(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152562
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062683
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】根岸 大悟
(72)【発明者】
【氏名】小林 和広
(72)【発明者】
【氏名】井本 武臣
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 哲志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 洋介
(72)【発明者】
【氏名】神谷 一臣
(72)【発明者】
【氏名】小林 航
(72)【発明者】
【氏名】清水 嘉允
(72)【発明者】
【氏名】藤田 泰誠
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BA15
2C088BA43
2C088CA15
2C088EA10
2C333AA11
2C333CA79
2C333DA01
2C333DA04
(57)【要約】
【課題】差球に基づく遊技の停止の処理を実行するに際し、ハードウェア資源の負荷が増加し不具合が発生するような事態を極力防止可能な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技の進行を制御する遊技制御手段と、所定の条件が成立することに基づき、所定量の遊技価値を付与する付与手段と、所定の開始条件が成立することに基づき、経過時間の計測を開始する計時手段と、を備え、所定の算出開始時点からの付与手段による付与に係る遊技価値の量、及び遊技に用いられた遊技価値の量の差である差分量が特定量に到達したことに基づき、遊技不可状態を設定可能であり、計測された経過時間が所定時間に達すると、所定の処理を実行可能に設定された遊技機において、遊技不可状態が設定されても計測を継続するように設定する。
【選択図】
図56
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
所定の条件が成立することに基づき、所定量の遊技価値を付与する付与手段と、
所定の開始条件が成立することに基づき、経過時間の計測を開始する計時手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、所定の算出開始時点からの前記付与手段による付与に係る遊技価値の量、及び遊技に用いられた遊技価値の量の差である差分量が特定量に到達したことに基づき、遊技の進行が不可となる遊技不可状態を設定可能であり、
前記計時手段により計測された経過時間が所定時間に達すると、所定の処理を実行可能に設定された遊技機であって、
前記計時手段による計測が行われている場合において、前記遊技不可状態が設定されても前記計測を継続することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
所定の示唆を実行可能な示唆手段を備え、
前記示唆手段は、前記遊技不可状態が設定されると、前記遊技不可状態の設定中である旨を示唆する遊技不可状態示唆を実行可能であるとともに、前記計時手段により計測された経過時間が所定時間に達すると、前記所定の処理として前記遊技不可状態示唆と異なる特定示唆を実行可能であり、
前記遊技不可状態の設定中に、前記計時手段により計測された経過時間が所定時間に達した場合、前記特定示唆の実行が制限されることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、始動入賞口への遊技球の入球を条件に大当たりの抽選を行い、この抽選により大当たりに当選すると大入賞口が開放される特別遊技を実行するパチンコ機や、遊技メダルを投入しスタートスイッチを操作することにより役抽選を行い、役抽選によりボーナスに当選するとボーナス遊技を実行可能なスロットマシンが知られている。パチンコ機においては、始動入賞口や特別遊技中に開放される大入賞口等の入賞口へ遊技球が入球すると、各入賞口に対応して予め定められた所定個数の遊技球が払い出される(所定量の遊技価値を付与する)。スロットマシンにおいては、小役が入賞すると、小役の種類に対応して予め定められた所定枚数の遊技メダルが払い出される(所定量の遊技価値を付与する)。
また、これらの遊技機では、遊技者の興趣を高めるべく、大当たりの抽選の結果や役抽選の結果に関する示唆を行う特定の演出が実行されるようになっているのが一般的である。
さらに近年では、上述のような遊技機として、大量の遊技球(遊技メダル)を獲得することで遊技の射幸性が高くなり過ぎるような事態を防止すべく、払い出された遊技球(遊技メダル)の数と遊技に用いられた遊技球(遊技メダル)の数との差数である差球が特定数に到達すると、遊技を停止するようなものが考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機では、所定時点からの経過時間を計測し、この経過時間に応じた処理を実行するようなこと(たとえば、遊技者が遊技を行っていない待機状態の開始からの経過時間に応じて、消費電力が抑制される省電力状態へ移行させること等)が行われている。
ここで、差球が特定数に到達し遊技が停止する際には、実行中の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる等、種々のイレギュラーな処理が実行されるが、このようなイレギュラーな処理の実行が多くなると、実行プログラムの数が増加することでROM等のハードウェア資源の負荷が増加するとともに、プログラム上の不備等による不具合が発生する可能性が高まるといった問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、差球に基づく遊技の停止の処理を実行するに際し、ハードウェア資源の負荷が増加し不具合が発生するような事態を極力防止可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、所定の条件が成立することに基づき、所定量の遊技価値を付与する付与手段と、所定の開始条件が成立することに基づき、経過時間の計測を開始する計時手段と、を備え、前記遊技制御手段は、所定の算出開始時点からの前記付与手段による付与に係る遊技価値の量、及び遊技に用いられた遊技価値の量の差である差分量が特定量に到達したことに基づき、遊技の進行が不可となる遊技不可状態を設定可能であり、前記計時手段により計測された経過時間が所定時間に達すると、所定の処理を実行可能に設定された遊技機であって、前記計時手段による計測が行われている場合において、前記遊技不可状態が設定されても前記計測を継続することを特徴とする。
ここで、遊技価値とは、遊技球や遊技メダル等の物理的な遊技媒体の他、遊技媒体と同等の価値を有するデータであって、遊技媒体の数に相当する値が記憶される数値データを含む意味である。また、遊技価値を付与するとは、所定の条件の成立に基づき、対応する量の遊技球や遊技メダル等の遊技媒体の実際の払い出しを行う(物理的な遊技媒体の払い出しを実行する)ことの他、所定の条件の成立に基づき、対応する量を上述の数値データに加算することを含む意味である。
以上より、本発明に係る遊技機には、所定の条件の成立に基づき、対応する量の遊技球や遊技メダル等の遊技媒体の実際の払い出しを行う(物理的な遊技媒体の払い出しを実行する)ことで遊技価値を付与する遊技機の他、遊技媒体と同等の価値を有し遊技媒体の数に相当する値が記憶される数値データを備え、所定の条件の成立に基づき、遊技媒体の払い出しを行う代わりに、所定の条件の成立に基づき、対応する量を上述の数値データに加算することで遊技価値を付与する遊技機が含まれる。
また、所定の条件とは、遊技機がパチンコ機であった場合には、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられた入賞口(始動入賞口、大入賞口等)へ入球したこと等が挙げられる。また、遊技機がスロットマシンであった場合には、役抽選により小役に当選し、すべての回転リールが停止したときに当選した小役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されること等が挙げられる。
【0008】
本発明に係る遊技機においては、差球に基づき遊技の進行が不可となる遊技不可状態が設定されても、所定の開始状態の成立に基づき開始された経過時間の計測が継続されるようになっている。したがって、経過時間の計測を停止する処理を実行する必要がなく、差球に基づく遊技不可状態の設定にあたり、経過時間の計測を停止する処理を実行するためのプログラム等を別途設ける必要が無いため、ハードウェア資源の負荷が増加し不具合が発生するような事態を極力防止可能となる。
また、遊技不可状態が設定されても、経過時間が所定時間に達すると、所定の処理を実行できることとなる。
【0009】
(2)また、本発明に係る遊技機は、所定の示唆を実行可能な示唆手段を備え、前記示唆手段は、前記遊技不可状態が設定されると、前記遊技不可状態の設定中である旨を示唆する遊技不可状態示唆を実行可能であるとともに、前記計時手段により計測された経過時間が所定時間に達すると、前記所定の処理として前記遊技不可状態示唆と異なる特定示唆を実行可能であり、前記遊技不可状態の設定中に、前記計時手段により計測された経過時間が所定時間に達した場合、前記特定示唆の実行が制限されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、差球に基づく遊技の停止の処理を実行するに際し、ハードウェア資源の負荷が増加し不具合が発生するような事態を極力防止可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図5】パチンコ機の主制御基板の外観斜視図である。
【
図6】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図19】パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。
【
図20】パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。
【
図21】パチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における電断復帰時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における差球制御リセット処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における大入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における一般入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板におけるアウト検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における大当たり抽選処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図41】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図42】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図43】パチンコ機の主制御基板における普通図柄抽選処理の概略を示すフローチャートである。
【
図44】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図45】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図46】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図47】パチンコ機の主制御基板におけるソレノイド制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図48】パチンコ機の主制御基板における差球関連コマンドセット処理の概略を示すフローチャートである。
【
図49】パチンコ機の主制御基板における差球判定制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図50】パチンコ機の主制御基板における設定関連処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】パチンコ機の各種演出や各種示唆の態様の一例を示す図である。
【
図52】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図53】パチンコ機の音量設定画像の態様の一例を示す図である。
【
図54】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図55】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図56】パチンコ機の副制御基板における待機状態開始コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図57】パチンコ機の副制御基板における始動入賞コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図58】パチンコ機の副制御基板における回転操作コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図59】パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図60】パチンコ機の副制御基板における変動開始時位置補正処理の概略を示すフローチャートである。
【
図61】パチンコ機の副制御基板における差球関連コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図62】パチンコ機の副制御基板における発動状態設定時役物制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図63】パチンコ機の副制御基板における賞球指定コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図64】パチンコ機の副制御基板におけるエラー示唆コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図65】パチンコ機の副制御基板におけるエラー解除コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図66】パチンコ機の副制御基板における待機状態中操作制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図67】パチンコ機の副制御基板におけるデモ表示制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図68】パチンコ機の副制御基板における省電力状態制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図69】パチンコ機の副制御基板における現スピーカ音量変更処理の概略を示すフローチャートである。
【
図70】パチンコ機の副制御基板における発動警告前音量調整処理の概略を示すフローチャートである。
【
図71】パチンコ機の副制御基板における発動警告・予告中音量調整処理の概略を示すフローチャートである。
【
図72】パチンコ機の副制御基板における発動中音量調整処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
また、
図1に示すように、前扉3の外周には、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う前扉演出ランプDLが設けられており、前扉3の外周における左上部には、種々の色で発光することで、所定の発生条件の成立により生じる種々の状態を報知する状態報知ランプELが設けられている。前扉演出ランプDL及び状態報知ランプELはいずれも、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って各種演出や各種示唆(報知)を行う演出表示装置21、盤面演出ランプGL、右打ち報知ランプRL及び役物演出装置YSと、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられている。一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄が決定される。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行の可否、特別遊技の終了後に設定される遊技状態等が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、特別遊技の実行等の遊技利益を受けられるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。この開閉扉18bは、大入賞口18を開放する開位置と、大入賞口18を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
そして、常態においては、開閉扉18bが閉位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが閉じられ)大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが開き)大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。
そして、アウト口19に受け入れられた遊技球、及び、上述した各入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)は全て、アウト通路(特に図示しておらず)を経て、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられている。
表示部21aにおいては、背景画像が表示されるほか、特別図柄の変動表示に伴って実行される変動演出が行われる。この変動演出では、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知(示唆)されるようになっている。
また、特別遊技中は、表示部21aにおいて、特別遊技の開始時に実行されるオープニング演出、後述するラウンド遊技中に実行されるラウンド遊技演出、全てのラウンド遊技が終了した後(特別遊技の終了時)に実行されるエンディング演出(以下、オープニング演出、ラウンド遊技演出、エンディング演出をまとめて特別遊技中演出ともいう)が行われる。オープニング演出ではオープニング画像が表示され、ラウンド遊技演出ではラウンド遊技画像が表示され、エンディング演出ではエンディング画像が表示されるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
盤面演出ランプGLは、
図2に示すように、遊技領域12の上部に設けられており、種々の色や発光パターンで発光することにより演出や示唆を行う装置である。盤面演出ランプGLは、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。なお、盤面演出ランプGLの設置位置や設置個数は特に限定されるものではない。
右打ち報知ランプRLは、特に図示していないが、演出表示装置21の右側に設けられており、点灯及び消灯が可能なLEDにより構成されている。
【0029】
役物演出装置YSは、所定の態様で作動することにより演出を行う装置である。
本形態の役物演出装置YSは、
図2に示すように円板形状の構造物となっており、駆動モータM(特に図示しておらず)により、遊技領域12の中央上部に対応する初期位置から、遊技領域12のほぼ中央に対応する可動位置までの範囲内で上下に変位(移動)可能となっている。また、役物演出装置YSは、可動位置において、回転モータRM(特に図示しておらず)により、時計回り又は反時計回りに回転可能となっている。役物演出装置YSは、常態においては初期位置に停留しており、種々のタイミング(たとえば、後述するリーチ発展演出の実行中等)で可動位置まで変位し、この可動位置において、時計回り又は反時計回りに回転(所定の態様で作動)する役物回転演出が行われるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の初期位置は演出表示装置21の上端よりも上方の位置となっており、上述の可動位置は演出表示装置21のほぼ中央の位置となっている。すなわち、役物演出装置YSは、常態において停留する初期位置では演出表示装置21と重ならないようになっているものの、可動位置では演出表示装置21と所定の間隙を挟み、その前面において重なるようになっている。これにより、常態においては、演出表示装置21で実行される変動演出が役物演出装置YSによって妨げられるのを防止し、当該変動演出の視認性を確保することができる。一方、役物回転演出は、役物演出装置YSが可動位置まで変位して行われるため、当該役物回転演出に対し遊技者を注目させることができる。
なお、役物演出装置YSにより実行される演出としては、役物回転演出に限定されるものではない。たとえば、役物演出装置YSにLED等のランプを設け、このランプが所定の態様で点灯するような演出を実行できるようにしてもよい。
【0030】
上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。演出操作装置9は、回転操作が可能な操作ダイヤル9aと押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、操作ボタン9bには専用のランプ(たとえば、複数色の発光が可能なLED)を設け、所定のタイミングにおいて所定の態様により点灯させることで、演出効果を向上させるようにしてもよい。
【0031】
上皿6における演出操作装置9の右側には、遊技者が操作可能な十字キー25が設けられている(
図1参照)。この十字キー25は、上キー、下キー、左キー及び右キーを備えている。本形態に係るパチンコ機Pでは、十字キー25における上キー又は下キーの押下操作を行うことで、音声出力装置10の音量(すなわち、音声出力装置10から出力される音声や楽曲の音量)を後述する複数段階の範囲内で変更できるようになっている。
なお、音声出力装置10の音量の変更は、十字キー25の押下操作により行うのではなく、上述の演出操作装置9の操作により行うことができるように設定してもよい。また、遊技者がタッチ操作可能なタッチパネルを設け、このタッチパネル上に音声出力装置10の音量の変更を行うためのボタン部を表示し、当該ボタン部のタッチ操作により音声出力装置10の音量の変更を行うことができるように設定してもよい。
【0032】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0033】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0034】
また、遊技盤11の裏面側には、
図4に示すように、後述する設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100が透明箱型の主制御基板ケース150に収納された状態で取り付けられており、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200が透明箱型の発射払出制御基板ケース250に収納された状態で取り付けられており、各種演出を制御する副制御基板300が透明箱型の副制御基板ケース350に収納された状態で取り付けられており、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が透明箱型の遊技球貸出制御基板ケース450に収納された状態で取り付けられている。
【0035】
また、この遊技盤11の裏面側には、各基板に電源を供給するための電源基板600が設けられており、この電源基板600には電源スイッチ650が設けられている。
電源スイッチ650はオン又はオフに切り替えることが可能となっており、電源スイッチ650がオンになると電源基板600から各基板に電源が供給され、電源スイッチ650がオフになると電源基板600から各基板への電源の供給が停止する。
なお、本明細書においては、電源スイッチ650がオンになり電源が供給されることを「電源がオン」になるともいい、電源スイッチ650がオフになり電源の供給が停止することを「電源がオフ」になるともいうものとする。
【0036】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの作動を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は、
図6に示すように、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300、遊技球貸出制御基板400及び電源基板600により構成されている。
また、
図6に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。また、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の信号(情報)をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に送信するための外部情報端子基板500が接続されている。また、各基板には電源基板600が接続されている。
【0037】
(主制御基板100の概要)
主制御基板100は、上述の如く、設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものである。具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、及び上述の特別遊技等を制御する。
【0038】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、設定値の違いにより、後述する大当たりの当選確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する大当たりの当選確率を定めた大当たり決定乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた大当たり決定乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
なお、設定値は6段階ではなく、2段階~5段階としてもよいし、1つの設定値のみ設けてもよい。
【0039】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、電源がオンとなっているときには、遊技を実行可能な遊技可能状態、設定されている設定値を確認可能な設定確認状態、設定されている設定値を変更可能な設定変更状態、並びに、遊技の実行、設定値の確認及び変更が不可能な遊技停止状態の4つの制御状態のうちのいずれかに滞在するようになっている。
そして、パチンコ機Pの制御状態が設定変更状態であるときに、所定の操作を行うことで、設定されている設定値を変更できる(切り替えることができる)ようになっている。
設定値の記憶や変更、電源がオンとなったときに設定される制御状態等については、後程詳述する。
【0040】
本形態における主制御基板100は、
図5に示すように、長方形板状の基板であって、配線パターンが片面にのみ設けられた片面基板(1層基板)となっている。なお、主制御基板100は、配線パターンが両面に設けられた両面基板(2層基板)を採用してもよい。
【0041】
また、主制御基板100の表面には、
図5に示すように、メインCPU101、メインROM102及びメインRAM103を一体に構成したワンチップ型のメインIC104その他複数のICと、メイン情報表示装置105、コネクタ106、設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109等が設けられている。
【0042】
メインCPU101は、各種演算処理を行う装置である。また、メインROM102は、パチンコ機Pのスペック(大当たりの当選確率の高低の種類、特別遊技終了後の遊技状態の決定の方法等)を示すスペックコード、遊技に必要な制御プログラム、テーブル等(後述する大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111等)を格納する記憶領域を備えた装置(Read Only Memory)である。また、メインRAM103は、上述の設定値、パチンコ機Pの制御状態、遊技の進行に係る各種データ等を記憶可能であるとともに、メインCPU101による演算処理時の一時的なデータの記憶等に用いられる読み書き可能な記憶領域を備えた装置(Read Write Memory)である。
メインCPU101は、後述する各種センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムやテーブルを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板(副制御基板300等)へのコマンド送信等の処理を行う。
【0043】
また、特に図示していないが、本形態におけるメインRAM103の記憶領域は、大別して、所定の先頭アドレス(たとえば、F00H(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様))から所定の最終アドレス(たとえば、F200H)までの間の領域である使用領域と、当該使用領域の最終アドレスよりも所定距離(たとえば、16バイト)以上離れた特定の先頭アドレス(たとえば、F300H)から特定の最終アドレス(たとえば、F400H)までの間の領域である使用外領域とから構成されている。
【0044】
また、特に図示していないが、使用領域には、所定の先頭アドレスから所定の最終アドレスに至るまで、第1領域、第2領域、第3領域及び第4領域という4つの領域が順に配置されている。
第1領域には、設定値、及び滞在中の制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を示す遊技機状態フラグが記憶される。また、第2領域には、電源がオフとなる時点で算定されるメインRAM103のチェックサム、及び電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理に異常があったかどうかを判定するためのバックアップフラグが記憶される。また、第3領域には、パチンコ機Pに発生したエラーの情報等が記憶される。
また、第4領域には、遊技の進行に係る各種データ(後述する変動中の特別図柄の情報、遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)、第1特図保留数、第2特図保留数、確変回数、時短回数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ、特別図柄の非変動中である旨の情報等)が記憶されるようになっている。なお、第4領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、特別遊技が終了してからの変動回数が特定回数に至ると特殊な変動パターンが決定されるように設定されたパチンコ機Pにおいては、上述の特定回数の情報等が記憶されるようにしてもよい。
【0045】
また、使用外領域には、工場出荷後等の初期状態において遊技が開始されてからの発射球数や払い出された賞球数等のデータが記憶される。具体的には、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、総賞球数という)、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、特別電動役物総賞球数という)、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、役物総賞球数という)等が記憶される。
そして、この使用外領域においては、上述の発射球数や賞球数等のデータに基づいて、出玉率、特別電動役物比率、役物比率等の遊技に関する情報が算出されるようになっている。
ここで、出玉率は、発射球数に対する総賞球数の割合であり、総賞球数/発射球数により算出される値である。また、特別電動役物比率は、総賞球数に対する特別電動役物総賞球の割合であり、特別電動役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。また、役物比率は、総賞球数に対する役物総賞球数の割合であり、役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。
【0046】
なお、使用外領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般入賞口14への遊技球の入球に基づく賞球数の総数等が記憶されるようにしてもよい。
また、本明細書においては、上述の使用外領域に記憶される発射球数や払い出された賞球数等のデータを「遊技性能データ」ともいい、また、上述の出玉率等の遊技に関する情報を「遊技性能表示情報」ともいう。
【0047】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、使用外領域における特定の領域に、後述する差球数に基づく作動停止制御(以下、差球作動停止制御ともいう)に用いられる差球カウント値、及び、差球作動停止制御に関する各種状態(後述する発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態)を設定するための差球作動停止制御フェーズデータが記憶される。なお、差球カウント値、及び、差球作動停止制御フェーズデータは、使用外領域に記憶するのではなく、上述の第1領域~第4領域のいずれかに記憶するようにしてもよい。
差球作動停止制御については、後程、詳述する。
【0048】
メイン情報表示装置105は、各種情報の表示を行う装置であり、横並びに配設された4つのデシマルポイント付き7セグメント表示器により構成されている。本形態におけるメイン情報表示装置105は、受信したデータについて独自に演算処理を行うCPU等の処理装置を内蔵しておらず、メインIC104から受信したデータに基づく表示のみを行うものとなっている。
具体的には、設定確認状態中や設定変更状態中においては、メインRAM103の使用領域(第1領域)に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態中においては、メインRAM103の使用外領域に記憶されている遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態中やパチンコ機Pにエラーが発生した場合には、その旨を示すコードが表示される。
なお、メイン情報表示装置105は、7セグメント表示器により構成するのではなく、液晶表示器やドットマトリクス表示器等により構成してもよい。また、メイン情報表示装置105は、メインIC104から受信したデータを独自に処理する装置が内蔵されていなければ他の装置を内蔵してもよく、たとえば、メイン情報表示装置105の作動をコントロールするためのドライバ回路等を内蔵してもよい。
【0049】
コネクタ106は、各種ハーネスやケーブル等を接続するためのものであり、主制御基板100の表面上に複数設けられている。
また、設定スイッチ108は、電源がオンとなった時点で、制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を設定するために参照されるものである。この設定スイッチ108には、鍵穴を備えた操作部(特に図示しておらず)が設けられており、この鍵穴に所定の鍵を差し込んだ状態で回転操作が可能に形成されている。常態においては、設定スイッチ108はオフになっているが、回転操作が行われると、設定スイッチ108がオンになる。
また、RAMクリアスイッチ109は、メインRAM103に記憶されている各種データのクリア及び設定値の変更に用いられるものである。このRAMクリアスイッチ109には、押下操作が可能な押下ボタン109a(
図5参照)が設けられており、この押下ボタン109aが押下操作されていないときは、RAMクリアスイッチ109はオフになっているが、押下ボタン109aが押下操作されると、RAMクリアスイッチ109がオンになる。
【0050】
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、後述する本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(すなわち、本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常の発生の有無、メインRAM103における異常の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態が設定される。
そして、設定変更状態中に押下ボタン109aを操作する(RAMクリアスイッチ109がオンになる)ことで、設定値を変更する(切り替える)ことができるようになっている。上述の如く、設定値はメインRAM103の使用領域に記憶されるようになっており、設定値が変更される場合には、このメインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が変更されることとなる。
【0051】
本形態におけるメインRAM103には、上述の遊技性能データや設定値の他、遊技の進行に係る各種データ(後述する第1特図保留数、第2特図保留数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ等)が記憶されるようになっている。
なお、主制御基板100の表面に設けられる装置や電子部品は、上述のものに限定されるものではなく、たとえば、メイン情報表示装置105への各種情報の表示の実行や表示内容の切り換えを行うためのスイッチ等を設けてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に記憶されているデータのクリア及び設定値の変更はいずれも、RAMクリアスイッチ109を操作することで行われるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、RAMクリアスイッチ109とは別個独立の設定変更スイッチを設け、RAMクリアスイッチ109はメインRAM103に記憶されているデータのクリアに用いるように設定し、設定変更スイッチは設定値の変更に用いるように設定してもよい。
【0052】
また、
図6に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、設定スイッチ108と、RAMクリアスイッチ109と、遊技盤11に向けられる磁気を検出する磁気検出センサ70aと、遊技盤11の特定箇所(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18等)に照射される電波を検出する電波検出センサ71aと、パチンコ機Pを揺らす等の不正行為により生じる振動を検出する振動検出センサ72と、が接続されている。
そして、これらの各検出センサから出力される検出信号や各スイッチのオン又はオフを示す信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0053】
なお、磁気検出センサ70aは、磁気を検出するとオンとなり磁気検出信号を主制御基板100に出力し、磁気の検出中は、磁気検出信号が連続して出力される。そして、磁気検出センサ70aは、磁気を検出しなくなるとオフとなり主制御基板100への磁気検出信号の出力を停止する。また、主制御基板100では、磁気検出センサ70aから磁気検出信号が入力されると主制御磁気エラーが発生したものと判定する。
また、電波検出センサ71aは、電波を検出するとオンとなり電波検出信号を主制御基板100に出力し、電波の検出中は、電波検出信号が連続して出力される。そして、電波検出センサ71aは、電波を検出しなくなるとオフとなり主制御基板100への電波検出信号の出力を停止する。また、主制御基板100では、電波検出センサ71aから電波検出信号が入力されると主制御電波エラーが発生したものと判定する。
また、振動検出センサ72は、パチンコ機Pが振動していることを検出するとオンとなり振動検出信号を主制御基板100に出力し、振動の検出中は、振動検出信号が連続して出力される。そして、振動検出センサ72は、パチンコ機Pの振動を検出しなくなるとオフとなり主制御基板100への振動検出信号の出力を停止する。また、主制御基板100では、振動検出センサ72から振動検出信号が入力されると主制御振動エラーが発生したものと判定する。
【0054】
また、大入賞口検出センサ18aは、大入賞口18から大入賞口排出口へ至る経路の途中に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、大入賞口18へ遊技球が入球してから当該遊技球が大入賞口検出センサ18aに検出されるまでの時間が約0.5秒となっている。
【0055】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、メイン情報表示装置105と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0056】
(発射払出制御基板200の概要)
発射払出制御基板200は、主に、各種入賞口への遊技球の入球に基づく賞球や遊技者の所定の操作に基づいて貸し出される遊技球の払い出し、及び、遊技球の発射を制御するものである。
発射払出制御基板200は、
図6に示すように、払出CPU201、払出ROM202及び払出RAM203を備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0057】
また、
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、発射モータ61により遊技球が発射されたことを検出する発射球検出センサ64と、が接続されており、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0058】
そして、パチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態又は発動予告状態となっているときに、遊技者が操作ハンドル5に触れて回転操作を行うと、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号(以下、回転操作信号ともいう)が発射払出制御基板200に入力され、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。そして、遊技者による操作ハンドル5への接触が解除されるか、操作ハンドル5の回転操作が行われなくなると、発射払出制御基板200への回転操作信号の入力が停止し、遊技球を発射させる制御も停止する。
また、回転操作信号が発射払出制御基板200に入力されている場合であっても、発射停止スイッチ5cからの制御信号(以下、発射停止制御信号ともいう)が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、パチンコ機Pの制御状態が遊技停止状態のときに、又は、パチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であって、かつ差球作動停止制御に関する状態が発動状態となっているときに、回転操作信号が発射払出制御基板200に入力されても、球送りソレノイド60及び発射モータ61は通電されず、遊技球を発射させる制御は行われない。
また、パチンコ機Pの制御状態が遊技停止状態であるとき、又は、パチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であるときには差球作動停止制御に関する状態にかかわらず(すなわち、差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態又は発動状態のいずれであっても)、発射払出制御基板200は、回転操作信号が入力されると、ハンドル操作コマンドを主制御基板100に送信し、回転操作信号の入力が停止すると、主制御基板100へのハンドル操作コマンドの送信を停止する。すなわち、回転信号信号が入力されている間(遊技者が操作ハンドル5に触れて回転操作を行っている間)は、ハンドル操作コマンドが主制御基板100に連続して送信される。
【0059】
また、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。また、特に図示していないが、払出計数スイッチ63には、当該スイッチに照射された電波を検出する払出電波検出センサが内蔵されている。
そして、主制御基板100から送信される賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この賞球指定コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0060】
また、本形態における発射払出制御基板200は、遊技球(賞球)の払い出しに関する信号として、払出モータ62により実際に遊技球が払い出された(払出計数スイッチ63により遊技球が計数された)ことに基づく払出賞球信号を外部情報端子基板500に送信する。これにより、上記信号が、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部(変動回数や大当たり回数等の情報を表示する外部情報表示装置やホールコンピュータ等)に送信され、パチンコ機Pの外部の装置において、実際に払い出された遊技球の数を把握できるようになっている。
なお、遊技球(賞球)の払い出しに関する信号は、払出賞球信号に限定されるものではない。たとえば、遊技球の実際に払い出されたことに基づく信号ではなく、主制御基板100から賞球指定コマンドを受信したことに基づく受信賞球信号を外部情報端子基板500に送信するようにしてもよい。これにより、パチンコ機Pの外部の装置においても、受信した賞球指定コマンドに基づいて払い出される予定の遊技球の数を把握できるようにしてもよい。
【0061】
さらに、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、本体枠2の開放状態を検出する本体枠開放検出センサ2aと、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、アウト口19へ受け入れられ又は各入賞口に入球しアウト通路を経て遊技盤11の背面側に導かれる遊技球を検出するアウトセンサ19aと、アウト口19に照射される電波を検出するアウト口電波検出センサ71bと、が接続されている。
【0062】
本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出するとオンとなり、本体枠開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、本体枠2の開放中は、本体枠開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり、本体枠開放検出信号の出力を停止する。発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号の入力が止まると、本体枠2が閉じられたと判断し、主制御基板100への本体枠開放コマンドの送信を停止する。
【0063】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出するとオンとなり、扉開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、扉開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり、扉開放検出信号の出力を停止する。発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0064】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり、受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり発射払出制御基板200への受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0065】
アウトセンサ19aは、アウト通路に設けられている。また、アウトセンサ19aは、アウト口19へ受けられるか又は各入賞口へ入球してアウト通路を通過する遊技球を検出するごとにオンとなり、アウト信号を発射払出制御基板200に出力するようになっている。そして、発射払出制御基板200は、アウト信号が入力されるごとに、アウトコマンドを主制御基板100に送信する。
【0066】
アウト口電波検出センサ71bは、アウト口19周辺の所定位置に設けられている。
また、アウト口電波検出センサ71bは、電波を検出するとオンとなり、電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、電波を検出している間は、電波検出信号が連続して出力される。これに対して、アウト口電波検出センサ71bは、電波を検出しなくなるとオフとなり、発射払出制御基板200への電波検出信号の出力を停止する。
【0067】
払出電波検出センサは、上述の如く、払出計数スイッチ63に内蔵されている。
また、払出電波検出センサは、電波を検出するとオンとなり、電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、電波を検出している間は、電波検出信号が連続して出力される。これに対して、払出電波検出センサは、電波を検出しなくなるとオフとなり、発射払出制御基板200への電波検出信号の出力を停止する。
【0068】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
なお、これらの機器は、遊技球貸出制御基板400を介して発射払出制御基板200と接続するのではなく、発射払出制御基板200に直接接続するようにしてもよい。
【0069】
そして、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されているカード(すなわち、残高のあるカード)が遊技球貸出装置Rに挿入され認識されると、当該価値情報を示す価値情報信号が、発射払出制御基板200及び遊技球貸出制御基板400を介して、遊技球貸出装置Rから価値情報表示装置35に送信される。これにより、価値情報表示装置35においては、受信した価値情報信号に対応する価値情報が表示される。
【0070】
また、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されているカードが遊技球貸出装置Rに挿入され、かつ認識された状態で球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が、遊技球貸出制御基板400及び発射払出制御基板200を介して、遊技球貸出装置Rに送信される。
上述の検出信号を受信すると、遊技球貸出装置Rは、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理を行い、発射払出制御基板200に減算した価値情報に対応する個数(たとえば、125個)の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを送信するとともに、発射払出制御基板200及び遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35に減算した価値情報に対応する減算コマンドを送信する。
そして、貸球払出コマンドを受信すると、発射払出制御基板200においては、減算された価値情報に対応する個数(たとえば、125個)の遊技球を払い出す制御が行われる。また、減算コマンドを受信すると、価値情報表示装置35においては、減算後の価値情報への更新表示が行われる。
【0071】
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0072】
なお、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されていないカード(すなわち、残高の無いカード)が遊技球貸出装置Rに挿入された場合や、球貸ボタン36の押下操作により所定の価値情報が減算された結果、カードに記憶されていた価値情報が全て無くなった場合(すなわち、カードの残高が無くなった場合)にも、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御を行ってもよい。
【0073】
以上のように、発射払出制御基板200においては、各種入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)への遊技球の入球に基づく賞球の払い出しの制御、及び、遊技者の操作に基づいて貸し出される遊技球(貸球)の払い出しの制御の両方が行われる。
【0074】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発射払出制御基板200に接続されている機器に関連するエラー(以下、払出関連エラーともいう)として、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラー、扉開放エラーが発生する可能性がある。
そして、発射払出制御基板200では、当該発射払出制御基板200に接続されている上述のスイッチの作動状況、発射払出制御基板200に接続されている上述のセンサから発射払出制御基板200に出力される各種信号等に基づいて、払出関連エラーのうち、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラー、の発生の判定(発生の検出)が行われるようになっている。
なお、本明細書において、エラーの発生の判定とは、スイッチの作動状況、各種センサ(たとえば、払出電波検出センサ、本体枠開放検出センサ2a等)による検出に基づいて具体的にエラーの発生を判定することのみならず、スイッチの作動状況の検出や各種センサによる検出が行われたことも意味するものである。
【0075】
球切れエラーは、遊技球貯留部に遊技球が貯留されていない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、遊技球を払い出すように払出モータ62が作動しているにもかかわらず、所定期間、払出計数スイッチ63による遊技球の計数が行われない場合に球切れエラーが発生したものと判定する。そして、球切れエラーが発生すると、その旨を示す球切れエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において球切れエラーの発生を把握できるようになっている。
【0076】
満タンエラーは、受皿7が満タン状態である場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、受皿検出信号が入力されると満タンエラーが発生したものと判定する。そして、満タンエラーが発生すると、その旨を示す満タンエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において満タンエラーの発生を把握できるようになっている。
【0077】
払出計数スイッチエラーは、ハーネスの断線等により払出計数スイッチ63が作動しない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出計数スイッチ63の作動が確認できなくなると払出計数スイッチエラーが発生したものと判定する。そして、払出計数スイッチエラーが発生すると、その旨を示す払出計数スイッチエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出計数スイッチエラーの発生を把握できるようになっている。
【0078】
球詰まりエラーは、払出モータ62に作動異常が生じた場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出モータ62が作動信号を受信しているものの、作動しない場合に球詰まりエラーが発生したものと判定する。そして、球詰まりエラーが発生すると、その旨を示す球詰まりエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において球詰まりエラーの発生を把握できるようになっている。
【0079】
過剰賞球エラーは、賞球指定コマンドを受信していないにもかかわらず遊技球の払い出しが行われたり、受信した賞球指定コマンドに基づいて払い出される予定の遊技球の数よりも多くの遊技球の払い出しが行われたりした場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、予定されていないにもかかわらず払い出された遊技球の数が所定個数(たとえば、10個)に達した場合に過剰賞球エラーが発生したものと判定する。そして、過剰賞球エラーが発生すると、その旨を示す過剰賞球エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において過剰賞球エラーの発生を把握できるようになっている。
【0080】
払出電波エラーは、電波の照射を検出した場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、アウト口電波検出センサ71b又は払出電波検出センサから電波検出信号が入力されると払出電波エラーが発生したものと判定する。そして、払出電波エラーが発生すると、その旨を示す払出電波エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出電波エラーの発生を把握できるようになっている。
【0081】
払出モータエラーは、ハーネスの断線等により払出モータ62が作動しない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出モータ62の作動が確認できなくなると払出モータエラーが発生したものと判定する。そして、払出モータエラーが発生すると、その旨を示す払出モータエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出モータエラーの発生を把握できるようになっている。
【0082】
また、払出関連エラーのうち、扉開放エラーは、本体枠2又は前扉3が開放されている場合に発生するエラーである。
ここで、上述の如く、本体枠2の開放を検出する本体枠開放検出センサ2a、及び、前扉3の開放を検出する前扉開放検出センサ3aはいずれも、発射払出制御基板200に接続されているが、扉開放エラーの発生の判定は、発射払出制御基板200ではなく、主制御基板100で行われるようになっている。
具体的には、発射払出制御基板200に本体枠開放検出信号が入力されることにより発射払出制御基板200から送信される本体枠開放コマンド、又は、発射払出制御基板200に前扉開放検出信号が入力されることにより発射払出制御基板200から送信される前扉開放コマンドの少なくともいずれか一方を受信すると、主制御基板100において、扉開放エラーが発生したものと判定する。
そして、扉開放エラーが発生したものと判定した場合、主制御基板100は、遊技球の払い出し動作の制御を停止するための払出停止コマンドを発射払出制御基板200に送信する。これにより、扉開放エラーの発生中において、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御が行われる。
【0083】
なお、払出関連エラーのうち、主制御基板100において発生の判定が行われるエラーは、扉開放エラーに限定されるものではなく、他のエラーの発生も主制御基板100において判定するようにしてもよい。
【0084】
また、主制御基板100においては、当該主制御基板100に接続されている機器に関連するエラー(上述の主制御電波エラー、主制御磁気エラー、主制御振動エラー、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18へ過剰に遊技球が入球した場合に生じる異常入賞エラー、特別遊技の実行中以外に遊技球が大入賞口18へ入球した場合に生じる不正入賞エラー等、以下、主制御関連エラーともいう)の発生も判定されるようになっている。
そして、主制御基板100において、扉開放エラーを除く払出関連エラーの発生が把握された場合や、扉開放エラー又は主制御関連エラーが発生したものと判定された場合には、メインCPU101は、発生したエラーを示すエラー示唆コマンドを副制御基板300に送信する。これにより、副制御基板300においても各種エラーの発生を把握することができるとともに、発生したエラーに対応するエラー示唆画像を演出表示装置21に表示したり、発生したエラーに対応する態様で各種ランプ(盤面演出ランプGL、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL)を点灯させたり、発生したエラーに対応するエラー示唆音声を音声出力装置10から出力させたりすることで、発生したエラーが示唆されるようになっている。
また、エラーの発生原因が消滅し発生していたエラーが解除されると、エラーの判定に用いられるコマンドを受信しなくなる等により、主制御基板100において、発生していたエラーの解除の把握又は判定がなされる。そして、発生していたエラーの解除が把握された場合や、発生していたエラーが解除されたものと判定した場合には、メインCPU101は、エラーの解除を示すエラー解除コマンドを副制御基板300に送信する。これにより、副制御基板300においても、発生していたエラーの解除を把握できるとともに、発生していたエラーの示唆を終了することができるようになっている。
【0085】
(副制御基板300の概要)
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図6に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0086】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、各種ランプの点灯等を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、役物演出装置YSの変位や役物回転演出を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0087】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10、及び十字キー25の押下操作を検出する十字キー検出センサ25aが接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、各種ランプ(前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGL、右打ち報知ランプRL)、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9c、及び操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dが接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、駆動モータM、及び回転モータRMが接続されている。
【0088】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM及び画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0089】
音声制御基板は、特に図示していないが、音声出力に関する各種処理を実行するサウンドCPU(サウンドチップ)、音声出力装置10から出力される音声、BGM等(以下、音声等ともいう)のサウンドデータを格納したサウンドROM、サウンドデータの復号化等を行うデコーダ、音声出力に関する各種処理を実行する際の一時記憶領域として用いられるサウンドRAM、音声出力に関する各種処理を実行する際の時間を計測するサウンドタイマカウンタ等を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、音声制御基板において、副制御基板300からのコマンド(各種演出や各種示唆の実行に係るコマンド等)が受信されると、デコーダが、受信したコマンドに対応するサウンドデータをサウンドROMから読み出し復号化(デコード)する。このデコーダは、音声等を出力するためのチャンネルを所定数(本形態では40個)備えており、所定数の種類の音声等をそれぞれ独立して同時に出力することができるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、各種演出や各種示唆において出力される音声等の種類ごとに、当該音声等の出力に使用するチャンネルが予め対応付けられている。これにより、音声等は予め対応付けられたチャンネルにより出力されるようになっている。そして、デコーダの各チャンネルにおいて復号化されたサウンドデータがアナログデータに変換され、このアナログデータに基づいて、所定の音声等が出力インタフェースを介して音声出力装置10から出力されることとなる。
【0090】
なお、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、各種演出や各種示唆において出力される音声等の種類ごとに、当該音声等の出力に使用するチャンネルが予め対応付けられている。これにより、所定の時点において複数種類の音声等を同時に出力する場合であっても、それぞれ別個のチャンネルを使用して各音声等が出力されるため、いずれかの音声等の出力中に他の音声等が出力されないといった事態が発生するのを防止することができ、複数種類の音声等の同時出力を確実に行うことができる。
【0091】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、音声出力装置10の音量(以下、スピーカ音量ともいう)を設定することができるのに加え、チャンネルごとに、音声等を出力する際の音量を調整できるようになっている。これにより、各チャンネルに対応付けられた音声等は、チャンネルごとに調整されたスピーカ音量によって出力される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、チャンネルごとに、「0」、「1」、「2」という複数段階のチャンネル調整値のいずれかを設定できるようになっている。チャンネル調整値が「2」のときには、現在設定されているスピーカ音量(以下、現スピーカ音量ともいう)により音声等が出力されるようになっている。また、チャンネル調整値が「1」のときには、現スピーカ音量を75%低下させた音量(現スピーカ音量の25%の音量)により音声等が出力されるようになっている。また、チャンネル調整値が「0」のときには、現スピーカ音量を100%低下させた音量(現スピーカ音量の0%の音量)により音声等が出力されるようになっている。
すなわち、所定のチャンネルにおいて、チャンネル調整値が「1」のときには、チャンネル調整値が「2」のときよりも小さい音量で、当該チャンネルに対応付けられた音声等が出力されるため、チャンネル調整値が「2」のときと比較して音声等を聴認し難い。また、所定のチャンネルにおいて、チャンネル調整値が「0」のときには、無音で当該チャンネルに対応付けられた音声等が出力されるため、出力は行われているものの当該音声等を聴認することができない。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断から復帰すると、いずれのチャンネルにも、チャンネル調整値の初期値として「2」が設定される。また、現在設定されているチャンネル調整値(以下、現チャンネル調整値ともいう)のデータは、音声制御基板のサウンドRAMに記憶されるようになっている。
なお、設定可能なチャンネル調整値としては上述の内容に限定されるものではなく、より段階的な音量の調整が可能となるように、より多くの段階のチャンネル調整値を設定できるようにしてもよい。
【0092】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のスピーカ音量を変更可能な状態のときに十字キー25の上キー又は下キーを押下操作することによって、スピーカ音量を予め定められた複数段階の範囲内で変更できるようになっている。具体的には、上キーの押下操作を行うことにより複数段階における最大の音量に至るまで段階的にスピーカ音量を増大させることができ、下キーの押下操作を行うことにより複数段階における最小の音量に至るまで段階的にスピーカ音量を減少させることができる。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、スピーカ音量を「0」~「7」の8段階(「0」が最小の音量、「7」が最大の音量)の範囲内で設定可能となっているが、十字キー25を操作することにより設定できる範囲(以下、設定可能範囲ともいう)は「3」~「7」の5段階に予め設定されている。
また、スピーカ音量に関する各種データは、副制御基板300のサブRAM303に記憶されるようになっている。
【0093】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンド(各種演出や各種示唆の実行に係るコマンド等)に基づき、各種ランプ(前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGL、右打ち報知ランプRL)の点灯、消灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0094】
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、駆動モータMや回転モータRMの駆動を制御する。そして、駆動モータMが駆動することにより、演出役物装置YSが初期位置と可動位置との範囲内で上下方向に変位し、回転モータRMが駆動することにより、可動位置において演出役物装置YSによる役物回転演出(時計回り又は反時計回りに回転する演出)が行われる。
【0095】
(電源基板600の概要)
電源基板600は、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300等の各基板に電力を供給するものである。この電源基板600にはバックアップ電源が設けられている。また、本形態に係るパチンコ機Pには、電源基板600から供給される電力の電圧値を検出するための電断検出回路が設けられている。この電源検出回路は、供給される電力の電圧値が所定値以下になった場合(たとえば、電源スイッチ650がオフとなった場合や不測の電源断が発生した場合)に電断が発生したと判断して、主制御基板100に電断発生信号を送信する。また、電圧値が所定値よりも大きくなった場合(たとえば、電源スイッチ650がオンとなった場合や不測の電源断から復帰した場合)には電断から復帰したと判断して、主制御基板100への電断発生信号の送信を停止する。
【0096】
そして、主制御基板100のメインCPU101は、電断発生信号を検出した(電断が発生した)場合には、メインRAM103へのアクセスを禁止し、メインRAM103(使用領域及び使用外領域)のチェックサムの算定及びバックアップフラグの設定を行うとともに、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ(第1特図保留数、第2特図保留数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ)、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を行う。電断発生信号を検出しなくなった(電断から復帰した)場合には、電断の発生時に算定されたチェックサムと電断からの復帰時に算定されるチェックサムとの比較、電断の発生時に設定されたバックアップフラグのチェックを行うことにより、電断の発生時におけるメインRAM103の記憶データと電断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じているか否か(すなわち、上述のバックアップ処理に異常が発生しているか否か)が判断され、その後、電断復帰時の処理が実行される。
【0097】
ここで、電断発生時の処理が複雑になるのを防止すべく、本形態における副制御基板300には電断検知回路が設けられておらず、当該副制御基板300においては上述のようなバックアップ処理は行われない。そのため、電断から復帰した際には、サブCPU301がメインCPU101から送信される上述の各種コマンドに基づいて演出の制御を行うことにより、当該時点で適切な演出が実行できるようになっている。
【0098】
また、メインCPU101は、電断発生信号を検出しなくなった(電断から復帰した)際、後述する遊技可能状態又は設定変更状態が設定されたときにはこの時点で、また、後述する設定確認状態が設定されたときには当該設定確認状態が終了した時点で、役物演出装置YSを初期位置に停止させるイニシャル処理を実行するためのイニシャル処理実行信号を副制御基板300へ送信するようになっている。そして、このイニシャル処理実行信号が受信されると、副制御基板300において、役物演出装置YSのイニシャル処理が実行される。
具体的には、このイニシャル処理が実行されると、役物演出装置YSが可動位置まで移動した後、初期位置まで移動するようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、イニシャル処理が開始されてから終了するまでの時間が25秒となっている。
【0099】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0100】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0101】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
【0102】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。また、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は右打ち報知ランプRLが点灯し、通常遊技状態中は右打ち報知ランプRLが消灯するようになっている。
【0103】
また、大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセットごとにスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0104】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0105】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0106】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0107】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0108】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、大別して、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブルと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブルと、を備えている。
また、
図7(a)~(l)に示すように、低確率判定テーブル及び高確率判定テーブルにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
具体的には、低確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1低確率判定テーブル110a、設定値が「2」である場合に参照される第2低確率判定テーブル110b、設定値が「3」である場合に参照される第3低確率判定テーブル110c、設定値が「4」である場合に参照される第4低確率判定テーブル110d、設定値が「5」である場合に参照される第5低確率判定テーブル110e、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6低確率判定テーブル110fが設けられている。
高確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1高確率判定テーブル110g、設定値が「2」である場合に参照される第2高確率判定テーブル110h、設定値が「3」である場合に参照される第3高確率判定テーブル110i、設定値が「4」である場合に参照される第4高確率判定テーブル110j、設定値が「5」である場合に参照される第5高確率判定テーブル110k、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6高確率判定テーブル110lが設けられている。
【0109】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0110】
図7(a)に示すように、第1低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001~10205であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10206~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319.7となる。
【0111】
図7(b)に示すように、第2低確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001~10208であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10209~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2低確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/315.1となる。
【0112】
図7(c)に示すように、第3低確率判定テーブル110cによれば、大当たり決定乱数が10001~10212であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10213~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3低確率判定テーブル110cにおける大当たりの当選確率はおよそ1/309.1となる。
【0113】
図7(d)に示すように、第4低確率判定テーブル110dによれば、大当たり決定乱数が10001~10215であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10216~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4低確率判定テーブル110dにおける大当たりの当選確率はおよそ1/304.8となる。
【0114】
図7(e)に示すように、第5低確率判定テーブル110eによれば、大当たり決定乱数が10001~10219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5低確率判定テーブル110eにおける大当たりの当選確率はおよそ1/299.2となる。
【0115】
図7(f)に示すように、第6低確率判定テーブル110fによれば、大当たり決定乱数が10001~10223であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10224~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/293.9となる。
【0116】
図7(g)に示すように、第1高確率判定テーブル110gによれば、大当たり決定乱数が10001~11024であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11025~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1高確率判定テーブル110gにおける大当たりの当選確率は1/64.0となる。
【0117】
図7(h)に示すように、第2高確率判定テーブル110hによれば、大当たり決定乱数が10001~11040であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11041~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2高確率判定テーブル110hにおける大当たりの当選確率はおよそ1/63.0となる。
【0118】
図7(i)に示すように、第3高確率判定テーブル110iによれば、大当たり決定乱数が10001~11057であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11058~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3高確率判定テーブル110iにおける大当たりの当選確率はおよそ1/62.0となる。
【0119】
図7(j)に示すように、第4高確率判定テーブル110jによれば、大当たり決定乱数が10001~11074であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11075~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4高確率判定テーブル110jにおける大当たりの当選確率はおよそ1/61.0となる。
【0120】
図7(k)に示すように、第5高確率判定テーブル110kによれば、大当たり決定乱数が10001~11092であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11093~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5高確率判定テーブル110kにおける大当たりの当選確率はおよそ1/60.0となる。
【0121】
図7(l)に示すように、第6高確率判定テーブル110lによれば、大当たり決定乱数が10001~11110であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11111~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6高確率判定テーブル110lにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59.0となる。
【0122】
以上のように、対応付けられた設定値が同一の高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルを比較すると、高確率判定テーブルは、低確率判定テーブルに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0123】
また、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、当該低確率判定テーブルと同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0124】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図8(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0125】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0126】
図8(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率及び特別図柄X2が決定される確率はいずれも、50%となっている。
【0127】
また、
図8(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~159であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が160~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は80%、特別図柄X2が決定される確率は20%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0128】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0129】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0130】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、大当たりの抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、大当たりの抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、
図9(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112、及び、遊技状態が時短遊技状態であってかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112について説明する。
【0131】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0132】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態でありかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が時短遊技状態でありかつ第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(
図9(c)参照)。
【0133】
そして、
図9(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~299であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が300~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図9(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
さらに、
図9(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0134】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0135】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0136】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図10(a)~(e)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113d、「第5グループ」が決定された場合に参照される第5グループ用判定テーブル113eについて説明する。
【0137】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0138】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択される(
図10(a)~(e)参照)。
【0139】
そして、
図10(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図10(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに、第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図10(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、第3変動テーブル114cが選択される。
また、
図10(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、第4変動テーブル114dが選択される。
また、
図10(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、第5変動テーブル114eが選択される。
【0140】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの当選時(すなわち、大当たりの抽選時)の遊技状態、大当たりの抽選の判定に係る始動入賞口の種別、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図11(a)~(c)に示すように、大当たり用判定テーブルとして、非時短遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数又は第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づいて特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113f、時短遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づいて特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113g、及び、時短遊技状態において第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づいて特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第3大当たり用判定テーブル113hが設けられている。
【0141】
そして、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、大当たりの当選時の遊技状態、始動入賞口の種別(第1特図乱数、第2特図乱数)、及び、決定された特別図柄の種別に対応する大当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0142】
具体的には、非時短遊技状態において第1特図乱数又は第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113fが選択され、時短遊技状態において第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113gが選択され、時短遊技状態において第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に、第3大当たり用判定テーブル113hが選択される(
図11(a)~(c)参照)。
【0143】
そして、
図11(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「01H」の変動モード番号が決定されるとともに、第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、
図11(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~999であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が1000~2038であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
また、
図11(c)に示すように、第3大当たり用判定テーブル113hによれば、リーチモード決定乱数が0~999であった場合に、「A2H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択され、リーチモード決定乱数が1000~2038であった場合に、「A3H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、「A2H」及び「A3H」の変動モード番号は、時短遊技状態において第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合にのみ決定されるようになっている。
【0144】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図12(a)~(h)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g及び第32変動テーブル114hについて説明する。
【0145】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図12(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、
図12(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定される。
【0146】
また、
図12(g)に示すように、第31変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、
図12(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図12参照)。
【0147】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0148】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や、特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の決定処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0149】
変動時間決定テーブル115は、変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図13(a)及び(b)参照)。
【0150】
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0151】
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「06H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「20秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「06H」に対応して「45秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「65秒(=20秒+45秒)」が、変動演出の全体の変動時間となる。
【0152】
なお、
図13(a)に示すように、「00H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合にのみ変動モード番号「00H」が決定されるため(
図10及び
図11参照)、当該変動モード番号が決定された場合には必ず、変動演出においてハズレの表示が行われることとなる。
【0153】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0154】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図14(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
【0155】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図14(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0156】
また、特別図柄X2が決定されると、
図14(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行され。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、特別図柄X1が決定された場合の特別遊技よりも少ない期待値の賞球を獲得可能となる。
【0157】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、特別図柄X1又は特別図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
【0158】
なお、特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて決定してもよい。たとえば、特別図柄X1又はX2のいずれか一方が決定された場合に、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態に設定し、いずれか他方が決定された場合に、通常遊技状態や、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定してもよい。
【0159】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0160】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセットごとにスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0161】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図16(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
【0162】
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行するようになっており、大当たりに当選したことにより実行される特別遊技中も、遊技球がゲート20を通過することに基づいて普通図柄の抽選が行われるようになっている。特別遊技中は、非時短判定テーブル118aが選択され、当該テーブルに基づいて普通図柄の抽選が行われる(
図16(a)参照)
【0163】
非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0164】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0165】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図17に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合又は特別遊技中には普通図柄の変動時間が13秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0166】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合又は特別遊技中には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが5.6秒(=2.8秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計5.6秒開放される。
【0167】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とにはそれぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限り、次々と普通図柄の抽選が行われ第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0168】
(主制御基板100における電断復帰時の処理の概要)
上述したように、パチンコ機Pの電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、主制御基板100のメインCPU101が、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなった時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常(以下、バックアップ異常という)の発生の有無、メインRAM103における異常(以下、RAM異常という)の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態を設定する。
【0169】
(主制御基板100におけるバックアップ異常、RAM異常の発生及び解除)
ここで、主制御基板100におけるバックアップ異常、RAM異常の発生及び解除について説明する。
電断復帰時において、電断発生時のメインRAM103の記憶データと電断復帰時のメインRAM103の記憶データとに不整合が生じていた場合に、バックアップ異常が発生したと判断され、上述の不整合が生じていなかった場合に、バックアップ異常が発生していないと判断される。
このバックアップ異常は、一過性の原因(たとえば、一時的にいずれかの装置に異常が生じたことによりデータの読み込みや保持に失敗した場合等)により発生する可能性が高い。また、新規にメインROM102やメインRAM103等を取り付けてパチンコ機Pの電源をオンにした場合には、これよりも前にバックアップ処理が実行されていないため、必ずバックアップ異常が発生することとなる。
【0170】
また、メインRAM103の使用領域内においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常の発生の判断対象となるのは当該使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。なお、使用領域内のみならず、使用領域内及び使用外領域の両方をRAM異常の発生の判断対象としてもよい。そして、このように設定したときには、使用領域内及び使用外領域の少なくともいずれか一方においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断して、後述する処理(異常時初期化処理、遊技停止状態の設定)を行ってもよい。
このRAM異常は、チップの破損等、ハードウェア自体に異常が生じているために発生する可能性が高く、メインRAM103の交換や修理が必要となる。
【0171】
そして、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。また、電断復帰時にRAM異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。なお、バックアップ異常とRAM異常が重複して発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、後述するが、遊技停止状態が設定される場合に実行される異常時初期化処理では、メインRAM103に記憶されている全データ(すなわち、使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
【0172】
バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、制御状態を設定変更状態に設定するための設定変更条件(具体的には、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオンであること)を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
また、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時にRAM異常が解除された状態(メインRAM103の交換や修理が行われRAM異常が無い状態)で設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、電断復帰時にRAM異常が解除されていないときや、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電源を入れ直しても、直接、遊技可能状態が設定されることはなく、設定変更条件を満たした状態で電源をオンにすることにより設定される設定変更状態を経て、遊技可能状態が設定される(遊技可能状態へ移行する)。
【0173】
(電断復帰時における制御状態の設定)
以下、電断復帰時に設定される制御状態について、
図19~
図20を参照して、具体的に説明する。
(1)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。すなわち、電断復帰時の制御状態は、電断発生直前に滞在していた制御状態のままとなる。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、原則として、設定スイッチ108がオンとなっている間のみ、設定変更状態又は設定確認状態に滞在するようになっている。上述の場合には、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには電断復帰時に設定変更状態が設定され、電断発生直前の制御状態が設定確認状態であったときには電断復帰時に設定確認状態が設定されるが、設定スイッチ108はオフであるため、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定(遊技可能状態に変更)されることとなる。
【0174】
(2)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、この場合に、電断復帰時に設定変更状態又は設定確認状態が設定されたときには、その後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0175】
(3)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態又は設定確認状態であったときには、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、後述するが、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。そのため、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったとき、上述の通常初期化処理では設定値はクリアされないため、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、後述するように変更中の設定値が確定することとなる。
【0176】
(4)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0177】
(5)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。
【0178】
(6)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになると特別遊技が再開される。
また、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0179】
(7)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、変更中の設定値が確定することとなる。
【0180】
(8)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、通常初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0181】
(9)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合(設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109、本体枠開放検出センサ2aがいずれもオンであった場合を除く)
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図19参照)。
【0182】
(10)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、この場合(電断復帰時にバックアップ異常が発生していた場合)には、電断復帰時に実行される異常時初期化処理において、設定値のクリアも行われるようになっている。そのため、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態において、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)は維持されず、メインRAM103に記憶されている設定値が、初期値として予め定められた設定値(本形態では「1」)に変更される。なお、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では設定値は確定しない。
【0183】
(11)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合には、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合及び電断復帰時に通常初期化処理が実行された場合に、RAM異常の発生の有無が判断されるようになっている。そのため、電断復帰時に通常初期化処理が実行されず、かつバックアップ異常が発生していなかったときには、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見(検出)できない場合がある。この場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(1)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0184】
(12)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(2)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0185】
(13)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、RAM異常の発生の判断対象となるのは使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。このようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(3)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0186】
(14)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(4)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0187】
(15)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(5)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0188】
(16)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(6)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0189】
(17)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(7)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0190】
(18)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(8)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常が発生した場合には、設定変更条件を満たしたときであっても、設定変更状態に優先して遊技停止状態が設定されることとなる。
【0191】
(19)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生有りであった場合
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図20参照)。
【0192】
そして、上述の(1)~(19)の処理が実行されることにより、設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている遊技性能データに基づく遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、遊技停止状態が設定された旨を示すコードが表示される。
なお、設定確認状態又は設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105に一瞬、設定値が表示された後、遊技可能状態の設定に伴って遊技性能表示情報が表示されることとなる。
【0193】
また、設定スイッチ108がオンであることに基づき設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、その後、設定スイッチ108がオフになると、設定中の設定確認状態又は設定変更状態を遊技可能状態に切り替える処理が実行され、遊技可能状態が設定されることとなる。そして、遊技可能状態が設定されることにより、メイン情報表示装置105の表示も対応する内容に切り替わることとなる。
【0194】
また、設定変更状態の設定中においては、本体枠開放検出センサ2aが本体枠2の開放を検出していることを条件として、押下ボタン109aが押下操作されRAMクリアスイッチ109がオンになるごとに、メインRAM103に記憶されている設定値が1段階ずつ変更されるようになっている。具体的には、メインRAM103に記憶されている設定値が1インクリメントした値に変更される。
たとえば、メインRAM103に記憶されている設定値が「2」であった場合において、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されると、メインRAM103に記憶される設定値が「3」に変更されることとなる。そして、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されるごとに、メインRAM103に記憶される設定値が「4」→「5」→「6」と変更され、「6」の次には「1」に変更される。なお、メインRAM103に記憶される設定値が変更されるごとに、メイン情報表示装置105における設定値の表示も変更されるようになっている。
そして、設定スイッチ108がオフになると、これ以降はメインRAM103に記憶されている設定値の変更が不可となる。すなわち、この時点でメインRAM103に記憶されている設定値が、新たな設定値として確定することとなる。
【0195】
(設定値異常の発生時の処理)
本形態に係るパチンコ機Pにおいてノイズ等が発生した場合には、メインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が異常値(たとえば、「1」よりも小さい値や「6」よりも大きい値等)に書き換えられるような事態が発生し得る。このように、記憶されている設定値が異常値となるような事態(以下、設定値異常ともいう)が発生した場合には、適切な設定値に基づいた大当たりの抽選を行うことができず、遊技の進行に深刻な影響を与えるおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101が、遊技可能状態中において、上述の大当たりの抽選又は普通図柄の抽選が行われる時点で、設定値異常が発生しているか否かを判定する設定値異常判定処理を行う。そして、この設定値異常判定処理において設定値異常が発生していると判定された場合には、上述の異常時初期化処理が実行され、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の実行中は次の大当たりの抽選及び特別図柄の変動表示は行われないため、大当たりの抽選に基づく設定値異常判定処理は、特別遊技の非実行中にのみ実行可能である。これに対して、普通図柄の抽選は特別遊技の非実行中及び実行中のいずれにおいても行われるため、普通図柄の抽選に基づく設定値異常判定処理は、特別遊技の非実行中及び実行中のいずれにおいても実行可能である。
【0196】
設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
すなわち、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合と同様に、電源を入れ直しても、直接、遊技可能状態が設定されることはなく、設定変更条件を満たした状態で電源をオンにすることにより設定される設定変更状態を経て、遊技可能状態が設定される。
【0197】
(通常初期化処理、異常時初期化処理、クリア処理)
本形態に係るパチンコ機Pでは、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づいて遊技停止状態が設定される場合には、異常時初期化処理が実行される。この異常時初期化処理では、上述の如く、メインRAM103に記憶されている全データ(使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
なお、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、その後、設定変更状態が設定されたことにより、デフォルトの設定値として「1」がメインRAM103の使用領域に自動的に記憶されるようにしてもよい。
【0198】
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであって、かつ遊技停止状態以外の制御状態(遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態)が設定される場合には、通常初期化処理が実行される。この通常初期化処理では、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオフであって、かつ遊技可能状態又は設定確認状態が設定される場合には、メインRAM103の一部をクリアするクリア処理が実行される。このクリア処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域及び第3領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報)がクリアされる。
【0199】
(設定値異常、バックアップ異常、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合の各種制御の概要)
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態中であって特図遊技、普図遊技、特別遊技が実行されている際に、ノイズ等が生じることで設定値異常が発生したことにより、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されるような場合がある。また、上述の際に、たとえば、瞬間的な停電(すなわち、瞬断)が発生し、停電が復帰したときに(電断復帰したときに)主制御基板100においてバックアップ異常やRAM異常が発生したことにより、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されるような場合もある。
本形態に係るパチンコ機Pでは、設定値異常、バックアップ異常、RAM異常の発生に基づき上述の設定が行われたことにより遊技停止状態に滞在しているときには、当該遊技停止状態が設定される前の遊技可能状態中に実行されていた特図遊技、普図遊技、特別遊技は行われず、遊技が進行しないようになっている。
【0200】
具体的には、遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、操作ハンドル5の回転操作が行われると、発射払出制御基板200により遊技球を発射する制御が行われる。一方、遊技停止状態においては、操作ハンドル5の回転操作が行われても、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は行われないようになっている。
すなわち、遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、操作ハンドル5の回転操作が行われると遊技球が発射されるものの、遊技停止状態においては、操作ハンドル5の回転操作が行われても遊技球は発射されない。
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、各制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)が設定されると、主制御基板100のメインCPU101は各制御状態が設定された旨を示す状態設定コマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300に送信する。これにより、発射払出制御基板200や副制御基板300においても、設定された制御状態を把握できるようになっている。
【0201】
また、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出しないようになっている。これにより、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球しても当該入球に基づく大当たりの抽選が行われず、遊技球がゲート20を通過しても当該通過に基づく普通図柄の抽選が行われないとともに、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しないようになっている。
また、遊技可能状態中に特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技が実行されていた場合には、遊技停止状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技の実行を停止するようになっている。
このように、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が上述の制御を行うことにより遊技が進行しないこととなる。
【0202】
また、遊技可能状態であって、かつ発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態あるときには、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球すると、当該入球以後の所定の開始時点(たとえば、特別図柄の変動表示の開始時点)から所定の終了時点(たとえば、所定の開始時点から所定時間(たとえば、3000ms)が経過した時点)に至るまでの間、主制御基板100のメインCPU101により、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ入賞信号を送信する制御が行われる。また、遊技可能状態であって、かつ発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、大当たりに当選すると、当該大当たりの当選以後の所定の開始時点(たとえば、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の開始時点)から所定の終了時点(たとえば、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時点)に至るまでの間、主制御基板100のメインCPU101により、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ大当たり信号を送信する制御が行われる。
これにより、パチンコ機Pの外部の装置においても、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への入球に基づく特別図柄の変動表示や大当たりの当選等を把握できるようになっている。
【0203】
これに対して、遊技停止状態においては、上述のように遊技が進行しないことから、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ上述の入賞信号や大当たり信号を送信する制御も制限されるようになっている。
たとえば、上述の入賞信号の送信中に遊技停止状態となった場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示を停止し、メインCPU101は実行中の入賞信号の送信を停止することができなくなり、当該入賞信号は送信されたままの状態となる。また、上述の入賞信号が送信されていないときに遊技停止状態となった場合には、その後に第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、主制御基板100のメインCPU101は当該入球を検出せず、メインCPU101は上述の入賞信号の送信を開始することができなくなる。
また、上述の大当たり信号の送信中に遊技停止状態となった場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別遊技の実行を停止し、メインCPU101は実行中の大当たり信号の送信を停止することができなくなり、当該大当たり信号は送信されたままの状態となる。また、上述の大当たり信号が送信されていないときに遊技停止状態となった場合には、その後、主制御基板100のメインCPU101は特別遊技を開始しないため、メインCPU101が上述の大当たり信号の送信を開始することはない。
【0204】
また、遊技停止状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101がメイン情報表示装置105においてエラーコードを表示させ、副制御基板300に遊技停止状態が設定された旨を示す状態設定コマンド(以下、遊技停止コマンドともいう)を送信し、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ所定のセキュリティ信号を送信する。
副制御基板300により遊技停止コマンドが受信されると、演出表示装置21において所定の遊技停止状態設定示唆画像が表示され、音声出力装置10から所定の遊技停止状態示唆音声が出力され、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯することにより、遊技停止状態が設定された旨が示唆される。また、パチンコ機Pの外部へ送信されたセキュリティ信号は、ホールコンピュータや各種情報を表示するための外部表示装置により受信可能となっており、これにより、遊技停止状態が設定された旨をホールコンピュータにおいて把握することができ、遊技停止状態が設定された旨を外部表示装置において示唆することができるようになっている。
【0205】
(遊技停止状態中における可動片16b及び開閉扉18bの制御の概要)
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態において、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限されるようになっている。
具体的には、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。
【0206】
これにより、たとえば、遊技可能状態中に第2始動入賞口16の可動片16bが開いていた場合には、遊技停止状態が設定されると可動片16bが閉じ、遊技停止状態中は可動片16bが閉じた状態が維持される。また、たとえば、遊技可能状態中に大入賞口18の開閉扉18bが開いていた場合には、遊技停止状態が設定されると開閉扉18bが閉じ、遊技停止状態中は開閉扉18bが閉じた状態が維持される。
また、たとえば、遊技可能状態中に普通図柄の抽選で当たりとなった後、第2始動入賞口16の可動片16bが開く前に遊技停止状態が設定された場合には、可動片16bは開放されず、遊技停止状態中は可動片16bが閉じたままとなる。また、たとえば、遊技可能状態中に特別遊技が実行されており、所定のラウンド遊技が終了し大入賞口18の開閉扉18bが閉じた後、次のラウンド遊技が開始され開閉扉18bが開く前に遊技停止状態が設定された場合には、開閉扉18bは開放されず、遊技停止状態中は開閉扉18bが閉じたままとなる。
【0207】
(遊技停止状態中における遊技球の払い出し関連の制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態において、メインCPU101が上述のような制御を行うことにより遊技が進行しないようになっている。
一方、遊技停止状態中には、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は停止されるものの、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は停止しない。
【0208】
具体的には、主制御基板100のメインCPU101が、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16又は大入賞口18への遊技球の入球に基づいて、対応する個数の賞球を払い出す旨の賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に(すなわち、賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信した後に)、遊技停止状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
【0209】
これにより、たとえば、特別遊技の実行中(すなわち、遊技可能状態)において大入賞口18へ遊技球が入球したことにより賞球が順次払い出されているときに、遊技停止状態が設定された場合であっても、上述の入球に基づく全ての賞球が払い出されることとなる。すなわち、遊技停止状態が設定される前に大入賞口18へ遊技球が入球することで獲得されたものの、遊技停止状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない賞球も全て払い出される。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態中にいずれかの入賞口へ遊技球が入球し、当該入球に基づく賞球の払い出しの最中に遊技停止状態が設定された場合には、主制御基板100による遊技の進行及び発射払出制御基板200による遊技球の発射については停止するものの、発射払出制御基板200による賞球の払い出しは停止することなく遊技停止状態中も継続して行われる。
【0210】
同様に、遊技者により球貸ボタン36が押下操作され、遊技球貸出装置Rが所定個数の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に、遊技停止状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
これにより、球貸ボタン36の押下操作による所定個数の遊技球(貸球)の払い出しが行われているときに、遊技停止状態が設定された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出されることとなる。すなわち、遊技停止状態が設定される前に球貸ボタン36が押下操作され、遊技球の払い出しが開始されたものの、遊技停止状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない遊技球も全て払い出される。
【0211】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中であっても、遊技球貸出装置R、価値情報表示装置35、球貸スイッチ36a、カード返却スイッチ37aの作動が制限されることはなく、これらの機器からの信号やコマンドの送信、これらの機器による信号やコマンドの受信が制限されることもない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出される。
【0212】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中であっても、価値情報表示装置35における価値情報の表示が継続して行われる。また、遊技停止状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合にも、遊技球貸出装置Rが減算コマンドを価値情報表示装置35に送信するため、遊技停止状態中であっても、価値情報表示装置35において価値情報の更新表示が行われる。
さらに、遊技停止状態中にカード返却ボタン37が押下操作された場合にも、カード返却スイッチ37aが返却要求信号を遊技球貸出装置Rに送信するため、遊技停止状態中であっても、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0213】
(遊技停止状態中における払出関連エラーの判定の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、払出関連エラーのうち、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラーについては、発射払出制御基板200において発生の判定(発生の検出)が行われる。また、払出関連エラーのうち、扉開放エラーについては、主制御基板100において発生の判定(発生の検出)が行われる。
【0214】
ここで、遊技可能状態であって、かつ後述する差球作動停止制御に関する状態が発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、主制御基板100及び発射払出制御基板200のいずれにおいても、それぞれ対応するエラーの発生の判定が行われるようになっている。
これに対して、遊技停止状態中は、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生の判定のみ行い、主制御基板100において判定するその他のエラー(上述の主制御関連エラー)の発生は判定しないようになっている。
具体的には、遊技停止状態中であっても、本体枠2又は前扉3が開放されると発射払出制御基板200に本体枠開放検出信号又は前扉開放検出信号が入力され、これにより発射払出制御基板200から本体枠開放コマンド又は前扉開放コマンドが主制御基板100に送信される。主制御基板100において、本体枠開放コマンド又は前扉開放コマンドを受信すると、メインCPU101は、扉開放エラーが発生したものと判定する。
一方、遊技停止状態中であっても、たとえば、遊技盤11に磁気が向けられると磁気検出センサ70aが磁気を検出し磁気検出信号を主制御基板100に出力するものの、主制御基板100に磁気検出信号が入力されても、メインCPU101は、主制御磁気エラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、遊技盤11に磁気が向けられても主制御磁気エラーは発生しないこととなる。
同様に、たとえば、遊技盤11に電波が照射されると電波検出センサ71aが電波を検出し電波検出信号を主制御基板100に出力するものの、主制御基板100に電波検出信号が入力されても、メインCPU101は、主制御電波エラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、遊技盤11に電波が照射されても、主制御電波エラーは発生しない。
すなわち、遊技停止状態中においては、主制御関連エラーの発生原因となる事象が発生したとしても、メインCPU101は主制御関連エラーの発生を判定しないため、主制御関連エラーは発生しないこととなる。
【0215】
なお、上述のように、遊技停止状態中であっても、扉開放エラーが発生したものと判定された場合には、メインCPU101は、扉開放エラーに対応するエラー示唆コマンドを副制御基板300に送信する。以上より、遊技停止状態中であっても、本体枠2又は前扉3が開放された場合には扉開放エラーが発生したものと判定され、演出表示装置21、各種ランプ、音声出力装置10により扉開放エラーが発生した旨の示唆が行われる。
【0216】
また、遊技停止状態中においては、発射払出制御基板200の払出CPU201は、いずれのエラーの発生も行わないようになっている。したがって、遊技停止状態中は、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生は判定されない。
具体的には、遊技停止状態中において、たとえば、払出モータ62が作動しているにもかかわらず、所定期間、払出計数スイッチ63による遊技球の計数による遊技球の計数が行われなかったとしても、払出CPU201は、球切れエラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、所定期間、遊技球の計数が行われなくとも球切れエラーは発生しないこととなる。そして、払出CPU201が、球切れエラーが発生したものとは判定しないことから、球切れエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信されることもなく、主制御基板100において、球切れエラーが発生したものと把握されることもない。
同様に、遊技停止状態中において、たとえば、アウト口19へ電波が照射されるとアウト口電波検出センサ71bが電波を検出し電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するものの、発射払出制御基板200に電波検出信号が入力されても、払出CPU201は、払出電波エラーが発生したものとは判定しない。したがって、遊技停止状態中においては、アウト口19に電波が照射されても払出電波エラーは発生しないこととなる。そして、払出CPU201が、払出電波エラーが発生したものとは判定しないことから、払出電波エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信されることもなく、主制御基板100において、払出電波エラーが発生したものと把握されることもない。
すなわち、遊技停止状態中においては、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生原因となる事象が発生したとしても、払出CPU201はこれらのエラーの発生を判定しないため、これらのエラーは発生しないこととなる。また、主制御基板100においても、これらのエラーの発生は把握されないこととなる。
【0217】
なお、遊技停止状態中であっても、発射払出制御基板200の払出CPU201は継続して、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0218】
(遊技停止状態中におけるパチンコ機P外部への信号送信の概要)
上述のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ入賞信号や大当たり信号を送信する制御が行われ、発射払出制御基板200の払出CPU201によりパチンコ機Pの外部へ払出賞球信号を送信する制御が行われるようになっている。
ここで、遊技可能状態中であって、かつ発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態であるときには、メインCPU101による入賞信号や大当たり信号を送信する制御、及び、払出CPU201による払出賞球信号を送信する制御のいずれもが行われる。
一方、遊技停止状態中は、上述のように、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号を送信する制御は制限されるようになっている。
【0219】
また、遊技停止状態中は、発射払出制御基板200による払出賞球信号を送信する制御は制限されることなく、継続して行われるようになっている。
具体的には、たとえば、払出CPU201による払出賞球信号の送信中に遊技停止状態が設定された場合であっても、所定時間が経過すると、払出CPU201によるこれらの信号の送信は終了する。また、たとえば、遊技停止状態が設定された後に遊技球の払い出しが行われ、払い出された遊技球が所定個数に到達した場合には、払出CPU201による払出賞球信号の送信が行われ、所定時間が経過すると、払出CPU201による払出賞球信号の送信は終了する。
【0220】
(設定変更状態又は設定確認状態が設定された場合の制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、設定変更状態又は設定確認状態が設定されると、操作ハンドル5の回転操作が行われても遊技球が発射されず、主制御基板100のメインCPU101は、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出せず、特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技の実行を停止する。これにより、遊技停止状態中と同様に、設定変更状態又は設定確認状態においては、遊技が進行しないこととなる。
また、設定変更状態又は設定確認状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。これにより、遊技停止状態と同様に、設定変更状態中又は設定確認状態中は可動片16b及び開閉扉18bが閉じたままとなる。
また、設定変更状態又は設定確認状態においては、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生の判定のみ行い、主制御基板100において判定するその他のエラー(上述の主制御関連エラー)の発生は判定しないようになっている。
【0221】
さらに、設定変更状態中又は設定確認状態中においては、遊技停止状態と同様に、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しは継続して行われるものの、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生は判定されず、また、払出賞球信号のパチンコ機Pの外部への送信の制御は制限されないようになっている。
なお、設定変更状態中又は設定確認状態中には、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しを停止するようにしてもよいし、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生の判定を継続して行うようにしてもよいし、払出賞球信号のパチンコ機Pの外部への送信の制御が制限されるようにしてもよい。
【0222】
(差球作動停止制御(差球数に基づく作動停止制御)に関する制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技中に遊技者が獲得した遊技球の数が過剰となり射幸性が高くなり過ぎるような事態を防止するために、遊技可能状態中において所定の算出開始時点からの差球数が所定の作動停止個数(本形態では95000個)に到達することに基づき、メインCPU101は、パチンコ機Pの作動を停止する作動停止制御(差球作動停止制御)を実行するようになっている。
【0223】
差球数とは、各入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)への遊技球の入球に基づき払い出される賞球(一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aによる遊技球の検出に基づき払い出される賞球)と、遊技者により発射されて各入賞口へ入球するか又はアウト口19に受け入れられた遊技球(アウトセンサ19aにより検出された遊技球、換言すれば、遊技に用いられた遊技球)との差数である。
【0224】
上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に設けられた使用外領域における特定の領域に、差球数を判定するために用いられる差球カウント値が記憶されるようになっている。
この特定の領域に記憶される差球カウント値は、後述する発動予告状態及び発動状態以外の状態(発動警告前状態、発動警告状態)においては、電断復帰(電源のオフ・オン)によりリセットされ、発動予告状態及び発動状態においては、設定変更状態の設定に伴う初期化処理(異常時初期化処理、通常初期化処理)が行われることによりリセットされる。リセットされると差球カウント値に初期値(本形態では100000)がセットされる。
なお、発動警告状態においては、差球カウント値は、電源復帰によりリセットされるのではなく、発動予告状態や発動状態と同様に、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われることによりリセットされるようにしてもよい。また、発動警告前状態においては、本体枠2又は前扉3が開放された状態で電源のオフ・オンが行われた場合や、特定のエラー(たとえば、電断するまでエラー報知が継続するエラー等)が発生している状態で電源のオフ・オンが行われた場合には、差球カウント値がリセットされないようにしてもよい。
【0225】
差球カウント値は、各入賞口へ遊技球が入球するごとに(一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a又は大入賞口検出センサ18aにより遊技球が検出されるごとに)当該入球に基づいて払い出される予定の賞球の数だけインクリメントされ、アウトセンサ19aにより遊技球が検出されるごとに1デクリメントされる。差球カウント値が0となっているときには、アウトセンサ19aにより検出されても、当該差球カウント値はデクリメントされず0のままとなる。
そして、差球カウント値が後述する第2基準値(本形態では195000)に到達すると、差球数が所定の作動停止個数(95000個)に到達したこととなる。
【0226】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、各入賞口へ遊技球が入球するごとに、当該入球に基づいて払い出される予定の賞球の数を差球カウント値に加算するようになっているが、これに限定されるものではなく、各入賞口への遊技球の入球に基づいて実際に賞球が払い出されるごとに、当該払い出された賞球の数を差球カウント値に加算するようにしてもよい。
また、上述したように、アウトセンサ19aにより遊技球が検出されるごとに、差球カウント値を1デクリメントするようになっているが、これに限定されるものではなく、発射された遊技球が遊技領域12に到達するごとに、差球カウント値を1デクリメントするようにしてもよい。すなわち、遊技球が遊技に用いられるごとに、差球カウント値を1デクリメントするようにしてもよい。
また、上述したように、発動予告状態及び発動状態においては、差球カウント値は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理(異常時初期化処理、通常初期化処理)が行われることによりリセットされるようになっていたが、これに限定されるものではなく、電源復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって、設定確認状態又は遊技可能状態が設定される場合に実行される初期化処理(通常初期化処理)が行われることによりリセットされるようにしてもよい。
【0227】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球作動停止制御に関する各種状態として、発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、及び、発動状態の4種類が設けられている。遊技可能状態中は、上述の4種類の状態のうちのいずれかに滞在するようになっている。
【0228】
(発動警告前状態)
発動警告前状態は、差球カウント値がリセットされることにより設定され、当該差球カウント値が第1基準値(本形態では190000)に到達していないときに滞在する状態であり、遊技可能状態中は主にこの発動警告前状態に滞在する。そして、差球カウント値が第1基準値に到達すると発動警告前状態が終了し、発動警告状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値がリセットされてから第1基準値に到達するまでの間、発動警告前状態に滞在することとなる。
【0229】
(発動警告状態)
発動警告状態は、上述のように、差球カウント値が第1基準値に到達することにより設定される。そして、差球カウント値が第2基準値(195000)に到達すると発動警告状態が終了し、この到達の際において、特別遊技が実行されていたときには発動予告状態が設定され、特別遊技が実行されていなかったときには発動状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第1基準値に到達してから第2基準値に到達するまでの間、発動警告状態に滞在することとなる。
【0230】
また、メインCPU101は、発動警告状態が設定されると、その旨を示す第1差球作動停止制御指定コマンドを副制御基板300に送信する。そして、副制御基板300において第1差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、電断が発生するか、発動警告状態が終了するか又は所定時間(本形態では60秒)が経過するという終了条件を満たすまでの間、演出表示装置21の表示部21aにおいて、第1基準値に到達し間もなく第2基準値に到達する旨を示唆する発動警告示唆(たとえば、「打ち止めまで残り約5000発です」という発動警告文字画像の表示等)が行われるとともに(
図51(e)~(g)参照)、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯する(たとえば、前扉演出ランプDLのみ青色で点灯等)ようになっている。また、第1差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、当該時点(すなわち、発動警告状態の設定時点)から所定の発動警告音声出力時間(本形態では5秒)が経過するまでの間、発動警告音声(たとえば、「打ち止めまで残り約5000発です」という音声)の出力が行われる。これらにより、発動警告状態が設定された旨の示唆が行われる。
なお、発動警告音声の出力については、電断が発生するまで継続して行うようにしてもよいし、発動警告状態が終了するまで継続して行うようにしてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動警告状態が設定された後は電断復帰が行われない限り、差球カウント値が第1基準値を下回っても、発動警告状態が終了し発動警告前状態が設定されることはないようになっている。なお、発動警告状態が設定された後に差球カウント値が第1基準値を下回った場合には、発動警告状態を終了させ発動警告前状態を設定するようにしてもよい。
【0231】
(発動予告状態)
発動予告状態は、上述のように、差球カウント値が第2基準値に到達し、この到達の際に特別遊技が実行されていたときに設定される。そして、この実行中の特別遊技が終了すると発動予告状態が終了し、発動状態が設定される。また、発動予告状態中に上述した設定変更状態の設定に伴う初期化処理(異常時初期化処理、通常初期化処理)が行われると発動予告状態が終了し、発動警告前状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていた場合において、差球カウント値が第2基準値に到達してから、実行中の特別遊技が終了するか又は設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われるまでの間、発動予告状態に滞在することとなる。
【0232】
なお、発動予告状態は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われることにより終了するのではなく、電源復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって、設定確認状態又は遊技可能状態が設定される場合に実行される初期化処理(通常初期化処理)が行われることにより終了するようにしてもよい。
【0233】
また、メインCPU101は、発動予告状態が設定されると、その旨を示す第2差球作動停止制御指定コマンドを副制御基板300に送信する。そして、副制御基板300において第2差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、電断が発生するか又は発動予告状態が終了するという終了条件を満たすまでの間、演出表示装置21の表示部21aにおいて、特別遊技が終了した後にパチンコ機Pの作動が停止する旨を示唆する発動予告示唆(たとえば、「大当たりの終了後に打ち止めとなります」という発動予告文字画像の表示等)が行われるとともに(
図51(h)参照)、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯する(たとえば、前扉演出ランプDLのみ青色で点灯等)ようになっている。また、第2差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、当該時点(すなわち、発動予告状態の設定時点)から所定の発動予告音声出力時間(本形態では7秒)が経過するまでの間、発動予告音声(たとえば、「大当たりの終了後に打ち止めとなります」という音声)の出力が行われる。これらにより、発動予告状態が設定された旨の示唆が行われる。
なお、発動予告示唆、各種ランプの所定の点灯パターンによる点灯又は消灯については、所定時間(たとえば60秒)が経過するまでの間に行うようにしてもよい。また、発動予告音声の出力については、電断が発生するまで継続して行うようにしてもよいし、発動予告状態が終了するまで継続して行うようにしてもよい。
【0234】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、差球カウント値が第2基準値に到達することに基づき発動状態が設定されると遊技が進行しない(遊技が停止する)ようになるものの、上述の如く、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていたときには発動状態ではなく発動予告状態が設定され、実行中の特別遊技が終了すると発動予告状態が終了し発動状態が設定されるようになっている。すなわち、特別遊技の実行中に差球カウント値が第2基準値に到達した場合には、当該到達に基づきすぐに遊技が停止され強制的に実行中の特別遊技が終了するのではなく、実行中の特別遊技における最終のラウンド遊技が終了するまで遊技が進行する。これにより、特別遊技の実行中に差球カウント値が第2基準値に到達した場合であっても、遊技者の興趣を持続させることができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動予告状態が設定されたものの、当該発動予告状態中に差球カウント値が減少し、実行中の特別遊技が終了した時点で第2基準値を下回っていた場合であっても、発動予告状態が終了し発動状態が設定されるようになっている。なお、特別遊技が終了した時点で差球カウント値が第2基準値を下回っていた場合には、発動状態が設定されないようにしてもよい。
【0235】
(発動状態)
発動状態は、上述のように、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていなかった場合に、又は、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていたときには当該実行中の特別遊技が終了した場合に設定される。そして、上述した設定変更状態の設定に伴う初期化処理(異常時初期化処理、通常初期化処理)が行われると発動状態が終了し、発動警告前状態が設定される。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていなかった場合には、差球カウント値が第2基準値に到達してから設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われるまでの間、発動状態に滞在することとなる。また、差球カウント値が第2基準値に到達した際に特別遊技が実行されていた場合には、実行中の特別遊技が終了してから設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われるまでの間、発動状態に滞在することとなる。
換言すれば、発動状態が設定された後は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われない限り、当該発動状態は終了することなく当該発動状態が継続する。
【0236】
なお、発動状態は、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われることにより終了するのではなく、電源復帰時にRAMクリアスイッチ109がオンであって、設定確認状態又は遊技可能状態が設定される場合に実行される初期化処理(通常初期化処理)が行われることにより終了するようにしてもよい。
【0237】
本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101は、発動状態が設定されると、当該発動状態が設定された旨を示す発動状態設定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。これにより、発射払出制御基板200においても発動状態が設定された旨を把握できるようになっている。
そして、発動状態においては、上述の遊技停止状態と同様に、操作ハンドル5の回転操作が行われても遊技球が発射されないようになっている。また、主制御基板100のメインCPU101が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出しないようになっており、これにより、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球しても当該入球に基づく大当たりの抽選が行われず、遊技球がゲート20を通過しても当該通過に基づく普通図柄の抽選が行われないとともに、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しないようになっている。さらに、特別図柄の変動表示や普通図柄の変動表示が実行されていた場合には、発動状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示や普通図柄の変動表示を停止するようになっている。
このように、発動状態においては主制御基板100のメインCPU101が上述の制御を行うことにより、遊技停止状態中と同様に、遊技が進行しない(遊技が停止する)こととなる。
なお、上述したように、発動状態において操作ハンドル5の回転操作が行われた場合、遊技球は発射されないものの、ハンドル操作コマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100へ送信される。そして、メインCPU101は、ハンドル操作コマンドを受信すると、回転操作コマンドを副制御基板300に送信する。したがって、発動状態中であっても、操作ハンドル5の回転操作が行われた旨を主制御基板100及び副制御基板300において把握できる。
【0238】
また、発動状態においては、上述のように遊技が進行しないことから、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ入賞信号を送信する制御も制限されるようになっている。
たとえば、入賞信号の送信中に発動状態が設定された場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示を停止することから、メインCPU101は実行中の入賞信号の送信を停止することができなくなり、当該入賞信号は送信されたままの状態となる。また、入賞信号が送信されていないときに発動状態が設定された場合には、その後に第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、主制御基板100のメインCPU101は当該入球を検出しないため、メインCPU101は入賞信号の送信を開始することができなくなる。
【0239】
さらに、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限されるようになっている。
具体的には、発動状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。
これにより、たとえば、第2始動入賞口16の可動片16bが開いていた場合には、発動状態が設定されると可動片16bが閉じ、発動状態中は可動片16bが閉じた状態が維持される。また、発動状態中は開閉扉18bが閉じた状態が維持される。また、たとえば、普通図柄の抽選で当たりとなった後、第2始動入賞口16の可動片16bが開く前に発動状態が設定された場合には、可動片16bは開放されず、発動状態中は可動片16bが閉じたままとなる。
【0240】
また、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は停止されるものの、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は停止しないようになっている。
【0241】
具体的には、主制御基板100のメインCPU101が、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16又は大入賞口18への遊技球の入球に基づいて、対応する個数の賞球を払い出す旨の賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に(すなわち、賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信した後に)、発動状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
【0242】
これにより、たとえば、いずれかの入賞口への遊技球の入球に基づく賞球が払い出されているときに、発動状態が設定された場合であっても、上述の入球に基づく全ての賞球が払い出されることとなる。すなわち、発動状態が設定される前にいずれかの入賞口へ遊技球が入球することで獲得されたものの、発動状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない賞球も全て払い出される。
このように、発動状態が設定される前にいずれかの入賞口へ遊技球が入球し、当該入球に基づく賞球の払い出しの最中に発動状態が設定された場合には、主制御基板100による遊技の進行及び発射払出制御基板200による遊技球の発射については停止するものの、発射払出制御基板200による賞球の払い出しは停止することなく発動状態中も継続して行われる。
【0243】
同様に、遊技者により球貸ボタン36が押下操作され、遊技球貸出装置Rが所定個数の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に、発動状態が設定されても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は実行される。
これにより、球貸ボタン36の押下操作による所定個数の遊技球(貸球)の払い出しが行われているときに、発動状態が設定された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出されることとなる。すなわち、発動状態が設定される前に球貸ボタン36が押下操作され、遊技球の払い出しが開始されたものの、発動状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない遊技球も全て払い出される。
【0244】
また、発動状態中であっても、遊技球貸出装置R、価値情報表示装置35、球貸スイッチ36a、カード返却スイッチ37aの作動が制限されることはなく、これらの機器からの信号やコマンドの送信、これらの機器による信号やコマンドの受信が制限されることもない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出される。
【0245】
また、発動状態中であっても、価値情報表示装置35における価値情報の表示が継続して行われる。また、発動状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合にも、遊技球貸出装置Rが減算コマンドを価値情報表示装置35に送信するため、発動状態中であっても、価値情報表示装置35において価値情報の更新表示が行われる。さらに、発動状態中にカード返却ボタン37が押下操作された場合にも、カード返却スイッチ37aが返却要求信号を遊技球貸出装置Rに送信するため、発動状態中であっても、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
なお、発動状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合には、遊技球の払い出しを行わないようにするとともに、価値情報表示装置35における価値情報の更新表示も行われないようにしてもよい。また、発動状態中にカード返却ボタン37が押下操作された場合には、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われないようにしてもよい。
【0246】
また、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生の判定のみ行い、主制御基板100において判定するその他のエラー(上述の主制御関連エラー)の発生は判定しないようになっている。そして、発動状態中であっても、扉開放エラーが発生したものと判定された場合には、メインCPU101は、扉開放エラーに対応するエラー示唆コマンドを副制御基板300に送信する。以上より、発動状態中であっても、本体枠2又は前扉3が開放された場合には扉開放エラーが発生したものと判定され、演出表示装置21、各種ランプ、音声出力装置10により扉開放エラーが発生した旨の示唆が行われる。
さらに、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、発射払出制御基板200の払出CPU201は、いずれのエラーの発生も行わないようになっている。したがって、遊技停止状態中は、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生は判定されない。
なお、発動状態中であっても、主制御基板100のメインCPU101は、主制御基板100において判定する扉開放エラー以外のエラー(主制御関連エラー)の発生も判定するようにしてもよい。これにより、発動状態中も、扉開放エラー以外のエラーについて発生条件を満たした場合には、当該エラーが発生することとなる。
また、発動状態中には、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーの発生についても判定しないようにしてもよい。
また、発動状態中であっても、発射払出制御基板200の払出CPU201は継続して、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラー、払出モータエラーの発生を判定するようにしてもよい。
【0247】
また、発動状態においては、遊技停止状態と同様に、主制御基板100のメインCPU101によるパチンコ機Pの外部へ入賞信号や大当たり信号を送信する制御は制限されるものの、発射払出制御基板200による払出賞球信号を送信する制御は制限されることなく、継続して行われるようになっている。
なお、発動状態においては、発射払出制御基板200による払出賞球信号を送信する制御も制限されるようにしてもよい。
【0248】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態においては、遊技が進行せず、かつ遊技球を発射する制御が停止することにより遊技球の発射が行えないようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、発動状態においては、遊技が進行しないようにするものの、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は停止されないようにしてもよい。すなわち、発動状態においては、遊技は進行しないものの、遊技球の発射を行うことができるようにしてもよい。
【0249】
また、発動状態が設定されると、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33における表示をクリアするようになっている。具体的には、これらの表示装置は点灯又は消灯が可能なLEDから構成されているが、各表示装置を構成するLEDが消灯するようになっている。これにより、第1特別図柄表示装置30や第2特別図柄表示装置32において変動表示中であった特別図柄や停止表示中であった特別図柄、普通図柄表示装置32において変動表示中であった普通図柄や停止表示中であった普通図柄、第1特図保留表示装置38により表示されていた第1特図保留数、第2特図保留表示装置39により表示されていた第2特図保留数、普通図柄保留表示装置33により表示されていた普図保留数が全てクリアされることとなる。
これに対して、発動状態が設定された際に、副制御基板300に接続されている右打ち報知ランプRLが点灯していた場合には、発動状態の設定後も、この右打ち報知ランプRLの点灯は継続して行われるようになっている。
なお、右打ち報知ランプRLの他、たとえば、所定態様で点灯することにより第1特図保留数や第2特図保留数を示唆する保留数ランプ等が副制御基板300に接続されていた場合には、この保留数ランプについても、発動状態の設定後も、第1特図保留数や第2特図保留数を示唆する所定態様での点灯が継続して行われるようにしてもよい。すなわち、副制御基板300に接続されている表示装置であって、遊技の進行に係る示唆を行うものについては、発動状態の設定後も当該示唆を継続して実行するようにしてもよい。
【0250】
また、メインCPU101は、発動状態が設定されると、その旨を示す第3差球作動停止制御指定コマンドを副制御基板300に送信する。そして、副制御基板300において第3差球作動停止制御指定コマンドが受信されると、この時点で演出表示装置21の表示部21aに表示されていた演出図柄50、保留記憶が行われていることを示唆する保留画像、背景画像等の各種演出画像がクリアされた上で、電断が発生するまでの間、演出表示装置21の表示部21aにおいて、パチンコ機Pの作動が停止した旨を示唆する発動示唆(たとえば、「差球作動停止機能作動中 差球上限に到達のため打ち止めとなります 係員を呼んでください」という発動文字画像の表示等)が行われ(
図51(i)参照)、音声出力装置10から所定の発動音声(たとえば、「差球上限に到達のため打ち止めとなります」という音声)が出力され、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL、盤面演出ランプGLが所定の点灯パターンにより点灯又は消灯すること(たとえば、前扉演出ランプDLが青色で点灯、状態報知ランプELが赤色で点灯、盤面演出ランプGLが消灯等)により、発動状態が設定された旨の示唆が行われる。
なお、発動示唆、発動音声の出力、各種ランプの点灯又は消灯による発動状態が設定された旨の示唆については、電断が発生するまで行うのではなく、所定時間(発動警告状態が設定された旨の示唆が行われる時間よりも長い時間(たとえば10分)等)が経過するまでの間のみ行うようにしてもよい。
また、発動状態が設定された時点で表示されていた各種演出画像はクリアするのではなく、そのまま表示し続けてもよい。そして、これらの各種演出画像に重ねて上述の発動示唆(発動文字画像の表示)を行ってもよい。
【0251】
また、メインCPU101は、発動状態が設定されると、メイン情報表示装置105において発動状態を示すコードを表示するようになっている。これにより、発動状態が設定された旨をメイン情報表示装置105により把握することができる。
なお、発動状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105においてはいかなる表示も行わないようにしてもよい。すなわち、メイン情報表示装置105における表示をクリアするようにしてもよい。
【0252】
また、メインCPU101は、発動状態が設定されると、当該発動状態が設定された旨を示す信号(発動状態検出信号)をホールコンピュータへ出力するようになっている。これにより、発動状態が設定された旨をホールコンピュータにおいて把握することができるようになっている。
【0253】
なお、発動状態においては、遊技が進行せず、かつ遊技球の発射が行われないため、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することなく、特別図柄の変動表示、特別遊技、普図遊技が実行されることはない。したがって、これらの実行(遊技の進行)に伴う各種コマンド(たとえば、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく始動入賞コマンド、特別図柄の変動開始に基づく変動モードコマンドや変動パターンコマンド、特別遊技の開始に基づくオープニングコマンド等)が、主制御基板100から副制御基板300に送信されることもない。
また、副制御基板300には、十字キー25の押下操作を検出する十字キー検出センサ25a、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dが接続されているが、発動状態においても、これらのセンサによる検出は実行されるようになっている。これにより、発動状態中も、副制御基板300において、操作ボタン9bの押下操作や十字キー25の押下操作を把握できることとなる。
【0254】
(差球作動停止制御に関する各種状態の設定の概要)
また、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に設けられた使用外領域における特定の領域に、差球作動停止制御に関する各種状態(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態)を設定するための差球作動停止制御フェーズデータが記憶されるようになっている。この差球作動停止制御フェーズデータに、上述の各種状態に対応する状態値が記憶されることにより、発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態のいずれかが設定されることとなる。
【0255】
具体的には、発動警告前状態又は発動警告状態において電断復帰が行われるか、或いは、発動予告状態又は発動状態において設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われると、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータをクリアした上で、この差球作動停止制御フェーズデータに発動警告前状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動警告前状態が設定される。
すなわち、発動警告前状態又は発動警告状態において電断復帰が行われると、上述したように差球カウント値がリセットされることにより発動警告前状態が設定される。また、発動予告状態又は発動状態において設定変更状態の設定に伴う初期化処理が行われると、これらの状態が終了するとともに差球カウント値がリセットされることにより発動警告前状態が設定される。
【0256】
また、差球カウント値が第1基準値に到達すると、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告状態に対応する状態値を記憶する。すなわち、差球作動停止制御フェーズデータが発動警告状態に対応する状態値に更新される。これにより、発動警告状態が設定される。
また、差球カウント値が第2基準値に到達し、この到達の際に特別遊技が実行されていたときには、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値を記憶する。すなわち、差球作動停止制御フェーズデータが発動予告状態に対応する状態値に更新される。これにより、発動予告状態が設定される。
また、差球カウント値が第2基準値に到達し、この到達の際に特別遊技が実行されていなかったとき、又は、差球カウント値が第2基準値に到達した際に実行されていた特別遊技が終了したときには、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値を記憶する。すなわち、差球作動停止制御フェーズデータが発動状態に対応する状態値に更新される。これにより、発動状態が設定される。
【0257】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態においては、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限され、遊技が進行しない制御状態中は可動片16b及び大入賞口18が閉じたままとなる。
これにより、遊技が進行していないにもかかわらず、始動入賞口ソレノイド16cや大入賞口ソレノイド18cが作動し続けることで、たとえば、これらの構成部品が発熱し故障したり破損したりするような事態を防止できる。また、第2始動入賞口16や大入賞口18が開き続けることで、遊技が進行していない間にこれらの入賞口へ不正部品を挿入して賞球を獲得するような不正行為を防止できる。
【0258】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態においては、遊技球の発射は行われないものの、発射払出制御基板200による遊技球の払い出し(賞球の払い出し及び貸球の払い出しの両方)は継続して行われ、また、価値情報表示装置35における価値情報の表示、遊技球貸出装置Rによるカードの排出等も行われる。
これにより、たとえば、遊技停止状態が設定されるよりも前にいずれかの入賞口へ遊技球が入球したにもかかわらず、遊技停止状態が設定されたことにより賞球の払い出しが停止し、上述の入球に基づく賞球の一部を獲得できないといった不利益や、遊技停止状態が設定されるよりも前に遊技者により球貸スイッチ36が押下されたにもかかわらず、遊技停止状態が設定されたことにより貸球の払い出しが停止し、貸球の一部を取得できないといった不利益の発生を防止することができる。また、遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は発射払出制御基板200に対して、作動を停止させたり、遊技球の払い出しを停止させたりする信号やコマンドを送信する等といった特段の処理を実行する必要が無いため、メインCPU101等のハードウェア資源にかかる負荷が増加するのを防止することができる。
【0259】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態中は、主制御基板100で発生の判定がなされるエラーのうち扉開放エラーについてのみ、発生の判定を行うようになっている。
これにより、遊技停止状態中に本体枠2や前扉3を開放し、主制御基板100に対して不正行為が行われるような事態を防止可能となる。
【0260】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態中は、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号のパチンコ機P外部への送信の制御は制限されるものの、発射払出制御基板200による払出賞球信号のパチンコ機P外部への送信の制御は制限されないようになっている。
これにより、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御が継続して行われる遊技停止状態中であっても、遊技球の払い出しに関する情報をパチンコ機Pの外部の装置においても確実に把握させることができる。また、遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は発射払出制御基板200に対して、パチンコ機Pの外部への信号の送信を停止させるコマンドを送信する等といった特段の処理を実行する必要が無く、また、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号の送信の制御は制限されるため、メインCPU101等のハードウェア資源にかかる負荷が増加するのを防止することができる。
【0261】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間は、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間よりも長く設定されている。
これにより、発射払出制御基板200からパチンコ機Pの外部へ送信する信号よりも、主制御基板100からパチンコ機Pの外部へ送信する信号の方が、確実にパチンコ機Pの外部へ伝達されることとなる。
【0262】
なお、上記送信の時間の設定については、これに限定されるものではない。
たとえば、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間が、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間よりも長くなるように設定してもよい。
このように設定した場合には、主制御基板100からパチンコ機Pの外部へ送信する信号よりも、発射払出制御基板200からパチンコ機Pの外部へ送信する信号の方が、確実にパチンコ機Pの外部へ伝達されることとなる。
また、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間と、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間とが同じとなるように設定してもよい。
【0263】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第2基準値に到達することに(差球数が所定の作動停止個数に到達すること)に基づき、遊技が進行せず、かつ遊技球の発射が行われない発動状態が設定される。
これにより、遊技中に遊技者が獲得した遊技球の数が過剰となり射幸性が高くなり過ぎるような事態を防止することができるとともに、上述の遊技停止状態中と同様の効果が生じることとなる。
【0264】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態中は、遊技停止状態中と同様に、主制御基板100で発生の判定がなされるエラーのうち扉開放エラーについてのみ、発生の判定を行うようになっている。
これにより、発動状態中に本体枠2や前扉3を開放し、主制御基板100に対して不正行為が行われるような事態を防止可能となる。
【0265】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、後述する主制御基板100のメイン処理に割り込んで、
図21のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0266】
ステップ100において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していないと判定した場合、電断退避処理を終了する。一方、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、メインRAM103における使用領域及び使用外領域のチェックサムを算定する処理を実行し、算定されたチェックサムを第2領域に記憶する。そして、次のステップ102に進む。
【0267】
ステップ102において、メインCPU101は、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を実行し、このバックアップ処理の結果を示すバックアップフラグを第2領域に記憶する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。これにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となる。そして、次のステップ104に進む。
【0268】
ステップ104において、メインCPU101は、発射払出制御基板200に対する各種信号(主制御基板100との双方向通信が確立され主制御基板100へコマンドを送信可能である旨を示す主コマンド許可信号、遊技球の発射を許可する発射許可信号等)の送信を停止する。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、メインCPU101は、電断監視時間(3000ms)を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ106に進む。
【0269】
ステップ106において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ105に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ107に進む。
ステップ107において、メインCPU101は、上述のステップ105で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ106に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し、後述の電断復帰時処理を実行する。なお、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。電断が発生した場合には、上述のステップ105からステップ107までをループしている間は、パチンコ機Pの作動が停止している。
【0270】
次に、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板600により電力が供給されると(電断から復帰すると)、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図22のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0271】
ステップ110において、メインCPU101は、電断復帰時処理を実行する。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを禁止する。そして、次のステップ112に進む。
【0272】
ステップ112において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ113に進む。
ステップ113において、メインCPU101は、特図遊技や普図遊技を実行するために用いられる各種コマンドを解析する。そして、次のステップ114に進む。
【0273】
ステップ114において、メインCPU101は、演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)されたコマンドを副制御基板300に送信する。そして、次のステップ115に進む。
ステップ115において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを許可する。そして、次のステップ116に進む。
【0274】
ステップ116において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ116の処理が終了すると、以降は、後述するタイマ割込み処理が行われるまで、ステップ111~ステップ116の処理を繰り返し実行する。
【0275】
次に、上述したステップ110の電断復帰時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチ650がオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。また、メインCPU101は、発射払出制御基板200に対する各種信号(発射許可信号、主コマンド許可信号等)の送信を開始する。これにより、操作ハンドル5の回転操作に基づき、発射払出制御基板200によって遊技球を発射させる制御が実行可能となるとともに、発射払出制御基板200から主制御基板100へのコマンドの送信が可能となる。また、特に図示していないが、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを許可する。これにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が可能となる。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、この時点におけるメインRAM103のチェックサムを算定するとともに、算定されたチェックサム及びメインRAM103の第2領域に記憶されているチェックサム(ステップ101で電断発生直前に算定されたチェックサム)、並びに、第2領域に記憶されているバックアップフラグに基づいて、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ136に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ132に進む。
【0276】
ステップ132において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、ステップ136に進む。一方、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態、設定スイッチ108がオン、かつ本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か、すなわち、遊技可能状態が終了し設定確認状態が設定されるための条件を満たしているか否かを判定する。そして、当該条件を満たしていないと判定した場合(すなわち、滞在中の制御状態が設定確認状態、設定変更状態又は遊技停止状態、設定スイッチ108がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフのいずれかを満たす場合)、ステップ135に進む。一方、当該条件を満たしていると判定した場合、次のステップ134に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第1領域に、滞在中の制御状態を示す遊技機状態フラグが記憶されるようになっており、この遊技機状態フラグを参照することで、滞在中の制御状態を判断することができる。
【0277】
ステップ134において、メインCPU101は、設定確認状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定されていた場合には異常時初期化処理を実行し、設定変更状態が設定されていた場合又は上述のステップ134で設定確認状態が設定された場合にはクリア処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
【0278】
また、上述のステップ131でバックアップ異常が発生していると判定した場合、上述のステップ132でRAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合に進むステップ136において、メインCPU101は、RAM異常が発生していないか否かを判定する。そして、RAM異常が発生していないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、RAM異常が発生していると判定した場合、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態を設定し、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。具体的には、停止関連処理として、発射払出制御基板200への発射許可信号の送信を停止する処理、遊技停止状態の設定前に特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技が実行されていた場合にはこれらを停止する処理、主制御関連エラーの判定を停止する処理、入賞信号及び大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御を停止(制限)する処理、メイン情報表示装置105においてエラーコードを表示させる処理、パチンコ機Pの外部へセキュリティ信号を送信する処理等が実行される。これにより、操作ハンドル5の回転操作が行われても、発射払出制御基板200による遊技球を発射させる制御が実行不可となり、また、遊技の進行が停止する。さらに、主制御基板100において発生の判定を行うエラーのうち扉開放エラー以外のエラーの判定が行われなくなり、入賞信号及び大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御が制限される。一方、発射払出制御基板200による、遊技球を払い出す制御、払出賞球信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御は継続して行われるものの、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、払出電波エラーの判定は行われなくなる。そして、ステップ143に進む。
【0279】
また、上述のステップ136でRAM異常が発生していないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、設定変更条件(すなわち、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン)が成立しているか否かを判定する。そして、設定変更条件が成立していないと判定した場合、ステップ140に進む。一方、設定変更条件が成立していると判定した場合、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、設定変更状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0280】
また、上述のステップ138で設定変更条件が成立していないと判定した場合に進むステップ140において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ142に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ141に進む。
ステップ141において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0281】
また、上述のステップ140でバックアップ異常が発生していると判定した場合に進むステップ142において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ143に進む。
ステップ143において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定された場合には異常時初期化処理を実行し、遊技可能状態又は設定変更状態が設定された場合には通常初期化処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
【0282】
ステップ144において、メインCPU101は、電源復帰時に副制御基板300へ送信するコマンド(たとえば、遊技停止状態が設定された旨を示す状態設定コマンド(遊技停止コマンド)等)を演出用伝送データ格納領域に記憶する。ここで記憶されたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ145に進む。
ステップ145において、メインCPU101は、電断復帰時に実行された処理に応じた所定のコマンドを発射払出制御基板200へ送信する。そして、次のステップ146に進む。
【0283】
ステップ146において、メインCPU101は、電断復帰に基づいて行われる差球制御リセット処理を実行する。そして、電断復帰時処理を終了する。
【0284】
次に、上述したステップ146の差球制御リセット処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ150において、メインCPU101は、差球作動停止フェーズデータに発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されているか否かを判定する。そして、発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されていない(すなわち、発動警告前状態又は発動警告状態に対応する状態値が記憶されている)と判定した場合、ステップ152に進む。一方、発動予告状態又は発動状態に対応する状態値が記憶されていると判定した場合、次のステップ151に進む。
ステップ151において、メインCPU101は、上述の電断復帰処理で設定変更状態の設定に伴う初期化処理(異常時初期化処理、通常初期化処理)が実行されたか否かを判定する。そして、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が実行されていないと判定した場合、差球制御リセット処理を終了する。一方、設定変更状態の設定に伴う初期化処理が実行されたと判定した場合、次のステップ152に進む。
【0285】
ステップ152において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータをクリアするとともに、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告前状態に対応する状態値を記憶する。そして、次のステップ153に進む。
ステップ153において、メインCPU101は、差球カウント値をリセットする。そして、差球制御リセット処理を終了する。
【0286】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)ごとにクロックパルスが発生されることで、
図25のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0287】
ステップ200において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であり、かつ差球作動停止制御に関する状態が発動状態以外(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態)であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でない(すなわち、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態である)か、又は、遊技可能状態であるものの発動状態以外でない(すなわち、発動状態である)と判定した場合、ステップ217に進む。一方、遊技可能状態であり、かつ発動状態以外であると判定した場合、次のステップ201に進む。
ステップ201において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ202に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
【0288】
ステップ202において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18a、一般入賞口検出センサ14a、アウトセンサ19aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。なお、このセンサ検出時処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は実行されない。これにより、これらの状態中は、遊技球が一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18へ入球しても又は遊技球がゲート20を通過しても、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しない。そして、次のステップ204に進む。
【0289】
ステップ204において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。なお、この特図関連制御処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は実行されない。これにより、これらの状態中は、大当たりの抽選、特別図柄の変動表示及び特別遊技が実行されない。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。なお、この普図関連制御処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は実行されない。これにより、これらの状態中においては、普通図柄の抽選が実行されない。そして、次のステップ206に進む。
【0290】
ステップ206において、メインCPU101は、遊技状態(通常遊技状態、高確率時短遊技状態)に応じて遊技球を打ち出す遊技領域(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を決定するための発射位置制御処理を実行する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、エラーに関する各種処理を行う状態制御処理を実行する。
具体的には、メインCPU101は、遊技可能状態であって、かつ発動状態以外(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態)であるときには、扉開放エラー又は主制御関連エラーが発生したか否かを判定し、また、発射払出制御基板200において扉開放エラーを除く払出関連エラーが発生した旨の判定がなされたか否かを判定する。扉開放エラー又は主制御関連エラーが発生したと判定した場合、或いは、発射払出制御基板200において扉開放エラーを除く払出関連エラーが発生した旨の判定がなされたと判定した場合(すなわち、扉開放エラーを除く払出関連エラーの発生を把握した場合)、メインCPU101は、発生したエラーを示すエラー示唆コマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、発生したエラーに対応するエラー示唆画像を演出表示装置21に表示したり、発生したエラーに対応する態様で各種ランプ(盤面演出ランプGL、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL)を点灯させたり、発生したエラーに対応するエラー示唆音声を音声出力装置10から出力させたりすることで、発生したエラーが示唆されるとともに、ホールコンピュータ等に対して上述のエラーが発生した旨が通知されることとなる。
また、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態であるとき、或いは、遊技可能状態であって、かつ発動状態であるときには、メインCPU101は、扉開放エラーが発生したか否かについてのみ判定する。扉開放エラーが発生したと判定した場合、上述と同様に、メインCPU101は、扉開放エラーを示すエラー示唆コマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、扉開放エラーに対応するエラー示唆画像を演出表示装置21に表示したり、扉開放エラーに対応する態様で各種ランプ(盤面演出ランプGL、前扉演出ランプDL、状態報知ランプEL)を点灯させたり、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声を音声出力装置10から出力させたりすることで、扉開放エラーの発生が示唆されるとともに、ホールコンピュータ等に対して扉開放エラーが発生した旨が通知されることとなる。
また、発生していたエラーの解除が把握された場合や、発生していたエラーが解除されたものと判定した場合、メインCPU101は、エラー解除コマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、実行されていたエラーの示唆を終了させることができ、ホールコンピュータ等に対して発生していたエラーの解除が通知されることとなる。
そして、次のステップ208に進む。
【0291】
ステップ208において、メインCPU101は、発射払出制御基板200において遊技球を払い出すために必要な各種処理を行う払出制御処理を実行する。
具体的には、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合には、メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する賞球指定コマンドを発射払出制御基板200及び副制御基板300に送信する。さらに、メインCPU101は、差球カウント値を、上述の検出信号に対応する賞球の数(各入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出される予定の賞球の数)だけインクリメントする。
なお、上述の如く、発射払出制御基板200に賞球指定コマンドが送信された後に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態が設定されても、当該賞球指定コマンドに基づく発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御は継続して行われる。
また、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は、上述したように、遊技が進行しないため、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aによる遊技球の検出は行われない。したがって、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中には、新たに払出制御処理が開始されることはない。
そして、次のステップ209に進む。
【0292】
ステップ209において、メインCPU101は、外部情報端子基板500への各種信号の送信を制御するための外部情報制御処理を実行する。遊技可能状態であって、かつ発動状態以外の状態のときは、この外部情報制御処理の実行により、上述の入賞信号や大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御が行われるが、遊技停止状態中、設定変更状態中、設定確認状態中、発動状態中は、遊技が進行しないことから、入賞信号や大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御は制限される。なお、発動状態が設定されると、当該発動状態が設定された旨を示す発動状態検出信号中をホールコンピュータへ送信する制御は行われる。
たとえば、入賞信号の送信中に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態となった場合には、メインCPU101は特別図柄の変動表示を停止することから、入賞信号の送信を停止することができず、当該入賞信号は送信されたままとなる。また、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態となった後に、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、メインCPU101は当該入球を検出しないため、新たに入賞信号の送信が開始されることはない。
また、大当たり信号の送信中に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった場合には、メインCPU101が特別遊技の実行を停止することから、大当たり信号の送信を停止することができず、当該大当たり信号は送信されたままとなる。また、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態となった後は、メインCPU101は特別遊技を開始しないため、新たに大当たり信号の送信が開始されることはない。
そして、次のステップ210に進む。
【0293】
ステップ210において、メインCPU101は、第2始動入賞口16の可動片16bの開閉を制御するための始動入賞口ソレノイドデータ、及び、大入賞口18の開閉扉18bの開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータを所定のソレノイド記憶領域にセットするソレノイド制御処理を実行する。そして、次のステップ211に進む。
ステップ211において、メインCPU101は、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データを作成する表示データ作成処理を実行する。そして、次のステップ212に進む。
【0294】
ステップ212において、メインCPU101は、上述のステップ210でセットされた始動入賞口ソレノイドデータ及び大入賞口ソレノイドデータ、並びに、上述のステップ211で作成した表示データを対応するポートに出力するポート出力処理を実行する。これにより、これらのデータに基づいて、第2始動入賞口16の可動片16bの開閉、大入賞口18の開閉扉18bの開閉、各種表示装置における表示が行われる。また、メインCPU101は、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信する処理も行う。そして、次のステップ213に進む。
ステップ213において、メインCPU101は、メイン情報表示装置105に遊技性能表示情報を表示する性能表示制御処理を実行する。そして、次のステップ214に進む。
【0295】
ステップ214において、メインCPU101は、差球関連コマンドセット処理を実行する。そして、次のステップ215に進む。
ステップ215において、メインCPU101は、差球判定制御処理を実行する。そして、次のステップ216に進む。
【0296】
ステップ216において、メインCPU101は、発射払出制御手段200から送信されるハンドル操作コマンドに基づくハンドル操作コマンド制御処理を実行する。
具体的には、メインCPU101は、発射払出制御基板200からハンドル操作コマンドを受信しているか否かを判定し、ハンドル操作コマンドを受信していると判定した場合には、操作ハンドル5の回転操作が行われている旨を示す回転操作コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、副制御基板300に、操作ハンドル5の回転操作が行われている旨を伝達することができる。一方、ハンドル操作コマンドを受信していないと判定した場合には、メインCPU101は特に処理を行わない。
なお、上述したように、パチンコ機Pの制御状態が遊技停止状態であるとき、又は、差球作動停止制御に関する状態にかかわらずパチンコ機Pの制御状態が遊技可能状態であるときには、操作ハンドル5の回転操作が行われていれば、ハンドル操作コマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100へ送信される。したがって、遊技停止状態や発動状態であっても、操作ハンドル5の回転操作が行われていれば回転操作コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300において操作ハンドル5の回転操作が行われている旨を把握できることとなる。
そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0297】
また、上述のステップ200で遊技可能状態でないか、又は、遊技可能状態であるものの発動状態以外でないと判定した場合に進むステップ217において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が設定変更状態又は設定確認状態であるか否かを判定する。そして、設定変更状態及び設定確認状態のいずれでもない(すなわち、遊技停止状態、又は、遊技可能状態であって、かつ発動状態である)と判定した場合、ステップ207に進む。一方、設定変更状態又は設定確認状態であると判定した場合、次のステップ218に進む。
ステップ218において、メインCPU101は、設定関連処理を実行する。そして、ステップ207に進む。
【0298】
次に、上述したステップ203のセンサ検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0299】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が大入賞口18へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための大入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ304に進む。
【0300】
ステップ304において、メインCPU101は、遊技球が一般入賞口14へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための一般入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ305に進む。
ステップ305において、メインCPU101は、アウトセンサ19aにより遊技球が検出されたことに基づいて所定の処理を行うためのアウト検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0301】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0302】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0303】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0304】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0305】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ112で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0306】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0307】
ステップ508において、メインCPU101は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球の数をカウントするための第1始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0308】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0309】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0310】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ112で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0311】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0312】
ステップ608において、メインCPU101は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球の数をカウントするための第2始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0313】
次に、上述したステップ303の大入賞口検出時処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ610において、メインCPU101は、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、大入賞口検出時処理を終了する。一方、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ611に進む。
ステップ611において、メインCPU101は、大入賞口18へ入球した遊技球の数をカウントするための大入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、大入賞口検出時処理を終了する。
【0314】
次に、上述したステップ304の一般入賞口検出時処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、一般入賞口検出時処理を終了する。一方、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、一般入賞口14へ入球した遊技球の数をカウントするための一般入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、一般入賞口検出時処理を終了する。
【0315】
次に、上述したステップ305のアウト検出時処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、発射払出制御基板200から送信されたアウトコマンド(アウト通路を遊技球が通過するごとに送信されるコマンド)を受信したか否かを判定する。そして、アウトコマンドを受信していないと判定した場合、アウト検出時処理を終了する。一方、アウトコマンドを受信したと判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、差球カウント値を1デクリメントする。そして、アウト検出時処理を終了する。
【0316】
次に、上述したステップ204の特図関連制御処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0317】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0318】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0319】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり抽選処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0320】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0321】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0322】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0323】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていない待機状態の開始を示す待機状態開始コマンドを副制御基板300へ送信するための待機状態開始コマンド判定処理を実行する。本形態の主制御基板100は、特に図示していないが、待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されたか否かを示す記憶フラグを備えている。そして、メインCPU101は、記憶フラグがオフのときに待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、記憶フラグがオンのときには待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶しないようになっている。また、メインCPU101は、待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶すると記憶フラグをオンにし、始動入賞コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する(上述のステップ608を参照)と記憶フラグをオフにするようになっている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、待機状態の開始に基づいて待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されると、当該待機状態中に再度、待機状態開始コマンドが記憶されることはなく、いずれかの始動入賞口へ遊技球が入球して特別図柄の変動表示が開始された後、再度、待機状態が開始すると、待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されることとなる。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0324】
次に、上述したステップ805の大当たり抽選処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、メインRAM103の第1領域に記憶されている設定値をロードし、この設定値が正常値(すなわち、「1」~「6」のいずれかの値)であるか否かを判定する。そして、この設定値が正常値であると判定した場合、ステップ853に進む。一方、この設定値が正常値でない(すなわち、「1」未満の値又は「6」よりも大きい値)と判定した場合、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ852に進む。
【0325】
ステップ852において、メインCPU101は、異常時初期化処理を実行する。また、メインCPU101は、RAMクリア指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。そして、タイマ割込処理のステップ200に進む。
また、上述のステップ850で設定値が正常値であると判定した場合に進むステップ853において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、メインRAM103に記憶されている設定値及び現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、大当たり抽選処理を終了する。
【0326】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0327】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0328】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0329】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0330】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択(取得)する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0331】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間の変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0332】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0333】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0334】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0335】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0336】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0337】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。また、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0338】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0339】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0340】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間である時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0341】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0342】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0343】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0344】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1209に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
【0345】
ステップ1203において、メインCPU101は、各ラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、各ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1205に進む。一方、各ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1204に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各ラウンド遊技の開始時点に、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、各ラウンド遊技において大入賞口18が開放される開放時間(29.0秒)が大入賞口開放タイマカウンタにセットされる。メインCPU101は、この大入賞口開放タイマカウンタの値を確認することにより、各ラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定することができるようになっている。
【0346】
ステップ1204において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、大入賞口18の開放中である旨を示す大入賞口開放フラグをオンにする。なお、この大入賞口開放フラグは、特別遊技の開始時点でオフにされる。そして、次のステップ1205に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0347】
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1206に進む。
なお、メインCPU101は、大入賞口開放タイマカウンタにセットされた開放時間が経過するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球したかを確認することにより、ラウンド遊技が終了したか否かを判定することができるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。また、メインCPU101は、大入賞口開放フラグをオフにする。そして、次のステップ1207に進む。
【0348】
ステップ1207において、メインCPU101は、上述のステップ1206でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0349】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1209において、メインCPU101は、上述のステップ1208でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1210に進む。
ステップ1210において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1211に進む。
【0350】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0351】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり図柄が特別図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0352】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0353】
次に、上述したステップ205の普図関連制御処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0354】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図42のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0355】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0356】
ステップ1504において、メインCPU101は、普通図柄抽選処理を実行する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「13秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1506に進む。
【0357】
ステップ1506において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1507に進む。
ステップ1507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0358】
ステップ1508において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0359】
次に、上述したステップ1504の普通図柄抽選処理について、
図43のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1550において、メインCPU101は、メインRAM103の第1領域に記憶されている設定値をロードし、この設定値が正常値(すなわち、「1」~「6」のいずれかの値)であるか否かを判定する。そして、この設定値が正常値であると判定した場合、ステップ1553に進む。一方、この設定値が正常値でない(すなわち、「1」未満の値又は「6」よりも大きい値)と判定した場合、次のステップ1551に進む。
ステップ1551において、メインCPU101は、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ1552に進む。
【0360】
ステップ1552において、メインCPU101は、異常時初期化処理を実行する。また、メインCPU101は、RAMクリア指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。そして、タイマ割込処理のステップ200に進む。
また、上述のステップ1550で設定値が正常値であると判定した場合に進むステップ1553において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1554に進む。
【0361】
ステップ1554において、メインCPU101は、上述のステップ1553における当選判定処理の結果に基づく普通図柄の停止表示データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。具体的には、当選判定処理の結果が当たりであった場合には当たり図柄データが所定の普図記憶領域に記憶され、当選判定処理の結果がハズレであった場合にはハズレ図柄データが所定の普図記憶領域に記憶される。そして、普通図柄抽選処理を終了する。
【0362】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図44のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1505で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0363】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データ(当たり図柄データ、ハズレ図柄データ)をセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0364】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0365】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図45のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0366】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0367】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0368】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図46のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0369】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。また、メインCPU101は、第2始動入賞口16の開放中である旨を示す第2始動入賞口開放フラグをオンにする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0370】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放フラグをオフにする。そして、次のステップ1806に進む。
【0371】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0372】
次に、上述したステップ210のソレノイド制御処理について、
図47のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1850において、メインCPU101は、始動入賞口ソレノイドデータとして、第2始動入賞口16を閉鎖させる(可動片16bを閉じる、始動入賞口ソレノイド16cに通電しない)ための閉鎖データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1851に進む。
ステップ1851において、メインCPU101は、大入賞口ソレノイドデータとして、大入賞口18を閉鎖させる(開閉扉18bを閉じる、大入賞口ソレノイド18cに通電しない)ための閉鎖データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1852に進む。
【0373】
ステップ1852において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であり、かつ差球作動停止制御に関する状態が発動状態以外(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態)であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でない(すなわち、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態である)か、又は、遊技可能状態であるものの発動状態以外でない(すなわち、発動状態である)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、遊技可能状態であり、かつ発動状態以外であると判定した場合、次のステップ1853に進む。
ステップ1853において、メインCPU101は、第2始動入賞口フラグがオンであるか否かを判定する。そして、第2始動入賞口フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、第2始動入賞口フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1854に進む。
【0374】
ステップ1854において、メインCPU101は、始動入賞口ソレノイドデータとして、第2始動入賞口16を開放させる(可動片16bを開く、始動入賞口ソレノイド16cに通電する)ための開放データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1855に進む。
ステップ1855において、メインCPU101は、大入賞口フラグがオンであるか否かを判定する。そして、大入賞口フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、大入賞口フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1856に進む。
【0375】
ステップ1856において、メインCPU101は、大入賞口ソレノイドデータとして、大入賞口18を開放させる(開閉扉18bを開く、大入賞口ソレノイド18cに通電する)ための開放データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、ソレノイド制御処理を終了する。
以上のような処理が行われることで、閉鎖データがセットされた場合には、可動片16bが閉じ第2始動入賞口16は閉鎖し、開閉扉18bが閉じ大入賞口18は閉鎖する。一方、開放データがセットされた場合には、可動片16bが開き第2始動入賞口16が開放し、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放する。また、遊技可能状態でないとき、及び、遊技可能状態であるものの発動状態であるときにはいずれも閉鎖データがセットされる。したがって、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態においては必ず、第2始動入賞口16及び大入賞口18が閉鎖することとなる。
なお、このソレノイド制御処理は、所定の周期(4ミリ秒)ごとに実行されるタイマ割込処理において実行されるものである。すなわち、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態において、可動片16b及び開閉扉18bの作動を制限する処理は、所定のタイミングごとに行われるようになっている。
【0376】
次に、上述したステップ214の差球関連コマンドセット処理について、
図48のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1870において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、差球関連コマンドセット処理を終了する。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ1871に進む。
ステップ1871において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータが変更されたか否かを判定する。そして、差球作動停止制御フェーズデータが変更されていないと判定した場合、差球関連コマンドセット処理を終了する。一方、差球作動停止制御フェーズデータが変更されたと判定した場合、次のステップ1872に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pは、メインRAM103の所定の記憶領域により構成される管理バッファを有している。差球作動停止制御フェーズデータがクリアされて、この差球作動停止制御フェーズデータに発動警告前状態に対応する状態値が記憶されると、これに伴って管理バッファにも発動警告前状態に対応する状態値が記憶される。その後、差球作動停止制御に関する状態が変更されると、まず、差球作動停止制御フェーズデータにのみ変更後の状態に対応する状態値が記憶される。そして、このステップ1871において、差球作動停止制御フェーズデータに記憶されている状態値と管理バッファに記憶されている状態値とが一致するかどうかが判定され、両者が一致していれば、差球作動停止制御フェーズデータは変更されていないと判定する。一方、両者が一致していなければ、差球作動停止制御フェーズデータは変更されたと判定し、これに伴って差球作動停止制御フェーズデータに記憶されている状態値を管理バッファにも記憶する。
【0377】
ステップ1872において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに記憶されている状態値に応じて、第1差球作動停止制御指定コマンド、第2差球作動停止制御指定コマンド、第3差球作動停止制御指定コマンドのいずれかを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
具体的には、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告状態に対応する状態値が記憶されていた場合(すなわち、発動警告状態が設定された場合)には、第1差球作動停止制御指定コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、副制御基板300に第1差球作動停止制御指定コマンドが送信され、発動警告状態が設定された旨を副制御基板300においても把握できることとなる。
差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値が記憶されていた場合(すなわち、発動予告状態が設定された場合)には、第2差球作動停止制御指定コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、副制御基板300に第2差球作動停止制御指定コマンドが送信され、発動予告状態が設定された旨を副制御基板300においても把握できることとなる。
差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値が記憶されていた場合(すなわち、発動状態が設定された場合)には、第3差球作動停止制御指定コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、副制御基板300に第3差球作動停止制御指定コマンドが送信され、発動状態が設定された旨を副制御基板300においても把握できることとなる。さらに、メインCPU101は、発動状態が設定された旨を示す発動状態設定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。これにより、発射払出制御基板200においても発動状態が設定された旨を把握できることとなる。
そして、差球関連コマンドセット処理を終了する。
【0378】
次に、上述したステップ215の差球判定制御処理について、
図49のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1880において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、差球判定制御処理を終了する。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ1881に進む。
ステップ1881において、メインCPU101は、差球カウント値が第1基準値に到達した旨を示す第1基準値到達フラグ(主制御基板100に設けられたフラグ)がオフであるか否かを判定する。そして、第1基準値到達フラグがオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、ステップ1884に進む。一方、第1基準値到達フラグがオフであると判定した場合、次のステップ1882に進む。
なお、第1基準値到達フラグは、差球カウント値がリセットされることに基づきオフとなるように設定されている。
【0379】
ステップ1882において、メインCPU101は、差球カウント値は第1基準値に到達したか否かを判定する。そして、第1基準値に到達していないと判定した場合、ステップ1884に進む。一方、第1基準値に到達したと判定した場合、次のステップ1883に進む。
ステップ1883において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動警告状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動警告状態が設定される。また、メインCPU101は、第1基準値到達フラグをオンにする。そして、次のステップ1884に進む。
【0380】
ステップ1884において、メインCPU101は、メインCPU101は、差球カウント値が第2基準値に到達した旨を示す第2基準値到達フラグ(主制御基板100に設けられたフラグ)がオフであるか否かを判定する。そして、第2基準値到達フラグがオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、ステップ1889に進む。一方、第2基準値到達フラグがオフであると判定した場合、次のステップ1885に進む。
なお、第2基準値到達フラグは、差球カウント値がリセットされることに基づきオフとなるように設定されている。
ステップ1885において、メインCPU101は、差球カウント値は第2基準値に到達したか否かを判定する。そして、第2基準値に到達していないと判定した場合、ステップ1889に進む。一方、第2基準値に到達したと判定した場合、次のステップ1886に進む。
【0381】
ステップ1886において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、ステップ1888に進む。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ1887に進む。
ステップ1887において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動予告状態が設定される。また、メインCPU101は、第2基準値到達フラグをオンにする。そして、ステップ1889に進む。
【0382】
また、上述のステップ1886で特別遊技中でないと判定した場合に進むステップ1888において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動状態が設定される。また、メインCPU101は、第2基準値到達フラグをオンにする。そして、次のステップ1889に進む。
ステップ1889において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動予告状態に対応する状態値が記憶されているか否か(すなわち、発動予告状態中であるか否か)を判定する。そして、発動予告状態に対応する状態値が記憶されていないと判定した場合、差球判定制御処理を終了する。一方、発動予告状態に対応する状態値が記憶されていると判定した場合、ステップ1890に進む。
【0383】
ステップ1890において、メインCPU101は、特別遊技が終了したか否かを判定する。そして、特別遊技が終了していないと判定した場合、差球判定制御処理を終了する。一方、特別遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1891に進む。
ステップ1891において、メインCPU101は、差球作動停止制御フェーズデータに発動状態に対応する状態値を記憶する。これにより、発動状態が設定される。そして、差球判定制御処理を終了する。
【0384】
次に、上述したステップ218の設定関連処理について、
図50のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1900において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が設定変更状態であるか否かを判定する。そして、設定変更状態でないと判定した場合、ステップ1908に進む。一方、設定変更状態であると判定した場合、次のステップ1901に進む。
ステップ1901において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、ステップ1905に進む。一方、設定スイッチ108がオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、次のステップ1902に進む。
【0385】
ステップ1902において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、設定関連処理を終了する。一方、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、次のステップ1903に進む。
ステップ1903において、メインCPU101は、本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か(すなわち、本体枠2が開放している否か)を判定する。具体的には、発射払出制御基板200から送信される本体枠開放コマンドを受信していた場合、メインCPU101は、本体枠開放検出センサ2aがオンであると判定する。そして、本体枠開放検出センサ2aがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、設定関連処理を終了する。一方、本体枠開放検出センサ2aがオンであると判定した場合、次のステップ1904に進む。
【0386】
ステップ1904において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている設定値を変更する。具体的には、現時点において記憶されている設定値を1インクリメントした設定値に変更する。そして、設定変更処理を終了する。
また、上述のステップ1901で設定スイッチ108がオフであると判定した場合に進むステップ1905において、メインCPU101は、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定変更状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。ここで記憶されたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1906に進む。
【0387】
ステップ1906において、メインCPU101は、副制御基板300へ送信する各種コマンド(たとえば、演出表示装置21に初期画面を表示するためのコマンド)を演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1907に進む。
ステップ1907において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、設定関連処理を終了する。
【0388】
また、上述のステップ1900で滞在中の制御状態が設定変更状態でないと判定した場合に進むステップ1908において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフでないと判定した場合、設定変更処理を終了する。一方、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、次のステップ1909に進む。
ステップ1909において、メインCPU101は、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定確認状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。ここで記憶されたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、ステップ1906に進む。
【0389】
(パチンコ機Pの副制御基板300における処理の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、種々のコマンドが主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300において、上述のコマンドの受信に基づき遊技の進行に伴う各種演出や各種示唆の制御が実行される。また、副制御基板300においては、十字キー25における上キー又は下キーの押下操作に基づき現スピーカ音量(設定中の音声出力装置10の音量)の変更に関する制御等が行われる。
以下、本形態に係るパチンコ機Pにおいて実行される各種演出や各種示唆の概要について説明する。
【0390】
(変動演出の概要)
通常遊技状態中や高確率時短遊技状態中には、特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄50の停止表示態様により大当たりの抽選の結果を示唆する変動演出が実行される。
変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像(特に図示しておらず)に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に示唆されるようになっている。
【0391】
本形態における演出図柄50は、「1」~「9」の数字を象った数字図柄となっている(
図51(a)参照)。そして、演出図柄50の変動表示においては、「1」~「9」の数字図柄である演出図柄50の昇順による循環表示(すなわち、「1」→「2」→・・・「8」→「9」→「1」→「2」→・・・という表示)が行われるようになっている。
具体的には、特に図示していないが、特別図柄の変動表示が開始されると、全ての演出図柄50が停止表示された状態(前回の停止表示の状態)から全ての演出図柄50が下方へ向けてスクロールする表示が開始された後、スクロールのスピードが次第に上昇し、全ての演出図柄50が高速でスクロールする表示が行われる。この高速でのスクロール表示中は、演出図柄50を視認不可能となっている。その後、左側に位置する演出図柄50(以下、左演出図柄50L、第1停止図柄ともいう)のスクロールのスピードが次第に低下して当該左演出図柄50Lが停止表示され、次に、右側に位置する演出図柄50(以下、右演出図柄50R、第2停止図柄ともいう)のスクロールのスピードが次第に低下して当該右演出図柄50Rが停止表示され、最後に、中央に位置する演出図柄50(以下、中演出図柄50C、第3停止図柄ともいう)のスクロールのスピードが次第に低下して当該中演出図柄50Cが停止表示される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、左演出図柄50L、中演出図柄50C及び右演出図柄50Rは、表示部21aの略中央に横一直線となるように停止表示される(
図51(b)参照)。すなわち、左演出図柄50Lの停止表示位置(以下、左停止表示位置ともいう)は表示部21aの略左部中央となっており、中演出図柄50Cの停止表示位置(以下、中停止表示位置ともいう)は表示部21aの略中央となっており、右演出図柄50Rの停止表示位置(以下、右停止表示位置ともいう)は表示部21aの略右部中央となっている(
図51(b)参照)。
なお、
図51中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
【0392】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、全ての演出図柄50が同一の数字図柄で停止表示される(
図51(b)参照)。すなわち、全ての演出図柄50が同一の数字図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが示唆される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる数字図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが示唆される。
【0393】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0394】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまで(後述するリーチ表示の有無が示唆されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、第2停止図柄が停止表示されてから(リーチ表示の有無が示唆されてから)第3停止図柄が停止表示されるまで(演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
そして、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる数字図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の数字図柄で停止表示される(リーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、演出図柄50の変動表示の仕方や演出図柄50の変動表示に付随して実行される演出の有無等が種々設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号が「00H」であった場合にリーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分が実行され、「00H」以外であった場合にリーチ変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される。
【0395】
リーチなし変動パターンとしては、リーチなしパターンA及びリーチなしパターンBが設けられている。
リーチなしパターンAは、特に図示していないが、演出図柄50の変動表示の仕方に特段の変化が生じることなく、さらに、演出図柄50の変動表示に付随して他の演出が実行されることなく、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる数字図柄で停止表示される態様である。
リーチなしパターンBは、特に図示していないが、全ての演出図柄50の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまでの期間に、表示部21aの略中央に所定の前半カットイン画像CP1(たとえば、「チャンス」という文字が表示された楕円画像)を表示する前半カットイン演出が実行された上で、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる数字図柄で停止表示される態様である。リーチなしパターンBにおける前半カットイン演出は、全ての演出図柄50による高速でのスクロール表示の開始時点から開始され、第2停止図柄の停止表示時点で終了する。
また、リーチなしパターンBでは、青色で「チャンス」の文字が記載された前半カットイン画像CP1(以下、青カットイン画像CP1-1ともいう)が表示されるようになっている。
【0396】
リーチ変動パターンとしては、リーチパターンA及びリーチパターンBが設けられている。
リーチパターンAは、特に図示していないが、演出図柄50の変動表示の仕方に特段の変化が生じることなく、さらに、演出図柄50の変動表示に付随して他の演出が実行されることなく、単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の数字図柄で停止表示することでリーチ表示が行われる態様である。
【0397】
リーチパターンBは、特に図示していないが、上述の前半カットイン演出が実行された上で、リーチ表示が行われる態様である。リーチパターンBにおける前半カットイン演出は、全ての演出図柄50による高速でのスクロール表示の開始時点から開始され、リーチ表示の実行時点(すなわち、第2停止図柄の停止表示時点)で終了する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチパターンBとして、前半カットイン画像CP1の表示態様が異なるリーチパターンB1、リーチパターンB2及びリーチパターンB3の3種類が設けられている。リーチパターンB1では、青カットイン画像CP1-1が表示され、リーチパターンB2では、赤色で「チャンス」の文字が記載されたカットイン画像CP1(以下、赤カットイン画像CP1-2ともいう)が表示され、リーチパターンB3では、虹色で「チャンス」の文字が記載されたカットイン画像(以下、虹カットイン画像CP1-3ともいう)が表示されるようになっている。
【0398】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のリーチ変動パターンについて、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行されるリーチ変動パターンに応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
たとえば、リーチパターンBに関しては、リーチパターンB1よりもリーチパターンB2の方が、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されている。また、リーチパターンB3は、大当たりに当選し、かつ特別図柄X1(10ラウンドのラウンド遊技が行われる特別遊技の実行が定められた特別図柄)が決定された場合にのみ実行される可能性があるように設定されている。すなわち、青カットイン画像CP1-1が表示された場合よりも赤カットイン画像CP1-2が表示された場合の方が、大当たりの当選の期待度が高い。また、虹カットイン画像CP1-3が表示されると、大当たりの当選及び10ラウンドのラウンド遊技が行われる特別遊技(
図14(a)参照)の実行が確定する。
【0399】
なお、リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンとしては、左演出図柄50L→右演出図柄50R→中演出図柄50Cという順番で演出図柄50が停止表示される態様のみならず、たとえば、右演出図柄50R→左演出図柄50L→中演出図柄50Cという順番で演出図柄50が停止表示される態様、左演出図柄50L及び右演出図柄50Rが同時に停止表示された後に中演出図柄50Cが停止表示される態様、全ての演出図柄50の変動表示が開始されてから第1停止図柄が停止表示されるまでの時間よりも、第1停止図柄が停止表示されてから第2停止図柄が停止表示されるまでの時間が長い態様、全ての演出図柄50の変動表示が開始されてから第1停止図柄が停止表示されるまでの時間よりも、第1停止図柄が停止表示されてから第2停止図柄が停止表示されるまでの時間が短い態様等を設けてもよい。
また、リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンとしては、全ての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止)した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われる(いわゆる擬似連演出が行われる)態様や、演出図柄50の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまでの間に役物回転演出が実行される態様等を設けてもよい。
【0400】
変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、特に図示していないが、リーチ表示後に演出表示装置21の表示部21aに所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行され、このリーチ発展演出中に役物回転演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を示唆する発展ありパターン、及び、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を示唆する発展なしパターンが設けられている。発展ありパターンは、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、特に図示していないが、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレであることが示唆される通常ハズレパターンが設けられている。
また、発展なしパターン、発展ありパターン及び通常ハズレパターンの態様は複数種類設けられており、演出図柄50の変動表示の仕方、発展演出画像の種類、役物回転演出の態様等が種々設定されている。たとえば、発展ありパターンの態様としては、リーチ発展演出の実行中に、大当たりの当選の期待度を示唆する後半カットイン画像が表示される後半カットイン演出が実行される態様等を設けてもよい。
【0401】
また、上述の変動演出においては、各種画像の表示のみならず、各種画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声が出力されるとともに、演出照明装置23(ランプ)が所定の点灯パターンや色で発光するようになっている。
【0402】
(変動演出の態様の決定)
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、変動演出の態様(変動演出の前半部分の態様、変動演出の後半部分の態様)を決定するための変動演出決定テーブル121が記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、所定の条件に応じた変動演出決定テーブル121を選択するとともに、選択された変動演出決定テーブル121と、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モード番号(変動モードコマンド)及び変動パターン番号(変動パターンコマンド)と、任意で用いられる演出乱数(変動演出乱数)とに基づいて、変動演出の態様を決定する。
【0403】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出決定テーブル121として、変動演出決定テーブルA及び変動演出決定テーブルBが設けられている。
変動演出決定テーブルAは、差球カウント値が第1基準値に到達しておらず、かつ決定された特別図柄が大当たり図柄X1以外(すなわち、大当たり図柄X2、ハズレ図柄Y1又はY2)であったとき、又は、決定された特別図柄にかかわらず、差球カウント値が第1基準値に到達した後に(すなわち、発動警告状態の設定後に)選択されるテーブルである。変動演出決定テーブルBは、差球カウント値が第1基準値に到達しておらず、かつ決定された特別図柄が大当たり図柄X1であったときに選択されるテーブルである。
【0404】
副制御基板300のサブCPU301は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、後述する第1基準値到達フラグに基づき差球カウント値が第1基準値に到達しているか否か(到達した後であるか否か)を確認し、差球カウント値が第1基準値に到達していたときには変動演出決定テーブルAを選択する。一方、差球カウント値が第1基準値に到達していないときには、決定された特別図柄の種類を確認し、決定された特別図柄が大当たり図柄X1以外であったときには変動演出決定テーブルAを選択し、大当たり図柄X1であったときには変動演出決定テーブルBを選択する。
そして、サブCPU301は、0~249の範囲から1の変動演出乱数を取得した上で、選択した変動演出決定テーブル121を参照し、取得した変動演出乱数、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。
【0405】
図52(a)に示すように、変動演出決定テーブルAによれば、受信した変動モード番号が「00H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「00H」、「01H」、「02H」、「03H」又は「04H」であった場合(通常遊技状態又は高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果がハズレであった場合)には、前半部分が「リーチなしパターンA」及び後半部分が「通常ハズレパターン」の態様(以下、態様1ともいう)、又は、前半部分が「リーチなしパターンB」及び後半部分が「通常ハズレパターン」の態様(以下、態様2ともいう)のいずれかが決定される。
【0406】
受信した変動モード番号が「01H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「05H」であった場合(通常遊技状態又は高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果がハズレであった場合)には、前半部分が「リーチパターンA」及び後半部分が「発展なしパターン」の態様(以下、態様3ともいう)が決定される。
【0407】
受信した変動モード番号が「02H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合(通常遊技状態又は高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果がハズレであった場合)には、前半部分が「リーチパターンA」及び後半部分が「発展ありパターン」の態様(以下、態様4ともいう)、又は、前半部分が「リーチパターンB1」及び後半部分が「発展ありパターン」の態様(以下、態様5ともいう)のいずれかが決定される。
【0408】
受信した変動モード番号が「03H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「06H」又は「07H」であった場合(通常遊技状態又は高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果がハズレであった場合)には、態様4、態様5、又は、前半部分が「リーチパターンB2」及び後半部分が「発展ありパターン」の態様(以下、態様6ともいう)のいずれかが決定される。
【0409】
受信した変動モード番号が「01H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」であった場合、受信した変動モード番号が「02H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」であった場合(通常遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様4、態様5又は態様6のいずれかが決定される。
【0410】
受信した変動モード番号が「03H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合(通常遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様5又は態様6のいずれかが決定される。
【0411】
受信した変動モード番号が「A2H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」であった場合(高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様4、態様5又は態様6のいずれかが決定される。
【0412】
受信した変動モード番号が「A3H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合(高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様5又は態様6のいずれかが決定される。
【0413】
図52(b)に示すように、変動演出決定テーブルBによれば、受信した変動モード番号が「01H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」であった場合、受信した変動モード番号が「02H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」であった場合(通常遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様4、態様5、態様6、又は、前半部分が「リーチパターンB3」及び後半部分が「発展ありパターン」の態様(以下、態様7ともいう)のいずれかが決定される。
【0414】
受信した変動モード番号が「03H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合(通常遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様5、態様6又は態様7のいずれかが決定される。
【0415】
受信した変動モード番号が「A2H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」であった場合(高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様4、態様5、態様6又は態様7のいずれかが決定される。
【0416】
受信した変動モード番号が「A3H」であり、かつ受信した変動パターン番号が「A6H」又は「A7H」であった場合(高確率時短遊技状態における大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合)には、態様5、態様6又は態様7のいずれかが決定される。
【0417】
なお、
図52(a)及び(b)において、変動モード番号及び変動パターン番号と変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
【0418】
ここで、態様7(前半部分が「リーチパターンB3」及び後半部分が「発展ありパターン」の態様)は、変動演出決定テーブルAにおいては決定されず、変動演出決定テーブルBにおいてのみ決定される(
図52(a)及び(b)参照)。
上述したように、変動演出決定テーブルAは、差球カウント値が第1基準値に到達しておらず、かつ決定された特別図柄が大当たり図柄X1以外であったとき、又は、決定された特別図柄にかかわらず、差球カウント値が第1基準値に到達した後に選択される。一方、変動演出決定テーブルBは、差球カウント値が第1基準値に到達しておらず、かつ決定された特別図柄が大当たり図柄X1であったときに選択される。
そうすると、ハズレの場合、及び大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定された場合には、差球カウント値が第1基準値に到達した後であるか否かにかかわらず、態様7が決定されることはない。一方、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、差球カウント値が第1基準値に到達していないときに態様7が決定される可能性があり、差球カウント値が第1基準値に到達した後には態様7が決定されることはない。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、決定された特別図柄との関係では、大当たりの当選に基づいて大当たり図柄X1が決定された場合にのみ態様7による変動演出が実行され得るものの、差球カウント値が第1基準値に到達していないときには、態様7による変動演出の実行が制限されていないのに対して、差球カウント値が第1基準値に到達した後には、態様7による変動演出の実行が制限されるようになっている。
【0419】
上述したように、態様7は、変動演出の前半部分が「リーチパターンB3」の態様であるため、前半カットイン演出において虹カットイン画像CP1-3の表示が実行される。そして、態様7は、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合にのみ実行されることから、虹カットイン画像CP1-3が表示されると、大当たりの当選、及び10ラウンドのラウンド遊技が行われ多くの賞球を獲得可能な特別遊技(
図14参照)の実行が確定する。したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、この虹カットイン画像CP1-3の表示により、遊技者に対して多大な高揚感を抱かせることができ、ひいては遊技の興趣を高めることができるようになっている。
一方、上述したように、差球カウント値が第1基準値に到達すると、発動警告状態が設定され、間もなく第2基準値に到達する旨を示唆する発動警告示唆が行われる(
図51(f)参照)。その後、差球カウント値が第2基準値に到達することに基づき発動状態が設定されると、遊技が停止する。後述するように、たとえば、特別図柄の変動表示に伴って演出図柄50の変動表示が行われていたような場合には、この演出図柄50の変動表示が強制的に終了し当該変動表示がクリアされることとなる。すなわち、実行中の変動演出が強制的に終了する。
【0420】
ここで、差球カウント値が第1基準値に到達した後にも、態様7による変動演出が実行され得るように設定されていたとすると、発動警告状態中に大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定されたとき、態様7の変動演出が決定され虹カットイン画像CP-1が表示される場合がある。この場合において、この態様7の変動演出の実行中に差球カウント値が第2基準値に到達したときには、遊技が停止され、実行中の変動演出も強制的に終了する。すると、虹カットイン画像CP-1が表示されたことにより、10ラウンドのラウンド遊技が行われる特別遊技の実行を事前に認識していたにもかかわらず、当該特別遊技が実行されることなく遊技が停止してしまうことから、遊技者に多大な喪失感を与え、遊技の興趣を低下させるおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、差球カウント値が第1基準値に到達した後(発動警告示唆が実行された後)は、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合であっても、態様7による変動演出が決定されないように設定されている。これにより、虹カットイン画像CP-1の表示が制限されるため、上述のような喪失感を遊技者に与えるのを防止でき、ひいては遊技の興趣の低下も防止できる。
【0421】
(保留表示の概要)
通常遊技状態中や高確率時短遊技状態中には、第1特図乱数や第2特図乱数が取得され保留として記憶された場合や、保留として記憶された第1特図乱数や第2特図乱数が読み出された場合に、所定の表示態様の保留画像52を表示する保留表示が行われる(
図51(a)~(b)、(d)参照)。この保留表示により、第1特図保留数や第2特図保留数が示唆されることとなる。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留表示は、特別遊技中以外(通常遊技状態中、高確率時短遊技状態中)において実行され、特別遊技中は実行されないようになっている(
図51(a)~(h)参照)。
【0422】
(特別遊技中演出の概要)
大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技中には、特別遊技中演出が実行される。この特別遊技中演出では、演出表示装置21の表示部21aにおいて、実行中の特別遊技を盛り上げるための特別遊技中画像が表示されるようになっている(
図51(c)、(e)~(h)参照)。また、特別遊技中は、演出表示装置21の表示部21aにおいて、実行中のラウンド遊技を示唆するラウンド遊技数の画像も表示されるようになっている(
図51(c)、(e)~(h)参照)。このラウンド遊技数の画像の表示により、何ラウンド目のラウンド遊技を実行しているのかを遊技者に示唆することができる。
また、特別遊技中演出においては、特別遊技中画像の表示のみならず、特別遊技中画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声が出力されるとともに、演出照明装置23(ランプ)が所定の点灯パターンや色で発光するようになっている。
【0423】
上述したように、特別遊技の終了後には必ず高確率時短遊技状態が設定されるが、この高確率時短遊技状態中には、演出表示装置21の表示部21aにおいて、高確率時短遊技状態中である旨を示唆する高確時短状態示唆画像(たとえば、「SUPER TIME」という文字画像等)が表示されるようになっている(
図51(d)参照)。
【0424】
(獲得賞球数の表示の概要)
通常遊技状態において大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技が開始されると、当該開始時点からの賞球数の累計値(すなわち、各入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)への遊技球の入球に基づいて払い出され遊技者により獲得される賞球数の累計値)を示唆する獲得賞球数の表示(たとえば、賞球数の累計値が700個に達した場合には「700pt」の文字画像等の表示(
図51(c)~(h)参照))が開始される。
この獲得賞球数の表示は、各入賞口へ遊技球が入球するごとに更新される。すなわち、当該入球に基づいて払い出される予定の賞球の数を加算した値に更新される。なお、各入賞口へ遊技球が入球するごとに、払い出される予定の賞球の数を加算した値に更新するのではなく、各入賞口への遊技球の入球に基づいて実際に賞球が払い出されるごとに、当該払い出された賞球の数を加算した値に更新するようにしてもよい。
そして、獲得賞球数の表示は、特別遊技の終了後に設定される高確率時短遊技状態中、及び、高確率時短遊技状態における大当たりの当選に基づき実行される特別遊技中も継続して実行され、大当たりに当選することなく特別図柄の変動回数が高確回数に到達することにより高確率時短遊技状態が終了すると終了する。
すなわち、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技が開始されると、高確率時短遊技状態の設定及び高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の実行が繰り返されている間は、継続して獲得賞球数の表示が行われる。
【0425】
ここで、高確率時短遊技状態の設定及び高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の実行が繰り返されると、表示される獲得賞球数は次第に増加することとなるが、本形態に係るパチンコ機Pでは、獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数(すなわち、作動停止個数である95000個)に到達すると、当該獲得賞球数は表示されず、演出表示装置21の表示部21aにおいて、当該獲得賞球数の代わりに差球数に相当する個数に到達している旨を示唆する差球到達表示(たとえば、「COMPLETE!」という差球到達画像の表示等)が行われるようになっている(
図51(f)~(h)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数に到達しても、獲得賞球数として当該差球数に相当する個数が表示されないようになっている。
特別遊技中及び高確率時短遊技状態中に表示されるのは獲得賞球数であるものの、これを見た遊技者やホール関係者が差球数と認識していた場合、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数(作動停止個数である95000個)を獲得賞球数として表示してしまうと、発動状態の設定に基づく遊技の停止が正常に機能していないとの誤解を与えるおそれがある。そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数に到達しても、獲得賞球数として当該差球数に相当する個数が表示されないようにしている。これにより、上述のような誤解の発生を防止することができる。
【0426】
獲得賞球数が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数に到達しても、獲得賞球数として当該差球数に相当する個数が表示されないようにする制御は、上述の差球到達表示(差球到達画像の表示)に限定されるものではない。
たとえば、獲得賞球数として、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数より1個少ない個数(94999個)までは表示するものの、当該個数まで表示された後は獲得賞球数の更新をストップ(すなわち、カウントストップ)するようにしてもよい。また、差球到達画像としては、上述のような文字情報が表示された画像ではなく、所定のキャラクターが表示された画像等としてもよい。
【0427】
なお、通常遊技状態中、高確率時短遊技状態中、特別遊技中に行われる演出や表示としては、上述の内容に限定されるものではない。たとえば、通常遊技状態中や高確率時短遊技状態中には、第1特図保留数や第2特図保留数を数値で表示する保留数値表示を行ってもよいし、演出図柄50とは異なる特殊画像により大当たりの抽選の結果を示唆する特殊画像示唆を行ってもよい。また、高確率時短遊技状態中や特別遊技中には、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨(いわゆる右打ち)を示唆する右打ち示唆画像の表示を行ってもよい。
【0428】
(差球作動停止制御に関する示唆の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、差球カウント値が第1基準値に到達し発動警告状態が設定されると、電断が発生するか、発動警告状態が終了するか又は所定時間(60秒)が経過するという終了条件を満たすまでの間、発動警告示唆(発動警告文字画像の表示)、及び、各種ランプの点灯又は消灯による発動警告状態が設定された旨の示唆が行われる。また、発動警告状態が設定されてから発動警告音声出力時間(5秒)が経過するまでの間、発動警告音声の出力が行われる。
特別遊技中に発動警告状態が設定された場合には、特別遊技中画像と共に発動警告文字画像が表示され、特別遊技中以外に発動警告状態が設定された場合には、演出図柄50や保留画像52と共に発動警告文字画像が表示される。この発動警告文字画像は、特別遊技中画像、演出図柄50や保留画像52の視認の妨げとならないように、演出表示装置21の表示部21aの中央上部において小さいサイズで表示している(
図51(e)~(g)参照)。
【0429】
また、上述したように、差球カウント値が第2基準値に到達し、当該到達の際に特別遊技が実行されていたことにより発動予告状態が設定されると、電断が発生するか又は発動予告状態が終了するという終了条件を満たすまでの間、発動予告示唆(発動予告文字画像の表示)、及び、各種ランプの点灯又は消灯による発動予告状態が設定された旨の示唆が行われる。また、発動予告状態が設定されてから発動予告音声出力時間(7秒)が経過するまでの間、発動予告音声の出力が行われる。
発動予告状態は特別遊技中に設定されるため、特別遊技中画像と共に発動予告文字画像が表示される。また、この発動予告文字画像は、発動警告文字画像と同様に、特別遊技中画像の視認の妨げとならないように、演出表示装置21の表示部21aの中央上部において小さいサイズで表示している(
図51(h)参照)。
【0430】
また、上述したように、差球カウント値が第2基準値に到達し、当該到達の際に特別遊技が実行されていなかったことにより、又は、差球カウント値が第2基準値に到達したときに実行されていた特別遊技が終了したことにより、発動状態が設定されると、電断が発生するまでの間、発動示唆(発動文字画像の表示)、発動音声の出力、各種ランプの点灯又は消灯による発動状態が設定された旨の示唆が行われる。
特別遊技の終了後には、通常であれば、演出図柄50の変動表示、保留画像52の表示、高確時短状態示唆画像の表示、獲得賞球数の表示等が行われるが(
図51(d)参照)、特別遊技が終了し発動状態が設定された場合には、これらの表示は行われることなく、発動文字画像が表示される。
また、特別遊技以外(高確率時短遊技状態、通常遊技状態)においても、通常であれば、演出図柄50の変動表示、保留画像52の表示、高確時短状態示唆画像の表示(高確率時短遊技状態中のみ)、獲得賞球数の表示(高確率時短遊技状態中のみ)等が行われるが、特別遊技以外のときに発動状態が設定された場合には、これらの表示が全てクリアされて、発動文字画像が表示される。たとえば、特別図柄の変動表示に伴って演出図柄50の変動表示が行われていたような場合であっても、この演出図柄50の変動表示が強制的に終了し当該変動表示がクリアされることとなる。
このように、発動状態が設定された場合には、演出図柄50、保留画像52、獲得賞球数等がクリアされるため、これらの視認を妨げる事態は生じないことから、発動文字画像は、演出表示装置21の表示部21aの全面において、発動警告文字画像や発動予告文字画像よりも大きいサイズで表示している(
図51(i)参照)。
【0431】
(遊技可能状態中におけるスピーカ音量の変更に関する制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態中には、後述する現スピーカ音量を変更することができる期間において、十字キー25の上キー又は下キーが押下操作されることにより、現スピーカ音量(設定中の音声出力装置10の音量)を設定可能範囲内において変更できるようになっている。
【0432】
上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、スピーカ音量を「0」~「7」の8段階(「0」が最小の音量、「7」が最大の音量)の範囲内で設定可能となっているが、十字キー25を操作することにより設定できる設定可能範囲は「3」~「7」の5段階に予め設定されている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300に接続された所定のスイッチにより、電断復帰時に設定されるスピーカ音量の初期値を「3」~「7」のいずれかに設定できるようになっている。
なお、設定可能なスピーカ音量の範囲は、「0」~「7」の8段階に限らず、これよりも多い段階やこれよりも少ない段階を設定できるようにしてもよい。また、設定可能範囲も、「3」~「7」の5段階に限られず、設定可能なスピーカ音量の範囲内で適宜設定することができる。
【0433】
そして、現スピーカ音量を変更することができる期間中に、十字キー25の上キーの押下操作が検出されると、サブCPU301は、上述の設定可能範囲内で現スピーカ音量を変更する。たとえば、現スピーカ音量が「3」であった場合には、上キーの押下操作が行われるごとに「7」になるまで現スピーカ音量が1段階ずつ増大するが、下キーの押下操作が行われても現スピーカ音量はこれ以上減少しない。また、たとえば、現スピーカ音量が「7」であった場合には、下キーの押下操作が行われるごとに「3」になるまで現スピーカ音量が1段階ずつ減少するが、上キーの押下操作が行われても現スピーカ音量はこれ以上増大しない。
【0434】
また、
図53に示すように、上キー又は下キーの押下操作が行われると、演出表示装置21の表示部21aの中央に現スピーカ音量の設定状態を示す音量設定画像AGが表示される。
音量設定画像AGには、
図53に示すように、下から上に進むに連れて徐々に長くなる5本のゲージ画像が含まれており、各ゲージ画像が変更可能範囲内の各スピーカ音量を示すものとなっている。具体的には、下端に位置する最も短いゲージ画像がスピーカ音量「3」を示し、上端に位置する最も長いゲージ画像がスピーカ音量「7」を示す。そして、この間に位置する3本のゲージ画像は、下から順にスピーカ音量「4」、スピーカ音量「5」、スピーカ音量「6」を示す。そして、下端のゲージ画像から現スピーカ音量を示す横ゲージ画像までが所定の色で表示され、残りの横ゲージ画像が異なる色で表示されるようになっており、遊技者が現スピーカ音量を視覚的に認識できることとなる。たとえば、現スピーカ音量が「5」であったときに上キーの押下操作が行われると、現スピーカ音量は「6」となるため、下端から4本分の横ゲージ画像が所定の色で表示され、上端の横ゲージ画像のみが異なる色で表示される(
図53参照)。
【0435】
また、特に図示していないが、スピーカ音量が変更されてから、いずれの始動入賞口にも遊技球が入球することなく、さらには、その後にスピーカ音量が変更されることなく、予め定められた表示切り替え時間(本形態では3秒)が経過すると、表示部21aの中央に表示された音量設定画像AGが消去されるようになっている。
【0436】
また、スピーカ音量の設定可能範囲、スピーカ音量の初期値、現スピーカ音量等のデータは、副制御基板300のサブRAM303に記憶されるようになっている。そして、当該サブRAM303に記憶されている各種データに基づき、サブCPU301により、現スピーカ音量の変更等の各種処理が行われる。たとえば、十字キー25が押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量が更新され、現スピーカ音量として当該押下操作後のスピーカ音量がサブRAM303に記憶される。
【0437】
(遊技可能状態中における音声等の出力の制御の概要)
次に、遊技可能状態中における音声等の出力の制御について、チャンネル調整値及びスピーカ音量の変更の制御の詳細と併せて、発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態ごとに具体的に説明する。
【0438】
上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、音声制御基板のデコーダは、音声等を出力するためのチャンネルを所定数(チャンネル1からチャンネル40までの計40個)備えており、各演出において出力される音声等の種類ごとに、当該音声等の出力に使用するチャンネルが対応付けられている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、各種エラーの発生に基づいて出力されるエラー示唆音声については、チャンネル1が対応付けられている。また、発動警告状態においてに出力される発動警告音声、発動予告状態において出力される発動予告音声、及び、発動状態において出力される発動音声(以下、発動警告音声、発動予告音声及び発動音声を併せて、差球停止制御音声ともいう)については、チャンネル2が対応付けられている。また、変動演出や特別遊技中演出において出力されるBGMや各種音声(以下、演出音ともいう)については、チャンネル3~チャンネル40のいずれかが対応付けられている。
【0439】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、エラーの発生原因となる事象が複数重複して発生する場合があり、この場合には、複数のエラーが重複して発生することとなる。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、エラーの示唆の実行について優先順位が予め定められており、複数のエラーが重複して発生した場合には、発生した複数のエラーのうち、予め定められた優先順位が最も高いエラーについての示唆が行われ、他のエラーについての示唆は行われないようになっている。また、たとえば、優先順位が最も高いエラーについての示唆が終了した際に、他のエラーが発生していたような場合には、当該他のエラーについての示唆が行われることとなる。
このように、複数のエラーが重複して発生した場合には、予め定められた優先順位に従っていずれかのエラーの示唆のみが行われ、同時に複数のエラーの示唆が行われることはない。そのため、全てのエラー示唆音声については、1個のチャンネル(チャンネル1)のみ対応付けられており、このチャンネルのみを使用して各エラー示唆音声がそれぞれ別個に出力されることとなる。
【0440】
また、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動警告音声は発動警告状態が設定された場合以外において出力されることはなく、発動予告音声は発動予告状態が設定された場合以外において出力されることはなく、発動音声は発動状態が設定された場合以外において出力されることはない。すなわち、発動警告音声、発動予告音声及び発動音声はいずれも、同時に重複して出力されることはない。そのため、発動警告音声、発動予告音声及び発動音声についてはいずれも、1個のチャンネル(チャンネル2)のみ対応付けられており、このチャンネルのみを使用して発動警告音声、発動予告音声、発動音声がそれぞれ別個に出力されることとなる。
【0441】
また、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断から復帰すると、いずれのチャンネルにもチャンネル調整値の初期値として「2」が設定され、この状態においては、いずれのチャンネルに対応する音声等も、現スピーカ音量そのままで出力される。なお、各チャンネルに設定されている現チャンネル調整値のデータは、音声制御基板のサウンドRAMに記憶される。
【0442】
(1)発動警告前状態
発動警告前状態においては、特別図柄の変動表示に伴って行われる変動演出や、特別遊技中に行われる特別遊技中演出を実行可能となっている。また、上述したように、発動警告前状態においては、扉開放エラー、主制御関連エラー、払出し関連エラーの発生が判定され、これらのエラーが発生した場合には、発生したエラーに対応するエラー示唆音声が出力されることとなる。
【0443】
また、発動警告前状態においては、特別図柄の変動表示が開始されてから終了する(当該変動表示が停止することにより特別図柄が停止表示される)までの期間中、特別図柄の変動表示が行われていない待機状態中、特別遊技が開始されてから終了するまでの期間中に現スピーカ音量を変更することができるようになっており、特別図柄が停止表示されてから停止表示時間が経過するまでの期間(以下、図柄確定期間ともいう)中は現スピーカ音量を変更することができないようになっている。また、エラーの発生中にも、現スピーカ音量を変更することができるようになっている。
具体的には、上述の現スピーカ音量を変更することができる期間中に、上キー又は下キーの押下操作が行われると音量設定画像AGが表示される。そして、上キーが押下操作された場合、当該押下操作により上述の設定可能範囲内で現スピーカ音量を増大可能であるときには、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが、上キーの押下操作に基づくスピーカ音量に更新されることで、現スピーカ音量が増大する。また、下キーが押下操作された場合、当該押下操作により上述の設定可能範囲内で現スピーカ音量を減少可能であるときには、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが、下キーの押下操作に基づくスピーカ音量に更新されることで、現スピーカ音量が減少する。
【0444】
そして、エラーが発生していないときには、演出音に対応する全てのチャンネル(以下、演出音チャンネルともいう)のチャンネル調整値はいずれも、初期値として設定された「2」のままとなるものの、エラーが発生しているときには、当該チャンネル調整値はいずれも「0」に変更される。これに対して、発動警告前状態においては常に、エラー示唆音に対応するチャンネル1のチャンネル調整値は、初期値として設定された「2」のままとなる。
これにより、発動警告前状態において、変動演出や特別遊技中演出が実行されており、かつエラーが発生していないときには、演出音のみが出力されるが、この演出音は現スピーカ音量そのままで出力される。一方、変動演出や特別遊技中演出が実行されており、かつエラーが発生しているときには、演出音及び発生中のエラーに対応するエラー示唆音声が同時に出力されるが、演出音は無音で出力され、エラー示唆音声は現スピーカ音量そのままで出力される。
【0445】
具体的には、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、エラーが発生していないときには、演出音は現スピーカ音量である「5」で出力され、エラーが発生しているときには、演出音は無音で出力されるものの、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力される。
また、たとえば、特別図柄の変動表示中又は特別遊技の実行中であり、かつエラーが発生しておらず、演出音が現スピーカ音量である「5」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の上キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「6」に更新されることにより、現スピーカ音量が「6」に変更される。これにより、出力中の演出音が、変更後の現スピーカ音量である「6」で出力されるようになる。
また、たとえば、特別図柄の変動表示中又は特別遊技の実行中であり、かつエラーが発生しており、演出音は無音で出力され、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の下キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「4」に更新されることにより、現スピーカ音量が「4」に変更される。これにより、上述のエラー示唆音声は、変更後の現スピーカ音量である「4」で出力されるようになるものの、演出音については、無音での出力が継続される。
【0446】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、発動警告前状態において、エラーが発生していないときには、現スピーカ音量により演出音を聴認可能となる一方、エラーが発生しているときには、演出音は聴認不可となり、かつ現スピーカ音量によりエラー示唆音声を聴認可能となる。これにより、エラー発生時にはエラー示唆音声を確実に認識することができ、当該エラー示唆音声により、エラーの発生及び発生したエラーの種類を確実に把握可能となる。
【0447】
なお、発動警告前状態においては、エラーの発生中に現スピーカ音量の変更ができないようにしてもよい。このようにすることで、エラーの発生中に下キーが押下操作されることにより現スピーカ音量が減少し、エラー示唆音声が認識困難となって、エラーの発生及び発生したエラーの種類を把握し難くなるような事態を防止することができる。
また、エラーの発生中には、現スピーカ音量にかかわらず、最大のスピーカ音量(すなわち、「7」)でエラー示唆音量を出力するようにしてもよい。このようにすることで、エラー発生時に、エラー示唆音声をより確実に認識可能となり、エラーの発生及び発生したエラーの種類もより確実に把握可能となる。
また、エラーの発生中には、無音で演出音を出力するのではなく、演出音の出力そのものを停止するようにしてもよい。このようにした場合にも、エラー発生時にはエラー示唆音声を確実に認識することができ、当該エラー示唆音声により、エラーの発生及び発生したエラーの種類を確実に把握可能となる。
また、エラーの発生中には、聴認可能ではあるもののエラー示唆音声よりも小さい音量で、演出音を出力するようにしてもよい。
【0448】
(2)発動警告状態
発動警告状態においては、発動警告前状態と同様に、特別図柄の変動表示に伴って行われる変動演出や、特別遊技中に行われる特別遊技中演出を実行可能となっているとともに、扉開放エラー、主制御関連エラー、払出し関連エラーの発生が判定され、これらのエラーが発生した場合には、発生したエラーに対応するエラー示唆音声が出力されることとなる。
また、発動警告状態が設定されてから発動警告音声出力時間(5秒)が経過するまでの間、発動警告音声が出力されることとなる。
【0449】
また、発動警告状態においては、発動警告前状態と同様に、特別図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間中、特別図柄の変動表示が行われてない待機状態中、特別遊技が開始されてから終了するまでの期間中に現スピーカ音量を変更することができるようになっており、図柄確定期間中は現スピーカ音量を変更することができないようになっている。また、エラーの発生中にも、現スピーカ音量を変更することができるようになっている。
なお、発動警告状態における現スピーカ音量の変更の処理も、発動警告前状態と同様であるため、説明を省略する。
【0450】
そして、発動警告音声の出力中であって、かつエラーが発生していないときには、差球停止制御音声に対応するチャンネル2のチャンネル調整値は、初期値として設定された「2」のままとなるものの、演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも「1」に変更されるようになっている。また、発動警告音声の出力中であって、かつエラーが発生しているときには、チャンネル2のチャンネル調整値、及び演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも「0」に変更されるようになっている。
さらに、発動警告音声が出力されておらず(すなわち、発動警告音声の出力終了後)、かつエラーが発生していないときには、チャンネル2のチャンネル調整値、及び演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも、初期値として設定された「2」のままとなる。また、発動警告音声が出力されておらず、かつエラーが発生しているときには、チャンネル2のチャンネル調整値、及び演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも「0」に変更されるようになっている。
これに対して、発動警告前状態と同様に、発動警告状態においては常に、エラー示唆音に対応するチャンネル1のチャンネル調整値は、初期値として設定された「2」のままとなる。
【0451】
これにより、発動警告音声の出力中において、変動演出や特別遊技中演出が実行されており、かつエラーが発生していないときには、発動警告音声及び演出音が同時に出力されるが、発動警告音声は現スピーカ音量そのままで出力されるものの、演出音は現スピーカ音量の25%の音量で出力される。
また、発動警告音声の出力中において、変動演出や特別遊技中演出が実行されており、かつエラーが発生しているときには、発動警告音声、演出音及び発生中のエラーに対応するエラー示唆音声が同時に出力されるが、演出音及び発動警告音声は無音で出力され、エラー示唆音声は現スピーカ音量そのままで出力される。
また、発動警告音声が出力されていないときにおいて、変動演出や特別遊技中演出が実行されており、かつエラーが発生していないときには、演出音のみが出力されるが、この演出音は現スピーカ音量そのままで出力される。
また、発動警告音声が出力されていないときにおいて、変動演出や特別遊技中演出が実行されており、かつエラーが発生しているときには、演出音及び発生中のエラーに対応するエラー示唆音声が同時に出力されるが、演出音は無音で出力され、エラー示唆音声は現スピーカ音量そのままで出力される。
【0452】
具体的には、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動警告音声の出力中で、かつエラーが発生していないときには、発動警告音声は現スピーカ音量である「5」で出力されるものの、演出音は現スピーカ音量である「5」の25%の音量で出力される。すなわち、このときには、演出音は発動警告音声よりも小さい音量で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動警告音声の出力中で、かつエラーが発生しているときには、発動警告音声及び演出音のいずれも無音で出力されるものの、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動警告音声が出力されておらず、かつエラーが発生していないときには、演出音は現スピーカ音量である「5」で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動警告音声が出力されておらず、かつエラーが発生しているときには、演出音は無音で出力されるものの、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力される。
【0453】
また、たとえば、発動警告音声の出力中において、特別図柄の変動表示中又は特別遊技の実行中であり、かつエラーが発生しておらず、発動警告音声が現スピーカ音量である「5」、演出音が現スピーカ音量である「5」の25%の音量で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の上キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「6」に更新されることにより、現スピーカ音量が「6」に変更される。これにより、発動警告音声は、変更後の現スピーカ音量である「6」で出力され、演出音は、変更後の現スピーカ音量である「6」の25%の音量で出力されるようになる。
また、たとえば、発動警告音声の出力中において、特別図柄の変動表示中又は特別遊技の実行中であり、かつエラーが発生しており、発動警告音声及び演出音は無音で出力され、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の下キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「4」に更新されることにより、現スピーカ音量が「4」に変更される。これにより、上述のエラー示唆音声は、変更後の現スピーカ音量である「4」で出力されるようになるものの、発動警告音声及び演出音については、無音での出力が継続される。
また、たとえば、発動警告音声が出力されていないときにおいて、特別図柄の変動表示中又は特別遊技の実行中であり、かつエラーが発生しておらず、演出音が現スピーカ音量である「3」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の上キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「4」に更新されることにより、現スピーカ音量が「4」に変更される。これにより、演出音は、変更後の現スピーカ音量である「4」で出力されるようになる。
また、たとえば、発動警告音声が出力されていないときにおいて、特別図柄の変動表示中又は特別遊技の実行中であり、かつエラーが発生しており、演出音は無音で出力され、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「7」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の下キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「6」に更新されることにより、現スピーカ音量が「6」に変更される。これにより、上述のエラー示唆音声は、変更後の現スピーカ音量である「6」で出力されるようになるものの、演出音については、無音での出力が継続される。
【0454】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、発動警告状態において、発動警告音声の出力中であって、かつエラーが発生していないときには、発動警告音声及び演出音のいずれもが出力されるものの、演出音の音量は発動警告音声の音量よりも小さくなる。これにより、演出音よりも発動警告音声を聴認し易くなるため、変動演出や特別遊技中演出の実行中であっても、この発動警告音声により、発動警告状態が設定された旨の把握が容易となる。
また、発動警告音声が出力されているか否かにかかわらず、エラーが発生しているときには、発動警告音声及び演出音は聴認不可となり、エラー示唆音声は現スピーカ音量により聴認可能となる。これにより、エラー発生時にはエラー示唆音声を確実に認識することができ、当該エラー示唆音声により、エラーの発生及び発生したエラーの種類を確実に把握可能となる。
【0455】
なお、発動警告状態においては、発動警告音声の出力中に現スピーカ音量の変更ができないようにしてもよい。このようにすることで、発動警告音声の出力中に下キーが押下操作されることにより現スピーカ音量が減少し、発動警告音声を聴認困難となって、発動警告状態が設定された旨の把握が困難となるような事態を防止することができる。
また、発動警告音声の出力中には、現スピーカ音量にかかわらず、最大のスピーカ音量(「7」)で発動警告音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、発動警告音声をより聴認し易くなり、発動警告状態が設定された旨の把握を更に容易にすることができる。
また、発動警告音声の出力中には、発動警告音声が演出音よりも聴認し易くなっていればよく、演出音の音量を現スピーカ音量の25%にすることには限られない。たとえば、無音で演出音を出力するようにしてもよい。また、演出音の出力そのものを停止するようにしてもよい。このようにした場合にも、変動演出や特別遊技中演出の実行中において、発動警告音声により、発動警告状態が設定された旨の把握が容易となる。
また、発動警告前状態と同様に、発動警告状態においても、エラーの発生中に現スピーカ音量の変更ができないようにしてもよい。また、エラーの発生中には、現スピーカ音量にかかわらず、最大のスピーカ音量(「7」)でエラー示唆音量を出力するようにしてもよい。また、エラーの発生中には、無音で演出音を出力するのではなく、演出音の出力そのものを停止するようにしてもよい。
【0456】
(3)発動予告状態
発動予告状態においては、特別遊技中演出が実行されているとともに、扉開放エラー、主制御関連エラー、払出し関連エラーの発生が判定され、これらのエラーが発生した場合には、発生したエラーに対応するエラー示唆音声が出力されることとなる。
また、発動予告状態が設定されてから発動予告音声出力時間(7秒)が経過するまでの間、発動予告音声が出力されることとなる。
【0457】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動予告状態の設定時に実行されていた特別遊技が終了すると、当該発動予告状態が終了するようになっている。したがって、発動予告状態においては、実行中の特別遊技が終了するまでの期間中に現スピーカ音量を変更することができるようになっている。また、発動警告前状態や発動警告状態と同様に、エラーの発生中にも、現スピーカ音量を変更することができるようになっている。
なお、発動警告状態における現スピーカ音量の変更の処理は、発動警告前状態や発動警告状態と同様であるため、説明を省略する。
【0458】
そして、発動予告音声の出力中であって、かつエラーが発生していないときには、差球停止制御音声に対応するチャンネル2のチャンネル調整値は、初期値として設定された「2」のままとなるものの、演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも「1」に変更されるようになっている。また、発動予告音声の出力中であって、かつエラーが発生しているときには、チャンネル2のチャンネル調整値、及び演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも「0」に変更されるようになっている。
さらに、発動予告音声が出力されておらず(すなわち、発動予告音声の出力終了後)、かつエラーが発生していないときには、チャンネル2のチャンネル調整値、及び演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも、初期値として設定された「2」のままとなる。また、発動予告音声が出力されておらず、かつエラーが発生しているときには、チャンネル2のチャンネル調整値、及び演出音チャンネルのチャンネル調整値はいずれも「0」に変更されるようになっている。
これに対して、発動警告前状態や発動警告状態と同様に、発動予告状態においては常に、エラー示唆音に対応するチャンネル1のチャンネル調整値は、初期値として設定された「2」のままとなる。
【0459】
これにより、発動予告音声の出力中で、かつエラーが発生していないときには、発動予告音声及び演出音(特別遊技中演出の演出音)が同時に出力されるが、発動予告音声は現スピーカ音量そのままで出力されるものの、演出音は現スピーカ音量の25%の音量で出力される。
また、発動予告音声の出力中で、かつエラーが発生しているときには、発動予告音声、演出音及び発生中のエラーに対応するエラー示唆音声が同時に出力されるが、演出音及び発動予告音声は無音で出力され、エラー示唆音声は現スピーカ音量そのままで出力される。
また、発動予告音声が出力されていないときであって、かつエラーが発生していないときには、演出音のみが出力されるが、この演出音は現スピーカ音量そのままで出力される。
また、発動予告音声が出力されていないときであって、かつエラーが発生しているときには、演出音及び発生中のエラーに対応するエラー示唆音声が同時に出力されるが、演出音は無音で出力され、エラー示唆音声は現スピーカ音量そのままで出力される。
【0460】
具体的には、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動予告音声の出力中で、かつエラーが発生していないときには、発動予告音声は現スピーカ音量である「5」で出力されるものの、演出音は現スピーカ音量である「5」の25%の音量で出力される。すなわち、このときには、演出音は発動予告音声よりも小さい音量で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動予告音声の出力中で、かつエラーが発生しているときには、発動予告音声及び演出音のいずれも無音で出力されるものの、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動予告音声が出力されておらず、かつエラーが発生していないときには、演出音は現スピーカ音量である「5」で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動予告音声が出力されておらず、かつエラーが発生しているときには、演出音は無音で出力されるものの、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力される。
【0461】
また、たとえば、発動予告音声の出力中において、エラーが発生しておらず、発動予告音声が現スピーカ音量である「5」、演出音が現スピーカ音量である「5」の25%の音量で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の上キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「6」に更新されることにより、現スピーカ音量が「6」に変更される。これにより、発動予告音声は、変更後の現スピーカ音量である「6」で出力され、演出音は、変更後の現スピーカ音量である「6」の25%の音量で出力されるようになる。
また、たとえば、発動予告音声の出力中において、エラーが発生しており、発動予告音声及び演出音は無音で出力され、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「5」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の下キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「4」に更新されることにより、現スピーカ音量が「4」に変更される。これにより、上述のエラー示唆音声は、変更後の現スピーカ音量である「4」で出力されるようになるものの、発動予告音声及び演出音については、無音での出力が継続される。
また、たとえば、発動予告音声が出力されていないときにおいて、エラーが発生しておらず、演出音が現スピーカ音量である「3」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の上キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「4」に更新されることにより、現スピーカ音量が「4」に変更される。これにより、演出音は、変更後の現スピーカ音量である「4」で出力されるようになる。
また、たとえば、発動予告音声が出力されていないときにおいて、エラーが発生しており、演出音は無音で出力され、当該エラーに対応するエラー示唆音声は現スピーカ音量である「7」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の下キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「6」に更新されることにより、現スピーカ音量が「6」に変更される。これにより、上述のエラー示唆音声は、変更後の現スピーカ音量である「6」で出力されるようになるものの、演出音については、無音での出力が継続される。
【0462】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、発動予告状態において、発動予告音声の出力中であって、かつエラーが発生していないときには、発動予告音声及び演出音のいずれもが出力されるものの、演出音の音量は発動予告音声の音量よりも小さくなる。これにより、演出音よりも発動予告音声を聴認し易くなるため、特別遊技中演出の実行中であるものの、この発動予告音声により、発動予告状態が設定された旨の把握が容易となる。
また、発動予告音声が出力されているか否かにかかわらず、エラーが発生しているときには、発動予告音声及び演出音は聴認不可となり、エラー示唆音声は現スピーカ音量により聴認可能となる。これにより、エラー発生時にはエラー示唆音声を確実に認識することができ、当該エラー示唆音声により、エラーの発生及び発生したエラーの種類を確実に把握可能となる。
【0463】
なお、発動予告状態においては、発動予告音声の出力中に現スピーカ音量の変更ができないようにしてもよい。このようにすることで、発動予告音声の出力中に下キーが押下操作されることにより現スピーカ音量が減少し、発動予告音声を聴認困難となって、発動予告状態が設定された旨の把握が困難となるような事態を防止することができる。
また、発動予告音声の出力中には、現スピーカ音量にかかわらず、最大のスピーカ音量(「7」)で発動予告音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、発動予告音声をより聴認し易くなり、発動予告状態が設定された旨の把握を更に容易にすることができる。
また、発動予告音声の出力中には、発動予告音声が演出音よりも聴認し易くなっていればよく、演出音の音量を現スピーカ音量の25%にすることには限られない。たとえば、無音で演出音を出力するようにしてもよい。また、演出音の出力そのものを停止するようにしてもよい。このようにした場合にも、特別遊技中演出の実行中ではあるものの、発動予告音声により、発動予告状態が設定された旨の把握が容易となる。
また、発動警告前状態や発動警告状態と同様に、発動予告状態においても、エラーの発生中に現スピーカ音量の変更ができないようにしてもよい。また、エラーの発生中には、現スピーカ音量にかかわらず、最大のスピーカ音量(「7」)でエラー示唆音量を出力するようにしてもよい。また、エラーの発生中には、無音で演出音を出力するのではなく、演出音の出力そのものを停止するようにしてもよい。
【0464】
(4)発動状態
発動状態においては、変動演出及び特別遊技中演出は実行されないため、演出音が出力されることはない。また、扉開放エラーの発生のみ判定され、当該エラーが発生した場合には、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声が出力されることとなる。
また、発動状態が設定されると、電断が発生するまでの間、発動音声が出力されることとなる。
【0465】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態が設定されてから終了するまでの期間中は常に、現スピーカ音量を変更することができるようになっている。また、発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態と同様に、扉開放エラーの発生中にも、現スピーカ音量を変更することができるようになっている。
ここで、発動状態中には、上キー又は下キーの押下操作が行われても音量設定画像AGが表示されることはない。すなわち、発動状態中は、音量設定画像AGが表示されることなく、現スピーカ音量の変更のみ実行されることとなる。そして、上キーが押下操作された場合、当該押下操作により上述の設定可能範囲内で現スピーカ音量を増大可能であるときには、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが、上キーの押下操作に基づくスピーカ音量に更新されることで、現スピーカ音量が増大する。また、下キーが押下操作された場合、当該押下操作により上述の設定可能範囲内で現スピーカ音量を減少可能であるときには、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが、下キーの押下操作に基づくスピーカ音量に更新されることで、現スピーカ音量が減少する。
【0466】
そして、扉開放エラーが発生していないときには、差球停止制御音声に対応するチャンネル2のチャンネル調整値は、初期値として設定された「2」のままとなる。また、上述したように、発動状態中は、演出音が出力されることはないため、演出音チャンネルのチャンネル調整値も全て、初期値として設定された「2」のままとなる。なお、この演出音チャンネルのチャンネル調整値は「2」のままとするのではなく、「0」に変更するようにしてもよい。
一方、扉開放エラーが発生しているときには、発動状態においては常に、エラー示唆音に対応するチャンネル1のチャンネル調整値は、初期値として設定された「2」のままとなる。
【0467】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動音声の出力中で、かつ扉開放エラーが発生していないときには、発動音声のみが出力されるが、この発動音声は、現スピーカ音量にかかわらず、常に、最大のスピーカ音量(「7」)で出力されるようになっている。
また、発動音声の出力中で、かつ扉開放エラーが発生しているときには、発動音声及び扉開放エラーに対応するエラー示唆音声が同時に出力されるが、発動音声は無音で出力され、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声は、現スピーカ音量にかかわらず、常に、最大のスピーカ音量(「7」)で出力されるようになっている。
【0468】
具体的には、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動音声の出力中で、かつ扉開放エラーが発生していないときには、発動音声はスピーカ音量「7」で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「5」であった場合、発動音声の出力中で、かつ扉開放エラーが発生しているときには、発動音声は無音で出力されるものの、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声はスピーカ音量「7」で出力される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「3」であった場合において、扉開放エラーは発生しておらず、発動音声がスピーカ音量「7」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の上キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「4」に更新される。これにより、現スピーカ音量は「4」に変更されるものの、発動音声は、スピーカ音量「7」での出力が継続される。
また、たとえば、現スピーカ音量が「7」であった場合において、扉開放エラーが発生しており、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声がスピーカ音量「7」で出力されていたものとする。このときに、十字キー25の下キーが押下操作されると、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量のデータが「6」に更新される。これにより、現スピーカ音量は「6」に変更されるものの、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声は、スピーカ音量「7」での出力が継続される。
【0469】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、発動状態において、扉開放エラーが発生していないときには、発動音声が出力されるものの、この発動音声は、現スピーカ音量にかかわらず、常に、最大のスピーカ音量「7」で出力される。これにより、発動音声を確実に聴認可能となるため、この発動音声により、発動状態が設定された旨を確実に把握できることとなる。
また、扉開放エラーが発生しているときには、発動音声は聴認不可となり、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声は、現スピーカ音量にかかわらず、常に、最大のスピーカ音量「7」で出力される。これにより、扉開放エラー発生時にはエラー示唆音声を確実に聴認することができ、当該エラー示唆音声により、扉開放エラーの発生を確実に把握可能となる。
【0470】
なお、発動状態においては、扉開放エラーが発生しているか否かにかかわらず、常に、現スピーカ音量の変更ができないようにしてもよい。このようにすることで、発動状態におけるサブCPU301等の処理負荷を軽減することができる。
また、発動音声は、確実に聴認可能となるのであれば、必ずしも最大のスピーカ音量(「7」)で出力する必要は無い。たとえば、最大のスピーカ音量よりも一段階下のスピーカ音量(「6」)で出力するようにしてもよい。
また、扉開放エラーに対応するエラー示唆音声は、必ずしも最大のスピーカ音量(「7」)で出力する必要は無い。たとえば、最大のスピーカ音量よりも一段階下のスピーカ音量(「6」)で出力するようにしてもよいし、現スピーカ音量で出力するようにしてもよい。
また、扉開放エラーの発生中には、無音で発動音声を出力するのではなく、発動音声の出力そのものを停止するようにしてもよい。
【0471】
(役物演出装置YSを初期位置へ変位させる位置補正処理の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、変動演出におけるリーチ発展演出中に、役物演出装置YSが可動位置まで変位して役物回転演出が行われ、この役物回転演出が終了すると、役物演出装置YSは可動位置から初期位置まで変位する。この際、たとえば、役物演出装置YSが遊技盤11上の構造物に引っ掛かったような場合には、役物演出装置YSが初期位置まで変位できず、可動位置や初期位置の手前で停留するといった事態が生じ得る。役物演出装置YSが可動位置等で停留していると、演出表示装置21の表示部21aに役物演出装置YSが重なり、表示部21aで行われる各種表示や各種示唆の視認性が悪くなるおそれがる。また、常態と異なる位置に役物演出装置YSが停留していることにより、大当たりの抽選結果等に関する何らかの示唆をしているものと遊技者に誤認させる可能性もある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、変動演出の開始時(特別図柄の変動表示の開始時)に、役物演出装置YSが初期位置に位置していなかった場合には、役物演出装置YSを初期位置へ変位させる位置補正処理(以下、変動開始時位置補正処理ともいう)が実行されるようになっている。
【0472】
この変動開始時位置補正処理においては、まず、サブCPU301は、主制御基板100から変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かを判断する。
特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pは、初期位置に位置している役物演出装置YSを検出するための初期位置検出センサを備えている。この初期位置検出センサによる検出が行われているときには、所定の検出信号が副制御基板300に入力される。サブCPU301は、検出信号が入力されていると役物演出装置YSが初期位置に位置していると判定し、検出信号が入力されていないと役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定する。
サブCPU301は、役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定した場合に、役物演出装置YSを初期位置へ変位させるように駆動モータMを制御し、所定の確認時間(本形態では300ms)の経過後に改めて役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かを判定する初回処理を実行する。
この初回処理において、役物演出装置YSが初期位置に位置していると判定された場合には、役物演出装置YSが初期位置に変位したこととなる。一方、役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定された場合には、役物演出装置YSは未だ初期位置に変位しないこととなる。
役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定された場合、サブCPU301は、上述の初回処理と同内容のリトライ処理を実行する。このリトライ処理は、最大で所定回数(本形態では2回)繰り返され、リトライ処理が所定回数実行されても、役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定された場合、サブCPU301は、役物演出装置YSの変位に関する不具合が発生しているものと判断する。役物演出装置YSの変位に関する不具合が発生していると判断されると、電断が発生するまで、その後の変動演出の開始時に、この役物演出装置YSに対する変動開始時位置補正処理は実行されない。
【0473】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態が設定されると、実行中の変動演出が強制的に終了するようになっている。したがって、役物演出装置YSによる役物回転演出が実行されているときに発動状態が設定されると、この実行中の役物回転演出も強制的に終了することとなる。
そして、この発動状態の設定時において、役物演出装置YSが初期位置に位置していなかった場合には、変動演出の開始時と同様に、役物演出装置YSを初期位置へ変位させる位置補正処理(以下、発動状態設定時位置補正処理ともいう)が実行される。
また、この発動状態設定時位置補正処理においては、上述のように、役物演出装置YSの変位に関する不具合が発生していると判断されていた場合であっても、当該役物演出装置YSを初期位置へ変位させる処理が実行されるようになっている。
【0474】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態の設定時に役物演出装置YSによる役物回転演出が実行されていた場合には、当該役物回転演出が強制的に終了する。また、発動状態の設定時には、役物演出装置YSを初期位置へ変位させる位置補正処理も実行する。
これにより、演出表示装置21の表示部21aに役物演出装置YSが重なり、発動状態中に表示部21aにおいて表示される発動示唆の視認性が悪くなるような事態を極力防止することができる。また、役物演出装置YSによる演出が実行されていたり、役物演出装置YSが初期位置に位置していなかったりすることで、発動状態が設定されているにもかかわらず遊技が進行しているような誤認が生じるのを防止することができる。
【0475】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各種演出において使用される役物演出装置は1つのみ設けられていたが、これに限定されるものではなく、異なる範囲内を変位可能であったり、異なる態様により作動可能であったりするような2以上の役物演出装置を設けてもよい。そして、2以上の役物演出装置を設けた場合にも、これらの役物演出装置について、上述と同様の変動開始時位置補正処理、発動状態設定時位置補正処理等を実行するようにしてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、位置補正処理の実行の前提として、役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かの判定が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かの判定を行うことなく、位置補正処理を実行するようにしてもよい。
また、位置補正処理の実行タイミングは、変動演出の開始時や発動状態の設定時に限定されるものではなく、たとえば、変動演出の終了時や特別遊技の終了時等に実行してもよい。
【0476】
(待機状態中における処理の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態における発動警告前状態中又は発動警告状態中において、特別図柄の変動表示が行われておらず、かつ第1特図乱数及び第2特図乱数がいずれも記憶されていないときには、遊技が行われていない状態である待機状態に滞在するようになっている。
具体的には、発動警告前状態中又は発動警告状態中に、特別図柄の変動表示が停止し上述の図柄確定時間が経過した時点で、第1特図乱数及び第2特図乱数がいずれも記憶されていないときに、待機状態が開始される。上述したように、待機状態が開始されると、メインCPU101は待機状態が開始された旨を示す待機状態開始コマンドを副制御基板300へ送信する。これにより、副制御基板300においても待機状態の開始を把握可能となる。そして、第1特図乱数又は第2特図乱数が取得され特別図柄の変動表示が開始されると、待機状態が終了する。
【0477】
そして、サブCPU301が待機状態開始コマンドを受信すると(待機状態が開始されると)、副制御基板300において、遊技者によりいかなる操作も行われていない時間である無操作時間の計測が開始される。
この無操作時間は、副制御基板300に設けられた加算タイマ(カウントアップタイマ)である無操作時間タイマカウンタによって計測される。また、無操作時間の計測が開始された後は、待機状態が終了するまで当該計測が継続して行われるようになっており、操作ハンドル5の回転操作、操作ボタン9bの押下操作又は十字キー25の押下操作のいずれかが行われると、無操作時間タイマカウンタのカウント値がリセットされるようになっている。
具体的には、待機状態開始コマンドが受信され無操作時間の計測が開始されると、0秒→1秒→2秒→・・・と無操作時間タイマカウンタのカウントアップが行われ、操作ハンドル5の回転操作、操作ボタン9bの押下操作又は十字キー25の押下操作が検出される都度、0秒から無操作時間タイマカウンタのカウントアップが再開される。そして、待機状態が終了すると、無操作時間タイマカウンタのカウントアップも終了する。
なお、待機状態が開始されると無操作時間の計測が開始されるものの、この時点で、たとえば、操作ハンドル5の回転操作が継続して行われていると、無操作時間タイマカウンタのカウント値はリセットされ続ける。したがって、実質的には、待機状態開始コマンドが受信されると、操作ハンドル5の回転操作、操作ボタン9bの押下操作及び十字キー25の押下操作のいずれもが行われていないことを条件に、無操作時間の計測が開始されることとなる。
【0478】
そして、無操作時間が所定のデモ開始時間(本形態では30秒)に到達すると(すなわち、無操作時間タイマカウンタのカウント値がデモ開始時間の値になると)、サブCPU301は、演出表示装置21の表示部21aにおいて所定のデモ表示(たとえば、パチンコ機Pのモチーフに関するストーリーが表現されたデモ画像の表示)を行う処理を実行する。なお、デモ表示の開始後も、無操作時間の計測は継続して行われる。そして、計測されている無操作時間にかかわらず予め定められたデモ表示時間(本形態では15秒)が経過するか、又は待機状態が終了すると、デモ表示を終了する処理が実行される。
【0479】
そして、上述のデモ表示時間が経過してデモ表示が終了すると、待機状態中の消費電力を抑止するための省電力状態へ移行する処理が行われるようになっている。特に図示していないが、省電力状態においては、各種ランプの消灯、演出表示装置21の輝度の低下、音声等の出力の停止等の処理が行われるとともに、演出表示装置21の表示部21aにおいて省電力状態中である旨の表示が行われる。これにより、消費電力が抑止されることとなる。
また、省電力状態は、遊技の進行に伴って主制御基板100から送信されるコマンド(たとえば、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく始動入賞コマンド、特別図柄の変動開始に基づく変動モードコマンドや変動パターンコマンド等)が副制御基板300において受信されること、操作ハンドル5の回転操作、操作ボタン9bの押下操作又は十字キー25の押下操作が行われることにより、終了するようになっている。
【0480】
(待機状態中に発動状態が設定された場合の処理の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、発動警告状態中に開始された待機状態に滞在しているときに、たとえば、待機状態の開始前に打ち出されていた遊技球や待機状態の開始後も継続して打ち出していた遊技球が一般入賞口14へ入球し、これにより、待機状態に滞在したまま、差球カウント値が第2基準値(195000)に到達するような場合がある。この場合は、待機状態に滞在したまま、発動警告状態が終了し発動状態が設定される。
そして、待機状態の滞在中に発動状態が設定された場合にも、演出表示装置21の表示部21aにおいては、上述の発動示唆(発動文字画像の表示)が行われる。
【0481】
ここで、上述したように、待機状態が開始されると無操作時間タイマカウンタによる無操作時間の計測が開始されるが、本形態に係るパチンコ機Pでは、待機状態の滞在中に発動状態が設定された場合であっても、無操作時間の計測は継続して行われるようになっている。これにより、この発動状態中にも計測中の無操作時間が上述のデモ開始時間に到達する場合がある。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態中に計測中の無操作時間がデモ開始時間に到達した場合にも、上述のデモ表示を行う処理を実行するようになっている。当該処理が実行された場合には、内部的にデモ画像の表示が実行されている状態となり、演出表示装置21の表示部21aにおいて、発動状態の設定に基づく発動文字画像の表示(発動示唆)及びデモ画像の表示の両方が重複して実行される状況が発生する。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動文字画像の表示、及びデモ画像の表示について実行の優先順位が予め定められており、デモ画像の表示よりも発動文字画像の表示の方が高い優先順位となっている。そのため、内部的には、発動文字画像の表示、及びデモ画像の表示が重複して実行されている状態となっているものの、デモ画像の表示は制限され、演出表示装置21の表示部21aにおいては、デモ画像が表示されることはなく、発動文字画像のみ表示されることとなる。すなわち、発動状態中に無操作時間がデモ開始時間に到達しデモ表示を行う処理が実行されても、発動文字画像の表示が継続して行われるため、演出表示装置21の表示部21aにおける見た目は変化せず、内部的にデモ表示が実行されている状態であることを表示部21aの表示によって把握することはできない。
【0482】
さらに、発動状態中にデモ表示を行う処理が実行された場合、上述したように、内部的にはデモ画像の表示が実行されている状態となっているため、上述のデモ表示時間の経過の判断も行われる。そして、デモ表示時間が経過するとデモ表示を終了する処理が実行され、内部的にデモ画像の表示が実行されている状態が終了し、発動状態中であっても、省電力状態へ移行する処理が行われる。当該処理が行われた場合には、内部的に省電力状態に滞在していることとなり、演出表示装置21の表示部21aにおいて、発動文字画像の表示、及び省電力状態中である旨の表示の両方が重複して実行される状況が発生する。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動文字画像の表示、及び省電力状態中である旨の表示についても実行の優先順位が予め定められており、省電力状態中である旨の表示よりも発動文字画像の表示の方が高い優先順位となっている。そのため、内部的には、発動文字画像の表示、及び省電力状態中である旨の表示が重複して実行されている状態となっているものの、省電力状態中である旨の表示は制限され、演出表示装置21の表示部21aにおいては、省電力状態中である旨が表示されることはなく、発動文字画像のみ表示されることとなる。すなわち、発動状態中にデモ表示が終了し省電力状態へ移行する処理が実行されても、発動文字画像の表示が継続して行われるため、演出表示装置21の表示部21aにおける見た目は変化せず、内部的に省電力状態に滞在している旨を表示部21aの表示によって把握することはできない。
【0483】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動状態中に省電力状態へ移行する処理が行われ、内部的に省電力状態に滞在していることとなった場合、各種ランプの消灯、演出表示装置21の輝度の低下、音声等の出力の停止等の処理は実行されない(制限される)ようになっている。
したがって、この場合においては、上述の省電力状態へ移行する処理が行われる前と同様の態様により各種ランプの点灯が行われ、演出表示装置21の輝度は変わらず、音声等の出力は継続して実行されることとなる。
【0484】
なお、上述したように、省電力状態は、遊技の進行に伴って主制御基板100から送信されるコマンド(始動入賞コマンド、変動モードコマンド、変動パターンコマンド等)が副制御基板300において受信されること、操作ハンドル5の回転操作、操作ボタン9bの押下操作又は十字キー25の押下操作が行われることにより、終了する。
ここで、発動状態においては、遊技が進行せず、かつ遊技球の発射が行われないことから、上述の遊技の進行に伴うコマンドが主制御基板100から副制御基板300に送信されることはない。これに対して、発動状態であっても、副制御基板300において、操作ハンドル5の回転操作、操作ボタン9bの押下操作、十字キー25の押下操作を把握できる。
したがって、発動状態中に移行した省電力状態(内部的に滞在している省電力状態)は、遊技の進行に伴って主制御基板100から送信されるコマンドが副制御基板300において受信されることによって終了することはなく、操作ハンドル5の回転操作、操作ボタン9bの押下操作又は十字キー25の押下操作が行われることによって終了する。
そして、この省電力状態が終了しても、発動文字画像の表示が継続して行われるため、演出表示装置21の表示部21aにおける見た目は変化せず、内部的に滞在していた省電力状態が終了した旨を表示部21aの表示によって把握することはできない。
【0485】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、発動警告状態において特別図柄の変動表示が実行されているときに差球カウント値が第2基準値に到達することで、発動状態が設定される場合がある。この場合、実行中の特別図柄の変動表示が強制的に終了して遊技が停止するため、待機状態が開始されることはなく、メインCPU101は待機状態開始コマンドを副制御基板300へ送信しない。
同様に、発動予告状態が終了して発動状態が設定される場合にも、実行中の特別遊技が終了してそのまま遊技が停止するため、待機状態が開始されることはなく、メインCPU101は待機状態開始コマンドを副制御基板300へ送信しない。
したがって、これらの場合には、副制御基板300において無操作時間の計測が開始されることはなく、デモ表示及び省電力状態への移行が行われることもない。
【0486】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、待機状態中に発動状態が設定された場合であっても、待機状態の開始に基づいて開始される無操作時間の計測が継続して実行される。
これにより、待機状態中に設定された発動状態においても、無操作時間に基づく処理(デモ表示、省電力状態への移行)を実行させることができる。また、待機状態中に発動状態が設定されない場合と同様の制御となるため、発動状態が設定される場合及び設定されない場合のいずれであっても、共通化したプログラムで当該制御を実行できる。すなわち、発動状態の設定の有無に応じて異なるプログラムを設ける必要が無いため、サブROM302における記憶容量を軽減することができる。
【0487】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、待機状態中に発動状態が設定された場合には、無操作時間がデモ開始時間に到達するとデモ表示を行う処理が実行されるものの、デモ画像の表示は制限され、発動文字画像のみ表示される。また、デモ表示時間が経過すると省電力状態へ移行する処理が行われるものの、省電力状態中である旨の表示は制限され、発動文字画像のみ表示される。
これにより、待機状態中に設定された発動状態において、発動示唆の視認性が悪くなるのを防止することができ、発動状態が設定されている旨を確実に認識させることができる。
【0488】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、待機状態中に発動状態が設定された場合、デモ画像や省電力状態中である旨を表示せず、発動文字画像のみを表示することにより、デモ表示や省電力状態中である旨の表示を制限するようにしているが、制限の態様はこれらに限定されるものではない。たとえば、待機状態中に発動状態が設定されることなくデモ画像や省電力状態中である旨が表示された場合と比べて、小さい範囲で表示を行うようにしてもよい。また、当該場合と比べて、短い期間の間に表示を行うようにしてもよい。
【0489】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、操作ハンドル5の回転操作が行われることにより、無操作タイマカウンタのリセットや省電力状態の終了の処理が行われるようになっていたが、回転操作に限定されず、操作ハンドル5に触れるのみでこれらの処理が実行されるようにしてもよい。具体的には、タッチセンサ5aによる検出(操作ハンドル5に触れた旨の検出)がなされた旨を副制御基板300に送信することで、副制御基板300においても操作ハンドル5に触れた旨を把握できるように設定し、無操作タイマカウンタの計測中や省電力状態の滞在中に、副制御基板300において操作ハンドル5に触れた旨が把握されると、無操作タイマカウンタがリセットされたり、省電力状態が終了したりするようにしてもよい。
【0490】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図54に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ10000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ10001に進む。
ステップ10001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ10001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0491】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図55に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図55に示すタイマ割込処理を開始する。
【0492】
ステップ10100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ10101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、無操作時間タイマカウンタ以外のタイマカウンタとして減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ10101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ10102に進む。
【0493】
ステップ10102において、サブCPU301は、待機状態中における十字キー25の押下操作や操作ボタン9bの押下操作に基づいて行われる待機状態中操作制御処理を実行する。そして、次のステップ10103に進む。
ステップ10103において、サブCPU301は、デモ表示に関する処理であるデモ表示制御処理を実行する。そして、次のステップ10104に進む。
【0494】
ステップ10104において、サブCPU301は、省電力状態に関する処理である省電力状態制御処理を実行する。そして、次のステップ10105に進む。
ステップ10105において、サブCPU301は、現スピーカ音量に関する処理である現スピーカ音量制御処理を実行する。そして、次のステップ10106に進む。
【0495】
ステップ10106において、サブCPU301は、発動警告前状態における音量調整に関する処理である発動警告前音量調整処理を実行する。そして、次のステップ10107に進む。
ステップ10107において、サブCPU301は、発動警告状態又は発動予告状態における音量調整に関する処理である発動警告・予告中音量調整処理を実行する。そして、次のステップ10108に進む。
【0496】
ステップ10108において、サブCPU301は、発動状態における音量調整に関する処理である発動中音量調整処理を実行する。そして、次のステップ10109に進む。
ステップ10109において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ10110に進む。
ステップ10110において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0497】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、待機状態開始コマンドを受信した場合に実行される待機状態開始コマンド受信処理について、
図56のフローチャートを参照して説明する。待機状態開始コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動開始処理のステップ811で記憶された後、ステップ212の処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10200において、サブCPU301は、無操作時間タイマカウンタによる無操作時間の計測を開始する。そして、次のステップ10201に進む。
ステップ10201において、サブCPU301は、無操作時間の計測中である旨(すなわち、待機状態中である旨)を示す計測中フラグをオンにする。そして、待機状態開始コマンド受信処理を終了する。
【0498】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、始動入賞コマンドを受信した場合に実行される始動入賞コマンド受信処理について、
図57のフローチャートを参照して説明する。始動入賞コマンドは、主制御基板100において、第1始動入賞口検出時処理のステップ509又は第2始動入賞口検出時処理のステップ609で記憶された後、ステップ212の処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10300において、サブCPU301は、計測中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計測中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、始動入賞コマンド受信処理を終了する。一方、計測中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ10301に進む。
ステップ10301において、サブCPU301は、無操作時間タイマカウンタによる無操作時間の計測を終了する。そして、次のステップ10302に進む。
【0499】
ステップ10302において、サブCPU301は、計測中フラグをオフにする。そして、次のステップ10303に進む。
ステップ10303において、サブCPU301は、デモ表示の実行中である旨を示すデモ中フラグがオンであるか否か、すなわち、デモ表示の実行中であるか否かを判定する。そして、デモ中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ10306に進む。一方、デモ中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ10304に進む。
【0500】
ステップ10304において、サブCPU301は、実行されていたデモ表示を終了するデモクリアコマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたデモクリアコマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、画像制御基板により、受信したデモクリアコマンドに基づいて表示部21aに表示されているデモ画像をクリアする制御(デモ表示を終了する制御)が行われることとなる。そして、次のステップ10305に進む。
ステップ10305において、サブCPU301は、デモ中フラグをオフにする。そして、次のステップ10306に進む。
【0501】
ステップ10306において、サブCPU301は、省電力状態の滞在中である旨を示す省電力中フラグがオンであるか否か、すなわち、省電力状態の滞在中であるか否かを判定する。そして、省電力中フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、始動入賞コマンド受信処理を終了する。一方、省電力中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ10307に進む。
ステップ10307において、サブCPU301は、滞在中の省電力状態を終了するための省電力状態解除コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた省電力状態解除コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した省電力状態解除コマンドに基づいて演出表示装置21の輝度、各種ランプの点灯、音声出力装置10による音声の出力を、省電力状態へ移行する前の元の状態に戻す制御が行われることとなる。そして、次のステップ10308に進む。
【0502】
ステップ10308において、サブCPU301は、省電力中フラグをオフにする。そして、始動入賞コマンド受信処理を終了する。
なお、このステップ10300からステップ10308の処理は、始動入賞コマンドの受信に基づいて行うのではなく、特別図柄の変動表示の開始時に主制御基板100から送信される変動モードコマンド又は変動パターンコマンドの受信に基づいて行ってもよい。
【0503】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、回転操作コマンドを受信した場合に実行される回転操作コマンド受信処理について、
図58のフローチャートを参照して説明する。回転操作コマンドは、主制御基板100において、タイマ割込処理のステップ216で記憶された後、ステップ212の処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10400において、サブCPU301は、計測中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計測中フラグがオンでないと判定した場合、回転操作コマンド受信処理を終了する。一方、計測中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ10401に進む。
ステップ10401において、サブCPU301は、無操作時間タイマカウンタのカウント値をリセットする。これにより、無操作時間タイマカウンタのカウント値が0となる(無操作時間が0秒に戻る)。そして、次のステップ10402に進む。
【0504】
ステップ10402において、サブCPU301は、省電力中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、省電力中フラグがオンでないと判定した場合、回転操作コマンド受信処理を終了する。一方、省電力中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ10403に進む。
ステップ10403において、サブCPU301は、省電力状態解除コマンドを送信バッファにセットする。そして、次のステップ10404に進む。
【0505】
ステップ10404において、サブCPU301は、省電力中フラグをオフにする。そして、回転操作コマンド受信処理を終了する。
【0506】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、
図59のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ212において副制御基板300に送信される。
【0507】
ステップ10500において、サブCPU301は、上述のステップ10001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ10501に進む。
ステップ10501において、サブCPU301は、差球カウント値が第1基準値に到達している旨を示す第1基準値到達フラグ(副制御基板300に設けられたフラグ)がオンであるか否か、すなわち、差球カウント値が第1基準値に到達しているかどうかを判定する。そして、第1基準値到達フラグがオンである(すなわち、差球カウント値が第1基準値に到達している(到達した後である))と判定した場合、ステップ10504に進む。一方、第1基準値到達フラグがオンでない(すなわち、差球カウント値が第1基準値に到達していない)と判定した場合、次のステップ10502に進む。
【0508】
ステップ10502において、サブCPU301は、決定された特別図柄が大当たり図柄X1であるか否かを判定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のステップ807でセットされ副制御基板300へ送信される図柄決定コマンドに、決定された特別図柄の種類の情報が含まれている。サブCPU301は、受信した図柄決定コマンドに含まれる特別図柄の情報に基づいて、上述の判定を行うことができる。そして、大当たり図柄X1でないと判定した場合、ステップ10504に進む。一方、大当たり図柄X1であると判定した場合、次のステップ10503に進む。
ステップ10503において、サブCPU301は、変動演出の態様を決定するために参照する変動演出決定テーブル121として、変動演出決定テーブルBを選択する。そして、ステップ10505に進む。
【0509】
また、上述のステップ10501で第1基準値到達フラグがオンであると判定した場合、又は上述のステップ10502で大当たり図柄X1でないと判定した場合に進むステップ10504において、サブCPU301は、変動演出の態様を決定するために参照する変動演出決定テーブル121として、変動演出決定テーブルAを選択する。そして、次のステップ10505に進む。
ステップ10505において、サブCPU301は、上述のステップ10500で取得した変動演出乱数、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号及び変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号、並びに、上述のステップ10503又は10504で選択した変動演出決定テーブル121に基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ10506に進む。
【0510】
ステップ10506において、サブCPU301は、上述のステップ10505で決定した変動演出の態様に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ10110において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ10507に進む。
ステップ10507において、サブCPU301は、変動開始時位置補正処理を実行する。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0511】
次に、上述したステップ10507の変動開始時位置補正処理について、
図60のフローチャートを参照して説明する。
ステップ10600において、サブCPU301は、役物演出装置YSの変位に関する不具合が発生している旨を示す不具合フラグがオンであるか否かを判定する。そして、不具合フラグがオンであると判定した場合、変動開始時位置補正処理を終了する。一方、不具合フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ10601に進む。
ステップ10601において、サブCPU301は、役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かを判定する。そして、役物演出装置YSが初期位置に位置していると判定した場合、変動開始時位置補正処理を終了する。一方、役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定した場合、次のステップ10602に進む。
【0512】
ステップ10602において、サブCPU301は、初回処理を実行する。具体的には、役物演出装置YSを初期位置へ変位させるように駆動モータMを制御し、所定の確認時間(300ms)の経過後に改めて役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かを判定する。そして、次のステップ10603に進む。
ステップ10603において、サブCPU301は、上述のステップ10602の判定結果を確認し、役物演出装置YSが初期位置に位置していると判定した場合、変動開始時位置補正処理を終了する。一方、役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定した場合、次のステップ10604に進む。
【0513】
ステップ10604において、サブCPU301は、リトライ処理を実行する。具体的には、初回処理と同様に、役物演出装置YSを初期位置へ変位させるように駆動モータMを制御し、所定の確認時間(300ms)の経過後に改めて役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かを判定する。そして、次のステップ10605に進む。
ステップ10605において、サブCPU301は、上述のステップ10604の判定結果を確認し、役物演出装置YSが初期位置に位置していると判定した場合、変動開始時位置補正処理を終了する。一方、役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定した場合、次のステップ10606に進む。
【0514】
ステップ10606において、サブCPU301は、リトライ処理の実行回数が所定回数(2回)に到達したか否かを判定する。そして、所定回数に到達していないと判定した場合、ステップ10604に戻る。一方、所定回数に到達したと判定した場合、次のステップ10607に進む。
ステップ10607において、サブCPU301は、不具合フラグをオンにする。なお、この不具合フラグは、電断から復帰するとオフとなる。そして、変動開始時位置補正処理を終了する。
【0515】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、第1差球作動停止制御指定コマンド、第2差球作動停止制御指定コマンド又は第3差球作動停止制御指定コマンドを受信した場合に実行される差球関連コマンド受信処理について、
図61のフローチャートを参照して説明する。第1差球作動停止制御指定コマンド、第2差球作動停止制御指定コマンド、第3差球作動停止制御指定コマンドは、主制御基板100において、差球関連コマンドセット処理のステップ1872で記憶された後、ステップ212の処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10700において、サブCPU301は、第1差球作動停止制御指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第1差球作動停止制御指定コマンドを受信していないと判定した場合、ステップ10702に進む。一方、第1差球作動停止制御指定コマンドを受信したと判定した場合、次のステップ10701に進む。
ステップ10701において、サブCPU301は、発動警告状態が設定された旨の示唆を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて発動警告状態が設定された旨の示唆を実行する制御が行われることとなる。また、副制御基板300には、上述したように、第1基準値到達フラグが設けられており、サブCPU301は、この第1基準値到達フラグをオンにする。なお、この第1基準値到達フラグは、差球カウント値がリセットされるとオフとなる。そして、次のステップ10702に進む。
【0516】
ステップ10702において、サブCPU301は、第2差球作動停止制御指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第2差球作動停止制御指定コマンドを受信していないと判定した場合、ステップ10704に進む。一方、第2差球作動停止制御指定コマンドを受信したと判定した場合、次のステップ10703に進む。
ステップ10703において、サブCPU301は、発動予告状態が設定された旨の示唆を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて発動予告状態が設定された旨の示唆を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ10704に進む。
【0517】
ステップ10704において、サブCPU301は、第3差球作動停止制御指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、第3差球作動停止制御指定コマンドを受信していないと判定した場合、差球関連コマンド受信処理を終了する。一方、第3差球作動停止制御指定コマンドを受信したと判定した場合、次のステップ10705に進む。
ステップ10705において、サブCPU301は、発動状態が設定された旨の示唆を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて発動状態が設定された旨の示唆を実行する制御が行われることとなる。なお、発動音声については、現スピーカ音量にかかわらず、最大のスピーカ音量(「7」)により音声出力装置10から出力される。そして、次のステップ10706に進む。
【0518】
ステップ10706において、サブCPU301は、発動状態の設定時における役物演出装置YSに関する処理である発動状態設定時役物制御処理を実行する。そして、差球関連コマンド受信処理を終了する。
【0519】
次に、上述したステップ10704の発動状態設定時役物制御処理について、
図62のフローチャートを参照して説明する。
ステップ10800において、サブCPU301は、役物演出装置YSによる役物回転演出の実行中であるか否かを判定する。そして、役物回転演出の実行中でないと判定した場合、ステップ10802に進む。一方、役物回転演出の実行中であると判定した場合、次のステップ10801に進む。
ステップ10801において、サブCPU301は、役物回転演出を停止するための役物回転演出停止コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた役物回転演出停止コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、作動制御基板により、受信した役物回転演出停止コマンドに基づいて役物回転演出を停止させる制御が行われることとなる。そして、次のステップ10802に進む。
【0520】
ステップ10802において、サブCPU301は、役物演出装置YSが初期位置に位置しているか否かを判定する。そして、役物演出装置YSが初期位置に位置していると判定した場合、発動状態設定時役物制御処理を終了する。一方、役物演出装置YSが初期位置に位置していないと判定した場合、次のステップ10803に進む。
ステップ10803において、サブCPU301は、発動状態設定時位置補正処理を実行する。具体的には、初回処理やリトライ処理と同様に、役物演出装置YSを初期位置へ変位させるように駆動モータMを制御する。そして、発動状態設定時役物制御処理を終了する。
【0521】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、賞球指定コマンド受信処理について、
図63のフローチャートを参照して説明する。上述の如く、賞球指定コマンドは、主制御基板100において、主制御基板100のタイマ割込処理のステップ208で記憶された後、ステップ212の処理によって副制御基板300に送信される。なお、特に図示していないが、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の開始時には、サブCPU301は、演出表示装置21の表示部21aの右下隅において、獲得賞球数の表示について初期表示(たとえば、0ptという文字画像の表示等)を実行する。
ステップ10900において、サブCPU301は、特別遊技中又は高確率時短遊技状態中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中及び高確率時短遊技状態中のいずれでもない(すなわち、通常遊技状態中である)と判定した場合、賞球指定コマンド受信処理を終了する。一方、特別遊技中又は高確率時短遊技状態中であると判定した場合、次のステップ10901に進む。
【0522】
ステップ10901において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域により構成され、特別遊技中及び高確率時短遊技状態中に獲得された遊技球の数を累積する獲得賞球表示カウンタの値を、受信した賞球指定コマンドに対応する賞球の数だけインクリメントする。すなわち、一般入賞口14に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は一般入賞口14への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされ、第1始動入賞口15に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされ、第2始動入賞口16に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされ、大入賞口18に対応する賞球指定コマンドを受信した場合には、獲得賞球表示カウンタの値は大入賞口18への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数だけインクリメントされる。
なお、この獲得賞球表示カウンタの値は、高確率時短遊技状態が終了するとリセットされるようになっており、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の開始時においては0となる。
そして、次のステップ10902に進む。
【0523】
ステップ10902において、サブCPU301は、差球到達表示(差球到達画像の表示)の実行中であるか否かを判定する。そして、差球到達表示の実行中であると判定した場合、賞球指定コマンド受信処理を終了する。一方、差球到達表示の実行中でないと判定した場合、次のステップ10903に進む。
ステップ10903において、サブCPU301は、獲得賞球表示カウンタの値が、遊技が停止することとなる差球数に相当する個数(すなわち、作動停止個数である95000)以上であるか否かを判定する。そして、作動停止個数以上でない(すなわち、作動停止個数未満である)と判定した場合、ステップ10905に進む。一方、作動停止個数以上であると判定した場合、次のステップ10904に進む。
【0524】
ステップ10904において、サブCPU301は、差球到達表示を実行する実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて差球到達表示を実行する制御が行われることとなる。そして、賞球指定コマンド受信処理を終了する。
また、上述のステップ10903で作動停止個数以上でないと判定した場合に進むステップ10905において、サブCPU301は、表示中の獲得賞球数を現時点の獲得賞球表示カウンタの値に更新する更新表示の実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた実行コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した実行コマンドに基づいて上述の更新表示を実行する制御が行われることとなる。そして、賞球指定コマンド受信処理を終了する。
なお、特に図示していないが、大当たりに当選することなく高確率時短遊技状態が終了すると、サブCPU301は、獲得賞球数の表示のクリアを実行する。
【0525】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、エラー示唆コマンド受信処理について、
図64のフローチャートを参照して説明する。上述の如く、エラー示唆コマンドは、主制御基板100において、主制御基板100のタイマ割込処理のステップ207で記憶された後、ステップ212の処理によって副制御基板300に送信される。なお、特に図示していないが、本形態の副制御基板300には、発生し得るエラーの種類ごとに、エラーが発生した旨を示すエラーフラグが設けられている。
ステップ11000において、サブCPU301は、受信したエラー示唆コマンドにより示されるエラー(発生したエラー)に対応するエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、当該エラーフラグがオンであると判定した場合、エラー示唆コマンド受信処理を終了する。一方、当該エラーフラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ11001に進む。
ステップ11001において、サブCPU301は、受信したエラー示唆コマンドにより示されるエラーに対応するエラーフラグをオンにする。そして、エラー示唆コマンド受信処理を終了する。
【0526】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、エラー解除コマンド受信処理について、
図65のフローチャートを参照して説明する。上述の如く、エラー解除コマンドは、主制御基板100において、主制御基板100のタイマ割込処理のステップ207で記憶された後、ステップ212の処理によって副制御基板300に送信される。 ステップ11100において、サブCPU301は、受信したエラー解除コマンドにより示されるエラー(解除されたエラー)に対応するエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、当該エラーフラグがオンでないと判定した場合、エラー解除コマンド受信処理を終了する。一方、当該エラーフラグがオンであると判定した場合、次のステップ11101に進む。
ステップ11101において、サブCPU301は、受信したエラー解除コマンドにより示されるエラーに対応するエラーフラグをオフにする。そして、エラー解除コマンド受信処理を終了する。
【0527】
次に、上述したステップ10102の待機状態中操作制御処理について、
図66のフローチャートを参照して説明する。
ステップ11200において、サブCPU301は、計測中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計測中フラグがオンでないと判定した場合、待機状態中操作制御処理を終了する。一方、計測中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11201に進む。
ステップ11201において、サブCPU301は、十字キー25の押下操作又は操作ボタン9bの押下操作がなされているか否か、すなわち、十字キー検出センサ25aによる十字キー25の押下操作の検出、又は、押下操作検出センサ9dによる操作ボタン9bの押下操作の検出がなされているか否かを判定する。そして、十字キー25の押下操作及び操作ボタン9bの押下操作のいずれもなされていないと判定した場合、待機状態中操作制御処理を終了する。一方、十字キー25の押下操作又は操作ボタン9bの押下操作がなされていると判定した場合、次のステップ11202に進む。
【0528】
ステップ11202において、サブCPU301は、無操作時間タイマカウンタのカウント値をリセットする。そして、次のステップ11203に進む。
ステップ11203において、サブCPU301は、省電力中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、省電力中フラグがオンでないと判定した場合、待機状態中操作制御処理を終了する。一方、省電力中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11204に進む。
【0529】
ステップ11204において、サブCPU301は、省電力状態解除コマンドを送信バッファにセットする。そして、次のステップ11205に進む。
ステップ11205において、サブCPU301は、省電力中フラグをオフにする。そして、待機状態中操作制御処理を終了する。
【0530】
次に、上述したステップ10103のデモ表示制御処理について、
図67のフローチャートを参照して説明する。
ステップ11300において、サブCPU301は、計測中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、計測中フラグがオンでないと判定した場合、デモ表示制御処理を終了する。一方、計測中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11301に進む。
ステップ11301において、サブCPU301は、デモ中フラグがオフであるか否かを判定する。そして、デモ中フラグがオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、デモ表示制御処理を終了する。一方、デモ中フラグがオフであると判定した場合、次のステップ11302に進む。
【0531】
ステップ11302において、サブCPU301は、無操作時間がデモ開始時間に到達したか否か、すなわち、無操作時間タイマカウンタのカウント値がデモ開始時間に相当する値に到達したか否かを判定する。そして、無操作時間がデモ開始時間に到達していないと判定した場合、デモ表示制御処理を終了する。一方、無操作時間がデモ開始時間に到達したと判定した場合、次のステップ11303に進む。
ステップ11303において、サブCPU301は、デモ表示を実行するためのデモ表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたデモ表示コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、画像制御基板により、受信したデモ表示コマンドに基づいてデモ表示を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ11304に進む。
【0532】
ステップ11304において、サブCPU301は、発動状態中であるか否かを判定する。そして、発動状態中でないと判定した場合、ステップ11306に進む。一方、発動状態中であると判定した場合、次のステップ11305に進む。
ステップ11305において、サブCPU301は、デモ表示の実行を制限するためのデモ表示制限コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたデモ表示制限コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、受信したデモ表示制限コマンドに基づいてデモ表示を制限する制御が行われることとなる。これにより、内部的にデモ表示が実行されている状態となるものの、演出表示装置21の表示部21aにおいてデモ画像は表示されないこととなる。そして、次のステップ11306に進む。
【0533】
ステップ11306において、サブCPU301は、デモ中フラグをオンにする。そして、デモ表示制御処理を終了する。
【0534】
次に、上述したステップ10104の省電力状態制御処理について、
図68のフローチャートを参照して説明する。
ステップ11400において、サブCPU301は、デモ中フラグがオンであるか否かを判定する。そして、デモ中フラグがオンでないと判定した場合、省電力状態制御処理を終了する。一方、デモ中フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11401に進む。
ステップ11401において、サブCPU301は、デモ表示が終了したか否か、すなわち、デモ表示時間が経過したか否かを判定する。特に図示していないが、本形態における副制御基板300には、デモ表示時間を計測するためのデモ表示時間タイマカウンタが設けられており、デモ表示が開始されると、このデモ表示時間タイマカウンタにデモ表示時間がセットされることによりデモ表示時間の計測が行われるようになっている。そして、デモ表示が終了していないと判定した場合、省電力状態制御処理を終了する。一方、デモ表示が終了したと判定した場合、次のステップ11402に進む。
【0535】
ステップ11402において、サブCPU301は、デモ表示をクリアするためのデモ表示終了コマンドを送信バッファにセットするとともに、省電力状態へ移行するための省電力状態制御コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたデモ表示終了コマンド及び省電力状態制御コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信したデモ表示終了コマンドに基づいてデモ表示をクリアする制御が行われるとともに、受信した省電力状態制御コマンドに基づいて演出表示装置21の輝度の低下、各種ランプの消灯、音声出力装置10による音声の出力を停止する制御が行われることとなる。そして、次のステップ11403に進む。
ステップ11403において、サブCPU301は、発動状態中であるか否かを判定する。そして、発動状態中でないと判定した場合、ステップ11405に進む。一方、発動状態中であると判定した場合、次のステップ11404に進む。
【0536】
ステップ11404において、サブCPU301は、省電力状態への移行に基づく演出表示装置21の輝度の低下、各種ランプの消灯、音声出力装置10による音声の出力を停止する制御を制限するための省電力状態制限コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた省電力状態制限コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、受信した省電力状態制限コマンドに基づいて、演出表示装置21の輝度の低下、各種ランプの消灯、音声出力装置10による音声の出力の停止を制限する制御が行われることとなる。これにより、内部的に省電力状態に滞在しているものの、演出表示装置21の輝度の低下、各種ランプの消灯、音声出力装置10による音声の出力の停止は行われないこととなる。そして、次のステップ11405に進む。
ステップ11405において、サブCPU301は、デモ中フラグをオフにする。そして、次のステップ11406に進む。
【0537】
ステップ11406において、サブCPU301は、省電力中フラグをオンにする。そして、省電力状態制御処理を終了する。
【0538】
次に、上述したステップ10105の現スピーカ音量変更処理について、
図69のフローチャートを参照して説明する。
ステップ11500において、サブCPU301は、十字キー25が押下操作されたか否かを判定する。そして、十字キー25が押下操作されていないと判定した場合、現スピーカ音量変更処理を終了する。一方、十字キー25が押下操作されたと判定した場合、次のステップ11501に進む。
ステップ11501において、サブCPU301は、図柄確定期間中であるか否かを判定する。具体的には、主制御基板100から図柄確定コマンドを受信した後であって主制御基板100から停止表示コマンドを受信する前の状態であるか否かを判定する。そして、図柄確定期間中であると判定した場合、現スピーカ音量変更処理を終了する。一方、図柄確定期間中でないと判定した場合、次のステップ11502に進む。
【0539】
ステップ11502において、サブCPU301は、上キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量が最大のスピーカ音量であるか否かを判定する。一方、下キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量が最小のスピーカ音量であるか否かを判定する。そして、最大のスピーカ音量(又は最小のスピーカ音量)であると判定した場合、現スピーカ音量変更処理を終了する。一方、最大のスピーカ音量(又は最小のスピーカ音量)でないと判定した場合、次のステップ11503に進む。
ステップ11503において、サブCPU301は、上キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量を1段階上のスピーカ音量に変更し、下キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現スピーカ音量を1段階下のスピーカ音量に変更する。そして、現スピーカ音量変更処理を終了する。
【0540】
次に、上述したステップ10106の発動警告前音量調整処理について、
図70のフローチャートを参照して説明する。
ステップ11600において、サブCPU301は、発動警告前状態中であるか否かを判定する。そして、発動警告前状態中でないと判定した場合、発動警告前音量調整処理を終了する。一方、発動警告前状態中であると判定した場合、次のステップ11601に進む。
ステップ11601において、サブCPU301は、エラーの発生に基づき対象のチャンネル(演出音チャンネル、差球停止制御音声に対応するチャンネル2等)のチャンネル調整値を変更している旨を示すエラー中調整フラグがオンであるか否かを判定する。そして、エラー中調整フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ11605に進む。一方、エラー中調整フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11602に進む。
【0541】
ステップ11602において、サブCPU301は、いずれかのエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、いずれかのエラーフラグがオンであると判定した場合、発動警告前音量調整処理を終了する。一方、いずれのエラーフラグもオンでないと判定した場合、次のステップ11603に進む。
ステップ11603において、サブCPU301は、対象のチャンネルにおけるチャンネル調整値の変更を解除するためのエラー中調整解除コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたエラー中調整解除コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、受信したエラー中調整解除コマンドに基づいて、音声制御基板により、対象のチャンネルのチャンネル調整値を元に戻す(すなわち、初期値である「2」に変更する)制御が行われることとなる。そして、次のステップ11604に進む。
【0542】
ステップ11604において、サブCPU301は、エラー調整中フラグをオフにする。そして、発動警告前音量調整処理を終了する。
また、上述のステップ11601でエラー中調整フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ11605において、サブCPU301は、いずれかのエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、いずれのエラーフラグもオンでないと判定した場合、発動警告前音量調整処理を終了する。一方、いずれかのエラーフラグがオンであると判定した場合、次のステップ11606に進む。
【0543】
ステップ11606において、サブCPU301は、対象のチャンネルにおけるチャンネル調整値を変更するためのエラー中調整コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされたエラー中調整コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、受信したエラー中調整コマンドに基づいて、音声制御基板により、対象のチャンネルのチャンネル調整値を変更する制御が行われることとなる。そして、次のステップ11607に進む。
ステップ11607において、サブCPU301は、エラー調整中フラグをオンにする。そして、発動警告前音量調整処理を終了する。
【0544】
次に、上述したステップ10107の発動警告・予告中音量調整処理について、
図71のフローチャートを参照して説明する。
ステップ11700において、サブCPU301は、発動警告状態中又は発動予告状態中であるか否かを判定する。そして、発動警告状態中及び発動予告状態中のいずれでもないと判定した場合、発動警告・予告中音量調整処理を終了する。一方、発動警告状態中又は発動予告状態中であると判定した場合、次のステップ11701に進む。
ステップ11701において、サブCPU301は、エラー中調整フラグがオンであるか否かを判定する。そして、エラー中調整フラグがオンでないと判定した場合、ステップ11705に進む。一方、エラー中調整フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11702に進む。
【0545】
ステップ11702において、サブCPU301は、いずれかのエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、いずれかのエラーフラグがオンであると判定した場合、ステップ11708に進む。一方、いずれのエラーフラグもオンでないと判定した場合、次のステップ11703に進む。
ステップ11703において、サブCPU301は、エラー中調整解除コマンドを送信バッファにセットする。そして、次のステップ11704に進む。
【0546】
ステップ11704において、サブCPU301は、エラー調整中フラグをオフにする。そして、ステップ11708に進む。
また、上述のステップ11701でエラー中調整フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ11705において、サブCPU301は、いずれかのエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、いずれのエラーフラグもオンでないと判定した場合、ステップ11708に進む。一方、いずれかのエラーフラグがオンであると判定した場合、次のステップ11706に進む。
【0547】
ステップ11706において、サブCPU301は、エラー中調整コマンドを送信バッファにセットする。そして、次のステップ11707に進む。
ステップ11707において、サブCPU301は、エラー調整中フラグをオンにする。そして、次のステップ11708に進む。
ステップ11708において、サブCPU301は、いずれかのエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、いずれかのエラーフラグがオンであると判定した場合、発動警告・予告中音量調整処理を終了する。一方、いずれのエラーフラグもオンでないと判定した場合、次のステップ11709に進む。
【0548】
ステップ11709において、サブCPU301は、発動警告音声(発動予告状態中の場合には発動予告音声)の出力中であるか否かを判定する。そして、発動警告音声(発動予告音声)の出力中でないと判定した場合、ステップ11713に進む。一方、発動警告音声(発動予告音声)の出力中であると判定した場合、次のステップ11710に進む。
ステップ11710において、サブCPU301は、発動警告音声(発動予告音声)の出力中であることに基づき対象のチャンネル(演出音チャンネル)のチャンネル調整値を変更している旨を示す出力中調整フラグがオンであるか否かを判定する。そして、出力中調整フラグがオンであると判定した場合、発動警告・予告中音量調整処理を終了する。一方、出力中調整フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ11711に進む。
【0549】
ステップ11711において、サブCPU301は、対象のチャンネルにおけるチャンネル調整値を変更するための出力中調整コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた出力中調整コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、受信した出力中調整コマンドに基づいて、音声制御基板により、対象のチャンネルのチャンネル調整値を変更する制御が行われることとなる。そして、次のステップ11712に進む。
ステップ11712において、サブCPU301は、出力中調整フラグをオンにする。そして、発動警告・予告中音量調整処理を終了する。
【0550】
また、上述のステップ11709で発動警告音声(発動予告音声)の出力中でないと判定した場合に進むステップ11713において、サブCPU301は、出力中調整フラグがオンであるか否かを判定する。そして、出力中調整フラグがオンでないと判定した場合、発動警告・予告中音量調整処理を終了する。一方、出力中調整フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11714に進む。
ステップ11714において、サブCPU301は、対象のチャンネルにおけるチャンネル調整値の変更を解除するための出力中調整解除コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた出力中調整解除コマンドは、上述のステップ10110において各種制御基板へ送信され、受信した出力中調整解除コマンドに基づいて、音声制御基板により、対象のチャンネルのチャンネル調整値を元に戻す制御が行われることとなる。そして、次のステップ11715に進む。
【0551】
ステップ11715において、サブCPU301は、出力中調整フラグをオフにする。そして、発動警告・予告中音量調整処理を終了する。
【0552】
次に、上述したステップ10107の発動中音量調整処理について、
図72のフローチャートを参照して説明する。
ステップ11800において、サブCPU301は、発動状態中であるか否かを判定する。そして、発動状態中でないと判定した場合、発動中音量調整処理を終了する。一方、発動状態中であると判定した場合、次のステップ11801に進む。
ステップ11801において、サブCPU301は、エラー中調整フラグがオンであるか否かを判定する。そして、エラー中調整フラグがオンでないと判定した場合、ステップ11805に進む。一方、エラー中調整フラグがオンであると判定した場合、次のステップ11802に進む。
【0553】
ステップ11802において、サブCPU301は、いずれかのエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、いずれかのエラーフラグがオンであると判定した場合、発動中音量調整処理を終了する。一方、いずれのエラーフラグもオンでないと判定した場合、次のステップ11803に進む。
ステップ11803において、サブCPU301は、エラー中調整解除コマンドを送信バッファにセットする。そして、次のステップ11804に進む。
【0554】
ステップ11804において、サブCPU301は、エラー調整中フラグをオフにする。そして、発動中音量調整処理を終了する。
また、上述のステップ11801でエラー中調整フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ11805において、サブCPU301は、いずれかのエラーフラグがオンであるか否かを判定する。そして、いずれのエラーフラグもオンでないと判定した場合、発動中音量調整処理を終了する。一方、いずれかのエラーフラグがオンであると判定した場合、次のステップ11806に進む。
【0555】
ステップ11806において、サブCPU301は、エラー中調整コマンドを送信バッファにセットする。そして、次のステップ11807に進む。
ステップ11807において、サブCPU301は、エラー調整中フラグをオンにする。そして、次のステップ11808に進む。
【0556】
ステップ11808において、サブCPU301は、現スピーカ音量にかかわらず、対応するエラー示唆音声を最大のスピーカ音量で出力する制御を実行する。そして、発動中音量調整処理を終了する。
【0557】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、差球カウント値が第1基準値に到達した後は、変動演出の前半部分において実行され、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定されたことを示唆する虹カットイン画像CP1-3の表示が制限されるようになっていたが、実行が制限される演出はこれに限定されるものではない。
たとえば、変動演出の後半部分において、大当たり図柄X1が決定されたことを示唆する示唆演出(たとえば、特定のキャラクター画像の表示等)を実行可能であった場合には、当該示唆演出の実行を制限するようにしてもよい。また、保留記憶された特図乱数が、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定されると判定されるものであったときに、特定の保留画像52(たとえば、虹色の保留画像52等)を表示可能であった場合には、当該保留画像52の表示を制限するようにしてもよい。また、保留記憶された特図乱数が、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定されると判定されるものであったときに、特定の先読み画像(たとえば、虹色の帯画像等)が表示される先読み演出を実行可能であった場合には、当該先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0558】
また、実行を制限する演出としては、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定されたことを示唆する演出に限定されるものではない。
たとえば、大当たりに当選した旨を示唆する演出の実行を制限するようにしてもよい。また、たとえば、大当たりの当選時に決定された特別図柄(大当たり図柄)の種類に応じて、特別遊技の終了後に通常遊技状態又は高確率時短遊技状態を設定可能となっていた場合には、高確率時短遊技状態の設定が定められた大当たり図柄が決定された旨を示唆する演出の実行を制限するようにしてもよい。
すなわち、遊技者にとって有利な遊技利益の付与が決定された旨を示唆する演出を実行可能となっていた場合に、当該演出の実行を制限するようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0559】
また、実行を制限する対象の演出は、遊技者にとって有利な遊技利益の付与が決定された旨を示唆する演出に限定されるものではない。たとえば、遊技者にとって有利な遊技利益の付与の決定の期待度が高い演出の実行も制限するようにしてもよい。
また、演出の実行の制限の方法としては、対象となる演出が実行されないようにすることに限定されるものではない。たとえば、制限後は、制限前よりも対象となる演出の実行可能性が極めて低くなるように設定してもよい。
さらに、演出の実行の制限は、下記のように行ってもよい。
たとえば、差球カウント値が第1基準値に到達した後も、対象の演出が実行されるようにするものの、当該対象の演出が実行される際には、当該演出を視認できないようにしてもよい。具体的には、差球カウント値が第1基準値に到達した後も、虹カットイン画像CP1-3の表示が実行されるようにした上で、当該表示が実行される際、虹カットイン画像CP1-3を、視認できない又はほぼ視認できない程度に極めて透過度の高い透過画像として表示することで、演出表示装置21の表示部21aにおいて虹カットイン画像CP1-3が表示されていることを認識できないようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
また、たとえば、変動演出や先読み演出等において、演出図柄50や保留画像等よりも表示サイズを小さくすることで視認性を低下させた特殊画像(たとえば、所定のキャラクターを示し、大当たりに当選した場合にのみ表示されるミニキャラクター画像等)が表示され得るようにするとともに、差球カウント値が第1基準値に到達した後、当該特殊画像の表示を制限するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、上述の実施の形態と同様に、差球カウント値が第1基準値に到達した後には、上述の特殊画像の表示が実行されないようにしてもよい。
また、たとえば、差球カウント値が第1基準値に到達する前は、上述の特殊画像の表示位置を、演出表示装置21の表示部21aの中央とするものの、差球カウント値が第1基準値に到達した後は、上述の特殊画像の表示位置を、第1基準値に到達する前よりも視認し難い表示部21aの四隅のいずれかに変更することで、特殊画像の表示を制限するようにしてもよい。
また、たとえば、差球カウント値が第1基準値に到達する前は、上述の特殊画像の表示の優先順位を最も高く設定し、たとえば、表示中のいずれの画像に覆い隠されることなく特殊画像が表示されるようにするものの、差球カウント値が第1基準値に到達した後は、上述の特殊画像の表示の優先順位が低くなるように変更し、たとえば、演出図柄50や背景画像に覆い隠された状態で特殊画像が表示されるようにすることで、特殊画像の表示を制限するようにしてもよい。
また、たとえば、差球カウント値が第1基準値に到達する前に上述の特殊画像が表示される場合には、他の画像が付加されることなく当該特殊画像を単独で表示するものの、差球カウント値が第1基準値に到達した後に上述の特殊画像が表示される場合には、当該特殊画像の一部又は全部を覆い隠すような他の画像を付加された状態で当該特殊画像を表示することで、特殊画像の表示を制限するようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0560】
上述の実施の形態では、大当たりの抽選により導出される抽選結果として、大当たりの当選又はハズレが設けられていたが、これに限定されるものではない。たとえば、大当たりの当選の他、特別遊技と異なる遊技であって大入賞口18が開放される小当たり遊技が実行される小当たりの当選を設けてもよい。
そして、小当たりの当選を設けた場合には、大当たりの抽選により小当たりに当選し当該当選に基づく小当たり遊技について、上述の実施の形態における特別遊技の場合と同様の差球作動停止制御が実行されるようにしてもよい。具体的には、差球カウント値が第1基準値に到達すると発動警告状態が設定されるとともに、差球カウント値が第2基準値に到達した際に小当たり遊技が実行されていた場合には発動予告状態が設定され、実行中の小当たり遊技が終了すると発動状態が設定されるようにしてもよい。
また、大入賞口18内に遊技球が進入可能な特別領域を設け、小当たり遊技中に当該特別領域へ遊技球が入球した場合に特別遊技が実行されるように設定されたパチンコ機P(いわゆる1種2種混合のパチンコ機)においては、差球カウント値が第1基準値に到達すると発動警告状態が設定されるとともに、差球カウント値が第2基準値に到達した際に小当たり遊技が実行されていた場合には発動予告状態が設定され、特別領域へ遊技球が進入することなく実行中の小当たり遊技が終了したときには当該小当たり遊技が終了すると発動状態が設定され、小当たり遊技中に特別領域へ遊技球が進入し小当たり遊技の終了後に特別遊技が実行されたときには当該特別遊技が終了すると発動状態が設定されるようにしてもよい。
このようにした場合には、小当たり遊技中や小当たり遊技を介して実行される特別遊技中に差球カウント値が第2基準値に到達しても、これらの小当たり遊技や特別遊技が終了するまで遊技が進行するため、遊技者の興趣を持続させることができる。
【0561】
上述の実施の形態では、差球数に基づいて差球作動停止制御を実行していたが、これに限定されるものではない。たとえば、払い出された賞球の累計数(すなわち、獲得賞球数)に基づいて、上述の実施の形態の差球作動停止制御と同様の制御を実行するようにしてもよい。たとえば、獲得賞球数が警告実行個数(遊技が停止することとなる作動停止個数よりも所定個数(たとえば5000個)少ない獲得賞球数)に到達すると発動警告状態が設定され、獲得賞球数が作動停止個数(遊技が停止することとなる獲得賞球数)に到達し当該到達の際に特別遊技が実行されていたときには発動予告状態が設定され、当該特別遊技が終了するか又は獲得賞球数が作動停止個数に到達した際に特別遊技が実行されていなかったときには発動状態が設定されるようにしてもよい。また、特別遊技中や高確率時短遊技状態中に表示される獲得賞球数については、遊技が停止することとなる作動停止個数については表示されないようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0562】
上述の実施の形態では、パチンコ機Pの制御状態として、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態及び遊技可能状態の4つが設けられ、差球カウント値が第2基準値に到達することに基づいて設定される発動状態は、遊技可能状態における一の状態として各種制御を行っていたが、これに限定されるものではない。たとえば、パチンコ機Pの制御状態として、上記4つの他に発動状態を設け、この発動状態を、遊技可能状態とは別個に設定され得る制御状態として、上述の実施の形態と同様の各種制御を行うようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0563】
上述の実施の形態では、待機状態中に発動状態が設定された場合、待機状態の開始に基づいて開始される無操作時間の計測が継続するように設定されていたが、発動状態の設定後も計測が継続される時間としては無操作時間に限定されるものではない。たとえば、変動開始時から計測が開始される変動時間、変動演出の実行中における所定の開始時点から計測が開始され、所定の演出が実行されるまでの時間である演出開始時間、特別遊技の開始時から計測が開始されるオープニング時間、ラウンド遊技の開始時から計測が開始される大入賞口18の開放時間、全てのラウンド遊技の終了時から計測が開始されるエンディング時間、可動片16bの開放時から計測が開始される可動片16bの開放時間等についても、発動状態の設定後も計測が継続されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、発動状態の設定の有無に応じて異なるプログラムを設ける必要が無いため、メインROM102やサブROM302における記憶容量を軽減できることとなる。
上述の実施の形態では、大入賞口18は1個のみ設けられていたが、これに限定されるものではなく、複数の大入賞口18を設けてもよい。複数の大入賞口18を設けた場合には、ラウンド遊技ごとに異なる大入賞口18が開放されるようにしてもよい。
また、この場合には、遊技が進行しない制御状態(遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、発動状態)において、いずれの大入賞口18の開閉扉18bも閉じるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0564】
上述の実施の形態では、特別遊技の終了後は高確率時短遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、大入賞口18に入球した遊技球が進入可能な特別領域、及び、当該特別領域を開閉可能な特別領域可動片を設け、特別遊技中に特別領域へ遊技球が入球したか否かに基づいて、特別遊技の終了後に異なる遊技状態が設定されるようにしてもよい。そして、このようにした場合には、第2始動入賞口16の可動片16bや大入賞口18の開閉扉18bと同様に、遊技が進行しない制御状態において上述の特別領域可動片の作動が制限されるようにしてもよい。
このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態において、上述の特別領域へ遊技球を入球させるような不具合を防止することができる。
【0565】
上述の実施の形態では、十字キー25の押下操作により現スピーカ音量の変更が可能となっていたが、スピーカ音量以外のパチンコ機Pの設定を所定の操作により変更できるようにしてもよい。たとえば、所定の操作により、ランプ23等の光量の変更を可能としてもよい。そして、光量の変更を可能とした場合には、現スピーカ音量の変更と同様に、図柄変更期間以外において光量を変更可能とするようにしてもよい。また、光量の制御については、現スピーカ音量と同様の制御(たとえば、発動状態中は、設定されている光量にかかわらず、常に最大の光量でランプ23等点灯する等)が行われるようにしてもよい。また、発動状態中は、現スピーカ音量の変更は可能であるものの、光量の変更はできないようにしてもよい。
【0566】
また、パチンコ機Pにおいて、扉開放エラー及び不正入賞エラーが重複して発生したときに、扉開放エラーのエラー報知よりも不正入賞エラーのエラー報知が優先して行われる(すなわち、扉開放エラーよりも不正入賞エラーの優先度が高く設定されている)とともに、発動状態中も扉開放エラーの発生を判定できるように設定されている場合において、不正入賞エラーのエラー示唆が行われている間に、たとえば、前扉3が開放され大入賞口18へ遊技球が不正に入球したことで発動状態が設定されたときには、不正入賞エラーのエラー示唆は非実行となり、扉開放エラーのエラー示唆が実行されるようにしてもよい。
【0567】
また、発動予告状態が設定され表示部21aに発動予告文字画像が表示されているときに、デモ表示が開始された場合には、当該デモ表示を実行しつつ、発動予告文字画像の表示を継続してもよい。
また、デモ表示の実行中に注意喚起画像(たとえば、遊技者に対してカードを取り忘れないようにさせるための画像(「プリペイドカードの取り忘れにご注意ください」という文字画像等)、遊技にのめり込み過ぎないように注意を促す画像(「パチンコは適度に楽しむ遊びです」という文字画像等)、後述する管理遊技機である旨を遊技者に認識させる画像(「このパチンコ機はスマパチです」という文字画像等))の表示を実行可能に設定されているとともに、デモ表示を実行しつつ発動予告文字画像の表示を継続するようにした場合には、発動予告文字画像と注意喚起画像とが重複して表示されないようにしてもよい。たとえば、表示部21aにおいて、発動予告文字画像と重ならない表示位置に注意喚起画像を表示するようにしてもよいし、発動予告文字画像の表示タイミングと注意喚起画像の表示タイミングとを異ならせるようにしてもよい。
【0568】
上述の実施の形態では、第2始動入賞口16の可動片16bや大入賞口18の開閉扉18bはソレノイドにより作動するようになっていたが、これらの作動を行う装置としてはソレノイドに限定されるものではなく、たとえば、モータ等を用いてもよい。そして、遊技が進行しない制御状態においては、このモータの作動を制限するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0569】
上述の実施の形態では、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御していたが、これに限定されるものではない。
たとえば、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。そして、このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態において、発射制御基板による遊技球の発射の制御のみを停止し、払出制御基板による賞球の払い出しの制御は停止しないようにしてもよい。
このようにすることで、各基板における制御の負担を軽減することができる。
【0570】
上述の実施の形態では、発射払出制御基板200により賞球の払い出しの制御が行われ、遊技が進行しない遊技停止状態、発動状態において、主制御基板100による遊技の進行に係る制御(各入賞口への遊技球の入球の検出、大当たりの抽選、特別図柄の変動表示、普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示等)が停止しても、発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御が継続して行われるようになっていたが、賞球の払い出しの制御態様はこれに限定されるものではない。
たとえば、主制御基板100が直接賞球の払い出しの制御を行うようにするとともに、遊技が進行しない遊技停止状態、発動状態においては、主制御基板100による遊技の進行に係る制御は停止するものの、主制御基板100による賞球の払い出しの制御は継続して行われるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0571】
上述の実施の形態では、メインCPU101は、遊技が進行しない制御状態において、各入賞口への遊技球の入球を検出しないようになっているが、これに限定されるものではない。
たとえば、遊技が進行しない制御状態が設定されても、打ち出された遊技球がアウト口19に到達可能となる特定時間(たとえば、10秒)が経過するまでの間は、メインCPU101が各入賞口への遊技球の入球を検出可能とすることで、遊技が進行しない制御状態の設定前に打ち出された遊技球が、遊技が進行しない制御状態の設定後にいずれかの入賞口へ入球した場合には、当該入球を検出し、当該入球に基づく賞球の払い出しを遊技が進行しない制御状態において実行してもよい。
このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態が設定されることにより遊技者に生じ得る不利益をより減少させることができる。
【0572】
上述の実施の形態では、電断発生直前に滞在していた制御状態、電断復帰時における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ、バックアップ異常の発生の有無、RAM異常の発生の有無に応じて、電断復帰時における制御状態の設定が行われるようになっていたが、制御状態の設定を行う際の判断条件はこれらに限定されるものではない。たとえば、前扉開放検出センサ3a等の他のセンサのオン又はオフを判断条件として追加してもよい。また、上述の判断条件のうちいずれかの判断条件(たとえば、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ)については除外してもよい。
また、設定確認状態又は設定変更状態において本体枠開放検出センサ2aがオフとなっても、設定確認状態又は設定変更状態が継続されるようにしてもよい。
【0573】
上述の実施の形態では、電断復帰時のみ設定確認状態や設定変更状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、パチンコ機Pの電源がオンとなっているときに、所定の操作を行うことで設定確認状態や設定変更状態が設定されるようにしてもよい。
また、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0574】
また、上述の実施の形態における差球作動停止制御、及び、上述の実施の形態における遊技が進行しない状態中のメインCPU101の制御は、他のパチンコ機やパチンコ機以外の遊技機に応用することもできる。たとえば、大入賞口内に設けられた特別領域(いわゆるVゾーン)に遊技球が進入することで特別遊技が実行されるパチンコ機(いわゆる羽根物)において、差球数に基づいて差球作動停止制御に関する各種状態(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態)を設定し、遊技が進行しない状態(遊技停止状態、発動状態)が設定された場合にも、大入賞口の開閉扉の作動を制限したり、遊技球の払い出しを継続したりしてもよい。また、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行わせるスロットマシンにおいて、差枚数(投入された遊技メダルの数と払い出された遊技メダルの数との差分)に基づいて差球作動停止制御に関する各種状態(発動警告前状態、発動警告状態、発動予告状態、発動状態)を設定し、遊技が進行しない状態(遊技停止状態、発動状態)が設定された場合にも、スタートスイッチ、ストップスイッチ等の作動や所定の演出役物装置の可動を制限したり、遊技メダルの払い出しを継続したりするようにしてもよい。
また、管理遊技機においても、上述の実施の形態における差球作動停止制御、及び、上述の実施の形態における遊技が進行しない状態中のメインCPU101の制御を採用してもよい。ここで、管理遊技機とは、(A)遊技者は、遊技球を管理遊技機遊技盤の盤面に打ち出すことにより遊技を行う、(B)上皿及び下皿が無く、遊技者が直接遊技球に触れることができない、(C)発射に必要な最小数を遊技機内で循環させる、(D)遊技球数や獲得遊技球を数値データとして、管理遊技機で管理して表示する、(E)遊技終了時は、計数スイッチを押下操作することにより管理遊技機で管理していた遊技球数を専用ユニットに移行して管理することができる、ように構成されたものである。そして、遊技球が打ち出された場合には、上述の数値データを減算し(1インクリメントし)、遊技球が入賞口に入賞した場合には、当該入賞に対応する値(払い出しに相当する値)を上述の数値データに加算する(遊技価値を付与する)ようにすることで、上述の実施の形態における差球作動停止制御、上述の実施の形態における遊技が進行しない状態中のメインCPU101の制御を実行するようにしてもよい。
【0575】
なお、上述の実施の形態における主制御基板100は、本発明の遊技制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における遊技球は、本発明の遊技価値に相当する。また、上述の実施の形態における払出モータ62、発射払出制御基板200は、本発明の付与手段に相当する。また、上述の実施の形態における無操作時間タイマカウンタは、本発明の計時手段に相当する。また、上述の実施の形態における、差球カウント値がリセットされた時点は、本発明の所定の算出開始時点に相当する。また、上述の実施の形態における作動停止個数は、本発明の特定量に相当する。また、上述の実施の形態における発動状態は、本発明の遊技不可状態に相当する。また、上述の実施の形態におけるデモ開始時間は、本発明の所定時間に相当する。また、上述の実施の形態におけるデモ表示は、本発明の所定の処理に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における発動文字画像の表示(発動示唆)は、本発明の遊技不可状態示唆に相当する。また、上述の実施の形態における演出表示装置21は、本発明の示唆手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるデモ表示は、本発明の特定示唆に相当する。
【符号の説明】
【0576】
P パチンコ機
10 音声出力装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
200 発射払出制御基板
201 払出CPU
202 払出ROM
203 払出RAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM