(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152710
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】回路基板の固定構造および照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20231005BHJP
F21K 9/20 20160101ALI20231005BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20231005BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20231005BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F21V19/00 450
F21K9/20 100
F21V29/503
F21V29/70
F21V17/00 154
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017633
(22)【出願日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】202220798610.0
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲樹▼林
【テーマコード(参考)】
3K011
3K013
【Fターム(参考)】
3K011BA02
3K011BA09
3K011EF05
3K011JA01
3K013AA07
3K013BA01
3K013EA09
(57)【要約】
【課題】固定構造と回路基板上の電気素子が配置されている有効領域との接触を減らすことができ、かつ構造がシンプルで、簡単に装着できる回路基板の固定構造および照明装置を提供する。
【解決手段】本発明は、照明技術分野に関し、具体的には、回路基板の固定構造および照明装置に関する。そのうち、回路基板の固定構造は、収納容器と、収納容器の環状台面に設けられ、回路基板の第1面に当接する第1位置制限部と、収納容器に着脱可能であり、回路基板の第2面に当接する第2位置制限部とを含み、収納容器の回路基板が装着される位置における開口径は、回路基板の外径より大きい又は外径と等しい。本発明で提供される回路基板の固定構造は、回路基板を装着固定する際に受ける応力を効果的に取り除き、固定構造と、回路基板上の電気素子が設けられている有効領域との接触を減少することができ、かつ構造がシンプルで、簡単に装着できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の固定構造であって、
収納容器と、
前記収納容器の環状台面に設けられ、前記回路基板の第1面に当接する第1位置制限部と、
前記収納容器に着脱可能であり、前記回路基板の第2面に当接する第2位置制限部とを含み、
前記収納容器の前記回路基板が装着される位置における開口径は、前記回路基板の外径より大きい又は前記回路基板の外径と等しい、
ことを特徴とする回路基板の固定構造。
【請求項2】
前記第2位置制限部は、環状の本体部を有し、
前記本体部の外周は、前記収納容器の内側壁に当接し、
前記本体部の前記回路基板から遠い第1縁部には、前記収納容器の内側壁に嵌め込まれて前記収納容器に係合する第1係合部が形成され、
前記第2位置制限部は、さらに、前記本体部の内周から前記回路基板に傾斜する方向に沿って延伸し前記回路基板に当接する爪を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の回路基板の固定構造。
【請求項3】
前記本体部の第1縁部は、さらに、前記収納容器の内側壁に取り囲まれることで接着用溝が形成される、
ことを特徴とする請求項2に記載の回路基板の固定構造。
【請求項4】
前記第1位置制限部は、前記収納容器の環状台面から前記回路基板に向けて延伸する位置制限筋を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の回路基板の固定構造。
【請求項5】
前記第1位置制限部は、前記収納容器の環状台面上に設けられている第1放熱部材を含み、
前記第1放熱部材は、前記収納容器の内側壁に密着して前記回路基板に当接するように延伸する放熱側壁を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の回路基板の固定構造。
【請求項6】
前記本体部は、前記回路基板に近い第2縁部を有し、
前記回路基板の外縁には開口部があり、
前記本体部の前記第2縁部は、前記開口部を挿通して前記放熱側壁に係合する第2係合部を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の回路基板の固定構造。
【請求項7】
照明装置であって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の前記回路基板の固定構造を有する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
前記照明装置のLED発光モジュールが前記回路基板に集積されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記照明装置は、さらに、
前記回路基板と分離しているLED発光モジュールと、前記LED発光モジュールに当接する第2放熱部材とを有し、
前記第2位置制限部と前記第2放熱部材とは一体成形される、
ことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項10】
請求項3に記載の回路基板の固定構造を有する照明装置であって、
前記照明装置は、さらに、前記接着用溝を用いて前記収納容器に接着固定するカバーを含み、
前記照明装置のLED発光モジュールが前記回路基板に集積されている、
ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明技術分野に関し、具体的には回路基板の固定構造および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具の構造において、発光素子および回路が集積されている回路基板は、照明器具の筐体に配置され、筐体に固定接続される。従来技術において、よく行われる回路基板の固定方法は以下の2つの方法がある。
【0003】
図1に示すように、第1の方法において、筐体101の中に接続柱102が設けられており、ねじ103が回路基板104を貫通し、接続柱102に挿入することで、回路基板104が筐体101に固定される。このような固定方法において、ねじ103は、回路基板104における電気素子が配置される有効領域を占用してしまう。さらに、回路基板104を強固に固定するために、通常2つおよび2つ以上のねじ103を用いるので、回路基板104における電気素子を配置するための有効領域はさらに広く占用され、回路基板104の電気的な接続に影響を与える。
【0004】
図2に示すように、第2の方法において、筐体101の内壁には、回路基板104を取り囲むように複数の係合部105が形成され、回路基板104を装着する際に、回路基板104は、係合部105の筐体101の開口に近い側から係合部105を経て、係合部105と放熱部材106の間に固定される必要がある。係合構造において、回路基板104が筐体101の少なくとも一部の内壁に締まり嵌める必要があり、組み立ての際に回路基板104に生じる応力が大きくなり、組み立てのプロセスが簡単ではない。なお、係合構造において、係合部105の周囲に一定の余分な空間を残す必要があり、回路基板104の放熱部材106と回路基板104との間に常に余分な隙間が存在するので、両者間の熱伝導効率が低下し、期待する放熱効果が得られなくなる。同様に、光源基板107と回路基板104の間に挟まれる光源放熱部材108は、光源基板107との間に隙間が生じ、光源基板107と光源放熱部材108の間においても放熱効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題を考慮し、回路基板の固定構造および照明装置を提供することを目的とする。本発明で提供される回路基板の固定構造によれば、回路基板を装着固定する際に受ける応力を効果的に減少又は取り除くことが可能であり、固定構造と回路基板上の電気素子が配置されている有効領域との接触を減らすことができ、かつ構造がシンプルで、簡単に装着できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る技術方案において、回路基板の固定構造が提供される。回路基板の固定構造は、収納容器と、収納容器の環状台面に設けられ、回路基板の第1面に当接する第1位置制限部と、収納容器に着脱可能であり、回路基板の第2面に当接する第2位置制限部とを含み、収納容器の回路基板が装着される位置における開口径は、回路基板の外径より大きい又は回路基板の外径と等しい。
【0007】
本発明の技術方案によれば、収納容器の回路基板が装着される位置における開口径は、回路基板の外径より大きい又は回路基板の外径と等しいので、回路基板は、収納容器の中に自身が配置されているとき、収納容器の内側壁の径方向に沿って内側に加わる応力を受けることがない。回路基板は、それぞれ回路基板の第1面と第2面に当接する第1位置制限部と第2位置制限部により、回路基板の両側から収納容器に固定される。同時に、第2位置制限部は着脱可能なので、回路基板を装着するとき、まず、回路基板を第1位置制限部に当接するように収納容器の中に配置し、次に、第2位置制限部が回路基板に当接するように、第2位置制限部を装着すればよい。したがって、装着構造がシンプルで、簡単に操作できる。
【0008】
好ましくは、本発明の技術方案で提供される回路基板の固定構造において、第2位置制限部は、環状の本体部を有し、本体部の外周は、収納容器の内側壁に当接し、本体部の回路基板から遠い第1縁部には、収納容器の内側壁に嵌め込まれて収納容器に係合する第1係合部が形成され、第2位置制限部は、さらに、本体部の内周から回路基板に傾斜する方向に沿って延伸し回路基板に当接する爪を含む。
【0009】
本発明の技術方案によれば、第2位置制限部における環状の本体部は、収納容器の内側壁に沿って配置され、第1係合部と収納容器が係合することにより、第2位置制限部の収納容器における位置が制限され、さらに、第2位置制限部に当接する回路基板に対して、位置を制限し固定する。また、本体部の外周は、収納容器の内側壁に当接し、本体部の内周から延伸する爪が回路基板に当接する場所は、回路基板の外周の縁部にあり、回路基板の電気素子が並べられている有効空間を占用することはない。
【0010】
好ましくは、本発明の技術方案において、第2位置制限部における本体部の第1縁部は、さらに、前記収納容器の内側壁に取り囲まれることで接着用溝が形成される。
【0011】
本発明の技術方案によれば、通常照明装置のカバーはシリコーンなどの接着剤を用いて収納容器に付着固定され、接着用溝は、カバーと収納容器が接合される部分でのシリコーンを効果的に受け入れることができるので、シリコーンが垂れ続けることを防止し、カバーの付着強度を確保できる。
【0012】
本発明の技術方案において、回路基板の固定構造における第1位置制限部は、収納容器の環状台面から回路基板に向けて延伸する位置制限筋を含む。回路基板は、収納容器の中に配置され、位置制限筋に当接するが、位置制限筋は支持の役割と位置制限の役割を同時に果たすことができる。
【0013】
好ましくは、本発明の技術方案において、第1位置制限部は、収納容器の環状台面上に設けられている第1放熱部材を含み、第1放熱部材は、収納容器の内側壁に密着して回路基板に当接するように延伸する放熱側壁を有する。
【0014】
本発明の技術方案によれば、第1位置制限部は、回路基板を位置制限し固定する役割を果たすとともに、回路基板に当接する放熱側壁を介して回路基板の放熱を補助することができる。また、放熱側壁は、収納容器に密着しており、熱伝導により収納容器の外部に放熱するので、全体の放熱スピードが向上する。
【0015】
本発明の技術方案において、第2位置制限部における本体部は、回路基板に近い第2縁部を有し、回路基板の外縁には開口部があり、本体部の第2縁部は、開口部を挿通して放熱側壁に係合する第2係合部を有する。
【0016】
本発明の技術方案によれば、第2係合部は、放熱側壁に係合し、第1係合部を補助して第2位置制限部を位置制限し固定する。したがって、回路基板に、放熱側壁へ向かう力が加えられるので、回路基板と放熱側壁がしっかり密着して、放熱の効率が向上する。
【0017】
本発明の技術方案において、上記の回路基板の固定構造を有する照明装置が提供される。当該回路基板の固定構造によれば、回路基板を装着固定するとき、受ける応力が効果的に取り除かれ、固定構造と、回路基板上の電気素子が設けられている有効領域との接触が減るとともに、照明装置全体における回路基板の固定構造がシンプルになり、簡単に装着できる。
【0018】
好ましくは、本発明の技術方案において、照明装置のLED発光モジュールがDOB基板(Driver on Board)である回路基板に集積されている。DOB基板における電気素子が少なく、接続構造がシンプルであるため、小型化の設計、大量生産及び装着を実現することができる。
【0019】
好ましくは、本発明の技術方案において、照明装置は、さらに、回路基板と分離しているLED発光モジュールと、LED発光モジュールに当接する第2放熱部材とを有し、第2位置制限部と第2放熱部材とは一体成形される。
【0020】
本発明の技術方案によれば、LED発光モジュールに当接する第2放熱部材と、回路基板に当接する第2位置制限部とを、いずれもLED発光モジュールと回路基板の間に配置し、第2位置制限部と第2放熱部材を位置制限と放熱機能の両方を実現する一体成形の構造になるように設計することにより、照明装置における部品の数と全体の装着ステップを簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は従来技術に係る回路基板の固定構造を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は従来技術に係る他の回路基板の固定構造を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は本発明の実施の形態1に係る回路基板の固定構造を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は本発明の実施の形態1に係る照明装置の分解図である。
【
図5】
図5は本発明の実施の形態2に係る回路基板の固定構造を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は本発明の実施の形態2に係る照明装置の分解図である。
【
図7】
図7は本発明の実施の形態2に係るLED光源モジュールを模式的に示す図である。
【
図8】
図8は本発明の実施の形態3に係る回路基板の固定構造を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は本発明の実施の形態3に係る照明装置の分解図である。
【
図10】
図10は本発明の実施の形態3に係る第2位置制限部の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明における図を用いて、本発明における技術方案について分かりやすく、詳しく説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例を示すものではない。本発明の実施の形態に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに思いつく全ての実施の形態は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0023】
(実施の形態1)
図3に示すように、本発明の実施の形態1において、一態様の回路基板1の固定構造が提供され、当該回路基板1の固定構造は、収納容器2と、第1位置制限部3と、第2位置制限部4とを含む。そのうち、収納容器2は、回路基板1を収納するケース或いはキャビティである。第1位置制限部3は、収納容器2の環状台面に設けられ、回路基板1の第1面11に当接する。第2位置制限部4は、収納容器2に着脱可能であり、回路基板1の第2面12に当接する。収納容器2の回路基板1が装着される位置における開口径Dは、回路基板1の外径dより大きい又は外径dと等しい。
【0024】
図4は、本発明の実施の形態1に係る照明装置の分解図である。
図3と
図4に示すように、上記の照明装置を組み立てる際に、まず、回路基板1を収納容器2の中に配置するが、収納容器2の回路基板1が装着される位置における開口径Dは、回路基板1の外径dより大きい又は外径dと等しい。つまり、回路基板1が収納容器2の中に配置されるとき、回路基板1の外周と相互に接触又は隣接する収納容器2の内側壁20の開口径Dが、回路基板1の外径dよりも大きい又は外径dと等しいので、回路基板1の外周は、収納容器2の内側壁20からの径方向に沿って内側に加わる応力を受けることがない。収納容器2の環状台面22にある第1位置制限部3は、回路基板1の第1面11に当接することにより、回路基板1に対して、支持および位置制限の機能を同時に果たすことができる。次に、第2位置制限部4を収納容器2に装着し、第2位置制限部4は、回路基板1の第2面12に当接し、第1位置制限部3と第2位置制限部4は、それぞれ回路基板1の両側から回路基板1を位置制限し固定する。そのうえ、第2位置制限部4は着脱可能なので、照明装置全体の装着構造がシンプルで、簡単に操作できる。
【0025】
本実施の形態おいて、回路基板1の第2面12は、回路基板1の発光素子が配置されている面であり、第1面11は、回路基板1の発光素子が配置されていない面である。照明装置のLED発光モジュール6は、回路基板1に集積される。すなわち、回路基板1はDOB基板(Driver on Board)である。DOB基板における接続構造がシンプルであるため、小型化の設計、大量生産及び装着を簡単に実現することができる。
【0026】
照明装置は、さらにカバー7を含み、回路基板1を収納容器2の内部に装着し固定した後に、カバー7を装着することができる。カバー7と収納容器2を接合させ、照明装置全体のパッケージングを完成する。
【0027】
好ましくは、本発明の実施の形態1において、回路基板1の固定構造の中で、第2位置制限部4は環状の本体部41を有し、本体部41の外周は、収納容器2の内側壁20に当接し、本体部41の回路基板1から遠い第1縁部411には、収納容器2の内側壁20に嵌め込まれて収納容器2に係合する第1係合部42が形成され、第2位置制限部4は、さらに、本体部41の内周から回路基板1に傾斜する方向に沿って延伸し、回路基板1に当接する爪43を含む。
【0028】
図3および
図4を参照すると、第2位置制限部4の環状の本体部41は、収納容器2の内側壁20に沿って配置され、第1係合部42と収納容器2が係合することによって、第2位置制限部4の収納容器2内における位置が制限されている。第2位置制限部4を装着する際には、収納容器2の中で第2位置制限部4を押圧することにより、第1係合部42が収納容器2の第1溝21に嵌め込まれ、爪43と回路基板1の第2面12が当接し、第1係合部42が第1溝21の頂部に当接するので、爪43との組み合わせで、回路基板1を位置制限し固定する。さらに、本体部41の外周は収納容器2の内側壁20に当接し、本体部41の内周から延伸する爪43が、回路基板1に当接する場所は、回路基板1の外周の縁部にあるので、回路基板1上の電気素子が並べられる有効空間を占用することはない。
【0029】
好ましくは、本発明の実施の形態1において、第2位置制限部4における本体部41の第1縁部411は、収納容器2の内側壁20に取り囲まれることで接着用溝44が形成される。
【0030】
本体部41の第1縁部411は、本体部41でのカバー7に近い縁であり、すなわち
図3においては紙面の上方である。カバー7は、シリコーンなどの接着剤を用いて収納容器2に付着固定されるが、接着用溝44は、カバー7と収納容器2との接合する部分におけるシリコーンを効果的に受け入れることができるので、シリコーンが垂れ続けることを防止し、カバー7の付着強度を確保する。
【0031】
本発明の実施の形態1において、回路基板1の固定構造における第1位置制限部3は、収納容器2の環状台面22から回路基板1に向けて延伸する突条の位置制限筋31を含む。回路基板1は収納容器2の中に配置され、位置制限筋31に当接するが、位置制限筋31は支持の役割と位置制限の役割を同時に果たすことができる。さらに、位置制限筋31が回路基板1上の電気素子と接触しない限り、収納容器2の環状台面22に複数の位置制限筋31が設けられてもよく、位置制限筋31が収納容器2の内側壁20に近づけて設けられる又は収納容器2の中間位置に設けられてもよい。
【0032】
なお、本発明の実施の形態において、第1位置制限部3の構造は、位置制限筋31の様態に限らず、例えば、回路基板1が環状台面の上などに載せられるように、収納容器2の内側壁20が内側に向けて収束し又は曲がり、開口径が回路基板1の外径より小さい環状台面を形成してもよい。収納容器2の径方向に沿って内側に加わる応力により、回路基板1が押し出されることがなければよい。
【0033】
(実施の形態2)
図5に示すように、本発明の実施の形態2において、一態様の回路基板1の固定構造が提供され、そのうち、第1位置制限部3は、収納容器2の環状台面22上に設けられている第1放熱部材51として形成され、第1放熱部材51は、収納容器2の内側壁20に密着して、回路基板1に当接するように延伸する放熱側壁511を有する。
【0034】
第1放熱部材51は、収納容器2の環状台面22上に設けられ、収納容器2の内側壁20に密着して設けられる。
図6を参照すると、上記の照明装置を組み立てる際に、まず、第1放熱部材51を収納容器2の環状台面22上に配置し、次に、回路基板1を収納容器2の中に配置し、第1放熱部材51の放熱側壁511の頂部が回路基板1に当接することで、第1放熱部材51は、回路基板1を支持および位置制限する役割を果たすとともに、回路基板1に当接する放熱側壁511を介して、回路基板1の放熱を補助することができる。また、放熱側壁511と収納容器2の内側壁20は密着しているので、回路基板1の熱が、収納容器2の内側壁20を介して伝導し収納容器2の外部に放熱され、回路基板1全体の放熱スピードを高めることができる。
【0035】
好ましくは、本発明の実施の形態2において、第2位置制限部4における本体部41は、回路基板1に近い第2縁部412を有し、すなわち
図5の本体部41の下方である。回路基板1の外縁には開口部13があり、本体部41の第2縁部412は、開口部13を挿通して放熱側壁511に係合する第2係合部45を有する。
【0036】
上記照明装置を組み立てる際に、回路基板1を収納容器2の内に配置し、第1放熱部材51に当接した後、第2位置制限部4を配置する。第2係合部45は、回路基板1上の開口部13を通り抜け、放熱側壁511上に設置した第2溝512に係合し、第1係合部42に合わせて第2位置制限部4を位置制限し固定する。したがって、回路基板1に、放熱側壁511へ向かう力が加えられるので、回路基板1と放熱側壁511がしっかり密着して、放熱の効率が向上する。
【0037】
変形例として、実施の形態1のように第1放熱部材51が配置されていない場合、上記の第2溝512は、第1溝21のように収納容器2の内側壁20上に設置され、回路基板1の位置制限の補助を行ってもよい。
【0038】
本実施の形態において、照明装置は、さらに、回路基板1と分離しているLED発光モジュール6を有し、LED発光モジュール6は、本体部41の第1縁部411に固定接続される。LED発光モジュール6は、
図7に示すように、LED発光モジュール6自身の製造工程により、さらにLED発光モジュール6の外縁に、接着用溝44に対応する切欠き61が形成し得る。
【0039】
図5、
図6および
図7を参照すると、カバー7、LED発光モジュール6、第2位置制限部4および回路基板1は、順に相対的に並べられ、カバー7と収納容器2を接合する部分におけるシリコーンは、LED発光モジュール6の外縁に形成されている接着用溝44に対応する切欠き61を経て、第2位置制限部4の接着用溝44に流れ込むので、シリコーンが垂れる又はLED発光モジュール6の表面に堆積することで照明装置の照明効果に影響を与えることが避けられる。
【0040】
同様に、変形例として、本実施の形態における回路基板1は、実施の形態1と同様に、LED発光モジュール6が集積されているDOB基板(Driver on Board)であってもよい。
【0041】
本実施の形態で提供される回路基板1の固定構造は、第2位置制限部4により、回路基板1と第1放熱部材51に対して同時に位置制限し固定する。さらに、両者を互いに密着させ、照明装置における回路基板1の放熱効率を効果的に向上することができる。
【0042】
(実施の形態3)
図8に示すように、本発明の実施の形態3では照明装置が提供され、当該照明装置は、さらに、回路基板1と分離しているLED発光モジュール6と、LED発光モジュール6に当接する第2放熱部材52とを有し、第2位置制限部4と第2放熱部材52とは一体成形される。そのうち、第2放熱部材52の全体又は一部は、金属又は樹脂材料であり、第2位置制限部4と一体成形される。
【0043】
図9を参照すると、照明装置を組み立てる際に、まず、第1放熱部材51、すなわち第1位置制限部3を収納容器2の中に配置し、次に、回路基板1の第1面11が第1位置制限部3に当接するように、回路基板1を第1位置制限部3上に配置する。その後、第2放熱部材52、すなわち第2位置制限部4を回路基板1の第2面12に当接するように配置する。その次に、LED発光モジュール6を第2放熱部材52に当接するように配置し、最後にカバー7を装着して、照明装置全体のパッケージングを完成する。
【0044】
具体的に、第2位置制限部4と第2放熱部材52とが一体成形される部品は、
図10に示すとおりである。そのうち、下側の環状部分は、回路基板1に対応して係合する樹脂部分、すなわち第2位置制限部4であり、上側の板状部分は、LED発光モジュール6に当接する金属部分、すなわち第2放熱部材52である。
【0045】
本実施の形態において、照明装置における第2位置制限部4と第2放熱部材52に対して、位置制限と放熱機能との両方を実現する一体成形の構造に設計することにより、照明装置の部品の数を減らし、全体の装着ステップを簡素化することができる。同様に、変形例として、本実施の形態における第1位置制限部3は、位置制限筋31でもよい。
【0046】
上記により、明細書における図を参照しながら、本発明の技術方案を説明した。本発明の保護範囲が上記の具体的な実施の形態に限定されないことは、当業者にとって自明である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者は、関連する技術的特徴に対し、同等な変更又は置き換えることができ、変更及び置き換えた後の技術方案も本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 回路基板
11 第1面
12 第2面
13 開口部
2 収納容器
20 内側壁
21 第1溝
22 環状台面
3 第1位置制限部
31 位置制限筋
4 第2位置制限部
41 本体部
411 第1縁部
412 第2縁部
42 第1係合部
43 爪
44 接着用溝
45 第2係合部
51 第1放熱部材
511 放熱側壁
512 第2溝
52 第2放熱部材
6 LED発光モジュール
61 切欠き
7 カバー
101 筐体
102 接続柱
103 ねじ
104 回路基板
105 係合部
106 放熱部材
107 光源基板
108 光源放熱部材