(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152633
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】光ファイバー信号直接導入式光モジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G02B6/42
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186011
(22)【出願日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】202210321176.1
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521028682
【氏名又は名称】深▲セン▼市埃爾法光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN AFALIGHT CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】ROOM1503,1504,1507,1508,1509,1510,1501,1502,1511,1512,BLOCK C, FLOOR 15, BUILDING 9, BAONENG SCIENCE AND TECHNOLOGY PARK, QINGHU VILLAGE, COMMUNITY, LONGHUASTREET, LONGHUA DISTRICT, SHENZHEN CITY, Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】黄 君彬
(72)【発明者】
【氏名】付 全飛
(72)【発明者】
【氏名】童 小琴
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AB05
2H137AB06
2H137BA06
2H137BA15
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB17
2H137CA12A
2H137CA25A
2H137CD33
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、コネクター、制御回路基板及びプラスチック光ファイバーを含む光ファイバー信号直接導入式光モジュールに関し、製品のコストを低減し、かつ製品全体の体積を縮小する。
【解決手段】該制御回路基板は該コネクターに接続され、該制御回路基板に機能光モジュールが設置され、該光ファイバー端面は該機能光モジュールに対応し、該光ファイバー端面と該機能光モジュールの頂面との間の距離Lは50μm~150μmに制御され、該光ファイバー端面から放出された光信号は該機能光モジュールにより直接的に受信することができ、該機能光モジュールから放出された光信号も該光ファイバー端面を直接的に透過して該プラスチック光ファイバーにより受信することができ、該プラスチック光ファイバーは光ファイバーコア及び被覆層を含み、該光ファイバーコアの孔径D1と該被覆層の孔径D2との間の比率D1/D2は0.6以上1未満である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクター10、制御回路基板20及びプラスチック光ファイバー30を含む光ファイバー信号直接導入式光モジュールであって、
該制御回路基板20は該コネクター10に接続され、該制御回路基板20に機能光モジュール21が設置され、該プラスチック光ファイバー30が光ファイバー端面31を有し、該光ファイバー端面31は該機能光モジュール21に対応し、
該光ファイバー端面31と該機能光モジュール21の頂面との間の距離Lは50μm~150μmに制御され、
該光ファイバー端面31から放出された光信号は該機能光モジュール21により直接的に受信することができ、該機能光モジュール21から放出された光信号も該光ファイバー端面31を直接的に透過して該プラスチック光ファイバー30により受信することができ、
該プラスチック光ファイバー30は、光ファイバーコア32及び被覆層33を含み、該被覆層33は該光ファイバーコア32の外側を被覆し、該光ファイバーコア32と該被覆層33との間に光伝送反射面34が形成され、
該光ファイバーコア32の孔径D1と該被覆層33の孔径D2との間の比率D1/D2は0.6以上1未満であり、
該プラスチック光ファイバー30の総長さは(2mm/L)*(D2/D1)*10-D2/250μmメートル未満である、ことを特徴とする光ファイバー信号直接導入式光モジュール。
【請求項2】
該プラスチック光ファイバー30は光信号直線形導入部41、湾曲部42、傾斜固定部43及び外部延伸部44を含み、該光信号直線形導入部41、該湾曲部42、該傾斜固定部43及び該外部延伸部44が接続されて該プラスチック光ファイバー30が形成され、
該光信号直線形導入部41は該機能光モジュール21に対応し、該光ファイバー端面31は該光信号直線形導入部41の前端部に位置し、該湾曲部42は該光信号直線形導入部41と該傾斜固定部43との間に接続され、該光信号直線形導入部41と該傾斜固定部43との間に、該湾曲部42により変換夾角45が決定されることにより、該光信号直線形導入部41は該機能光モジュール21に対応することができ、
該機能光モジュール21は水平に設置され、該光信号直線形導入部41は該機能光モジュール21の真上に位置し、
該傾斜固定部43は光ファイバーコネクター100内に固定されて、該光信号直線形導入部41及び該湾曲部42を位置決めし、
該外部延伸部44の外側が被覆層により被覆され、該外部延伸部44は該光モジュールの外部に設置され、該外部延伸部44全体の長さは(2mm/L)*(D2/D1)*10-D2/250μmメートル未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバー信号直接導入式光モジュール。
【請求項3】
該光ファイバーコネクター100は該プラスチック光ファイバー30と該制御回路基板20との間に接続され、
該光ファイバーコネクター100は、該プラスチック光ファイバー30を該制御回路基板20に固定するとともに、該プラスチック光ファイバー30と該機能光モジュール21との間に光信号を伝送できるように、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31を該制御回路基板20上の該機能光モジュール21に対応させ、
該光ファイバーコネクター100は、光ファイバー固定部及び取り付け/位置合わせ部を含み、該プラスチック光ファイバー30は該光ファイバー固定部内に設置され、該光ファイバー固定部は該プラスチック光ファイバー30を固定し位置決めし、
該取り付け/位置合わせ部は、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31が該制御回路基板20上の該機能光モジュール21に対応するように該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20に固定し位置決めする、ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバー信号直接導入式光モジュール。
【請求項4】
該光ファイバー固定部は配線溝210であり、該配線溝210は該光ファイバーコネクター100内に設置され、光ファイバー入口211及び光ファイバー出口222を有し、該プラスチック光ファイバー30の該光信号直線形導入部41、該湾曲部42及び該傾斜固定部43はともに該配線溝200内に固定され、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31は該光ファイバー出口222に位置し、
該光ファイバー固定部は、該光ファイバー端面31と該機能光モジュール21の頂面との間の距離Lを調整するように該プラスチック光ファイバー30に作用する調整具をさらに含み、
該調整具は押え部220及び突上げ部230を含み、該押え部220は、該光ファイバーコネクター100内に螺合された螺合柱221と、該螺合柱221の下に枢着された押えブロック222とを含み、該押えブロック222の下に弧状板223が設置され、該弧状板223は該プラスチック光ファイバー30に押圧設置され、
該光ファイバーコネクター100内に調整キャビティ240が設置され、該調整キャビティ240は該押え部220の真下に設置され、該突上げ部230は該調整キャビティ240内に設置され、該突上げ部230は枢着ボール231及び突上げキャップ232を含み、該調整キャビティ240の底部にボールキャビティ241が設置され、該枢着ボール231は該ボールキャビティ241内に枢着され、該突上げキャップ232は弾性材料で製造され、該突上げキャップ232は該枢着ボール231を被るように固定され、該突上げキャップ232は該枢着ボール231と同期して回転することができる、ことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバー信号直接導入式光モジュール。
【請求項5】
該取り付け/位置合わせ部はコネクター位置決めユニット310及び回路基板位置決めユニット320を含み、該コネクター位置決めユニット310は該光ファイバーコネクター100に設置され、該回路基板位置決めユニット320は該制御回路基板20に設置され、該コネクター位置決めユニット310は該回路基板位置決め部320に対応し、
該コネクター位置決めユニット310と該回路基板位置決めユニット320が固定/位置決め関係を確立する場合に、該プラスチック光ファイバー30を該光ファイバーコネクター100により該制御回路基板20に固定し、このとき、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31は該制御回路基板20上の該機能光モジュール21に突き合わせされ、
該コネクター位置決めユニット310と該回路基板位置決めユニット320との間に固定/位置決め関係がない場合に、該光ファイバーコネクター100及び該プラスチック光ファイバー30は該制御回路基板20から分離される、ことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバー信号直接導入式光モジュール。
【請求項6】
該コネクター位置決めユニット310は回転板410及び嵌合ヘッド420を含み、該回転板410は該光ファイバーコネクター100の前端に枢着され、該嵌合ヘッド420は該光ファイバーコネクター100の後端に枢着され、
該回転板410は導入溝411及び枢着溝412を含み、該導入溝411は該枢着溝412と連通し、
該嵌合ヘッド420は第1ボールヘッド421、第2ボールヘッド422及び弧状回転板423を含み、
該第1ボールヘッド421と該第2ボールヘッド422はそれぞれ該弧状回転板423の上下端に接続され、
該第1ボールヘッド421と該第2ボールヘッド422との間にボールヘッドキャビティ424が形成され、
該回路基板位置決めユニット320は枢着台510及び固定台520を含み、該枢着台510は該回転板410に対応して該制御回路基板20に設置され、該固定台520は該嵌合ヘッド420に対応して該制御回路基板20に設置され、
該枢着台510に回転軸511が設置され、該固定台520に第1ボールヘッドキャビティ521、第2ボールヘッドキャビティ522及び嵌合ボールヘッド523が設置され、該嵌合ボールヘッド523は該第1ボールヘッドキャビティ521と該第2ボールヘッドキャビティ522との間に設置され、
該第1ボールヘッドキャビティ521は該第1ボールヘッド421に対応し、該第2ボールヘッドキャビティ522は該第2ボールヘッド422に対応し、該嵌合ボールヘッド523は該ボールヘッドキャビティ424に対応する、ことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバー信号直接導入式光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関し、特にプラスチック光ファイバー内の光ファイバー信号を機能光モジュールに直接的に導入する光ファイバー信号直接導入式光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光モジュールの正式な名前は光送受信一体モジュールであり、光モジュールは、光通信のためのコアデバイスであり、光信号を電気信号に変換する過程と、電気信号を光信号に変換する過程を完了することができ、主に光電子デバイス、機能回路及び光インタフェース等の部品で構成され、光電子デバイスは、受信部及び送信部という2つの部分を含む。簡単に言えば、その受信部は光信号を電気信号に変換し、送信部は電気信号を光信号に変換する。
長距離信号伝送の品質を保証するために、現在、光モジュールの光伝送部は主に石英ガラス光ファイバー(GOF、Glass Optical Fiber)で製造される。しかしながら、GOFは、曲げにくいという欠点を有するため、光モジュールに光路変換部品を設置する必要がある。
【0003】
図1に示すとおり、ガラス光ファイバー(GOF)1は斜めに設置され、水平に設置された回路基板2に機能モジュール3が設置され、機能モジュール3は光送信モジュールであってもよく、光受信モジュールであってもよく、ガラス光ファイバー1中の光束を機能モジュール3に投射するために、ガラス光ファイバー1と機能モジュール3との間に光変換器4を設置する必要があり、光変換器4は一般的に複数のレンズ及び光反射ミラーを含む。また、ガラス光ファイバー1を取り付けるときに、ガラス光ファイバー1の平坦度を確保するために、ガラス光ファイバー1と接触する構造を研磨しポリッシングする必要がある。
【0004】
上記光モジュールは使用において主に以下の欠点を有する。
1、光変換器4の設計により光路の伝送方向を変更し、構造が複雑で、加工効率が低いうえ、伝送過程の光エネルギー損失を増加させ、
2、各部品の間に要求される嵌合精度が高く、製造技術の難度が高く、コストが高く、
3、レンズ及び光反射ミラーの光路設計のため、結合過程が複雑であり、製品全体の結合精度及び効率が低くなる。
【0005】
上記内容は石英ガラス光ファイバーで製造される光モジュールの主な欠点である。
現在、プラスチック光ファイバー(POF、Plastic Optical Fiber)で製造された光モジュールもあり、POFはコア?シース構造を有するため、光を伝送でき、POFにおける光伝送は全反射原理に基づいて実行される。POFは、コアファイバーが太く、軽く、製造しやすく、接続しやすく、柔軟性が高く、配置しやすく、材料耐久性が高いという特徴を有する。POFは、屈折率プロファイルの構造に従ってステップインデックス屈折率分布(SI、Step Index)式のプラスチック光ファイバーとグレーデッドインデックス屈折率(GI、Graded Index)式のプラスチック光ファイバーに分けられ、それぞれSI?POFとGI?POFと略す。
【0006】
GI-POFの特性がGOFと類似するため、現在、多くの分野ではGOFに代えてGI-POFを使用する傾向がある。
図2に示すとおり、GI-POFのコアの孔径5は小さく、一般的な孔径を約100ミクロンまで小さくすることができ、GOFと類似し、その伝送速度と距離との積の値が大きく、伝送効果が高いが、コアの孔径5が小さく、加工難度が高いため、その価格が極めて高く、GI?POFで製造された光モジュール及びその製品はコストが極めて高い。
【発明の概要】
【0007】
本発明の使用する技術手段は、コネクター、制御回路基板及びプラスチック光ファイバーを含む光ファイバー信号直接導入式光モジュールである。
該制御回路基板は該コネクターに接続され、該制御回路基板に機能光モジュールが設置され、該プラスチック光ファイバーが光ファイバー端面を有し、該光ファイバー端面は該機能光モジュールに対応する。
該光ファイバー端面と該機能光モジュールの頂面との間の距離Lは50μm~150μmに制御される。
該光ファイバー端面から放出された光信号は該機能光モジュールにより直接的に受信することができ、該機能光モジュールから放出された光信号も該光ファイバー端面を直接的に透過して該プラスチック光ファイバーにより受信することができる。
該プラスチック光ファイバーは光ファイバーコア及び被覆層を含み、該被覆層は該光ファイバーコアの外側を被覆し、該光ファイバーコアと該被覆層との間に光伝送反射面が形成される。
該光ファイバーコアの孔径D1と該被覆層の孔径D2との間の比率D1/D2は0.6以上1未満である。
該プラスチック光ファイバーの総長さは(2mm/L)*(D2/D1)*10-D2/250μmメートル未満である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
第1、一般的な制御回路基板上の機能光モジュールは水平に設置され、ガラス光ファイバー(GOF)が曲げると破断するため、光信号の伝送を実現するために、光変換器を追加する必要があるが、光変換器の追加により製品のコストが高くなるうえ、製品の体積も大幅に大きくなり、ガラス光ファイバー(GOF)で光を伝送する最も大きな利点は、長距離伝送の場合の光信号減衰が低いことであるが、実際の応用では、大部分の信号伝送はメートルレベル内に完了され、例えば、ディスプレイとコンピュータ本体との接続、テレビとセットトップボックスとの接続等であり、上記応用シナリオでは、ガラス光ファイバーによる光モジュールを使用すれば、伝送効果が過剰になるという問題があり、本願の発明者は、ガラス光ファイバー及びプラスチック光ファイバーの伝送特性を合わせて考慮して、本願を意図的に提供し、本願において、光ファイバーコアの孔径が大きいため、製造コストが低いが、それによる欠点も顕著であり、すなわち、長距離光信号伝送に適せず、しかしながら、本願においてプラスチック光ファイバーの総長さを3メートル以内に制御して、本願の製品は限られた距離内に適切な光信号伝送効果を達成できることにより、製品のコストを大幅に低減し、関連製品の適用分野を大幅に拡大し、実践において、本願の技術により製造された製品のコストは、約7倍~10倍低減することができる。
【0009】
第2、光ファイバーコアの孔径と被覆層の孔径との間の比率が0.6未満の場合に、そのプラスチック光ファイバーの特性はガラス光ファイバーに近いが、このようなプラスチック光ファイバーは加工プロセスが複雑で、製造コストが高く、同様に曲げることができるという特徴を有するが、コストが大幅に増加するとともに、甚だしい場合はガラス光ファイバーのコストを超えるため、ガラス光ファイバーの代わりをする価値はなくなり、本発明は、その比率を適切な範囲に制御し、かつプラスチック光ファイバーの総長さを考慮して、本願を意図的に提供する。
第3、本願は、光ファイバー端面を機能光モジュールに直接的に対応させることにより、光変換器が不要になり、したがって製品のコストを低減し、かつ製品全体の体積を縮小するという効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】従来の技術における光モジュールの原理の概略図である。
【
図2】従来の技術におけるプラスチック光ファイバーコアの孔径の概略図である。
【
図4】本発明のプラスチック光ファイバーの構造の概略図である。
【
図5】本発明の光信号直線形導入部、湾曲部、傾斜固定部及び外部延伸部の概略図である。
【
図8】本発明の光ファイバーコネクターの取り付けの概略図である。
【
図9】本発明の光ファイバーコネクターの断面構造概略図である。
【
図10】本発明の押え部及び突上げ部の概略図である。
【
図11】本発明の取り付け/位置合わせ部の第2実施形態での動作概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図3~
図11に示すとおり、光ファイバー信号直接導入式光モジュールは、コネクター10、制御回路基板20及びプラスチック光ファイバー30を含む。
図3に示すとおり、該制御回路基板20は該コネクター10に接続され、該制御回路基板20に機能光モジュール21が設置され、該プラスチック光ファイバー30が光ファイバー端面31を有し、該光ファイバー端面31は該機能光モジュール21に対応する。
該光ファイバー端面31と該機能光モジュール21の頂面との間の距離Lは50μm~150μmに制御されることにより、光信号を正常に受信できることを保証する。
該光ファイバー端面31から放出された光信号は該機能光モジュール21により直接的に受信することができ、該機能光モジュール21から放出された光信号も該光ファイバー端面31を直接的に透過して該プラスチック光ファイバー30により受信することができる。
【0012】
すなわち、実践において、該機能光モジュール21が光受信モジュールである場合、該プラスチック光ファイバー30中の、該光ファイバー端面31から放出された光信号は該光受信モジュールにより直接的に受信することができ、該機能光モジュール21が光送信モジュールである場合、該光送信モジュールから放出された光信号は該光ファイバー端面31を直接的に透過して該プラスチック光ファイバー30により受信することができる。
【0013】
図4に示すとおり、該プラスチック光ファイバー30は、光ファイバーコア32及び被覆層33を含み、該被覆層33は該光ファイバーコア32の外側を被覆し、該光ファイバーコア32と該被覆層33との間に光伝送反射面34が形成され、光信号を伝送する過程において、光信号は、該光伝送反射面34の反射作用により、主に該光ファイバーコア32内に伝送される。
該光ファイバーコア32の孔径D1と該被覆層33の孔径D2との間の比率D1/D2は0.6以上1未満である。
【0014】
具体的に実施するときに、該光ファイバーコア32の孔径D1と該被覆層33の孔径D2との間の比率D1/D2を0.8以上1未満に設定してもよい。
実践において、一般的には、該被覆層33の孔径D2は約500μmで、該光ファイバーコア32の孔径D1は約485μmである。
該プラスチック光ファイバー30の総長さは(2mm/L)*(D2/D1)*10-D2/250μmメートル未満である。
【0015】
本発明の該プラスチック光ファイバー30の総長さの公式を用いて、具体的に実施するときに、以下の例示的データにより説明する。
例1として、L=150μm、D1/D2=0.8(D2/D1=1/0.8)、D2=750μm、該プラスチック光ファイバー30の総長さは0.016メートル未満であり、(2mm/150μm)*(1/0.8)*10-750μm/250μmメートル=0.016メートル。
例2として、L=50μm、D1/D2=0.9(D2/D1=1/0.9)、D2=500μm、該プラスチック光ファイバー30の総長さは0.44メートル未満であり、(2mm/50μm)*(1/0.9)*10-500μm/250μmメートル=0.44メートル。
例3として、(最も典型的な応用パラメータ)L=100μm、D1/D2=0.95(D2/D1=1/0.95)、D2=250μm、該プラスチック光ファイバー30の総長さは2.11メートル未満であり、(2mm/100μm)*(1/0.95)*10-250μm/250μmメートル=2.11メートル。
【0016】
本発明の主な設計構想は以下のとおりである。
第1、
図1及び
図3に示すとおり、制御回路基板20上の機能光モジュール21は水平に設置され、ガラス光ファイバー(GOF)1が曲げると破断するため、光信号の伝送を実現するために、光変換器4を追加する必要があるが、光変換器4の追加により製品のコストが高くなるうえ、製品の体積も大幅に大きくなる。
ガラス光ファイバー(GOF)1により光を伝送する最も大きな利点は、長距離伝送の場合の光信号減衰が低いことであるが、実際の応用では、大部分の信号伝送は1メートルレベル内に完了され、例えば、ディスプレイとコンピュータ本体との接続、テレビとセットトップボックスとの接続等であり、上記応用シナリオでは、ガラス光ファイバーによる光モジュールを使用すれば、伝送効果が過剰になるという問題がある。
【0017】
本願の発明者はガラス光ファイバー及びプラスチック光ファイバーの伝送特性を合わせて考慮して、本願を意図的に提供し、本願において、光ファイバーのコア32の孔径D1は大きいため、製造コストが低いが、それによる欠点も顕著であり、すなわち、長距離光信号伝送に適せず、しかしながら、本願においてプラスチック光ファイバー30の総長さを3メートル以内に制御して、本願の製品は限られた距離内に適切な光信号伝送効果を達成できることにより、製品のコストを大幅に低減し、関連製品の適用分野を大幅に拡大し、実践において、本願の技術により製造された製品のコストは、約7倍~10倍低減することができる。
【0018】
第2、
図4に示すとおり、光ファイバーコア32の孔径D1と被覆層33の孔径D2との間の比率D1/D2が0.6未満の場合に、そのプラスチック光ファイバーの特性はガラス光ファイバーに近いが、このようなプラスチック光ファイバーは加工プロセスが複雑で、製造コストが高く、同様に曲げることができるという特徴を有するが、コストが大幅に増加するとともに、甚だしい場合はガラス光ファイバーのコストを超えるため、ガラス光ファイバーの代わりをする価値はなくなる。
本発明は、D1とD2の間の比率を適切な範囲に制御し、かつプラスチック光ファイバーの総長さ30を考慮して、本願を意図的に提供する。
【0019】
第3、本願は、光ファイバー端面31を機能光モジュール21に直接的に対応させることにより、光変換器4が不要になり、したがって製品のコストを低減し、かつ製品全体の体積を縮小するという効果を達成することができる。
【0020】
図5に示すとおり、該プラスチック光ファイバー30は、光信号直線形導入部41、湾曲部42、傾斜固定部43及び外部延伸部44を含み、該光信号直線形導入部41、該湾曲部42、該傾斜固定部43及び該外部延伸部44が接続されて該プラスチック光ファイバー30が形成される。
【0021】
該光信号直線形導入部41は該機能光モジュール21に対応し、該光ファイバー端面31は該光信号直線形導入部41の前端部に位置し、該湾曲部42は該光信号直線形導入部41と該傾斜固定部43との間に接続され、該光信号直線形導入部41と該傾斜固定部43との間に、該湾曲部42により変換夾角45が決定されることにより、該光信号直線形導入部41は該機能光モジュール21に対応することができ、該湾曲部42の曲げ程度により該変換夾角45の角度の値が決定される。
具体的な実施において、該変換夾角45を90度~180度に制御し、好ましくは70度~80度に制御する。
【0022】
本発明は、該プラスチック光ファイバー30が曲げることができるという特徴に基づいて、湾曲部42を意図的に設計し、湾曲部42により、該光信号直線形導入部41が該機能光モジュール21に直接的に対応し、さらに従来の技術における光変換器4の構造を省略することができることを強調する価値がある。
従来のガラス光ファイバーが曲げると破断するため、ガラス光ファイバーで製造された光モジュールについて、その構造において湾曲部42の設計がない。
具体的な実施において、該機能光モジュール21は水平に設置され、該光信号直線形導入部41は該機能光モジュール21の真上に位置する。
【0023】
該傾斜固定部43は光ファイバーコネクター100内に固定されて、該光信号直線形導入部41及び該湾曲部42を位置決めする。
該外部延伸部44の外側が被覆層により被覆され、該外部延伸部44は該光モジュールの外部に設置され、該外部延伸部44全体の長さは(2mm/L)*(D2/D1)*10-D2/250μmメートル未満である。
【0024】
図5~
図7に示すとおり、該光モジュールは、該プラスチック光ファイバー30と該制御回路基板20との間に接続された光ファイバーコネクター100をさらに含む。
該光ファイバーコネクター100は、該プラスチック光ファイバー30を該制御回路基板20に固定するとともに、該プラスチック光ファイバー30と該機能光モジュール21との間に光信号を伝送できるように、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31を該制御回路基板20上の該機能光モジュール21に正確に対応させる。
【0025】
従来の技術における光ファイバー1と機能モジュール3との間の突き合わせ及び位置固定は、封止接着剤を用いて封止プロセスにより行われ、一般的には、まず、機能モジュール3を回路基板2に固定し、次に、光ファイバー1及び光変換器4を回路基板2に固定し、最後に、封止接着剤により封止及び固定を行う必要があり、全体として固定する必要がある部品が多いうえ、製造プロセスが複雑であるため、その製造コストが高く、位置合わせを必要とする位置が多く、位置合わせ効果が低いという状況はある。
【0026】
図8に示すとおり、本発明は、該光ファイバーコネクター100を移行部品として用いて固定及び突き合わせを行うことを創造的に提供し、実践においてその主な取り付けステップは以下のとおりである。
ステップ1において、該プラスチック光ファイバー30を該光ファイバーコネクター100内に取り付ける。
ステップ2において、該機能光モジュール21を該制御回路基板20に固定する。
ステップ3において、該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20に直接的に取り付けるだけで、該プラスチック光ファイバー30と該機能光モジュール21との間の突き合わせを完成できる。
その取り付け過程全体が簡単で、操作性が高いうえ、突き合わせ品質を容易に保証できる。
【0027】
本発明の該光ファイバーコネクター100に対する主な設計構想は以下のとおりである。
第1、該プラスチック光ファイバー30と該機能光モジュール21との間に該光ファイバーコネクター100を移行部品として追加することにより、固定/位置合わせ関係を単純にすることができる。
すなわち、該プラスチック光ファイバー30を該光ファイバーコネクター100内に取り付けるとともに、該機能光モジュール21を該制御回路基板20に固定するだけで、部品の初期位置決めを完成することができる。
次に、手動又は自動の方式により該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20に直接的に取り付けるだけで、該プラスチック光ファイバー30と該機能光モジュール21との間の突き合わせを完成することができる。
その取り付け過程全体が簡単で、操作性が高いうえ、突き合わせ品質を保証できる。
【0028】
第2、該光ファイバーコネクター100を追加することにより、封止接着剤及び封止プロセスを省略して、取り付け過程全体が極めて簡単になり、かつ製品コストを大幅に低減できる。
第3、従来の技術における複数の固定、位置合わせ動作を1つの動作(該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20に直接的に取り付ける)に簡略化し、取り付け動作の簡略化により、製品品質及び突き合わせの精度を向上させるという効果を達成する。
【0029】
該光ファイバーコネクター100は、光ファイバー固定部及び取り付け/位置合わせ部を含み、該プラスチック光ファイバー30は該光ファイバー固定部内に設置され、該光ファイバー固定部は該プラスチック光ファイバー30を固定し位置決めする。
該取り付け/位置合わせ部は、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31が該制御回路基板20上の該機能光モジュール21に対応するように、該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20に固定し位置決めする。
【0030】
具体的な実施において、該光ファイバー固定部及び該取り付け/位置合わせ部には複数の実施形態があり、以下ではそれぞれ説明する。
図6及び
図9に示すとおり、該光ファイバー固定部の好ましい第1実施例は以下のとおりである。
該光ファイバー固定部は配線溝210であり、該配線溝210は該光ファイバーコネクター100内に設置され、光ファイバー入口211及び光ファイバー出口222を有し、該プラスチック光ファイバー30の該光信号直線形導入部41、該湾曲部42及び該傾斜固定部43はともに該配線溝200内に固定され、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31は該光ファイバー出口222に位置する。
具体的な実施において、該配線溝210は、該光信号直線形導入部41、該湾曲部42及び該傾斜固定部43が対応して設置された直接導入溝、湾曲溝及び傾斜溝を含む。
【0031】
図9及び
図10に示すとおり、該光ファイバー固定部の好ましい第2実施例は以下のとおりである。
該光ファイバー固定部は、該光ファイバー端面31と該機能光モジュール21の頂面との間の距離Lを調整するように該プラスチック光ファイバー30に作用する調整具をさらに含む。
該調整具は押え部220及び突上げ部230を含み、該押え部220は、該光ファイバーコネクター100内に螺合された螺合柱221と、該螺合柱221の下に枢着された押えブロック222とを含み、該押えブロック222の下に弧状板223が設置され、該弧状板223は該プラスチック光ファイバー30に押圧設置される。
【0032】
該光ファイバーコネクター100内に調整キャビティ240が設置され、該調整キャビティ240は該押え部220の真下に設置され、該突上げ部230は該調整キャビティ240内に設置され、該突上げ部230は枢着ボール231及び突上げキャップ232を含み、該調整キャビティ240の底部にボールキャビティ241が設置され、該枢着ボール231は該ボールキャビティ241内に枢着され、該突上げキャップ232はシリコーンゴムなどの弾性材料で製造され、該突上げキャップ232は該枢着ボール231を被るように固定され、該突上げキャップ232は該枢着ボール231と同期して回転することができる。
【0033】
本発明は、該調整具により該距離Lを微調整でき、具体的な実施において、使用者はツールを用いて該螺合柱221を回すことにより、該押えブロック222で該プラスチック光ファイバー30を押さえることができ、該プラスチック光ファイバー30は下方へ曲げて変形し、変形長さは該調整キャビティ240内に収容され、それにより該距離Lを微調整する作用を達成する。
該突上げ部230が該プラスチック光ファイバー30の物理的形態の維持を補助でき、該枢着ボール231が回転できることにより、両者が互いに押し付けられる時に作用力を和らげると同時に、位置の自己調整を行うことができる。
【0034】
図7に示すとおり、該取り付け/位置合わせ部の好ましい第1実施例は以下のとおりである。
該取り付け/位置合わせ部はコネクター位置決めユニット310及び回路基板位置決めユニット320を含み、該コネクター位置決めユニット310は該光ファイバーコネクター100に設置され、該回路基板位置決めユニット320は該制御回路基板20に設置され、該コネクター位置決めユニット310は該回路基板位置決めユニット320に対応する。
該コネクター位置決めユニット310と該回路基板位置決めユニット320が固定/位置決め関係を確立する場合に、該プラスチック光ファイバー30を該光ファイバーコネクター100により該制御回路基板20に固定し、このとき、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31は該制御回路基板20上の該機能光モジュール21に突き合わせされる。
該コネクター位置決めユニット310と該回路基板位置決めユニット320との間に固定/位置決め関係がない場合に、該光ファイバーコネクター100及び該プラスチック光ファイバー30は該制御回路基板20から分離される。
【0035】
該コネクター位置決めユニット310は複数の位置決めピンを含み、複数の該位置決めピンは該光ファイバーコネクター100に固定接続される。
具体的な実施において、複数の該位置決めピンは該光ファイバーコネクター100の底面に固定接続される。
該回路基板位置決めユニット320は位置決め板であり、該位置決め板に複数のピン孔が設置され、該ピン孔は該位置決めピンと一対一対応し、取り付けるときに、複数の該位置決めピンを複数の該ピン孔内に同時に対応して挿入するだけで、該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20に直接的に取り付ける動作を完成でき、具体的な実施において、2つ又は3つの該位置決めピンを設置するとともに、2つ又は3つの該ピン孔を設置してもよい。
【0036】
図11に示すとおり、該取り付け/位置合わせ部の好ましい第2実施例は以下のとおりである。
該コネクター位置決めユニット310は回転板410及び嵌合ヘッド420を含み、該回転板410は該光ファイバーコネクター100の前端に枢着され、該嵌合ヘッド420は該光ファイバーコネクター100の後端に枢着される。
該回転板410は導入溝411及び枢着溝412を含み、該導入溝411は該枢着溝412と連通する。
該嵌合ヘッド420は第1ボールヘッド421、第2ボールヘッド422及び弧状回転板423を含む。
該第1ボールヘッド421と該第2ボールヘッド422はそれぞれ該弧状回転板423の上下端に接続される。
該第1ボールヘッド421と該第2ボールヘッド422との間にボールヘッドキャビティ424が形成される。
【0037】
該回路基板位置決めユニット320は枢着台510及び固定台520を含み、該枢着台510は該回転板410に対応して該制御回路基板20に設置され、該固定台520は該嵌合ヘッド420に対応して該制御回路基板20に設置される。
該枢着台510に回転軸511が設置され、該固定台520に第1ボールヘッドキャビティ521、第2ボールヘッドキャビティ522及び嵌合ボールヘッド523が設置され、該嵌合ボールヘッド523は該第1ボールヘッドキャビティ521と該第2ボールヘッドキャビティ522との間に設置される。
該第1ボールヘッドキャビティ521は該第1ボールヘッド421に対応し、該第2ボールヘッドキャビティ522は該第2ボールヘッド422に対応し、該嵌合ボールヘッド523は該ボールヘッドキャビティ424に対応する。
【0038】
取り付けるとき、ステップ1において、該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20の上方に配置し、該回転板410を該枢着台510内に下向きに挿入し、該回転軸511を該導入溝411により該枢着溝412内に最後に係止する。
ステップ2において、該光ファイバーコネクター100を後向きに水平に押し、該光ファイバーコネクター100は該回転軸511を中心軸として下向きに反転する。
ステップ3において、該嵌合ヘッド420を該固定台520に係止することにより、該光ファイバーコネクター100を該制御回路基板20に固定して、該プラスチック光ファイバー30の該光ファイバー端面31を該制御回路基板20上の該機能光モジュール21に対応させる。
【0039】
該嵌合ヘッド420を該固定台520に係止する過程において、まず、該第1ボールヘッド421が該第1ボールヘッドキャビティ521内に進入し、次に、該弧状回転板423全体を回転させることにより、該第2ボールヘッド422が該第2ボールヘッドキャビティ522内に徐々に進入し、この過程において、該嵌合ボールヘッド523も該ボールヘッドキャビティ424内に徐々に進入し、最後に、該第2ボールヘッド422が該第2ボールヘッドキャビティ522内に係止され、該嵌合ボールヘッド523が該ボールヘッドキャビティ424内に係止されたときに、該嵌合ヘッド420を該固定台520に係止する動作を完了する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明が上記構造設計を用いると、以下の効果を有する。まず、該回転板410を該枢着台510内に下向きに挿入し、次に、該光ファイバーコネクター100を水平に押して取り付ける方式により、該光ファイバーコネクター100と該制御回路基板20との直接衝撃を効果的に回避して、回路基板を保護することができ、また、該固定台520及び該嵌合ヘッド420の構造設計により、取り付け/固定動作をスムーズに行うことができ、直接的に取り付けるときの衝撃力を大幅に低減して、構造を保護することができ、上述したように、該嵌合ヘッド420を該固定台520に係止する過程において、その各構造の接続がスムーズで信頼性が高く、取り付け動作をスムーズに行い、取り付けの衝撃力をできるだけ低減して、製品の構造を保護することができる。