(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152608
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/36 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B65H5/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168044
(22)【出願日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2022060883
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】戸松 義也
【テーマコード(参考)】
3F101
【Fターム(参考)】
3F101FA06
3F101FB14
3F101FC18
3F101FD02
3F101FE04
3F101LA07
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】サイドガイドを強固に位置決めでき、また、容易に位置決めを解除できる手段を提供する。
【解決手段】画像記録装置100は、搬送ローラ対16と、ガイド部30および長穴76を有する支持部75を有するフレーム31と、支持部75の間に位置しており、長穴90をそれぞれ有する一対のサイドガイド32と、長穴76および長穴90に挿通されたシャフト33と、シャフト33に固定されたレバー34と、シャフト33をガイド部30へ近づく向きへ付勢するコイルバネ35と、を備える。長穴90はテーパ部91を有している。レバー34は、コイルバネ35の付勢力がシャフト33に作用する第1回転位置と、コイルバネ35の付勢力に抗してシャフト33をテーパ部91から離れた位置に保持する第2回転位置とに回転可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路においてシートを搬送向きに送る搬送ローラと、
上記搬送向きと交差する第1方向へ延びるガイド部、および上記搬送路の両側に位置しており、上記搬送向きおよび上記第1方向と交差する第2方向へ延びる第1長穴をそれぞれ有する支持部を有するフレームと、
上記支持部の間に位置しており、上記第2方向へ延びる第2長穴をそれぞれ有しており、上記ガイド部に案内されて上記第1方向へ移動可能な一対のサイドガイドと、
上記第1長穴および上記第2長穴に挿通されたシャフトと、
上記シャフトに固定されたレバーと、
上記シャフトを上記ガイド部へ近づく向きへ付勢する弾性部材と、を備えており、
上記第2長穴は、上記ガイド部へ近づくにつれて上記搬送向きに沿った寸法が上記シャフトの上記搬送向きに沿った寸法よりも小さくなるテーパ部を有しており、
上記レバーは、上記弾性部材の付勢力が上記シャフトに作用する第1回転位置と、上記弾性部材の付勢力に抗して上記シャフトを上記テーパ部から離れた位置に保持する第2回転位置とに回転可能である搬送装置。
【請求項2】
上記レバーは、外周面の径方向の寸法が異なるカム面を有しており、上記第1回転位置において上記カム面が上記ガイド部から離間しており、上記第2回転位置において上記カム面が上記ガイド部に当接する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記テーパ部は、
上記第1方向および上記第2方向に拡がる第1面と、
上記第1面と上記搬送向きに対向しており、上記第1方向に沿って上記第1面と交差する方向へ拡がる第2面と、を有する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記サイドガイドは、上記第2方向において、上記ガイド部に対して上記シャフトと反対の位置に、シートを支持する支持面および当該支持面から上記第2方向に沿って延びるガイド面を有する請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記支持面における上記第1方向の内側の端の一部は外向きへ膨出する請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
上記第2方向において、上記ガイド部と上記支持面との間に位置するコロをさらに有する請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
上記フレーム、上記サイドガイド、上記シャフト、上記レバー、および上記弾性部材は、上記搬送向きにおいて上記搬送ローラの上流および下流にそれぞれ位置する請求項1から6のいずれかに記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドガイドを有する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置の一例として、特許文献1にはインクジェット記録装置が開示されている。インクジェット記録装置における搬送部には、記録媒体を案内する上ガイドおよび横ガイドが設けられている。横ガイドは、ラックピニオン機構により、記録媒体の幅に合わせて連動して移動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録媒体の搬送速度が速くなると、記録媒体が横ガイドに接触することによって横ガイドが移動するおそれがある。横ガイドが所望の位置から移動すると、記録媒体の位置ズレが大きくなり、搬送不良が生じやすい。他方、横ガイドを強固に位置決めすると、位置決めを解除するときに必要な力が大きくなり、使い勝手がよくない。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、サイドガイドを強固に位置決めでき、また、容易に位置決めを解除できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る搬送装置は、搬送路においてシートを搬送向きに送る搬送ローラと、上記搬送向きと交差する第1方向へ延びるガイド部、および上記搬送路の両側に位置しており、上記搬送向きおよび上記第1方向と交差する第2方向へ延びる第1長穴をそれぞれ有する支持部を有するフレームと、上記支持部の間に位置しており、上記第2方向へ延びる第2長穴をそれぞれ有しており、上記ガイド部に案内されて上記第1方向へ移動可能な一対のサイドガイドと、上記第1長穴および上記第2長穴に挿通されたシャフトと、上記シャフトに固定されたレバーと、上記シャフトを上記ガイド部へ近づく向きへ付勢する弾性部材と、を備える。上記第2長穴は、上記ガイド部へ近づくにつれて上記搬送向きに沿った寸法が上記シャフトの上記搬送向きに沿った寸法よりも小さくなるテーパ部を有している。上記レバーは、上記弾性部材の付勢力が上記シャフトに作用する第1回転位置と、上記弾性部材の付勢力に抗して上記シャフトを上記テーパ部から離れた位置に保持する第2回転位置とに回転可能である。
【0007】
弾性部材の付勢力によってシャフトが第2長穴のテーパ部に圧接され、テーパ部において第2方向に対して傾斜した面にシャフトが圧接することにより、第2方向の付勢力より大きな力でシャフトがテーパ部に圧接する。これにより、サイドガイドの位置が固定される。レバーを第1回転位置から第2回転位置へ回転するための力は、弾性部材の付勢力に抗する大きさなので、比較的簡単にレバーを回転できる。
【0008】
(2) 上記レバーは、外周面の径方向の寸法が異なるカム面を有しており、上記第1回転位置において上記カム面が上記ガイド部から離間しており、上記第2回転位置において上記カム面が上記ガイド部に当接してもよい。
【0009】
(3) 上記テーパ部は、上記第1方向および上記第2方向に拡がる第1面と、上記第1面と上記搬送向きに対向しており、上記第1方向に沿って上記第1面と交差する方向へ拡がる第2面と、を有してもよい。
【0010】
(4) 上記サイドガイドは、上記第2方向において、上記ガイド部に対して上記シャフトと反対の位置に、シートを支持する支持面および当該支持面から上記第2方向に沿って延びるガイド面を有してもよい。
【0011】
(5) 上記支持面における上記第1方向の内側の端の一部は外向きへ膨出してもよい。
【0012】
外向きへ膨出した支持面の内側の端の一部において、光学センサの光が通過しうる。これにより、サイドガイドの第1方向への移動に伴って支持面が移動しても、光学センサが機能し得る。
【0013】
(6) 上記第2方向において、上記ガイド部と上記支持面との間に位置するコロをさらに有してもよい。
【0014】
コロによりシートが搬送向きに円滑に移動する。
【0015】
(7) 上記フレーム、上記サイドガイド、上記シャフト、上記レバー、および上記弾性部材は、上記搬送向きにおいて上記搬送ローラの上流および下流にそれぞれ位置してもよい。
【0016】
搬送ローラの上流および下流においてシートの第1方向の端の位置決めができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、サイドガイドを強固に位置決めでき、また、容易に位置決めを解除できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、画像記録装置100の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の線A-Aに沿う画像記録装置100の縦断を示す模式図である。
【
図3】
図3は、前サイドガイド21の後方の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、前サイドガイド21の前方の外観を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、前サイドガイド21の下面図である。
【
図6】
図6は、レバー34が第1回転位置であるときの
図5のVI-VI断面を示す断面図である。
【
図7】
図7は、レバー34が第1回転位置であるときの
図5のVII-VII断面を示す断面図である。
【
図8】
図8は、レバー34が第2回転位置であるときの
図5のVI-VI断面を示す断面図である。
【
図9】
図9は、レバー34が第2回転位置であるときの
図5のVII-VII断面を示す断面図である。
【
図11】
図11は、第1右ラックギヤ52および第2右ラックギヤ54の右端付近の拡大断面図である。
【
図12】
図12は、第2右ラックギヤ54および第2左ラックギヤ55を除く、
図10のXII-XII断面を示す拡大断面図である。
【
図14】
図14は、変形例1に係る支持部82を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る画像記録装置100について詳説する。なお、下記の実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0020】
[定義]
以下、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。
【0021】
画像記録装置100が使用可能に設置された状態(
図1(A)の状態)を基準として上下方向7(第2方向の一例)が定義される。画像記録装置100において排出口B13が設けられている側を前側として、前後方向8が定義される。画像記録装置100を前方から見て左右方向9(第1方向の一例)が定義される。
【0022】
[画像記録装置100]
画像記録装置100(搬送装置の一例)は、インクジェット記録方式によりシートSに画像を記録する。シートSは、例えばロール紙やファンフォールド紙などである。画像記録装置100には、シート幅が相異なる複数種別のシートSが装着可能である。
【0023】
図1に示されるように、画像記録装置100は、筐体11を備える。筐体11は、前後に長い略直方体形状であり、卓上、床面またはラックに設置可能なサイズである。筐体11の前壁には、排出口111が位置する。排出口111は、左右に細長い貫通孔である。排出口111からは、画像記録済みのシートSが排出される。筐体11の前壁には、ユーザにより操作される操作パネル116が位置する。筐体11の前壁の下部には、前カバー115が位置する。前カバー115の開閉により、タンク12(
図2参照)が露出または遮蔽される。筐体11の右壁の後部には、右カバー114が位置する。右カバー114の開閉により、ロール支持部13(
図2参照)が露出または遮蔽される。
【0024】
筐体11は、下側部分である本体112と、上側部分である上カバー113と、を有する。本体112は、上方に開口した箱形状である。上カバー113は、本体112の後部に位置して左右方向9に沿って延びる軸線101周りに回動可能に、本体112に連結されている。
図1に示されるように、上カバー113が閉位置にあると、本体112の開口が閉じられる。画像記録装置100は、この状態において画像記録を行う。上カバー113が軸線101周りに前壁が上方へ持ち上げられるように回動されると、本体112の開口が露出する。シートSの交換を行うなどのメンテナンス作業をユーザが行うときには、上カバー113を持ち上げて、筐体11の内部空間にユーザがアクセスする。
【0025】
[画像記録装置100の内部構成]
図2に示されるように、筐体11の内部空間には、タンク12、ロール支持部13、テンショナ14、後サイドガイド15、搬送ローラ対16、下ガイド17、ベルト搬送機構19、記録ヘッド20、前サイドガイド21、ヒータ22、排出ローラ対23、「」およびカッタ26を備える。なお、筐体11の内部空間には、シートSの記録画像を読み取る読取りセンサや電源、制御基板、冷却装置などのその他の部材が配置されていてもよいことは言うまでもない。
【0026】
図2に示されるように、タンク12は、前カバー115の直ぐ後方に位置しており、インクを内部に貯留する。タンク12のインクは、インクチューブ(図示せず)を通じて記録ヘッド20に供給される。
【0027】
筐体11の内部空間の後部には、隔壁135と筐体の外壁とによりロール収容空間136が区画されている。隔壁135の後端と筐体11の後壁との間には、シートSが通過する空間137が形成されている。ロール収容空間136には、ロール支持部13が位置する。ロール体をなすシートSはロール支持部13に支持されて回転可能である。
【0028】
空間137の上方にテンショナ14が位置する。テンショナ14には、ロールホルダ133から引き出されたシートSが掛けられる。シートSは、テンショナ14に沿って湾曲して前方に延びる。テンショナ14は、バネ等の付勢部材により後方に付勢されている。これにより、テンショナ14に掛けられたシートSには、テンションが付与される。テンショナ14の上面と排出口111とは上下方向7において概ね同じ位置にある。前後方向8においてテンショナ14と排出口111との間に、上下方向7に位置する各部材によってシートSが通過する搬送路10が区画されている。シートSは、搬送路10を前向きに搬送される。
【0029】
テンショナ14の前方に搬送ローラ対16が位置する。搬送ローラ対16は、駆動ローラ161(搬送ローラの一例)とピンチローラ162とを有する。駆動ローラ161およびピンチローラ162は左右方向9に沿った軸線周りに回転する。駆動ローラ161およびピンチローラ162は、上下方向7に対向してローラ面が当接する。駆動ローラ161およびピンチローラ162のローラ面の間にシートSがニップされる。駆動ローラ161は、不図示のモータから動力が伝達されて回転する。ピンチローラ162は、駆動ローラ161に従動して回転する。これにより、搬送ローラ対16は、ロール体から繰り出されたシートSを前向き(搬送向きの一例)へ搬送する。
【0030】
搬送ローラ対16の後方には後サイドガイド15が位置しており、前方には前サイドガイド21が位置している。後サイドガイド15および前サイドガイド21の詳細な構成は後述される。
【0031】
前後方向8において搬送ローラ対16と後サイドガイド15との間に下ガイド17が位置する。下ガイド17の上面は、前後方向8および左右方向9に沿った平面であり、シートSを支持する。
【0032】
下ガイド17の前方にベルト搬送機構19が位置する。ベルト搬送機構19は、前後方向8に離れており、左右方向9を軸線とする後プーリ191Aと前プーリ191Bとに無端ベルト192が巻回されたものである。不図示のモータから前プーリ191Bに動力が伝達されて前プーリ191Bが
図2における時計回りに回転することにより、無端ベルト192が回動する。無端ベルト192に支持されたシートSは、無端ベルト192の回動により前向きへ搬送される。
【0033】
ベルト搬送機構19の上方に記録ヘッド20が位置する。記録ヘッド20の下面であるノズル面201には、複数のノズル202が前後左右に配列されている。記録ヘッド20は、タンク12から供給されたインクをノズル202から吐出する。ノズル202から吐出されたインクがシートSに付着することにより、シートSに画像が記録される。
【0034】
ベルト搬送機構19の前方に、ヒータ22が位置する。ヒータ22は、コントローラの制御下で発熱し、ヒータ22の上面を通過するシートSを加熱する。加熱されたシートSにおいてインクが乾燥または溶融し、インクがシートSに定着する。
【0035】
ヒータ22の前方に排出ローラ対23が位置する。排出ローラ対23は、駆動ローラ163とピンチローラ164とを有する。駆動ローラ163およびピンチローラ164は左右方向9に沿った軸線周りに回転する。駆動ローラ163およびピンチローラ164は、上下方向7に対向してローラ面が当接する。駆動ローラ163およびピンチローラ164のローラ面の間にシートSがニップされる。駆動ローラ163は、不図示のモータから動力が伝達されて回転する。ピンチローラ164は、駆動ローラ161に従動して回転する。これにより、排出ローラ対23は、画像記録されたシートSを前向きへ搬送する。
【0036】
カッタ26は、排出ローラ対23の前方に位置する。カッタ26は、コントローラの制御下で、搬送路10を搬送されるシートSを左右方向9に沿って切断する。切断されたシートSは排出口111から筐体11の外部へ排出される。
【0037】
[前サイドガイド21]
以下、前サイドガイド21の詳細な構成が説明される。なお、後サイドガイド15は、筐体11内における位置が異なる他は、前サイドガイド21と同様の構成なので詳細な説明は省略される。
【0038】
図3から
図9に示されるように、前サイドガイド21は、ガイド部30、フレーム31、一対のサイドガイド32、シャフト33、レバー34、コイルバネ35(弾性部材の一例)、およびコロ36を有する。
【0039】
ガイド部30は、左右方向9に細長な立方体であり、内部空間に連動機構50(
図10参照)を収容している。ガイド部30の左右端部は、左右方向9に離れて位置するフレーム31に連結されている。フレーム31は、筐体11の内部空間において左右方向9に離れて位置する不図示のサイドフレームに支持されている。サイドフレームは、例えば、テンショナ14や搬送ローラ対16、ベルト搬送機構19、排出ローラ対23などを支持している。ガイド部30およびフレーム31がフレームの一例である。
【0040】
ガイド部30の上面30Aにおける前後方向8の両端には、左右方向9へ延びるガイド面70がそれぞれ位置する。ガイド面70は、一対のサイドガイド32が摺動する面である。
【0041】
図3,4,7に示されるように、ガイド部30の上面30Aの左右方向9の中央付近の後端から上方へ向かって係止片71が延びている。係止片71は、上方へ向かってから下方へ前向きにU字状に折り返すように湾曲されている。下方へ延びる係止片71の先端には、前後方向8に係止片71を貫通する貫通孔72が形成されている。
【0042】
図3,4,7に示されるように、ガイド部30の上面30Aの左右方向9の中央付近の前端から下方へ向かって延出片73が延びている。延出片73、下方へ向かってから前方へL字状に折り曲げられている。延出片73の先端にはフック74が形成されている。フック74は、コイルバネ35の一端を係止する。
【0043】
フレーム31は、左右方向9に離れて位置している。フレーム31の形状は、左右方向9の中央に対して概ね対称である。各フレーム31は、上方へ向かって延びる支持部75を有する。支持部75は、各フレーム31を構成する板金が上方へ折れ曲げられることにより形成されている。各支持部75は、搬送路10の両側に位置する。各支持部75には、左右方向9に沿って支持部75を貫通する長穴76(第1長穴の一例)が形成されている。長穴76は、前後方向8の寸法より上下方向7の寸法が長い。各長穴76には、シャフト33が挿通される。シャフト33は、各長穴76に挿通された状態で上下方向7に移動可能である。
【0044】
一対のサイドガイド32は、左右方向9においてフレーム31の支持部75の間に位置する。一対のサイドガイド32は、左右方向9の右側に位置する右サイドガイド32Rと、左側に位置する左サイドガイド32Lとからなる。右サイドガイド32Rおよび左サイドガイド32Lの形状は、左右方向9の中央に対して概ね対称である。以下では、右サイドガイド32Rおよび左サイドガイド32Lがサイドガイド32と称されて、詳細な構成が説明される。
【0045】
サイドガイド32は、スライド部80、ガイド部81、支持部82を有する。スライド部80は、上下方向7および前後方向8に延びる平板形状である。スライド部80は、左右方向9に貫通する貫通孔83を有する。貫通孔83は、前後方向8に長く、ガイド部30が挿通されている。貫通孔83を区画する上面において、前後方向8に離れて一対の当接面84が位置する。一対の当接面84の位置は、ガイド部30の上面30Aに対応している。当接面84がガイド部30の上面30Aに当接することにより、ガイド部81が上下方向7の下向きに対して位置決めされる。サイドガイド32が左右方向9にスライドされるとき、当接面84は、上面30Aを摺動する。
【0046】
スライド部80において貫通孔83の上方には、左右方向9に沿ってスライド部80を貫通する長穴90(第2長穴の一例)が形成されている。長穴90は、前後方向8の寸法より上下方向7の寸法が長い。各長穴90には、シャフト33が挿通される。シャフト33は、各長穴76に挿通された状態で上下方向7に移動可能である。
【0047】
図6に示されるように、長穴90の下側部分がテーパ部91である。左サイドガイド32Lの長穴90において、テーパ部91は、テーパ面92(第2面の一例)、前面93(第1面の一例)、及び下面94により区画されている。テーパ面92は、左右方向9に沿っており、下方へ向かうにつれて前方へ向かうように傾斜している。前面93は、上下方向7および左右方向9に沿っている。下面94は前後方向8および左右方向9に沿っている。テーパ面92に沿った仮想平面と前面93に沿った仮想平面は交差する。
【0048】
テーパ面92の上端におけるテーパ面92と前面93の前後方向8に沿った寸法L1は、テーパ面92の下端におけるテーパ面92と前面93の前後方向8に沿った寸法L2よりも大きい(L1>L2)。したがって、テーパ部91において、前後方向に沿った寸法は、下方へ向かうにつれて次第に小さくなっている。寸法L1は、シャフト33の外径よりも大きい。寸法L2は、シャフト33の外径よりも小さい。したがって、シャフト33がテーパ部91を下方へ移動すると、シャフト33の外周面は、テーパ面92および前面93に当接する。
【0049】
長穴90の上側部分は、テーパ面92の上端から上方へ延びる後面95と、前面93と、上面96とによって区画されている。後面95は、上下方向7および左右方向9に沿っている。上面96は、前後方向8および左右方向9に沿っている。後面95と前面93との前後方向8に沿った寸法は一定であり寸法L1と同じである。
【0050】
ガイド部81は、スライド部80から下方へ延出している。ガイド部81において左右方向9の内側を向く面がガイド面85である。右サイドガイド32Rのガイド面85は、左方を向いている。左サイドガイド32Lのガイド面85は、右方を向いている。ガイド面85は、上下方向7および前後方向8に拡がる平面である。左右方向9に離れて位置するガイド面85にシートSの左右方向9の両端がそれぞれ当接することによって、シートSが左右方向9において位置決めされる。
【0051】
支持部82は、ガイド部81の下端から左右方向9の内側へ延出している。右サイドガイド32Rの支持部82は、ガイド部81の下端から左方へ延びている。左サイドガイド32Lの支持部82は、ガイド部81の下端から右方へ延びている。支持部82の上面は支持面86である。支持面86は、前後方向8および左右方向9に沿って拡がる平面である。シートSの左右方向9の両端付近が、支持面86に下方から支持される。
【0052】
支持部82において前後方向8の2箇所に切欠き部87が形成されている。右サイドガイド32Rの支持部82においては、切欠き部87は、支持部82の左端から右方へ延びている。左サイドガイド32Lの支持部82においては、切欠き部87は、支持部82の右端から左方へ延びている。切欠き部87により、支持面86の左右方向9の内側の端は外向きへ膨出している。
【0053】
図2に示されるように、前サイドガイド21の下方には、光学センサ24,25が前後方向8に並んで位置する。光学センサ24は、上方へ光を照射する発光部と、発光部の上方に位置して光を受光する受光部と、を有する。光学センサ25は、上方へ光を照射する発光部と、下方へ向かう反射光を受光する受光部と、を有する。光学センサ24は、搬送路10にシートSが位置するか否かをコントローラが判定するための信号を発信する。光学センサ25は、シートSの下面(画像記録される面の反対の面)に予め記されたマークの有無をコントローラが判定するための信号を発信する。
【0054】
光学センサ24,25は、搬送路10を搬送されるシートSのうち最小幅のシートSの両端付近に位置する。前後方向8に離れた2つの切欠き部87のうち、一方の切欠き部87の位置が光学センサ24の位置に対応しており、他方の切欠き部87の位置が光学センサ25の位置に対応している。サイドガイド32が、最小幅のシートSに対応する位置に移動されると、一対のサイドガイド32は、左右方向9において最も近づいた状態となる。その状態において、支持部82は、光学センサ24,25の上方に位置することとなるが、切欠き部87により、光学センサ24から照射された光は、支持部82に遮られることなく、シートSに到達する。
【0055】
シャフト33は、円柱形状の棒材であり、左右方向9に沿って延びている。シャフト33の外径は、左右方向9において一定である。シャフト33の左右方向9の中央には、レバー34が固定されている。レバー34が回動されると、シャフト33が回転する。
【0056】
レバー34は、カム部88と、操作部89とを有する。
図7に示されるように、カム部88は、シャフト33に固定されて、シャフト33から径方向へ突出している。カム部88の径方向の外面はカム面88Aである。カム面88Aは、シャフト33の軸線33Aを中心とする円周面である。カム面88Aは、軸線33Aからの距離R1が一定である。カム部88においてカム面88A以外の外周面は、軸線33Aからの距離が、距離R1よりも小さい。
【0057】
操作部89は、シャフト33からカム部88が膨出する向き(カム面88A,88Bへ向かう向き)とは異なる向きに延びる先細りの平板形状であり、シャフト33から概ね上方へ延びている。操作部89の延出端と軸線33Aと距離は、距離R1よりも大きい。
【0058】
シャフト33の上方には、付勢板97が位置する。付勢板97の後端部は、係止片71の貫通孔72に挿通されている。付勢板97の前端部には、付勢板97を上下方向7に貫通する貫通孔98が形成されている。貫通孔98は、コイルバネ35の他端を係止する。コイルバネ35の引張り力により、付勢板97は、後端部を支点として前端部か下向きに付勢される。
【0059】
レバー34は、
図6および
図7に示される第1回転位置と、
図8及び
図9に示される第2回転位置に回転可能である。第1回転位置において、カム面88Aは、軸線33Aからおよそ後方へ向かう位置にあり、ガイド部30の上面30Aから離れた位置にある。第1回転位置において、付勢板97を介してコイルバネ35の引張り力(付勢力)がシャフト33に作用して、シャフト33が下向きに付勢される。これにより、シャフト33はサイドガイド32の長穴90を下向きに移動する。
図6に示されるように、長穴90を下向きに移動したシャフト33は、テーパ部91に進入してテーパ面92および前面93に当接する。シャフト33がテーパ面92および前面93に当接した状態において、カム部88はガイド部30の上面30Aと接触しておらず、シャフト33はコイルバネ35の付勢力が下向き作用する。シャフト33がテーパ面92に圧接することにより、コイルバネ35の下向きの付勢力より大きな力でシャフト33がテーパ部91に圧接する。シャフト33がテーパ部91に圧接することにより、スライド部80の当接面84がガイド部30の上面30Aに圧接し、サイドガイド32の左右方向9における位置が固定される。
【0060】
第2回転位置において、カム面88Aは、ガイド部30の上面30Aと当接する。これにより、
図9に示されるように、シャフト33が上向きに移動して付勢板97の前端がコイルバネ35の引張り力に抗して上方へ移動する。シャフト33が上向きに移動することにより、
図8に示されるように、長穴90においてシャフト33がテーパ部91から離脱する。レバー34を第1回転位置から第2回転位置へ回転するための力は、コイルバネ35の引張り力に抗する大きさである。
【0061】
図3から
図5に示されるように、ガイド部30の下面であって左右方向9の中央には、コロ受け部材99が連結されている。コロ受け部材99は、左右方向9を軸線として、3つのコロ36を前後方向8に並んで支持している。
図7に示されるように、コロ36の最下位置は、サイドガイド32の支持面86よりも上方に位置する。
【0062】
[連動機構50]
図10に示されるように、ガイド部30の内部空間には、連動機構50が収容されている。連動機構50は、一対のサイドガイド32の左右方向9の動きを連動している。連動機構50は、ラックピニオン機構であり、ピニオンギヤ51、第1右ラックギヤ52、第1左ラックギヤ53、第2右ラックギヤ54、第2左ラックギヤ55、及びフランジ56を有している。
【0063】
ピニオンギヤ51は、ガイド部30の内部空間の左右方向9の中央において、上下方向7に沿った支軸56Aに回転自在に嵌合されている。フランジ56は、ピニオンギヤ51の下方において支軸56Aに連結されて、ピニオンギヤ51を下方から支持している。第1右ラックギヤ52は、左右方向9に沿って前向きの歯が並んでおり、右端において右サイドガイド32Rのスライド部80に連結されている。第1右ラックギヤ52は、ピニオンギヤ51と噛合している。第1右ラックギヤ52は、左右方向9に延びるガイド溝57を有している。ガイド溝57には、ガイド部30の上面30Aを有する上ガイド部材37の後端部37Aが進入して嵌合している。後端部37Aは左右方向9に沿って延びている。後端部37Aをガイドとして、第1右ラックギヤ52は、上ガイド部材37を左右方向9に移動可能である。第1右ラックギヤ52が左右方向9に移動すると、ピニオンギヤ51が支軸56A周りに回転する。
【0064】
第1左ラックギヤ53は、左右方向9に沿って後向きの歯が並んでおり、左端において左サイドガイド32Lのスライド部80に連結されている。第1左ラックギヤ53は、ピニオンギヤ51と噛合している。第1右ラックギヤ52のガイド溝57と同様に、第1左ラックギヤ53は、左右方向9に延びるガイド溝57(
図12参照)を有しており、ガイド溝57には、上ガイド部材37の前端部37Bが進入して嵌合している。前端部37Bは左右方向9に沿って延びている。前端部37Bをガイドとして、第1左ラックギヤ53は、上ガイド部材37を左右方向9に移動可能である。第1左ラックギヤ53が左右方向9に移動すると、ピニオンギヤ51が支軸56A周りに回転する。
【0065】
第2右ラックギヤ54は、第1右ラックギヤ52の下方において第1右ラックギヤ52に係止されている。第2右ラックギヤ54は、上下方向7において第1右ラックギヤ52とフランジ56との間に位置しており、フランジ56により下方から支持されている。第2右ラックギヤ54の上下方向7に沿った寸法は、第1右ラックギヤ52の上下方向7に沿った寸法よりも小さい。第2右ラックギヤ54は、左右方向9に沿って前向きの歯が並んでいる。第1右ラックギヤ52と第2右ラックギヤ54の歯の大きさ、すなわちモジュールや歯数は同じである。
【0066】
第2右ラックギヤ54の左右端は、第1右ラックギヤ52に係止されることにより、左右方向9へ移動可能に支持されている。
図11に示されるように、第2右ラックギヤ54の右端において、第2右ラックギヤ54と第1右ラックギヤ52との間にコイルバネ58が圧縮変形されて介在する。コイルバネ58の付勢力により、第2右ラックギヤ54は、第1右ラックギヤ52に対して右向き(外向き)へ付勢されている。
図13に示されるように、コイルバネ58の付勢力により、第1右ラックギヤ52の歯と第2右ラックギヤ54の歯とは、左右方向9へ位相が若干ずれた状態となる。歯の位相がずれた第2右ラックギヤ54の第1右ラックギヤ52に対する位置が第2位置の一例である。歯の位相が合致する第2右ラックギヤ54の第1右ラックギヤ522に対する位置が第1位置の一例である。
【0067】
図10に示されるように、第2左ラックギヤ55は、第1左ラックギヤ53の下方において第1左ラックギヤ53に係止されている。第2左ラックギヤ55は、上下方向7において第1左ラックギヤ53とフランジ56との間に位置しており、フランジ56により下方から支持されている。第2左ラックギヤ55の上下方向7に沿った寸法は、第1左ラックギヤ53の上下方向7に沿った寸法よりも小さい。第2左ラックギヤ55は、左右方向9に沿って前向きの歯が並んでいる。第1左ラックギヤ53と第2左ラックギヤ55の歯の大きさ、すなわちモジュールや歯数は同じである。
【0068】
第2左ラックギヤ55の左右端は、第1左ラックギヤ53に係止されることにより、左右方向9へ移動可能に支持されている。図には示されていないが、
図11と同様にして、第2左ラックギヤ55の左端において、第2左ラックギヤ55と第1左ラックギヤ53との間にコイルバネ58が圧縮変形されて介在する。コイルバネ58の付勢力により、第2左ラックギヤ55は、第1左ラックギヤ53に対して左向き(外向き)へ付勢されている。
図13に示されるように、コイルバネ58の付勢力により、第1左ラックギヤ53の歯と第2左ラックギヤ55の歯とは、左右方向9へ位相が若干ずれた状態となる。歯の位相がずれた第2左ラックギヤ55の第1左ラックギヤ53に対する位置が第2位置の一例である。歯の位相が合致する第2左ラックギヤ55の第1左ラックギヤ53に対する位置が第1位置の一例である。
【0069】
連動機構50により、一対のサイドガイド32の一方が左右方向9へ移動されると、他方も連動して左右方向9へ移動する。一対のサイドガイド32は、互いに近づく向き(内向き)への移動と、互いに遠ざかる向き(外向き)への移動が連動している。
【0070】
図12に示されるように、一対のサイドガイド32が互いに近づく向きへ、すなわち左右方向9の内向きへ移動されるとき、相互に噛合する歯において、第1右ラックギヤ52の内向きの歯面60がピニオンギヤ51の歯面59と接触しており、外向きの歯面61はピニオンギヤ51の歯面59と接触していない。歯面59と歯面61との隙間が所謂バックラッシである。ピニオンギヤ51が回転しない状態において、第1右ラックギヤ52は、バックラッシの分だけ右向き(外向き)へ移動し得る。つまりガタつく。第1左ラックギヤ53においても、同様に、内向きの歯面60がピニオンギヤ51の歯面59と接触しており、外向きの歯面61はピニオンギヤ51の歯面59と接触していない。
【0071】
図13に示されるように、第1位置において同位相となる第1右ラックギヤ52の歯および第2右ラックギヤ54の歯において、第1右ラックギヤ52の左向き(内向き)の歯面60は、第2位置の第2右ラックギヤ54の左向き(内向き)の歯面62よりも、左方(内向き)に位置する。同様に、第1位置において同位相となる第1左ラックギヤ53の歯および第2左ラックギヤ55の歯において、第1左ラックギヤ53の右向き(内向き)の歯面60は、第2位置の第2左ラックギヤ55の右向き(内向き)の歯面62よりも、右方(内向き)に位置する。
【0072】
ピニオンギヤ51と第2右ラックギヤ54とが相互に噛合する歯において、第2右ラックギヤ54の内向きの歯面62はピニオンギヤ51の歯面59と接触しておらず、外向きの歯面63は歯面59と接触している。第2左ラックギヤ55においても同様に、内向きの歯面62はピニオンギヤ51の歯面59と接触しておらず、外向きの歯面63は歯面59と接触している。
【0073】
図13に示される状態から、一対のサイドガイド32が互いに遠ざかる向きへ、すなわち左右方向9の外向きへ移動されるとき、コイルバネ58が圧縮変形して、第2位置の第2右ラックギヤ54および第2左ラックギヤ55が第1位置に移動する。これにより、第1右ラックギヤ52の歯と第2右ラックギヤ54の歯とが同位相となり、また、第1左ラックギヤ53の歯と第2左ラックギヤ55の歯とが同位相となる。そして、第1右ラックギヤ52の外向きの歯面61と第2右ラックギヤ54の外向きの歯面63とが同時にピニオンギヤ51の歯面59と当接する。同様に、第1左ラックギヤ53の外向きの歯面61と第2左ラックギヤ55の外向きの歯面63とが同時にピニオンギヤ51の歯面59と当接する。これにより、一対のサイドガイド32が連動して左右方向9の外向きへ移動する。
【0074】
図13に示される状態から、一対のサイドガイド32が互いに近づく向きへ、すなわち左右方向9の内向きへ移動されるとき、コイルバネ58は圧縮変形せず、第2位置の第2右ラックギヤ54および第2左ラックギヤ55は第2位置のまま移動する。これにより、第1右ラックギヤ52の内向きの歯面60および第1左ラックギヤ53の内向きの歯面60がピニオンギヤ51の歯面59と当接しつつ、一対のサイドガイド32が連動して左右方向9の内向きへ移動する。
【0075】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、コイルバネ35の付勢力によってシャフト33が長穴90のテーパ部91に圧接され、テーパ部91においてテーパ面92にシャフト33が圧接することにより、上下方向7の付勢力より大きな力でシャフト33がテーパ部91に圧接する。これにより、一対のサイドガイド32の左右方向9の位置が固定される。レバー34を第1回転位置から第2回転位置へ回転するための力は、コイルバネ35の付勢力に抗する大きさなので、比較的簡単にレバー34を回転できる。
【0076】
また、一対のサイドガイド32の支持部82の切欠き部87により、光学センサ24,25の光が上下方向7に通過しうる。これにより、一対のサイドガイド32が左右方向9において最も近づいた位置へ移動しても、光学センサ24,25が機能し得る。
【0077】
また、連動機構50がコロ36を有するので、シートSが円滑に移動する。
【0078】
また、搬送ローラ対16の搬送向きの上流および下流に後サイドガイド15および前サイドガイド21がそれぞれ設けられているので、シートSの左右方向9の位置決めが精度よくなされ、シートSの位置ズレや斜行が生じ難い。
【0079】
[変形例1]
前述された実施形態では、支持部82は、前後方向8の2箇所に切欠き部87を有する。さらに、
図14に示されるように、支持部82は、フィルム102を有していてもよい。フィルム102は、薄い膜状であって、光学センサ24,25の発光部から照射された光およびシートSからの反射光が上下方向7へ透過する。フィルム102は、上下方向7から視て前後方向8に長い長方形である。フィルム102は、支持面86に貼られている。フィルム102によって、切欠き部87は上下方向7において上方から塞がれる。フィルム102によって、支持面86の上方を移動するシートSの先端が、切欠き部87に進入することがない。なお、フィルム102は、支持面86の全体を覆っていてもよいし、2つの切欠き部87を含む支持面86の一部を覆っていてもよい。また、フィルム102は、支持部82の下面(支持面86と上下方向7の反対側の面)において、切欠き部87を下方から塞ぐように貼られていてもよい。
【0080】
[その他の変形例]
前述された実施形態では、前サイドガイド21は連動機構50を有しているが、連動機構50は設けられなくてもよい。また、搬送ローラ対16の上流または下流の一方にのみ、後サイドガイド15または前サイドガイド21が設けられてもよい。
【0081】
また、画像記録装置100における画像記録方式は、インクジェット方式に限定されず、電子写真方式や熱転写方式であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10・・・搬送路
24,25・・・光学センサ
30・・・ガイド部
31・・・フレーム
32・・・サイドガイド
33・・・シャフト
34・・・レバー
35・・・コイルバネ(弾性部材)
36・・・コロ
75・・・支持部
76・・・長穴(第1長穴)
85・・・ガイド面
86・・・支持面
88A・・・カム面
90・・・長穴(第2長穴)
91・・・テーパ部
92・・・テーパ面(第2面)
93・・・前面(第1面)
100・・・画像記録装置(搬送装置)
161・・・駆動ローラ(搬送ローラ)