(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152395
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】形状推定装置、性状推定装置、クレーン、クレーン制御装置、形状推定方法、および形状推定プログラム
(51)【国際特許分類】
B66C 13/32 20060101AFI20231010BHJP
B66C 3/02 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
B66C13/32 B
B66C3/02
B66C13/32 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062381
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504143441
【氏名又は名称】国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】川端 馨
(72)【発明者】
【氏名】平林 照司
(72)【発明者】
【氏名】伊瀬 顕史
(72)【発明者】
【氏名】松原 崇充
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 光
(72)【発明者】
【氏名】谷口 太一
【テーマコード(参考)】
3F004
3F204
【Fターム(参考)】
3F004AB11
3F004EA35
3F004PA05
3F204AA01
3F204BA09
3F204DA04
3F204DD11
3F204DD12
(57)【要約】
【課題】クレーンの制御に有用な情報を提供する。
【解決手段】形状推定装置(1)は、クレーンのバケットにより堆積している対象物の一部を把持して持ち上げる際に検知される、バケットの対象物に対向する面に設けられた複数の距離センサの検知結果を取得する検知結果取得部(101)と、該検知結果に基づき、バケットにより把持されている対象物の形状を推定する形状推定部(102)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンのバケットにより堆積している対象物の一部を把持して持ち上げる際に、前記バケットの前記対象物に対向する面に設けられた複数の距離センサにより検知される、当該距離センサから前記対象物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得部と、
前記検知結果に基づき、前記バケットにより把持されている前記対象物の形状、あるいは前記バケットにより把持されようとしている前記対象物の形状を推定する形状推定部と、を備える形状推定装置。
【請求項2】
前記形状推定部は、前記距離センサの検知結果から、機械学習手法を用いて前記対象物の形状を推定する、請求項1に記載の形状推定装置。
【請求項3】
前記形状推定部は、前記バケットにより把持されている前記対象物の形状を推定し、
前記形状推定部が推定する前記形状から、前記バケットにより把持されている前記対象物の体積を算出する体積算出部と、
前記体積算出部が算出する前記体積と、前記バケットにより把持されている前記対象物の重量から、前記バケットにより把持されている前記対象物のかさ比重を算出するかさ比重算出部と、を備える、請求項1または2に記載の形状推定装置。
【請求項4】
前記形状推定部は、前記バケットにより把持されようとしている前記対象物の形状を推定し、
前記バケットの把持動作中において前記形状推定部が推定する前記対象物の形状に基づいて、前記バケットにより把持される前記対象物の重量を予測する重量予測部と、を備える、請求項1または2に記載の形状推定装置。
【請求項5】
クレーンのバケットにより堆積している対象物の一部を把持して持ち上げる際に、前記バケットの前記対象物に対向する面に設けられた複数の距離センサにより検知される、当該距離センサから前記対象物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得部と、
前記検知結果に基づき、前記バケットにより把持されている前記対象物の性状を推定する性状推定部と、を備える性状推定装置。
【請求項6】
運搬の対象物を掴み上げるためのバケットの前記対象物に対向する面に、前記バケットにより把持されている前記対象物までの距離、あるいは前記バケットにより把持されようとしている前記対象物までの距離を検知するための複数の距離センサが設けられたクレーン。
【請求項7】
請求項6に記載のクレーンが備える前記距離センサの検知結果を取得する検知結果取得部と、
前記検知結果に基づいて前記クレーンの動作を制御するクレーン制御部と、を備えるクレーン制御装置。
【請求項8】
前記クレーン制御部は、前記バケットを移動させながら当該バケットの移動経路上に前記対象物をばらまく動作であるばらまき動作中において、前記検知結果の推移に基づき、前記対象物が前記移動経路上に均等にばらまかれるように前記バケットの開閉を制御する、請求項7に記載のクレーン制御装置。
【請求項9】
1または複数の情報処理装置により実行される形状推定方法であって、
クレーンのバケットにより堆積している対象物の一部を把持して持ち上げる際に、前記バケットの前記対象物に対向する面に設けられた複数の距離センサにより検知される、当該距離センサから前記対象物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得ステップと、
前記検知結果に基づき、前記バケットにより把持されている前記対象物の形状、あるいは前記バケットにより把持されようとしている前記対象物の形状を推定する形状推定ステップと、を含む形状推定方法。
【請求項10】
請求項1に記載の形状推定装置としてコンピュータを機能させるための形状推定プログラムであって、前記検知結果取得部および前記形状推定部としてコンピュータを機能させるための形状推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットを備えたクレーンにより持ち上げられる対象物の形状を推定する形状推定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ごみ処理プラントに搬入されたごみは、ごみピットと呼ばれる貯留施設に一時的に貯留された後、焼却炉に投入されて焼却される。ごみピット内でのごみの運搬には、一般にバケットを備えたクレーンが用いられる。例えば下記の特許文献1には、バケットを備えたクレーンを自動制御してごみピット内のごみを撹拌する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の自動制御は、クレーンのバケットにごみの掴み動作を行わせれば、常に同じ体積のごみが持ち上げられることを前提としたものである。しかしながら、実際にごみピット内でクレーンにごみを掴む動作を行わせた場合、バケットを降ろした位置のごみの状態等により持ち上げられるごみの体積や重量は一定しないことが多い。例えば、バケットを降ろした位置のごみが傾斜している場合や、押し固められている場合等には、バケットにより持ち上げられるごみの体積や重量は著しく少なくなることがある。このような場合には、バケットの巻き上げ後、バケットのワイヤに取り付けられた重量計により、持ち上げたごみの量が少ないことが判明した後で、再度バケットを下ろして掴み直すという非効率な制御を行わざるをえなかった。また、ごみのかさ比重は、そのごみの質(燃えやすさ)を示すものとして有用であるが、バケットにより持ち上げられるごみの体積が計測できないことから、かさ比重を算出することも困難であった。
【0005】
このように、従来は、クレーンの制御に利用できる情報が上記のような重量計により得られる重量情報等に限られており、このことが、クレーンの制御のさらなる改善の妨げとなっていた。これは、ごみの運搬に限られず、堆積している任意の対象物を運搬するバケット付きのクレーンにおいて共通して生じる問題点である。本発明の一態様は、クレーンの制御に有用な情報を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る形状推定装置は、クレーンのバケットにより堆積している対象物の一部を把持して持ち上げる際に、前記バケットの前記対象物に対向する面に設けられた複数の距離センサにより検知される、当該距離センサから前記対象物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得部と、前記検知結果に基づき、前記バケットにより把持されている前記対象物の形状、あるいは前記バケットにより把持されようとしている前記対象物の形状を推定する形状推定部と、を備える。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る性状推定装置は、クレーンのバケットにより堆積している対象物の一部を把持して持ち上げる際に、前記バケットの前記対象物に対向する面に設けられた複数の距離センサにより検知される、当該距離センサから前記対象物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得部と、前記検知結果に基づき、前記バケットにより把持されている前記対象物の性状を推定する性状推定部と、を備える。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るクレーンには、運搬の対象物を掴み上げるためのバケットの前記対象物に対向する面に、前記バケットにより把持されている前記対象物までの距離、あるいは前記バケットにより把持されようとしている前記対象物までの距離を検知するための複数の距離センサが設けられている。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る形状推定方法は、1または複数の情報処理装置により実行される形状推定方法であって、クレーンのバケットにより堆積している対象物の一部を把持して持ち上げる際に、前記バケットの前記対象物に対向する面に設けられた複数の距離センサにより検知される、当該距離センサから前記対象物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得ステップと、前記検知結果に基づき、前記バケットにより把持されている前記対象物の形状、あるいは前記バケットにより把持されようとしている前記対象物の形状を推定する形状推定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、クレーンの制御に有用な情報を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1に係る形状推定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】上記形状推定装置を含むクレーン制御システムの構成を示す図である。
【
図3】クレーンにより掴んでいる廃棄物までの距離を、複数の距離センサで検知する様子を示す図である。
【
図4】模擬クレーンによって把持した対象物の形状を推定した例を示す図である。
【
図5】上記形状推定装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態2に係るクレーン制御システムの概要を示す図である。
【
図7】上記クレーン制御システムに含まれる形状推定装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】上記形状推定装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態3に係る性状推定装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】本発明の実施形態4に係るクレーン制御装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】上記クレーン制御装置による制御の例を示す図である。
【
図12】上記クレーン制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
(システム構成)
図2は、本実施形態に係るクレーン制御システム7の構成を示す図である。図示のように、クレーン制御システム7には、形状推定装置1とクレーン制御装置3とクレーン5とが含まれている。クレーン制御システム7は、形状推定装置1およびクレーン制御装置3によってクレーン5を制御するシステムである。
【0013】
図2には、クレーン制御システム7を、廃棄物の貯留設備であるピットPに貯留されている廃棄物の運搬に適用した例を示している。廃棄物はクレーン5で運搬可能なものであればよく、例えば家庭ごみであってもよいし、産業廃棄物等であってもよい。また、クレーン制御システム7は、廃棄物以外の任意の対象物の運搬に利用することができる。したがって、以下の説明における「廃棄物」は任意の対象物に読み替えることができる。
【0014】
クレーン5においては、廃棄物を掴み上げるためのバケットの当該廃棄物に対向する面に、バケットにより把持されている廃棄物までの距離を検知するための複数の距離センサ6が設けられている。また、この距離センサ6によれば、把持中の廃棄物に限られず、バケットにより把持されようとしている廃棄物(把持が完了しておらず、持ち上げられていない廃棄物)までの距離も検知することができる。なお、距離センサ6の距離の検知原理は特に限定されない。例えば、距離センサ6として赤外線距離センサを用いてもよいし、超音波距離センサを用いてもよく、使用する複数の距離センサ6に、赤外線距離センサと超音波距離センサの両方が含まれていてもよい。また、距離センサ6は、近接センサと呼ばれるものであってもよい。
【0015】
距離センサ6の検知結果は、バケットにより把持されている廃棄物がどのような形状となっているか、あるいはバケットにより把持されようとしている廃棄物がどのような形状となっているかを示すものであり、クレーン5の制御に有用な情報である。つまり、クレーン5によれば、クレーン5の制御に有用な情報を提供することができる。
【0016】
なお、廃棄物の形状とは、廃棄物に含まれる個々の物品の形状ではなく、バケットにより把持されている廃棄物の全体としての外形、またはバケットにより把持されようとしている廃棄物の一部分(バケットにより引き寄せられた部分)の外形のことを指す。
【0017】
そして、形状推定装置1は、複数の距離センサ6の検知結果に基づき、バケットにより把持されている廃棄物の形状、あるいはバケットにより把持されようとしている廃棄物の形状を推定する。そして、クレーン5の動作を制御する装置であるクレーン制御装置3は、形状推定装置1による推定結果に応じたクレーン5の制御を行う。
【0018】
ここで、一般に廃棄物には雑多な物品が入り混じっているためその性状は一定せず、クレーン5に同じ把持動作を行わせても持ち上げられる廃棄物の量や形状も安定しない。しかし、クレーン制御システム7によれば、クレーン5に設けられた距離センサ6の検知結果を利用して廃棄物の形状を推定し、その推定結果に応じたクレーン5の制御を行うため、クレーン5の自動制御を安定して行うことが可能になる。
【0019】
(装置構成)
図1に基づいて形状推定装置1の構成を説明する。
図1は、形状推定装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図示のように、形状推定装置1は、形状推定装置1の各部を統括して制御する制御部10と、形状推定装置1が使用する各種データを記憶する記憶部11を備えている。また、形状推定装置1は、形状推定装置1が他の装置と通信するための通信部12、形状推定装置1に対する各種データの入力を受け付ける入力部13、および形状推定装置1が各種データを出力するための出力部14を備えている。また、制御部10には、検知結果取得部101、形状推定部102、体積算出部103、かさ比重算出部104、およびクレーン制御部105が含まれている。
【0020】
検知結果取得部101は、クレーン5のバケットにより堆積している廃棄物の一部を把持して持ち上げる際に、バケットの廃棄物に対向する面に設けられた複数の距離センサ6により検知される、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を取得する。検知結果取得部101は、上記の検知結果を、通信部12を介して距離センサ6から取得してもよい。この際の通信は有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。また、入力部13を介して形状推定装置1のユーザ等が検知結果を入力してもよい。
【0021】
形状推定部102は、検知結果取得部101が取得する上記の検知結果に基づき、バケットにより把持されている廃棄物の形状、あるいはバケットにより把持されようとしている廃棄物の形状を推定する。なお、本実施形態では形状推定部102が、バケットにより把持されている廃棄物の形状を推定する例を説明する。また、形状推定方法の詳細については、後記「形状推定方法」の項目で説明する。
【0022】
体積算出部103は、形状推定部102が推定する形状から、バケットにより把持されている廃棄物の体積を算出する。例えば、形状推定部102がバケットにより把持されている廃棄物の外縁を示す曲面の関数を算出した場合、体積算出部103は、当該曲面で囲まれる空間の体積を算出する。
【0023】
かさ比重算出部104は、体積算出部103が算出する体積と、バケットにより把持されている廃棄物の重量から当該廃棄物のかさ比重を算出する。具体的には、かさ比重算出部104は、廃棄物の重量を体積で除した値を、当該廃棄物のかさ比重として算出する。かさ比重はみかけ比重とも呼ばれる。なお、バケットにより把持されている廃棄物の重量は、例えばバケットを吊るすワイヤに重量計を取り付けておくことにより測定可能であるから、かさ比重算出部104は、そのような重量計の測定値を、入力部13または通信部12を介して取得すればよい。
【0024】
クレーン制御部105は、形状推定部102が推定する形状に応じてクレーン5を制御する。より詳細には、クレーン制御部105は、形状推定部102が推定する形状に基づいて算出された上述のかさ比重に基づいてクレーン5を制御する。例えば、クレーン制御部105は、算出されたかさ比重が所定の上限値を超えていた場合、および算出されたかさ比重が所定の下限値未満であった場合の少なくとも何れかの場合に、クレーン5に廃棄物の掴み直しを行わせてもよい。これにより、所望のかさ比重の廃棄物をクレーン5に運搬させることができる。これは、例えば焼却炉につながるホッパに廃棄物を投入する際に有効な制御である。
【0025】
なお、クレーン5の制御は
図2に示したクレーン制御装置3を介して行われる。無論、クレーン制御装置3を介さずにクレーン5を制御することも可能であり、この場合、形状推定装置1がクレーン制御装置3の機能を兼ね備えることになる。
【0026】
以上のように、形状推定装置1は、クレーン5のバケットにより堆積している廃棄物の一部を把持して持ち上げる際に、バケットの廃棄物に対向する面に設けられた複数の距離センサ6により検知される、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得部101と、当該検知結果に基づき、バケットにより把持されている廃棄物の形状、あるいはバケットにより把持されようとしている廃棄物の形状を推定する形状推定部102と、を備える。
【0027】
上記の構成によれば、バケットに把持されている対象物の形状、またはバケットにより把持されようとしている対象物の形状を推定することが可能になる。対象物の形状はクレーン5の制御に有用な情報であるから、上記の構成によれば、クレーン5の制御に有用な情報を提供することができる。
【0028】
また、以上のように、形状推定装置1は、形状推定部102が推定する形状から、バケットにより把持されている廃棄物の体積を算出する体積算出部103と、体積算出部103が算出する体積と、バケットにより把持されている廃棄物の重量から、バケットにより把持されている廃棄物のかさ比重を算出するかさ比重算出部104と、を備えていてもよい。
【0029】
これにより、廃棄物のかさ比重という廃棄物の性状を把握するために有用な情報を提供することができる。廃棄物のかさ比重は、上述したようなクレーン5の制御に利用することができる他、廃棄物を焼却する場合にはその燃焼状態の予測等にも利用することができる。
【0030】
(形状推定方法)
形状推定部102による形状推定方法について
図3に基づいて説明する。
図3は、クレーン5により掴んでいる廃棄物までの距離を、距離センサ6a~6fで検知する様子を示す図である。なお、以下では、距離センサ6a~6fをそれぞれ区別する必要がないときには単に距離センサ6と呼ぶ。
【0031】
図3に示すクレーン5は、ワイヤ51とワイヤ51に吊るされたバケット52とを備えている。バケット52は、ワイヤ51に接続された基部521と、基部521に対して回動可能に接続された、廃棄物を掴むための爪522とを備えている。なお、
図3には図示の便宜上、爪522を2本のみ示しているが、爪522は廃棄物を安定して掴むことができる程度の数だけ設ければよい。
【0032】
また、
図3に示すクレーン5の爪522の内側(廃棄物に対向する面)には、距離センサ6が設けられている。具体的には、一方の爪522には、基部521に接続している側から先端側にかけて、距離センサ6a、6b、6cが順に設けられている。同様に、他方の爪522には、基部521に接続している側から先端側にかけて、距離センサ6d、6e、6fが順に設けられている。
【0033】
図3に示す距離センサ6は、爪522の内部に埋め込まれている。距離センサ6を爪522の内部に埋め込むことにより、廃棄物との接触等による距離センサ6の破損の可能性を低減することができる。無論、距離センサ6を埋め込まず、爪522の表面に配置してもよい。また、埋め込む場合であっても距離センサ6の一部が爪522の表面から突出していてもよい。また、
図3の例では基部521の内側(廃棄物に対向する面)には、距離センサ6が設けられていないが、基部521の内側にも距離センサ6を設けてもよい。
【0034】
このように、バケット52の内面の何れの位置にどのように距離センサ6を設けるかは任意である。また、設ける距離センサ6の数も特に限定されない。ただし、形状の推定精度を高めるという観点からは、バケット52に把持される廃棄物に対し、できるだけ多くの異なる方向から距離の測定が行えるように、多様な位置に距離センサ6を設けることが好ましい。
【0035】
図3の例では、廃棄物Gがバケット52に把持されている。
図3には、距離センサ6a~6fから廃棄物Gまでの各距離を破線で示している。距離センサ6が検知する距離と、爪522の開き角度から廃棄物Gの表面上の点の位置を特定することができる。
【0036】
具体的には、距離センサ6aの検知する距離から、廃棄物Gの表面上の点p1の位置を特定することができる。同様に、距離センサ6b~6fの検知する距離から、廃棄物Gの表面上の点p2~点p6の位置を特定することができる。当該位置は座標値で表すこともできる。以下では、距離センサ6aの検知する距離から特定される、廃棄物Gの表面上の点の集合を点群データと呼ぶ。
【0037】
形状推定部102は、各距離センサ6の検知結果から上記のようにして特定される点群データから、当該廃棄物の形状を推定することができる。点群データから形状を推定する技術としては様々なものを適用することができる。
【0038】
例えば、形状推定部102は、GPIS(Gaussian Process Implicit Surface)により形状を推定してもよい。GPISは、データから関数を学習するガウス過程(Gaussian process)と関数を用いて形状を表現する陰関数曲面(Implicit surface)を組み合わせた手法である。GPISによれば、物体表面を示す点群データを利用して物体表面の形状を推定することができる。GPISを用いる場合、廃棄物Gの形状を高精度に推定することが可能になるため好ましい。ただし、GPISによる形状推定は演算量が多くなるから、GPISによる形状推定を高速で行いたい場合には、GPU(Graphical Processing Unit)による並列計算を行う等の工夫をすることが好ましい。
【0039】
無論、形状推定のアルゴリズムはGPISに限られない。例えば、GPISにおける「Implicit Surface」で形状を表現し、形状表現に用いる関数をガウス過程以外の機械学習手法(例えばニューラルネットワーク等)により学習し、形状を推定することも可能である。また、「Implicit Surface」以外の表現方法で形状を表現し、その形状をガウス過程やニューラルネットワーク等の任意の機械学習手法により学習した形状推定モデルを用いて形状を推定することも可能である。この他にも、例えばDeep Geometric Prior、ボールピボットアルゴリズム、あるいはデローニー分割法等により形状を推定することもできる。
【0040】
以上のように、形状推定部102は、距離センサ6の検知結果から、機械学習手法を用いて廃棄物の形状を推定してもよい。これにより、廃棄物の形状を高精度に推定することが可能になる。なお、距離センサ6の検知結果はそのまま説明変数としてもよいし、当該検知結果に基づいて生成した特徴量を説明変数としてもよい。また、事前に学習が必要な形状推定モデルを使用する場合、学習済みのモデルを予め生成し、記憶部11等に記憶させておく。また、形状表現に用いる関数を事前に学習した場合は、当該関数を記憶部11等に記憶させておく。
【0041】
(距離センサの配置と形状推定の例)
距離センサの検知結果を用いて形状推定する実験を行った。これについて
図4に基づいて説明する。
図4は、模擬クレーン5Aによって把持した対象物Xの形状を推定した例を示す図である。
【0042】
図4のIMG1に示すように、模擬クレーン5Aは、クレーン5を模して作成した小型のクレーンであり、バケットの基部521Aに4つの爪522Aが接続された構成である。また、
図4のIMG2に示すように、爪522Aの内面には複数の距離センサ6Aが設けられている。より詳細には、爪522Aの内面には7個の距離センサ6Aが設けられている。距離センサ6Aは、曲面となっている爪522Aの内面の全体に概ね均等に配置されており、これにより把持する対象物に対する距離を様々な方向から計測できるようになっている。また、他の3つの爪522Aにも同様に各7個の距離センサ6Aが設けられている。つまり、模擬クレーン5Aの全体では28個の距離センサ6Aが設けられている。
【0043】
この模擬クレーン5Aに把持させた対象物Xは、
図4のIMG3に示すような球体である。この対象物Xを模擬クレーン5Aに把持させた状態で各距離センサ6Aにより距離の検知を行い、それらの検知結果から得られた点群データを
図4のIMG4に示している。そして、
図4のIMG5には、それらの点群データからGPISにより求めた対象物Xの推定形状を示している。IMG5に示される推定形状は、IMG3に示される対象物Xの形状とよく一致している。このように、GPISによれば対象物Xの形状を高精度に推定することが可能である。
【0044】
(処理の流れ)
形状推定装置1が実行する処理(形状推定方法)の流れを
図5に基づいて説明する。
図5は、形状推定装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、
図2に示したピットP内の廃棄物を、焼却炉に接続されたホッパに投入する際の処理を説明する。
【0045】
S11では、クレーン制御部105がクレーン5に掴み動作を実行させる。例えば、クレーン制御部105は、ピットP内における掴み動作の実行位置をクレーン制御装置3に通知して、以下の一連の処理を実行させてもよい。一連の処理とは、通知した位置までバケット52を移動させ、当該位置でバケット52を開き、その状態で廃棄物の表面にバケット52を降ろし、バケット52を閉じて廃棄物を掴み、ワイヤ51を巻き上げて掴んだ廃棄物を持ち上げる、という処理である。
【0046】
S12では、検知結果取得部101が、S11の処理により廃棄物が持ち上げられた後で、各距離センサ6により検知された距離の検知結果を取得する。この検知結果は、各距離センサ6から、掴み上げられた廃棄物までの各距離を示している。
【0047】
S13では、形状推定部102が、S12の検知結果に基づき、バケット52により把持されている廃棄物の形状を推定する。上述のように、形状の推定方法は特に限定されず、例えば形状推定部102は、S12の検知結果に基づいて上述した点群データを生成し、生成した点群データからGPISにより把持されている廃棄物の形状を推定してもよい。形状の推定結果をどのような形式で表すかは任意であり、例えば、形状推定部102は、推定結果を示す情報として関数を出力してもよい。
【0048】
S14では、体積算出部103が、S13で推定された形状から、バケット52により把持されている廃棄物の体積を算出する。そして、S15では、かさ比重算出部104が、S14で算出された体積と、バケット52により把持されている廃棄物の重量から当該廃棄物のかさ比重を算出する。上述のように、廃棄物の重量は重量計により実測されたものであってもよい。
【0049】
S16では、クレーン制御部105が、S15で算出されたかさ比重が、所定の上限値以下であるか否かを判定する。S16でYESと判定された場合にはS17の処理に進み、S16でNOと判定された場合にはS18の処理に進む。
【0050】
S18では、クレーン制御部105は、クレーン制御装置3にクレーン5のバケット52を開く制御を行わせる。これにより、S11の処理によりバケット52に掴まれていた廃棄物が放されてバケット52は空の状態となる。この後、処理はS11に戻って再度掴み動作が実行される。なお、次の掴み動作は、先の掴み動作とピットP内における同じ位置で行わせてもよいし、異なる位置で行わせてもよい。
【0051】
一方、S17では、クレーン制御部105は、クレーン制御装置3に廃棄物をホッパに投入する処理を実行させ、
図5の処理は終了する。これにより、S11の処理によりバケット52に掴まれていた廃棄物がホッパに投入されて焼却に供される。
図5の処理によれば、かさ比重が所定の上限値以下の廃棄物がホッパに投入されるので、焼却炉内における燃焼を安定化することができる。
【0052】
以上のように、本実施形態に係る形状推定方法は、クレーン5のバケット52により堆積している廃棄物の一部を把持して持ち上げる際に、バケット52の廃棄物に対向する面に設けられた複数の距離センサ6により検知される、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得ステップ(S12)と、S12の検知結果に基づき、バケット52により把持されている廃棄物の形状を推定する形状推定ステップ(S13)と、を含む。よって、バケット52により把持されている廃棄物の形状というクレーン5の制御に有用な情報を提供することができる。なお、同様の処理により、バケット52により把持されようとしている廃棄物の形状を推定することも可能である。
【0053】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。これは実施形態3以降についても同様である。
【0054】
(概要)
本実施形態では、クレーンのバケットにより把持されようとしている廃棄物の形状を推定し、把持動作中における形状の推移から把持される廃棄物の重量を予測し、この予測結果に基づいてクレーンを制御するクレーン制御システム7Aについて説明する。
【0055】
図6は、クレーン制御システム7Aの概要を示す図である。図示のように、クレーン制御システム7Aには、形状推定装置1Aとクレーン制御装置3が含まれている。形状推定装置1Aは、実施形態1の形状推定装置1と同様に、バケット52に設けられた距離センサ6の検知結果を取得し、その検知結果に応じた制御内容をクレーン制御装置3に通知し、クレーン制御装置3はこの通知に従ってクレーン5を制御する。
【0056】
本実施形態の形状推定装置1Aと、実施形態1の形状推定装置1との相違点は、形状推定装置1Aは、バケット52により把持されようとしている廃棄物の形状を推定し、把持動作中における形状に基づいて把持される廃棄物の重量を予測する点にある。
【0057】
図6におけるST1~ST3は、把持動作の流れを示している。把持動作は、
図6のST1に示すように、バケット52を開いた状態で廃棄物G上に降ろすことから始まる。バケット52を開いた状態で廃棄物G上に降ろすことにより、爪522の先端が廃棄物Gの中に食い込む。その後、爪522を閉じていくことにより、閉じられる爪522で廃棄物Gが掻き寄せられ(ST2)、爪522の開き角度が廃棄物Gの持ち上げ可能な程度の所定角度以上に達した段階(ST3)で把持動作は終了する。この後、バケット52を巻き上げることにより、爪522で挟まれた廃棄物Gが持ち上げられる。
【0058】
ここで、同じ制御によりクレーン5に把持動作を行わせた場合であっても、持ち上げられる廃棄物Gの量は、必ずしも同じになるとは限らない。例えば、堆積している廃棄物Gが押し固められていた場合、ST1の段階で爪522が廃棄物G内に十分に食い込まないことがある。この場合、ST2で掻き寄せられる廃棄物Gの量も少なくなり、ST3で爪522に挟まれた状態となる廃棄物Gの量も少なくなって、最終的に持ち上げられる廃棄物Gの量も少なくなる。また、堆積している廃棄物Gの表面が傾斜している場合にも、ST1の段階で爪522が廃棄物G内に十分に食い込まないことがあり、これにより持ち上げられる廃棄物Gの量も少なくなることがある。少量の廃棄物Gを運搬することは非効率であるから、このような場合には一旦バケット52を開いて廃棄物Gを放し、廃棄物Gの掴み直しを行うことが好ましい。
【0059】
従来のクレーン自動制御において、持ち上げられた廃棄物の量が少ないことを認識できるのは、廃棄物を持ち上げてワイヤに取り付けられた重量計によりその重量が計測された段階であった。このため、廃棄物の掴み直しは、廃棄物を持ち上げた後で行われており、運搬に値しない少量のごみを一旦持ち上げるというタイムロスが生じていた。
【0060】
形状推定装置1Aによれば、廃棄物Gを持ち上げる前の段階で、把持される廃棄物Gの重量を予測することができるため、上記のようなタイムロスを発生させることなく、効率のよい運搬が可能になる。この予測には、把持される廃棄物Gの重量と、把持動作中における廃棄物Gの形状との関係を利用する。
【0061】
すなわち、把持される廃棄物Gの重量が小さい場合、把持動作中に廃棄物Gが盛り上がる程度は小さい範囲で推移する一方、把持される廃棄物Gの重量が大きい場合、把持動作中に廃棄物Gが盛り上がる程度は大きい範囲で推移する。形状推定装置1Aは、この関係を利用して、距離センサ6の検知結果から廃棄物Gの形状を推定し、推定した形状から把持される廃棄物Gの重量を予測する。
【0062】
上記のような予測は、例えば、廃棄物Gの形状に応じた特徴量を説明変数とし、廃棄物Gの重量を目的変数として、それらの関係を機械学習することにより構築した重量予測モデルを用いて行うこともできる。例えば、ST3の段階等の所定のタイミングで爪522により掻き寄せられて盛り上がった部分の体積を算出して上記の特徴量としてもよい。
【0063】
上記の重量予測モデルを構築するための教師データは、クレーン5に把持動作を実行させると共に、当該把持動作中に廃棄物の形状推定を行い、各把持動作の完了後に、把持された廃棄物の重量を上述のような重量計により計測するという試行を繰り返し行うことにより自動で生成することもできる。つまり、上記の形状推定の結果から説明変数とする特徴量を生成し、当該特徴量に対して重量計の計測結果を正解データとして対応付けることにより教師データを生成することができる。
【0064】
また、上記説明変数を、推定された形状の推移を示す特徴量としてもよい。例えば、爪522で掻き寄せられて盛り上がった部分の体積の増加速度を算出して上記の特徴量としてもよい。この場合、バケット52の閉動作が完了する前(ST3より前)の時点で重量の予測ができるという利点がある。
【0065】
爪522で掻き寄せられて盛り上がった部分の体積の増加速度を説明変数とする重量予測モデルを用いる場合、形状推定装置1Aは、爪522が閉じ始めたST1の段階で距離センサ6の検知結果を取得し、堆積している廃棄物Gの形状を推定してもよい。そして、形状推定装置1Aは、爪522が閉じ始めた後所定時間が経過したST2の段階で再度距離センサ6の検知結果を取得し、廃棄物Gの形状を推定してもよい。そして、形状推定装置1Aは、推定した形状の差分から、爪522で掻き寄せられて盛り上がった部分の体積の増加速度を算出して上記重量予測モデルに入力することにより、重量の予測値を算出してもよい。
【0066】
また、例えば、爪522により掻き寄せられて盛り上がった部分の体積を説明変数とする重量予測モデルを用いる場合、形状推定装置1Aは、バケット52の閉動作が完了したST3の段階で距離センサ6の検知結果を取得し、堆積している廃棄物の形状を推定してもよい。そして、形状推定装置1Aは、推定した形状から爪522により掻き寄せられて盛り上がった部分の体積を算出して上記重量予測モデルに入力することにより重量の予測値を算出してもよい。
【0067】
(装置構成)
図7に基づいて形状推定装置1Aの構成を説明する。
図7は、形状推定装置1Aの要部構成の一例を示すブロック図である。形状推定装置1Aは、
図1に示した形状推定装置1と比べて、制御部10が制御部10Aに変っている点で異なっている。制御部10Aには、検知結果取得部101、形状推定部102、重量予測部103A、およびクレーン制御部105が含まれている。
【0068】
重量予測部103Aは、バケット52の把持動作中において形状推定部102が推定する形状に基づいて、バケット52により把持される廃棄物の重量を予測する。上述の「概要」の項目で説明したとおり、重量の予測方法は特に限定されず、例えば重量予測部103Aは機械学習により構築した重量予測モデルを用いて重量を予測してもよい。
【0069】
以上のように、形状推定装置1Aは、形状推定部102が、バケット52により把持されようとしている廃棄物の形状を推定する場合に、バケット52の把持動作中において形状推定部102が推定する形状に基づいて、バケット52により把持される廃棄物の重量を予測する重量予測部103Aを備えている。
【0070】
これにより、バケット52による廃棄物の把持および持ち上げが完了する前の段階でバケット52により持ち上げられる廃棄物の重量を予測することができる。例えば、バケット52による廃棄物の把持が完了する前の段階で所望の重量の廃棄物が持ち上げられないであろうことも予測できる。そして、このような予測に基づき、早期に掴み直し等の処理を行うことが可能になり、クレーン5による廃棄物の運搬を効率化することができる。
【0071】
(処理の流れ)
形状推定装置1Aが実行する処理(形状推定方法)の流れを
図8に基づいて説明する。
図8は、形状推定装置1Aが実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、
図2に示したピットPにおける所定位置の廃棄物を他の位置に積み替える際の処理を説明する。
【0072】
S21では、クレーン制御部105がクレーン5のバケット52を所定位置に移動させ、当該位置でバケット52を廃棄物上に降ろさせた上で、掴み動作を開始させる。そして、S22では検知結果取得部101が各距離センサ6による距離の検知結果を取得し、S23では形状推定部102がS22で取得された検知結果に基づいてバケット52により把持されようとしている廃棄物の形状を推定する。
【0073】
なお、S22の処理は、掴み動作の開始から終了まで(
図6のST1からST3まで)の期間における所定のタイミング(例えばバケット52の閉動作が開始された後所定時間が経過したタイミング)で行われる。
【0074】
S24では、検知結果取得部101が、形状の推定を終了するか否かを判定する。例えば、掴み動作の開始から終了までの期間に2回の形状測定を行う場合、検知結果取得部101はS22の処理を2回実行済みであれば形状の推定を終了する(S24でYES)と判定し、S22の処理の実行回数が1回であれば形状の推定を終了しない(S24でNO)と判定する。S24でYESと判定された場合にはS25の処理に進み、S24でNOと判定された場合にはS22の処理に戻る。
【0075】
S25では、重量予測部103Aが、S23で推定された形状に基づいて、バケット52により把持される廃棄物の重量を予測する。推定された形状に基づく重量の予測方法は既に説明したとおりであるからここでは説明を繰り返さない。
【0076】
S26では、クレーン制御部105が、S25で予測された重量が、所定の下限値以上であるか否かを判定する。S26でYESと判定された場合にはS27の処理に進み、S26でNOと判定された場合にはS28の処理に進む。S26の処理は、廃棄物の掴み直しを行うか否かを判定する処理である。なお、S26では、予測された重量が所定の上限値以上であるか否か、あるいは予測された重量が所定の適正範囲外であるかを判定してもよい。
【0077】
S28では、クレーン制御部105は、クレーン制御装置3にクレーン5のバケット52を開いた上で、巻き上げる制御を行わせる。これにより、S21の処理によりバケット52に掴まれていた廃棄物が放されてバケット52は空となり、かつ巻き上げられた状態となる。この後、処理はS21に戻って再度掴み動作が実行される。なお、次の掴み動作は、先の掴み動作とピットP内における全く同じ所定位置で行わせてもよいし、所定位置から少しずれた位置で行わせてもよい。
【0078】
一方、S27では、クレーン制御部105は、クレーン制御装置3にバケット52を巻き上げて、所定の積み替え先位置まで廃棄物を運搬させる制御を行わせる。これにより、
図8の処理は終了する。
図8の処理によれば、S25の予測結果に応じて早いタイミングで掴み直しを行うことが可能であるから、効率よく廃棄物を積み替えることができる。
【0079】
〔実施形態3〕
(装置構成)
図9に基づいて本実施形態に係る性状推定装置2の構成を説明する。
図9は、性状推定装置2の要部構成の一例を示すブロック図である。性状推定装置2は、バケット52に設けられた距離センサ6による距離の検知結果に基づき、バケット52により把持されている廃棄物の性状を推定する装置である。また、性状推定装置2は、性状の推定結果に基づいてクレーン5を制御する機能も備えている。
【0080】
図9に示すように、性状推定装置2は、性状推定装置2の各部を統括して制御する制御部20と、性状推定装置2が使用する各種データを記憶する記憶部21を備えている。また、性状推定装置2は、性状推定装置2が他の装置と通信するための通信部22、性状推定装置2に対する各種データの入力を受け付ける入力部23、および性状推定装置2が各種データを出力するための出力部24を備えている。また、制御部20には、検知結果取得部201、性状推定部202、およびクレーン制御部203が含まれている。
【0081】
検知結果取得部201は、実施形態1で説明した検知結果取得部101と同様に、クレーン5のバケットにより堆積している廃棄物の一部を把持して持ち上げる際に、バケットの廃棄物に対向する面に設けられた複数の距離センサ6により検知される、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を取得する。
【0082】
性状推定部202は、検知結果取得部201が取得する検知結果に基づき、バケット52により把持されている廃棄物の性状を推定する。推定の対象となる性状は、その性状の差異がバケット52に把持されたときの廃棄物の形状の差異として表れるものであればよい。例えば、上記性状は、廃棄物の重量、体積、かさ比重、水分含量、種類、質等であってもよい。
【0083】
性状の推定は、例えば、距離センサ6の検知結果または当該検知結果から生成した特徴量を説明変数とし、推定する性状を目的変数として、これらの変数の関係を機械学習することにより構築された性状推定モデルを用いて行うことができる。例えば、かさ比重を推定する性状推定モデルであれば、バケット52に把持された廃棄物のかさ比重と、そのバケット52に設けられた距離センサ6の検知結果とを対応付けた教師データを用いて生成することができる。
【0084】
また、例えば、廃棄物の質を推定する性状推定モデルであれば、バケット52に把持された廃棄物の質と、そのバケット52に設けられた距離センサ6の検知結果とを対応付けた教師データを用いて生成することができる。廃棄物の質を評価する基準は任意であり、例えば当該廃棄物の累計撹拌回数を廃棄物の質を示す値として推定することもできる。なお、ここで、廃棄物の撹拌とは、廃棄物をバケット52で持ち上げて落下させることを指す。このような撹拌を行うことにより、廃棄物を収容する袋が破れる等して廃棄物が均質化される。
【0085】
クレーン制御部203は、性状推定部202による性状の推定結果に基づいてクレーン5を制御する。性状の推定結果とそれに対応する制御の内容は予め定めておけばよい。例えば、性状推定部202がかさ比重を算出する場合、クレーン制御部203が実行する制御は実施形態1のクレーン制御部105と同様である。クレーン5の制御は
図2に示したクレーン制御装置3を介して行ってもよいし、クレーン制御装置3を介さずにクレーン5を制御することも可能である。
【0086】
以上のように、性状推定装置2は、クレーン5のバケット52により堆積している廃棄物の一部を把持して持ち上げる際に、バケット52の廃棄物に対向する面に設けられた複数の距離センサ6により検知される、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得部201と、該検知結果に基づき、バケット52により把持されている廃棄物の性状を推定する性状推定部202と、を備えている。
【0087】
バケット52に把持されている廃棄物の性状は距離センサ6の検知結果に反映されるため、上記の構成によれば、バケット52に把持されている廃棄物の性状を推定することができる。そして、廃棄物の性状はクレーン5の制御に有用な情報であるから、上記の構成によれば、クレーン5の制御に有用な情報を提供することができる。
【0088】
なお、性状推定装置2は、推定した性状に基づくクレーン5の制御内容の決定も行っているが、クレーン5の制御内容の決定は例えばクレーン5のオペレータが行ってもよいし、クレーン制御装置3等の他の装置が行ってもよい。オペレータがクレーン5の制御内容を決定する場合、性状推定装置2は、推定した性状を出力部24に出力される等してオペレータに提示し、提示された性状を考慮してクレーン5を制御できるようにすればよい。
【0089】
また、性状推定装置2が実行する処理(性状推定方法)の流れは、
図5の処理と概ね同様である。ただし、S12(検知結果取得ステップ)で検知結果取得部201が検知結果を取得した後は、S13~S15の処理の代わりに、性状推定部202による性状の推定が行われる(性状推定ステップ)。性状を推定した後のクレーン制御部203の処理は、推定する性状に応じて適宜定めておけばよい。
【0090】
〔実施形態4〕
(装置構成)
本実施形態では、廃棄物の形状を推定することなく、またその性状を推定することなく、距離センサ6の検知結果に応じてクレーン5を制御するクレーン制御装置3Aについて説明する。
図10は、クレーン制御装置3Aの要部構成の一例を示すブロック図である。クレーン制御装置3Aは、バケット52に設けられた距離センサ6による距離の検知結果に基づいてクレーン5の動作を制御する装置である。
【0091】
図示のように、クレーン制御装置3Aは、クレーン制御装置3Aの各部を統括して制御する制御部30Aと、クレーン制御装置3Aが使用する各種データを記憶する記憶部31Aを備えている。また、クレーン制御装置3Aは、クレーン制御装置3Aが他の装置と通信するための通信部32A、クレーン制御装置3Aに対する各種データの入力を受け付ける入力部33A、およびクレーン制御装置3Aが各種データを出力するための出力部34Aを備えている。また、制御部30Aには、検知結果取得部301Aおよびクレーン制御部302Aが含まれている。
【0092】
検知結果取得部301Aは、実施形態1で説明した検知結果取得部101と同様に、クレーン5のバケットにより堆積している廃棄物の一部を把持して持ち上げる際に、バケットの廃棄物に対向する面に設けられた複数の距離センサ6により検知される、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を取得する。
【0093】
クレーン制御部302Aは、検知結果取得部301Aが取得する検知結果に基づいてクレーン5の動作を制御する。制御内容は、例えば、距離センサ6の検知結果または当該検知結果から生成した特徴量を説明変数とし、当該検知結果が得られたときに行うべき制御の内容を目的変数として、これらの変数の関係を機械学習することにより構築された制御内容推定モデルを用いて決定することができる。上述の各実施形態で説明したように、複数の距離センサ6の検知結果に基づいてクレーン5の制御内容に関連する各種の推定(例えば廃棄物の形状や性状の推定)を行うことができる。そして、それらの推定結果に応じて適切な制御内容が決まるから、距離センサ6の検知結果に基づいてクレーン5の制御内容を決定することも可能である。
【0094】
例えば、クレーン制御装置3Aは、
図5と同様の処理により、掴んだ廃棄物をホッパに投入するか否かを決定することもできる。この場合、S13~S16の処理の代わりに、クレーン制御部302Aが、S12で取得される検知結果に基づき、掴んだ廃棄物をホッパに投入するか否かを決定する処理を行う。また、例えば、クレーン制御装置3Aは、
図8と同様の処理により、廃棄物の掴み直しを行うか否かを決定することもできる。この場合、S23~S26の処理の代わりに、クレーン制御部302Aが、S22で取得される検知結果に基づき、廃棄物の掴み直しを行うか否かを決定する処理を行う。
【0095】
以上のように、クレーン制御装置3Aは、クレーン5のバケットにより堆積している廃棄物の一部を把持して持ち上げる際に、バケットの廃棄物に対向する面に設けられた複数の距離センサ6により検知される、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を取得する検知結果取得部301Aと、該検知結果に基づいてクレーン5の動作を制御するクレーン制御部302Aと、を備えている。この構成によれば、バケット52に設けられた複数の距離センサ6の検知結果というクレーン5の制御に有用な情報を利用したクレーン5の自動制御が実現される。
【0096】
(制御の例)
図11は、クレーン制御装置3Aによる制御の例を示す図である。より詳細には、
図11には、バケット52を移動させながらバケット52の移動経路上に廃棄物をばらまく動作であるばらまき動作中において、クレーン制御装置3Aがバケット52の開閉を制御する例を示している。
【0097】
上述のように、廃棄物の撹拌とは、廃棄物をバケット52で持ち上げて落下させることを指し、ピットP内の廃棄物を均質化することを目的とした作業である。廃棄物の撹拌は、持ち上げた廃棄物をその場で落下させることにより行うこともできるが、上述のばらまき動作により撹拌することもできる。以下では、ばらまき動作による撹拌をばらまき撹拌と呼ぶ。ばらまき撹拌では、廃棄物をバケット52の移動経路上に均等にばらまくことが求められる。
【0098】
図11に示す例では、クレーン5のバケット52を位置A1からA2に移動させている。そして、この間に、バケット52を少し開いて閉じるという動作を繰り返し行わせることにより、廃棄物を少しずつ落下させている。バケット52の開度が大きすぎたりバケット52を開く時間が長すぎたりすると一度に大量の廃棄物が落下してしまい、均等なばらまきとならない。また、逆にバケット52の開度が小さすぎたりバケット52を開く時間が短すぎたりすると位置A2に到達してもバケット52内に多くの廃棄物が残り、それらの廃棄物は位置A2で落とされるため、均等なばらまきとならない。また、一般に廃棄物の質は一定しないから、同じ制御により廃棄物の掴み上げを行わせたとしても同じ量の廃棄物が掴み上げられるとは限らない上、ばらまき時におけるバケット52の開度と開時間が同じであっても同じ量の廃棄物が落下するとは限らない。
【0099】
そこで、クレーン制御装置3Aでは、検知結果取得部301Aが、ばらまき撹拌中において、距離センサ6から廃棄物までの距離を示す検知結果を随時取得する。そして、クレーン制御部302Aは、検知結果取得部301Aが取得する検知結果の推移に基づき、廃棄物がバケット52の移動経路上に均等にばらまかれるようにバケット52の開閉を制御する。これにより、廃棄物をバケット52の移動経路上に均等にばらまくという難易度の高いタスクを自動制御にて実現することが可能になる。
【0100】
バケット52の移動経路上に廃棄物を均等にばらまくための制御は、上述した制御内容推定モデルを用いて決定することができる。制御内容は廃棄物がばらまかれる量を変動させ得るものであればよく、例えば、クレーン制御部302Aは、バケット52の開度、開動作の実行時間、および閉動作の実行時間の少なくとも何れかを調整してもよい。この場合、クレーン制御部302Aは、バケット52の開度、開動作の実行時間、および閉動作の実行時間の少なくとも何れかを目的変数とする制御内容推定モデルを用いればよい。なお、以下説明するように、制御内容推定モデルを用いずに制御内容を決定することも可能である。
【0101】
(処理の流れ)
図12は、クレーン制御装置3Aが実行する処理(クレーン制御方法)の一例を示すフローチャートである。なお、
図12にはばらまき撹拌時の処理を示している。また、以下では、上述した制御内容推定モデルを用いずに制御内容を決定する例を説明する。
【0102】
S41では、クレーン制御部302Aが、クレーン5にばらまき動作を開始させる。具体的には、クレーン制御部302Aは、ピットPにおける位置(ばらまき動作の開始位置)を指定して、クレーン5に当該位置で廃棄物の掴み上げを行わせる。また、クレーン制御部302Aは、ピットPにおける他の位置(ばらまき動作の終了位置)を指定して、当該位置に向かってバケット52の移動を開始させると共に、バケット52の開閉動作を開始させる。
【0103】
S42では、クレーン制御部302Aは、1回の開閉動作、すなわちバケット52を所定の開度まで開いた後閉じるという一連の動作が終了したか否かを判定する。S42の処理は、1回の開閉動作が終了した(S42でYES)と判定されるまで繰り返し行われる。S42でYESと判定されるとS43の処理に進む。
【0104】
S43では、検知結果取得部301Aが、S42で終了したと判定された1回の開閉動作の開始から終了までの期間に検知された距離センサ6の検知結果を取得する。なお、検知結果取得部301Aは、開閉動作の開始から終了までの期間に検知された全ての検知結果を取得してもよいし、一部の検知結果を取得してもよい。例えば、検知結果取得部301Aは、開閉動作の開始時点と終了時点の各検知結果を取得してもよい。
【0105】
S44では、クレーン制御部302Aが、S42で終了したと判定した開閉動作の次の開閉動作の内容を調整する。例えば、S43で開閉動作の開始時点と終了時点の各検知結果が取得された場合、クレーン制御部302Aは、開閉動作の開始時点における距離の検知結果の平均値と、終了時点における距離の検知結果の平均値との差を算出してもよい。そして、クレーン制御部302Aは、算出した差が所定の基準値より大きければ、次の開閉動作における廃棄物の落下量が減少するように調整し、算出した差が所定の基準値より小さければ、次の開閉動作における廃棄物の落下量が増加するように調整してもよい。
【0106】
上記基準値は、例えば、1回の開閉動作により理想的な量の廃棄物が落下したときの、開閉動作の開始時点における距離の検知結果の平均値と、終了時点における距離の検知結果の平均値との差であってもよい。廃棄物の落下量を減少させる調整としては、例えば、バケット52の開度を下げる、開動作の時間を増やす(より時間をかけて開く)、および閉動作の時間を減らす(より短時間で閉じる)等の調整が挙げられる。廃棄物の落下量を増加させる場合には上記の逆の調整を行えばよい。
【0107】
S45では、クレーン制御部302Aは、S44の調整後の内容で次の開閉動作をクレーン5に実行させる。このように、S44およびS45では、クレーン制御部302Aは、検知結果取得部301Aが取得する検知結果の推移に基づき、廃棄物がバケット52の移動経路上に均等にばらまかれるようにバケット52の開閉を制御する。
【0108】
S46では、クレーン制御部302Aは、バケット52の開閉動作の実行回数が所定回数に到達したか否かを判定する。S46でYESと判定された場合には、クレーン制御部302Aは、開閉動作の調整を終了し、ばらまき動作の終了位置にバケット52が到達した時点でバケット52に開動作を実行させて、
図12の処理は終了する。一方、S46でNOと判定された場合にはS42の処理に戻る。
【0109】
〔変形例〕
上述の各実施形態で説明した各処理の実行主体は任意であり、上述の例に限られない。つまり、上述の各実施形態で説明した各処理を実行可能であれば、クレーン制御システム7、7Aを構成する装置は適宜変更することができる。
【0110】
例えば、
図2のクレーン制御システム7では、形状推定装置1とクレーン制御装置3を別の装置としているが、これらを1つの装置とすることもできる。
図6のクレーン制御システム7Aについても同様である。また、
図5、
図8、および
図12に記載の各処理の実行主体は、必ずしも1つの装置である必要はなく、それらの処理を複数の任意の情報処理装置(コンピュータ)に分担させて実行することができる。
【0111】
また、上記各実施形態では、機械学習により構築した学習済みモデルを使用する例を説明した。このような学習済みモデルを構築する機能、あるいは学習に用いる教師データを生成する機能を、形状推定装置1、1A、性状推定装置2、クレーン制御装置3、3Aに持たせてもよい。
【0112】
〔ソフトウェアによる実現例〕
形状推定装置1および1A、性状推定装置2、並びにクレーン制御装置3および3A(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部10または10Aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(形状推定プログラム/性状推定プログラム/クレーン制御プログラム)により実現することができる。
【0113】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0114】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0115】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0116】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
1、1A 形状推定装置
101 検知結果取得部
102 形状推定部
103 体積算出部
103A 重量予測部
104 かさ比重算出部
105 クレーン制御部
2 性状推定装置
201 検知結果取得部
202 性状推定部
203 クレーン制御部
3、3A クレーン制御装置
301A 検知結果取得部
302A クレーン制御部
5 クレーン
52 バケット
6 距離センサ