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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152532
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231010BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20231010BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 648L
H01L21/304 643A
H01L21/30 572B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062633
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】金井 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】土持 鷹彬
【テーマコード(参考)】
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F146MA01
5F146MA05
5F146MA10
5F157AA03
5F157AA64
5F157AA91
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157AC02
5F157AC04
5F157AC25
5F157BB22
5F157BB66
5F157BH14
5F157BH18
5F157BH21
5F157CB02
5F157CB04
5F157CE07
5F157CE36
5F157CE76
5F157CE77
5F157CF14
5F157CF16
5F157CF18
5F157CF20
5F157CF22
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF70
5F157CF74
5F157DB37
5F157DC90
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板の処理中に処理液保持部と基板との間に生じた湯気が新たに処理室に搬入される基板の表面に接触することを抑制する基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置1において、基板Wを保持する保持部20と、保持部20に保持された基板Wを回転させる回転体10と、保持部20に保持された基W板の表面に処理液を供給し、基板Wの表面に供給された処理液に対してリンス液を供給する供給機構41と、保持部20に保持された基板Wの表面に対して供給された処理液を加熱する加熱部44と、保持部20に保持された基板Wを囲い、基板Wから飛散する処理液を受けて排液し、処理室内部のダウンフローを排気するカップ部30と、加熱された処理液及び加熱された処理液に対して供給されたリンス液から、処理液保持部42と基板Wとの間に発生した湯気Mを、除去する除去部50と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室に搬入される基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板を回転させる回転体と、
前記保持部に保持された前記基板の表面に処理液を供給し、前記基板の表面に供給された前記処理液に対してリンス液を供給する供給機構と、
前記保持部に保持された前記基板の表面に対向して設けられる、前記基板よりも大径の処理液保持部と、
前記処理液保持部を、前記基板の表面に形成された前記処理液の液膜に近接した処理位置と前記基板の表面から離間した退避位置との間で昇降させる昇降機構と、
前記保持部に保持された前記基板の表面に対して供給された処理液を加熱する加熱部と、
前記保持部に保持された前記基板を囲うように設けられ、前記基板から飛散する処理液を受けて排液し、前記処理室内部のダウンフローを排気するカップ部と、
加熱された前記処理液と加熱された前記処理液に対して供給されたリンス液とから前記処理液保持部と前記基板との間に発生した湯気を除去する除去部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記除去部は、前記処理液保持部と前記基板との間に発生した前記湯気に対してガスを供給する気体供給機構を有する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記除去部は、前記処理液保持部と前記基板との間に発生した前記湯気を吸引する気体吸引機構を有する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記除去部は、
前記処理液保持部と前記基板との間に発生した前記湯気に対してガスを供給する気体供給機構と、
前記処理液保持部と前記基板との間に発生した前記湯気を吸引する気体吸引機構と、
を有する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記湯気を検出する検出部を有し、
前記除去部は、前記湯気が検出された場合に前記湯気を除去する、
請求項1乃至4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記除去部は、前記処理液保持部が前記処理位置に位置付けられた状態で、前記処理液保持部と前記基板との間に発生した前記湯気を除去する、
請求項1乃至5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記除去部は、前記処理液保持部が前記退避位置に位置付けられた状態で、前記処理液保持部と前記基板との間に発生した前記湯気を除去する、
請求項1乃至5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記除去部は、新たな基板が前記処理室に搬入される前までに、前記湯気を除去する、
請求項1乃至7のいずれかに記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハなどの基板の表面に形成されたレジストを、SPM(硫酸と過酸化水素水とを混合してなる混合液)などの強い酸化力を有する処理液により除去する基板処理装置が知られている。このような基板処理装置は、基板の表面に対向して設けられる処理液保持部を備える。処理液保持部は、供給機構から供給される処理液を保持する。処理液保持部には、処理液を加熱するヒータが設けられる。これにより、基板処理装置は、基板に高温の処理液を供給し、基板の表面に形成されたレジストを剥離する。
【0003】
処理液保持部は、基板に供給される前だけでなく、基板に供給された後も、処理液を加熱し、処理液を高温に維持する。そのため、処理液保持部は、特許文献1に示すように、基板よりも大径であり、基板の全面を覆うように設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2011/090141号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板処理の工程においては、基板に供給された高温の処理液に対して、この処理液を基板から洗い流すために常温のリンス液が供給される。このとき、処理液とリンス液との温度差により、リンス液が急激に加熱されて沸騰し、基板の全面において大量の湯気が発生する。なお、この湯気は、蒸気化した後に冷えてなるリンス液の湯気が大半であるが、処理液の湯気も含むものである。処理液は、基板に供給された際に基板を覆う液膜となるが、この液膜から生じた蒸気が冷えて湯気となる。基板処理装置が配置される処理室においては、通常、処理室の天井に設けられたFFU(ファンフィルタユニット)からダウンフローが生じているので、このような湯気は、処理室の下方に流され、基板を囲うように設けられるカップ部により外部に排気される。
【0006】
しかしながら、上述のように、基板よりも大径の処理液保持部が基板を覆うように設けられると、ダウンフローが遮られ、処理液保持部と基板との間に湯気が充満し、滞留してしまう。このような湯気は、ダウンフローにより処理室の下方に流されないため、カップ部により外部に排気されないおそれがある。このような状態で新たな基板(未処理の基板)が搬入されると、この基板に滞留した湯気が接触し、湯気に含まれる処理液の成分が基板の表面にパーティクルとして付着してしまうことがある。パーティクルが付着した状態で処理液により基板処理が行われても、パーティクルを除去し切れず、基板の品質不良につながるおそれがあった。
【0007】
本発明は、基板の処理中に処理液保持部と基板との間に生じた湯気が新たに処理室に搬入される基板の表面に接触することを抑制する基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板処理装置は、処理室に搬入される基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板を回転させる回転体と、前記保持部に保持された前記基板の表面に処理液を供給し、前記基板の表面に供給された前記処理液に対してリンス液を供給する供給機構と、前記保持部に保持された前記基板の表面に対向して設けられる、前記基板よりも大径の処理液保持部と、前記処理液保持部を、前記基板の表面に形成された前記処理液の液膜に近接した処理位置と前記基板の表面から離間した退避位置との間で昇降させる昇降機構と、前記保持部に保持された前記基板の表面に対して供給された処理液を加熱する加熱部と、前記保持部に保持された前記基板を囲うように設けられ、前記基板から飛散する処理液を受けて排液し、前記処理室内部のダウンフローを排気するカップ部と、加熱された前記処理液と加熱された前記処理液に対して供給されたリンス液とから前記処理液保持部と前記基板との間に発生した湯気を除去する除去部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板処理装置は、基板の処理中に処理液保持部と基板との間に生じた湯気が新たに処理室に搬入される基板の表面に接触することを抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の基板処理装置の構成を示す図である。
図2図1の基板処理装置の保持部の動作を示す平面図である。
図3】従来技術と実施形態の基板の汚染度を比較する図である。
図4】変形例の除去部の構成を示す図である。
図5】他の変形例の除去部の構成を示す図である。
図6】他の変形例の除去部の構成を示す図である。
図7】他の変形例の除去部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[構成]
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態ともいう。)を、図面を参照して説明する。基板処理装置1は、基板Wを保持して回転させながら、基板Wの表面に処理液を供給し、基板Wを処理する装置である。処理対象となる基板Wは、例えば、円形のシリコン製の半導体ウェーハである。基板処理装置1は、図1に示すように、回転体10、保持部20、カップ部30、供給部40、除去部50、検出部60を有する。また、基板処理装置1には、基板処理装置1の各部を制御する制御装置70が接続される。なお、以下の説明では、重力に抗する方向を上、重力に従う方向を下とするが、基板処理装置1の設置方向を限定するものではない。
【0012】
基板処理装置1は、例えば処理室に配置される。処理室の天井にはULPAフィルタなどのフィルタFが設けられている。処理室内部においては、フィルタFを介して設けられる図示しない給気口により、上方から下方に向けてダウンフローが生じている。ダウンフローは、後述するカップ部30の底部に開口した排気口Vから、排気口Vに連通する排気管Pを通って外部に排気される。具体的には、排気管Pは、基板処理装置1が設置される工場の排気設備に接続されている。これにより、ダウンフローは、排気管Pを通って外部に排気される。
【0013】
回転体10は、図示しない設置面又は設置面に設置された架台に固定された固定ベース11上に、モータ12を有する回転機構13によって、回転軸Aを中心にして回転可能に設けられている。回転体10は、一端がテーブル10aによって塞がれた円筒形状である。テーブル10aは、基板Wよりも大径の円形の面であり、保持部20に保持された基板Wに間隔を空けて対向する。
【0014】
保持部20は、テーブル10aと平行に且つ間隔を空けて基板Wを保持する部材であり、回転体10に設けられている。すなわち、保持部20は、回転体10により回転可能に設けられている。保持部20は、テーブル10aの周囲に沿って等間隔に6つ設けられている。各保持部20は、回動部材21、保持部材22、駆動機構23を有する。
【0015】
回動部材21は、図2に示すように、基板Wの周囲に沿って、等間隔に6つ配置された円柱形状の部材である。回動部材21は、回転体10の回転軸Aと平行な軸を中心に、回動可能に設けられている。回動部材21の天面は、テーブル10aから露出している。
【0016】
保持部材22は、各回動部材21の天面の回動の中心から偏心した位置に、上方に突出するように設けられている。保持部材22は、回動部材21と同数の6つ設けられている。保持部材22は、傾斜面22aとチャックピン22bを有する。傾斜面22aは、回転体10の中心側から外周縁に向かって高くなるように傾斜した面であり、回動部材21の回動に従って、基板Wの縁部が接する。チャックピン22bは、保持部材22の頭頂であって、傾斜面22aの上端に設けられた円柱形状の突起である。チャックピン22bの側面には、基板Wの縁部が嵌る括れを有する。
【0017】
保持部材22は、回動部材21の回動に従って、基板Wの縁部に接することにより基板Wを保持する保持位置(図2(A)参照)と、基板Wの縁部から離れることにより基板Wを開放する開放位置(図2(B)参照)との間を移動する。本実施形態では、最終的に6つのチャックピン22bが基板Wの縁部に接することにより、基板Wを把持する。
【0018】
駆動機構23は、回動部材21を回動させることにより、保持部材22を保持位置と開放位置との間で移動させる。駆動機構23は、駆動軸231、小ギヤ232、大ギヤ233を有する。駆動軸231は、回動部材21の天面と反対側に、回動部材21の回動の軸と同軸に設けられた円柱形状の部材である。
【0019】
小ギヤ232は、駆動軸231の回動部材21と反対側の端部に設けられたセクタギヤである。大ギヤ233は、小ギヤ232に対応して、ギヤ溝が間欠的に形成されたギヤである。大ギヤ233は、回転体10を回転させる回転機構13によって、回転体10と同軸に回転自在に設けられている。大ギヤ233は、小ギヤ232と対応する間隔で、6つの凸部が周方向に所定間隔で形成されてなり、各凸部の先端外周面に、小ギヤ232に噛合するギヤ溝が形成されている。
【0020】
大ギヤ233は、図示しないバネ等の付勢部材によって、図2(A)に矢印αで示す回転方向(反時計方向)に付勢されている。これにより、小ギヤ232は、矢印β1で示す時計方向に付勢されるため、小ギヤ232の回動に回動部材21が連動し、チャックピン22bが回転体10の中心方向へ移動して、基板Wに当接する保持位置に維持される。なお、基板処理時には、この保持位置を維持した状態で、回動部材21、駆動軸231、チャックピン22b、小ギヤ232、大ギヤ233は、回転体10とともに回転する。
【0021】
また、大ギヤ233は、図示しないストッパ機構によって、回転が阻止される。大ギヤ233の回転が阻止された状態で、図2(B)に示すように、回転体10を矢印γ方向へ回転させると、回転が阻止された大ギヤ233に噛合している小ギヤ232が、矢印β2で示す反時計方向に回動する。これにより、回動部材21が回動するので、チャックピン22bが基板Wの縁部から離れる方向に移動して、開放位置に来る。
【0022】
カップ部30は、回転する基板Wから飛散する処理液を受ける円筒形状の部材であり、回転体10及び保持部20を囲うように設けられている。すなわち、カップ部30は、保持部20に保持された基板Wを囲うように設けられている。カップ部30の上方は、保持部20に保持された基板Wが露出するように開口している。また、カップ部30の上部は、径方向の内側に傾斜している。カップ部30は、図示しない昇降機構を備え、例えば処理液を受けるために上昇可能に、また基板Wを搬入、搬出する支障にならないように下降可能に設けられる。カップ部30に受けられた処理液は、カップ部30の内側を伝って流れ、カップ部30の底部に設けられた図示しない配管から排液される。また、カップ部30の底部には上述の排気口Vが設けられ、処理室内部に生じているダウンフローが排気される。このように、カップ部30は、基板Wから飛散する処理液を受けて排液し、処理室内部のダウンフローを排気する。
【0023】
供給部40は、基板Wの表面、つまり、保持部20に保持された基板Wのテーブル10aと反対側の面に処理液を供給する部材であり、回転体10及び保持部20の上方に設けられている。供給部40は、供給機構41、処理液保持部42、昇降機構43、加熱部44を有する。
【0024】
供給機構41は、複数種の処理液またはリンス液を供給する機構である。本実施形態の供給機構41は、例えば、炭酸水、純水(HО)、硫酸、過酸化水素水を供給する。また、供給機構41は、硫酸と過酸化水素水を同時に供給することにより、両者の混合液であるSPMを処理液として供給する。以下では、特にSPMを処理液、特に過酸化水素水をリンス液という。供給機構41は、処理液槽41a、送通管41b、処理液供給管41c、流量調整バルブ41d、流量計41eを有している。
【0025】
処理液槽41aは、それぞれの処理液を貯留する容器である。各処理液槽41aには、送通管41bが並列的に処理液供給管41cに結合されている。処理液供給管41cは、その先端部が保持部20に保持された基板Wに対向している。これにより、各処理液槽41aに貯留される処理液は、送通管41b及び処理液供給管41cを介して、基板Wの表面に供給される。各送通管41bには、処理液の流量を調整する流量調整バルブ41dと、処理液の流量を計測する流量計41eとが設けられている。
【0026】
処理液保持部42は、基板Wよりも大径の円形であり、周縁部に回転体10と反対側に立ち上がった壁が形成されることにより、盆形状をなしている。処理液保持部42の外底面は、基板Wに対向している。処理液保持部42には、処理液供給管41cの先端が挿通され、基板W側に露出する吐出口42aと、後述する除去部50の送通管51の先端が挿通され、基板W側に露出する吐出口42bとが形成されている。吐出口42aは、処理液保持部42の中心軸から偏心した位置に設けられている。この位置は、基板Wの表面中心に処理液を供給することの出来る位置となっている。
【0027】
昇降機構43は、基板Wに対して接離する方向に処理液保持部42を移動させる機構である。昇降機構43としては、例えば、シリンダ、ボールねじ機構など、回転体10の回転軸Aと平行な方向に処理液保持部42を移動させる種々の機構を適用可能である。昇降機構43は、処理液保持部42を、処理位置と退避位置との間で昇降させる。処理位置は、基板Wの表面に形成された処理液の液膜に対して、処理液保持部42の基板Wに対向する側の面が近接した位置である。退避位置は、基板処理装置1に対して基板Wの搬入、搬出を行うことの出来るように、処理液保持部42の基板Wに対向する側の面が基板Wの表面から離間した位置である。
【0028】
加熱部44は、処理液保持部42の基板Wに対向する面と反対側の面に設けられたヒータ441を有し、ヒータ441により供給機構41から基板Wの表面に供給された処理液を、例えば180℃~200℃に加熱する。これにより、基板Wの表面に形成された処理液の液膜から蒸気が発生し、この蒸気が冷えて、処理液保持42と基板Wとの間に湯気が生じる。ヒータ441は、円形のシート状である。ヒータ441には、処理液供給管41cが挿通された貫通孔441aと、後述する除去部50の先端が挿通された貫通孔441bとが形成されている。
【0029】
なお、ヒータ441により基板Wの表面において加熱された処理液に対して、供給機構41により常温、例えば25℃のリンス液が供給されると、リンス液が急激に加熱されて沸騰することにより蒸発し、さらにこの蒸発したリンス液が冷えることにより、基板Wの全面から供給部40の処理液保持部42と基板Wとの間に大量の湯気が発生する。以下の説明では、この湯気と上述の処理液の液膜から生じる湯気とを合わせて湯気Mともいう。湯気Mは、処理液保持部42と基板Wの間に充満し、滞留する。
【0030】
除去部50は、処理液保持部42と基板Wの間に滞留する湯気Mを除去する部材である。除去部50は、送通管51、気体供給機構52を有する。送通管51の一端は、処理液保持部42と加熱部44とに挿通され、基板W側に露出するように設けられる。すなわち、処理液保持部42の基板W側には、送通管51の開口51aが設けられている。送通管51の他端は、気体供給機構52に接続される。気体供給機構52は、送通管51にNまたは空気などのガスGを送り出し、開口51aからガスGを供給する。これにより、除去部50は、開口51aから、湯気Mに対してガスGを供給し、湯気Mを処理液保持部42と基板Wの間から追い出す。
【0031】
検出部60は、例えば光電センサなどのセンサであり、湯気Mを検出する。なお、本実施形態の光電センサは、投光部と受光部が一体となっている反射型のものとして説明する。検出部60は、処理液保持部42と基板Wの間の空間に光軸を向けるように、保持部20の側方であって、カップ部30の昇降動作に支障のない位置に設けられる。検出部60は、処理液保持部42と基板Wの間の空間に向けて赤外線などの光を照射し、処理液の湯気Mを検出する。検出部60は、湯気Mを検出したことを後述する制御装置70に送信する。
【0032】
なお、検出部60が設けられる位置は、保持部20の側方に限らない。例えば、処理室の壁面に設けても良いし、カップ部30の傾斜した上部に設けられても良い。また、図示しない揺動アームに設けられても良い。この場合、検出部60は、揺動アームによりカップ部30と処理液保持部42との間に移動可能に設けられる。
【0033】
さらに、検出部60は、処理液保持部42と基板Wの間に生じた湯気Mだけでなく、処理液保持部42と基板Wの間から漏れ出てくる湯気Mを検出するように、例えばカップ部30の内側に向けて赤外線を照射するように設けられても良い。これ限らず、検出部60の設置位置は、処理液保持部42と基板Wの間から漏れ出てくる湯気Mを検出することができる位置であればよい。
【0034】
制御装置70は、基板処理装置1に接続され、基板処理装置1の機能を実現するべく、プログラムを実行するプロセッサと、プログラムや動作条件などの各種情報を記憶するメモリ、各要素を駆動する駆動回路を有する。つまり、制御装置70は、回転体10、保持部20、供給部40、除去部50、検出部60などを制御する。また、制御装置70は、情報を入力する入力装置、情報を表示する表示装置を有している。
【0035】
[作用]
次に、基板処理装置1による基板処理について説明する。搬送ロボットのロボットハンドに搭載された基板Wが、処理液保持部42と回転体10との間に搬入され、その縁部が保持部20のチャックピン22bに支持されることにより、回転体10のテーブル10a上に保持される。
【0036】
次いで、回転体10は、比較的低速な所定速度(例えば、50rpm程度)にて回転する。これにより、基板Wが保持部20とともに前記所定速度にて回転する。すなわち、回転体10は、保持部20が保持した基板Wを回転させる。そして、処理液保持部42は、上述の退避位置に位置付けられ、供給機構41は、処理液供給管41cから基板Wの表面に炭酸水を供給する。回転する基板Wの表面に炭酸水が供給されると、その炭酸水が基板Wの外周に向けて順次移動するため、基板Wの表面の帯電量が低下し、放電が抑制される。なお、基板Wの外周に向かって流れ出す処理液は、チャックピン22bの隙間から外部に排出される。
【0037】
次に、供給機構41は、炭酸水の供給を停止する。さらに、処理液保持部42は、上述の処理位置に位置付けられるように下降する。処理液保持部42が処理位置に位置付けられた状態で、供給機構41は、処理液保持部42と基板Wの表面との間の隙間にSPMを供給する。具体的には、各処理液槽41aから硫酸と過酸化水素水とが同時に供給され、処理液供給管41c内部で両者が混合されてSPMとなる。硫酸と過酸化水素水とを混合すると、化学反応により発熱するため、処理液供給管41c内部において、SPMは高温となっている。このような高温のSPMが、基板Wに供給される。このとき、基板Wの表面に形成されるSPMの液膜に対して、処理液保持部42の基板Wに対向する側の面が近接しているので、処理液保持部42と基板Wの表面との間に供給されるSPMは、処理液保持部42に設けられるヒータ441によって加熱され、さらに高温となる。
【0038】
このように、回転する基板Wの表面にSPMが連続的に供給されると、そのSPMが基板Wの外周に向けて順次移動することにより、基板Wの表面の炭酸水がSPMによって置換されつつ、SPMが有するカロ酸の強い酸化力により基板Wの表面上に形成されたレジストが除去される。この時、基板Wの表面に形成される高温のSPMの液膜は、ヒータ441に加熱されてさらに高温となり、蒸気化する。この蒸気化したSPMが冷えることにより湯気Mとなり、処理液保持部42と基板Wとの間に充満する。加熱された処理液から発生した湯気Mは、基板Wに対向して設けられる処理液保持部42により、処理室内部に生じているダウンフローの影響を受けにくいことから、処理液保持部42と基板Wとの間に滞留する。
【0039】
次に、供給機構41は、硫酸の供給を停止して、処理液保持部42と基板Wの表面との間の隙間にリンス液として過酸化水素水を供給する。これは、基板Wの表面上に残留するSPM中の硫酸の成分がリンス液として供給される過酸化水素水と反応しながら洗い流すことで、基板Wの表面上に硫酸の成分が残留することを防ぐことができる。回転する基板Wの表面に過酸化水素水が供給されると、その過酸化水素水が基板Wの外周に向けて順次移動することにより、基板Wの表面のSPMが過酸化水素水に置換される。この時、高温のSPMは、ヒータ441によって加熱されてさらに高温となっているので、常温の過酸化水素水との温度差が大きいものとなり、基板Wの全面において大量の湯気Mが発生する。このように、加熱された処理液に対して供給されたリンス液から発生した大量の湯気Mは、処理液保持部42と基板Wとの間に充満する。なお、ここでは、常温の過酸化水素水がヒータ441によって加熱されて生じたものも湯気Mに含むものとする。湯気Mは、基板Wに対向して設けられる処理液保持部42により、処理室内部に生じているダウンフローの影響を受けにくいことから、処理液保持部42と基板Wとの間に滞留する。そして、処理液保持部42は、過酸化水素水の供給を停止する。
【0040】
次に、検出部60は、処理液保持部42と基板Wの間に発生した湯気Mに向けて赤外線などの光を照射する。上述のように、検出部60は、処理液保持部42と基板Wとの間の空間に向けて赤外線を照射しても良いし、湯気Mが漏れ出てくるカップ部30の内側に向けて赤外線を照射しても良い。検出部60は、湯気Mを検出したことを制御装置70に送信する。
【0041】
次に、制御装置70は、除去部50の気体供給機構52を作動させる。これにより、除去部50は、送通管51の開口51aからガスGを供給し、処理位置に位置付けられた処理液保持部42と基板Wとの間の狭い空間から湯気Mを押し出すように、湯気Mを追い出す。追い出された湯気Mは、処理室内部に生じているダウンフローに流され、カップ部30の底部に設けられた排気口Vから、排気口Vに連通する排気管Pを通って外部に排気される。なお、検出部60は、湯気Mを検出しなくなると、湯気Mを検出しないことを制御装置70に送信する。この場合、制御装置70は、除去部50の気体供給機構52を制御し、ガスGの供給を停止する。
【0042】
最後に、処理液保持部42は、基板Wから離間した退避位置へと上昇して、吐出口42aから、処理液保持部42と基板Wの表面との間の隙間に純水を供給する。回転する基板Wの表面に純水が供給されると、その純水が基板Wの外周に向けて順次移動することにより、基板Wの表面の過酸化水素水が洗い流される。そして、所定の洗浄時間が経過すると、処理液保持部42は、純水の供給を停止する。
【0043】
その後、搬送ロボットのロボットハンドが基板Wの下に挿入され、保持部20のチャックピン22bによる基板Wの保持が開放され、搬送ロボットのロボットハンドによって基板Wが搬出される。基板Wが搬出されると、次に処理される基板が搬入される。このように、本実施形態においては、新たな基板(未処理の基板)が処理室に搬入される前までに、除去部50による湯気Mの除去が行われる。
【0044】
[効果]
(1)本実施形態の基板処理装置1は、処理室に搬入される基板Wを保持する保持部20と、保持部20に保持された基板Wを回転させる回転体10と、保持部20に保持された基W板の表面に処理液を供給し、基板Wの表面に供給された処理液に対してリンス液を供給する供給機構41と、保持部20に保持された基板Wの表面に対向して設けられる、基板Wよりも大径の処理液保持部42と、処理液保持部42を、基板Wの表面に形成された処理液の液膜に近接した処理位置と基板Wの表面から離間した退避位置との間で昇降させる昇降機構43と、保持部20に保持された基板Wの表面に対して供給された処理液を加熱する加熱部44と、保持部20に保持された基板Wを囲うように設けられ、基板Wから飛散する処理液を受けて排液し、処理室内部のダウンフローを排気するカップ部30と、加熱された処理液と加熱された処理液に対して供給されたリンス液とから処理液保持部42と基板Wとの間に発生した湯気Mを除去する除去部50と、を有する。
【0045】
従来の基板処理装置においては、基板が搬出された後も処理液保持部と基板との間に湯気が滞留していると、次に処理するために搬入される基板の表面を汚染するおそれがあった。一方で、本実施形態の基板処理装置1は、除去部50により、処理液保持部42と基板Wとの間に発生した湯気Mを除去することが出来る。これにより、次に処理するために搬入される基板の表面に湯気Mが付着し、この基板の表面を汚染するおそれが抑制される。図3(A)は、従来のように湯気が滞留した状態で搬入した基板の汚染度を、図3(B)は、本実施形態の除去部50により湯気Mを除去してから搬入した基板の汚染度を、それぞれ示している。図3(A)及び図3(B)を比較して明らかなように、除去部50により湯気Mを除去した場合、次に搬入される基板の汚染度が大きく低減される。
【0046】
(2)本実施形態の除去部50は、処理液保持部42と基板Wとの間に発生した湯気Mに対してガスGを供給する気体供給機構52を有する。従来の基板処理装置においては、処理液保持部に遮られて、湯気が処理室内部のダウンフローにより排気されにくかった。一方で、本実施形態の除去部50は、気体供給機構52により、処理液保持部42と基板Wとの間から湯気Mを追い出すので、湯気Mを処理室内部のダウンフローに乗せて、排気管Pから排気させることが出来る。
【0047】
(3)本実施形態の基板処理装置1は、湯気Mを検出する検出部60を有し、除去部50は、湯気Mが検出された場合に湯気Mを除去する。これにより、例えば処理液とリンス液との温度差が少なく、湯気Mが発生しない工程などにおいて、除去部50を作動させる時間を省くことが出来るので、製造効率を向上させることが出来る。
【0048】
[変形例]
本実施形態は、上記のような態様には限定されない。例えば、除去部50の送通管51の本数は、1本に限られない。図4に示すように、供給部40に複数本の送通管51を挿通させても良い。これにより、供給部40と基板Wとの間の空間において、ガスGが満遍なく供給されるので、湯気Mを効率よく排出することが出来るので、湯気Mの除去にかかる時間を短縮することが出来る。なお、図4においては、説明を容易にするために、各部の図示を簡略化している。
【0049】
また、上記実施形態の除去部50は、ガスGを供給する気体供給機構52を有したが、これに限られない。図5に示すように、気体供給機構52の代わりに、気体吸引機構53を有しても良い。気体吸引機構53は、気体供給機構52と同様に、送通管51の他端に設けられる。気体吸引機構53は、図示しない負圧源などからなる排気機構であり、送通管51から、供給部40と基板Wとの間に発生した湯気Mを吸引する。気体吸引機構53は、排気管Pに接続され、吸引した湯気Mを排気管Pから排気する。これにより、処理室内部のダウンフローに頼ることなく、湯気Mを除去することが出来る。また、上述のように複数本の送通管51を挿通させる場合は、これに対応して複数の気体吸引機構53を設けても良い。なお、図5においては、説明を容易にするために、各部の図示を簡略化している。
【0050】
また、除去部50は、気体供給機構52と気体吸引機構53とを有し、両方を併用して湯気Mを除去しても良い。この場合、供給部40に2本の送通管51を挿通させ、一方に気体供給機構52を、他方に気体吸引機構53を設けると良い。また、図6に示すように、送通管51の代わりに、基板Wを側方から挟むように一対のノズル54A、54Bを設けても良い。ノズル54A、54Bは、カップ部30の昇降動作、処理液保持部42の昇降動作、検出部60の検出に支障をきたさない位置に設けられる。ノズル54A、54Bの一端には、開口54aが設けられている。開口54aは、供給部40と基板Wの間の空間に向けて設けられている。ノズル54Aの他端には気体供給機構52が、ノズル54Bの他端には気体吸引機構53が、それぞれ設けられている。
【0051】
気体供給機構52と気体吸引機構53とを同時に作動させることにより、ノズル54Aから供給されるガスGが、湯気Mをノズル54B側に追い出し、ノズル54Bは、湯気Mを吸引排気する。また、この変形例の動作は、処理液保持部42が退避位置に位置付けられるときに行われる。すなわち、上述の実施形態においては、除去部50が湯気Mを除去した後に処理液保持部42が退避位置に位置付けられたが、この変形例においては、処理液保持部42が退避位置に位置付けられた後に気体供給機構52と気体吸引機構53とが動作する。具体的には、処理液保持部42が退避位置に位置付けられた後、純水が供給されることにより、湯気Mが基板Wを中心にして周囲に広がる。この広がった湯気Mを検出部60が検出することにより、気体供給機構52と気体吸引機構53とが動作し、湯気Mが除去される。一方で、処理液保持部42が退避位置に位置付けられていない場合は、検出部60によって湯気Mが検出されたとしても、気体供給機構52と気体吸引機構53とが動作しないように制御しても良い。なお、図6においては、説明を容易にするために、各部の図示を簡略化している。
【0052】
また、一対のノズル54A、54Bの代わりに、ノズル54Aだけを設けても良い。この場合、図7に示すように、クリーンルームの壁面に、排気管Pに連通する排気口Qと、排気口Qを開閉可能なシャッターRを設けても良い。排気口Qは、例えば、基板Wを挟んでノズル54Aに対向する位置に開口される。シャッターRは、エアシリンダまたはモータにより駆動され、排気口Qを開閉可能に設けられる。上述の一対のノズル54A、54Bを設ける場合と同様に、処理液保持部42が退避位置に位置付けられた後、気体供給機構52とシャッターRとを同時に作動させることにより、ノズル54Aから供給されるガスGが供給部40と基板Wの間から湯気Mを追い出し、排気口Qから排気することが出来る。なお、図7においては、説明を容易にするために、各部の図示を簡略化している。
【0053】
上記実施形態の検出部60は、投光部と受光部が一体となっている反射型のものとしたが、これに限られない。検出部60として、投光部と受光部が別体となっている透過型のものを採用しても良い。この場合、投光部と受光部は、基板Wの上方の空間を側面から挟むように設けられると良い。また、検出部60は、光電センサに限らず、カメラなどの撮像部としても良い。この場合、撮像部が取得した撮像画像が制御装置70に送信され、制御装置70において、撮像画像に湯気Mが映っているか否かを判定すればよい。
【0054】
さらに、検出部60を省略しても良い。この場合、湯気Mが発生するタイミング、例えば過酸化水素水を供給するタイミングや、処理液保持部42が退避位置に位置付けられた後純水を供給するタイミングに合わせて除去部50を動作させればよい。また、除去部50を動作させた後は、所定の時間が経過した場合に、除去部50を自動的に停止させても良い。所定の時間は、例えば、除去部50の動作開始後、処理の終わった基板Wが搬出され、次に基板が搬入されるまでの時間である。
【0055】
上記実施形態の複数種の処理液は、供給機構41の処理液供給管41cから供給されたが、これに限られない。例えば、除去部50の送通管51から供給されても良い。例えば、送通管51の他端が二股に分かれ、その一方に気体供給機構52が設けられ、その他方に処理液槽41a、送通管41b、流量調整バルブ41d、流量計41eが設けられても良い。これにより、例えば、ガスGと純水の両方を送通管51から供給することが出来る。
【0056】
また、供給機構41に加えて、供給機構41と同様に処理液槽や処理液供給管などを備える別の供給機構を設けても良い。これにより、例えば供給機構41からはSPMを供給し、別の供給機構からはリンス液として過酸化水素水と純水とを供給しても良い。この場合、別の供給機構の処理液供給管も、処理液供給管41cや送通管51と同様に、処理液保持部42に挿通される。
【0057】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 基板処理装置
10 回転体
11 固定ベース
12 モータ
13 回転機構
20 保持部
21 回動部材
22 保持部材
23 駆動機構
231 駆動軸
232 小ギヤ
233 大ギヤ
30 カップ部
40 供給部
41 供給機構
42 処理液保持部
43 昇降機構
44 加熱部
441 ヒータ
50 除去部
51 送通管
52 気体供給機構
53 気体吸引機構
60 検出部
70 制御装置
A 回転軸
F フィルタ
G ガス
M 湯気
P 排気管
Q 排気口
R シャッター
V 排気口
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7