(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152491
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20231010BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J7/00 P
H02J7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062537
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 瑛叶
(72)【発明者】
【氏名】河合 智成
(72)【発明者】
【氏名】青野 昌隆
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HB05
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA05
5G503FA06
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】普段設置して使用している電力変換装置とは異なる装置を用いることなく、緊急時に可搬して電力変換を行う。
【解決手段】電力変換装置は、電力系統から直流電源へ供給される電力の変換及び直流電源から電力系統へ供給される電力の変換を行う電力変換装置であって、直流電源に接続される第1直流電源接続部と、電力系統に接続される電力系統接続部とを有する第1装置と、直流電源に接続される第2直流電源接続部と、電気機器に接続される電気機器接続部と、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換するDC-AC変換器とを含む第2装置とを備え、第2装置は、第1装置と電気的に切り離された状態において、第2直流電源接続部が直流電源と接続され電気機器接続部が電気機器に接続され、直流電源から供給された直流電力をDC-AC変換し、変換した交流電力を電気機器へ供給する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統から直流電源へ供給される電力の変換及び直流電源から電力系統へ供給される電力の変換を行う電力変換装置であって、
直流電源に接続される第1直流電源接続部と、電力系統に接続される電力系統接続部とを有する第1装置と、
直流電源に接続される第2直流電源接続部と、電気機器に接続される電気機器接続部と、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換するDC-AC変換器とを含む第2装置とを備え、
前記第2装置は、前記第1装置と電気的に切り離された状態において、前記第2直流電源接続部が直流電源と接続され前記電気機器接続部が電気機器に接続され、直流電源から供給された直流電力をDC-AC変換し、変換した交流電力を電気機器へ供給する
電力変換装置。
【請求項2】
前記第1装置は、前記第2装置と電気的に切り離された場合、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換せず、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換しない
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1装置は、前記第2装置と電気的に切り離された状態において、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を直流電源に供給し、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統に供給する
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
直流電源から供給される直流電力を前記第1装置により交流電力に変換した交流電力の位相と、直流電源から供給される直流電力を前記第2装置により交流電力に変換した交流電力の位相とを制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記第1装置及び前記第2装置が電気的に接続された状態において、直流電源から供給される直流電力を前記第1装置により交流電力に変換した交流電力の位相と、直流電源から供給される直流電力を前記第2装置により交流電力に変換した交流電力の位相とを同期させる
請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第1装置は、前記電力系統接続部とは異なる接続部であって、直流電源から供給された直流電力を変換した交流電力を出力する自立出力用接続部を更に備える
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
電力系統と接続されているか否かを判定する系統連系判定部を更に備え、
前記電力系統接続部は、前記系統連系判定部により電力系統と接続されていないと判定された場合、直流電源から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器へ供給し、
前記自立出力用接続部は、前記系統連系判定部により電力系統と接続されていると判定された場合、直流電源から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器へ供給する
請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第2装置に含まれる前記DC-AC変換器は、一方が直流電源に接続されるDC-DC変換部と、前記DC-DC変換部の他方と電気機器との間に接続されるDC-AC変換部とを備える
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記第2装置は、前記DC-DC変換部である第1DC-DC変換部とは異なる第2DC-DC変換部を、前記DC-AC変換部に代えて備えることにより、直流電源から供給される直流電力を、他の直流電源に供給する
請求項7に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力系統と蓄電池との間に接続される充放電装置に関する技術が知られている。このような充放電装置は、電力系統から供給される交流電力を直流電力に電力変換し、変換した電力を電動車両に実装された蓄電池に供給する。また、充放電装置は蓄電池から放電された直流電力を交流電力に電力変換し、変換した電力を宅内負荷に供給する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来技術に係る充放電装置によれば、電力変換回路を収納する第1の筐体と、交流電力の電圧を変圧するトランスを収納する第2の筐体とを備え、第1の筐体と第2の筐体とは脱着可能に構成されている。第1の筐体から切り離された第2の筐体は電力を供給することができないため、電力変換回路が接地された箇所以外では電力変換が行えない。すなわち従来技術によれば、緊急時に可搬して電力変換を行いたいような場合には、普段設置して使用している充放電装置とは異なる装置を用意しておく必要があった。普段設置して使用している充放電装置とは異なる装置を用意することは、普段使用しない装置を保管しておくスペースを要し、費用も必要となる。
【0005】
そこで本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、普段設置して使用している電力変換装置とは異なる装置を用いることなく、緊急時に可搬して電力変換を行うことが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、電力系統から直流電源へ供給される電力の変換及び直流電源から電力系統へ供給される電力の変換を行う電力変換装置であって、直流電源に接続される第1直流電源接続部と、電力系統に接続される電力系統接続部とを有する第1装置と、直流電源に接続される第2直流電源接続部と、電気機器に接続される電気機器接続部と、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換するDC-AC変換器とを含む第2装置とを備え、前記第2装置は、前記第1装置と電気的に切り離された状態において、前記第2直流電源接続部が直流電源と接続され前記電気機器接続部が電気機器に接続され、直流電源から供給された直流電力をDC-AC変換し、変換した交流電力を電気機器へ供給する電力変換装置である。
【0007】
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の電力変換装置において、前記第1装置は、前記第2装置と電気的に切り離された場合、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換せず、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換しない。
【0008】
(3)本発明の一態様は、上記(1)に記載の電力変換装置において、前記第1装置は、前記第2装置と電気的に切り離された状態において、電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を直流電源に供給し、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統に供給する。
【0009】
(4)本発明の一態様は、上記(3)に記載の電力変換装置において、直流電源から供給される直流電力を前記第1装置により交流電力に変換した交流電力の位相と、直流電源から供給される直流電力を前記第2装置により交流電力に変換した交流電力の位相とを制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記第1装置及び前記第2装置が電気的に接続された状態において、直流電源から供給される直流電力を前記第1装置により交流電力に変換した交流電力の位相と、直流電源から供給される直流電力を前記第2装置により交流電力に変換した交流電力の位相とを同期させる。
【0010】
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載の電力変換装置において、前記第1装置は、前記電力系統接続部とは異なる接続部であって、直流電源から供給された直流電力を変換した交流電力を出力する自立出力用接続部を更に備える。
【0011】
(6)本発明の一態様は、上記(5)に記載の電力変換装置において、電力系統と接続されているか否かを判定する系統連系判定部を更に備え、前記電力系統接続部は、前記系統連系判定部により電力系統と接続されていないと判定された場合、直流電源から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器へ供給し、前記自立出力用接続部は、前記系統連系判定部により電力系統と接続されていると判定された場合、直流電源から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器へ供給する。
【0012】
(7)本発明の一態様は、上記(1)から(6)のいずれかに記載の電力変換装置において、前記第2装置に含まれる前記DC-AC変換器は、一方が直流電源に接続されるDC-DC変換部と、前記DC-DC変換部の他方と電気機器との間に接続されるDC-AC変換部とを備える。
【0013】
(8)本発明の一態様は、上記(7)に記載の電力変換装置において、前記第2装置は、前記DC-DC変換部である第1DC-DC変換部とは異なる第2DC-DC変換部を、前記DC-AC変換部に代えて備えることにより、直流電源から供給される直流電力を、他の直流電源に供給する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、普段設置して使用している電力変換装置とは異なる装置を用いることなく、緊急時に可搬して電力変換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態に係る電力変換装置が設置型として用いられる場合の一例について説明するための図である。
【
図3】第1の実施形態に係る電力変換装置が可搬型として用いられる場合の一例について説明するための図である。
【
図4】第1の実施形態に係る電力変換装置が設置型として用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る電力変換装置が可搬型として用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。
【
図6】第2の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。
【
図7】第2の実施形態に係る電力変換装置において、第1装置と第2装置とが接続された状態で用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。
【
図8】第2の実施形態に係る電力変換装置において、第1装置と第2装置とが切り離された状態で用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。
【
図9】第3の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。
【
図10】第3の実施形態に係る電力変換装置の機能構成図の一例を示す図である。
【
図11】第4の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。
【
図12】第4の実施形態に係る電力変換装置の機能構成図の一例を示す図である。
【
図13】第5の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。
【
図14】第5の実施形態に係る電力変換装置の機能構成図の一例を示す図である。
【
図15】実施形態に係る電力変換装置の一連の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の態様に係る電力変換装置10について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。なお、本発明の態様は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、多様な変更または改良を加えたものも含まれる。つまり、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれ、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0017】
まず、本発明の前提となる事項について説明する。電力変換装置10は、需要家により
保有され、電力のAC/DC変換、DC/AC変換、及び電力の潮流制御等を行う。電力変換装置10は、通常、所定の位置に設置された状態において用いられる。ここで、災害等の異常時又は緊急時には、電力変換装置10が設置された所定の場所とは異なる場所において電力変換等を行いたいような場合がある。そのような場合、電力変換装置10の一部が取り外され、取り外された一部を所定の場所へ可搬することにより、可搬された一部の装置が所定の場所において電力変換等を行う。すなわち、本実施形態に係る電力変換装置10は、通常時には設置型の装置として特定の場所に固定して用いられ、災害等の異常時又は緊急時にはその一部を可搬型の装置として任意の場所に可搬して用いることができるものである。
【0018】
[第1の実施形態]
図1から
図5を参照しながら第1の実施形態に係る電力変換装置10について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る電力変換装置10の概要について説明するための図である。同図を参照しながら、電力変換装置10の概要について説明する。電力変換装置10は、第1装置11と、第2装置12とを備える。第1装置11と第2装置12とは、それぞれ異なる筐体を備え、別個独立した装置として互いに分離可能である。第1装置11及び第2装置12が互いに分離されると、第1装置11は設置型装置として特定の場所に固定して用いられ、第2装置12は可搬型装置として任意の場所に可搬して用いられる。
図1(A)は、第1装置11及び第2装置12が設置型装置として一体的に用いられる場合の一例であり、
図1(B)は、第2装置12が独立して可搬型装置として用いられる場合の一例である。
【0019】
まず、
図1(A)を参照しながら、第1装置11及び第2装置12が設置型装置として一体的に用いられる場合の一例について説明する。電力変換装置10は、直流電源20と電力系統30との間に接続される。直流電源20は、直流電力を供給する。直流電源20は、例えば蓄電池や、太陽電池等であってもよい。以下、直流電源20が、電気自動車(EV:Electric Vehicle)等の車両に搭載される車載電池である場合の一例について説明する。電力系統30は、交流電力を需要家に供給する商用電力系統である。
【0020】
電力変換装置10は、直流電源20と電力系統30との間に接続されることにより、直流電源20及び電力系統30間の電力の授受を制御する。具体的には、電力変換装置10は、電力系統30から直流電源20へ供給される電力の変換を行う。電力変換装置10は、電力系統30から供給される交流電力P1を直流電力P2に変換し、変換した直流電力P2を直流電源20に供給する。また、電力変換装置10は、直流電源20から電力系統30へ供給される電力の変換を行う。電力変換装置10は、直流電源20から供給される直流電力P3を交流電力P4に変換し、変換した交流電力P4を電力系統30に供給(すなわち逆潮流)する。直流電源20から供給される直流電力P3を交流電力P4に変換し、変換した交流電力P4を電力系統30に供給することをV2H(Vehicle to Home)とも記載する。
【0021】
次に、
図1(B)を参照しながら、第2装置12が独立して可搬型装置として用いられる場合の一例について説明する。第2装置12は、直流電源20と電気機器40との間に接続される。電気機器40とは、交流電力が供給されることにより動作する。換言すれば、電気機器40とは交流電力を消費する負荷である。電気機器40の具体例としては、扇風機や炊飯器等の家電製品であってもよい。また、電気機器40として更にAC-DC変換アダプタが用いられ、直流電力が供給されることにより動作可能な電気機器(例えばスマートフォンやタブレット端末等)が接続されてもよい。第2装置12は、直流電源20と電気機器40との間に接続されることにより、直流電源20から電気機器40へ供給される電力の変換を行う。第2装置12は、直流電源20から供給される直流電力P5を交流電力P6に変換し、変換した交流電力P6を電気機器40に供給する。
【0022】
すなわち、電力変換装置10は、その一部である第2装置12を可搬可能とすることにより、電力変換装置10が設置された特定の地点から離れた地点に位置する電気機器40に対して電力供給をすることが可能である。なお、上述した通り直流電源20は車載電池であるため、電気機器40の近傍に可搬可能である。なお、
図1(B)に図示するように、第2装置12は車輪を備えることにより、容易に可搬可能なように構成されていてもよい。
【0023】
図2は、第1の実施形態に係る電力変換装置が設置型として用いられる場合の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、第1装置11及び第2装置12が一体として設置型装置として用いられる場合の詳細について説明する。同図に示す一例では、電力変換装置10は、住宅32の近傍に設置される。電力変換装置10は、住宅32の近傍に設置されることにより、住宅32に電力を供給する電力系統30と、直流電源20との間の電力の授受を制御する。具体的には、電力変換装置10は、電力系統30から住宅32を介して車両21に備えられた直流電源20に電力を供給する。また、電力変換装置10は、車両に備えられた直流電源20から住宅32を介して電力系統30に電力を供給する。住宅32は、分電盤31を備える。電力系統30は、分電盤31を介して電力変換装置10と接続される。
【0024】
図2に示す一例では、第2装置12は、第1装置11の内側に備えられる。第1装置11は、第1直流電源接続部111と、電力系統接続部116とを備える。第1直流電源接続部111は、直流電源20に接続される。電力変換装置10は、第1直流電源接続部111を介して直流電源20に直流電力P2を供給し、直流電源20から直流電力P3の供給を受ける。また、電力系統接続部116は、電力系統30に接続される。電力変換装置10は、電力系統接続部116を介して電力系統30から交流電力P1からの供給を受け、電力系統30に交流電力P4を供給する。分電盤31は、電力系統30から供給された交流電力P7を交流電力P1として電力変換装置10に供給し、電力変換装置10から供給された交流電力P4を交流電力P8として電力系統30に供給する。
【0025】
図3は、第1の実施形態に係る電力変換装置が可搬型として用いられる場合の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、第2装置12が単独で可搬型装置として用いられる場合の詳細について説明する。第2装置12は、第1装置11と電気的に切り離された状態において可搬される。電気的に切り離された状態とは、互いの装置間において電力の授受を行わない状態である。すなわち電気的に切り離された状態とは、無線通信等により互いに通信可能に接続された状態等を広く含む。
【0026】
図3に示す一例では、第2装置12は、車両21と電気機器40との間に可搬され、用いられる。第2装置12は、車両21に備えられた直流電源20と電気機器40との間の電力の授受を制御する。具体的には、第2装置12は、直流電源20から供給された直流電力P5を交流電力P6に変換し、変換された交流電力P6を電気機器40に供給する。すなわち、第2装置12Cは、車両21と電気機器40との間におけるV2L(Vehicle to Load)を実現する。
【0027】
第2装置12は、第2直流電源接続部121と電気機器接続部126とを備える。第2直流電源接続部121は、直流電源20に接続される。第2装置12は、第1装置11と電気的に切り離された状態において、第2直流電源接続部121を介して、直流電源20から直流電力P5を取得する。電気機器接続部126は、第1装置11と電気的に切り離された状態において、電気機器40に接続される。第2装置12は、電気機器接続部126を介して電気機器40に交流電力P6を供給する。
【0028】
図4は、第1の実施形態に係る電力変換装置が設置型として用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、電力変換装置10が設置型装置として用いられる場合における機能構成の一例について説明する。電力変換装置10が設置型として用いられる場合、直流電源20は直接、電力系統30は分電盤31を介して第1装置11に接続される。第1装置11は、第1直流電源接続部111と、制御部112と、操作取得部113と、表示制御部114と、系統連系保護回路115と、電力系統接続部116とを備える。
【0029】
第1直流電源接続部111は、直流電源20に接続される。第1直流電源接続部111は、直流電源20に直流電力を供給し、又は直流電源20から直流電力を取得する。第1直流電源接続部111は、第2装置12から供給された直流電力を直流電源20に供給する。また、第1直流電源接続部111は、直流電源20から取得した直流電力を第2装置12に供給する。
【0030】
制御部112は、第1直流電源接続部111に供給される電力の状態、電力系統接続部116に供給される電力の状態、及びユーザの操作等に基づいて、電力変換を制御する。制御部112は、操作取得部113からユーザの操作を取得し、表示制御部114に電力変換の状態や、自装置の設定状況等を表示させる。
操作取得部113は、ユーザからの操作を取得する。操作取得部113は、不図示のタッチパネルや音声入力装置、又は無線通信部等からユーザの操作を取得する。操作取得部113は取得した操作を制御部112に提供する。
表示制御部114は、制御部112により制御され、ユーザに情報を表示する。表示制御部114は不図示の液晶ディスプレイや音声出力装置、又は無線通信部等に対し情報を出力することによりユーザに情報を表示する。
【0031】
系統連系保護回路115は、複数の保護リレーを備え、停電等の異常時又は緊急時における系統保護を行う。系統連系保護回路115は、系統電圧を監視し、系統電圧が異常に上昇した場合や低下した場合等を検出し、異常が検出された場合には時限をもって解列する。
電力系統接続部116は、分電盤31を介して電力系統30に接続される。電力系統接続部116は、分電盤31を介して電力系統30から交流電力を取得し、分電盤31を介して電力系統30に交流電力を供給する。電力系統接続部116は、分電盤31を介して電力系統30から供給された交流電力を、系統連系保護回路115を介して第2装置12に供給する。また、電力系統接続部116は、系統連系保護回路115を介して第2装置12から供給された交流電力を、分電盤31を介して電力系統30に供給する。
【0032】
第2装置12は、第2直流電源接続部121と、制御部122と、DC-AC変換器123と、操作取得部124と、表示制御部125と、電気機器接続部126とを備える。第2装置12は、第1装置11から交流電力を取得し、取得した交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を第1装置11に供給する。また、第2装置12は、第1装置11から直流電力を取得し、取得した直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を第2装置12に供給する。
【0033】
第2直流電源接続部121、制御部122、操作取得部124、表示制御部125及び電気機器接続部126は、第2装置12が第1装置11と切り離された状態において用いられる。電力変換装置10が設置型として用いられる場合において、第2直流電源接続部121の説明は省略する。
DC-AC変換器123は、絶縁型双方向のDC-AC変換器である。DC-AC変換器123は、第1装置11から直流電力を取得し、取得した直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を第1装置11に対して出力する。また、DC-AC変換器123は、第1装置11から交流電力を取得し、取得した交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を第1装置11に対して出力する。すなわちDC-AC変換器123は、電力系統30から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電源20から供給される直流電力を交流電力に変換する。
【0034】
なお、
図4に示した一例においては、第2装置12がDC-AC変換機能を有し、第1装置11はDC-AC変換機能を有しない。したがって、電力変換装置10から第2装置12が切り離されると、電力変換装置10は電力変換機能を有しない。換言すれば、第1装置11は、第2装置12と電気的に切り離された場合、電力系統30から供給される交流電力を直流電力に変換せず、直流電源20から供給される直流電力を交流電力に変換しない。
【0035】
図5は、第1の実施形態に係る電力変換装置が可搬型として用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、電力変換装置10の一部である第2装置12が可搬型装置として用いられる場合における機能構成の一例について説明する。電力変換装置10の一部である第2装置12が可搬型装置として用いられる場合、直流電源20及び電気機器40は直接、第2装置12に接続される。第2装置12の機能構成については
図4を参照しながら説明したため、同様の構成については同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。
【0036】
第2直流電源接続部121は、直流電源20に接続される。第2直流電源接続部121は、直流電源20から直流電力を取得する。第2直流電源接続部121は、直流電源20から取得した直流電力をDC-AC変換器123に供給する。
制御部122は、第2直流電源接続部121に供給される電力の状態や、ユーザの操作等に基づいて、電力変換を制御する。制御部122は、操作取得部124からユーザの操作を取得し、表示制御部125に電力変換の状態や、自装置の設定状況等を表示させる。
【0037】
操作取得部124は、ユーザからの操作を取得する。操作取得部124は、不図示のタッチパネルや音声入力装置、又は無線通信部等からユーザの操作を取得する。操作取得部124は取得した操作を制御部122に提供する。
表示制御部125は、制御部122により制御され、ユーザに情報を表示する。表示制御部125は不図示の液晶ディスプレイや音声出力装置、又は無線通信部等に対し情報を出力することによりユーザに情報を表示する。
【0038】
電気機器接続部126は、電気機器40に接続される。電気機器接続部126は、DC-AC変換器123から交流電力を取得する。電気機器接続部126は、DC-AC変換器123から取得した交流電力を電気機器40に供給する。
【0039】
すなわち、第2装置12は、第1装置11と電気的に切り離された状態において、第2直流電源接続部121が直流電源20と接続され、電気機器接続部126が電気機器40に接続される。第2装置12は、DC-AC変換器123を備えることにより、直流電源20から供給された直流電力をDC-AC変換し、変換した交流電力を電気機器40へ供給する。
【0040】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、電力変換装置10は、電力系統30から直流電源20へ供給される電力の変換及び直流電源20から電力系統30へ供給される電力の変換を行う。電力変換装置10は第1装置11と第2装置12とを備えることにより、設置型装置又は可搬型装置のいずれかの態様において用いられる。第1装置11は、第1直流電源接続部111を備えることにより直流電源20と接続され、電力系統接続部116を備えることにより電力系統30に接続される。また、第2装置12は、第2直流電源接続部121を備えることにより直流電源20と接続され、電気機器接続部126を備えることにより電気機器40と接続される。また、第2装置12はDC-AC変換器123を備えることにより、電力系統30から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電源20から供給される直流電力を交流電力に変換する。第2装置は第1装置11と電気的に切り離された状態において、第2直流電源接続部121が直流電源20と接続され、電気機器接続部126が電気機器40に接続される。また、第2装置12はDC-AC変換器123を備えるため、直流電源から20供給された直流電力をDC-AC変換し、変換した交流電力を電気機器40へ供給する。したがって、本実施形態によれば、第1装置11と第2装置12とは着脱可能に構成され、第2装置12は第1装置11と切り離された状態において電力変換及び供給が可能である。したがって、本実施形態によれば、緊急時に可搬して電力変換を行いたいような場合であっても、普段設置して使用している電力変換装置10の一部を可搬し、使用することができる。よって本実施形態によれば、普段設置して使用している電力変換装置10とは異なる装置を用意することを要せず、普段使用しない装置を保管しておくスペース及び費用を要しない。
【0041】
また、以上説明した実施形態によれば、第1装置11は、第2装置12と電気的に切り離された場合、電力系統30から供給される交流電力を直流電力に変換せず、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換しない。すなわち、本実施形態によれば、電力変換装置10から第2装置12が切り離されると、電力変換装置10は電力変換機能を有しない。したがって、電力変換装置10は機能を少なくすることにより、簡易な構成とすることができる。また、電力変換装置10は単一のDC-AC変換器を有するため、制御を容易にすることができる。
【0042】
[第2の実施形態]
図6から
図8を参照しながら第2の実施形態に係る電力変換装置10Aについて説明する。
図6は、第2の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。同図を参照しながら、電力変換装置10Aの概要について説明する。電力変換装置10Aの説明において、電力変換装置10と同様の構成については同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。電力変換装置10Aは、第1装置11Aと第2装置12Aとを備える。電力変換装置10Aは、第2装置12Aが電気的に切り離された状態においても電力変換機能を有する点において電力変換装置10とは異なる。
【0043】
図6に示すように、電力変換装置10Aは、第1装置11Aと第2装置12Aとが互いに電気的に切り離された状態において用いられる。第1装置11Aは、第2装置12Aとは電気的に切り離された状態において、分電盤31を介して電力系統30から交流電力P1を取得し、取得した交流電力P1を直流電力P2に変換し、変換した直流電力P2を直流電源20に供給する。また、第1装置11Aは、第2装置12Aとは電気的に切り離された状態において、直流電源20から直流電力P3を取得し、取得した直流電力P3を交流電力P4に変換し、変換した交流電力P4を、分電盤31を介して電力系統30に供給する。
なお、第2装置12Aは、上述した第2装置12と同様、直流電源20及び電気機器40間の電力の授受を制御するため、説明を省略する。
【0044】
図7は、第2の実施形態に係る電力変換装置において、第1装置と第2装置とが接続された状態で用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、第1装置11Aと第2装置12Aとが接続された状態で用いられる場合における電力変換装置10Aの機能構成の一例について説明する。第1装置11Aは、DC-AC変換器117を更に備える点において第1装置11とは異なる。また、第1装置11Aは、制御部112に代えて制御部112Aを備える点において第1装置11とは異なる。
【0045】
DC-AC変換器117は、絶縁型双方向のDC-AC変換器である。DC-AC変換器117は、第1装置11が第2装置12Bと電気的に切り離された状態において、直流電源20から直流電力を取得し、取得した直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を第1装置11に対して出力する。また、DC-AC変換器117は、第1装置11が第2装置12Bと電気的に切り離された状態において、電力系統30から分電盤31を介して供給される交流電力を取得し、取得した交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を直流電源20に対して出力する。すなわちDC-AC変換器117は、電力系統30から供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電源20から供給される直流電力を交流電力に変換する。
【0046】
ここで、電力変換装置10Aは、DC-AC変換器117及びDC-AC変換器123の2つのDC-AC変換器を並列に備える。電力変換装置10Aは、並列接続された2つのDC-AC変換器により単一の電力系統30への電力変換を行うため、それぞれのDC-AC変換器の位相制御をすることが必要となる。当該位相制御は、制御部112Aにより行われる。
具体的には、制御部112Aは、直流電源20から供給される直流電力を第1装置11が備えるDC-AC変換器117により交流電力に変換した交流電力の位相と、直流電源20から供給される直流電力を第2装置12が備えるDC-AC変換器123により交流電力に変換した交流電力の位相とを制御する。より具体的には、制御部112Aは、第1装置11及び第2装置12が電気的に接続された状態において、直流電源20から供給される直流電力を第1装置11が備えるDC-AC変換器117により交流電力に変換した交流電力の位相と、直流電源20から供給される直流電力を第2装置12が備えるDC-AC変換器123により交流電力に変換した交流電力の位相とを同期させるよう制御する。
【0047】
図8は、第2の実施形態に係る電力変換装置において、第1装置と第2装置とが切り離された状態で用いられる場合における機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、第1装置11Aと第2装置12Aとが切り離された状態で用いられる場合における機能構成の一例について説明する。第1装置11A及び第2装置12Aは、互いに電気的に切り離された状態であっても、それぞれ電力変換機能を有する。第1装置11A及び第2装置12Aが互いに電気的に切り離された状態とは、電力変換装置10Aの一部である第2装置12が可搬型装置として抜き去られたような場合である。このような場合、電力変換装置10Aが設置されている地点において第1装置11が機能し、可搬型装置としての第2装置12が仮置きされている地点において第2装置12が機能する。
なお、第2装置12Aの機能構成については、
図5を参照しながら説明した第2装置12と同様の構成であるため、同様の符号を付すことにより説明を省略する。
【0048】
第1装置11Aと第2装置12Aとが互いに電気的に切り離された状態(電力変換装置10Aから第2装置12Aが抜き去られた状態)において、第1装置11Aは、単独で直流電源20及び電力系統30間の電力の授受を制御する。すなわち、第1装置11Aは、直流電源20からの電力を電力系統30に供給する際、第1直流電源接続部111により取得された電力を第2装置12Aに供給しない点において、
図7を参照しながら説明した一例とは異なる。また、第1装置11Aは、電力系統30からの電力を直流電源20に供給する際、電力系統接続部116により取得された電力を第2装置12Aに供給しない点において、
図7を参照しながら説明した一例とは異なる。
【0049】
なお、第1装置11Aと第2装置12Aとが切り離された状態では、第1装置11A及び第2装置12Aが互いに接続された状態において電力変換する場合と比較し、電力変換可能な能力が低減する。例えばDC-AC変換器117とDC-AC変換器123とが同様の定格電力を有する場合、第1装置11Aと第2装置12Aとが切り離された状態では、第1装置11A及び第2装置12Aが接続された状態において電力変換する場合と比較し、電力変換可能な電力は半減する。
【0050】
[第2の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、電力変換装置10Aにおいて第1装置11Aは、第2装置12Aと電気的に切り離された状態において、電力系統30から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を直流電源20に供給する。また、第1装置11Aは、第2装置12Aと電気的に切り離された状態において、直流電源20から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統30に供給する。すなわち、電力変換装置10Aは、第2装置12Aが抜き去られた状態においても、第1装置11A単独で電力変換可能である。したがって、電力変換装置10Aによれば、電力変換装置10Aが設置されている地点と、第2装置12Aが仮設されている地点との両地点において、同時に電力変換することができる。
【0051】
また、以上説明した実施形態によれば、電力変換装置10Aは制御部112Aを備えることにより、直流電源20から供給される直流電力を第1装置11Aにより交流電力に変換した交流電力の位相と、直流電源20から供給される直流電力を第2装置により交流電力に変換した交流電力の位相とを制御する。したがって、本実施形態によれば、電力変換装置10Aは、第1装置11Aと第2装置12Aとが接続された状態で用いられる場合、第1装置11Aに備えられたDC-AC変換器117と、第2装置12Aに備えられたDC-AC変換器123とを同時に用いることができるため、電力変換可能な電力が大きい。例えば、DC-AC変換器117とDC-AC変換器123とが同様の定格電力を有する場合、電力変換装置10Aは制御部112Aにより位相制御することにより、いずれか一方を用いる場合と比べて、約2倍の定格電力とすることができる。
なお、上述した一例においては第1装置11Aに備えられた制御部112Aが位相制御するものとして説明したが、当該位相制御は第2装置12Aに備えられた制御部122により行われてもよい。
【0052】
[第3の実施形態]
図9及び
図10を参照しながら第3の実施形態に係る電力変換装置10Bについて説明する。
図9は、第3の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。同図を参照しながら、電力変換装置10Bの概要について説明する。電力変換装置10Bの説明において、電力変換装置10と同様の構成については同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。電力変換装置10Bは、第1装置11Bと第2装置12Bとを備える。電力変換装置10Bは、設置型装置として用いられる際に電気機器40に電力を供給する機能を有する点において電力変換装置10とは異なる。電力変換装置10Bは電気機器40に電力を供給する機能を有することにより、停電等の異常発生時において直流電源20に蓄えられた直流電力を用いて電気機器40を駆動することができる。直流電源20に蓄えられた直流電力を用いて電気機器40を駆動することをV2Hとも記載する。
【0053】
電力変換装置10Bは、第1装置11Bと第2装置12Bとが互いに電気的に接続された状態において用いられてもよいし、互いに電気的に切り離された状態において用いられてもよい。
図9に示す一例では、第1装置11Bと第2装置12とが互いに電気的に接続された状態において用いられる場合の一例について説明する。電気機器40は、電力変換装置10Bと電気的に接続可能な位置に備えられる。第1装置11Bは、自立出力用接続部118を備え、自立出力用接続部118は電気機器40と接続される。電力変換装置10Bは、自立出力用接続部118を介して交流電力P9を電気機器40に供給する。交流電力P9とは、直流電源20から供給された直流電力P3が電力変換装置10Bにより交流電力に変換された電力である。
【0054】
なお、電力系統接続部116と自立出力用接続部118とは、いずれも同一規格の接続端子であってもよいし、異なる規格の接続端子であってもよい。また、通常時(すなわち、停電時等の異常発生時以外のとき)において、電力変換装置10Bは電力系統接続部116から電力を出力し、停電時等の異常発生時には自立出力用接続部118から電力を出力してもよい。すなわち、電力系統接続部116及び自立出力用接続部118は、排他的に電力を出力してもよい。また、本実施形態は排他的に電力を出力する場合の一例に限定されず、電力変換装置10Bは、電力系統接続部116及び自立出力用接続部118の両方から、同時に電力を出力してもよい。
【0055】
図10は、第3の実施形態に係る電力変換装置の機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら、第1装置11Bと第2装置12Bとが接続された状態で用いられる場合における電力変換装置10Bの機能構成の一例について説明する。第1装置11Bにおいては、自立出力用接続部118を更に備え、制御部112は系統連系判定部1121を備える点において第1装置11とは異なる。第2装置12Bの機能構成については、
図4を参照しながら説明した第2装置12と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0056】
自立出力用接続部118は、第1装置11B又は第2装置12Bの少なくともいずれか一方に備えられる。自立出力用接続部118は、第1装置11B及び第2装置12Bの双方に備えられてもよいし、第2装置12Bのみに備えられていてもよい。以下の説明では、自立出力用接続部118が第2装置12Bに備えられる場合の一例について説明する。自立出力用接続部118は、電力系統接続部116とは異なる接続部である。自立出力用接続部118は、直流電源20から供給された直流電力が交流電力に変換された電力を出力する。
【0057】
系統連系判定部1121は、電力変換装置10Bが電力系統30と接続されているか否かを判定する。系統連系判定部1121は、電力系統を監視することにより、電力変換装置10Bが電力系統30と接続されているか否かを判定する。制御部112は、系統連系判定部1121により判定された結果に基づいて交流電力の出力先を制御する。交流電力の出力先とは、電力系統接続部116又は自立出力用接続部118の少なくともいずれか一方である。
図10に示す一例では、電力系統接続部116に分電盤31が接続され、自立出力用接続部118に電気機器40が接続される場合の一例について説明する。しかしながら、電力系統接続部116及び自立出力用接続部118は同一規格の接続端子であってもよく、複数の電気機器40がそれぞれ電力系統接続部116及び自立出力用接続部118に接続されていてもよい。すなわち、電力系統接続部116は、系統連系判定部1121により電力系統30と接続されていないと判定された場合、直流電源20から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器40へ供給する。また、自立出力用接続部118は、系統連系判定部1121により電力系統30と接続されていると判定された場合、直流電源20から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器40へ供給する。
【0058】
[第3の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、第1装置11Bは、電力系統接続部116とは異なる接続部である自立出力用接続部118を備えることにより、直流電源20から供給された直流電力を変換した交流電力を、電力系統接続部116とは異なる出力先に対して出力する。すなわち、電力変換装置10Bは、自立出力用の接続端子を、通常時の出力端子とは独立して備える。したがって、本実施形態によれば、電力変換装置10Bは、停電時等の異常発生時であっても、自立出力用接続部118に接続された電気機器40に電力を供給することができる。
【0059】
また、以上説明した実施形態によれば、電力変換装置10Bは、系統連系判定部1121を更に備えることにより、電力変換装置10Bが電力系統30に連結されているか否かを判定する。電力系統接続部116は、系統連系判定部1121により電力系統30と接続されていないと判定された場合、直流電源20から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器40へ供給する。また、自立出力用接続部118は、系統連系判定部1121により電力系統30と接続されていると判定された場合、直流電源20から供給された直流電力が変換された交流電力を電気機器40へ供給する。すなわち、本実施形態によれば、電力変換装置10Bは系統連系判定部1121を備えることにより停電時等の異常が発生したか否かを判定し、停電等の異常発生時には、自立出力用接続部118を介して自立出力をする。したがって、ユーザは、停電等の異常発生時であっても、電気機器40を自立出力用接続部118に接続することにより、電気機器40に対して電力を供給することができる。
【0060】
[第4の実施形態]
図11及び
図12を参照しながら第4の実施形態に係る電力変換装置10Cについて説明する。
図11は、第4の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。同図を参照しながら、電力変換装置10Cの概要について説明する。電力変換装置10Cの説明において、電力変換装置10と同様の構成については同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。第4の実施形態では、電力変換装置10Cが可搬型装置として用いられる場合の一例について説明する。
【0061】
電力変換装置10Cは、第2装置12Cを備える。同図に示す一例では、第2装置12Cは、車両21と電気機器40との間に可搬され、用いられる。第2装置12Cは、車両21に備えられた直流電源20と電気機器40との間の電力の授受を制御する。具体的には、第2装置12Cは、直流電源20から供給された直流電力P3を交流電力P9に変換し、変換された交流電力P9を電気機器40に供給する。すなわち、第2装置12Cは、車両21と電気機器40との間におけるV2Lを実現する。
【0062】
第2装置12Cは、共通部120-1と、DA変換スロット120-2とを備える点において、第2装置12とは異なる。より詳細には、第2装置12Cは、第2装置12が備える機能が、共通部120-1及びDA変換スロット120-2に分割される。DA変換スロット120-2は、第2装置12Cから取り外し可能に備えられる。第2装置12Cは、DA変換スロット120-2が他のスロットに入れ替えられることにより、異なる機能を実装したり、機能を拡張したりすることができる。
【0063】
図12は、第4の実施形態に係る電力変換装置の機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら第2装置12Cの機能構成の一例について説明する。第2装置12Cは、共通部120-1と、DA変換スロット120-2とを備える。共通部120-1は、第2直流電源接続部121と、制御部122と、DC-DC変換部1231と、操作取得部124と、表示制御部125とを備える。DA変換スロット120-2は、DC-AC変換部1232と、電気機器接続部126とを備える。DC-DC変換部1231及びDC-AC変換部1232は、DC-AC変換器123Cが分割されたものである。
【0064】
DC-DC変換部1231は、第2直流電源接続部121を介して直流電源20から供給された直流電力を、異なる電圧の直流電力に変換する。ここで、直流電源20から供給される直流電力の電圧とは、例えば300[V(ボルト)]から200[V]程度である。DC-DC変換部1231は、300[V]から200[V]程度で変動する電圧を、例えば200[V]程度の定電圧の直流電力に変換する。
DC-AC変換部1232は、例えば200[V]程度の定電圧に変換された直流電力を、100[V]の交流電力に変換する。DC-AC変換部1232は、変換した交流電力を電気機器接続部126を介して電気機器40に供給する。
【0065】
本実施形態においては、DC-AC変換器123CがDC-DC変換部1231及びDC-AC変換部1232に分割され、DC-DC変換部1231は共通部120-1に、DC-AC変換部1232はDA変換スロット120-2に含まれる。換言すれば、第2装置12Cに含まれるDC-AC変換器123Cは、一方が直流電源20に接続されるDC-DC変換部1231と、DC-DC変換部1231の他方と電気機器40との間に接続されるDC-AC変換部1232とを備える。DC-DC変換部1231及びDC-AC変換部1232は、所定の接続端子により互いに接続される。
【0066】
[第4の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、第2装置12Cに含まれるDC-AC変換器123Cは、一方が直流電源20に接続されるDC-DC変換部1231と、DC-DC変換部1231の他方と電力系統30との間に接続されるDC-AC変換部1232とを備える。すなわち、第2装置12Cが備えるDC-AC変換器123Cは、DC-DC変換部1231とDC-AC変換部1232とに分割可能に備えられる。したがって第2装置12Cが備える共通部120-1及びDA変換スロット120-2は、互いに分離可能である。よって、本実施形態によれば、第2装置12Cは、V2L給電することが可能であり、DA変換スロット120-2を他のスロットに入れ替えることにより、異なる機能を実装したり、機能を拡張したりすることができる。
【0067】
[第5の実施形態]
図13及び
図14を参照しながら第5の実施形態に係る電力変換装置10Dについて説明する。
図13は、第5の実施形態に係る電力変換装置の概要について説明するための図である。同図を参照しながら、電力変換装置10Dの概要について説明する。電力変換装置10Dの説明において、電力変換装置10Cと同様の構成については同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。第5の実施形態では、電力変換装置10Dが可搬型装置として用いられる場合の一例について説明する。
【0068】
電力変換装置10Dは、第2装置12Dを備える。同図に示す一例では、第2装置12Dは、車両21Aと車両21Bとの間に可搬され、用いられる。車両21Aと車両21Bは、それぞれ直流電源20Aと直流電源20Bとを備える。車両21A及び車両21Bはいずれも車両21の一例であり、直流電源20A及び直流電源20Bはいずれも直流電源20の一例である。
【0069】
第2装置12Dは、車両21Aに備えられた直流電源20Aと車両21Bに備えられた直流電源20Bとの間の電力の授受を制御する。具体的には、第2装置12Dは、直流電源20Aから供給された直流電力P3を交流電力P10に変換し、変換された交流電力P10を直流電源20Bに供給する。すなわち、第2装置12Dは、車両21Aと車両21Bとの間におけるV2V(Vehicle to Vehicle)を実現する。
【0070】
第2装置12Dは、共通部120-1と、DD変換スロット120-3とを備える。すなわち、第2装置12Dは、DA変換スロット120-2に代えてDD変換スロット120-3を備える点において、第2装置12Cとは異なる。より詳細には、第2装置12Dは、DA変換スロット120-2に代えてDD変換スロット120-3を備えることにより、DC-DC変換器となり、V2Vを実現する。DA変換スロット120-2及びDD変換スロット120-3は、それぞれ容易に着脱可能である。第2装置12Dは、DA変換スロット120-2を取り外した位置に、DD変換スロット120-3を取り付けることにより、いずれかのスロットかを取り付け可能に構成されていてもよい。ユーザは、DA変換スロット120-2又はDD変換スロット120-3のいずれかを選択して取り付けることにより、異なる機能を実現することができる。
【0071】
図14は、第5の実施形態に係る電力変換装置の機能構成図の一例を示す図である。同図を参照しながら第2装置12Dの機能構成の一例について説明する。第2装置12Dは、共通部120-1と、DD変換スロット120-3とを備える。共通部120-1は、
図12を参照しながら説明した構成と同様のため、説明を省略する。DD変換スロット120-3は、DC-DC変換部1233と、電気機器接続部126とを備える。すなわちDD変換スロット120-3は、DC-AC変換部1232に代えてDC-DC変換部1233を備える点においてDA変換スロット120-2とは異なる。DC-DC変換部1231及びDC-DC変換部1233が電気的に結合することにより、DC-DC変換器127を構成する。換言すれば、DC-DC変換部1231及びDC-DC変換部1233は、DC-DC変換器127が分割されたものである。
【0072】
DC-DC変換部1231は、
図12を参照しながら説明した構成と同様のため、詳細な説明を省略する。DC-DC変換部1231は、直流電源20の一例としての直流電源20Aから供給された300[V]から200[V]程度で変動する電圧を、例えば200[V]程度の定電圧の直流電力に変換する。DC-DC変換部1231は、変換した直流電力をDC-DC変換部1233に供給する。
DC-DC変換部1233は、DC-DC変換部1231により例えば200[V]程度の定電圧に変換された直流電力を、一定電流となる電圧に変換する。DC-DC変換部1233は、一定電流となる電圧に変換した直流電力を、電気機器接続部126を介して直流電源20Bに供給する。
【0073】
DC-DC変換部1231を第1DC-DC変換部と記載し、DC-DC変換部1233を第2DC-DC変換部と記載する場合がある。すなわち第2装置12Dは、DC-DC変換部1231である第1DC-DC変換部とは異なるDC-DC変換部1233(第2DC-DC変換部)を、DC-AC変換部1232に代えて備えることにより、直流電源20である直流電源20Aから供給される直流電力を、他の直流電源20である直流電源20Bに供給する。
【0074】
[第5の実施形態のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、第2装置12Dは、一方が直流電源20に接続されるDC-DC変換部1231と、DC-DC変換部1231の他方と直流電源20との間に接続されるDC-DC変換部1233とを備える。すなわち、第2装置12Dが備えるDC-DC変換器127は、DC-DC変換部1231とDC-DC変換部1233とに分割可能に備えられる。したがって第2装置12Dが備える共通部120-1及びDD変換スロット120-3は、互いに分離可能である。よって、本実施形態によれば、第2装置12Dは、V2V給電することが可能である。また、第2装置12Dによれば、DD変換スロット120-3を他のスロットに入れ替えることにより、異なる機能を実装したり、機能を拡張したりすることができる。
【0075】
[電力変換装置の一連の動作]
以上、第1の実施形態に係る電力変換装置10から第5の実施形態に係る電力変換装置10Dについて説明した。電力変換装置10から電力変換装置10Dは、いずれも制御部の制御により実現可能である。すなわち、第1装置11に備えられる制御部112及び制御部122は、それぞれ互いの装置に接続されているかを判定し、更に制御部122は、DC-AC変換部1232又はDC-DC変換部1233のいずれのスロットが挿入されているかを判定することにより、V2H、V2L及びV2Vの機能を実現することが可能である。
なお、以下の説明において電力変換装置10から電力変換装置10Dをそれぞれ区別しない場合、単に電力変換装置10と記載する場合がある。
【0076】
図15は、実施形態に係る電力変換装置の一連の動作を説明するための図である。同図を参照しながら電力変換装置10の一連の動作について説明する。
(ステップS11)まず、電力変換装置10は設置型装置に可搬型装置が挿入されているか否かを判定する。具体的には、電力変換装置10は不図示の安全スイッチを備え、電力変換装置10に第2装置12が挿入されている場合は当該安全スイッチが導通(オン)し、電力変換装置10に第2装置12が挿入されていない場合は当該安全スイッチが切断(オフ)する。第1装置11に備えられた制御部112は、当該安全スイッチの導通状態を取得する。制御部112は、取得した導通状態に応じて設置型装置に可搬型装置が挿入されているか否かを判定する。設置型装置に可搬型装置が挿入されている場合(すなわち、ステップS11;YES)、処理をステップS13に進める。設置型装置に可搬型装置が挿入されていない場合(すなわち、ステップS11;NO)、処理をステップS21に進める。
なお、安全スイッチとは、機械的接点を有するマイクロスイッチであってもよいし、フォトインタラプタ等を用いた電気的スイッチであってもよい。
【0077】
(ステップS13)次に、電力変換装置10はV2H切り替えスイッチがEV放電モードになっているか否かを判定する。V2H切り替えスイッチとは、具体的には操作取得部113及び表示制御部114により実現される。例えば電力変換装置10は、電力変換モードの一例として、V2Hモードと、V2Lモードと、V2Vモードとを有する。表示制御部114は、現在の電力変換モードを表示する。ユーザは、不図示の入力装置(例えばタッチパネルやキーボード、音声入力装置等)を操作することにより、電力変換モードを切り替える。操作取得部113は、ユーザにより入力された電力変換モードを取得する。操作取得部113により取得された電力変換モードがV2Hモード(EV放電モード)である場合(すなわち、ステップS13;YES)、処理をステップS15に進める。V2Hモードでない場合(すなわち、ステップS13;NO)、処理をステップS17に進める。
【0078】
(ステップS15)電力変換装置10は、EVから屋内配線へ電力供給を行う。すなわち、電力変換装置10は、直流電源20から供給された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統30又は電気機器40に供給する。EVから屋内配線への電力供給とは、すなわちV2Hである。電力変換装置10は、V2H給電の終了後、処理をステップS40に進める。
(ステップS17)電力変換装置10は、商用電源からEVへ電力供給を行う。すなわち、電力変換装置10は、電力系統30から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を直流電源20に供給する。電力変換装置10は、商用電源からEVへの給電終了後、処理をステップS40に進める。
【0079】
(ステップS21)次に、電力変換装置10は、可搬型装置にD/Dスロット(DD変換スロット120-3)が挿入されているか否かを判定する。具体的には、第2装置12は不図示の安全スイッチを備え、第2装置12にDD変換スロット120-3が挿入されている場合は当該安全スイッチが導通(オン)し、第2装置12にDD変換スロット120-3が挿入されていない場合は当該安全スイッチが切断(オフ)する。第2装置12に備えられた制御部122は、当該安全スイッチの導通状態を取得する。制御部122は、取得した導通状態に応じて可搬型装置にD/Dスロットが挿入されているか否かを判定する。制御部122は、D/Dスロットが挿入されている場合(すなわち、ステップS21;YES)、処理をステップS23に進める。制御部122は、D/Dスロットが挿入されていない場合(すなわち、ステップS21;NO)、処理をステップS31に進める。
【0080】
(ステップS23)電力変換装置10は、EVからEVへ電力供給を行う。すなわち、電力変換装置10は、直流電源20から供給された直流電力を一定電流の直流電力に変換し、変換した直流電力を、直流電力を取得した直流電源20とは異なる直流電源20に供給する。EVからEVへの電力供給とは、すなわちV2Vである。電力変換装置10は、V2V給電の終了後、処理をステップS40に進める。
【0081】
(ステップS31)次に、電力変換装置10は、可搬型装置にD/Aスロット(DA変換スロット120-2)が挿入されているか否かを判定する。具体的には、電力変換装置10は、第2装置12に備えられた制御部122により、ステップS21において説明した安全スイッチとは異なる安全スイッチの導通状態を取得することにより、可搬型装置にD/Aスロットが挿入されているか否かを判定する。例えば電力変換装置10は、異なる2つの安全スイッチを備え、DA変換スロット120-2が挿入された場合には第1の安全スイッチがオンし、第2の安全スイッチはオフする。また、DD変換スロット120-3が挿入された場合には第1の安全スイッチがオフし、第2の安全スイッチはオンする。すなわち第1の安全スイッチと第2の安全スイッチは、スロットに挿入されたユニットがDA変換スロット120-2又はDD変換スロット120-3のいずれであるかに応じて導通状態が排他的に切り替わる。制御部122は、取得した2つの安全スイッチの導通状態に応じて可搬型装置にD/Dスロットが挿入されているか否かを判定する。制御部122は、D/Aスロットが挿入されている場合(すなわち、ステップS31;YES)、処理をステップS33に進める。制御部122は、D/Aスロットが挿入されていない場合(すなわち、ステップS31;NO)、処理をステップS35に進める。
【0082】
(ステップS33)電力変換装置10は、EVから電気機器40に電力供給を行う。すなわち、電力変換装置10は、直流電源20から供給された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電気機器40に供給する。EVから電気機器40への電力供給とは、すなわちV2Lである。電力変換装置10は、V2L給電の終了後、処理をステップS40に進める。
(ステップS35)第2装置12にDA変換スロット120-2又はDD変換スロット120-3のいずれも挿入されていない場合、ユーザは電力変換装置10を用いた電力変換をすることができない。したがって、第2装置12に備えられた表示制御部125は、「利用不可」である旨を表示する。電力変換装置10は、表示制御部125に「利用不可」である旨を表示した後、処理をステップS40に進める。
【0083】
(ステップS40)電力変換装置10は、電力供給を終了する。電力変換装置10は、電力供給を終了した後、処理をステップS11に進め、処理を繰り返す。
【0084】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。また、上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…電力変換装置、11…第1装置、111…第1直流電源接続部、112…制御部、1121…系統連系判定部、113…操作取得部、114…表示制御部、115…系統連系保護回路、116…電力系統接続部、117…DC-AC変換器、118…自立出力用接続部、12…第2装置、120-1…共通部、120-2…DA変換スロット、120-3…DD変換スロット、121…第2直流電源接続部、122…制御部、123…DC-AC変換器、1231…DC-DC変換部、1232…DC-AC変換部、1233…DC-DC変換部、124…操作取得部、125…表示制御部、126…電気機器接続部、127…DC-DC変換器、20…直流電源、21…車両、30…電力系統、31…分電盤、32…住宅、40…電気機器