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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152451
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】足場構築用伸縮ブラケット
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/06 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
E04G5/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062477
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】夛田 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】池田 千春
(57)【要約】
【課題】建設現場等において足場を構築する際に使用する伸縮ブラケットを提供する。
【解決手段】外管に内管を摺動自在に挿入することにより軸方向に伸縮自在な伸縮管を構成し、外管と内管の相互に、内管の周方向の回動を阻止した状態で軸方向の摺動を案内するガイド機構と、内管を摺動不能とするように係脱自在に係止固定するロック機構を設けた足場構築用伸縮ブラケットにおいて、前記ロック機構(21)は、外管(3)を貫通して進退自在に螺入されたボルト手段(29)を内管(4)の外表面に係止固定することにより構成され、前記ガイド機構(20)は、外管(3)に形成された軸方向に延びるスリット(22)と、内管(4)の外表面から突出する摺動片(23)を備え、前記摺動片(23)をスリット(22)に摺動自在に嵌入することにより構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尾端部を足場構築体に固定する外管と、該外管の先端部から摺動自在に挿入された内管により、軸方向に伸縮自在な伸縮管を構成し、外管と内管の相互に、内管の周方向の回動を阻止した状態で軸方向の摺動を案内するガイド機構と、内管を摺動不能とするように係脱自在に係止固定するロック機構を設けた足場構築用伸縮ブラケットにおいて、
前記ロック機構(21)は、外管(3)を貫通して進退自在に螺入されたボルト手段(29)を内管(4)の外表面に係止固定することにより構成され、
前記ガイド機構(20)は、外管(3)に形成された軸方向に延びるスリット(22)と、内管(4)の外表面から突出する摺動片(23)を備え、前記摺動片(23)をスリット(22)に摺動自在に嵌入することにより構成されて成ることを特徴とする足場構築用伸縮ブラケット。
【請求項2】
前記外管は、軸方向中途部の下部に支持金具(24)を介して斜め下向きに支持フレーム(6)を延設し、該支持フレームの下端部を足場構築体に固定するように構成されており、
前記ガイド機構(20)のスリット(22)は、外管の下部に位置して前記支持金具を横断する軸方向領域に形成され、
前記支持金具(24)は、底壁(25)と両側壁(26,26)を備えた溝形部材により構成され、底壁を前記スリットから離隔させた状態で両側壁を前記スリットの両側において外管(3)に固着して成ることを特徴とする請求項1に記載の足場構築用伸縮ブラケット。
【請求項3】
前記ロック機構(21)は、外管の先端部における下部に形成された挿通孔(27)と、該挿通孔に連通するように外管の下部に固着されたナット手段(28)と、前記ナット手段に進退自在に螺入されたボルト手段(29)から成り、前記挿通孔を挿通したボルト手段の先端部を内管(4)の下部に係止固定するように構成されており、
前記ナット手段(28)は、上面に形成した円弧面を外管の外周面に重合した状態で固着されており、
外管の周方向に向かう幅に関して、前記ナット手段(28)の円弧面の幅(W2)は、スリット(22)の幅(W1)よりも大きく形成されて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の足場構築用伸縮ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場等において足場を構築する際に使用する足場構築用伸縮ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、建設現場等における仮設足場に使用される伸縮ブラケットは、足場構築体の支柱等に着脱自在に取付けられた状態で水平方向に突出する外管と、前記外管に摺動自在に挿入された内管とにより、前記突出方向に伸縮自在とされる伸縮管を構成している。その際、外管と内管の相互には、周方向の回動を阻止した状態で軸方向の摺動を案内するガイド機構と、外管から螺入されたボルト手段の先端を内管に係止固定するロック機構が設けられている。尚、伸縮管には足場板が搭載され、作業用の床面を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6019164号公報
【特許文献2】実開昭53-59521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に示されているように、従来技術の伸縮ブラケットにおける伸縮管は、軸方向に長く延びるスリットを内管に形成し、外管の下部に固着したナットにボルトを螺入している。ボルトは、外管の挿通孔を挿通して前記スリットから内管の内部に挿入されている。
【0005】
これにより、外管に対して内管を摺動する際、外管からボルトが内管のスリットに挿入されているので、内管は、周方向の回動が阻止された状態で、軸方向に案内されながら摺動する。そして、所定の伸縮状態とした内管は、ボルトを締め込むと、ボルトの先端部が内管の内面に圧接されることにより係止固定される。
【0006】
従って、従来技術の場合、内管に形成したスリットと、外管から螺入したボルトにより、前記ガイド機構とロック機構の2つの機構が構成されている。つまり、スリットとボルトを組合わせた1つの手段により、ガイド機能とロック機能の2つの機能を兼用させるように構成している。
【0007】
しかしながら、伸縮管を伸長状態として使用するとき、外管から突出させられた内管は、外管に保持された尾端部から先端近傍部に至り、長く延びるスリットが形成されているため、強度が低下させられている。このため、搭載した足場板から荷重を受けると、下向きに撓み変形するおそれがある。そして、もしも、内管が撓み変形すると、伸縮管の伸縮に支障を来すという問題がある。
【0008】
本発明は、ガイド機構とロック機構をそれぞれ個別に構成することにより、内管の強度が低下しないように構成された伸縮管を有する足場構築用伸縮ブラケットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解決するため、本発明が手段として構成したところは、尾端部を足場構築体に固定する外管と、該外管の先端部から摺動自在に挿入された内管により、軸方向に伸縮自在な伸縮管を構成し、外管と内管の相互に、内管の周方向の回動を阻止した状態で軸方向の摺動を案内するガイド機構と、内管を摺動不能とするように係脱自在に係止固定するロック機構を設けた足場構築用伸縮ブラケットにおいて、前記ロック機構は、外管を貫通して進退自在に螺入されたボルト手段を内管の外表面に係止固定することにより構成され、前記ガイド機構は、外管に形成された軸方向に延びるスリットと、内管の外表面から突出する摺動片を備え、前記摺動片をスリットに摺動自在に嵌入することにより構成されて成る点にある。
【0010】
好ましい実施形態において、前記外管は、軸方向中途部の下部に支持金具を介して斜め下向きに支持フレームを延設し、該支持フレームの下端部を足場構築体に固定するように構成されており、前記ガイド機構のスリットは、外管の下部に位置して前記支持金具を横断する軸方向領域に形成され、前記支持金具は、底壁と両側壁を備えた溝形部材により構成され、底壁を前記スリットから離隔させた状態で両側壁を前記スリットの両側において外管に固着している。
【0011】
好ましくは、前記ロック機構は、外管の先端部における下部に形成された挿通孔と、該挿通孔に連通するように外管の下部に固着されたナット手段と、前記ナット手段に進退自在に螺入されたボルト手段から成り、前記挿通孔を挿通したボルト手段の先端部を内管の下部に係止固定するように構成されており、前記ナット手段は、上面に形成した円弧面を外管の外周面に重合した状態で固着されており、外管の周方向に向かう幅に関して、前記ナット手段の円弧面の幅W2は、スリットの幅W1よりも大きく形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロック機構21は、外管3を貫通して進退自在に螺入されたボルト手段29を内管4の外表面に係止固定することにより構成され、ガイド機構20は、外管3に形成された軸方向に延びるスリット22と、内管4の外表面から突出する摺動片23を備え、前記摺動片23をスリット22に摺動自在に嵌入することにより構成されている。このようにガイド機構20とロック機構21をそれぞれ個別に構成する結果、内管4の強度低下に関する問題を解消することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の1実施形態に係る伸縮ブラケットの使用例を示す斜視図である。
図2】伸縮ブラケットの使用例を示し、(A)(B)は布枠を備えたフック付き足場板を搭載した使用例に関して、それぞれ伸縮管を収縮した使用例と伸長した使用例を示す側面図、(B)(C)は載置形式のフック無し足場板を搭載した使用例に関して、それぞれ伸縮管を収縮した使用例と伸長した使用例を示す側面図である。
図3】伸縮ブラケットを分解状態として示す斜視図である。
図4】外管から内管を抜き出した状態を示す縦断面図である。
図5】外管に内管を挿着し、内管を伸長させた状態を示す縦断面図である。
図6】外管と内管の挿入部分を拡大して示す縦断面図である。
図7】外管と内管の挿入部分の横断面を示し、(A)は図6のA-A線断面図、(B)は図6のB-B線断面図、(C)は図6のC-C線断面図である。
図8】本発明に対する比較例に関して、内管にスリットを形成した第1比較例を示し、(A)は内管を収縮状態とした縦断面図、(B)は内管を伸長状態とした縦断面図である。
図9】本発明に対する比較例に関して、内管に凹溝を形成した第2比較例を示し、(A)は内管を収縮状態とした縦断面図、(B)は内管を伸長状態とした縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0015】
図1は、本発明の1実施形態に係る仮設足場構築用の伸縮ブラケットを例示している。図例の場合、仮設足場構築体1として、枠組足場を示しているが、単管足場でも良く、伸縮ブラケット2は、足場構築体1の支柱部1aに取付けられる。
【0016】
伸縮ブラケット2は、尾端部を支柱部1aに固定される外管3と、該外管3の先端部から摺動自在に挿入された内管4により、軸方向に伸縮自在な伸縮管5を構成しており、外管3の軸方向中途部から斜め下向きに支持フレーム6を延設すると共に、外管3と支持フレーム6の間をほぼ鉛直方向に延びる補強フレーム7により連結している。尚、外管3、内管4、支持フレーム6、補強フレーム7は、それぞれ金属製の丸パイプにより形成されている。
【0017】
図示実施形態の場合、補強フレーム7に溶接等で固着された台座金具8にクランプ金具等の締結手段9がボルト10a(図3参照)及びナット10b(図4参照)を介して取付けられており、締結手段9を支柱部1aに締結させることにより、伸縮ブラケット2を支柱部1aに固着するように構成されている。この際、締結手段9の締結により、外管3の尾端部に設けられた当接部材11が支柱部1aの表面に圧接された状態で固定される。また、補強フレーム7の下端部に設けられた接支部材12が下方位置で支柱部1aの表面に接支され、伸縮管5の下向き荷重を支持するように構成されている。
【0018】
しかしながら、伸縮ブラケット2を支柱部1aに対して装着するための構成は、本発明の目的ではないから、図示の構成に限定されないことは勿論であり、上述の特許文献1が開示するような楔緊結方式やその他の構成を採用しても良い。
【0019】
図2に示すように、伸縮ブラケット2は、支柱部1aに取付けた状態で、伸縮管5に足場板を搭載することにより、作業用の床面を提供する。
【0020】
図2(A)(B)は、伸縮管5に布枠を備えたフック付き足場板13を搭載した使用例を示している。図2(A)に示すように、幅狭(例えば幅寸法240mm)の足場板13aを搭載する場合、伸縮管5は、内管4を収縮させて外管3に格納した状態で使用され、足場板13aは、左右のフック14、14を外管3の外周面に係止した状態で搭載される。これに対して、図2(B)に示すように、幅広(例えば幅寸法500mm)の足場板13bを搭載する場合は、伸縮管5は、内管4を伸長させて外管3から突出した状態で使用され、足場板13bは、左右のフック14、14を外管3の尾端部の外周面と内管4の先端部の外周面に係止した状態で搭載される。
【0021】
図2(C)(D)は、伸縮管5に載置形式のフック無し足場板15を搭載した使用例を示している。図2(C)に示すように、所定幅(例えば幅寸法253mm)の足場板15を搭載する場合、伸縮管5は、内管4を収縮させて外管3に格納した状態で使用され、足場板15は、外管3の上に載置した状態で搭載され、任意の手段により固定される。これに対して、図2(D)に示すように、2枚の足場板15、15を並設状態で搭載する場合は、伸縮管5は、内管4を伸長させて外管3から突出した状態で使用され、一方の足場板15は、外管3に載置した状態で搭載され、他方の足場板15は、外管3の先端部と内管4の先端部にわたり載置した状態で搭載され、それぞれ任意の手段により固定される。
【0022】
図示実施形態の場合、内管4は、先端にスリーブ16を溶接等により固着している。スリーブ16の外径は、外管3の外径とほぼ等しく形成され、内管4を収縮させたとき、該スリーブ16と外管3の相互に対向する端面が近接又は当接する。
【0023】
図4及び図5に示すように、前記スリーブ16には、端面フランジ17が設けられており、端面フランジ17は、内側にスリーブ16の中心に位置するナット18を溶接等で固着し、該ナット18に臨む孔19を開設してる。これにより、必要に応じて、上述のクランプ金具等の締結手段9と同様の締結手段を植設ボルトを介してナット18に螺着することができるように構成されている。
【0024】
図示実施形態において、図6に示すように、伸縮管5を構成する外管3の内径D1と内管4の外径D2は、外管3の内周面の上部に内管4の外周面の上部を当接させた状態で、下部に隙間Sが形成されるように、D1=D2+Sに形成されている。
【0025】
図3ないし図7に示すように、伸縮管5は、外管3と内管4の相互に、内管4の周方向の回動を阻止した状態で軸方向の摺動を案内するガイド機構20と、内管4を摺動不能とするように係脱自在に係止固定するロック機構21を設けており、ガイド機構20及びロック機構21は、それぞれ専用のものとして構成されている。つまり、ガイド機構20は、内管4を回動不能な状態で摺動案内することを目的としており、ロック機構21は、内管4を所定の伸縮状態で摺動不能に固定することを目的としている。
【0026】
(ガイド機構)
そこで、ガイド機構20は、外管3の下部に形成された軸方向に延びるスリット22と、内管4の尾端(外管に対する挿入端)の近傍部における下部の外表面から突出する摺動片23により構成されており、摺動片23は、前記隙間Sを超えてスリット22の内部に摺動自在に嵌入されている。
【0027】
摺動片23は、例えば、頭付きのボルトにより形成されており、軸部23aを内管4の下部に挿入して螺着することにより固着され、頭部23bを前記スリット22に摺動自在に挿入している。スリット22の長さは、外管3に対して内管4を収縮した場合と伸長した場合の長さの差に相当するように形成されている。従って、摺動片23の頭部23bは、スリット22の両端部22a、22bの間で往復動する。即ち、内管4を収縮したときは外管3の尾端側に臨む一方の端部22aに位置し、内管4を伸長したときは外管3の先端側に臨む他方の端部15bに位置し、内管4の伸縮移動に同行することにより、スリット22に沿い摺動する。
【0028】
このように、ガイド機構20を構成するスリット22は、外管3に形成されており、従来技術のように内管4に形成されていない。図示実施形態の場合、内管4は、前記摺動片23の軸部23aを螺入させるための小さな雌ネジ孔が形成されている外には、スリット等の切欠きが全く形成されておらず、全長にわたり、強度低下の原因を生成するようなものを有していない。
【0029】
このため、内管4を伸長させて、伸縮管5に足場板を搭載した状態(図2(B)及び図2(D)参照)において、内管4は、好適に荷重に耐えることができ、従来技術のように下向きに撓み変形するおそれはない。
【0030】
ところで、外管3は、スリット22を形成しているので、それ自体の強度を低下させられているが、軸方向中途部を下方から支持フレーム6により支持されているので、好適に荷重に耐えることができる。
【0031】
図示実施形態の場合、外管3の軸方向中途部の下部に支持金具24が溶接等により固着され、該支持金具24に支持フレーム6の上端部が溶接等により固着されている。
【0032】
図6及び図7(B)に示すように、支持金具24は、底壁25と両側壁26、26を備えた溝形部材により構成され、底壁25をスリット22から下方に離隔させた状態で両側壁26、26をスリット22の両側において外管3の外周面に溶接等により固着している。従って、スリット22が支持金具24を横断して軸方向に延びる構成であるにも関わらず、支持金具24にはスリット22に臨む溝路24aが形成されており、内管4を伸縮させる際に、摺動片23の頭部23bが溝路24aを通過するので、該頭部23bの摺動が妨げられることはない。
【0033】
しかも、支持金具24は、スリット22を跨いで外管3の外周面に架橋状態として固着されているので、外管3が支持フレーム6の上方位置から押し潰し方向の荷重を受けた場合でも、押し潰しの原因となるスリット22の変形を好適に防止することができる。
【0034】
(ロック機構)
ロック機構21は、図6及び図7(A)に示すように、外管3の先端部における下部に形成された挿通孔27と、該挿通孔27に連通するように外管3の下部に固着されたナット手段28と、前記ナット手段28に進退自在に螺入されたボルト手段29から成り、前記挿通孔27を挿通したボルト手段29の先端部を内管4の下部に係止固定するように構成されている。
【0035】
図示実施形態の場合、前記挿通孔27及びナット手段28は、スリット22の端部22bの近傍に配置されており、ナット手段28は、上面に円弧面を有する断面弧状の盤状部材により形成され、前記円弧面を外管3の外周面に重合した状態で溶接等により固着されている。
【0036】
この際、図7(A)(B)に示すように、外管3の周方向に向かう幅に関して、ナット手段28の円弧面の幅W2は、スリット22の幅W1よりも大きく形成されている。これにより、ナット手段28は、スリット22を直接に跨ぐものではないが、その端部22bの近傍で幅W2にわたり外管3を補強する。
【0037】
このようにして、ロック機構21は、ボルト手段29を弛めることにより、内管4の伸縮移動(軸方向移動)を許し、所定の伸縮姿勢とされた状態で、ボルト手段29の締結により先端を内管4に係止固定することにより、内管4を伸縮移動不能にロックすることができる。
【0038】
(第1比較例)
図8は、本発明に対する第1比較例を示している。上述の従来技術と同様に、伸縮管は、内管4Xに軸方向に長く延びるスリット22Xを形成し、外管3Xの下部に固着したナット28Xにボルト29Xを螺入している。この際、ボルト29Xは、外管3Xの挿通孔を挿通して前記スリット22Xから内管4Xの内部に挿入されている。
【0039】
外管3Xからボルト29Xが内管4Xのスリット22Xに挿入されているので、内管4Xは、周方向の回動が阻止された状態で、軸方向に案内されながら摺動可能とされており、ガイド機構が構成されている。そして、所定の伸縮状態とした内管4Xは、ボルト29Xを締め込むと、ボルト29Xの先端部を内管4Xの内面に圧接することにより係止固定可能とされており、ロック機構が構成されている。
【0040】
ところで、伸縮管を伸長状態として使用するとき、外管3Xから突出させられた内管4Xは、外管に保持された尾端部から先端近傍部に至り、長く延びるスリット22Xを形成しているため、強度が低下させられており、図8(B)に鎖線で示すように、上方から荷重を受けると、下向きに撓み変形するおそれがある。
【0041】
このような第1比較例に対して、本発明によれば、伸長状態とされた内管4は、必要十分な強度を具備しており、撓み変形のおそれがなく、この点は上述したとおりである。
【0042】
(第2比較例)
図9は、本発明に対する第2比較例を示している。内管4Yは、第1比較例のスリット22Xに代えて、軸方向に長く延びる凹溝22Yを形成し、外管3Yの下部に固着したナット28Yにボルト29Xを螺入している。この際、ボルト29Yは、外管3Yの挿通孔を挿通して前記凹溝22Yに挿入されている。
【0043】
外管3Yからボルト29Yが内管4Yの凹溝22Yに挿入されているので、内管4Yは、周方向の回動が阻止された状態で、軸方向に案内されながら摺動可能とされており、ガイド機構が構成されている。そして、所定の伸縮状態とした内管4Yは、ボルト29Yを締め込むと、ボルト29Yの先端部を凹溝22Yの溝底部に圧接することにより内管4Yを係止固定可能としており、ロック機構が構成されている。
【0044】
ところで、伸縮管を伸長状態として使用するとき、外管3Yから突出させられた内管4Yは、外管に保持された尾端部から先端近傍部に至り、長く延びる凹溝22Yを形成しているため、強度が低下させられており、図9(B)に鎖線で示すように、上方から荷重を受けると、下向きに撓み変形するおそれがある。
【0045】
このような第2比較例に対して、本発明によれば、伸長状態とされた内管4は、必要十分な強度を具備しており、撓み変形のおそれがなく、この点は上述したとおりである。
【符号の説明】
【0046】
1 足場構築体
1a 支柱部
2 伸縮ブラケット
3 外管
4 内管
5 伸縮管
6 支持フレーム
7 補強フレーム
8 台座金具
9 締結手段
10a ボルト
10b ナット
11 当接部材
12 接支部材
13a、13b フック付き足場板
14 フック
15 フック無し足場板
16 スリーブ
17 端面フランジ
18 ナット
19 孔
20 ガイド機構
21 ロック機構
22 スリット
22a、22b 端部
23 摺動片
23a 軸部
23b 頭部
24 支持金具
24a 溝路
25 底壁
26 側壁
27 挿通孔
28 ナット手段
29 ボルト手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9