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  • 特開-シフト装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152544
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20231010BHJP
   B60K 20/06 20060101ALN20231010BHJP
【FI】
B60K20/02 A
B60K20/02 E
B60K20/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062654
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 巧
【テーマコード(参考)】
3D040
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA10
3D040AA14
3D040AA24
3D040AA33
3D040AB01
3D040AC05
3D040AC13
3D040AC57
3D040AD15
(57)【要約】
【課題】回転体が誤って回転されることを抑制する。
【解決手段】シフト装置10では、Dレバー16が正方向に回動操作された際に、Dレバー16のD片16Cによってシャフト12のD突起12Aが押圧されて、シャフト12が回転される。ここで、Dレバー16が逆方向に回動操作されても、D片16CによってD突起12Aが押圧されないため、シャフト12が回転されない。このため、シャフト12が誤って回転されることを抑制できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転されて変速機のシフトレンジが変更される回転体と、
正方向に移動されて前記回転体が回転されると共に、逆方向に移動されても前記回転体が回転されない移動体と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記移動体が一対設けられると共に、一方の前記移動体の正方向への移動による前記回転体の回転方向と他方の前記移動体の正方向への移動による前記回転体の回転方向とが反対方向にされる請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
一方の前記移動体が逆方向に移動されることで前記回転体が回転されずに他方の前記移動体が移動されない請求項2記載のシフト装置。
【請求項4】
一方の前記移動体が正方向に移動されることで前記回転体が回転されて他方の前記移動体が逆方向に移動される請求項2記載のシフト装置。
【請求項5】
前記回転体を保持して前記回転体の回転が制限される回転保持機構が設けられる請求項1記載のシフト装置。
【請求項6】
前記移動体を保持して前記移動体の移動が制限される移動保持機構が設けられる請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体が移動されて回転体が回転されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の選択装置では、選択要素が回動されることで、穴付きホイールが回転されて、変速装置のシフトレンジが変更される。
【0003】
ここで、この選択装置では、選択要素が前側に回動された際及び選択要素が後側に回動された際に、穴付きホイールが回転される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014-505630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、回転体が誤って回転されることを抑制できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、回転されて変速機のシフトレンジが変更される回転体と、正方向に移動されて前記回転体が回転されると共に、逆方向に移動されても前記回転体が回転されない移動体と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記移動体が一対設けられると共に、一方の前記移動体の正方向への移動による前記回転体の回転方向と他方の前記移動体の正方向への移動による前記回転体の回転方向とが反対方向にされる。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第2態様のシフト装置において、一方の前記移動体が逆方向に移動されることで前記回転体が回転されずに他方の前記移動体が移動されない。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第2態様又は第3態様のシフト装置において、一方の前記移動体が正方向に移動されることで前記回転体が回転されて他方の前記移動体が逆方向に移動される。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記回転体を保持して前記回転体の回転が制限される回転保持機構が設けられる。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つのシフト装置において、前記移動体を保持して前記移動体の移動が制限される移動保持機構が設けられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、移動体が正方向に移動されることで、回転体が回転されて、変速機のシフトレンジが変更される。
【0013】
ここで、移動体が逆方向に移動されても、回転体が回転されない。このため、回転体が誤って回転されることを抑制できる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、移動体が一対設けられており、一方の移動体の正方向への移動による回転体の回転方向と他方の移動体の正方向への移動による回転体の回転方向とが反対方向にされる。このため、一方の移動体の正方向への移動と他方の移動体の正方向への移動とによって、回転体を反対方向に回転させることができる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、一方の移動体が逆方向に移動されることで、回転体が回転されずに、他方の移動体が移動されない。このため、他方の移動体の移動を制限できる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、一方の移動体が正方向に移動されることで、回転体が回転されて、他方の移動体が逆方向に移動される。このため、他方の移動体の正方向への移動を制限できる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、回転保持機構が回転体を保持して、回転体の回転が制限される。このため、回転体が不要に回転されることを抑制できる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、移動保持機構が移動体を保持して、移動体の移動が制限される。このため、移動体が不要に移動されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す右斜め後方から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す右斜め前方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るシフト装置においてDレバーが前側に回動された際を示す右斜め後方から見た斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るシフト装置においてDレバーが後側に回動された際を示す右斜め後方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が右斜め後方から見た斜視図にて示されており、図2には、シフト装置10が右斜め前方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0021】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のステアリングコラム(図示省略)に設置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前側、右側及び上側に向けられている。
【0022】
図1及び図2に示す如く、シフト装置10には、回転体としての略円柱状のシャフト12が設けられており、シャフト12は、ステアリングコラムに支持されている。シャフト12の軸方向は、左右方向にされており、シャフト12は、中心軸線周りの一方向A及び他方向Bに所定範囲で回転可能にされている。シャフト12は、シフト位置としての「H」位置(ホーム位置)に配置されており、シャフト12は、「H」位置から一方向A及び他方向Bに回転されて、それぞれシフト位置としての「D」位置(ドライブ位置)及び「R」位置(リバース位置)に配置される。
【0023】
シャフト12の右部には、被係合部(第1被係合部)としての矩形板状のD突起12Aが一体に設けられており、D突起12Aは、シャフト12から上側に突出されると共に、前後方向に垂直に配置されている。シャフト12の右部には、被係合部(第2被係合部)としての矩形板状のR突起12Bが一体に設けられており、R突起12Bは、シャフト12から下側に突出されると共に、前後方向に垂直に配置されている。
【0024】
シャフト12の前側には、回転保持機構としての回転節度機構14が設けられている。
【0025】
シャフト12の右部には、回転付勢部材としての略円柱状の回転ピン14Aが設けられており、回転ピン14Aは、シャフト12から前側に突出されると共に、先端面(前端面)が球面状に突出されている。回転ピン14Aは、シャフト12の径方向に移動可能にされており、回転ピン14Aは、シャフト12の径方向外側(前側)に付勢されている。回転ピン14Aの前側には、回転保持部材としての略湾曲板状の回転板14Bが固定されており、回転板14Bは、シャフト12の周方向に沿って配置されている。回転板14Bには、断面略三角形状の回転溝14Cが形成されており、回転溝14Cは、中央位置からシャフト12の周方向両外側へ向かうに従いシャフト12側へ向かう方向に傾斜されている。
【0026】
回転ピン14Aは、付勢力により回転溝14Cの中央位置に係合されており、これにより、回転ピン14Aの回転溝14Cに対する回転が制限されて、シャフト12の回転が制限されることで、シャフト12が「H」位置に保持されている。シャフト12が「H」位置から回転される際には、回転ピン14Aが付勢力に抗して回転溝14Cの中央位置から回転されて、シャフト12に回転抵抗力が作用される。シャフト12が「H」位置以外に回転された状態で、シャフト12に作用される回転力が解除された際には、回転ピン14Aが付勢力により回転溝14Cの中央位置に回転されて、シャフト12が「H」位置に回転(復帰)される。
【0027】
シャフト12の右側部分の上側には、移動体(第1移動体)としての略矩形柱状のDレバー16が設けられている。Dレバー16の右端部には、略半楕円形板状の上支持板16Aが一体に設けられており、上支持板16Aは、下側に突出されている。Dレバー16の左端部には、略U字形板状の上嵌合板16Bが一体に設けられており、上嵌合板16Bは、下側に突出されると共に、内部が下側に開放されている。上支持板16Aには、シャフト12が回転可能に貫通かつ嵌合されると共に、上嵌合板16B内には、シャフト12が回転可能に嵌合されており、これにより、Dレバー16がシャフト12に所定範囲で回動(移動)可能に支持されている。Dレバー16は、前後方向に垂直な初期位置に配置されると共に、車室内に露出されており、Dレバー16は、乗員(特に運転者)により初期位置から正方向(前側)及び逆方向(後側)に回動操作可能にされている。
【0028】
Dレバー16の右側には、移動保持機構(第1移動保持機構)としてのD節度機構18が設けられている。
【0029】
Dレバー16の右部には、移動付勢部材としての略円柱状のDピン18Aが設けられており、Dピン18Aは、Dレバー16から右側に突出されると共に、先端面(右端面)が球面状に突出されている。Dピン18Aは、左右方向(シャフト12の軸方向)に移動可能にされており、Dピン18Aは、右側に付勢されている。Dピン18Aの右側には、移動保持部材としての略円弧形板状のD板18Bが固定されており、D板18Bは、シャフト12の周方向に沿って配置されている。D板18Bには、断面略三角形状のD溝18Cが形成されており、D溝18Cは、中央位置からシャフト12の周方向両外側へ向かうに従い左側へ向かう方向に傾斜されている。
【0030】
Dピン18Aは、付勢力によりD溝18Cの中央位置に係合されており、これにより、Dピン18AのD溝18Cに対する回動が制限されて、Dレバー16の回動が制限されることで、Dレバー16が初期位置に保持されている。Dレバー16が初期位置から回動される際には、Dピン18Aが付勢力に抗してD溝18Cの中央位置から回動されて、Dレバー16に回動抵抗力が作用される。Dレバー16が初期位置以外に回動された状態で、Dレバー16に作用される回動力が解除された際には、Dピン18Aが付勢力によりD溝18Cの中央位置に回動されて、Dレバー16が初期位置に回動(復帰)される。
【0031】
Dレバー16の下部には、上支持板16Aと上嵌合板16Bとの間の位置において、係合部(第1係合部)としての矩形板状のD片16Cが形成されており、D片16Cは、シャフト12のD突起12Aの後側において、前後方向に垂直に配置されている。
【0032】
シャフト12の右側部分の下側には、移動体(第2移動体)としての略矩形柱状のRレバー20が設けられている。Rレバー20の右端部には、略半楕円形板状の下支持板20Aが一体に設けられており、下支持板20Aは、上側に突出されている。Rレバー20の左端部には、略U字形板状の下嵌合板20Bが一体に設けられており、下嵌合板20Bは、上側に突出されると共に、内部が上側に開放されている。下支持板20Aには、シャフト12が回転可能に貫通かつ嵌合されると共に、下嵌合板20B内には、シャフト12が回転可能に嵌合されており、これにより、Rレバー20がシャフト12に所定範囲で回動(移動)可能に支持されている。Rレバー20は、前後方向に垂直な初期位置に配置されると共に、車室内に露出されており、Rレバー20は、乗員により初期位置から正方向(前側)及び逆方向(後側)に回動操作可能にされている。
【0033】
Rレバー20の右側には、移動保持機構(第2移動保持機構)としてのR節度機構22が設けられている。
【0034】
Rレバー20の右部には、移動付勢部材としての略円柱状のRピン22Aが設けられており、Rピン22Aは、Rレバー20から右側に突出されると共に、先端面(右端面)が球面状に突出されている。Rピン22Aは、左右方向(シャフト12の軸方向)に移動可能にされており、Rピン22Aは、右側に付勢されている。Rピン22Aの右側には、移動保持部材としての略円弧形板状のR板22Bが固定されており、R板22Bは、シャフト12の周方向に沿って配置されている。R板22Bには、断面略三角形状のR溝22Cが形成されており、R溝22Cは、中央位置からシャフト12の周方向両外側へ向かうに従い左側へ向かう方向に傾斜されている。
【0035】
Rピン22Aは、付勢力によりR溝22Cの中央位置に係合されており、これにより、Rピン22AのR溝22Cに対する回動が制限されて、Rレバー20の回動が制限されることで、Rレバー20が初期位置に保持されている。Rレバー20が初期位置から回動される際には、Rピン22Aが付勢力に抗してR溝22Cの中央位置から回動されて、Rレバー20に回動抵抗力が作用される。Rレバー20が初期位置以外に回動された状態で、Rレバー20に作用される回動力が解除された際には、Rピン22Aが付勢力によりR溝22Cの中央位置に回動されて、Rレバー20が初期位置に回動(復帰)される。
【0036】
Rレバー20の上部には、下支持板20Aと下嵌合板20Bとの間の位置において、係合部(第2係合部)としての矩形板状のR片20Cが形成されており、R片20Cは、シャフト12のR突起12Bの後側において、前後方向に垂直に配置されている。
【0037】
シャフト12の左端部には、被検出部としての矩形板状のマグネット24が固定されており、マグネット24は、シャフト12と一体回転されると共に、後側に露出されている。マグネット24の後側には、検出部としての磁気センサ26が固定されており、磁気センサ26は、マグネット24が発生する磁場の方向を検出する。これにより、マグネット24の回転位置が検出されて、シャフト12の回転位置が検出されることで、シャフト12のシフト位置が検出される。
【0038】
磁気センサ26には、車両の制御装置28が電気的に接続されており、制御装置28には、車両の変速機30(自動変速機)が電気的に接続されている。
【0039】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0040】
以上の構成のシフト装置10では、シャフト12が「H」位置に配置されている。
【0041】
Dレバー16が正方向(前側)に回動操作された際には、Dレバー16のD片16Cによってシャフト12のD突起12Aが前側に押圧されることで、シャフト12が、一方向Aに回転されて、「D」位置に回転される(図3参照)。そして、シャフト12が「D」位置に回転されたことをシャフト12のマグネット24によって磁気センサ26が検出することで、制御装置28の制御により変速機30のシフトレンジが「D」レンジ(ドライブレンジ)に変更される。
【0042】
Rレバー20が正方向(前側)に回動操作された際には、Rレバー20のR片20Cによってシャフト12のR突起12Bが前側に押圧されることで、シャフト12が、他方向Bに回転されて、「R」位置に回転される。そして、シャフト12が「R」位置に回転されたことをシャフト12のマグネット24によって磁気センサ26が検出することで、制御装置28の制御により変速機30のシフトレンジが「R」レンジ(リバースレンジ)に変更される。
【0043】
ここで、Dレバー16が逆方向(後側)に回動操作されても、Dレバー16のD片16Cによってシャフト12のD突起12Aが押圧されないため、シャフト12が回転されない(図4参照)。また、Rレバー20が逆方向(後側)に回動操作されても、Rレバー20のR片20Cによってシャフト12のR突起12Bが押圧されないため、シャフト12が回転されない。このため、シャフト12が誤って回転されることを抑制でき、変速機30のシフトレンジが誤って変更されることを抑制できる。
【0044】
また、Dレバー16の正方向への回動によるシャフト12の回転方向が一方向Aにされると共に、Rレバー20の正方向への回動によるシャフト12の回転方向が他方向Bにされる。このため、Dレバー16の正方向への回動とRレバー20の正方向への回動とによって、シャフト12を反対方向に回転させることができて、変速機30のシフトレンジを異なるシフトレンジに変更できる。
【0045】
さらに、Dレバー16が逆方向に回動操作されても、シャフト12が回転されずに、Rレバー20が回動されない(図4参照)。このため、Rレバー20の回動を制限でき、Rレバー20が回動されて変速機30が変更されたと認識されることを抑制できる。
【0046】
しかも、Rレバー20が逆方向に回動操作されても、シャフト12が回転されずに、Dレバー16が回動されない。このため、Dレバー16の回動を制限でき、Dレバー16が回動されて変速機30が変更されたと認識されることを抑制できる。
【0047】
また、Dレバー16が正方向に回動操作された際には、シャフト12が一方向Aに回転されることで、シャフト12のR突起12BによってRレバー20のR片20Cが後側に押圧されて、Rレバー20が逆方向に回動される(図3参照)。このため、Rレバー20の正方向への回動を制限でき、Rレバー20が正方向に回動されて変速機30が「R」レンジに変更されたと認識されることを抑制できる。
【0048】
しかも、Rレバー20が正方向に回動操作された際には、シャフト12が他方向Bに回転されることで、シャフト12のD突起12AによってDレバー16のD片16Cが後側に押圧されて、Dレバー16が逆方向に回動される。このため、Dレバー16の正方向への回動を制限でき、Dレバー16が正方向に回動されて変速機30が「D」レンジに変更されたと認識されることを抑制できる。
【0049】
また、回転節度機構14において、回転ピン14Aが付勢力により回転板14Bの回転溝14Cの中央位置に係合されることで、シャフト12が「H」位置に保持されて、シャフト12の「H」位置からの回転が制限される。このため、シャフト12が不要に回転されることを抑制できる。
【0050】
さらに、D節度機構18において、Dピン18Aが付勢力によりD板18BのD溝18Cの中央位置に係合されることで、Dレバー16が初期位置に保持されて、Dレバー16の初期位置からの回動が制限される。このため、Dレバー16が不要に回動されることを抑制できる。
【0051】
しかも、R節度機構22において、Rピン22Aが付勢力によりR板22BのR溝22Cの中央位置に係合されることで、Rレバー20が初期位置に保持されて、Rレバー20の初期位置からの回動が制限される。このため、Rレバー20が不要に回動されることを抑制できる。
【0052】
なお、本実施形態では、Dレバー16及びRレバー20(移動体)が回動される。しかしながら、移動体が回転又はスライド(移動)されてもよい。そして、移動体が回転される場合には、例えば移動体とシャフト12との間にギヤ機構が設けられて、移動体の回転によりシャフト12が回転されてもよい。さらに、移動体がスライドされる場合には、例えば移動体とシャフト12との間にラックアンドピニオン機構が設けられて、移動体のスライドによりシャフト12が回転されてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、シフト装置10が車両のステアリングコラムに設置される。しかしながら、シフト装置10が車両の他の部分(インストルメントパネル又はコンソール等)に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10・・・シフト装置、12・・・シャフト(回転体)、14・・・回転節度機構(回転保持機構)、16・・・Dレバー(移動体)、18・・・D節度機構(移動保持機構)、20・・・Rレバー(移動体)、22・・・R節度機構(移動保持機構)、30・・・変速機
図1
図2
図3
図4