(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153239
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】締結装置
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A43C11/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131075
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2021172538の分割
【原出願日】2019-09-06
(31)【優先権主張番号】107138414
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】108123146
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】510299178
【氏名又は名称】陳 金柱
【氏名又は名称原語表記】CHEN,Chin-Chu
【住所又は居所原語表記】No.11-1,Lane 188,Gougye Rd.,Zhonghe Village,Longjing District Taichung,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】陳 金柱
(57)【要約】
【課題】締結装置を提供する。
【解決手段】
収容空間230を形成するように囲むと共に収容空間230に向かう複数の凸歯221を含む側壁220と、収容空間230に連通される上開口240と、上開口240に対向し且つ収容空間230に連通される下開口250と、を含むケースユニット200と、
収容空間230に位置するリール300と、収容空間230に位置する回り止めユニット400と、ケースユニット200に被覆されるノブ500と、を備え、複数の凸歯221の下縁2211によってリール300が上開口240を介して収容空間230から離脱しないようにブロックする締結装置100を提供する。これにより、リール300が下から上へケースユニット200に取り付けられることを可能にし、且つリール300が上開口240を介してケースユニット200から離脱することを避けて、組み立ての容易さに寄与し、締結装置100の構造安定性を高める。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を形成するように囲むと共に前記収容空間に向かう複数の凸歯を含む側壁と、前記収容空間に連通される上開口と、前記上開口に対向し且つ前記収容空間に連通される下開口と、を含むケースユニットと、
前記収容空間に位置するリールと、
前記収容空間に位置する回り止めユニットと、
前記ケースユニットに被覆されるノブと、
を備え、
前記複数の凸歯の下縁によって前記リールが前記上開口を介して前記収容空間から離脱しないようにブロックする締結装置。
【請求項2】
下へ突出して延伸する少なくとも1つの係合爪を更に備え、前記少なくとも1つの係合爪が前記回り止めユニットの本体又は前記ノブの内頂面に設けられ、前記リールは係合部を含み、前記ノブが第1の位置に位置する場合、前記少なくとも1つの係合爪は前記係合部に結合され、前記ノブが第2の位置に位置する場合、前記少なくとも1つの係合爪は前記係合部から離脱する請求項1記載の締結装置。
【請求項3】
2つのバルジアーム及び2つの位置限定バルジを更に備え、2つの前記バルジアームが対称的に前記回り止めユニットの本体又は前記ノブの内頂面に設けられ、且つ2つの前記バルジアームがそれぞれ下へ突出して延伸し、各前記位置限定バルジが各前記バルジアームの遠位端に位置し、前記リールは、2つの前記バルジアーム及び2つの前記位置限定バルジが挿通するための中間スルーホールを更に含み、前記ノブが第1の位置及び第2の位置で切り替えられる場合、2つの前記バルジアームは軸方向に沿って前記中間スルーホールに対して変位し、2つの前記位置限定バルジは前記中間スルーホールにより位置限定される請求項1記載の締結装置。
【請求項4】
第1の駆動部を含む前記回り止めユニットと、前記リールは前記第1の駆動部に対応する第2の駆動部を含み、前記ノブが第1の位置に位置する場合、前記第1の駆動部は前記第2の駆動部に結合され、前記回り止めユニットは前記複数の凸歯に対応し且つ少なくとも1つの前記複数の凸歯に係合されて前記リールの第1の方向への回転を阻止し、前記ノブを前記第1の方向に対向する第2の方向へ回転させ、前記回り止めユニットが少なくとも1つの前記複数の凸歯から離脱して前記リールの前記第2の方向への回転を阻止しない請求項1記載の締結装置。
【請求項5】
前記側壁は環状頂面を含む内ループ凹溝を備え、前記リールは前記内ループ凹溝に収容される下ループ部を含み、且つ前記環状頂面は前記リールが前記上開口を介して前記収容空間から離脱しないようにブロックする請求項1記載の締結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結装置に関し、特に、ひもを締緩することのできる締結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、物品を締め付けるために、ロープ及びひもはよく使用される。レースシューズのような、ラインで物品における穴を往復して貫通して、結び目等で固定する締め付け手段は最もよく見られる。しかしながら、このような締め付け方法では、外力により結び目が緩んでしまう傾向があるため、結び目を改めて締め付ける必要があるだけでなく、物品を安定的に締め付けることができないことで多くの不都合を招く。
【0003】
このような課題を解決するために、簡易な締めひも構造が業界によって提供される。その簡易な締めひも構造は、ケース、回り止めユニット及びバネを含み、ケースにひもを貫通させるためのスルーホールを有し、バネと回り止めユニットとの間の作用力によってひもを回り止めユニットとケースとの間に挟まって締結効果を実現し、バネを押し付けて回り止めユニット位置を変えるとひもの長さを変えることができる。しかし、このような締めひも構造は、バネの復帰力によって締結力を提供するので、相変わらず震動又は外部要因によりひもが係脱し、且つこのような締めひも構造にひもを収納する空間がないため、ひもが露出して危険性がある。
【0004】
そのため、業者により、回転可能に締めひもを締め付け固定する別の留め具が発展される。その留め具は、ひもが留め具の内部に収納されることができ、且つ内部材の機械の干渉によってひもの長さを調整すると共に、締め付けるタイト度を調整することができる。しかし、このような留め具の構造は、複雑であるので、製造コストが向上すると共に、組立及びメンテナンスが困難である問題がある。
【0005】
従って、業者により留め具の内部の構造に対して絶えなく調整及び改良を加えるのは、何れも構造を簡素化する前提で、相変わらず留め具の締結能力を保持し、構造の信頼性を向上させることが望まれている。
これに鑑みて、如何に留め具構造等の締結装置を効果的に改善するかは、業者にとって努力する目標となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1833680号公報
【特許文献2】特表2019-503738号公報
【特許文献3】特表2016-539750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、構造配置によって、リールが上開口を介してケースユニットから離脱することを避けることのできる締結装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の一実施形態によれば、収容空間を形成するように囲んでなり、収容空間へ突出する側壁と、収容空間に連通される上開口と、上開口に対向し且つ収容空間に連通される下開口と、を含むケースユニットと、収容空間に位置するリールと、を備え、リールは側壁により位置限定され、且つ側壁はリールが上開口を介して収容空間から離脱しないようにブロックする締結装置を提供する。
【0009】
これにより、リールが下から上へケースユニットに取り付けられることを可能にし、且つリールが上開口を介してケースユニットから離脱することを避けて、組み立ての容易さに寄与し、締結装置の構造信頼性を向上させることができる。
【0010】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、側壁は、収容空間へ突出し、且つ下縁によってリールが上開口を介して収容空間から離脱しないようにブロックする複数の凸歯を含んでよい。或いは、側壁は内ループ凹溝を備えてよく、内ループ凹溝が環状頂面を含み、リールが下ループ部を含み、下ループ部が対応的に内ループ凹溝に収容され、且つ環状頂面はリールが上開口を介して収容空間から離脱しないようにブロックする。側壁は、収容空間に向かう複数の凸歯を含んでよい。
【0011】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、ケースユニットに被覆されるノブと、収容空間に位置し、ノブに結合され、第1の駆動部を含む回り止めユニットと、を備えてよく、リールは第1の駆動部に対応する第2の駆動部を含み、ノブが回り止めユニットを軸方向に沿って第1の位置と第2の位置との間で切り替えるように連動させ、ノブが第1の位置に位置する場合、第1の駆動部は第2の駆動部に結合され、回り止めユニットは凸歯に対応し且つ少なくとも1つの凸歯に係合されてリールの第1の方向への回転を阻止し、ノブを第1の方向に対向する第2の方向へ回転させ、回り止めユニットが少なくとも1つの凸歯から離脱してリールの第2の方向への回転を阻止しないが、ノブが第2の位置に位置する場合、回り止めユニットはリールの第1の方向への回転を阻止しない。
【0012】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、下へ突出して延伸する少なくとも1つの係合爪を更に備えてよく、前記少なくとも1つの係合爪が回り止めユニットの本体又はノブの内頂面に設けられ、リールは係合部を含み、ノブが第1の位置に位置する場合、少なくとも1つの係合爪は係合部に結合され、ノブが第2の位置に位置する場合、少なくとも1つの係合爪は係合部から離脱する。また、前記締結装置は、2つのバルジアーム及び2つの位置限定バルジを更に備えてよく、2つのバルジアームが対称的に回り止めユニットの本体又はノブの内頂面に設けられ、且つ2つのバルジアームがそれぞれ下へ突出して延伸し、各位置限定バルジが各バルジアームの遠位端に位置し、リールは、2つのバルジアーム及び2つの位置限定バルジが挿通するための中間スルーホールを更に含み、ノブが第1の位置及び第2の位置で切り替えられる場合、2つのバルジアームは軸方向に沿って中間スルーホールに対して変位し、2つの位置限定バルジは中間スルーホールにより位置限定される。
【0013】
本発明の一態様の別の実施形態によれば、収容空間を形成するように囲んでなる側壁と、収容空間に連通される上開口と、上開口に対向し且つ収容空間に連通される下開口と、を含むケースユニットと、収容空間に位置するリールと、ケースユニットに被覆されるノブと、収容空間に位置し且つリールの上に位置し、ノブに結合される回り止めユニットと、を備え、リールは側壁により位置限定され、側壁はリールが上開口を介して収容空間から離脱しないようにブロックし、且つノブは回り止めユニットを軸方向に沿って第1の位置と第2の位置との間で切り替えるように連動する場合、リールと側壁との相対位置は固定される締結装置を提供する。
【0014】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、側壁は、収容空間へ突出し、下縁によってリールが上開口を介して収容空間から離脱しないようにブロックする複数の凸歯を含んでよい。或いは、側壁は環状頂面を含む内ループ凹溝を備えてよく、リールは対応的に内ループ凹溝に収容される下ループ部を含み、且つ環状頂面がリールが上開口を介して収容空間から離脱しないようにブロックする。
【0015】
前記の締結装置の複数の実施例によれば、下へ突出して延伸する少なくとも1つの係合爪を更に備え、前記少なくとも1つの係合爪が回り止めユニットの本体又はノブの内頂面に設けられ、リールは係合部を含み、ノブが第1の位置に位置する場合、少なくとも1つの係合爪が係合部に結合され、ノブが第2の位置に位置する場合、少なくとも1つの係合爪が係合部から離脱する。また、前記締結装置は、2つのバルジアーム及び2つの位置限定バルジを更に備えてよく、2つのバルジアームが対称的に回り止めユニットの本体又はノブの内頂面に設けられ、且つ2つのバルジアームがそれぞれ下へ突出して延伸し、各位置限定バルジが各バルジアームの遠位端に位置し、リールは、2つのバルジアーム及び2つの位置限定バルジが挿通するための中間スルーホールを更に含み、ノブが第1の位置及び第2の位置で切り替えられる場合、2つのバルジアームは軸方向に沿って中間スルーホールに対して変位し、2つの位置限定バルジは中間スルーホールにより位置限定される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施例による締結装置を示す立体模式図である。
【
図3】
図1の締結装置を示す別の分解模式図である。
【
図5】
図1の締結装置を示す別の断面模式図である。
【
図6】本発明の第2の実施例による締結装置を示す分解模式図である。
【
図7】
図6の締結装置を示す別の分解模式図である。
【
図9】
図6の締結装置を示す別の断面模式図である。
【
図10】本発明の第3の実施例による締結装置を示す分解模式図である。
【
図14】本発明の第4の実施例による締結装置を示す分解模式図である。
【
図18】本発明の第5の実施例による締結装置を示す分解模式図である。
【
図22】本発明の第6の実施例による締結装置を示す分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に合わせて本発明の実施例を説明する。明らかに説明するために、数多くの実際的な細部を以下の説明で併せて説明する。しかしながら、これらの実際的な細部は本発明を制限するためのものではないことが理解すべきである。つまり、本発明の一部の実施例において、これらの実際的な細部はが必要なものではない。また、図面を簡略化するために、ある従来慣用の構造と素子を図面において簡単に模式的に示す。また、同一の素子は同一の番号で示すことがある。
【0018】
なお、本文である素子(機構やモジュール等)が他の素子に「接続」、「設置」又は「結合」されることは、前記素子が他の素子に直接接続、直接設置又は直接結合されることを指してもよいし、ある素子が他の素子に間接接続、間接設置又は間接結合されることを指してもよく、即ち、前記素子と他の素子との間にその他の素子が介在されることを意味する。ある素子が他の素子に「直接接続」、「直接設置」又は「直接結合」されることを明確に示す時に、前記素子と他の素子との間にその他の素子が介在されないことを示す。「第1」、「第2」、「第3」等の用語は単に異なる素子又は成分を叙述するためのものであり、素子/成分そのも的に対して制限がないので、第1の素子/成分を第2の素子/成分に変更してもよい。且つ、本文における素子/成分/機構/モジュールの組み合わせは当分野において一般的に知られた、通常又は従来の組み合わせではなく、素子/成分/機構/モジュールそのものは従来のものであるかによって、その組み合わせ関係が当業者によって容易に完成されるかを判断することができない。
【0019】
図1、
図2、
図3、
図4及び
図5を参照されたい。
図1は、本発明の第1の実施例による締結装置100を示す立体模式図である。
図2は、
図1の締結装置100の分解模式図である。
図3は、
図1の締結装置100を示す別の分解模式図である。
図4は、
図1の締結装置100を示す断面模式図である。締結装置100は、ケースユニット200と、リール300と、を含む。
【0020】
ケースユニット200は、側壁220、上開口240及び下開口250を含む。側壁220は収容空間230を形成するように囲んでなる。上開口240が収容空間230に連通される。下開口250が上開口240に対向し且つ収容空間230に連通される。且つリール300が収容空間230に位置する。リール300は側壁220により位置限定される。側壁220は、リール300が上開口240を介して収容空間230から離脱しないようにブロックする。
【0021】
これにより、リール300が下から上へケースユニット200に取り付けられることを可能にし、且つリール300が上開口240を介してケースユニット200から離脱しないように阻止することができる。後で、締結装置100の構造細部をより詳しく説明する。
【0022】
側壁220は、収容空間230へ突出し、且つ下縁2211によってリール300が上開口240を介して収容空間230から離脱しないようにブロックする複数の凸歯221を含んでよい。詳しく言えば、側壁220は、直径が一致である内周面(図示せず)を含む。凸歯221は、内周面から径方向に突出するので、凸歯221の歯先の接続線からなる仮想円の直径が内周面の直径よりも小さい。
【0023】
リール300は、中空環状になり、且つ上ループ部330及び下ループ部340を含んでよい。上ループ部330と下ループ部340との間に巻線トラック(図示せず)が形成されてよい。巻線トラックはひも(未図示)により巻き取られてよい。構造配置において、上ループ部330の直径を凸歯221からなる仮想円の直径よりも大きくすることで、凸歯221の下縁2211によってリール300が上開口240から離脱しないようにブロックしてよい。
【0024】
ケースユニット200は、2つのラインホール260及び1つのシャーシ210を更に含んでよい。2つのラインホール260は、収容空間230に連通されるように側壁220に位置してよい。ひもは、2つのラインホール260によって収容空間230に出入りして巻線トラックに解放されるか又は巻き取られてよい。シャーシ210が側壁220に取り外し可能に組み立てられる。リール300が下開口250を介して収容空間230に入れられた後で、リール300がケースユニット200から離脱しないようにするために、シャーシ210を側壁220に組み立ててよい。
【0025】
締結装置100は、ノブ500及び回り止めユニット400を更に含んでよい。ケースユニット200には、ノブ500が覆設される。回り止めユニット400は、リール300の上方に位置するように収容空間230に位置し、ノブ500に結合され、且つ第1の駆動部440を含んでよい。リール300は、第1の駆動部440に対応する第2の駆動部310を含む。ノブ500が回り止めユニット400を軸方向I1に沿って第1の位置と第2の位置との間で切り替えるように連動させる。ノブ500が第1の位置に位置する場合、第1の駆動部440が第2の駆動部310に結合され、回り止めユニット400が凸歯221に対応し且つ少なくとも1つの凸歯221に係合されてリール300の第1の方向R1への回転を阻止し、ノブ500を第1の方向R1に対向する第2の方向R2へ回転させ、回り止めユニット400と少なくとも1つの凸歯221が分離しリール300の第2の方向R2への回転を阻止しないが、ノブ500が第2の位置に位置する場合、回り止めユニット400がリール300の第1の方向R1への回転を阻止しない。
【0026】
回り止めユニット400は、本体410、3つの結合アーム420及び3つのラチェットアーム430を含んでよい。3つの結合アーム420が間隔をあけて本体410に設けられる。3つのラチェットアーム430も間隔をあけて本体410に設けられる。且つ3つのラチェットアーム430が3つの結合アーム420よりもノブ500から離脱する。各ラチェットアーム430は、第1の方向R1へ突出し延伸するフレキシブルアークアーム構造を有する。各結合アーム420は、第2の方向R2へ突出し延伸するフレキシブルアークアーム構造を有する。回り止めユニット400の本体410は、下方に位置するノッチ(図示せず)を含んでよい。第1の駆動部440は、ノッチ内に設けられる歯構造を有する。リール300の第2の駆動部310は、上ループ部330の頂面に設けられてよく、第1の駆動部440に対応する噛み合い構造を有するため、回り止めユニット400がリール300の上方に位置し、且つノブ500が第1の位置に位置する場合、第1の駆動部440に結合されるように第2の駆動部310はノッチ内に突出してよいが、それに対して、ノブ500が第2の位置に切り替える場合、回り止めユニット400は軸方向I1に沿って上へ変位して、第1の駆動部440と第2の駆動部310とを分離させる。他の実施例において、ノブが第2の位置に位置する場合、第1の駆動部と第2の駆動部とは分離しなくてもよく、これに限定されない。
【0027】
ノブ500は、3つのカードスロット510を含んでよい。3つのカードスロット510が間隔をあけてノブ500の内壁520に設けられ、各カードスロット510の形が各結合アーム420の形に対応して各結合アーム420の係合に用いられてよい。これにより、ノブ500と回り止めユニット400とを結合して協働させることができる。
【0028】
ノブ500は、間隔をあけてノブ500の内壁520に設けられる3つのフランジ530を更に含んでよい。且つ3つのフランジ530の位置が内壁520の下端縁に近い。側壁220は外輪凹面222を更に含む。側壁220にノブ500が覆設された後で、ノブ500が側壁220から離脱しないようにするために、3つのフランジ530が対応して外輪凹面222により位置限定されてよい。
【0029】
第1の実施例において、締結装置100は、下へ突出して延伸する少なくとも1つの係合爪450(
図3の係合爪450は3つであり且つ回り止めユニット400の本体410に設けられる)を更に備えてよい。リール300は、係合部320を含む。ノブ500が第1の位置に位置する場合、少なくとも1つの係合爪450は係合部320に結合されるが、ノブ500が第2の位置に位置する場合、少なくとも1つの係合爪450は係合部320から離脱する。係合部320は、第2の駆動部310の下に位置するように上ループ部330の頂面に設けられる溝構造であってよい。3つの係合爪450は、回り止めユニット400のノッチを囲み、可撓性を有し、且つ力を受けて径方向に変位するため、使用者がノブ500を上へ引いて第2の位置に切り替える場合、係合爪450は径方向に変位して係合部320から離脱する。
【0030】
従って、
図4に示すように、ノブ500が第1の位置に位置し、回り止めユニット400の第1の駆動部440がリール300の第2の駆動部310に噛み合う。そのため、使用者がノブ500を第2の方向R2へ回転させる場合、ラチェットアーム430は凸歯221から絶えずに離脱し、回り止めユニット400がひもを締め付けるようにリール300を連動させ、それに対して、使用者がノブ500を放す場合、ラチェットアーム430が少なくとも1つの凸歯221に係合され、リール300が回り止めユニット400により制限されて、第1の方向R1へ回転することができなく、締結効果を達成させることができる。
【0031】
図5に示すように、使用者がひもを放そうとする場合、ノブ500を軸方向I1に沿って上へ引けばよい。この場合、回り止めユニット400も連動されて軸方向I1に沿って上へ変位して第1の駆動部440を第2の駆動部310から離脱させて、リール300の回転が回り止めユニット400に制限されなく、ひもを放すことができる。
【0032】
図6、
図7、
図8及び
図9を参照されたい。
図6は、本発明の第2の実施例による締結装置100aの分解模式図である。
図7は、
図6の締結装置100aを示す別の分解模式図である。
図8は、
図6の締結装置100aを示す断面模式図である。
図9は、
図6の締結装置100aを示す別の断面模式図である。締結装置100aの構造は、第1の実施例の締結装置100の構造と類似しているが、回り止めユニット400aの構造がやや異なり、以下、締結装置100aの締結装置100との異なりを説明するが、構造が同じ又は近似であるところについては説明しない。
【0033】
回り止めユニット400aは、本体410a、2つのバルジアーム440a及び2つの位置限定バルジ450aを含む。2つのバルジアーム440aが対称的に本体410aに設けられ、且つそれぞれ下へ突出して延伸し、各位置限定バルジ450aが各バルジアーム440aの遠位端に位置する。リール300aは、2つのバルジアーム440a及び2つの位置限定バルジ450aが挿通するための中間スルーホール350aを含んでよい。ノブ500aが第1の位置及び第2の位置で切り替える場合、2つのバルジアーム440aが軸方向I1に沿って中間スルーホール350aに対して変位し、2つの位置限定バルジ450aが中間スルーホール350aにより位置限定される。
【0034】
中間スルーホール350aは、大径セグメント(図示せず)及び小径セグメント(図示せず)を含む。バルジアーム440aが力を受けて径方向に変位するため、回り止めユニット400aがリール300aに置かれる時に、力で2つのバルジアーム440aを下へ挿入して、小径セグメントを貫通するように2つのバルジアーム440aを径方向に変位させ、更に大径セグメント内に入って径方向に復帰させることができる。これにより、回り止めユニット400aは、リール300aにより位置限定されることができる。
【0035】
図10、
図11、
図12及び
図13を参照されたい。
図10は、本発明の第3の実施例による締結装置100bの分解模式図である。
図11は、
図10の締結装置100bを示す別の分解模式図である。
図12は、
図10の締結装置100bを示す断面模式図である。
図13は、
図10の締結装置100bを示す別の断面模式図である。締結装置100bの構造は、第2の実施例の締結装置100aの構造と類似しているが、ノブ500b、回り止めユニット400a及び側壁220bの構造がやや異なり、以下、締結装置100bの締結装置100aとの異なりを説明し、構造が同じ又は近似であるところについては説明しない。
【0036】
第3の実施例において、2つのバルジアーム540bが対称的にノブ500bの内頂面501bに設けられ、且つ各位置限定バルジ550bが各バルジアーム540bの遠位端に位置する。回り止めユニット400bは、中心孔460bを含んでよく、2つのバルジアーム540b及び2つの位置限定バルジ550bが中心孔460bを貫通してからリール300bの中間スルーホール350bに入って、ノブ500bとリール300bを位置限定する。
【0037】
また、側壁220bは、内ループ凹溝270bを備えてよい。内ループ凹溝270bは環状頂面271bを含む。リール300bは下ループ部340bを含む。下ループ部340bが対応的に内ループ凹溝270bに収容され、且つ環状頂面271bがリール300bが上開口(図示せず)を介して収容空間(図示せず)から離脱しないようにブロックする。構造配置において、直径は小から大へ順次にリール300bの上ループ部(図示せず)、側壁220bの内周面、リール300bの下ループ部340b及び内ループ凹溝270bであり、リール300bが下から上へ収容空間に入ることができる。これにより、下ループ部340bが対応的に内ループ凹溝270bに収容されて、リール300bを収容空間に位置限定する。他の実施例において、側壁はリールを位置限定する内ループ凹溝を含んでよいため、複数の凸歯は収容空間に向かってよいが、その下縁でリールをブロックする必要はなく、これに限定されない。
【0038】
図14、
図15、
図16及び
図17を参照されたい。
図14は、本発明の第4の実施例による締結装置100cの分解模式図である。
図15は、
図14の締結装置100cを示す別の分解模式図である。
図16は、
図14の締結装置100cを示す断面模式図である。
図17は、
図14の締結装置100cを示す別の断面模式図である。締結装置100cの構造は、第2の実施例の締結装置100aの構造と類似しているが、側壁220cの構造がやや異なる。より詳しく言えば、側壁220cは、内ループ凹溝270cを含んでよい。内ループ凹溝270cの構造が第3の実施例の内ループ凹溝270bの構造と同じであるため、細部を説明しない。
【0039】
図18、
図19、
図20及び
図21を参照されたい。
図18は、本発明の第5の実施例による締結装置100dの分解模式図である。
図19は、
図18の締結装置100dを示す別の分解模式図である。
図20は、
図18の締結装置100dを示す断面模式図である。
図21は、
図18の締結装置100dを示す別の断面模式図である。締結装置100dの構造は、第4の実施例の締結装置100cの構造と類似しているが、細部の構造のみに異なる。
【0040】
詳しく言えば、側壁220dは、凸歯221dの上方に位置するリング上部凹溝223dを更に備えてよい。ノブ500dが第1の位置に位置する場合、回り止めユニット400dのラチェットアーム430dが凸歯221dに対応し、第1の駆動部440dとリール300dの第2の駆動部310dが互いに結合するが、ノブ500dが第2の位置に位置する場合、ラチェットアーム430dがリング上部凹溝223dに対応して凸歯221dから完全的に離脱するが、第1の駆動部440dは依然として第2の駆動部310dと互いに結合する。
【0041】
図22、
図23、
図24及び
図25を参照されたい。
図22は、本発明の第6の実施例による締結装置100eの分解模式図である。
図23は、
図22の締結装置100eを示す別の分解模式図である。
図24は、
図22の締結装置100eを示す断面模式図である。
図25は、
図22の締結装置100eを示す別の断面模式図である。締結装置100eの構造は、第5実施例の締結装置100dの構造と類似しているが、回り止めユニット400eとノブ500eの構造がやや異なる。以下、締結装置100eの締結装置100dとの異なりを説明するが、構造が同じ又は近似であるところについては説明しない。
【0042】
第6の実施例において、締結装置100eは、下へ突出して延伸する少なくとも1つの係合爪560e(
図23の係合爪560eは3つであり且つノブ500eの内頂面に設けられる)を更に備えてよい。回り止めユニット400eは、係合爪を含まないため、ノブ500eが第1の位置に位置する場合、係合爪560eがリール300eの係合部320eに結合されるが、ノブ500eが第2の位置に位置する場合、係合爪560eが係合部320eから離脱する。
【0043】
従って、上記のすべての実施例から分かるように、締結装置の2つのバルジアームが対称的に回り止めユニットの本体又はノブの内頂面に設けられるので、リールと回り止めユニット又はリールとノブが位置限定される。少なくとも1つの係合爪は、リールの係合部に選択的に結合されるように、回り止めユニットの本体又はノブの内頂面に設けられてよい。
【0044】
本発明の実施例を前記の通りに開示したが、これは、本発明を限定するものではなく、業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えてもよいので、本発明の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0045】
100、100a、100b、100c、100d、100e 締結装置
200 ケースユニット
210 シャーシ
220、220b、220c、220d 側壁
221、221d 凸歯
2211 下縁
222 外輪凹面
230 収容空間
240 上開口
250 下開口
260 ラインホール
300、300a、300b、300d、300e リール
310、310d 第2の駆動部
320、320e 係合部
330 上ループ部
340、340b 下ループ部
400、400a、400b、400d、400e 回り止めユニット
410、410a 本体
420 結合アーム
430、430d ラチェットアーム
440、440d 第1の駆動部
450、560e 係合爪
500 、500a、500b、500d、500e ノブ
510 カードスロット
520 内壁
530 フランジ
350a、350b 中間スルーホール
440a、540b バルジアーム
450a、550b 位置限定バルジ
270b、270c 内ループ凹溝
271b 環状頂面
460b 中心孔
501b 内頂面
223d リング上部凹溝
I1 軸方向
R1 第1の方向
R2 第2の方向
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を形成するように囲むと共に内ループ凹溝を含む側壁と、前記収容空間に連通される上開口と、前記上開口に対向し且つ前記収容空間に連通される下開口と、を含むケースユニットと、
前記収容空間に位置するリールと、
前記収容空間に位置する回り止めユニットと、
前記ケースユニットに被覆されるノブと、
を備え、
前記内ループ凹溝は環状頂面を含み、前記リールは下ループ部を含み、
前記下ループ部は前記内ループ凹溝に収容され、かつ前記内ループ凹溝の前記環状頂面は前記リールが前記上開口を介して前記収容空間から離脱しないようにブロックする締結装置。
【請求項2】
前記回り止めユニットは、前記ノブに結合され、第1の駆動部を含み、前記リールは、前記第1の駆動部に対応する第2の駆動部を含み、
前記ノブを操作すると、前記回り止めユニットの軸方向に沿った移動を引き起こし、前記回り止めユニットが下の位置にあるとき、前記第1の駆動部は、前記第2の駆動部に係合するとともに、前記回り止めユニットが前記側壁の複数の凸歯に対応し、且つ前記凸歯の少なくとも1つと係合されて、前記リールの第1の方向への回転が阻止され、前記ノブを前記第1の方向に対向する第2の方向へ回転することにより、前記回り止めユニットが前記凸歯の少なくとも1つから離脱して、前記リールの前記第2の方向への回転が許容される請求項1に記載の締結装置
【請求項3】
前記ノブが第1の位置から第2の位置まで上方に引かれると、前記回り止めユニットが前記下の位置から上の位置に切り替わることが許容され、前記回り止めユニットが上の位置にあるとき、前記回り止めユニットは前記リールの前記第1の方向への回転を阻止しない、請求項2に記載の締結装置。
【請求項4】
下へ突出して延伸する少なくとも1つの係合爪を更に備え、前記少なくとも1つの係合爪が前記回り止めユニットの本体又は前記ノブの内頂面に設けられ、前記リールは係合部を含み、前記ノブが前記第1の位置に位置する場合、前記少なくとも1つの係合爪は前記係合部に結合され、前記ノブが前記第2の位置に位置する場合、前記少なくとも1つの係合爪は前記係合部から離脱する請求項3記載の締結装置。
【請求項5】
2つのバルジアーム及び2つの位置限定バルジを更に備え、2つの前記バルジアームが対称的に前記回り止めユニットの本体又は前記ノブの内頂面に設けられ、且つ2つの前記バルジアームがそれぞれ下へ突出して延伸し、各前記位置限定バルジが各前記バルジアームの遠位端に位置し、前記リールは、2つの前記バルジアーム及び2つの前記位置限定バルジが挿通するための中間スルーホールを更に含み、前記ノブが第1の位置及び第2の位置で切り替えられる場合、2つの前記バルジアームは軸方向に沿って前記中間スルーホールに対して変位し、2つの前記位置限定バルジは前記中間スルーホールにより位置限定される請求項3記載の締結装置。
【請求項6】
前記内ループ凹溝が前記下開口に隣接しており、前記リールが前記収容空間内に上向きに挿入されると、下ループ部が前記内ループ凹溝に受容され、前記側壁の残余の部分から突出する他の要素によって前記リールが制限されることがない、請求項1に記載の締結装置。