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特開2023-152873複数の発射サイトを有する光学測定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023152873
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】複数の発射サイトを有する光学測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20231005BHJP
   G02B 6/43 20060101ALI20231005BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01N21/27 Z
G02B6/43
G02B6/12 301
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023047957
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】63/323,721
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/121,427
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン エス ペルク
(72)【発明者】
【氏名】マーク エイ アーボア
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エイ テレル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シー グリーニング
(72)【発明者】
【氏名】ヨンミン トゥ
(72)【発明者】
【氏名】ルシア ガン
【テーマコード(参考)】
2G059
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059EE02
2G059EE11
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG03
2G059GG09
2G059JJ17
2G059JJ22
2G059JJ30
2G059KK03
2G059KK04
2G059PP06
2H137AA14
2H137AB12
2H137BA32
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB25
2H137DB12
2H147AA02
2H147AB04
2H147AB05
2H147AB11
2H147AB17
2H147AB32
2H147AC01
2H147AC04
2H147BG04
2H147DA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なるセットの発射サイトに光を選択的に出力することができる光学測定システムを提供する。
【解決手段】本明細書に開示される種々の実施形態は、サンプルを特徴付けるための光学測定システムを説明する。光学測定システムは、異なる数の発射グループから光を選択的に放射することができ、光を所望の数の発射グループにルーティングするように制御され得る多段光スイッチネットワークを含んでもよい。光学測定システムは、対応する数の検出器グループを使用して更に光を測定してもよい。光学測定システムは、複数の異なる波長を使用して測定を実行してもよく、これらの波長の異なるグループは、異なる数の発射グループ(並びに対応する検出器グループ)を使用して測定してもよい。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学測定システムであって、
複数の波長のいずれかの光を生成可能な光源ユニットと、
前記光源ユニットに光学的に接続され、複数の出力を含む多段光スイッチネットワークと、
各々が前記複数の出力のうちの対応する出力に光学的に接続された複数の発射グループと、
複数の検出器グループと、
前記光源ユニット、前記多段光スイッチネットワーク、前記複数の発射グループ、及び前記複数の検出器グループを使用して、測定シーケンスであって、前記測定シーケンスは、
前記複数の波長を複数のグループであって、前記複数のグループの各グループは異なる対応する出力構成に関連付けられる、複数のグループに分割することと、
前記複数の波長の各波長に対して、その対応する出力構成で1セットの測定を実行することと、を含む、測定シーケンスを実行するように構成されたコントローラと、
を備える、光学測定システム。
【請求項2】
前記複数のグループは、第1の出力構成に関連付けられた第1のグループと、第2の出力構成に関連付けられた第2のグループとを含み、
前記複数の波長の各波長について前記セットの測定を実行することは、
前記第1のグループの第1の波長について第1のセットの測定であって、前記第1のセットの測定の各測定は、
前記光源ユニットを用いて前記第1の波長の光を生成することと、
前記複数の発射グループから選択され、前記第1の出力構成に対応する第1の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、前記生成された光を放射することと、
前記複数の検出器グループから選択され、前記第1の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、前記生成された光の前記放射中に受け取られた戻り光を測定することと、を含む、第1のセットの測定を実行することと、
前記第2のグループの第2の波長について第2のセットの測定であって、前記第2のセットの測定の各測定は、
前記光源ユニットを用いて前記第2の波長の光を生成することと、
前記複数の発射グループから選択され、前記第2の出力構成に対応する第2の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、前記生成された光を放射することと、
前記複数の検出器グループから選択され、前記第2の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、前記生成された光の前記放射中に受け取られた戻り光を測定することと、を含む、第2のセットの測定を実行することと、
を含む、請求項1に記載の光学測定システム。
【請求項3】
前記第1のセットの測定は、異なる対応するセットの発射グループ及び異なる対応するセットの検出器グループを有する複数の測定を含む、
請求項2に記載の光学測定システム。
【請求項4】
前記第1のセットの測定の各測定は、
前記第1の波長の前記光を前記対応するセットの発射グループにルーティングするように前記多段光スイッチネットワークを構成すること、
を更に含む、請求項2に記載の光学測定システム。
【請求項5】
前記第1のセットの測定の各測定は、
前記対応するセットの検出器グループを使用して、前記生成された光の前記放射の前に受け取られた背景光を測定することを更に含み、
前記第1のセットの測定の各測定において前記多段光スイッチネットワークを構成することは、前記背景光を測定することと少なくとも部分的に同時に実行される、請求項4に記載の光学測定システム。
【請求項6】
光学測定システムであって、
複数の波長のいずれかの光を生成可能な光源ユニットと、
前記光源ユニットに光学的に接続された多段光スイッチネットワークと、
複数の発射グループと、を備え、
式中、
前記多段光スイッチネットワークは、複数の出力を含み、前記複数の出力の各々は、前記複数の発射グループのうちの対応する発射グループに光学的に接続され、
前記多段光スイッチネットワークは、前記光源ユニットによって生成された前記光を異なる出力構成の前記複数の発射グループに選択的にルーティングするように制御可能である、光学測定システム。
【請求項7】
フォトニック集積回路を更に備え、
前記フォトニック集積回路は、前記光源ユニットと、前記多段光ネットワークと、前記複数の発射グループと、を含む、請求項6に記載の光学測定システム。
【請求項8】
各発射グループは、前記フォトニック集積回路から光を発射するように構成された対応するアウトカプラを含む、請求項7に記載の光学測定システム。
【請求項9】
複数の検出器グループを更に備える、
請求項7に記載の光学測定システム。
【請求項10】
インターポーザを更に備え、
前記フォトニック集積回路及び前記複数の検出器グループは、前記インターポーザ上に取り付けられる、
請求項9に記載の光学測定システム。
【請求項11】
第1の波長ロックユニットを更に備える、請求項6に記載の光学測定システム。
【請求項12】
前記多段光スイッチネットワークは第1の段及び第2の段を含み、前記第1の段は第1の制御可能スイッチを含み、
前記第1の制御可能スイッチは、第1のタップを含み、
前記第1の波長ロックユニットは、前記第1のタップを介して前記多段光スイッチネットワークに光学的に接続される、
請求項11に記載の光学測定システム。
【請求項13】
第2の波長ロックユニットを更に備え、
前記第1の段は、第2の制御可能スイッチを含み、
前記第2の制御可能スイッチは第2のタップを含み、
前記第2の波長ロックユニットは、前記第2のタップを介して前記多段光スイッチネットワークに光学的に接続される、
請求項12に記載の光学測定システム。
【請求項14】
前記第1の制御可能スイッチは追加のタップを含み、
前記第1のタップは、前記第1の制御可能スイッチの第1のレッグから光を抽出し、
前記追加のタップは、前記第1の制御可能スイッチの第2のレッグから光を抽出する、
請求項12に記載の光学測定システム。
【請求項15】
サンプルを特徴付ける方法であって、
複数の波長を選択することと、
複数のセットの出力信号を生成するために測定シーケンスを実行することであって、
前記複数の波長を複数のグループであって、前記複数のグループの各グループは異なる対応する出力構成に関連付けられる、複数のグループに分割することと、
前記複数の波長の各波長に対して、その対応する出力構成で前記サンプルの1セットの測定を実行することと、
各セットの測定について、前記複数のセットの出力信号のうちの対応するセットの出力信号を生成することと、
前記複数のセットの出力信号を使用して前記サンプルの1つ以上の特性を決定することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記複数のグループは、第1の出力構成に関連付けられた第1のグループと、第2の出力構成に関連付けられた第2のグループとを含み、
前記複数の波長の各波長について前記サンプルの前記セットの測定を実行することは、
前記第1のグループの第1の波長について、前記サンプルの第1のセットの測定であって、前記第1のセットの測定の各測定は、
前記第1の波長の光を生成することと、
複数の発射グループから選択され、前記第1の出力構成に対応する第1の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、前記生成された光を放射することと、
複数の検出器グループから選択され、前記第1の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、前記生成された光の前記放射中に受け取られた戻り光を測定することと、を含む、前記サンプルの第1のセットの測定を実行することと、
前記第2のグループの第2の波長について、前記サンプルの第2のセットの測定であって、前記第2のセットの測定の各測定は、
前記第2の波長の光を生成することと、
前記複数の発射グループから選択され、前記第2の出力構成に対応する第2の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、前記生成された光を放射することと、
前記複数の検出器グループから選択され、前記第2の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、前記生成された光の前記放射中に受け取られた戻り光を測定することと、を含む、前記サンプルの第2のセットの測定を実行することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のセットの測定は、異なる対応するセットの発射グループ及び異なる対応するセットの検出器グループを有する複数の測定を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のセットの測定の各測定は、
前記第1の波長で生成された前記光を前記対応するセットの発射グループにルーティングするように多段光スイッチネットワークを構成することを更に含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のセットの測定の各測定は、
前記対応するセットの検出器グループを使用して、前記生成された光の放射の前に受け取られた背景光を測定することを更に含み、
前記第1のセットの測定の各測定において前記多段光スイッチネットワークを構成することは、前記背景光を測定することと少なくとも部分的に同時に実行される、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記測定シーケンスは複数のサブシーケンスに分割され、
各サブシーケンスは、前記複数の波長のうちの対応するセットの波長と、複数の発射グループから選択された対応するセットの発射グループとを有し、
各サブシーケンスは、前記対応するセットの波長内の各波長についての前記サンプルの測定を含み、その間に、前記波長の光が前記対応するセットの発射グループから放射される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される実施形態は、概して光学測定システムに関する。より具体的には、説明される実施形態は、異なるセットの発射サイトに光を選択的に出力することができる光学測定システムを説明する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、非暫定的であり、2022年3月25日に出願された米国仮特許出願第No.63/323,721号の35 U.S.C.§119(e)の下で利益を主張するものであり、その内容は、本明細書に完全に開示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
光学測定システムは、システムを取り囲む環境内の物体又は物質の存在、タイプ、及び/又は1つ以上の特性を識別するために使用されることができる。いくつかの事例では、光学測定システムは、複数の波長の光を放射し、システムに戻された光を測定することによって分光測定を実行することができる。各波長で戻された光の相対量は、測定される材料の性質に関する情報を提供してもよい。光学測定システムによって測定される波長の数及び固有の測定位置の数が各々増加するにつれて、これらの光学システムは、測定を行うために必要とされる電力消費及び/又は測定時間を更に増加させ得る、ますます複雑なアーキテクチャを必要とし得る。したがって、コンパクトで、時間及び電力効率の良い光学測定システムが望まれ得る。
【発明の概要】
【0004】
サンプルの1つ以上の特性を決定する光学測定システム及び方法が本明細書に記載される。これらの実施形態のいくつかにおいて、光学測定システムは、複数の波長のいずれかで光を生成することができる光源ユニットと、光源ユニットに光学的に接続され、複数の出力を備える多段光スイッチネットワークと、複数の出力のうちの対応する出力に各々光学的に接続される複数の発射グループとを含む。光学測定システムは、複数の検出器グループと、光源ユニット、多段光スイッチネットワーク、複数の発射グループ、及び複数の検出器グループを使用して、測定シーケンスを実行するように構成されたコントローラとを更に含む。測定シーケンスは、複数の波長を複数のグループであって、複数のグループの各グループは異なる対応する出力構成に関連付けられる、複数のグループに分割することと、複数の波長の各波長に対して、対応する出力構成で1セットの測定を実行することと、を含む。
【0005】
いくつかの事例では、複数のグループは、第1の出力構成に関連付けられた第1のグループと、第2の出力構成に関連付けられた第2のグループとを含む。複数の波長の各波長について1セットの測定を実行することは、第1のグループの第1の波長について第1のセットの測定を実行することを含む。第1のセットの測定の各測定は、光源ユニットを用いて第1の波長の光を生成することと、複数の発射グループから選択され、第1の出力構成に対応する第1の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、生成された光を放射することと、複数の検出器グループから選択され、第1の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、生成された光の放射中に受け取られた戻り光を測定することと、を含む。
【0006】
セットの測定の測定はまた、第2のグループの第2の波長について第2のセットの測定を実行することを含む。第2のセットの測定の各測定は、光源ユニットを用いて第2の波長の光を生成することと、複数の発射グループから選択され、第2の出力構成に対応する第2の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、生成された光を放射することと、複数の検出器グループから選択され、第2の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、生成された光の放射中に受け取られた戻り光を測定することと、を含む。
【0007】
いくつかの事例では、第1のセットの測定は、異なる対応するセットの発射グループ及び異なる対応するセットの検出器グループを有する複数の測定を含む。追加的又は代替的に、第1のセットの測定の各測定は、第1の波長の光を対応するセットの発射グループにルーティングするように多段光スイッチネットワークを構成することを含む。いくつかの事例では、これらの測定の各々は、対応するセットの検出器グループを使用して、生成された光の放射の前に受け取られた背景光を測定することを更に含み、それにより、第1のセットの測定の各測定において多段光スイッチネットワークを構成することは、背景光を測定することと少なくとも部分的に同時に実行される。
【0008】
これらの実施形態の他のものでは、光学測定システムは、複数の波長のいずれかで光を生成することができる光源ユニットと、光源ユニットに光学的に接続された多段光スイッチネットワークと、複数の発射グループとを含む。多段光スイッチネットワークは、複数の出力を含み、複数の出力の各々は、複数の発射グループのうちの対応する発射グループに光学的に接続される。更に、多段光スイッチネットワークは、光源ユニットによって生成された光を異なる出力構成の複数の発射グループに選択的にルーティングするように制御可能である。いくつかの事例では、多段光スイッチネットワークは複数の入力を含む。
【0009】
いくつかの変形例では、光学測定システムは、フォトニック集積回路を更に含み、フォトニック集積回路は、光源ユニットと、多段光ネットワークと、複数の発射グループと、を含む。これらの変形例のいくつかでは、各発射グループは、フォトニック集積回路から光を発射するように構成された対応するアウトカプラを含む。追加的又は代替的に、光学測定システムは、複数の検出器グループ及びインターポーザを更に含み、フォトニック集積回路及び複数の検出器グループは、インターポーザ上に取り付けられる。
【0010】
追加的又は代替的に、光学測定システムは、第1の波長ロックユニットを含んでもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、多段光スイッチネットワークは第1の段及び第2の段を含み、第1の段は第1の制御可能スイッチを含む。第1の制御可能スイッチは第1のタップを含み、第1の波長ロックユニットは、第1のタップを介して多段光スイッチネットワークに光学的に接続される。これらの変形例のうちのいくつかでは、第1の段はまた、第2のタップを有する第2の制御可能スイッチを含み、第2の波長ロックユニットは、第2のタップを介して多段光スイッチネットワークに光学的に接続される。
【0011】
他の実施形態では、サンプルを特徴付ける方法は、複数の波長を選択することと、複数のセットの出力信号を生成するために測定シーケンスを実行することとを含む。測定シーケンスは、複数の波長を複数のグループであって、複数のグループの各グループは異なる対応する出力構成に関連付けられる、複数のグループに分割することを含む。測定シーケンスはまた、対応する出力構成で複数の波長の各波長についてサンプルの1セットの測定を実行することと、1セットの測定ごとに、複数の出力信号の対応するセットの出力信号を生成することとを含む。方法は、複数のセットの出力信号を使用してサンプルの1つ以上の特性を決定することを更に含む。
【0012】
これらの方法のいくつかでは、複数のグループは、第1の出力構成に関連付けられた第1のグループと、第2の出力構成に関連付けられた第2のグループとを含む。複数の波長の各波長についてサンプルの1セットの測定を実行することは、第1のグループの第1の波長についてサンプルの第1のセットの測定を実行することを含む。第1のセットの測定の各測定は、第1の波長の光を生成することと、複数の発射グループから選択され、第1の出力構成に対応する第1の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、生成された光を放射することと、を含む。各測定はまた、複数の検出器グループから選択され、第1の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、生成された光の放射中に受け取られた戻り光を測定することを含む。
【0013】
複数の波長の各波長についてサンプルの1セットの測定を実行することは、第2のグループの第2の波長についてサンプルの第2のセットの測定を実行することを含む。第2のセットの測定の各測定は、第2の波長の光を生成することと、複数の発射グループから選択され、第2の出力構成に対応する第2の数の発射グループを有する対応するセットの発射グループから、生成された光を放射することと、を含む。各測定はまた、複数の検出器グループから選択され、第2の数の検出器グループを有する対応するセットの検出器グループを使用して、生成された光の放射中に受け取られた戻り光を測定することを含む。
【0014】
これらの方法のいくつかでは、第1のセットの測定は、異なる対応するセットの発射グループ及び異なる対応するセットの検出器グループを有する複数の測定を含む。追加的又は代替的に、第1のセットの測定の各測定は、第1の波長で生成された光を対応するセットの発射グループにルーティングするように多段光スイッチネットワークを構成することを更に含む。これらの方法のうちのいくつかでは、第1のセットの測定の各測定は、対応するセットの検出器グループを使用して、生成された光の放射の前に受け取られた背景光を測定することを更に含む。これらの事例では、第1のセットの測定の各測定において多段光スイッチネットワークを構成することは、背景光を測定することと少なくとも部分的に同時に実行される。
【0015】
これらの方法の他の変形例では、測定シーケンスは複数のサブシーケンスに分割される。いくつかの例では、各サブシーケンスは、複数の波長のうちの対応するセットの波長と、複数の発射グループから選択された対応するセットの発射グループとを有する。各サブシーケンスは、対応するセットの波長内の各波長についてのサンプルの測定を含み、その間に、波長の光が対応するセットの発射グループから放射される。
【0016】
上記の例示的な態様及び実施形態に加えて、更なる態様及び実施形態が、図面を参照し、以下の説明を検討することによって明らかになるであろう。
同様の参照番号が同様の構造的要素を指定する添付図面と併せて、以下の詳細な説明によって開示が容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本明細書で説明されるような光学測定システムを組み込むデバイスの断面側面図を示す。
図1B図1Aのデバイスの上面図を示す。
図2】本明細書に記載の光学測定システムの変形例の概略図を示す。
図3A】本明細書で説明する多段光スイッチネットワークと共に使用してもよい制御可能スイッチの変形例の概略図を示す。
図3B】本明細書で説明する多段光スイッチネットワークと共に使用してもよい制御可能スイッチの変形例の概略図を示す。
図3C】本明細書で説明する多段光スイッチネットワークと共に使用してもよい制御可能スイッチの変形例の概略図を示す。
図3D】本明細書で説明する多段光スイッチネットワークと共に使用してもよい制御可能スイッチの変形例の概略図を示す。
図4】1つの入力及び4つの出力を有する多段光スイッチネットワークを有する光学測定システムの変形例の概略図を示す。
図5】2つの入力及び4つの出力を有する多段光スイッチネットワークを有する光学測定システムの変形例の概略図を示す。
図6】4つの入力及び4つの出力を有する多段光スイッチネットワークを有する光学測定システムの変形例の概略図を示す。
図7】測定シーケンスを実行する方法を示す。
図8】異なるセットの発射グループに対応する複数のサブシーケンスを含む測定シーケンスのブロック図を示す。
図9】複数の個々の測定を含む測定シーケンスのタイミング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
種々の特徴及び要素(並びにそれらの集合及び部分集合)の割合及び寸法(相対的であれ絶対的であれ)、並びにそれらの間に提示される境界、分離点及び位置関係は、単に本明細書に述べられる種々の実施形態の理解を容易にするために添付の図に提供されるものであり、したがって必ずしも縮尺通りに提示又は図示されていない場合があり、図示される実施形態についての任意の選好又は要件を、それを参照して述べられる実施形態を除外して示す意図はないことを理解されたい。
【0019】
方向を示す用語、例えば、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「前部(front)」、「後部(back)」、「~の上方(over)」、「~の下方(under)」、「~の上方(above)」、「~の下方(below)」、「左(left)」、「右(right)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などは、以下に記載するいくつかの図面における構成要素のいくつかの向きを参照して使用され、限定することを意図するものではない。様々な実施形態における構成要素は、多くの異なる向きに配置されている場合があるので、方向を示す用語は、例示を目的として使用されているに過ぎず、いかなる意味でも限定するものではない。方向を示す用語は、広く解釈されることを意図しており、そのため、異なる様式で配置されている構成要素を除外すると解釈すべきではない。また、本明細書で使用するとき、一連の項目に先行する「少なくとも1つ」というフレーズは、項目のいずれかを分離する「及び」又は「又は」という用語と共に、リストの各要素ではなく、全体としてリストを修飾する。「少なくとも1つ」というフレーズは、リスト化された各項目の少なくとも1つの選択を必要とはせず、むしろ、そのフレーズは、項目のうちのいずれかを最少で1つ、及び/又は項目の組み合わせのうちのいずれかを最少で1つ、及び/又は項目のそれぞれを最少で1つ、含む意味を可能にする。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、それぞれが、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、並びに/又は、A、B、及びCのそれぞれを1つ以上、を指す。同様に、本明細書で提供される結合リスト又は分離リストのために提示される要素の順序は、本開示を提供されるその順序のみに限定するものとして解釈されるべきではないことを理解することができる。
【0020】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態が詳細に説明される。以下の説明は、これらの実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲により定義される記載された実施形態の趣旨及び範疇に含むことができるような、代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図している。
【0021】
以下の開示は、複数の発射サイトを有する光学測定システムの実施形態、及びこれらの光学測定システムを使用して測定を実行する方法に関する。光学測定システムは、調整可能な数の発射グループ(各々が1つ以上の発射サイトに関連付けられる)に光を同時にルーティングすることができ、それによって、光学システムが、各々が異なる数の発射グループを使用する複数の測定を実行することを可能にする。換言すれば、第1のセットの測定は、第1の数の発射グループから同時に光を放射することを含み、第2のセットの測定は、第2の数(第1の数とは異なる)の発射グループから同時に光を放射することを含む。
【0022】
光学測定システムは、複数の波長を使用して測定シーケンスを実行してもよく、1セットの個々の測定(例えば、少なくとも1つの測定)が、複数の波長の各波長について実行される。これらの事例では、複数の波長は複数のグループに分割され、各グループは、異なる数の発射グループ(すなわち、光学測定システムによって生成された光が分割される)に関連付けられる。したがって、所与の波長についての1セットの個々の測定は、波長が割り当てられるグループに基づいて設定されるいくつかの同時発射グループを使用して実行される。
【0023】
複数の異なる波長を用いて分光計測を行う場合、波長によって信号品質にばらつきが生じる場合がある。光学測定システムによって何が測定されているか(例えば、光学測定システムを取り囲む環境において測定されているサンプルのタイプ又は特性)に応じて、異なる波長における個々の測定についての信号対ノイズ比(「SNR」)は、異なるノイズ源によって制限され得る。例えば、いくつかの波長で採取されたサンプルの測定は、基本ノイズによって制限される。これらの事例において、SNRは、これらの波長に対してサンプルに導入される光の量を増加させることによって増加され得る。一方、他の波長で行われる測定は、コヒーレントノイズによって制限されることがある。これらの事例において、SNRは、これらの波長でサンプルに導入される光の量を増加させることによって改善されない。本明細書に説明される光学測定システムは、サンプルを測定する際に予期される異なるノイズ源を考慮することができ、それに応じて、異なる波長に対して異なる測定タイプを選択することができる(以下でより詳細に説明されるように)。
【0024】
本明細書で説明される光学測定システムは、典型的には、光源ユニット、多段光スイッチネットワーク、複数の発射グループ、及び複数の検出器グループを含む。光源ユニットは、1つ以上の出力を有し、複数の異なる波長(光源ユニットの各出力に対する対応するセットの波長を含む)のいずれかで光を生成することができる。言い換えれば、任意の所与の時点において、光源ユニットは、複数の異なる波長から選択された波長の光を生成するように制御され得る(すなわち、複数の異なる波長は同時に生成される必要はない)。
【0025】
光源ユニットは、多段光スイッチネットワークに光学的に接続され(すなわち、光を伝送することができ)、それによって、多段光スイッチネットワークが光源ユニットから(例えば、光源ユニットの1つ以上の出力を介して)光を受信することを可能にする。多段光スイッチネットワークは複数の出力を含み、各出力は、複数の発射グループのうちの対応する発射グループに光学的に接続される(ただし、多段光スイッチネットワークは、対応する発射グループに光学的に接続されない1つ以上の追加の出力を含んでもよいことを理解されたい)。多段光スイッチネットワークは、その出力の一部又は全部に(したがって、複数の発射グループの一部又は全部に)光を選択的にルーティングするように制御可能であり、これは、本明細書で説明するような異なる測定タイプを容易にしてもよい。各発射グループは、対応するセットの発射サイトと関連付けられ、各発射サイトは、光が光学測定システムから外部に(例えば、サンプルに向かって)放射される空間位置に対応する。全体として、光学測定システムは、サンプルにおける異なる位置に光を選択的に発射することができ、更に、光を同時に受け取る異なる発射位置の数を選択してもよい。
【0026】
複数の検出器グループは、光学測定システムによって受け取られた光(例えば、光学測定システムからサンプルに向かって放射され、光学測定システムに戻された光)を測定する。複数の検出器グループによって測定された光は、光学測定システムを取り囲む環境の1つ以上の特性(例えば、光学測定システムによって測定される物体の存在、タイプ、及び/又は1つ以上の特性)を決定するために分析されてもよく、本明細書ではこれらをまとめて「サンプル」と呼ぶ。光は、発射グループが光を放射している間に検出器グループによって(放射された光がサンプルとどのように相互作用するかを決定するために)測定されてもよく、任意選択で、発射グループが能動的に光を放射していない間に(背景補正動作を支援できる背景光を測定するために)測定されてもよい。
【0027】
所与の測定シーケンスにおける各測定について、光学測定システムは、対応する波長で光を生成するように光源ユニットを(例えば、コントローラを介して)制御する。光学測定システムは更に、多段光スイッチネットワークを制御して、その波長の光を所定数の発射グループにルーティングする。生成された光は、そのセットの発射グループから放射され(したがって、光学測定システムを出てもよい)、その一部は、(例えば、光学測定システムの外部のサンプルと相互作用することによって)光学測定システムに戻される。対応するセットの検出器グループは、光学測定システムが生成された光を放射する間に受け取られた戻り光を測定する。
【0028】
本明細書に説明される光学測定システムの実施形態は、筐体を有するデバイスに組み込まれてもよい。場合によっては着用可能であるデバイスは、光学測定システムを使用して測定を行うためだけに動作してもよく、又は追加の機能(本明細書では詳細に説明しない)を実行してもよい多機能デバイスであってもよい。例えば、いくつかの事例では、光学測定システムは、スマートフォン、タブレットコンピューティングデバイス、ラップトップ若しくはデスクトップコンピュータ、スマートウォッチ、又は他の電子デバイス(議論を容易にするために、本明細書では集合的に「電子デバイス」と称される)に組み込まれてもよい。
【0029】
デバイスは、デバイスの外面を通して又は外面において見ることができるグラフィカル出力を提供するディスプレイ(タッチスクリーンディスプレイであってもよい)を含んでもよい。ディスプレイがタッチスクリーンとして構成される場合、ディスプレイは、外面においてタッチ入力を受信することが可能であり得る。デバイスは、外面の少なくとも一部を形成する、ディスプレイを覆って位置付けられるカバーシート(例えば、カバーガラス)を含んでもよい。ディスプレイは、グラフィック出力を提供することができ、タッチスクリーンとして構成される場合、カバーシートを通してタッチ入力を受信することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイは、ディスプレイ部分の上、下に位置付けられるか、又はそれと統合される、1つ以上のセンサ(例えば、容量タッチセンサ、超音波センサ、又は他のタッチセンサ)を含む。様々な実施形態において、ディスプレイのグラフィック出力は、電子デバイスに提供された入力に応答する。ポータブル電子デバイスは、処理ユニット、メモリ、入力デバイス、出力デバイス、追加のセンサなどを含む、コンピューティングデバイスに典型的な追加の構成要素を含んでもよい。
【0030】
これらの実施形態及び他の実施形態を、図1A図9を参照して論じる。しかしながら、当業者であれば、これらの図を参照して本明細書により与えられている詳細な説明は、例示目的のみであり、限定するものとして解釈されるべきではないことが容易に理解されよう。
【0031】
図1A及び図1Bは、本明細書に記載の光学測定システム102を収容するデバイス100の一例を示す。示されるように、デバイス100は、上部外面106を有する筐体104を備える。この外面106は、光学測定システム102のためのサンプリングインタフェース107を画定し、それを通して、光学測定システム102によって放射される光は、デバイス100を出て、デバイス100に再進入し、光学測定システム102に戻ることができる。サンプリングインタフェース107は、1つ以上の放射領域108(光学測定システム102によって放射された光は、それを通してデバイス100を出てもよい)と、1つ以上の収集領域110(デバイス100に進入する光は、それを通して検出器等の光学測定システム102の所定の部分に到達し得る)とを画定する、少なくとも1つの窓を含む。
【0032】
図1A及び図1Bに示される変形例では、デバイスは、複数の放射領域108及び複数の収集領域110を含む。図1A及び図1Bは、等しい数の放射領域108及び収集領域110を描写するが、他の事例では、サンプリングインタフェース107は、等しくない数の放射領域108及び収集領域110を有する。各放射領域108及び収集領域110は、本明細書で説明される測定を実行するために光学測定システム102によって使用される波長(まとめて「測定波長」)のそれぞれにおいて透明である。各放射領域108及び収集領域110は、筐体の1つ以上の不透明部分(すなわち、測定波長における光透過を吸収又は別様に遮断する)によって相互から分離される、対応する窓(測定波長において透明)によって画定されてもよい。他の変形例では、放射領域108及び/又は収集領域110の一部又は全部は、(例えば、測定波長において不透明であるマスクを使用して)共通窓内に画定される。追加的又は代替的に、デバイス102は、放射領域108及び収集領域110の一部又は全部を少なくとも部分的に画定し得るバリア、バッフル、又は他の遮光構造(図示せず)を含み得る。これらの遮光構造は、迷光を遮断し、光が光学測定システム102とサンプリングインタフェース107との間で取ることができる経路を制限するガイドとして機能する。
【0033】
図1A及び図1Bに示すように、光学測定システム102は、フォトニック集積回路112を備える。フォトニック集積回路112は、少なくとも多段光スイッチネットワーク(図示せず)及び複数の発射グループ(図示せず)を含み、複数の発射グループを介してフォトニック集積回路112上の複数の空間位置から光を選択的に放射することができる。フォトニック集積回路112から放射された光は、サンプリングインタフェース107を通って(例えば、放射領域108を介して)デバイス100から出ることができる。いくつかの変形例では、光学測定システム102は、任意選択で、フォトニック集積回路112とサンプリングインタフェース107との間に配置された、ボックス114として概略的に示された1つ以上の光修正構成要素を含み、これは、フォトニック集積回路112から放射された光を、サンプリングインタフェース107に到達する前に変更する。例えば、光修正構成要素114は、1つ以上のレンズ(光の発散及び/又は方向を変化させる)、1つ以上の拡散器、鏡等を含んでもよい。追加的又は代替的に、サンプリングインタフェース自体が、光修正構成要素として作用してもよい(例えば、それは、それを通過する光の発散及び/又は方向を変化させることができる、統合されたレンズ等を有してもよい)。各発射グループは、サンプリングインタフェース107及び任意の介在構成要素(光修正構成要素114等)と相互作用して、光がデバイス100から発射する場所を制御し、したがって、光学測定システム102のための発射サイトを画定する。
【0034】
光学測定システムは、複数の検出器グループ116を更に備え、その各々は、対応するセットの検出器を含む。検出器グループ116は各々、サンプルインタフェースを通して(例えば、対応する収集領域110を介して)デバイス100に進入した光を受光するように、デバイス100内に位置付けられる。いくつかの変形例では、光学測定システム102は、サンプリングインタフェース107と少なくとも1つの検出器グループ116との間に位置付けられる、ボックス118として概略的に示される、1つ以上の光修正構成要素を備え、それは、デバイス100に進入する光を、それが対応する検出器グループ(単数又は複数)に到達する前に変更する。光修正構成要素118は、1つ以上のレンズ(光の発散及び/又は方向を変化させる)、1つ以上の拡散器、鏡等を含んでもよい。追加的又は代替的に、サンプリングインタフェース107は、光修正構成要素として作用してもよい。
【0035】
いくつかの事例では、フォトニック集積回路112及び複数の検出器グループ116は、共通の構成要素に取り付けられる。例えば、図1A及び図1Bに示される変形例では、光学測定システム102はインターポーザ120を備える。これらの事例では、フォトニック集積回路112及び複数の検出器116は全てインターポーザ120上に実装され、これは次に、これらの構成要素のための電気的インタフェースとして機能し得る(例えば、構成要素へ及び/又は構成要素から信号をルーティングするために)。場合によっては、インターポーザはヒートシンクとしても機能する。他の変形例では、フォトニック集積回路112は、複数の検出器グループ116の一部又は全部とは別個の構成要素に取り付けられる。更に他の変形例では、複数の検出器グループ116の一部又は全部が、フォトニック集積回路112の一部に直接取り付けられる(又は他の方法で統合される)。
【0036】
図1A及び図1Bに示されるデバイス100は、本明細書に説明される光学測定システム(以下の図2図6に関して説明されるもの等)のいずれかを利用し、本明細書に説明される任意の測定シーケンス(以下の図7図9に関して説明されるもの等)を行うことができる。例えば、図2は、本明細書に記載される光学測定システム200の概略図を示す。光学測定システム200は、光源ユニット202と、多段光スイッチネットワーク204と、複数の発射グループ206と、複数の検出器グループ208とを含む。光学測定システム200は、光を生成し、その光を複数の発射グループ206の一部又は全部に選択的にルーティングすることができる。光は、複数の発射グループ206を介して光学測定システム200を出てもよく、検出器グループ208の一部又は全部を使用して、光学測定システム200に戻された光を測定してもよい。
【0037】
具体的には、光源ユニット202は、1セットの光源(図示せず)を含み、各光源は、対応するセットの波長で光を放射するように選択的に動作可能である。各光源は、発光ダイオード又はレーザなど、1つ以上の特定の波長で光を生成することができる任意の構成要素であってもよい。レーザは、レーザダイオード(例えば、分散ブラッグ反射器レーザ、分散帰還型レーザ、外部共振器レーザ)、量子カスケードレーザなどの半導体レーザを含んでもよい。所与の光源は、単一周波数(固定波長)であってもよく、又は複数の波長のうちの1つを選択的に生成するように同調可能であってもよい(すなわち、光源は、異なる時間に異なる波長を出力するように制御されてもよい)。セットの光源は、光源の任意の適切な組合せを含んでもよく、複数の異なる波長のいずれかで光を生成するように集合的に動作してもよい。
【0038】
光源ユニット202は、多段光スイッチネットワーク204に光学的に接続されて、それに光をルーティングする1つ以上の出力210を含む。これらの1つ以上の出力210は集合的に、光源ユニット202が複数の異なる波長のいずれかを多段光スイッチネットワーク204にルーティングすることを可能にする。図2には単一の出力210が示されているが、いくつかの変形例では、光源ユニット202は複数の出力を含むことを理解されたい。各出力210は、対応するセットの波長を多段光スイッチネットワーク204にルーティングすることができ、これは多段光スイッチネットワーク204にルーティングすることができる複数の異なる波長を集合的に構成する。いくつかの事例では、光源ユニット202は、出力210よりも多くの光源を含み、その場合、光源ユニット202は、複数の光源が単一の出力210に光を与えることを可能にする1つ以上のマルチプレクサ(図示せず)を含む。これは、光源ユニット202が、比較的少数の出力210を有しながら、いくつかの光源を含む(したがって、いくつかの異なる波長を生成することができる)ことを可能にする。
【0039】
光源ユニット202は、代わりに光を光学測定システム200の他の部分にルーティングする1つ以上の追加の出力(すなわち、光を多段光スイッチネットワーク204にルーティングしない出力)を更に含んでもよいことを理解されたい。例えば、これらの追加の出力のうちの1つ以上は、(以下でより詳細に説明されるような)波長ロックユニットに光をルーティングしてもよい。いくつかの事例では、光源ユニット202は、光学測定システム200の動作中に多段光スイッチネットワーク204にルーティングされる波長よりも多くの波長を生成することができる(すなわち、光源ユニット202は複数の波長のいずれかを生成することができるが、光学測定システム200は、多段光スイッチネットワーク204を使用して測定を実行するための測定波長として複数の波長のサブセットのみを使用する)。これは、本出願に記載されるものを超える光学測定システム200の追加の機能性をサポートし得る。本明細書で説明される光学測定システムと共に使用するのに適した光源ユニットの例は、図4図6に関して以下でより詳細に説明される。
【0040】
多段光スイッチネットワーク204は、少なくとも1つの入力(場合によっては複数の入力を含む)と、複数の出力210とを有する。多段光スイッチネットワーク204は、各々が光源ユニット202の対応する出力210に光学的に接続された1つ以上の入力を介して光源ユニット202から光を受信する。多段光スイッチネットワーク204の入力は、図2では別個にラベル付けされておらず、光学測定システム200は、光源ユニット202の出力210と多段光スイッチネットワーク204の対応する入力との間に追加の構成要素(図示せず)を任意選択で含んでもよいことを理解されたい。これらの追加の構成要素は、例えば、光源ユニット202によって生成された光が多段光スイッチネットワーク204に到達する前に光を修正することが望ましい場合に有用であり得る。複数の出力202の各々は、複数の発射グループ206のうちの対応する発射グループに光学的に接続され、それによって、多段光スイッチネットワーク204が複数の発射グループ206のうちのいくつか又は全てに光を選択的にルーティングすることを可能にする。
【0041】
具体的には、多段光スイッチネットワーク204は、その入力のうちの1つで受信される所定の波長の光を取り込み、同時にその光をその出力212のうちの1つ以上に向けるように制御可能である。いくつかの事例では、多段光スイッチネットワーク204は、光を単一出力212に向けるように制御される。他の事例では、多段光スイッチネットワーク204は、光が複数の出力に同時に向けられるように、複数の出力212間で光を分割するように制御される。本出願の目的のために、光学測定システムの「出力構成」(本明細書では「出力解像度」とも呼ばれる)は、光を同時に受け取る固有の発射グループの数を指す。光学測定システムは、異なる出力構成で光を放射することが可能であり、その各々は、光を同時に受け取る異なる数の発射グループに対応する。
【0042】
多段光スイッチネットワークは、光源ユニットによって受信された光を同時出力するその出力の数を設定することによって、光学測定システムの出力構成を設定することができる。光学測定システムのための異なる出力構成の数は、多段光スイッチネットワークの出力の数に依存する。例えば、図2に示す実施形態では、多段光スイッチネットワーク204は4つの出力を有し、4つの異なる出力構成で光を出力してもよい(すなわち、単一の出力212に、又は出力212のうちの2つ、3つ、又は4つの間で分割される)。所与の出力構成、具体的には、多段光スイッチネットワーク204の出力のサブセットのみを使用する出力構成内で、光学測定システムは、出力の異なるサブセットの出力が同時に光を受信する、複数の異なるサブ構成を含んでもよい。言い換えれば、同じ出力構成を有する複数の固有のセットの発射グループ206が存在してもよく、光学測定システムは、測定シーケンス中にこれらの固有のセットの発射グループの一部又は全部で個々の測定を実行してもよい。同じ数の発射グループが同時に光を受け取るので、これらの個々の測定の各々は、同じ出力構成を使用して取得された測定であると考えられる。光が所与の出力構成に対して複数の出力間で分割されるとき、多段光スイッチネットワーク204は、所望に応じて、出力間の光の任意の分配(等しい又は等しくない分割)を提供してもよい。多段光スイッチネットワーク204が異なる出力構成(及び所与の出力構成のための異なるセットの発射グループ)間で切り替わるように制御され得る方法の詳細は、以下でより詳細に説明される。
【0043】
多段光スイッチネットワーク204及び複数の発射グループ206は、フォトニック集積回路214の一部として形成される。光源ユニット202の一部又は全部はまた、フォトニック集積回路214に統合されてもよい。例えば、いくつかの事例では、光源ユニット202の光源及び任意のマルチプレクサは全て、(図2に示されるような)フォトニック集積回路214に統合される。他の事例では、光源の一部又は全部がフォトニック集積回路214の外部から光を生成し、これらの光源からの光がフォトニック集積回路214に結合されて多段光スイッチネットワーク204に到達する。フォトニック集積回路214は、導波路を利用して、フォトニック集積回路214上の構成要素を光学的に接続してもよい。例えば、図2に示される実施形態では、光源ユニット202の出力210、及び多段光スイッチネットワーク204の入力及び出力212は、導波路であってもよい。
【0044】
複数の発射グループ206の各々は、多段光スイッチネットワーク204の対応する出力212に光学的に接続され、光源ユニット202から受け取った光をフォトニック集積回路214から発射してもよい。例えば、フォトニック集積回路214は、フォトニック集積回路214から光を発射するための複数のアウトカプラ(例えば、エッジカプラ、垂直出力カプラなど)を含んでもよく、各発射グループ206は、複数のアウトカプラのうちの少なくとも1つのアウトカプラを含んでもよい。図2に示す変形例では、各発射グループ206は、アウトカプラ216を有する。(例えば、アウトカプラ216を介して)フォトニック集積回路214から発射された光は、(例えば、図1に関して上述したようなサンプリングインタフェースを介して)サンプルに向かって1つ以上の発射サイトにおいて光学測定システム200(及び光学測定システム200を組み込んだ任意のデバイス)を出てもよい。
【0045】
各発射グループ206は、少なくとも1つの発射サイトに関連付けられ、その結果、発射グループ206に渡された光は、対応する発射サイトにおいて光学測定システム200(及び光学測定システム200を組み込んだ任意のデバイス)を出てもよい。各発射サイトは、固有の進入位置及び/又は角度をサンプルに提供する。いくつかの事例では、これは、各発射サイトが他の発射サイトから空間的に分離されている(かつ隣接していない)ことを意味する(例えば、図1A及び図1Bに関して上述したようなサンプリングインタフェースにおいて)。他の変形例では、2つ以上の発射位置は、少なくとも部分的に重複し得るが、光がサンプルの異なる部分に向けられるように、異なる角度で光学測定システム200を出射し得る。
【0046】
発射グループ206は、単一の発射サイト又は複数の発射サイトに関連付けられてもよい。例えば、図2に示す変形例では、各発射グループ206は、2つのアウトカプラ216を含む。これらの変形例のうちのいくつかでは、所与の発射グループ214内の各アウトカプラ216は、発射グループの第1のアウトカプラがフォトニック集積回路214から第1の発射サイトに光を放射し、発射グループ内の第2のアウトカプラ216がフォトニック集積回路206から第2の発射サイトに光を放射するように、別個の発射サイトに関連付けられる。他の変形例では、発射グループ内の複数のアウトカプラは、フォトニック集積回路214から単一の発射サイトに光を放射する。追加的又は代替的に、所与のアウトカプラ216によってフォトニック集積回路214から発射された光は、2つ以上の発射サイトにルーティングされることができ、この場合、光学測定システム200は、アウトカプラ216によって発射された光を複数の別個のビーム(各々がそれ自体の発射サイトにルーティングされる)に分割するように構成される。
【0047】
したがって、複数の発射グループ206を使用して、複数の発射サイトのいずれかにおいて光学測定システム200から光を放射してもよい(所与の瞬間に光を放射する発射サイトの選択及び数は、多段光スイッチネットワーク204の動作によって少なくとも部分的に決定される)。この光は、サンプルの1つ以上の部分を照明するために使用することができ、この光の一部は、サンプルとの相互作用の結果として(例えば、反射、散乱などを介して)システムに戻され得る。戻り光は、複数の検出器グループ208の一部又は全部によって測定されてもよい。
【0048】
複数の検出器グループ208の各検出器グループは、対応する発射グループ206に関連付けられてもよい。これらの事例では、光学測定システム200は、所与の検出器グループ208が、その対応する発射グループ206によって放射された(及び光学測定システム200を取り囲む環境から戻された)光を受光するが、他の発射グループ206によって放射された光を受光しないように構成され得る。光学測定システム200によって受け取られる光は、光学測定サンプルによって測定される実際のサンプルに依存し、したがって、光学測定システム200は、1つ以上の所定の特性を有する目標サンプルを測定するために使用されると仮定して設計され得ることを理解されたい。例えば、光学測定システム200は、所定の範囲の位置及び角度で光学測定システム200に入射する光のみが検出器グループ208に到達するように構成されてもよい。これらの位置及び角度は、目標サンプルに一致する特定の特性を有するサンプルを測定するとき、検出器グループ208が、対応する発射グループ206のみから光を効果的に受光する(及び他の検出器グループに関連付けられた発射グループからの光は最小限であるか又は全く受光しない)ように選択することができる。
【0049】
各検出器グループ208は、検出器要素の1つ以上のセットを含み、検出器要素の各セットは、単一のボックス218によって概略的に表される。各セットは、少なくとも1つの検出器要素を含み、各検出器要素は、その上に入射する光を表す対応する信号を生成することができる。個々の検出器要素は、独立型検出器又は検出器アレイの感知要素(例えば、フォトダイオードアレイのフォトダイオード)のいずれかであり得る。単一の検出器アレイの異なる感知要素を異なる検出器グループ208に関連付けてもよいことを理解されたい。例えば、検出器アレイは、第1の検出器グループに関連付けられた第1のサブセットの感知要素と、第2の検出器グループに関連付けられた第2のサブセットの感知要素とを含んでもよい。
【0050】
所与の検出器グループ208内の検出器要素は、互いに直接隣接している必要はないことも理解されたい。例えば、図2に示す光学測定システム200の変形例では、各検出器グループ208は2セットの検出器要素218を含む。これらの変形例のうちのいくつかにおいて、光学測定システム200は、検出器要素218の各セットが、対応する発射グループ206の異なる発射サイトからの光を測定するように構成される。例えば、第1の発射グループ内の第1のアウトカプラから放射された光は、第1の検出器グループの第1のセットの検出器要素によって測定され、第1の発射グループ内の第2のアウトカプラから放射された光は、第1の検出器グループの第2のセットの検出器要素によって測定される。これは、これらの発射サイトによって放射された光が同じ検出器要素によって測定されることを必要とすることなく、所与の発射グループの発射サイト間の物理的間隔を可能にし得る。全体として、複数の検出器グループ208は、複数の発射グループ206を介して光学測定システム200から放射された光を測定し、これにより、本明細書に記載の様々な測定を容易にしてもよい。
【0051】
また、図2には、コントローラ220が示されており、これは、光学測定システム200の動作を制御して、本明細書で説明するような様々な測定を実行する。具体的には、コントローラ220は、光源ユニット202を制御して、光源ユニット202に、光源ユニット202の選択された出力で選択された波長の光を生成させてもよい。コントローラ220は更に、多段光スイッチネットワーク204を制御して、光源ユニット202の選択された出力から受け取った光を、多段光スイッチネットワーク204の選択された数の出力にルーティングするように、多段光スイッチネットワーク204を構成してもよい(これは次に、光を選択されたセットの発射グループ206にルーティングする)。コントローラ220は更に、複数の検出器グループ208を制御して、検出器グループ208によって受け取られた光を表す出力信号を検出器グループ208の一部又は全部から生成してもよい。これらの出力信号を処理及び分析して、サンプルの1つ以上の特性を決定してもよい。コントローラ220は、例えば、1つ以上のプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、これらの機能(以下に説明される方法ステップのうちのいずれかを含む)を行うために必要に応じて、ソフトウェア、ハードウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0052】
いくつかの変形例では、光学測定システム200は、波長ロックユニット222を含む。波長ロックユニット222は、波長ロックユニット222によって受け取られた光の波長又は波長の変化を示す信号を出力することができ、この信号は、光源ユニット202(例えば、光を生成している光源ユニット内の光源)を制御して、光源ユニット202によって放射された光の波長を安定させるか、又は他の方法で調整するために、コントローラ220によって使用され得る。固定波長レーザの場合であっても、正確な放射波長は、温度及び/又は注入電流の変化と共にわずかに変動することがあり、したがって、波長ロックユニット222は、測定前又は測定中に安定した波長出力を設定するために、コントローラ200にフィードバックを提供してもよい。
【0053】
いくつかの事例において、波長ロックユニット222は、波長ロックユニット222が光源ユニット202から直接光を受け取るように、光源ユニット202に光学的に接続される。しかしながら、光源ユニット202が複数の出力を有する場合、波長ロックユニット222は、光源ユニット202によって生成される全ての波長を安定させることができるように、光源ユニット202からの全ての出力から光をタップする必要がある。他の事例では、波長ロックユニット222は、多段光スイッチネットワーク204の下流の光を受信する(すなわち、波長ロックユニット222は、多段光スイッチネットワーク204を通過した後の光をタップする)。これらの事例では、波長ロックユニット222は、多段光スイッチネットワーク204の各出力212から光をタップする必要があるか、又は光源ユニット202によって出力された波長の全てについて波長安定化/ロックを実行するためにタップされる出力212(又は複数の出力)に光をルーティングする必要がある。
【0054】
更に他の事例では、図2に示すように、波長ロックユニット222は、多段光スイッチネットワーク204の一部から光を受信してもよい(すなわち、波長ロックユニット222は、多段光スイッチネットワーク204の1つ以上の段から光をタップする)。これらの事例は、光源ユニット202によって生成される全ての波長を安定させることができるために必要とされるタップの数及び/又はルーティング要件を低減し得る。この例は、以下の図5及び図6に関して以下で説明される。
【0055】
上述のように、本明細書で説明される光学測定システムは、異なる出力構成で光を選択的に出力することができる多段光スイッチネットワークを含む。これを行うために、多段光スイッチネットワークは、複数の異なる段に分割される複数の制御可能スイッチを含む(各々は、対応するセットの制御可能スイッチを含む)。各制御可能スイッチは、少なくとも1つの入力及び2つの出力を有し、制御可能スイッチの各入力は、多段光スイッチネットワークへの入力又は前の段のいずれかから光を受け取り、制御可能スイッチの各出力は、多段光スイッチネットワークの後続の段又は出力のいずれかに光を向ける。各制御可能スイッチは、制御可能スイッチの所定の入力に導入される所定の波長の光が、スイッチの第1の出力、スイッチの第2の出力のいずれかに制御可能に向けられるか、又は第1の出力と第2の出力との間で分割されるように制御されてもよい。集合的に、複数の制御可能スイッチは、与えられた波長の光が多段光スイッチネットワークの所定の入力から多段光スイッチネットワークの所望のセットの出力へ移動するために必要な経路を生成するように多段光スイッチネットワークを構成するように制御されてもよい。
【0056】
いくつかの変形例では、制御可能スイッチは、第1のカプラと、第2のカプラと、第1のカプラと第2のカプラとの間の制御可能位相チューナとを含む。制御可能位相チューナは、制御可能スイッチが、制御可能スイッチの第1の出力と第2の出力との間で光を選択的に分割することを可能にする。図3A図3Dは、本明細書で説明する多段光スイッチネットワークと共に使用するのに適した制御可能スイッチの変形例を示す。図3Aは、単一の入力302及び2つの出力(第1の出力304及び第2の出力306)を有する1×2制御可能スイッチ300の変形例を示す。そこに示されているように、制御可能スイッチは、1×2カプラ308、2×2カプラ310、及び1×2カプラ308と2×2カプラ310との間に配置された制御可能位相チューナ312を有する。いくつかの変形例では、1×2制御可能スイッチ300は、1×2カプラ308の代わりに2×2カプラを含み得るが、2×2カプラの一方の入力は、2×2カプラの他方の入力が1×2制御可能スイッチの単一の入力として働くように、切断されたままである。
【0057】
図3Aに示すように1×2制御可能スイッチの変形例では、1×2カプラ308は、入力302をその単一入力として使用し、第1のレッグ314及び第2のレッグ316を出力として使用する。1×2制御可能スイッチ300の入力302で受信された光は、1×2カプラ308によって、所定の分割比に従って第1のレッグ314と第2のレッグ316との間で分割される。同様に、2×2カプラ310は、第1のレッグ314及び第2のレッグ316からの光を入力として受け取り、1×2制御可能スイッチ300の第1の出力304及び第2の出力306を出力として使用する。2×2カプラ310の各入力によって受信された光は、対応する所定の分割比に従って第1の出力304と第2の出力306との間で分割される。入力302、第1の出力304、第2の出力306、第1のレッグ314、及び第2のレッグ316は各々導波路であってもよいことを理解されたい。
【0058】
第1の出力304及び第2の出力306に結合される光の相対量は、少なくとも、1)2×2カプラ310に入るときの第1のレッグ314及び第2のレッグ316における光の相対量、2)2×2カプラ310に入るときの第1のレッグ314及び第2のレッグ316における光の間の位相差、及び3)光の波長に依存する。したがって、第1のレッグ314と第2のレッグ316との間の位相差を変化させることは、第1の出力304と第2の出力306との間の光の分布を変化させる。したがって、制御可能位相チューナ312は、第1のレッグ314と第2のレッグ316との間の位相差を選択的に調整するように制御可能であり、それによって、1×2制御可能スイッチが、その第1の出力304とその第2の出力306との間で光を制御可能に分割することを可能にする。例えば、1×2制御可能スイッチは、制御可能位相チューナ312を使用して、光全体を第1の出力304に選択的にルーティングするか、光全体を第2の出力306にルーティングするか、又は光を第1の出力304及び第2の出力306の両方に同時にルーティング(すなわち、目標分割比に従って両方の出力間で光を分割する)してもよい。更に、制御可能位相チューナ312の制御は、1×2制御可能スイッチの所望の出力が測定波長のいずれかに対して達成され得るように、1×2制御可能スイッチに導入される光の波長を考慮するように調整され得る。
【0059】
第1のレッグ314と第2のレッグ316との間の位相差を調整するために、制御可能位相チューナ312は、第1のレッグ314又は第2のレッグ316のいずれかを通過する光の位相を選択的に変調する1つ以上の位相シフタを含む。適切な位相シフタの例としては、例えば、印加電界を用いて(例えば、キャリア注入を介して)導波路の一部の屈折率を変化させる電気光学位相シフタ、導波路の一部の屈折率をその温度を変化させることによって変化させる熱光学位相シフタ、及び可動構造(例えば、懸架導波路)を移動させて導波路とのエバネセント結合の量を変化させる光学機械位相シフタ(例えば、MEMs位相シフタ)が挙げられる。
【0060】
制御可能位相チューナ312は、1つのレッグ(第1のレッグ314又は第2のレッグ316のいずれか)内の光の位相を変化させるように位置付けられた単一の位相シフタを含んでもよく、又は複数の位相シフタ(その各々が独立して制御されてもよい)を含んでもよい。場合によっては、制御可能位相チューナ312は、複数の位相シフタを含み、少なくとも1つの位相シフタは、第1のレッグ314内の光の位相を変化させるように配置され、少なくとも1つの位相シフタは、第2のレッグ316内の光の位相を変化させるように配置される。追加的又は代替的に、制御可能位相チューナ312は、レッグのうちの1つにおいて光の位相を変化させるように配置された複数の位相チューナを含み得る。例えば、図3Aに示す1×2制御可能スイッチ300の変形例では、制御可能位相チューナ312は、第1のレッグ314内の光の位相を変化させるように各々配置された第1の位相シフタ318及び第2の位相シフタ320と、第2のレッグ316内の光の位相を変化させるように配置された第3の位相シフタ322とを含む。
【0061】
複数の位相シフタを含むことは、制御可能位相チューナ312が複数の位相シフタにわたって同調範囲(すなわち、1×2制御可能スイッチ300のための測定波長にわたる異なる出力分布に対処するために必要とされる位相シフトの範囲)を分割することを可能にし得る。これは、制御可能位相チューナ312が位相差を調整することができる速度を増加させてもよく、及び/又は位相差の調整に関連する損失を低減してもよい。追加的又は代替的に、異なる位相シフタが、異なる時間において標的位相差を生成するために使用されてもよい。具体的には、異なるタイプの位相シフタは、速度と光損失との異なるトレードオフを有し得(例えば、熱光学位相シフタは、典型的には無損失であるが、加えられた位相の量に比例する損失を有する特定の電気光学位相シフタと比較した場合、位相を変化させるのがより遅い)、したがって、異なるタイプの位相シフタが、速度と損失とのバランスをとるために利用され得る。
【0062】
例えば、第1の位相シフタは、最初に、第1の損失レベルで目標位相シフト量を提供してもよい。第2の位相シフタはまた、第1の位相シフタよりも低い損失レベルで目標位相シフト量を提供するように制御されてもよいが、この位相シフトを達成するのはより遅い。第1の位相シフタが目標位相シフト量を提供すると、第1の位相シフタは、それが提供する位相シフトを減少させるように制御されてもよく、一方、第2の位相シフタは、提供される位相シフトを同時に増加させる。増減は、この遷移中に目標位相シフト量を維持するように制御されてもよい。その結果、制御可能スイッチは、目標位相シフト量を迅速に提供し、次いで、目標位相シフト量を提供することに関連する損失を徐々に低減することが可能であり得る。
【0063】
他の変形例では、制御可能スイッチは、2×2制御可能スイッチを含む。例えば、図3Bは、2×2制御可能スイッチ324の変形例を示す。2×2制御可能スイッチ324は、1×2カプラ308及び2×2カプラ332に供給する単一の入力302の代わりに、2×2制御可能スイッチ300が、第1の2×2カプラ330及び第2の2×2カプラ310に供給する第1の入力326及び第2の入力328を含むことを除いて、図3Aに関して上述した1×2制御可能スイッチ324と同様である(同様の構成要素には同じ符号が付されている)。図3Bに示すように、第1の2×2カプラ324は、第1の入力326及び/又は第2の入力328からの光を入力として受け取り、第1のレッグ314及び第2のレッグ316を出力として使用する。同様に、第2の2×2カプラ332は、第1のレッグ314及び第2のレッグ316からの光を入力として受け取り、第1の出力304及び第2の出力306を出力として使用する。
【0064】
2×2制御可能スイッチ324の第1の入力326又は第2の入力328のいずれかによって受信された光は、第1の2×2カプラ330によって第1のレッグ314と第2のレッグ316との間で分割される。第2の2×2カプラ332は、第1のレッグ314及び第2のレッグ316から光を受け取り、(図3Aに関してより詳細に説明されるように)光を第1の出力304及び/又は第2の出力306に結合する。制御可能位相チューナ312(第1の2×2カプラ330と第2の2×2カプラ332との間に配置される)は、上述したように、第1のレッグ314内の光と第2のレッグ316内の光との間の位相差を選択的に調整してもよい。調整可能位相チューナ312は、第1のレッグ314内の光の位相を変化させるように配置された第1の位相シフタ318のみを有するものとして図3Bに示されているが、調整可能位相チューナ312は、図3Aの1×2制御可能スイッチ300に関して上述したような任意の方法で構成してもよいことを理解されたい。第1のレッグ314と第2のレッグ316との間の位相差を調整することによって、2×2制御可能スイッチ324は、その入力のうちの1つ(例えば、第1の入力326又は第2の入力328)から受信された光を取り込み、光を完全に第1の出力304に、完全に第2の出力306に、又は同時に第1の出力304及び第2の出力306の両方に選択的にルーティングし得る(すなわち、目標分割比に従って出力間で分割される)。
【0065】
いくつかの事例では、制御可能スイッチはまた、制御可能スイッチによって受信された光の一部をタップオフするように構成されてもよい。これは、多段光ネットワークスイッチが上述のように波長ロックユニットに光を通過させるために使用される場合に望ましいことがある。図3Cは、2×2制御可能スイッチ334の1つのそのような例を示す。2×2制御可能スイッチ334は、図3Aの2×2制御可能スイッチ310と同様に構成されている(同様の構成要素には同じ符号が付されている)が、2×2制御可能スイッチ334は、制御可能スイッチ334のレッグから別個の導波路338に光の一部を抽出するタップ336(例えば、光導波路タップ)を含む点が異なる。導波路338は、光を光学測定システムの別の部分(例えば、本明細書で議論されるような波長ロックユニット)に搬送してもよい。位相シフタを有するレッグ(図3Cの第1のレッグ314)から光をタップするように示されているが、タップ336は、代替的に、位相シフタを含まないレッグ(図3Cの第2のレッグ316)から光をタップしてもよい。
【0066】
制御可能スイッチのレッグから光を抽出するためにタップを配置することは、波長依存位相シフトを制御可能スイッチのレッグに導入し得る。制御可能位相チューナ312は、制御可能スイッチを現在通過している光の波長に応じて、この波長依存位相シフトを考慮するように制御されてもよいが、これは、制御可能スイッチを動作させるために使用される制御方式に複雑さを追加し得る。これに対処するために、いくつかの変形例では、制御可能スイッチは、各タップが制御可能スイッチの対応するレッグから光の一部分を抽出するように、2つのタップを含むように構成され得る。
【0067】
図3Dは、2×2制御可能スイッチ340の1つのそのような例を示す。2×2制御可能スイッチ340は、2×2制御可能スイッチ340が追加のタップ342(例えば、光導波路タップ)を含むことを除いて、図3Cの2×2制御可能スイッチ334と同様に構成される(同様の構成要素には同じ符号が付されている)。第1のタップ336は、制御可能スイッチ340の第1のレッグ314を通って移動する光の一部を第1の別個の導波路338に抽出し、第2のタップ342は、制御可能スイッチ340の第2のレッグ316を通って移動する光の一部を第2の別個の導波路344に抽出する。第1のタップ336及び第2のタップ342は、第1のレッグ314及び第2のレッグ316の各々において同じ波長依存位相変化を提供するように構成され得る。例えば、場合によっては、第1のタップ336及び第2のタップ342は同一であってもよく、それにより、これらのタップはそれぞれ第1のレッグ314及び第2のレッグ316から同じ割合の光を抽出し、同じ波長依存位相変化を第1のレッグ314及び第2のレッグ316に導入する。
【0068】
第1及び第2の導波路338、344は、光を光学測定システムの別の部分(例えば、本明細書で議論されるような波長ロックユニット)に搬送してもよい。例えば、いくつかの変形例では、第1のタップ336及び第2のタップ342は、波長ロックユニットなどの単一の構成要素に光をルーティングする。波長ロックユニットの設計に応じて、第1及び第2の導波路338、344は、波長ロックユニットへの別個の入力を形成してもよく、又は波長ロックユニットへの単一の入力を形成するために多重化されてもよく、又は他の方法で組み合わされてもよい(例えば、検出器が第1及び第2のタップ336、342の両方から収集された光を測定するように、第1及び第2のタップ336、342からの光を波長ロックユニットの共通検出器に向けてもよい)。第1の導波路338及び第2の導波路344からの光が組み合わせられる場合、導波路の一方又は両方が、第1の導波路338と第2の導波路344との間の光の相対位相を制御するために使用され得る、制御可能位相チューナ(本明細書に説明されるような)を含むことが望ましくあり得る。他の変形例では、第1のタップ336及び第2のタップ342は、光を光学測定システムの異なる部分にルーティングする。例えば、第1のタップ336は、光を波長ロックシステムにルーティングしてもよく、第2のタップ336は、光を第2の波長ロックシステム又は異なる構成要素(較正、起動プロセスを実行するか、又はシステム性能を監視する光学測定システムの一部など)にルーティングする。
【0069】
多段光スイッチネットワークにおける制御可能スイッチの数及び配置は、多段光スイッチネットワークの入力及び出力の所望の数に少なくとも部分的に基づいて決まる。例えば、図4は、1つの入力401及び4つの出力403A~403Dを有する多段光スイッチネットワーク402を有する光学測定システム400の変形例の一部を示す。そこに示されるように、光学測定システム400はまた、光源ユニット404及び複数の発射グループ406A~406Dを備え、それらの各々は、多段光スイッチネットワーク402の対応する出力に光学的に接続される。図示されていないが、光学測定システム400は、図1A図2に関して上述した光学測定システムの他の構成要素(例えば、複数の検出器グループ、コントローラ)のいずれかを備えてもよい。
【0070】
光源ユニット404は、多段光スイッチネットワーク402の入力401に光学的に接続された単一の出力を有する。光源ユニット404の出力は、図4では別個にラベル付けされておらず、光学測定システム400は、上述したような多段光スイッチネットワーク402の出力と入力401との間に追加の構成要素を任意選択で含んでもよいことを理解されたい。図4に示される光源ユニット404の変形例では、光源ユニット404は、複数の光源の出力を共通出力(すなわち、光源ユニット404の出力)に組み合わせるマルチプレクサ410に接続される複数の光源(408-1~408-Nとラベル付けされる)を含む。したがって、光源ユニット404は、複数の光源408-1~408-Nのいずれかによって生成された光を多段光スイッチネットワーク402に出力してもよい。N個の光源の各々が、少なくとも他の光源から固有の波長を放射することができる場合、光源ユニット404は、少なくともN個の異なる波長の光を生成することができる。
【0071】
多段光スイッチネットワーク402は、1×2制御可能スイッチ416を有する第1の段414と、第1の1×2制御可能スイッチ420及び第2の1×2制御可能スイッチ422を有する第2の段418とを含む。第1の段414の1×2制御可能スイッチ416は、入力401から光を受信し(すなわち、多段光スイッチネットワーク402の入力401は、1×2制御可能スイッチ416への入力として機能する)、第2の段418に光を出力する。具体的には、第1の導波路424は、第1の段414の1×2制御可能スイッチ416の第1の出力を第2の段418の第1の1×2制御可能スイッチ420の入力に接続する。同様に、第2の導波路426は、第1の段414の1×2制御可能スイッチ416の第2の出力を第2の段418の第2の1×2制御可能スイッチ422の入力に接続する。第2の段418の第1の1×2制御可能スイッチ420の出力は、多段光スイッチネットワーク402の第1の出力403A及び第2の出力403Bを形成し、第2の段418の第2の1×2制御可能スイッチ422の出力は、多段光スイッチネットワーク402の第3の出力403C及び第2の出力403Dを形成する。いくつかの事例では、1×2制御可能スイッチのうちの1つ以上は、図3C及び3Dに関して説明されるようなタップ又はタップのセット(図示せず)を備え、それは、多段光スイッチネットワーク402によって受信される光の一部をタップオフするために使用されてもよい(例えば、前述のような波長安定化/ロックのために)。第1の段の1×2制御可能スイッチ416がタップを含む場合、タップは、多段光スイッチネットワーク402がその出力403A~403Dにどのように光をルーティングするように構成されているかにかかわらず、光源ユニット404によって生成された光を受け取ることができる。
【0072】
図4に示す多段光スイッチネットワーク402は、4つの潜在的な出力構成を有し、出力403A~403D(及び関連する発射グループ406A~406D)のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つに同時に光を選択的にルーティングするように制御してもよい。例えば、入力401からの光を第1の出力403A及び第1の発射グループ406Aのみに(すなわち、1つの同時出力の出力構成)ルーティングするために、第1の段414の1×2制御可能スイッチ416は、入力光を第1の導波路424のみに(したがって、第2の段418の第1の1×2制御可能スイッチ420のみに)ルーティングするように制御される。第2の段418の第1の1×2制御可能スイッチ420も同様に制御されて、それが受信する光を第1の出力403Aのみにルーティングする。多段光スイッチネットワークは、同様に、1つの同時出力の出力構成であるが、異なるセットの出力(第2の出力403Bのみ、第3の出力403Cのみ、又は第4の出力403Dのみ)に、したがって異なるそれぞれのセットの発射グループ(第2の発射グループ406Bのみ、第3の発射グループ406Cのみ、又は第4の発射グループ406Dのみ)に光を選択的にルーティングするように制御され得る。
【0073】
入力光を全ての4つの出力403A~403D及び全ての4つの発射グループ406A~406Dに同時に(すなわち、4つの同時出力の出力構成)ルーティングするために、第1の段414の1×2制御可能スイッチ416は、入力光を第1の導波路424と第2の導波路426との間で分割するように制御される。第2の段418の第1の1×2制御可能スイッチ420は、第1の出力403Aと第2の出力403Bとの間で受信する(すなわち、第1の導波路424を介して)光を分割するように制御される。同様に、第2の段418の第2の1×2制御可能スイッチ422は、第3の出力403Cと第4の出力403Dとの間で(すなわち、第2の導波路426を介して)受信する光を分割するように制御される。制御可能制御可能スイッチがそれらの出力間で光を均等に分割する場合、全ての4つの出力403A~403D(したがって、全ての4つの発射グループ406A~406D)は、等しい量の光を受け取ってもよい(ただし、異なる分割比を使用して、4つの出力403A~403Dと対応する発射グループ406A~406Dとの間で不均等な光分布を生成してもよいことを理解されたい)。同様の原理を適用して、光を出力403A~403Dのうちの2つ又は3つに同時に(すなわち、それぞれ2つ又は3つの同時出力の出力構成)選択的にルーティングしてもよい。
【0074】
図5は、2つの入力501A、501B及び4つの出力503A~503Dを有する多段光スイッチネットワーク502を含む光学測定システム500の別の変形例を示す。そこに示されるように、光学測定システム500はまた、光源ユニット504と、複数の発射グループ506A~506Dとを備え、その各々は、多段光スイッチネットワーク502の対応する出力503A~503Dにそれぞれ光学的に接続される。図示されていないが、光学測定システム500は、図1A図2に関して上述した光学測定システムの他の構成要素(例えば、複数の検出器グループ、コントローラ)のいずれかを備えてもよい。
【0075】
光源ユニット504は、多段光スイッチネットワーク502の入力に光学的に接続された2つの出力を有する。具体的には、第1の光源ユニット504は、多段光スイッチネットワーク501の第1の入力502Aに光学的に接続された第1の出力と、多段光スイッチネットワーク501の第2の入力502Bに光学的に接続された第2の出力とを有する。光源ユニット504の第1及び第2の出力は、図5では別々にラベル付けされておらず、光学測定システム500は、上述したように、光源ユニット504の任意の出力と、多段光スイッチネットワーク502のその対応する入力との間に追加の構成要素を任意選択で含んでもよいことを理解されたい。
【0076】
光源ユニット504は、その出力の各々に光学的に接続された1つ以上の光源を有する。図5に示す光源ユニット504の変形例では、光源ユニット504は、第1のマルチプレクサ510に接続された第1の複数の光源508-1~508-Nと、第2のマルチプレクサ514に接続された第2の複数の光源512-1~512-Mとを含む。第1のマルチプレクサ510は、第1の複数の光源の出力を第1の共通出力(すなわち、光源ユニット504の第1の出力)に結合し、第2のマルチプレクサ514は、第2の複数の光源の出力を第2の共通出力(すなわち、光源ユニット504の第2の出力)に結合する。したがって、光源ユニット504は、第1の複数の光源及び第2の複数の光源のいずれかからの光を多段光スイッチネットワーク502に出力してもよい。第1の複数の光源のN個の光源及び第2の複数の光源のM個の光源の各々が、他の光源に対して固有の少なくとも1つの波長を放射することができる場合、光源ユニット504は、少なくともN+M個の異なる波長の光を生成することができる。異なるマルチプレクサ間で光源を分割することは、光源ユニットが、光源を多重化することに関連する光損失を低減しながら、より広い範囲の波長を生成することを可能にし得る。
【0077】
多段光スイッチネットワーク502は、2×2制御可能スイッチ516を有する第1の段515と、第1の1×2制御可能スイッチ520及び第2の1×2制御可能スイッチ522を有する第2の段518とを含む。多段光スイッチネットワーク502の第1の入力501A及び第2の入力501Bは、2×2制御可能スイッチ516への入力として機能する。したがって、2×2制御可能スイッチ516は、いずれかの入力から光を受け取り、光を第2の段518にルーティングすることができる。具体的には、第1の導波路524は、2×2制御可能スイッチ516の第1の出力を第2の段518の第1の1×2制御可能スイッチ520の入力に接続する。同様に、第2の導波路526は、2×2制御可能スイッチ516の第2の出力を第2の段518の第2の1×2制御可能スイッチ522の入力に接続する。第2の段518の第1の1×2制御可能スイッチ520の出力は、多段光スイッチネットワーク502の第1の出力503A及び第2の出力503Bを形成し、第2の段518の第2の1×2制御可能スイッチ522の出力は、多段光スイッチネットワーク502の第3の出力503C及び第2の出力503Dを形成する。
【0078】
いくつかの事例では、多段光スイッチネットワーク502の制御可能スイッチのうちの1つ以上は、図3Cに関して説明したようなタップを含む。例えば、図5に示される変形例では、2×2制御可能スイッチ516は、タップ528を備える。タップ528は、上述したように、2×2制御可能スイッチ516によって受信された光の一部をタップオフしてもよく、この光を本明細書で説明するような波長ロックユニット530にルーティングしてもよい。多段光スイッチネットワーク502に入る全ての光は、2×2制御可能スイッチ516を通過するので、タップ528は、光学測定システム500が、波長ロックユニット530を使用して、光源ユニット504によって生成され、多段光スイッチネットワーク502によって受信される光の任意の波長を安定化させることを可能にし得る。
【0079】
他の事例では、2×2制御可能スイッチ516は、図3Dに関して本明細書で説明されるような複数のタップを備えることを理解されたい。これらの事例では、2×2制御可能スイッチ516は、タップ538、538が2×2制御可能スイッチ516の異なるレッグから光を抽出するように、第2のタップ528を含む。第2のタップ538は、2×2制御可能スイッチ516からの光を、図5に示すような第2の波長ロックユニット540に、第1の波長ロックユニット530に、又は本明細書で説明するような更に別の構成要素にルーティングしてもよい。
【0080】
多段光スイッチネットワーク502は、4つの潜在的な出力構成を有し、第1の入力501A又は第2の入力501Bのいずれかによって受信された光を取り込み、同時に出力503A~503D(及び関連する発射グループ506A~506D)のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つに光を選択的にルーティングするように制御され得る。例えば、第1の入力501Aからの光を第1の出力503A及び第1の発射グループ506Aのみにルーティングするために、2×2制御可能スイッチ516は、第1の入力501Aから受信した光を第1の導波路524のみにルーティングするように制御される。第2の段518の第1の1×2制御可能スイッチ520も同様に制御されて、それが受信する光を第1の出力503Aのみにルーティングする。代わりに第2の入力501Bから光をルーティングするために、2×2制御可能スイッチ516は、第2の入力501Bから受信した光を代わりに第1の導波路524のみにルーティングするように切り替えられ得る。このようにして、多段出力スイッチネットワーク502は、光源ユニット504からの任意の光源から光を取り込み、それを(第1の入力501A又は第2の入力501Bのいずれかを介して)目標セットの出力及び1つの同時の出力構成における対応する発射グループ(第1の出力503A及び第1の発射グループ506A、第2の出力503B及び第2の発射グループ506B、第3の出力503C及び第3の発射グループ506C、又は第4の出力503D及び第4の発射グループ506Dのいずれか)にルーティングすることができる。
【0081】
光源ユニット504から受信した光を4つの出力503A~503Dの全て及び4つの発射グループ506A~506Dの全てに同時に(すなわち、4つの同時出力の出力構成)ルーティングするために、2×2制御可能スイッチ516は、1つの入力(第1の入力501A又は第2の入力501Bのいずれか)から受信した光を第1の導波路524と第2の導波路526との間で同時に分割するように制御される。第2の段518の第1の1×2制御可能スイッチ520は、第1の出力503Aと第2の出力503B(したがって、第1の発射グループ506A及び第2の発射グループ506B)との間で同時に、それが受信する(すなわち、第1の導波路524を介して)光を分割するように制御される。同様に、第2の段518の第2の1×2制御可能スイッチ522は、第3の出力503Cと第4の出力503D(したがって、第3の発射グループ506C及び第4の発射グループ506D)との間で同時に、それが受信する(すなわち、第2の導波路526を介して)光を分割するように制御される。制御可能スイッチの全てがそれらの出力間で光を均等に分割する場合、4つの出力503A~503Dの全て(及び4つの発射グループ506A~506Dの全て)は、等しい量の光を受け取ってもよい(ただし、異なる分割比を使用して、4つの出力503A~503D間で不均等な光分布を生成してもよいことを理解されたい)。同様の原理を適用して、光を出力503A~503Dのうちの2つ又は3つに同時に(すなわち、それぞれ2つ又は3つの同時出力の出力構成)選択的にルーティングしてもよい。
【0082】
図6は、4つの入力601A~601D及び4つの出力603A~603Dを有する多段光スイッチネットワーク602を含む光学測定システム600の更に別の変形例を示す。そこに示されるように、光学測定システム600はまた、光源ユニット604及び複数の発射グループ606A~606Dを備え、それらの各々は、多段光スイッチネットワーク602の対応する出力に光学的に接続される。図示されていないが、光学測定システム600は、図1A図2に関して上述した光学測定システムの他の構成要素(例えば、複数の検出器グループ、コントローラ)のいずれかを備えてもよい。
【0083】
光源ユニット604は、多段光スイッチネットワーク602の入力に光学的に接続された4つの出力を有する。具体的には、第1の光源ユニット604は、多段光スイッチネットワーク601の第1の入力602Aに光学的に接続された第1の出力と、第2の入力601Bに光学的に接続された第2の出力と、第3の入力601Cに光学的に接続された第3の出力と、第4の入力601Dに光学的に接続された第4の出力とを有する。光源ユニット604の出力は、図6では別々にラベル付けされておらず、光学測定システム600は、上述したように、光源ユニット604の任意の出力と、多段光スイッチネットワーク602の対応する入力との間に追加の構成要素を任意選択で含んでもよいことを理解されたい。
【0084】
光源ユニット604は、その出力の各々に光学的に接続された1つ以上の光源を有する。図6に示す光源ユニット604の変形例では、光源ユニット604は、第1のマルチプレクサ610に接続された第1の複数の光源608-1~608-Nと、第2のマルチプレクサ614に接続された第2の複数の光源612-1~612-Mと、第3のマルチプレクサ618に接続された第3の複数の光源616-1~616-Pと、第4のマルチプレクサ621に接続された第4の複数の光源620-1~620-Qとを含む。これらのマルチプレクサの各々は、その関連付けられた複数の光源の出力を、(光源ユニット604の4つの出力を集合的に形成する)共通出力に結合する。したがって、光源ユニット604は、4つの複数の光源のいずれかから光を出力してもよい。4つの複数の光源からの光源の各々が、他の光源に対して固有の少なくとも1つの波長の光を放射することができる場合、光源ユニット604は、少なくともN+M+P+Q個の異なる波長の光を生成することができる。異なるマルチプレクサ間で光源を分割することは、光源ユニットが、光源を多重化することに関連する光損失を低減しながら、より広い範囲の波長を生成することを可能にし得る。
【0085】
多段光スイッチネットワーク602は、第1の2×2制御可能スイッチ624及び第2の2×2制御可能スイッチ626を有する第1の段622と、第1の2×2制御可能スイッチ630及び第2の2×2制御可能スイッチ632を有する第2の段628とを含む。これらの制御可能スイッチの各々は、2つの入力及び2つの出力を有し、上述したように、入力の1つによって受信された光をいずれかの出力又は両方の出力に同時に選択的にルーティングすることができる。多段光スイッチネットワーク602の第1の入力601A及び第2の入力601Bは、第1の段622の第1の2×2制御可能スイッチ624への入力として機能する。同様に、多段光スイッチネットワーク602の第3の入力601C及び第4の入力601Dは、第1の段622の第2の2×2制御可能スイッチ626への入力として機能する。したがって、多段光スイッチネットワーク602の各入力は、第1の段622の第1の2×2制御可能スイッチ624又は第2の2×2制御可能スイッチ626のいずれかにルーティングされる。
【0086】
第1の段622の制御可能スイッチの各々は、第2の段628の制御可能スイッチの一方又は両方に光をルーティングする。具体的には、第1の導波路634は、第1の段622の第1の2×2制御可能スイッチ624の第1の出力を、第2の段628の第1の2×2制御可能スイッチ630の第1の入力に接続する。第2の導波路636は、第1の段622の第1の2×2制御可能スイッチ624の第2の出力を、第2の段628の第2の2×2制御可能スイッチ632の第1の出力に接続する。同様に、第3の導波路638は、第1の段622の第2の2×2制御可能スイッチ626の第1の出力を、第2の段628の第1の2×2制御可能スイッチ630の第2の入力に接続する。第4の導波路640は、第1の段622の第2の2×2制御可能スイッチ626の第2の出力を、第2の段628の第2の2×2制御可能スイッチ632の第2の出力に接続する。第2の段628の第1の2×2制御可能スイッチ630の出力は、多段光スイッチネットワーク602の第1の出力603A及び第2の出力603Bを形成し、第2の段628の第2の2×2制御可能スイッチ632の出力は、多段光スイッチネットワーク602の第3の出力603C及び第4の出力603Dを形成する。
【0087】
いくつかの事例では、多段光スイッチネットワーク602の制御可能スイッチのうちの1つ以上は、図3Cに関して説明したようなタップを含む。例えば、図6に示す変形例では、第1の段622の第1の2×2制御可能スイッチ624は第1のタップ642を含み、第1の段622の第2の2×2制御可能スイッチ626は第2のタップ644を含む。第1のタップ642は、(例えば、第1の複数の光源又は第2の複数の光源のうちの1つの光源から)第1の段622の第1の2×2制御可能スイッチ624によって受信された光の一部をタップオフし、この光を上述したような第1の波長ロックユニット646にルーティングし得る。同様に、第2のタップ644は、(例えば、第3の複数の光源又は第4の複数の光源のうちの1つの光源から)第1の段622の第2の2×2制御可能スイッチ626によって受信された光の一部をタップオフし、この光を第2の波長ロックユニット648にルーティングし得る。光学測定システム600は、2つの別個の波長ロックユニットを有するものとして図6に示されているが、他の変形例では、第1のタップ642及び第2のタップ644は、光を単一の波長ロックユニットにルーティングする(例えば、第1のタップ642及び第2のタップ644からの光は、単一の導波路に多重化され得る)。多段光スイッチネットワーク602に入る全ての光は、第1の段の制御可能スイッチのいずれかを通過するので、第1のタップ642及び第2のタップ644は集合的に、光学測定システム600が、光源ユニット604によって生成され、多段光スイッチネットワーク602によって受信される任意の波長を安定させることを可能にし得る。第1及び第2の2×2制御可能スイッチ624、626のいずれか又は両方が、図3Dに関して本明細書で説明したような追加のタップを含み得ることを理解されたい。
【0088】
多段光スイッチネットワーク602は、4つの潜在的な出力構成を有し、4つの入力601A~601Dのうちの任意の入力によって受信された光を取り込み、それを出力603A~603D(及びそれらの関連する発射グループ606A~606D)のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つに同時にルーティングするように制御され得る。例えば、第1の入力601A又は第2の入力601Bのいずれかからの光を第1の出力603A及び第1の発射グループ606Aのみにルーティングするために(すなわち、1つの同時出力の出力構成)、第1の段622の第1の2×2制御可能スイッチ624は、それが受信する光を第1の導波路634のみの選択された入力にルーティングするように制御される。第2の段628の第1の2×2制御可能スイッチ630は、第1の導波路634から受信した光を第1の出力603Aのみに(したがって第1の発射グループ606Aに)ルーティングするように同様に制御される。代わりに、第3の入力601C又は第4の入力601Dのいずれかから光をルーティングするために、第1の段622の第2の2×2制御可能スイッチ626は、その入力において受信する光を第3の導波路638のみにルーティングするように制御される。第2の段628の第1の2×2制御可能スイッチ630は、第3の導波路638から受信した光を第1の出力603Aのみにルーティングするように制御される。このようにして、多段出力スイッチネットワーク602は、光源ユニット604からの任意の光源から光を取り出し、それを第1の出力603A及び第1の発射グループ606Aにルーティングすることができる。多段光スイッチネットワーク602はまた、光源ユニット604の任意の光源からの光を、1つの同時出力(第2の出力603B及び第2の発射グループ606B、第3の出力603C、又は第4の出力603Dのいずれか)の出力構成で、任意の他のセットの出力及び対応するセットの発射グループにルーティングするように制御されてもよい。同様の原理を適用して、出力603A~603Dのうちの2つ、3つ、又は4つを含む出力のセット(すなわち、2つ、3つ、又は4つの同時出力の出力構成)に同時に光を選択的にルーティングしてもよい。
【0089】
本明細書で説明される多段光スイッチネットワークの場合、個々の制御可能スイッチがどのように制御されるかは、多段光スイッチネットワークのどの入力及び出力がそれぞれ光を受信及び出力するか、及びどの波長の光が多段光スイッチネットワークによって受信されるかに依存する。したがって、スイッチの制御は、所望の出力を達成するためにこれらのパラメータのいずれかが変化するにつれて修正される。各制御可能スイッチは、それ自体のデフォルトの分割挙動を有し(すなわち、それが能動的に制御されていないとき)、したがって、多段光スイッチネットワークは、その制御可能スイッチのデフォルトの挙動に基づくそれ自体のデフォルトのルーティング構成を有する。制御可能スイッチは、多段光スイッチネットワークのための所望のルーティング構成を達成するように設計されてもよい。例えば、いくつかの事例では、制御可能スイッチのデフォルトのスイッチング挙動は、所定の測定シーケンス中に測定波長の各波長をルーティングするように多段光スイッチネットワークを制御することに関連する平均損失を最小化するように選択される。他の事例では、多段光スイッチネットワークをそのデフォルトのルーティング構成から別のセットのルーティング構成(所定の測定シーケンス中に使用されるルーティング構成の全範囲のサブセットであってもよい)に変更するのにかかる平均時間を最小化することが望ましい場合がある。
【0090】
上述した多段光スイッチネットワークの原理は、任意の数の入力及び出力の組み合わせをルーティングするネットワークを提供するように拡張されてもよいことを理解されたい。入力及び/又は出力の数が増加するにつれて、多段光スイッチネットワークは、各入力と複数の出力との間の異なる可能なルーティング経路を提供するために、追加の段及び/又は各段内の制御可能スイッチを含んでもよい。例えば、4つより多い入力及び/又は4つより多い出力を収容するために、多段光スイッチネットワークは、3つ以上の段を含むように構成されてもよく、段のうちの少なくとも1つは、少なくとも3つの制御可能スイッチを含んでもよい。したがって、これらの多段光スイッチネットワークは、広範囲の可能な光学測定システム設計と共に使用されて、ある範囲の異なる出力構成を達成してもよい。
【0091】
上述のように、本明細書で説明される光学測定システムは、サンプルの1つ以上の特性を測定するために使用されることができる。具体的には、光学測定システムは、測定シーケンスを実行して、サンプルの1つ以上の特性を決定するために使用され得る複数の出力信号を生成し得る。これらの測定シーケンスは繰り返されてもよく、連続的な測定シーケンスに関連する複数の出力信号は、サンプルの1つ以上の特性を決定するために集合的に使用されるか、又は後の時点でサンプルの1つ以上の特性の連続的な決定を実行するために使用される。測定シーケンスの1つ以上のパラメータは、以下でより詳細に説明するように、後続の測定シーケンスを実行する前に更新され得る。
【0092】
各測定シーケンスは、各々が少なくとも1つの出力信号(測定シーケンスの複数の出力信号を集合的に形成する)を生成する複数の個々の測定を含む。各個々の測定は、少なくとも1つの個々の測定が複数の波長の各々に対して実行されるように、対応する波長で実行される(すなわち、光は、個々の測定の一部の間に対応する波長で光学測定システムから生成及び放射される)。測定シーケンスの個々の測定の結果(すなわち、複数の出力信号)は、サンプルの1つ以上の特性を導出するために使用される(例えば、分光分析技法を使用して)。光学測定システムは、当業者によって容易に理解されるように、広範囲の分析技法を促進してもよく、したがって、複数の異なる波長で取得された測定を使用してサンプルから特性を導出するための個々の技法は、本明細書では議論されない。
【0093】
図7は、複数の異なる波長を使用して測定シーケンスを実行する方法700を示す。この方法700は、本明細書で説明する光学測定システムのいずれかによって実行してもよい。最初に、方法700は、ステップ702において複数の波長を選択することを含む。複数の波長は、サンプルを測定するために使用される波長であり、測定されることになる予想されるサンプル、並びにサンプルから決定されることになる所望の1つ以上の特性に応じて選択され得る。例えば、上述のような光源ユニットを有する光学測定システムが測定シーケンスを実行するために使用される場合、複数の波長は、光源ユニットが生成してもよい波長のサブセットであってもよい。これらの波長の異なるサブセットが、異なる測定シナリオのために選択され得る。いくつかの事例では、複数の波長を選択することは、1セットの予備出力信号を生成するために1セットの予備測定を実行すること(例えば、1つ以上の波長を使用して)と、1セットの予備出力信号を使用して複数の波長を選択することとを含む。例えば、予備測定は、複数の波長を選択する際に使用され得る、サンプルのある特性の初期特徴付け又は推定を可能にし得る。
【0094】
複数の波長が選択されると、ステップ704において、複数の波長が複数のグループに分割される。各グループ(したがって、そのグループ内の各波長)は、異なる対応する出力構成に関連付けられる。グループの数は、測定シーケンスに対していくつの異なる出力構成が所望されるかに依存してもよく、所与の光学測定システムによって達成され得る全ての出力構成を利用する必要はない。例えば、光学測定システムが4つの発射グループを有する場合、複数の波長は、各々が異なる対応する出力構成に関連付けられた2つ、3つ、又は4つの異なるグループに分割されてもよい。場合によっては、所与の波長のグループへの割り当ては、どのノイズ源が、その波長で行われた個々の測定のSNRを制限すると予想されるかに基づいてもよい。
【0095】
例えば、いくつかの事例では、各波長で取得された測定のSNRを最大化することが望ましい場合がある。特定の波長は、出力構成にかかわらず、基本ノイズによって制限され得る。これらの波長は、最も微細な出力構成を有する(すなわち、光が最も少ない数の発射グループにわたって分割される)グループに割り当てられてもよく、これは、次に、これらの波長におけるSNRを改善し得る。非限定的な例として、これらの波長は、1つの同時出力の出力構成を有するグループに割り当てられてもよく、それにより、1つの発射グループのみが一度に光を受け取り、所与の光源によって生成された光の全て(光学測定システムに関連する任意の損失を差し引いたもの)を受け取る。
【0096】
逆に、他の波長は、測定の出力構成にかかわらず、異なるノイズ源(例えば、コヒーレントノイズ)によって制限され得る。これらの波長は、最も粗い出力構成(すなわち、光が同時に大部分の発射グループにわたって分割される)を伴うグループに割り当てられてもよく、これは、より高い出力構成(すなわち、より多数の同時出力)において別個の測定を行うことと比較して、時間及び電力を節約し得る。非限定的な例として、これらの波長は、4つの同時出力の出力構成を有するグループに割り当てられてもよい。各発射グループは、1つの同時出力の出力構成を有する発射グループにおける測定の場合よりも少ない光を受け取るが、依然として同等のSNRをもたらしてもよい。複数の発射グループ間で光を同時に分割することによって、そのような測定は、より微細な出力構成のための複数の測定と比較して、発射グループの全てを測定するために必要とされる時間を短縮し、電力を節約する。
【0097】
更に他の波長は、いくつかの出力構成における基本ノイズによって制限され得るが、他の出力構成における他のノイズ源(例えば、コヒーレントノイズ)によって制限され得る。これらの波長は、測定がもはや基本ノイズによって制限されない出力構成に対応するグループに割り当られてもよい。例えば、波長は、4つの同時出力の出力構成で行われる測定については基本ノイズによって制限されてもよいが、その代わりに、2つの同時出力の出力構成で行われる測定については基本ノイズによって制限される。これらの事例では、2つの同時出力の出力構成に対応するグループに波長を割り当てることが望ましい場合がある(これは、1つの同時出力の出力構成による個々の測定と比較して、依然として時間及び電力を節約してもよい)。説明のための例に過ぎず、本明細書で説明する測定を実行するためのSNR、電力消費、及び時間要件の任意の所望のトレードオフを達成するために、波長を異なるグループに割り当てられてもよいことを理解されたい。
【0098】
場合によっては、複数の波長の各波長は、所与の測定シーケンスのために割り当てられる(複数のグループのうちの)デフォルトのグループを有する。場合によっては、サンプルに関連付けられた1つ以上のパラメータが、複数の波長を複数のグループに分割する際に使用されてもよい(これは、デフォルトの挙動からの逸脱をもたらし得る)。例えば、サンプルのある特性(例えば、散乱係数又は吸収係数、サンプルの材料タイプ)が、波長を分割する際に使用されてもよい。いくつかの事例では、この情報は、事前に知られ得る(例えば、サンプルを測定する前に手動で入力される、又は同じサンプルの以前の測定から保存される)。
【0099】
追加的又は代替的に、1セットの予備測定を使用して、複数の波長を複数のグループに分割する際に使用される対応するセットの出力信号を生成してもよい。1セットの予備測定(「第1のセットの予備測定」)が複数の波長を選択することの一部として実行される場合、複数の波長を分割するために使用される1セットの予備補正(「第2のセットの予備測定」)は、第1のセットの予備測定の一部又は全部を含んでもよい。追加的又は代替的に、第2のセットの予備測定は、1つ以上の追加の予備測定を含む。例えば、予備測定の出力信号を使用して、発射グループ(単数又は複数)に関連付けられた検出器グループ(単数又は複数)の1つ以上の検出器における光パワーのメトリック(すなわち、信号強度)を決定してもよい。この光パワーのメトリック(例えば、単一の検出器によって測定された光パワー、複数の異なる検出器によって測定された光パワーの平均又は他の組み合わせ)は、複数のグループのうちのどれに波長が割り当てられるかを決定する際に使用され得る。例えば、このメトリックが所与の波長について所定の閾値を下回る場合、その波長は、そのデフォルトグループよりも微細な出力構成を有するグループに割り当てられてもよい。予備測定を使用して測定された各波長(集合的に、複数の波長のサブセットのみであり得る)は、その波長がどのグループに割り当てられるべきかを決定するためのそれ自体の閾値のセットを有し得ることを理解されたい。
【0100】
複数の波長の各波長に対して、方法700は、ステップ706において、複数の波長における各波長に対してサンプルの1セットの個々の測定を実行することを含み、各セットの個々の測定は、波長に対応する出力構成で実行される。対応するセットの出力信号は、各セットの個々の測定に対して生成され、したがって、測定シーケンスは、これらの対応するセットの出力信号から構成される複数のセットの出力信号を生成する。
【0101】
一例として、複数の波長グループは、第1の出力構成に関連付けられた第1のグループと、第2の出力構成に関連付けられた第2のグループとを含む。第1のグループ内の各波長について、対応する測定のセットが第1の出力構成で実行される(例えば、サンプルの第1のセットの測定が第1のグループ内の第1の波長について実行される)。これは、波長(例えば、第1の波長)で光を生成することと、複数の発射グループから選択された対応するセットの発射グループ(第1の出力構成に対応する第1の数の発射グループを有する対応するセット)から生成された光を放射することと、複数の検出器グループから選択された対応するセットの検出器グループ(第1の数の検出器グループを有する対応するセット)を使用して、生成された光の放射中に受け取られた戻り光を測定することとを含む。
【0102】
同様に、第2のグループ内の各波長について、対応する測定のセットが第1の出力構成で実行される(例えば、サンプルの第2のセットの測定が第2のグループ内の第2の波長について実行される)。これは、波長(例えば、第2の波長)で光を生成することと、複数の発射グループから選択された対応するセットの発射グループ(第2の出力構成に対応する第2の数の発射グループを有する対応するセット)から生成された光を放射することと、複数の検出器グループから選択された対応するセットの検出器グループ(第2の数の検出器グループを有する対応するセット)を使用して、生成された光の放射中に受け取られた戻り光を測定することとを含む。
【0103】
いくつかの事例では、1セットの個々の測定は、異なる対応するセットの発射グループ及び異なる対応するセットの検出器を有する複数の測定を含む。すぐ上で説明した例では、第1の波長で取得された第1のセットの測定は、複数の測定を含んでもよく、各測定は、(第1の出力構成を依然として維持しながら)異なる固有のセットの発射グループを有してもよい。同様に、各発射グループは対応する検出器グループに関連付けられているので、複数の測定は各々、異なる固有のセットの検出器グループを使用してもよい。
【0104】
追加的又は代替的に、波長に対する1セットの個々の測定は、各発射グループを使用して少なくとも1つの測定を集合的に実行する。具体的には、所与の出力構成で個々の測定を実行することは、いくつかの発射グループ(及びこれらの発射グループに関連付けられた発射サイト)からサンプルに向かって光を放射することを含み、発射グループの数は、所与の出力構成に対応する。例えば、光学測定システムが4つの発射グループを有する場合、光が4つ全ての発射グループの間で同時に分割される場合、波長に対する1セットの個々の測定は、単一の個々の測定を含み得る。光が2つの発射グループ間で同時に、又は3つの発射グループ間で同時に分割される場合、別の波長についての1セットの個々の測定は、2つの個々の測定を含んでもよい。更に別の波長についての1セットの個々の測定は、光が一度に1つの発射グループのみに送信される場合、4つの個々の測定を含み得る(すなわち、各発射グループについて1つの測定)。このようにして、測定シーケンスは、複数の発射グループの各々が複数の波長の全てを測定するために使用されることを保証してもよい。
【0105】
これらの変形例のうちのいくつかでは、所与の波長についての1セットの個々の測定は、随意に、対応する出力構成(すなわち、可能なサブ構成の出力構成の各々)を有する固有のセットの発射グループごとに別個の測定を含んでもよい。例えば、光学測定システムが4つの発射グループを有する場合、光が4つの発射グループ全ての間で同時に分割される1つの固有のセットの発射グループ(すなわち、4つの同時出力の出力構成)、光が2つの発射グループの間で同時に分割される6つの固有のセットの発射グループの(すなわち、2つの同時出力の出力構成)、光が3つの発射グループの間で同時に分割される4つの固有のセットの発射グループ(すなわち、3つの同時出力の出力構成)、及び光が単一の発射グループのみにルーティングされる4つの固有のセットの発射グループ(すなわち、1つの同時出力の出力構成)が存在する。換言すれば、これらの出力構成は、それぞれ、1つ、6つ、4つ、及び4つのサブ構成を有する。
【0106】
所与の個々の測定のために光が発射グループ(単数又は複数)によって放射されている間、発射グループに対応する検出器グループ(単数又は複数)は、それらの関連する検出器によって受け取られた光を測定する。各検出器は、それ自体の出力信号を提供してもよく、したがって、所与の個々の測定は、1つ以上の出力信号(すなわち、その測定中に使用される検出器グループ(単数又は複数)の検出器(単数又は複数)の出力)を生成する。測定シーケンスは各波長に対して1セットの個々の測定を実行するので、本方法は各波長に対して1セットの出力信号を生成する。加えて、測定シーケンスが全ての発射グループにおいて各波長を測定する変形例では、方法は、それに応じて、各波長について全ての発射グループに対応する1セットの出力信号を生成する。ステップ708において、サンプルの1つ以上の特性は、測定シーケンスの結果を使用して(すなわち、セットの個々の測定から生じる複数のセットの出力信号を使用して)決定され得る。
【0107】
場合によっては、ステップ710に示すように、本方法は、任意選択で、複数のグループを更新して、少なくとも1つの波長を異なるグループに再割り当てしてもよい(それによって、再割り当てされた波長を、後続の測定シーケンスを実行する前に異なる出力構成に関連付けることができる)。例えば、所与の波長について、その波長で実行された1セットの個々の測定から得られる1セットの出力信号を分析して、その波長を異なる出力構成を有する異なるグループに割り当てるべきか否かを決定してもよい。例えば、出力信号のうちの1つ以上から導出される光パワーのメトリックが、その波長に対するある所定の基準を満たす(例えば、閾値を上回る、閾値を下回る)場合、波長は、将来の測定シーケンスのための異なるデフォルトのグループに割り当てられてもよい。これにより、光学測定システムは、ある波長での測定が基本ノイズによって制限されることが予想されるが、実際にはコヒーレントノイズによって制限される場合など、ある範囲の異なる特性を有するある範囲のサンプルに対してその測定技法を調整してもよい。
【0108】
すぐ上で説明した方法700は、複数の波長の各波長に対する1セットの個々の測定を含む測定シーケンスを実行することを論じているが、様々な個々の測定を任意の適切な順序で実行してもよいことを理解されたい。いくつかの事例では、測定シーケンスを複数のサブシーケンスに分割することが望ましいことがあり、各サブシーケンスは、複数の波長のうちの共通波長で連続測定を実行することを含む。言い換えれば、個々の測定は波長によってグループ化され、ある波長に対する1セットの個々の測定の全ての測定が、別の波長を使用して測定を開始する前に順次実行される。
【0109】
他の事例では、発射グループセットによって測定をグループ化することが望ましい場合がある。複数のサブシーケンスの各サブシーケンスは、同じセットの発射グループについて異なる波長に対して実行された連続測定を含む。各サブシーケンスは、複数の波長のうちの対応するセットの波長(すなわち、そのセットの発射グループを測定するために使用されるグループからの1セットの波長)を有する。言い換えれば、所与のセットの発射グループについての(したがって、所与の出力構成又はそのサブ構成における)全ての測定は、別のセットの発射グループ(異なる出力構成又は異なるサブ構成を含み得る)に移動する前に実行される。これは、発射グループ間で切り替えるよりも波長間で切り替える方が速い場合に望ましいことがある。
【0110】
図8は、そのような測定シーケンス800の1つを示す。説明のために、複数の波長は2つのグループに分割され、4つの発射グループを有する光学測定システムを使用して実行される。第1のグループ(「グループA」)は、1つの同時出力の出力構成を有し、したがって、これらの波長で取得された個々の測定は、単一の発射グループにルーティングされる。図8に示される変形例では、グループA内の各波長に対する1セットの個々の測定は、4つの全測定、すなわち、各発射グループに対する1つの測定(「発射セットA-1」~「発射セットA-4」とラベル付けされる)を含む。第2のグループ(「グループB」)は、4つの同時出力の出力構成を有し、したがって、これらの波長で取得された個々の測定は、4つの出力全ての間で同時に分割される(「発射セットB-1」)。
【0111】
そこに示される測定シーケンスは、ステップ802において、グループA内の各波長に対して第1の発射グループ(発射セットA-1)において行われる個々の測定を含む第1のサブシーケンスが実行されるように、発射グループによって分離される。ステップ804において、グループA内の各波長について第2の発射グループ(発射セットA-2)で取得された個々の測定を含む第2のサブシーケンスが実行される。ステップ806において、グループB内の各波長における個々の測定を含む第3のサブシーケンスが実行され、光は4つの発射グループ(発射セットB-1)間で分割される。ステップ808において、グループA内の各波長について第3の発射グループ(発射セットA-3)で取得された個々の測定を含む第4のサブシーケンスが実行される。最後に、ステップ810において、グループA内の各波長について第4の発射グループ(発射セットA-4)で取得された個々の測定を含む第5のサブシーケンスが実行される。集合的に、第1から第5のサブシーケンスは、グループA内の各波長に対する4つの個々の測定と、グループB内の各波長に対する1つの個々の測定とを含む、測定シーケンスの測定の全てを実行する。これらのサブシーケンスの順序は例示のためだけのものであり、サブシーケンスの数及び順序は、グループの数と、各グループについて測定される固有のセットの発射グループの数とによって少なくとも部分的に決定され得ることを理解されたい。
【0112】
上述のように、個々の測定は、所定の出力構成で1セットの発射グループから光を放射することと、1セットの出力信号を生成するために1セットの発射グループに対応する1セットの検出器グループを使用して光を測定することとを含む。個々の測定に関連する追加のステップがあってもよいことを理解されたい。例えば、多段光スイッチネットワークが、所与の波長の光を特定のセットの発射グループ(例えば、上述した第1の波長での第1のセットの測定の各々)にルーティングするために使用される場合、個々の測定は、多段光スイッチネットワークがそのルーティング動作のために再構成される設定ステップを含んでもよい。追加的又は代替的に、波長ロックステップを使用して、検出器グループで光を測定する前に放射される光の波長を設定及び安定化してもよい。追加的に又は代替的に、個々の測定は、背景測定を含んでもよく、背景測定において、背景光は、発射グループが同時に光を放射していない間に(例えば、生成された光の放射の前に)1つ以上の検出器グループによって測定される。これらの背景測定は、サンプル測定中に存在する検出器暗電流、迷光、及び/又は周囲光を考慮するための測定補正を可能にし得る。
【0113】
本明細書に記載の光学測定システムのいずれかを使用して、図7及び図8に関して上述した測定シーケンスを実行してもよい。これらの事例では、光源ユニットを使用して、複数の波長の各々を生成し、その光を光源ユニットの1つ以上の出力を介して多段光スイッチネットワークに提供してもよい。個々の測定ごとに、多段光スイッチネットワークは、その入力のうちの1つ(光を出力している光源ユニットの出力に対応する)と選択された発射グループとの間で生成された波長の光をルーティングするように制御される。選択された発射グループに関連付けられた検出器グループは、測定中に光を測定し、測定されているサンプルの1つ以上の特性を決定するために使用される出力信号を生成する。
【0114】
図9は、測定シーケンス900の一部と、測定シーケンス900の個々の測定に関連する例示的なステップとのタイミング図を示す。測定シーケンス900は、上記でより詳細に説明したように、光源ユニットと、複数の検出器グループと、光を複数の発射グループに選択的にルーティングする多段光スイッチネットワークとを含む光学測定システムを使用して実行してもよい。図9に示される変形例では、測定シーケンス900の部分は、N個の波長のグループを含み、その各々は、M個の異なるセットの発射グループ(例えば、N個の個々の測定のM個の異なるサブシーケンス)において個別に測定される。図9は、第1の波長(「λ-1」)が第1のセットの発射グループ(「L-1」)について測定される第1の個々の測定902と、第2の波長(「λ-2」)が第1のセットの発射グループについて測定される第2の個々の測定904と、第Nの波長(「λ-1」)が第1のセットの発射グループについて測定される第3の個々の測定906とを含む、これらの測定のサブセットを示す。同様に、図9は、第1の波長が第Mのセットの発射グループ(「L-M」)について測定される第4の個々の測定908と、第1の波長が第Mのセットの発射グループについて測定される第5の個々の測定910と、第Nの波長が第Mのセットの発射グループについて測定される第6の個々の測定912とを示す。
【0115】
第1の個々の測定902を例として使用すると、各個々の測定は、設定ステップ(測定902に対して「設定L-1λ-1」とラベル付けされる)を含む。このステップ中、多段光スイッチネットワークは、光の波長(すなわち、λ-1)を、その波長に対応するネットワークの入力から、選択されたセットの発射グループ(すなわち、第1のセットの発射グループL-1)に対応する1つ以上の出力に(すなわち、多段光スイッチネットワークの個々のスイッチを制御することによって)ルーティングするように構成される。多段光スイッチネットワークを所望のルーティング構成に設定するのに必要な時間は、以前のルーティング構成に依存し得ることを理解されたい。上述のように、場合によっては、第2の個々の測定904におけるより短い設定ステップ(測定904に対して「SET L-1λ-2」とラベル付けされる)によって示されるように、異なるセットの発射グループ間で切り替えるよりも、(同じセットの発射グループを維持しながら)新しい波長を考慮するように多段光スイッチネットワークを調整する方が速い場合がある。設定ステップが完了すると、多段光スイッチネットワークは、サンプルの測定中にルーティング構成(測定902に対して「維持L-1λ-1」とラベル付けされている)に維持され得る。
【0116】
サンプルの測定中、光源ユニットは、その測定のための波長(すなわち、λ-1)の光を生成し、これは、測定902のための「λ-1測定」とラベル付けされる。生成された光における波長シフトは、測定の精度に悪影響を及ぼし得るので、サンプルを測定する前に、光源ユニットが波長精度の閾値レベルを達成したことを確認することが望ましい場合がある。したがって、サンプルを測定する前に、個々の測定は、波長ロックステップ(測定902に対して「λ-1ロック」とラベル付けされる)を含み得る。波長ロックステップ中、光源ユニットは、光を生成し、所望の波長(すなわち、λ-1)が達成される(いくつかの事例では、安定性の閾値レベルを有する)まで、(例えば、上述のような波長ロックユニットを介して)波長を同調させる。波長ロックステップは、多段光スイッチネットワークの設定ステップに対して任意の適切な時間に実行されてもよいことを理解されたい。しかしながら、場合によっては、波長ロックステップ及び設定ステップが少なくとも部分的に同時に行われることが望ましく、これは、波長ロック及び設定が同時に行われることを可能にすることによって、時間を節約し得る。
【0117】
光源ユニットが光を生成している間(すなわち、λ-1測定ステップの間)、及び多段光スイッチネットワークが生成された光を所望のセットの発射グループに出力するように構成されている間(すなわち、維持L1-λ-1ステップの間)、1セットの発射グループに対応する1セットの検出器グループは、1セットの発射グループからの生成された光の放射の間にそれが受け取る光(測定902において「L-1光」とラベル付けされる)を測定する。サンプル測定の持続時間は、1セットの発射グループが光を測定するためにアクティブである1セットの検出器グループのセットと同時に光を放射している時間量によって定義される。1セットの検出器グループは、サンプル測定に対応する対応するセットの出力信号を出力し得る。
【0118】
加えて、いくつかの変形例では、個々の測定はまた、背景測定(測定902に対して「L-1暗」とラベル付けされる)を含んでもよく、1セットの検出器グループ(すなわち、L-1セットの発射グループに対応するセットの検出器グループ)は、光源ユニットが能動的に光を生成していない間に、そこに入射する光を測定する。1セットの検出器グループは、背景測定に対応する1セットの出力信号を出力することができ、背景測定は、(例えば、サンプル測定からの1セットの出力信号の暗信号補正を実行することによって)サンプルの1つ以上の特性のうちの1つを計算する際に、サンプル測定に対応する1セットの出力信号と共に使用され得る。背景測定は、サンプル測定の前又は後のいずれかで実行され得るが、場合によっては(図9に示されるように)、背景測定の少なくとも一部が、多段光スイッチネットワークの設定ステップと同時に実行されることが望ましい場合がある。これは、光学測定がサンプル測定を行う準備をしている間に背景測定が行われ得るので、時間の節約を可能にし得る。
【0119】
前述の説明は、説明の都合上、説明した実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を使用している。しかし、この説明を読めば、記述される実施形態を実施するために具体的な詳細は必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載された具体的な実施形態の前述の説明は、図示及び説明の目的で提示されている。それらは、網羅的であること、又は開示されたまさにその形態に実施形態を限定することを目的としたものではない。この記載を読めば、上記の教示を考慮して、多くの変更及び変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】