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▶ 中松 義郎の特許一覧

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  • 特開-超強力ハサミ 図1
  • 特開-超強力ハサミ 図2
  • 特開-超強力ハサミ 図3
  • 特開-超強力ハサミ 図4
  • 特開-超強力ハサミ 図5
  • 特開-超強力ハサミ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152564
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】超強力ハサミ
(51)【国際特許分類】
   B26B 13/26 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
B26B13/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062690
(22)【出願日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000211569
【氏名又は名称】中松 義郎
(72)【発明者】
【氏名】中松 義郎
【テーマコード(参考)】
3C065
【Fターム(参考)】
3C065AA03
3C065CA08
3C065EA02
3C065EA07
(57)【要約】
【課題】 小さい力で超強力なハサミを得ること
【解決手段】 レバーを n段設け加力側の長さを、刃側の長さよりながくすることを特徴とする。
【選択図】 図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハサミに於て、回転支点の加力側の長さをL、刃側の長さをlとすると、Lはlよりも大きくし複数の回転支点を有することを特徴とする強力ハサミ。
【請求項2】
請求項1に於て、最終段以外の回転支点のLをすべてlよりも大きくし、最終段の回転支点のみLをlと等しいか小さくした事を特徴とする強力ハサミ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は公知ハサミより強力なハサミに関する。
【背景技術】
【0002】
ハサミの種類は多く、小は鼻毛用ハサミから大は剪定ハサミや金属板を切るハサミ等多岐に亘っている。
【0003】
図1は公知のハサミを示す図である。取っ手1,2は指を入れてハサミを使用するものである。4は取っ手1の先に設けられた刃、5は取っ手2の先に設けられた刃である。これら刃4,5は取っ手1,2を操作することで、回転支点3を中心として回転し、紙や布を裁断することができる。6は取っ手1と2がぶつからないように取っ手1に設けた突起である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハサミで裁断する場合、庭木や厚手の紙や金属板を裁断する時にも、裁断が困難になることがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、複数段を有するハサミで、少ない力で切断することができる超強力ハサミを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決する本発明は、
回転支点の加力側の長さをL、刃側の長さをlとすると、Lはlよりも大きい、複数段を有するハサミであることを特徴とする。
また、最終段の回転支点のみ、Lをlと等しいか小さい、事を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、ハサミの裁断時の段数をn段にすることで、紙又は植木や金属板等の裁断時に、裁断力を増すことで小さい力で裁断することができるのみならず、すべての段の刃側の回転力伝達機に大きな力が働き、先端のハサミはさらに強力に裁断可能となる。
また、最終段の回転支点のみ刃側の長さを加力側の長さより短くすることで先端のハサミが壊れにくくかつ広い刃幅を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】公知のハサミを示す図
図2】本発明の第1の実施例を示す図
図3】本発明の原理を示す説明図
図4】本発明の第2の実施例を示す図
図5】本発明の第3の実施例を示す図
図6】本発明の第4の実施例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図2は本発明の一実施例を示す図である。図1と同様のものは、同一の符号を付して示す。図2において、1,2は取っ手である。図1の公知例では、取っ手1,2の大きさを変えているが、特にその大小にはこだわらない。
【0009】
3は取っ手1と2とが結合される第1の回転支点である。これら取っ手1,2の他端は取っ手1,2により回転力が伝達される回転力伝達機構となっている。具体的には、7が取っ手1側の回転力伝達機構、8が取っ手2側の回転力伝達機構である。
【0010】
9は回転力伝達機構7の先端部に設けられた第2の回転支点、10は回転力伝達機構8の先端部に設けられた第2の回転支点である。11は第2の回転支点9と接続される第2の回転力伝達機構、12は第2の回転支点10と接続される第2の回転力伝達機構である。回転力伝達機構11は取っ手2に対応し、回転力伝達機構12は取っ手1に対応している。
【0011】
13は第2の伝達機構11,12と結合される第3の回転支点である。この回転支点13は第1の回転支点3と対応している。14,15はハサミの刃である。刃14は第3の回転支点13を介して第2の回転力伝達機構11と接続され、刃15は同じく第3の回転支点13を介して第2の回転力伝達機構12と接続される。このように構成されたハサミの動作を説明すれば、以下の通りである。
【0012】
図2に示すハサミは、図1に示す公知のハサミが2個接続されていると考えれば理解しやすい。取っ手1,2を開閉すると、その回転力は回転支点3を介して伝達機構7,8に伝わる。伝達機構7,8は開閉動作を行い、この開閉動作は回転支点9,10を介して伝達機構11,12に伝わる。この結果、取っ手1,2が開閉動作を行うと、伝達機構11,12も開閉動作を行う。
【0013】
この開閉動作は回転支点13を介して刃14,15に伝わる。刃14,15は開閉動作を行い、布を裁断したり、木の枝を切断する。この時のハサミの裁断力は、図1に示す場合のN倍(Nは実数)になる。これはてこの原理より容易に推測することができる。即ち、物を動かす時に要する力を加える時に、力を加える部分間の距離を長くすれば、必要な力はこの距離に比例して大きくなる。
【0014】
図3は本発明のハサミの動作原理を示す図である。力を加える側の長さをL、加えられる側の長さをlとすれば、レバーアクションはl/Lである。これをn段とすれば力は(l/L)×nと強力になる。ハサミの段数nを増やせば、それだけ裁断力を強くすることができる。
【0015】
また、n段(nは3以上)とするとき、すべての段でLをlより長くすることにより、強力な力を効率的に先端の刃へ伝えることができる。
そして、レバーアクションが大きくなるほど2つの取っ手の開閉間隔を大きくしないと先端の刃が所定幅開閉しないので、取っ手の開閉操作を容易にするため、レバーアクションl/Lは各段で約1.5~3とするのが好ましい。また、各段をレバーアクションを同じ値とし、例えば約2としても良い。
【0016】
また、図2の先端の刃のように、各段でLをlより長くするが、最終段のみをLをlと等しいか短くすることにより、最終段の刃部分及び回転軸の強度を確保でき、且つ広い刃の幅とする事ができるという効果がある。
【0017】
図4は本発明の第2の実施例でソレノイド16により駆動するものである。一方の取っ手1の先端1aを図に示すように曲げて、ソレノイド16によりこの先端部1aを吸引し、これによりハサミを駆動するようになっている。ソレノイド16で取っ手の先端1aを吸引すると、取っ手1と2が閉じたことと等価になりハサミが閉じるので、先端部の刃14,15は目的のものを切断することができる。この実施例は、人手を要しないでものを切断することができて都合がよい。
【0018】
図5は本発明の第3の実施例で、モータにより駆動するものである。図の17がモータである。モータ17に強力なトルクのものを用いれば、金属板等を裁断することができる。
図6は本発明の第4の実施例で、各ピポット部にモータ17~19を配置して駆動するもので、超強力ハサミとなる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は紙ハサミ、園芸ハサミ、工業用ハサミ等の各種のハサミに適用することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 取っ手
2 取っ手
3 回転支点
4 刃
5 刃
6 突起
7 回転力伝達機構
8 回転力伝達機構
9 第2の回転支点
10 第2の回転支点
11 第2の回転力伝達機構
12 第2の回転力伝達機構
13 第3の回転支点
14 刃
15 刃
16 ソレノイド
17 モータ
18 モータ
19 モータ

図1
図2
図3
図4
図5
図6