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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152479
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
H01L21/304 648K
H01L21/304 648H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062515
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 朋宏
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB03
5F157AB13
5F157AB34
5F157AB44
5F157AB48
5F157BB02
5F157BC13
5F157BE48
5F157CB04
5F157CE02
5F157CE37
5F157CF42
5F157DB41
(57)【要約】
【課題】燐酸処理に用いる燐酸および希釈液の使用量を効率的に低減できる。
【解決手段】基板処理装置(100)は、燐酸液を貯留する第1貯留槽(110)と、リンス液を貯留する第2貯留槽(120)と、基板を保持して下降し、第2貯留槽(120)のリンス液に基板(W)を浸漬する基板保持部(130)と、第2貯留槽(120)において基板(W)をリンス液に浸漬するリンス液浸漬期間のうちの特定期間における第2貯留槽(120)のリンス液を第1貯留槽(110)に供給し、リンス液浸漬期間のうちの特定期間の後の期間における第2貯留槽(120)のリンス液を第1貯留槽(110)に供給することを停止するリンス液転用部(140)とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燐酸液を貯留する第1貯留槽と、
リンス液を貯留する第2貯留槽と、
基板を保持して下降し、前記第2貯留槽の前記リンス液に前記基板を浸漬する基板保持部と、
前記第2貯留槽において前記基板を前記リンス液に浸漬するリンス液浸漬期間のうちの特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給し、前記リンス液浸漬期間のうちの前記特定期間の後の期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給することを停止するリンス液転用部と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1貯留槽の前記燐酸液が前記第1貯留槽から流れ出て前記第1貯留槽に戻るように循環する循環配管をさらに備え、
前記リンス液転用部は、前記循環配管を介して前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1貯留槽に燐酸を供給する燐酸供給部と、
前記第1貯留槽に希釈液を供給する希釈液供給部と、
前記第2貯留槽にリンス液を供給するリンス液供給部と
をさらに備える、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記循環配管を流れる前記燐酸液を加熱するヒータをさらに備え、
前記リンス液供給部は、前記特定期間の前に前記リンス液を加熱して前記第2貯留槽に供給し、前記特定期間の後に前記リンス液を加熱せずに前記第2貯留槽に供給する、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記リンス液転用部は、前記特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液の少なくとも一部を貯留する貯留タンクを含む、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記循環配管に配置された温調タンクをさらに備え、
前記貯留タンクは、前記温調タンクに隣接して配置される、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
第1貯留槽に貯留された燐酸液に基板を浸漬する工程と、
第2貯留槽に貯留されたリンス液に基板を浸漬する工程と、
前記基板を前記リンス液に浸漬するリンス液浸漬期間のうちの特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給する転用工程と、
前記リンス液浸漬期間のうちの前記特定期間の後の期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給することを停止する転用停止工程と、
を包含する、基板処理方法。
【請求項8】
前記第1貯留槽の前記燐酸液が前記第1貯留槽から流れ出て前記第1貯留槽に戻る循環配管を介して前記燐酸液を循環する工程をさらに包含し、
前記転用工程は、前記循環配管を介して前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給する、請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記第1貯留槽に燐酸を供給する工程と、
前記第1貯留槽に希釈液を供給する工程と、
前記第2貯留槽にリンス液を供給する工程と
をさらに包含する、請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記循環配管を流れる燐酸液を加熱する工程をさらに包含し、
前記リンス液を供給する工程において、前記特定期間の前に前記リンス液を加熱して前記第2貯留槽に供給し、前記特定期間の後に前記リンス液を加熱せずに前記第2貯留槽に供給する、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記転用工程は、前記特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を貯留タンクに貯留する工程を含む、請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記循環配管を流れる燐酸液を温調タンクにおいて貯留する工程をさらに包含し、
前記貯留タンクは、前記温調タンクに隣接して配置される、請求項11に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の処理に好適に用いられる。典型的には、基板処理装置は、処理液を用いて基板を処理する。
【0003】
複数の基板を一括して処理するバッチ型処理装置において、処理槽に供給された所定の燐酸水溶液、シリコンおよびDIWを用いて基板を処理することが検討されている(特許文献1)。特許文献1の基板処理装置では、排液ラインのつまりを抑制するために、液受部で受けた液体を、液受部排出管を介して外部に設けられた外部排出管に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-64746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の基板処理装置では、処理槽に、所定の燐酸水溶液、シリコンおよびDIWが供給される。一方で、特許文献1では、処理槽に供給される所定の液体の使用量を低減することについて検討されていない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燐酸処理に用いる燐酸液の使用量を効率的に低減可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、燐酸液を貯留する第1貯留槽と、リンス液を貯留する第2貯留槽と、基板を保持して下降し、前記第2貯留槽の前記リンス液に前記基板を浸漬する基板保持部と、前記第2貯留槽において前記基板を前記リンス液に浸漬するリンス液浸漬期間のうちの特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給し、前記リンス液浸漬期間のうちの前記特定期間の後の期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給することを停止するリンス液転用部とを備える。
【0008】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記第1貯留槽の前記燐酸液が前記第1貯留槽から流れ出て前記第1貯留槽に戻るように循環する循環配管をさらに備え、前記リンス液転用部は、前記循環配管を介して前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給する。
【0009】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記第1貯留槽に燐酸を供給する燐酸供給部と、前記第1貯留槽に希釈液を供給する希釈液供給部と、前記第2貯留槽にリンス液を供給するリンス液供給部とをさらに備える。
【0010】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記循環配管を流れる前記燐酸液を加熱するヒータをさらに備え、前記リンス液供給部は、前記特定期間の前に前記リンス液を加熱して前記第2貯留槽に供給し、前記特定期間の後に前記リンス液を加熱せずに前記第2貯留槽に供給する。
【0011】
ある実施形態では、前記リンス液転用部は、前記特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液の少なくとも一部を貯留する貯留タンクを含む。
【0012】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記循環配管に配置された温調タンクをさらに備え、前記貯留タンクは、前記温調タンクに隣接して配置される。
【0013】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、第1貯留槽に貯留された燐酸液に基板を浸漬する工程と、第2貯留槽に貯留されたリンス液に基板を浸漬する工程と、前記基板を前記リンス液に浸漬するリンス液浸漬期間のうちの特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給する転用工程と、前記リンス液浸漬期間のうちの前記特定期間の後の期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給することを停止する転用停止工程とを包含する。
【0014】
ある実施形態では、前記基板処理方法は、前記第1貯留槽の前記燐酸液が前記第1貯留槽から流れ出て前記第1貯留槽に戻る循環配管を介して前記燐酸液を循環する工程をさらに包含し、前記転用工程は、前記循環配管を介して前記第2貯留槽の前記リンス液を前記第1貯留槽に供給する。
【0015】
ある実施形態では、前記基板処理方法は、前記第1貯留槽に燐酸を供給する工程と、前記第1貯留槽に希釈液を供給する工程と、前記第2貯留槽にリンス液を供給する工程とをさらに包含する。
【0016】
ある実施形態では、前記基板処理方法は、前記循環配管を流れる燐酸液を加熱する工程をさらに包含し、前記リンス液を供給する工程において、前記特定期間の前に前記リンス液を加熱して前記第2貯留槽に供給し、前記特定期間の後に前記リンス液を加熱せずに前記第2貯留槽に供給する。
【0017】
ある実施形態では、前記転用工程は、前記特定期間における前記第2貯留槽の前記リンス液を貯留タンクに貯留する工程を含む。
【0018】
ある実施形態では、前記基板処理方法は、前記循環配管を流れる燐酸液を温調タンクにおいて貯留する工程をさらに包含し、前記貯留タンクは、前記温調タンクに隣接して配置される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、燐酸処理に用いる燐酸および希釈液の使用量を効率的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の基板処理装置の模式的な斜視図である。
図2】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図3】本実施形態の基板処理装置の模式的なブロック図である。
図4】(a)~(e)は、本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図5】本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
図6】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図7】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図8】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図9】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図10】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図11】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図12】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図13】(a)~(d)は、本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図14】(a)~(c)は、本実施形態の基板処理装置の模式図である。
図15】本実施形態の基板処理装置を備えた基板処理システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置および基板処理方法の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0022】
図1を参照して、本発明による基板処理装置100の実施形態を説明する。図1は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な斜視図である。
【0023】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、酸化処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去および洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0024】
基板Wは、薄い板状である。典型的には、基板Wは、薄い略円板状である。基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板などを含む。
【0025】
基板処理装置100は、バッチ式の基板処理装置である。基板処理装置100は、複数の基板Wを一括して処理する。典型的には、基板処理装置100は、ロット単位で複数の基板Wを処理する。例えば、1ロットは、25枚の基板Wからなる。なお、1ロットは、50枚の基板Wからなってもよい。
【0026】
図1に示すように、基板処理装置100は、第1貯留槽110と、第2貯留槽120と、基板保持部130とを備える。ここでは、第2貯留槽120は、第1貯留槽110に隣接して配置される。ただし、第2貯留槽120は、第1貯留槽110から離れて配置されてもよい。
【0027】
第1貯留槽110は、燐酸液を貯留する。基板Wが第1貯留槽110の燐酸液に浸漬されることにより、基板Wは、燐酸処理される。
【0028】
第2貯留槽120は、リンス液を貯留する。基板Wが第2貯留槽120のリンス液に浸漬されることにより、基板Wは、リンス処理される。
【0029】
リンス液は、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。
【0030】
基板保持部130は、基板Wを保持する。基板保持部130は、基板Wを保持した状態で移動する。例えば、基板保持部130は、基板Wを保持した状態で第1貯留槽110内に下降する。これにより、基板Wは、第1貯留槽110の燐酸液に浸漬される。
【0031】
また、基板保持部130は、基板Wを保持した状態で第2貯留槽120内に下降する。これにより、基板Wは、第2貯留槽120のリンス液に浸漬される。
【0032】
基板保持部130は、基板Wを保持する。基板保持部130によって保持された基板Wの主面の法線方向はY方向に平行である。複数の基板Wは、Y方向に沿って一列に配列される。複数の基板Wは、水平方向に略平行に配列される。また、複数の基板Wの各々の法線は、Y方向に延びており、複数の基板Wの各々は、X方向およびZ方向に略平行に広がる。
【0033】
典型的には、基板保持部130は、複数の基板Wをまとめて保持する。ここでは、基板保持部130は、Y方向に沿って一列に並んだ基板Wを保持する。基板保持部130は、基板Wを保持したまま基板Wを移動させる。例えば、基板保持部130は、基板Wを保持したまま鉛直方向に沿って鉛直上方または鉛直下方に移動する。
【0034】
具体的には、基板保持部130は、リフターを含む。基板保持部130は、複数の基板Wを保持した状態で鉛直上方または鉛直下方に移動する。基板保持部130が鉛直下方に移動することにより、基板保持部130によって保持されている複数の基板Wは、第1貯留槽110に貯留されている燐酸液に浸漬される。基板保持部130により、複数の基板Wを一括して、第1貯留槽110に貯留されている燐酸液に浸漬できる。
【0035】
また、基板保持部130は、水平方向に移動してもよい。例えば、基板保持部130は、第1貯留槽110の上方から第2貯留槽120の上方に移動する。また、基板保持部130は、第2貯留槽120の上方から第1貯留槽110の上方に移動してもよい。
【0036】
第2貯留槽120の上方において、基板保持部130が鉛直下方に移動することにより、基板保持部130によって保持されている複数の基板Wは、第2貯留槽120に貯留されているリンス液に浸漬される。基板保持部130により、複数の基板Wを一括して、第2貯留槽120に貯留されているリンス液に浸漬できる。
【0037】
なお、基板Wは、同一の基板保持部130に保持されたまま、燐酸液に浸漬された後で、リンス液に浸漬されてもよい。あるいは、基板Wは、ある基板保持部130によって保持された状態で燐酸液に浸漬された後で、別の基板保持部130に持ち替えられ、その後、リンス液に浸漬されてもよい。このように、燐酸液への基板Wの浸漬およびリンス液への基板Wの浸漬は、異なる基板保持部130によって行われてもよい。
【0038】
第1貯留槽110は、基板Wを処理するための燐酸液を貯留する。燐酸液は、燐酸と希釈液との混合によって生成される。第1貯留槽110には、燐酸および希釈液が別々に供給されてもよい。
【0039】
一例では、燐酸および希釈液は、第1貯留槽110にて混合される。これにより、第1貯留槽110において、燐酸および希釈液が混合された燐酸液が生成される。
【0040】
基板保持部130は、本体板132と、保持棒134とを含む。本体板132は、鉛直方向(Z方向)に延びる板である。保持棒134は、本体板132の一方の主面から水平方向(Y方向)に延びる。図1では、3つの保持棒134が本体板132の一方の主面から水平方向に延びる。複数の基板Wは、所定間隔をあけて整列した状態で、複数の保持棒134によって各基板Wの下縁が当接されて起立姿勢(鉛直姿勢)で保持される。
【0041】
基板保持部130は、移動ユニット136をさらに含んでもよい。移動ユニット136は、保持棒134に保持されている複数の基板Wが第1貯留槽110内に位置する下方位置と、保持棒134に保持されている複数の基板Wが第1貯留槽110の上方に位置する上方位置(図1に示す位置)との間で本体板132を昇降させる。従って、移動ユニット136によって本体板132を下方位置に移動することにより、保持棒134に保持されている複数の基板Wが第1貯留槽110の燐酸液に浸漬される。
【0042】
複数の基板Wは、複数の保持棒134によって保持される。詳しくは、各基板Wの下縁が複数の保持棒134に当接することにより、複数の基板Wが複数の保持棒134によって起立姿勢(鉛直姿勢)で保持される。より具体的には、基板保持部130によって保持された複数の基板Wは、Y方向に沿って間隔をあけて整列する。このため、複数の基板Wは、Y方向に沿って一列に配列される。また、複数の基板Wの各々は、XZ平面に略平行な姿勢で基板保持部130に保持される。
【0043】
移動ユニット136は、本体板132を昇降させる。移動ユニット136が本体板132を昇降させることにより、本体板132および保持棒134が、複数の基板Wを保持した状態で鉛直上方または鉛直下方に移動する。移動ユニット136は、駆動源および昇降機構を有しており、駆動源によって昇降機構を駆動して、本体板132を上昇および下降させる。駆動源は、例えば、モータを含む。昇降機構は、例えば、ラック・ピニオン機構またはボールねじを含む。
【0044】
より具体的には、移動ユニット136は、処理位置と退避位置(図1に示す位置)との間で本体板132を昇降させる。本体板132が、複数の基板Wを保持したまま鉛直下方(Z方向)に下降して処理位置まで移動すると、複数の基板Wが第1貯留槽110に投入される。詳しくは、基板保持部130に保持されている複数の基板Wが第1貯留槽110内に移動する。この結果、複数の基板Wは、第1貯留槽110内の燐酸液に浸漬して燐酸処理される。一方、図1に示すように、本体板132が退避位置に移動すると、保持棒134に保持されている複数の基板Wは、第1貯留槽110の上方に移動して、燐酸液から引き上げられる。
【0045】
なお、移動ユニット136は、本体板132を水平方向に移動してもよい。この場合、移動ユニット136は、第1貯留槽110の上方位置(図1に示す位置)と第2貯留槽120の上方位置との間で本体板132および保持棒134を移動させる。基板保持部130が、複数の基板Wを保持したまま鉛直下方(Z方向)に下降して処理位置まで移動すると、複数の基板Wが第2貯留槽120に投入される。詳しくは、基板保持部130に保持されている複数の基板Wが第2貯留槽120内に移動する。この結果、複数の基板Wが第2貯留槽120内のリンス液に浸漬されて、リンス処理される。本体板132が退避位置に移動すると、保持棒134に保持されている複数の基板Wは、第2貯留槽120の上方に移動して、リンス液から引き上げられる。
【0046】
次に、図1および図2を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。図2は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。
【0047】
図2に示すように、基板処理装置100は、第1貯留槽110、第2貯留槽120および基板保持部130を備える。第1貯留槽110は、燐酸液を貯留する。第2貯留槽120は、リンス液を貯留する。
【0048】
上述したように、第1貯留槽110は、燐酸液を貯留する。燐酸液は、燐酸および希釈液の混合液である。燐酸液において、燐酸の濃度(質量濃度)は80%以上95%以下である。
【0049】
基板保持部130は、基板Wを保持した状態で移動する。基板保持部130が基板Wを保持した状態で第1貯留槽110に貯留された燐酸液内に下降するすることにより、基板Wは第1貯留槽110の燐酸液に浸漬する。これにより、基板Wを燐酸処理する。
【0050】
また、基板保持部130が基板Wを保持した状態で第2貯留槽120に貯留されたリンス液内に下降するすることにより、基板Wは第2貯留槽120のリンス液に浸漬する。これにより、基板Wをリンス処理する。
【0051】
基板処理装置100は、燐酸供給部112と、希釈液供給部114とを備える。燐酸供給部112は、第1貯留槽110に燐酸を供給する。
【0052】
希釈液供給部114は、第1貯留槽110に希釈液を供給する。希釈液は、燐酸の希釈に用いられる。希釈液は、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。なお、希釈液は、リンス液の少なくとも一部の成分を含有することが好ましい。また、希釈液は、リンス液と同一の成分から構成されてもよい。
【0053】
一例では、燐酸および希釈液は、第1貯留槽110において混合される。これにより、第1貯留槽110において、燐酸および希釈液を混合した燐酸液が生成される。なお、燐酸供給部112が、燐酸および希釈液を混合した燐酸液を第1貯留槽110に供給し、燐酸液は、希釈液供給部114によって供給される希釈液によって濃度調整されてもよい。
【0054】
基板処理装置100は、リンス液供給部122をさらに備える。リンス液供給部122は、第2貯留槽120にリンス液を供給する。
【0055】
燐酸供給部112は、配管112aと、バルブ112bとを含む。配管112aの一端から、燐酸が第1貯留槽110に吐出される。配管112aは、燐酸供給源と接続される。配管112aには、バルブ112bが配置される。バルブ112bにより、第1貯留槽110への燐酸の供給を制御できる。バルブ112bが開くと、配管112aを通過した燐酸が、第1貯留槽110に供給される。第1貯留槽110において、燐酸は、第1貯留槽110の燐酸液と混合される。
【0056】
希釈液供給部114は、配管114aと、バルブ114bとを含む。配管114aの一端から、希釈液が第1貯留槽110に吐出される。配管114aは、希釈液供給源と接続される。配管114aには、バルブ114bが配置される。バルブ114bにより、第1貯留槽110への希釈液の供給を制御できる。バルブ114bが開くと、配管114aを通過した希釈液が、第1貯留槽110に供給される。第1貯留槽110において、希釈液は、第1貯留槽110の燐酸液と混合される。
【0057】
リンス液供給部122は、配管122aと、バルブ122bとを含む。配管122aの一端から、リンス液が第2貯留槽120に吐出される。配管122aは、リンス液供給源と接続される。配管122aには、バルブ122bが配置される。バルブ122bにより、第2貯留槽120へのリンス液の供給を制御できる。制御装置180の制御によってバルブ122bを開くと、配管122aを通過したリンス液が、第2貯留槽120に供給される。
【0058】
本実施形態において、基板処理装置100は、第1貯留槽110、第2貯留槽120および基板保持部130に加えて、リンス液転用部140をさらに備える。リンス液転用部140は、第2貯留槽120のリンス液を転用する。詳細には、リンス液転用部140は、第2貯留槽120のリンス液を転用して第1貯留槽110に供給する。
【0059】
より具体的には、リンス液転用部140は、第2貯留槽120において基板Wをリンス液に浸漬するリンス液浸漬期間のうちの特定期間における第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給する。第2貯留槽120のリンス液には、基板Wから流れた燐酸液成分が含まれる。例えば、第2貯留槽120のリンス液の燐酸濃度は、0.5%以上5%以下である。第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用して供給することにより、基板Wから流れ出た燐酸液成分を第1貯留槽110において利用できる。さらに、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することにより、第1貯留槽110内の燐酸液を補充できる。
【0060】
また、リンス液転用部140は、リンス液浸漬期間のうちの特定期間の後の期間における第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給することを停止する。時間が経過すると、基板Wから第2貯留槽120のリンス液に流れる燐酸液成分の量が減少する。このため、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止することにより、第1貯留槽110内の燐酸液の濃度が過度に低下することを抑制できる。
【0061】
リンス液転用部140は、配管141と、バルブ142と、ポンプ143とを有する。配管141により、第2貯留槽120のリンス液は、第1貯留槽110に供給される。配管141の一端は、第2貯留槽120と接続され、配管141の他端は、第1貯留槽110に向けられる。ポンプ143は、配管141を介してリンス液を第1貯留槽110に送る。このため、配管141を流れたリンス液は、配管141の他端から第1貯留槽110に吐出される。
【0062】
配管141には、バルブ142およびポンプ143が配置される。典型的には、バルブ142は、ポンプ143の下流に配置される。バルブ142により、第1貯留槽110へのリンス液の供給を制御できる。バルブ142を開くと、配管141を通過したリンス液が、第1貯留槽110に供給される。第1貯留槽110において、リンス液は、第1貯留槽110の燐酸液と混合される。バルブ142を閉じると、リンス液は、配管141を通過せず、第1貯留槽110へのリンス液の供給が停止する。
【0063】
なお、配管141には、フィルタが配置されることが好ましい。フィルタにより、配管141を流れるリンス液から不純物を除去できる。なお、フィルタは、バルブ142およびポンプ143よりも上流側に配置することが好ましい。
【0064】
次に、図1図3を参照して、本発明による基板処理装置100の実施形態を説明する。図3は、本実施形態の基板処理装置100の模式的なブロック図である。
【0065】
図3に示すように、制御装置180は、制御部182と、記憶部184とを備える。制御部182は、基板処理装置100の各部の動作を制御する。
【0066】
制御部182は、プロセッサーを含む。プロセッサーは、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、プロセッサーは、汎用演算機を有してもよい。
【0067】
記憶部184は、データおよびコンピュータープログラムを記憶する。記憶部184は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリーである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリーおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部184は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部182のプロセッサーは、記憶部184の記憶しているコンピュータープログラムを実行して、基板処理方法を実行する。
【0068】
制御部182は、予め定められたプログラムに従って、燐酸供給部112、希釈液供給部114、リンス液供給部122、基板保持部130およびリンス液転用部140を制御する。詳細には、制御部182は、移動ユニット136の動作を制御する。また、制御部182は、バルブ112b、114b、122bおよび142の開閉動作を制御する。さらに、制御部182は、ポンプ143の駆動を制御する。
【0069】
制御部182は、移動ユニット136を制御することにより、本体板132を移動させる。例えば、制御部182は、移動ユニット136により、本体板132を鉛直方向に移動(昇降)させることができる。また、制御部182は、移動ユニット136により、本体板132を水平方向に移動させることができる。
【0070】
制御部182は、燐酸供給部112のバルブ112bを制御して、バルブ112bの状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部182は、燐酸供給部112のバルブ112bを制御して、バルブ112bを開状態にすることによって、配管112aを流れる燐酸を通過させることができる。また、制御部182は、燐酸供給部112のバルブ112bを制御して、バルブ112bを閉状態にすることによって、配管112aを流れる燐酸の供給を停止させることができる。なお、制御部182は、希釈液供給部114のバルブ114b、リンス液供給部122のバルブ122bも同様に制御できる。
【0071】
さらに、制御部182は、リンス液転用部140のバルブ142を制御して、バルブ142の状態を開状態と閉状態とに切り替える。制御部182は、リンス液転用部140のポンプ143を制御して、ポンプ143の状態を駆動態と停止状態とに切り替える。具体的には、制御部182は、リンス液転用部140のバルブ142およびポンプ143を制御して、バルブ142を開状態にするとともにポンプ143を駆動状態にすることによって、第2貯留槽120のリンス液が配管141を流れて第1貯留槽110に供給できる。また、制御部182は、リンス液転用部140のバルブ142およびポンプ143を制御して、バルブ142を閉状態にするか、または、ポンプ143を停止状態にすることによって、第2貯留槽120のリンス液が配管141を流れて第1貯留槽110に供給されることを停止できる。
【0072】
次に、図1図4を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図4(a)~図4(e)は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。
【0073】
図4(a)に示すように、第1貯留槽110および第2貯留槽120は、互いに隣接して配置される。上述したように、第1貯留槽110は、燐酸液を貯留可能であり、第2貯留槽120は、リンス液を貯留可能である。ただし、ここでは、第1貯留槽110および第2貯留槽120のいずれも空である。
【0074】
図4(b)に示すように、第1貯留槽110に燐酸液が供給される。例えば、燐酸供給部112は、第1貯留槽110に燐酸を供給する。また、希釈液供給部114は、第1貯留槽110に希釈液を供給する。第1貯留槽110において、燐酸および希釈液は混合され、混合液として燐酸液が生成される。これにより、第1貯留槽110は、燐酸液を貯留する。ここでは、第1貯留槽110は、容量一杯に燐酸液を貯留する。
【0075】
図4(c)に示すように、第1貯留槽110の燐酸液に基板Wを浸漬させる。例えば、基板保持部130が基板Wを保持した状態で下降して第1貯留槽110の燐酸液に基板Wを浸漬させる。これにより、基板Wは、燐酸処理される。
【0076】
なお、図4(b)において、第1貯留槽110の容量に対して燐酸液の液量が多い場合、基板Wの浸漬により、第1貯留槽110から燐酸液の一部が溢れることがある。なお、図4(c)において基板Wを第1貯留槽110の燐酸液に浸漬させた場合でも、第1貯留槽110から燐酸液の一部が溢れないように、第1貯留槽110に供給される燐酸液の量は調整されてもよい。
【0077】
また、基板Wが第1貯留槽110の燐酸液に浸漬する間に、第2貯留槽120にリンス液が供給されてもよい。例えば、リンス液供給部122は、第2貯留槽120にリンス液を供給する。
【0078】
図4(d)に示すように、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬させる。例えば、基板保持部130は、第1貯留槽110の燐酸液から基板Wを引き上げて、第2貯留槽120の上方に水平方向に移動する。その後、基板保持部130は、基板Wを保持した状態で下降して第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬させる。これにより、基板Wは、リンス処理される。基板Wは、所定期間にわたって第2貯留槽120のリンス液に浸漬される。本明細書において、基板Wが第2貯留槽120のリンス液に浸漬する期間をリンス液浸漬期間と記載することがある。
【0079】
なお、基板保持部130が、第1貯留槽110の燐酸液から基板Wを引き上げたことにより、第1貯留槽110内の燐酸液は減少する。
【0080】
本実施形態では、リンス液浸漬期間のうちの特定期間において第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用する。例えば、リンス液転用部140は、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給する。制御部182は、バルブ142を開状態にしてポンプ143を駆動することによって、第2貯留槽120のリンス液が配管141を流れて第1貯留槽110に供給できる。
【0081】
基板Wが第2貯留槽120のリンス液に浸漬すると、第2貯留槽120のリンス液には、先に燐酸処理された基板Wから燐酸液成分が流れ出る。このため、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することにより、基板Wから流れた燐酸液成分を第1貯留槽110において利用できる。さらに、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することにより、第1貯留槽110内の燐酸液が減少した場合でも、第1貯留槽110内の燐酸液を効率的に補充できる。
【0082】
図4(e)に示すように、リンス液浸漬期間のうちの特定期間の後の期間において第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止する。例えば、リンス液転用部140は、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給することを停止する。一例では、制御部182は、バルブ142を閉状態にすることによって、第2貯留槽120のリンス液が配管141を流れて第1貯留槽110に供給されることを停止する。
【0083】
時間が経過すると、基板Wから第2貯留槽120のリンス液に流れ出る燐酸液成分の量が減少する。このため、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止することにより、第2貯留槽120のリンス液により、第1貯留槽110内の燐酸液の濃度が過度に低下することを抑制できる。
【0084】
本実施形態によれば、燐酸処理に用いる燐酸液の使用量を効率的に低減できる。第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することにより、基板Wから流れた燐酸液成分を第1貯留槽110において利用できる。さらに、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することにより、第1貯留槽110内の燐酸液が減少した場合でも、第1貯留槽110内の燐酸液を効率的に補充できる。また、その後で、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止することにより、第2貯留槽120のリンス液により、第1貯留槽110内の燐酸液の濃度が過度に低下することを抑制できる。
【0085】
次に、図1図5を参照して本実施形態の基板処理方法を説明する。図5は、本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【0086】
図5に示すように、ステップS10において、第1貯留槽110に燐酸液を供給する。例えば、燐酸供給部112は、第1貯留槽110に燐酸を供給する。希釈液供給部114は、第1貯留槽110に希釈液を供給する。第1貯留槽110において燐酸および希釈液が混合されて燐酸液が生成される。
【0087】
ステップS12において、第1貯留槽110の燐酸液に基板Wを浸漬することを開始する。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で第1貯留槽110内に下降するように基板保持部130を制御する。これにより、基板Wは、第1貯留槽110の燐酸液に浸漬され、基板Wに対する燐酸処理を開始する。
【0088】
なお、燐酸処理中に、第1貯留槽110に所定濃度の燐酸液が供給されてもよい。例えば、燐酸供給部112は、第1貯留槽110に燐酸を供給してもよく、希釈液供給部114は、第1貯留槽110に希釈液を供給してもよい。
【0089】
ステップS14において、第1貯留槽110の燐酸液に基板Wを浸漬することを終了する。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で第1貯留槽110内から上昇するように基板保持部130を制御する。
【0090】
ステップS20において、第2貯留槽120に燐酸液を供給する。例えば、リンス液供給部122は、第2貯留槽120に燐酸を供給する。なお、ステップS20は、ステップS12および/およびステップS14の期間中に行われてもよい。あるいは、ステップS12の前またはステップS14の後に行われてもよい。
【0091】
ステップS22において、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬することを開始する。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で第2貯留槽120内に下降するように基板保持部130を制御する。これにより、基板Wは、第2貯留槽120のリンス液に浸漬され、基板Wに対するリンス処理を開始する。
【0092】
なお、リンス処理中に、第2貯留槽120にリンス液が供給されてもよい。例えば、リンス液供給部122は、第2貯留槽120にリンス液を供給してもよい。
【0093】
ステップS24において、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用する。リンス液転用部140は、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用する。一例では、制御部182は、バルブ142を開状態にすることによって、第2貯留槽120のリンス液が配管141を流れて第1貯留槽110に供給される。
【0094】
ステップS26において、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110への転用を停止する。リンス液転用部140は、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止する。一例では、制御部182は、バルブ142を閉状態にすることによって、第2貯留槽120のリンス液が配管141を流れて第1貯留槽110に供給されることを停止する。
【0095】
ステップS28において、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬することを終了する。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で第2貯留槽120内から上昇するように基板保持部130を制御する。
【0096】
本実施形態によれば、基板Wを燐酸処理した後にリンス処理する。リンス液浸漬期間のうちの特定期間において第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給し、その後、第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給することを停止する。これにより、燐酸処理に用いる燐酸液の使用量を効率的に低減できる。
【0097】
なお、リンス液転用部140は、第2貯留槽120から溢れたリンス液を第1貯留槽110に供給してもよい。
【0098】
次に、図1図6を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図6は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。図6の基板処理装置100は、リンス液転用部140が第2貯留槽120から溢れたリンス液を受け取ること、配管141が希釈液供給部114の配管114aと接続されること、第2貯留槽120から溢れたリンス液の燐酸濃度が測定されること、および、配管141が配管114aと接続することを除いて、図2を参照して上述した構成と同様の記載を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0099】
図6に示すように、リンス液転用部140は、配管141、バルブ142およびポンプ143に加えて、リンス液受取部146をさらに備える。リンス液受取部146は、第2貯留槽120から溢れたリンス液を受け取る。例えば、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬した場合、リンス液受取部146は、第2貯留槽120から溢れたリンス液を受け取る。
【0100】
リンス液受取部146は、第2貯留槽120に対して鉛直下方に配置される。リンス液受取部146の幅および長さ(X方向およびY方向の長さ)は、第2貯留槽120の幅および長さよりも大きいことが好ましい。ただし、リンス液受取部146の深さ(Z方向の長さ)は、第2貯留槽120の深さ(Z方向の長さ)よりも大きいことが好ましい。
【0101】
リンス液受取部146に受け取られたリンス液は、配管141を介して第1貯留槽110に供給される。ここでは、リンス液受取部146の配管141は、希釈液供給部114の配管114aと接続される。
【0102】
リンス液転用部140は、配管148aと、バルブ148bとをさらに有してもよい。配管148aは、リンス液受取部146と廃液機構とを接続する。配管148aには、バルブ148bが配置される。バルブ148bを開くと、配管148aを通過したリンス液が、廃液機構に供給される。このように、配管148aおよびバルブ148bにより、リンス液受取部146のリンス液を廃棄できる。
【0103】
リンス液転用部140が第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に転用する場合、制御部182は、バルブ142を開状態にするとともにバルブ148bを閉状態にすることによって、第2貯留槽120からリンス液受取部146に受け取られたリンス液は、配管141を流れて第1貯留槽110に供給される。その後、リンス液転用部140がリンス液受取部146のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止する場合、制御部182は、バルブ142を閉状態にするとともにバルブ148bを開状態にすることによって、リンス液受取部146のリンス液が配管148aを流れて廃棄される。
【0104】
リンス液転用部140は、リンス液に含まれる燐酸濃度を検知可能な濃度センサ149をさらに有してもよい。例えば、制御部182は、濃度センサ149の検知結果に基づいてリンス液受取部146のリンス液を第1貯留槽110に転用するか否かを判定してもよい。典型的には、濃度センサ149において検知されたリンス液内の燐酸濃度が閾値よりも高い場合、制御部182は、リンス液受取部146のリンス液を第1貯留槽110に転用すると判定する。一方、濃度センサ149において検知されたリンス液内の燐酸濃度が閾値以下まで減少すると、制御部182は、リンス液受取部146のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止すると判定する。
【0105】
濃度センサ149は、第2貯留槽120にあったリンス液における燐酸濃度を測定する。例えば、濃度センサ149は、リンス液受取部146に取り付けられる。濃度センサ149は、リンス液受取部146に貯留されたリンス液の比重を示す値を計測する。濃度センサ149は、リンス液受取部146の背圧を計測する。
【0106】
例えば、濃度センサ149の先端は、リンス液受取部146の液面から所定の深さの位置に配置されている。濃度センサ149では、濃度センサ149の先端にガスを供給してリンス液受取部146のリンス液内に気泡を形成する。これにより、リンス液受取部146に貯留されるリンス液の液圧は、リンス液受取部146の液面から所定の深さの位置に配置された濃度センサ149の先端部におけるガス圧として検出される。ガスとして、典型的には、窒素ガスが用いられる。ガス圧とリンス液の燐酸濃度との関係を予め測定しておき、ガス圧とリンス液との関係を示すルックアップテーブルを事前に作成しておくことにより、ガスによる気泡の形成されるガス圧に応じてリンス液の比重を計測できる。
【0107】
なお、図6を参照した上述の説明では、濃度センサ149は、リンス液受取部146に受け取られたリンス液に含まれる燐酸濃度を測定したが、本実施形態はこれに限定されない。濃度センサ149は、配管141を流れるリンス液に含まれる燐酸濃度を測定してもよい。この場合、リンス液転用部140は、リンス液受取部146を備えなくてもよい。
【0108】
なお、図6に示した基板処理装置100では、リンス液転用部140は、リンス液受取部146に受け取られたリンス液を第1貯留槽110に供給したが、本実施形態はこれに限定されない。リンス液転用部140は、第2貯留槽120内のリンス液を第1貯留槽110に供給してもよい。
【0109】
次に、図1図7を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図7は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。図7の基板処理装置100は、第1貯留槽110および第2貯留槽120がそれぞれ二重槽構造を有し、リンス液転用部140が第2貯留槽120の外槽120bのリンス液を第1貯留槽110に供給する点を除いて、図6を参照して上述した構成と同様の記載を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0110】
図7に示すように、第1貯留槽110は、二重槽構造を有する。第1貯留槽110は、内槽110aと、外槽110bとを有する。外槽110bは、内槽110aを囲む。内槽110aおよび外槽110bは、いずれも、上向きに開いた上部開口を有する。
【0111】
内槽110aは、燐酸液を貯留し、複数の基板Wを収容可能に構成される。外槽110bは、内槽110aの上部開口の外側面に設けられる。外槽110bの上縁の高さは、内槽110aの上縁の高さよりも高い。
【0112】
内槽110aおよび外槽110bのそれぞれは、燐酸液を貯留する。内槽110aに複数の基板Wが投入される。詳しくは、基板保持部130に保持された複数の基板Wが内槽110aに投入される。複数の基板Wが、内槽110aに投入されることにより、内槽110aの燐酸液に浸漬する。
【0113】
第2貯留槽120は、二重槽構造を有する。第2貯留槽120は、内槽120aと、外槽120bとを有する。外槽120bは、内槽120aを囲む。内槽120aおよび外槽120bは、いずれも、上向きに開いた上部開口を有する。
【0114】
内槽120aは、リンス液を貯留し、複数の基板Wを収容可能に構成される。外槽120bは、内槽120aの上部開口の外側面に設けられる。外槽120bの上縁の高さは、内槽120aの上縁の高さよりも高い。
【0115】
内槽120aおよび外槽120bのそれぞれは、リンス液を貯留する。内槽120aに複数の基板Wが投入される。詳しくは、基板保持部130に保持された複数の基板Wが内槽120aに投入される。複数の基板Wが、内槽120aに投入されることにより、内槽120aのリンス液に浸漬する。
【0116】
リンス液転用部140は、配管141と、バルブ142と、ポンプ143とを有する。第2貯留槽120のリンス液は、配管141を介して第1貯留槽110に供給される。配管141の一端は、第2貯留槽120の外槽120bに位置し、配管141の他端は、配管114aと接続される。このため、第2貯留槽120のリンス液は、配管141および配管114aを介して、第1貯留槽110に供給される。
【0117】
配管141は、配管148aと接続する。配管148aは、配管141と廃液機構とを接続する。なお、配管141と配管148aとの接続点は、ポンプ143の下流に位置することが好ましい。
【0118】
配管148aには、バルブ148bが配置される。バルブ148bを開くと、配管148aを通過したリンス液が、廃液機構に供給される。このように、配管148aおよびバルブ148bにより、リンス液を廃棄できる。
【0119】
本実施形態によれば、第2貯留槽120の外槽120bのリンス液を第1貯留槽110に選択的に転用できる。
【0120】
なお、図1図7に示した基板処理装置100では、リンス液転用部140において転用されたリンス液は第1貯留槽110に直接的に供給可能であったが、本実施形態はこれに限定されない。リンス液転用部140において転用されたリンス液は、第1貯留槽110の燐酸液を循環する循環配管を介して第1貯留槽110に供給されてもよい。
【0121】
また、図1図7に示した基板処理装置100では、リンス液供給部122が第2貯留槽120の上方に位置したが、本実施形態はこれに限定されない。
【0122】
次に、図1図8を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図8は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。図8の基板処理装置100は、第1貯留槽110の燐酸液を循環する循環配管を介して第2貯留槽120のリンス液が第1貯留槽110に供給されること、第1貯留槽110の燐酸液を排出すること、および、リンス液が第2貯留槽120内から供給されることを除いて、図6または図7を参照して上述した構成と同様の記載を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0123】
図8に示すように、第1貯留槽110は、二重槽構造を有する。第1貯留槽110は、内槽110aと、外槽110bとを有する。外槽110bは、内槽110aを囲む。内槽110aおよび外槽110bは、いずれも、上向きに開いた上部開口を有する。
【0124】
内槽110aは、燐酸液を貯留し、複数の基板Wを収容可能に構成される。外槽110bは、内槽110aの上部開口の外側面に設けられる。外槽110bの上縁の高さは、内槽110aの上縁の高さよりも高い。
【0125】
内槽110aおよび外槽110bのそれぞれは、燐酸液を貯留する。内槽110aに複数の基板Wが投入される。詳しくは、基板保持部130に保持された複数の基板Wが内槽110aに投入される。複数の基板Wが、内槽110aに投入されることにより、内槽110aの燐酸液に浸漬する。
【0126】
第1貯留槽110には、循環配管116が接続される。循環配管116により、第1貯留槽110の燐酸液は、第1貯留槽110から流れ出て第1貯留槽110に戻るように循環する。循環配管116は、外槽110bと内槽110aの下方とを接続する。
【0127】
循環配管116にはポンプ116aが配置される。ポンプ116aは、燐酸液を第1貯留槽110に送る。循環配管116は、第1貯留槽110内の燐酸液を循環させる。第1貯留槽110の燐酸液が循環配管116を介して循環する際に、燐酸液の不純物を除去してもよい。あるいは、第1貯留槽110の燐酸液が循環配管116を介して循環する際に、燐酸液が所定の温度まで加熱されてもよい。
【0128】
循環配管116は、循環液供給管116tと接続される。循環配管116は、第1貯留槽110から流れ出た燐酸液を再び第1貯留槽110に導く。詳細には、循環配管116の上流端は、外槽110bに位置し、循環配管116の下流端は、内槽110aに位置する。循環配管116の下流端は、内槽110aに位置する循環液供給管116tと接続される。
【0129】
循環液供給管116tは、内槽110aに配置される。ここでは、循環液供給管116tは、第1貯留槽110の内槽110aの底部に配置される。循環液供給管116tは、循環された燐酸液を内槽110aに供給する。このため、基板Wが内槽110a内の燐酸液に浸漬した場合、循環液供給管116tから燐酸液を供給することにより、内槽110aにアップフローを形成できる。
【0130】
第1貯留槽110には排液部118が接続される。排液部118により、第1貯留槽110の燐酸液を排出できる。また、排液部118が、第1貯留槽110に貯留されている燐酸液を排出するとともに、燐酸供給部112および希釈液供給部114が燐酸および希釈液を第1貯留槽110に供給することにより、第1貯留槽110に貯留されている燐酸液を新しい燐酸液に交換できる。
【0131】
排液部118は、排液配管118aと、バルブ118bとを有する。排液配管118aおよびバルブ118bにより、内槽110aの燐酸液を排出する。
【0132】
内槽110aの底壁には、排液配管118aが接続される。排液配管118aにはバルブ118bが配置される。バルブ118bは、制御装置180によって開閉する。バルブ118bが開くことにより、内槽110a内に貯留されている燐酸液は排液配管118aを通って外部に排出される。排出された燐酸液は、排液処理装置(図示しない)へと送られ、処理される。なお、第1貯留槽110と同様に、第2貯留槽120のリンス液も排出できることが好ましい。
【0133】
リンス液供給部122は、配管122aと、バルブ122bと、リンス液供給管122tとを含む。リンス液は、リンス液供給管122tから第2貯留槽120に吐出される。配管122aの一端には、リンス液供給源と接続される。配管122aには、バルブ122bが配置される。配管122aの他端には、リンス液供給管122tが配置される。バルブ122bにより、第2貯留槽120へのリンス液の供給を制御できる。制御装置180の制御によってバルブ122bを開くと、配管122aを通過したリンス液が、リンス液供給管122tから第2貯留槽120に供給される。
【0134】
リンス液供給管122tは、第2貯留槽120内に配置される。リンス液供給管122tは、第2貯留槽120の底部に配置される。このため、基板Wが第2貯留槽120内のリンス液に浸漬した場合、リンス液供給管122tからリンス液を供給することにより、第2貯留槽120にアップフローを形成できる。
【0135】
なお、基板処理装置100において、燐酸処理は、基板Wを加熱された燐酸に浸漬させて行われることが好ましい。これにより、燐酸処理を短期間に完了できる。また、リンス処理は、基板Wを加熱されたリンス液に浸漬させて行われることが好ましい。これにより、燐酸処理された基板Wに対して温度変化に伴うダメージが生じることを抑制できるとともに短期間にリンス処理できる。
【0136】
次に、図1図9を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図9は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。図9の基板処理装置100は、基板Wに対して高温の燐酸処理およびリンス処理が可能であること、および、リンス液の温度に応じてリンス液の転用を切り換えることを除いて、図8を参照して上述した構成と同様の記載を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0137】
図9に示すように、第1貯留槽110の燐酸液は加熱できる。ここでは、基板処理装置100は、フィルタ116b、ヒータ116c、調整バルブ116d、バルブ116eをさらに備える。循環配管116には、ポンプ116aに加えて、フィルタ116b、ヒータ116c、調整バルブ116d、バルブ116eおよび循環液供給管116tが配置される。ポンプ116a、フィルタ116b、ヒータ116c、調整バルブ116dおよびバルブ116eは、この順番に循環配管116の上流から下流に向かって配置される。
【0138】
循環配管116は、第1貯留槽110から流れ出た燐酸液を再び第1貯留槽110に導く。詳細には、循環配管116の上流端は、外槽110bに位置し、循環配管116の下流端は、内槽110aに位置する。循環配管116の下流端は、内槽110aに位置する循環液供給管116tと接続される。
【0139】
ポンプ116aは、循環配管116から循環液供給管116tに燐酸液を送る。フィルタ116bは、循環配管116を流れる燐酸液をろ過する。フィルタ116b は、循環配管116を流通する燐酸液中のパーティクル等の異物をろ過して除去する。
【0140】
ヒータ116cは、循環配管116を流れる燐酸液を加熱する。ヒータ116cにより、燐酸液の温度が調整される。ヒータ116cは、循環配管116を流通する燐酸液を加熱し、処理温度に調整する。処理温度は、例えば、約160℃以上200℃以下である。ヒータ116cは、燐酸液を加熱するとともに燐酸液の温度を測定可能であってもよい。この場合、ヒータ116cは、加熱部を有するとともに温度測定部を有する。
【0141】
調整バルブ116dは、循環配管116の開度を調節して、循環液供給管116tに供給される燐酸液の流量を調整する。調整バルブ116dは、燐酸液の流量を調整する。調整バルブ116dは、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。他の調整バルブについても同様である。バルブ116eは、循環配管116を開閉する。なお、調整バルブ116dを省略してもよい。この場合、循環液供給管116tに供給される燐酸液の流量は、ポンプ116aの制御よって調整される。
【0142】
循環液供給管116tは、内槽110aに配置される。ここでは、循環液供給管116tは、第1貯留槽110の内槽110aの底部に配置される。循環液供給管116tは、内槽110a内に配置される。循環液供給管116tは、循環された燐酸液を内槽110aに供給する。
【0143】
なお、図9では、図面が過度に複雑になることを避けるために、1つの調整バルブ116dおよび1つのバルブ116eを示しているが、調整バルブ116dおよびバルブ116eの少なくとも一方は複数設けられてもよい。
【0144】
図9では、第2貯留槽120は、加熱されたリンス液を貯留できる。リンス液供給部122は、第1リンス液供給部122pと、第2リンス液供給部122qとを有する。第1リンス液供給部122pは、加熱されたリンス液を第2貯留槽120に供給する。例えば、第1リンス液供給部122pは、45℃以上70℃以下に加熱されたリンス液を第2貯留槽120に供給する。第2リンス液供給部122qは、常温のリンス液を第2貯留槽120に供給する。
【0145】
第1リンス液供給部122pは、配管122a1と、バルブ122b1と、ヒータ122cとを含む。配管122a1は、リンス液供給源と接続される。配管122a1には、バルブ122b1およびヒータ122cが配置される。バルブ122b1により、第2貯留槽120へのリンス液の供給を制御できる。ヒータ122cにより、リンス液の温度が調整される。ヒータ122cは、配管122a1を流通するリンス液を加熱し、リンス液の温度(例えば、約60℃~80℃)に調整する。
【0146】
第2リンス液供給部122qは、配管122a2と、バルブ122b2とを含む。配管122a2の一端から、リンス液が第2貯留槽120に吐出される。配管122a2は、リンス液供給源と接続される。配管122a2には、バルブ122b2が配置される。バルブ122b2により、第2貯留槽120へのリンス液の供給を制御できる。
【0147】
配管122aの一端は、配管122a1および配管122a2と接続する。配管122aの他端には、リンス液供給管122tが配置される。リンス液供給管122tから第2貯留槽120にリンス液が供給される。
【0148】
例えば、リンス液転用部140が、リンス液浸漬期間のうちの特定期間における第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給する間、第1リンス液供給部122pが加熱されたリンス液を第2貯留槽120に供給してもよい。なお、第1リンス液供給部122pは、特定期間の前に、加熱したリンス液を第2貯留槽120に供給してもよい。また、第1リンス液供給部122pは、特定期間中に、加熱したリンス液を第2貯留槽120に供給してもよい。
【0149】
一方で、リンス液転用部140が、リンス液浸漬期間のうちの特定期間における第2貯留槽120のリンス液を第1貯留槽110に供給することを停止すると、第2リンス液供給部122qが、リンス液を第2貯留槽120に供給してもよい。また、第2リンス液供給部122qは、特定期間の後に加熱していないリンス液を第2貯留槽120に供給してもよい。
【0150】
なお、図9では、配管122a1および配管122a2は配管122aを介してリンス液供給管122tと接続したが、配管122a1は、配管122a2と分離してリンス液供給管122tと接続してもよい。
【0151】
リンス液転用部140は、リンス液の温度を検知可能な温度センサ149aをさらに有してもよい。例えば、制御部182は、温度センサ149aの検知結果に基づいてリンス液受取部146のリンス液を第1貯留槽110に転用するか否かを判定してもよい。典型的には、温度センサ149aにおいて検知されたリンス液の温度が閾値よりも高い場合、制御部182は、リンス液受取部146のリンス液を第1貯留槽110に転用すると判定する。一方、温度センサ149aにおいて検知されたリンス液の温度が閾値以下まで低下すると、制御部182は、リンス液受取部146のリンス液を第1貯留槽110に転用することを停止すると判定する。
【0152】
なお、図6図8および図9に示した基板処理装置100では、リンス液転用部140は、第2貯留槽120から溢れたリンス液を受け取るリンス液受取部146を備え、リンス液受取部146のリンス液は、リンス液受取部146から第1貯留槽110または循環配管116に流れたが、本実施形態はこれに限定されない。リンス液受取部146のリンス液は、リンス液受取部146から、リンス液を貯留するタンクを介して、第1貯留槽110または循環配管116に流れてもよい。
【0153】
また、図6図8および図9に示した基板処理装置100では、リンス液転用部140がリンス液を第1貯留槽110への転用を停止した後、リンス液は廃棄されたが、本実施形態はこれに限定されない。リンス液転用部140がリンス液を第1貯留槽110への転用を停止した後も、リンス液転用部140は、リンス液を別の用途に活用してもよい。
【0154】
次に、図1図10を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図10は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。図10の基板処理装置100は、リンス液転用部140が貯留タンク147をさらに備え、リンス液の導電率に応じてリンス液を再利用する点を除いて、図9を参照して上述した構成と同様の記載を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0155】
図10に示すように、リンス液転用部140は、貯留タンク147をさらに備える。貯留タンク147は、リンス液受取部146と循環配管116との間において、リンス液を貯留する。貯留タンク147とリンス液受取部146との間にはバルブ142aが配置され、貯留タンク147と循環配管116との間にはバルブ142bが配置される。貯留タンク147、バルブ142aおよびバルブ142bにより、リンス液受取部146のリンス液は、循環配管116を介して第1貯留槽110に供給されるまでの間に一時的に貯留される。このため、循環配管116にリンス液を流すタイミングを適宜調整できる。
【0156】
配管141には導電率計145が配置される。導電率計145により、リンス液の導電率を測定できる。例えば、リンス液浸漬期間において所定の時間が経過すると、基板Wから流れ出る燐酸液成分はほとんどない。このため、第2貯留槽120のリンス液には不純物がほとんどなく、第2貯留槽120のリンス液を新たなリンス液として再利用できる。例えば、リンス液の導電率を測定することにより、リンス液の再利用の有無を判定できる。
【0157】
リンス液転用部140は、配管148pと、バルブ148qとをさらに有する。配管148pは、配管141とリンス液供給機構とを接続する。配管148pには、バルブ148qが配置される。バルブ148qを開くと、配管148pを通過したリンス液が、リンス液供給機構に供給される。例えば、リンス液の導電率に応じて、バルブ148qを開くことにより、第2貯留槽120のリンス液を再利用できる。
【0158】
なお、図1図10に示した説明では、第2貯留槽120においてリンス処理が行われたが、本実施形態はこれに限定されない。第2貯留槽120においてリンス処理に加えて別の処理が行われてもよい。
【0159】
次に、図1図11を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図11は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。図11の基板処理装置100は、第2貯留槽120にリンス液以外の処理液が供給される点を除いて、図10を参照して上述した構成と同様の記載を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0160】
図10に示すように、第2貯留槽120には、リンス液だけでなく第1成分液および第2成分液が供給される。例えば、第2貯留槽120には、第1成分液としてアンモニアが供給され、第2成分液として過酸化水素水が供給される。
【0161】
基板処理装置100は、第1成分液供給部123と、第2成分液供給部124とをさらに有する。第1成分液供給部123は、配管123aと、バルブ123bとを含む。配管123aの一端は、第1成分液供給源と接続される。配管123aには、バルブ123bが配置される。配管123aの他端は、配管122aと接続される。バルブ123bにより、配管123aおよび配管122aを介して第2貯留槽120への第1成分液の供給を制御できる。制御装置180の制御によってバルブ123bを開くと、配管123aおよび配管122aを通過した第1成分液が、第2貯留槽120に供給される。
【0162】
第2成分液供給部124は、配管124aと、バルブ124bとを含む。配管124aの一端は、第2成分液供給源と接続される。配管124aには、バルブ124bが配置される。配管124aの他端は、配管122aと接続される。バルブ124bにより、配管124aおよび配管122aを介して第2貯留槽120への第2成分液の供給を制御できる。制御装置180の制御によってバルブ124bを開くと、配管124aおよび配管122aを通過した第2成分液が、第2貯留槽120に供給される。
【0163】
ここでは、第1成分液供給部123および第2成分液供給部124は、第2貯留槽120に第1成分液および第2成分液を供給する。これにより、第2貯留槽120は、基板Wをリンス処理するだけでなく基板Wを薬液処理できる。
【0164】
なお、循環配管116には、加熱された燐酸液を貯留する貯留タンクが配置されることが好ましい。また、第2貯留槽120の上方において基板Wにリンス液が噴出されることが好ましい。
【0165】
次に、図1図12を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。図12は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。図12の基板処理装置100は、循環配管116に加熱された燐酸液を貯留する温調タンクが配置されるとともに、第2貯留槽120の上方において基板Wにリンス液が噴出される点を除いて、図11を参照して上述した構成と同様の記載を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0166】
図12に示すように、基板処理装置100は、温調タンク116fをさらに備える。温調タンク116fは、循環配管116に配置される。これにより、温調タンク116fは、加熱された燐酸液を貯留できる。なお、貯留タンク147は、温調タンク116fに隣接して配置されることが好ましい。例えば、貯留タンク147は、温調タンク116fに対して2mの範囲内に配置されることが好ましい。これにより、貯留タンク147に貯留されるリンス液の温度を高温に維持できる。
【0167】
また、第2貯留槽120の上方に、リンス液噴出口122fおよびリンス液噴出口122gを配置することが好ましい。リンス液噴出口122f、122gにより、第2貯留槽120のリンス液に浸漬する前または後の基板Wに対してリンス液を噴出できる。
【0168】
次に、図1図14を参照して本実施形態の基板処理方法を説明する。図13(a)~図14(c)は、本実施形態の基板処理方法を説明するための模式図である。
【0169】
図13(a)に示すように、基板保持部130は、第1貯留槽110の上方で基板Wを保持する。基板保持部130は、第1貯留槽110の上方で他の基板保持機構から基板Wを受け取ってもよい。あるいは、基板保持部130は、基板Wを保持した状態で第1貯留槽110の上方まで移動してもよい。
【0170】
図13(b)に示すように、基板保持部130は、第1貯留槽110の燐酸液に基板Wを浸漬する。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で基板Wを下降することによって第1貯留槽110の燐酸液内に浸漬するように基板保持部130を制御する。
【0171】
図13(c)に示すように、基板保持部130は、第1貯留槽110の燐酸液内の基板Wを持ち上げる。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で基板Wを上昇することによって第1貯留槽110の燐酸液から持ち上げるように基板保持部130を制御する。
【0172】
なお、このとき、第2貯留槽120のリンス液は廃棄されてもよい。
【0173】
図13(d)に示すように、基板保持部130は、第2貯留槽120の上方で基板Wを保持する。基板保持部130は、第2貯留槽120の上方で他の基板保持機構から基板Wを受け取ってもよい。あるいは、基板保持部130は、基板Wを保持した状態で第2貯留槽120の上方まで移動してもよい。
【0174】
このとき、第2貯留槽120にリンス液が供給されてもよい。この場合、第2貯留槽120には、加熱されたリンス液が供給されることが好ましい。
【0175】
図14(a)に示すように、基板保持部130は、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬する。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で下降することによって基板Wが第2貯留槽120のリンス液内に浸漬するように基板保持部130を制御する。
【0176】
ここでは、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬する際に、第2貯留槽120からリンス液が溢れ出る。基板Wが高温の燐酸で処理された場合、第2貯留槽120のリンス液の温度も上昇する。リンス液受取部146は、第2貯留槽120から溢れでたリンス液を受け取る。なお、第2貯留槽120のリンス液は、リンス液受取部146、貯留タンク147および循環配管116を介して第1貯留槽110に供給される。なお、第2貯留槽120のリンス液は、リンス液受取部146および/または貯留タンク147に一旦貯留され、所定のタイミングで、第1貯留槽110に供給されてもよい。
【0177】
このとき、第2貯留槽120にリンス液が供給されてもよい。この場合、第2貯留槽120には、加熱されたリンス液が供給されることが好ましい。
【0178】
図14(b)に示すように、基板保持部130は、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬した状態を維持する。制御部182は、基板保持部130は基板Wを第2貯留槽120のリンス液内に浸漬した状態を維持するように基板保持部130を制御する。なお、第2貯留槽120のリンス液に基板Wを浸漬してからから所定期間後に、リンス液受取部146のリンス液は、第1貯留槽110に供給されない。例えば、リンス液受取部146のリンス液は、廃棄されてもよい。
【0179】
このとき、第2貯留槽120にリンス液が供給されてもよい。この場合、第2貯留槽120には、加熱されていないリンス液が供給されてもよい。
【0180】
図14(c)に示すように、基板保持部130は、上昇して第2貯留槽120のリンス液内の基板Wを持ち上げる。制御部182は、基板保持部130が基板Wを保持した状態で上昇することによって第2貯留槽120のリンス液から基板Wを持ち上げるように基板保持部130を制御する。このとき、リンス液噴出口122f、122gにより、基板Wに対してリンス液を噴出する。
【0181】
その後、第2貯留槽120からリンス液を排出するとともに第2貯留槽120に別の薬液を供給し、基板Wに対して別途薬液処理を行ってもよい。
【0182】
本実施形態によれば、特定期間における第2貯留槽120のリンス液を貯留タンク147に貯留する。これにより、燐酸濃度が高く高温のリンス液を第1貯留槽110に効果的に供給できる。
【0183】
次に、図15を参照して、本実施形態の基板処理装置100を備えた基板処理システム10を説明する。図15は、本実施形態の基板処理装置100を備えた基板処理システム10の模式図である。図15に示した基板処理システム10は、第1基板処理装置100A~第3基板処理装置100Cを備える。
【0184】
図15に示すように、基板処理システム10は、投入部20と、複数の収納部30と、受け渡し機構40と、払出部50と、バッファユニットBUと、第1搬送装置CTCと、第2搬送装置WTRと、乾燥処理装置60と、複数の基板処理装置100と、制御装置180とを備える。
【0185】
複数の基板処理装置100は、第1基板処理装置100Aと、第2基板処理装置100Bと、第3基板処理装置100Cとを備える。乾燥処理装置60、第1基板処理装置100A、第2基板処理装置100Bおよび第3基板処理装置100Cは、一方向に並んで配置される。例えば、乾燥処理装置60、第1基板処理装置100A、第2基板処理装置100Bおよび第3基板処理装置100Cは、第1搬送装置CTCの搬送経路に隣接して、第1搬送装置CTCの搬送経路の近くから、乾燥処理装置60、第1基板処理装置100A、第2基板処理装置100Bおよび第3基板処理装置100Cの順番に配置される。
【0186】
ここでは、第1基板処理装置100A~第3基板処理装置100Cのそれぞれは、燐酸液を貯留する第1貯留槽110と、少なくともある期間においてリンス液を貯留する第2貯留槽120と、基板保持部130とを含む。ここでは、第1基板処理装置100A~第3基板処理装置100Cにおける基板保持部130を基板保持部130A~130Cと示すことがある。第1基板処理装置100A~第3基板処理装置100Cのそれぞれには、異なる処理の行われた基板Wが投入されてもよい。
【0187】
基板処理装置100で処理される基板Wは、投入部20から搬入される。投入部20は、複数の載置台22を含む。基板処理装置100で処理された基板Wは、払出部50から搬出される。払出部50は、複数の載置台52を含む。
【0188】
投入部20には、基板Wを収容した収納部30が載置される。投入部20に載置される収納部30は、基板処理装置100による処理が行われていない基板Wを収納する。ここでは、2つの収納部30は、それぞれ、2つの載置台22に載置される。
【0189】
複数の収納部30の各々は、複数の基板Wを収容する。各基板Wは、水平姿勢で収納部30に収容される。収納部30は、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)である。
【0190】
払出部50に載置される収納部30は、基板処理装置100によって処理された基板Wを収納する。払出部50は、複数の載置台52を含む。2つの収納部30は、それぞれ、2つの載置台52に載置される。払出部50は、処理済みの基板Wを収納部30に収納して収納部30ごと払い出す。
【0191】
バッファユニットBUは、投入部20および払出部50に隣接して配置される。バッファユニットBUは、投入部20に載置された収納部30を基板Wごと内部に取り込むとともに、棚(不図示)に収納部30を載置する。また、バッファユニットBUは、処理済みの基板Wを受け取って収納部30に収納するとともに、棚に収納部30を載置する。バッファユニットBU内には、受け渡し機構40が配置されている。
【0192】
受け渡し機構40は、投入部20および払出部50と棚との間で収納部30を受け渡す。また、受け渡し機構40は、第1搬送装置CTCに対して基板Wのみの受け渡しを行う。つまり、受け渡し機構40は、第1搬送装置CTCに対して基板Wのロットの受け渡しを行う。
【0193】
第1搬送装置CTCは、受け渡し機構40から未処理の複数の基板Wのロットを受け取った後、複数の基板Wの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢に変換して、複数の基板Wを第2搬送装置WTRに渡す。また、第1搬送装置CTCは、第2搬送装置WTRから処理済みの複数の基板Wのロットを受け取った後、複数の基板Wの姿勢を垂直姿勢から水平姿勢へと変換して、基板Wのロットを受け渡し機構40に渡す。
【0194】
第2搬送装置WTRは、基板処理システム10の長手方向に沿って、第3基板処理装置100Cから第2基板処理装置100Bまで移動可能である。第2搬送装置WTRは、第1基板処理装置100A、第2基板処理装置100Bおよび第3基板処理装置100Cに基板Wのロットを搬入および搬出できる。詳細には、第2搬送装置WTRは、第1基板処理装置100A、第2基板処理装置100Bおよび第3基板処理装置100Cの基板保持部130A~130Cに基板Wを渡し、基板保持部130A~130Cのそれぞれにより、基板Wは、燐酸処理およびリンス処理される。
【0195】
なお、図1図15を参照した上述の説明では、基板処理装置100の第2貯留槽120のリンス液を同じ基板処理装置100の第1貯留槽110に転用する態様を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。第2貯留槽120のリンス液は、別の基板処理装置100の第1貯留槽110に転用してもよい。また、第2貯留槽120のリンス液は、第2貯留槽120のリンス液に浸漬された基板Wを処理した第1貯留槽110とは別の第1貯留槽110に転用されてもよい。
【0196】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0198】
100 基板処理装置
110 第1貯留槽
112 燐酸供給部
114 希釈液供給部
120 第2貯留槽
122 リンス液供給部
130 基板保持部
140 リンス液転用部
W 基板
図1
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