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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153247
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20231005BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B65G1/04 561
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131823
(22)【出願日】2023-08-14
(62)【分割の表示】P 2019168692の分割
【原出願日】2019-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 秀郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬邉 高弘
(57)【要約】
【課題】上下方向に並んで配置された一対の移載部を備える物品搬送装置において、これらの一対の移載部のそれぞれが備える支持部の上下方向の間隔を狭くする。
【解決手段】物品搬送装置1は、昇降ユニット20と移載装置30とを備えている。移載装置30は、昇降ユニット20に支持された上側移載部31、及び、上側移載部31と同一の昇降ユニット20に支持された下側移載部32と、を備えている。上側移載部31は、物品Wを支持する上側支持部31Sと、上側支持部31Sを出退させる上側出退駆動部31Aと、を備えている。下側移載部32は、物品Wを支持する下側支持部32Sと、下側支持部32Sを出退させる下側出退駆動部32Aと、を備えている。上側出退駆動部31Aが上側支持部31Sよりも上方に配置されると共に、下側出退駆動部32Aが下側支持部32Sよりも下方に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する物品搬送装置であって、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された複数の保持部との間で物品を移載する移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置され、
前記上側移載部と前記下側移載部とが同時並行で物品の移載を行う場合における、前記上側移載部による移載対象の前記保持部を上側移載対象保持部とし、前記下側移載部による移載対象の前記保持部を下側移載対象保持部として、
前記上側移載対象保持部よりも上側に、前記上側出退駆動部が配置され、
前記下側移載対象保持部よりも下側に、前記下側出退駆動部が配置されている、物品搬送装置。
【請求項2】
前記上側支持部は、物品を下方から支持する支持体を備え、
前記支持体と前記上側移載対象保持部とが同じ高さに配置された状態で、前記上側移載対象保持部の上方に隣接する前記保持部と、前記上側出退駆動部の一部とが、同じ前記上下方向の領域に配置されている、請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
複数の前記保持部が、前記移載装置に対して前記上下方向に沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置され、
前記上側移載部は、前記上側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる上側旋回駆動部を備え、
前記下側移載部は、前記下側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる下側旋回駆動部を備え、
前記上側旋回駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側旋回駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置されている、請求項1又は2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記上側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記上側出退駆動部が前記上側旋回駆動部に支持され、前記上側支持部が前記上側出退駆動部に支持されており、
前記下側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記下側出退駆動部が前記下側旋回駆動部に支持され、前記下側支持部が前記下側出退駆動部に支持されている、請求項3に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記上側支持部および前記下側支持部の双方が、物品を下方から支持するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2018-052659号公報(特許文献1)には、上下方向に沿う搬送経路に沿って物品を搬送する物品搬送装置が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された物品搬送装置(2)は、同文献の図4に示すように、上下方向に沿って配置された案内レール(14)に沿って昇降する昇降体(21)と、上下方向に分かれて配置された一対の移載部(31A,31B)と、を備えている。一対の移載部(31A,31B)のそれぞれは、案内レール(14)に対して水平方向に離間して配置された複数の保持部(10)との間で物品(A)を移載するように構成されている。
【0004】
一対の移載部(31A,31B)は、共に同一の昇降体(21)によって支持されている。これにより、一対の移載部(31A,31B)は、当該昇降体(21)と共に上下方向に移動可能となっている。このように、特許文献1に開示された技術では、単一の昇降体(21)に、保持部(10)との間で物品(A)を移載可能な移載部(31)が一対設けられているため、物品(A)の搬送効率の向上を図ることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-052659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された技術では、一対の移載部(31A,31B)のそれぞれが、物品(A)を支持可能な支持部(35)を備えており、この支持部(35)を保持部(10)の側に出退させることによって、保持部(10)との間で物品(A)の移載を行うように構成されている。そして、各移載部(31A,31B)は、支持部(35)を出退させるための駆動部や機構を、各支持部(35)の下側に備えている。従って、下側の移載部(31A)が備える支持部(35)と上側の移載部(31B)が備える支持部(35)との間には、上側の移載部(31B)が備える上記駆動部が配置されることになる。そのため、これらの一対の支持部(35)の上下方向の間隔は、上記駆動部の配置スペースの分広くなる。上下方向に並ぶ複数の保持部(10)の配置間隔は、一対の支持部(35)の上下方向の間隔に応じて設定されることが多い。そのため、設備全体としてより多くの保持部(10)を配置可能とするという観点では、特許文献1に開示された技術には改善の余地があった。
【0007】
上記実状に鑑みて、上下方向に並んで配置された一対の移載部を備える物品搬送装置において、これらの一対の移載部のそれぞれが備える支持部の上下方向の間隔を狭くすることが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る物品搬送装置は、
物品を搬送する物品搬送装置であって、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された複数の保持部との間で物品を移載する移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置され、
前記上側移載部と前記下側移載部とが同時並行で物品の移載を行う場合における、前記上側移載部による移載対象の前記保持部を上側移載対象保持部とし、前記下側移載部による移載対象の前記保持部を下側移載対象保持部として、
前記上側移載対象保持部よりも上側に、前記上側出退駆動部が配置され、
前記下側移載対象保持部よりも下側に、前記下側出退駆動部が配置されている。
【0009】
本構成によれば、同一の昇降ユニットに、上側移載部と下側移載部との双方が支持されているため、2つの物品を同時に搬送することができると共に、これら2つの物品を、上側移載部と下側移載部とのそれぞれによって互いに異なる保持部に対して移載することができる。そのため、物品の搬送効率を高めることができる。そして、上側支持部を出退させるための上側出退駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を出退させるための下側出退駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されているため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に出退駆動部が配置されることを避けることができている。これにより、従来の構成に比べて、上側支持部と下側支持部との上下方向の間隔を狭くすることが可能となっている。複数の保持部が上下方向に並ぶ場合において、上側移載部と下側移載部とがそれらの保持部に対して同時並行で移載を行うことができるようにするためには、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔が、上側支持部と下側支持部との配置間隔に応じた間隔となっている必要がある。本構成によれば、このような場合にも、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔を狭くすることができるため、より多くの保持部を設けることが可能となり、保持できる物品の数を多くすることが可能となっている。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品搬送設備の斜視図
図2】物品搬送装置の水平断面図
図3】物品搬送装置の鉛直断面図
図4】比較例に係る物品搬送装置を示す鉛直断面図
図5】物品搬送装置の制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
物品搬送装置は、物品を搬送する装置であって、例えば、原材料、中間製品、或いは完成品等の搬送や保管を行う物品搬送設備に適用される。以下では、物品搬送装置が、クリーン環境下において原材料の処理等を行うクリーンルームに設置される物品搬送設備に適用される場合を例示して、物品搬送装置の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、物品搬送設備Fは、複数階の間で物品Wを搬送する階間搬送装置1と、各階において天井近くを走行して物品Wを搬送する天井搬送装置6と、各階の床面上を走行して物品Wを搬送する床面搬送装置7と、各階の床面に設置されて階間搬送装置1に物品Wを搬入し又は階間搬送装置1から物品Wを搬出する入出搬送装置8と、を備えている。なお、物品Wとしては、例えば半導体基板やレチクル基板等を収容する収容容器(FOUP(Front Opening Unified Pod)やレチクルポッド等)を例示することができる。本実施形態では、階間搬送装置1が、「物品搬送装置」に相当する。
【0014】
階間搬送装置1は、各階の床面を上下方向に貫通する状態で複数階に亘って設けられた筒状の区画体9の内部に設けられている。天井搬送装置6及び床面搬送装置7は、区画体9の外部に設けられている。図2に示すように、入出搬送装置8は、区画体9を水平方向に貫通する状態で、区画体9の内部と外部とに亘って設けられている。入出搬送装置8は、区画体9の外部に位置する側の端部(外部側端部81)と区画体9の内部に位置する側の端部(内部側端部82)との間で物品Wを搬送する。入出搬送装置8は、例えばベルトコンベヤやローラコンベヤ等のコンベヤを用いて構成される。
【0015】
区画体9の内部には、物品Wを保持する保持部90が複数設けられている(図2及び図3参照)。天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等により、入出搬送装置8の外部側端部81に物品Wが載せられると、当該物品Wは、入出搬送装置8によって区画体9の内部の内部側端部82に搬送される。その後、物品Wは、階間搬送装置1によって内部側端部82から同一階又は他の階にある保持部90に搬送されて、その保持部90に保持される。また、保持部90に保持されている物品Wは、階間搬送装置1によって保持部90から同一階又は他の階にある入出搬送装置8の内部側端部82に搬送され、その後、入出搬送装置8によって外部側端部81に搬送される。外部側端部81に搬送された物品Wは、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等により、外部側端部81から他の場所へ搬送される。また、階間搬送装置1により、内部側端部82から別の入出搬送装置8の内部側端部82に物品Wを搬送する場合や、保持部90から別の保持部90に物品Wを搬送する場合もある。なお、入出搬送装置8の内部側端部82は、物品Wを搬送していない状態では、その位置に物品Wを保持することになるため、保持部90としても機能する。
【0016】
次に、階間搬送装置1(物品搬送装置)の構成について詳細に説明する。
【0017】
図2及び図3に示すように、階間搬送装置1は、上下方向Vに沿う搬送経路Rに沿って設置された案内レール10と、案内レール10に沿って昇降する昇降ユニット20と、昇降ユニット20に支持されると共に、案内レール10に対して水平方向に離間して配置された複数の保持部90との間で物品Wを移載する移載装置30と、を備えている。階間搬送装置1は、保持部90と他の保持部90(内部側端部82を含む)との間で物品Wを搬送する。
【0018】
ここで、複数の保持部90は、上下方向Vに分かれて配置されている。これに加えて、本実施形態では、複数の保持部90が、移載装置30に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置されている(図2参照)。本例では、入出搬送装置8の内部側端部82を除く、一般の保持部90は、物品Wを下方から支持する支持部材91を備えており、支持部材91により物品Wを下方から支持した状態で物品Wを保持するように構成されている。また、支持部材91は、平面視でU字状に形成されており、U字状を成す支持部材91の各先端部が階間搬送装置1側を向くように設けられている。換言すれば、支持部材91は、U字状を成す支持部材91の開口部が階間搬送装置1側を向くように設けられている。階間搬送装置1は、このような構成の保持部90との間で物品Wを移載可能に構成されている。
【0019】
案内レール10は、上下方向Vに沿って複数階に亘って配置されている。移載装置30を支持する昇降ユニット20は、このような案内レール10に沿って昇降可能となっている。これにより、階間搬送装置1は、複数階に亘って物品Wを搬送することが可能となっている。
【0020】
本実施形態では、昇降ユニット20は、案内レール10に支持された本体部20aを備えている。本体部20aは、案内レール10の上下それぞれの両端部に設けられている一対のプーリ(図示せず)に巻回されたベルト20bに連結されている。昇降ユニット20は、昇降モータ20m(図5参照)により一方のプーリを駆動して従動的にベルト20bを駆動することで、本体部20aを案内レール10に沿って昇降させることが可能となっている。
【0021】
本実施形態では、昇降ユニット20は、移載装置30を支持する連結部Lを備えている。本例では、連結部Lは、本体部20aと移載装置30とを連結している。図示の例では、連結部Lは、上側連結部21Lと、上側連結部21Lよりも下方に設けられた下側連結部22Lと、を備えている。
【0022】
移載装置30は、昇降ユニット20に支持された上側移載部31、及び、上側移載部31の下側に配置され、上側移載部31と同一の昇降ユニット20に支持された下側移載部32と、を備えている。本実施形態では、上側移載部31は、上側連結部21Lによって本体部20aに連結されることで、昇降ユニット20に支持されている。そして、下側移載部32は、下側連結部22Lによって本体部20aに連結されることで、昇降ユニット20に支持されている。
【0023】
上側移載部31は、物品Wを支持する上側支持部31Sと、上側支持部31Sを基準位置P1と基準位置P1よりも保持部90側に突出させた突出位置P2との間で出退させる上側出退駆動部31Aと、を備えている。本実施形態では、上側移載部31は、上側支持部31Sを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる上側旋回駆動部31Bを更に備えている。
【0024】
本実施形態では、上側支持部31Sは、上側出退駆動部31Aに支持されている。本例では、上側支持部31Sは、上側出退駆動部31Aによって上方から支持されている。換言すれば、上側支持部31Sは、上側出退駆動部31Aによって吊り下げ支持されている。
【0025】
本実施形態では、上側支持部31Sは、物品Wを下方から支持するように構成されている。図示の例では、上側支持部31Sは、支持基部31Saと、支持基部31Saに連結された支持体31Sbと、を備えており、この支持体31Sbによって物品Wを下方から支持するように構成されている。支持基部31Saは、ケース状に形成されており、上側支持部31Sを構成する各要素を収容可能となっている。支持体31Sbは、支持基部31Saの下部に連結されて当該支持基部31Saから水平方向に突出している。支持体31Sbは、平面視において、U字状を成す支持部材91の開口部よりも小さく形成されている(図2参照)。これにより、支持体31Sbは、支持部材91の上記開口部を上下方向に通過可能となっている。本実施形態では、上側支持部31Sは、支持体31Sbを上下動させる上側移載駆動部、ここでは上側移載モータ31Sm(図5参照)を備えている。本例では、上側移載モータ31Smは、支持基部31Saの内部に収容されている。支持体31Sbは、物品Wを下方から支持した状態で、上側移載モータ31Smにより駆動されて支持部材91の開口部を上から下に通過することで、支持部材91に物品Wを引き渡す。また、支持体31Sbは、支持部材91が物品Wを下方から支持した状態で、上側移載モータ31Smにより駆動されて支持部材91の開口部を下から上に通過することで、支持部材91から物品Wを受け取る。これにより、上側移載部31は、保持部90との間で物品Wを移載する。
【0026】
本実施形態では、上側支持部31Sは、支持体31Sbによって物品Wを支持した状態で、当該物品Wが支持体31Sbから脱落することを規制する規制体31Scを備えている。規制体31Scは、支持体31Sbが物品Wを支持した状態で、当該物品Wに対して上方に配置される。本例では、規制体31Scは、支持基部31Saの上部に連結されて当該支持基部31Saから水平方向に突出している。本例では、規制体31Scと上述の支持体31Sbとは、支持基部31Saから同じ方向に突出している。支持体31Sbが上側移載モータ31Smに駆動されて上下動する際には、規制体31Scも共に上下動する。すなわち、支持体31Sbと規制体31Scとは、上下方向Vに相対移動不能となっており、支持体31Sbと規制体31Scとの上下方向Vの離間距離は常に一定となっている。支持体31Sbと規制体31Scとの上下方向Vの離間距離は、少なくとも、搬送対象となる物品Wの上下方向Vの寸法よりも長く設定されている。
【0027】
本実施形態では、上側出退駆動部31Aは、上側旋回駆動部31Bに支持されている。
本例では、上側出退駆動部31Aは、上側旋回駆動部31Bによって上方から支持されている。換言すれば、上側出退駆動部31Aは、上側旋回駆動部31Bによって吊り下げ支持されている。
【0028】
本実施形態では、上側出退駆動部31Aは、水平多関節アーム(いわゆるSCARA;Selective Compliance Assembly Robot Arm)を用いて構成されている。具体的には、上側出退駆動部31Aは、複数のリンクを有する上側リンク機構31Aaと、上側リンク機構31Aaを駆動する上側出退モータ31Am(図5参照)と、を備えている。そして、上側リンク機構31Aaは、上側出退モータ31Amにより駆動されて、各リンクが鉛直軸周りに旋回することで、水平方向に伸縮動作するように構成されている。上側リンク機構31Aaは、その基端部において上側旋回駆動部31Bに連結されていると共に、その先端部において上側支持部31Sに連結されている。これにより、上側リンク機構31Aaは、上側出退モータ31Amにより駆動されて伸縮動作することにより、基準位置P1と突出位置P2との間で、上側支持部31Sを水平方向に出退させるように構成されている。
【0029】
本実施形態では、上側旋回駆動部31Bは、昇降ユニット20に支持されている。本例では、上側旋回駆動部31Bは、上側連結部21Lを介して昇降ユニット20に支持されている。図示の例では、上側旋回駆動部31Bは、上側連結部21Lに設けられた上側ケース部31Cの内部に収容されている。
【0030】
本実施形態では、上側旋回駆動部31Bは、上側旋回台31Baと、上側旋回台31Baを駆動する上側旋回モータ31Bm(図5参照)と、を備えている。そして、上側旋回台31Baは、上側旋回モータ31Bmにより駆動されて旋回動作するように構成されている。上側旋回台31Baは、上側旋回モータ31Bmにより駆動されて旋回動作することにより、上側出退駆動部31Aとこれに支持された上側支持部31Sとを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる。これにより、上側出退駆動部31Aに駆動されて出退する上側支持部31Sの出退方向を変更可能となっており、ひいては、上側移載部31(移載装置30)に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の保持部90との間で物品Wを移載可能となっている。
【0031】
下側移載部32は、物品Wを支持する下側支持部32Sと、下側支持部32Sを基準位置P1と基準位置P1よりも保持部90側に突出させた突出位置P2との間で出退させる下側出退駆動部32Aと、を備えている。本実施形態では、下側移載部32は、下側支持部32Sを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる下側旋回駆動部32Bを更に備えている。
【0032】
本実施形態では、下側支持部32Sは、下側出退駆動部32Aに支持されている。本例では、下側支持部32Sは、下側出退駆動部32Aによって下方から支持されている。換言すれば、下側支持部32Sは、下側出退駆動部32Aによって載置支持されている。
【0033】
本実施形態では、下側支持部32Sは、物品Wを下方から支持するように構成されている。上述のように、本例では、上側支持部31Sについても、物品Wを下方から支持するように構成されている。すなわち、上側支持部31Sおよび下側支持部32Sの双方が、物品Wを下方から支持するように構成されている。図示の例では、下側支持部32Sは、支持基部32Saと、支持基部32Saに連結された支持体32Sbと、を備えており、この支持体32Sbによって物品Wを下方から支持するように構成されている。支持基部32Saは、ケース状に形成されており、下側支持部32Sを構成する各要素を収容可能となっている。支持体32Sbは、支持基部32Saの下部に連結されて当該支持基部32Saから水平方向に突出している。支持体32Sbは、平面視において、U字状を成す支持部材91の開口部よりも小さく形成されている(図2参照)。これにより、支持体32Sbは、支持部材91の上記開口部を上下方向に通過可能となっている。本実施形態では、下側支持部32Sは、支持体32Sbを上下動させる下側移載駆動部、ここでは下側移載モータ32Sm(図5参照)を備えている。本例では、下側移載モータ32Smは、支持基部32Saの内部に収容されている。支持体32Sbは、物品Wを下方から支持した状態で、下側移載モータ32Smにより駆動されて支持部材91の開口部を上から下に通過することで、支持部材91に物品Wを引き渡す。また、支持体32Sbは、支持部材91が物品Wを下方から支持した状態で、下側移載モータ32Smにより駆動されて支持部材91の開口部を下から上に通過することで、支持部材91から物品Wを受け取る。これにより、下側移載部32は、保持部90との間で物品Wを移載する。
【0034】
本実施形態では、下側支持部32Sは、支持体32Sbによって物品Wを支持した状態で、当該物品Wが支持体32Sbから脱落することを規制する規制体32Scを備えている。規制体32Scは、支持体32Sbが物品Wを支持した状態で、当該物品Wに対して上方に配置される。本例では、規制体32Scは、支持基部32Saの上部に連結されて当該支持基部32Saから水平方向に突出している。本例では、支持体32Sbと規制体32Scとは、支持基部32Saから同じ方向に突出している。支持体32Sbが下側移載モータ32Smに駆動されて上下動する際には、規制体32Scも共に上下動する。すなわち、支持体32Sbと規制体32Scとは、上下方向Vに相対移動不能となっており、支持体32Sbと規制体32Scとの上下方向Vの離間距離は常に一定となっている。
支持体32Sbと規制体32Scとの上下方向Vの離間距離は、少なくとも、搬送対象となる物品Wの上下方向Vの寸法よりも長く設定されている。
【0035】
本実施形態では、下側出退駆動部32Aは、下側旋回駆動部32Bに支持されている。
本例では、下側出退駆動部32Aは、下側旋回駆動部32Bによって下方から支持されている。換言すれば、下側出退駆動部32Aは、下側旋回駆動部32Bに載置支持されている。
【0036】
本実施形態では、下側出退駆動部32Aは、水平多関節アームを用いて構成されている。具体的には、下側出退駆動部32Aは、複数のリンクを有する下側リンク機構32Aaと、下側リンク機構32Aaを駆動する下側出退モータ32Am(図5参照)と、を備えている。そして、下側リンク機構32Aaは、下側出退モータ32Amにより駆動されて、各リンクが鉛直軸周りに旋回することで、水平方向に伸縮動作するように構成されている。下側リンク機構32Aaは、その基端部において下側旋回駆動部32Bに連結されていると共に、その先端部において下側支持部32Sに連結されている。これにより、下側リンク機構32Aaは、下側出退モータ32Amにより駆動されて伸縮動作することにより、基準位置P1と突出位置P2との間で、下側支持部32Sを水平方向に出退させるように構成されている。
【0037】
本実施形態では、下側旋回駆動部32Bは、昇降ユニット20に支持されている。本例では、下側旋回駆動部32Bは、下側連結部22Lを介して昇降ユニット20に支持されている。図示の例では、下側旋回駆動部32Bは、下側連結部22Lに設けられた下側ケース部32Cの内部に収容されている。
【0038】
本実施形態では、下側旋回駆動部32Bは、下側旋回台32Baと、下側旋回台32Baを駆動する下側旋回モータ32Bm(図5参照)と、を備えている。そして、下側旋回台32Baは、下側旋回モータ32Bmにより駆動されて旋回動作するように構成されている。下側旋回台32Baは、下側旋回モータ32Bmにより駆動されて旋回動作することにより、下側出退駆動部32Aとこれに支持された下側支持部32Sとを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる。これにより、下側出退駆動部32Aに駆動されて出退する下側支持部32Sの出退方向を変更可能となっており、ひいては、下側移載部32(移載装置30)に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の保持部90との間で物品Wを移載可能となっている。
【0039】
以上説明した階間搬送装置1では、図3に示すように、上側出退駆動部31Aが上側支持部31Sよりも上方に配置されると共に、下側出退駆動部32Aが下側支持部32Sよりも下方に配置されている。すなわち、この階間搬送装置1では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間に、物品Wの移載時に支持部(31S,32S)を出退させるための出退駆動部(31A,32A)が配置されない構成となっている。
【0040】
そして、本実施形態では、上側旋回駆動部31Bが上側支持部31Sよりも上方に配置されると共に、下側旋回駆動部32Bが下側支持部32Sよりも下方に配置されている。
すなわち、本実施形態に係る階間搬送装置1では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間には、物品Wの移載時に支持部(31S,32S)の出退方向を変更するための旋回駆動部(31B,32B)も配置されない構成となっている。
【0041】
また、本実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とが、同一の部材を用いて構成されている。具体的には、上側支持部31Sと下側支持部32Sとが、同一の部材を用いて構成されている。また、上側出退駆動部31Aと下側出退駆動部32Aとが、同一の部材を用いて構成されている。そして、上側旋回駆動部31Bと下側旋回駆動部32Bとが、同一の部材を用いて構成されている。このような構成により、階間搬送装置1の製造コストを低減でき、また、製造の手間を軽減することができる。
【0042】
そして、本実施形態では、互いに同一の部材を用いて構成される上側移載部31と下側移載部32とが、互いに上下方向Vに反転した状態で同一の昇降ユニット20に支持されている。但し、支持体(31Sb,32Sb)の連結構造が、上側支持部31Sと下側支持部32Sとで異なっている。すなわち、上側支持部31Sでは、支持体31Sbは、支持基部31Saにおける上側出退駆動部31Aから遠い側の端部付近に連結されている。
一方、下側支持部32Sでは、支持体32Sbは、支持基部32Saにおける下側出退駆動部32Aから近い側の端部近傍に連結されている。また、本実施形態では、規制体(31Sc,32Sc)の連結構造についても、上側支持部31Sと下側支持部32Sとで異なっている。すなわち、上側支持部31Sでは、規制体31Scは、支持基部31Saにおける上側出退駆動部31Aから近い側の端部付近に連結されている。一方、下側支持部32Sでは、規制体32Scは、支持基部32Saにおける下側出退駆動部32Aから遠い側の端部近傍に連結されている。このような構成により、上側支持部31Sと下側支持部32Sとのいずれにおいても、物品Wを下方から支持する構成を実現できると共に、当該物品Wの脱落を上方から規制する構成を実現することができる。
【0043】
以上のような構成によれば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間隔を狭くすることが可能となる。また、このような一対の支持部(本例では、上側支持部31S及び下側支持部32S)を備えた物品搬送装置(本例では、階間搬送装置1)が設けられた設備では、一般的に、物品Wの移載先となる複数の保持部90の上下方向Vの間隔は、一対の支持部の上下方向Vの間隔に依存する。一対の支持部によって2つの物品Wを同時移載する場合に、一対の支持部の上下方向Vの間隔と複数の保持部90の上下方向Vの間隔が一致していなければ、上記同時移載を行い難いからである。そして、本構成によれば、上述のように上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間隔を狭くすることが可能であるため、これに対応する複数の保持部90の上下方向Vの間隔も狭くすることができる。従って、本構成によれば、設備内により多くの保持部90を設けることが可能となり、区画体9の内部に保持できる物品Wの数を多くすることが可能となる。
以下、図4に示す比較例を参照して、具体的に説明する。
【0044】
図4は、比較例に係る階間搬送装置100を示している。図4に示すように、上側移載部310と、上側移載部310よりも下側に配置された下側移載部320とが、同一の昇降ユニット200に支持されている。上側移載部310は、上側旋回駆動部310Bと、上側旋回駆動部310Bによって下方から支持された上側出退駆動部310Aと、上側出退駆動部310Aによって下方から支持された上側支持部310Sと、を備えている。そして、上側支持部310Sは、物品Wを下方から支持する支持体310Sbを備えている。下側移載部320は、上側移載部310と同一の構造とされている。すなわち、下側移載部320は、下側旋回駆動部320Bと、下側旋回駆動部320Bによって下方から支持された下側出退駆動部320Aと、下側出退駆動部320Aによって下方から支持された下側支持部320Sと、を備えている。そして、下側支持部320Sは、物品Wを下方から支持する支持体320Sbを備えている。
【0045】
図4に示す比較例では、下側出退駆動部320Aが下側支持部32Sよりも下方に配置されており、これと同様に、上側出退駆動部310Aについても上側支持部310Sよりも下方に配置されている。すなわち、この比較例に係る階間搬送装置100では、上側支持部310Sと下側支持部320Sとの上下方向Vの間に、物品Wの移載時に上側支持部310Sを出退させるための上側出退駆動部310Aが配置された構成となっている。
【0046】
また、図4に示す比較例では、下側旋回駆動部320Bが下側支持部320Sよりも下方に配置されており、これと同様に、上側旋回駆動部310Bについても上側支持部310Sよりも下方に配置されている。すなわち、この比較例に係る階間搬送装置100では、上側支持部310Sと下側支持部320Sとの上下方向Vの間に、上側出退駆動部310Aに加えて、物品Wの移載時に上側支持部310Sの出退方向を変更するための上側旋回駆動部310Bが配置された構成となっている。
【0047】
上述のように、物品Wの移載先となる複数の保持部900の上下方向Vの間隔は、一対の支持部(310S,320S)の上下方向Vの間隔に依存する。ここでは、複数の保持部900(支持部材910)の上下方向Vの間隔9Gpは、上側支持部310Sにおける支持体310Sbと下側支持部320Sにおける支持体320Sbとの上下方向Vの間隔3Gpと等しくされている。
【0048】
一方、図3に示すように、本開示に係る階間搬送装置1では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間に、出退駆動部(31A,32A)及び旋回駆動部(31B,32B)が配置されていない。そのため本開示に係る階間搬送装置1では、比較例に係る階間搬送装置100に比べて、上側支持部31Sと下側支持部32Sとを上下方向Vに近づけて配置することができる。図示の例では、上側支持部31Sにおける支持体31Sbと下側支持部32Sにおける支持体32Sbとの上下方向Vの間隔3Gが、比較例の場合の間隔3Gp(図4参照)に比べて狭くなっている。そして、本開示に係る階間搬送装置1では、一対の支持体(31S,32S)の上下方向Vの間隔3Gに依存する、すなわちこの間隔3Gと等しくされる複数の保持部90(支持部材91)の上下方向Vの間隔9Gも、比較例の場合の複数の保持部900の間隔9Gp(図4参照)よりも狭くなっている。
【0049】
このように、本開示に係る階間搬送装置1によれば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間隔3Gを従来よりも狭くすることが可能であるため、これに対応する複数の保持部90の上下方向Vの間隔9Gも狭くすることができる。従って、設備内に、従来よりも多くの保持部90を設けることが可能となり、区画体9の内部に保持できる物品Wの数を多くすることが可能となる。
【0050】
次に、物品搬送設備Fの制御構成について、図5を参照して説明する。
【0051】
図5に示すように、物品搬送設備Fは、設備内における複数の物品Wの保管や移動等を統括的に管理する統括制御装置Htと、天井搬送装置6の動作を制御する天井搬送制御装置H6と、床面搬送装置7の動作を制御する床面搬送制御装置H7と、階間搬送装置1の動作を制御する階間搬送制御装置H1と、を備えている。これらの各制御装置は、有線又は無線により互いに通信可能に構成されている。また、これらの各制御装置は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0052】
本実施形態では、階間搬送制御装置H1は、昇降モータ20mを制御して昇降ユニット20の動作を制御する昇降制御部H20を備えている。また、階間搬送制御装置H1は、上側移載モータ31Smを制御する上側移載制御部Hs1と、上側出退モータ31Amを制御して上側出退駆動部31Aの動作を制御する上側出退制御部Ha1と、上側旋回モータ31Bmを制御して上側旋回駆動部31Bの動作を制御する上側旋回制御部Hb1と、を備えている。更に、階間搬送制御装置H1は、下側移載モータ32Smを制御する下側移載制御部Hs2と、下側出退モータ32Amを制御して下側出退駆動部32Aの動作を制御する下側出退制御部Ha2と、下側旋回モータ32Bmを制御して下側旋回駆動部32Bの動作を制御する下側旋回制御部Hb2と、を備えている。
【0053】
本実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とは、同じハードウェア構成の制御部を用いて構成されている。上述のように、本実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とは、同一の部材を用いて構成されていると共に、互いに上下方向Vに反転した状態で同一の昇降ユニット20に支持されている。
【0054】
このような構成により、上側支持部31Sにおける支持体31Sbの上下動作と下側支持部32Sにおける支持体32Sbの上下動作とは、互いの動作方向が同じ場合に、それぞれの駆動源である上側移載モータ31Smと下側移載モータ32Smとの動作方向(ここでは回転方向)が逆となるため、制御指令は互いに逆方向の指令となる。従って、本実施形態では、上側支持部31Sにおける支持体31Sbの上下動作と下側支持部32Sにおける支持体32Sbの上下動作とのそれぞれは、上側移載制御部Hs1と下側移載制御部Hs2とによって、互いに逆方向の制御指令が出力されることによって制御される。例えば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの双方を上方に移動させる場合には、上側移載制御部Hs1は、上側支持部31Sにおける支持体31Sbを上側出退駆動部31Aに近づける方向に移動させる。一方、下側移載制御部Hs2は、下側支持部32Sにおける支持体32Sbを、下側出退駆動部32Aから遠ざける方向に移動させる。このように、上側移載制御部Hs1と下側移載制御部Hs2とで、互いに逆方向の制御指令を出力することで、それぞれの支持体(31Sb,32Sb)を同じ方向に上下動させることができる。
【0055】
また、上記のような構成により、上側支持部31Sの旋回動作と下側支持部32Sの旋回動作とは、互いの動作方向が同じ場合に、それぞれの駆動源である上側旋回モータ31Bmと下側旋回モータ32Bmとの動作方向(ここでは回転方向)が逆となるため、制御指令は互いに逆方向の指令となる。従って、本実施形態では、上側支持部31Sの旋回動作と下側支持部32Sの旋回動作とのそれぞれは、上側旋回制御部Hb1と下側旋回制御部Hb2とによって、互いに逆方向の制御指令が出力されることによって制御される。例えば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの双方を、上方から見て時計回りに旋回させる場合には、上側旋回制御部Hb1は、上側出退駆動部31Aの側から見て、上側支持部31Sを反時計回りに旋回させるように上側旋回駆動部31Bの動作を制御する。一方、下側旋回制御部Hb2は、下側出退駆動部32Aの側から見て、下側支持部32Sを時計回りに旋回させるように下側旋回駆動部32Bの動作を制御する。このように、上側旋回制御部Hb1と下側旋回制御部Hb2とで、互いに逆方向の制御指令を出力することで、それぞれの支持部(31S,32S)を同じ方向に旋回させることができる。
【0056】
一方、上記のような構成に関わらず、上側支持部31Sの出退動作と下側支持部32Sの出退動作とは、互いの動作方向が同じ場合に、それぞれの駆動源である上側出退モータ31Amと下側出退モータ32Amとの動作方向(ここでは回転方向)が同じとなるため、制御指令は互いに同一方向の指令となる。従って、本実施形態では、上側支持部31Sの出退動作と下側支持部32Sの出退動作とのそれぞれは、上側出退制御部Ha1と下側出退制御部Ha2とによって、互いに同一方向の指令の制御指令が出力されることによって制御される。
【0057】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送装置のその他の実施形態について説明する。
【0058】
(1)上記の実施形態では、上側移載部31に関して、上側旋回駆動部31Bが昇降ユニット20に支持され、上側出退駆動部31Aが上側旋回駆動部31Bに支持され、上側支持部31Sが上側出退駆動部31Aに支持されており、下側移載部32に関して、下側旋回駆動部32Bが昇降ユニット20に支持され、下側出退駆動部32Aが下側旋回駆動部32Bに支持され、下側支持部32Sが下側出退駆動部32Aに支持されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、これらの各部が支持される順序は、適宜変更することができる。例えば、上側移載部31に関して、上側出退駆動部31Aが昇降ユニット20に支持され、上側旋回駆動部31Bが上側出退駆動部31Aに支持され、上側支持部31Sが上側旋回駆動部31Bに支持されていても良い。下側移載部32に関しても同様である。
【0059】
(2)上記の実施形態では、上側移載部31が上側旋回駆動部31Bを備え、下側移載部32が下側旋回駆動部32Bを備えている例について説明した。しかし、上側旋回駆動部31B及び下側旋回駆動部32Bは、上側移載部31又は下側移載部32における必須の構成要素ではない。従って、例えば、上側旋回駆動部31B及び下側旋回駆動部32Bの少なくとも一方を備えない構成とされていても良い。
【0060】
(3)上記の実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とが、同一の部材を用いて構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上側移載部31と下側移載部32とは、互いに異なる部材を、部分的あるいは全体的に用いて構成されていても良い。
【0061】
(4)上記の実施形態では、上側支持部31Sおよび下側支持部32Sの双方が、物品Wを下方から支持するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上側支持部31Sおよび下側支持部32Sのうち少なくとも一方が、物品Wをその上部又は側部から挟んで支持する把持部を備えた構成であっても良い。
【0062】
(5)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0063】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送装置について説明する。
【0064】
物品を搬送する物品搬送装置であって、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された複数の保持部との間で物品を移載する移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置されている。
【0065】
本構成によれば、同一の昇降ユニットに、上側移載部と下側移載部との双方が支持されているため、2つの物品を同時に搬送することができると共に、これら2つの物品を、上側移載部と下側移載部とのそれぞれによって互いに異なる保持部に対して移載することができる。そのため、物品の搬送効率を高めることができる。そして、上側支持部を出退させるための上側出退駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を出退させるための下側出退駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されているため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に出退駆動部が配置されることを避けることができている。これにより、従来の構成に比べて、上側支持部と下側支持部との上下方向の間隔を狭くすることが可能となっている。複数の保持部が上下方向に並ぶ場合において、上側移載部と下側移載部とがそれらの保持部に対して同時並行で移載を行うことができるようにするためには、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔が、上側支持部と下側支持部との配置間隔に応じた間隔となっている必要がある。本構成によれば、このような場合にも、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔を狭くすることができるため、より多くの保持部を設けることが可能となり、保持できる物品の数を多くすることが可能となっている。
【0066】
ここで、
複数の前記保持部が、前記移載装置に対して前記上下方向に沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置され、
前記上側移載部は、前記上側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる上側旋回駆動部を備え、
前記下側移載部は、前記下側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる下側旋回駆動部を備え、
前記上側旋回駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側旋回駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置されていると好適である。
【0067】
本構成によれば、上側移載部と下側移載部とのそれぞれによって、移載装置に対して上下方向に沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の保持部に対して物品を移載することができる。そして、上側支持部を旋回させるための上側旋回駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を旋回させるための下側旋回駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されているため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に旋回駆動部が配置されることを避けることができる。これにより、上側支持部と下側支持部との双方を上下方向に沿う軸心周りに旋回させることが可能な構成を実現しながらも、上側支持部と下側支持部との上下方向の間隔を狭くすることが可能となっている。
【0068】
また、
前記上側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記上側出退駆動部が前記上側旋回駆動部に支持され、前記上側支持部が前記上側出退駆動部に支持されており、
前記下側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記下側出退駆動部が前記下側旋回駆動部に支持され、前記下側支持部が前記下側出退駆動部に支持されていると好適である。
【0069】
本構成によれば、上側旋回駆動部が上側出退駆動部よりも昇降ユニット側に配置されるため、上側出退駆動部の先端側に上側旋回駆動部が配置されることを避けることができ、上側出退駆動部の先端側を軽くすることが可能となる。よって、上側出退駆動部に作用する荷重を軽減することができる。この点は、下側出退駆動部についても同様である。従って、本構成によれば、出退駆動部の負荷を軽減することができる。
【0070】
また、
前記上側支持部および前記下側支持部の双方が、物品を下方から支持するように構成されていると好適である。
【0071】
物品を支持する支持部の構成としては、例えば、物品をその上部又は側部から挟んで支持する把持部を備えた構成とすることも有り得る。しかし、このような構成では、物品を把持等するための把持部や当該把持部を駆動する駆動部等の機構が必要となり、支持部や移載部が大型化し易い。支持部や移載部が大型化すると、上側支持部と下側支持部との配置間隔も広くなり易くなる。本構成によれば、上側支持部および下側支持部の双方が、物品を下方から支持するように構成されているため、上記のように把持部を備えた構成に比べて、支持部や移載部の構成を簡略化できるため、これらの大型化を抑制できる。従って、上側支持部と下側支持部との配置間隔を狭くし易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示に係る技術は、物品を搬送する物品搬送装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 :階間搬送装置(物品搬送装置)
10 :案内レール
20 :昇降ユニット
30 :移載装置
31 :上側移載部
31A :上側出退駆動部
31B :上側旋回駆動部
31S :上側支持部
32 :下側移載部
32A :下側出退駆動部
32B :下側旋回駆動部
32S :下側支持部
90 :保持部
P1 :基準位置
P2 :突出位置
V :上下方向
R :搬送経路
W :物品
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する物品搬送装置を備えた物品搬送設備であって、
前記物品搬送装置は、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された複数の保持部との間で物品を移載する移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置され、
前記上側移載部と前記下側移載部とが同時並行で物品の移載を行う場合における、前記上側移載部による移載対象の前記保持部を上側移載対象保持部とし、前記下側移載部による移載対象の前記保持部を下側移載対象保持部として、
前記上側移載対象保持部よりも上側に、前記上側出退駆動部が配置され、
前記下側移載対象保持部よりも下側に、前記下側出退駆動部が配置されている、物品搬送設備
【請求項2】
前記上側支持部は、物品を下方から支持する支持体を備え、
前記支持体と前記上側移載対象保持部とが同じ高さに配置された状態で、前記上側移載対象保持部の上方に隣接する前記保持部と、前記上側出退駆動部の一部とが、同じ前記上下方向の領域に配置されている、請求項1に記載の物品搬送設備
【請求項3】
複数の前記保持部が、前記移載装置に対して前記上下方向に沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置され、
前記上側移載部は、前記上側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる上側旋回駆動部を備え、
前記下側移載部は、前記下側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる下側旋回駆動部を備え、
前記上側旋回駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側旋回駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置されている、請求項1又は2に記載の物品搬送設備
【請求項4】
前記上側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記上側出退駆動部が前記上側旋回駆動部に支持され、前記上側支持部が前記上側出退駆動部に支持されており、
前記下側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記下側出退駆動部が前記下側旋回駆動部に支持され、前記下側支持部が前記下側出退駆動部に支持されている、請求項3に記載の物品搬送設備
【請求項5】
前記上側支持部および前記下側支持部の双方が、物品を下方から支持するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する物品搬送装置を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2018-052659号公報(特許文献1)には、上下方向に沿う搬送経路に沿って物品を搬送する物品搬送装置が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に付す符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された物品搬送装置(2)は、同文献の図4に示すように、上下方向に沿って配置された案内レール(14)に沿って昇降する昇降体(21)と、上下方向に分かれて配置された一対の移載部(31A,31B)と、を備えている。一対の移載部(31A,31B)のそれぞれは、案内レール(14)に対して水平方向に離間して配置された複数の保持部(10)との間で物品(A)を移載するように構成されている。
【0004】
一対の移載部(31A,31B)は、共に同一の昇降体(21)によって支持されている。これにより、一対の移載部(31A,31B)は、当該昇降体(21)と共に上下方向に移動可能となっている。このように、特許文献1に開示された技術では、単一の昇降体(21)に、保持部(10)との間で物品(A)を移載可能な移載部(31)が一対設けられているため、物品(A)の搬送効率の向上を図ることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-052659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された技術では、一対の移載部(31A,31B)のそれぞれが、物品(A)を支持可能な支持部(35)を備えており、この支持部(35)を保持部(10)の側に出退させることによって、保持部(10)との間で物品(A)の移載を行うように構成されている。そして、各移載部(31A,31B)は、支持部(35)を出退させるための駆動部や機構を、各支持部(35)の下側に備えている。従って、下側の移載部(31A)が備える支持部(35)と上側の移載部(31B)が備える支持部(35)との間には、上側の移載部(31B)が備える上記駆動部が配置されることになる。そのため、これらの一対の支持部(35)の上下方向の間隔は、上記駆動部の配置スペースの分広くなる。上下方向に並ぶ複数の保持部(10)の配置間隔は、一対の支持部(35)の上下方向の間隔に応じて設定されることが多い。そのため、設備全体としてより多くの保持部(10)を配置可能とするという観点では、特許文献1に開示された技術には改善の余地があった。
【0007】
上記実状に鑑みて、上下方向に並んで配置された一対の移載部を備える物品搬送装置において、これらの一対の移載部のそれぞれが備える支持部の上下方向の間隔を狭くすることが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る物品搬送設備は、
物品を搬送する物品搬送装置を備えた物品搬送設備であって、
前記物品搬送装置は、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された複数の保持部との間で物品を移載する移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置され、
前記上側移載部と前記下側移載部とが同時並行で物品の移載を行う場合における、前記上側移載部による移載対象の前記保持部を上側移載対象保持部とし、前記下側移載部による移載対象の前記保持部を下側移載対象保持部として、
前記上側移載対象保持部よりも上側に、前記上側出退駆動部が配置され、
前記下側移載対象保持部よりも下側に、前記下側出退駆動部が配置されている。
【0009】
本構成によれば、同一の昇降ユニットに、上側移載部と下側移載部との双方が支持されているため、2つの物品を同時に搬送することができると共に、これら2つの物品を、上側移載部と下側移載部とのそれぞれによって互いに異なる保持部に対して移載することができる。そのため、物品の搬送効率を高めることができる。そして、上側支持部を出退させるための上側出退駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を出退させるための下側出退駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されているため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に出退駆動部が配置されることを避けることができている。これにより、従来の構成に比べて、上側支持部と下側支持部との上下方向の間隔を狭くすることが可能となっている。複数の保持部が上下方向に並ぶ場合において、上側移載部と下側移載部とがそれらの保持部に対して同時並行で移載を行うことができるようにするためには、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔が、上側支持部と下側支持部との配置間隔に応じた間隔となっている必要がある。本構成によれば、このような場合にも、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔を狭くすることができるため、より多くの保持部を設けることが可能となり、保持できる物品の数を多くすることが可能となっている。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品搬送設備の斜視図
図2】物品搬送装置の水平断面図
図3】物品搬送装置の鉛直断面図
図4】比較例に係る物品搬送装置を示す鉛直断面図
図5】物品搬送装置の制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
物品搬送装置は、物品を搬送する装置であって、例えば、原材料、中間製品、或いは完成品等の搬送や保管を行う物品搬送設備に適用される。以下では、物品搬送装置が、クリーン環境下において原材料の処理等を行うクリーンルームに設置される物品搬送設備に適用される場合を例示して、物品搬送装置の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、物品搬送設備Fは、複数階の間で物品Wを搬送する階間搬送装置1と、各階において天井近くを走行して物品Wを搬送する天井搬送装置6と、各階の床面上を走行して物品Wを搬送する床面搬送装置7と、各階の床面に設置されて階間搬送装置1に物品Wを搬入し又は階間搬送装置1から物品Wを搬出する入出搬送装置8と、を備えている。なお、物品Wとしては、例えば半導体基板やレチクル基板等を収容する収容容器(FOUP(Front Opening Unified Pod)やレチクルポッド等)を例示することができる。本実施形態では、階間搬送装置1が、「物品搬送装置」に相当する。
【0014】
階間搬送装置1は、各階の床面を上下方向に貫通する状態で複数階に亘って設けられた筒状の区画体9の内部に設けられている。天井搬送装置6及び床面搬送装置7は、区画体9の外部に設けられている。図2に示すように、入出搬送装置8は、区画体9を水平方向に貫通する状態で、区画体9の内部と外部とに亘って設けられている。入出搬送装置8は、区画体9の外部に位置する側の端部(外部側端部81)と区画体9の内部に位置する側の端部(内部側端部82)との間で物品Wを搬送する。入出搬送装置8は、例えばベルトコンベヤやローラコンベヤ等のコンベヤを用いて構成される。
【0015】
区画体9の内部には、物品Wを保持する保持部90が複数設けられている(図2及び図3参照)。天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等により、入出搬送装置8の外部側端部81に物品Wが載せられると、当該物品Wは、入出搬送装置8によって区画体9の内部の内部側端部82に搬送される。その後、物品Wは、階間搬送装置1によって内部側端部82から同一階又は他の階にある保持部90に搬送されて、その保持部90に保持される。また、保持部90に保持されている物品Wは、階間搬送装置1によって保持部90から同一階又は他の階にある入出搬送装置8の内部側端部82に搬送され、その後、入出搬送装置8によって外部側端部81に搬送される。外部側端部81に搬送された物品Wは、天井搬送装置6、床面搬送装置7、或いは作業者等により、外部側端部81から他の場所へ搬送される。また、階間搬送装置1により、内部側端部82から別の入出搬送装置8の内部側端部82に物品Wを搬送する場合や、保持部90から別の保持部90に物品Wを搬送する場合もある。なお、入出搬送装置8の内部側端部82は、物品Wを搬送していない状態では、その位置に物品Wを保持することになるため、保持部90としても機能する。
【0016】
次に、階間搬送装置1(物品搬送装置)の構成について詳細に説明する。
【0017】
図2及び図3に示すように、階間搬送装置1は、上下方向Vに沿う搬送経路Rに沿って設置された案内レール10と、案内レール10に沿って昇降する昇降ユニット20と、昇降ユニット20に支持されると共に、案内レール10に対して水平方向に離間して配置された複数の保持部90との間で物品Wを移載する移載装置30と、を備えている。階間搬送装置1は、保持部90と他の保持部90(内部側端部82を含む)との間で物品Wを搬送する。
【0018】
ここで、複数の保持部90は、上下方向Vに分かれて配置されている。これに加えて、本実施形態では、複数の保持部90が、移載装置30に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置されている(図2参照)。本例では、入出搬送装置8の内部側端部82を除く、一般の保持部90は、物品Wを下方から支持する支持部材91を備えており、支持部材91により物品Wを下方から支持した状態で物品Wを保持するように構成されている。また、支持部材91は、平面視でU字状に形成されており、U字状を成す支持部材91の各先端部が階間搬送装置1側を向くように設けられている。換言すれば、支持部材91は、U字状を成す支持部材91の開口部が階間搬送装置1側を向くように設けられている。階間搬送装置1は、このような構成の保持部90との間で物品Wを移載可能に構成されている。
【0019】
案内レール10は、上下方向Vに沿って複数階に亘って配置されている。移載装置30を支持する昇降ユニット20は、このような案内レール10に沿って昇降可能となっている。これにより、階間搬送装置1は、複数階に亘って物品Wを搬送することが可能となっている。
【0020】
本実施形態では、昇降ユニット20は、案内レール10に支持された本体部20aを備えている。本体部20aは、案内レール10の上下それぞれの両端部に設けられている一対のプーリ(図示せず)に巻回されたベルト20bに連結されている。昇降ユニット20は、昇降モータ20m(図5参照)により一方のプーリを駆動して従動的にベルト20bを駆動することで、本体部20aを案内レール10に沿って昇降させることが可能となっている。
【0021】
本実施形態では、昇降ユニット20は、移載装置30を支持する連結部Lを備えている。本例では、連結部Lは、本体部20aと移載装置30とを連結している。図示の例では、連結部Lは、上側連結部21Lと、上側連結部21Lよりも下方に設けられた下側連結部22Lと、を備えている。
【0022】
移載装置30は、昇降ユニット20に支持された上側移載部31、及び、上側移載部31の下側に配置され、上側移載部31と同一の昇降ユニット20に支持された下側移載部32と、を備えている。本実施形態では、上側移載部31は、上側連結部21Lによって本体部20aに連結されることで、昇降ユニット20に支持されている。そして、下側移載部32は、下側連結部22Lによって本体部20aに連結されることで、昇降ユニット20に支持されている。
【0023】
上側移載部31は、物品Wを支持する上側支持部31Sと、上側支持部31Sを基準位置P1と基準位置P1よりも保持部90側に突出させた突出位置P2との間で出退させる上側出退駆動部31Aと、を備えている。本実施形態では、上側移載部31は、上側支持部31Sを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる上側旋回駆動部31Bを更に備えている。
【0024】
本実施形態では、上側支持部31Sは、上側出退駆動部31Aに支持されている。本例では、上側支持部31Sは、上側出退駆動部31Aによって上方から支持されている。換言すれば、上側支持部31Sは、上側出退駆動部31Aによって吊り下げ支持されている。
【0025】
本実施形態では、上側支持部31Sは、物品Wを下方から支持するように構成されている。図示の例では、上側支持部31Sは、支持基部31Saと、支持基部31Saに連結された支持体31Sbと、を備えており、この支持体31Sbによって物品Wを下方から支持するように構成されている。支持基部31Saは、ケース状に形成されており、上側支持部31Sを構成する各要素を収容可能となっている。支持体31Sbは、支持基部31Saの下部に連結されて当該支持基部31Saから水平方向に突出している。支持体31Sbは、平面視において、U字状を成す支持部材91の開口部よりも小さく形成されている(図2参照)。これにより、支持体31Sbは、支持部材91の上記開口部を上下方向に通過可能となっている。本実施形態では、上側支持部31Sは、支持体31Sbを上下動させる上側移載駆動部、ここでは上側移載モータ31Sm(図5参照)を備えている。本例では、上側移載モータ31Smは、支持基部31Saの内部に収容されている。支持体31Sbは、物品Wを下方から支持した状態で、上側移載モータ31Smにより駆動されて支持部材91の開口部を上から下に通過することで、支持部材91に物品Wを引き渡す。また、支持体31Sbは、支持部材91が物品Wを下方から支持した状態で、上側移載モータ31Smにより駆動されて支持部材91の開口部を下から上に通過することで、支持部材91から物品Wを受け取る。これにより、上側移載部31は、保持部90との間で物品Wを移載する。
【0026】
本実施形態では、上側支持部31Sは、支持体31Sbによって物品Wを支持した状態で、当該物品Wが支持体31Sbから脱落することを規制する規制体31Scを備えている。規制体31Scは、支持体31Sbが物品Wを支持した状態で、当該物品Wに対して上方に配置される。本例では、規制体31Scは、支持基部31Saの上部に連結されて当該支持基部31Saから水平方向に突出している。本例では、規制体31Scと上述の支持体31Sbとは、支持基部31Saから同じ方向に突出している。支持体31Sbが上側移載モータ31Smに駆動されて上下動する際には、規制体31Scも共に上下動する。すなわち、支持体31Sbと規制体31Scとは、上下方向Vに相対移動不能となっており、支持体31Sbと規制体31Scとの上下方向Vの離間距離は常に一定となっている。支持体31Sbと規制体31Scとの上下方向Vの離間距離は、少なくとも、搬送対象となる物品Wの上下方向Vの寸法よりも長く設定されている。
【0027】
本実施形態では、上側出退駆動部31Aは、上側旋回駆動部31Bに支持されている。
本例では、上側出退駆動部31Aは、上側旋回駆動部31Bによって上方から支持されている。換言すれば、上側出退駆動部31Aは、上側旋回駆動部31Bによって吊り下げ支持されている。
【0028】
本実施形態では、上側出退駆動部31Aは、水平多関節アーム(いわゆるSCARA;Selective Compliance Assembly Robot Arm)を用いて構成されている。具体的には、上側出退駆動部31Aは、複数のリンクを有する上側リンク機構31Aaと、上側リンク機構31Aaを駆動する上側出退モータ31Am(図5参照)と、を備えている。そして、上側リンク機構31Aaは、上側出退モータ31Amにより駆動されて、各リンクが鉛直軸周りに旋回することで、水平方向に伸縮動作するように構成されている。上側リンク機構31Aaは、その基端部において上側旋回駆動部31Bに連結されていると共に、その先端部において上側支持部31Sに連結されている。これにより、上側リンク機構31Aaは、上側出退モータ31Amにより駆動されて伸縮動作することにより、基準位置P1と突出位置P2との間で、上側支持部31Sを水平方向に出退させるように構成されている。
【0029】
本実施形態では、上側旋回駆動部31Bは、昇降ユニット20に支持されている。本例では、上側旋回駆動部31Bは、上側連結部21Lを介して昇降ユニット20に支持されている。図示の例では、上側旋回駆動部31Bは、上側連結部21Lに設けられた上側ケース部31Cの内部に収容されている。
【0030】
本実施形態では、上側旋回駆動部31Bは、上側旋回台31Baと、上側旋回台31Baを駆動する上側旋回モータ31Bm(図5参照)と、を備えている。そして、上側旋回台31Baは、上側旋回モータ31Bmにより駆動されて旋回動作するように構成されている。上側旋回台31Baは、上側旋回モータ31Bmにより駆動されて旋回動作することにより、上側出退駆動部31Aとこれに支持された上側支持部31Sとを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる。これにより、上側出退駆動部31Aに駆動されて出退する上側支持部31Sの出退方向を変更可能となっており、ひいては、上側移載部31(移載装置30)に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の保持部90との間で物品Wを移載可能となっている。
【0031】
下側移載部32は、物品Wを支持する下側支持部32Sと、下側支持部32Sを基準位置P1と基準位置P1よりも保持部90側に突出させた突出位置P2との間で出退させる下側出退駆動部32Aと、を備えている。本実施形態では、下側移載部32は、下側支持部32Sを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる下側旋回駆動部32Bを更に備えている。
【0032】
本実施形態では、下側支持部32Sは、下側出退駆動部32Aに支持されている。本例では、下側支持部32Sは、下側出退駆動部32Aによって下方から支持されている。換言すれば、下側支持部32Sは、下側出退駆動部32Aによって載置支持されている。
【0033】
本実施形態では、下側支持部32Sは、物品Wを下方から支持するように構成されている。上述のように、本例では、上側支持部31Sについても、物品Wを下方から支持するように構成されている。すなわち、上側支持部31Sおよび下側支持部32Sの双方が、物品Wを下方から支持するように構成されている。図示の例では、下側支持部32Sは、支持基部32Saと、支持基部32Saに連結された支持体32Sbと、を備えており、この支持体32Sbによって物品Wを下方から支持するように構成されている。支持基部32Saは、ケース状に形成されており、下側支持部32Sを構成する各要素を収容可能となっている。支持体32Sbは、支持基部32Saの下部に連結されて当該支持基部32Saから水平方向に突出している。支持体32Sbは、平面視において、U字状を成す支持部材91の開口部よりも小さく形成されている(図2参照)。これにより、支持体32Sbは、支持部材91の上記開口部を上下方向に通過可能となっている。本実施形態では、下側支持部32Sは、支持体32Sbを上下動させる下側移載駆動部、ここでは下側移載モータ32Sm(図5参照)を備えている。本例では、下側移載モータ32Smは、支持基部32Saの内部に収容されている。支持体32Sbは、物品Wを下方から支持した状態で、下側移載モータ32Smにより駆動されて支持部材91の開口部を上から下に通過することで、支持部材91に物品Wを引き渡す。また、支持体32Sbは、支持部材91が物品Wを下方から支持した状態で、下側移載モータ32Smにより駆動されて支持部材91の開口部を下から上に通過することで、支持部材91から物品Wを受け取る。これにより、下側移載部32は、保持部90との間で物品Wを移載する。
【0034】
本実施形態では、下側支持部32Sは、支持体32Sbによって物品Wを支持した状態で、当該物品Wが支持体32Sbから脱落することを規制する規制体32Scを備えている。規制体32Scは、支持体32Sbが物品Wを支持した状態で、当該物品Wに対して上方に配置される。本例では、規制体32Scは、支持基部32Saの上部に連結されて当該支持基部32Saから水平方向に突出している。本例では、支持体32Sbと規制体32Scとは、支持基部32Saから同じ方向に突出している。支持体32Sbが下側移載モータ32Smに駆動されて上下動する際には、規制体32Scも共に上下動する。すなわち、支持体32Sbと規制体32Scとは、上下方向Vに相対移動不能となっており、支持体32Sbと規制体32Scとの上下方向Vの離間距離は常に一定となっている。
支持体32Sbと規制体32Scとの上下方向Vの離間距離は、少なくとも、搬送対象となる物品Wの上下方向Vの寸法よりも長く設定されている。
【0035】
本実施形態では、下側出退駆動部32Aは、下側旋回駆動部32Bに支持されている。
本例では、下側出退駆動部32Aは、下側旋回駆動部32Bによって下方から支持されている。換言すれば、下側出退駆動部32Aは、下側旋回駆動部32Bに載置支持されている。
【0036】
本実施形態では、下側出退駆動部32Aは、水平多関節アームを用いて構成されている。具体的には、下側出退駆動部32Aは、複数のリンクを有する下側リンク機構32Aaと、下側リンク機構32Aaを駆動する下側出退モータ32Am(図5参照)と、を備えている。そして、下側リンク機構32Aaは、下側出退モータ32Amにより駆動されて、各リンクが鉛直軸周りに旋回することで、水平方向に伸縮動作するように構成されている。下側リンク機構32Aaは、その基端部において下側旋回駆動部32Bに連結されていると共に、その先端部において下側支持部32Sに連結されている。これにより、下側リンク機構32Aaは、下側出退モータ32Amにより駆動されて伸縮動作することにより、基準位置P1と突出位置P2との間で、下側支持部32Sを水平方向に出退させるように構成されている。
【0037】
本実施形態では、下側旋回駆動部32Bは、昇降ユニット20に支持されている。本例では、下側旋回駆動部32Bは、下側連結部22Lを介して昇降ユニット20に支持されている。図示の例では、下側旋回駆動部32Bは、下側連結部22Lに設けられた下側ケース部32Cの内部に収容されている。
【0038】
本実施形態では、下側旋回駆動部32Bは、下側旋回台32Baと、下側旋回台32Baを駆動する下側旋回モータ32Bm(図5参照)と、を備えている。そして、下側旋回台32Baは、下側旋回モータ32Bmにより駆動されて旋回動作するように構成されている。下側旋回台32Baは、下側旋回モータ32Bmにより駆動されて旋回動作することにより、下側出退駆動部32Aとこれに支持された下側支持部32Sとを上下方向Vに沿う軸心周りに旋回させる。これにより、下側出退駆動部32Aに駆動されて出退する下側支持部32Sの出退方向を変更可能となっており、ひいては、下側移載部32(移載装置30)に対して上下方向Vに沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の保持部90との間で物品Wを移載可能となっている。
【0039】
以上説明した階間搬送装置1では、図3に示すように、上側出退駆動部31Aが上側支持部31Sよりも上方に配置されると共に、下側出退駆動部32Aが下側支持部32Sよりも下方に配置されている。すなわち、この階間搬送装置1では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間に、物品Wの移載時に支持部(31S,32S)を出退させるための出退駆動部(31A,32A)が配置されない構成となっている。
【0040】
そして、本実施形態では、上側旋回駆動部31Bが上側支持部31Sよりも上方に配置されると共に、下側旋回駆動部32Bが下側支持部32Sよりも下方に配置されている。
すなわち、本実施形態に係る階間搬送装置1では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間には、物品Wの移載時に支持部(31S,32S)の出退方向を変更するための旋回駆動部(31B,32B)も配置されない構成となっている。
【0041】
また、本実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とが、同一の部材を用いて構成されている。具体的には、上側支持部31Sと下側支持部32Sとが、同一の部材を用いて構成されている。また、上側出退駆動部31Aと下側出退駆動部32Aとが、同一の部材を用いて構成されている。そして、上側旋回駆動部31Bと下側旋回駆動部32Bとが、同一の部材を用いて構成されている。このような構成により、階間搬送装置1の製造コストを低減でき、また、製造の手間を軽減することができる。
【0042】
そして、本実施形態では、互いに同一の部材を用いて構成される上側移載部31と下側移載部32とが、互いに上下方向Vに反転した状態で同一の昇降ユニット20に支持されている。但し、支持体(31Sb,32Sb)の連結構造が、上側支持部31Sと下側支持部32Sとで異なっている。すなわち、上側支持部31Sでは、支持体31Sbは、支持基部31Saにおける上側出退駆動部31Aから遠い側の端部付近に連結されている。
一方、下側支持部32Sでは、支持体32Sbは、支持基部32Saにおける下側出退駆動部32Aから近い側の端部近傍に連結されている。また、本実施形態では、規制体(31Sc,32Sc)の連結構造についても、上側支持部31Sと下側支持部32Sとで異なっている。すなわち、上側支持部31Sでは、規制体31Scは、支持基部31Saにおける上側出退駆動部31Aから近い側の端部付近に連結されている。一方、下側支持部32Sでは、規制体32Scは、支持基部32Saにおける下側出退駆動部32Aから遠い側の端部近傍に連結されている。このような構成により、上側支持部31Sと下側支持部32Sとのいずれにおいても、物品Wを下方から支持する構成を実現できると共に、当該物品Wの脱落を上方から規制する構成を実現することができる。
【0043】
以上のような構成によれば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間隔を狭くすることが可能となる。また、このような一対の支持部(本例では、上側支持部31S及び下側支持部32S)を備えた物品搬送装置(本例では、階間搬送装置1)が設けられた設備では、一般的に、物品Wの移載先となる複数の保持部90の上下方向Vの間隔は、一対の支持部の上下方向Vの間隔に依存する。一対の支持部によって2つの物品Wを同時移載する場合に、一対の支持部の上下方向Vの間隔と複数の保持部90の上下方向Vの間隔が一致していなければ、上記同時移載を行い難いからである。そして、本構成によれば、上述のように上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間隔を狭くすることが可能であるため、これに対応する複数の保持部90の上下方向Vの間隔も狭くすることができる。従って、本構成によれば、設備内により多くの保持部90を設けることが可能となり、区画体9の内部に保持できる物品Wの数を多くすることが可能となる。
以下、図4に示す比較例を参照して、具体的に説明する。
【0044】
図4は、比較例に係る階間搬送装置100を示している。図4に示すように、上側移載部310と、上側移載部310よりも下側に配置された下側移載部320とが、同一の昇降ユニット200に支持されている。上側移載部310は、上側旋回駆動部310Bと、上側旋回駆動部310Bによって下方から支持された上側出退駆動部310Aと、上側出退駆動部310Aによって下方から支持された上側支持部310Sと、を備えている。そして、上側支持部310Sは、物品Wを下方から支持する支持体310Sbを備えている。下側移載部320は、上側移載部310と同一の構造とされている。すなわち、下側移載部320は、下側旋回駆動部320Bと、下側旋回駆動部320Bによって下方から支持された下側出退駆動部320Aと、下側出退駆動部320Aによって下方から支持された下側支持部320Sと、を備えている。そして、下側支持部320Sは、物品Wを下方から支持する支持体320Sbを備えている。
【0045】
図4に示す比較例では、下側出退駆動部320Aが下側支持部32Sよりも下方に配置されており、これと同様に、上側出退駆動部310Aについても上側支持部310Sよりも下方に配置されている。すなわち、この比較例に係る階間搬送装置100では、上側支持部310Sと下側支持部320Sとの上下方向Vの間に、物品Wの移載時に上側支持部310Sを出退させるための上側出退駆動部310Aが配置された構成となっている。
【0046】
また、図4に示す比較例では、下側旋回駆動部320Bが下側支持部320Sよりも下方に配置されており、これと同様に、上側旋回駆動部310Bについても上側支持部310Sよりも下方に配置されている。すなわち、この比較例に係る階間搬送装置100では、上側支持部310Sと下側支持部320Sとの上下方向Vの間に、上側出退駆動部310Aに加えて、物品Wの移載時に上側支持部310Sの出退方向を変更するための上側旋回駆動部310Bが配置された構成となっている。
【0047】
上述のように、物品Wの移載先となる複数の保持部900の上下方向Vの間隔は、一対の支持部(310S,320S)の上下方向Vの間隔に依存する。ここでは、複数の保持部900(支持部材910)の上下方向Vの間隔9Gpは、上側支持部310Sにおける支持体310Sbと下側支持部320Sにおける支持体320Sbとの上下方向Vの間隔3Gpと等しくされている。
【0048】
一方、図3に示すように、本開示に係る階間搬送装置1では、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間に、出退駆動部(31A,32A)及び旋回駆動部(31B,32B)が配置されていない。そのため本開示に係る階間搬送装置1では、比較例に係る階間搬送装置100に比べて、上側支持部31Sと下側支持部32Sとを上下方向Vに近づけて配置することができる。図示の例では、上側支持部31Sにおける支持体31Sbと下側支持部32Sにおける支持体32Sbとの上下方向Vの間隔3Gが、比較例の場合の間隔3Gp(図4参照)に比べて狭くなっている。そして、本開示に係る階間搬送装置1では、一対の支持体(31S,32S)の上下方向Vの間隔3Gに依存する、すなわちこの間隔3Gと等しくされる複数の保持部90(支持部材91)の上下方向Vの間隔9Gも、比較例の場合の複数の保持部900の間隔9Gp(図4参照)よりも狭くなっている。
【0049】
このように、本開示に係る階間搬送装置1によれば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの上下方向Vの間隔3Gを従来よりも狭くすることが可能であるため、これに対応する複数の保持部90の上下方向Vの間隔9Gも狭くすることができる。従って、設備内に、従来よりも多くの保持部90を設けることが可能となり、区画体9の内部に保持できる物品Wの数を多くすることが可能となる。
【0050】
次に、物品搬送設備Fの制御構成について、図5を参照して説明する。
【0051】
図5に示すように、物品搬送設備Fは、設備内における複数の物品Wの保管や移動等を統括的に管理する統括制御装置Htと、天井搬送装置6の動作を制御する天井搬送制御装置H6と、床面搬送装置7の動作を制御する床面搬送制御装置H7と、階間搬送装置1の動作を制御する階間搬送制御装置H1と、を備えている。これらの各制御装置は、有線又は無線により互いに通信可能に構成されている。また、これらの各制御装置は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0052】
本実施形態では、階間搬送制御装置H1は、昇降モータ20mを制御して昇降ユニット20の動作を制御する昇降制御部H20を備えている。また、階間搬送制御装置H1は、上側移載モータ31Smを制御する上側移載制御部Hs1と、上側出退モータ31Amを制御して上側出退駆動部31Aの動作を制御する上側出退制御部Ha1と、上側旋回モータ31Bmを制御して上側旋回駆動部31Bの動作を制御する上側旋回制御部Hb1と、を備えている。更に、階間搬送制御装置H1は、下側移載モータ32Smを制御する下側移載制御部Hs2と、下側出退モータ32Amを制御して下側出退駆動部32Aの動作を制御する下側出退制御部Ha2と、下側旋回モータ32Bmを制御して下側旋回駆動部32Bの動作を制御する下側旋回制御部Hb2と、を備えている。
【0053】
本実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とは、同じハードウェア構成の制御部を用いて構成されている。上述のように、本実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とは、同一の部材を用いて構成されていると共に、互いに上下方向Vに反転した状態で同一の昇降ユニット20に支持されている。
【0054】
このような構成により、上側支持部31Sにおける支持体31Sbの上下動作と下側支持部32Sにおける支持体32Sbの上下動作とは、互いの動作方向が同じ場合に、それぞれの駆動源である上側移載モータ31Smと下側移載モータ32Smとの動作方向(ここでは回転方向)が逆となるため、制御指令は互いに逆方向の指令となる。従って、本実施形態では、上側支持部31Sにおける支持体31Sbの上下動作と下側支持部32Sにおける支持体32Sbの上下動作とのそれぞれは、上側移載制御部Hs1と下側移載制御部Hs2とによって、互いに逆方向の制御指令が出力されることによって制御される。例えば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの双方を上方に移動させる場合には、上側移載制御部Hs1は、上側支持部31Sにおける支持体31Sbを上側出退駆動部31Aに近づける方向に移動させる。一方、下側移載制御部Hs2は、下側支持部32Sにおける支持体32Sbを、下側出退駆動部32Aから遠ざける方向に移動させる。このように、上側移載制御部Hs1と下側移載制御部Hs2とで、互いに逆方向の制御指令を出力することで、それぞれの支持体(31Sb,32Sb)を同じ方向に上下動させることができる。
【0055】
また、上記のような構成により、上側支持部31Sの旋回動作と下側支持部32Sの旋回動作とは、互いの動作方向が同じ場合に、それぞれの駆動源である上側旋回モータ31Bmと下側旋回モータ32Bmとの動作方向(ここでは回転方向)が逆となるため、制御指令は互いに逆方向の指令となる。従って、本実施形態では、上側支持部31Sの旋回動作と下側支持部32Sの旋回動作とのそれぞれは、上側旋回制御部Hb1と下側旋回制御部Hb2とによって、互いに逆方向の制御指令が出力されることによって制御される。例えば、上側支持部31Sと下側支持部32Sとの双方を、上方から見て時計回りに旋回させる場合には、上側旋回制御部Hb1は、上側出退駆動部31Aの側から見て、上側支持部31Sを反時計回りに旋回させるように上側旋回駆動部31Bの動作を制御する。一方、下側旋回制御部Hb2は、下側出退駆動部32Aの側から見て、下側支持部32Sを時計回りに旋回させるように下側旋回駆動部32Bの動作を制御する。このように、上側旋回制御部Hb1と下側旋回制御部Hb2とで、互いに逆方向の制御指令を出力することで、それぞれの支持部(31S,32S)を同じ方向に旋回させることができる。
【0056】
一方、上記のような構成に関わらず、上側支持部31Sの出退動作と下側支持部32Sの出退動作とは、互いの動作方向が同じ場合に、それぞれの駆動源である上側出退モータ31Amと下側出退モータ32Amとの動作方向(ここでは回転方向)が同じとなるため、制御指令は互いに同一方向の指令となる。従って、本実施形態では、上側支持部31Sの出退動作と下側支持部32Sの出退動作とのそれぞれは、上側出退制御部Ha1と下側出退制御部Ha2とによって、互いに同一方向の指令の制御指令が出力されることによって制御される。
【0057】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0058】
(1)上記の実施形態では、上側移載部31に関して、上側旋回駆動部31Bが昇降ユニット20に支持され、上側出退駆動部31Aが上側旋回駆動部31Bに支持され、上側支持部31Sが上側出退駆動部31Aに支持されており、下側移載部32に関して、下側旋回駆動部32Bが昇降ユニット20に支持され、下側出退駆動部32Aが下側旋回駆動部32Bに支持され、下側支持部32Sが下側出退駆動部32Aに支持されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、これらの各部が支持される順序は、適宜変更することができる。例えば、上側移載部31に関して、上側出退駆動部31Aが昇降ユニット20に支持され、上側旋回駆動部31Bが上側出退駆動部31Aに支持され、上側支持部31Sが上側旋回駆動部31Bに支持されていても良い。下側移載部32に関しても同様である。
【0059】
(2)上記の実施形態では、上側移載部31が上側旋回駆動部31Bを備え、下側移載部32が下側旋回駆動部32Bを備えている例について説明した。しかし、上側旋回駆動部31B及び下側旋回駆動部32Bは、上側移載部31又は下側移載部32における必須の構成要素ではない。従って、例えば、上側旋回駆動部31B及び下側旋回駆動部32Bの少なくとも一方を備えない構成とされていても良い。
【0060】
(3)上記の実施形態では、上側移載部31と下側移載部32とが、同一の部材を用いて構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上側移載部31と下側移載部32とは、互いに異なる部材を、部分的あるいは全体的に用いて構成されていても良い。
【0061】
(4)上記の実施形態では、上側支持部31Sおよび下側支持部32Sの双方が、物品Wを下方から支持するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、上側支持部31Sおよび下側支持部32Sのうち少なくとも一方が、物品Wをその上部又は側部から挟んで支持する把持部を備えた構成であっても良い。
【0062】
(5)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0063】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送設備について説明する。
【0064】
物品を搬送する物品搬送装置を備えた物品搬送設備であって、
前記物品搬送装置は、
上下方向に沿う搬送経路に沿って設置された案内レールと、
前記案内レールに沿って昇降する昇降ユニットと、
前記昇降ユニットに支持されると共に、前記案内レールに対して水平方向に離間して配置された複数の保持部との間で物品を移載する移載装置と、を備え、
前記移載装置は、前記昇降ユニットに支持された上側移載部、及び、前記上側移載部の下側に配置され、前記上側移載部と同一の前記昇降ユニットに支持された下側移載部と、を備え、
前記上側移載部は、物品を支持する上側支持部と、前記上側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる上側出退駆動部と、を備え、
前記下側移載部は、物品を支持する下側支持部と、前記下側支持部を基準位置と前記基準位置よりも前記保持部側に突出させた突出位置との間で出退させる下側出退駆動部と、を備え、
前記上側出退駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側出退駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置されている。
【0065】
本構成によれば、同一の昇降ユニットに、上側移載部と下側移載部との双方が支持されているため、2つの物品を同時に搬送することができると共に、これら2つの物品を、上側移載部と下側移載部とのそれぞれによって互いに異なる保持部に対して移載することができる。そのため、物品の搬送効率を高めることができる。そして、上側支持部を出退させるための上側出退駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を出退させるための下側出退駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されているため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に出退駆動部が配置されることを避けることができている。これにより、従来の構成に比べて、上側支持部と下側支持部との上下方向の間隔を狭くすることが可能となっている。複数の保持部が上下方向に並ぶ場合において、上側移載部と下側移載部とがそれらの保持部に対して同時並行で移載を行うことができるようにするためには、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔が、上側支持部と下側支持部との配置間隔に応じた間隔となっている必要がある。本構成によれば、このような場合にも、上下方向に並ぶ複数の保持部の配置間隔を狭くすることができるため、より多くの保持部を設けることが可能となり、保持できる物品の数を多くすることが可能となっている。
【0066】
ここで、
複数の前記保持部が、前記移載装置に対して前記上下方向に沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置され、
前記上側移載部は、前記上側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる上側旋回駆動部を備え、
前記下側移載部は、前記下側支持部を前記上下方向に沿う軸心周りに旋回させる下側旋回駆動部を備え、
前記上側旋回駆動部が前記上側支持部よりも上方に配置されると共に、前記下側旋回駆動部が前記下側支持部よりも下方に配置されていると好適である。
【0067】
本構成によれば、上側移載部と下側移載部とのそれぞれによって、移載装置に対して上下方向に沿う軸心周りの複数方向に分かれて配置された複数の保持部に対して物品を移載することができる。そして、上側支持部を旋回させるための上側旋回駆動部が、当該上側支持部よりも上方に配置されると共に、下側支持部を旋回させるための下側旋回駆動部が、当該下側支持部よりも下方に配置されているため、上側支持部と下側支持部との上下方向の間に旋回駆動部が配置されることを避けることができる。これにより、上側支持部と下側支持部との双方を上下方向に沿う軸心周りに旋回させることが可能な構成を実現しながらも、上側支持部と下側支持部との上下方向の間隔を狭くすることが可能となっている。
【0068】
また、
前記上側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記上側出退駆動部が前記上側旋回駆動部に支持され、前記上側支持部が前記上側出退駆動部に支持されており、
前記下側旋回駆動部が前記昇降ユニットに支持され、前記下側出退駆動部が前記下側旋回駆動部に支持され、前記下側支持部が前記下側出退駆動部に支持されていると好適である。
【0069】
本構成によれば、上側旋回駆動部が上側出退駆動部よりも昇降ユニット側に配置されるため、上側出退駆動部の先端側に上側旋回駆動部が配置されることを避けることができ、上側出退駆動部の先端側を軽くすることが可能となる。よって、上側出退駆動部に作用する荷重を軽減することができる。この点は、下側出退駆動部についても同様である。従って、本構成によれば、出退駆動部の負荷を軽減することができる。
【0070】
また、
前記上側支持部および前記下側支持部の双方が、物品を下方から支持するように構成されていると好適である。
【0071】
物品を支持する支持部の構成としては、例えば、物品をその上部又は側部から挟んで支持する把持部を備えた構成とすることも有り得る。しかし、このような構成では、物品を把持等するための把持部や当該把持部を駆動する駆動部等の機構が必要となり、支持部や移載部が大型化し易い。支持部や移載部が大型化すると、上側支持部と下側支持部との配置間隔も広くなり易くなる。本構成によれば、上側支持部および下側支持部の双方が、物品を下方から支持するように構成されているため、上記のように把持部を備えた構成に比べて、支持部や移載部の構成を簡略化できるため、これらの大型化を抑制できる。従って、上側支持部と下側支持部との配置間隔を狭くし易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示に係る技術は、物品を搬送する物品搬送装置を備えた物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
F :物品搬送設備
1 :階間搬送装置(物品搬送装置)
10 :案内レール
20 :昇降ユニット
30 :移載装置
31 :上側移載部
31A :上側出退駆動部
31B :上側旋回駆動部
31S :上側支持部
32 :下側移載部
32A :下側出退駆動部
32B :下側旋回駆動部
32S :下側支持部
90 :保持部
P1 :基準位置
P2 :突出位置
V :上下方向
R :搬送経路
W :物品