
図4の処理が終了する。
【0045】
(第1の削除処理;
図5)
S100では、CPU32は、メモリ34内の1個以上のワークフロー情報42の中から、新しいワークフロー情報42によって示される複数個の処理を構成する組み合わせと同じ組み合わせを有する候補のワークフロー情報42を検索する。そして、CPU32は、検索結果として候補のワークフロー情報42が存在するのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、新しいワークフロー情報42によって示される複数個のプロバイダのそれぞれについて、プロバイダテーブル46から当該プロバイダに対応する属性値を取得する。そして、CPU32は、メモリ34内の1個以上のワークフロー情報42の中から、取得した属性値の組み合わせと同じの属性値の組み合わせを有するワークフロー情報42を検索する。
【0046】
例えば、以下の具体的なケースを想定する。新しいワークフロー情報42によって示される複数個の処理が、スキャン処理-文字認識処理-メール送信処理であり、文字認識処理においてメモリ34に記憶されていない詳細OCRプロバイダが利用される。一方、メモリ34に記憶されている特定のワークフロー情報42によって示される複数個の処理が、スキャン処理-文字認識処理-メール送信処理であり、文字認識処理においてメモリ34に記憶されている簡易OCRプロバイダが利用される。このケースにおいて、新しいワークフロー情報42の属性値の組み合わせ及び特定のワークフロー情報42の属性値の組み合わせは、「scan」-「ocr」-「mail」で同じである。CPU32は、特定のワークフロー情報42を候補のワークフロー情報42に決定する。
【0047】
CPU32は、検索結果として候補のワークフロー情報42が存在すると判断する場合(S100でYES)に、S102に進む。S102では、CPU32は、削除確認画面150を表示部14に表示させる。削除確認画面150は、候補のワークフロー情報42のリスト152と、削除ボタン154と、キャンセルボタン156と、を含む。リスト152は、候補のワークフロー情報42の名前と、候補のワークフロー情報42を最後に利用した日時と、を含む。リスト152では、1個又は複数個の候補のワークフロー情報42を選択可能である。ユーザは、削除確認画面を見て、候補のワークフロー情報42を削除するのか否かを選択することができる。
【0048】
S104では、CPU32は、削除確認画面150内の削除ボタン154が選択されたのか否かを判断する。CPU32は、削除ボタン154が選択されたと判断する場合(S104でYES)に、S106に進む。S106では、CPU32は、リスト152においてユーザによって選択されたワークフロー情報42を全て削除する。
【0049】
S106に続くS108~S112は、
図3のS12~S16と同様である。S112が終了すると、
図5の処理が終了する。一方、CPU32は、空き容量が不足すると判断する場合(S108でNO)に、S120に進む。
【0050】
S120では、CPU32は、第2の削除処理(
図6参照)が実行済みであるのか否かを判断する。CPU32は、第2の削除処理が未だ実行されていないと判断する場合(S120でNO)に、S122に進む。S122では、CPU32は、第2の削除処理を実行するのか否かを確認するための実行確認画面を表示部14に表示させる。
【0051】
S124では、CPU32は、S122の実行確認画面において第2の削除処理の実行の指示を受けたのか否かを判断する。CPU32は、第2の削除処理の実行の指示を受けたと判断する場合(S124でYES)に、S126に進む。S126は、
図4のS76と同様である。S126が終了すると、
図5の処理が終了する。
【0052】
また、CPU32は、第2の削除処理が実行済みであると判断する場合(S120でYES)又は第2の削除処理の実行の指示を受けなかったと判断する場合(S124でNO)に、S130に進む。S130では、CPU32は、後述する代替処理(
図7参照)をユーザに案内する案内画面を表示部14に表示させる。
【0053】
S132では、CPU32は、S130の案内画面において代替処理の実行の指示を受けたのか否かを判断する。CPU32は、代替処理の実行の指示を受けたと判断する場合(S132でYES)に、S134に進む。S134では、CPU32は、代替処理を実行する。S134が終了すると、
図5の処理が終了する。
【0054】
また、CPU32は、検索結果として候補のワークフロー情報42が存在しないと判断する場合(S100でNO)又は削除確認画面150内のキャンセルボタン156が選択されたと判断する場合(S104でNO)に、S120に進む。
【0055】
(第2の削除処理;
図6)
S150では、CPU32は、メモリ34に記憶されている複数個のプロバイダ44の中から、新しいプロバイダの属性値と同じ属性値を有する候補のプロバイダを検索する。そして、CPU32は、検索結果として候補のプロバイダが存在するのか否かを判断する。
【0056】
CPU32は、候補のプロバイダが存在すると判断する場合(S150でYES)に、S152に進む。S152では、CPU32は、候補のプロバイダのサイズを取得して、候補のプロバイダを削除した後の空き容量を算出する。そして、CPU32は、新しいプロバイダ及び新しいワークフロー情報42を記憶するのに算出済みの空き容量が足りるのか否かを判断する。
【0057】
CPU32は、算出済みの空き容量が足りると判断する場合(S152でYES)に、S154に進む。S154では、CPU32は、置換確認画面160を表示部14に表示させる。置換確認画面160は、候補のプロバイダのリスト162と、置換ボタン164と、キャンセルボタン166と、を含む。リスト162は、候補のプロバイダのプロバイダ名を含む。リスト162では、1個又は複数個の候補のプロバイダを選択可能である。ユーザは、置換確認画面160を見て、候補のプロバイダを削除するのか否かを選択することができる。
【0058】
S156では、CPU32は、置換確認画面160内の置換ボタン164が選択されたのか否かを判断する。CPU32は、置換ボタン164が選択されたと判断する場合(S156でYES)に、S158に進む。
【0059】
S158では、CPU32は、リスト162においてユーザによって選択された候補のプロバイダを全て削除する。S160、S162は、
図3のS14、S16と同様である。例えば、メモリ34に記憶されている1個以上のワークフロー情報42の中に、リスト162においてユーザによって選択された候補のプロバイダを利用するワークフロー情報42が存在する場合がある。この場合には、CPU32は、当該ワークフロー情報42で利用するプロバイダを、候補のプロバイダから、S160で記憶した新しいプロバイダに置換する。S162が終了すると、
図6の処理が終了する。
【0060】
また、CPU32は、置換確認画面160内のキャンセルボタン166が選択されたと判断する場合(S156でNO)に、S170に進む。S170では、CPU32は、第1の削除処理(
図5参照)が実行済みであるのか否かを判断する。CPU32は、第1の削除処理が未だ実行されていないと判断する場合(S170でNO)に、S172に進む。S172では、CPU32は、第1の削除処理を実行するのか否かを確認するための実行確認画面を表示部14に表示させる。
【0061】
S174では、CPU32は、S172の実行確認画面において第1の削除処理の実行の指示を受けたのか否かを判断する。CPU32は、第1の削除処理の実行の指示を受けたと判断する場合(S174でYES)に、S176に進む。S176は、
図4のS74と同様である。S176が終了すると、
図5の処理が終了する。
【0062】
また、CPU32は、第1の削除処理が実行済みであると判断する場合(S170でYES)又は第1の削除処理の実行の指示を受けなかったと判断する場合(S174でNO)に、S180に進む。S180~S184は、
図5のS130~S134と同様である。S184が終了すると、
図6の処理が終了する。
【0063】
また、CPU32は、検索結果として候補のプロバイダが存在しないと判断する場合(S150でNO)又は算出済みの空き容量が不足すると判断する場合(S152でNO)に、S170に進む。
【0064】
(代替処理;
図7)
S200は、
図6のS150と同様である。CPU32は、候補のプロバイダ(即ち新しいプロバイダと同じ属性値を有するプロバイダ)が存在すると判断する場合(S200でYES)に、S202に進む。
【0065】
S202では、CPU32は、代替ワークフロー情報42の生成をユーザに提案する提案画面170を表示部14に表示させる。代替ワークフロー情報42は、新しいワークフロー情報42と同じ組み合わせで構成されている複数個の処理を示す。代替ワークフロー情報42では、新しいプロバイダの代わりに、メモリ34に既に記憶されている候補のプロバイダが利用される。
【0066】
例えば、以下の具体的なケースを想定する。新しいワークフロー情報42によって示される複数個の処理が、スキャン処理-文字認識処理-メール送信処理であり、新しいプロバイダが詳細OCRプロバイダである。これに対して、代替ワークフロー情報42によって示される複数個の処理は、スキャン処理-文字認識処理-メール送信処理であり、文字認識処理において、新しいプロバイダに代えて、メモリ34に既に記憶されている簡易OCRプロバイダが利用される。
【0067】
提案画面170は、候補のプロバイダのリスト172と、OKボタン174と、キャンセルボタン176と、を含む。リスト172では、1個又は複数個のプロバイダを選択可能である。提案画面170によって、代替ワークフロー情報42の生成をユーザに提案することができる。
【0068】
S204では、CPU32は、提案画面170内のOKボタン174が選択されたのか否かを判断する。CPU32は、OKボタンが選択されたと判断する場合(S204でYES)に、S206に進む。S206では、CPU32は、新しいワークフロー情報42に代えて、代替ワークフロー情報42を生成してメモリ34に記憶する。S206が終了すると、
図7の処理が終了する。
【0069】
また、CPU32は、候補のプロバイダが存在しないと判断する場合(S200でNO)又は提案画面170内のキャンセルボタン176が選択されたと判断する場合(S204でNO)に、代替ワークフロー情報42の生成をスキップして、
図7の処理を終了する。
【0070】
図7の代替処理が実行される場合には、新しいプロバイダは記憶されない。通常、ワークフロー情報42の情報量は、プロバイダ(即ちソフトウエア)の情報量よりも小さい。本実施例の構成によれば、第1の削除処理(
図5参照)又は第2の削除処理(
図6参照)を実行しても、空き容量が不足する場合であっても、少なくともワークフロー情報42だけでも新しく記憶することができる。
【0071】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、第1の削除処理(
図5参照)及び第2の削除処理(
図6参照)のうちの少なくとも一方を実行することにより、新しいプロバイダをメモリ34に記憶するための容量を確保することを試みることができる。容量の確保により、新しいプロバイダをメモリ34に記憶することができない事態を回避することができる。
【0072】
(対応関係)
MFP10、制御部30が、メモリ34が、それぞれ、「機能実行装置」、「制御装置」、「メモリ」の一例である。OCRに関するデータ処理機能、文字認識処理が、それぞれ、「特定の種類の機能」、「特定の処理」の一例である。簡易OCRプロバイダ及び詳細OCRプロバイダが、「2種類以上のソフトウエア」の一例である。簡易OCRプロバイダ、詳細OCRプロバイダが、それぞれ、「第1種のソフトウエア」、「第2種のソフトウエア」の一例である。1個以上のワークフロー情報42が、「1個以上のワークフロー情報」の一例である。
図2の終了ボタン128を選択する指示が、「記憶指示」の一例である。
図4の最適化処理、
図5の第1の削除処理、
図6の第2の削除処理が、それぞれ、「情報削除処理」、「第1の削除処理」、「第2の削除処理」の一例である。
図5のS100で検索される候補のワークフロー情報42が、「他のワークフロー情報」の一例である。
図4の削除選択画面140、
図5の削除確認画面150、
図5の置換確認画面160、
図7の提案画面170が、それぞれ、「選択画面」、「第1の画面」、「第2の画面」、「提案画面」の一例である。最適化設定値48、「ON」、「OFF」が、それぞれ、「設定値」、「第1の値」、「第2の値」の一例である。
【0073】
図3のS22が、「処理実行部」によって実現される処理の一例である。
図5のS110及びS112、若しくは、
図6のS160及びS162が、「記憶制御部」によって実現される処理の一例である。
【0074】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0075】
(変形例1)
図2~
図7の処理は、MFP10を制御可能な端末装置(例えばPC)によって実行されてもよい。本変形例では、端末装置が、「制御装置」の一例である。また、1個以上のワークフロー情報42と複数個のプロバイダ44は、端末装置のメモリに記憶されてもよい。本変形例では、端末装置のメモリが、「メモリ」の一例である。
【0076】
(変形例2)
図5の第1の削除処理と
図6の第2の削除処理とのうちの一方は実行されなくてもよい。一般的に言えば、「情報削除処理」は、1の削除処理と第2の削除処理のうちの少なくとも一つを含めばよい。
【0077】
(変形例3)
図5の削除確認画面150は表示されなくてもよい。本変形例では、「第1の画面」を省略可能である。
【0078】
(変形例4)
図6の置換確認画面160は表示されなくてもよい。本変形例では、「第2の画面」を省略可能である。
【0079】
(変形例5)
図7の代替処理は実行されなくてもよい。本変形例では、「代替ワークフロー情報」を省略可能である。
【0080】
(変形例6)
図7の提案画面170は表示されなくてもよい。本変形例では、「提案画面」を省略可能である。
【0081】
(変形例7)
図4の削除選択画面140は表示されなくてもよい。本変形例では、「選択画面」を省略可能である。
【0082】
(変形例8) メモリ34は最適化設定値48を記憶していなくてもよい。本変形例では、「設定値」を省略可能である。
【0083】
(変形例9)
図5のS100について、例えば、新しいワークフロー情報42が、スキャン処理-文字認識処理-メール送信処理を示す場合において、候補のワークフロー情報42が、スキャン処理-文字認識処理-画像編集処理-メール送信処理を示してもよい。画像編集処理は、例えば、押印の処理等である。また、例えば、新しいワークフロー情報42が、スキャン処理-文字認識処理-画像編集処理-メール送信処理を示す場合において、候補のワークフロー情報42が、スキャン処理-文字認識処理-メール送信処理を示してもよい。いずれの場合でも、新しいワークフロー情報42と候補のワークフロー情報42は、スキャン処理と文字認識処理とメール送信処理を含む一部分において互いに重複する。一般的に言えば、「前記他のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせは、前記対象のワークフロー情報によって示される前記複数個の処理を構成する前記組み合わせと少なくとも一部で重複」すればよい。
【0084】
(変形例10)ワークフロー情報42によって示される複数個の処理の実行の順序は、必ずしも、ワークフロー情報42によって示される順序に従わなくてもよい。例えば、当該複数個の処理が、第1の処理、第2の処理、第3の処理、及び、第4の処理である場合において、第3の処理が第2の処理と並行して実行されてもよい。
【0085】
(変形例11) 上記の各実施例では、
図2~
図7の各処理がソフトウェア(例えばプログラム40)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0086】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0087】
10:MFP、12:操作部、14:表示部、16:通信I/F、20:印刷実行部、22:スキャン実行部、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、40:プログラム、42:ワークフロー情報、44:プロバイダ、46:プロバイダテーブル、48:最適化設定値、100:処理選択画面、102:処理アイコン、104:設定ボタン、110:プロバイダ選択画面、112:プロバイダアイコン、120:選択確認画面、122:選択結果画像、124:容量画像、126:次ボタン、128:終了ボタン、130:設定画面、132:入力欄、134:ラジオボタン、140:削除選択画面、142:ラジオボタン、150:削除確認画面、152:リスト、154:削除ボタン、156:キャンセルボタン、160:置換確認画面、162:リスト、164:置換ボタン、166:キャンセルボタン、170:提案画面、172:リスト、174:OKボタン、176:キャンセルボタン