IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置及び情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理装置及び情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理装置及び情報処理方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152729
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023022702
(22)【出願日】2023-02-16
(62)【分割の表示】P 2022058143の分割
【原出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 美弥子
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】仮想現実空間上で開催されるイベントに参加するためのユーザのモチベーションの向上を図る。
【解決手段】ユーザが使用するデバイスにより検知されたユーザの動作情報であって仮想現実空間上で開催されるイベントに参加中のユーザの動作情報を受信するユーザ動作情報受信部と、動作情報がイベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を満たすか否かを判定する判定部と、動作情報がユーザ動作条件を満たすと判定された場合に、非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、所定のデジタルコンテンツを対象にした非代替性トークンをユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録する非代替性トークン取得要求を行う非代替性トークン取得部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するデバイスにより検知された前記ユーザの動作情報であって仮想現実空間上で開催されるイベントに参加中の前記ユーザの動作情報を受信するユーザ動作情報受信部と、
前記イベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を示すユーザ動作条件情報を記憶するユーザ動作条件情報記憶部と、
前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定された場合に、特典を管理する特典管理システムに対して、所定の特典を前記ユーザに関連付けて記録する特典取得要求を行う特典取得部と、
前記特典取得部は、動作以外のユーザに関する条件である所定の非動作条件を示す非動作条件情報に基づいて非動作条件を特定し、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定されたユーザのうち当該特定した非動作条件を満たすユーザに限定して前記特典取得要求を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記非動作条件は、複数のイベントが関連付けられたイベント関連付け情報においてユーザが参加するイベントに関連付けられた他のイベントの過去の参加履歴に関する条件を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記非動作条件は、イベントの演者に対する仮想現実空間上の投げ銭に関する条件を含む、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記非動作条件は、イベント主催側が決定するユーザ指定条件を含み、
前記特典取得部は、非動作条件判定対象ユーザのリストをイベント主催側の所定のデバイスへ送信し、当該リストから選択された非動作条件判定対象ユーザの回答リストを受信する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ動作条件情報記憶部は、仮想現実空間上で開催されるイベント毎に所定のユーザ動作条件を示すユーザ動作条件情報を記憶し、
前記判定部は、前記ユーザ動作条件情報記憶部に記憶されたユーザ動作条件情報に基づいて、前記ユーザが参加中のイベントに対応するユーザ動作条件を特定し、特定したユーザ動作条件を前記動作情報が満たすか否かを判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記動作情報は、音声検知デバイスにより検知された音声情報を含み、
前記ユーザ動作条件は、所定の音声条件を含み、
前記判定部は、前記音声情報が前記音声条件を満たすか否かを判定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記動作情報は、前記デバイスが備えるモーションセンサにより検知された身体動作情報を含み、
前記ユーザ動作条件は、所定の身体動作条件を含み、
前記判定部は、前記身体動作情報が前記身体動作条件を満たすか否かを判定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記動作情報は、前記デバイスが備える視線計測機能により検知された視線動作情報を含み、
前記ユーザ動作条件は、所定の視線動作条件を含み、
前記判定部は、前記視線動作情報が前記視線動作条件を満たすか否かを判定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザ動作条件は、所定のイベント場面条件を含み、
前記判定部は、前記動作情報が前記イベント場面条件を満たすか否かを判定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特典取得要求は、所定の特典を前記ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録する要求である、
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特典は、所定のデジタルコンテンツを対象にした非代替性トークンである、
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
仮想現実空間上で開催されるイベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を示すユーザ動作条件情報を記憶するユーザ動作条件情報記憶ステップと、
ユーザが使用するデバイスにより検知された前記ユーザの動作情報であって前記イベントに参加中の前記ユーザの動作情報を受信するユーザ動作情報受信ステップと、
前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定された場合に、特典を管理する特典管理システムに対して、所定の特典を前記ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録する特典取得要求を行う特典取得ステップと、を含み、
前記特典取得ステップは、動作以外のユーザに関する条件である所定の非動作条件を示す非動作条件情報に基づいて非動作条件を特定し、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定されたユーザのうち当該特定した非動作条件を満たすユーザに限定して前記特典取得要求を行う、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに対して仮想現実(Virtual Reality:VR)の空間(仮想現実空間)のサービス(仮想現実空間サービス)を提供するためのサービスシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載された技術は、ユーザが保有者になっているNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)に対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示し、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに対応するNFTを売買するための取引をユーザ間で行うことができるサービスシステムを提供する。
【0003】
NFTは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のデジタルコンテンツに対して唯一性や保有者を証明することができるものである。そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)では、NFTを購入したり販売したりすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「次世代型NFTマーケットプレイスXANALIA(ザナリア)が日本マーケティングリサーチ機構の調査で3冠を獲得しました!」、株式会社日本マーケティングリサーチ機構、2021年5月14日、インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000822.000033417.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、仮想現実空間上では複数のユーザが参加するイベントが開催されている。例えば、スポーツの試合や音楽のコンサートや演劇やお笑いの舞台等を複数の参加ユーザが一緒に視聴するイベントが仮想現実空間上で開催される。このような仮想現実空間上で開催されるイベントにおいて多数の参加ユーザを募ることが課題になっている。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、仮想現実空間上で開催されるイベントに参加するためのユーザのモチベーションの向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、ユーザが使用するデバイスにより検知された前記ユーザの動作情報であって仮想現実空間上で開催されるイベントに参加中の前記ユーザの動作情報を受信するユーザ動作情報受信部と、前記イベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を示すユーザ動作条件情報を記憶するユーザ動作条件情報記憶部と、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定された場合に、特典を管理する特典管理システムに対して、所定の特典を前記ユーザに関連付けて記録する特典取得要求を行う特典取得部と、前記特典取得部は、動作以外のユーザに関する条件である所定の非動作条件を示す非動作条件情報に基づいて非動作条件を特定し、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定されたユーザのうち当該特定した非動作条件を満たすユーザに限定して前記特典取得要求を行う、情報処理装置である。
(2)本発明の一態様は、前記非動作条件は、複数のイベントが関連付けられたイベント関連付け情報においてユーザが参加するイベントに関連付けられた他のイベントの過去の参加履歴に関する条件を含む、上記(1)の情報処理装置である。
(3)本発明の一態様は、前記非動作条件は、イベントの演者に対する仮想現実空間上の投げ銭に関する条件を含む、上記(1)又は(2)のいずれかの情報処理装置である。
(4)本発明の一態様は、前記非動作条件は、イベント主催側が決定するユーザ指定条件を含み、前記特典取得部は、非動作条件判定対象ユーザのリストをイベント主催側の所定のデバイスへ送信し、当該リストから選択された非動作条件判定対象ユーザの回答リストを受信する、上記(1)から(3)のいずれかの情報処理装置である。
(5)本発明の一態様は、前記ユーザ動作条件情報記憶部は、仮想現実空間上で開催されるイベント毎に所定のユーザ動作条件を示すユーザ動作条件情報を記憶し、前記判定部は、前記ユーザ動作条件情報記憶部に記憶されたユーザ動作条件情報に基づいて、前記ユーザが参加中のイベントに対応するユーザ動作条件を特定し、特定したユーザ動作条件を前記動作情報が満たすか否かを判定する、上記(1)から(4)のいずれかの情報処理装置である。
(6)本発明の一態様は、前記動作情報は、音声検知デバイスにより検知された音声情報を含み、前記ユーザ動作条件は、所定の音声条件を含み、前記判定部は、前記音声情報が前記音声条件を満たすか否かを判定する、上記(1)から(5)のいずれかの情報処理装置である。
(7)本発明の一態様は、前記動作情報は、前記デバイスが備えるモーションセンサにより検知された身体動作情報を含み、前記ユーザ動作条件は、所定の身体動作条件を含み、前記判定部は、前記身体動作情報が前記身体動作条件を満たすか否かを判定する、上記(1)から(6)のいずれかの情報処理装置である。
(8)本発明の一態様は、前記動作情報は、前記デバイスが備える視線計測機能により検知された視線動作情報を含み、前記ユーザ動作条件は、所定の視線動作条件を含み、前記判定部は、前記視線動作情報が前記視線動作条件を満たすか否かを判定する、上記(1)から(7)のいずれかの情報処理装置である。
(9)本発明の一態様は、前記ユーザ動作条件は、所定のイベント場面条件を含み、前記判定部は、前記動作情報が前記イベント場面条件を満たすか否かを判定する、上記(1)から(8)のいずれかの情報処理装置である。
(10)本発明の一態様は、前記特典取得要求は、所定の特典を前記ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録する要求である、上記(1)から(9)のいずれかの情報処理装置である。
(11)本発明の一態様は、前記特典は、所定のデジタルコンテンツを対象にした非代替性トークンである、上記(1)から(10)のいずれかの情報処理装置である。
【0008】
(12)本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、仮想現実空間上で開催されるイベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を示すユーザ動作条件情報を記憶するユーザ動作条件情報記憶ステップと、ユーザが使用するデバイスにより検知された前記ユーザの動作情報であって前記イベントに参加中の前記ユーザの動作情報を受信するユーザ動作情報受信ステップと、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定された場合に、特典を管理する特典管理システムに対して、所定の特典を前記ユーザに関連付けてブロックチェーン上に記録する特典取得要求を行う特典取得ステップと、を含み、前記特典取得ステップは、動作以外のユーザに関する条件である所定の非動作条件を示す非動作条件情報に基づいて非動作条件を特定し、前記動作情報が前記ユーザ動作条件を満たすと判定されたユーザのうち当該特定した非動作条件を満たすユーザに限定して前記特典取得要求を行う、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想現実空間上で開催されるイベントに参加するためのユーザのモチベーションの向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。図1において、仮想現実空間サーバ(情報処理装置)1は、仮想現実空間サービスを提供するための情報処理を実行する。本実施形態では、仮想現実空間サービスとして、ユーザのユーザ識別情報(ユーザID)に関連付けられたオブジェクト(物体)を仮想現実空間上に表示させるサービスを提供する。ユーザIDに関連付けられたオブジェクトは、例えばユーザの分身として仮想現実空間上に表示されるキャラクター(一般に「アバター」と称される)等である。また、仮想現実空間サービスにより、ユーザは、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。
【0012】
また、仮想現実空間サービスとして、仮想現実空間において複数のユーザが参加することができるイベントが開催される。例えば、スポーツの試合や音楽のコンサートや演劇やお笑いの舞台等を複数の参加ユーザが一緒に視聴するイベントが仮想現実空間上で開催される。参加ユーザは、仮想現実空間上のイベント会場に自分のアバターを表示させることができ、これにより、イベントに参加していることを体感することが可能である。
【0013】
仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、ユーザが使用するデバイス(ユーザデバイス)2との間でデータを送受する。ユーザデバイス2は、例えばヘッドマウントディスプレー(HMD)である。ヘッドマウントディスプレーは、装着者に対して、コンピューターグラフィックス(CG)により作られた仮想現実空間を、リアルな空間(実空間)のように見せることができる。また、ヘッドマウントディスプレーが備える各種センサーによって動きや傾きなどが検出され、装着者が仮想現実空間上を移動しているように見せたり、仮想現実空間上のオブジェクトを見る方向を変えたりすることができる。ユーザは、ヘッドマウントディスプレーが備える操作部を使用して、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり等の所定の操作を行うことができる。ヘッドマウントディスプレーが備える操作部は、例えば、ヘッドマウントディスプレー本体とは別個の装置として構成されるものであって、ヘッドマウントディスプレー本体との間で近距離無線通信を行う。
【0014】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、NFT管理システム4との間でデータを送受する。NFT管理システム4は、NFT(非代替性トークン)を管理するための情報処理システムである。NFT管理システム4が管理するNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFT管理システム4が管理するNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFT管理システム4が管理するNFTの保有者が証明される。
【0015】
ブロックチェーン5には、NFTに関するメタデータが記録される。NFTに関するメタデータは、当該NFTについての、識別子や作成日時や保有者を特定する保有者アドレス(保有者識別情報(保有者ID))や対象物URL等の情報を有する。対象物URLは、NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストなど、様々である。
【0016】
なお、NFT管理システム4は、NFTマーケットプレイスの機能を有してもよい。NFTマーケットプレイスの機能は、NFTの発行や購入や販売等の流通に関する機能として、例えばNFTの販売情報の提示やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付やNFTの代金の決済等である。
【0017】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、コンテンツデータベース7との間でデータを送受する。コンテンツデータベース7は、デジタルコンテンツを格納するデータベースである。コンテンツデータベース7に格納されるデジタルコンテンツは、NFTが取得される対象のデジタルコンテンツである。
【0018】
図2は、本実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。図2において、仮想現実空間サーバ1は、仮想現実空間処理部10と、受付部11と、ユーザ動作情報受信部12と、判定部13と、NFT取得部14と、記憶部20と、を備える。
【0019】
仮想現実空間サーバ1の各機能は、仮想現実空間サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、仮想現実空間サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は仮想現実空間サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、仮想現実空間サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0020】
仮想現実空間処理部10は、ユーザに対して仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データをコンピューターグラフィックスにより生成する仮想現実空間処理を実行する。仮想現実空間データは、例えばヘッドマウントディスプレーで表示されることにより、コンピューターグラフィックスにより作られた仮想現実空間を装着者に対して実空間のように見せることができるデータである。仮想現実空間データは、仮想現実空間サーバ1からユーザのヘッドマウントディスプレー等のユーザデバイス2へ送信される。
【0021】
なお、仮想現実空間データを生成する情報処理装置(図示せず)を仮想現実空間サーバ1とは別個に設け、仮想現実空間処理部10は、仮想現実空間サーバ1とは別個に設けられた当該情報処理装置から仮想現実空間データを取得してもよい。
【0022】
本実施形態に係る仮想現実空間上には、ユーザのユーザIDに関連付けられたオブジェクトとして例えばアバターが表示される。
【0023】
また本実施形態に係る仮想現実空間上では、各種のイベントが開催される。例えば、スポーツの試合や音楽のコンサートや演劇やお笑いの舞台等を複数の参加ユーザが一緒に視聴するイベントが仮想現実空間上で開催される。ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間上で開催されるイベントに参加し、仮想現実空間上の当該イベントを視聴することができる。また、ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり、当該イベントを視聴するときの仮想現実空間上の視点を変えたり等の所定の操作(仮想現実空間操作)を行うことができる。
【0024】
受付部11は、ユーザデバイス2から、仮想現実空間サービスに関する各種の要求を受付ける。ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間サーバ1に対して仮想現実空間サービスに関する各種の要求を行うことができる。例えば、ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間上で開催される所望のイベントに参加する要求(イベント参加要求)を仮想現実空間サーバ1に行うことができる。受付部11は、ユーザデバイス2からイベント参加要求を受付ける。
【0025】
ユーザ動作情報受信部12は、ユーザが使用するユーザデバイス2により検知された当該ユーザの動作情報(ユーザ動作情報)であって仮想現実空間上で開催されるイベントに参加中の当該ユーザのユーザ動作情報を受信する。
【0026】
判定部13は、ユーザ動作情報受信部12がユーザのユーザデバイス2から受信した当該ユーザのイベントの参加中のユーザ動作情報が、当該イベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を満たすか否かを判定する。ユーザ動作条件は、ユーザ動作条件情報201に示される。
【0027】
NFT取得部14は、NFTを取得するためのNFT取得処理を実行する。NFT取得部14は、NFT取得処理において、NFT管理システム4に対して、デジタルコンテンツを指定し、指定したデジタルコンテンツを対象にしたNFTの取得を要求する。また、NFT取得部14は、取得されたNFTを示すNFTデータをNFT管理システム4から取得する。NFTデータは、NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。
【0028】
本実施形態では、NFT取得部14は、判定部13がユーザのイベントの参加中のユーザ動作情報が当該イベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を満たすと判定した場合に、NFT管理システム4に対して、所定のデジタルコンテンツを対象にしたNFTを当該ユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録する要求(NFT取得要求)を行う。これにより、当該デジタルコンテンツを対象にしたNFTが当該ユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録される。
【0029】
なお、NFT取得部14は、非動作条件が設定されている場合には、判定部13によってユーザ動作情報が所定のユーザ動作条件を満たすと判定されたユーザのうち所定の非動作条件を満たすユーザに限定してNFT取得要求を行う。したがって、ユーザ動作情報が所定のユーザ動作条件を満たしても所定の非動作条件を満たさないユーザに対しては、NFT取得要求が行われない。これにより、所定のデジタルコンテンツを対象にしたNFTに関連付けてブロックチェーン5上に記録されるユーザは、ユーザ動作情報が所定のユーザ動作条件を満たすと判定されたユーザに限定される。非動作条件は、非動作条件情報202に示される。
【0030】
記憶部20は、ユーザ動作条件情報201、非動作条件情報202、ユーザ情報203等の各種のデータを記憶する。
【0031】
ユーザ動作条件情報201は、ユーザ動作条件を示す情報である。ユーザ動作条件情報201において、ユーザ動作条件は、仮想現実空間上で開催されるイベント毎に設定されてもよく、又は仮想現実空間上で開催される複数のイベントに共通に設定されてもよい。ユーザ動作条件情報201は、仮想現実空間サービスの管理者やイベントの主催者等によって決定されたユーザ動作条件を示す情報であって、予め仮想現実空間サーバ1に設定される。
【0032】
非動作条件情報202は、非動作条件を示す情報である。非動作条件は、動作以外のユーザに関する条件である。非動作条件情報202において、非動作条件は、仮想現実空間上で開催されるイベント毎に設定されてもよく、又は仮想現実空間上で開催される複数のイベントに共通に設定されてもよい。非動作条件情報202は、仮想現実空間サービスの管理者やイベントの主催者等によって決定された非動作条件を示す情報であって、予め仮想現実空間サーバ1に設定される。
【0033】
ユーザ情報203は、仮想現実空間サービスに登録されたユーザに関する情報である。ユーザ情報203は、ユーザ毎に、ユーザID、NFT管理システム4で使用されるユーザID、同種イベント毎の過去の参加履歴(参加の有無、参加回数、参加費の支払総額等)、イベントの演者に対する仮想現実空間上の投げ銭の過去の履歴、取得されたNFTの履歴などの情報を含む。なお、ユーザID(仮想現実空間サービスにおけるユーザID)とNFT管理システム4で使用されるユーザIDとは、同じであってもよく、又は異なってもよい。NFT管理システム4で使用されるユーザIDは、ブロックチェーン5上で保有者IDとして記録されるIDである。
【0034】
次に図3を参照して本実施形態に係る情報処理方法について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0035】
(ステップS101) ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間上で開催される所望のイベントに参加する要求(イベント参加要求)を仮想現実空間サーバ1に行う。ユーザデバイス2は、ユーザによるイベント参加要求の操作に応じて、イベント参加要求データを仮想現実空間サーバ1へ送信する。イベント参加要求データは、ユーザのユーザID、イベントの識別情報(イベントID)などを含むデータである。仮想現実空間サーバ1において受付部11は、ユーザデバイス2から送信されたイベント参加要求データを受信することにより、ユーザからのイベント参加要求を受付ける。受付部11は、ユーザデバイス2から受信したイベント参加要求データを記憶部20に記憶させる。
【0036】
(ステップS102) 仮想現実空間サーバ1において受付部11は、イベント参加要求元のユーザデバイス2に対して、イベント参加要求を受付けたことを示すイベント参加応答データを送信する。イベント参加応答データは、イベントID、イベント参加用パスワードなどを含むデータである。ユーザデバイス2は、仮想現実空間サーバ1から受信したイベント参加応答データを保持する。これにより、ユーザは、イベント参加要求を行ったイベントに参加することができる。
【0037】
(ステップS103) ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、イベント参加要求を行った仮想現実空間上のイベントに参加し、仮想現実空間上の当該イベントを視聴する。より具体的には、ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間上に表示されるイベント受付画面のパスワード入力欄にイベント参加要求の対象のイベントのイベント参加用パスワードを入力する。ユーザデバイス2は、当該入力されたイベント参加用パスワードを仮想現実空間サーバ1へ送信する。仮想現実空間サーバ1において受付部11は、ユーザデバイス2から受信したイベント参加用パスワードが当該ユーザデバイス2へ送信したイベント参加応答データに含めたイベント参加用パスワードに一致した場合に、当該イベント参加応答データに対応するイベント参加要求の対象のユーザID及びイベントIDに関する該当ユーザの該当イベントへの参加ありと判断する。仮想現実空間処理部10は、受付部11がユーザのイベントへの参加ありと判断したユーザID及びイベントIDを対象にして、当該ユーザIDに関連付けられたユーザデバイス2に表示される仮想現実空間データにおいて当該イベントIDに関連付けられたイベント(例えば、動画コンテンツなど)を表示させる。これにより、ユーザは、ユーザデバイス2に表示される仮想現実空間上のイベント(例えば、動画コンテンツなど)を視聴することができる。
また、ユーザは、ユーザデバイス2を使用して所定の仮想現実空間操作を行い、仮想現実空間上のイベント会場に自分のアバターを表示させることにより、当該イベントに参加していることを体感することができる。また、ユーザは、ユーザデバイス2を使用して所定の仮想現実空間操作を行い、仮想現実空間上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり、当該イベントを視聴するときの仮想現実空間上の視点を変えたりすることができる。
【0038】
(ステップS104) ユーザデバイス2は、仮想現実空間上で開催されるイベントに参加中のユーザのユーザ動作情報を検知し、検知したユーザ動作情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する。ユーザデバイス2は、ユーザがイベントに参加している期間において継続して当該ユーザのユーザ動作情報を検知し、検知したユーザ動作情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する。例えば、ユーザデバイス2は、ユーザがイベントに参加している期間において継続して検知したユーザ動作情報を一定間隔で仮想現実空間サーバ1へ送信する。例えば、ユーザデバイス2は、ユーザがイベントに参加している期間において継続してユーザ動作情報を検知し、検知したユーザ動作情報に変化があった時に当該変化があったユーザ動作情報を仮想現実空間サーバ1へ送信する。
【0039】
仮想現実空間サーバ1においてユーザ動作情報受信部12は、ユーザデバイス2からユーザ動作情報を受信する。ユーザ動作情報受信部12は、ユーザデバイス2から受信したユーザ動作情報を、イベント参加要求の対象のユーザID及びイベントIDに関連付けて記憶部20に記憶させる。
【0040】
(ステップS105) 仮想現実空間サーバ1において判定部13は、イベント参加要求の対象のユーザID及びイベントIDに関連付けて記憶部20に記憶されたユーザ動作情報が、当該イベントIDのイベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を満たすか否かを判定する。ユーザ動作条件は、ユーザ動作条件情報201に示される。
【0041】
ここで、ユーザ動作条件についていくつかの例を挙げて説明する。
【0042】
[ユーザ動作条件の例1]
ユーザ動作条件の例1は、所定の音声条件である。ユーザデバイス2は、音声検知デバイスを備え、音声検知デバイスにより検知された音声情報をユーザ動作情報に含める。判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる音声情報がユーザ動作条件情報201に示される音声条件を満たすか否かを判定する。なお、ユーザ動作情報に音声情報が含まれない場合には、判定部13は、ユーザ動作条件の例1を満たさないと判定する。
【0043】
例えば、音声条件は、「音声の大きさが所定値以上である音声が存在する」である。例えば、音声条件は、「音声の大きさが所定値以上である頻度が所定の頻度以上である」である。例えば、音声条件は、「音声の大きさが所定値以上である回数が所定の回数以上である」である。これらの音声条件の対象になる音声は、歓声又は笑い声と判定される音声に限定してもよい。
【0044】
また、例えば、音声条件は、「イベント内の演者名、主催者名及びチーム名のうち少なくともいずれかと判定される音声が存在する」である。例えば、音声条件は、「イベントに無関係の音声(例えば雑談と判定される音声)が存在しない」である。
【0045】
[ユーザ動作条件の例2]
ユーザ動作条件の例2は、所定の身体動作条件である。ユーザデバイス2は、モーションセンサを備え、モーションセンサにより検知された身体動作情報をユーザ動作情報に含める。判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる身体動作情報がユーザ動作条件情報201に示される身体動作条件を満たすか否かを判定する。なお、ユーザ動作情報に身体動作情報が含まれない場合には、判定部13は、ユーザ動作条件の例2を満たさないと判定する。
【0046】
例えば、身体動作条件は、「動作の部位(頭、手、足、身体全体など)が所定の部位である」である。例えば、身体動作条件は、「動作の方向が所定の方向である」である。例えば、身体動作条件は、「動作の頻度が所定の頻度以上である」である。例えば、身体動作条件は、「動作の速度が所定の速度以上である」である。例えば、身体動作条件は、「イベント内の特定の人(例えば演者)又は物体に対する動作である」である。
なお、ユーザデバイス2例えばヘッドマウントディスプレーが備える操作部として、各部位に専用のコントローラを設け、各コントローラにモーションセンサを備える。これにより、各部位に対応するコントローラのモーションセンサが検知した身体動作情報によって、どの部位の動きが検知されたのかを特定することができる。例えば、右手用コントローラは右手用のグローブ型にし、左手用コントローラは左手用のグローブ型にすることによって、ユーザが右手用コントローラと左手用コントローラとを逆に装着する誤装着を防止することができる。右足用コントローラと左足用コントローラも同様にして誤装着を防止することができる。
【0047】
[ユーザ動作条件の例3]
ユーザ動作条件の例3は、所定の視線動作条件である。ユーザデバイス2は、視線計測機能(アイトラッキング)を備え、視線計測機能により検知された視線動作情報をユーザ動作情報に含める。判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる視線動作情報がユーザ動作条件情報201に示される視線動作条件を満たすか否かを判定する。なお、ユーザ動作情報に視線動作情報が含まれない場合には、判定部13は、ユーザ動作条件の例3を満たさないと判定する。
【0048】
例えば、視線動作条件は、「イベント内の特定の人(例えば演者)又は物体に対する視線が検知された時間(連続時間又は合計時間)が所定の時間以上である」である。例えば、視線動作条件は、「イベント内の特定の人(例えば演者)又は物体に対する視線が検知された頻度が所定の頻度以上である」である。例えば、視線動作条件は、「視線が動く割合が所定の割合未満である(視線が散漫でなく、集中している)」である。
【0049】
上述したユーザ動作条件の例1-例3は、それぞれ単独で用いられてもよく、又は複数が組み合わされて用いられてもよい。
【0050】
[ユーザ動作条件の例4]
ユーザ動作条件の例4は、所定のイベント場面条件である。判定部13は、ユーザ動作情報がユーザ動作条件情報201に示されるイベント場面条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる音声情報がユーザ動作条件情報201に示されるイベント場面条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる身体動作情報がユーザ動作条件情報201に示されるイベント場面条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる視線動作情報がユーザ動作条件情報201に示されるイベント場面条件を満たすか否かを判定する。
【0051】
例えば、判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる音声情報、身体動作情報及び視線動作情報のうちいずれかがイベント場面条件を満たす場合に、ユーザ動作条件の例4を満たすと判定してもよい。例えば、判定部13は、ユーザ動作情報に含まれる音声情報、身体動作情報及び視線動作情報の全てがイベント場面条件を満たす場合にのみ、ユーザ動作条件の例4を満たすと判定してもよい。
【0052】
例えば、イベント場面条件は、「イベント内の所定の場面で検知されたユーザ動作情報が存在する」である。イベント内の所定の場面は、例えば、「サッカーのゴールシーン」等のイベントの盛り上がる場面である。例えば、イベント場面条件は、「イベント内の所定の盛り上がる場面で検知された音声情報において歓声と判定される音声が存在する」である。
なお、イベント内の所定の場面を特定するデータが予めユーザ動作条件情報201に格納される。例えば、過去のサッカーの録画中継のイベントに対するイベント内の所定の場面が「サッカーのゴールシーン」である場合、当該イベントの開催時間内の「サッカーのゴールシーン」の時間帯を示すデータが予めユーザ動作条件情報201に格納される。そのデータに示される「サッカーのゴールシーン」の時間帯が当該イベント場面条件の判定対象の時間帯であり、当該時間帯に検知されたユーザ動作情報が存在するか否かが判定され、当該時間帯に検知されたユーザ動作情報が当該イベント場面条件の判定対象になる。
【0053】
ユーザ動作条件の例4は、上述したユーザ動作条件の例1-例3のいずれか又は複数と組み合わされて用いられてもよい。
【0054】
以上がユーザ動作条件の例の説明である。
【0055】
判定部13がイベント参加要求の対象のユーザID及びイベントIDに関連付けて記憶部20に記憶されたユーザ動作情報が当該イベントIDのイベントに対して設定された所定のユーザ動作条件を満たすと判定した場合に、以降の処理を続行する。一方、そうではない場合には図3の処理を終了する。
【0056】
仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部14は、判定部13によってユーザ動作情報がユーザ動作条件を満たすと判定されたイベント参加要求元のユーザ(非動作条件判定対象ユーザ)に対して、所定の非動作条件を満たすか否かを判定する。非動作条件は、非動作条件情報202に示される。
【0057】
ここで、非動作条件についていくつかの例を挙げて説明する。
【0058】
[非動作条件の例1]
非動作条件の例1は、同種イベントの過去の参加履歴に関する参加履歴条件である。より具体的には、非動作条件情報202は複数のイベントが関連付けられたイベント関連付け情報を含み、非動作条件の例1は、イベント関連付け情報においてユーザが参加するイベントに関連付けられた他のイベント(同種イベント)の過去の参加履歴に関する条件である。NFT取得部14は、非動作条件判定対象ユーザに関して、ユーザ動作条件情報201の同種イベント毎の過去の参加履歴が参加履歴条件を満たすか否かを判定する。例えば、参加履歴条件は、「同種イベントの過去の参加がある」である。例えば、参加履歴条件は、「同種イベントの過去の参加回数が所定の回数以上である」である。例えば、参加履歴条件は、「同種イベントの過去の参加費の支払総額が所定の金額以上である」である。
【0059】
[非動作条件の例2]
非動作条件の例2は、イベント主催側が決定するユーザ指定条件である。イベント主催側は、例えば主催者や演者である。例えば、ユーザ指定条件は、「イベント主催側が決定する特定のユーザである」である。この場合、NFT取得部14は、非動作条件判定対象ユーザのリストをイベント主催側の所定のデバイスへ送信し、当該リストから選択された非動作条件判定対象ユーザの回答リストを受信する。当該回答リストに含まれる非動作条件判定対象ユーザがユーザ指定条件を満たす非動作条件判定対象ユーザである。
【0060】
[非動作条件の例3]
非動作条件の例3は、イベントの演者に対する仮想現実空間上の投げ銭に関する投げ銭条件である。NFT取得部14は、非動作条件判定対象ユーザに関して、ユーザ動作条件情報201のイベントの演者に対する仮想現実空間上の投げ銭の過去の履歴が投げ銭条件を満たすか否かを判定する。例えば、投げ銭条件は、「イベントの演者に対する仮想現実空間上の投げ銭の過去の合計が所定値以上である」である。
【0061】
上述した非動作条件の例1-例3は、それぞれ単独で用いられてもよく、又は複数が組み合わされて用いられてもよい。
【0062】
以上が非動作条件の例の説明である。
【0063】
NFT取得部14が非動作条件判定対象ユーザに対して所定の非動作条件を満たす満たすと判定した場合に、次のステップS106に進む。一方、そうではない場合には図3の処理を終了する。
【0064】
(ステップS106) 仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部14は、イベント参加要求の対象のイベントIDをコンテンツデータベース7へ通知し、コンテンツデータベース7に対して当該イベントIDに該当するNFT取得対象のデジタルコンテンツ(NFT取得対象コンテンツ)の照会を行う。
【0065】
(ステップS107) コンテンツデータベース7は、仮想現実空間サーバ1からのデジタルコンテンツの照会に応じて、仮想現実空間サーバ1から通知されたイベントIDに関連付けられたNFT取得対象コンテンツの所在を示すコンテンツURL(NFT取得対象コンテンツURL)を仮想現実空間サーバ1へ応答する。
【0066】
なお、NFT取得対象コンテンツは、ユーザが参加したイベントに関するデジタルコンテンツであってもよい。例えば、NFT取得対象コンテンツは、ユーザが参加したイベント内の演者、主催者又はチームに関するデジタルコンテンツ(例えば、トレーディングカードやエンブレムやキャラクター商品など)である。
【0067】
仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部14は、コンテンツデータベース7から取得したNFT取得対象コンテンツURLを、イベント参加要求の対象のユーザID及びイベントIDに関連付けて記憶部20に記憶させる。
【0068】
(ステップS108) 仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部14は、NFT管理システム4に対して、NFT取得対象コンテンツを対象にしたNFTをイベント参加要求元のユーザに関連付けてブロックチェーン5上に記録するNFT取得要求を送信する。当該NFT取得要求において、NFT取得部14は、NFTの保有者になるイベント参加要求元のユーザのユーザID(保有者ID)とNFT取得対象コンテンツURL(対象物URL)とをNFT管理システム4へ通知する。
【0069】
(ステップS109) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1からのNFT取得要求に応じて、NFT取得対象コンテンツを対象にしたNFT(取得対象NFT)を新規に発行する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上には、取得対象NFTが新規に記録されるとともに、取得対象NFTに関するメタデータが記録される。取得対象NFTに関するメタデータは、取得対象NFTについての、識別子や作成日時や保有者ID(イベント参加要求元のユーザのユーザID)や対象物URL(NFT取得対象コンテンツURL)等の情報を有する。
【0070】
(ステップS110) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1に対して、取得対象NFTに関するNFTデータを応答する(NFT取得応答)。取得対象NFTに関するNFTデータは、取得対象NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。
【0071】
仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部14は、NFT管理システム4からのNFT取得応答により取得対象NFTに関するNFTデータを受信する。NFT取得部14は、NFT管理システム4からのNFT取得応答により受信した取得対象NFTに関するNFTデータを、イベント参加要求の対象のユーザID及びイベントIDに関連付けて記憶部20に記憶させる。
【0072】
(ステップS111) 仮想現実空間サーバ1においてNFT取得部14は、イベント参加要求元のユーザデバイス2に対して、NFT付与通知を送信する。当該NFT付与通知では、NFT取得部14は、仮想現実空間上のイベントへの参加に対する特典のNFTがユーザに付与されたことを示すメッセージと、取得対象NFTに関するNFTデータとを、イベント参加要求元のユーザデバイス2へ送信する。
【0073】
これにより、ユーザは、自分が仮想現実空間上のイベントに参加したことによって、自分が保有者であるNFTが取得されたことを認識する。ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、取得対象NFTに関するNFTデータが示す対象物URLにアクセスし、NFT取得対象コンテンツ(例えば、ユーザが参加したイベント内の演者、主催者又はチームに関するデジタルコンテンツ(例えば、トレーディングカードやエンブレムやキャラクター商品など))を確認することができる。これにより、仮想現実空間上で開催されるイベントに参加するためのユーザのモチベーションが向上することが期待できる。
【0074】
(ステップS112) 仮想現実空間サーバ1は、ユーザ情報203において各種情報を更新して記録する。
【0075】
上述した実施形態によれば、仮想現実空間上で開催されるイベントに参加するためのユーザのモチベーションを向上させることができるという効果が得られる。これにより、仮想現実空間上で開催されるイベントにおいて多数の参加ユーザを募ることに寄与することができる。
【0076】
なお、これにより、例えば仮想現実空間サービスを提供するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0078】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0079】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…仮想現実空間サーバ(情報処理装置)、2…ユーザデバイス、4…NFT管理システム、5…ブロックチェーン、7…コンテンツデータベース、10…仮想現実空間処理部、11…受付部、12…ユーザ動作情報受信部、13…判定部、14…NFT取得部、20…記憶部、201…ユーザ動作条件情報、202…非動作条件情報、203…ユーザ情報、NW…通信ネットワーク
図1
図2
図3