(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015284
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】推定装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20230124BHJP
G01B 21/00 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G01S7/497
G01B21/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181632
(22)【出願日】2022-11-14
(62)【分割の表示】P 2018034311の分割
【原出願日】2018-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】後藤田 明
(72)【発明者】
【氏名】永田 宏
(57)【要約】
【課題】センサの実測性能を高精度に予想する。
【解決手段】推定装置10は、第1取得部11、第2取得部12、および推定部14を備える。第1取得部11は、複数の移動体から移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する。第2取得部12は、移動体外部の要因であって、センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する。推定部14は、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体から前記移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び前記移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する第1取得部と、
前記移動体外部の要因であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する第2取得部と、
取得された前記実測性能情報、前記位置情報、前記時刻情報及び前記第1条件情報に基づき、時刻ごとに前記センサの実測性能を推定する推定部と、
を備える推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両等における、自動運転、運転補助、安全装置等の開発が行われている。ここで、自動運転等には、周囲の状況を検知するセンサが用いられており、センサの実測性能が低下すると、自動運転等がスムーズに行えなくなる。このため、センサの実測性能が低下する地域を、予め把握しておくことが好ましい。
【0003】
特許文献1には、センシング情報をもとに評価されたセンサの検出能力と、そのセンシング情報が検出された位置とから、センサの検出能力が低下する低下領域を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の方法では、センサ実測性能の低下を精度良く事前に予測することができなかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、センサの実測性能を高精度に予想することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
複数の移動体から前記移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び前記移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する第1取得部と、
前記移動体外部の要因であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する第2取得部と、
取得された前記実測性能情報、前記位置情報、前記時刻情報及び前記第1条件情報に基づき、時刻ごとに前記センサの実測性能を推定する推定部と、
を備える推定装置である。
【0008】
第2の発明は、
複数の移動体から前記移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び前記移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する第1取得ステップと、
前記移動体外部の要因であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する第2取得ステップと、
取得された前記実測性能情報、前記位置情報、前記時刻情報及び前記第1条件情報に基づき、時刻ごとに前記センサの実測性能を推定する推定ステップと、
を含む推定方法である。
【0009】
第3の発明は、
推定装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
複数の移動体から前記移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び前記移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する第1取得手段、
前記移動体外部の要因であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する第2取得手段、および
取得された前記実測性能情報、前記位置情報、前記時刻情報及び前記第1条件情報に基づき、時刻ごとに前記センサの実測性能を推定する推定手段として機能させるコンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る推定装置の構成を例示するブロック図である。
【
図2】実施形態に係る推定装置の使用環境を例示する図である。
【
図3】第1取得部が取得する情報の例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る推定方法のフローチャートである。
【
図5】実施例1に係る推定装置の構成を例示するブロック図である。
【
図6】推定装置のハードウエア構成を例示する図である。
【
図7】実施例1に係る推定方法のフローチャートである。
【
図8】実施例3に係る第1取得部が取得する情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
以下に示す説明において、推定装置10の第1取得部11、第2取得部12、抽出部13、推定部14、および記憶部16は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。推定装置10の第1取得部11、第2取得部12、抽出部13、推定部14、および記憶部16は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0013】
図1は、実施形態に係る推定装置10の構成を例示するブロック図である。推定装置10は、第1取得部11、第2取得部12、および推定部14を備える。第1取得部11は、複数の移動体から移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する。第2取得部12は、移動体外部の要因であって、センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する。推定部14は、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。以下に詳しく説明する。
【0014】
車両等の移動体に搭載されたセンサの実測性能は、移動体外部の要因により低下することがある。推定部14は複数の移動体20のセンサの実測性能情報を用いて、その後のセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、将来のセンサの実測性能低下をより高精度に把握し、移動体の自動運転や安全装置、運転補助装置をスムーズに動作させたり、センサの実測性能が低下するであろう領域や時間を避けたりすることができる。
【0015】
図2は、本実施形態に係る推定装置10の使用環境を例示する図である。推定装置10は、通信網30を介して複数の移動体20から実測性能情報を取得する。移動体20はたとえば自動車、二輪車、列車等の車両である。各移動体20には移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサが搭載されている。センサはたとえば光学式カメラ、ミリ波レーダー、ライダー(LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging, Laser Illuminated Detection and Ranging またはLiDAR:Light Detection and Ranging)等である。各移動体20には複数のセンサが搭載されていてもよい。また、各移動体20には、複数の種類のセンサが搭載されていてもよい。各移動体20ではたとえば、一以上のセンサによる測定結果を用いて安全装置、補助装置等の駆動や自動運転がされる。
【0016】
移動体20に搭載されたセンサは、移動体20外部の要因により実測性能が低下し得る。移動体20外部の要因は、たとえば天候や太陽光、季節等である。具体的にはたとえば、周辺の物体に対して光を出射し、反射光を受光して物体との距離を測定するライダー等のセンサでは、降雪、降雨、積雪、地吹雪、霧等がノイズ源となり得る。また、西日などでセンサの受光部に強い太陽光が直接入射する場合、周辺の状況を測定する妨げとなる。
【0017】
図3は、第1取得部11が取得する情報の例を示す図である。第1取得部11は、移動体20からセンサの実測性能を示す実測性能情報、およびその移動体20の位置情報を取得する。実測性能情報は、移動体20においてセンサを用いた実測結果に基づいて生成される。移動体20が複数のセンサを搭載している場合には、実測性能情報はセンサごとに生成される。実測性能情報はたとえばセンサの実測性能レベルを示す情報であり、たとえば以下の様に生成される。
【0018】
移動体20では、既知の特定対象物に対してセンサで測定が行われる。そして、測定結果に基づき信号強度やS/N比等、センサの精度を示す情報が得られる。特定対象物はたとえば、センサの実測性能を判断するために設けられた専用の物体であっても良いし、一般的な物体であっても良い。後者の場合、特定対象物はたとえば、道路に設置された信号機、デリネーター、ガードレール、道路標識、方向看板等の設置物や、規制標示、指示標示等の道路上の標示等である。移動体20または移動体20の外部に設けられた記憶部には予め、基準とすべきセンサの精度(たとえば信号強度やS/N比)が記憶されている。基準とすべきセンサの精度は、たとえば良好な環境における出荷時のセンサの精度である。そして、記憶部から読み出された基準とすべきセンサの精度と、測定されたセンサの精度とが比較され、センサの実測性能レベルが算出される。たとえば、基準とすべき信号強度に対する測定された信号強度の比率(%)が実測性能レベルとして導出される。
【0019】
ここで、一例としてセンサがライダーである場合について、さらに詳しく説明する。ライダーでは、パルス状にレーザー光を照射し、レーザー光が周辺の物体で反射して戻ってくるまでの時間から、周辺物体までの距離を測定する。ここで、レーザー光の照射角度と、測定した時間から、レーザー光が反射された点の、ライダーに対する三次元位置を求めることができる。
【0020】
また、距離の他に、反射光の強度もデータとして取得することができる。反射光は、周辺物体までの距離が長いほど、減衰して弱くなるが、大気中の雨粒などの影響で、環境条件によってはさらに減衰する。そして、反射光が一定以上減衰すると、ノイズに負けて距離測定が難しくなる。
【0021】
そして、走査(スキャニング)を行うことにより、面的に測定が行われる。ここでは、1回(1周)のスキャンで得られるデータを1フレームと呼び、以下は特記ない限り、1フレームを一つの塊としたデータを扱うことを考える。なお、環境光の影響は無視できるとする。
【0022】
各移動体20では、1フレームの点群データから、たとえば看板等の物体が検出される。物体の検出は、既知のアルゴリズムで行われる。検出した物体に対応する点(群)の三次元座標から、その物体の、センサに対する相対位置(距離)と向きが算出される。
【0023】
ここで、環境中に存在する物体の中には、位置、向き、サイズ、形状、表面の反射特性等の情報がたとえば自動運転に必要な情報として地図情報に含まれ、既知である物体が存在する。そして、ある位置・姿勢のライダーから照射され、既知である物体により反射された光を受光するときの強度を、その物体との相対的な距離や角度、物体表面の反射特性の情報を利用して算出することができる。このように求められた強度は、外部因子による減衰がない、理想的な環境での強度である。これを仮に、理想強度と呼ぶ。
【0024】
一方、上記の通り、ライダーによる実際の受光強度は、大気中の粒子などの影響で減衰する。実際の、ある物体での反射光の受光強度(これを「実測強度」と呼ぶ)と、同じ物体について求められた理想強度とを比較すると、その環境での強度の減衰状況を把握することができる。
【0025】
ここで、ある位置・姿勢のライダーで取得した点群データから物体を検出し、さらに、その時の理想強度を算出したとする。ライダーで取得した点群データから、一つの物体に対応する複数の点データを抽出し、それらの反射光の強度の平均値を算出する。そして、その平均値の、理想強度に対する減衰率を求める。この減衰率に基づき、その時点の環境状態での、たとえばセンサからある距離だけ離れた物体に対する実測性能や性能低下率を表現することができる。
【0026】
照射光が大気中を通過する距離に応じて環境からの影響の大きさが変わるため、同じ環境でも、物体までの距離によって、減衰率は異なる。
【0027】
代表的な距離を決めて、たとえば、「ライダーから20m離れた物体での反射強度の減衰率を、実測性能情報とする」とし、ライダーからその距離にある物体を検出し、実測性能を求めるようにしても良い。あるいは、様々な距離の物体に対して実測強度データを収集し、距離と実測強度の関係を関数で近似する等して求め、その関数のパラメータを、ある距離に限定されないその環境での、実測性能情報としても良い。
【0028】
実測強度データの収集は、たとえば数分程度の時間の範囲内で、複数のフレームにわたって行われても良い。
【0029】
なお、反射光の強度を用いる方法の他に、S/N比を用いる方法が採用されても良い。すなわち、ライダーで取得される点データには、たとえばS/N比の情報等の「尤度情報」も含まれているとする。そして、ある物体に相当する点の平均的な尤度を、その環境でその距離の物体を測定した時の、実測性能情報としても良い。
【0030】
本実施形態において、移動体20はたとえばGPS(Global Positioning System)の受信機を搭載しており、各時刻の自身の位置情報を取得可能である。移動体20では、生成した実測性能情報に対し、その実測性能を測定した位置を示す位置情報が紐づけられる。
【0031】
また、第1取得部11は実測性能情報および位置情報と同時に時刻情報を取得する。この時刻情報については、たとえば移動体20においてセンサの実測性能が測定された時刻の時刻情報が実測性能情報等に紐づけられる。また、実測性能の測定時刻と第1取得部11がその実測性能情報を取得する時刻がほぼ同じである場合、第1取得部11が実測性能情報を取得した時刻の時刻情報をその実測性能情報に紐づけてもよい。
【0032】
移動体20では、移動体20が特定対象物に近づくたびに実測性能情報が生成されてもよいし、予め定められた時間T1ごとに実測性能情報が生成されてもよい。また、第1取得部11は、移動体20で実測性能情報が生成されるたびに実測性能情報、位置情報および時刻情報を取得してもよいし、予め定められた時間T2ごとに実測性能情報、位置情報および時刻情報を取得してもよい。
【0033】
第1条件情報は、移動体20の外部の要因であって、センサの実測性能に影響を及ぼす情報である。第1条件情報としてはたとえば、天候を示す天候情報や、太陽光の照射方向を示す情報が挙げられる。移動体20の外部において降雨、降雪、積雪、霧等が生じている場合、それらによって光が乱反射されたり吸収されたりすると、信号強度が低下することがある。また、太陽光がセンサの受光部に入射するとノイズとなる。第2取得部12はたとえば気象情報サービスのサーバから天候を示す天候情報や、太陽光の照射方向を示す情報(たとえば太陽の方角および高さを示す情報)を第1条件情報として取得することができる。
【0034】
本実施形態において推定部14は、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、位置及び時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能低下を事前に高い精度で把握することができる。
【0035】
図4は、本実施形態に係る推定方法のフローチャートである。本推定方法は、第1取得ステップS10、第2取得ステップS20、および推定ステップS30を含む。第1取得ステップS10では、複数の移動体20から、移動体20周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び移動体20の位置情報が、時刻情報とともに取得される。第2取得ステップS20では、移動体20外部の要因であって、センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報が取得される。推定ステップS30では、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能が推定される。
【0036】
本推定方法は、たとえば上述したような推定装置10により実現される。
【0037】
以上、本実施形態によれば、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0038】
(実施例1)
図5は、実施例1に係る推定装置10の構成を例示するブロック図である。本実施例に係る推定装置10は実施形態に係る推定装置10の構成を有する。
【0039】
また、本実施例に係る推定装置10は抽出部13をさらに備える。推定部14は、抽出部13で抽出された実測性能情報を用いてセンサの実測性能を推定する。抽出部13が、推定部14が用いるべき実測性能情報を抽出することにより、推定部14の処理負荷を低減することができる。
【0040】
抽出部13は、第1取得部11で取得された複数の実測性能情報から、推定の対象とする位置情報に対応する実測性能情報を抽出する。
【0041】
本実施例において推定部14は、天候を示す天候情報を第1条件情報として用いてセンサの実測性能を推定する。この場合、比較的近い過去から現在までの実測性能情報が推定部14で特に有効に用いられる。これは、現在から近い時間帯であれば現在と天候の状況が比較的類似しているためである。また、近い時間帯であれば、天候以外の外部環境も比較的類似しているため、比較的近い過去から現在までの実測性能情報が推定部14で特に有効となる。したがって、抽出部13は、第1取得部11で取得された複数の実測性能情報から、予め定められた時間帯の実測性能情報を抽出する。具体的には、抽出部13は、現在から予め定められた時間T3前以降の実測性能情報を抽出する。予め定められた時間T3はたとえば5分以上または10分以上であり、12時間以内、6時間以内または3時間以内である。
【0042】
本実施例において、天候情報はたとえば、降水量、積雪深さ、霧による視程等である。また、天候情報は、未来に対しては予報値であり、過去に対しては実際の観測値、解析値、または、観測値と解析値の組み合わせである。
【0043】
本実施例において第2取得部12は、推定対象とする時刻の天候情報を第1条件情報として取得する。また、本実施例において第2取得部12は、実測性能情報が示す実測性能が測定された時刻の天候情報を第1条件情報としてさらに取得する。そして推定部14は、実測性能情報が示す実測性能が測定された時刻の天候情報とその実測性能との関係を導出し、推定対象とする時刻の天候情報とその導出された関係とを用いて、推定対象とする時刻の実測性能を推定する。第2取得部12が、推定対象とする時刻の天候情報、および実測性能情報が示す実測性能が測定された時刻の天候情報を取得し、推定部14がそれを用いることで、より高精度にセンサの実測性能を推定することができる。
【0044】
図6は、推定装置10のハードウエア構成を例示する図である。本図において推定装置10は、集積回路40を用いて実装されている。集積回路40は、例えばSoC(System On Chip)である。
【0045】
集積回路40は、バス402、プロセッサ404、メモリ406、ストレージデバイス408、入出力インタフェース410、及びネットワークインタフェース412を有する。バス402は、プロセッサ404、メモリ406、ストレージデバイス408、入出力インタフェース410、及びネットワークインタフェース412が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ404などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ404は、マイクロプロセッサなどを用いて実現される演算処理装置である。メモリ406は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現されるメモリである。ストレージデバイス408は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどを用いて実現されるストレージデバイスである。
【0046】
入出力インタフェース410は、集積回路40を周辺デバイスと接続するためのインタフェースである。本図の例では、入出力インタフェース410には、推定装置10の動作状況を確認するモニタ420や、推定装置10に対して指示を入力する入力パネル421が接続されている。
【0047】
ネットワークインタフェース412は、集積回路40を通信網に接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えばCAN(Controller Area Network)通信網である。なお、ネットワークインタフェース412が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0048】
ストレージデバイス408は、第1取得部11、第2取得部12、抽出部13、および推定部14の機能を実現するためのプログラムモジュールをそれぞれ記憶している。プロセッサ404は、このプログラムモジュールをメモリ406に読み出して実行することで、第1取得部11、第2取得部12、抽出部13、および推定部14の機能を実現する。
【0049】
集積回路40のハードウエア構成は本図に示した構成に限定されない。例えば、プログラムモジュールはメモリ406に格納されてもよい。この場合、集積回路40は、ストレージデバイス408を備えていなくてもよい。
【0050】
図7は、本実施例に係る推定方法のフローチャートである。本推定方法は上述したような本実施例に係る推定装置10を用いて実現される。本推定方法について以下に詳しく説明する。
【0051】
本実施例に係る推定方法は、第1取得ステップS10、抽出ステップS15、第2取得ステップS20、および推定ステップS30を含む。
【0052】
第1取得ステップS10では、第1取得部11が、複数の移動体20から実測性能情報を取得する。また、第1取得部11は、実測性能情報に紐づけられた時刻情報、および位置情報をあわせて取得する。取得された実測性能情報、時刻情報、および位置情報は、推定装置10に備えられた記憶部16に保持される。
【0053】
次いで、抽出ステップS15では、第1取得部11で取得され、記憶部16に保持された複数の実測性能情報から、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報を抽出部13が抽出する。本実施例では、抽出部13は、各実測性能情報に紐づけられた時刻情報が時間T3前以降の時刻を示している実測性能情報を抽出する。また、抽出部13は、抽出された複数の実測性能情報から、各実測性能情報に紐づけられた位置情報が示す位置が、推定部14の推定の対象位置に相当する実測性能情報を、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報としてさらに抽出する。なお、抽出部13は、各実測性能情報に紐づけられた位置情報が示す位置が、対象位置から予め定められた範囲内(たとえば1キロメートル以内)に相当する実測性能情報を、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報として抽出してもよい。
【0054】
第2取得ステップS20では、第2取得部12が第1条件情報として天候情報を取得する。具体的には第2取得部12は、抽出ステップS15において、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報として抽出された実測性能情報に紐づけられた時刻情報および位置情報に基づき、各実測性能情報が示す実測性能が測定された時刻および位置の天候情報を取得する。また、第2取得部12は、推定の対象とする時刻かつ対象位置の天候情報を取得する。なお、実測性能が測定された位置と取得する天候情報の位置については、全く同じ位置である必要は無い。推定部14は、取得可能な天候情報のうち、実測性能が測定された位置に最も近い位置の天候情報、または、実測性能が測定された位置を含む地域の天候情報を、実測性能が測定された位置に対応する位置の天候情報として取得すればよい。
【0055】
次いで推定ステップS30では、推定部14が対象位置かつ対象とする時刻のセンサの実測性能を推定する。具体的には、推定部14はまず、抽出ステップS15で抽出された実測性能情報と、その実測性能情報が測定された時刻および位置の天候情報との関係を導出する。この関係はたとえば、天候情報が示す数値の単位量あたりの、実測性能レベルの低下量である。実測性能レベルの低下量はたとえば、上述した実測性能レベルの、100%からの低下量である。
【0056】
次いで推定部14は、実測性能情報とその実測性能情報が測定された時刻および位置の天候情報との関係、および、対象位置かつ対象とする時刻の天候情報を用いて、対象位置かつ対象とする時刻のセンサの実測性能を推定する。具体的にはたとえば、天候情報が示す数値の単位量あたりの実測性能レベルの低下量を、対象位置かつ対象とする時刻の天候情報が示す数値に乗ずることにより、対象位置かつ対象とする時刻の実測性能レベルの低下量を推定する。こうすることにより、実測された実測性能情報によって天候情報以外の要因がセンサに与える影響を取り込んだ推定が行え、推定の精度を高めることができる。
【0057】
推定部14は天候情報として、降水量、積雪深さ、および霧による視程のうちいずれか一つを用いてもよいし、二つ以上を用いてもよい。二つ以上を用いる場合、たとえば降水量、積雪深さ、および霧による視程のうち、対象時刻かつ対象位置についての天候情報が予め定められた条件を満たすものをセンサの実測性能低下の主な要因として特定し、用いても良い。
【0058】
また、本実施例において推定部14は、複数の対象位置について時刻毎のセンサの実測性能を推定し、センサの実測性能の低下が予想される低下地域を示す時刻毎の情報(低下地域を示す情報)を生成する。具体的には推定部14は、複数の対象位置のうち、対象とする時刻について推定したセンサの実測性能が、予め定められた基準を下回る対象位置を抽出し、抽出された対象位置を示す情報を、低下地域を示す情報とする。複数の対象位置は、たとえば予め定められたエリア内の道路に沿った複数の位置である。そうすることで、対象とする時刻において、どこでセンサの実測性能低下が予想されるかを把握することができる。低下地域を示す情報は推定装置10が要求信号を取得した場合に生成されてもよいし、決められた時間間隔で繰り返し生成されてもよい。なお、同一の時刻に対して複数回、低下地域を示す情報が生成された場合には、最新の情報に更新される。
【0059】
推定装置10は生成した低下地域を示す情報を、一以上の移動体20に送信する。低下地域を示す情報を取得した移動体20ではたとえば、低下地域を避けて目的地までのルート設定を行うことができる。そうすることにより、自動運転等でスムーズに目的地まで到着できる。
【0060】
なお、推定部14は、頻繁にセンサの実測性能が低下する地点を地図情報に記録しても良い。たとえば、推定装置10では、長期にわたってセンサの実測性能情報が収集され、外部環境によるセンサの実測性能の低下が頻繁に発生する地点が検知される。そして、検知された地点を示す情報が地図情報に付加される。たとえば、道路の整備者がこのような地図を参照すれば、頻繁にセンサの実測性能が低下する地点に、移動体20の自己位置推定に利用可能でありセンサが検知しやすいランドマークを、多く設けることができる。また、推定部14は、頻繁にセンサの実測性能が低下する地点をその地点の環境を示す環境情報とともに地図情報に記録してもよい。このような地図を参照することで、性能低下原因を推定し、ランドマーク設置等の対応をより効果的に行うことができる。
【0061】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0062】
また、本実施例によれば推定装置10は抽出部13をさらに備え、推定部14は、抽出部13で抽出された実測性能情報を用いてセンサの実測性能を推定する。したがって、推定部14が処理する実測性能情報を減らし、推定装置10の処理負荷を低減することができる。
【0063】
(実施例2)
実施例2に係る推定装置10は、第2取得部12が、実測性能情報に関連づけられた天候情報を取得する点を除いて、実施例1に係る推定装置10と同様である。以下に詳しく説明する。
【0064】
本実施例では、第2取得部12が、実測性能情報が示す実測性能が測定された時刻の天候情報を取得する代わりに、実測性能情報に関連づけられた天候情報を取得する。本実施例において、移動体20には降水量や視程等の天候を測定するための天候センサが搭載されている。天候センサはたとえば雨量センサやカメラ等である。そして、各移動体20では、センサの実測性能が測定されるとともに天候センサによりその測定がされたときの天候を測定する。そして、移動体20において、測定された天候に基づき天候情報が生成されて実測性能情報に関連づけられる。
【0065】
気象情報サービスにより提供される天候情報では、位置や時刻にある程度の幅があり、実際にセンサの実測性能が測定された状況とは誤差が生じる場合がある。一方、本実施例に係る推定装置10によれば、第1取得部11が、実測性能情報を取得するとともに、第2取得部12が、その実測性能情報に関連づけられた天候情報を取得し、推定部14が第2取得部12から取得した天候情報を用いてセンサの実測性能を推定することで、実際の天候に基づき、より高精度にセンサの実測性能を推定することができる。
【0066】
本実施例に係る推定方法を以下に説明する。本方法では、第1取得ステップS10において、実測性能情報とともに、実測性能情報に関連づけられた天候情報を取得する。そして、抽出ステップS15が実施例1と同様に行われる。
【0067】
次いで、第2取得ステップS20では、第2取得部12が推定の対象とする時刻かつ対象位置の天候情報を取得する。
【0068】
次いで推定ステップS30では、推定部14が対象位置かつ対象とする時刻のセンサの実測性能を推定する。具体的には、推定部14はまず、抽出ステップS15で抽出された実測性能情報と、その実測性能情報に関連づけられた天候情報との関係を導出する。この関係はたとえば、天候情報が示す数値の単位量あたりの、実測性能レベルの低下量である。
【0069】
次いで推定部14は、実測性能情報とその実測性能情報に関連づけられた天候情報との関係、および、対象位置かつ対象とする時刻の天候情報を用いて、対象位置かつ対象とする時刻のセンサの実測性能を推定する。具体的にはたとえば、天候情報が示す数値の単位量あたりの実測性能レベルの低下量を、対象位置かつ対象とする時刻の天候情報が示す数値に乗ずることにより、対象位置かつ対象とする時刻の実測性能レベルの低下量を推定する。こうすることにより、実測された実測性能情報によって天候情報以外の要因がセンサに与える影響を取り込んだ推定が行え、推定の精度を高めることができる。
【0070】
また、本実施例においても実施例1と同様に、推定部14は低下地域を示す情報を生成してもよい。
【0071】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0072】
また、本実施例によれば、第1取得部11が、実測性能情報に関連づけられた天候情報を取得する。したがって、実際の天候に基づき、より高精度にセンサの実測性能を推定することができる。
【0073】
(実施例3)
実施例3に係る推定装置10は、第1取得部11が移動体20の種類を示す情報をさらに取得し、推定部14が、移動体20の種類毎にセンサの実測性能を推定する点を除いて実施例1または実施例2に係る推定装置10と同じである。
【0074】
移動体20の種類を示す情報はたとえば車両の車種を示す番号である。また、移動体20の種類を示す情報は、二輪車、軽自動車、普通車、大型車等の種類を示す情報であっても良い。同じ環境下であってもセンサの実測性能低下の状況は、センサの種類、センサの位置、センサの受光部の向き等によって異なる。センサの種類はたとえばセンシング原理に基づく種類であり、光学式カメラ、ミリ波レーダー、ライダー等である。また、センサの種類は、センサの型番であってもよい。センサの構造や仕様はセンサの型番によって異なる。たとえば、センサの原理や型番によって、雨や雪に強いセンサと弱いセンサとがある。また、太陽光によりセンサの実測性能が低下する場合、その低下状況はセンサの位置や受光部の向きに依存する。さらに、移動体20におけるセンサの取り付け位置により積雪による実測性能低下の状況は異なる。そして、移動体20に搭載されるセンサの数、種類、位置、受光部の向き等は、移動体20の種類により異なる。したがって、第1取得部11が、実測性能情報が生成された移動体20の種類を示す情報を取得し、推定部14が移動体20の種類毎にセンサの実測性能を推定することで、各移動体20に対してより高精度なセンサの性能予測情報を提供できる。
【0075】
図8は、本実施例に係る第1取得部11が取得する情報を例示する図である。本実施例において、第1取得部11は、実測性能情報、位置情報、時刻情報、に加えて、移動体20の種類を示す情報を取得する。また第1取得部11は、各移動体20から、その移動体20に搭載された複数のセンサについての実測性能情報を、各センサの種類を示す情報と関連づけて取得する。
【0076】
そして、推定部14は、センサの種類毎にセンサの実測性能を推定する。センサの実測性能の推定は、実施例1または2と同様の処理で行われる。そして推定部14は、移動体20の種類毎に、搭載される複数のセンサについて推定される実測性能情報をまとめて、移動体20の種類毎の推定結果とする。
【0077】
たとえば、推定部14はさらに、低下地域を示す情報を移動体20の種類毎に生成する。具体的には推定部14は、複数の対象位置のうち、対象とする時刻についての推定結果が、予め定められた条件を満たす対象位置を抽出し、抽出された対象位置を示す情報を、低下地域を示す情報とする。ここでたとえば、推定部14は、移動体20に搭載されたセンサのうち予め定められた個数以上の数のセンサにおいて、実測性能レベルが予め定められた閾値を下回る場合に、その推定結果が予め定められた条件を満たすと判断することができる。また、推定部14は、特に重要度が高い特定のセンサの実測性能レベルが予め定められた閾値を下回る場合に、その推定結果が予め定められた条件を満たすと判断してもよい。
【0078】
そして、移動体20は、自身の種類に対応する低下地域を示す情報を推定装置10から取得して用いることができる。
【0079】
なお、第1取得部11は実測性能情報に関連づけられた、移動体20の進行方向を示す情報をさらに取得しても良い。太陽光の影響が大きい場合など、進行方向に依存してセンサの実測性能が異なる場合があるため、推定部14はさらに進行方向毎にセンサの実測性能を推定しても良い。そうすれば、センサの実測性能がセンサの受光部の方向に依存するような場合でも、高い精度でセンサの実測性能を推定できる。
【0080】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0081】
また、本実施例によれば、第1取得部11が移動体20の種類を示す情報をさらに取得し、推定部14が、移動体20の種類毎にセンサの実測性能を推定する。したがって、移動体20に搭載されたセンサの種類等が反映された推定が行われ、自動運転等への影響をより高精度に把握できる。
【0082】
(実施例4)
実施例4に係る推定装置10は、第1取得部11が移動体20に搭載されたセンサの特徴を示す情報をさらに取得し、推定部14がセンサの特徴毎にセンサの性能を推定する点を除いて、実施例1から実施例3の少なくともいずれかに係る推定装置10と同じである。以下に詳しく説明する。
【0083】
センサの特徴を示す情報は、たとえばセンサの種類や設置方法を示す情報である。同じ環境下であってもセンサの実測性能の低下の状況は、センサの種類、センサの位置、センサの受光部の向き等によって異なる。センサの種類はたとえばセンシング原理に基づく種類であり、光学式カメラ、ミリ波レーダー、ライダー等である。また、センサの種類は、センサの型番であってもよい。センサの構造や仕様は、センサの型番によって異なる。たとえば、センサの原理や型番によって、雨や雪に強いセンサと弱いセンサとがある。また、太陽光によりセンサの実測性能が低下する場合、その低下状況はセンサの位置や受光部の向きに依存する。さらに、移動体20におけるセンサの取り付け位置により積雪による性能低下の状況は異なる。したがって、第1取得部11が、実測性能情報が生成された移動体20のセンサの特徴を示す情報を取得し、推定部14がセンサ毎にセンサの性能を推定することで、各移動体20に対してより高精度なセンサの性能予測情報を提供できる。
【0084】
推定部14は、第2条件情報が示すセンサの特徴毎にセンサの実測性能を推定する。また、推定部14は、「進行方向に対して右向きに設置されたXX方式のライダー」等、センサの特徴の組み合わせ毎に実測性能を推定しても良い。センサの実測性能の推定は、実施例1から実施例3の少なくともいずれかと同様の処理で行われる。そして、推定部14は、複数の移動体20に搭載された複数のセンサについて推定される実測性能をセンサ毎にまとめて、センサ毎の推定結果とする。
【0085】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0086】
くわえて、本実施例によれば、第1取得部11がセンサの特徴を示す情報をさらに取得し、推定部14がセンサの特徴毎にセンサの性能を推定する。したがって、移動体20に搭載されたセンサの特徴等が反映された推定が行われ、自動運転等への影響をより高精度に把握できる。
【0087】
(実施例5)
実施例5に係る推定装置10は、以下に説明する点を除いて実施例1から実施例3の少なくともいずれかに係る推定装置10と同じである。
【0088】
本実施例に係る推定装置10では、抽出部13は、第1取得部11で取得された時刻情報が予め定められた月日かつ時刻の範囲内である実測性能情報を抽出する。
【0089】
光の検出を伴うセンシングにおいて、受光部に入射する太陽光はノイズと成り得る。本実施例において、推定装置10は、センサの受光部に入射する太陽光の影響で生じるセンサの実測性能低下を推定できる。
【0090】
本実施例に係る推定装置10について以下に詳しく説明する。なお、以下では、推定装置10が実施例1と同様の構成を有する例について説明するが、本実施例に係る推定装置10では、実施例3と同様に、第1取得部11が移動体20の種類を示す情報をさらに取得し、推定部14が、移動体20の種類毎にセンサの実測性能を推定してもよい。また、第1取得部11は、実測性能情報に関連づけられた、移動体20の進行方向を示す情報をさらに取得し、推定部14が進行方向毎にセンサの実測性能を推定しても良い。さらに、第1取得部11は、実測性能情報に関連づけられた、移動体20のセンサの向きを示す情報をさらに取得し、推定部14が、進行方向毎にセンサの性能を推定しても良い。
【0091】
本実施例において第1取得ステップS10では、第1取得部11が、複数の移動体20から実測性能情報を取得する。また、第1取得部11は、実測性能情報に紐づけられた時刻情報、および位置情報をあわせて取得する。取得された実測性能情報、時刻情報、および位置情報は、推定装置10に備えられた記憶部16に保持される。
【0092】
次いで、抽出ステップS15では、第1取得部11で取得され、記憶部16に保持された複数の実測性能情報から、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報を抽出部13が抽出する。本実施例では、抽出部13は、各実測性能情報に紐づけられた時刻情報が予め定められた月日かつ時刻の範囲内である実測性能情報を抽出する。予め定められた月日の範囲はたとえば、推定対象とする月日のN日前からN日後までである。ここで、Nは整数であり、たとえば2以上5以下である。また、予め定められた時刻の範囲はたとえば、推定対象とする時刻のM分前からM分後である。ここでMはたとえば10以上30以下である。また、年は特に問われない。こうして推定部14は、複数の実測性能情報から、たとえば対象とする年月日に対して過去の同時期同時刻近辺の情報を抽出する。その結果、推定対象とする年月日の太陽光の条件と近い太陽光の条件で測定された実測性能の実測性能情報が抽出できる。
【0093】
推定部14がこの様に推定対象とする月日および時刻に近い月日および時刻の情報を抽出することにより、太陽光に起因するセンサの実測性能低下を推定部14が推定する場合に推定部14の処理負荷が低減する。
【0094】
また、抽出部13は、抽出された複数の実測性能情報から、各実測性能情報に紐づけられた位置情報が示す位置が、推定部14の推定の対象位置に相当する実測性能情報を、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報としてさらに抽出する。なお、抽出部13は、各実測性能情報に紐づけられた位置情報が示す位置が、対象位置から予め定められた範囲内に相当する実測性能情報を、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報として抽出してもよい。
【0095】
第2取得ステップS20では、第2取得部12が第1条件情報として太陽光の照射方向を示す情報(たとえば太陽の方角および高さを示す情報)を取得する。具体的には第2取得部12は、抽出ステップS15において、推定部14が推定に用いるべき実測性能情報として抽出された実測性能情報に紐づけられた時刻情報および位置情報に基づき、各実測性能情報が示す実測性能が測定された時刻および位置における照射方向を示す情報を取得する。また、第2取得部12は、推定の対象とする時刻かつ対象位置における、照射方向を示す情報を取得する。なお、実測性能が測定された位置と取得する照射方向を示す情報の位置については、全く同じ位置である必要は無い。推定部14は、取得可能な照射方向を示す情報のうち、実測性能が測定された位置に最も近い位置の照射方向を示す情報、または、実測性能が測定された位置を含む地域の照射方向を示す情報を、実測性能が測定された位置に対応する位置の照射方向を示す情報として取得すればよい。
【0096】
次いで推定ステップS30では、推定部14が対象位置かつ対象とする時刻のセンサの実測性能を推定する。具体的には、推定部14はまず、抽出ステップS15で抽出された複数の実測性能情報から、その実測性能情報が示す実測性能が測定された位置および時刻における太陽の方角および高さが、対象位置および対象時刻における太陽の方角および高さを基準に予め定められた範囲内にある実測性能情報を選択する。そして、選択した実測性能情報が示す実測性能を、対象位置および対象時刻におけるセンサの実測性能として推定する。
【0097】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0098】
また、本実施例によれば、抽出部13は、第1取得部11で取得された時刻情報が予め定められた月日かつ時刻の範囲内である実測性能情報を抽出する。したがって、太陽光によるセンサの実測性能への影響を効率良く推定することができる。
【0099】
(実施例6)
実施例6に係る推定装置10は、第1取得部11が移動体20から推定の対象とする位置および対象とする時刻を示す要求情報をさらに取得し、推定部14が、要求情報に基づいてセンサの実測性能を推定する点を除いて、実施例1から実施例5の少なくともいずれかに係る推定装置10と同じである。以下に詳しく説明する。
【0100】
本実施例では、たとえば移動体20において目的地までのルートを設定する場合に、そのルート上の各位置で通過予定時刻にセンサの実測性能の低下が予想されるか否かを、移動体20が推定装置10に問い合わせ、その問い合わせ内容に基づいて推定装置10で推定が行われる。
【0101】
本実施例において、移動体20ではナビゲーションや自動運転のためのルート設定が行われる。ルート設定のためにはまず、現在地と目的地の間のルートの候補が作成される。そして、移動体20では作成された候補について、ルート上の複数の位置が選択され、選択された各位置の通過予定時刻が特定される。移動体20では、選択された複数の位置を推定の対象位置とし、各位置の通過予定時刻を対象時刻とする要求情報が生成される。なお、要求情報には、さらに、その移動体20の種類、移動体20の外部の状況、搭載されたセンサの条件等を示す情報がさらに含まれても良い。
【0102】
第1取得部11は、移動体20から要求情報を取得する。そして、要求情報が示す対象位置および対象時刻等の条件についてセンサの実測性能の推定を行い、推定結果を移動体20に送信する。
【0103】
推定結果を受信した移動体20では、その推定結果に基づき、そのルートを採用するか否か判断される。具体的には、推定結果に予め定められた基準レベルを下回る実測性能レベルが存在する場合、そのルートは採用されず、異なる候補が作成される。一方、推定結果に予め定められた基準レベルを下回る実測性能レベルが存在しない場合、そのルートが採用される。
【0104】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0105】
また、本実施例によれば、第1取得部11が移動体20から推定の対象とする位置および対象とする時刻を示す要求情報をさらに取得し、推定部14が、要求情報に基づいてセンサの実測性能を推定する。したがって、移動体20の走行に必要な推定を特に行うことができ、推定装置10の処理負荷を軽減することができる。
【0106】
(実施例7)
実施例7に係る推定装置10は、第2取得部12が、第1条件情報として、過去のセンサの実測性能とその実測性能が測定された時の移動体20外部の要因を関連づけた履歴情報を取得する点を除いて、実施例1から実施例6の少なくともいずれかに係る推定装置10と同じである。以下に詳しく説明する。
【0107】
本実施例において、第2取得部12は、過去のセンサの実測性能とおよびその実測性能情報が示す実測性能が測定されたときの条件とを関連づけて示す履歴情報を取得する。ここで、実測性能が測定されたときの条件には、移動体20外部の要因が含まれる。移動体20外部の要因としてはたとえば、移動体20の位置、時刻、移動体20の周囲の雨量、および移動体20の周囲の日照強さ等が挙げられる。また、実測性能が測定されたときの条件は、さらに移動体20内部の条件を含んでも良い。移動体20内部の条件はたとえば、センサの製造からの経過年数、センサの型番、センサの起動からの経過時間、センサの内部温度、センサの製造からの総稼働時間等が挙げられる。第2取得部12は、履歴情報を推定装置10の記憶部16から取得しても良いし、推定装置10の外部に設けられたサーバから取得しても良い。本実施例において、記憶部16またはサーバには履歴情報が複数保持されている。
【0108】
抽出部13は、推定の対象とする条件と類似する履歴情報を、推定に用いる履歴情報として抽出する。具体的にはたとえば、抽出部13は、ユーザによる設定等により推定部14に予め保持された抽出条件を示す抽出条件情報を用いて推定に用いる履歴情報を抽出する。抽出条件情報には、位置、時刻等の項目毎に、類似と判断する範囲が定められており、抽出部13は、履歴情報の各項目の内容が対象とする条件に類似するか否かを判定する。そして、抽出条件情報にはさらに、類似と判定されるべき項目数が示されている。抽出部13は、類似と判定された項目の数が、抽出条件情報に示された項目数以上であるか否かを判定する。類似と判定された項目の数が、抽出条件情報に示された項目数以上である場合、抽出部13は、その履歴情報が推定の対象とする条件と類似すると判断し、抽出する。
【0109】
推定部14は、抽出された履歴情報を用いてセンサの性能を推定する。具体的には、たとえば推定部14は、抽出された一以上の履歴情報に含まれる実測性能情報が示す実測性能の平均値と、上記した実施例1から実施例6の少なくともいずれかの方法で得られた推定値との平均を推定結果とする。
【0110】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0111】
本実施例によれば、第2取得部12が、第1条件情報として、過去のセンサの実測性能とその実測性能が測定された時の移動体20外部の要因を関連づけた履歴情報を取得する。したがって、過去の履歴をさらに反映させて、高精度な推定結果を得られる。
【0112】
(実施例8)
実施例8に係る推定装置10は、以下に説明する点を除いて、実施例1から実施例7の少なくともいずれかに係る推定装置10と同じである。
【0113】
本実施例において、第2取得部12は、センサに関する情報であって、センサの実測性能に影響を及ぼす第2条件情報をさらに取得する。そして、推定部14は、第2条件情報をさらに用いて、センサの実測性能を推定する。以下に詳しく説明する。
【0114】
本実施例において、第2取得部12は、第1条件情報に加え、第2条件情報をさらに取得する。第2条件情報としては、センサの取り付け状態(高さ、向き等)、センサのスペック、センサの状況(内部温度等)、センサの状態(製造後の経過年数、起動後の連続可動時間、製造後の総稼働時間等)等を示す数値や記号が挙げられる。
【0115】
本実施例において推定部14は、第2条件情報をさらに用いてセンサの実測性能を推定する。たとえば、第2取得部12は、第1取得部11が実測性能情報等を移動体20から取得する際に、その移動体20のセンサに関する第2条件情報を移動体20から取得し、実測性能情報と関連づける。また、本実施例において、推定の対象とする条件にセンサの情報が含まれている。抽出部13は、推定の対象とするセンサの条件に含まれるセンサの情報に類似する条件を示す第2条件情報に対応づけられた実測性能情報を抽出する。
【0116】
推定部14は、抽出された実測性能情報を用いてセンサの性能を推定する。具体的には、たとえば推定部14は、抽出された一以上の実測性能情報が示す実測性能の平均値と、上記した実施例1から実施例7の少なくともいずれかの方法で得られた推定値との平均を推定結果とする。
【0117】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0118】
本実施例によれば、第2取得部12は、センサ自身の情報であって、センサの実測性能に影響を及ぼす第2条件情報をさらに取得する。そして、推定部14は、第2条件情報をさらに用いて、センサの実測性能を推定する。したがって、センサの特徴をさらに反映させた高精度の推定結果が得られる。
【0119】
(実施例9)
実施例9に係る推定装置10は、推定部14が、第1地点および第2地点についての実測性能情報に基づいて、第3地点のセンサの実測性能を推定する点を除いて、実施例1から実施例8の少なくともいずれかに係る推定装置10と同じである。第1地点、第2地点、および第3地点は互いに異なる地点である。以下に詳しく説明する。
【0120】
本実施例において、第1取得ステップS10および第2取得ステップS20は、実施例
1から実施例8の少なくともいずれかと同様に行われる。そして、本実施例において抽出部13は、推定の対象位置、すなわち、第3地点に対し、特定の距離範囲内の実測性能情報を抽出する。そして、抽出部13は、抽出された実測性能情報から、第3地点を基準に互いに対称の地点である第1地点および第2地点の実測性能情報を、推定に用いる実測性能情報として抽出する。本実施例において、抽出部13は、対象位置に対応する実測性能情報を抽出する必要はない。
【0121】
推定部14は、対象時刻における第1地点および第2地点のセンサの実測性能を、実施例1から実施例8の少なくともいずれかに係る方法と同様に推定する。そして、得られた第1地点の推定結果と第2地点の推定結果の平均値を、第3地点の推定結果とする。
【0122】
なお、抽出部13は、第3地点を基準に互いに対称の地点である二地点に代えて、第3地点を基準に、道なりに互いに反対側の等距離にある二地点を第1地点および第2地点としてもよい。なお、第3地点は道路上の地点である。
【0123】
また、抽出部13は、第3地点から近い順に複数の実測性能情報を抽出し、近さで重み付けをして、抽出した実測性能情報の平均を取ってもよい。
【0124】
本実施例によれば、実施形態と同様、推定部14が、取得された実測性能情報、位置情報、時刻情報及び第1条件情報に基づき、時刻ごとにセンサの実測性能を推定する。そうすることにより、センサの実測性能が低下すると予想される地域、時刻を高精度に特定することができる。
【0125】
本実施例によれば、推定部14が、第1地点および第2地点についての実測性能情報に基づいて、第3地点のセンサの実測性能を推定する。したがって、推定には必ずしも対象位置の実測性能情報を用いる必要が無い。
【0126】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上述の説明で用いたシーケンス図やフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施例で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施例では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態および各実施例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0127】
以下、参考形態の例を付記する。
1-1. 複数の移動体から前記移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び前記移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する第1取得部と、
前記移動体外部の要因であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する第2取得部と、
取得された前記実測性能情報、前記位置情報、前記時刻情報及び前記第1条件情報に基づき、時刻ごとに前記センサの実測性能を推定する推定部と、
を備える推定装置。
1-2. 1-1.に記載の推定装置において、
前記第2取得部は、前記センサに関する情報であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第2条件情報をさらに取得する推定装置。
1-3. 1-1.または1-2.に記載の推定装置において、
前記第2取得部は、前記第1条件情報として、過去の前記センサの実測性能と当該実測性能が測定された時の前記移動体外部の要因とを関連づけた履歴情報を取得する推定装置。
1-4. 1-1.から1-3.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記推定部は、天候を示す天候情報を前記第1条件情報として用いて前記センサの実測性能を推定する推定装置。
1-5. 1-4.に記載の推定装置において、
前記第2取得部は、推定対象とする時刻の前記天候情報を前記第1条件情報として取得する推定装置。
1-6. 1-4.または1-5.に記載の推定装置において、
前記第2取得部は、前記実測性能情報が示す前記実測性能が測定された時刻の前記天候情報を前記第1条件情報としてさらに取得する推定装置。
1-7. 1-4.から1-6.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記第2取得部は、前記実測性能情報に関連づけられた前記天候情報をさらに取得する推定装置。
1-8. 1-1.から1-7.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記第1取得部で取得された複数の前記実測性能情報から、推定の対象とする前記位置情報に対応する前記実測性能情報を抽出する抽出部をさらに備え、
前記推定部は、前記抽出部で抽出された前記実測性能情報を用いて前記センサの実測性能を推定する推定装置。
1-9. 1-8.に記載の推定装置において、
前記抽出部は、前記第1取得部で取得された前記複数の実測性能情報から、予め定められた時間帯の前記実測性能情報を抽出する推定装置。
1-10. 1-8.に記載の推定装置において、
前記抽出部は、前記第1取得部で取得された前記時刻情報が予め定められた月日かつ時刻の範囲内である前記実測性能情報を抽出する推定装置。
1-11. 1-1.から1-10.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記第1取得部は、前記移動体の種類を示す情報をさらに取得し、
前記推定部は、前記移動体の種類毎に前記センサの実測性能を推定する推定装置。
1-12. 1-1.から1-11.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記推定部は、複数の対象位置について時刻毎の前記センサの実測性能を推定し、前記センサの実測性能の低下が予想される低下地域を示す時刻毎の情報を生成する推定装置。
1-13. 1-1.から1-11.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記第1取得部は、前記移動体から推定の対象とする位置および対象とする時刻を示す要求情報をさらに取得し、
前記推定部は、前記要求情報に基づいて前記センサの実測性能を推定する推定装置。
2-1. 複数の移動体から前記移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び前記移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する第1取得ステップと、
前記移動体外部の要因であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する第2取得ステップと、
取得された前記実測性能情報、前記位置情報、前記時刻情報及び前記第1条件情報に基づき、時刻ごとに前記センサの実測性能を推定する推定ステップと、
を含む推定方法。
2-2. 2-1.に記載の推定方法において、
前記第2取得ステップでは、前記センサに関する情報であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第2条件情報をさらに取得する推定方法。
2-3. 2-1.または2-2.に記載の推定方法において、
前記第2取得ステップでは、前記第1条件情報として、過去の前記センサの実測性能と当該実測性能が測定された時の前記移動体外部の要因とを関連づけた履歴情報を取得する推定方法。
2-4. 2-1.から2-3.のいずれか一つに記載の推定方法において、
前記推定ステップでは、天候を示す天候情報を前記第1条件情報として用いて前記センサの実測性能を推定する推定方法。
2-5. 2-4.に記載の推定方法において、
前記第2取得ステップでは、推定対象とする時刻の前記天候情報を前記第1条件情報として取得する推定方法。
2-6. 2-4.または2-5.に記載の推定方法において、
前記第2取得ステップでは、前記実測性能情報が示す前記実測性能が測定された時刻の前記天候情報を前記第1条件情報としてさらに取得する推定方法。
2-7. 2-4.から2-6.のいずれか一つに記載の推定方法において、
前記第1取得ステップでは、前記実測性能情報に関連づけられた前記天候情報をさらに取得する推定方法。
2-8. 2-1.から2-7.のいずれか一つに記載の推定方法において、
前記第1取得ステップで取得された複数の前記実測性能情報から、推定の対象とする前記位置情報に対応する前記実測性能情報を抽出する抽出ステップをさらに備え、
前記推定ステップでは、前記抽出ステップで抽出された前記実測性能情報を用いて前記センサの実測性能を推定する推定方法。
2-9. 2-8.に記載の推定方法において、
前記抽出ステップでは、前記第1取得ステップで取得された前記複数の実測性能情報から、予め定められた時間帯の前記実測性能情報を抽出する推定方法。
2-10. 2-8.に記載の推定方法において、
前記抽出ステップでは、前記第1取得ステップで取得された前記時刻情報が予め定められた月日かつ時刻の範囲内である前記実測性能情報を抽出する推定方法。
2-11. 2-1.から2-10.のいずれか一つに記載の推定方法において、
前記第1取得ステップでは、前記移動体の種類を示す情報をさらに取得し、
前記推定ステップでは、前記移動体の種類毎に前記センサの実測性能を推定する推定方法。
2-12. 2-1.から2-11.のいずれか一つに記載の推定方法において、
前記推定ステップでは、複数の対象位置について時刻毎の前記センサの実測性能を推定し、前記センサの実測性能の低下が予想される低下地域を示す時刻毎の情報を生成する推定方法。
2-13. 2-1.から2-11.のいずれか一つに記載の推定方法において、
前記第1取得ステップでは、前記移動体から推定の対象とする位置および対象とする時刻を示す要求情報をさらに取得し、
前記推定ステップでは、前記要求情報に基づいて前記センサの実測性能を推定する推定方法。
3-1. 推定装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
複数の移動体から前記移動体周辺の周辺情報を取得可能なセンサの実測性能を示す実測性能情報及び前記移動体の位置情報を、時刻情報とともに取得する第1取得手段、
前記移動体外部の要因であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第1条件情報を取得する第2取得手段、および
取得された前記実測性能情報、前記位置情報、前記時刻情報及び前記第1条件情報に基づき、時刻ごとに前記センサの実測性能を推定する推定手段として機能させるコンピュータプログラム。
3-2. 3-1.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第2取得手段は、前記センサに関する情報であって、前記センサの実測性能に影響を及ぼす第2条件情報をさらに取得するコンピュータプログラム。
3-3. 3-1.または3-2.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第2取得手段は、前記第1条件情報として、過去の前記センサの実測性能と当該実測性能が測定された時の前記移動体外部の要因とを関連づけた履歴情報を取得するコンピュータプログラム。
3-4. 3-1.から3-3.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記推定手段は、天候を示す天候情報を前記第1条件情報として用いて前記センサの実測性能を推定するコンピュータプログラム。
3-5. 3-4.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第2取得手段は、推定対象とする時刻の前記天候情報を前記第1条件情報として取得するコンピュータプログラム。
3-6. 3-4.または3-5.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第2取得手段は、前記実測性能情報が示す前記実測性能が測定された時刻の前記天候情報を前記第1条件情報としてさらに取得するコンピュータプログラム。
3-7. 3-4.から3-6.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第2取得手段は、前記実測性能情報に関連づけられた前記天候情報をさらに取得するコンピュータプログラム。
3-8. 3-1.から3-7.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1取得手段で取得された複数の前記実測性能情報から、推定の対象とする前記位置情報に対応する前記実測性能情報を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記推定手段は、前記抽出手段で抽出された前記実測性能情報を用いて前記センサの実測性能を推定するコンピュータプログラム。
3-9. 3-8.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記抽出手段は、前記第1取得手段で取得された前記複数の実測性能情報から、予め定められた時間帯の前記実測性能情報を抽出するコンピュータプログラム。
3-10. 3-8.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記抽出手段は、前記第1取得手段で取得された前記時刻情報が予め定められた月日かつ時刻の範囲内である前記実測性能情報を抽出するコンピュータプログラム。
3-11. 3-1.から3-10.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1取得手段は、前記移動体の種類を示す情報をさらに取得し、
前記推定手段は、前記移動体の種類毎に前記センサの実測性能を推定するコンピュータプログラム。
3-12. 3-1.から3-11.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記推定手段は、複数の対象位置について時刻毎の前記センサの実測性能を推定し、前記センサの実測性能の低下が予想される低下地域を示す時刻毎の情報を生成するコンピュータプログラム。
3-13. 3-1.から3-11.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1取得手段は、前記移動体から推定の対象とする位置および対象とする時刻を示す要求情報をさらに取得し、
前記推定手段は、前記要求情報に基づいて前記センサの実測性能を推定するコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0128】
10 推定装置
11 第1取得部
12 第2取得部
13 抽出部
14 推定部
16 記憶部
20 移動体
30 通信網
40 集積回路
402 バス
404 プロセッサ
406 メモリ
408 ストレージデバイス
410 入出力インタフェース
412 ネットワークインタフェース
420 モニタ
421 入力パネル