(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152782
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】発電ユニット
(51)【国際特許分類】
F16H 35/00 20060101AFI20231005BHJP
F16H 1/06 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F16H35/00 G
F16H1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035003
(22)【出願日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2022056059
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022133317
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯野 宏
【テーマコード(参考)】
3J009
【Fターム(参考)】
3J009DA17
3J009EA04
3J009EA11
3J009EA21
3J009EA32
3J009EA44
3J009EA50
(57)【要約】
【課題】小型で且つより高い増速比を得る。
【解決手段】発電ユニットの動力伝達装置は、入力ギヤとその外周側に噛合される第1列目ピニオンギヤとを含む第1列目ギヤ列と、第1列目ピニオンギヤと同軸に連結される第2列目ギヤとこれに噛合される第2列目ピニオンギヤとを含む第2列目ギヤ列と、第2列目ピニオンギヤと同軸に連結され第3列目ギヤとこれに噛合される第3列目ピニオンギヤとを含む第3列目ギヤ列と、を備える。第1列目ギヤ列は、入力ギヤを中心に周方向に等間隔に配置された第1列目ピニオンギヤを3つ以上有する。第2列目ギヤ列は、第1列目ピニオンギヤと同数の3つ以上の第2列目ギヤのうち隣り合う2つと噛合されるように、隣り合う2つの回転中心間を結ぶ線上に配置される第2列目ピニオンギヤを複数有する。第3列目ギヤ列は、第3列目ギヤのトルクを第3列目ピニオンギヤに統合する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部材に入力された動力を増速して出力部材に伝達する動力伝達装置と、前記出力部材に接続された発電機と、を備える発電ユニットであって、
前記動力伝達装置は、
前記入力部材に連結される入力ギヤと、前記入力ギヤよりも小径で該入力ギヤの外周側に噛合される第1列目ピニオンギヤと、を含む第1列目ギヤ列と、
前記第1列目ピニオンギヤと同軸に連結される第2列目ギヤと、前記第2列目ギヤよりも小径で該第2列目ギヤに噛合される第2列目ピニオンギヤと、を含む第2列目ギヤ列と、
前記第2列目ピニオンギヤと同軸に連結される第3列目ギヤと、前記第3列目ギヤよりも小径で該第3列目ギヤに噛合される第3列目ピニオンギヤと、を含む第3列目ギヤ列と、
を備え、
前記第1列目ギヤ列は、前記入力ギヤを中心に周方向に等間隔に配置された前記第1列目ピニオンギヤを3つ以上有し、
前記第2列目ギヤ列は、前記第1列目ピニオンギヤと同数の3つ以上の前記第2列目ギヤのうち隣り合う2つの前記第2列目ギヤと噛合されるように、隣り合う2つの前記第2列目ギヤの回転中心間を結ぶ線上に配置される前記第2列目ピニオンギヤを複数有し、
前記第3列目ギヤ列は、前記第3列目ギヤのトルクを前記第3列目ピニオンギヤに統合して前記出力部材側に伝達する、
発電ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の発電ユニットであって、
前記第1列目ピニオンギヤは、3つまたは4つであり、
前記第2列目ピニオンギヤは、2つ、3つまたは4つであって、前記第1列目ピニオンギヤの数以下であり、
前記第3列目ピニオンギヤは、複数の前記第3列目ギヤの全てと噛合されるように、前記入力ギヤの回転軸と同軸に配置されると共に前記入力ギヤの回転軸に軸受けを介して支持される、
発電ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の発電ユニットであって、
前記第1列目ピニオンギヤおよび前記第2列目ピニオンギヤは、それぞれ4つであり、
前記第2列目ピニオンギヤと同数の4つの前記第3列目ギヤは、それぞれ隣り合う2つと噛合され、
前記第2列目ピニオンギヤと前記第3列目ギヤとの間には、前記入力部材の正転時と反転時とで前記出力部材の回転方向が変化しないように、ワンウェイクラッチが配置される、
発電ユニット。
【請求項4】
請求項1または3に記載の発電ユニットであって、
前記第3列目ピニオンギヤは、複数の前記第3列目ギヤの一つと噛合され、
前記第3列目ピニオンギヤの回転軸は、軸方向視において前記入力ギヤ、前記第1列目ピニオンギヤおよび前記第2列目ギヤと重ならない位置に設けられた軸受けにより支持され、
前記発電機は、前記入力ギヤと同側に配置されている、
発電ユニット。
【請求項5】
揺動可能な入力部材の揺動往復運動を回転運動に変換して出力部材に伝達する動力伝達装置と、前記出力部材に接続された発電機と、を備える発電ユニットであって、
前記動力伝達装置は、
前記入力部材の揺動往復運動のうち往動側でのみ動力を前記出力部材に伝達する第1伝達機構と、
前記入力部材の揺動往復運動のうち復動側でのみ動力を前記出力部材に伝達する第2伝達機構と、
を備え、
前記第1伝達機構は、入力された動力を増速して出力する第1増速部と、前記入力部材に前記往動側の動力が入力されると入力された動力を伝達し前記入力部材に前記復動側の動力が入力されると空転する第1ワンウェイクラッチと、を有し、
前記第2伝達機構は、入力された動力を増速して出力する第2増速部と、前記入力部材に前記復動側の動力が入力されると入力された動力を伝達し前記入力部材に前記往動側の動力が入力されると空転する第2ワンウェイクラッチと、を有し、
前記第1ワンウェイクラッチは、前記第1増速部の後段側に設けられ、
前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2増速部の後段側に設けられ、
前記第1増速部および前記第2増速部は、共通の増速部であり、前記入力部材に連結される入力ギヤと該入力ギヤよりも小径で該入力ギヤにそれぞれ噛合されるように放射状に配置される4個の小径ギヤとを含む第1段目のギヤ列と、前段の4個の小径ギヤと同軸に連結される偶数個の大径ギヤと4個の大径ギヤのうち隣り合う2つの大径ギヤと噛合されるように放射状に配置される4個の小径ギヤとを含む少なくとも1つの第2段目以降のギヤ列と、を有し、
前記第1ワンウェイクラッチは、前記第2段目以降のギヤ列における4個の小径ギヤのうち一部の小径ギヤと該一部の小径ギヤと同軸に連結される次段のギヤ列の大径ギヤとの間に配置され、
前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2段目以降のギヤ列における4個の小径ギヤのうち残りの小径ギヤと該残りの小径ギヤと同軸に連結される次段のギヤ列の大径ギヤとの間に配置される、
発電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発電ユニットとしては、入力軸Siに設けられた入力歯車11と、出力軸Soに設けられた2つの出力歯車12A,12Bと、入力歯車11の外周に噛合するよう周方向に90度ピッチで配置された4つの歯車13と、歯車13とピニオン軸Svで同軸に連結されると共に出力歯車12A,12Bにそれぞれ噛合する二組の歯車14A,14Cおよび歯車14B,14Dと、を有する風力発電装置用の2段増速機を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。出力歯車12A,12Bは、出力軸Soにオフセット量Loだけずれて設けられる。二組の歯車14A,14Cおよび歯車14B,14Dは、それぞれ180度ピッチの関係にあり、出力軸Soの軸方向にオフセット量Loだけずれて配置される。そして、歯車14A,14Cの組は、出力歯車12Aに噛合され、歯車14B,14Dの組は、出力歯車12Bに噛合される。入力軸Siと歯車13との間で増速する第1段階の増速と、歯車14A,14B,14C,14Dと出力歯車12A,12Bとの間で増速する第2段階の増速とを行なうことで2段増速が達成される。これにより、出力歯車12A,12Bの歯数を少なくして小径化し、歯車14A,14B,14C,14Dの歯数を多くして大径化しても、隣接する歯車14A,14B,14C,14Dが干渉することがなく、歯車14A,14B,14C,14Dと出力歯車12A,12Bとの間で、従来と比較してギヤ比を大きく設定することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/113173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した発電ユニットでは、ギヤの配置が軸方向に3列となり、3列分のギヤの搭載スペースが必要となる。一方で、増速比は2段増速であるため、限られた搭載スペースでより高い増速比を得るためには、不利となる。
【0005】
本開示の発電ユニットは、小型で且つより高い増速比を得ることが可能な発電ユニットを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の発電ユニットは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
すなわち、本開示の発電ユニットは、
入力部材に入力された動力を増速して出力部材に伝達する動力伝達装置と、前記出力部材に接続された発電機と、を備える発電ユニットであって、
前記動力伝達装置は、
前記入力部材に連結される入力ギヤと、前記入力ギヤよりも小径で該入力ギヤの外周側に噛合される第1列目ピニオンギヤと、を含む第1列目ギヤ列と、
前記第1列目ピニオンギヤと同軸に連結される第2列目ギヤと、前記第2列目ギヤよりも小径で該第2列目ギヤに噛合される第2列目ピニオンギヤと、を含む第2列目ギヤ列と、
前記第2列目ピニオンギヤと同軸に連結される第3列目ギヤと、前記第3列目ギヤよりも小径で該第3列目ギヤに噛合される第3列目ピニオンギヤと、を含む第3列目ギヤ列と、
を備え、
前記第1列目ギヤ列は、前記入力ギヤを中心に周方向に等間隔に配置された前記第1列目ピニオンギヤを3つ以上有し、
前記第2列目ギヤ列は、前記第1列目ピニオンギヤと同数の3つ以上の前記第2列目ギヤのうち隣り合う2つの前記第2列目ギヤと噛合されるように、隣り合う2つの前記第2列目ギヤの回転中心間を結ぶ線上に配置される前記第2列目ピニオンギヤを複数有し、
前記第3列目ギヤ列は、前記第3列目ギヤのトルクを前記第3列目ピニオンギヤに統合して前記出力部材側に伝達する、
ことを要旨とする。
この本開示の発電ユニットによれば、第2列目ギヤ列をコンパクトにしつつ、3列で3段の増速が可能となる。この結果、小型で且つより高い増速比を得ることが可能な発電ユニットとすることができる。
こうした本開示の発電ユニットにおいて、前記第1列目ピニオンギヤは、3つまたは4つであり、前記第2列目ピニオンギヤは、2つ、3つまたは4つであって、前記第1列目ピニオンギヤの数以下であり、前記第3列目ピニオンギヤは、複数の前記第3列目ギヤの全てと噛合されるように、前記入力ギヤの回転軸と同軸に配置されると共に前記入力ギヤの回転軸に軸受けを介して支持されてもよい。入力ギヤの回転軸の内部に第3列目ピニオンギヤの軸受けを設定することで、インタミディエイトプレートを増やすことなく、第3列目ピニオンギヤの配置が可能となり、ハウジングをより簡素にすることができる。
また、本開示の発電ユニットにおいて、前記第1列目ピニオンギヤおよび前記第2列目ピニオンギヤは、それぞれ4つであり、前記第2列目ピニオンギヤと同数の4つの前記第3列目ギヤは、それぞれ隣り合う2つと噛合され、前記第2列目ピニオンギヤと前記第3列目ギヤとの間には、前記入力部材の正転時と反転時とで前記出力部材の回転方向が変化しないように、ワンウェイクラッチが配置されてもよい。こうすれば、ギヤの噛み合い数が多い第2列目ピニオンギヤと第3列目ギヤとの間にワンウェイクラッチを配置することで、ワンウェイクラッチのトルク容量を低減することができ、動力伝達装置を小型化することができる。
さらに、本開示の発電ユニットにおいて、前記第3列目ピニオンギヤは、複数の前記第3列目ギヤの一つと噛合され、前記第3列目ピニオンギヤの回転軸は、軸方向視において前記入力ギヤ、前記第1列目ピニオンギヤおよび前記第2列目ギヤと重ならない位置に設けられた軸受けにより支持され、前記発電機は、前記入力ギヤと同側に配置されてもよい。発電機を入力ギヤと同側に配置することで発電ユニットの軸長を短縮することができ、発電ユニットをより小型化することができる。
また、本開示の第2の発電ユニットは、
揺動可能な入力部材の揺動往復運動を回転運動に変換して出力部材に伝達する動力伝達装置と、前記出力部材に接続された発電機と、を備える発電ユニットであって、
前記動力伝達装置は、
前記入力部材の揺動往復運動のうち往動側でのみ動力を前記出力部材に伝達する第1伝達機構と、
前記入力部材の揺動往復運動のうち復動側でのみ動力を前記出力部材に伝達する第2伝達機構と、
を備え、
前記第1伝達機構は、入力された動力を増速して出力する第1増速部と、前記入力部材に前記往動側の動力が入力されると入力された動力を伝達し前記入力部材に前記復動側の動力が入力されると空転する第1ワンウェイクラッチと、を有し、
前記第2伝達機構は、入力された動力を増速して出力する第2増速部と、前記入力部材に前記復動側の動力が入力されると入力された動力を伝達し前記入力部材に前記往動側の動力が入力されると空転する第2ワンウェイクラッチと、を有し、
前記第1ワンウェイクラッチは、前記第1増速部の後段側に設けられ、
前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2増速部の後段側に設けられ、
前記第1増速部および前記第2増速部は、共通の増速部であり、前記入力部材に連結される入力ギヤと該入力ギヤよりも小径で該入力ギヤにそれぞれ噛合されるように放射状に配置される4個の小径ギヤとを含む第1段目のギヤ列と、前段の4個の小径ギヤと同軸に連結される偶数個の大径ギヤと4個の大径ギヤのうち隣り合う2つの大径ギヤと噛合されるように放射状に配置される4個の小径ギヤとを含む少なくとも1つの第2段目以降のギヤ列と、を有し、
前記第1ワンウェイクラッチは、前記第2段目以降のギヤ列における4個の小径ギヤのうち一部の小径ギヤと該一部の小径ギヤと同軸に連結される次段のギヤ列の大径ギヤとの間に配置され、
前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2段目以降のギヤ列における4個の小径ギヤのうち残りの小径ギヤと該残りの小径ギヤと同軸に連結される次段のギヤ列の大径ギヤとの間に配置される、
ことを要旨とする。
【0007】
本明細書において参考的に開示する参考発明の動力伝達装置は、
揺動可能な入力部材の揺動往復運動を回転運動に変換して出力部材に伝達する動力伝達装置であって、
前記入力部材の揺動往復運動のうち往動側でのみ動力を前記出力部材に伝達する第1伝達機構と、
前記入力部材の揺動往復運動のうち復動側でのみ動力を前記出力部材に伝達する第2伝達機構と、
を備え、
前記第1伝達機構は、入力された動力を増速して出力する第1増速部と、前記入力部材に前記往動側の動力が入力されると入力された動力を伝達し前記入力部材に前記復動側の動力が入力されると空転する第1ワンウェイクラッチと、を有し、
前記第2伝達機構は、入力された動力を増速して出力する第2増速部と、前記入力部材に前記復動側の動力が入力されると入力された動力を伝達し前記入力部材に前記往動側の動力が入力されると空転する第2ワンウェイクラッチと、を有し、
前記第1ワンウェイクラッチは、前記第1増速部の後段側に設けられ、
前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2増速部の後段側に設けられている、
ことを要旨とする。
【0008】
この参考発明の動力伝達装置では、第1増速部と第1ワンウェイクラッチとを含み入力部材の揺動往復運動のうち往動側でのみ動力を出力部材に伝達する第1伝達機構と、第2増速部と第2ワンウェイクラッチとを含み入力部材の揺動往復運動のうち復動側でのみ動力を出力部材に伝達する第2伝達機構と、を備える。そして、第1ワンウェイクラッチを第1増速部の後段側に設け、第2ワンウェイクラッチを第2増速部の後段側に設ける。これにより、入力部材に大きなトルクが入力されても、入力された大きなトルクが第1および第2ワンウェイクラッチに直接作用しないため、ワンウェイクラッチのトルク容量を低減することができる。この結果、装置をより小型化することが可能となる。
【0009】
こうした参考発明の動力伝達装置において、前記入力部材は、第1揺動軸を支点として揺動可能な第1揺動部材と、前記第1揺動軸に平行な第2揺動軸を支点として揺動可能な第2揺動部材と、を有し、前記第1伝達機構は、前記第1揺動軸に連結された第1入力ギヤを前記第1増速部の前段側に有し、前記第2伝達機構は、前記第2揺動軸に連結された第2入力ギヤを前記第2増速部の前段側に有し、前記第1入力ギヤおよび前記第2入力ギヤは、互いに反転するよう噛合されてもよい。こうすれば、第1揺動部材に入力された往動側の動力を、第1伝達機構を介して出力部材に伝達することができ、第1揺動部材に入力された復動側の動力を第1入力ギヤおよび第2入力ギヤで反転させて第2伝達機構を介して出力部材に伝達することができる。また、第2揺動部材に入力された復動側の動力を、第2伝達機構を介して出力部材に伝達することができ、第2揺動部材に入力された往動側の動力を第1入力ギヤおよび第2入力ギヤで反転させて第1伝達機構を介して出力部材に伝達することができる。すなわち、第1および第2揺動部材の揺動往復運動の両側で出力部材に動力を伝達することができるため、伝達効率を向上させることができる。この場合、前記第1増速部は、前記第1入力ギヤよりも小径で該第1入力ギヤに噛合される複数の第1小径ギヤと、それぞれ対応する第1小径ギヤよりも大径で前記対応する第1小径ギヤと一体回転する複数の第1大径ギヤと、前記複数の第1大径ギヤよりも小径で前記複数の第1大径ギヤと噛合されて動力を前記出力部材に伝達する第1小径伝達ギヤと、を有し、前記第2増速部は、前記第2入力ギヤよりも小径で該第2入力ギヤに噛合される複数の第2小径ギヤと、それぞれ対応する第2小径ギヤよりも大径で前記対応する第2小径ギヤと一体回転する複数の第2大径ギヤと、前記複数の第2大径ギヤよりも小径で前記複数の第2大径ギヤと噛合されて動力を前記出力部材に伝達する第2小径伝達ギヤと、を有し、前記第1ワンウェイクラッチは、前記第1小径伝達ギヤの出力側に設けられ、前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2小径伝達ギヤの出力側に設けられてもよい。
【0010】
また、参考発明の動力伝達装置において、前記入力部材は、第1揺動軸を支点として揺動可能な第1揺動部材と、前記第1揺動軸に平行な第2揺動軸を支点として揺動可能な第2揺動部材と、を有し、前記第1伝達機構および前記第2伝達機構は、前記第1揺動軸および前記第2揺動軸の延在方向から見た平面視において、前記第1揺動軸と前記第2揺動軸とを通る第1中心線と、前記第1揺動軸と前記第2揺動軸との中央を通り前記第1中心線に直交する第2中心線とに対して線対称となるように配置されてもよい。こうすれば、動力伝達装置の重心を中央に保ち、動作をより安定させることができる。
【0011】
または、参考発明の動力伝達装置において、前記第1伝達機構は、前記第1増速部の後段側に第1中間ギヤが設けられ、前記第2伝達機構は、前記第2増速部の後段側に前記第1中間ギヤの回転軸に平行な回転軸を有する第2中間ギヤが設けられ、前記第1中間ギヤおよび前記第2中間ギヤは、互いに反転するよう噛合されてもよい。こうすれば、入力部材に入力された往動側の動力を、第1伝達機構を介して出力部材に伝達することができ、入力部材に入力された復動側の動力を第2伝達機構の第2中間ギヤから第1中間ギヤへ反転させて往動側の動力として出力部材に伝達することができる。すなわち、入力部材の揺動往復運動の両側で出力部材に動力を伝達することができるため、伝達効率を向上させることができる。この場合、前記入力部材は、入力ギヤに連結され、前記第1増速部は、前記入力ギヤよりも小径で該入力ギヤに噛合される第1小径ギヤを有し、前記第2増速部は、前記入力ギヤよりも小径で該入力ギヤに噛合される第2小径ギヤを有し、前記第1ワンウェイクラッチは、前記第1小径ギヤの出力部と前記第1中間ギヤの入力部との間に介在するように設けられ、前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2小径ギヤの出力部と前記第2中間ギヤの入力部との間に介在するように設けられてもよい。さらにこれらの場合、前記出力部材は、前記第1中間ギヤおよび前記第2中間ギヤのうちの一方に直接または間接に連結されてもよい。こうすれば、装置をよりコンパクトにすることができる。
【0012】
あるいは、参考発明の動力伝達装置において、前記第1増速部および前記第2増速部は、共通の増速部であり、前記入力部材に連結される入力ギヤと該入力ギヤよりも小径で該入力ギヤにそれぞれ噛合されるように放射状に配置される偶数個の小径ギヤとを含む第1段目のギヤ列と、前段の偶数個の小径ギヤと同軸に連結される偶数個の大径ギヤと該偶数個の大径ギヤのうち隣り合う2つの大径ギヤと噛合されるように放射状に配置される偶数個の小径ギヤとを含む少なくとも1つの第2段目以降のギヤ列と、を有し、前記第1ワンウェイクラッチは、前記第2段目以降のギヤ列における前記偶数個の小径ギヤのうち一部の小径ギヤと該一部の小径ギヤと同軸に連結される次段のギヤ列の大径ギヤとの間に配置され、前記第2ワンウェイクラッチは、前記第2段目以降のギヤ列における前記偶数個の小径ギヤのうち残りの小径ギヤと該残りの小径ギヤと同軸に連結される次段のギヤ列の大径ギヤとの間に配置されてもよい。これにより、第2段目以降のギヤ列の各ギヤは、常時2つのギヤと噛合され、当該2つのギヤから動力が伝達されるため、ギヤにかかるラジアル荷重をより低減させることができる。この結果、ギヤの耐久性を向上させたり装置を小型化したりすることができる。この場合、前記偶数個は、4個であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の動力伝達装置の概略構成図である。
【
図4】他の実施形態に係る動力伝達装置の概略構成図である。
【
図6】動力伝達装置を含む波力発電装置の概略構成図である。
【
図8】動力伝達装置を含む足踏み式自転車の概略構成図である。
【
図9】他の実施形態に係る動力伝達装置の概略構成図である。
【
図13】他の実施形態に係る動力伝達装置を含む波力発電装置の概略構成図である。
【
図15】他の実施形態に係る動力伝達装置の概略構成図である。
【
図17】他の実施形態に係る動力伝達装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の動力伝達装置20の概略構成図であり、
図2は、
図1のA-A断面を示す断面図であり、
図3は、
図1のB-B断面を示す断面図である。本実施形態の動力伝達装置20は、図示するように、揺動可能な入力部材としての第1および第2揺動レバー21,22と、第1および第2揺動レバー21,22の揺動往復運動を一方向の回転運動に変換して出力部材としての出力ギヤ25に伝達する動力変換機構30と、を備える。出力ギヤ25には、本実施形態では、発電機MGの回転軸が連結される。発電機MGは、動力変換機構30により出力ギヤ25に一方向の動力が出力されて当該発電機MGの回転軸が回転させられることにより発電する。
【0016】
第1および第2揺動レバー21,22の先端部には、図示しない可動体が連結されており、第1および第2揺動レバー21,22の基端部は、それぞれ動力変換機構30の第1および第2入力軸23,24に固定されている。第1および第2揺動レバー21,22は、可動体が振幅することにより、それぞれ第1および第2入力軸23,24を支点として揺動往復運動する。
【0017】
動力変換機構30は、
図1~
図3に示すように、互いに平行となるようにハウジング39に対して回転可能に支持された第1および第2入力軸31,32と、第1入力軸31に入力された動力を出力ギヤ25に伝達する第1ギヤ機構40と、第1ギヤ機構40に設けられた第1ワンウェイクラッチOC1と、第2入力軸32に入力された動力を出力ギヤ25に伝達する第2ギヤ機構50と、第2ギヤ機構50に設けられた第2ワンウェイクラッチOC2と、を備える。これらは、ハウジング39に収容されている。なお、第1入力軸31の外周面とハウジング39の第1入力軸31が挿通される挿通孔の内周面との間と、第2入力軸32の外周面とハウジング39の第2入力軸32が挿通される挿通孔の内周面との間は、シール部材によってシールされている。
【0018】
第1ギヤ機構40は、
図1~
図3に示すように、第1入力ギヤ41、2つの第1入力側ピニオンギヤ42,43、2つの第1中間ギヤ44,45、第1伝達側ピニオンギヤ46および第1伝達ギヤ47を備える。
【0019】
第1入力ギヤ41は、内歯と外歯とを有する内外両歯歯車であり、
図2に示すように、第1入力軸31と同軸に固定されて第1入力軸31と一体に回転する。2つの第1入力側ピニオンギヤ42,43は、それぞれ、第1入力ギヤ41よりも小径の外歯歯車であり、第1入力ギヤ41の内歯に噛合されている。このため、互いに噛合する第1入力ギヤ41と2つの第1入力側ピニオンギヤ42,43とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。なお、2つの第1入力側ピニオンギヤ42,43は、第1入力ギヤ41の回転軸(第1入力軸31)を挟んで互いに反対側(
図1中、上下)に位置するように配置される。
【0020】
2つの第1中間ギヤ44,45は、
図3に示すように、それぞれ、第1入力側ピニオンギヤ42,43よりも大径の外歯歯車であり、連結軸35,36により第1入力側ピニオンギヤ42,43と同軸に連結されて一体に回転する。
【0021】
第1伝達側ピニオンギヤ46は、2つの第1中間ギヤ44,45よりも小径の外歯歯車であり、2つの第1中間ギヤ44,45に噛合されている。このため、互いに噛合する2つの第1中間ギヤ44,45と第1伝達側ピニオンギヤ46とは、入力された動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。また、第1伝達側ピニオンギヤ46は、第1伝達軸33に同軸に固定される。第1伝達ギヤ47は、環状かつ第1伝達側ピニオンギヤ46よりも大径の外歯歯車であり、第1ワンウェイクラッチOC1を介して第1伝達軸33に同軸に連結される。また、第1伝達ギヤ47は、当該第1伝達ギヤ47よりも小径の外歯歯車の出力ギヤ25に噛合されている。このため、互いに噛合する第1伝達ギヤ47と出力ギヤ25とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。
【0022】
こうして構成された第1ギヤ機構40では、第1揺動レバー21の揺動により第1入力軸31に入力される動力は、第1入力ギヤ41から2つの第1入力側ピニオンギヤ42,43にそれぞれ分配された後、それぞれ2つの第1中間ギヤ44,45を経て第1伝達側ピニオンギヤ46で統合され、第1伝達ギヤ47を介して出力ギヤ25に伝達される。この際、伝達される動力は、第1入力ギヤ41と第1入力側ピニオンギヤ42,43とからなる増速ギヤ列と、第1中間ギヤ44,45と第1伝達側ピニオンギヤ46とからなる増速ギヤ列と、第1伝達ギヤ47と出力ギヤ25とからなる増速ギヤ列とにより順に増速される。
【0023】
第1ワンウェイクラッチOC1は、
図2に示すように、第1伝達軸33の外周部に固定された内輪と、環状の第1伝達ギヤ47の内周部に固定された外輪と、内輪と外輪との間で一方向の動力(トルク)を伝達する複数の係合部材(カムやスプラグ等)と、を有する。第1ワンウェイクラッチOC1は、第1入力軸31に第1回転方向(例えば、
図1中、反時計回りの方向)R1の動力が入力されたときには、内輪および外輪に対して係合部材が係合し、第1伝達軸33と第1伝達ギヤ47とが機械的に連結されることにより、第1伝達軸33の動力を第1伝達ギヤ47に伝達する。一方、第1入力軸31に第1回転方向R1とは逆の第2回転方向(例えば、
図1中、時計回りの方向)R2の動力が入力されたときには、係合部材の係合が解除されて内輪が外輪に対して空転し、第1伝達軸33と第1伝達ギヤ47とが機械的に切り離されることにより、第1伝達軸33から第1伝達ギヤ47への動力の伝達を遮断する。
【0024】
第1ワンウェイクラッチOC1は、第1入力ギヤ41と第1入力側ピニオンギヤ42,43とからなる増速ギヤ列および第1中間ギヤ44,45と第1伝達側ピニオンギヤ46とからなる増速ギヤ列(第1増速部)の後段に配置されるため、第1入力軸31に過大なトルクが入力されるものとしても、入力された過大なトルクが第1ワンウェイクラッチOC1に直接作用するのを回避することができる。この結果、第1ワンウェイクラッチOC1として小さなトルク容量のものを採用することができ、動力伝達装置20をより小型化することが可能となる。
【0025】
第1揺動レバー21は第1入力軸31に固定され、第1入力軸31は、第1揺動レバー21が第1揺動方向(
図1中、上方向)S1に揺動することにより、第1回転方向(
図1中、反時計回りの方向)R1に回転し、第1揺動レバー21が第1揺動方向S1とは逆の第2揺動方向(
図1中、下方向)S2に揺動することにより、第1回転方向R1とは逆の第2回転方向(
図1中、時計回りの方向)R2に回転する。上述したように、第1ワンウェイクラッチOC1は、第1入力軸31に第1回転方向R1の動力が入力されたときにのみ動力を伝達することから、第1ギヤ機構40では、第1揺動レバー21の揺動往復運動のうち第1揺動方向S1側のみ動力を出力ギヤ25に伝達することとなる。
【0026】
第2ギヤ機構50は、
図1~
図3に示すように、第2入力ギヤ51、2つの第2入力側ピニオンギヤ52,53、2つの第2中間ギヤ54,55、第2伝達側ピニオンギヤ56および第2伝達ギヤ57を備える。
【0027】
第2入力ギヤ51は、内歯と外歯とを有する内外両歯歯車であり、
図2に示すように、第2入力軸32と同軸に固定されて第2入力軸32と一体に回転する。2つの第2入力側ピニオンギヤ52,53は、それぞれ、第2入力ギヤ51よりも小径の外歯歯車であり、第2入力ギヤ51の内歯に噛合されている。このため、互いに噛合する第2入力ギヤ51と2つの第2入力側ピニオンギヤ52,53とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。なお、2つの第2入力側ピニオンギヤ52,53は、第2入力ギヤ51の回転軸(第2入力軸32)を挟んで互いに反対側(
図1中、上下)に位置するように配置される。
【0028】
また、第2入力ギヤ51は、第1入力ギヤ41とそれぞれの外歯同士で噛合されている。このため、第1入力ギヤ41と第2入力ギヤ51とは互いに反転する。すなわち、第2入力ギヤ51は、第1入力ギヤ41が第1回転方向(
図1中、反時計回りの方向)R1に回転すると、第1回転方向R1とは逆の第2回転方向(
図1中、時計回りの方向)R2に回転し、第1入力ギヤ41が第2回転方向R2に回転すると、第1回転方向R1に回転する。また、第1入力ギヤ41は、第2入力ギヤ51が第1回転方向R1に回転すると、第2回転方向R2に回転し、第2入力ギヤ51が第2回転方向R2に回転すると、第1回転方向R1に回転する。
【0029】
2つの第2中間ギヤ54,55は、それぞれ、第2入力側ピニオンギヤ52,53よりも大径の外歯歯車であり、図示しない連結軸により第2入力側ピニオンギヤ52,53と同軸に連結されて一体に回転する。
【0030】
第2伝達側ピニオンギヤ56は、2つの第2中間ギヤ54,55よりも小径の外歯歯車であり、2つの第2中間ギヤ54,55に噛合されている。このため、互いに噛合する2つの第2中間ギヤ54,55と第2伝達側ピニオンギヤ56とは、入力された動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。また、第2伝達側ピニオンギヤ56は、第2伝達軸34に同軸に固定される。第2伝達ギヤ57は、環状かつ第2伝達側ピニオンギヤ56よりも大径の外歯歯車であり、第2ワンウェイクラッチOC2を介して第2伝達軸34に同軸に連結される。また、第2伝達ギヤ57は、当該第2伝達ギヤ57よりも小径の外歯歯車の出力ギヤ25に噛合されている。このため、互いに噛合する第2伝達ギヤ57と出力ギヤ25とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。
【0031】
こうして構成された第2ギヤ機構50では、第2揺動レバー22の揺動により第2入力軸32に入力される動力は、第2入力ギヤ51から2つの第2入力側ピニオンギヤ52,53にそれぞれ分配された後、それぞれ2つの第2中間ギヤ54,55を経て第2伝達側ピニオンギヤ56で統合され、第2伝達ギヤ57を介して出力ギヤ25に伝達される。この際、伝達される動力は、第2入力ギヤ51と第2入力側ピニオンギヤ52,53とからなる増速ギヤ列と、第2中間ギヤ54,55と第2伝達側ピニオンギヤ56とからなる増速ギヤ列と、第2伝達ギヤ57と出力ギヤ25とからなる増速ギヤ列とにより順に増速される。
【0032】
第2ワンウェイクラッチOC2は、
図2に示すように、第2伝達軸34の外周部に固定された内輪と、環状の第2伝達ギヤ57の内周部に固定された外輪と、内輪と外輪との間で一方向の動力(トルク)を伝達する複数の係合部材(カムやスプラグ等)と、を有する。第2ワンウェイクラッチOC2は、第1ワンウェイクラッチOC1と同様に、第2入力軸32に第1回転方向(
図1中、反時計回りの方向)R1の動力が入力されたときには、内輪および外輪に対して係合部材が係合し、第2伝達軸34と第2伝達ギヤ57とが機械的に連結されることにより、第2伝達軸34の動力を第2伝達ギヤ57に伝達する。一方、第2入力軸32に第1回転方向とは逆の第2回転方向(
図1中、時計回りの方向)R2の動力が入力されたときには、係合部材の係合が解除されて内輪が外輪に対して空転し、第2伝達軸34と第2伝達ギヤ57とが機械的に切り離されることにより、第2伝達軸34から第2伝達ギヤ57への動力の伝達を遮断する。
【0033】
第2ワンウェイクラッチOC2は、第2入力ギヤ51と第2入力側ピニオンギヤ52,53とからなる増速ギヤ列および第2中間ギヤ54,55と第2伝達側ピニオンギヤ56とからなる増速ギヤ列(第2増速部)の後段に配置されるため、第2入力軸32に過大なトルクが入力されるものとしても、入力された過大なトルクが第2ワンウェイクラッチOC2に直接作用するのを回避することができる。この結果、第2ワンウェイクラッチOC2として小さなトルク容量のものを採用することができ、動力伝達装置20をより小型化することが可能となる。
【0034】
第2揺動レバー22は第2入力軸32に固定され、第2入力軸32は、第2揺動レバー22が第2揺動方向(
図1中、下方向)S2に揺動することにより、第1回転方向(
図1中、反時計回りの方向)R1に回転し、第2揺動レバー22が第2揺動方向S2とは逆の第1揺動方向(
図1中、上方向)S1に揺動することにより、第1回転方向R1とは逆の第2回転方向(
図1中、時計回りの方向)R2に回転する。上述したように、第2ワンウェイクラッチOC2は、第2入力軸32に第1回転方向R1の動力が入力されたときにのみ動力を伝達することから、第2ギヤ機構50では、第2揺動レバー22の揺動往復運動のうち第2揺動方向S2側のみ動力を出力ギヤ25に伝達することとなる。
【0035】
上述したように、第1入力軸31に同軸に固定された第1入力ギヤ41と第2入力軸32に同軸に固定された第2入力ギヤ51とは、互いに反転するように外歯同士が噛合されている。このため、第1揺動レバー21が第2揺動方向(
図1中、下方向)S2に揺動して第1入力軸31に第2回転方向(
図1中、時計回りの方向)R2に動力が入力されると、第1ギヤ機構40(第1ワンウェイクラッチOC1)において第1入力軸31から出力ギヤ25への動力の伝達が遮断される一方、第1入力ギヤ41および第2入力ギヤ51を介して第2入力軸32に伝達される第1回転方向(
図1中、反時計回りの方向)R1の動力が第2ギヤ機構50(第2ワンウェイクラッチOC2)を介して出力ギヤ25に伝達される。また、第2揺動レバー22が第1揺動方向(
図1中、上方向)S1に揺動して第2入力軸32に第2回転方向(
図1中、時計回りの方向)R2に動力が入力されると、第2ギヤ機構50(第2ワンウェイクラッチOC2)において第2入力軸32から出力ギヤ25への動力の伝達が遮断される一方、第2入力ギヤ51および第1入力ギヤ41を介して第1入力軸31に伝達される第1回転方向(
図1中、時計回りの方向)R1の動力が第1ギヤ機構40(第1ワンウェイクラッチOC1)を介して出力ギヤ25に伝達される。これにより、第1および第2揺動レバー21,22のそれぞれの揺動往復運動の両側で動力を出力ギヤ25に伝達することが可能となり、伝達効率をより向上させることができる。
【0036】
第1ギヤ機構40および第2ギヤ機構50は、本実施形態では、同一の機構により構成されており、
図1中、上下方向の中心線と左右方向の中心線とに対してそれぞれ線対称となるように配置されている。これにより、動力伝達装置20の重心を中央部に保ち、動作を安定させることができる。
【0037】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0038】
例えば、上述した実施形態では、動力を入力する入力部材として、2つの揺動レバー(第1および第2揺動レバー21,22)を備えるものとしたが、揺動レバーは、1つであってもよい。
図4は、他の実施形態に係る動力伝達装置120の概略構成図である。他の実施形態に係る動力伝達装置120は、1つの揺動レバー121と、揺動レバー121の揺動往復運動を回転運動に変換して出力ギヤ125に出力する動力変換機構130と、を備える。揺動レバー121の先端部には、図示しない可動体が連結され、揺動レバー121の基端部は、動力変換機構130の入力軸131に固定されている。揺動レバー121は、可動体が振幅することにより、入力軸131を支点として揺動往復運動する。
【0039】
動力変換機構130は、入力軸131と、第1ギヤ機構140と、第1ワンウェイクラッチOC11と、第2ギヤ機構150と、第2ワンウェイクラッチOC12と、を備える。これらは、ハウジング139に収容されている。
【0040】
第1ギヤ機構140は、
図4,
図5に示すように、入力ギヤ141、第1入力側ピニオンギヤ142、第1中間ギヤ143、伝達側ピニオンギヤ144および伝達ギヤ145を備える。
【0041】
入力ギヤ141は、外歯歯車であり、入力軸131と同軸に固定されて入力軸131と一体に回転する。第1入力側ピニオンギヤ142は、入力ギヤ141よりも小径の外歯歯車であり、入力ギヤ141に噛合されている。このため、互いに噛合する入力ギヤ141と第1入力側ピニオンギヤ142とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。第1入力側ピニオンギヤ142は、第1中間軸132に同軸に固定される。
【0042】
第1中間ギヤ143は、環状かつ第1入力側ピニオンギヤ142よりも大径の外歯歯車であり、第1ワンウェイクラッチOC11を介して第1中間軸132に連結される。
【0043】
伝達側ピニオンギヤ144は、第1中間ギヤ143よりも小径の外歯歯車であり、第1中間ギヤ143に噛合されている。このため、互いに噛合する第1中間ギヤ143と伝達側ピニオンギヤ144とは、入力された動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。伝達ギヤ145は、伝達側ピニオンギヤ144よりも大径の外歯歯車であり、伝達側ピニオンギヤ144と同軸に連結されて伝達側ピニオンギヤ144と一体に回転する。伝達ギヤ145は、当該伝達ギヤ145よりも小径の外歯歯車の出力ギヤ125に噛合されている。このため、互いに噛合する伝達ギヤ145と出力ギヤ125とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。
【0044】
こうして構成された第1ギヤ機構140では、揺動レバー121の揺動により入力軸131に入力される動力は、入力ギヤ141から第1入力側ピニオンギヤ142、第1中間ギヤ143、伝達側ピニオンギヤ144、伝達ギヤ145を順に介して出力ギヤ25に伝達される。この際、伝達される動力は、入力ギヤ141と第1入力側ピニオンギヤ142とからなる増速ギヤ列と、第1中間ギヤ143と伝達側ピニオンギヤ144とからなる増速ギヤ列と、伝達ギヤ145と出力ギヤ125とからなる増速ギヤ列とにより順に増速される。
【0045】
第1ワンウェイクラッチOC11は、第1中間軸132の外周部に固定された内輪と、環状の第1中間ギヤ143の内周部に固定された外輪と、内輪と外輪との間で一方向の動力(トルク)を伝達する複数の係合部材(カムやスプラグ等)と、を有する。第1ワンウェイクラッチOC11は、第1入力側ピニオンギヤ142に第1回転方向(例えば、
図4中、反時計回りの方向)R1の動力が入力されたときには、内輪および外輪に対して係合部材が係合し、第1中間軸132と第1中間ギヤ143とが機械的に連結されることにより、第1入力側ピニオンギヤ142の動力を第1中間ギヤ143に伝達する。一方、第1入力側ピニオンギヤ142に第1回転方向R1とは逆の第2回転方向(例えば、
図4中、時計回りの方向)R2の動力が入力されたときには、係合部材の係合が解除されて内輪が外輪に対して空転し、第1中間軸132と第1中間ギヤ143とが機械的に切り離されることにより、第1入力側ピニオンギヤ142から第1中間ギヤ143への動力の伝達を遮断する。
【0046】
第1ワンウェイクラッチOC11は、入力ギヤ141と第1入力側ピニオンギヤ142とからなる増速ギヤ列の後段に配置されるため、入力軸131に過大なトルクが入力されるものとしても、入力された過大なトルクが第1ワンウェイクラッチOC11に直接作用するのを回避することができる。この結果、第1ワンウェイクラッチOC11として小さなトルク容量のものを採用することができ、第1ギヤ機構140をより小型化することが可能となる。
【0047】
揺動レバー121は入力軸131に固定され、入力軸131は、揺動レバー121が第1揺動方向(
図4中、上方向)S1に揺動することにより、第1回転方向(
図4中、反時計回りの方向)R1に回転し、揺動レバー121が第1揺動方向S1とは逆の第2揺動方向(
図1中、下方向)S2に揺動することにより、第1回転方向R1とは逆の第2回転方向(
図1中、時計回りの方向)R2に回転する。上述したように、第1ワンウェイクラッチOC11は、入力軸131に第1回転方向R1の動力が入力されたときにのみ入力された動力を伝達することから、第1ギヤ機構140では、揺動レバー121の揺動往復運動のうち第1揺動方向S1側のみ動力を出力ギヤ25に伝達することとなる。
【0048】
第2ギヤ機構150は、
図4,
図5に示すように、第2入力側ピニオンギヤ152および第2中間ギヤ153を備えると共に、第1ギヤ機構140と共用する、入力ギヤ141、第1中間ギヤ143、伝達側ピニオンギヤ144および伝達ギヤ145を備える。第2入力側ピニオンギヤ152は、入力ギヤ141よりも小径の外歯歯車であり、入力ギヤ141に噛合されている。このため、互いに噛合する入力ギヤ141と第2入力側ピニオンギヤ152とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。第2入力側ピニオンギヤ152は、第2中間軸133に同軸に固定される。
【0049】
第2中間ギヤ153は、環状かつ第2入力側ピニオンギヤ152よりも大径の外歯歯車であり、第2ワンウェイクラッチOC12を介して第2中間軸133に連結される。
【0050】
また、第2中間ギヤ153は、第1中間ギヤ143とそれぞれの外歯同士で噛合されている。このため、第1中間ギヤ143と第2中間ギヤ153とは互いに反転する。すなわち、第1中間ギヤ143は、第2中間ギヤ153が第1回転方向(
図4中、反時計回りの方向)R1に回転すると、第1回転方向とは逆の第2回転方向(
図4中、時計回りの方向)R2に回転し、第2中間ギヤ153が第2回転方向R2に回転すると、第1回転方向R1に回転する。
【0051】
こうして構成された第2ギヤ機構150では、揺動レバー121の揺動により入力軸131に入力される動力は、入力ギヤ141から第2入力側ピニオンギヤ152、第2中間ギヤ153、第1中間ギヤ143、伝達側ピニオンギヤ144、伝達ギヤ145を順に介して出力ギヤ125に伝達される。この際、伝達される動力は、入力ギヤ141と第2入力側ピニオンギヤ152とからなる増速ギヤ列と、第1中間ギヤ143と伝達側ピニオンギヤ144とからなる増速ギヤ列と、伝達ギヤ145と出力ギヤ125とからなる増速ギヤ列とにより順に増速されることとなる。
【0052】
第2ワンウェイクラッチOC12は、第2中間軸133の外周部に固定された内輪と、環状の第2中間ギヤ153の内周部に固定された外輪と、内輪と外輪との間で一方向の動力(トルク)を伝達する複数の係合部材(カムやスプラグ等)と、を有する。第2ワンウェイクラッチOC12は、第2入力側ピニオンギヤ152に第2回転方向(
図4中、時計回りの方向)R2の動力が入力されたときには、内輪および外輪に対して係合部材が係合し、第2中間軸133と第2中間ギヤ153とが機械的に連結されることにより、第2入力側ピニオンギヤ152の動力を第2中間ギヤ153に伝達する。一方、第2入力側ピニオンギヤ152に第2回転方向R2とは逆の第1回転方向(
図4中、反時計回りの方向)R1の動力が入力されたときには、係合部材の係合が解除されて内輪が外輪に対して空転し、第2中間軸133と第2中間ギヤ153とが機械的に切り離されることにより、第2入力側ピニオンギヤ152から第2中間ギヤ153への動力の伝達を遮断する。
【0053】
第2ワンウェイクラッチOC12は、入力ギヤ141と第2入力側ピニオンギヤ152とからなる増速ギヤ列の後段に配置されるため、入力軸131に過大なトルクが入力されるものとしても、入力された過大なトルクが第2ワンウェイクラッチOC12に直接作用するのを回避することができる。この結果、第2ワンウェイクラッチOC12として小さなトルク容量のものを採用することができ、第2ギヤ機構150をより小型化することが
可能となる。
【0054】
上述したように、第1中間ギヤ143と第2中間ギヤ153とは、互いに反転するように外歯同士が噛合されている。このため、揺動レバー121が第2揺動方向(
図4中、下方向)S2に揺動して入力軸131を介して第1入力側ピニオンギヤ142に第2回転方向(
図4中、時計回りの方向)R2に動力が入力されると、第1ギヤ機構140(第1ワンウェイクラッチOC11)において出力ギヤ25への動力の伝達が遮断される一方、第2入力側ピニオンギヤ152に第2回転方向R2の動力が入力され、入力された第2回転方向R2の動力は、第2ワンウェイクラッチOC12により第2中間ギヤ153に伝達されると共に第2中間ギヤ153および第1中間ギヤ143により反転され、第1回転方向R1の動力として出力ギヤ125に伝達される。これにより、揺動レバー121の揺動往復運動の両側で動力を出力ギヤ25に伝達することが可能となり、伝達効率をより向上させることができる。
【0055】
本実施形態の動力伝達装置20や他の実施形態に係る動力伝達装置120は、例えば、
図6,
図7に示すように波力発電装置10Aに適用することができる。波力発電装置10Aは、波の推進方向に直交する方向に延在するように回転自在に支持された入力軸131と入力軸131を支点に揺動する揺動レバー121とを有する動力伝達装置120と、揺動レバー121に固定された受圧板11Aと、発電機MGと、を備える。この波力発電装置10Aでは、波の推進力を受圧板Pで受圧すると、揺動レバー121が入力軸131を支点に揺動し、動力伝達装置120において揺動レバー121の揺動運動が回転運動に変換されて発電機MGに伝達されることにより発電する。なお、動力伝達装置120と発電機MGは、入力軸131の片側のみ設けられたが、両側に設けられてもよい。
【0056】
また、
図8に示すように、足踏み式自転車10Bに適用することができる。足踏み式自転車10Bは、走行方向に直交する方向に延在するように回転自在に支持された入力軸131と入力軸131を支点に揺動する揺動レバー121とを有する動力伝達装置120と、揺動レバー121の先端部に固定されたペダル11Bと、発電機と、を備える。この足踏み式自転車10Bでは、運転者によりペダル11Bが踏み込まれると、揺動レバー121が入力軸131を支点に揺動し、動力伝達装置120において揺動レバー121の揺動運動が回転運動に変換されて車輪Wに伝達されることにより走行する。
【0057】
1つの揺動レバーを備えるタイプの動力伝達装置として、動力伝達装置120に代えて、以下の構成を採用することもできる。
図9は、他の実施形態に係る動力伝達装置220の概略構成図であり、
図10は、
図9のE-E断面を示す断面図であり、
図11は、
図9のF-F断面を示す断面図であり、
図12は、
図9のG-G断面を示す断面図である。なお、
図11は、第2段目のギヤ列G2を要部とした要部断面図であり、
図12は、第3段目のギヤ列G3を要部とした要部断面図である。
【0058】
他の実施形態に係る動力伝達装置220は、
図9に示すように、図示しない1つの揺動レバーの揺動往復運動を回転運動に変換して出力ギヤ225に出力する動力変換機構230を備える。揺動レバーの先端部には、図示しない可動体が連結され、揺動レバーの基端部は、動力変換機構230の入力軸231に固定されている。揺動レバーは、可動体が振幅することにより、入力軸231を支点として揺動往復運動する。
【0059】
動力変換機構230は、
図9~
図12に示すように、入力軸231と、ギヤ機構としての複数段(4段)のギヤ列G1~G4と、複数(4つ)のワンウェイクラッチOC21,OC22,OC23,OC24と、を備える。これらは、ハウジング239に収容されている。
【0060】
第1段目のギヤ列G1は、入力ギヤ241と、4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dと、を有する。入力ギヤ241は、外歯歯車であり、入力軸231と同軸に固定されて入力軸231と一体に回転する。4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dは、入力ギヤ241よりも小径の外歯歯車であり、入力ギヤ241の外周に90度間隔で放射状に配置されて入力ギヤ241に噛合する。このため、互いに噛合する入力ギヤ241と4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dとは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dは、それぞれ対応する軸232a,232b,232c,232dに同軸に固定される。
【0061】
第2段目のギヤ列G2は、4つの第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dと、4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dと、を有する。4つの第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dは、第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dよりも大径の外歯歯車であり、対応する軸232a,232b,232c,232dにより対応する第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dと同軸に連結されて一体に回転する。4つの第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dは、
図9、
図11に示すように、入力軸231を中心に90度間隔で放射状に配置されており、4つの第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dのうち隣り合う2つの間には、所定の隙間が設けられている。4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dは、第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dよりも小径の外歯歯車であり、第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dの隣り合う2つの間の隙間に配置されて当該2つと噛合されるように、入力軸231を中心に90度間隔で放射状に且つ第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dに対して45度ずらして配置されている。すなわち、第2段目ピニオンギヤ244aは、第2段目大径ギヤ243a,243bの間に設けられ、第2段目大径ギヤ243a,243bと噛合されている。第2段目ピニオンギヤ244bは、第2段目大径ギヤ243b,243cの間に設けられ、第2段目大径ギヤ243b,243cと噛合されている。第2段目ピニオンギヤ244cは、第2段目大径ギヤ243c,243dの間に設けられ、第2段目大径ギヤ243c,243dと噛合されている。第2段目ピニオンギヤ244dは、第2段目大径ギヤ243d,243aの間に設けられ、第2段目大径ギヤ243d,243aと噛合されている。このため、互いに噛合する第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dと第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dとは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dは、それぞれ対応する軸233a,233b,233c,233dに同軸に固定される。
【0062】
第3段目のギヤ列G3は、4つの第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dと、1つの第3段目ピニオンギヤ246と、を有する。4つの第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dは、環状かつ第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dよりも大径の外歯歯車であり、対応するワンウェイクラッチOC21,OC22,OC23,OC24を介して対応する軸233a,233b,233c,233dに同軸に連結される。さらに、4つの第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dは、
図9、
図12に示すように、隣り合う2つの外歯同士が噛合されるように、入力軸231を中心に90度間隔で放射状に配置されている。すなわち、第3段目大径ギヤ245aは、隣り合う第3段目大径ギヤ245d,245bと噛合され、第3段目大径ギヤ245bは、隣り合う第3段目大径ギヤ245a,245cと噛合され、第3段目大径ギヤ245cは、隣り合う第3段目大径ギヤ245b,245dと噛合され、第3段目大径ギヤ245dは、隣り合う第3段目大径ギヤ245c,245aと噛合されている。これにより、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dは、対角にある2つが同方向に回転し、隣り合う2つが逆方向に回転することとなる。3段目ピニオンギヤ246は、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dよりも小径の外歯歯車であり、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dのうちの1つ(第3段目大径ギヤ245a)に噛合される。このため、互いに噛合する第3段目大径ギヤ245aと第3段目ピニオンギヤ246とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。第3段目ピニオンギヤ246は、軸234に同軸に固定される。
【0063】
4つのワンウェイクラッチOC21,OC22,OC23,OC24は、対応する軸233a,233b,233c,233dの外周部に固定された内輪と、対応する環状の第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dの内周部に固定された外輪と、内輪と外輪との間で一方向の動力(トルク)を伝達する複数の係合部材(カムやスプラグ等)と、を有する。4つのワンウェイクラッチOC21,OC22,OC23,OC24のうち一方の対角に位置する2つのワンウェイクラッチOC21,OC23と他方の対角に位置する2つのワンウェイクラッチOC22,OC24とは、係合部材の噛み合い方向が逆方向になるように形成されている。
【0064】
一方の対角に位置するワンウェイクラッチOC21,OC23は、第2段目ピニオンギヤ244a,244cに第1回転方向(例えば、
図9中、反時計回りの方向)R1の動力が入力されたときには、内輪および外輪に対して係合部材が係合し、軸233a,233cと第3段目大径ギヤ245a,245cとが機械的に連結されることにより、第2段目ピニオンギヤ244a,244cの動力を第3段目大径ギヤ245a,245cに伝達する。一方、第2段目ピニオンギヤ244a,244cに第1回転方向R1とは逆の第2回転方向(例えば、
図9中、時計回りの方向)R2の動力が入力されたときには、係合部材の係合が解除されて内輪が外輪に対して空転し、軸233a,233cと第3段目大径ギヤ245a,245cとが機械的に切り離されることにより、第2段目ピニオンギヤ244a,244cから第3段目大径ギヤ245a,245cへの動力の伝達を遮断する。
【0065】
他方の対角に位置するワンウェイクラッチOC22,OC24は、第2段目ピニオンギヤ244b,244dに第2回転方向R2の動力が入力されたときには、内輪および外輪に対して係合部材が係合し、連結軸233b,233dと第3段目大径ギヤ245b,245dとが機械的に連結されることにより、第2段目ピニオンギヤ244b,244dの動力を第3段目大径ギヤ245b,245dに伝達する。一方、第2段目ピニオンギヤ244b,244dに第2回転方向R2とは逆の第1回転方向R1の動力が入力されたときには、係合部材の係合が解除されて内輪が外輪に対して空転し、軸233b,233dと第3段目大径ギヤ245b,245dとが機械的に切り離されることにより、第2段目ピニオンギヤ244b,244dから第3段目大径ギヤ245b,245dへの動力の伝達を遮断する。
【0066】
第4段目ギヤ列G4は、第4段目大径ギヤ247と、出力ギヤ225と、を有する。第4段目大径ギヤ247は、第3段目ピニオンギヤ246よりも大径の外歯歯車であり、軸234に同軸に連結されて第3段目ピニオンギヤ246と一体に回転する。出力ギヤ225は、第4段目大径ギヤ247よりも小径の外歯歯車であり、第4段目大径ギヤ247に噛合される。このため、互いに噛合する第4段目大径ギヤ247と出力ギヤ225とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。出力ギヤ225には、発電機MGの回転軸226が連結される。発電機MGは、動力変換機構230により出力ギヤ225に一方向の動力が出力されて当該発電機MGの回転軸226が回転させられることにより発電する。
【0067】
ここで、入力ギヤ241と、第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dと、第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dと、第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244cと、ワンウェイクラッチOC21,OC23と、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dと、第3段目ピニオンギヤ246と、第4段目大径ギヤ247と、が入力軸231に入力される第1回転方向R1の動力(揺動レバーの第1揺動方向S1の動力)を出力ギヤ225に伝達する第1伝達機構を構成する。また、入力ギヤ241と、第1段目ピニオンギヤ242b,242b,242c,242dと、第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dと、第2段目ピニオンギヤ244b,244b,244c,244dと、ワンウェイクラッチOC22,OC24と、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dと、第3段目ピニオンギヤ246と、第4段目大径ギヤ247と、が入力軸231に入力される第2回転方向R2の動力(揺動レバーの第2揺動方向S2の動力)を出力ギヤ225に伝達する第2伝達機構を構成する。
【0068】
すなわち、揺動レバーを介して入力ギヤ241に第1回転方向R1の動力が入力されると、4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dと、4つの第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dとを順に介して、4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dには、第1回転方向R1の動力が伝達される。第2段目ピニオンギヤ244b,244dに伝達される第1回転方向R1の動力は、ワンウェイクラッチOC22,OC24(第2伝達機構)で遮断される一方、第2段目ピニオンギヤ244a,244cに伝達される第1回転方向R1の動力は、ワンウェイクラッチOC21,OC23により第3段目大径ギヤ245a,245cに伝達される。上述したように、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dは、隣り合う2つの外歯同士が噛合されているため、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dは、対角にある2つが同方向に回転し、隣り合う2つが逆方向に回転する。このため、第3段目大径ギヤ245cに伝達された第1回転方向R1の動力は、第3段目大径ギヤ245b,245dを介して第1回転方向R1の動力として第3段目大径ギヤ245aに伝達され、第2段目ピニオンギヤ244aから第3段目大径ギヤ245aに直接に伝達される第1回転方向Rの動力と共に、第3段目ピニオンギヤ246,第4段目大径ギヤ247を介して出力ギヤ225に伝達される。
【0069】
一方、揺動レバーを介して入力ギヤ241に第2回転方向R2の動力が入力されると、4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dと、4つの第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dとを順に介して、4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dには、第2回転方向R2の動力が伝達される。第2段目ピニオンギヤ244a,244cに伝達される第2回転方向R2の動力は、ワンウェイクラッチOC21,OC23(第1伝達機構)で遮断される一方、第2段目ピニオンギヤ244b,244dに伝達される第2回転方向R2の動力は、ワンウェイクラッチOC22,OC24により第3段目大径ギヤ245b,245dに伝達される。第3段目大径ギヤ245b,245dは、第3段目大径ギヤ245aと外歯同士が噛合されているため、第3段目大径ギヤ245b,245dに伝達された第2回転方向R2の動力は、反転して第1回転方向R1の動力として第3段目大径ギヤ245aに伝達され、第3段目ピニオンギヤ246,第4段目大径ギヤ247を介して出力ギヤ225に伝達される。これにより、揺動レバーの揺動往復運動の両側で動力を出力ギヤ225に伝達することが可能となり、伝達効率をより向上させることができる。
【0070】
上述した他の実施形態の動力伝達装置220では、入力ギヤ241と噛合されるように入力ギヤ241の外周に4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dを放射状に配置し、4つの第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dと同軸かつ一体に回転する4つの第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dのうち隣り合う2つと噛合されるように4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dを放射状に配置し、4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dと同軸に隣り合う2つが噛合されるように4つの第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dを放射状に配置し、4つの第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dと4つの第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dとの間にそれぞれワンウェイクラッチOC21,OC22,OC23,OC24を配置する。これにより、第2段目以降のギヤ(第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dと第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245d)は、常時2つのギヤと噛合され、当該2つのギヤから動力(トルク)が伝達されるため、ギヤにかかるラジアル荷重をより低減させることができる。この結果、ギヤの耐久性を向上させたり装置を小型化したりすることができる。
【0071】
さらに、第3段目大径ギヤ245aと出力ギヤ225との間に、第3段目ピニオンギヤ246および第4段目大径ギヤ247を配置することにより出力ギヤ225を入力ギヤ241から遠ざけて配置することができるため、発電機MGを入力ギヤ241と同側に配置することが可能となり、軸長を短縮して装置をよりコンパクトにすることができる。
【0072】
上述した他の実施形態の動力伝達装置220では、第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dおよび第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dと、第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244dおよび第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dとは、それぞれ4個ずつ放射状に配置されたが、6個ずつ放射状に配置されてもよいし、8個ずつ放射状に配置されてもよい。すなわち、これらのギヤは、偶数個ずつ放射状に配置されるものであればよい。
【0073】
また、上述した他の実施形態の動力伝達装置220では、4段のギヤ列G1,G2,G3,G4を備えるものとしたが、第4段目のギヤ列G4を省略してもよい。この場合、出力ギヤ225は第3段目大径ギヤ245aに直接に噛合されるようにすればよい。また、発電機MGは、入力ギヤ241とは反対側に配置されてもよい。
【0074】
また、第2段目のギヤ列G2と第3段目のギヤ列G3との間に、第2段目のギヤ列G2と同様のギヤ列を1つ以上追加してもよい。すなわち、第2段目のギヤ列G2と第3段目のギヤ列G3との間に、前段の偶数個のピニオンギヤと同軸に連結される偶数個の大径ギヤと、該偶数個の大径ギヤのうち隣り合う2つの大径ギヤと噛合されるように放射状に配置される偶数個の小径ギヤとを含む1つ以上のギヤ列を追加してもよい。この場合、ワンウェイクラッチOC21,OC22,OC23,OC24の配置は、2段目以降のギヤ列の小径ギヤと、該小径ギヤと同軸に連結される次段の大径ギヤとの間であれば、何段目であってもよい。
【0075】
こうした他の実施形態に係る動力伝達装置220は、例えば、
図13,
図14に示すように波力発電装置10Cに適用することができる。波力発電装置10Cは、波を受ける受圧板11Cと、受圧板11Cに固定された揺動レバー221と、揺動レバー221の軸222に同軸に固定された入力軸231を有する動力伝達装置220と、発電機MGと、を備える。動力伝達装置220と発電機MGは、軸222の両端にそれぞれ設けられている。なお、動力伝達装置220と発電機MGは、揺動レバー221の軸222の片側のみに設けられてもよい。この波力発電装置10Cでは、波の推進力を受圧板Pで受圧すると、揺動レバー221が入力軸231を支点に揺動し、動力伝達装置220において揺動レバー221の揺動運動が回転運動に変換されて発電機MGに伝達されることにより発電する。また、他の実施形態に係る動力伝達装置220は、上述した足踏み式自転車等に適用されてもよい。
【0076】
第2の他の実施形態に係る動力伝達装置320は、
図15に示すように、入力軸331と出力軸326とを同軸に接続し、入力した動力を複数段(3段)の増速ギヤ列G1~G3により増速して出力するものである。動力伝達装置320と、動力伝達装置320の出力軸326に接続された発電機MGとにより、発電ユニットが構成される。動力伝達装置320は、一方向の回転方向の動力を入力軸331に入力して出力軸326に伝達するものであり、当該動力伝達装置320を備える発電ユニットは、例えば、風力発電装置などに適している。
【0077】
動力伝達装置320は、
図15,
図16に示すように、入力軸331と、ギヤ機構としての複数段(3段)のギヤ列G1~G3と、出力軸326と、を備える。これらは、ハウジング339に収容されている。入力軸331は、当該入力軸331が挿通されるハウジング339の開口内周面に設けられたベアリングB11と、第1列目のギヤ列G1と第2列目のギヤ列G2との間を延在するようにハウジング339に固定されたインタミディエイトプレートIPに設けられたベアリングB12とにより回転可能に支持されている。
【0078】
第1列目のギヤ列G1は、入力ギヤ341と、4つの第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dと、を有する。入力ギヤ341は、外歯歯車であり、入力軸331と同軸に固定されて入力軸331と一体に回転する。4つの第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dは、入力ギヤ341よりも小径の外歯歯車であり、入力ギヤ341の外周側に噛合するように、入力ギヤ341を中心として周方向に90度間隔で配置される。このため、互いに噛合する入力ギヤ341と4つの第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dとは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成し、入力ギヤ341に入力された動力(トルク)を分割して4つの第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dに伝達する。4つの第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dは、それぞれ対応する軸332a,332b,332c,332dに同軸に固定される。各軸332a,332b,332c,332dは、ハウジング339の内面に設けられたベアリングB21と、ハウジング339の反対側の内面に設けられたベアリングB22とにより回転可能に支持されている。
【0079】
第2列目のギヤ列G2は、4つの第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dと、2つの第2列目ピニオンギヤ344a,344bと、を有する。4つの第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dは、第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dよりも大径の外歯歯車であり、対応する軸332a,332b,332c,332dにより対応する第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dと同軸に連結されて一体に回転する。4つの第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dは、入力軸331を中心として周方向に90度間隔で配置されており、4つの第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dのうち隣り合う2つの間には、所定の隙間が設けられている。2つの第2列目ピニオンギヤ344a,344bは、第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dよりも小径の外歯歯車であり、第2列目大径ギヤ343a,343b同士の隙間と、第2列目大径ギヤ343c,343d同士の隙間とに配置されてそれぞれ2つの第2列目大径ギヤと噛合されるように、入力軸331を中心として周方向に180度間隔で配置されている。すなわち、第2列目ピニオンギヤ344aは、2つの第2列目大径ギヤ343a,343bの間に設けられ、2つの第2列目大径ギヤ343a,343bと噛合されている。第2列目ピニオンギヤ344bは、2つの第2列目大径ギヤ343c,343dの間に設けられ、2つの第2列目大径ギヤ343c,343dと噛合されている。このため、互いに噛合する第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dと第2列目ピニオンギヤ344a,344bとは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成し、第2列目大径ギヤ343a,343bからの2つの動力(トルク)を統合して第2列目ピニオンギヤ344aに伝達すると共に、第2列目大径ギヤ343c,343dからの2つの動力(トルク)を統合して第2列目ピニオンギヤ344bに伝達する。2つの第2列目ピニオンギヤ344a,344bは、それぞれ対応する軸333a,333bに同軸に固定される。各軸333a,333bは、第1列目のギヤ列G1と第2列目のギヤ列G2との間を延在するようにハウジング339に固定されたインタミディエイトプレートIPに設けられたベアリングB31と、ハウジング339の内面に設けられたベアリングB32とにより回転可能に支持されている。
【0080】
第3列目のギヤ列G3は、2つの第3列目大径ギヤ345a,345bと、出力ギヤ325と、を有する。2つの第3列目大径ギヤ345a,345bは、第2列目ピニオンギヤ344a,344bよりも大径の外歯歯車であり、対応する軸333a,333bに同軸に固定される。2つの第3列目大径ギヤ345a,345bの間には、所定の隙間が設けられている。出力ギヤ325は、2つの第3列目大径ギヤ345a,345bよりも小径の外歯歯車であり、入力軸331と同軸になるように2つの第3列目大径ギヤ345a,345b同士の隙間に配置されて当該2つの第3列目大径ギヤ345a,345bと噛合される。このため、互いに噛合する第3列目大径ギヤ345a,345bと出力ギヤ325とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成し、第3列目大径ギヤ345a,345bからの2つの動力(トルク)を統合して出力ギヤ325に伝達する。出力ギヤ325には、出力軸326が同軸に固定され、当該出力軸326には、発電機MGの回転軸が連結される。出力軸326は、入力軸331よりも小さな外径により形成され、入力軸331と同軸に配置される。入力軸331の端面には、円柱状の凹部331aが形成されており、出力軸326の一端部は、凹部331aに設けられたベアリングB41により、入力軸331に対して相対回転可能に支持されている。出力軸326の他端側は、入力軸331とは反対側で当該出力軸326が挿通されるハウジング339の開口内周面に設けられたベアリングB42により回転可能に支持されている。これにより、インタミディエイトプレートを増やすことなく、第3列目のギヤ列G3を配置することができ、ハウジング339を簡素にすることができる。
【0081】
このように、第2の他の実施形態に係る動力伝達装置320では、入力ギヤ341の外周側で噛合する4つの第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dを等間隔に配置し、第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dと一体回転する第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dのうち隣り合う2つと噛合するように第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dの回転中心を結ぶ線上に2つの第2列目ピニオンギヤ344a,344bを配置し、第2列目ピニオンギヤ344a,344bと一体回転する第3列目大径ギヤ345a,345bと噛合するように1つの出力ギヤ325を配置する。この動力伝達装置320では、入力軸331に入力された動力(トルク)を第1列目ギヤ列G1で4つに分割し、4つの動力を第2列目ギヤ列G2で2つに統合し、2つの動力を第3列目ギヤ列G3で1つに統合して出力軸326に伝達する。これにより、3列のギヤ列G1~G3により3段の増速を行なうことができ、動力伝達装置320を小型化しつつ、より高い増速比で動力を伝達することができる。
【0082】
第2の他の実施形態では、動力伝達装置320は、入力ギヤ341を中心として周方向に90度間隔で配置された4組の第1列目ピニオンギヤ342a,342b,342c,342dおよび第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dを備えると共に、4つの第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343dのうち隣り合う2つの第2列目大径ギヤとそれぞれ噛合する2つの第2列目ピニオンギヤ344a,344bを備えるものとした。しかし、入力ギヤ441を中心として周方向に120度間隔で配置された3組の第1列目ピニオンギヤおよび第2列目大径ギヤを備えてもよい。この場合、3つの第2列目大径ギヤのうち隣り合う2つの第2列目大径ギヤと噛合する第2列目ピニオンギヤの数は、3以下であれば、2つであってもよいし、3つであってもよい。
【0083】
第3の他の実施形態に係る動力伝達装置420は、
図17に示すように、互いに平行に配置される入力軸431と出力軸426とを接続し、入力した動力を複数段(4段)の増速ギヤ列G1~G4により増速して出力するものである。動力伝達装置420と、動力伝達装置420の出力軸426に接続された発電機MGとにより、発電ユニットが構成される。発電機MGは、入力軸431と同側に配置される。動力伝達装置420は、第2の他の実施形態に係る動力伝達装置320と同様に、一方向の回転方向の動力を入力軸431に入力して出力軸426に伝達するものであり、当該動力伝達装置420を備える発電ユニットは、例えば、風力発電装置などに適している。
【0084】
動力伝達装置420は、
図17~
図19に示すように、入力軸431と、ギヤ機構としての複数段(4段)のギヤ列G1~G4と、出力軸426と、を備える。これらは、ハウジング439に収容されている。入力軸431は、当該入力軸431が挿通されるハウジング439の開口内周面に設けられたベアリングB11と、第1列目のギヤ列G1と第2列目のギヤ列G2との間を延在するようにハウジング439に固定されたインタミディエイトプレートIPに設けられたベアリングB12とにより回転可能に支持されている。
【0085】
第1列目のギヤ列G1は、入力ギヤ441と、4つの第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dと、を有する。入力ギヤ441は、外歯歯車であり、入力軸431と同軸に固定されて入力軸431と一体に回転する。4つの第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dは、入力ギヤ441よりも小径の外歯歯車であり、入力ギヤ441の外周側に噛合するように、入力ギヤ441を中心として周方向に90度間隔で配置される。このため、互いに噛合する入力ギヤ441と4つの第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dとは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成し、入力ギヤ441に入力されたトルクを分割して4つの第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dに伝達する。4つの第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dは、それぞれ対応する軸432a,432b,432c,432dに同軸に固定される。各軸432a,432b,432c,432dは、ハウジング439の内面に設けられたベアリングB21と、ハウジング439の反対側の内面に設けられたベアリングB22とにより回転可能に支持されている。
【0086】
第2列目のギヤ列G2は、4つの第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dと、4つの第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,444dと、を有する。4つの第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dは、第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dよりも大径の外歯歯車であり、対応する軸432a,432b,432c,432dにより対応する第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dと同軸に連結されて一体に回転する。4つの第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dは、入力軸431を中心として周方向に90度間隔で配置されており、4つの第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dのうち隣り合う2つの間には、所定の隙間が設けられている。4つの第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,444dは、第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dよりも小径の外歯歯車であり、第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dの隣り合う2つの間の隙間に配置されて当該2つと噛合されるように、入力軸431を中心として周方向に90度間隔で且つ第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dに対して周方向に45度ずらして配置されている。すなわち、第2列目ピニオンギヤ444aは、2つの第2列目大径ギヤ443a,443bの間に設けられ、2つの第2列目大径ギヤ443a,443bと噛合されている。第2列目ピニオンギヤ444bは、2つの第2列目大径ギヤ443c,443dの間に設けられ、2つの第2列目大径ギヤ443c,443dと噛合されている。第2列目ピニオンギヤ444cは、2つの第2列目大径ギヤ443b,443cの間に設けられ、2つの第2列目大径ギヤ443b,443cと噛合されている。第2列目ピニオンギヤ444dは、2つの第2列目大径ギヤ443d,443aの間に設けられ、第2列目大径ギヤ443d,443aと噛合されている。このため、互いに噛合する第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dと第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,444dとは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。4つの第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,444dは、それぞれ対応する軸433a,433b,433c,433dに同軸に固定される。各軸433a,433b,433c,433dは、第1列目のギヤ列G1と第2列目のギヤ列G2との間を延在するようにハウジング339に固定されたインタミディエイトプレートIPに設けられたベアリングB31と、ハウジング339の内面に設けられたベアリングB32とにより回転可能に支持されている。
【0087】
第3列目のギヤ列G3は、4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dと、第3列目ピニオンギヤ446a,446bと、を有する。4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dは、第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,444dよりも大径の外歯歯車であり、対応する軸433a,433b,433c,433dに同軸に連結されて一体に回転する。さらに、4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dは、入力軸431を中心として周方向に90度間隔で配置される。そして、上述した他の実施形態の動力伝達装置220とは異なり、ワンウェイクラッチが省略されると共に、4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dは、隣り合う2つの間に隙間が設けられるように形成されている。第3列目ピニオンギヤ446aは、4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dのいずれとも内側で噛合されるように、入力軸431と同軸に配置されている。第3列目ピニオンギヤ446bは、4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dうちの1つである第3列目大径ギヤ445aと外側で噛合されている。他の3つの第3列目大径ギヤ445b,445c,445dは、第3列目ピニオンギヤ446aを介して第3列目大径ギヤ445aと噛合され、3つの第3列目大径ギヤ445b,445c,445dからの動力(トルク)は、第3列目ピニオンギヤ446aに統合され、第3列目大径ギヤ445aを介して第3列目ピニオンギヤ446bに伝達される。このため、4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dと第3列目ピニオンギヤ446a,446bとは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成し、4つの第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dからの動力(トルク)を1つに統合して第3列目ピニオンギヤ446bに伝達する。第3列目ピニオンギヤ446aの軸434aは、入力軸431よりも小さな外径により形成され、入力軸431と同軸に配置される。入力軸431の端面には、円柱状の凹部431aが形成されており、軸433eの一端部は、凹部431aに設けられたベアリングB41により、入力軸431に対して相対回転可能に支持されている。軸433eの他端部は、入力軸431とは反対側のハウジング439の内面に設けられたベアリングB42により回転可能に支持されている。これにより、インタミディエイトプレートを増やすことなく、第3列目のギヤ列G3を配置することができ、ハウジング439を簡素にすることができる。
【0088】
また、第3列目ピニオンギヤ446bの軸434bは、軸方向視において、入力ギヤ441や第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442d、第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dと重ならない位置に配置される。そして、第3列目ピニオンギヤ446bの軸434bは、ハウジング339の内面に設けられたベアリングB51と、ハウジング339の反対側の内面に設けられたベアリングB52とにより回転可能に支持されている。
【0089】
第4列目ギヤ列G4は、第4列目大径ギヤ447と、出力ギヤ425と、を有する。第4列目大径ギヤ447は、第3列目ピニオンギヤ446bよりも大径の外歯歯車であり、軸434bに同軸に連結されて第3列目ピニオンギヤ446bと一体に回転する。出力ギヤ425は、第4列目大径ギヤ447よりも小径の外歯歯車であり、第4列目大径ギヤ447に噛合される。このため、互いに噛合する第4列目大径ギヤ447と出力ギヤ425とは、入力した動力を増速して出力する増速ギヤ列を構成する。出力ギヤ425には、出力軸426が同軸に固定され、当該出力軸426には、発電機MGの回転軸が連結される。
【0090】
このように、第3の他の実施形態に係る動力伝達装置420では、入力ギヤ441の外周側で噛合する4つの第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dを等間隔に配置する。また、第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dと一体回転する第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dのうち隣り合う2つと噛合するように4つの第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,444dを配置する。さらに、第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,444dと一体回転する第3列目大径ギヤ445a,445b,445c,445dのいずれとも噛合するように入力ギヤ441と同軸に第3列目ピニオンギヤ446aを配置すると共に1つの第3列目大径ギヤ445aと噛合する第3列目ピニオンギヤ446bを配置する。そして、第3列目ピニオンギヤ446bと一体回転する第4列目大径ギヤ447と噛合する出力ギヤ425を配置する。この動力伝達装置420では、入力軸431に入力された動力(トルク)を第1列目ギヤ列G1で4つに分割し、4つの動力を第3列目ギヤ列G3で1つに統合して出力軸426に伝達する。これにより、4列のギヤ列G1~G4により4段の増速を行なうことができ、動力伝達装置420を小型化しつつ、より高い増速比で動力を伝達することができる。
【0091】
さらに、上述した他の実施形態に係る動力伝達装置220と同様に、第3列目大径ギヤ445aと出力ギヤ425との間に、第3列目ピニオンギヤ446bおよび第4列目大径ギヤ447を配置することにより出力ギヤ425を入力ギヤ441から遠ざけて配置することができるため、発電機MGを入力ギヤ441と同側に配置することが可能となり、軸長を短縮して発電ユニットを更に小型化することができる。
【0092】
第3の他の実施形態では、動力伝達装置420は、入力ギヤ441を中心として周方向に90度間隔で配置された4組の第1列目ピニオンギヤ442a,442b,442c,442dおよび第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dを備えると共に、4つの第2列目大径ギヤ443a,443b,443c,443dのうち隣り合う2つの第2列目大径ギヤとそれぞれ噛合する4つの第2列目ピニオンギヤ444a,444b,444c,4443dを備えるものとした。しかし、第2列目ピニオンギヤの数は、2つであってもよいし、3つであってもよい。また、入力ギヤ441を中心として周方向に120度間隔で配置された3組の第1列目ピニオンギヤおよび第2列目大径ギヤを備えてもよい。この場合、3つの第2列目大径ギヤのうち隣り合う2つの第2列目大径ギヤと噛合する第2列目ピニオンギヤの数は、3以下であれば、2つであってもよいし、3つであってもよい。
【0093】
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、第1および第2揺動レバー21,22が「入力部材」に相当し、第1ギヤ機構40と第1ワンウェイクラッチOC1とが「第1伝達機構」に相当し、第2ギヤ機構50と第2ワンウェイクラッチOC2とが「第2伝達機構」に相当し、第1ワンウェイクラッチOC1が「第1ワンウェイクラッチ」に相当し、第2ワンウェイクラッチOC2が「第2ワンウェイクラッチ」に相当し、第1入力ギヤ41と第1入力側ピニオンギヤ42,43とからなる増速ギヤ列および第1中間ギヤ44,45と第1伝達側ピニオンギヤ46とからなる増速ギヤ列が「第1増速部」に相当し、第2入力ギヤ51と第2入力側ピニオンギヤ52,53とからなる増速ギヤ列および第2中間ギヤ54,55と第2伝達側ピニオンギヤ56とからなる増速ギヤ列が「第2増速部」に相当する。また、揺動レバー121も「入力部材」に相当し、第1ギヤ機構140と第1ワンウェイクラッチOC11も「第1伝達機構」に相当し、第2ギヤ機構150と第2ワンウェイクラッチOC12も「第2伝達機構」に相当し、入力ギヤ141と第1入力側ピニオンギヤ142とからなる増速ギヤ列も「第1増速部」に相当し、入力ギヤ141と第2入力側ピニオンギヤ152とからなる増速ギヤ列も「第2増速部」に相当する。また、入力ギヤ241と、第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242dと、第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dと、第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244cと、ワンウェイクラッチOC21,OC23と、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dと、第3段目ピニオンギヤ246と、第4段目大径ギヤ247と、が「第1伝達機構」に相当し、入力ギヤ241と、第1段目ピニオンギヤ242b,242b,242c,242dと、第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dと、第2段目ピニオンギヤ244b,244b,244c,244dと、ワンウェイクラッチOC22,OC24と、第3段目大径ギヤ245a,245b,245c,245dと、第3段目ピニオンギヤ246と、第4段目大径ギヤ247と、が「第2伝達機構」に相当し、入力ギヤ241および第1段目ピニオンギヤ242a,242b,242c,242d(第1段目のギヤ列G1)と、第2段目大径ギヤ243a,243b,243c,243dおよび第2段目ピニオンギヤ244a,244b,244c,244c(第2段目のギヤ列G2)が「第1増速部」および「第2増速部」に相当し、ワンウェイクラッチOC21,OC23が「第1ワンウェイクラッチ」に相当し、ワンウェイクラッチOC22,OC24が「第2ワンウェイクラッチ」に相当する。また、入力軸331が「入力部材」に相当し、出力軸326が「出力部材」に相当し、動力伝達装置320,420が「動力伝達装置」に相当し、発電機MGが「発電機」に相当し、入力ギヤ341,441が「入力ギヤ」に相当し、第1列目ピニオンギヤ342a,341b,341c,341d,442a,441b,441c,441dが「第1列目ピニオンギヤ」に相当し、ギヤ列G1が「第1列目ギヤ列」に相当し、第2列目大径ギヤ343a,343b,343c,343d,443a,443b,443c,443dが「第2列目ギヤ」に相当し、第2列目ピニオンギヤ344a,344b,444a,444b,444c,444dが「第2列目ピニオンギヤ」に相当し、ギヤ列G2が「第2列目ギヤ列」に相当し、第3列目大径ギヤ345a,345b,445a,445b,445c,445dが「第3列目大径ギヤ」に相当し、出力ギヤ325,第3列目ピニオンギヤ446a,446bが「第3列目ピニオンギヤ」に相当し、ギヤ列G3が「第3段目ギヤ列」に相当する。
【0094】
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、動力伝達装置や発電ユニットの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0096】
10A,10C 波力発電装置、10B 足踏み式自転車、11A,11C 受圧板、11B ペダル、20 動力伝達装置、21 第1揺動レバー、22 第2揺動レバー、23 第1入力軸、24 第2入力軸、25 出力ギヤ、30 動力変換機構、31 第1入力軸、32 第2入力軸、33 第1伝達軸、34 第2伝達軸、35,36 連結軸、39 ハウジング、40 第1ギヤ機構、41 第1入力ギヤ、42 第1入力側ピニオンギヤ、43 第1入力側ピニオンギヤ、44 第1中間ギヤ、45 第1中間ギヤ、46 第1伝達側ピニオンギヤ、47 第1伝達ギヤ、50 第2ギヤ機構、51 第
2入力ギヤ、52 第2入力側ピニオンギヤ、53 第2入力側ピニオンギヤ、54 第2中間ギヤ、55 第2中間ギヤ、56 第2伝達側ピニオンギヤ、57 第2伝達ギヤ、120 動力伝達装置、121 揺動レバー、125 出力ギヤ、130 動力変換機構、131 入力軸、132 第1中間軸、133 第2中間軸、139 ハウジング、140 第1ギヤ機構、141 入力ギヤ、142 第1入力側ピニオンギヤ、143 第1中間ギヤ、144 伝達側ピニオンギヤ、145 伝達ギヤ、150 第2ギヤ機構、152 第2入力側ピニオンギヤ、153 第2中間ギヤ、MG 発電機、OC1,OC11 第1ワンウェイクラッチ、OC2,OC12 第2ワンウェイクラッチ、220 動力伝達装置、221 揺動レバー、222 軸、225 出力ギヤ、226 回転軸、231 入力軸、232a,232b,232c,232d,233a,233b,233c,233d,234 軸、241 入力ギヤ、242a,242b,242c,242d 第1段目ピニオンギヤ、243a,243b,243c,243d 第2段目大径ギヤ、244a,244b,244c,244d 第2段目ピニオンギヤ、245a,245b,245c,245d 第3段目大径ギヤ、246 第3段目ピニオンギヤ、247 第4段目大径ギヤ、OC21,OC22,OC23,OC24 ワンウェイクラッチ、320,420 動力伝達装置、325 出力ギヤ、326 出力軸、331 入力軸、331a 凹部、332a,332b,332c,332d,333a,333b 軸、339 ハウジング、341 入力ギヤ、342a,342b,342c,342d 第1列目ピニオンギヤ、343a,343b,343c,343d 第2列目大径ギヤ、344a,344b 第2列目ピニオンギヤ、345a,345b 第3列目大径ギヤ、420 動力伝達装置、425 出力ギヤ、426 出力軸、431 入力軸、431a 凹部、432a,432b,432c,432d,433a,433b,433c,433d,433e,434 軸、439 ハウジング、441 入力ギヤ、442a,442b,442c,442d 第1列目ピニオンギヤ、443a,443b,443c,443d 第2列目大径ギヤ、444a,444b,444c,444d 第2列目ピニオンギヤ、445a,445b,445c,445d 第3列目大径ギヤ、446a,446b 第3列目ピニオンギヤ、447 第4列目大径ギヤ、B11,B12,B21,B22,B31,B32,B41,B42,B51,B52 ベアリング、G1,G2,G3,G4 ギヤ列。