(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152816
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】資産の修理を評価するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20231005BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20231005BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20231005BHJP
【FI】
G01M17/007 H
G05B23/02 X
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023040013
(22)【出願日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】17/710,400
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロディー,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ブラマクシャトリヤ,ウマング ゴパルバイ
(72)【発明者】
【氏名】シャイク,ハマド
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,ヨシタ
(72)【発明者】
【氏名】ラフート,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ランダー,ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン,デイヴィッド リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ,ベルンハルト ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】シュレック,デイヴィッド ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】クイグリー,ジェイソン
【テーマコード(参考)】
3C223
5L049
【Fターム(参考)】
3C223AA15
3C223BA03
3C223EB02
3C223EB03
3C223FF35
3C223FF52
3C223FF53
5L049AA20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両システムのフリートなど、遠隔で作動する資産のフリートに必要な整備または修理を評価するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】システムは、第1の場所にある車両システムから車両データを受信し、このデータを第2の場所に伝達するためのプロセッサを含む。プロセッサは、データを第2の場所で診断データのデータベースに統合し、車両システムの予想される作業または予想外の作業を示す診断コードを識別する。プロセッサは、診断コードに基づいて整備作業を決定する。方法は、第1の場所にある車両システムから車両データを受信することと、車両データを第2の場所に伝達することと、を含む。車両データを第1の診断データのデータベースに統合することと、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示す診断コードを識別することと、を含む。コードに基づいて整備作業を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(10)であって、
第1の場所にある車両システム(12、26)から車両データを受信し、
前記第1の場所からの前記車両データを第2の場所に伝達し、
前記車両データを前記第2の場所で第1の診断データのデータベース(52)に統合し、
前記車両データが前記車両システム(12、26)の予想される作業を表すか、前記車両システム(12、26)の予想外の作業を表すかを示す前記データベース(52)からの1つまたは複数の第1の診断コードを識別し、
前記1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて前記車両システム(12、26)に対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定する
ように構成された1つまたは複数のプロセッサ(36)
を備える、システム(10)。
【請求項2】
前記車両データが、前記車両システム(12、26)の運転中にセンサ(36)から受信されたセンサデータを含む、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記センサデータが、前記車両システム(12、26)のアイドリング中に前記センサ(36)から受信される、請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記センサデータが、前記車両システム(12、26)の指定されたスロットル設定で前記センサ(36)から受信される、請求項2に記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記車両データが、前記車両システム(12、26)からの第2の診断データであり、前記第2の診断データが、前記車両システム(12、26)の制御システム(28)のフィードバックループから受信される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記第2の診断データが、前記車両システム(12、26)の1つまたは複数の作業パラメータが閾値を超えるかどうかを示す、請求項5に記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記1つまたは複数のプロセッサ(36)が、前記1つまたは複数の第1の診断コードを識別するように構成されたアルゴリズムを含む、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記アルゴリズムが、前記1つまたは複数の整備作業を決定するように構成される、請求項7に記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記1つまたは複数のプロセッサ(36)が、前記第1の場所と前記第2の場所との間の通信を開始するように構成される、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記1つまたは複数のプロセッサ(36)が、前記第1の場所で決定された第2の診断データ、前記第1の場所と前記第2の場所との間の前記通信、前記1つまたは複数の整備作業の前記決定、または前記1つまたは複数の整備作業の完了のうちの1つまたは複数に基づく評点を前記第2の場所から受信するように構成される、請求項9に記載のシステム(10)。
【請求項11】
方法であって、
第1の場所にある車両システム(12、26)から車両データを受信することと、
前記第1の場所からの前記車両データを前記第1の場所から遠く離れた第2の場所に伝達することと、
前記車両データを前記第2の場所で第1の診断データのデータベース(52)に統合することと、
前記車両データが前記車両システム(12、26)の予想される作業を表すか、前記車両システム(12、26)の予想外の作業を表すかを示す前記データベース(52)からの1つまたは複数の第1の診断コードを識別することと、
前記1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて前記車両システム(12、26)に対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記車両データが、前記車両システム(12、26)の運転中にセンサ(36)から受信されたセンサデータを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記センサデータが、前記車両システム(12、26)のアイドリング中に前記センサ(36)から受信される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記センサデータが、前記車両システム(12、26)の指定されたスロットル設定で前記センサ(36)から受信される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記車両データが、前記車両システム(12、26)からの第2の診断データである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の診断データが、前記車両システム(12、26)の制御システム(28)のフィードバックループから取得され、前記第2の診断データが、前記車両システム(12、26)の1つまたは複数の作業パラメータが閾値を超えるかどうかを示す、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
システム(10)であって、
第1の場所にある1つまたは複数の第1のプロセッサ(36)と、
前記第1の場所から遠く離れた第2の場所にある1つまたは複数の第2のプロセッサ(36)と
を備え、
前記1つまたは複数の第1のプロセッサ(36)が、前記第1の場所にある車両システム(12、26)から車両データを受信し、前記車両データを前記1つまたは複数の第2のプロセッサ(36)に伝達するように構成され、
前記1つまたは複数の第2のプロセッサ(36)が、前記車両データを前記第2の場所で第1の診断データのデータベース(52)に統合し、前記車両データが前記車両システム(12、26)の予想される作業を表すか、前記車両システム(12、26)の予想外の作業を表すかを示す前記データベース(52)からの1つまたは複数の第1の診断コードを識別し、前記1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて前記車両システム(12、26)に対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定するように構成される、システム(10)。
【請求項18】
前記車両データが、前記車両システム(12、26)の運転中にセンサ(36)から受信されたセンサデータを含む、請求項17に記載のシステム(10)。
【請求項19】
前記1つまたは複数の第1のプロセッサ(36)が、前記車両システム(12、26)からの第2の診断データを決定するようにさらに構成される、請求項17に記載のシステム(10)。
【請求項20】
前記第2の診断データが、前記車両システム(12、26)の制御システム(28)のフィードバックループから受信され、前記車両システム(12、26)の1つまたは複数の作業パラメータが閾値を超えるかどうかを示す、請求項19に記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される主題は、資産のフリート(fleet)の修理(repair)を評価するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両システム(vehicle systems)のフリートなど、それぞれ遠隔で作業する資産のフリートを運用するには、資産がサービスセンタで整備または修理される必要がある。車両システムは、予定のまたは予定外の整備または修理のためにサービスセンタに入ることができる。サービスセンタの技術者は、遠隔診断センタから送信された指示に従って予定外の整備を行うことができる。整備作業が完了すると、技術者は、車両システム上に設けられたソフトウェアを使用して車両システムに対して試験を行うことができる。車両システムのソフトウェアが、車両システムが十分に整備または修理されていることを示す場合、車両システムは、運転に戻ることを承認され得る。しかしながら、車両システム上のソフトウェアは、能力が限られている場合があり、新しい診断情報または技法を反映するために頻繁には更新されない場合がある。予定外の整備を受ける車両システムは、十分に整備または修理されるべきであると車両システムソフトウェアによって決定され得るが、車両システムのソフトウェアの能力が限られているため、車両システムが運転に戻るときに十分には整備または修理されない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在利用可能なシステムおよび方法とは異なるシステムおよび方法を有することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一例または一態様によれば、1つまたは複数のプロセッサのシステムが、第1の場所にある車両システムから車両データを受信し、第1の場所からの車両データを第2の場所に伝達することができる。プロセッサは、車両データを第2の場所で第1の診断データのデータベースに統合し、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示すデータベースからの1つまたは複数の第1の診断コードを識別することができる。プロセッサは、1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて車両システムに対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定することができる。
【0005】
一例または一態様によれば、方法は、第1の場所にある車両システムから車両データを受信することと、第1の場所からの車両データを第1の場所から遠く離れた第2の場所に伝達することと、を含むことができる。本方法は、車両データを第2の場所で第1の診断データのデータベースに統合することと、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示すデータベースからの1つまたは複数の第1の診断コードを識別することと、を含むことができる。本方法は、1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて車両システムに対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定することを含むことができる。
【0006】
一例または一態様によれば、システムは、第1の場所にある1つまたは複数の第1のプロセッサと、第1の場所から遠く離れた第2の場所にある1つまたは複数の第2のプロセッサと、を含むことができる。1つまたは複数の第1のプロセッサは、第1の場所にある車両システムから車両データを収集し、車両データを1つまたは複数の第2のプロセッサに伝達することができる。1つまたは複数の第2のプロセッサは、車両データを第2の場所で第1の診断データのデータベースに統合し、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示すデータベースからの1つまたは複数の第1の診断コードを識別することができる。1つまたは複数の第2のプロセッサは、1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて車両システムに対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことにより理解され得る。
【0008】
【
図1】一実施形態によるシステムを概略的に示す図である。
【
図2】一実施形態によるシステムを概略的に示す図である。
【
図3】一実施形態による方法を概略的に示す図である。
【
図4】一実施形態による方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載の主題の実施形態は、車両システムのフリートなど、遠隔で作動する資産のフリートに必要な整備または修理を評価するシステムおよび方法に関する。上記のシステムおよび方法はまた、車両システムが運転に戻される前に行われる整備または修理の有効性の評価を提供する。上記のシステムおよび方法は、車両システムのフリートの履歴診断データを精査する遠隔診断要員と、運転中にまたはサービスセンタで取得された車両システムからのセンサデータに基づいて車両システムの初期診断を行うサービスセンタの技術者と、の間の通信を提供する。サービスセンタ技術者は、センサデータから、構成要素、システム、および/または車両システムが予想外に作業していることを示す車両システムの構成要素またはシステムの障害(faults)を特定することができる。サービスセンタの技術者は、予想外の作業の1つまたは複数の原因を特定することができる。
【0010】
遠隔診断センタ要員は、サービスセンタから車両システムセンサデータと1つまたは複数の原因(サブ識別コードとしてラベル付けされている)とを受け取ることができる。遠隔診断センタは、車両システムおよびフリート内の他の車両システムからの履歴車両システム診断データにアクセスすることができる。遠隔サービスセンタは、車両システムセンサデータおよびサブ識別コードを履歴車両システム診断データのデータベース内に含め、データベースから1つまたは複数の第1レベル診断コードを識別する。第1レベル診断コードは、車両システムの構成要素およびシステムが予想される方法、場合により予想外の方法、または予想外の方法で作業しているかどうかを示す。遠隔診断センタは、車両システムのレビューを作成し、サービスセンタとの通信を開始して、考えられる整備または修理を検討することができる。通信は、サービスセンタによって行われた初期診断と、考えられる整備および/または修理と、車両システムを解放して運転に戻す前の、整備および修理作業を含み得る場合の解決策と、についての議論を含むことができる。遠隔診断センタは、車両システムがサービスセンタに到着してから報告および/または分析のためにサービスセンタから車両システムを解放するまでのプロセスに基づいて、プロセスに評点を提供することができる。
【0011】
1つまたは複数の実施形態が鉄道車両システムに関連して記述されるが、すべての実施形態が鉄道車両システムに限定されるわけではない。明示的に否定または別段の定めをした場合を除き、本明細書に記載の主題は、自動車、トラック(トレーラの有無にかかわらず)、バス、船舶、航空機、採掘車両、農業車両、または他のオフハイウェイ車両など、他の種類の車両システムに及ぶ。本明細書に記載の車両システム(鉄道車両システムまたはレールもしくは軌道上を走行しない他の車両システム)は、単一車両または複数車両から形成され得る。複数車両システムに関して、車両は、互いに(例えば、連結器によって)機械的に連結され得る、または論理的に連結されるが、機械的に連結されなくてもよい。例えば、別個の車両が互いに通信して、車両が共に(例えば、コンボイとして)走行するように車両の動きを互いに調整するときに、車両は論理的に連結されるが、機械的には連結されない場合がある。
【0012】
図1を参照すると、遠隔資産のフリートの修理を評価するためのシステム10が提供される。遠隔資産のフリートは、鉄道車両12および/またはトラック26などの車両システムのフリートを含むことができる。本システムは、多種多様なユーザがモバイル資産のそれぞれに関する情報を取得することを可能にする。一実施形態によれば、ユーザ14は、遠隔資産を所有しかつ/または運用する運送会社を含むことができる。一実施形態によれば、ユーザ24は、運送会社の顧客を含むことができる。一実施形態によれば、ユーザは、資産サービスセンタ22(例えば、サービス工場)内の要員および/または遠隔診断センタ18内の要員を含むことができる。一実施形態によれば、ユーザは、各個々の資産を運転するオペレータ(例えば、列車エンジニアまたはトラック運転手)を含むことができる。
【0013】
遠隔診断センタおよびサービスセンタは共に、既知の種類のデータ接続によってネットワーク15にリンクされ得る。一実施形態によれば、ネットワークは、インターネットなどのグローバルネットワークであり、遠隔診断センタおよびサービスセンタはそれぞれ、インターネットサービスプロバイダを通じてコンピュータインタフェースによってネットワークにリンクされ得る。ネットワークは、遠隔診断センタとサービスセンタとの間で通信するための手段を提供する。遠隔診断センタおよびサービスセンタはまた、ネットワークを通じて運送会社などのユーザと通信することができる。他のユーザは、ネットワークへのリンクを通じて遠隔診断センタおよび/またはサービスセンタと通信することができる。
【0014】
各モバイル資産は、位置決定システム16を備えることができる。一実施形態によれば、位置決定システムは、全地球測位システム(GPS)受信機などの全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機、またはモバイル資産の地理的な場所を決定するための他の衛星ベースもしくはローカルナビゲーション機器であり得る。モバイル資産の場所およびモバイル資産の作業パラメータに関するデータは、遠隔資産から通信システム25により、遠隔診断センタへ衛星システム、セルラシステム、光もしくは赤外線システム、ハードワイヤード電話線などのデータリンク20により定期的にまたは同時に転送され得る。資産の通信システムは、位置情報および作業パラメータを含む情報を送信するとともに、システム内の他の装置およびユーザから情報を受信するためのトランシーバを含むことができる。
【0015】
サービスセンタは、1つもしくは複数のコンピュータ21および/または1つもしくは複数のモバイル装置23を含むことができる。1つまたは複数のモバイル装置は、スマートフォン、タブレット、または携帯情報端末装置であり得る。1つまたは複数のサービスセンタのコンピュータおよび1つまたは複数のモバイル装置は、例えばインターネットサービスプロバイダまたはセルラサービスプロバイダを通じて、ネットワークに接続され得る。1つもしくは複数のコンピュータおよび/または1つもしくは複数のモバイル装置は、データリンクを通じて各資産、システムの他の装置もしくはユーザ、および/または遠隔診断センタと通信することができる。
【0016】
サービスセンタは、車両システムに対して予定の整備を実行することができ、かつ/またはサービスセンタに到着した車両システムに対して予定外の整備を実行することができる。車両システムは、サービスセンタに予定ベースで到着し得る、またはサービスセンタに予定外ベースで到着し得る。車両システムは、車両システムのオペレータが、車両システムが予想外の方法で作業していると決定するために、予定外ベースで到着し得る。例えば、車両システムの作業パラメータが、車両システムが予想される方法で作業していないことを示すことを、センサがオペレータに通知することができる。行われる整備作業は、部品および/またはシステムの経年および/または使用により交換が予定されている車両システムの部品および/またはシステムの交換を含むことができる。行われる整備作業は、損傷および/または障害している部品および/またはシステムを交換するための修理作業を含むことができる。修理作業は、部品および/またはシステムの修理、あるいは部品および/またはシステムの交換を含むことができる。
【0017】
図2を参照すると、各車両システムには、車両システムの状態および車両システムの作業効率を表す複数の作業パラメータを監視するための複数のセンサを含むセンサシステム32が装備され得る。センサは、車両システムの部品、構成要素、および/またはシステムの温度を検知する温度センサを含むことができる。温度センサは、車両システムの潤滑油などの流体の温度を検知することができる。センサは、圧力を検知する圧力センサを含むことができる。例えば、圧力センサは、ブレーキシステムのブレーキ液の圧力を検知することができる。センサは、車両システムの電圧および/または電流を検知する電圧センサおよび/または電流センサを含むことができる。例えば、1つまたは複数のセンサが、車両システムの電池または電池バンクによって供給される電圧および/または電流を決定することができる。本明細書で使用される場合、「センサ(sensor)」という用語は、車両システムの任意の特性または作業パラメータを検知または検出する任意のセンサを含むことができ、「センサシステム(sensor system)」という用語は、車両システムの特性または作業パラメータを検知または検出する任意のセンサシステムまたは1つもしくは複数のセンサシステムを含むことができる。
【0018】
車両システムのセンサシステムは、車両システムがサービスセンタの外部で作業するときに、車両システムの特性および作業パラメータを検知することができる。車両システムは、車両システムが、例えば交通ネットワーク内で作業するときにセンサ読取り値を保存するメモリを含むことができる。車両システムは、車両システムの作業を制御する制御システムまたはコントローラ28を含むことができる。コントローラは、1つまたは複数のフィードバック制御ループを実行して、1つまたは複数の作業パラメータ内で車両システムを作業させることができる。コントローラは、1つまたは複数の作業パラメータが1つまたは複数の閾値を超えることを示す診断データを生成することができる。車両システムの診断データは、車両システムのメモリに保存され得る。一実施形態によれば、コントローラは、車両システムの1つまたは複数のスロットル設定で1つまたは複数のフィードバック制御ループを実行し、1つまたは複数のスロットル設定で診断データを生成し保存する。
【0019】
サービスセンタは、車両システムがサービスセンタに到着したときに車両システムに提供され得るセンサシステム34を含むことができる。サービスセンタのセンサシステムは、サービスセンタにあり、車両システムのいくつかの特性または作業パラメータを検知するためのセンサを含まない車両システムに提供され得る。例えば、サービスセンタのセンサシステムは複数のセンサを含むことができ、複数のセンサは、例えばワイヤハーネスによって互いに接続され、車両システムのセンサシステムによって検知または検出されない場所で、または構成要素もしくはシステムについて、車両システムの特性または作業パラメータを検出または検出するために車両システム上に配置される。サービスセンタのセンサシステムは、車両システムがサービスセンタでアイドリングしている間に車両システムからセンサデータを取得することができる。サービスセンタのセンサシステムは、車両システムがサービスセンタ内にある間に、車両システムの他の作業レベルで車両システムからセンサデータを取得することができる。
【0020】
サービスセンタは、1つまたは複数のプロセッサ36を含むことができる。1つまたは複数のプロセッサは、サービスセンタのコンピュータおよび/またはモバイル装置内に設けられてもよい。サービスセンタのコンピュータおよび/またはモバイル装置は、1つまたは複数のプロセッサに、メモリ42に保存された命令を実行させるためにサービスセンタ要員が使用することができるディスプレイ38および入力40を含むことができる。
【0021】
車両システムがサービスセンタに到着すると、車両システムのセンサシステムおよび/または車両システムのセンサシステムからのセンサデータが、サービスセンタのコンピュータおよび/またはモバイル装置に送信または伝達され得る。センサデータは、例えばネットワークリンクまたはデータリンクを通じて、無線で通信または送信され得る。センサデータはまた、有線接続によってコンピュータおよび/またはハンドヘルド装置に送信され得る。コンピュータおよび/またはハンドヘルド装置は、センサデータをコンピュータおよび/またはハンドヘルド装置のメモリに保存することができる。コンピュータおよび/またはハンドヘルド装置の1つまたは複数のプロセッサは、センサデータを精査し、センサデータのいずれかが、障害が存在し得ることを示すかどうかを決定するソフトウェアプログラムを実行または起動することができる。例えば、センサデータは、車両システムの1つまたは複数の構成要素またはシステムが故障しているか、または予想されるパラメータで作業していないことを示すことができる。1つまたは複数のプロセッサは、センサデータから障害の1つまたは複数のサブ識別を決定することができる。1つまたは複数のサブ識別は、障害の1つまたは複数の原因を識別することができる。センサデータおよび任意のサブ識別を含む障害データは、車両システムが任意の整備または修理を必要とするかどうかを決定するために使用され得る車両診断データを形成することができる。
【0022】
サービスセンタのコンピュータおよび/またはハンドヘルド装置は、車両診断データを遠隔診断センタに送信または伝達することができる。遠隔診断センタは、メモリ46と1つまたは複数のプロセッサ44とを含むことができる。メモリは、本明細書に開示される方法または方法の各部分を実施するために、1つまたは複数のプロセッサによって実行可能な命令を含むことができる。メモリは、サービスセンタから送信または伝達される車両システムの車両診断データを保存することができる。
【0023】
遠隔サービスセンタは、履歴診断データのデータベース52を含むことができる。履歴診断データは、サービスセンタおよび/または他のサービスセンタからの車両システムおよび他の車両システムに対する以前のサービス業務からのセンサデータおよび障害データを含むことができる。履歴診断データは、サービスセンタおよび/または他のサービスセンタによって車両システムに対して以前に行われ、かつ/または他の車両に対して行われた整備および/または修理に関するデータを含むことができる。遠隔診断センタの1つまたは複数のプロセッサは、メモリに保存された車両診断データを履歴診断データベースに統合することができる。
【0024】
1つまたは複数のプロセッサは、車両システムが予想される方法で、場合により予想される方法で、または予想外の方法で作業していることを示す1つまたは複数の診断コードを車両診断データに挿入することができる。1つまたは複数のプロセッサは、例えば、車両システムの構成要素またはシステムが予想外の方法で作業している場合があるが、車両システムは予想される方法で作業していると決定することができる。別の例として、遠隔診断センタの1つまたは複数のプロセッサは、車両システムの1つまたは複数の構成要素またはシステムが場合により予想外の方法および/または予想外の方法で作業しており、車両システムが場合により予想外の方法または予想外の方法で作業していると決定することができる。
【0025】
遠隔診断センタの1つまたは複数のプロセッサは、車両診断データと履歴診断データからの1つまたは複数の診断コードとに基づいて、車両システムの整備がサービスセンタおよび遠隔診断センタによるレビューを必要とすることを決定することができる。遠隔診断センタの要員は、精査中に、車両システムからのセンサデータ、およびサービスセンタで行われた車両センサデータの診断レビューを精査することができる。遠隔診断センタの1つまたは複数のプロセッサは、サービスセンタとの通信を開始して、遠隔診断センタの要員とサービスセンタとの間の議論を提供することができる。通信は、例えば、遠隔診断センタのコンピュータおよび/またはハンドヘルド装置と、遠隔診断センタとサービスセンタとの間の書面による通信を提供するサービスセンタのコンピュータおよび/またはハンドヘルド装置と、の間のチャット機能であり得る。通信は、例えば、遠隔診断センタとサービスセンタとの間のテレビ会議であり得る。
【0026】
図3を参照すると、一実施形態による方法300は、車両システムからサービスセンタのコンピュータハンドヘルド装置などの計算装置に車両データをアップロードするステップ310を含むことができる。車両データは、サービスセンタに到着する前の車両システムの運転中に、またはサービスセンタにおける車両システムの運転から取得されたセンサデータを含むことができる。センサデータは、サービスセンタに到着する前の運転中に車両システム上に設けられたセンサ、またはサービスセンタに到着した後で車両システム上に設けられたセンサから取得することができる。本方法は、車両データから、車両システムの1つまたは複数の構成要素またはシステムの作業における1つまたは複数の障害と、1つまたは複数の障害の考えられる原因の1つまたは複数のサブ識別と、を決定するステップ320を含むことができる。
【0027】
本方法は、サービスセンタから遠く離れている遠隔診断センタにおいて車両データおよびサブ識別を診断データのデータベースに統合するステップ330を含むことができる。診断データのデータベースは、現在サービスセンタにある車両システムを含む、以前にサービスセンタにあった車両システムからの車両データを含むことができる。本方法は、車両データおよびサブ識別から診断コードを識別し、診断コードをデータベースに挿入するステップ340を含むことができる。診断コードは、車両システムが予想される方法、場合により予想外の方法、または予想外の方法で作業していることを表す。
【0028】
本方法は、遠隔診断センタで、サービスセンタの技術者と精査するための事例を開始するストップ350を含むことができる。本方法は、サービスセンタでアップロードされた車両データと、車両システムの1つまたは複数の構成要素またはシステムの作業における1つまたは複数の障害の原因を決定することができるサブ識別と、を精査するステップ360を含むことができる。本方法は、遠隔診断センタとサービスセンタとの間の通信を開始するステップ370を含むことができる。通信は、車両データについての議論と、サービスセンタで決定された障害およびそれらのサブ識別の決定と、を含むことができる。通信は、車両システムに対して行われるべき整備および修理作業についての議論を含むことができる。
【0029】
本方法は、サービスセンタからの車両システムの解放を決定するステップ380を含むことができる。解放の決定は、サービスセンタと遠隔診断センタとの間の通信の文書化を含むことができる。決定は、車両システムに対して行われる任意の整備または修理作業の決定と、整備または修理の有効性と、を含むことができる。本方法は、サービスセンタからの車両システムの解放の決定を文書化するためにプロセスに評点をつけるステップ390を含むことができる。評点は、解放を報告するとともに、車両システムがサービスセンタに到着してからサービスセンタから解放されるまでのプロセスの分析を可能にするために、車両システムの所有者またはユーザに報告され得る。
【0030】
図4を参照すると、一実施形態による方法400は、第1の場所にある車両システムから車両データを収集するステップ410と、第1の場所からの車両データを第1の場所から遠く離れた第2の場所に伝達するステップ420と、を含むことができる。本方法は、車両データを第2の場所で第1の診断データのデータベースに統合するステップ430と、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示すデータベースからの1つまたは複数の第1の診断コードを識別するステップ440と、を含むことができる。本方法は、1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて車両システムに対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定するステップ450を含むことができる。
【0031】
一実施形態によれば、方法は、車両システムの運転中に、運転中に、かつ/またはサービスセンタ内での運転中に収集された車両システムデータから識別されたサブ識別情報のうちの1つまたは複数に基づいて、車両システムに対して修理作業または交換作業の一方または両方を行うことを含むことができる。修理および/または交換作業は、診断データのデータベースからの診断コードのうちの1つまたは複数に基づくことができる。修理および/または交換作業は、サービスセンタからの車両システムの解放の評点に基づくことができる。例えば、一実施形態によれば、ブレーキシステムまたはスロットルシステムのポンプ、センサ、バルブ、回路、部品などの構成要素またはシステムを修理することができる。一実施形態によれば、構成要素またはシステムを交換することができる。
【0032】
車両データおよび1つまたは複数の障害サブ識別をデータベースに統合することにより、所要の整備および/または修理を正しく識別する1つまたは複数の診断コードを決定するシステムの能力が向上する。データベースは、サービスセンタにある車両システムに所要の整備または修理あるいは交換のより正確な決定を提供する同様の障害サブ識別を有する同様の車両システムのデータを含むことができる。人工知能(AI)および/または機械学習(ML)技法を用いると、プロセッサは、現在利用可能な方法およびシステムよりも迅速に所要の整備または修理あるいは交換を識別することが可能になり得る。サービスセンタにおける車両システムデータのアップロードと遠隔診断センタの1つまたは複数のプロセッサによる1つまたは複数の障害サブ識別の決定との精査は、1つまたは複数の診断コードの識別および挿入を改善することができる、遠隔診断センタにおける車両システムデータのパラメトリックデータの精査を可能にする。サービスセンタからの車両システムの解放の評点を決定することは、改善された診断を提供することができ、その結果、車両システムの反復故障を少なくすることができる。
【0033】
システムは、第1の場所にある車両システムから車両データを受信し、第1の場所からの車両データを第2の場所に伝達するための1つまたは複数のプロセッサのシステムを含むことができる。1つまたは複数のプロセッサは、車両データを第2の場所で第1の診断データのデータベースに統合し、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示すデータベースからの1つまたは複数の第1の診断コードを識別することができる。1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて車両システムに対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定することができる。
【0034】
車両データは、車両システムの運転中にセンサから収集されたセンサデータを含むことができる。
【0035】
センサデータは、車両システムのアイドリング中に収集され得る。
【0036】
センサデータは、車両システムの指定されたスロットル設定で収集され得る。
【0037】
車両データは、車両システムからの第2の診断データであり得る。
【0038】
第2の診断データは、車両システムの制御システムのフィードバックループから取得され得る。
【0039】
第2の診断データは、車両システムの1つまたは複数の作業パラメータが閾値を超えるかどうかを示すことができる。
【0040】
1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数の第1の診断コードを識別するように構成されたアルゴリズムを含むことができる。
【0041】
アルゴリズムは、1つまたは複数の整備作業を決定するように構成され得る。
【0042】
1つまたは複数のプロセッサは、第1の場所と第2の場所との間の通信を開始することができる。
【0043】
1つまたは複数のプロセッサは、第1の場所で決定された第2の診断データ、第1の場所と第2の場所との間の通信、1つまたは複数の整備作業の決定、あるいは1つまたは複数の整備作業の完了のうちの1つまたは複数に基づく評点を第2の場所から受信することができる。
【0044】
方法は、第1の場所にある車両システムから車両データを受信することと、第1の場所からの車両データを第1の場所から遠く離れた第2の場所に伝達することと、を含むことができる。本方法は、車両データを第2の場所で第1の診断データのデータベースに統合することと、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示すデータベースからの1つまたは複数の第1の診断コードを識別することと、を含むことができる。本方法は、1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて車両システムに対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定することを含むことができる。
【0045】
車両データは、車両システムの運転中にセンサから収集されたセンサデータを含むことができる。
【0046】
センサデータは、車両システムのアイドリング中に収集され得る。
【0047】
センサデータは、車両システムの指定されたスロットル設定で収集され得る。
【0048】
車両データは、車両システムからの第2の診断データであり得る。
【0049】
第2の診断データは、車両システムの制御システムのフィードバックループから取得され得る。
【0050】
第2の診断データは、車両システムの1つまたは複数の作業パラメータが閾値を超えるかどうかを示すことができる。
【0051】
本方法は、1つまたは複数の第1の診断コードを識別するように構成されたアルゴリズムを実行することを含むことができる。
【0052】
アルゴリズムは、1つまたは複数の整備作業を決定することができる。
【0053】
本方法は、第1の場所が車両システムまたは第2場所の一方または両方との通信を開始することを含むことができる。
【0054】
本方法は、第1の場所で決定された第2の診断データ、第1の場所と第2の場所との間の通信、1つまたは複数の整備作業の決定、あるいは1つまたは複数の整備作業の完了のうちの1つまたは複数に基づく評点を第2の場所から受信することを含むことができる。
【0055】
システムは、第1の場所にある1つまたは複数の第1のプロセッサと、第2の場所にある1つまたは複数の第2のプロセッサと、を含むことができる。第2の場所は、第1の場所から遠く離れていてもよい。1つまたは複数の第1のプロセッサは、第1の場所にある車両システムから車両データを受信し、車両データを1つまたは複数の第2のプロセッサに伝達することができる。1つまたは複数の第2のプロセッサは、車両データを第2の場所で第1の診断データのデータベースに統合し、車両データが車両システムの予想される作業を表すか、車両システムの予想外の作業を表すかを示すデータベースからの1つまたは複数の第1の診断コードを識別することができる。1つまたは複数の第2のプロセッサは、1つまたは複数の第1の診断コードに基づいて車両システムに対して行うべき1つまたは複数の整備作業を決定することができる。
【0056】
車両データは、車両システムの運転中にセンサから収集されたセンサデータを含むことができる。
【0057】
1つまたは複数の第1のプロセッサは、車両システムからの第2の診断データを決定することができる。
【0058】
第2の診断データは、車両システムの制御システムのフィードバックループから取得され得る。
【0059】
第2の診断データは、車両システムの1つまたは複数の作業パラメータが閾値を超えるかどうかを示すことができる。
【0060】
1つまたは複数の第2のプロセッサは、1つまたは複数の第1の診断コードを識別するためのアルゴリズムを含むことができる。
【0061】
アルゴリズムは、1つまたは複数の整備作業を決定することができる。
【0062】
1つまたは複数の第2のプロセッサは、1つまたは複数の第1のプロセッサとの通信を開始するように構成される。
【0063】
1つまたは複数の第2のプロセッサは、1つまたは複数の第1のプロセッサによって決定された第2の診断データ、1つまたは複数の第1のプロセッサと1つまたは複数の第2のプロセッサとの間の通信、1つまたは複数の整備作業の決定、あるいは1つまたは複数の整備作業の完了のうちの1つまたは複数に基づく評点を第2の場所から受信することができる。
【0064】
一実施形態では、本明細書に記載のコントローラまたはシステムは、展開されたローカルデータ収集システムを有することができ、導出ベースの学習結果を可能にするために機械学習を使用することができる。コントローラは、データ駆動予測を行い、データセットに従って適合させることにより、データセット(様々なセンサによって提供されるデータを含む)から学習し、データセットを決定することができる。諸実施形態では、機械学習は、教師あり学習、教師なし学習、強化学習などの機械学習システムにより複数の機械学習タスクを実行することを含むことができる。教師あり学習は、1組の入力例および所望の出力を機械学習システムに提示することを含むことができる。教師なし学習は、パターン検出および/または特徴学習などの方法によりその入力を構造化する学習アルゴリズムを含むことができる。強化学習は、機械学習システムが動的環境内で実行し、次いで正しい決定および誤った決定に関するフィードバックを提供することを含むことができる。諸例では、機械学習は、機械学習システムの出力に基づく複数の他のタスクを含むことができる。諸例では、タスクは、分類、回帰、クラスタリング、密度推定、次元削減、異常検出などの機械学習問題であり得る。諸例では、機械学習は、複数の数学的かつ統計的技法を含むことができる。諸例では、多くの種類の機械学習アルゴリズムは、決定木ベースの学習、相関ルール学習、ディープラーニング、人工ニューラルネットワーク、遺伝的学習アルゴリズム、誘導論理プログラミング、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、ルールベースの機械学習、スパース辞書学習、類似性およびメトリック学習、学習分類子システム(LCS)、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、K平均、勾配ブースト、K最近傍(KNN)、アプリオリアルゴリズムなどを含むことができる。諸実施形態では、特定の機械学習アルゴリズムが(例えば、自然選択に基づき得る制約付き最適化問題と制約なし最適化問題の両方を解くために)使用され得る。一例では、アルゴリズムは、いくつかの成分が整数値であることに制限される混合整数プログラミングの問題に対処するために使用され得る。アルゴリズムならびに機械学習技法および機械学習システムは、計算知能システム、コンピュータビジョン、自然言語処理(NLP)、レコメンダシステム、強化学習、グラフィカルモデル構築などに使用され得る。一例では、機械学習が使用されて、決定、計算、比較、および行動分析などを行うことができる。
【0065】
一実施形態では、コントローラは、1つまたは複数のポリシーを適用することができるポリシーエンジンを含むことができる。これらのポリシーは、機器または環境の所与の項目の特性に少なくとも部分的に基づくことができる。制御ポリシーに関して、ニューラルネットワークは、いくつかの環境パラメータおよびタスク関連パラメータの入力を受け取ることができる。これらのパラメータは、例えば、作業機器に関する操作入力、様々なセンサからのデータ、場所および/または位置データなどを含むことができる。ニューラルネットワークは、これらの入力に基づいて出力を生成するように訓練することができ、出力は、作業の目標を達成するために機器またはシステムが取るべきアクションまたは一連のアクションを表す。一実施形態の運転中、決定は、ニューラルネットワークのパラメータを介して入力を処理して、そのアクションを所望のアクションとして指定する値を出力ノードで生成することにより行うことができる。このアクションは、車両を作業させる信号に変換することができる。これは、バックプロパゲーション、フィードフォワードプロセス、閉ループフィードバック、または開ループフィードバックによって実現され得る。あるいは、コントローラの機械学習システムは、バックプロパゲーションを使用するのではなく、人工ニューラルネットワークの様々なパラメータを調整するために進化戦略技法を使用することができる。コントローラは、バックプロパゲーションを使用して常に解決できるとは限らないかもしれない関数、例えば非凸である関数を有するニューラルネットワークアーキテクチャを使用することができる。一実施形態では、ニューラルネットワークは、そのノード接続の重みを表すパラメータのセットを有する。このネットワークのいくつかのコピーが生成され、次いでパラメータに対する異なる調整が行われ、シミュレーションが行われる。様々なモデルからの出力が得られると、これらのモデルは、決定された成功メトリックを使用してそれらの性能について評価することができる。最良のモデルが選択され、車両コントローラは、その計画を実行して所望の入力データを実現し、それにより予測される最良の結果シナリオを反映する。さらに、成功メトリックは、互いに対して重み付けされ得る最適化された結果を組み合わせたものであり得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、単数形で列挙され、単語「a」または「an」の後に続く要素またはステップは、そのような除外が明示的に述べられていない限り、前記要素または作業の複数形を除外しない。さらに、本発明の「一実施形態(one embodiment)」への言及は、列挙された特徴を組み込む追加の実施形態の存在を排除するものではない。さらに、明示的に反対の記載がない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、または「有する(has)」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含むことができる。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「in which」という用語は、それぞれ「備える(comprising)」および「wherein」という用語の平易な英語の同義語として使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すものではない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、かかる特許請求の範囲の限定が「~のための手段(means for)」の後にさらなる構造を欠いた機能の記述が続くフレーズを明示的に使用しない限り、そうするまで、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で書かれたものではなく、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0067】
上記説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、特定の状況または材料を主題の教示に、主題の範囲から逸脱することなく適合させるために、多くの修正を行うことができる。本明細書に記載の材料の寸法および種類は、主題のパラメータを定義するが、それらは例示的な実施形態である。他の実施形態は、上記説明を精査すれば当業者には明らかであろう。したがって、本主題の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に、添付の条項を参照して決定されるべきである。
【0068】
本明細書は、最良の形態を含む本主題のいくつかの実施形態を開示するために、かつ、任意の装置またはシステムを製作し使用すること、および任意の組み込まれた方法を実行することを含む、本主題の実施形態を当業者が実施することを可能にするために、例を使用する。本主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または、それらが特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるように意図されている。
【0069】
特許文献または先行技術として特定された他の事項への本明細書における言及は、文献または他の事項が知られていた、または、それに入っている情報が、特許請求の範囲のいずれかの優先日の時点で共通の一般知識の一部であったという承認として受け取られるべきではない。
【外国語明細書】