(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153192
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】サウナ用加熱装置
(51)【国際特許分類】
A61H 33/06 20060101AFI20231006BHJP
F24C 1/08 20210101ALI20231006BHJP
【FI】
A61H33/06 E
F24C1/08
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125528
(22)【出願日】2023-08-01
(62)【分割の表示】P 2021155413の分割
【原出願日】2021-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】521418780
【氏名又は名称】池谷 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】池谷 高明
(57)【要約】
【課題】安全性の向上に貢献できるサウナ用加熱装置を提供する。
【解決手段】サウナ室Sの外に燃焼炉3が配設され、前記サウナ室Sの中に放熱釜6が配設され、前記燃焼炉3で生成される燃焼ガスを熱源として前記放熱釜6が加熱され、該放熱釜6に供給される燃焼ガスのすべてが排出配管13によって前記サウナ室Sの外に排出され、前記燃焼炉3が前記サウナ室Sの外で開口する焚口2を備えている。本発明では、サウナ室Sの外に燃焼炉3が配設され、該燃焼炉3の焚口2がサウナ室Sの外に開口するので、サウナ室S内での一酸化炭素中毒やサウナ利用者のけがや火傷が防止でき、安全性の向上に貢献できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウナ室の外に燃焼炉が配設され、前記サウナ室の中に放熱釜が配設され、前記燃焼炉で生成される燃焼ガスを熱源として前記放熱釜が加熱され、該放熱釜に供給される燃焼ガスのすべてが排出配管によって前記サウナ室の外に排出され、前記燃焼炉が前記サウナ室の外で開口する焚口を備えている、サウナ用加熱装置。
【請求項2】
前記燃焼炉が前記サウナ室の外の床面に定置されている、請求項1に記載のサウナ用加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ用加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サウナ用加熱装置の一種として、
図2に示すサウナストーブ30が知られている。サウナストーブ30は、サウナ室S内に設置される燃焼炉31と、燃焼炉31の燃焼ガスをサウナ室Sの外に排出する排出配管32と、を備える。そして、通常は、サウナ室S内において燃焼炉31によってサウナストーンRが加熱され、サウナストーンRの放射熱でサウナ室S内が加熱される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のサウナストーブは、開閉自在な扉34を有する燃焼炉31の焚口33がサウナ室S内に位置するので、サウナ室S内で一酸化炭素中毒が起こる虞がある。また、サウナ室S内の燃焼炉31で薪Tを燃やすと、薪Tの追加時に焚口33から火の粉が出たりして、サウナ利用者にけがや火傷を負わせる虞もある。
【0004】
本発明は前記のような事情に鑑みてなされたもので、安全性の向上に貢献できるサウナ用加熱装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明に係るサウナ用加熱装置は、サウナ室の外に燃焼炉が配設され、前記サウナ室の中に放熱釜が配設され、前記燃焼炉で生成される燃焼ガスを熱源として前記放熱釜が加熱され、該放熱釜に供給される燃焼ガスのすべてが排出配管によって前記サウナ室の外に排出され、前記燃焼炉が前記サウナ室の外で開口する焚口を備えることを特徴とする(請求項1)。本発明において、燃焼炉の焚口は、扉や蓋等の閉鎖体で開閉自在であってもよいし、常時開放されていてもよい。
【0006】
本発明によれば、サウナ室の外で開口する焚口から燃焼炉内に燃料が供給され、燃焼炉で燃焼ガスが生成される。そして、この燃焼ガスを熱源としてサウナ室内が加熱される。燃焼ガスはすべて、漏らすことなく排出配管によってサウナ室の外に排出される。本発明では、サウナ室の外に燃焼炉が配設され、燃焼炉の焚口がサウナ室の外に開口するので、サウナ室内での一酸化炭素中毒やサウナ利用者のけがや火傷が防止でき、安全性の向上に貢献できる。
【0007】
実施の一形態として、前記燃焼炉が前記サウナ室の外の床面に定置されている態様としてもよい(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の一形態に係るサウナ用加熱装置の概略構成を含むサウナ設備の説明図である。
【
図2】従来のサウナ用加熱装置を含むサウナ設備の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1に示すように、本発明の実施の一形態に係るサウナ用加熱装置1は、焚口2がサウナ室Sの外に開口する燃焼炉3を備える。そして、燃焼炉3で生成される燃焼ガスを熱源としてサウナ室Sが加熱される。燃焼ガスはすべて、漏らすことなくサウナ室Sの外に排出される。燃焼炉3の焚口2がサウナ室Sの外に開口するので、サウナ室S内での一酸化炭素中毒やサウナ利用者のけがや火傷が防止でき、安全性の向上に貢献できる。燃焼炉3の焚口2は、
図1の例のように扉4aや蓋等の閉鎖体4で開閉自在であってもよいし、常時開放されていてもよい。サウナ室S内には、周知の通り、階段状又はベンチ状等の適宜の構成の腰掛部5が配設される。
【0011】
燃焼炉3は、焚口2から供給される薪や石炭等の燃料Tを内部で燃焼させるための炉である。燃料Tの燃焼により、燃焼炉3内で燃焼ガスが発生する。
図1の例では、燃焼炉3の全体がサウナ室Sの外の床面に定置して配設され、サウナ室S内には放熱釜6が配設される。燃焼炉3と放熱釜6は導入配管7によって連通され、燃焼炉3の燃焼ガスが導入配管7を通じて放熱釜6内へと導入される。燃焼炉3は、サウナ室Sに隣接させて配設するのが好ましい。このようにすれば、第一に、導入配管7内での燃焼ガスの温度低下が抑制されるからである。第二に、導入配管7の配設距離を短くできることから、配管作業が簡単且つ迅速に行えるからである。
【0012】
燃焼炉3は、焚口2を有する箱形の炉本体8と、焚口2を開閉自在な閉鎖体4としての扉4aと、を備える。図示例では、焚口2が横向きに開口し、扉4aは、縦軸を中心として回動することで、横向きの焚口2を開閉する。図示してはいないが、扉4aには吸気口が形成される。閉鎖体4の他の例として、上下や左右にスライド自在な蓋体等を採用してもよい。燃焼炉3の天井部9は、上方に近づくにつれて縮小する錐体状になっており、天井部9の上端に導入配管7が接続される。
【0013】
導入配管7は、耐熱性を有する配管であり、サウナ室Sの壁Wを貫通してサウナ室S内へと延びる。サウナ室Sの壁Wと導入配管7の外周面との間は、耐熱性を有するシール材10でシールされる。燃焼炉3で生成される燃焼ガスは、導入配管7を通してサウナ室S内の放熱釜6へと導入される。サウナ室S内に放熱釜6を設け、この放熱釜6をサウナ室Sの外の燃焼炉3に直結させることで、サウナ室S内に燃焼炉31を配設する従来のサウナストーブ30(
図3参照)とほぼ変わらない室内温度を実現できる。なお、燃焼炉3から放熱釜6内への燃焼ガスの移動を促進するために、導入配管7は、燃焼炉3から放熱釜6内へ向けて、斜め上向きに配設するのが好ましい。
【0014】
サウナ室S内に配設される放熱釜6は、耐熱性を有し放熱性に富む箱体であり、導入配管受入口6aと排出配管接続口6bとを備え、それ以外の部分が閉じている。導入配管受入口6aは放熱釜6の底部又は側部に配設され、排出配管接続口6bは、放熱釜6の天井部11に配設される。導入配管受入口6aには導入配管7が気密に挿通され、排出配管接続口6bには排出配管が気密に接続される。放熱釜6内における導入管路7の端部7aは、放熱釜6の天井部11へ向けて徐々に拡大する形状とされ、燃焼炉3の燃焼ガスが放熱釜6の天井部11を効率的に加熱できるようになっている。
【0015】
放熱釜6の上部にはサウナストーン収容部12が形成される。サウナストーン収容部12は、放熱釜6の天井部11を取り囲む網状又は柵状の収容部であり、放熱釜6の天板11aがサウナストーン収容部12の底面となっている。サウナストーン収容部12内にはサウナストーンRが載置される。サウナストーンRは、放熱釜6の天板11aを介して加熱され、放射熱と対流熱を発生してサウナ室S内を均一に且つソフトに加熱する。サウナストーンRは、放熱釜6の天板11aから上方へ延びる排出配管13の下部を取り囲むように配置される。これにより、排出配管13からの放射熱によってもサウナストーンRが加熱されるので、サウナストーンRの加熱効率が向上する。
【0016】
前記構成において、サウナストーンRに水を掛けることにより高温の蒸気熱が発生する。この蒸気熱は、サウナ室S内に高温だけでなく適度な湿度を提供するので、快適で身体にやさしいサウナ入浴が可能となる。
【0017】
排出配管13は、耐熱性を有する配管であり、放熱釜6の天板11aから上方へ延び、サウナ室S内の腰掛部5の上方を通ってサウナ室Sの上部を横向きに長く延びてサウナ室Sの外へと開口する。放熱釜6内の燃焼ガスは、排出配管13によってサウナ室Sの外へと排出される。
図1に示すように、サウナ室Sの上部を横向きに長く延びるように排出配管13を配設することで、排出配管13の放射熱によってサウナ室S内が効率的に加熱される。
【0018】
図1のサウナ用加熱装置1は、サウナ室S内の空気が燃焼ガスの発生に一切使用されず、しかも、発生した燃焼ガスは、サウナ室Sの外へ排気されるまで、サウナ室Sの利用者側空間から完全に遮断される。このため、サウナ室Sの利用者側空間における一酸化炭素中毒のリスクを格段に減らすことができる。
【0019】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0020】
2 焚口
3 燃焼炉
6 放熱釜
13 排出配管
S サウナ室