(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152638
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】燃料電池システム制御装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04225 20160101AFI20231010BHJP
H01M 8/04228 20160101ALI20231010BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20231010BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20231010BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20231010BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20231010BHJP
H01M 8/04302 20160101ALI20231010BHJP
H01M 8/04303 20160101ALI20231010BHJP
H01M 8/04664 20160101ALI20231010BHJP
【FI】
H01M8/04225
H01M8/04228
H01M8/04537
H01M8/04858
H01M8/04746
H01M8/04 Z
H01M8/04302
H01M8/04303
H01M8/04664
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189587
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0041598
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ウォンシク
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジェクァン
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127AB11
5H127AB29
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA58
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127DA02
5H127DA11
5H127DB42
5H127DB66
5H127DC22
5H127DC42
5H127DC96
(57)【要約】 (修正有)
【課題】燃料電池システムの低温始動及び低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)を制御する装置及びその方法を提供する。
【解決手段】モニタリング部110が、一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングし、制御部120が、モニタリングされた累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定し、代表燃料電池スタックの低温始動を行い、低温始動が完了した代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動することにより、低温始動及び低温始動停止に使用される電力を効率化する効果を提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池モジュールを構成する一つ以上の燃料電池スタックと連結され、前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングするモニタリング部と、
前記モニタリングされた前記累積出力量又は前記累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定し、
前記代表燃料電池スタックの低温始動を行い、
低温始動が完了した前記代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う制御部を含む燃料電池システム制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
燃料電池スタックに個別的に連結された空気圧縮機を駆動して低温始動を行う、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
両方向コンバータ(BLDC、Bi-directional Low voltage DC-DC Converter)を介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記代表燃料電池スタックを選定し、
前記低電圧バッテリーの出力を用いて前記代表燃料電池スタックの低温始動を行う、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記両方向コンバータ及び前記低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記累積出力量又は累積駆動時間が最も大きい燃料電池スタックを前記代表燃料電池スタックとして選定する、請求項3に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定し、
前記低温始動優先順位に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗する、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス(Bypass)運転を介して消耗する、請求項6に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、
低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を用いて、前記一つ以上の燃料電池スタックに連結された高電圧バッテリーを充電する、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項9】
前記燃料電池モジュールは、一つの燃料電池スタックの出力を一つの空気圧縮機の駆動に必要な出力で割った値に基づいて、決定された個数の燃料電池スタックで構成される、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、
上位制御器から前記燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行う、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、
低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力が前記燃料電池モジュールに求められる電力以上になるように、低温始動される燃料電池スタックの個数を決定する、請求項10に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記燃料電池モジュールに求められる電力から低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力を引いた値に基づいて、既に低温始動が完了した燃料電池スタックの出力を制御する、請求項10に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)優先順位を決定し、
前記低温始動停止優先順位に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止を行う、請求項1に記載の燃料電池システム制御装置。
【請求項14】
燃料電池モジュールを構成する一つ以上の燃料電池スタックと連結されるモニタリング部が、前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングする段階と、
制御部が、前記モニタリングされた前記累積出力量又は前記累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階と、
前記制御部が、前記代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階と、
前記制御部が、低温始動が完了した前記代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う段階と、を含む、燃料電池システム制御方法。
【請求項15】
前記制御部が、前記一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階は、
前記制御部が、両方向コンバータを介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記代表燃料電池スタックを選定する段階を含み、
前記制御部が、前記代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階は、
前記制御部が、前記低電圧バッテリーの出力を用いて前記代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階を含む、請求項14に記載の燃料電池システム制御方法。
【請求項16】
前記制御部が、両方向コンバータを介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記代表燃料電池スタックを選定する段階は、
前記制御部が、前記両方向コンバータ及び前記低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記累積出力量又は累積駆動時間が最も大きい燃料電池スタックを前記代表燃料電池スタックとして選定する段階を含む、請求項15に記載の燃料電池システム制御方法。
【請求項17】
前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗する段階をさらに含む、請求項14に記載の燃料電池システム制御方法。
【請求項18】
前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗する段階は、
前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス運転を介して消耗する段階を含む、請求項17に記載の燃料電池システム制御方法。
【請求項19】
前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を用いて、前記一つ以上の燃料電池スタックに連結された高電圧バッテリーを充電する段階をさらに含む、請求項14に記載の燃料電池システム制御方法。
【請求項20】
前記制御部が、上位制御器から前記燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行う段階をさらに含む、請求項14に記載の燃料電池システム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
燃料電池システム制御装置及びその方法に関し、より詳しくは、燃料電池システムの低温始動及び低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)を制御する装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、燃料電池システムは、動力源として使用する複数の燃料電池セルを積層させた燃料電池スタック、燃料電池スタックに燃料である水素などを供給する燃料供給システム、電気化学反応に必要な酸化剤である酸素を供給する空気供給システム、燃料電池スタックの温度を制御する水と熱管理システムなどを含む。
【0003】
高出力を求める燃料電池発電システムの場合、多数の燃料電池モジュール(システム)を並列に連結して出力量を高めることにより具現化される。既存の高出力多モジュール燃料電池発電システムは、燃料電池モジュールの出力制御のために、個別燃料電池モジュールに出力制御用ブーストコンバータを追加で取り付けて構成された。この際、多数の燃料電池モジュールを並列に連結する場合、発電システム全体の絶縁抵抗を安全な水準に確保するために、出力制御用コンバータは、単方向の絶縁型タイプのコンバータが用いられた。燃料電池の低温始動及び低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)のためには、空気圧縮機の駆動が必要であり、単方向ブーストコンバータの使用により、低温始動とCSD遂行時のコンバータ出力側のエネルギー源(ex.バッテリー)を使用することができない。したがって、個別燃料電池モジュールごとに追加的な始動用電力供給装置が連結されて構成されなければならなかった。また、CSDのために、高電圧バッテリーの電力を用いるためのバックコンバータも連結され、その構成が複雑であった。したがって、このような問題点を解決するための技術の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、燃料電池システムの低温始動及び低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)を制御する装置及びその方法を提供する。
【0005】
本発明の他の実施形態は、多モジュール燃料電池発電システムに使用される低電圧バッテリー及びBLDC(Bi-directional Low voltage DC-DC Converter)の個数を減らし、制御複雑度を減少させる燃料電池システム制御装置及びその方法を提供する。
【0006】
本発明のさらに他の実施形態は、低温始動状況で燃料電池スタックの累積使用量が最も多いスタックを先に昇温させることにより、昇温効率を向上させ、低温始動に使用される電力を効率化する燃料電池システム制御装置及びその方法を提供する。
【0007】
本発明のさらに他の実施形態は、低温始動又は低温始動停止時、高電圧バッテリーの充電を可能にする燃料電池システム制御装置及びその方法を提供する。
【0008】
本発明のさらに他の実施形態は、必要に応じてモジュール内の代表燃料電池スタック又は優先順位の高い一部燃料電池スタックを駆動させることにより、最小出力制御時の出力の総合が要求電力よりも大きくなる可能性があるという問題を解決する燃料電池システム制御装置及びその方法を提供する。
【0009】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置は、燃料電池モジュールを構成する一つ以上の燃料電池スタックと連結され、前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングするモニタリング部、及び前記モニタリングされた前記累積出力量又は前記累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定し、前記代表燃料電池スタックの低温始動を行い、低温始動が完了した前記代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う制御部を含んでよい。
【0011】
一実施形態において、前記制御部は、燃料電池スタックに個別的に連結された空気圧縮機を駆動して低温始動を行うことができる。
【0012】
一実施形態において、前記制御部は、両方向コンバータ(BLDC、Bi-directional Low voltage DC-DC Converter)を介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記代表燃料電池スタックを選定し、前記低電圧バッテリーの出力を用いて前記代表燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
【0013】
一実施形態において、前記制御部は、前記両方向コンバータ及び前記低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記累積出力量又は累積駆動時間が最も大きい燃料電池スタックを前記代表燃料電池スタックとして選定することができる。
【0014】
一実施形態において、前記制御部は、前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定し、前記低温始動優先順位に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を制御することができる。
【0015】
一実施形態において、前記制御部は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗することができる。
【0016】
一実施形態において、前記制御部は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス(Bypass)運転を介して消耗することができる。
【0017】
一実施形態において、前記制御部は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を用いて、前記一つ以上の燃料電池スタックに連結された高電圧バッテリーを充電することができる。
【0018】
一実施形態において、前記燃料電池モジュールは、一つの燃料電池スタックの出力を一つの空気圧縮機の駆動に必要な出力で割った値に基づいて、決定された個数の燃料電池スタックで構成され得る。
【0019】
一実施形態において、前記制御部は、上位制御器から前記燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
【0020】
一実施形態において、前記制御部は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力が前記燃料電池モジュールに求められる電力以上になるように、低温始動される燃料電池スタックの個数を決定することができる。
【0021】
一実施形態において、前記制御部は、前記燃料電池モジュールに求められる電力から低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力を引いた値に基づいて、既に低温始動が完了した燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0022】
一実施形態において、前記制御部は、前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)優先順位を決定し、前記低温始動停止優先順位に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止を行うことができる。
【0023】
本発明の他の一実施形態による燃料電池システム制御方法は、燃料電池モジュールを構成する一つ以上の燃料電池スタックと連結されるモニタリング部が、前記一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングする段階、制御部が、前記モニタリングされた前記累積出力量又は前記累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階、前記制御部が、前記代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階、及び前記制御部が、低温始動が完了した前記代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う段階を含んでよい。
【0024】
一実施形態において、前記制御部が、前記一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階は、前記制御部が、両方向コンバータを介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記代表燃料電池スタックを選定する段階を含み、前記制御部が、前記代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階は、前記制御部が、前記低電圧バッテリーの出力を用いて前記代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階を含んでよい。
【0025】
一実施形態において、前記制御部が、両方向コンバータを介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記代表燃料電池スタックを選定する段階は、前記制御部が、前記両方向コンバータ及び前記低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち前記累積出力量又は累積駆動時間が最も大きい燃料電池スタックを前記代表燃料電池スタックとして選定する段階を含んでよい。
【0026】
一実施形態において、前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗する段階をさらに含んでよい。
【0027】
一実施形態において、前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗する段階は、前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、前記低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス運転を介して消耗する段階を含んでよい。
【0028】
一実施形態において、前記制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を用いて、前記一つ以上の燃料電池スタックに連結された高電圧バッテリーを充電する段階をさらに含んでよい。
【0029】
一実施形態において、前記制御部が、上位制御器から前記燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、前記一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行う段階をさらに含んでよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る燃料電池システム制御装置及びその方法の効果について説明すると、次のとおりである。
【0031】
本発明の実施形態の少なくとも一つによれば、燃料電池システムの低温始動及び低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)を制御する装置及びその方法を提供することができる。
【0032】
また、本発明の実施形態の少なくとも一つによれば、多モジュール燃料電池発電システムに用いられる低電圧バッテリー及びBLDC(Bi-directional Low voltage DC-DC Converter)の個数を減らし、制御複雑度を減少させる燃料電池システム制御装置及びその方法を提供することができる。
【0033】
また、本発明の実施形態の少なくとも一つによれば、低温始動状況で燃料電池スタックの累積使用量が最も多いスタックを先に昇温させることにより、昇温効率を向上させ、低温始動に使用される電力を効率化する燃料電池システム制御装置及びその方法を提供することができる。
【0034】
また、本発明の実施形態の少なくとも一つによれば、低温始動又は低温始動停止時、高電圧バッテリーの充電を可能にする燃料電池システム制御装置及びその方法を提供することができる。
【0035】
また、本発明の実施形態の少なくとも一つによれば、必要に応じてモジュール内の代表燃料電池スタック又は優先順位の高い一部燃料電池スタックを駆動させることにより、最小出力制御時の出力の総合が要求電力よりも大きくなる可能性があるという問題を解決する燃料電池システム制御装置及びその方法を提供することができる。
【0036】
この他に、本文書を介して直接的又は間接的に把握される様々な効果が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置を示すブロック図である。
【
図2】既存の燃料電池発電システムの具体的な構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による燃料電池発電システムの具体的な構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による多モジュール燃料電池発電システムを示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置が空気圧縮機のバイパス(Bypass)運転を介して電力を消耗することを示す図である。
【
図6a】本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6b】本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6c】本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6d】本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態による燃料電池システム制御方法を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態によるコンピューティングシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の一部実施形態を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するに当たり、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一の符号を有するように留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するに当たり、関連した公知の構成又は機能に対する具体的な説明が、本発明の実施形態に対する理解を妨害すると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0039】
本発明の実施形態の構成要素を説明するに当たり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用してよい。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語により当該構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されるものではない。また、特に定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。一般的に用いられる辞典に定義されている用語と同様の用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味として解釈されなければならず、本出願において明らかに定義されていない限り、理想的かつ過度に形式的な意味に解釈されるものではない。
【0040】
以下、
図1~
図8を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置を示すブロック図である。
【0042】
本発明に係る燃料電池システム制御装置100は、燃料電池システムの内部又は外部に具現化されてよい。この際、燃料電池システム制御装置100は、燃料電池システムの内部制御ユニットと一体に形成されてもよく、別途のハードウェア装置として具現化され、連結手段によって燃料電池システムの制御ユニットと連結されてもよい。
【0043】
一例として、燃料電池システム制御装置100は、燃料電池システムと一体に具現化されてもよく、燃料電池システムと別個の構成で燃料電池システムに設置/付着される形態として具現化されてもよく、又は、一部は燃料電池システムと一体に具現化され、他の一部は燃料電池システムと別個の構成で燃料電池システムに設置/付着される形態として具現化されてもよい。
【0044】
燃料電池システム制御装置100は、一つ以上の燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールに備えられるか、燃料電池モジュールと連結されてよい。
【0045】
一例として、燃料電池システムは、車両内部に備えられ、車両のモーター及びその他補機類に電力を供給してよい。ただし、燃料電池システムは、車両に限定されず、他の電力が必要な対象に電力を供給するように具現化されてもよい。
【0046】
燃料電池システム制御装置100に連結される燃料電池モジュールの一つ以上の燃料電池スタックは、並列に連結され、系統に電力を供給してよい。
【0047】
図1を参照すれば、燃料電池システム制御装置100は、モニタリング部110及び制御部120を含んでよい。
【0048】
モニタリング部110及び制御部120は、後述するデータ処理及び/又は計算を行うプロセッサを含んでよい。また、モニタリング部110及び制御部120は、データ処理及び/又は計算を行う過程で必要なデータ又はアルゴリズムが格納されるメモリーを含んでよい。
【0049】
モニタリング部110及び制御部120に含まれ得るプロセッサは、ソフトウェアの命令を実行する電気回路になってよい。例えば、モニタリング部110及び制御部120に含まれるプロセッサは、FCU(Fuel-cell Control Unit)、ECU(Electronic Control Unit)、MCU(Micro Controller Unit)又は他の下位制御器であってよい。
【0050】
モニタリング部110及び制御部120に含まれ得るメモリーは、フラッシュメモリータイプ(Flash memory type)、ハードディスクタイプ(Hard disk type)、マイクロタイプ(Micro type)、又はカードタイプ(例えば、SDカード(Secure Digital Card)、又はXDカード(eXtream Digital Card))などのメモリーと、ラム(RAM、Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、ロム(ROM、Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、磁気メモリー(MRAM、Magnetic RAM)、磁気ディスク(magnetic disk)、又は光ディスク(Optical disk)タイプのメモリーの少なくとも一つのタイプの記録媒体(Storage medium)を含んでよい。
【0051】
モニタリング部110は、燃料電池モジュールを構成する一つ以上の燃料電池スタックと連結され、一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングすることができる。
【0052】
一例として、モニタリング部110は、個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に関する情報を格納する不揮発性メモリー(NVM、Non-Volatile Memory)を含んでよい。
【0053】
一例として、モニタリング部110は、燃料電池スタックの駆動が終了すると、不揮発性メモリーに格納された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に関する情報をアップデートすることができる。
【0054】
この過程で、モニタリング部110は、燃料電池スタックの駆動が終了すると、以前駆動過程まで累積された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間に、最近駆動で個別燃料電池スタックの出力量又は駆動時間を加えることにより、不揮発性メモリーに格納された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間に関する情報をアップデートすることができる。
【0055】
一例として、モニタリング部110は、リアルタイムで一つ以上の燃料電池スタックが持続的に駆動された時間又は持続的に出力された電力量を個別的にモニタリングすることができる。
【0056】
一例として、モニタリング部110は、以前駆動過程まで累積された個別燃料電池スタックの累積駆動時間は、考慮されない現在個別燃料電池スタックの駆動過程で連続的に駆動された時間又は出力された電力量を個別的にモニタリングすることができる。
【0057】
一例として、モニタリング部110は、不揮発性メモリーに格納された以前駆動過程まで累積された個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に関する情報、及びリアルタイムで測定された個別燃料電池スタックの出力量又は駆動時間の少なくとも一つ以上を介して、リアルタイムで個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を判断することができる。
【0058】
一例として、モニタリング部110は、制御部120と無線又は有線通信を介して連結され、制御部120に一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に関する情報をリアルタイムで制御部120に伝達されてよい。
【0059】
制御部120は、モニタリングされた累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定することができる。
【0060】
累積出力量又は累積駆動時間が大きいほど、燃料電池スタックは、耐久度が大幅低下したか、大幅劣化した可能性がある。
【0061】
耐久度が低下したか、劣化した燃料電池スタックは、EOL(End Of Life)に近い可能性がある。
【0062】
EOL(End Of Life)に近い燃料電池スタックであるほど、出力効率が低下し、発熱量が大きくなる可能性がある。したがって、EOLに近い燃料電池スタックであるほど、低温始動時に昇温に有利になり得る。
【0063】
ただし、モニタリング部110は、燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間をモニタリングする過程で、低温始動、低温始動停止時の出力量又は駆動時間は累積しないことがある。
【0064】
また、モニタリング部110は、燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間をモニタリングする過程で、極低出力動作時間又は出力量を累積しないことがある。
【0065】
これによって、制御部120は、昇温に有利な燃料電池スタックを代表燃料電池スタックとして選定することにより、燃料電池スタックの低温始動を効率的に行うことができる。
【0066】
一例として、制御部120は、両方向コンバータ(BLDC、Bi-directional Low voltage DC-DC Converter)を介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定することができる。
【0067】
代表燃料電池スタックは、燃料電池モジュールに含まれる燃料電池スタックのうち最も先に低温始動が行われるので、他の燃料電池スタックから出力が供給され得ない。
【0068】
したがって、代表燃料電池スタックは、両方向コンバータを介して連結された低電圧バッテリーを介して電力が供給されて空気圧縮機を駆動させることにより、低温始動を行うことができる。
【0069】
すなわち、代表燃料電池スタックは、必然的に低電圧バッテリーと連結されている燃料電池スタックにならなければならないので、制御部120は、両方向コンバータを介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定することができる。
【0070】
一例として、制御部120は、両方向コンバータ及び低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち累積出力量又は累積駆動時間が最も大きい燃料電池スタックを代表燃料電池スタックとして選定することができる。
【0071】
燃料電池モジュールに含まれる燃料電池スタックのうち、一つの燃料電池スタックのみが両方向コンバータ及び低電圧バッテリーと連結されている場合、制御部120は、累積出力量又は累積駆動時間を考慮せずにその両方向コンバータ及び低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックを代表燃料電池スタックとして選定することができる。
【0072】
燃料電池モジュールに含まれる燃料電池スタックのうち、二つ以上の燃料電池スタックのみが両方向コンバータ及び低電圧バッテリーと連結されている場合、制御部120は、両方向コンバータ及び低電圧バッテリーと連結された二つ以上の燃料電池スタックのうち累積出力量又は累積駆動時間が最も大きい燃料電池スタックを代表燃料電池スタックとして選定することができる。
【0073】
制御部120は、代表燃料電池スタックの低温始動を行い、低温始動が完了した代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
【0074】
一例として、制御部120は、低電圧バッテリーの出力を用いて代表燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を駆動することにより、代表燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
【0075】
一例として、制御部120は、低温始動が完了した代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックに個別的に連結された空気圧縮機を駆動することにより、残り燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
【0076】
一例として、燃料電池モジュールは、一つの燃料電池スタックの出力を一つの空気圧縮機の駆動に必要な出力で割った値に基づいて、決定された個数の燃料電池スタックで構成されてよい。
【0077】
一つの燃料電池スタックの出力を一つの空気圧縮機の駆動に必要な出力で割った値以下である個数の燃料電池スタックが一つの燃料電池モジュールとして構成されるので、燃料電池システム制御装置100は、一つの燃料電池スタックから生成された出力で残り燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を同時に駆動することができる。
【0078】
一例として、燃料電池スタック1つの出力が50kWであり、空気圧縮機の駆動に必要な出力が10kWである場合、50kW/10kW=5個の燃料電池スタックが一つのモジュールとして構成され、燃料電池システム制御装置100は、一つの燃料電池スタックから生成された出力で残り燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を同時に駆動することができる。
【0079】
一例として、制御部120は、一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定し、低温始動優先順位に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を制御することができる。
【0080】
一つ以上の燃料電池スタックのうち、一部燃料電池スタックの始動のみ必要な場合があることもあるので、制御部120は、低温始動優先順位の高い手順で一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を制御することにより、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動の効率性を高めることができる。
【0081】
累積出力量又は累積駆動時間が高いほど燃料電池スタックの発熱効率が大きくなるので、低温始動の効率性の高い燃料電池スタックであってよい。したがって、制御部120は、累積出力量又は累積駆動時間が高いほど、燃料電池スタックの低温始動優先順位を高く付与することができる。
【0082】
一例として、制御部120は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗することができる。
【0083】
燃料電池スタックの低温始動過程で、低温始動中の燃料電池スタックから出力される電力が消耗されなければならない。
【0084】
一例として、制御部120は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス(Bypass)運転を介して消耗することができる。
【0085】
空気圧縮機のバイパス運転については、
図5を介して具体的に説明する。
【0086】
一例として、制御部120は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を用いて、一つ以上の燃料電池スタックに連結された高電圧バッテリーを充電することができる。
【0087】
一つ以上の燃料電池スタックに高電圧バッテリーが連結されている場合、制御部120は、消耗させなければならない低温始動中の燃料電池スタックから出力される電力を介して、高電圧バッテリーを充電することができる。
【0088】
ただし、制御部120は、高電圧バッテリーを充電する前に、高電圧バッテリーの現在SOC(State Of Charge)が目標SOCよりも低いか否かを判断し、低い場合にのみ高電圧バッテリーを充電することができる。
【0089】
一例として、制御部120は、上位制御器から燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
【0090】
一例として、制御部120は、上位制御器から燃料電池モジュールに求められる電力に関する情報が伝達されてよい。
【0091】
一例として、制御部120は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力が燃料電池モジュールに求められる電力以上になるように、低温始動される燃料電池スタックの個数を決定することができる。
【0092】
これによって、制御部120は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力を介して、上位制御器から求められる電力を満たすことができる。
【0093】
この際、制御部120は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力のうち、上位制御器から求められる電力を満たし、残り電力を低温始動中ではなく他の燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス運転を介して消耗することができる。
【0094】
この過程で、消耗される電力を以下の[数式1]を参照して計算され得る。
【数1】
ここで、P
Etcは、低温始動中ではなく他の燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗しなければならない総電力を意味し、P
allは、上位制御器から求められる電力を意味し、P
Cldは、低温始動時に一つの燃料電池スタックから生成される出力を意味し、N
Pmcは、低温始動中の燃料電池スタックの個数を意味し、P
oneは、低温始動中ではなく他の燃料電池スタックの一つに連結された空気圧縮機を介して消耗しなければならない電力を意味し、Nは、燃料電池モジュール内の燃料電池スタックの総個数を意味してよい。
【0095】
一例として、制御部120は、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力が燃料電池モジュールに求められる電力以上になる最小個数の低温始動される燃料電池スタックの個数を決定し、決定された個数の燃料電池スタックを低温始動することができる。
【0096】
一例として、制御部120は、燃料電池モジュールに求められる電力から低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力を引いた値に基づいて、既に低温始動が完了した燃料電池スタックの出力を制御することができる。
【0097】
一例として、制御部120は、燃料電池モジュールに求められる電力から低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力を引いた値を、既に低温始動が完了した燃料電池スタックの個数で割った値であって、既に低温始動が完了した燃料電池スタックの個別出力を制御することができる。
【0098】
一例として、制御部120は、一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)優先順位を決定し、低温始動停止優先順位に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止を行うことができる。
【0099】
一例として、制御部120は、代表燃料電池スタック又は駆動中の他の燃料電池スタックの出力を介して、低温始動停止される燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を駆動して低温始動停止を行うことができる。
【0100】
一例として、制御部120は、低温始動停止優先順位を低温始動優先順位と反対に設定することができる。
【0101】
すなわち、累積出力量又は累積駆動時間の低い燃料電池スタックであるほど、低温始動停止優先順位が高い可能性がある。
【0102】
累積出力量又は累積駆動時間が低いほど、燃料電池スタックに連結された空気圧縮機の効率が高い可能性がある。
【0103】
したがって、制御部120は、累積出力量又は累積駆動時間の低い燃料電池スタックを先に低温始動停止することにより、低温始動停止の効率を向上させることができる。
【0104】
図2は、既存の燃料電池発電システムの具体的な構成を示す図である。
【0105】
図2を参照すれば、既存の燃料電池発電システム200は、多数の燃料電池スタック201(PMC、Power Module Complete)を含んでよい。
【0106】
多数の燃料電池スタック201は、求められる高出力の具現化のために、並列に連結されて系統207(Grid)に電力を供給することができる。
【0107】
多数の燃料電池スタック201それぞれに連結されたブーストコンバータ205(Boost Converter、FDC Boost、Fuel-Cell DC-DC Converter Boost)は、多数の燃料電池スタック201を介して生成された電力を昇圧制御して系統207に伝達することができる。
【0108】
絶縁抵抗が安全な水準に維持されるために、ブーストコンバータ205は、単方向の絶縁型タイプのコンバータとして具現化されてよい。
【0109】
多数の燃料電池スタック201は、空気圧縮機202の駆動によって、それぞれの燃料電池スタックの低温始動又は低温始動停止を行うことができる。
【0110】
既存の燃料電池スタック201は、それぞれ低電圧用の両方向コンバータ203(BLDC、Bi-directional Low voltage DC-DC Converter)を介して低電圧バッテリー204と連結されてよい。
【0111】
既存の燃料電池スタック201の低温始動時の低電圧バッテリー204を介して生成された電力は、低電圧用の両方向コンバータ203を介して制御され、空気圧縮機202に伝達されてよい。
【0112】
既存の燃料電池スタック201の低温始動時の空気圧縮機202は、低電圧バッテリー204の電力を介して駆動されてよい。
【0113】
高電圧バッテリー208は、既存の燃料電池発電システム200の外部に連結されてよい。
高電圧バッテリー208を介して生成された電力は、バックコンバータ206(Buck Converter、FDC Buck、Fuel-Cell DC-DC Converter Buck)を介して減圧制御され、空気圧縮機202に伝達されてよい。
既存の燃料電池スタック201の低温始動停止時の空気圧縮機202は、高電圧バッテリー208の電力を介して駆動されてよい。
既存の燃料電池発電システム200には、燃料電池スタック201の低温始動及び低温始動停止のために、構成が複雑でありかつ制御複雑度が高いという問題があった。
図3は、本発明の一実施形態による燃料電池発電システムの具体的な構成を示す図である。
図3を参照すれば、燃料電池発電システム300は、代表燃料電池スタック301及び残り燃料電池スタック302を含んでよい。
代表燃料電池スタック301及び残り燃料電池スタック302は、求められる高出力の具現化のために、並列に連結され、系統311に電力を供給することができる。
代表燃料電池スタック301及び残り燃料電池スタック302それぞれに連結されたブーストコンバータ306、308は、代表燃料電池スタック301及び残り燃料電池スタック302を介して生成された電力を昇圧制御して系統311に伝達することができる。
絶縁抵抗が安全な水準に維持されるために、ブーストコンバータ306、308は、単方向の絶縁型タイプのコンバータとして具現化されてよい。
代表燃料電池スタック301及び残り燃料電池スタック302は、それぞれに連結された空気圧縮機303、307の駆動によって、それぞれの燃料電池スタックの低温始動又は低温始動停止を行うことができる。
代表燃料電池スタック301は、低電圧用の両方向コンバータ304を介して低電圧バッテリー305と連結されてよい。
代表燃料電池スタック301の低温始動又は低温始動停止時の低電圧バッテリー305を介して生成された電力は、低電圧用の両方向コンバータ304を介して制御され、空気圧縮機303に伝達されてよい。
代表燃料電池スタック301の低温始動又は低温始動停止時の代表燃料電池スタック301と連結された空気圧縮機303は、低電圧バッテリー305の電力を介して駆動されてよい。
残り燃料電池スタック302の場合、低電圧バッテリー及び低電圧用の両方向コンバータが連結されない可能性がある。
残り燃料電池スタック302の低温始動又は低温始動停止時の代表燃料電池スタック301を介して生成された電力は、ブーストコンバータ306及びバックコンバータ310を介して、残り燃料電池スタック302に連結された空気圧縮機307に伝達されてよい。
残り燃料電池スタック302の低温始動又は低温始動停止時の残り燃料電池スタック302と連結された空気圧縮機307は、代表燃料電池スタック301の電力を介して駆動されてよい。
残り燃料電池スタック302の低温始動又は低温始動停止時の残り燃料電池スタック302に連結されたリレー309がオン状態に制御され、代表燃料電池スタック301の電力が空気圧縮機307に伝達されてよい。
本発明に係る燃料電池発電システム300は、燃料電池スタックの低温始動又は低温始動停止のために、外部の高電圧バッテリーと連結されなくてもよい。
これによって、燃料電池発電システムの構造が簡素化され、制御複雑度も減少する可能性がある。
図4は、本発明の一実施形態による多モジュール燃料電池発電システムを示す図である。
図4を参照すれば、多モジュール燃料電池発電システムは、一つ以上の燃料電池モジュール401、402を含んでよい。
ここで、それぞれの燃料電池モジュール401、402は、
図3の燃料電池発電システム300に対応する構成として理解され得る。
制御部403は、複数の燃料電池モジュール401、402の状態を診断及びモニタリングすることができる。
一例として、制御部403は、系統404から求められる電力に基づいて、複数の燃料電池モジュール401、402に求められる電力を分配して決定することができる。
また、制御部403は、複数の燃料電池モジュール401、402の低温始動及び低温始動停止を制御することができる。
制御部403は、それぞれの燃料電池モジュール401、402に含まれる燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上をモニタリング及び管理することができる。
制御部403は、必要に応じて、それぞれの燃料電池モジュール401、402の代表燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、それぞれの燃料電池モジュール401、402間の低温始動又は低温始動停止の手順を決定し、決定された手順に従ってそれぞれの燃料電池モジュール401、402の低温始動又は低温始動停止を制御することができる。
図5は、本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置が空気圧縮機のバイパス(Bypass)運転を介して電力を消耗することを示す図である。
図5を参照すれば、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動又は低温始動停止時に発生する出力を低温始動又は低温始動停止中ではなく他の燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス運転を介して消耗することができる。
ここで、空気圧縮機のバイパス運転は、空気圧縮機が駆動して生成された空気を燃料電池スタックに供給せずに、バイパス経路を介して直ちに燃料電池スタックの空気出口又は加湿モジュールに供給する運転を意味してよい。
この場合、酸化極(Anode)に供給された水素は、水素パージ流路を介して空気出口又は加湿モジュールに供給されてよい。
燃料電池システム制御装置は、低温始動又は低温始動停止中ではなく他の燃料電池スタックに連結された空気圧縮機の駆動によって、低温始動又は低温始動停止中の燃料電池スタックから生成された電力を消耗することができる。
また、燃料電池システム制御装置は、低温始動又は低温始動停止中ではなく他の燃料電池スタックに連結された空気圧縮機の駆動によって発生した空気をバイパス経路を介して処理することができる。
図6a~
図6dは、本発明の一実施形態による燃料電池システム制御装置の動作を示すフローチャートである。
図6aを参照すれば、燃料電池システム制御装置は、低温始動条件を満たすか否かを確認することができる(S601)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、外気温度と既設定された基準温度とを比べた結果に基づいて、低温始動停止条件が満たされたか否かを確認することができる。
燃料電池システム制御装置は、低温始動条件を満たさない場合、燃料電池スタックを正常始動することができる(S602)。
燃料電池システム制御装置は、低温始動条件を満たす場合、個別燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間をモニタリングすることができる(S603)。
燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックに高電圧バッテリーが連結されているか否かを確認することができる(S604)。
燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックに高電圧バッテリーが連結されていると判断される場合、高電圧バッテリーの目標SOCが現在高電圧バッテリーのSOCを超えるか否かを確認することができる(S605)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、高電圧バッテリーと連結されたバッテリーセンサーから現在高電圧バッテリーのSOCに関する情報を獲得し、目標SOCが現在高電圧バッテリーのSOCを比べることができる。
燃料電池システム制御装置は、高電圧バッテリーの目標SOCが現在高電圧バッテリーのSOCを超える場合、S608の動作を行うことができる。
燃料電池システム制御装置は、高電圧バッテリーの目標SOCが現在高電圧バッテリーのSOCを超えない場合、現在水素濃度が基準値以上であるか否かを確認することができる(S606)。
燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックに高電圧バッテリーが連結されていないと判断される場合、現在水素濃度が基準値以上であるか否かを確認することができる(S606)。
燃料電池システム制御装置は、現在水素濃度が基準値以上ではない場合、再びS606に戻って現在水素濃度が基準値以上であるか否かを確認することができる。
燃料電池システム制御装置は、現在水素濃度が基準値以上である場合、上位制御器から電力が求められるか否かを確認することができる(S607)。
燃料電池システム制御装置は、上位制御器から電力が求められない場合、S609の動作を行うことができる。
燃料電池システム制御装置は、上位制御器から電力が求められる場合、S610の動作を行うことができる。
図6bを参照すれば、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定することができる(S611)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、累積出力量又は累積駆動時間に応じて燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定することができる。
燃料電池システム制御装置は、優先順位に応じて燃料電池スタックの昇温及び低温始動を行うことができる(S612)。
燃料電池システム制御装置は、高電圧バッテリーを充電することができる(S613)。
一例として、優先順位の高い手順で1つずつ燃料電池スタックを昇温及び低温始動させ、低温始動中に発生する電力を介して高電圧バッテリーを目標SOCまで充電することができる。
燃料電池システム制御装置は、低温始動が完了したか否かを確認することができる(S614)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、スタック冷却水出口温度を基準値と比べた結果に基づいて、低温始動が完了したか否かを確認することができる。
燃料電池システム制御装置は、低温始動が完了しない場合、再びS608の動作に戻ることができる。
示されていないが、一例として、燃料電池システム制御装置は、低温始動停止過程でも同様に、低温始動停止優先順位を設定し、設定された優先順位に応じて1つずつ燃料電池スタックを低温始動停止することができる。
また、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動停止中に発生した電力を介して高電圧バッテリーを目標SOCまで充電することができる。
図6cを参照すれば、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定することができる(S615)。
燃料電池システム制御装置は、燃料電池モジュール内の1つの燃料電池スタックの昇温及び低温始動を行うことができる(S616)。
上位制御器から電力が求められない場合には、燃料電池モジュール内の複数の燃料電池スタックを始動する必要がないことがある。これによって、上位制御器から電力が求められない場合、燃料電池システム制御装置は、燃料電池モジュール内の1つの燃料電池スタックのみの昇温及び低温始動を行うことができる。
燃料電池システム制御装置は、燃料電池モジュール内の1つの燃料電池スタックの昇温及び低温始動過程で発生する電力を、残り燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗することができる(S617)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの昇温及び低温始動過程で発生する電力を、残り燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス運転を介して消耗することができる。
図6dを参照すれば、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定することができる(S618)。
燃料電池システム制御装置は、求められる電力を一つの燃料電池スタックの低温始動過程で発生する出力で割った値に基づいて、低温始動個数を算出することができる(S619)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、求められる電力を一つの燃料電池スタックの低温始動過程で発生する出力で割った値以上の個数で低温始動個数を決定することができる。
燃料電池システム制御装置は、算出された個数の燃料電池スタックの低温始動を行うことができる(S620)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動が行われ、発生する電力を介して上位制御器から求められる電力を満たすことができる。
一例として、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動が行われ、発生する電力のうち、求められる電力を満たし、残り電力を低温始動中ではなく他のスタックに連結された空気圧縮機のバイパス運転を介して消耗することができる。
燃料電池システム制御装置は、低温始動が完了したか否かを確認することができる(S621)。
燃料電池システム制御装置は、低温始動が完了しない場合、S620に戻って算出された個数の燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
燃料電池システム制御装置は、低温始動が完了した場合、追加燃料電池スタックの始動が必要であるか否かを確認することができる(S622)。
一例として、燃料電池システム制御装置は、上位制御器から求められる電力が増加し、追加燃料電池スタックの始動が必要であるか否かを確認することができる。
燃料電池システム制御装置は、追加燃料電池スタックの始動が必要な場合、追加燃料電池スタックの低温始動を行うことができる(S623)。
燃料電池システム制御装置は、求められる電力から低温始動される燃料電池スタックの出力を引いた値の電力を、既に低温始動が完了した燃料電池スタックを介して出力することができる(S624)。
この過程で、燃料電池システム制御装置は、燃料電池スタックの低温始動中に生成される出力と、既に低温始動が完了した燃料電池スタックを介した出力とを合わせて求められる電力を満たすように、既に低温始動が完了した燃料電池スタックの出力を制御することができる。
燃料電池システム制御装置は、追加燃料電池スタックの始動が必要であるか否かを確認することができる(S625)。
燃料電池システム制御装置は、追加燃料電池スタックの始動が必要な場合、S623に戻って追加燃料電池スタックの低温始動を行うことができる。
図7は、本発明の一実施形態による燃料電池システム制御方法を示すフローチャートである。
図7を参照すれば、燃料電池システム制御方法は、一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングする段階(S710)、モニタリングされた累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階(S720)、代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S730)、及び低温始動が完了した代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S740)を含んでよい。
一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上を個別的にモニタリングする段階(S710)は、燃料電池モジュールを構成する一つ以上の燃料電池スタックと連結されるモニタリング部により行われてよい。
モニタリングされた累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階(S720)は、制御部により行われてよい。
一例として、一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階(S720)は、制御部が、両方向コンバータを介して低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階を含んでよい。
一例として、一つ以上の燃料電池スタックのうち代表燃料電池スタックを選定する段階(S720)は、制御部が、両方向コンバータ及び低電圧バッテリーと連結された燃料電池スタックのうち累積出力量又は累積駆動時間が最も大きい燃料電池スタックを代表燃料電池スタックとして選定する段階を含んでよい。
代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S730)は、制御部により行われてよい。
一例として、代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S730)は、制御部が、燃料電池スタックに個別的に連結された空気圧縮機を駆動して低温始動を行う段階を含んでよい。
一例として、代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S730)は、制御部が、低電圧バッテリーの出力を用いて代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階を含んでよい。
低温始動が完了した代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S740)は、制御部により行われてよい。
一例として、低温始動が完了した代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S740)は、制御部が、低電圧バッテリーの出力を用いて代表燃料電池スタックの低温始動を行う段階を含んでよい。
一例として、低温始動が完了した代表燃料電池スタックの出力を用いて残り燃料電池スタックの低温始動を行う段階(S740)は、制御部が、一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動優先順位を決定する段階、及び制御部が、始動優先順位に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を制御する段階を含んでよい。
一例として、燃料電池システム制御方法は、制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗する段階をさらに含んでよい。
一例として、制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機を介して消耗する段階は、制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を、低温始動中ではなく燃料電池スタックに連結された空気圧縮機のバイパス運転を介して消耗する段階を含んでよい。
一例として、燃料電池システム制御方法は、制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力の少なくとも一部を用いて、一つ以上の燃料電池スタックに連結された高電圧バッテリーを充電する段階をさらに含んでよい。
一例として、燃料電池システム制御方法は、制御部が、上位制御器から燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行う段階をさらに含んでよい。
一例として、制御部が、上位制御器から燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行う段階は、制御部が、低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力が燃料電池モジュールに求められる電力以上になるように、低温始動される燃料電池スタックの個数を決定する段階を含んでよい。
一例として、制御部が、上位制御器から燃料電池モジュールに求められる電力に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動を行う段階は、制御部が、燃料電池モジュールに求められる電力から低温始動中の燃料電池スタックを介して生成される出力を引いた値に基づいて、既に低温始動が完了した燃料電池スタックの出力を制御する段階を含んでよい。
一例として、燃料電池システム制御方法は、制御部が、一つ以上の燃料電池スタックの累積出力量又は累積駆動時間の少なくとも一つ以上に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止(CSD、Cold Shutdown)優先順位を決定する段階、及び制御部が、低温始動停止優先順位に基づいて、一つ以上の燃料電池スタックの低温始動停止を行う段階をさらに含んでよい。
図8は、本発明の一実施形態によるコンピューティングシステムを示す。
図8を参照すれば、コンピューティングシステム1000は、バス1200を介して連結される少なくとも一つのプロセッサ1100、メモリー1300、使用者インターフェース入力装置1400、使用者インターフェース出力装置1500、ストレージ1600、及びネットワークインターフェース1700を含んでよい。
プロセッサ1100は、中央処理装置(CPU)又はメモリー1300及び/又はストレージ1600に格納された命令語に対する処理を実行する半導体装置であってよい。メモリー1300及びストレージ1600は、多様な種類の揮発性又は不揮発性格納媒体を含んでよい。例えば、メモリー1300は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んでよい。
したがって、本明細書に開示された実施形態について説明された方法又はアルゴリズムの段階は、プロセッサ1100によって実行されるハードウェア、ソフトウェアモジュール、又はその2つの組み合わせで直接具現化されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリー、フラッシュメモリー、ROMメモリー、EPROMメモリー、EEPROMメモリー、レジスタ、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROMのような格納媒体(すなわち、メモリー1300及び/又はストレージ1600)に常駐してもよい。
例示的な格納媒体は、プロセッサ1100にカップルリングされ、そのプロセッサ1100は、格納媒体から情報を読み取ってよく、格納媒体に情報を書き込んでよい。他の方法として、格納媒体は、プロセッサ1100と一体型であってもよい。プロセッサ及び格納媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)内に常駐してもよい。ASICは、使用者端末機内に常駐してもよい。他の方法として、プロセッサ及び格納媒体は、使用者端末機内に個別のコンポーネントとして常駐してもよい。
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等の範囲内の全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。