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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152760
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029851
(22)【出願日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】P 2022059271
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514195425
【氏名又は名称】株式会社ニューズドテック
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】粟津 浜一
(72)【発明者】
【氏名】石垣 陽
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】機器を保有するユーザが、その機器の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようにすること。
【解決手段】機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有する専用アプリがインストールされたユーザ端末1において、登録時取得部111は、専用アプリの利用を開始するための所定情報の登録時にユーザ情報及び端末情報を取得する。動作時取得部112は、アプリ動作中に端末情報を逐次取得する。バックグラウンド取得部113は、バックグラウンドで端末情報を逐次取得する。診断部102は、ユーザ情報及び端末情報に基づいて、ユーザ端末1の状態の診断を行う。生成部103は、診断の結果に基づいて、状態情報を生成する。故障前交換時期判断部105は、状態情報に基づいて、ユーザ端末1を交換すべき時期を、故障前交換時期として判断する。故障前交換提案部106は、故障前交換時期をユーザに報知する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェアがインストールされた情報処理装置であって、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報を取得する第1取得手段と、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報を逐次取得する第2取得手段と、
自機のバックグラウンドに関する第3情報を逐次取得する第3取得手段と、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断手段と、
前記診断手段による前記診断の結果に基づいて、前記状態情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記状態情報に基づいて、前記情報処理装置が故障する前の時期であって前記情報処理装置を交換すべき時期を、故障前交換時期として判断する判断手段と、
前記判断手段により判断された故障前交換時期を報知する報知手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェアがインストールされた情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報を取得する第1取得ステップと、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報を取得する第2取得ステップと、
自機のバックグラウンドに関する第3情報を逐次取得する第3取得ステップと、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断ステップと、
前記診断ステップにおける前記診断の結果に基づいて、前記状態情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにおいて生成された前記状態情報に基づいて、前記情報処理装置が故障する前での前記情報処理装置を交換すべき時期を、故障前交換時期として判断する判断ステップと、
前記判断ステップの処理により判断された故障前交換時期を報知する報知ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの機器の状態を診断して、その診断結果をユーザに提供する技術は存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-179813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、機器を保有するユーザ側には、自身が保有する機器の状態を、実際のどのような時期に交換すべきかを知りたいという要望がある。
更に言えば、適切な時期での交換により機器の再利用やリサイクル等を適切に行うことにより、環境負荷の低減などを推進することが求められていた。
ただし、特許文献1を含め従来の技術のみではその要望に応えられない状況にあった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、機器を保有するユーザが、実際のどのような時期に交換すべきかを知得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の情報処理装置は、
機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェアがインストールされた情報処理装置であって、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報を取得する第1取得手段と、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報を逐次取得する第2取得手段と、
自機のバックグラウンドに関する第3情報を逐次取得する第3取得手段と、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断手段と、
前記診断手段による前記診断の結果に基づいて、前記状態情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記状態情報に基づいて、前記情報処理装置が故障する前の時期であって前記情報処理装置を交換すべき時期を、故障前交換時期として判断する判断手段と、
前記判断手段により判断された故障前交換時期を報知する報知手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様のプログラムは、上述の本発明の一態様の情報処理装置に対応するプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機器を保有するユーザが、実際のどのような時期に交換すべきかを知得できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末が適用される情報処理システムにより実現される本サービスの概要を示す図である。
図2】ユーザにより購入されたユーザ端末の状態の変化の一例として、ユーザ端末のバッテリーの状態の変化を示す重回帰分析曲線グラフである。
図3】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末を含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図4図3に示す情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5図4のユーザ端末の機能的構成のうち、機器保有ユーザ支援処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6図1に示す本サービスにより実現されるユーザ端末に関する循環型ビジネスモデルの概念図である。
図7図6の循環型ビジネスモデルの第3サービスの「NewsedPhone(ニューズドフォン)」の利用フローの一例を示す図である。
図8】スマホカルテにより行われる、バッテリーを除くユーザ端末の各種状態の診断前の画面の一例を示す図である。
図9】スマホカルテにより行われる診断のうちアウトカメラのフラッシュテストについて、その内容の説明と当該診断を開始させるための画面の一例を示している。
図10】スマホカルテにより行われる診断のうちアウトカメラのフラッシュテストを実行するための画面の一例を示す図である。
図11】スマホカルテにより行われた、バッテリを除くユーザ端末1の各種状態の診断結果を表示するための画面の一例を示す図である。
図12】スマホカルテにより行われるバッテリ劣化テストについて、その内容の説明と当該診断を開始させるための画面の一例を示す図である。
図13】スマホカルテにより行われた、バッテリ劣化テストの各種状態の診断結果を表示するための画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末が適用される情報処理システムにより実現される本サービスの概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、サービス提供者(図示せず)によりユーザ(図示せず)に提供されるサービスの一例である。ユーザは、スマートフォン等の情報処理装置(以下、「ユーザ端末1」と呼ぶ)を操作することで本サービスの提供を受けることができる。具体的には、ユーザが操作するユーザ端末1には、本サービスを利用可能とする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)がインストールされる。ユーザは専用アプリを起動させることによって本サービスが利用することができる。
本サービスでは、専用アプリの機能により、ユーザ端末1の状態を示す情報(以下、「状態情報」と呼ぶ)が、所定のタイミングでユーザに報知される。具体的には、ユーザ端末1の機能が好適な状態で維持されるように、的確なタイミングで状態情報がユーザに報知される。さらに、状態情報に基づいて、ユーザに対する各種の提案が行われる。この「提案」には、単にユーザの要望に対応した提案だけではなく、ユーザに対する教育的な提案も含まれる。
【0013】
本サービスでは、ユーザ端末1が、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ)と、自機に関する情報(以下、「端末情報」と呼ぶ)との夫々を、1以上のタイミングで取得する(ステップS1)。
【0014】
ここで、「1以上のタイミング」が具体的にどのようなタイミングであるかは特に限定されず、あらゆるタイミングでユーザ情報及び端末情報を取得することができる。なお、本実施形態において、ユーザ情報は、ユーザが専用アプリの利用を開始するために本サービスにユーザ情報を登録したタイミング(以下、「登録時」と呼ぶ)で取得される。登録時に取得されるユーザ情報としては、例えばユーザの年代(例えば年齢や世代)、ユーザ端末1が購入された時期(例えば年月)、ユーザの性別等が挙げられる。
【0015】
また、本実施形態において、端末情報は、登録時のみならず、専用アプリが動作している最中(以下、「アプリ動作時」と呼ぶ)に逐次取得される。また、専用アプリの動作とは独立してバックグラウンドでも端末情報が逐次取得される。ここで、「逐次取得される」とは、サービス提供者又はユーザにより予め定められたインターバル(例えばリアルタイム、1秒毎、1分毎、10分毎、1時間毎等)で取得されることを意味するものとする。
【0016】
登録時に取得される端末情報としては、例えばユーザ端末の機種名、IMEI(例えば識別番号やシリアル番号)、バッテリーの状態を示す情報、CPUの状態を示す情報、メモリの状態を示す情報等が挙げられる。
【0017】
アプリ動作時に逐次取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、ユーザ端末1の位置を示す情報(例えばGPS(Global Positioning System)情報)、速度を示す情報、通信量の状況(例えばパケット通信の状況)を示す情報、メモリの使用状況を示す情報等が挙げられる。
【0018】
バックグラウンドで逐次取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、バッテリーの残存時間を示す情報、各種センサによる検知結果を示す情報、専用アプリの使用時間を示す情報、カメラの使用時間を示す情報等が挙げられる。各種センサによる検知結果としては、例えば温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、浸水センサ等の夫々の検知結果を示す情報等が挙げられる。
【0019】
本サービスでは、1以上のタイミングで取得されたユーザ情報及び端末情報に基づいて、ユーザ端末1の状態についての診断が行われる(ステップS2)。
具体的には、ユーザ端末1の各種機能の状態についての診断が行われる。例えばユーザ端末1に対する操作を受け付ける機能の状態についての診断として、タッチパネルに対するタッチ操作がなされた位置の座標の検出の精度等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の表示機能の状態についての診断として、タッチスパネルやディスプレイ等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の入力機能の状態についての診断として、イヤホンマイク、スピーカマイク、レシーバマイク、フロントマイク、リアマイク、ホームボタン、ボリュームボタン、スリープウェイクボタン等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の出力機能の状態についての診断として、スピーカやフラッシュ等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1のセンシング機能の状態についての診断として、温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、照度センサ、浸水センサ、コンパス、GPS等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の記憶機能の状態についての診断として、メモリ等の状態についての診断が行われる。
また例えば、ユーザ端末1の通信機能の状態についての診断として、コネクタ、セルラーネットワーク、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の接続の状態についての診断が行われる。
【0020】
本サービスでは、ユーザ端末1の状態についての診断の結果に基づいて、状態情報を生成する(ステップS3)。
具体的には例えば、状態情報として、バッテリーの劣化予測に関する情報、ユーザ端末1の温度上昇に関する情報、ユーザ端末1の落下により生じたダメージに関する情報、ユーザ端末1の水没に関する情報、落雷によりユーザ端末1に生じたダメージに関する情報、使用されているパケット量に関する情報、通信速度に関する情報等が生成される。
【0021】
本サービスでは、生成された状態情報がユーザに報知される(ステップS4)。具体的には、生成された状態情報が、文章、画像、音声用の形式でユーザ端末1に表示されることでユーザに報知される。生成された状態情報のうち、バッテリーの劣化予測に関する情報は、例えば、購入後に経過した日数と、フル充電後の継続使用可能時間との関係を示すグラフ等を、ユーザ端末1に表示することでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、ユーザ端末1の温度上昇に関する情報は、ユーザ端末1の温度が所定の閾値を超えたタイミングで、音声等によるアラートを出力することでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、ユーザ端末1の落下により生じたダメージに関する情報は、加速度センサやジャイロセンサによる検知結果が所定の閾値を超えたタイミングで、音声等によるアラートを出力することでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、ユーザ端末1の水没に関する情報は、浸水センサにより浸水が検知されたタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、落雷によりユーザ端末1に生じたダメージに関する情報は、ユーザ端末1の電圧が所定の閾値を超えたタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、使用されているパケット量に関する情報は、使用されたパケットの量が所定の閾値を超えたタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。また、生成された状態情報のうち、通信速度に関する情報は、通信速度が所定の閾値を下回ったタイミングで、その旨を示すメッセージ等を表示させることでユーザに報知することができる。
【0022】
本サービスでは、生成された状態情報に基づいて、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の提案が行われる(ステップS5)。
具体的には例えば、ユーザ端末1の電池残量が販売当初の最大電池容量に対する比率が所定値を下回る時期が予測されて、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の提案として、ユーザに提案される。また例えば、ユーザ端末1の消耗部品が平均故障間隔を超える時期が予測されて、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の提案として、ユーザに提案される。また例えば、ユーザ端末1のスイッチ等が平均使用回数を超える時期が予測されて、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期が、ユーザに提案される。これにより、ユーザは、ユーザ端末1が故障する前に交換することができるため、ユーザ端末1が故障して利用できない期間が発生する等のリスクを低減することができる。
【0023】
以上のように、本サービスでは、ユーザ端末1に専用アプリがインストールされると、1以上のタイミングでユーザ情報及び端末情報が取得される。具体的には、登録時にユーザ情報及び端末情報が取得されて、アプリ動作時及びバックグラウンドで端末情報が逐次取得される。このように、ユーザ端末1の機能の状態を示す情報や、ユーザ端末1がおかれた環境を示す情報等が、端末情報として複数のタイミングで取得される。そして、取得された情報に基づいて、ユーザ端末1の状態が診断され、その診断結果に基づく故障前交換の時期がユーザに報知される。
つまり、本サービスでは、ユーザが保有するユーザ端末1が、あらゆる角度からあらゆるタイミングで診断されることになる。これにより、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期が、予測される。そして、ユーザは、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期を把握することができるようになる。
【0024】
図2は、ユーザにより購入されたユーザ端末1の状態の変化の一例として、ユーザ端末1のバッテリーの状態の変化を示す重回帰分析曲線グラフである。
【0025】
図2のグラフにおいて、横軸は、ユーザ端末1の購入後に経過した時間t(以下、「購入後経過時間t」と呼ぶ)を示している。また、縦軸は、ユーザ端末1のバッテリーの劣化の度合、あるいはユーザ端末1のバッテリーの健全性を表す指標であるSOH(State of health)を示している。また、曲線Lは回帰曲線を示している。
本サービスでは、ユーザ端末1の状態のうち、ユーザ端末1のバッテリーの状態を判定する場合、図2のグラフを用いた回帰分析が行われる。SOHは、式「劣化時の満充電容量(Ah)/初期の満充電容量(Ah)×100」により算出することができる。
図2のグラフにプロットされている複数の円は、ユーザ端末1毎の購入後経過時間tとSOHとの関係を示すものである。なお、1つの円は、1台のユーザ端末1を示すものであってもよいし、複数のユーザ端末1の群を示すものであってもよい。
図2のグラフに示すように、購入後経過時間tが短いとSOHが高い値を示し、購入後経過時間tが長いとSOHが低い値を示す傾向にある。なお、矢印Yで示すように、円が回帰曲線(曲線L)から大きく離れている場合がある。このような場合、バッテリーそのものの経年劣化の他に、ユーザ特有の利用態様(例えばハードユース)がバッテリーの劣化に影響を与えていることが推定できる。
【0026】
次に、図3を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末1を含む、情報処理システムの構成の一例について説明する。
図3は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末を含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0027】
図3に示す情報処理システムは、ユーザ端末1と、サーバ2とを含むように構成されている。
ユーザ端末1、及びサーバ2は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。なお、ネットワークNWは、その形態は特にインターネットに限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、LAN(Local Area Network)等を採用することもできる。
なお、図3においてユーザ端末1は1台のみ描画されているが、これは説明を理解し易くするために簡略化したものであり、実際にはn台(nは1以上の整数値)のユーザ端末1が存在し得る。つまり、図示はしないが、m人(mは1以上n以下の整数値)のユーザが本サービスに登録している。
【0028】
ユーザ端末1は、ユーザにより操作される情報処理装置であって、例えばスマートフォン、タブレット等で構成される。
ユーザ端末1には、専用アプリがインストールされる。ユーザは、専用アプリを用いて本サービスを利用する。
【0029】
サーバ2は、サービス提供者により管理され、ユーザ端末1と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
サーバ2により実行される処理としては、例えばユーザ端末1の利用に関する情報を取得して記憶する処理や、ユーザ端末1に対して各種の情報を送信する処理等が挙げられる。
サーバ2により取得され、ユーザ端末1に送信される情報としては、例えば市場に流通している情報処理装置のスペックや価格に関する情報、中古市場の動向に関する情報、修理店、キャリアショップ、販売サイト、買取サイトに関する情報等が挙げられる。
【0030】
図4は、図3に示す情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
ユーザ端末1は、CPU11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、タッチ操作入力部16と、表示部17と、入力部18と、出力部19と、センサ部20と、撮像部21と、記憶部22と、通信部23と、ドライブ30と、を備えている。
【0032】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部22からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0033】
CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、タッチ操作入力部16、表示部17、入力部18、出力部19と、センサ部20と、撮像部21と、記憶部22、通信部23、及びドライブ30が接続されている。
【0034】
タッチ操作入力部16は、例えば表示部17の表示面(タッチスクリーンやディスプレイ)に積層される静電容量式又は抵抗膜式(感圧式)の位置入力センサにより構成され、タッチ操作がなされた位置の座標を検出する。
ここで、タッチ操作とは、タッチ操作入力部16に対する物体の接触又は近接の操作をいう。タッチ操作入力部16に対して接触又は近接する物体は、例えばユーザの指やタッチペン等である。
【0035】
入力部18は、マイク、各種ハードウェアボタン等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0036】
出力部19は、スピーカ、フラッシュ等により構成され、各種情報を音声や光によって出力する。
【0037】
センサ部20は、温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、浸水センサ等の各種のセンサで構成される。
【0038】
撮像部21は、カメラ等で構成される。
【0039】
記憶部22は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
【0040】
通信部23は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(例えば図3のサーバ2)との間で行う通信を制御する。
【0041】
ドライブ30は、必要に応じて設けられる。ドライブ30には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ30によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部22にインストールされる。また、リムーバブルメディア40は、記憶部22に記憶されている各種データを、記憶部22と同様に記憶することができる。
【0042】
なお、図示はしないが、図3のサーバ2も、図4に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、サーバ2のハードウェア構成の説明については省略する。
【0043】
このような図4のユーザ端末1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、ユーザ端末1における機器保有ユーザ支援処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザに対して上述の本サービスを提供することができる。
「機器保有ユーザ支援処理」は、ユーザ端末1に専用アプリがインストールされユーザ登録が行われた場合に、ユーザ端末1のCPU11により実行が制御される処理の1つである。
具体的には例えば、「機器保有ユーザ支援処理」では、ユーザ端末1に専用アプリがインストールされると、所定のタイミングで以下の処理が実行される。即ち、ユーザ情報及び端末情報を取得する処理、取得された情報に基づいて自機の状態を診断する処理、その診断結果に基づく状態情報を報知する処理が実行される。
以下、ユーザ端末1において実行される、機器保有ユーザ支援処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0044】
図5は、図4のユーザ端末の機能的構成のうち、機器保有ユーザ支援処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0045】
図5に示すように、ユーザ端末1のCPU11においては、機器保有ユーザ支援処理の実行が制御される場合、取得部101と、診断部102と、生成部103と、報知制御部104と、故障前交換時期判断部105と、故障前交換提案部106とが機能する。また、ユーザ端末1の記憶部22の一領域には、ユーザDB221と、端末DB222とが設けられている。
【0046】
取得部101は、複数のタイミングで端末状態情報を取得する。取得部101では、登録時取得部111と、動作時取得部112と、バックグラウンド取得部113とが機能する。
【0047】
登録時取得部111は、ユーザが専用アプリの利用を開始するためにユーザ情報を登録すると、そのタイミングでユーザ情報とユーザ端末1の端末情報とを取得する。登録時取得部111により取得されるユーザ情報としては、例えばユーザの年代、ユーザ端末1が購入された時期、ユーザの性別等が挙げられる。また、登録時取得部111により取得される端末情報としては、例えばユーザ端末の機種名、IMEI、バッテリーの状態を示す情報、CPU11の状態を示す情報、記憶部22(例えばメモリ)の状態を示す情報等が挙げられる。
登録時取得部111により取得された情報のうち、ユーザ情報はユーザDB221に記憶されて管理される。また、端末情報は端末DB222に記憶されて管理される。なお、ユーザ情報及び端末情報は、適宜サーバ2に送信されてもよい。
【0048】
動作時取得部112は、専用アプリの動作中に端末情報を逐次取得する。動作時取得部112により取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、ユーザ端末1の位置を示す情報、速度を示す情報、通信量の状況を示す情報、記憶部22のメモリの使用状況を示す情報等が挙げられる。
動作時取得部112により取得された端末情報は、端末DB222に記憶されて管理される。
【0049】
バックグラウンド取得部113は、端末情報を逐次取得する。バックグラウンド取得部113により取得される端末情報としては、例えばバッテリーの状態を示す情報、バッテリーの残存時間を示す情報、センサ部20の検知結果を示す情報、専用アプリの使用時間を示す情報、及び撮像部21のカメラの使用時間を示す情報等が挙げられる。センサ部20の検知結果としては、例えば温度センサの検知結果、磁気センサの検知結果、加速度センサの検知結果、ジャイロセンサの検知結果、近接センサの検知結果、気圧センサの検知結果、浸水センサの検知結果等が挙げられる。
バックグラウンド取得部113により取得された端末情報は、端末DB222に記憶されて管理される。
【0050】
診断部102は、登録時取得部111により取得されたユーザ情報及び端末情報と、動作時取得部112により取得された端末情報と、バックグラウンド取得部113により取得された端末情報とのうち少なくとも1の情報に基づいて、ユーザ端末1の状態についての診断を行う。具体的には、図4のタッチ操作入力部16、表示部17、入力部18、出力部19と、センサ部20と、記憶部22、及び通信部23の状態についての診断が行われる。
【0051】
タッチ操作入力部16の状態についての診断としては、例えばタッチ操作がなされた位置の座標の検出の精度等の状態についての診断が行われる。
【0052】
表示部17の状態についての診断としては、例えばタッチスパネルやディスプレイ等の状態についての診断が行われる。
【0053】
入力部18の状態についての診断としては、例えばイヤホンマイク、スピーカマイク、レシーバマイク、フロントマイク、リアマイク、ホームボタン、ボリュームボタン、スリープウェイクボタン等の状態についての診断が行われる。
【0054】
出力部19の状態についての診断としては、スピーカやフラッシュ等の状態についての診断が行われる。
【0055】
センサ部20の状態についての診断としては、温度センサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、近接センサ、気圧センサ、照度センサ、浸水センサ、コンパス、GPS等の状態についての診断が行われる。
【0056】
記憶部22の状態についての診断としては、メモリ等の状態についての診断が行われる。
【0057】
通信部23の状態についての診断としては、コネクタ、セルラーネットワーク、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の接続の状態についての診断が行われる。
【0058】
生成部103は、診断部102による診断の結果に基づいて、ユーザ端末1の状態情報を生成する。
【0059】
報知制御部104は、生成部103により生成されたユーザ端末1の状態情報を報知する制御を実行する。
具体的には、報知制御部104は、生成された状態情報を、文章や画像の形式で表示部17に表示させる制御や、音声の形式で出力部19から出力させる制御等を行うことでユーザに報知する。
【0060】
故障前交換時期判断部105は、生成部103により生成された状態情報に基づいて、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の判断を行う。
具体的には、例えば、故障前交換時期判断部105は、最新の状態情報や過去から現在における状態情報の変化に基づいて、ユーザ端末1の電池残量が販売当初の最大電池容量に対する比率が所定値を下回る時期を、ユーザ端末1を交換すべき時期の候補として予測する。
また例えば、故障前交換時期判断部105は、最新の状態情報や過去から現在における状態情報の変化に基づいて、ユーザ端末1の消耗部品が平均故障間隔を超える時期を、ユーザ端末1を交換すべき時期の候補として予測する。
また例えば、故障前交換時期判断部105は、最新の状態情報や過去から現在における状態情報の変化に基づいて、ユーザ端末1のスイッチ等が平均使用回数を超える時期を、ユーザ端末1を交換すべき時期の候補として予測する。
そして、故障前交換時期判断部105は、例えば、ユーザ端末1を交換すべき時期の候補のうち、最先の時期を、ユーザ端末1を交換すべき時期の候補として判断する。
【0061】
故障前交換提案部106は、故障前交換時期判断部105により判断されたユーザ端末1を交換すべき時期の提案を行う。
【0062】
ユーザ端末1が以上のような機能的構成を有することにより、的確なタイミングでユーザ情報及び端末情報が取得される。そして、取得されたユーザ情報及び端末情報に基づく状態情報が生成されて、的確なタイミングでユーザに報知される。さらに、状態情報に基づいて、ユーザ端末1を交換すべき時期の提案が行われる。
その結果、ユーザ端末1を保有するユーザが、ユーザ端末1を交換すべき時期を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようになる。さらに言えば、ユーザ端末1を保有するユーザは、そのユーザ端末1を将来に向けてどのように取り扱うべきであるのか、また、ユーザ端末の状態によっては処分すべきであるのか等を正確に判断できるようになる。
【0063】
以上、図3乃至図5を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るユーザ端末1を含む、情報処理システムの構成の一例について説明した。
以下、上述の本サービスにより実現されるユーザ端末1の循環型モデル構築について説明する。
【0064】
図6は、図1に示す本サービスにより実現されるユーザ端末に関する循環型ビジネスモデルの概念図である。
まず、前提として、スマートフォンやタブレットといったユーザ端末1に関する循環型モデルを構築する必要性について説明する。
国・地方脱炭素実現会議は、ゼロカーボンアクション30において「6.ごみを減らす」に分類される、「(25)修理や補修をする」という項目を挙げている。
即ち、各種電子機器(デバイス)を生産する際には、大量のカーボン(CO2)が発生している。そこで、デバイスにおいても、大量生産・大量消費モデルからの脱却が必要であると言える。換言すれば、デバイスを修理や補修して長く使う循環型モデルを構築することが必要である。
ここで、近年一番重要なインフラともされているスマートフォンやタブレットといったデバイスにおいて、モデルを構築することが重要であると言える。
【0065】
ここで、本サービスにおいては、一般のユーザの多いスマートフォンやタブレットといったデバイスについて、循環型モデルが構築されることにより、一般のユーザの夫々は、循環型モデルの構築と当該循環型モデルにおける活動を身近に感じることができる。即ち、単に企業がその企業努力として循環型モデルの構築を行うのみならず、一般のユーザに対しても循環型モデルという考え方が浸透する。その結果、企業のみならず一般のユーザも一丸となって、循環型モデルの実現にむけて活動を行うことができるようになるのである。
【0066】
次に、日本等の先進国(以下、「日本」を用いて説明する)におけるスマートフォンやタブレットの循環型モデルの現状について説明する。
即ち、日本等の先進国においては、使用済みのスマートフォンやタブレットが海外へ流れており、日本国内での循環型モデルが構築できていないのが現状である。
具体的には、スマートフォンやタブレットの年間約600万台が海外へ流れている。また、リサイクルが主流であって、リユースやリペア市場は成長過程であって十分な市場の整備がなされていない。また、年間約1300万台が埋蔵端末となり、累計約2億3000万台分の資源が都市鉱山となってしまっている。また、通信キャリアもデバイス(スマートフォンやタブレット)メーカも循環型モデルを構築できているとはいない状況である。
そこで、まず第1に、故障やバッテリー劣化をするまで当該スマートフォンやタブレットを長く使うこと。そして、第2に、故障やバッテリー劣化をした場合に、修理やバッテリー交換をしながら長く使うこと。本出願人は、これらの2つを実現したスマートフォンやタブレットの循環型モデルを構築し、新たなマーケットを生み出そうとしている。
なお、他の国においても、全体として循環型モデルが構築されているとはいいがたい状況である。
上述をまとめると、本サービスは、海外を経由することによる輸送に係る二酸化炭素排出や、リサイクル等と比較して二酸化炭素等の排出のより少ない、修理等により、循環型モデルを構築することを目指すものである。
【0067】
ここで、故障やバッテリー劣化をするまで当該スマートフォンやタブレットを長く使うこと、及び、故障やバッテリー劣化をした場合に修理やバッテリー交換をしながら長く使うことを実現するにあたり、行われるべき取り組み(課題)について説明する。
即ち、従来、スマートフォンやタブレットといったユーザ端末1を長く使うにあたり、ユーザは、ユーザ端末1の不調の原因が故障か否かが正確にはわからないという課題があった。
また、ユーザは、ユーザ端末1が故障したとしても、ユーザ自身で修理することができなかった。
また、ユーザ端末1が故障して通信キャリアに持ち込んだりメーカに依頼したりしても、その場では修理できないことが多かった。
また、バッテリー劣化の統一基準がないために、劣化の判断は感覚的なものとなってしまっていた。
また、ユーザ端末1の機種(メーカ)には存在するものの、基本的にはバッテリー劣化の計測は困難であった。
また、バッテリーが劣化しているとしても、ユーザは、ユーザ自身で修理することはできなかった。
また、バッテリーが劣化しているとしても、ユーザは、通信キャリアに持ち込んだとしても、その場でのバッテリー交換ができないことがあった。
【0068】
このように、スマートフォンやタブレットといったユーザ端末1(デバイス)を長く使うことを実現するにあたっては、多くの課題が存在した。
そこで、本サービスでは、スマートフォンやタブレットの現在の診断(各パラーメタ)から故障の状態やバッテリー劣化の状態の判断、また、それらを集積したビッグデータから故障やバッテリー劣化の予測をすることを支援する。これにより、上述の課題が解決され、ひいては、国・地方脱炭素実現会議による「6.ごみを減らす」に分類される、「(25)修理や補修をする」という項目の実現が進むのである。
【0069】
図6に示すように、本サービスを含む複数のサービスと各要素とが絡み合って、循環型ビジネスモデルが実現される。
即ち、上述したように、本サービスの専用アプリによりユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の提案が行われるが、このような専用アプリがインストールされたユーザ端末1について、更に故障時の交換保証などが提供されてもよい。また、交換保障は、ユーザ1が予め所有しているユーザ端末1に所定条件の契約により付与することもできる。また、予め交換保証が付された端末を、サービス提供者が割賦販売等の形態で提供することもできる。
即ち、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の提案が行われれる本サービスは、交換保証の有無やユーザ端末1の提供の有無等の条件の異なる以下の第1乃至第3サービスとして提供されてもよい。
【0070】
まず、第1サービスとは、上述の本サービスの専用アプリを、ユーザが各自の保有するユーザ端末1にインストールして利用するものである。図6において、第1サービスは、「スマホカルテ」として図示されている。
【0071】
次に、第2サービスとは、上述の本サービスの専用アプリを、ユーザが各自の保有するユーザ端末1にインストールし、サービス提供者とユーザとが故障時の交換保証等の契約を結ぶものである。図6において、第2サービスは、「NewsedCare」として図示されている。
【0072】
また、第3サービスとは、上述の本サービスの専用アプリをインストールすることを前提として、サービス提供者がユーザにユーザ端末1を割賦販売等する共に、サービス提供者とユーザとが故障時の交換保証等の契約を結ぶものである。図6において、第3サービスは、「NewsedPhone」として図示されている。
【0073】
以下、上述の第1乃至第3サービス、即ち、スマホカルテ、NewsedCare、及び、NewsedPhoneの詳細について説明する。
ここで、図6に示す白抜き矢印のように、図6に示す一連のサービスの何れかを利用したユーザは、より手厚い保証等を受けることができ、利便性の高いNewsedPhoneを利用することが期待される。
なお、専用アプリの利用の契約や、故障時の交換保証の契約内容等の一例については、後述する。
【0074】
以下、第1乃至第3サービスの夫々により、どのような展開がなされるのかについて説明する。なお、図6において、1点鎖線で示される矢印は、デバイスの再生に係る展開である。即ち、1点鎖線で示される矢印は、デバイス再生事業に関わるものであって、上述のSDGsの環境問題への貢献が高いものとなっている。
【0075】
具体的には、まず、代理店や法人、WEBにおいて、仕入れされた端末について、商品化が行われる。商品化において、中古品等の場合、検品、データ消去及びクリーニングが行われる。商品化を終えた端末は、販売又はレンタルされる。販売又はレンタルにおいて中古品等が再利用される場合、環境負荷を低減した結果としてCO2排出権に係る優遇を受けることができる。
【0076】
販売又はレンタルされる端末は、本サービスの専用アプリの利用とは別に販売されてもよいが、第2サービスであるNewsedCareや第3サービスであるNewsedPhoneにおいて利用される。なお、販売又はレンタルの代金は収益としてサービス提供者にもたらされる。
【0077】
そして、第2サービスであるNewsedCareや第3サービスであるNewsedPhoneにおいて故障前に交換された端末は、修理又はバッテリー交換される。これにより、交換された端末は、再販される端末として上述の商品化が行われる。
【0078】
商品化において、販売又はレンタル可能であると判断された場合、上述のとおり販売又はレンタルされる。しかしながら、販売又はレンタル可能でないと判断された場合、リサイクル販売、又は、パーツに分解がなされる。
なお、上述の説明において商品化前に修理又はバッテリー交換が行われるものとしたが、修理又はバッテリー交換の前に、販売又はレンタル可能か否かの判断がなされ、修理マハタバッテリー交換されずに、後述のリサイクル販売又はパーツに分解がなされてもよい。
【0079】
即ち、販売又はレンタル可能でないと判断された端末は、リサイクル販売される。これにより、当該端末は、例えば、パーツに分解され、素材としてリサイクルされる。
また、販売又はレンタル可能でないと判断された端末は、パーツに分解されてもよい。端末が分解されたパーツは、少なくとも一部がリパーツ(リサイクルパーツ)として販売される。
このように、デバイス再生事業により、端末は効率的に再度ユーザに販売又はレンタルされたり、リサイクルされる。即ち、利用後の端末について、単に不燃ごみとして処理されたり、都市鉱山となることが防がれるのである。
【0080】
また、図6において、2点鎖線で示される矢印は、デバイスの保証に係る展開である。即ち、2点鎖線で示される矢印は、ユーザ端末1の交換保証に関わるものであって、ユーザへの付加価値を提供することにより、上述のデバイス再生事業に直接的又は間接的にかかわるユーザを増やすことに資するものである。
そして、以下に説明するように、第1乃至第3サービスの展開により、最終的に収益化がなされることにより、サービス提供者自身の事業についても持続可能なものとなり、より一層のSDGsへの貢献がなされるのである。
【0081】
まず、第1サービスであるスマホカルテを起点とするフローについて説明する。
上述したように、スマホカルテは、専用アプリを、ユーザが各自の保有するユーザ端末1にインストールして利用するものである。
スマホカルテにおいては、上述の専用アプリにより故障診断が行われる。ここで、故障診断においては、故障の兆候等を含むユーザ情報及び端末情報が取得されると共に、データ分析等が行われる。このようなユーザ情報及び端末情報を用いて機械学習等を行うことが可能となる。これにより、ユーザ情報又は端末情報そのもの、若しくは、これらの情報を加工した情報を、販売することができる。これにより、データ料金が収益としてサービス提供者にもたらされる。
【0082】
また、上述の故障診断においては、故障診断の専用アプリにおいて、アプリ内広告やプッシュ通知による広告がなされるようにすることができる。これにより、広告料金が収益としてサービス提供者にもたらされる。
【0083】
また、スマホカルテにおいては、バッテリー残量診断が行われる。ここで、バッテリー残量診断には、バッテリー残量の将来予測が含まれていてもよい。このような、バッテリー残量診断や予測を含む各種情報の提供のための専用アプリの月額料金(利用料金)が収益としてサービス提供者にもたらされる。
【0084】
このように、スマホカルテの専用アプリ単体で、サービス提供者に収益がもたらされる。
【0085】
次に、第2サービスであるNewsedCareを起点とするフローについて説明する。
上述したように、NewsedCareは、上述の本サービスの専用アプリを、ユーザが各自の保有するユーザ端末1にインストールし、サービス提供者とユーザとが故障時の交換保証等の契約を結ぶものである。
NewsedCareにおいては、後述する故障時の交換保証の契約内容に含まれる、事務手数料、月額料金及びデポジットが収益としてサービス提供者にもたらされる。
即ち、ユーザは、上述の本サービスの専用アプリの各機能を利用することができる。
そこで、NewsedCareにおいて、上述のスマホカルテと同様の収益も、サービス提供者にもたらされ得る。
なお、サービス提供者は、NewsedCareにおいて、専用アプリのアプリ内広告やプッシュ通知広告が適宜行われないようにすることもできる。
このように、NewsedCareにより、サービス提供者に収益がもたらされる。
【0086】
次に、第3サービスであるNewsedPhoneを起点とするフローについて説明する。
上述したように、NewsedPhoneは、上述の本サービスの専用アプリをインストールすることを前提として、サービス提供者がユーザにユーザ端末1を割賦販売等する共に、サービス提供者とユーザとが故障時の交換保証等の契約を結ぶものである。
NewsedPhoneにおいては、後述する故障時の交換保証や割賦販売等の契約内容に含まれる、事務手数料、月額料金及びデポジットが収益としてサービス提供者にもたらされる。
また、ユーザは、上述の本サービスの専用アプリの各機能を利用することができる。
そこで、NewsedPhoneにおいて、上述のスマホカルテと同様の収益も、サービス提供者にもたらされ得る。
なお、サービス提供者は、NewsedPhoneにおいて、専用アプリのアプリ内広告やプッシュ通知広告が適宜行われないようにすることもできる。
このように、NewsedPhoneにより、サービス提供者に収益がもたらされる。
【0087】
上述したように、サービス提供者に対して各種収益がもたらされるため、サービス提供者、本サービスを持続可能に提供することができる。また、故障診断や、バッテリーの残量診断を含む、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の提案をうけることにより、ユーザは、ユーザ端末1を適切なタイミングで交換することができる。これにより、SDGsの環境負荷低減の貢献がなされる。
【0088】
上述をまとめると、図6に示すように、第1乃至第3サービス等により、端末レンタルや端末販売の活発化と、売り上げの向上と、アクティブユーザ数の増加と、データ精度やアプリ品質の向上とがフィードバックされ、持続可能なビジネスが形成されるのである。
換言すると、近年、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げられており、企業は、環境負荷を低減することなどを目指して研究開発を行ったりしている。しかしながら、単に環境負荷を低減するべく製造方法を切り替えたりすることは、企業にとっては利益を圧迫することとなり、その企業にとっては、持続可能性が低下するともいえる。
しかしながら、上述の図6の循環型ビジネスモデルは、新マーケットを創出し得るものである。即ち、図6の循環型ビジネスモデルは企業にとっての売上を向上させ得るものであり、持続可能性が向上されるものである。
【0089】
以下、図6に示す第1乃至第3サービスにおける、専用アプリの利用の契約や、故障時の交換保証の契約内容等の一例について説明する。
【0090】
まず、第1サービス乃至第3サービスの夫々の利用料金の一例について説明する。
第1サービスであるスマホカルテにおいては、料金として、月額料金のみが発生するものとすることができる。
【0091】
第2サービスであるNewsedCareにおいては、料金として、事務手数料と、月額料金とが発生するものとすることができる。即ち、NewsedCareにおいては、交換保証の初期費用として事務手数料が発生し得る。また、月額料金は、ユーザ端末1の販売価格やその時の市場価格等に基づいて定められる。即ち、ユーザ端末1の価格が安いほど月額料金は安く、ユーザ端末1の価格が高いほど月額料金は高く設定されると好適である。
【0092】
第3サービスであるNewsedPhoneにおいては、料金として、事務手数料と、月額料金とが発生するものとすることができる。即ち、NewsedPhoneにおいては、交換保証の初期費用として事務手数料が発生し得る。また、月額料金は、ユーザ端末1の販売価格やその時の市場価格等に基づいて定められる。即ち、ユーザ端末1の価格が安いほど月額料金は安く、ユーザ端末1の価格が高いほど月額料金は高く設定されると好適である。
【0093】
次に、第1サービス乃至第3サービスの夫々のサービス内容の一例について説明する。
【0094】
第1サービスであるスマホカルテにおいては、支払方法は、「クレジットカード」とすることができる。
申込は、「アップグレード希望の場合のみ、WEBサイトから定期購入の登録」とすることができる。
アプリ機能は、「機能テスト、※アップグレード版のみは、バッテリー劣化診断及びバッテリー劣化予測診断可能」とすることができる。
広告機能(アプリ内広告、プッシュ通知広告)は、「無料版はあり、アップグレード版はなし」とすることができる。
キャンセル手数料は、「キャンセル不可」とすることができる。
解約金は、「解約対応となり、その際発生した月額課金、事務手数料は返金不可」とすることができる。
交換品への保証は、「無料」とすることができる。
【0095】
第2サービスであるNewsedCareにおいては、保証期間は、「2年間または交換まで」とすることができる。
支払方法は、「クレジットカード(注文者と同一名義)」とすることができる。
申込は、「WEBサイトの専用ページにおいて定期購入の登録」とすることができる。
保証方法は、「交換(最長2年に1回)、交換品先発送、※購入日を含む1か月のみ通常保証も適用、通常保証の場合、先にお客様に返品してもらう」とすることができる。
返品期限は、「交換品到着後14日間、着払い」とすることができる。
加入期限は、「ユーザ端末1の注文日より1か月以内」とすることができる。
解約は、「当月20日までの場合当月末解約、当月21日以降の場合翌月末解約」とすることができる。
アプリ機能は、「機能テスト、バッテリー劣化診断、バッテリー劣化予測診断」とすることができる。
広告機能(アプリ内広告、プッシュ通知広告)は、「なし」とすることができる。
保証対象は、「バッテリー劣化70%以下となった場合又はアプリで故障確認ができた場合」とすることができる。
保証対象外は、「破損、水濡れ、紛失、全損、加工、正規外修理、アプリで確認できない不具合」とすることができる。
返金となる場合は、「なし、端末は別購入のためNewsedCareの月額料金については返金なし」とすることができる。
キャンセル手数料は、「キャンセル不可、解約対応となり、その際発生した月額課金、事務手数料は返金不可」とすることができる。
解約金は、「無料」とすることができる。
交換品への保証は、「交換品発送日より1カ月間、再交換のみで対応」とすることができる。
【0096】
第3サービスであるNewsedPhoneにおいては、保証期間は、「2年間または交換まで」とすることができる。
支払方法は、「クレジットカード(注文者と同一名義)」とすることができる。
申込は、「WEBサイトにおいて、ユーザ端末1の購入の注文時自動申込」とすることができる。
保証方法は、「交換(最長2年に1回)、交換品先発送」とすることができる。
返品期限は、「交換品到着後14日間、着払い」とすることができる。
加入期限は、「ユーザ端末1の注文時のみ」とすることができる。
解約は、「当月20日までの場合当月末解約、当月21日以降の場合翌月末解約」とすることができる。
アプリ機能は、「機能テスト、バッテリー劣化診断、バッテリー劣化予測診断」とすることができる。
広告機能(アプリ内広告、プッシュ通知広告)は、「なし」とすることができる。
保証対象は、「バッテリー劣化70%以下となった場合又はアプリで故障確認ができた場合」とすることができる。
保証対象外は、「破損、水濡れ、紛失、全損、加工、正規外修理、アプリで確認できない不具合」とすることができる。
返金となる場合は、「初期不良期間、又は、発送商品誤り等の店舗都合、返品サービス、全て商品到着日を含む7日間」とすることができる。
キャンセル手数料は、「所定費用(商品到着日より7日間、お客様都合返品の場合のみ)、事務手数料返金なし」とすることができる。
解約金は、「無料」とすることができる。
交換品への保証は、「交換品発送日より1カ月間、再交換のみで対応」とすることができる。
【0097】
さらに以下、図6の循環型ビジネスモデルの第3サービスの「NewsedPhone(ニューズドフォン)」の詳細について説明する。
図7は、図6の循環型ビジネスモデルの第3サービスの「NewsedPhone(ニューズドフォン)」の利用フローの一例を示す図である。
なお、専用アプリは、後述の図8乃至図13の「スマホカルテ」が利用されるものとする。
【0098】
S11において、ユーザは、「NewsedPhone(ニューズドフォン)」により、ユーザ端末1として利用するスマートフォンを購入する。
例えば本例では、「NewsedPhone(ニューズドフォン)」のスマートフォンには、交換保証が通常6ヵ月ついている。さらに、延長オプションを付けることで1年間に延長が可能である。
【0099】
ステップS12において、ユーザは、ユーザ端末1に対して「スマホカルテ」をインストールする。このとき、図1のステップS1が実行されることになる。
【0100】
ステップS13において、ユーザは、「スマホカルテ」でユーザ端末1の状態をチェックする。このとき、図1のステップS2及びS3が実行されることになる。
なお、ステップS13の具体例については、図8乃至図13を参照して後述する。なお、ステップS13のタイミングは特に限定されず、ユーザは、ユーザ端末1の健康診断ができる「スマホカルテ」を用いることで、自身のユーザ端末1の状態をいつでもチェックすることができる。
【0101】
ステップS14において、「スマホカルテ」において故障のサインがでた場合には、ユーザ端末1は交換可能な状態になる。
ここでいう「故障のサイン」とは、実際に故障したことを意味せず、ユーザ端末1の故障前の時期であってユーザ端末1を交換すべき時期の状態となっていることの報知を意味する。即ち、スマホカルテの機能診断でNGが出た場合(詳細な具体例については図11及び図13を参照して後述)が、故障のサインとなる。「NewsedPhone(ニューズドフォン)」の保証期間内であれば、ユーザがユーザ端末1として使用する対象のスマートフォンを交換することが可能になる。
即ち、ステップS14として、図1のステップS4及びS5が実行されることになる。
【0102】
ステップS15において、ユーザは、申込フォームから交換申込を行う。
【0103】
ステップS16において、サービス提供者から交換端末が発送される。即ち、サービス提供者は、交換申込の受付を完了したあと、交換端末をユーザに発送する。
なお、交換端末としては、購入端末と同機種及び同外装ランク(新品の場合はA+ランク)のものが原則発送される。ただし、サービス提供者側で在庫が存在しない場合、サービス提供者が選択した機種の端末が交換端末となる。
【0104】
ステップS17において、ユーザは、交換端末を新たなユーザ端末1とすべく、交換端末にデータ移行をする。即ち、ユーザは、交換端末が手元に届いたら、故障のサインが出ている端末(これまでユーザ端末1として利用していた端末)から交換端末に対して、スマートフォンのデータを移行する。
交換端末へのデータの移行が完了すると、当該交換端末がユーザ端末1になる。
【0105】
ステップS17において、ユーザは、故障のサインが出ている端末(これまでユーザ端末1として利用していた端末)について、返却前にデータ消去をする。即ち、ユーザは、交換端末へのデータ移行が完了したら、故障のサインが出ている端末からデータ消去(初期化)を行う。
【0106】
ステップS18において、ユーザは、故障のサインが出ている端末(これまでユーザ端末1として利用していた端末)をサービス提供者に返却する。
【0107】
次に、図8乃至図13を参照して、「スマホカルテ」の具体例について説明する。
【0108】
図8は、スマホカルテにより行われる、バッテリーを除くユーザ端末の各種状態の診断前の画面の一例を示している。
ユーザは、スマホカルテによりバッテリーを除くユーザ端末1の各種状態を診断する場合、ユーザ端末1に図8の画面を表示させ、「全機能」と表示されたボタンを押下する。
これにより、ユーザ端末1において、バッテリーを除くユーザ端末1の各種状態の診断が開始される。即ち、図7のステップS13(図1のステップS2)が開始される。
本例のスマホカルテでは、コネクタ、イヤホン、アウトカメラ、インカメラ、液晶画面、タッチパネル、スリープボタン、近接センサ、及びマイク、その他図示せぬ各種機器(例えば加速度センサ)の夫々についての状態の診断が所定の順番で実行される。
【0109】
図9は、スマホカルテにより行われる診断のうちアウトカメラのフラッシュテストについて、その内容の説明と当該診断を開始させるための画面の一例を示している。
ユーザは、図9の画面のメッセージからフラッシュテストの内容及びやり方を視認し、「次へ」と表示されたボタンを押下すると、図10の画面に遷移して、フラッシュテストが実行される。
図10は、スマホカルテにより行われる診断のうちアウトカメラのフラッシュテストを実行するための画面の一例を示している。
【0110】
図11は、スマホカルテにより行われた、バッテリーを除くユーザ端末1の各種状態の診断結果を表示するための画面の一例を示している。
本例のスマホカルテでは、近接センサ、加速度センサ、コネクタ、液晶画面、その他図示せぬ各種機器(例えばイヤホン、アウトカメラ、インカメラ、タッチパネル、スリープボタンマイク当)の夫々についての状態の診断結果を示す状態情報が、「Pass」又は「NG」として表示される。
図11の例では、液晶画面の状態情報として「NG」が表示されているため、上述のステップS14でいう「スマホカルテにおいて故障のサインが出た場合」に該当する。即ち、ユーザ端末1は交換可能な状態であることを意味している。
【0111】
図12は、スマホカルテにより行われるバッテリ劣化テストについて、その内容の説明と当該診断を開始させるための画面の一例を示している。
ユーザは、図12の画面のメッセージからバッテ劣化リテストの内容及びやり方を視認し、「バッテリ最大容量を送信」と表示されたボタンを押下すると、バッテリ劣化テストが実行され、その結果として図13の画面が表示される。
【0112】
図13は、スマホカルテにより行われた、バッテリ劣化テストの診断結果を表示するための画面の一例を示している。
本例のスマホカルテでは、バッテリ劣化の診断結果を示す状態情報が、バッテリ状態を示すパーセントと、状態を示すメッセージとにより表示される。
図13の例では、バッテリ状態が70%と表示されると共に、「状態が悪い」と表示されているため、上述のステップS14でいう「スマホカルテにおいて故障のサインが出た場合」に該当する。即ち、ユーザ端末1は交換可能な状態であることを意味している。
【0113】
ところで、上述の例では、バッテリ劣化のみならず、スマートフォンの各種機器の故障前異常も機器交換の対象とするサービスとされたが、本発明が適用されるサービスは特にこれに限定されない。
例えば、以下に示すように、バッテリ劣化の場合機器交換の対象とするサービス(以下、「トリスマ」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0114】
トリスマとは、スマートフォンのバッテリー劣化保証として、スマートフォンをまるごと交換するサービスである。
いま既に電池持ちが悪いスマートフォン、例えばバッテリー最大容量が79%以下の状態のスマートフォンでもトリスマに加入が可能である。
即ち、トリスマは、バッテリー劣化に特化した保証サービスのため、バッテリ劣化でいま困っているスマートフォンでも、後述のプレミアムプランの加入が可能になる。
【0115】
トリスマは、次の第1特徴乃至第3特徴を有している。
【0116】
第1特徴は、「あんしん申込」というものである。
即ち、Apple(登録商標)や携帯ショップの補償には、購入と同時に契約するといった縛りや、申込期限が存在する。したがって、保証に入ろうとしたのに申込期限を過ぎてしまったというユーザも多い。
これに対して、安心して使ってほしいという思いから、トリスマは、いつでも申込が可能となっている。
即ち、スマートフォンを購入したとき(上述の「NewsedPhone(ニューズドフォン)」以外の経由でも可)でも、既にスマートフォンを使用しているときでも、トリスマに加入することが可能である。
保証対象のスマートフォンの状態によっては申込が不可の場合もあるが、原則として、後からでも保証内容をつめることができて安心である。
【0117】
第2特徴は、「購入先の制限なし」というものである。
即ち、ユーザの中には「購入したところの専用の保証に入らないとだめ?」という疑問を有する者も存在するかもしれないが、トリスマでは、専用の保証に入ることは不要である。
トリマでは、誰でも申込みできるように、今使用しているスマートフォンやこれから購入予定のスマートフォンの購入先による原則申込制限はない。なお、盗難品等、一部例外は存在する。
例えば、携帯ショップ、家電量販店のスマートフォンコーナー、ネットショップ等で購入した新品のスマートフォンは、当然にトリスマに加入が可能である。さらに、中古スマートフォンショップ、フリーマーケットのアプリケーションソフトウェア、オークション等で購入した中古のスマートフォンでもよい。
【0118】
第3特徴は、「誰でも入れる」というものである。
トリスマは、今使用中のスマートフォンの契約状況や保証の加入状況に関係なく利用できる保証サービスである。
ユーザの中には、「携帯会社の保証に入っているからどうしよう」、「契約している携帯会社のプランを変えないとだめかしら」、「Wi-Fiで使用しているだけでも大丈夫かな」と思う者もいる。
このようなユーザでもすべて、トリスマに加入可能である。即ち、携帯会社の契約者と同じである必要のないので、誰でもトリスマの申込が可能である。ただし、クレジットカードでの申込が可能である。
【0119】
トリスマのプランは、ベーシックプランとプレミアムプランの2種類に大別される。
【0120】
ベーシックプランは、次のような者に好適である。
即ち、現在使用中のスマートフォンのバッテリの状態が最大容量の80%以上の者、バッテリの持ちが悪くなったタイミングで交換したい者、できるだけ費用を抑えたい者、少し傷がついていてもカバーをつけるので気にならない者等にベーシックプランは好適である。
【0121】
一方、プレミアプランは、費用自体はベーシックプランよりも高くなるものの、バッテリー残量の制限はなく、加入時のバッテリの最大容量が79%以下でもトリスマに加入することができる。
また、プレミアムプランでは、いつでも交換可能である。即ち、ユーザは、バッテリの持ちが悪く交換したいと感じたときはいつでも、キズの少ないA又はBランクのスマートフォンと交換ができます。
また、プレミアムプランでは、加入後すぐの交換も可能である。通常3ケ月の免責期間があるところ、早期交換オプションですぐに交換可能である。
【0122】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0123】
例えば、上述の実施形態では、スマートフォンやタブレット等で構成されるユーザ端末1の状態情報の報知、及び状態情報に基づく提案が行われるが、これに限定されない。即ち、スマートフォンやタブレット等以外のあらゆる機器の状態情報の報知、及び状態情報に基づく提案を行うことができる。
【0124】
また例えば、上述の実施形態では、ユーザは、ユーザ端末1にインストールされた専用アプリを用いて本サービスを利用する構成となっている。ただし、本サービスを利用するための具体的手法は特に限定されない。例えば、ユーザは、ユーザ端末1のブラウザ機能を用いて本サービスの少なくとも一部を利用することもできる。
【0125】
また例えば、上述のユーザ情報及び端末情報は一例に過ぎない。上述した情報以外の情報をユーザ情報及び端末情報とすることもできる。
【0126】
また例えば、ユーザ情報が取得されるタイミングは上述の実施形態のタイミングに限定されない。例えば動作時及びバックグラウンドで逐次取得されてもよい。これにより、登録後に登録情報の修正がなされた場合でも柔軟に対応することができる。また、端末情報が取得されるタイミングも上述の実施形態のタイミングに限定されない。
【0127】
また、図3に示すシステム構成や、図4に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0128】
また、図5に示す機能的構成も例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した機器保有ユーザ支援処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは特に図5の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図5に特に限定されず、任意でよい。例えば、ユーザ端末1の機能ブロック及びデータベースを、サーバ2、又は図示せぬ他の情報処理装置等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0129】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0130】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図4のリムーバブルメディア40により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア40は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図4のROM12や記憶部22に含まれるハードディスク等で構成される。
【0131】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0132】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
機器(例えば上述のユーザ端末1)の状態を示す状態情報を報知する機能を有するアプリケーションソフトウェア(例えば上述の専用アプリ)がインストールされた情報処理装置(例えば上述のユーザ端末1)であって、
前記アプリケーションソフトウェアの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報(例えば上述のユーザ情報及び端末情報)を取得する第1取得手段(例えば図5の登録時取得部111)と、
前記アプリケーションソフトウェアの動作中に、自機に関する第2情報(例えば上述の端末情報)を逐次取得する第2取得手段(例えば図5の動作時取得部112)と、
自機のバックグラウンドに関する第3情報(例えば上述の端末情報)を逐次取得する第3取得手段(例えば図5のバックグラウンド取得部113)と、
取得された前記第1情報、前記第2情報、及び前記第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、前記情報処理装置の前記状態の診断を行う診断手段(例えば図5の診断部102)と、
前記診断手段による前記診断の結果に基づいて、前記状態情報(例えば上述の状態情報)を生成する生成手段(例えば図5の生成部103)と、
前記生成手段により生成された前記状態情報を報知する報知手段(例えば図5の報知制御部104)と、
を備える情報処理装置。
【0133】
つまり、機器の状態を示す状態情報を報知する機能を有する専用アプリがインストールされた情報処理装置において、専用アプリの利用を開始するための所定情報の登録時に、自機に関する第1情報が取得される。また、専用アプリの動作中に、自機に関する第2情報が取得される。また、自機のバックグラウンドに関する第3情報が逐次取得される。そして、取得された第1情報、第2情報、及び第3情報のうち少なくとも1の情報に基づいて、専用アプリがインストールされた情報処理装置の状態についての診断が行われる。そして、その診断の結果に基づいて、状態情報が生成されて報知される。
その結果、情報処理装置(例えば図3のユーザ端末1)を保有するユーザが、その情報処理装置の状態を、より正確にかつ的確なタイミングで知得できるようになる。
【0134】
また、前記生成手段により生成された前記状態情報に基づいて、前記情報処理装置が故障する前の時期であって前記情報処理装置を交換すべき時期(例えば、販売当初の最大電池容量に対する比率が所定値を下回る時期)を、故障前交換時期として判断する判断手段(故障前交換時期判断部105)と、
前記判断手段により判断された故障前交換時期を報知する報知手段(故障前交換提案部106)と、をさらに備えることができる。
【0135】
つまり、生成された状態情報に基づいて、その情報処理装置が故障する前の時期であって情報処理装置を交換すべき時期の提案が行われる。
その結果、情報処理装置を保有するユーザは、より好適な時期に情報処理装置を交換できると共に、情報処理装置が故障して利用できない期間が発生する等のリスクを低減することができる。
【符号の説明】
【0136】
1・・・ユーザ端末、2・・・サーバ、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・タッチ操作入力部、17・・・表示部、18・・・入力部、19・・・出力部、20・・・センサ部、21・・・撮像部、22・・・記憶部、23・・・通信部、30・・・ドライブ、40・・・リムーバルメディア、101・・・取得部、102・・・診断部、103・・・生成部、104・・・報知制御部、105・・・提案部、111・・・登録時取得部、112・・・動作時取得部、113・・・バックグラウンド取得部、221・・・ユーザDB、222・・・端末DB、NW・・・ネットワーク、L・・・曲線、Y・・・矢印
図1
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