(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152784
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ターボ機械のケーシング壁を整列させるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F01D 25/28 20060101AFI20231005BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20231005BHJP
F01D 25/26 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F01D25/28 C
F01D25/00 M
F01D25/00 U
F01D25/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035349
(22)【出願日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】17/709,389
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】モート、カイル ヴァンストン
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、ザカリー ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】マンチカンティ、マルティ プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ベンソン、カイル エリック
(72)【発明者】
【氏名】ブラック、ケネス デイモン
(57)【要約】
【課題】ターボ機械のケーシング壁を整列させる。
【解決手段】ケーシング整列システム(16)は、内壁(106)の第1のリップ(152)を、多壁ケーシング(102)内に配置されたロータの回転方向(180)にバイアスするように構成された第1の整列ポジショナ(100)を含む。整列ポジショナ(100)は、バネ(174)、流体駆動整列ポジショナ(100、170、320)、電気駆動整列ポジショナ(100、170、300)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。整列ポジショナ(100)は、外壁(104)の第1及び第2壁部(122、124)間の第1フランジ付きカップリング(128)に隣接する第1凹部(160)内に第1リップ(152)をバイアスする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータを有するターボ機械(10)の多壁ケーシング(102)の内壁(106)と外壁(104)とを位置合わせするように構成されたケーシング整列システム(16)を備え、
ケーシング整列システム(16)が、内壁(106)の第1のリップ(152)を、多壁ケーシング(102)内に配置されたロータの回転方向(180)にバイアスするように構成された第1の整列ポジショナ(100)を備える、システム。
【請求項2】
第1の整列ポジショナ(100)は、バネ(174)を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
バネ(174)が板バネ(270)を含む、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
バネ(174)が、1つ以上のベルビルワッシャー(282)を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
第1の整列ポジショナ(100)が、流体駆動式整列ポジショナ(100、170、320)を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の整列ポジショナ(100)は、電気駆動式整列ポジショナ(100、170、300)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
多壁ケーシング(102)内に配置されたロータの回転方向(180)に内壁(106)の第1のリップ(152)をバイアスするように構成された第2の整列ポジショナ(100)を含み、第1および第2の整列ポジショナ(100)は互いに異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
システムが多壁ケーシング(102)の内壁(106)を備え、内壁(106)は第2のリップ(150)を含み、第1および第2のリップ(152、150)は、ロータの回転軸(108)を通って延びる第1の平面(118)に対して内壁(106)の径方向に反対側に配置され、第1および第2のリップ(152、150)は、内壁(106)から半径方向外側に延び、第1および第2のリップ(152、150)の負荷面は、第1の平面(118)の反対側に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
第1の平面(118)は、実質的に水平な平面である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
第1のリップ(152)は、第1の平面(118)に沿って配置された上面を有し、第2のリップ(150)は、第1の平面(118)に沿って配置された下面を有する、請求項8記載のシステム。
【請求項11】
システムは、内壁(106)の周りに配置された外壁(104)を有する多壁ケーシング(102)を備え、外壁(104)は、第1のフランジ付きカップリング(128)で一緒に結合された第1および第2の壁部(122、124)を含み、内壁(106)の第1のリップ(152)は、第1のフランジ付きカップリング(128)に隣接する外壁(104)の第1の凹部(160)に径方向に延びる、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
第1の整列ポジショナ(100)が、第1の凹部(160)内に配置されたバイアスアジャスタ(170)を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
第1の整列ポジショナ(100)が、第1の凹部(160)の外側に配置されたバイアスアジャスタ(170)を含み、第1の整列ポジショナ(100)が、バイアスアジャスタ(170)から第1の凹部(160)内の第1のリップ(152)と接触するクラウンシム(178、218)まで延びるシャフト(246)を含む、請求項11のシステム。
【請求項14】
多壁ケーシング(102)とケーシング整列システム(16)を有するターボ機械(10)を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項15】
ケーシング整列システム(16)を介して、ターボ機械(10)の多壁ケーシング(102)の内壁(106)を外壁(104)に位置合わせすることを含み、位置合わせすることは、ケーシング整列システム(16)の第1の整列ポジショナ(100)を介して、内壁(106)の第1のリップ(152)を多壁ケーシング(102)内に配置されたターボ機械(10)のロータの回転方向(180)にバイアスすることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、ターボ機械の運転中にターボ機械(ターボマシン)のケーシングの内壁と外壁を整列させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機又はタービンなどのターボ機械(ターボマシン)は、複数の回転翼(plurality of rotary blades)を有する中央ロータに配置された多壁ケーシング(multi-wall casing:マルチウォールケーシング)を含むことができる。多壁ケーシングは、内側環状壁について配置された外側環状壁のような、内側及び外側壁を含むことができる。残念ながら、動作中、多壁ケーシングの内壁及び外壁は、互いに相対的に移動し、内壁と外壁との間の軸の偏心又は不整合(eccentricity or misalignment of axes)をもたらすことがある。例えば、中央ロータの回転により加えられるトルクに応答して、外壁のセグメント間のフランジが部分的に開き、外壁ケーシングに対する内側ケーシングの移動(例えば、下方への移動)をもたらすことがある。偏心により、中央ロータ、特に回転翼と内壁との間のクリアランスに問題が生じることがある。例えば、偏心が大きくなるにつれて、ターボ機械は、ターボ機械の回転軸を中心とする円周方向のクリアランスに大きな変動を経験する可能性がある。クリアランスの変動が大きくなると、ターボ機械の効率が低下し、回転翼と内壁との間に擦れ状態(rub condition)が生じるリスクが高くなる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
当初請求された主題の範囲に相応する特定の実施形態が、以下に要約される。これらの実施形態は、請求された実施形態の範囲を限定することを意図しておらず、むしろこれらの実施形態は、主題の可能な形態の簡潔な要約を提供することのみを意図している。実際、現在請求されている実施形態は、以下に記載される実施形態と類似しているか、または異なる可能性のある様々な形態を包含することができる。
【0004】
特定の実施形態では、システムは、ロータを有するターボ機械の多壁ケーシングの内壁と外壁とを位置合わせするように構成されたケーシング整列システムを含む。ケーシング整列システムは、多壁ケーシング内に配置されたロータの回転方向に内壁の第1のリップをバイアスする(bias:偏らせる)ように構成された第1の整列ポジショナを含む。
【0005】
特定の実施形態において、方法は、ケーシング整列システムを介してターボ機械の多壁ケーシングの内壁と外壁とを位置合わせすることを含み、位置合わせは、ケーシング整列システムの第1の整列ポジショナを介して、多壁ケーシング内に配置されたターボ機械のロータの回転方向に内壁の第1のリップをバイアスすることを含む。
【0006】
特定の実施形態では、システムは、内壁の周りに配置された外壁を有する多壁ケーシング内に配置されたロータを有するターボ機械を含み得る。外壁は、第1のフランジ付きカップリングで一緒に結合された第1及び第2の壁部を有する。内壁は、ロータの回転軸を通って延びる第1の平面に対して内壁の径方向反対側に内壁から径方向外側に延びる第1および第2のリップを有し、第1および第2のリップの負荷面(load faces)は第1の平面の反対側に配置される。第1リップは、第1フランジ付きカップリングに隣接する外壁の第1凹部内に半径方向に延びる。ケーシング整列システムは、多壁ケーシング内に配置されたロータの回転方向に内壁の第1リップをバイアスするように構成された第1整列ポジショナを含む。
【0007】
現在開示されている技術のこれらおよび他の特徴、側面、および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読むと、よりよく理解されるであろう、ここで、同種の文字は図面全体を通して同種の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】圧縮機部及び/又はタービン部の多壁ケーシングの内壁及び外壁を整列させるように構成されたケーシング整列システムを有するガスタービンシステムの一実施形態の概略図である。
【
図2】
図1のケーシング整列システムを有する多壁ケーシングの低温状態における断面軸方向図であり、フランジ付きカップリングにおける凹部に配置されたバネを有するバイアスアジャスタを有する整列ポジショナを示している。
【
図3】
図2のケーシング整列システムを有する多壁ケーシングの動作状態における断面軸方向図であり、多壁ケーシングの内壁と外壁との間の整列(アライメント)を改善するために内壁のバイアス移動(例えば、上方移動及び/又は回転移動)を行う整列ポジショナを示している。
【
図4】
図2の多壁ケーシングの部分断面軸方向図であり、フランジ付きカップリングにおける整列ポジショナの詳細をさらに示しており、整列ポジショナの内部および外部バイアスアジャスタを含む。
【
図5】
図1~4のケーシング整列システムの整列ポジショナのバイアスアジャスタの一実施形態を示す概略図であり、バイアスアジャスタがバネ(例えば、コイル状のスプリング)を含むことを説明する図である。
【
図6】
図1~4のケーシング整列システムの整列ポジショナのバイアスアジャスタの実施形態の概略図であり、バイアスアジャスタがバネ(例えば、板バネ(リーフスプリング))を含むことを説明する図である。
【
図7】
図1~4のケーシング整列システムの整列ポジショナのバイアスアジャスタの実施形態の概略図であり、バネ(例えば、ベルビルワッシャーアセンブリ)を含むバイアスアジャスタを例示している。
【
図8】
図1~4のケーシング整列システムの整列ポジショナのバイアスアジャスタの実施形態を示す概略図であり、バイアスアジャスタが電気駆動式の整列ポジショナまたはバイアスアジャスタを含むことを説明する図である。
【
図9】
図1~4のケーシング整列システムの整列ポジショナのバイアスアジャスタの実施形態の概略図であり、バイアスアジャスタが流体駆動の整列ポジショナまたはバイアスアジャスタを含むことを示す図解である。
【
図10】
図2および
図4の多壁ケーシングの部分断面軸方向図であり、
図6のバイアスアジャスタ(例えば、板バネ)を含むフランジ付きカップリングにおける整列ポジショナの詳細をさらに示している。
【
図11】
図2及び
図4の多壁ケーシングの部分断面軸方向図であり、
図7のバイアスアジャスタ(例えば、ベルビルワッシャアセンブリ)を含むフランジ付きカップリングにおける整列ポジショナの詳細をさらに示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現在開示されているシステムの1つまたは複数の具体的な実施形態が以下に説明される。これらの実施形態の簡潔な説明を提供する努力において、実際の実装のすべての特徴は、本明細書において説明されない場合がある。そのような実際の実装の開発では、あらゆるエンジニアリングまたは設計プロジェクトと同様に、システム関連およびビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装固有の決定(numerous implementation-specific decisions)を行わなければならず、これらは実装ごとに異なる場合があることを理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する通常の技術者にとって、設計、製造、および製造の日常的な事業であることが理解されるべきである。
【0010】
現在開示されている様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、その要素が1つ以上存在することを意味することが意図されている。用語「comprising」、「including」、および「having」は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在する可能性があることを意味する。
【0011】
以下に詳細に説明するように、開示された実施形態は、圧縮機、タービン、またはそれらの組み合わせなどのターボ機械の多壁ケーシングの内壁および外壁を整列させるように構成されたケーシング整列システムの種々の整列ポジショナを提供する。バネ、流体駆動アジャスタ、および電気駆動アジャスタなどのバイアスアジャスタを含み得る整列ポジショナ(biasing adjusters such as springs, fluid-driven adjusters, and electric-driven adjusters)は、ターボ機械の動作中に外壁に対する内壁の望ましくない移動を補償するために内壁にバイアスをかけるように構成される。例えば、整列アジャスタは、内壁の片側で上方への移動を引き起こすことによって内壁の下方への垂直移動を補償し、それによって内壁の回転を引き起こして内壁の中心軸を外壁の中心軸と再調整するのを助けることができる。ケーシング整列システムの詳細については、図面を参照しながら後述する。
【0012】
図1は、制御システム14に結合されたガスタービンエンジン12を有するガスタービンシステム10の一実施形態のブロック図である。以下でさらに詳細に説明するように、ガスタービンシステム10は、ケーシング整列システム(casing alignment system:ケーシング整列システム)16を含むことができる。ケーシング整列システム16の様々な特徴は、
図1~
図11を参照して後述され、様々な特徴は、互いに任意の適切な組み合わせで使用されてもよい。 しかしながら、ケーシング整列システム16に移る前に、ガスタービンシステム10が、ケーシング整列システム16を使用するための1つの可能なターボ機械コンテキスト(one possible turbomachine context:1つの適用可能なターボ機械の背景技術)として説明されるであろう。
【0013】
ガスタービンエンジン12は、吸気部(air intake section:エアインテークセクション)18と、圧縮機部20と、燃焼器部22と、タービン部24と、負荷26と、排気部28とを含む。吸気部18は、1つ以上のサイレンサバッフル、流体噴射システム(例えば、アンチアイシング用の加熱流体噴射)、エアフィルタ、又はそれらの任意の組み合わせを有するダクトを含んでもよい。圧縮機部20は、ベルマウス32を有する上流入口ダクト30を含んでもよく、入口ダクト30は、内側ハブ34と、内側ハブ34の周方向に配置されて空気取り入れ流路を規定する外壁36と、空気取り入れ流路内で内側ハブ34と外壁36の間に半径方向に延びる複数の固定ベーン(stationary vanes)38と、空気取り入れ流路内で中心軸を周方向に配置する複数の入口ガイドベーン(IGVs・:inlet guide vanes)40を含む。入口ガイドベーン40はまた、制御システム14に通信可能に結合され、制御される1つまたは複数のアクチュエータ42に結合され得る。動作において、制御システム14は、ガスタービンエンジン12の動作中に圧縮機部20への吸気流を変化させるために、吸気ガイドベーン40の位置(例えば、角度位置)を調整するように構成される。
【0014】
圧縮機部20は、1つ以上の圧縮機ステージ(圧縮機段)44を含み、各圧縮機ステージ44は、圧縮機ケーシング50(例えば、内壁49について配置された外壁51を有する多壁圧縮機ケーシング)内の圧縮機シャフト48に結合された複数の圧縮機ブレード46と、圧縮機ケーシング50(例えば、内壁49)に結合された複数の圧縮機ベーン52を含む。圧縮機ブレード46及び圧縮機ベーン52は、各圧縮機ステージ44内の圧縮機シャフト48の中心軸を中心として周方向に配置される。圧縮機ステージ44は、1以上20以下の圧縮機ステージを含むことができる。さらに、圧縮機ステージ44は、圧縮機部20を通る流れの方向において、圧縮機ブレード46のセットと圧縮機ベーン52のセットとの間で交互に配置される。動作において、圧縮機ステージ44は、燃焼器部22に送達する前に、吸気(矢印88によって表される)を漸進的に圧縮させる。
【0015】
燃焼器部22は、1つ以上の燃料ノズル56を有する1つ以上の燃焼器54をそれぞれ含む。特定の実施形態では、燃焼器部22は、ガスタービンエンジン12の中心軸の周りに延びる単一の環状燃焼器54を有することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、燃焼器部22は、ガスタービンエンジン12の中心軸を中心に円周方向に間隔を置いて配置された2、3、4、5、6、又はそれ以上の燃焼器54を含むことができる。燃料ノズル56は、圧縮機部20からの圧縮空気58と、燃料供給システム62からの燃料60とを受け取り、燃料と空気とを混合し、混合物を点火して高温の燃焼ガス64を生成し、各燃焼器54を出てタービン部24に流入する。
【0016】
タービン部24は、1つ以上のタービンステージ(タービン段)66を含み、各タービンステージ66は、タービンケーシング72(例えば、内壁71について配置された外壁73を有する多壁タービンケーシング)の内側のタービン軸70について周方向に配置され、タービン軸70に結合された複数のタービンブレード68と、タービン軸70について周方向に配置された複数のタービンベーン74とを含む。タービンステージ66は、1段から10段以上のタービンステージを含むことができる。さらに、タービンステージ66は、タービン部24を通る流れの方向において、タービンブレード68のセットとタービンベーン74のセットとの間で交互に配置される。運転中、高温の燃焼ガス64は、徐々に膨張し、タービンステージ66のタービンブレード68の回転を駆動する。
【0017】
負荷26は、電気発電機、機械、または他の駆動負荷を含むことができる。負荷26は、
図1に示されるようにガスタービンエンジン12の高温端に配置されてもよいし、負荷26は、ガスタービンエンジン12の低温端(例えば、圧縮機部20に隣接)に配置されてもよい。排気部28は、排気ダクト、排気処理装置、サイレンサー、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、排気部28は、蒸気タービンを駆動するための蒸気を生成するように構成された熱回収蒸気発生器(HRSG)などの熱交換器を含んでもよい。
【0018】
制御システム14は、それぞれがプロセッサ78と、メモリ80と、メモリ80に記憶され、プロセッサ78によって実行可能な命令82と、ガスタービンシステム10全体に分布する様々なセンサ86(「S」と指定)及びアクチュエータと通信するように構成された通信回路84とを有する、1以上のコントローラ76を含み得る。センサ86は、吸気部18、圧縮機部20、燃焼器部22の燃焼器54、タービン部24、負荷26、及び排気部28に結合され、その状態を監視することができる。制御システム14は、センサ86からフィードバックを受けて、吸気流、燃料供給システム62から燃焼器54への燃料供給、排気部28の排気処理装置の動作、またはそれらの任意の組み合わせなど、ガスタービンエンジン12の様々な動作パラメータの調整を促進するように構成される。例えば、制御システム14は、アクチュエータ42を制御して、入口ガイドベーン40の角度位置を変更し、それによって、吸気部18から圧縮機部20への吸気流を制御するように構成されてもよい。
【0019】
動作時、ガスタービンシステム10は、矢印88で示すように、空気を吸気部18から入口ダクト30に受け入れ、入口ガイドベーン40をアクチュエータ42で制御して、圧縮機部20への空気の流れを調整するための入口ガイドベーン40の角度位置を調整し、圧縮機部20は燃焼器部22に供給される空気流を圧縮するよう構成される。例えば、圧縮機部20の各ステージ44は、複数のブレード46で空気流を圧縮する。そして、圧縮空気流58は、各燃焼器54に入り、燃料ノズル56が圧縮空気流58を燃料供給装置62からの燃料60と混合する。そして、燃料と空気の混合物は、各燃焼器54で燃焼して高温の燃焼ガス64を生成し、この燃焼ガス64は、タービン部24に流入して各段66のタービンブレード68の回転を駆動する。タービンブレード68の回転は、タービンシャフト(タービン軸)70の回転を駆動し、このタービンシャフト70は、負荷26に結合された軸90および圧縮機シャフト48に結合された軸92を介して、負荷26および圧縮機部20の回転を駆動する。そして、タービン部24は、排気ガス94を排気部28に排出し、最終処理および/または環境中に排出する。
【0020】
以下で詳細に説明するように、多壁圧縮機ケーシング50及び/又は多壁タービンケーシング72は、ガスタービンシステム10の動作中に偏心率の変化(例えば、増加)を経験することがある。偏心の変化は、ガスタービンシステム10の動作中に、トルク、熱膨張又は熱収縮、又はそれらの任意の組み合わせによって引き起こされ、内壁(例えば、49又は71)と外壁(例えば、51又は73)との間の相対移動をもたらすことがある。例えば、外壁(例えば、51又は73)は、隣接する壁部間のフランジ付きカップリングで部分的に開くことがあり、それによって内壁(例えば、49又は71)が外壁(例えば、51又は73)に対して相対的に移動する原因となる。相対的な移動は、外壁(例えば、51または73)に対する内壁(例えば、49または71)の垂直方向の移動(例えば、下方への垂直方向の移動)を含み得、それにより、内壁および外壁の中心軸の間(例えば、49と51の間および71と73の間)のずれが引き起こされる。
【0021】
ケーシング整列システム16は、外壁(例えば、51または73)に対する内壁(例えば、49または71)の前述の相対移動に対抗する方法で、内壁および外壁の中心軸(例えば、49と51の間および71と73の間)を合わせるのを助けるように構成された1以上の整列ポジショナ(alignment positioners:アライメントポジショナ)100(
図2~11参照)を含む。特定の実施形態において、整列ポジショナ100は、機械的バネ(例えば、板バネ(leaf spring:リーフスプリング)、コイルスプリング、ベルビルワッシャー(Belleville washer)など)、流体駆動ポジショナ(例えば、液体またはガス駆動ピストン-シリンダーポジショナ)、電気駆動ポジショナ(例えば、電気モーター駆動ポジショナ)、手動ポジショナ(例えば、ハンドホイール操作ネジ組)またはそれらの任意の組合せを含む。機械バネは、外壁(例えば、51または73)に対する内壁(例えば、49または71)の前述の相対的な移動に対抗するためのバイアス力を自動的に提供する。手動ポジショナは、センサ86からのセンサフィードバック及び/又は技術者による他の観察に応答して、技術者によって操作され得る。流体駆動式ポジショナおよび電気駆動式ポジショナは、センサ86からのセンサフィードバックに応答して、制御システム14によって操作されてもよい。
【0022】
図示の実施形態では、制御システム14及びセンサ86は、ケーシング整列システム16の一部であってもよい。 例えば、センサ86は、偏心、回転部品と静止部品との間のクリアランス、振動、歪み、トルク、位置(例えば、角度位置、垂直位置、又は水平位置)、又は圧縮機部20及び/又はタービン部24の多壁ケーシングの内壁と外壁(例えば、多壁圧縮機ケーシング50の内外壁49及び51、多壁タービンケーシング72の内外壁71及び73)間の相対移動を示す他のパラメーターを監視しても良い。センサ86は、ガスタービンシステム10の回転軸に沿った複数の軸方向位置と、回転軸を中心とする複数の周方向位置とに配置されてもよい。例えば、1つ以上のステージ44及び66において、センサ86は、ブレード(例えば、46及び68)及び/又はベーン(例えば、52及び74)の位置に対応する1つ以上の位置に配置されていてもよい。センサ86は、軸を中心とする様々な周方向位置における内壁と外壁との間の距離の変化、基準構造に対する内壁と外壁との間の距離の変化、又はそれらの組み合わせを監視することによって、内壁と外壁(例えば、49、51、71、及び73)との間の相対移動を監視してもよい。さらに、センサ86は、軸線に関する様々な周方向位置において、それぞれの内壁と回転ブレード(例えば、46および68)との間のクリアランスの変化を監視することによって、内壁と外壁(例えば、49、51、71および73)との間の相対移動を監視することができる。 さらに、センサ86は、内壁と外壁(例えば、49、51、71、73)との間のトルク誘導移動および/または速度誘導移動の指標として、圧縮機部20および/またはタービン部24のトルクおよび/または回転速度を監視することができる。
【0023】
制御システム14は、センサ86からのセンサデータを分析し、内壁と外壁(例えば、49、51、71、73)との間の相対的な移動を決定し、相対的な移動を示すデータを電子ディスプレイに出力し、及び/又は相対的な移動が1以上の閾値を超える場合に警報(例えば、音声及び/又は視覚警報)をトリガするように構成される。 制御システム14はまた、ケーシング整列システム16の整列ポジショナ100の1つ以上を制御して、内壁と外壁(例えば、49、51、71、および73)の間の整列(アライメント)を調整する、例えば、内壁と外壁(例えば、49、51、71、および73)の間のアライメントを増加するために、外壁の間に反対の相対移動を生じさせることによっても構成され得る。反対側の相対運動は、外壁(例えば、51又は73)に対する内壁(例えば、49又は71)の水平運動、垂直運動、及び/又は回転運動に対応し得、反対側の相対運動は、ガスタービンシステム10の動作によって生じる相対運動(例えば、トルク誘導運動又は速度誘導運動)とは一般に反対である。
【0024】
いくつかの実施形態では、ケーシング整列システム16は、整列ポジショナ100として機械バネを使用するなどして、制御システム14による制御動作なしに内壁および外壁(例えば、49、51、71、74)の相対位置の変化に自動的に対応する。しかしながら、ケーシング整列システム16は、内壁と外壁(例えば、49、51、71、73)の中心軸間のアライメントを改善するために、制御システム14によって直接制御される整列ポジショナ100(例えば、流体駆動式ポジショナ及び電気駆動式ポジショナ)を含むこともできる。ケーシング整列システム16の様々な特徴について、以下でさらに詳細に説明する。
【0025】
図2は、
図1を参照して上述したケーシング整列システム16の整列ポジショナ100を有する多壁ケーシング102の一実施形態の断面図である。図示された実施形態では、多壁ケーシング102は、内壁106について配置された外壁104を含む。外壁104及び内壁106を有する多壁ケーシング102は、内壁49及び外壁51を有する多壁圧縮機ケーシング50及び/又は内壁71及び外壁73を有する多壁タービンケーシング72に対応し得る。したがって、多壁ケーシング102に言及する以下の議論は、
図1の多壁圧縮機ケーシング50及びタービンケーシング72に適用される。
【0026】
図2に示されるように、外壁104および内壁106は、
図1のガスタービンシステム10などのターボ機械の回転軸に対応し得る中心軸108を中心として配置された環状壁であってよい。さらに、以下の議論は、構成要素の様々な位置および配向に言及する。したがって、中心軸108に沿った軸方向または軸110、中心軸108について周方向に配置された周方向または軸112、および中心軸108に対する1つまたは複数の半径方向または軸に言及されることがある。例えば、半径方向または軸は、水平方向または軸114および垂直方向または軸116に対応し得る。さらに、多壁ケーシング102の構成要素は、互いに概ね垂直である第1の平面118および第2の平面120に対応することができる。特定の実施形態では、第1の平面118は、中心軸108および水平方向または軸114に沿って延びる水平面であり、第2の平面120は、中心軸108および垂直方向または軸116に沿って延びる垂直面である。
【0027】
外壁104は、フランジ付きカップリング(flanged couplings:フランジ結合部)126および128で一緒に結合された壁部(wall sections)122および124のような、フランジ付きカップリングで一緒に結合された複数の壁部を含む。例えば、壁部122および124の各々は、環状形状の外壁104の半円筒形状のセクションを規定することができる。フランジ付きカップリング126は、それぞれの壁部122および124から半径方向外側に延びるフランジ130および132を含み、フランジ付きカップリング128は、それぞれの壁部122および124から半径方向外側に延びるフランジ134および136を含む。フランジ付きカップリング126は、フランジ130および132を結合する複数のねじ付きファスナ、例えば、フランジ130および132を通って延び、それぞれのフランジ130および132に隣接する雌ねじ付きファスナ140および142によって固定される雄ねじ付きファスナ138を有する。雌ねじ付きファスナ140および142は、雄ねじ付きファスナ138にねじ込まれることができ、それによってフランジ130および132をフランジ付きカップリング126において一緒に圧縮する。同様に、フランジ付きカップリング128は、フランジ134および136を通って延びる複数の雄ねじ付きファスナ144を含み、雌ねじ付きファスナ146および148は、フランジ134および136について雄ねじ付きファスナ144を固定する。特に、雌ねじ付きファスナ146および148は、雄ねじ付きファスナ144にねじ込まれることができ、それによってフランジ134および136をフランジ付きカップリング128で一緒に圧縮する。特定の実施形態では、フランジ付きカップリング126および128は、溶接ジョイント、クランプ、ろう付けジョイント、ダブテールジョイント、ヒンジジョイント、またはそれらの任意の組み合わせ(welded joints, clamps, brazed joints, dovetail joints, hinged joints, or any combination thereof)など、他の取り外し可能なファスナおよび/または固定カップリングによって互いに固定され得る。
【0028】
内壁106は、単一の環状構造、フランジ付きカップリングで一緒に結合された複数の内壁セグメント、または別の適切な構成を含むことができる。さらに、内壁106は、外壁104とインターフェースするように構成された複数の半径方向突出部またはリップを含む。図示された実施形態では、内壁106は、半径方向突起またはリップ150、152、154、および156を含み、これらは、外壁104のそれぞれの凹部158、160、162、および164に配置される。リップ150および152は、それぞれの凹部158および160に配置され、リップ154および156は、それぞれの凹部162および164に配置される。リップ150および152ならびに凹部158および160は、水平方向または軸114に対応する第1の平面118に沿って概ね配置される。
【0029】
図示の実施形態では、リップ150および152は、ロータの中心軸108を通って延びる平面118に対して内壁106の径方向反対側に配置され(例えば、リップ150および152は平面118に対して非対称)、リップ154および156は、ロータの中心軸108を通って延びる平面120に対して内壁106の径方向反対側に配置される(例えば、リップ154および156は、平面120に対して非対称)。リップ154及び156並びに凹部162及び164は、垂直方向又は軸116に対応する第2の平面120に概ね沿って配置される。しかしながら、図示された実施形態では、リップ150および凹部158は、平面118の上方に配置され、一方、リップ152および凹部160は、平面118の下方(例えば、平面118の回転方向に反対側)に配置される。同様に、リップ154及び凹部162は、平面120の一方の側に配置され、一方、リップ156及び凹部164は、平面120の反対側(例えば、平面120の回転方向に反対側の側)に配置される。
【0030】
図示された実施形態では、リップ150の底面(または荷重面)が平面118に沿って配置される一方で、リップ152の上面(または荷重面)が平面118に沿って配置され、リップ154の左手の面(または荷重面)が平面120に沿って配置され、リップ156の右手の面(または荷重面)が平面120に沿って配置されている。いくつかの実施形態では、ロータの回転方向が反対である構成などでは、上面、底面、左手面、および右手面(または荷重面)の前述の配置が逆であってもよい。図示の構成では、多壁ケーシング102は、多壁ケーシング102がガスタービンシステム10の動作中の変化に対して調整するように構成されるように、冷間または非動作構成にある(in a cold or non-operating configuration)。
【0031】
フランジ付きカップリング128において、多壁ケーシング102は、ガスタービンシステム10の動作中の位置変化又は動きに応答して、外壁104に対する内壁106の位置合わせ(アライメント:整列)を助けるように構成された整列ポジショナ100を含む。例えば、整列ポジショナ100は、リップ152と凹部160の下面との間(例えば、リップ152の下方)に配置されたバイアスアジャスタ170と、リップ152と凹部160の上面との間(例えば、リップ152の上方)に配置されたシムアセンブリ172とを含む。バイアスアジャスタ170は、板バネ、コイルバネ、ベルビルワッシャ、またはそれらの任意の組み合わせなどの、1つまたは複数のバネ174を含むことができる。さらに、バイアスアジャスタ170は、流体駆動アジャスタ(例えば、ガスまたは液体駆動ピストン-シリンダアセンブリ)、電気駆動アジャスタ、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0032】
シムアセンブリ172は、1つ以上の研削可能シム176及び冠状シム(crowned shim)178(例えば、凸面などの曲面又は冠状面を有するシム)などの複数のシムを含み得る。シムアセンブリ172は、凹部160に対するリップ152の位置を調整するように構成される(例えば、建設および組立の間)。例えば、研削可能シム176は、研削可能シム176の表面を研削することによって厚さを調整することができ、それによって、シムアセンブリ172と凹部160との間のより良い適合を提供し、外壁104に対する内壁106の望ましい位置(例えば、平面118の反対の上側および下側にリップ150および152を有する)を提供するのに役立つ。
【0033】
バイアスアジャスタ170は、リップ152をシムアセンブリ172に向かってバイアスするための反対力(例えば、バイアス力)を提供するように構成される。以下でさらに詳細に説明するように、整列ポジショナ100のバイアスアジャスタ170は、ガスタービンシステム10の動作中に内壁106と外壁104との間の適切なアライメントを確保するためにバイアス力を提供するように構成される。例えば、バイアスアジャスタ170は、内壁106が外壁104に対して相対的に(例えば、垂直方向及び/又は回転方向に)移動するようにバイアスし、それによって外壁104及び内壁106の位置合わせを助けることができる。
【0034】
図3は、
図2の多壁ケーシング102の断面図であり、ガスタービンシステム10の動作中の多壁ケーシング102及びケーシング整列システム16の整列ポジショナ100の変化を更に示している。特に、ガスタービンシステム10の動作中、圧縮機部20またはタービン部24内のロータの回転運動の結果として、矢印180によって示されるように、トルクが多壁ケーシング102に印加される場合がある。トルクがガスタービンシステム10に加えられると、外壁104は、フランジ付きカップリング126及び128における開口部又は分離部182及び184によって例示されるように、フランジ付きカップリング126及び128において部分的な開口又は分離を経験するかもしれない。開口部または分離部182および184の結果として、リップ150および152は、外壁104に対していくらかの下方垂直移動を経験する(experience some downward vertical movement)場合がある。
【0035】
内壁106が開口部182および184に起因して凹部158および160内で下方に移動すると、ケーシング整列システム16の整列ポジショナ100は、内壁106を矢印180で示すように加えられたトルクと同じ方向に回転するようにバイアスし、それにより内壁106の下方垂直移動を克服または補償するのに役立つ。ケーシング整列システム16の開示された整列ポジショナ100がなければ、内壁106は、開口部182及び184により垂直下方に移動し、外壁104及び内壁106の中心軸の間にずれを生じさせる可能性がある。このずれや偏心を許容するのではなく、ケーシング整列システム16の整列ポジショナ100は、トルク180の方向と一緒に回転方向に上方に移動するようにリップ152にバイアスをかける。その結果、整列ポジショナ100、特にバネ174を含むバイアスアジャスタ170は、リップ152と内壁106を十分に回転させて、外壁104と内壁106の中心軸を中心軸108に対して整列させるように強制する。
図2および
図3の整列ポジショナ100は、バイアスアジャスタ170としてバネ174を含むが、整列ポジショナ100は、バネ174、流体駆動バイアスアジャスタ、電気駆動バイアスアジャスタ、手動バイアスアジャスタ、またはそれらの任意の組み合わせ(a fluid-driven biasing adjuster, an electric-driven biasing adjuster, a manual biasing adjuster, or any combination thereof)を含む任意の1種類以上のバイアスアジャスタ170を含むことができる。
【0036】
図4は、
図2の多壁ケーシング102の部分断面図であり、外壁104と内壁106との間のフランジ付きカップリング128におけるケーシング整列システム16の詳細を更に示している。図示された実施形態では、ケーシング整列システム16の整列ポジショナ100は、複数のバイアスアジャスタ170(「BA」と表示)を含み、これは、以下で詳細に説明するように、バイアスアジャスタ170の1以上のタイプおよび/または構成を含み得る。さらに図示されるように、バイアスアジャスタ170は、フランジ付きカップリング128のフランジ134および136の間の凹部160の部分的に内側および部分的に外側に配置され得る。
【0037】
図示された実施形態では、凹部160は、フランジ134に配置された凹部190と、フランジ136に配置された対向する凹部192とを有する。しかしながら、凹部160は、フランジ付きカップリング128において、単一のフランジ、フランジ134および136における対称的な配置、または任意の他の構成に配置され得る。フランジ134および136は、雄ねじ付きファスナ144(例えば、ねじ付きボルト)および対応する雌ねじ付きファスナ148(例えば、ねじ付きナット)などの複数のねじ付きファスナで一緒に結合される。しかしながら、フランジ134および136は、溶接接合、ろう付け接合、クランプ、ヒンジ、またはそれらの任意の組み合わせ(welded joints, brazed joints, clamps, hinges, or any combination thereof)などの、様々な取り外し可能なファスナおよび/または固定接合で一緒に結合されることができる。
図4にさらに示されるように、リップ152は、凹部160の中に半径方向に延び、一般に平面118の下に配置される。例えば、リップ152は、凹部160の対向する上面198及び下面200に面する対向する上面194及び下面196を含む。
【0038】
様々な特徴および構成要素が、凹部192に配置される。例えば、凹部192において、リップ152は、雄ねじ付きファスナまたはボルトなどの1つまたは複数のファスナ204を介して下面196に結合されたウェアプレート(wear plate:摩耗板)202を含む。凹部192は、雄ねじファスナ又はボルトなどの1つ以上のファスナ208を介して下面200に結合された研削可能シム(grindable shim:グラインダブルシム)206を含む。研削可能シム206は、ターボ機械(例えば、ガスタービンシステム10)の組立中にその表面の1つ以上に沿って研削され、凹部160内のリップ152のより良い適合及び適切な位置合わせを提供することができる。研削可能シム206はまた、フランジ136の対応する凹部212、214、及び216内に延びる1つ又は複数の整列キー210、研削可能シム206、及び冠状シム218を介して下面200に対して位置合わせされることがある。研削可能シム206とウェアプレート202との間に配置される冠状シム218は、ウェアプレート202の概ね平坦な表面に接触するように構成された冠状またはカーブ(湾曲)した接触面220(例えば、凸面)を含む。凹部192はまた、研削可能シム206と冠状シム218との間に配置されたバイアスアジャスタ170を含み得る。
【0039】
同様に、様々な特徴および構成要素が、凹部190に配置される。例えば、凹部部分190において、シムアセンブリ172は、研削可能シム176と、ネジ付きファスナ又はボルト224などの1つ又は複数のネジ付きファスナを介して上面198に結合されたクラウン付きシム178とを含む。ファスナ224は、凹部226においてクラウンドシム178に凹設されてもよく、ファスナ224は、クラウンドシム178および研削可能シム176のボアを通ってフランジ134に延びる。シムアセンブリ172はまた、1つ以上の整列キー228を含むことができ、この整列キーは、フランジ134、研削可能シム176、およびクラウンドシム178の対応する凹部230、232、および234を通って延びる。冠状シム218と同様に、冠状シム178は、リップ152の上面194に結合されたウェアプレート240の対応する平坦面238に接触するように構成された冠状または湾曲した接触面236(例えば、凸面)を含む。ウェアプレート240は、雄ねじ付きファスナ又はボルトなどの複数のファスナ242でリップ152に結合されることがある。
【0040】
ガスタービンシステム10の組立及び較正の間、研削可能シム176及び206は、部分的に研削されて厚さを減少させ、それにより凹部160内のリップ152の位置を調整するのに役立つことがある。例えば、研削可能シム176及び206は、リップ152の上面194を平面118に直接沿って配置する一方で、リップ152の下面196を平面118の下に垂直にオフセットして配置するために十分に研削されることがある。
【0041】
上述のように、ケーシング整列システム16の整列ポジショナ100は、複数のバイアスアジャスタ170を含む。冠状シム218におけるバイアスアジャスタ170に加えて、整列ポジショナ100は、フランジ134においてフランジ付きカップリング128の外側に配置されたバイアスアジャスタ170を含んでもよい。図示されるように、ケーシング整列システム16は、クラウンドシム218と結合されたシャフト246のヘッド244の下に配置されたバイアスアジャスタ170を有する整列ポジショナ100を含む。例えば、ヘッド244およびシャフト246は、雄ねじボルトなどの雄ねじ付きファスナ248の部品であってもよい。シャフト246は、雄ねじ250または別の適切な機械的接続を介して冠状シム218に結合されることがある。
【0042】
動作において、凹部160の内側および外側に配置されたバイアスアジャスタ170は、リップ152を、
図3に図示されるようにトルク180の方向に対応する回転方向または垂直方向上方252にバイアスするように構成され得る。したがって、フランジ付きカップリング126および128が部分的に開いて開口部182および184を形成し、内壁106が外壁104内で垂直下方に移動するようになると、ケーシング整列システム16のバイアスアジャスタ170は、リップ152を方向252に移動させて外壁104内で内壁106の整列を助けるよう構成される。この整列は、一般に、外壁104および内壁106の中心軸の間の整列を改善または一致させる。
図4は、2つのバイアスアジャスタ170を図示しているが、ケーシング整列システム16は、フランジ付きカップリング128に沿った様々な位置にバイアスアジャスタ170を有する任意の数の整列ポジショナ100を含んでよい。
【0043】
図5~
図9は、
図1~
図4を参照して上記に図示および説明したケーシング整列システム16の整列ポジショナ100のバイアスアジャスタ170の実施形態の概略図である。
図5は、バネ174を含むバイアスアジャスタ170の実施形態の概略図である。図示された実施形態では、バネ174は、コイル形状のバネ260を含む。コイル形状のバネ260は、螺旋状または渦巻き状のパターン(spiral or helical pattern)を規定する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のループを含み得る。特定の実施形態では、整列ポジショナ100は、互いに直列および/または並列に配置された任意の数のバネ174(例えば、コイル形状のバネ260)を含むことができる。
【0044】
図6は、整列ポジショナ100のバイアスアジャスタ170の一実施形態の概略図であり、バネ174の一実施形態をさらに示している。図示されるように、バネ174は、対向する端部274および276の間に延びる湾曲プレート(curved plate:カーブ板)272を有する板バネ270を含む。湾曲プレート272は、バイアスアジャスタ170に所望のばね力を提供するように選択された半径を有することができる。特定の実施形態では、整列ポジショナ100は、互いに直列および/または並列に配置された任意の数のバネ174(例えば、板バネ270)を含むことができる。例えば、バネ174は、直列配置で互いに積み重ねられた複数の板バネ270を、例えば、複数の板バネ層として含むことができる。
【0045】
図7は、整列ポジショナ100のバイアスアジャスタ170の一実施形態の概略図であり、バネ174の一実施形態を例示する。図示されるように、バネ174は、複数のベルビルワッシャ282を有するベルビルワッシャアセンブリ280を含む。ベルビルワッシャ282はそれぞれ、外側の環状縁286から内側の環状ボア288まで延びる円錐形状の壁284を含む。ベルビルワッシャアセンブリ280は、ベルビルワッシャ282の第1のセット292がベルビルワッシャ282の第2のセット294に対面するような様々な構成で、複数のベルビルワッシャ282を配置してもよい。第1のセット292は、第2のセット294から離れる方向に内側ボア288から離れるように外側に延びる円錐形状の壁284を有し、第2のセット294は、第1のセット292から離れる方向に内側ボア288から離れるように外側に延びる円錐形状壁284を有する。しかしながら、ベルビルワッシャーアセンブリ280は、任意の数および配置のベルビルワッシャー282を含むことができる。特定の実施形態では、バネ174(例えば、コイル状のバネ260、板バネ270、およびベルビル座金282)は、互いに組み合わせて、例えば、直列および/または並列配置で使用されてもよい。
【0046】
図8は、
図1~4の整列ポジショナ100のバイアスアジャスタ170の実施形態の概略図であり、電気駆動の整列ポジショナまたはバイアスアジャスタ300をさらに示している。バイアスアジャスタ300は、ギアボックス304に結合された電気駆動装置302を含み、この電気駆動装置は、今度はバイアスプレート306に結合される。例えば、電気駆動装置302は、ACモータ、DCモータ、またはそれらの組合せを含むことができる。電気駆動装置302は、シャフト308でギアボックス304に結合されてもよく、一方、ギアボックス304は、シャフト310でバイアスプレート306に結合されてもよい。ギアボックス304は、ギア比を変更してバイアスプレート306を駆動するための機械的利点を提供するように構成された複数のギアを含むことができる。電気駆動装置302はまた、制御システム14のコントローラ76に結合されてもよく、このコントローラは、センサ86からのフィードバックに応答して電気駆動装置302を作動させるように構成されてもよい。したがって、ガスタービンシステム10の動作中、コントローラ76は、上記で詳細に説明したように、リップ152の調整を提供するためにバイアスプレート306を動かすために電動ドライブ302の動作をトリガすることができる。
【0047】
図9は、
図1~4を参照して上記で詳細に論じた整列ポジショナ100のバイアスアジャスタ170の一実施形態の概略図である。図示された実施形態では、バイアスアジャスタ170は、流体駆動型整列ポジショナまたはバイアスアジャスタ320を含み得、これは、流体供給部324に結合されたピストン・シリンダ・アセンブリ322を含む。例えば、ピストンシリンダアセンブリ322は、ハウジング330のシリンダ328内に配置されたピストン326を含み、ピストン326は、シリンダ328をチャンバ332と334の間に分離させる。流体供給部324は、チャンバ332またはチャンバ334への流体の流れを制御するように構成された、流体タンク、流体ポンプまたは圧縮機、1つまたは複数の流体弁、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。流体供給部324は、センサ86からのフィードバックに応答してコントローラ76によって制御され得、それによって、ピストン326を上方に動かすためにチャンバ332に、またはピストン326を下方に動かすためにチャンバ334に流体圧力を供給して、バイアスプレート336の位置を制御する。バイアスプレート336は、シャフト338を介してピストン326に結合され、バイアスプレート336は、上述したようにリップ152に結合され得る。動作において、流体供給部324は、コントローラ76によって制御され、ピストン326の移動を強制し、それによってバイアスプレート336を駆動してリップ152と内壁106を移動させ、外壁104と内壁106の間の整列を改善させる。
【0048】
図10は、
図2の多壁ケーシング102の部分断面図であり、フランジ付きカップリング128に沿った位置におけるケーシング整列システム16の詳細をさらに示している。
図10の構成要素は、特に断らない限り、
図1~4を参照して上記で詳細に説明したものと同じである。例えば、フランジ付きカップリング128、シムアセンブリ172、およびリップ152の構成要素は、上記で詳細に説明したのと実質的に同じである。さらなる例によって、シムアセンブリ172は、冠状の表面(crowned surface:クラウニングされた面)236が摩耗プレート240の平坦な表面238に接触するように、凹部190に配置されたクラウニングされたシム178および研磨可能なシム176を有する。
図10のケーシング整列システム16は、凹部192において
図4と異なり、特に研削可能シム206において異なる特徴を有し、冠状シム218およびバイアスアジャスタ170を
図6の板バネ270と交換することにおいて異なる。
【0049】
図10にさらに示されるように、整列ポジショナ100のバイアスアジャスタ170は、ウェアプレート202と研削可能シム206との間の凹部192にバネ174を含む。図示された実施形態では、研削可能シム206は、中央凹部(センターリセス)352について配置された対向リップ又は突出部350を含む。バネ174は、
図6に図示されるように、第1の端部274から第2の反対側の端部276まで延びる湾曲プレート272を有する板バネ270を含む。反対側の端部274及び276は、リップ又は突出部350の間の中央凹部352に配置され、湾曲プレート272は、ウェアプレート202に向かって研削可能シム206から離れて上方又は外側に延びる。湾曲プレート272は、ウェアプレート202の平坦面222に接触し、それによって、
図4を参照して上述したように、ウェアプレート202に対してバイアス力を加えて、リップ152を上方又は周方向252にバイアスする。
【0050】
図10は、バイアスアジャスタ170として板バネ270を図示しているが、ケーシング整列システム16は、
図1~9を参照して上述したように、バイアスアジャスタ170の任意の1つまたは全てを含むことができる。動作において、板バネ270は、リップ152に対して予荷重またはバイアス力を自動的に提供し、それによって、ガスタービンシステム10の動作中にトルク180が加えられると、外壁104に対して内壁106を回転または移動するのを助けるように構成される。その結果、板バネ270は、リップ152での移動を介して、内壁106を外壁104に整合させるのに役立つ。
【0051】
図11は、
図2の多壁ケーシング102の部分断面図であり、フランジ付きカップリング128に沿った位置に別のバイアスアジャスタ170を有するフランジ付きカップリング128の実施形態を更に示している。
図11の構成要素は、特に断らない限り、
図1~4を参照して上記で詳細に説明したものと同じである。例えば、フランジ付きカップリング128、シムアセンブリ172、リップ152、および他の同様の要素の構成要素は、概して、
図4および
図10を参照して上記で詳細に説明したものと同じである。
図11のケーシング整列システム16は、凹部192において
図4と異なり、特に研磨可能シム206およびウェアプレート202において異なる特徴を有し、冠状シム218およびバイアスアジャスタ170を、バネ174によってバイアスされたピストンシリンダアセンブリ360に置き換えることにおいて異なる。
【0052】
図11にさらに示されるように、凹部192内のウェアプレート202と研削可能シム206との間に配置されたバイアスアジャスタ170は、
図7を参照して上述したようなベルビルワッシャアセンブリ280を含む、バネ174によってバイアスされたピストンシリンダアセンブリ360を含む。図示された実施形態では、ピストンシリンダアセンブリ360は、シャフト364に結合されたピストンまたはコンタクトプレート(contact plate:接触板)362を含み、このシャフトは、凹部192の底面200のシリンダまたはボア368内で軸366に沿って動くように構成される。従って、ピストン又はコンタクトプレート362は、研削可能シム206に対して上方及び下方へ移動することができ、ベルビルワッシャアセンブリ280は、ピストン又はコンタクトプレート362をウェアプレート202のクラウン状又は曲面370に対して上方バイアス力を提供する。バネ174は、ベルビルワッシャアセンブリ280として示されているが、バネ174は、
図5のコイル状のバネ260、
図6の板バネ270、または任意の他の適切なばねタイプもしくは構成を単独でもしくはベルビルワッシャアセンブリ280と組み合わせて含むことができる。
【0053】
さらに、特定の実施形態では、ピストンシリンダアセンブリ360のシャフト364は、
図8の電気駆動整列ポジショナまたはバイアスアジャスタ300および/または
図9の流体駆動整列ポジショナまたはバイアスアジャスタ320に結合され得る。動作において、ガスタービンシステム10の動作中に加えられるトルク180が、
図3の開口182および184によって示されるようにフランジ付きカップリング126および128を部分的に開かせると、
図11のピストンシリンダアセンブリ360およびバネ174を有するバイアスアジャスタ174は、外壁104に対する内壁106の任意の下方移動を補償するために上方向または円周方向252に、唇152および内壁106をバイアスすることを助ける。したがって、バイアスアジャスタ170は、ガスタービンシステム10の動作中に外壁104及び内壁106の中心軸の整列を助けるように構成される。
【0054】
開示された実施形態の技術的効果は、圧縮機、タービン、またはそれらの組み合わせなどのターボ機械の多壁ケーシングの内壁および外壁を整列するように構成されたケーシング整列システムの整列ポジショナを含む。整列ポジショナは、バネ、流体駆動整列ポジショナまたはバイアスアジャスタ、電気駆動整列ポジショナまたはバイアスアジャスタ、またはそれらの任意の組み合わせなどの、1つまたは複数のバイアスアジャスタを含み得る。整列ポジショナは、外壁のフランジ付きカップリングの凹部内のリップなどで、内壁にバイアス力を加え、それによって内壁が外壁と整列するように移動するようにバイアスする。例えば、ターボ機械の運転中に生じるトルクに応答して、フランジ付きカップリングが開き、内壁が外壁に対して下方に下がり、整列ポジショナが内壁を回転させて上方に移動させて内壁と外壁の中心軸を整合させるようにバイアスすることができる。このような整列ポジショナがないと、ロータ(例えば、ロータに結合された回転翼)と内壁との間のクリアランスが、回転軸を中心に周方向に不均一になることがあり、ターボ機械の効率及び性能を低下させ、摩擦状態のリスクを高め、ターボ機械の動作中に他の問題を引き起こすことがある。
【0055】
上記で詳細に説明した主題は、以下に示すように、1つ以上の節によって定義することができる。
[実施形態1]
特定の実施形態では、システムは、ロータを有するターボ機械の多壁ケーシングの内壁と外壁とを位置合わせするように構成されたケーシング整列システムを含む。ケーシング整列システムは、多壁ケーシング内に配置されたロータの回転方向に内壁の第1のリップをバイアスするように構成された第1の整列ポジショナを含む。
[実施形態2]
前記第1整列ポジショナがバネを含む、実施形態1記載のシステム。
[実施形態3]
前記バネは、板バネを含む、実施形態1~2に記載のシステム。
[実施形態4]
バネが1つ以上のベルビルワッシャーを含む、実施形態1~3に記載のシステム。
[実施形態5]
前記第1の整列ポジショナは、流体駆動式整列ポジショナを含む、実施形態1~4に記載のシステム。
[実施形態6]
前記第1の整列ポジショナは、電気駆動式整列ポジショナを含む、実施形態1~5に記載のシステム。
[実施形態7]
多壁ケーシング内に配置されたロータの回転方向に内壁の第1リップをバイアスするように構成された第2整列ポジショナを含み、第1および第2整列ポジショナは互いに異なる、実施形態1~6に記載のシステム。
[実施形態8]
多壁ケーシングの内壁を含み、内壁が第2のリップを含み、第1および第2のリップが、ロータの回転軸を通って延びる第1の平面に対して内壁の径方向反対側に配置され、第1および第2のリップが内壁から径方向外側に延び、第1および第2のリップの負荷面が第1の平面の反対側に配置される、実施形態1~7に記載のシステム。
[実施形態9]
前記第1の平面は、実質的に水平な平面である、実施形態1~8に記載のシステム。
[実施形態10]
前記第1リップは、前記第1平面に沿って配置された上面を有し、前記第2リップは、前記第1平面に沿って配置された下面を有する、実施形態1~9に記載のシステム。
[実施形態11]
内壁の周りに配置された外壁を有する多壁ケーシングを含み、外壁は、第1のフランジ付きカップリングで一緒に結合された第1および第2の壁部を含み、内壁の第1のリップは、第1のフランジ付きカップリングに隣接する外壁の第1の凹部に半径方向に延びる、実施形態1~10に記載のシステム。
[実施形態12]
前記第1の整列ポジショナが、前記第1の凹部に配置されたバイアスアジャスタを含む、実施形態1~11に記載のシステム。
[実施形態13]
前記第1の整列ポジショナは、前記第1の凹部の外側に配置されたバイアスアジャスタを含む、実施形態1~12に記載のシステム。
[実施形態14]
前記第1の整列ポジショナが、前記バイアスアジャスタから、前記第1の凹部内の前記第1のリップと接触する冠状シムまで延びるシャフトを含む、実施形態1~13に記載のシステム。
[実施形態15]
前記多壁ケーシングと前記ケーシング整列システムとを有するターボ機械を含む、実施形態1~14に記載のシステム。
[実施形態16]
ターボ機械が、圧縮機、タービン、またはその両方を含む、実施形態1~15に記載のシステム。
[実施形態17]
特定の実施形態において提供される方法は、ケーシング整列システム(16)を介して、ターボ機械(10)の多壁ケーシング(102)の内壁(106)を外壁(104)に位置合わせすることを含み、位置合わせすることは、ケーシング整列システム(16)の第1の整列ポジショナ(100)を介して、内壁(106)の第1のリップ(152)を多壁ケーシング(102)内に配置されたターボ機械(10)のロータの回転方向(180)にバイアスすることを含む。
[実施形態18]
第1のリップをバイアスすることは、外壁の第1および第2のセクション間の第1のフランジ付きカップリングにおける第1の凹部内で第1のリップに力を加えることを含む、実施形態17に記載の方法。
[実施形態19]
第1のリップにバイアスをかけることは、多壁ケーシングの外壁に対する内壁の下方垂直移動に応答して、内壁を回転方向に回転させることを含む、実施形態17~18に記載の方法。
[実施形態20]
特定の実施形態で提供されるシステムは、内壁の周りに配置された外壁を有する多壁ケーシング内に配置されたロータを有するターボ機械を含み得る。外壁は、第1のフランジ付きカップリングで一緒に結合された第1及び第2の壁部を有する。内壁は、ロータの回転軸を通って延びる第1の平面に対して内壁の径方向反対側に内壁から径方向外側に延びる第1および第2のリップを有し、第1および第2のリップの負荷面は第1の平面の反対側に配置される。第1リップは、第1フランジ付きカップリングに隣接する外壁の第1凹部内に半径方向に延びる。ケーシング整列システムは、多壁ケーシング内に配置されたロータの回転方向に内壁の第1リップをバイアスするように構成された第1整列ポジショナを含む。
【0056】
本書では、最良の態様を含む本実施形態を説明するために例を用い、また、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた任意の方法の実行を含む、本開示の実施形態を当業者が実施できるようにする。現在開示されている実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思い浮かぶ他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的でない差異を有する同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0057】
10:ガスタービンシステム 12:ガスタービンエンジン 14:制御システム 16:ケーシング整列システム 18:吸気部 20:圧縮機部 22:燃焼器部 24:タービン部 26:負荷 28:排気部 30:上流入口ダクト 32:ベルマウス 34:内側ハブ 36:外壁 38:ステーションベーン 40:吸気ガイドベーン 42:アクチュエーター 44:圧縮機ステージ 46:圧縮機ブレード 48:圧縮機シャフト 50:圧縮機ケーシング 51:外壁 49:内壁 52:圧縮機ベーン 54:燃焼器 56:燃料ノズル 58:圧縮空気 60:燃料 62:燃料供給システム 64:高温燃焼ガス 66:タービンステージ 68:タービンブレード 70:タービンシャフト 72:タービンケーシング 73:外壁 71:内壁 74:タービンベーン 76:コントローラー 78:プロセッサ 80:メモリ 82:命令 84:通信回路 86:センサ 88:矢印 90、92:軸 94:排気ガス 100:整列ポジショナ 102:多壁ケーシング 104:外壁 106:内壁 108:中心軸 110、112、114、116:軸 118:第1の平面 120:第2の平面 122、124:壁部 126、128:フランジ付きカップリング 130、132、134、136:フランジ 138:雄ねじファスナ 140、142:雌ネジファスナ 144:雄ネジファスナ 146、148:雌ねじファスナ 150、152、154、156:リップ 158、160、162、164:凹部 170:バイアスアジャスタ 172:シムアセンブリ 174:バネ 176:研削可能シム 178:クラウンシム 180:矢印 182、184:分離部 190、192:凹部 194、196、198、200:下面 202:ウェアプレート 204:ファスナ 206:研削可能シム 208:ファスナ 210:整列キー 212、214、216:凹部 218:クラウンシム 220:カーブした接触面 224:ボルト 226:凹部 228:整列キー 230、232、234:凹部 236:冠状または湾曲した接触面 238:平面 240:ウェアプレート 242:ファスナ 244:ヘッド 246:シャフト 248:雄ねじファスナ 250:雄ねじ 252:垂直上方向 260:コイル状のバネ 270:板バネ 272:湾曲プレート 274、276:端部 280:ベルビルワッシャーアセンブリ 282:ベルヴィルワッシャー 284:円錐形状の壁 286:外周環状縁 288:内側の環状ボア 292:第1のセット 294:第2のセット 300:バイアスアジャスタ 302:電気駆動 304:ギアボックス 306:バイアスプレート 308。310:シャフト 320:バイアスアジャスタ 322:ピストンシリンダアセンブリ 324:流体供給部 326:ピストン 328:シリンダー 330:ハウジング 332、334:チャンバ 336:バイアスプレート 338:シャフト 350:突出部 352:中央凹部 360:ピストンシリンダアセンブリ 362:コンタクトプレート 364:シャフト 366:軸 368:ボア 370:曲面
【外国語明細書】