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特開2023-153099三次元成形された構成要素を縫い合わせるための方法及び装置並びに方法により形成された構成要素
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153099
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】三次元成形された構成要素を縫い合わせるための方法及び装置並びに方法により形成された構成要素
(51)【国際特許分類】
   D05B 73/08 20060101AFI20231010BHJP
【FI】
D05B73/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023059938
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】63/327,269
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/713,093
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515226722
【氏名又は名称】インティヴァ プロダクツ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Inteva Products, LLC
【住所又は居所原語表記】1401 Crooks Road Troy Michigan 48084 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ウェンゼル, エドワード ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハブハブ, ラメズ エム.
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150AA04
3B150BB07
3B150CB22
3B150DF04
3B150GA02
3B150JA32
(57)【要約】
【課題】三次元形態を有する装飾部品にステッチを施すための装置及び方法を提供すること。
【解決手段】本発明による、三次元形態を有する装飾部品にステッチを施すためのヘッドは、ヘッドに動作可能に結合される針棒アセンブリと、装飾部品に複数のステッチをもたらすために針棒アセンブリと協働するように構成され、装飾部品と平行な平面内で回転するルーパと、ルーパを平面内で往復動するように駆動させるべく構成されるとともに、針棒アセンブリを往復動するように駆動するべく構成されるモータに動作可能に結合され、シリンダアームアセンブリ及びダウンシャフトアセンブリを介してヘッドに動作可能に結合されるポストアセンブリとを備える。シリンダアームアセンブリは、揺動フレーム駆動シャフトをシリンダアームアセンブリに接続する機械的リンク機構を介して揺動フレームと同期して回転される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元形態を有する装飾部品にステッチを施すためのヘッドにおいて、
前記ヘッドに動作可能に結合される針棒アセンブリと、
前記装飾部品に複数のステッチをもたらすために前記針棒アセンブリと協働するように構成され、前記装飾部品と平行な平面内で回転するルーパと、
前記ルーパを前記平面内で往復動するように駆動させるべく構成されるとともに、前記針棒アセンブリを往復動するように駆動するべく構成されるモータに動作可能に結合され、シリンダアームアセンブリ及びダウンシャフトアセンブリを介して前記ヘッドに動作可能に結合されるポストアセンブリと
を備え、
前記シリンダアームアセンブリが、揺動フレーム駆動シャフトを前記シリンダアームアセンブリに接続する機械的リンク機構を介して揺動フレームと同期して回転される、ヘッド。
【請求項2】
前記針棒アセンブリが、前記モータに動作可能に結合される上側ドライブシャフトによって往復駆動され、前記ポストアセンブリも中間ドライブシャフトを介して前記上側ドライブシャフトによって往復駆動される、請求項1に記載のヘッド。
【請求項3】
前記シリンダアームアセンブリ及び/又は前記ダウンシャフトアセンブリの少なくとも一方が、前記ポストアセンブリが前記ヘッドの前記針棒アセンブリに対して再配置されるように他のシリンダアームアセンブリ及び/又は他のダウンシャフトアセンブリを前記ヘッドに固定できるように、前記ヘッドに取り外し可能に固定される、請求項2に記載のヘッド。
【請求項4】
前記シリンダアームアセンブリ及び/又は前記ダウンシャフトアセンブリの少なくとも一方が、前記ポストアセンブリが前記ヘッドの前記針棒アセンブリに対して再配置されるように他のシリンダアームアセンブリ及び/又は他のダウンシャフトアセンブリを前記ヘッドに固定できるように、前記ヘッドに取り外し可能に固定される、請求項1に記載のヘッド。
【請求項5】
前記シリンダアームアセンブリ及び前記ダウンシャフトアセンブリが、前記ポストアセンブリを前記針棒アセンブリに対して再配置できるように他のシリンダアームアセンブリ及び他のダウンシャフトアセンブリと交換可能である、請求項1に記載のヘッド。
【請求項6】
他の針と、前記装飾部品に複数のステッチの2つの別個のパターンを同時にもたらすために前記他の針と協働するように構成される他のルーパとを更に備え、前記他のルーパが、前記装飾部品と平行な前記平面内で回転する、請求項1に記載のヘッド。
【請求項7】
前記ポストアセンブリが、前記ルーパ及び前記他のルーパを前記平面内で往復動するように駆動させるべく構成され、前記ポストアセンブリが、2つの針を備える前記針棒アセンブリを往復動するように駆動させるべく構成されるモータに動作可能に結合される、請求項6に記載のヘッド。
【請求項8】
上糸と前記ルーパとの係合前及び係合中に上糸ループのサイズを制御して上糸ループの位置を安定させるように構成される上糸ブレーキを更に備える、請求項7に記載のヘッド。
【請求項9】
上糸と前記ルーパとの係合前及び係合中に上糸ループのサイズを制御して上糸ループの位置を安定させるように構成される上糸ブレーキを更に備える、請求項2に記載のヘッド。
【請求項10】
上糸と前記ルーパとの係合前及び係合中に上糸ループのサイズを制御して上糸ループの位置を安定させるように構成される上糸ブレーキを更に備える、請求項1に記載のヘッド。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]それぞれの内容が参照により本願に組み入れられる、2014年10月6日に出願された米国仮出願第62/060,487号の利益を主張する、2015年10月6日に出願されて現在は米国特許第10,421,413号である、米国特許出願第14/876,636号の分割出願である、2019年8月6日に出願された米国特許出願第16/533,345号を参照されたい。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、車室内の内装構造に関する。より詳細には、本発明は、車両内装部品を縫い合わせるための装置及び方法に関する。更に、本発明の様々な実施形態は、車両で使用されるか否かにかかわらず、三次元形態を有するトリムピースに装飾ステッチを配置することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]自動車の内装に見られる殆どのステッチングは機能的な種類のものであり、この場合、2つ以上の材料片(皮革、ビニル、TPO、布など)が、パターンから切断されて、シートクッション、ヘッドレスト、アームレスト、コンソール蓋、インストルメントパネル基材などの構成要素の周りに巻き付けられる前に互いに縫い付けられる(カットアンドソー)。そのような機能的なステッチングは、非常に労働集約的であり、通常、低及び中クラスの車両で必要とされる場合にのみ使用される。インストルメントパネルリテーナ及びドアパネルなどの装飾部品の機能的なステッチングは、通常、コストに起因して高級車に制限されている。
【0004】
[0004]近年、自動車の相手先ブランド製造業者(OEM)は、より広い範囲の価格クラスにわたってより多くの車両に「ステッチ」外観を適用することに関心を示している。シミュレートされた非機能性ステッチが幾つかの用途で使用されているが、シミュレートされたステッチを対照的な色で提供する能力は、この時点では実現可能ではない。更に、より多くのOEMが、本物の又は「ライブ」ステッチを装飾部品に使用して、本物のカットアンドソー部品の見た目及び感触を提供することを要求している。
【0005】
[0005]3Dの予備成形された自動車トリム構成要素に装飾ステッチを配置する現在の手段は、部品の上面から針で部品(スキン、スキ/発泡体、又はスキン/発泡体/基材)を貫通し、部品の背面に配置されるフック又はルーパと係合することからなる。これらの方法は、部品の前面と背面の両方にアクセスする必要があり、部品上のステッチ配置の位置を制限することが多い。本物のカットアンドソーで覆われた自動車内装トリムでよく見られるように、ブラウ、急なコーナー、及び高度に起伏のある表面にステッチングを配置することは、しばしば非常に困難である。
【0006】
[0006]例えば、既存のマシンのステッチプレートの深さの要件によりプレートが小さな半径に適合することができないため、半硬質部品の縁部に対して垂直な方向で縁部上にわたってステッチングを施すことは困難なままである。更に、ステッチプレートの移動のための所定のクリアランスが必要とされるため、小さな面内半径の周りのステッチングも困難となり得る。
【0007】
[0007]したがって、装飾的な自動車トリム部品に格好のいい非機能性ステッチを製造するための方法及び装置を提供することが望ましい。このようなステッチを伴う構成要素を提供することも望ましい。
【発明の概要】
【0008】
[0008]一実施形態では、三次元形態を有する装飾部品にステッチを施すための装置及び方法が提供される。
【0009】
[0009]一実施形態では、装置がヘッドを有し、該ヘッドは、ヘッドに動作可能に結合される針棒アセンブリと、装飾部品に複数のステッチをもたらすために針棒アセンブリと協働するように構成され、装飾部品と平行な平面内で回転するルーパと、ルーパを平面内で往復動するように駆動させるべく構成されるとともに、針棒アセンブリを往復動するように駆動するべく構成されるモータに動作可能に結合されるポストアセンブリとを伴う。
【0010】
[0010]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、針棒アセンブリは、モータに動作可能に結合された上側ドライブシャフトによって往復駆動されてもよく、ポストアセンブリも中間ドライブシャフトを介して上側ドライブシャフトによって往復駆動される。
【0011】
[0011]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、ポストアセンブリは、シリンダアームアセンブリ及びダウンシャフトアセンブリを介してヘッドに動作可能に結合されてもよい。
【0012】
[0012]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、シリンダアームアセンブリ及び/又はダウンシャフトアセンブリの少なくとも一方は、ポストアセンブリがヘッドの針棒アセンブリに対して再配置されるように他のシリンダアームアセンブリ及び/又は他のダウンシャフトアセンブリをヘッドに固定できるように、ヘッドに取り外し可能に固定されてもよい。
【0013】
[0013]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、シリンダアームアセンブリ及びダウンシャフトアセンブリは、ポストアセンブリを針棒アセンブリに対して再配置できるように、他のシリンダアームアセンブリ及び他のダウンシャフトアセンブリと交換可能であってもよい。
【0014】
[0014]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、他の針と、装飾部品内に複数のステッチの2つの別個のパターンを同時にもたらすために他の針と協働するように構成される他のルーパとが設けられてもよく、他のルーパは、装飾部品と平行な平面内で回転する。
【0015】
[0015]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、ポストアセンブリは、ルーパ及び他のルーパを平面内で往復動するように駆動させるべく構成されてもよく、ポストアセンブリは、2つの針を含む針棒アセンブリを往復動するように駆動させるべく構成されるモータに動作可能に結合される。
【0016】
[0016]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、ルーパは、ポストハウジングのステッチプレートを装飾部品の裏側に近接して配置させることができるようにルーパの寸法よりも僅かに大きいにすぎないポストアセンブリのポストハウジング内に配置されてもよい。
【0017】
[0017]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、ルーパは、ポストハウジングのステッチプレートを装飾部品の裏側に近接して配置させることができるようにルーパの寸法よりも僅かに大きいにすぎないポストアセンブリのポストハウジング内に配置されてもよく、寸法は、複数のステッチのステッチ方向と位置合わせされる又は一直線になる。
【0018】
[0018]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は上記の実施形態のいずれかに代えて、寸法は10~12mmの範囲内とすることができる。
【0019】
[0019]更に他の実施形態では、三次元形態及びコーナーを有する装飾部品にステッチを施すためのヘッドが提供される。ヘッドは、ヘッドに動作可能に結合される針棒アセンブリと、装飾部品に複数のステッチをもたらすために針棒アセンブリと協働するように構成され、装飾部品と平行な平面内で回転するルーパと、ルーパを平面内で往復動するように駆動させるべく構成されるとともに、針棒アセンブリを往復動するように駆動するべく構成されるモータに動作可能に結合されるポストアセンブリとを有し、ルーパは、ポストハウジングのステッチプレートを装飾部品のコーナーの裏側に近接して配置させることができるようにルーパの寸法よりも僅かに大きいにすぎないポストアセンブリのポストハウジング内に配置される。
【0020】
[0020]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、寸法は、複数のステッチのステッチ方向と整列又は一直線にすることができる。
【0021】
[0021]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は上記の実施形態のいずれかに代えて、寸法は10~12mmの範囲内とすることができる。
【0022】
[0022]前述の実施形態のいずれかのヘッドによって複数のステッチが施された装飾部品が提供されてもよく、また、装飾部品は車両の内装トリムピースであってもよい。
【0023】
[0023]装飾部品には、前述の実施形態のいずれかのヘッドによって複数のステッチが施され、内装トリムピースはインストルメントパネルであってもよい。
【0024】
[0024]装飾部品には、前述の実施形態のいずれかのヘッドヘッドによって複数のステッチが施され、複数のステッチの少なくとも一部は、装飾部品のコーナーに施されてもよい。
【0025】
[0025]他の実施形態では、少なくとも1つの層を備える、車両の内装部品にステッチを施す方法が提供される。方法は、a)針により少なくとも1つの層の第1の表面上の入口点で少なくとも1つの層を貫通するステップであって、針をその移動範囲の下死点に到達させるとともに、上糸を出口点で少なくとも1つの層に通過させ、出口点が第1の表面とは反対側の第2の表面上にある、ステップと、b)出口点に近接して配置された回転ルーパで糸を把持するステップであって、回転ルーパが、少なくとも1つの層と平行な平面内で第1の方向に回転する、ステップと、c)出口点及び入口点を通じて針をその移動範囲の上死点位置まで引き込むステップと、d)部品を第1の方向に前進させるステップと、e)少なくとも1つの層と平行な平面内で第1の方向とは反対の第2の方向に回転ルーパを回転させるステップと、f)針により少なくとも1つの層の第1の表面上の他の入口点で少なくとも1つの層を貫通するステップであって、上糸を他の出口点で少なくとも1つの層に通過させ、他の出口点が第1の表面とは反対側の第2の表面上にあり、針が回転ルーパ上に配置される下糸と係合する、ステップと、g)回転ルーパが第2の方向に回転するときに上糸を解放するステップと、h)回転ルーパが第2の方向で終位置まで回転して針がその下方ストロークの底部に到達する際に上糸と下糸との間のステッチを完了するステップと、i)所望量のステッチが内装部品に形成されるまでステップb~hを繰り返すステップとを含む。
【0026】
[0026]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、外皮層は、ビニル、皮革、及び熱可塑性ポリオレフィンからなるグループから形成されてもよい。
【0027】
[0027]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、内装部品が前述の方法によって形成され、内装部品が車両の内装トリムピースであってもよい。
【0028】
[0028]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、内装トリムピースは、車両のインストルメントパネルの一部であってもよい。
【0029】
[0029]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、内装部品が前述の方法によって形成され、内装部品が車両の内装トリムピースであってもよい。
【0030】
[0030]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、内装トリムピースは、車両のインストルメントパネルの一部であってもよい。
【0031】
[0031]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、外皮層は、ビニル、皮革、及び熱可塑性ポリオレフィンからなるグループから形成されてもよく、中間層が外皮層の第2の表面に適用されてもよく、第2の表面は第1の表面の反対側にある。
【0032】
[0032]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、中間層が発泡層であってもよい。
【0033】
[0033]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、内装部品が車両の内装トリムピースであってもよい。
【0034】
[0034]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、前述した方法によって内装部品を形成することができる。
【0035】
[0035]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、内装部品が車両の内装トリムピースであってもよい。
【0036】
[0036]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、内装トリムピースは、車両のインストルメントパネルの一部であってもよい。
【0037】
[0037]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、外皮層は、ビニル、皮革、及び熱可塑性ポリオレフィンからなるグループから形成されてもよく、中間層が外皮層の第2の表面に適用されてもよく、第2の表面は第1の表面の反対側にある。
【0038】
[0038]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は上記の実施形態のいずれかに代えて、車両の内装部品が上記の方法によって形成されてもよい。
【0039】
[0039]本明細書では、上記の方法によって形成された車両の内装部品も提供される。
【0040】
[0040]三次元形態を有する装飾部品にステッチを施すためのヘッドであって、ヘッドに動作可能に結合される針棒アセンブリと、装飾部品に複数のステッチをもたらすために針棒アセンブリと協働するように構成され、装飾部品と平行な平面内で回転するルーパと、ルーパを平面内で往復動するように駆動させるべく構成されるとともに、針棒アセンブリを往復動するように駆動するべく構成されるモータに動作可能に結合され、シリンダアームアセンブリ及びダウンシャフトアセンブリを介してヘッドに動作可能に結合されるポストアセンブリとを含み、シリンダアームアセンブリが、揺動フレーム駆動シャフトをシリンダアームアセンブリに接続する機械的リンク機構を介して揺動フレームと同期して回転される、ヘッドが開示される。
【0041】
[0041]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、針棒アセンブリは、モータに動作可能に結合された上側ドライブシャフトによって往復駆動されてもよく、ポストアセンブリも中間ドライブシャフトを介して上側ドライブシャフトによって往復駆動される。
【0042】
[0042]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、シリンダアームアセンブリ及び/又はダウンシャフトアセンブリの少なくとも一方は、ポストアセンブリがヘッドの針棒アセンブリに対して再配置されるように他のシリンダアームアセンブリ及び/又は他のダウンシャフトアセンブリをヘッドに固定できるように、ヘッドに取り外し可能に固定される。
【0043】
[0043]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、シリンダアームアセンブリ及び/又はダウンシャフトアセンブリの少なくとも一方は、ポストアセンブリがヘッドの針棒アセンブリに対して再配置されるように他のシリンダアームアセンブリ及び/又は他のダウンシャフトアセンブリをヘッドに固定できるように、ヘッドに取り外し可能に固定される。
【0044】
[0044]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、シリンダアームアセンブリ及びダウンシャフトアセンブリは、ポストアセンブリを針棒アセンブリに対して再配置できるように、他のシリンダアームアセンブリ及び他のダウンシャフトアセンブリと交換可能である。
【0045】
[0045]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、他の針及び他のルーパは、装飾部品内に複数のステッチの2つの別個のパターンを同時にもたらすために他の針と協働するように構成され、他のルーパは、装飾部品と平行な平面内で回転する。
【0046】
[0046]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、ポストアセンブリは、ルーパ及び他のルーパを平面内で往復動するように駆動させるべく構成され、ポストアセンブリは、2つの針を含む針棒アセンブリを往復動するように駆動させるべく構成されるモータに動作可能に結合される。
【0047】
[0047]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、上糸ブレーキが、上糸とルーパとの係合前及び係合中に、上糸ループのサイズを制御し、上糸ループの位置を安定させるように構成される。
【0048】
[0048]前述の特徴のうちの1つ以上に加えて、又は前述の実施形態のいずれかに代えて、上糸ブレーキが、上糸とルーパとの係合前及び係合中に、上糸ループのサイズを制御し、上糸ループの位置を安定させるように構成される。
【0049】
[0049]他の特徴、利点及び詳細は、単なる例として、以下の実施形態の説明において、図面を参照する説明に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】FIG.1は本発明の典型的な実施形態に係る振動式チェーンステッチマシンの断面図であり、FIG.1Aは本発明の1つの非限定的な実施形態に係る振動式バタフライルーパの斜視図である。
図2】本発明の典型的な実施形態に係る調整可能な下側アセンブリを有する振動式チェーンステッチマシンの断面図である。
図3】FIG.3は本発明の典型的な実施形態に係る振動式ルーパ駆動ユニットの断面図であり、FIG.3Aはポストとルーパアセンブリとの組み合わせの断面図である。
図4】本発明の典型的な実施形態に係る振動式ルーパポスト設計の断面図である。
図5】本発明の別の典型的な実施形態に係る振動式ルーパポスト形態の断面図である。
図6】FIG.6は本発明の一実施形態に係るステッチの形成を示す図であり、FIG.6AはFIG.6の線6A-6Aに沿う図である。
図7】FIG.7は本発明の一実施形態に係るステッチの形成を示す図であり、FIG.7AはFIG.7の線7A-7Aに沿う図である。
図8】FIG.8は本発明の一実施形態に係るステッチの形成を示す図であり、FIG.8AはFIG.8の線8A-8Aに沿う図である。
図9】FIG.9は本発明の一実施形態に係るステッチの形成を示す図であり、FIG.9AはFIG.9の線9A-9Aに沿う図である。
図10】FIG.10は本発明の一実施形態に係るステッチの形成を示す図であり、FIG.10AはFIG.10の線10A-10Aに沿う図である。
図11】FIG.11は本発明の一実施形態に係るステッチの形成を示す図であり、FIG.11AはFIG.11の線11A-11Aに沿う図である。
図12】FIG.12A及びFIG.12Bは本発明の様々な実施形態におけるステッチプレートフットプリントを示す。
図13】部品のコーナーにあるフックルーパ装置を示す。
図14】本発明の典型的な実施形態に係る振動式ルーパを示す。
図15】シリンダアーム又はシリンダアームアセンブリ搬送部をヘッドに導入する一方法を示す。
図16】FIG.16A~FIG.16Cはそれぞれステッチサイクル中の3点におけるシリンダアームに対する揺動フレームの向きを示す。
図17-1】FIG.17A~FIG.17Cはそれぞれルーパと係合する前に上糸ループのサイズを制御して上糸ループの位置を安定させるための糸ブレーキ又はブレーキパッドの使用を示す。
図17-2】FIG.17D及びFIG.17Eはそれぞれルーパと係合する前に上糸ループのサイズを制御して上糸ループの位置を安定させるための糸ブレーキ又はブレーキパッドの使用を示す。
図18-1】FIG.18A及びFIG.18Bはそれぞれルーパと係合する前に上糸ループのサイズを制御して上糸ループの位置を安定させるための糸ブレーキの使用を示す。
図18-2】FIG.18C及びFIG.18Dはそれぞれルーパと係合する前に上糸ループのサイズを制御して上糸ループの位置を安定させるための糸ブレーキの使用を示す。
図19】ルーパ12が上糸ループを取り上げているときのルーパ12の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
[0077]図面は本発明の様々な実施形態及び特徴を表すが、図面は必ずしも原寸に比例しておらず、本発明の典型的な実施形態を例示及び説明するために特定の特徴が誇張されている場合がある。本明細書に記載の例示は、本発明の幾つかの態様を1つの形態で示しており、そのような例示は、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0052】
[0078]本発明の様々な実施形態は、特に小さい半径の形成された縁部上にステッチを配置する又は小さい面内半径の周りに縫い付ける場合に、輸送産業内の予備成形部品の限定されたステッチ領域に装飾ステッチを適用できるようにする方法及び装置に関する。また、装置は、複数の縫製ヘッドを構築する必要なく、多種多様な部品サイズに対応するようにマシンパラメータを調整する能力を提供する。
【0053】
[0079]他の実施形態では、本明細書に記載の発明は、輸送産業内の用途のために手動又は自動の方法で三次元形状部品の限定された領域に縫い合わせる能力を高めるステッチ方法及びヘッド設計からなる。
【0054】
[0080]ここで図1図4を参照すると、本発明の非限定的な一実施形態に係る振動式チェーンステッチマシン10が示される。マシン10は、シリンダアームアセンブリ16に動作可能に結合されたルーパとポストアセンブリ14との組み合わせの端部に振動式バタフライルーパ12を使用したチェーンタイプのステッチを提供する。
【0055】
[0081]この特定の概念は、ステッチ方向と一致する「x」方向に(少なくとも図1のFIG.1A、図12のFIG.12A及びFIG.12Bに示すように)非常に狭いポストハウジングを提供する。一実施形態において、ポストハウジングの寸法は、10~12mm(ミリメートル)の範囲内であってもよく、勿論、これよりも大きい又は小さい寸法は、本発明の範囲内であると考えられる。二重針設計では、両方のポストハウジングにわたる寸法は25~28mmの範囲内とすることができ、図示の「x」方向の寸法は10~12mmの範囲内とすることができ、勿論、これより大きい又は小さい寸法は本発明の範囲内であると考えられる。この狭いポストハウジングは、この用途環境における以前の全ての既知の形態よりも小さい、シリンダアームからルーパ/ステッチプレートの上端まで延在する。一実施形態において、振動式チェーンステッチマシン又はヘッド10は、固定マシンとして利用することができ、それによって、材料又は製品は、ヘッド又はマシン10に組み込まれた1つ以上の供給装置を介してマシンを通して供給され、又はヘッド又はマシン10は、縫製ヘッド10を固定部分の上及び周りに移動させるために、ボックス18によって概略的に示される外部駆動装置(例えば、6軸ロボット)を介して駆動することができる。
【0056】
[0082]ヘッド又はマシン10は、上側ドライブシャフト22を駆動するためのモータ24に動作可能に結合された上側ドライブシャフト22によって駆動される針棒アセンブリ20を含む。また、中間シャフト26も、ベルト28又は任意の同等の装置を介して上側ドライブシャフト22に動作可能に結合され、それにより、上側ドライブシャフトの回転動作は、中間シャフトの回転動作も引き起こす。中間シャフト26はまた、ダウンシャフトアセンブリ30に動作可能に結合され、ダウンシャフトアセンブリ30は、シリンダアームアセンブリ16に動作可能に結合され、シリンダアームアセンブリは、ポストアセンブリ14を介して振動式バタフライルーパ12に動作可能に結合される。
【0057】
[0083]更に、ヘッド10は、異なる長さを有する交換可能なダウンシャフトアセンブリ32と組み合わせてそれぞれが異なる長さを有する交換可能なシリンダアームシャフト及びハウジングアセンブリ16と組み合わせた調整可能なダウンシャフト位置からなる、再構成可能な下側アームアセンブリ30(少なくとも図2に概略的に示される)を使用して様々な異なる部品形状及びサイズに対応するように再構成され得るように調整可能な形態を有することができる。したがって、少なくとも図2に示すように、ヘッドの上部と下部との間の垂直クリアランスは、交換可能なダウンシャフトアセンブリ30及びルーパシャフト/ハウジング構成要素(例えば、交換式シリンダアームシャフト及びハウジングアセンブリ16)を使用することによって(シリンダアーム延在部の有無にかかわらず)調整することもできる。
【0058】
[0084]例えば、第1のダウンシャフトアセンブリ30は、マシン又はヘッド10の上部36のハウジング34内の中間シャフト26に直接結合されてもよい。その後、第2のダウンシャフトアセンブリ30’(図2に破線で示す)は、組み合わされたダウンシャフトアセンブリの長さを延ばすために、第1のダウンシャフトアセンブリ30の下部に動作可能に結合することができ、これにより、振動式ルーパ12は、ヘッド10の針棒アセンブリ20から更に離れて配置される。
【0059】
[0085]更に、ハウジング34及び中間シャフト26はまた、より長いダウンシャフトアセンブリ30”(図2において破線でも示される)に結合されるように構成されてもよい。これにより、ダウンシャフトアセンブリの位置を矢印38の方向に移動させることができ、それにより、ダウンシャフトアセンブリ30”をシリンダアームシャフト及びハウジングアセンブリ16’(図2において破線でも示される)と共に使用することができる。このアセンブリ16’は、アセンブリ16”と共に使用するために、アセンブリ30よりも長い長さを有することができる。したがって、交換可能なダウンシャフトアセンブリ30、30’、30”並びに交換可能なポスト構成要素(例えば、ルーパシャフト延在部及びハウジング)と組み合わせた交換可能なシリンダアームシャフト及びハウジングアセンブリ16、16’は、各構成要素が互いに交換可能に取り付け可能であるため、複数の形態及び寸法を提供することを可能にする。更に、本明細書で説明するように、二重後振動ルーパ形態は、開示されたアセンブリの組み合わせのいずれかと組み合わせて使用することができる。
【0060】
[0086]したがって、これらの実施形態は、針棒アセンブリ20の端部とシリンダアーム16との間の距離40を可変にすることを可能にし、針棒アセンブリ20の端部とダウンシャフトアセンブリ30との間の距離41を可能にし、ヘッド又はマシン10が様々なサイズの部品に対応することを可能にする。
【0061】
[0087]上記及び以下で参照される説明及び図示は、自動化された態様で固定部品の上及び周りで操作され得るが固定マシンにも適用可能である縫製ヘッド10を参照する。
【0062】
[0088]前述したように、ヘッド10の構造は、サーボモータ24によって駆動される上側シャフト22を含む。上側シャフト22は、両方ともヘッド10の上部又は上側ヘッドに配置される針棒アセンブリ20及びウォーキングフットの動きを制御する。上側シャフト22はまた、一定の回転動作を振動動作に変換する一連のベルト、プーリ及びギヤを介して中間体26及び下側シャフト42を駆動する。振動動作は、針棒アセンブリ20に対するルーパ12の動きを適切に調整するために必要である。
【0063】
[0089]一実施形態では、振動動作は、時計回り及び反時計回りの動作におけるルーパの回転、並びにこの動作中の様々な時点におけるルーパの加速及び減速からなる。この移動及び加速及び減速を提供するための1つの可能な非限定的な想定し得る形態が、少なくとも図3に示される。中間シャフト又は中間駆動シャフト26は、カムフォーク44と連動して回転動作を可変速振動動作に変換するカム27を有し、カムフォークは、参照符号45で一般的に参照される一連のリンク機構及び歯車を介して出力シャフト又は下側シャフト42を駆動する。
【0064】
[0090]例えば、リンク機構47を介してカムフォーク44に結合されたギヤ及びセクタアセンブリ46は、出力シャフト42、最終的にはルーパ12に動作可能に結合されたルーパシャフト48の振動動作を引き起こす。このように、歯車装置の構成は、一実施形態では一方向に220度回転した後に再び戻ることができるルーパ12の回転移動距離を決定する。勿論、220度より大きい又は小さい回転度もまた、本発明の様々な実施形態の範囲内であると理解される。振動式ルーパ12を駆動する手段は、上記の説明に限定されず、それに応じて同じ効果を達成するように再構成することができることが理解される。
【0065】
[0091]ルーパポストアセンブリ14は、単一のルーパ12(少なくとも図4を参照されたい)を有してもよく、又はルーパポストアセンブリは、所望の特定のステッチ構成に応じて、以下では二重ルーパポストアセンブリ50(少なくとも図5を参照されたい)と呼ばれる二重ルーパを有するように構成されてもよい。前述のように、単一のルーパ又は二重ルーパは、本明細書に開示された任意の組み合わせで使用され得る。二重ルーパポストアセンブリ50が使用される用途では、ヘッド10はまた、二重ステッチパターンを提供するために針棒アセンブリ20に追加された第2の針を有するように構成されてもよい。
【0066】
[0092]ここで再び図4を参照すると、ルーパ12は、下側シャフト42のベベルギヤ54と噛み合うベベルギヤ52を介してルーパシャフト48によって駆動される。また、図4には、下側シャフト42のルーパ12への振動回転動作の伝達を助けるためのブッシング56、カラーロック58、ポストハウジング70、ギヤハウジング72及びシリンダアームアセンブリハウジング74が示されている。前述したように、図に示す形態は、単に非限定的な例示的な一実施形態として提供されており、ルーパ12に振動動作を提供するための様々な他の手段は、本発明の様々な実施形態の範囲内であると考えられる。
【0067】
[0093]図5において、第2のルーパ12、ルーパシャフト48、カラーロック58、及びベベルギヤ52は、ブッシング56と共に、一対のルーパ12を駆動するために延在ギヤハウジング72内に設けられている。
【0068】
[0094]ステッチを完了するために必要なシーケンスの1つの非限定的な例を以下に説明し、少なくとも図6図11に示す。ステップ1(図6)において、ルーパ12は、その完全な反時計回りの回転位置にあるか、又はその回転の開始時にあり、針棒アセンブリ20の針72は、そのストロークの下端(下死点BDC)にある。
【0069】
[0095]また、少なくとも図6図11には、ヘッド10、ステッチプレート76、及び針72を出入りさせるステッチプレート76の開口又は孔78によってステッチングされている部品又はその一部74が示されている。ステッチプレート76の少なくとも一部は、ルーパポストアセンブリ14のハウジング70の周りに配置されてもよい。針棒アセンブリ20のウォーキングフット80も示されている。ウォーキングフット80は、針72がその上死点位置とその下死点位置との間を上下に移動するときに所望の往復動作ウォーキングフット80を提供するために、上側ドライブシャフト22に動作可能に結合される。図6では、針72はそのストロークの下端(下死点)にあり、ルーパ12はその回転の開始点にある。更に、ウォーキングフット80は、材料74と接触しているが、それに殆ど圧力を加えていない。図6のFIG.6Aは、FIG.6の線6A-6Aに沿う図でもある。
【0070】
[0096]ステップ2(図7)において、針72は、矢印82の方向でその上方への動きを開始し、針72の先端と前の部品74の裏側との間に配置された上糸86にループ84を形成する。同時に、ルーパ12の先端88は、糸ループ84と針72との間で、図に示す図に対して時計回りに移動する。更に、ウォーキングフット80は、針72が材料74から後退するときに材料74がステッチプレート76と接触したままであるようにするために僅かな圧力を加える。図7のFIG.7Aは、FIG.7の線7A-7Aに沿う図である。
【0071】
[0097]ステップ3(図8)において、針72は、部品74から出て、その完全に後退した(上死点TDC)位置に位置決めされる。ルーパ12は、図に示す図に関して、上糸ループ84がルーパ12のアーム90に完全に着座した状態で、完全に時計回りの回転位置又は最大回転位置に移動している。ウォーキングフット80も部品74から持ち上げられ、部品74上の針貫通の次の点まで前進し始める。図8のFIG.8Aは、FIG.8の線8A-8Aに沿う図である。
【0072】
[0098]ステップ4(図9)において、針72は、矢印73の方向に下方に移動し、再び部品74を貫通し、ルーパ12にも係合している。針72は、ここでは下降ストロークにあり、ルーパ12が反時計回りに回転すると、下糸又は下糸92とルーパ12との間を移動する。図に示す図に関して、ウォーキングフット80は、針72が材料に入ると、材料又は部品74と僅かに接触するように矢印73の方向に下方に移動する。図9のFIG.9Aは、FIG.9の9A-9A線に沿う図である。
【0073】
[0099]ステップ5(図10)において、針72は、ルーパ12が図に示される図に対して反時計回りの回転を継続するにつれて矢印73の方向にその下降ストロークで下方に移動し続け、上糸ループ84を解放する。上糸86は、図10のステップ5においてルーパ12によって解放される。図10のFIG.10Aは、FIG.10の線10A-10Aに沿う図である。
【0074】
[00100]ステップ6(図11のFIG.11及びFIG.11A。図11のFIG.11AはFIG.11の線11A-11Aに沿う図である)において、針72はそのストロークの下端(下死点)に到達し、ルーパ12は、図示されている図に関して反時計回りの回転のその端位置に到達し、ステッチが完了すると、上糸84は材料74の裏側75に対してしっかりと引っ張られ、下糸92はそれに沿って引っ張られる。したがって、上糸ループ84は上方に引っ張られ、これにより、縫製ヘッド10が部品74に対して前方に移動してステッチを仕上げる際に下糸92を引っ張る。
【0075】
[00101]本明細書に記載の振動式ルーパ形態は、ルーパ12が部品74と平行な平面内で回転して(少なくとも図6図11を参照されたい)部品に垂直な平面内でステッチ対前後ルーパ動作を形成するので、ルーパ12(少なくとも図12を参照されたい)を収容するために最小ステッチプレート深さを必要とし、これはチェーンステッチ縫製機でより一般的に見られる。ステッチプレートの深さは、所望の糸サイズを処理するために必要な最小ルーパ直径によって決定される。このコンパクトな形態により、従来の設備(例えば、図13及び図14を参照されたい)ではこれまで不可能であった、成形部品上のスルー平面半径の縫製が可能になる。
【0076】
[00102]図13では、ルーパ12を部品74のコーナー96の裏側により近く配置することができるため、部品74のコーナー96をヘッド10によって縫い合わせることができる。これは、ステッチプレート76と部品74又はコーナー96との間のクリアランスが最小限であるか、又は隙間がなく、特にコーナー96において一貫した均一なステッチ外観を確保するためである。対照的に、図14を参照すると、ルーパアーム98は、縫い合わされている部品74の裏面に平行ではなく垂直な軸線100を中心に回転する。図14では、ステッチプレート76と部品74又はコーナー96との間に過剰なクリアランスがあり、したがって、この過剰なクリアランスに起因して、不規則なステッチ長さ又はスキップされたステッチがコーナー96に近接して生じ得る。したがって、本発明の様々な実施形態は、部品74の狭いコーナーにステッチを施すことを可能にする。したがって、部分半径は、マシン/縫製プロセスの制限ではなく、視覚的外観によって決定され得る。更に、振動式ルーパ12を使用することにより、ステッチを形成するために上糸と下糸の両方が使用される。
【0077】
[00103]シリンダアーム16の端部から始まり、そこから上方に延びるミシンポストは、ステッチプレート76の上端で終端する。添付の図に示すように、ステッチプレート76及び/又はポストもしくはポストハウジング76の「x」方向の寸法は、ルーパ12自体の直径によってのみ制限される。ポスト又はポストハウジング70の高さに沿った任意の点でそのサイズを増加させるための他の機構は、ポスト又はポストハウジング70に存在せず、これにより、ポスト又はポストハウジング70及びそのステッチプレート76を、ステッチプレート76と縫い合わされている部品の裏側との間の最小量のクリアランスで、コーナー96又は他の小さな到達しにくい領域などの小さな領域に挿入することが可能になり、それにより、より効果的又は効率的なステッチパターンが得られる。
【0078】
[00104]部品の裏側への最適なアクセスが達成されるように、下側シャフト(出力シャフト)をルーパシャフトに対して調整することができることも理解される。
【0079】
[00105]図15には、シリンダアーム又はシリンダアームアセンブリ輸送部をヘッド10内に導入する一方法が示されている。シリンダアーム又はシリンダアームアセンブリ16の輸送部を利用して、ステッチ作成中に針72とルーパ12との間の適切な関係を維持することができる。ヘッド10の揺動フレーム駆動シャフト101には、シリンダアーム駆動リンク102が取り付けられており、シリンダアーム駆動リンクは、シリンダアーム駆動リンク103に回動可能に接続される。シリンダアーム駆動リンク103は、シリンダ駆動アセンブリ16に接続されたシリンダアーム回転駆動クランプ104に回動可能に接続される。この構成により、シリンダアームアセンブリ16は、揺動フレーム駆動シャフト101を中心とした揺動フレーム105の回転に伴って、順次、下側シャフト42を中心として回転することができる。揺動フレーム駆動シャフト101を中心とした揺動フレーム105の回転が縫い付け方向の針の位置を制御するので、シリンダアームアセンブリ16の回転動作を揺動フレーム駆動シャフト101に接続することにより、針72とルーパ12との界面が、上側針棒輸送部が利用されるときに常に正確であることが保証される。
【0080】
[00106]図16のFIG.16A~FIG.16Cは、ステッチサイクル中の三点におけるシリンダアーム16に対する揺動フレーム105の向きを示す。
【0081】
[00107]図17のFIG.17A~FIG.17Eは、ルーパ12と係合する前に、上糸ループのサイズを制御し、上糸ループの位置を安定させるための糸ブレーキ又はブレーキパッド106の使用を示す。図17のFIG.17Aは、糸ブレーキ106が引っ込められた上死点(TDC)位置にある針を示し、上糸86が針72のアイを通って自由に動くことを可能にする。図17のFIG.17Bは、糸ブレーキ106が針棒107に向かって前方に移動し始め、糸が針107のアイに入る前に上糸86の通過に抵抗を加える、針棒72の移動の下方移動に沿った点を示す。図17のFIG.17Cは、上糸86が針72のアイを通過するのを防止する、針棒107に対して糸86に加えられる全糸ブレーキ106の圧力を示す。針棒がこの点から下方に続くと、上糸ループの形成が始まり、ルーパ12が取り上げられるまで適切な位置に保持される。図17のFIG.17Dは、下死点(BDC)位置にある針棒107を示す。図17のFIG.17Eは、ルーパ12が上糸ループと係合する、上方向に移動した時点の針棒107を示す。この時点でも、糸ブレーキ106は通常、針棒107から外れ始め、針72のアイを通る上糸86の自由な通過を可能にする。
【0082】
[00108]針棒107がTDC(少なくとも図17のFIG.17Aを参照されたい)にあるとき、ばね鋼アーム108は、(ばね鋼アームの形状の結果として)ローラホイールアセンブリ109によって押し下げられる。ばね鋼アーム108は、糸ブレーキに固定され、矢印111の方向に付勢力を与えるように構成される。
【0083】
[00109]針棒107が下方に(及びそれと共にばね鋼アーム108が)移動すると、移動しないローラホイール109は最終的にばね鋼アーム108上の偏向が発生しない点に到達し、その点でブレーキパッド又はねじブレーキ106が圧力を加え、ねじ山86を針棒107に捕捉する。これは、針棒107の下降ストローク長の約50%で発生する。
【0084】
[00110]ブレーキ圧力は、針ストロークのBDCまでずっと印加されたままであり(ばねが作動しなくなり)、ブレーキ解放が始まる(ばねの作動が始まる)前にその上昇ストローク距離の約25%まで印加されたままである。
【0085】
[00111]糸ブレーキ106は、50%針棒107の上向きストロークで完全に解放され、TDCに対する上向き針棒動作のバランスのために解放されたままである(ばね作動)。
【0086】
[00112]上記のブレーキ係合点及び解放点は近似的であり、利用される用途及びねじ山に応じて、ローラホイールアセンブリ109の位置を上下に動かすことによって調整することができる。
【0087】
[00113]勿論、ブレーキ作動/停止の他の手段も可能であることが理解される。
【0088】
[00114]図18のFIG.18A~FIG.18Dはまた、ルーパ12と係合する前に、上糸ループのサイズを制御し、位置を安定させるための糸ブレーキ106の使用を示す。図18のFIG.18Aは、糸ブレーキ106が引き込まれた上死点(TDC)位置の針を示し、上糸86が針72のアイを通って自由に動くことを可能にし、一方、図18のFIG.18B及びFIG.18Cは、糸ブレーキ106が適用された針72及び針棒107の下方動作に沿った点を示す。図18のFIG.18Dは、糸ブレーキがかけられた下死点(BDC)位置にある針棒107を示す。
【0089】
[00115]図19は、ルーパ12が上糸ループを取り上げているときのルーパの上面図である。
【0090】
[00116]針棒107に対する糸ブレーキ106の係合/係合解除の位置及びタイミングは、ルーパ12によるピックアップの前及び最中に最適な上糸ループ形成を達成するために必要に応じて調整することができることが理解される。
【0091】
[00117]一実施形態では、部品74は、車両の内部部分の一部であってもよい。一実施態様では、この部分は、車両の内部の任意の一部分であってもよい。例えば、一部分は、車両のインストルメントパネルの部分を含んでもよい。勿論、一部分は、車両内の任意の表面に配置されてもよい。非限定的な例としては、車両ドアパネル、車両コンソール蓋、車両コンソールパネル、インストルメントパネル、車両アームレスト、ヘッドライナー、シートバック、パッケージトレイ、任意の装飾車両内面が挙げられる。更に、本明細書に開示される方法論は、他の非車両製造プロセスで使用されるアイテム又は構成要素に適用されてもよく、したがって、一部分又は部品74は、任意の製造品を指すことができる。
【0092】
[00118]内装部分又は物品又は部品74は、単層又は多層構造であってもよい。一実施形態では、部品74は、実質的に滑らかな外面と、外面から外方に面する下面とを有する外皮層を少なくとも含む。外皮層は、実質的な可撓性及び審美的に心地よい特性を有するプラスチック材料で形成されることが好ましい。当然のことながら、本発明の様々な実施形態では、他の材料の天然(例えば、皮革など)及び模擬被覆が使用されることが企図される。一実施形態では、内装部分は、車両内部の装飾要素である。
【0093】
[00119]内装部分の柔軟性を高めるために、一実施形態では、クッション支持材料の層を外皮層の下の領域に設けることができる。クッション支持材料は、任意の数の異なる構造であってもよいが、架橋ポリプロピレン(XLPP)又はポリウレタン(PU)発泡体などの発泡材料が潜在的に好ましい場合があることが考えられる。
【0094】
[00120]寸法的に安定したプラスチック又は他の適切な材料の基板パネルもまた、クッション支持材料の下に配置されてもよい。
【0095】
[00121]一実施形態によれば、緩衝支持材料及び基板パネルは、協働して外皮層の支持構造を提供するように機能することができる。
【0096】
[00122]クッション支持材料を形成するPU発泡体は、多層複合構造を形成するように外皮層と基板パネルとの間に吹き付けられてもよいと考えられる。クッション材料は、その後に利用され得るように任意の基板パネルにわたって適用され得る予備層状複合材を形成するように、予備クラッディング工程において外皮層に取り付けられ得ることも考えられる。クッション材料は、その後に外皮層で包むことができる予備層状複合材を形成するように、予備クラッディング工程において外側基材層に取り付けられてもよいことも考えられる。
【0097】
[00123]更に、部品は、単一層(スキンのみ)、二重層(スキン/フォーム)又は三重層(スキン/フォーム/基材)のいずれかであってもよい。更に別の代替実施形態では、皮膚と基材との間の中間発泡体層は、発泡体層の代わりにスペーサファブリックであってもよい。更に別の代替実施形態では、スペーサファブリックは、スキンと発泡層との間、又は基材と発泡層との間、又はスキンと発泡層と発泡層と基材との両方の間のいずれかで発泡層と共に使用されてもよい。したがって、本明細書に開示される方法及び関連装置は、前述の部品74の構成のいずれかと共に使用されると考えられる。
【0098】
[00124]他の実施形態では、部品74は、単層又は複数層を有することができる真空成形プロセス又は真空成形部品によって形成することができ、その一部は異なる材料から形成することができ、部品は様々な構成を有する三次元形態を有する。更に、前述の部品は、ステッチプロセス又は適用中に部品を適切に曲げることができないという点で、それに関連する剛性を有することができる。
【0099】
[00125]前述したように、高価なカットアンドソー技術を使用することなく、装飾的な自動車トリム部品に格好のいい非機能性ステッチを提供することが望まれている。本発明の一実施形態によれば、本方法は、ステッチが隣接して配置される(例えば、互いに対向して平行である)ダブルステッチを施すために使用される。
【0100】
[00126]本発明の様々な実施形態は、輸送産業又は車両及び車両部品製造に使用される未形成及び予備形成材料構造に装飾的ステッチを施す代替方法に関する。本明細書に開示される方法は、フラットストック材料(カットアンドソー)の両方に使用することができるが、材料に損傷を与えることなく容易に平坦化することができないようにある程度の剛性を有する部品に使用すると、より大きな利益をもたらす。
【0101】
[00127]本明細書で使用される場合、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では順序、量、又は重要性を示すものではなく、むしろ1つの要素を他の要素から区別するために使用され、本明細書の「1つ(a)」及び「1つ(an)」という用語は量の限定を示すものではなく、むしろ参照される項目の少なくとも1つの存在を示す。更に、「下端」及び「上端」という用語は、特に明記しない限り、単に説明の便宜のために本明細書で使用され、任意の1つの位置又は空間的方向に限定されないことに留意されたい。
【0102】
[00128]量に関連して使用される修飾語「約」は、記載された値を含み、文脈によって指示される意味を有する(例えば、は、特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む。)。
【0103】
[00129]典型的な実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を成すことができるとともに、等価物がその要素に取って代わることができる。また、本発明の本質的範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示内容に適合させるべく多くの改変を成すことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は、本出願の範囲内に入る全ての実施形態を含むことが意図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17-1】
図17-2】
図18-1】
図18-2】
図19
【外国語明細書】