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特開2023-152741コンテンツ管理システム、コンテンツ管理プログラム、および、コンテンツ管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152741
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】コンテンツ管理システム、コンテンツ管理プログラム、および、コンテンツ管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9032 20190101AFI20231005BHJP
【FI】
G06F16/9032
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026494
(22)【出願日】2023-02-22
(62)【分割の表示】P 2022059484の分割
【原出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中里 正行
(72)【発明者】
【氏名】垂石 宏治
(72)【発明者】
【氏名】太田 誠也
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175HB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不定形のコンテンツを統一的に管理するコンテンツ管理システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】発信者装置を含む複数のコンテンツ発信システムとネットワークを介して接続するコンテンツ管理システム10は、受付部20、特徴抽出部21、検索部22及び出力部23を備える。受付部は、コンテンツの発信者が管理する発信者装置から、コンテンツのデータの入力を受け付ける。特徴抽出部は、コンテンツのデータと、コンテンツの内容が含む概念を特徴として出力するように機械学習したモデルを用い、当該モデルにコンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データを生成する。検索部は、特徴データを用いて、コンテンツを利用予定のユーザが管理するユーザ装置から入力された検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索する。出力部は、検索結果に対応するコンテンツ情報をユーザ装置に出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して公衆に発信されたコンテンツの発信者が管理する装置である発信者装置から、前記コンテンツのデータの入力を受け付ける受付部であって、相互に異なる複数の前記発信者が発信する別々の前記コンテンツのデータの入力を受け付ける前記受付部と、
前記コンテンツのデータと、前記コンテンツの内容が含む概念を特徴として出力するように機械学習したモデルとを用い、前記モデルに前記コンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データを生成する特徴抽出部と、
前記特徴データを用いて、コンテンツを利用予定のユーザが管理する装置であるユーザ装置から入力された検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索する検索部と、
前記検索部による検索結果に対応するコンテンツを示す情報であるコンテンツ情報を前記ユーザ装置に出力する出力部と、
を備えるコンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記特徴データは、複数のコンテンツの各々が特徴ベクトルとして表された高次元ベクトル空間のデータである
請求項1に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記ユーザによるコンテンツの利用の申請を受け付け、当該コンテンツの利用の許諾の可否を前記発信者装置に問い合わせる利用管理部をさらに備える
請求項1または2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記受付部は、前記コンテンツのデータに加えて、前記コンテンツの利用について前記発信者が設定する条件である利用条件の入力を受け付け、
前記出力部は、前記コンテンツ情報に加えて、当該コンテンツ情報に対応するコンテンツの前記利用条件を前記ユーザ装置に出力する
請求項1~3のいずれか一項に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項5】
過去に入力された前記コンテンツについての更新の連絡を前記発信者装置から受けたとき、当該コンテンツを利用中のユーザの前記ユーザ装置に、前記コンテンツの更新を通知する更新管理部をさらに備える
請求項1~4のいずれか一項に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記コンテンツの利用履歴を分析する履歴分析部をさらに備える
請求項1~5のいずれか一項に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項7】
1または複数のコンピュータに、
ネットワークを介して公衆に発信されたコンテンツの発信者が管理する装置である発信者装置から、前記コンテンツのデータの入力を受け付けることであって、相互に異なる複数の前記発信者が発信する別々の前記コンテンツのデータの入力を受け付けることと、
前記コンテンツのデータと、前記コンテンツの内容が含む概念を特徴として出力するように機械学習したモデルとを用い、前記モデルに前記コンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データを生成することと、
前記特徴データを用いて、コンテンツを利用予定のユーザが管理する装置であるユーザ装置から入力された検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索することと、
前記検索の結果に対応するコンテンツを示す情報であるコンテンツ情報を前記ユーザ装置に出力することと、
を実行させるコンテンツ管理プログラム。
【請求項8】
1または複数のコンピュータが、
ネットワークを介して公衆に発信されたコンテンツの発信者が管理する装置である発信者装置から、前記コンテンツのデータの入力を受け付けることであって、相互に異なる複数の前記発信者が発信する別々の前記コンテンツのデータの入力を受け付けることと、
前記コンテンツのデータと、前記コンテンツの内容が含む概念を特徴として出力するように機械学習したモデルとを用い、前記モデルに前記コンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データを生成することと、
前記特徴データを用いて、コンテンツを利用予定のユーザが管理する装置であるユーザ装置から入力された検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索することと、
前記検索の結果に対応するコンテンツを示す情報であるコンテンツ情報を前記ユーザ装置に出力することと、
を実行するコンテンツ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理プログラム、および、コンテンツ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市機能へのICT(Information and Communication Technology)の活用が推進される背景において、社会生活にて得られる種々の情報を一括して管理することで、人々に最適なサービスを提供するシステムの開発が進められている。例えば、特許文献1に記載のシステムは、複数のユーザを対象として、ユーザの性別や年代等の個人情報や、ユーザの位置情報を収集し、安全に移動するための情報を各ユーザに提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-5166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
個人情報や位置情報のような現在または過去の事実を示す情報が管理対象であれば、統一された形式のデータに情報を正規化することが容易であることから、一括した管理を行いやすい。これに対し、文章、写真、映像といった創作物を含むコンテンツは、多様な表現形式やデータ形式を有するため、こうしたコンテンツの正規化は煩雑である。
【0005】
一方で、現代社会においては、ネットワークを介して多数のコンテンツが多数の発信者によって様々な手段で発信されていることから、ユーザによる適切なコンテンツの選択を助けるために、コンテンツの一括した管理とその情報の提供に対する需要が高まっている。それゆえ、不定形のコンテンツを統一的に管理できるシステムの開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのコンテンツ管理システムは、コンテンツの発信者が管理する装置である発信者装置から、前記コンテンツのデータの入力を受け付ける受付部と、前記コンテンツのデータと、前記コンテンツの内容が含む概念を特徴として出力するように機械学習したモデルとを用い、前記モデルに前記コンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データを生成する特徴抽出部と、前記特徴データを用いて、コンテンツを利用予定のユーザが管理する装置であるユーザ装置から入力された検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索する検索部と、前記検索部による検索結果に対応するコンテンツを示す情報であるコンテンツ情報を前記ユーザ装置に出力する出力部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するためのコンテンツ管理プログラムは、1または複数のコンピュータに、コンテンツの発信者が管理する装置である発信者装置から、前記コンテンツのデータの入力を受け付けることと、前記コンテンツのデータと、前記コンテンツの内容が含む概念を特徴として出力するように機械学習したモデルとを用い、前記モデルに前記コンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データを生成することと、前記特徴データを用いて、コンテンツを利用予定のユーザが管理する装置であるユーザ装置から入力された検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索することと、前記検索の結果に対応するコンテンツを示す情報であるコンテンツ情報を前記ユーザ
装置に出力することと、を実行させる。
【0008】
上記課題を解決するためのコンテンツ管理方法は、1または複数のコンピュータが、コンテンツの発信者が管理する装置である発信者装置から、前記コンテンツのデータの入力を受け付けることと、前記コンテンツのデータと、前記コンテンツの内容が含む概念を特徴として出力するように機械学習したモデルとを用い、前記モデルに前記コンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データを生成することと、前記特徴データを用いて、コンテンツを利用予定のユーザが管理する装置であるユーザ装置から入力された検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索することと、前記検索の結果に対応するコンテンツを示す情報であるコンテンツ情報を前記ユーザ装置に出力することと、を実行する。
【0009】
上記各構成によれば、機械学習モデルを用いた特徴抽出により、コンテンツが、その内容が示す意味に応じて整理される。したがって、不定形のコンテンツの統一的な管理が可能である。そして、検索条件に意味的な類似性の高いコンテンツが検索結果に挙げられるため、適切なコンテンツに関する情報の出力が可能である。
【0010】
上記システムにおいて、前記特徴データは、複数のコンテンツの各々が特徴ベクトルとして表された高次元ベクトル空間のデータであってもよい。
上記構成によれば、意味的な類似性に応じたコンテンツの整理と検索とが的確に可能である。
【0011】
上記システムは、前記ユーザによるコンテンツの利用の申請を受け付け、当該コンテンツの利用の許諾の可否を前記発信者装置に問い合わせる利用管理部をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、利用許諾を得るためのユーザの負荷の軽減が可能である。
【0012】
上記システムにおいて、前記受付部は、前記コンテンツのデータに加えて、前記コンテンツの利用について前記発信者が設定する条件である利用条件の入力を受け付け、前記出力部は、前記コンテンツ情報に加えて、当該コンテンツ情報に対応するコンテンツの前記利用条件を前記ユーザ装置に出力してもよい。
【0013】
上記構成によれば、ユーザと発信者との間でのコンテンツの利用に関する条件の調整が容易である。また、発信者は、コンテンツごとに利用条件の設定が可能であるため、発信者の意図に沿ったコンテンツの利用が促されるとともに、上記条件の調整もより円滑に可能である。
【0014】
上記システムは、過去に入力された前記コンテンツについての更新の連絡を前記発信者装置から受けたとき、当該コンテンツを利用中のユーザの前記ユーザ装置に、前記コンテンツの更新を通知する更新管理部をさらに備えてもよい。
【0015】
上記構成によれば、ユーザは、発信元でのコンテンツの更新内容を、自らが利用しているコンテンツに速やかに反映させることができる。
【0016】
上記システムは、前記コンテンツの利用履歴を分析する履歴分析部をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、ユーザの関心度の高い話題やユーザの活動傾向の解析が可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、不定形のコンテンツを統一的に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態のコンテンツ管理システムの全体構成を示す図。
図2】一実施形態のコンテンツ管理システムの機能的な構成を示す図。
図3】一実施形態のコンテンツ管理システムにおけるコンテンツ整理機能およびコンテンツ検索機能での処理の手順を示す図。
図4】一実施形態のコンテンツ管理システムにおけるコンテンツ利用管理機能での処理の手順を示す図。
図5】一実施形態のコンテンツ管理システムにおけるコンテンツ更新管理機能での処理の手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図5を参照して、コンテンツ管理システム、コンテンツ管理プログラム、および、コンテンツ管理方法の一実施形態を説明する。
本実施形態において、コンテンツとは、文章、画像、音声、および、動画の少なくとも1つから構成される。コンテンツは、創作物を含む。例えば、コンテンツは、ウェブサイトに掲載されている記事、イラスト、写真、楽曲、映像等である。
【0020】
[システム概要]
図1が示すように、コンテンツ管理システム10は、複数のコンテンツ発信システム50の各々と、インターネット等のネットワークを介して接続されている。また、コンテンツ管理システム10は、1以上のユーザ装置60と、インターネット等のネットワークを介して接続されている。なお、コンテンツ管理システム10とコンテンツ発信システム50あるいはユーザ装置60との間でのデータの入出力には、各種のAPI(Application Programming Interface)が介在してもよい。
【0021】
コンテンツ発信システム50は、コンテンツの発信者によって管理され、ネットワークを介してコンテンツを公衆に発信する。コンテンツの発信者は、発信されるコンテンツの内容を管理するとともに、コンテンツの利用に関する権利を有する、もしくは、当該権利の管理権限を有する。例えば、コンテンツの発信者には、コンテンツの作成者が含まれる。
【0022】
コンテンツ発信システム50は、1以上の情報処理装置から構成される。1つの情報処理装置は単体のコンピュータである。コンテンツ発信システム50は、例えば、コンテンツが提供されるウェブサイトのサーバ、コンテンツのデータが格納されているデータベース、これらのサーバやデータベースにアクセスするための、発信者によって操作される端末を含む。コンテンツ発信システム50が含むこれらの各装置は、発信者装置の一例である。
【0023】
コンテンツ発信システム50の具体例は、コンテンツとして観光スポットやイベントに関する記事を掲載している、地方自治体の観光サイトの運営システム、コンテンツとして時事に関する記事を掲載しているニュースサイトの運営システム、コンテンツとして飲食店に関する記事を掲載しているグルメサイトの運営システムなどである。
【0024】
ユーザ装置60は、コンテンツを利用予定のユーザによって管理される。ユーザ装置60は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、サーバ、データベース等の情報処理装置である。ユーザは、コンテンツを私的に利用しようとする個人であってもよいし、コンテンツを自らのサイト等で利用してサービスを提供しようとするサービス提供者であってもよい。ユーザがサービス提供者である場合、ユーザ装置60は、当該
サービス提供者によるサービスの運営システムが含む装置であり得る。例えば、サービス提供者が、情報サイトによる情報の提供サービスを実施する場合、サービスの運営システムには、情報サイトのサーバ、情報サイトに掲載されるコンテンツのデータが格納されているデータベース、これらのサーバやデータベースにアクセスするための、サービス提供者によって操作される端末が含まれる。
【0025】
コンテンツ管理システム10は、1以上の情報処理装置から構成される。コンテンツ管理システム10は、例えば、サーバやデータベースを含む。
コンテンツ管理システム10は、コンテンツ発信システム50からコンテンツの入力を受け付け、入力されたコンテンツを、コンテンツの内容が示す意味に応じて整理する。そして、コンテンツ管理システム10は、整理されたコンテンツの集合のなかから、ユーザ装置60から入力された検索条件に対応するコンテンツを検索し、検索結果に基づくコンテンツの情報をユーザ装置60に出力する。
【0026】
[コンテンツ管理システムの構成]
図2を参照して、コンテンツ管理システム10の構成を詳細に説明する。コンテンツ管理システム10は、コンテンツ整理機能、コンテンツ検索機能、コンテンツ利用管理機能、コンテンツ更新管理機能、および、コンテンツ利用履歴分析機能を有する。
【0027】
コンテンツ管理システム10は、CPU、MPU、GPU等の演算装置である電子回路、ROM、RAM、レジスタードメモリ、アンバッファードメモリ等のメモリ、および、SSD、HDD等のストレージを備える。コンテンツ管理システム10は、ASIC、FPGA等の集積回路を備えてもよい。コンテンツ管理システム10が実行する各処理は、コンテンツ管理システム10が備えるソフトウェアによって実行されてもよいし、コンテンツ管理システム10が備える集積回路とソフトウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。上記ソフトウェアには、コンピュータに以下に記載する各部の処理を実行させるコンテンツ管理プログラムが含まれる。
【0028】
図2が示すように、コンテンツ管理システム10は、コンテンツ管理プログラムの実行により、受付部20、特徴抽出部21、検索部22、出力部23、利用管理部24、更新管理部25、および、履歴分析部26として機能する。また、コンテンツ管理システム10には、登録データ30、特徴データ31、および、利用履歴データ32が記憶される。すなわち、コンテンツ管理システム10は、これらのデータの記憶部としても機能する。以下、各部の処理について順に説明する。
【0029】
<受付部>
受付部20は、コンテンツ発信システム50からコンテンツのデータの入力を受け付ける。入力されるコンテンツに対し、ユーザによって認知される形式であるコンテンツの表現形式、および、コンピュータによって認知される形式であるコンテンツのデータ形式のいずれについても、定型は要求されない。すなわち、入力されるコンテンツは不定形であり、正規化されていない。言い換えれば、複数のコンテンツ発信システム50から入力された複数のコンテンツには、互いに異なる形式のコンテンツが含まれる。
【0030】
また、コンテンツ発信システム50からは、コンテンツの利用について発信者が設定する条件である利用条件も入力される。
受付部20は、入力されたコンテンツについての登録データ30を生成し、登録データ30を記憶させる。登録データ30は、コンテンツのデータおよび利用条件を含む。
【0031】
<特徴抽出部>
特徴抽出部21は、コンテンツのデータと、コンテンツの内容が含む概念を特徴として
出力するように機械学習したモデルとを用い、当該機械学習モデルにコンテンツを適用して得られた特徴と当該コンテンツとを関連づけた特徴データ31を生成する。コンテンツの内容が含む概念は、コンテンツが含む話題、趣旨、意味合いなどに直接的または間接的に関連する要素である。
【0032】
具体的には、特徴抽出部21は、コンテンツを、分散表現によってベクトル空間上に表す。すなわち、特徴抽出部21は、機械学習モデルを用いることにより、コンテンツの内容が含む種々の概念を特徴としてコンテンツに対して特徴抽出を行い、コンテンツの特徴ベクトルを算出する。この場合、機械学習モデルからは特徴が特徴量として得られ、特徴とコンテンツとの関連づけにより、特徴データ31ではコンテンツは特徴ベクトルとして示される。すなわち、特徴データ31は、コンテンツが特徴ベクトルを示す点として表された高次元ベクトル空間のデータである。言い換えれば、特徴データ31は、整理された複数のコンテンツの集合である。
【0033】
これにより、意味的な類似性に応じて、複数のコンテンツがベクトル空間上に表される。例えば、複数のコンテンツのなかで、特定の概念に関連した観点において意味的な類似性の高いコンテンツは、上記観点に対応する視点から見てベクトル空間内の近い位置に埋め込まれる。このように、各コンテンツに対し、他のコンテンツや種々のキーワードに対する意味的な位置関係が多次元的に規定される。
【0034】
特徴抽出部21の処理には、自然言語処理、画像認識処理、音声認識処理等の公知のアルゴリズムが用いられる。特徴抽出部21は、用いる技術に応じた機械学習モデルを備えていればよい。例えば、コンテンツが文章を含む場合、利用可能な技術としては、単語分散表現の平均またはWord2VecとTF-IDFとの組み合わせ、Universal Sentence Encoder、Word Rotator's Distance、Sentence-BERT等が挙げられる。
【0035】
なお、機械学習モデルを用いてコンテンツの内容が含む概念を特徴として出力し、特徴とコンテンツとを関連づける形態であれば、特徴抽出部21の処理は上述とは異なっていてもよい。例えば、特徴とコンテンツとの関連づけは、概念を示すタグとコンテンツとの対応づけであってもよい。
【0036】
<検索部>
検索部22は、特徴データ31を用いて、ユーザ装置60から入力された検索条件に対する意味的な類似性の高いコンテンツを検索する。検索条件は、例えば、単語、文章、静止画や動画である。すなわち、検索部22は、検索条件に対応する特徴と関連づけられたコンテンツを検索する。具体的には、検索部22は、検索条件の特徴ベクトルを算出して、特徴データ31のベクトル空間において検索条件に近いコンテンツを特定する。検索部22は、検索条件に近い順に複数のコンテンツを特定してもよい。
【0037】
<出力部>
出力部23は、登録データ30を参照し、検索部22によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報Icおよび利用条件をユーザ装置60に出力する。コンテンツ情報Icは、コンテンツを特定可能に示す情報であって、コンテンツのデータ、コンテンツが掲載されているサイト等のコンテンツの所在を示す情報、あるいは、コンテンツの概要を示す情報等である。コンテンツ情報Icはこれらのうちの複数を含んでいてもよい。コンテンツ情報Icは、登録データ30に含まれる情報であってもよいし、登録データ30に含まれる情報に基づき生成された情報であってもよい。
【0038】
<利用管理部>
利用管理部24は、ユーザによるコンテンツの利用の申請を受け付けて、コンテンツの
利用に関する管理を行う。当該管理には、コンテンツの利用についての発信者の許諾状況の管理が含まれる。コンテンツの利用には、コンテンツの引用や転載といった二次利用や、営利目的によるコンテンツの商用利用が含まれる。
【0039】
利用管理部24は、ユーザ装置60から入力されたコンテンツの利用申請情報Iaを、対象のコンテンツのコンテンツ発信システム50に送る。利用申請情報Iaは、コンテンツの利用予定者やコンテンツの利用形態等、コンテンツの利用許諾の可否判断に要する情報を含む。利用管理部24は、コンテンツ発信システム50から受けたコンテンツの利用許諾の可否についての判断結果を、ユーザ装置60に送信する。
【0040】
利用管理部24は、利用申請情報Iaおよび利用許諾の判断結果に基づき、ユーザによるコンテンツの利用状況を利用履歴データ32として記憶させる。利用履歴データ32は、ユーザが現在利用しているコンテンツ、および、ユーザが過去に利用したコンテンツを示す情報、こうしたコンテンツの利用形態や利用期間等の情報を含む。
【0041】
<更新管理部>
更新管理部25は、コンテンツの内容の更新に関する管理を行う。更新管理部25は、コンテンツ発信システム50からコンテンツの更新の連絡を受けると、利用履歴データ32を参照して、対象のコンテンツを利用中のユーザのユーザ装置60に、コンテンツの更新通知を送信する。
【0042】
<履歴分析部>
履歴分析部26は、利用履歴データ32を参照して、コンテンツの利用履歴を分析する。分析内容には、例えば、各コンテンツに対するユーザによる利用の多さの集計や、各ユーザによる複数のコンテンツの横断利用、すなわち、同一のユーザが利用した複数のコンテンツの組み合わせの解析が含まれる。
【0043】
[コンテンツ管理システムの動作]
コンテンツ管理システム10が有する各機能について、コンテンツ管理システム10の動作を説明する。コンテンツ管理システム10の動作は、すなわち、コンテンツ管理システム10によって実施されるコンテンツ管理方法である。
【0044】
<コンテンツ整理機能およびコンテンツ検索機能>
図3を参照して、コンテンツ整理機能およびコンテンツ検索機能について説明する。
まず、コンテンツの整理機能について説明する。コンテンツ整理機能は、受付部20および特徴抽出部21の処理によって実現される。
【0045】
図3が示すように、コンテンツ発信システム50は、コンテンツ管理システム10への登録を希望するコンテンツについて、コンテンツのデータおよび利用条件をコンテンツ管理システム10に送信する(ステップS10)。コンテンツ発信システム50が送信する情報には、さらに、発信者に関する情報のように、コンテンツ管理システム10によるコンテンツの管理に要する情報が含まれていてもよい。
【0046】
利用条件は、例えば、コンテンツの利用についての許諾の要否、許可されるコンテンツの利用形態、コンテンツのなかで利用可能な部分等を含み、発信者によって任意に設定可能である。なお、利用条件において、発信者はコンテンツの利用を自由に認めるように設定を行うことも可能である。
【0047】
コンテンツ管理システム10は、コンテンツ発信システム50から入力されたコンテンツについて登録データ30を生成し、登録データ30を記憶する(ステップS11)。ス
テップS11の処理は、受付部20としての処理であり、これによりコンテンツの受付が完了する。
【0048】
なお、登録データ30には、コンテンツのデータおよび利用条件に加えて、発信者に関する情報のようにコンテンツ発信システム50から受信した他の情報や、コンテンツ発信システム50からの情報に基づきコンテンツの管理のために生成された情報が含まれてもよい。
【0049】
続いて、コンテンツ管理システム10は、入力されたコンテンツのデータを解析し、コンテンツに対して特徴抽出を行って、得られた特徴と当該コンテンツとを関連づける(ステップS12)。これにより、特徴データ31が生成される。ステップS12の処理は、特徴抽出部21としての処理である。
【0050】
次に、コンテンツ検索機能について説明する。コンテンツ検索機能は、検索部22および出力部23の処理によって実現される。
利用するコンテンツを探しているユーザが、所望のコンテンツに関連するキーワード等である検索条件をユーザ装置60に入力することに基づき、ユーザ装置60は、検索条件をコンテンツ管理システム10に送信する(ステップS13)。なお、ユーザがサービス提供者であって、ユーザ装置60がサービスの運営システムを構成する装置である場合、当該システムにおいて、検索条件が予め設定されていてもよい。
【0051】
検索条件を受信すると、コンテンツ管理システム10は、特徴データ31を用いて、検索条件に意味的な類似性の高いコンテンツを検索する(ステップS14)。ステップS14の処理は、検索部22としての処理である。
【0052】
続いて、コンテンツ管理システム10は、登録データ30を参照し、検索の結果として特定された1または複数のコンテンツに対応するコンテンツ情報Icおよび利用条件をユーザ装置60に出力する(ステップS15)。ステップS15の処理は、出力部23としての処理である。
【0053】
例えば、コンテンツ情報Icが、コンテンツのデータを含む場合、ユーザ装置60には、コンテンツが出力される。コンテンツ管理システム10は、コンテンツ発信システム50にて発信されている形態とは異なる形態にコンテンツを加工して、コンテンツ情報Icとして出力してもよい。コンテンツの加工の例は、冊子状のような特定の印刷形態への加工や、出力先の端末やプログラムに合わせたコンテンツの表示デザインの加工である。
【0054】
また、コンテンツ情報Icが、コンテンツの所在を示す情報を含む場合、ユーザ装置60には、コンテンツの所在を示す情報が出力される。この情報に基づき、コンテンツ発信システム50が運営するウェブサイト等にアクセスすることによって、ユーザはコンテンツを確認することができる。また、コンテンツ情報Icが、コンテンツの概要を示す情報を含む場合、ユーザ装置60には、コンテンツの概要が出力される。これにより、ユーザはコンテンツの概要を把握できる。
【0055】
なお、ユーザがサービス提供者である場合、コンテンツ情報Icに基づいて、情報サイトにおけるコンテンツの掲載のように、コンテンツを利用したサービスが実施される。そして、ユーザ装置60がサービスの運営システムを構成する装置である場合、最終的なコンテンツの消費者であるサービスの利用者は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の端末を用いて上記システムにアクセスすることにより、コンテンツの提供を受ける。
【0056】
コンテンツ管理システム10においては、コンテンツが意味的な類似性によって多次元
的に整理されているため、検索条件が示す概念に応じた視点にてコンテンツの近さが判定されることにより、検索条件に近い概念を含むコンテンツが検索結果として挙げられる。言い換えれば、検索条件ごとに異なる切り口からコンテンツの近さが判断され、切り口ごとに異なる検索結果が得られる。したがって、ユーザの所望のコンテンツの情報が的確に提供される。新たなコンテンツの入力に伴い、特徴データ31が更新されていくことで、ユーザによる検索条件の入力時点において最も適切な検索結果が得られる。
さらに、コンテンツの利用条件がユーザ装置60に出力されることにより、ユーザは、コンテンツの利用に関して発信者が設定している条件を確認できる。そのため、ユーザは、利用条件を考慮して利用するコンテンツを選択することができる。
【0057】
<コンテンツ利用管理機能>
図4を参照して、コンテンツ利用管理機能について説明する。コンテンツ利用管理機能は、利用管理部24の処理によって実現される。
【0058】
利用条件において、コンテンツの利用についての許諾が必要と設定されている場合、許諾が必要な形態でのコンテンツの利用を希望するユーザは、ユーザ装置60に、利用申請情報Iaを入力する。これに基づき、ユーザ装置60は、利用申請情報Iaをコンテンツ管理システム10に送信する(ステップS20)。
【0059】
なお、利用申請情報Iaを入力するためのフォームは、例えば、ユーザがコンテンツの利用を希望することを示す通知が、ユーザの操作に伴いユーザ装置60からコンテンツ管理システム10に送られることに基づき、コンテンツ管理システム10からユーザ装置60に送られる。
【0060】
利用申請情報Iaを受信すると、コンテンツ管理システム10は、利用が希望されているコンテンツの発信者が管理するコンテンツ発信システム50に、利用申請情報Iaを送信し、コンテンツの利用許諾の可否を問い合わせる(ステップS21)。
【0061】
発信者は、利用申請情報Iaを確認して、コンテンツの利用を許諾するか否かを判断する。利用許諾の判断結果がコンテンツ発信システム50に入力されると、コンテンツ発信システム50は、利用許諾の判断結果をコンテンツ管理システム10に送信する(ステップS22)。
【0062】
コンテンツ管理システム10は、受信した利用許諾の判断結果を、ユーザ装置60に送信する(ステップS23)。また、コンテンツ管理システム10は、利用申請情報Iaおよび利用許諾の判断結果に基づき、利用履歴データ32としてユーザによるコンテンツの利用状況を記録する(ステップS24)。ステップS21,ステップS23,ステップS24の処理が、利用管理部24としての処理である。
【0063】
なお、利用条件は、発信者によって変更可能であってもよい。利用条件を変更する場合、新たな利用条件がコンテンツ発信システム50からコンテンツ管理システム10に送信されることに基づき、コンテンツ管理システム10は、登録データ30が含む利用条件を、新たな利用条件に変更する。さらに、コンテンツ管理システム10は、更新前の利用条件によって利用許諾を受けているユーザのユーザ装置60に対し、新たな利用条件を通知する。新たな利用条件に基づき必要であれば、コンテンツ管理システム10を介してユーザと発信者との間で再度の利用申請とその許諾の判断が実施されてもよい。
【0064】
また、利用履歴データ32には、ユーザによるコンテンツの利用の履歴に限らず、コンテンツの検索結果やコンテンツの閲覧履歴等、コンテンツ管理システム10によって把握可能なユーザの行動が随時記録されてもよい。
【0065】
以上のように、コンテンツ管理システム10によってコンテンツの利用許諾が仲介されるため、利用許諾を得るためのユーザの負荷が軽減される。特に、ユーザが、発信者の異なる複数のコンテンツを利用しようとする場合、ユーザが各発信者にそれぞれ連絡を取らずとも、コンテンツ管理システム10に各コンテンツについての利用申請情報Iaを入力すればよいため、負荷の大きな軽減が可能である。
【0066】
また、発信者によって予め利用条件が設定されているため、ユーザと発信者との間でのコンテンツの利用に関する条件の調整も容易である。さらに、コンテンツごとに利用条件を設定できるため、発信者は、自らが発信する複数のコンテンツについて、コンテンツごとに異なる利用条件を設定することもできる。したがって、コンテンツに適した細かな利用条件の設定が可能であるため、発信者の意図に沿ったコンテンツの利用が促されるとともに、上記条件の調整もより円滑に可能である。
【0067】
<コンテンツ更新管理機能>
図5を参照して、コンテンツ更新管理機能について説明する。コンテンツ更新管理機能は、更新管理部25の処理によって実現される。
【0068】
コンテンツ発信システム50において発信されているコンテンツの内容が更新された場合、コンテンツ発信システム50は、更新後のコンテンツのデータである更新データをコンテンツ管理システム10に送信する(ステップS30)。
【0069】
更新データを受信すると、コンテンツ管理システム10は、登録データ30が含むコンテンツのデータを更新データに書き換える(ステップS31)。
そして、コンテンツ管理システム10は、利用履歴データ32を参照して、対象のコンテンツを利用中のユーザのユーザ装置60に、コンテンツが更新されたことを示す更新通知を送信する(ステップS32)。ステップS31およびステップS32の処理が、更新管理部25としての処理である。
【0070】
更新前のコンテンツについて、コンテンツ情報Icとしてコンテンツのデータがユーザ装置60に送信されていた場合には、更新通知とともに、更新後のコンテンツのデータ、すなわち更新データがユーザ装置60に送信されてもよい。
【0071】
なお、更新後のコンテンツを対象として、特徴抽出部21によるコンテンツの整理が再び行われてもよいし、利用条件の変更や、利用管理部24を介したユーザと発信者との間での再度の利用申請と許諾判断が行われてもよい。
【0072】
また、コンテンツが最初に入力された際において、特徴データ31が生成された後には、登録データ30からコンテンツのデータが削除されてもよい。これにより、コンテンツ管理システム10が記憶するデータの削減が可能である。この場合、ユーザ装置60に出力されるコンテンツ情報Icはコンテンツのデータを含まない。そして、コンテンツが更新された場合には、コンテンツ発信システム50からコンテンツ管理システム10に、コンテンツが更新されたことを示す通知が送られればよく、更新データは送られなくてもよい。
【0073】
以上のように、コンテンツの更新が、当該コンテンツを利用中のユーザに通知されるため、ユーザは、発信元でのコンテンツの更新内容を、自らが利用しているコンテンツに速やかに反映させることができる。したがって、利用中のコンテンツを最新の状態に保つことが容易に可能である。なお、コンテンツの更新には、コンテンツの削除が含まれてもよい。
【0074】
<コンテンツ利用履歴分析機能>
コンテンツ利用履歴分析機能について説明する。コンテンツ利用履歴分析機能は、履歴分析部26の処理によって実現される。
【0075】
履歴分析部26は、利用履歴データ32を参照してコンテンツの利用履歴を分析し、分析結果を出力する。分析結果の出力先は、コンテンツ管理システム10の管理者が操作する端末であってもよいし、コンテンツ発信システム50やユーザ装置60であってもよい。
【0076】
履歴分析部26は、例えば、特徴データ31を構成する複数のコンテンツについて、各コンテンツに対するユーザによる利用の多さを集計する。これにより、ユーザによる利用の多いコンテンツ、あるいは、利用の少ないコンテンツが把握できる。したがって、ユーザの関心度や有用性の高い話題の把握も可能であり、こうした情報をコンテンツの作成や新たなサービスの展開に生かすこともできる。
【0077】
また例えば、履歴分析部26は、各ユーザによる複数のコンテンツの横断利用、すなわち、同一のユーザが利用した複数のコンテンツの組み合わせの解析を行ってもよい。これにより、ユーザの関心度の高い話題やユーザの活動傾向をより的確に把握できるため、こうした情報をコンテンツの作成や新たなサービスの展開に生かすこともできる。
【0078】
コンテンツ管理システム10においては、互いに異なるコンテンツ発信システム50から発信されている複数のコンテンツがまとめて管理されているため、ユーザが互いに異なるサイトのコンテンツを横断的に利用している場合であっても、こうした利用の分析が容易に可能である。
【0079】
また、履歴分析部26による分析には、特徴データ31にて規定されているコンテンツの意味的な類似性が加味されてもよい。例えば、履歴分析部26は、意味的な類似性の高いコンテンツの集合を、上述した横断利用の解析対象としてもよい。
【0080】
なお、利用履歴データ32に、ユーザによるコンテンツの検索結果やコンテンツの閲覧履歴が含まれている場合には、履歴分析部26は、これらの情報を分析対象に含めてもよい。これにより、ユーザの関心度の高い話題やユーザの活動傾向がより把握されやすくなる。
また、ユーザがサービス提供者である場合、利用履歴データ32には、当該サービス提供者が実施するサービスの利用者によるコンテンツの利用履歴が含まれてもよい。そして、履歴分析部26は、上記サービス利用者によるコンテンツの利用履歴を分析対象としてもよい。サービス利用者の利用履歴は、コンテンツ管理システム10が、必要に応じて、ユーザ装置60やコンテンツ発信システム50と連携することにより、コンテンツ管理システム10に収集される。
【0081】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)機械学習モデルを用いた特徴抽出により、コンテンツが、その内容が示す意味に応じて整理される。したがって、不定形のコンテンツの統一的な管理が可能である。そして、検索条件に意味的な類似性の高いコンテンツが検索結果に挙げられるため、適切なコンテンツの提供が可能である。
【0082】
(2)特徴データ31が、複数のコンテンツの各々が特徴ベクトルとして表された高次元ベクトル空間のデータであれば、意味的な類似性に応じたコンテンツの整理と検索とが的確に可能である。
【0083】
(3)コンテンツ管理システム10は、ユーザによるコンテンツの利用の申請を受け付け、当該コンテンツの利用の許諾の可否を発信者に問い合わせる。したがって、利用許諾を得るためのユーザの負荷が軽減される。
【0084】
(4)コンテンツの利用条件がコンテンツ管理システム10に予め登録され、コンテンツ管理システム10からユーザに利用条件が提示される。したがって、ユーザと発信者との間でのコンテンツの利用に関する条件の調整が容易である。また、発信者は、コンテンツごとに細かな利用条件の設定が可能であるため、発信者の意図に沿ったコンテンツの利用が促されるとともに、上記条件の調整もより円滑に可能である。
【0085】
(5)コンテンツ管理システム10は、コンテンツについての更新の連絡を発信者から受けたとき、当該コンテンツを利用中のユーザに、コンテンツの更新を通知する。これにより、ユーザは、発信元でのコンテンツの更新内容を、自らが利用しているコンテンツに速やかに反映させることができる。
【0086】
(6)コンテンツ管理システム10は、ユーザによるコンテンツの利用履歴を分析する。これにより、ユーザの関心度の高い話題やユーザの活動傾向の把握が可能である。
【0087】
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・発信者による利用条件の設定は行われなくてもよい。すなわち、コンテンツ発信システム50からコンテンツ管理システム10への利用条件の入力は行われなくてもよい。そして、利用管理部24は、ユーザが利用を希望したコンテンツのすべてについて、発信者に利用許諾の可否を問い合わせてもよい。
【0088】
・コンテンツ管理システム10は、コンテンツ整理機能およびコンテンツ検索機能を有していればよく、コンテンツ利用管理機能、コンテンツ更新管理機能、および、コンテンツ利用履歴分析機能のうちの少なくとも1つを有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…コンテンツ管理システム
20…受付部
21…特徴抽出部
22…検索部
23…出力部
24…利用管理部
25…更新管理部
26…履歴分析部
30…登録データ
31…特徴データ
32…利用履歴データ
50…コンテンツ発信システム
60…ユーザ装置
図1
図2
図3
図4
図5