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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153102
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ソーラーパネル付き平板
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/36 20140101AFI20231010BHJP
   H02S 40/34 20140101ALI20231010BHJP
   E01C 7/32 20060101ALI20231010BHJP
   E04F 15/02 20060101ALN20231010BHJP
【FI】
H02S40/36
H02S40/34
E01C7/32
E04F15/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060238
(22)【出願日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】P 2022062423
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】508364174
【氏名又は名称】早水電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沖 孝二
【テーマコード(参考)】
2D051
2E220
5F251
【Fターム(参考)】
2D051AB03
2D051AH06
2D051DA04
2D051DC03
2E220AA59
2E220AB01
2E220GA25X
2E220GB22X
2E220GB28X
5F251BA03
5F251JA09
5F251JA12
5F251JA13
5F251JA27
(57)【要約】
【課題】複数を一体として活用できる、ソーラーパネル付き平板を提供する。
【解決手段】ソーラーパネル付き平板10は、ソーラーパネル20を載置可能な矩形状の台部と、台部の周囲を囲む壁部とを有するコンクリートで構成された矩形状の下部フレーム12と、矩形状の台部の上に載置されたクッション材と、クッション材の上に載置されたソーラーパネル20と、を含み、下部フレーム12には、隣接する平板のソーラーパネルと接続するためのケーブルを通す通線溝15が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネルを載置可能な矩形状の台部と、前記矩形状の台部の周囲を囲む壁部とを有するコンクリートで構成された矩形状の下部フレームと、
前記矩形状の台部の上に載置されたクッション材と、
前記クッション材の上に載置されたソーラーパネルと、を含み、
前記下部フレームには、隣接する平板のソーラーパネルと接続するためのケーブルを通す通線溝が設けられる、ソーラーパネル付き平板。
【請求項2】
前記ソーラーパネルには、前記ソーラーパネルの下部に突出するジャンクションボックスが設けられ、
前記矩形状の台部には、前記ジャンクションボックスを収容する凹部が設けられている、請求項1に記載のソーラーパネル付き平板。
【請求項3】
前記ジャンクションボックスには、ケーブルが接続され、前記矩形状の台部には、前記ケーブルを通すための溝が設けられる、請求項2に記載のソーラーパネル付き平板。
【請求項4】
前記矩形状の下部フレームは4つの辺を有し、前記通線溝は、前記4つの辺の中央に設けられる、請求項1に記載のソーラーパネル付き平板。
【請求項5】
前記矩形状の台部は4つの辺を有し、前記通線溝は、前記4つの辺のうちの対向する2辺に設けられる、請求項1に記載のソーラーパネル付き平板。
【請求項6】
前記壁部の上面と、前記ソーラーパネルの上面とは、同一平面を構成する、請求項1に記載のソーラーパネル付き平板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はソーラーパネル付き平板に関し、特に、複数のソーラーパネル付き平板が連続して接続可能なソーラーパネル付き平板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の太陽光発電機能を有するソーラーパネルを有する舗装構造体が、例えば、特開2018-145611号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1によれば、太陽光発電機能を有する舗装構造体は、ソーラーパネル2と、保護層3と、を備えている。舗装構造体1は、その上面(保護層3の上面)が車道または歩道のような舗装体4と面一となるように、舗装体4に埋設されている。保護層3は、ソーラーパネル2上に形成され、その表面の全てまたは一部は、凹および/または凸形状を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-145611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の、ソーラーパネルを有する舗装構造体は上記のように構成されていた。個別に設けることしか考えられていなかったため、複数のソーラーパネルを有する舗装構造体を一体化して設けることができなかった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、複数を一体として活用できる、ソーラーパネル付き平板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るソーラーパネル付き平板は、ソーラーパネルを載置可能な矩形状の台部と、矩形状の台部の周囲を囲む壁部とを有するコンクリートで構成された矩形状の下部フレームと、矩形状の台部の上に載置されたクッション材と、クッション材の上に載置されたソーラーパネルと、を含み、下部フレームには、隣接する平板のソーラーパネルと接続するためのケーブルを通す通線溝が設けられる。
【0007】
好ましくは、ソーラーパネルには、ソーラーパネルの下部に突出するジャンクションボックスが設けられ、矩形状の台部には、ジャンクションボックスを収容する凹部が設けられている。
【0008】
さらに好ましくは、ジャンクションボックスには、ケーブルが接続され、矩形状の台部には、ケーブルを通すための溝が設けられる。
【0009】
さらに好ましくは、下部フレームは4つの辺を有し、通線溝は、4つの辺の中央に設けられる。
【0010】
この発明の一実施の形態においては、矩形状の下部フレームは4つの辺を有し、通線溝は、4つの辺のうちの対向する2辺に設けられてもよい。
【0011】
壁部の上面と、ソーラーパネルの上面とは、同一平面を構成してもよい。
【発明の効果】
【0012】
ソーラーパネル付き平板には、隣接する平板のソーラーパネルと接続するためのケーブルを通す通線溝が設けられる。
【0013】
その結果、複数のソーラーパネル付き平板を一体として活用できる、ソーラーパネル付き平板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施の形態に係る、ソーラーパネル付き平板を示す斜視図である。
図2図1に示したサブソーラーパネルの断面図である。
図3図1において、矢印III-IIIで示す部分の断面図である。
図4】一実施の形態に係るソーラーパネルを裏面から見た状態の斜視図(A)と、平板の構成を示す斜視図(B)である。
図5】他の実施の形態に係るソーラーパネルを裏面から見た状態の斜視図(A)と、平板の構成を示す斜視図(B)である。
図6】さらに他の実施の形態に係るソーラーパネルを示す斜視図である。
図7】さらに他の実施の形態に係るソーラーパネルにおけるジャンクションボックスの配置を示す斜視図である。
図8】ソーラーパネル付き平板の施工状態を示す斜視図である。
図9】ソーラーパネル付き平板とソーラーパネルが付いていない台板とが施工された歩道を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明の一実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る、ソーラーパネル付き平板10を示す斜視図である。図1を参照して、ソーラーパネル付き平板10は、ソーラーパネル20と、ソーラーパネル20を収容した下部フレーム(平板)12とを含み、ソーラーパネル20の上表面はノンスリップ加工26が施されている。また、ここでは、ソーラーパネル20は、4つの小さいサブソーラーパネル20aを含む。
【0016】
図2は、図1において示した1つのサブソーラーパネル20aの断面図である。図2を参照して、サブソーラーパネル20aは、中央に設けられたソーラーセル23と、ソーラーセル23を挟むように上下に設けられたガラス中間膜24a,24bと、ガラス中間膜24a,24bを挟むように上下に設けられた強化ガラス22a,22bと、を含む。
【0017】
図3は、図1において、矢印III-IIIで示す部分の断面図である。図3を参照して、下部フレーム12は、矩形状の台部13と、台部13矩形状の端部から上方向に延びる壁部14と、を有し、台部13の上に、クッション材18を挟んでソーラーパネル20が載置される。なお、ここでは、サブソーラーパネル20aの図示を省略している。
【0018】
台部13の中央部には、凹部17が設けられ、この凹部17にソーラーパネル20の中央部に下方向に突出して設けられたジャンクションボックス28が収容される。ここでは、1つのソーラーパネル20ごとに1つのジャンクションボックス28を設けている。したがって、ここでは、1つのジャンクションボックス28は図示のない4つのサブソーラーパネル20aに接続されている。
【0019】
また、矩形状の壁部14のそれぞれの中央下部には、ジャンクションボックス28からのびる、図示のない接続ケーブルを、外部に隣接して配置される、別のソーラーパネル付き平板と接続するための、通線溝15が設けられている。
【0020】
また、図3に示すように、ソーラーパネル20の上平面と、それを収容する壁部14の上の端部とは同一平面を構成している。
【0021】
このように、ソーラーパネル付き平板10は、通常、「カラー平板」といわれる歩道に使用されるコンクリート製の平板と同様に使用可能なように、その寸法は、カラー平板と同様にしても良い。
【0022】
次に、図3に示したように、ソーラーパネル20を矩形状の台部13の上で壁部14の内部に収容する方法について説明する。図4は、この方法を示す図である。図4(A)は、ソーラーパネル20をその裏面から見た斜視図であり、図4(B)は、下部フレーム12の斜視図である。ここでも、サブソーラーパネル20aの図示を省略している。
【0023】
図4(A)を参照して、ソーラーパネル20の裏面には、中央部にジャンクションボックス28が設けられ、ジャンクションボックス28から、先端部に接続端子30a、30bを有する2本のケーブルが延びている。この接続端子で、隣接して設けられるソーラーパネル付き平板に収容されたソーラーパネルと接続される。
【0024】
また、図4(A)に示したソーラーパネル20を反転して、図4(B)に示した下部フレーム12の矩形状の台部13上に裁置する。
【0025】
図4(B)に示すように、台部13には凹部17が形成され、その中央部にはジャンクションボックス収用部16が形成されている。なお、ここでは、ジャンクションボックス収用部16と、それに連続する凹部17とは同じ深さの通線領域として作動し、中央部から4つの辺の中央部に向かってジグザグ状に形成されている。すなわち、凹部17は配線スペースとなっており、埋設配管作業の必要は無い。
【0026】
なお、図4(B)に示すように、凹部17の下部フレーム12の端部には外部のソーラーパネルと接続するための、図1に示した通線溝15と同様の通線溝48が設けられ、これらの通線溝48を保護するために通線溝閉じ部品50が設けられている。
【0027】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図5は、この発明の他の実施の形態に係るソーラーパネルを裏面から見た状態の斜視図(A)と、下部フレームの構成を示す斜視図で(B)ある。
【0028】
この実施の形態においては、ソーラーパネル20bは、先の実施の形態と同様に矩形状であるが、そのジャンクションボックス28が配置される位置は、先の実施の形態と異なり、ソーラーパネルの矩形状の四隅のうちの一つである。このジャンクションボックス28が配置される位置に対応して、下部フレーム12aには、その矩形状の四隅のうちの一つの位置にジャンクションボックス収用部16aが設けられている。
【0029】
また、この実施の形態においては、凹部17は、下部フレーム12の中央部から4辺へ直線状に設けられている。
【0030】
次に、この発明のさらに他の実施の形態について説明する。図6(A)は、この発明のさらに他の実施の形態に係るソーラーパネル付き平板40を収容する下部フレーム42を斜め上から見た斜視図示す図であり、先の実施の形態における図4(B)に対応する。なお、ここでは、ソーラーパネルの図示を省略している。この実施の形態においては、ソーラーパネルは、先の実施の形態と同様に矩形状であるが、配線の溝となる凹部47は下部フレーム42を構成する矩形状の台部の4つの辺のうちの対向する2辺を最短で結ぶように、矩形状の台部の一方の端部側に直線状に設けられている。
【0031】
また、ここでは、ジャンクションボックス28を凹部47に収容しやすいように凹部47は底部に対して上部がテーパ状に広がっている。
【0032】
図6(B)は、図6(A)に示した下部フレーム42の対向する2辺に設けられた通線溝となる凹部47の端部である通線溝48a,48bに通線溝閉じ部品50a,50bを取付けた図であり、図6(C)は、この実施の形態におけるソーラーパネル40の矩形状の台部43の上に、クッション材53としてゴム板を載置した状態を示す図であり、図6(D)は、図6(C)に示したクッション材53の上に同一形状の2つのサブソーラーパネル40aを含むソーラーパネル41を載置した状態を示す図である。ここで、2つのサブソーラーパネル40aには、後に、図7(A)で説明するジャンクションボックス28から電力が供給される。
【0033】
この実施の形態においては、ジャンクションボックス28を下部フレーム42の中央ではなく、偏心した位置に配置するように構成したため、負荷軽減が可能になる。なお、この配置は任意の位置で良い。
【0034】
次に、図6(D)に示したソーラーパネル41を複数連続して配置する状態について説明する。図7はこの状態を説明する図であり、図7(A)は図6(A)において、凹部47にジャンクションボックス28が載置された状態を示す図であり、図7(B)は図7(A)に示したソーラーパネルを複数連続して横方向に載置した状態を示す図である。
【0035】
図7(A)に示したように、裏面にジャンクションボックス28を有するソーラーパネル41をクッション材53としてゴム板の上に載置する。なお、図7(A)の上の図ではジャンクションボックス28から延びる接続ケーブルを省略している。また、図7(B)では、ジャンクションボックス28のみを示しており、その上面に設けられたソーラーパネル(図7(A)参照)の図示を省略している。
【0036】
図7(A)に示すように、ジャンクションボックス28は矩形状であり、その長手方向に対向する端面に接続ケーブルが接続され、その反対側の端部に接続端子30a,30bが設けられている。
【0037】
次に、このようにして、複数のソーラーパネル付き平板が施工される状態について説明する。図8は、図1図5に示したソーラーパネル付き平板の施工状態を示す斜視図である。なお、図6および図7に示したソーラーパネル付き平板の施工状態も同様である。
【0038】
図8を参照して、図中一部は、下部フレーム12のみが載置された状態(ジグザグの溝32が見えている状態)を示し、一部は、下部フレームの上にソーラーパネルが載置されて、ソーラーパネル付き平板10が完成した状態を示す。ここに示すように、通常のカラー平板と同様に、ソーラーパネル付き平板10が施工される。
【0039】
次に、このようにして施工された実際の歩道について説明する。図9は、ソーラーパネル付き平板10とソーラーパネル20が付いていない平板33とが施工された歩道を示す図である。
【0040】
図9を参照して、歩道の任意の位置に通常のカラー平板と同様にソーラーパネル付き平板を載置できる。
【0041】
なお、上記実施の形態においては、ソーラーパネル付き平板を歩道に設けた場合について説明したが、これに限らず、車道に設けても良い。
【0042】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示する実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明にかかるソーラーパネル付き平板は、カラー平板と同様に施工できるため、ソーラーパネル付き平板として、有利に使用される。
【符号の説明】
【0044】
10,40 ソーラーパネル付き平板
12,42 下部フレーム(平板)
13,43 台部
14,44 壁部
15,48 通線溝
16 ジャンクションボックス収容部
17,47 凹部
18,53 クッション材
20,41 ソーラーパネル
20a,40a サブソーラーパネル
22a,22b 強化ガラス
23 ソーラーセル
24 ガラス中間膜
28 ジャンクションボックス
29 接続ケーブル
30a,30b 接続端子
42 辺
50 通線部閉じ部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9