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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153314
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】組織を穿刺するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135327
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2020562113の分割
【原出願日】2019-05-07
(31)【優先権主張番号】62/668,396
(32)【優先日】2018-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アーバンスキー,ジョン・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ブロック
(72)【発明者】
【氏名】グラベット, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】アバウ‐マリー,ランド
(72)【発明者】
【氏名】ルク, マリア
(72)【発明者】
【氏名】カマル, アーマド
(57)【要約】
【課題】標的組織を穿刺するための処置の安全性を改善する。
【解決手段】標的組織を穿刺するための方法及び装置が開示される。装置は、EGMSを収集し、標的組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを含む。本方法は、EGMSを収集して、細長い穿刺デバイスによって標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視することを含み、それによって、標的組織に対する細長い穿刺デバイスの先端電極の位置を確認する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的組織に対する穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法は、EGMを収集し、組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含み、前記細長い穿刺デバイスの前記先端電極によって前記標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視するために、前記先端電極を用いてEGMを収集するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記標的組織が、心膜である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的組織が、心臓の中隔である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記標的組織が、心房中隔である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波エネルギーを送達する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波スタイレット、トロカール、又はガイドワイヤである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記EGMが、心膜から収集される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記EGMが、心臓の中隔から収集される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記細長い穿刺デバイスが、心膜組織に対して圧力を加える、請求項1又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記細長い穿刺デバイスが、心臓の中隔に対して圧力を加える、請求項1又は8に記載の方法。
【請求項11】
標的組織を穿刺する方法は、EGMを収集し、前記標的組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含み、前記方法は、前記細長い穿刺デバイスによって前記標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視するためにEGMを収集することを含み、それによって、前記標的組織に対する前記細長い穿刺デバイスの前記先端電極の位置を確認する、方法。
【請求項12】
前記標的組織が、心膜である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記標的組織が、心臓の中隔である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記標的組織が、心房中隔である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波エネルギーを送達する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤである、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
EGMが、心膜から収集される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
EGMが、心臓の中隔から収集される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記細長い穿刺デバイスが、心膜組織に対して圧力を加える、請求項11又は17に記載の方法。
【請求項20】
前記細長い穿刺デバイスが、心臓の中隔に対して圧力を加える、請求項11又は18に記載の方法。
【請求項21】
心膜腔へのアクセスを取得する方法であって、
(a)鈍端スタイレットをイントロデューサに導入するステップと、
(b)前記鈍端のスタイレット及び前記イントロデューサを組み合わせで、脂肪組織を通して、前記心膜の組織に向かって前進させるステップと、
(c)前記スタイレットを前記イントロデューサから除去するステップと、
(d)前記イントロデューサ内に可撓性である細長い穿刺デバイスを設置するステップと、
(e)前記細長い穿刺デバイスの前記先端を蛍光透視下で前記イントロデューサの遠位に前進させ、それによって、前記細長い穿刺デバイスの電極を、いずれの実質的な力も及ぼすことなく心膜と接触させる、前進させるステップと、
(f)前記心膜と接触している前記細長い穿刺デバイスの前記電極に基づいてEGMを監視して、低ST部が存在することを確認するステップと、
(g)前記イントロデューサ及び前記ガイドワイヤの前記電極を用いて力を及ぼして、前記心膜をテントするステップと、
(h)前記EGMを監視して、波がステップ(f)の波よりも高いことを確認するステップと、
(i)前記電極を通して前記心膜の前記組織にエネルギーを送達したステップと、
(j)前記EGMを監視するステップであって、前記ST部は、ステップ(f)及びステップ(h)の波よりも高い、監視するステップと、を含む、方法。
【請求項22】
ステップ(i)が、高電圧ACの短パルスを送達することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記短パルスが、1/3秒である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記イントロデューサの前記遠位部分を前記心膜腔内に前進させ、前記EGMを監視するステップ(k)を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
ステップ(e)及びステップ(f)が、同時に行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
ステップ(g)及びステップ(h)が、同時に行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(i)及びステップ(j)が、同時に行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
造影剤を送達するステップ(l)を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
心膜スペースから流体を引き抜くステップ(m)を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記細長い穿刺デバイスの先端を前記心膜腔内に前進させるステップ(n)を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記細長い穿刺デバイスを前記心膜腔内に前進させるステップ(n)を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記ガイドワイヤを前記心臓の周囲に少なくとも1回巻き付け、蛍光透視下で可視化することによってアクセスを確認するステップ(o)を更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記心膜腔へのアクセスを取得するために標的組織を穿刺する方法であって、
(1)1つの遠位極を有する電気絶縁ワイヤを、患者に対する心電図基準を有する記録システムに接続するステップと、
(2)剛性イントロデューサ及び係合スタイレットを用いて、前記患者の皮膚を、剣状突起下、傍胸骨肋間、又は心尖部アプローチを介して穿刺するステップと、
(3)蛍光透視及び触覚フィードバックの誘導下で、様々な真皮層を通して、心臓の心膜嚢に向かって前記剛性イントロデューサ及び前記スタイレットを前進させて、前記イントロデューサの前記先端を前記心膜嚢の近くに位置決めするステップと、
(4)前記イントロデューサの径方向鈍端が前記心膜嚢とドッキングしている間に、前記スタイレットを取り外し、前記イントロデューサ内に前記細長い穿刺デバイスを設置するステップと、
(5)前記イントロデューサが前記心膜嚢の外側に接触している間に、前記細長い穿刺デバイスを前進させるステップと、
(6)前記細長い穿刺デバイスの先端にある電極を介して、前記心膜嚢にエネルギーを送達するステップと、を含む、方法。
【請求項34】
ステップ(5)が、前記細長い穿刺デバイスの前記電極先端から局所心外膜EGMを記録することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ステップ(5)が、前記EGMを監視して、波形の振幅が、前記心臓に対するより高い機械的力で増加することを確認することを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
ステップ(6)は、前記エネルギーが少なくとも1つのパルスとして送達されることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
ステップ(6)は、前記エネルギーが、オーバーシュートを回避するために第1の繰り返しにおいて前記心膜嚢に対して低圧力レベルで開始する一連のパルスとして送達され、前記心膜嚢に及ぼされる圧力量が、同じパルス時間及びエネルギーレベルを維持しながら、各繰り返しで増加される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
ステップ(6)は、前記心膜嚢が穿刺されており、前記心膜腔へのアクセスが取得されたかどうかをチェックすることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
(前記心膜嚢のRF穿刺が前記心膜腔へのアクセスを提供した後に)前記細長い穿刺デバイスの遠位先端の前記電極を使用して、心外膜表面の電気的活動を監視するステップ(7)を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記細長い穿刺デバイスを前記心膜スペース内に更に展開して、前記先端の圧力を緩和し、EGMトレースの変化を引き起こすステップ(8)を更に含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
局所心外膜EGMを収集しながら、前記心臓の前記心外膜表面に沿って追跡するために前記ガイドワイヤを展開するステップ(9)を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記細長い穿刺デバイスの上にシース及び拡張器を前進させるステップを更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
イントロデューサに対する細長い穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法であって、前記細長い穿刺デバイスが、肉眼で可視である近位マーカーと、撮像システムの下で可視である遠位先端マーカーとを有し、前記イントロデューサが、前記撮像システムの下で可視である遠位端マーカーを有し、前記方法は、(1)撮像システムを用いずに、前記近位マーカーを使用して、前記イントロデューサの近位端に対して前記細長い穿刺デバイスを位置決めするステップと、(2)前記撮像システムをオンにするステップと、(3)前記撮像システムを使用して前記遠位先端マーカー及び前記遠位端マーカーを視認することによって、前記イントロデューサの端部に対して前記細長い穿刺デバイスの遠位先端を位置決めするステップと、を含む、方法。
【請求項44】
前記撮像システムが、蛍光透視システムであり、前記遠位先端マーカー及び前記遠位端マーカーが蛍光透視下で可視である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
細長い穿刺デバイスであって、導電性で、かつ透明な絶縁層によって被覆されたマンドレルを含み、前記マンドレルの遠位端が電気的に露出して遠位先端電極を規定するように、前記透明な層が前記マンドレルの前記遠位端のショートを止め、前記マンドレルの部分が可視マーカーによって包囲されており、前記可視マーカーが前記透明な層によって被覆されており、前記可視マーカーにある及び前記可視マーカーに隣接する前記細長い穿刺デバイスの前記部分が、一定の外径を有する、細長い穿刺デバイス。
【請求項46】
前記マンドレルが、前記透明な絶縁層によって被覆された酸化物コーティングによって包囲され、前記マンドレルの少なくとも1つの部分に対して、前記少なくとも1つの部分が少なくとも1つの可視マーカーを規定するように前記酸化物コーティングが除去されている、請求項45に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項47】
前記少なくとも1つの可視マーカーが、前記マンドレルの少なくとも1つの部分を含み、前記酸化物コーティングが前記マンドレルと接触している、請求項46に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項48】
前記可視マーカーが、近位マーカー、中間マーカー、又は遠位マーカーであってもよい、請求項45に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項49】
前記透明な層が、熱収縮層を含む、請求項45に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項50】
前記熱収縮層が、ポリテトラフルオロエチレン材料を含む、請求項47に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項51】
前記マンドレルが、ニチノールで構成される、請求項45に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項52】
前記マンドレルが、ステンレス鋼で構成される、請求項45に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項53】
前記酸化物コーティングが、二酸化チタンの層で構成される、請求項46に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項54】
前記細長い穿刺デバイスが、可撓性である、請求項45~53のいずれか一項に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項55】
前記マンドレルが、導電性であり、前記マンドレルの近位端部分が絶縁されておらず、前記遠位先端電極が電源と電気通信するように前記電源に接続するように動作可能であり、エネルギーが前記遠位先端電極を通して組織に送達されることができ、前記遠位先端電極が心外膜EGMを記録することを可能にする、請求項45~53のいずれか一項に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項56】
前記細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMからのノイズを低減するように電気的に絶縁されている、請求項55に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項57】
前記遠位先端電極が、外径>.027インチ(0.686mm)及び約1.8~約2.4mmの表面積を備えた半球ドームを有する、請求項45~53のいずれか一項に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項58】
Jプロファイルを有する遠位端部分を更に含む、請求項45~53のいずれか一項に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項59】
Jプロファイルを有する前記遠位端部分の曲線の周りに延在する放射線不透過性コイルを更に含む、請求項58に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項60】
前記放射線不透過性コイルの端部が、遠位先端マーカーとして使用されることができる、請求項59に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項61】
前記放射線不透過性コイルが、前記ガイドワイヤ先端の可視化を可能にするために超音波を使用するときにエコー源性特性を有する、請求項59に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項62】
細長い穿刺デバイスと共に使用するためのイントロデューサであって、前記イントロデューサは、ハブに接続されたイントロデューサシャフトを含み、前記イントロデューサシャフトが、2つの層の両端が前記層を接着するように互いに接合された状態で2つの絶縁層の間に介在する内部金属チューブを含む、イントロデューサ。
【請求項63】
前記2つの絶縁層が、高密度ポリエチレンで構成される、請求項62に記載のイントロデューサ。
【請求項64】
前記ハブが、チューブに接続するための雄側ポートと、スタイレット又はワイヤを受容するための受容開口部と、を更に含み、スタイレット又はワイヤが前記ハブに挿入されている間に、前記ハブが流体源に同時に取り付けられるように動作可能である、請求項62又は63に記載のイントロデューサ。
【請求項65】
イントロデューサ及び細長い穿刺デバイスを含むキットであって、前記細長い穿刺デバイスが、心外膜EGMを記録することを可能にする遠位先端電極を含み、前記細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMにおけるノイズを低減するために電気的に絶縁されており、
前記イントロデューサは、ハブに接続されたイントロデューサシャフトを含み、前記イントロデューサシャフトが、2つの層の両端が前記層を接着するように互いに接合された状態で、2つの電気絶縁層の間に介在し、前記細長い穿刺デバイスによって収集された任意のEGMにおけるノイズを低減する内部金属チューブを含む、キット。
【請求項66】
前記イントロデューサ及び前記細長い穿刺デバイスが、前記細長い穿刺デバイスが内部を通って挿入されている間に、前記イントロデューサが流体を送達及び引き抜く能力を有するように構成されている、請求項65に記載のキット。
【請求項67】
前記イントロデューサの先端の内径と前記細長い穿刺デバイスの外径との間の半径方向間隙が、>0.025mm(.001インチ)である、請求項66に記載のキット。
【請求項68】
前記キットが、69キロパスカル(10PSI)において、造影剤流動>15ml/分を提供するように動作可能である、請求項67に記載のキット。
【請求項69】
前記イントロデューサの先端の前記内径が、0.978mm(.0385インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、前記細長い穿刺デバイスの最大外径が0.889mm(.0350インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、それによって、この幾何学的形状の最小間隙が0.032mm(.00125インチ)である、請求項67に記載のキット。
【請求項70】
スタイレットを更に含み、前記スタイレットの断面が前記スタイレットの長さに沿って変化し、前記スタイレットの遠位先端に向かって下方に漸減して、前記スタイレットが設置されたときに前記イントロデューサの先端を通る流体の流動を可能にする、請求項65~69のいずれか一項に記載のキット。
【請求項71】
スタイレットを更に含み、前記スタイレットが、電気的に絶縁され、記録システムに接続されるように動作可能であり、前記心臓に接近するときに、前記イントロデューサの先端を位置決めするのに役立つEGM情報を収集することを容易にする、請求項65~69のいずれか一項に記載のキット。
【請求項72】
前記イントロデューサに対して前記細長い穿刺デバイスを位置決めするためのマーカーを更に含み、前記細長い穿刺デバイスが、肉眼で可視である近位マーカーと、撮像システムの下で可視である遠位先端マーカーとを有し、前記イントロデューサが、前記撮像システムの下で可視である遠位端マーカーを有する、請求項65~69のいずれか一項に記載のキット。
【請求項73】
前記遠位先端マーカー及び遠位端マーカーが、蛍光透視下で可視である、請求項72に記載のキット。
【請求項74】
前記細長い穿刺デバイスの前記近位マーカーが、前記イントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、前記細長い穿刺デバイスの先端が、前記イントロデューサシャフトのシャフトの遠位に延在する、請求項72に記載のキット。
【請求項75】
前記細長い穿刺デバイスの前記近位マーカーが、前記イントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、前記細長い穿刺デバイスの先端が、前記イントロデューサシャフトのシャフトの遠位端と一直線上にある、請求項72に記載のキット。
【請求項76】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む、請求項1~5、11~15、21、33及び43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む、請求項45~53のいずれか一項に記載の細長い穿刺デバイス。
【請求項78】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む、請求項65~69のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組織にエネルギーを送達するシステム及び方法に関する。より具体的には、組織を穿刺するために電気外科用デバイスを使用してエネルギーを送達することに関する。
【発明の概要】
【0002】
標的組織に対する穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法を使用して、穿刺デバイスを用いて標的組織を穿刺するための処置の安全性を高めることができる。本方法は、電位図(electrogram、EGM)を収集し、組織を穿刺するための電気エネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長いデバイス(例えば、高周波(radiofrequency、RF)ガイドワイヤ)を使用し、本方法は、EGMを収集して、細長いデバイスによって標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視し、それによって標的組織に対する先端位置を示すことを含む。いくつかの実施形態では、標的組織は心膜上にあり、本方法は、心外膜電位図(EGM)を収集して、心膜標的組織部位に対して加えられた圧力を測定及び監視することを含む。他の実施形態では、組織は、心膜以外の身体の一部、例えば、心臓の中隔である。
【0003】
第1の広義の態様では、本発明の実施形態は、標的組織に対する穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法を含み、本方法は、EGMを収集し、組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含む。本方法は、先端電極を用いてEGMを収集して、細長い穿刺デバイスの先端電極によって標的組織に対して加えられた圧力を測定及び監視するステップを含む。
【0004】
第1の広義の態様のいくつかの実施形態では、標的組織が、心膜である。いくつかの他の実施形態では、標的組織が、心臓の中隔であり、いくつかのそのような実施形態では、標的組織が、心房中隔である。第1の広義の実施形態のいくつかの実施例では、細長い穿刺デバイスが、高周波エネルギーを送達し、いくつかのそのような実施例では、細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤ、又は高周波スタイレット、又は高周波トロカールである。いくつかの実施例では、EGMが、心膜から収集され、いくつかの他の実施例では、EGMが、心臓の中隔から収集される。いくつかの実施形態において、細長い穿刺デバイスが、心膜組織に対して圧力を加え、他の実施形態では、細長い穿刺デバイスは、心臓の中隔に対して圧力を加える。
【0005】
第2の広義の態様では、本発明の実施形態は、標的組織を穿刺する方法であって、EGMを収集し、標的組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含む、方法を含み、本方法は、EGMを収集して、細長い穿刺デバイスによって標的組織に対して加えられた圧力を測定及び監視して、それによって、標的組織に対する細長い穿刺デバイスの先端電極の位置を確認することを含む。
【0006】
第2の広義の態様のいくつかの実施形態では、標的組織が、心膜である。他の実施形態では、標的組織が、心臓の中隔であり、いくつかのそのような実施形態では、標的組織が、心房中隔である。第2の広義の実施形態のいくつかの実施例では、細長い穿刺デバイスが、高周波エネルギーを送達し、いくつかのそのような実施例では、細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤである。第2の広義の態様のいくつかの実施例では、EGMが、心膜から収集され、いくつかの他の実施例では、EGMが、心臓の中隔から収集される。第2の広義の態様のいくつかの実施形態では、細長い穿刺デバイスが、心膜組織に対して圧力を加え、他の実施形態では、細長い穿刺デバイスが、心臓の中隔に対して圧力を加える。
【0007】
第3の広義の態様では、本発明の実施形態は、心膜腔へのアクセスを取得する方法であって、(a)鈍端スタイレットをイントロデューサに導入するステップと、(b)鈍端スタイレット及びイントロデューサを組み合わせて、脂肪組織を通して、心膜の組織に向かって前進させるステップと、(c)スタイレットをイントロデューサから除去するステップと、(d)イントロデューサ内に可撓性である細長い穿刺デバイスを設置するステップと、(e)細長い穿刺デバイスの先端を蛍光透視下でイントロデューサの遠位に前進させ、それによって、細長い穿刺デバイスの電極を、いずれの実質的な力も及ぼすことなく心膜と接触させるステップと、(f)心膜と接触している細長い穿刺デバイスの電極に基づいてEGMを監視して、低ST部が存在することを確認するステップと、(g)イントロデューサ及びガイドワイヤの電極を用いて力を及ぼして、心膜をテントするステップと、(h)EGMを監視して、波がステップ(f)の波よりも高いことを確認するステップと、(i)電極を通して心膜の組織にエネルギーを送達するステップと、(j)EGMを監視して、ST部が、ステップ(f)及びステップ(h)の波よりも高いことを確認するステップと、を含む、方法を含む。
【0008】
第3の広義の態様の典型的な実施形態では、ステップ(i)は、高電圧ACの短パルスを送達するステップを含む。いくつかのこのような実施形態では、短パルスは1/3秒である。典型的な実施形態は、イントロデューサの遠位部分を心膜腔内に前進させ、EGMを監視するステップ(k)を更に含む。
【0009】
第3の広義の態様のいくつかの実施形態では、ステップ(e)及びステップ(f)は同時に行われる。いくつかの実施形態では、ステップ(g)及びステップ(h)は同時に行われる。いくつかの実施形態では、ステップ(i)及びステップ(j)は同時に行われる。
【0010】
第3の広義の態様のいくつかの実施形態は、造影剤を送達するステップ(l)を更に含む。いくつかの実施形態は、心膜スペースから流体を引き抜くステップ(m)を更に含む。いくつかの実施形態は、細長い穿刺デバイスを心膜腔内に前進させるステップ(n)を更に含む。いくつかの実施形態は、ガイドワイヤを心臓の周囲に少なくとも1回巻き付け、蛍光透視下で可視化することによって、アクセスを確認するステップ(o)を更に含む。
【0011】
第4の広義の態様では、本発明の実施形態は、心膜腔へのアクセスを取得するために標的組織を穿刺する方法であって、(1)1つの遠位極を有する電気絶縁ワイヤを、患者に対する心電図基準を有する記録システムに接続するステップと、(2)剛性イントロデューサ及び係合スタイレットを用いて、患者の皮膚を剣状突起下、傍胸骨肋間又は心尖部アプローチを介して穿刺するステップと、(3)蛍光透視及び触覚フィードバックの誘導下で、様々な真皮層を通して、心臓の心膜嚢に向かって剛性イントロデューサ及びスタイレットを前進させて、イントロデューサの先端を心膜嚢の近くに位置決めするステップと、(4)イントロデューサの径方向鈍端が心膜嚢とドッキングしている間に、スタイレットを取り外し、イントロデューサ内に細長い穿刺デバイスを設置するステップと、(5)イントロデューサが心膜嚢の外側に接触している間に、細長い穿刺デバイスを前進させるステップと、(6)細長い穿刺デバイスの先端にある電極を通して心膜嚢にエネルギーを送達するステップと、を含む、方法を含む。
【0012】
第4の広義の態様の典型的な実施形態では、ステップ(5)が、細長い穿刺デバイスの電極先端から局所心外膜EGMを記録することを含む。いくつかのこのような実施形態では、ステップ(5)が、EGMを監視して、波形の振幅が、心臓に対してより高い機械的力で増加することを確認することを更に含む。
【0013】
第4の広義の態様のいくつかの実施形態では、ステップ(6)は、エネルギーが少なくとも1つのパルスとして送達されることを含む。第4の広義の態様のいくつかの他の実施形態では、ステップ(6)は、エネルギーが、オーバーシュートを回避するために第1の繰り返しにおいて心膜嚢に対して低圧力レベルで開始する一連のパルスとして送達され、心膜嚢に及ぼされる圧力量が、同じパルス時間及びエネルギーレベルを維持しながら、各繰り返しで増加される。いくつかの実施形態では、ステップ(6)は、心膜嚢が穿刺されており、心膜腔へのアクセスが取得されたかどうかをチェックすることを含む。
【0014】
第4の広義の態様の典型的な実施形態は、(心膜嚢のRF穿刺が心膜腔へのアクセスを提供した後に)細長い穿刺デバイスの遠位先端の電極を使用して、心外膜表面の電気的活動を監視するステップ(7)を更に含む。いくつかの実施形態は、細長い穿刺デバイスを心膜腔内に更に展開して、先端の圧力を緩和し、EGMトレースの変化を引き起こすステップ(8)を更に含む。いくつかの実施形態は、局所心外膜EGMを収集しながら、心臓の心外膜表面に沿って追跡するようにガイドワイヤを展開するステップ(9)を更に含む。いくつかの実施形態は、細長い穿刺デバイスの上にシース及び拡張器を前進させるステップを更に含む。
【0015】
第5の広義の態様では、本発明の実施形態は、イントロデューサに対する細長い穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法であって、細長い穿刺デバイスが、肉眼で可視である近位マーカーと、撮像システムの下で可視である遠位先端マーカーとを有し、イントロデューサが、撮像システムの下で可視である遠位端マーカーを有する、方法を含む。本方法は、(1)マクロ位置決めステップにおいて、撮像システムを用いずに、近位マーカーを使用して、イントロデューサの近位端に対して細長い穿刺デバイスを位置決めするステップと、(2)撮像システムをオンにするステップと、(3)マイクロ位置決めステップにおいて、撮像システムを使用して遠位先端マーカー及び遠位端マーカーを視認することによって、イントロデューサの端部に対して細長い穿刺デバイスの遠位先端を位置決めするステップと、を含む。いくつかのこのような実施形態では、撮像システムは蛍光透視システムであり、遠位先端マーカー及び遠位端マーカーは蛍光透視下で可視である。
【0016】
第1、第2、第3、第4、及び第5の広い態様のいくつかの実施形態では、細長い穿刺デバイスは、高周波ガイドワイヤを含む。
【0017】
第6の広義の態様では、本発明の実施形態は、細長い穿刺デバイスであって、導電性で、かつ透明な絶縁層によって被覆されたマンドレルを含み、マンドレルの遠位端が電気的に露出して遠位先端電極を規定するように、透明な層がマンドレルの遠位端のショートを止め、マンドレルの部分が可視マーカーによって包囲されており、可視マーカーが透明な層によって被覆されており、可視マーカーにある可視マーカーに隣接する細長い穿刺デバイスの部分が、一定の外径を有する、細長い穿刺デバイスを含む。
【0018】
第6の広義の態様の典型的な実施形態では、マンドレルが、透明な絶縁層によって被覆された酸化物コーティングによって包囲され、マンドレルの少なくとも1つの部分に対して、当該少なくとも1つの部分が少なくとも1つの可視マーカーを規定するように酸化物コーティングが除去されている。
【0019】
第6の広義の態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの可視マーカーが、マンドレルの少なくとも1つの部分を含み、酸化物コーティングがマンドレルと接触している。いくつかのこのような実施形態では、酸化物コーティングが、二酸化チタンの層で構成される。実施形態は、可視マーカーが、近位マーカー、中間マーカー、又は遠位マーカーであってもよいことを含む。典型的な実施形態では、透明な層が、熱収縮層を含み、いくつかのこのような実施形態では、熱収縮層が、ポリテトラフルオロエチレン材料を含む。
【0020】
第6の広義の態様のいくつかの実施形態では、マンドレルが、ニチノールで構成される。いくつかの他の実施形態では、マンドレルが、ステンレス鋼で構成される。典型的な実施形態では、細長い穿刺デバイスが、可撓性である。
【0021】
第6の広義の態様の典型的な実施形態では、マンドレルは導電性であり、マンドレルの近位端部分は絶縁されておらず、遠位先端電極が電源と電気通信するように電源に接続するように動作可能であり、エネルギーが遠位先端電極を通して組織に送達されることができ、遠位先端電極は心外膜EGMを記録することを可能にする。このような実施形態は、典型的には、細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMからのノイズを低減するために電気的に絶縁されている。いくつかの実施形態では、遠位先端電極が、外径>.027インチ(0.686mm)及び約1.8~約2.4mmの表面積を有する半球状ドームを有する。
【0022】
第6の広義の態様の典型的な実施形態は、Jプロファイルを有する遠位端部分を更に含む。このような実施形態は、典型的には、Jプロファイルを有する遠位端部分の曲線の周りに延在する放射線不透過性コイルを更に含む。このような実施形態では、放射線不透過性コイルの端部が、遠位先端マーカーとして使用されてもよい。いくつかの実施例では、放射線不透過性コイルが、ガイドワイヤ先端の可視化を可能にするために超音波を使用するときにエコー源性特性を有する。
【0023】
第6の広義のいくつかの実施形態では、細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む。
【0024】
第7の広義の態様では、本発明の実施形態は、細長い穿刺デバイスと共に使用するためのイントロデューサを含み、イントロデューサが、ハブに接続されたイントロデューサシャフトを含み、イントロデューサシャフトが、2つの層の両端が層を接着するように互いに接合された状態でその2つの絶縁層の間に介在する内部金属チューブを含む。典型的な実施例では、2つの絶縁層が、高密度ポリエチレンで構成される。いくつかの実施例では、チューブに接続するための雄側ポートと、スタイレット又はワイヤを受容するための受容開口部とを更に含み、それによってハブが、スタイレット又はワイヤがハブに挿入されている間に、ハブが流体源に同時に取り付けられるように動作可能である。
【0025】
第8の広義の態様では、本発明の実施形態は、イントロデューサ及び細長い穿刺デバイスを含むキットであって、細長い穿刺デバイスが、心外膜EGMを記録することを可能にする遠位先端電極を含み、細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMにおけるノイズを低減するために電気的に絶縁されており、イントロデューサは、ハブに接続されたイントロデューサシャフトを含み、イントロデューサシャフトは、2つの層の両端が層を接着するように互いに接合された状態で、2つの電気絶縁層の間に介在し、細長い穿刺デバイスによって収集された任意のEGMにおけるノイズを低減する内部金属チューブを含む、キットを含む。第8の広義の態様の典型的な実施形態では、イントロデューサ及び細長い穿刺デバイスは、細長い穿刺デバイスが内部を通って挿入されている間に、イントロデューサが流体を送達及び引き抜く能力を有するように構成されている。いくつかの実施例では、イントロデューサの先端の内径と細長い穿刺デバイスの外径との間の半径方向間隙は、>0.025mm(.001インチ)である。いくつかのこのような実施例では、キットは、69キロパスカル(10PSI)で、造影剤流動>15ml/分を提供するように動作可能である。いくつかの実施例では、イントロデューサの先端の内径が、0.978mm(.0385インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、細長い穿刺デバイスの最大外径が、0.889mm(.0350インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、そのためこの幾何学的形状の最小間隙が0.032mm(.00125インチ)である。
【0026】
第8の広義の態様のいくつかの実施形態は、スタイレットを更に含み、スタイレットの断面がスタイレットの長さに沿って変化し、スタイレットの遠位先端に向かって下方に漸減して、スタイレットが設置されたときにイントロデューサの先端を通る流体の流動を可能にする。いくつかの実施形態は、スタイレットを更に備え、スタイレットが、電気的に絶縁され、かつ、記録システムに接続されるように動作可能であり、心臓に接近するときに、イントロデューサの先端を位置決めするのに役立つEGM情報を収集することを容易にする。
【0027】
第8の広義の態様のいくつかの実施形態は、イントロデューサに対して細長い穿刺デバイスを位置決めするためのマーカーを更に含み、細長い穿刺デバイスが、肉眼で可視である近位マーカーと、撮像システム下で可視である遠位先端マーカーとを有し、イントロデューサが、撮像システム下で可視である遠位端マーカーを有する。典型的な実施形態では、遠位先端マーカー及び遠位端マーカーが、蛍光透視下で可視である。
【0028】
第8の広義の態様のいくつかの実施形態では、細長い穿刺デバイスの近位マーカーがイントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、細長い穿刺デバイスの先端が、イントロデューサシャフトのシャフトの遠位に延在する。第8の広義の態様のいくつかの他の実施形態では、細長い穿刺デバイスの近位マーカーがイントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、細長い穿刺デバイスの先端が、イントロデューサシャフトのシャフトの遠位端と一直線上にある。
【0029】
第8の広義の態様のいくつかの実施形態では、細長い穿刺デバイスは、高周波ガイドワイヤを含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明を容易に理解できるように、本発明の実施形態を添付図面の実施例により説明する。
【0031】
図1】本発明の一実施形態による、高周波(RF)ガイドワイヤの図示である。
図2図1の実施形態の断面図である。
図3図2の詳細の図示である。
図4】本発明の一実施形態による、スタイレットの図示である。
図5図4の実施形態の断面図である。
図6図4の詳細Aの図示である。
図7】本発明の一実施形態による、スタイレットが内部に収容された状態のイントロデューサの斜視図である。
図8図7の実施形態の側面図である。
図9図7の実施形態の端面図である。
図10図7の実施形態の上面図である。
図11図8の実施形態の断面図である。
図12図11の詳細Aの図示である。
図13】本発明の一実施形態による装置の図示である。
図14】本発明の一実施形態による、細長い穿刺デバイスが内部に収容された状態のイントロデューサの遠位端の図示である。
図15】細長い穿刺デバイスが拡張されてJ字形先端を形成した状態の図14の実施形態の図示である。
図16】細長い穿刺デバイスが挿入された状態の図13のハブの近位端の図示である。
図17】本発明の一実施形態による、細長い穿刺デバイスが設置された状態のイントロデューサの概略断面図である。
図18】心臓を包囲する層の図示である。
図19】一連の上昇したST部を示すEGM波の図示である。
図20-1】本発明の一実施形態による方法を図示する。
図20A】本発明の一実施形態による方法を図示する。
図20B】本発明の一実施形態による方法を図示する。
図20C】本発明の一実施形態による方法を図示する。
図20D】本発明の一実施形態による方法を図示する。
図20E】本発明の一実施形態による方法を図示する。
図20F】本発明の一実施形態による方法を図示する。
図21A】可能性としてある問題シナリオを図示する。
図21B】可能性としてある問題シナリオを図示する。
図22A】細長い穿刺デバイスの異なるメーカー構成の図示である。
図22B図22Aの断面図である。
図23A】イントロデューサの場合、遠位端における半径方向間隙からの流体流動の図示である。
図23B】流体流動のための側方ポートを備えたイントロデューサの図示である。
図24】図示の異なるスタイレットの一実施形態である。
図25】マンドレルの代替的な一実施形態の図示である。
図26】先端矯正器具を有するイントロデューサハブの図示である。
図27図26の一部分の拡大図である。
図28】イントロデューサ遠位先端の代替的な実施形態の図示である。
図29A】可撓性先端及び挿入されたスタイレットを備えたイントロデューサの図示である。
図29B】スタイレットが取り外された状態の図29Aのイントロデューサの図示である。
図30A】細長い穿刺デバイスをイントロデューサシャフトを通して前進させる方法のステップを図示する。
図30B】細長い穿刺デバイスをイントロデューサシャフトを通して前進させる方法のステップを図示する。
図30C】細長い穿刺デバイスをイントロデューサシャフトを通して前進させる方法のステップを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
心腔スペースの最小侵襲性カテーテル法は、様々な不整脈の診断及び治療に必要とされる。心外膜アブレーションは、多くの状況(例えば心室性頻脈の場合)において好ましい経路であるが、医師は、アクセス及び高臨床合併症速度に関与する不確定性により、一般的な心内膜アブレーションに頼ってもよい。心外膜アクセスのための現在の標準的手順は、剣状突起下、傍胸骨肋間又は心尖部アプローチを介して心膜嚢を経皮的に穿刺する17GaTuohy針を使用することによって促進される。この穿刺は、典型的には、前後図と側面図との組み合わせを使用して蛍光透視誘導下で行われる。放射線不透過性造影剤は、先端位置でユーザに正のフィードバックを提供するように周期的に注入され、針先端が心膜嚢を首尾よくブローチしたかどうか。このアプローチでは、心外膜、心血管、又は周囲の軟組織構造を引き裂いてしまう可能性がある。滲出液及び恐らくタンポナーデにつながり得る、心室への偶発的な侵入のリスクもある。標的組織部位を確認し、合併症の可能性を低減するために安全性及び予測性を改善する任意の新しいデバイス又は方法が有益である。
【0033】
本発明者らは、穿刺デバイスを用いて標的組織を穿刺するための処置の安全性を改善する、独自でこれまでに発見されていない解決策であって、標的組織に対する穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法を使用することを含む解決策を思い付いた。この方法は、局所電位図(EGM)を収集し、及び組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長いデバイス(例えば、高周波(RF)ガイドワイヤ)を使用し、この方法は、EGMを収集して、標的組織に対する先端位置を示すことを含む。細長いデバイスは、EGMを具体的に測定しないが、信号をEGM信号処理機器に渡す。いくつかの実施形態では、標的組織は心膜上にあり、この方法は、心膜標的組織部位に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視するために局所心外膜電位図(EGM)を収集することを含む。他の実施形態では、組織は心臓の中隔であり、この方法は、心腔内電位図(EGM)を収集して、中隔に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視することを含む。典型的な実施形態は、標的組織のテンティング中にEGM信号を収集することを含む。
【0034】
一実施形態は、標的組織を参照してデバイスの先端の位置を確認する際に、先端情報をユーザに提供するように動作可能なガイドワイヤについてのものである。本発明は、心臓に接近し、嚢を穿刺する前及び後に標的組織とドッキングするときにガイドワイヤ先端の場所を確認する際の助けとなる局所心外膜電位図(EGM)を使用する。
【0035】
ここで図面を詳細に具体的に参照すると、図示の詳細は、例示的なものであり、本発明の特定の実施形態の例示的な説明のみを目的としていることが強調される。本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途において、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成要素の構築及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、又は様々な方法で実施若しくは実行することができる。また、本明細書で使用される表現及び用語は説明を目的とするものであり、限定するものとみなされるべきではないことを理解されたい。
【0036】
本明細書に開示される方法を行うのに好適な装置のシステム(又はキット)の一実施例を図13に示す。装置は、細長い穿刺デバイス100、スタイレット120、及びイントロデューサ130を含む。本開示は、説明目的のために細長い穿刺デバイス100に関して「細長い穿刺デバイス」という用語を使用するが、細長い穿刺デバイス100は、一般に、遠位端電極を通して組織にエネルギーを送達することができる細長い部材である。細長い穿刺デバイス100は、いくつかの実施形態では可撓性であり、他の実施形態では剛性である。可撓性の実施形態の実施例としては、RFガイドワイヤなどの電気エネルギーを送達することができるワイヤが挙げられる。剛性の実施形態の実施例としては、心膜腔へのアクセスを取得するように動作可能な針(その一部は、17Ga-20Ga Tuohy針に似た形態及び感触を有する)、又は横隔アクセスを取得するように動作可能な針(その一部は、Brockenbrough針に似た形態及び感触を有する)が挙げられる。また、細長い穿刺デバイス100の典型的な実施形態は、高周波以外の周波数で電気エネルギーを送達するように動作可能である。所与の処置で使用されるエネルギー周波数は、典型的には、ユーザがその処置で使用される発生器で利用可能な周波数の範囲から周波数を選択することによって決定される。
【0037】
図13のイントロデューサ130は、チューブ144によってバルブ140に接続される。図示した実施形態では、バルブ140は、三方ストップコックバルブである。代替的な実施形態は、流体を送達及び引き抜くように動作可能な他のバルブ構成を有する。図13の装置は、様々な組織穿刺処置、例えば、心膜穿刺処置又は経中隔穿刺処置に使用されてもよい。図13に示す装置の主要構成要素は、以下により詳細に説明する。
【0038】
図1を参照すると、細長い穿刺デバイス100の一実施形態は、Jプロファイルを有する遠位端部分110と、その遠位端に直線部分112と、を含む。細長い穿刺デバイスは、拘束されていないときにJ形状をとる。遠位端部分110のJプロファイルは、遠位先端を心臓の表面にわたって追跡するときに組織外傷を最小限にするのに役立つ。遠位端部分110はまた、「P」又は直線プロファイルとすることができる。いくつかの実施形態は、主シャフトの長手方向軸から0~35度の遠位先端角度を有する。この考えは、遠位先端の直線部分112が心臓の周囲を追跡して、それが揺動して隣接する軟組織構造を衝突することを防止することである。遠位曲線はまた、デバイスの予測可能な前進のためにワイヤ本体と面内にあるべきである。1つの実施形態は、外径10~12mmのJプロファイルを有する。遠位先端の直線部分112は、RF穿刺を容易にするために、細長い穿刺デバイス先端のイントロデューサへの位置合わせ及び配向を可能にする。1つの実施形態は、長さ6~9mmの直線状の活性先端の長さを有する。この長さは、使用者が手による細長い穿刺デバイスの位置合わせを制御することを可能にするために必要とされる。遠位先端直線部分112は、イントロデューサに対して先端の位置合わせ、位置決めを可能にするために十分な本体長さを有する。
【0039】
電極102は、直線部分112の端部にある。ガイドワイヤは、鈍頭電極を有して、組織と安全にドッキングし、それによって、電極が接触している標的組織にRFエネルギーを直接送達することを容易にする。典型的には、電極102は、早期の機械的穿刺の機会を最小化するドームプロファイルを有し、細長い穿刺デバイスが様々な角度で標的組織とドッキングすることを可能にする。電極ドーム103の実施形態は、半球状、楕円状、又は放物面状の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、電極ドーム103は放射線不透過性マーカー104を保持する。代替的な実施形態では、放射線不透過性材料を細長い穿刺デバイス100の遠位端に固設するために、他の配向及び材料が使用される。図2を参照すると、細長い穿刺デバイス100の近位端部分(すなわち、電極102を有するワイヤの端部の反対側の端部にある端部)は絶縁されておらず、電源又は発電機に接続するように動作可能である。いくつかの実施形態では、近位端の電気的に露出したマンドレル108は、約7.5+/-2.5mmの長さである。典型的な実施形態では、マンドレル108は導電性であり、マンドレル108の近位端部分は絶縁されておらず、遠位先端電極102が電源と電気通信するように電源に接続するように動作可能であり、それによって、エネルギーが遠位先端電極102を通して組織に送達されることができ、遠位先端電極は心外膜EGMを記録することを可能にする。
【0040】
図13の細長い穿刺デバイス100は、近位マーカー116を含む。レーザーエッチングは、使用中又は滅菌中に除去することができないように、近位マーカー116を形成するために使用することができる。近位マーカー116の使用を、以下に説明する。
【0041】
細長い穿刺デバイス100のいくつかの実施形態は、導電性であり、透明な絶縁層114(透明な熱収縮115)によって被覆されたマンドレル108を含み、マンドレル108の遠位端が電気的に露出(すなわち、被覆されずに)するようにマンドレル108の遠位端のショートを止めて、遠位先端電極102を規定する。マンドレル108の一部分は、可視マーカーが透明な層に被覆されている状態で可視マーカー117によって包囲されており、可視のマーカー117において、かつ可視マーカー117に隣接した細長い穿刺デバイスの部分は、一定の外径を有する。
【0042】
細長い穿刺デバイス100のいくつかの実施形態は、変態温度を微調整するためにワイヤの熱処理中に生成されたワイヤの酸化物コーティングを機械的に研削することによって形成される1つ以上のマーカー117を含む。マーカー117は、近位マーカー、中間マーカー、又は遠位マーカーであり得る。当該マーカーの形成は、図22A及び図22Bを参照して説明する。図22bは、ワイヤが熱処理された後の、図22Aの「A」点におけるワイヤの断面を示す。図22Bは、透明な熱収縮115(透明な層)によって被覆されている酸化物コーティング118によって包囲された固体マンドレル100を含む細長い穿刺デバイス100を図示する。典型的な実施形態では、マンドレル108はニチノールで構成されるが、いくつかの代替的な実施形態では、それはステンレス鋼である。ワイヤ上の典型的な酸化物コーティング118は、二酸化チタン(TiO(2))酸化物層である。このコーティングは、典型的には安定であり、イオン交換に対するバリアとして作用する。熱処理後、酸化物コーティング118は、ワイヤの全長に延在する。典型的には、近位端におけるコーティングの一部分は除去されて、オーバーワイヤケーブルコネクタとの電気的接続を可能にし、コーティングの少なくとも1つの他の部分を除去して、撮像なしで可視のマーカー、すなわち肉眼で可視のマーカーを形成する。酸化物コーティング118は、ワイヤの表面を所望のプロファイルに研削することによって除去されて、それによってマーカー117を形成することができる。透明な熱収縮115は、典型的には、ワイヤ上に熱収縮する押出チューブから形成されたクリアPTFEを含む。細長い穿刺デバイス100のマーカーの構成は、透明な熱収縮115の下にマーカーを含めることによって電気的一体性を維持しながら、より小さい一貫した外径(すなわち外径を増加させない)を維持する。熱収縮115の代替的な実施形態は、当業者に既知の代替材料から形成された透明な層で構成される。細長い穿刺デバイス100は、マーカー117を可視にする透明な熱収縮によって電気的に絶縁される。いくつかの実施例では、透明な層は、約0.086mm~0.118mmの範囲の厚さを有する。
【0043】
図22Aは、マーカー17の異なる実施例を示す。図22A-iは、遠位端マーカー117を示す。図22A-iiは、遠位端マーカー117及び中間マーカー117を示す。図22A-iiiは、2つの中間マーカー117を示す。図17の近位マーカー116は、上述のように酸化物を除去し、透明な層でワイヤを被覆することによって形成することができる。いくつかのこのような実施形態では、可視マーカー117は、マンドレルの少なくとも1つの部分を含み、酸化物コーティングはマンドレルに直接適用される、すなわちマンドレルと直接接触する。
【0044】
図3は、図2の詳細Cを図示する。図3の実施形態は、その一部分を被覆する放射線不透過性コイル106(外径0.017インチ又は0.43mm)を有するマンドレル108(外径0.011インチ又は0.28mm)を含む。絶縁体114(外径0.028インチ又は0.71mm)は、マンドレル108及び電極102の近位の放射線不透過性コイルを被覆し、電極102(外径0.0275インチ又は0.70mm、半径0.01375インチ又は0.35mm)を通した電気エネルギーの送達を可能にする。いくつかの実施形態では、電気絶縁体は、熱収縮(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))で構成される。放射線不透過性コイル106は、遠位端部分110の曲線(図2)の周りに延在する。放射線不透過性コイルは、蛍光透視を使用しながら、細長い穿刺デバイスの遠位先端の位置を決定する際に医師を助ける。医師は、ガイドワイヤの視認性を低減する長い処置に対して蛍光透視強度を低減してもよい。コイルはまた、超音波を使用してガイドワイヤ先端を可視化するときに、エコー源性特性を改善することができる。コイルは3cm以上であってもよい。コイルはまた、心臓シルエットの周囲でガイドワイヤトラックを可視化するのを助ける。コイルは、遠位先端の「J」プロファイル及びそれが空間内でどのように相互作用するかをより良好に可視化するのを助ける。癒着又は解剖学的異常の証拠を判定するのに役立つという点で医師の助けとなり得る。ROコイルは、3cmより長くても短くてもよく、白金、チタン、金、及びタングステンなどの様々な材料で構築されてもよい。いくつかの実施形態は、マンドレルの周囲に放射線不透過性コーティングを含む。いくつかのこのような実施形態では、ワイヤは、薄い貴金属でコーティングされる。遠位から放射線不透過性のコイル106、電極102は、マンドレル108を包囲する放射線不透過性マーカー104(外径0.0275インチ又は0.70mm、内径0.011インチ又は0.28mm、長さ0.020インチ又は0.51mm)を含む。放射線不透過性マーカー104はまた、放射線不透過性(RO)バンド又はパックと称され得る。放射線不透過性マーカー104は、蛍光透視下で先端の位置を可視化するのに役立つ。ROバンドは、細長い穿刺デバイスの先端がイントロデューサ130の先端から突出しているかどうかを確認するのに役立ち得る。ROバンドの実施形態は、様々な長さのものであってもよく、白金、チタン、金、及びタングステンなどの様々な材料で構築されてもよい。細長い穿刺デバイス100はまた、超音波撮像システムを使用して可視であり、放射線不透過性コイル106は特にエコー源性である。
【0045】
電極102はまた、レーザー溶接によって形成され得る電極ドーム103を含む。典型的な実施形態では、ワイヤのマンドレル、マンドレル108は、形状記憶材料(例えばニチノール)で構成され、これにより、ねじれ耐性が可能である。ガイドワイヤは、心膜スペースに導入されるときに、鋭い偏向を受けることができる。可撓性マンドレルは、任意のねじれを防止し、ガイドワイヤが身体内に捕捉される可能性を軽減する。いくつかの代替的な実施形態では、マンドレル108はステンレス鋼で構成され、これはねじれ耐性がより低い。他の代替的な実施形態では、マンドレルは、様々な寸法及び断面を有する他の超弾性材料で作製される。いくつかの実施形態では、放射線不透過性コイル106はタングステンで構成される。いくつかの典型的な実施形態は、プラチナとイリジウム(例えば、10%イリジウム)との混合物で構成される放射線不透過性マーカー104と、ドーム溶接されたニチノールで構成されている電極ドーム103と、を含む。遠位先端領域は、心臓表面にわたって追跡するときに、組織外傷を最小限にするために、柔らかい(すなわち、剛性ではない)。これを達成するために、マンドレルは遠位端部分で、25cmの長さにわたって直径が.025インチ(0.64mm)から.006インチ(0.15mm)まで減少する。先端は偏向して、「J」先端プロファイルのものに対する二次バンパーを作成する。
【0046】
細長い穿刺デバイス100は、約150~約180cmの長さを有し、ガイドワイヤを心膜スペースに展開し、心臓の周囲に1~2回巻き付いて、蛍光透視下で心臓シルエットを規定することができる。ワイヤの代替的な実施形態は、様々な患者のサイズ及びBMI例えば、120~約180cmの長さに対応するために、より小さい又はより大きい長さを有する。細長い穿刺デバイス100は、典型的には、ガイドワイヤが心膜スペース内の心臓の周囲で滑らかに追跡することを確実にするための潤滑コーティングを有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、細長い穿刺デバイス100のシャフト、放射線不透過性マーカー104、及び近位マーカー116は、外径<=0.035インチ(0.89mm)を有する。放射線不透過性マーカー104は、白金及びイリジウム(Pt/Ir)で構成され、内径>=0.01インチ(0.25mm)を有する。ガイドワイヤのマンドレル108は、ねじれ耐性があるように設計されたニチノールから作製される。代替的な一実施形態(図25)は、ニチノールなどの超弾性材料の複合体であり、可撓性のねじれ耐性のある遠位先端部分108a及びステンレス鋼などのより剛性の合金の近位ワイヤ部分108bを提供する。これらの材料は、図25の実施例において、遠位先端部分108aから延在する内側マンドレルセクション107を使用して、一緒に溶接(例えば溶接109)、プレス嵌め、又は接着されることができる。更なる代替的な実施形態では、内側マンドレルセクション107は、近位ワイヤ部分108bから延在する。
【0048】
ガイドワイヤ(細長い穿刺デバイス100)の本体は、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)で絶縁される。細長い穿刺デバイス100の典型的な実施形態は、<=0.035インチ(0.89mm)の外径を有するが、心外膜処置に使用される拡開器内にフィットする限り、ガイドワイヤの任意のサイズの外径が許容可能である。より小さい直径の細長い穿刺デバイスの構成要素である放射線不透過性マーカー104の代替的な実施形態は、0.01インチ(0.25mm)より小さい内径を有する。イントロデューサ130の典型的な一実施形態は、>=0.035インチ(0.89mm)の内径を有するが、処置で使用される細長い穿刺デバイス100が通過できる限り、イントロデューサの他の内径サイズが可能である。
【0049】
図4は、スタイレットマンドレル122、スタイレットキャップ124、接着剤126、及び丸みのある端部128を含むスタイレット120の一実施形態の図示である。代替的な実施形態では、先端は鋭い。いくつかの代替的な実施形態は、接着剤126を含まない。
【0050】
図5は、スタイレットキャップ124の内部詳細を示す図4の実施形態の断面図である。図6は、丸みのある端部128を示す、図4の詳細Aの図示である。代替的な実施形態(図24、ii~v)では、断面は、遠位先端に向かってネックダウンする(又はテーパ状の)スタイレット120の長さに沿って変化し、スタイレットが設置されたときに、イントロデューサの先端を通る造影剤又は流体のより良好な流れを可能にする。図24iは、イントロデューサ130の内側の非テーパ状スタイレット120を図示する。図24viは、スタイレット120の螺旋状の一実施形態を図示する。
【0051】
図7は、スタイレットが内部に収容された状態のイントロデューサ130の一実施形態を示す。イントロデューサ130は、ハブ132に接続されたイントロデューサシャフト134を含む。ハブ132は、チューブ144(図13)に接続するための雄側ポート136と、スタイレット又はワイヤを受容するための受容開口部(図16)と、を有する。代替的な実施形態は、流体を送達及び引き抜くように動作可能な他の側方ポート構成を有する。設置されたスタイレットのスタイレットキャップ124はハブ132の近位にあり、スタイレットの丸みのある端部128はイントロデューサシャフト134の遠位にある。いくつかの実施形態では、イントロデューサシャフトは、20%BaSOで構成される高密度ポリエチレン(high-density polyethylene、HDPE)で被覆された強化型8Frシャフトである。イントロデューサ130は、(内部に細長い穿刺デバイスが挿入された状態で)イントロデューサ130が、脂肪組織を横切って標的組織に到達することと、細長い穿刺デバイスの遠位先端の適切な位置合わせ、配向、及び位置を支持することによってRFエネルギーの送達を容易にすることと、ガイドワイヤが心膜スペース内に展開されることを可能にすることと、を可能にする可撓性の細長い穿刺デバイスを収容するように動作可能である。
【0052】
イントロデューサ遠位先端131の代替的な実施形態は、図28の実施例のように、直線であるか、湾曲しているか、又は15~45度で屈曲していてもよい。湾曲した又は屈曲した先端は、細長い穿刺デバイスの遠位先端を心臓シルエットに対してより接線方向に位置合わせし、配向し、及び位置決めをする能力を可能にするであろう。
【0053】
イントロデューサは、近位ハブを通したガイドワイヤの挿入である「フロントロード」及び/又はイントロデューサの遠位先端を通した「バックロード」を可能にするように設計される。代替的な実施形態は、使用を制限するために、特定の適合性のあるガイドワイヤのみを可能にする。図26及び図27を参照すると、.057インチ(1.45mm)未満の遠位先端半径を有する先端矯正器具137は、受容開口部147及びバルブ139を通って、直径の内側のイントロデューサ近位ハブ132内への細長い穿刺デバイス100の挿入を可能にする。これにより、イントロデューサの遠位先端は、シームレスなガイドワイヤ挿入を容易にするために、バルブに近接して取得されることができる。
【0054】
イントロデューサの代替的な実施形態は、下流の作業フローを容易にするために、複数のガイドワイヤを収容し、導入する能力である。イントロデューサは、例えば、イントロデューサの内径が0.035インチ(0.89mm)である場合、直径0.014インチ又は0.018インチまでの複数のガイドワイヤを収容することができる。
【0055】
イントロデューサ130及び細長い穿刺デバイス100は、イントロデューサ130が、細長い穿刺デバイスが挿入されている状態であっても、細長い穿刺デバイスがカニューレ挿入されている間に流体を送達し引き抜く能力を有するように構成されている。イントロデューサシャフト134は、典型的には>=5インチ(12.7cm)である。1つの実施形態では(図23A)、イントロデューサ先端131IDと細長い穿刺デバイス100ODとの間の半径方向の間隙は、>.001インチ(0.025mm)であり、十分な一定流動135(10PSI(又は69キロパスカル)で>15ml/分)を提供し、一定流動135は、一定の10psi(69キロパスカル)で1分間にわたってビーカー内に手動で流体を送達し、次いでその分の最後での流体の体積を測定することによって測定される。そのような1つの実施形態では、イントロデューサ先端管腔IDは、0.0385(0.978mm)+/-.0005インチ(0.013mm)であり、最大細長い穿刺デバイスODは、.0350(0.889mm)+/-.0005インチ(0.013mm)であり、それによって、この幾何学的形状の最小間隙は、.00125インチ(0.032)mmである。イントロデューサの別の実施形態(図23B)は、イントロデューサ先端131に位置する側部ポート131を有し、一定流動135を可能にする。イントロデューサシャフト134は、医師に適切な剛性及び制御を提供し、患者の胸壁の外側にハンドルを提供しながら、心膜嚢に到達するように動作可能な長さを有する。代替的な実施形態では、イントロデューサシャフト134は、5インチ(12.7cm)より小さい。十分な到達及び制御された線形軌道を提供するために、イントロデューサ130の1つの実施形態は、約15cmのシャフトと、剛性>0.04Nm2を有し、シャフト12cmの場合、剛性>03Nm2である。別の代替的な長さは、低年齢児に対応するために4~6cmであり、高年齢児に対応するために7~10cmである。
【0056】
イントロデューサ130の遠位先端131の代替的な実施形態(図29A及び図29B)は、長さ2~3cmの可撓性先端を含む。先端は、組み立てられたスタイレット120の剛性遠位先端(図29A)によって支持されて、脂肪組織を横切る能力を促進する。しかしながら、スタイレットが取り外されると、イントロデューサの遠位先端は可撓性になる。可撓性先端は、垂直アプローチの代わりに、細長い穿刺デバイスの位置合わせ、配向、及び位置決めを、心臓シルエット(図29B)に対してより接線にすることを可能にする。
【0057】
代替的な実施形態は、手動式の再成形可能なイントロデューサシャフトである。これにより、医師が、イントロデューサのシャフトに所望の曲線を作成することを可能にし、より曲線のデバイス挿入軌道が、胸骨の下を取得して心膜嚢に到達することを容易にする。この能力は、大きな腹部を有する患者内又はより下方肋間マージン(肋骨ケージ)を有する患者で装置の必要な長さを低減する。
【0058】
図8は、図7の実施形態の側面図であり、イントロデューサのイントロデューサシャフト134、ハブ132、及び雄側ポート136と、スタイレットのスタイレットキャップ124、及び丸みのある端部128を示す。鈍端スタイレット120がイントロデューサ130内に導入されるときに、スタイレット-イントロデューサの組み合わせは、標的組織に到達するために脂肪組織を通して前進するように動作可能である。図9は、図7の実施形態の端面図であり、ハブ132及び雄側ポート136を図示する。図10は、図7の実施形態の上面図であり、イントロデューサのスタイレット遠位のスタイレットキャップ124、ハブ132及び丸みのある端部128を示す。
【0059】
図11は、図8の実施形態の断面図である。図11は、丸みのある端部128からスタイレットキャップ124の内側に延在するスタイレットマンドレルを示す。組織を通って前進することを提供するために、スタイレット120の丸みのある端部128は、.0375インチ以下の直径を有し、依然としてTuohy針よりも鋭くない。図12は、図11の詳細Aの図示であり、イントロデューサシャフト134によって規定される管腔の内側と、イントロデューサシャフト134の外側表面にある絶縁体138を図示する。いくつかの実施形態では、イントロデューサ130は、内径>=0.035インチ(0.89mm)を有する。イントロデューサのシャフトは、絶縁層の両端がそれらの層を接着するようにチップされている(すなわち、チップを形成するように一体的に接合された)状態で、HDPEの2つの層(絶縁体138)の間に挟まれた(又は介在する)内部金属チューブ146を含む。このような構成を有するイントロデューサ130は、ワイヤである細長い穿刺デバイス100と組み合わされて、電極先端及び近位コネクタの例外を除いて、その長さの大部分で絶縁されて、局所EGMを収集するのに有効な装置を提供することができる。一実施例は、イントロデューサ130及び細長い穿刺デバイス100を含むキットであり、細長い穿刺デバイスは、心外膜EGMを記録することを可能にする遠位先端電極102を含み、細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMにおけるノイズを低減するために電気的に絶縁されており、イントロデューサは、ハブ132に接続されたイントロデューサシャフト134を含み、イントロデューサシャフトは、2つの層の両端が層を接着するように互いに接合された状態で、2つの電気絶縁層138の間に介在し、細長い穿刺デバイスによって収集された任意のEGMにおけるノイズを低減する内部金属チューブ146を含む。
【0060】
イントロデューサ130の遠位端における絶縁体は、侵入部が前進したときに組織を通って移行することを可能にする先端を形成するように成形されている。イントロデューサシャフト134の長さは、>=5インチ(12.7cm)である。ハブ132は、プラスチックから構成され、シリコーン着座バルブを含む。図12はまた、スタイレットマンドレル122とイントロデューサシャフト134との間のスペースが、イントロデューサシャフト134の遠位端に向かって減少する、すなわち、イントロデューサシャフト134の遠位端においてスタイレットマンドレル122とイントロデューサシャフト134との間に緊密な嵌合が存在する。
【0061】
図13は、互いに対する構成要素のサイズを示す、一実施形態の装置の図示である。図14は、イントロデューサ130から延在する細長い穿刺デバイス100を示す。ガイドワイヤ(図1)の直線部分112の一部のみが、イントロデューサから突出している。いくつかの実施形態では、細長い穿刺デバイス100の先端は、イントロデューサの鈍端から2mm突出するだけである。これは、細長い穿刺デバイスの先端がどの位の深さまで標的組織内に侵入することができるかを制限する深さ止めとして作用することができる。先端突出部の長さは、イントロデューサ及び電極サイズによる先端の支持に応じて変化することができる。図15は、Jプロファイルを有する遠位端部分110がイントロデューサ130から延在する状況を示す。
【0062】
図16は、イントロデューサハブの近位端を示し、細長い穿刺デバイスは、ガイドワイヤの近位マーカー116がハブの近位縁部と並ぶように挿入されている。近位マーカー116は、撮像システムを使用せずにユーザに可視である、すなわち、肉眼で可視である。近位マーカー116の典型的な実施形態は視覚マーカーであるが、いくつかの代替的な実施形態では、近位マーカー116は、触覚マーカーである。装置の典型的な実施形態では、近位マーカー116のこの位置決めは、電極102(図1)がイントロデューサの遠位端に近いイントロデューサの外側にある、すなわち、電極102は、イントロデューサの遠位端からわずかに延出するように位置決めすることによって展開される。
【0063】
図17は、細長い穿刺デバイス100が内部に設置された、イントロデューサ130の概略断面図である。典型的な実施形態では、イントロデューサ130及び細長い穿刺デバイス100の両方は、イントロデューサ130に対して細長い穿刺デバイス100を位置決めするためのマーカーを含む。図17の実施形態では、イントロデューサシャフト134は、撮像下でイントロデューサシャフト134の遠位端の位置を示すための、遠位端にある遠位マーカー142を有し、細長い穿刺デバイスは、撮像下の細長い穿刺デバイスの遠位端の位置を示すための、その遠位端における放射線不透過性マーカー104を有する。互いに対する遠位端の位置もまた、撮像下で決定することができる。図17はまた、イントロデューサハブの近位端に近位マーカー116を有する細長い穿刺デバイスを示す。この図示した実施形態では、細長い穿刺デバイスの先端は、近位マーカー116がイントロデューサハブの近位端で位置決めされるときに、イントロデューサシャフトから延在し、例えば、細長い穿刺デバイス上のラインマーカーは、先端が展開されたときに通知するのに役立つ。代替的な実施形態では、近位マーカー116がイントロデューサハブの近位端に位置決めされるときに、細長い穿刺デバイスの先端は、イントロデューサシャフトの遠位先端と並ぶ。
【0064】
図30A図30Cの実施形態では、イントロデューサシャフト134は、撮像下でイントロデューサシャフト134の遠位端の位置を示すための、遠位端における遠位マーカー142を有し、細長い穿刺デバイスは、撮像下で細長い穿刺デバイス100の遠位端の位置を示すための、その遠位端における放射線不透過性マーカー104を有する。図30A図30Cは、イントロデューサシャフト134を通して細長い穿刺デバイス100を前進させる方法のステップを示す。図30Aは、細長い穿刺デバイス100が、導入器ハブの近位端に近位マーカー116の遠位端を有するように位置決めされ、一方、細長い穿刺デバイスの先端の先端は、依然としてイントロデューサシャフトの管腔の内側にある。細長い穿刺デバイスは、図30Bの構成に前進し、導入器ハブの近位端にある近位マーカー116の中央があり、細長い穿刺デバイスの先端の先端が、イントロデューサシャフト134の先端と並ぶ。細長い穿刺デバイスは更に、図30Cの構成に前進し、近位マーカー116の近位端がイントロデューサハブの近位端にあり、細長い穿刺デバイスの先端がイントロデューサシャフト134の先端を越えて延在する。図30Cの構成は、イントロデューサシャフト134の遠位端で放射線不透過性マーカー104と並ぶイントロデューサシャフト134の遠位マーカー142を更に含み、撮像下で細長い穿刺デバイスとイントロデューサの相対位置を確認する。
【0065】
この方法のいくつかの実施形態では、ユーザは、「マクロ位置決め」と呼ばれ得るステップにおいて、蛍光透視のような撮像システムを使用せずに、近位マーカー116を使用して、イントロデューサに対して細長い穿刺デバイスを位置決めする。「マクロ位置決め」に続いて、ユーザは、「マイクロ位置決め」と呼ばれ得るステップにおいて、イントロデューサ及び標的組織に対する細長い穿刺デバイスのより正確な位置決めのために、撮像システム(例えば、蛍光透視)をオンにする。近位マーカー及び遠位マーカーを使用することにより、ユーザは、蛍光透視法を用いずに装置を位置決めする初期部を行うことができ、それによって、蛍光透視下で処置全体を行うことと比較したときに、ユーザ及び患者が曝露されるX線の量を低減する。この方法のいくつかの代替的な実施形態では、イントロデューサに対する細長い穿刺デバイスの位置決めに関与する処置の一部は、任意の蛍光透視なしに行われる。
【0066】
図18は、心臓を包囲する層の図である。心室230は、心臓の筋肉組織、心筋228によって包囲されている。心膜226は心筋228を包囲し、繊維性心膜232、壁側層234、心膜腔236及び心外膜238から構成される。心膜腔は、心膜スペース又はスペースと呼ばれることが多い。
【0067】
図19は、心膜をテンティングすることに応答して上昇したST部を示す心外膜EGM波の図であり、局所心外膜EGMに影響を及ぼす組織の虚血応答をもたらす。このような波は、細長い穿刺デバイスが前進し、心膜に押し付けられるときに、細長い穿刺デバイス100の電極102を使用して収集することができる。図19の線(I)は、心膜にテンティングが加えられていない(又は有意な圧力がない)場合の波であり、線(IV)は、心膜の非常に有意なテンティングの場合の波である。線(II)及び線(III)は、線(I)及び(IV)をもたらすテンティング量の間の場合である。
【0068】
図20-1及び図20A図20Fは、一実施形態の方法を図示する。以下に説明する方法は、前述の装置の異なる実施形態を使用して行うことができる。図20-1は、心膜226及び周囲の解剖学的構造に対するイントロデューサ130の剣状突起下アプローチを図示する。鈍端スタイレット120がイントロデューサ130内に導入されるときに、スタイレット-イントロデューサの組み合わせは、標的組織に到達するために脂肪組織を通して前進するように動作可能である。典型的には、スタイレット120は、イントロデューサ130のハブ132の近位端に締結される。医師は、患者の皮膚に小さな切れ目を作り、イントロデューサ130が突出したスタイレット先端と共に真皮層及び脂肪層を通過することを可能にする。スタイレット120の鈍端は、標的に到達するために組織を分離する必要な切断動作を提供する。鈍端を有するスタイレットを使用することは、デバイスが組織を横断する際に組織を引き裂く傾斜鋭端を有するスタイレットよりも有利である。鈍端はまた、不注意で標的組織に接近し過ぎた場合をより許容する。心臓の心外膜表面を穿刺する可能性が低い。更に、他の要因が等しいと、鈍端を有するスタイレットは、鋭端を有するスタイレットよりも多くの触覚フィードバックを提供する。この手順は蛍光透視下でなされることに留意する。
【0069】
スタイレット120がイントロデューサ130から除去された後、イントロデューサ130は、可撓性であり、かつ柔らかい先端を有する細長い穿刺デバイス100の展開を支持することができる剛性シャフトを有する。ガイドワイヤは、早期穿刺を防止する、組織とドッキングすることができるドーム先端(電極ドーム103)を有する。医師は、ワイヤの先端の位置を最適化することができる。イントロデューサは、典型的には先端から0.5~2mm以内のリップを有する内部金属チューブ146を有する。内部金属チューブ146は、イントロデューサ130の先端がどこに配置されているかを示す放射線不透過性マーカーとして機能する。医師は、細長い穿刺デバイス100の先端をイントロデューサ130の外側に位置させて、RF電気エネルギーの適切な送達を確実にする。医師は、蛍光透視下でワイヤの先端を前進及び後退させて、ワイヤがイントロデューサの先端からどのくらい突出しているかを測定することができる。図20Aは、著しい力が及ぼされることなく、心膜と接触している細長い穿刺デバイスの電極102を示す。低いST部を有する関連するEGMを、以下に示す(図の下部に示す)。図20Bは、心膜のテンティングを引き起こすためにガイドワイヤがいくらかの力を及ぼしているイントロデューサ130及び電極102を示す。図20Bに関連する波は、図20Aに関連する波よりも高い。この方法では、EGMを、デバイスを移動させている間に、又はデバイスが移動される前若しくは後に測定することができる。
【0070】
図20Cは、電極を通して心膜の組織に送達されているエネルギーを示す。EGM波のST部は、前の波よりも高い上昇を示す。ガイドワイヤは、先端に組織と安全にドッキングする鈍電極を有して、それによって、電極102が接触している標的組織にRFエネルギーを直接送達するのを容易にする。高電圧ACの短パルス(例えば、1/3秒)は、電極によって送達されて、心膜嚢235内に穴を形成し、その後、嚢がガイドワイヤ先端を超えて突き出る。RFエネルギーの短パルス(例えば、1/3秒)の送達は、穿刺の深さを制限する助けとなる。医師は、より長いパルスを使用することができるが、心筋組織に深く穿刺するリスクがある。代替的な実施形態では、パルスは、電力設定及び必要とされる組織穿刺に応じて、より短い又はより長い。
【0071】
図20Dは、心膜腔236内に前進した後のイントロデューサの遠位部分、及び上昇したST部を有する、関連する波を示す。イントロデューサ130は、チューブ144(図13)によってそれに取り付けられたバルブ140(例えば、ストップコック)と、造影剤の同時送達を可能にするためにハブ132(ハンドル)内に構築されたバルブと、を有する。これにより、医師は、ガイドワイヤが所定の位置にあってもなくてもイントロデューサ130の先端位置を確認することが可能になる。イントロデューサ130の内径は、カニューレ状ワイヤを有する、造影剤流動に対応するのに十分な大きさである。このデバイスの構成により、医師が心膜腔から流体を引き抜くことを可能にする。例えば、過剰な流体又は血液が存在する場合、これは吸引され得る。図20Eの矢印は、心膜腔236内に注入されている撮像流体を表す。流体の撮像が、流体が心膜腔236内にあることを示す場合、腔へのアクセスが達成されている。
【0072】
図20Fは、細長い穿刺デバイス100が心膜腔236内に前進している先端を示す。次いで、ガイドワイヤ(細長い穿刺デバイス100)をスペース内により完全に前進させることができる。細長い穿刺デバイスの先端が心膜腔にアクセスした後に自由に移動し続ける場合、医師は、ガイドワイヤを心臓の周りに少なくとも1回巻きつけ(すなわち、心臓シルエットの周りに前進させ)、ガイドワイヤが心臓シルエットの輪郭に描く蛍光透視下で可視化することによってアクセスを確認することができる。細長い穿刺デバイス100の遠位3cmは、可視化下で遠位端部分110の視認性を増大させる放射線不透過性コイル106を有し、それによって、細長い穿刺デバイスの先端を前進させるときに心膜スペースへのアクセスを確認するのに役立つ。
【0073】
医師が、細長い穿刺デバイスを前進させることを試みているときにワイヤの先端が束になり始めていると、心膜腔236へのアクセスが達成されていないことを示すことができる。図21Aは、心外膜が穿刺されず、有意なテンティングが生じる複雑なシナリオを図示する。有意なテンティングは、有意な圧力が加えられることによって引き起こされ、上昇ST部を有する波をもたらす。図21Bは、別の複雑なシナリオを図示し、細長い穿刺デバイスは、心膜腔236を通過し、心筋228内に入り、図21Aの波と同様の上昇ST部を有する波をもたらす。
【0074】
細長い穿刺デバイス100は、心外膜EGM収集を容易にする特徴(及び非心外膜EGM収集、例えば心臓の中隔でのEGM収集)を容易にする特徴を有する。
【0075】
細長い穿刺デバイス100の典型的な実施形態は、組織をテンティングしながら、細長い穿刺デバイス100の遠位先端から心外膜EGMを記録することを可能にする、ガイドワイヤの先端にある単一の電極を含む。細長い穿刺デバイス100の代替的な実施形態は、更なる情報を収集するために、先端に複数の電極を有する。
【0076】
細長い穿刺デバイス100の典型的な実施形態は、電流が流れることを可能にするために導電性である材料から構成される。
【0077】
電極102は、組織との安定したインピーダンス接触を提供する材料で構成される。インピーダンスは、電極材料、組織、電極表面積、及び温度に依存する。より低いインピーダンスとは、EGM信号がサイレントになる可能性が低いことを意味する(DCオフセット問題)。典型的な実施形態では、電極は固体材料で構成される。代替的な実施形態では、電極は、導電性材料のコーティングを有する。
【0078】
電極表面積が大きすぎる場合、EGM記録解像度が悪影響を受けることになる。小さすぎる電極表面積は、電気的干渉を受けやすい。電極のいくつかの実施形態は、0.024インチ(0.62mm)~0.035インチ(0.89mm)の外径を有する半球状電極先端(電極ドーム103)を有する。このような実施形態をブタ調査に対してインビボで試験し、電極先端のOD及び表面積を変化させる効果(CardioLab電気生理学記録システムを用いて)が、0.024インチ(0.62mm)~0.035インチ(0.89mm)の外径を有する半球状電極先端間の観察可能な差を示さなかったことを見出した。電極ドーム103は、様々な軌道角度で組織と均一に接触することを確実にするドーム状幾何学形状を有する。ガイドワイヤ先端位置を提供するためにユーザが心外膜EGMを収集することを可能にするために、先端電極の実施形態では、ドームOD>.027インチ(0.686mm)と、約1.8~約2.4mmのワイヤ先端表面積(この寸法は、小数点第1位で正確である)を有して、電極が、有効なEGM収集には十分に大きく、組織を穿刺するのには十分に小さいようにする。更に、l7GaTuohy針(OD<.058インチ又は1.5mm)よりも小さい穿刺を形成するために、いくつかの実施形態は、約.0275インチ(0.70mm)の遠位先端電極ODを有する。
【0079】
細長い穿刺デバイス100のシャフトは、EGM信号の収集を容易にする特徴を有する。細長い穿刺デバイス100のシャフトは、収集された局所EGMからのノイズを低減するために電気的に絶縁されている。また、イントロデューサ130の内径及び細長い穿刺デバイス100の外径は、イントロデューサ及び細長い穿刺デバイスが、心外膜EGMの収集と同時に造影剤の送達を容易にするために、クリアランスを有して互いに嵌合することを可能にする。
【0080】
以下の方法は、前述の装置の異なる実施形態を使用して行うことができる。上記の装置を使用して、心膜腔236へのアクセスを得るために標的組織を穿刺する上記のデバイスを使用する方法は以下のステップを含む。
【0081】
(1)1つの遠位極を有する電気的に絶縁されたワイヤ(例えば、RFガイドワイヤである細長い穿刺デバイス100)を、患者に対する心電図基準(例えば、EKGパッド、皮下基準又は心内基準カテーテル)を有する記録システムに接続する。
【0082】
(2)剛性イントロデューサ及び係合スタイレットを用いて、剣状突起下、傍胸骨肋間又は心尖部アプローチを介して低侵襲方式で患者の皮膚を穿刺する。患者の皮膚に剣状突起の下に小さな切れ目を作製し、導入を開始する。
【0083】
(3)リジッドイントロデューサ130及びスタイレット120は、蛍光透視及び触覚フィードバックの誘導下で、様々な真皮層を通って心臓の心膜嚢に向かって前進して、イントロデューサの先端を心膜嚢の近くに位置決めする。本方法のいくつかの実施形態では、スタイレットは、絶縁され、心臓に接近するとき(すなわち、大規模位置決めにおいて)装置の先端を位置決めするのに役立つ心電図情報の収集を容易にするために、記録システムに接続される。
【0084】
(4)スタイレット120を、イントロデューサの径方向鈍端が心膜嚢とドッキングしている状態で取り外し、細長い穿刺デバイス100と交換する。
【0085】
(5)細長い穿刺デバイス100は、イントロデューサ130が心膜嚢の外側に接触している状態で前進する。
【0086】
(5a)局所心外膜電位図EGMは、細長い穿刺デバイス100の電極先端から記録される。ガイドワイヤがイントロデューサ130内を移動するとき、信号はほとんど又は全く存在しない。細長い穿刺デバイス100の先端がイントロデューサ130の先端の近くにある又は突出すると、ガイドワイヤはEGM信号を収集し始める。蛍光透視誘導下で、ガイドワイヤは、先端がイントロデューサの先端から2mm突出するまで前進し、それによって心膜嚢と接触する。細長い穿刺デバイス100の先端は、心臓表面を引き裂く、又は心膜嚢又は心筋組織を早期に穿刺することを防止するために、鈍い。鈍端は、医師がデバイスのアプローチの位置、配向、及び角度を最適化することを可能にする。
【0087】
(5b)細長い穿刺デバイスの先端が心膜嚢と接触すると、心膜嚢及び心外膜組織の一過性虚血応答により、波形の振幅が心臓に対してより高い機械的力(テンティング)により増加する。注:装置(電極102)が心膜嚢に対して上にない場合、例えば中隔から遠距離場EGM又は他の局所EGMを収集する。
【0088】
(5c)細長い穿刺デバイス100をイントロデューサ130にドッキングし、細長い穿刺デバイスとイントロデューサを一緒に前進又は後退させて、穿刺が成功するのに必要とされる力を増加又は減少させる。局所EGMは、間接圧力センサとして作用する。記録されたEGMトレースは、上昇ST部の証拠を示す。医師は、ST部の振幅によって示される組織のテンティング量を監視することができる。相互作用的アプローチの一部として、医師がオーバーシュートを回避するために十分なテンティングを提供すると考えられる、設定された上昇ST部が選択される。医師はまた、心膜嚢に対してドッキングされたときにガイドワイヤを把持するときに触覚フィードバックを使用してもよい。造影剤はまた、嚢の適切なテンティングを確認するために、先端から出てイントロデューサを通して注入することができる。
【0089】
(6)細長い穿刺デバイス100の先端で電極102を通して心膜嚢にエネルギーを送達する。安全性のために、エネルギーは、典型的には、パルス(例えば、1/3秒)として送達される。いくつかの実施形態は、ステップ(5c)においてより高い圧力レベルが選択された場合に、より低い電力レベル又はより短いパルス時間を選択することによって、パルスにおいてより少ないエネルギーを送達することを含む。このような実施形態では、嚢に及ぼされた圧力と、パルスにおいて送達されたエネルギーの量との間に反比例の関係が存在する。典型的な実施形態では、医師は、オーバーシュートを回避するために、第1の繰り返しにおいて低い圧力レベルで開始し、各繰り返しで(同じパルス時間及びエネルギーレベルを維持しながら)、医師がアクセスを再試行するためのより高いST上昇を探している状態で、心膜嚢に及ぼされる圧力量が増加する。
【0090】
(6a)(前述の技術を使用して)心膜嚢が穿刺され、心膜腔へのアクセスが得られたかどうかをチェックする。穿刺すると、次いで、心膜嚢は、ガイドワイヤ先端を超えて脱出する。アクセスが取得されなかった場合、細長い穿刺デバイスは、別の試みのために心膜嚢上に後退して再位置決めされ、医師はステップ(5c)に戻る。
【0091】
(7)細長い穿刺デバイス100の遠位先端の電極102を使用して心外膜表面の電気的活動を監視する(心膜嚢のRF穿刺が心膜腔へのアクセスを提供した後)。
【0092】
(8)細長い穿刺デバイス100を更に心膜スペース内に展開する。細長い穿刺デバイス100を心膜腔内に更に展開すると、先端での圧力が緩和され、EGMトレースの変化を引き起こす。医師は、アクセスを更に確認するために造影剤を送達してもよい。
【0093】
いくつかの実施形態は、局所心外膜EGMを収集しながら、心臓の心外膜表面に沿って追跡するためのガイドワイヤを展開する更なるステップ(9)を含む。記録された信号は、追加情報のEPマッピングシステムに入力され得る。
【0094】
細長い穿刺デバイス100は、シースを支持することができる。典型的な実施形態は、細長い穿刺デバイス100の上でシース及び拡張器を前進させる更なるステップを含む。シース先端が心膜スペース内に適切に位置決めされると、拡張器及びガイドワイヤが除去される。続いて、シースは、様々な不整脈の診断又は治療を容易にするために、マッピング又はアブレーションカテーテルなどのデバイスのための前進及び配置のためのアクセスポータルを提供する。この方法のいくつかのこのような実施形態は、操縦可能なシースを使用することを含む。
【0095】
また、いくつかの実施形態は、電圧を増幅し、解剖学的に関連する周波数(約10kHz~約80kHz)の範囲にわたって電極からのインピーダンスを測定する能力を有する増幅器を含むシステムを使用する。
【0096】
所定の方法でのステップとはみなされないが、RF穿刺後に、細長い穿刺デバイスを心外膜又は心室に埋め込むことが可能である。これらの状況では、電気的活動(ST部)の振幅が減少し、ガイドワイヤを後退させるべきであり、RF穿刺を再試行することができるというフィードバックをユーザに提供する。これらの状況は、蛍光透視によっても確認することができる。
【0097】
上述の方法の実施形態は、上述の装置の実施形態の異なる実施形態(すなわち、デバイスの異なる実施形態)を使用することができる。
【0098】
第1の広義の態様では、本発明の実施形態は、標的組織に対する穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法であって、EGMを収集し、組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含む方法を含む。この方法は、先端電極を用いてEGMを収集して、細長い穿刺デバイスの先端電極によって標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視するステップを含む。第2の広義の態様では、本発明の実施形態は、標的組織を穿刺する方法であって、EGMを収集し、標的組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含む、方法を含み、この方法は、EGMを収集して、細長い穿刺デバイスによって標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視して、それによって、標的組織に対する細長い穿刺デバイスの先端電極の位置を確認することを含む。
【0099】
上述した本発明の実施形態は、例示のみを意図している。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する。
【0100】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は、別々に、又は任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0101】
本発明は、その特定の実施形態と共に説明されてきたが、多くの代替形態、変更形態、及び変形形態が当業者には明らかとなるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の広範な範囲内に含まれる、そのような全ての代替形態、変更形態、及び変形形態を包含することが意図される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許又は特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、本明細書に参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。加えて、本出願における任意の参照の引用又は識別は、そのような参照が本発明の先行技術として利用可能であることを容認するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20-1】
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30A
図30B
図30C
【手続補正書】
【提出日】2023-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イントロデューサ及び細長い穿刺デバイスを含むキットであって、前記細長い穿刺デバイスが、心外膜EGMを記録することを可能にする遠位先端電極を含み、前記細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMにおけるノイズを低減するために電気的に絶縁されており、
前記イントロデューサは、ハブに接続されたイントロデューサシャフトを含み、前記イントロデューサシャフトが、2つの層の両端が前記層を接着するように互いに接合された状態で、2つの電気絶縁層の間に介在し、前記細長い穿刺デバイスによって収集された任意のEGMにおけるノイズを低減する内部金属チューブを含む、キット。
【請求項2】
前記イントロデューサ及び前記細長い穿刺デバイスが、前記細長い穿刺デバイスが内部を通って挿入されている間に、前記イントロデューサが流体を送達及び引き抜く能力を有するように構成されている、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記イントロデューサの先端の内径と前記細長い穿刺デバイスの外径との間の半径方向間隙が、>0.025mm(.001インチ)である、請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記キットが、69キロパスカル(10PSI)において、造影剤流動>15ml/分を提供するように動作可能である、請求項3に記載のキット。
【請求項5】
前記イントロデューサの先端の前記内径が、0.978mm(.0385インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、前記細長い穿刺デバイスの最大外径が0.889mm(.0350インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、それによって、この幾何学的形状の最小間隙が0.032mm(.00125インチ)である、請求項3に記載のキット。
【請求項6】
スタイレットを更に含み、前記スタイレットの断面が前記スタイレットの長さに沿って変化し、前記スタイレットの遠位先端に向かって下方に漸減して、前記スタイレットが設置されたときに前記イントロデューサの先端を通る流体の流動を可能にする、請求項1~5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
スタイレットを更に含み、前記スタイレットが、電気的に絶縁され、記録システムに接続されるように動作可能であり、心臓に接近するときに、前記イントロデューサの先端を位置決めするのに役立つEGM情報を収集することを容易にする、請求項1~5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
前記イントロデューサに対して前記細長い穿刺デバイスを位置決めするためのマーカーを更に含み、前記細長い穿刺デバイスが、肉眼で可視である近位マーカーと、撮像システムの下で可視である遠位先端マーカーとを有し、前記イントロデューサが、前記撮像システムの下で可視である遠位端マーカーを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項9】
前記遠位先端マーカー及び遠位端マーカーが、蛍光透視下で可視である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
前記細長い穿刺デバイスの前記近位マーカーが、前記イントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、前記細長い穿刺デバイスの先端が、前記イントロデューサシャフトのシャフトの遠位に延在する、請求項8に記載のキット。
【請求項11】
前記細長い穿刺デバイスの前記近位マーカーが、前記イントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、前記細長い穿刺デバイスの先端が、前記イントロデューサシャフトのシャフトの遠位端と一直線上にある、請求項8に記載のキット。
【請求項12】
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のキット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
本発明は、その特定の実施形態と共に説明されてきたが、多くの代替形態、変更形態、及び変形形態が当業者には明らかとなるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の広範な範囲内に含まれる、そのような全ての代替形態、変更形態、及び変形形態を包含することが意図される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許又は特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、本明細書に参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。加えて、本出願における任意の参照の引用又は識別は、そのような参照が本発明の先行技術として利用可能であることを容認するものと解釈されるべきではない。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
標的組織に対する穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法は、EGMを収集し、組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含み、前記細長い穿刺デバイスの前記先端電極によって前記標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視するために、前記先端電極を用いてEGMを収集するステップを含む、方法。
(付記)
前記標的組織が、心膜である、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記標的組織が、心臓の中隔である、付記1に記載の方法。
(付記4)
前記標的組織が、心房中隔である、付記3に記載の方法。
(付記5)
前記細長い穿刺デバイスが、高周波エネルギーを送達する、付記1~5のいずれか一つに記載の方法。
(付記6)
前記細長い穿刺デバイスが、高周波スタイレット、トロカール、又はガイドワイヤである、付記5に記載の方法。
(付記7)
前記EGMが、心膜から収集される、付記1に記載の方法。
(付記8)
前記EGMが、心臓の中隔から収集される、付記1に記載の方法。
(付記9)
前記細長い穿刺デバイスが、心膜組織に対して圧力を加える、付記1又は7に記載の方法。
(付記10)
前記細長い穿刺デバイスが、心臓の中隔に対して圧力を加える、付記1又は8に記載の方法。
(付記11)
標的組織を穿刺する方法は、EGMを収集し、前記標的組織を穿刺するためのエネルギーを送達するように構成されている先端電極を有する細長い穿刺デバイスを使用することを含み、前記方法は、前記細長い穿刺デバイスによって前記標的組織に対して加えられた圧力を間接的に測定及び監視するためにEGMを収集することを含み、それによって、前記標的組織に対する前記細長い穿刺デバイスの前記先端電極の位置を確認する、方法。
(付記12)
前記標的組織が、心膜である、付記11に記載の方法。
(付記13)
前記標的組織が、心臓の中隔である、付記11に記載の方法。
(付記14)
前記標的組織が、心房中隔である、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記細長い穿刺デバイスが、高周波エネルギーを送達する、付記11に記載の方法。
(付記16)
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤである、付記11~15のいずれか一つに記載の方法。
(付記17)
EGMが、心膜から収集される、付記11に記載の方法。
(付記18)
EGMが、心臓の中隔から収集される、付記11に記載の方法。
(付記19)
前記細長い穿刺デバイスが、心膜組織に対して圧力を加える、付記11又は17に記載の方法。
(付記20)
前記細長い穿刺デバイスが、心臓の中隔に対して圧力を加える、付記11又は18に記載の方法。
(付記21)
心膜腔へのアクセスを取得する方法であって、
(a)鈍端スタイレットをイントロデューサに導入するステップと、
(b)前記鈍端のスタイレット及び前記イントロデューサを組み合わせで、脂肪組織を通して、前記心膜の組織に向かって前進させるステップと、
(c)前記スタイレットを前記イントロデューサから除去するステップと、
(d)前記イントロデューサ内に可撓性である細長い穿刺デバイスを設置するステップと、
(e)前記細長い穿刺デバイスの前記先端を蛍光透視下で前記イントロデューサの遠位に前進させ、それによって、前記細長い穿刺デバイスの電極を、いずれの実質的な力も及ぼすことなく心膜と接触させる、前進させるステップと、
(f)前記心膜と接触している前記細長い穿刺デバイスの前記電極に基づいてEGMを監視して、低ST部が存在することを確認するステップと、
(g)前記イントロデューサ及び前記ガイドワイヤの前記電極を用いて力を及ぼして、前記心膜をテントするステップと、
(h)前記EGMを監視して、波がステップ(f)の波よりも高いことを確認するステップと、
(i)前記電極を通して前記心膜の前記組織にエネルギーを送達したステップと、
(j)前記EGMを監視するステップであって、前記ST部は、ステップ(f)及びステップ(h)の波よりも高い、監視するステップと、を含む、方法。
(付記22)
ステップ(i)が、高電圧ACの短パルスを送達することを含む、付記21に記載の方法。
(付記23)
前記短パルスが、1/3秒である、付記22に記載の方法。
(付記24)
前記イントロデューサの前記遠位部分を前記心膜腔内に前進させ、前記EGMを監視するステップ(k)を更に含む、付記21に記載の方法。
(付記25)
ステップ(e)及びステップ(f)が、同時に行われる、付記21に記載の方法。
(付記26)
ステップ(g)及びステップ(h)が、同時に行われる、付記21に記載の方法。
(付記27)
ステップ(i)及びステップ(j)が、同時に行われる、付記21に記載の方法。
(付記28)
造影剤を送達するステップ(l)を更に含む、付記24に記載の方法。
(付記29)
心膜スペースから流体を引き抜くステップ(m)を更に含む、付記24に記載の方法。
(付記30)
前記細長い穿刺デバイスの先端を前記心膜腔内に前進させるステップ(n)を更に含む、付記24に記載の方法。
(付記31)
前記細長い穿刺デバイスを前記心膜腔内に前進させるステップ(n)を更に含む、付記24に記載の方法。
(付記32)
前記ガイドワイヤを前記心臓の周囲に少なくとも1回巻き付け、蛍光透視下で可視化することによってアクセスを確認するステップ(o)を更に含む、付記31に記載の方法。
(付記33)
前記心膜腔へのアクセスを取得するために標的組織を穿刺する方法であって、
(1)1つの遠位極を有する電気絶縁ワイヤを、患者に対する心電図基準を有する記録システムに接続するステップと、
(2)剛性イントロデューサ及び係合スタイレットを用いて、前記患者の皮膚を、剣状突起下、傍胸骨肋間、又は心尖部アプローチを介して穿刺するステップと、
(3)蛍光透視及び触覚フィードバックの誘導下で、様々な真皮層を通して、心臓の心膜嚢に向かって前記剛性イントロデューサ及び前記スタイレットを前進させて、前記イントロデューサの前記先端を前記心膜嚢の近くに位置決めするステップと、
(4)前記イントロデューサの径方向鈍端が前記心膜嚢とドッキングしている間に、前記スタイレットを取り外し、前記イントロデューサ内に前記細長い穿刺デバイスを設置するステップと、
(5)前記イントロデューサが前記心膜嚢の外側に接触している間に、前記細長い穿刺デバイスを前進させるステップと、
(6)前記細長い穿刺デバイスの先端にある電極を介して、前記心膜嚢にエネルギーを送達するステップと、を含む、方法。
(付記34)
ステップ(5)が、前記細長い穿刺デバイスの前記電極先端から局所心外膜EGMを記録することを含む、付記33に記載の方法。
(付記35)
ステップ(5)が、前記EGMを監視して、波形の振幅が、前記心臓に対するより高い機械的力で増加することを確認することを更に含む、付記34に記載の方法。
(付記36)
ステップ(6)は、前記エネルギーが少なくとも1つのパルスとして送達されることを含む、付記33に記載の方法。
(付記37)
ステップ(6)は、前記エネルギーが、オーバーシュートを回避するために第1の繰り返しにおいて前記心膜嚢に対して低圧力レベルで開始する一連のパルスとして送達され、前記心膜嚢に及ぼされる圧力量が、同じパルス時間及びエネルギーレベルを維持しながら、各繰り返しで増加される、付記33に記載の方法。
(付記38)
ステップ(6)は、前記心膜嚢が穿刺されており、前記心膜腔へのアクセスが取得されたかどうかをチェックすることを含む、付記33に記載の方法。
(付記39)
(前記心膜嚢のRF穿刺が前記心膜腔へのアクセスを提供した後に)前記細長い穿刺デバイスの遠位先端の前記電極を使用して、心外膜表面の電気的活動を監視するステップ(7)を更に含む、付記33に記載の方法。
(付記40)
前記細長い穿刺デバイスを前記心膜スペース内に更に展開して、前記先端の圧力を緩和し、EGMトレースの変化を引き起こすステップ(8)を更に含む、付記39に記載の方法。
(付記41)
局所心外膜EGMを収集しながら、前記心臓の前記心外膜表面に沿って追跡するために前記ガイドワイヤを展開するステップ(9)を更に含む、付記40に記載の方法。
(付記42)
前記細長い穿刺デバイスの上にシース及び拡張器を前進させるステップを更に含む、付記40に記載の方法。
(付記43)
イントロデューサに対する細長い穿刺デバイスの先端の位置を確認する方法であって、前記細長い穿刺デバイスが、肉眼で可視である近位マーカーと、撮像システムの下で可視である遠位先端マーカーとを有し、前記イントロデューサが、前記撮像システムの下で可視である遠位端マーカーを有し、前記方法は、(1)撮像システムを用いずに、前記近位マーカーを使用して、前記イントロデューサの近位端に対して前記細長い穿刺デバイスを位置決めするステップと、(2)前記撮像システムをオンにするステップと、(3)前記撮像システムを使用して前記遠位先端マーカー及び前記遠位端マーカーを視認することによって、前記イントロデューサの端部に対して前記細長い穿刺デバイスの遠位先端を位置決めするステップと、を含む、方法。
(付記44)
前記撮像システムが、蛍光透視システムであり、前記遠位先端マーカー及び前記遠位端マーカーが蛍光透視下で可視である、付記43に記載の方法。
(付記45)
細長い穿刺デバイスであって、導電性で、かつ透明な絶縁層によって被覆されたマンドレルを含み、前記マンドレルの遠位端が電気的に露出して遠位先端電極を規定するように、前記透明な層が前記マンドレルの前記遠位端のショートを止め、前記マンドレルの部分が可視マーカーによって包囲されており、前記可視マーカーが前記透明な層によって被覆されており、前記可視マーカーにある及び前記可視マーカーに隣接する前記細長い穿刺デバイスの前記部分が、一定の外径を有する、細長い穿刺デバイス。
(付記46)
前記マンドレルが、前記透明な絶縁層によって被覆された酸化物コーティングによって包囲され、前記マンドレルの少なくとも1つの部分に対して、前記少なくとも1つの部分が少なくとも1つの可視マーカーを規定するように前記酸化物コーティングが除去されている、付記45に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記47)
前記少なくとも1つの可視マーカーが、前記マンドレルの少なくとも1つの部分を含み、前記酸化物コーティングが前記マンドレルと接触している、付記46に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記48)
前記可視マーカーが、近位マーカー、中間マーカー、又は遠位マーカーであってもよい、付記45に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記49)
前記透明な層が、熱収縮層を含む、付記45に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記50)
前記熱収縮層が、ポリテトラフルオロエチレン材料を含む、付記47に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記51)
前記マンドレルが、ニチノールで構成される、付記45に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記52)
前記マンドレルが、ステンレス鋼で構成される、付記45に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記53)
前記酸化物コーティングが、二酸化チタンの層で構成される、付記46に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記54)
前記細長い穿刺デバイスが、可撓性である、付記45~53のいずれか一つに記載の細長い穿刺デバイス。
(付記55)
前記マンドレルが、導電性であり、前記マンドレルの近位端部分が絶縁されておらず、前記遠位先端電極が電源と電気通信するように前記電源に接続するように動作可能であり、エネルギーが前記遠位先端電極を通して組織に送達されることができ、前記遠位先端電極が心外膜EGMを記録することを可能にする、付記45~53のいずれか一つに記載の細長い穿刺デバイス。
(付記56)
前記細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMからのノイズを低減するように電気的に絶縁されている、付記55に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記57)
前記遠位先端電極が、外径>.027インチ(0.686mm)及び約1.8~約2.4mm の表面積を備えた半球ドームを有する、付記45~53のいずれか一つに記載の細長い穿刺デバイス。
(付記58)
Jプロファイルを有する遠位端部分を更に含む、付記45~53のいずれか一つに記載の細長い穿刺デバイス。
(付記59)
Jプロファイルを有する前記遠位端部分の曲線の周りに延在する放射線不透過性コイルを更に含む、付記58に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記60)
前記放射線不透過性コイルの端部が、遠位先端マーカーとして使用されることができる、付記59に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記61)
前記放射線不透過性コイルが、前記ガイドワイヤ先端の可視化を可能にするために超音波を使用するときにエコー源性特性を有する、付記59に記載の細長い穿刺デバイス。
(付記62)
細長い穿刺デバイスと共に使用するためのイントロデューサであって、前記イントロデューサは、ハブに接続されたイントロデューサシャフトを含み、前記イントロデューサシャフトが、2つの層の両端が前記層を接着するように互いに接合された状態で2つの絶縁層の間に介在する内部金属チューブを含む、イントロデューサ。
(付記63)
前記2つの絶縁層が、高密度ポリエチレンで構成される、付記62に記載のイントロデューサ。
(付記64)
前記ハブが、チューブに接続するための雄側ポートと、スタイレット又はワイヤを受容するための受容開口部と、を更に含み、スタイレット又はワイヤが前記ハブに挿入されている間に、前記ハブが流体源に同時に取り付けられるように動作可能である、付記62又は63に記載のイントロデューサ。
(付記65)
イントロデューサ及び細長い穿刺デバイスを含むキットであって、前記細長い穿刺デバイスが、心外膜EGMを記録することを可能にする遠位先端電極を含み、前記細長い穿刺デバイスのシャフトが、任意の収集された局所EGMにおけるノイズを低減するために電気的に絶縁されており、
前記イントロデューサは、ハブに接続されたイントロデューサシャフトを含み、前記イントロデューサシャフトが、2つの層の両端が前記層を接着するように互いに接合された状態で、2つの電気絶縁層の間に介在し、前記細長い穿刺デバイスによって収集された任意のEGMにおけるノイズを低減する内部金属チューブを含む、キット。
(付記66)
前記イントロデューサ及び前記細長い穿刺デバイスが、前記細長い穿刺デバイスが内部を通って挿入されている間に、前記イントロデューサが流体を送達及び引き抜く能力を有するように構成されている、付記65に記載のキット。
(付記67)
前記イントロデューサの先端の内径と前記細長い穿刺デバイスの外径との間の半径方向間隙が、>0.025mm(.001インチ)である、付記66に記載のキット。
(付記68)
前記キットが、69キロパスカル(10PSI)において、造影剤流動>15ml/分を提供するように動作可能である、付記67に記載のキット。
(付記69)
前記イントロデューサの先端の前記内径が、0.978mm(.0385インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、前記細長い穿刺デバイスの最大外径が0.889mm(.0350インチ)+/-0.013mm(.0005インチ)であり、それによって、この幾何学的形状の最小間隙が0.032mm(.00125インチ)である、付記67に記載のキット。
(付記70)
スタイレットを更に含み、前記スタイレットの断面が前記スタイレットの長さに沿って変化し、前記スタイレットの遠位先端に向かって下方に漸減して、前記スタイレットが設置されたときに前記イントロデューサの先端を通る流体の流動を可能にする、付記65~69のいずれか一つに記載のキット。
(付記71)
スタイレットを更に含み、前記スタイレットが、電気的に絶縁され、記録システムに接続されるように動作可能であり、前記心臓に接近するときに、前記イントロデューサの先端を位置決めするのに役立つEGM情報を収集することを容易にする、付記65~69のいずれか一つに記載のキット。
(付記72)
前記イントロデューサに対して前記細長い穿刺デバイスを位置決めするためのマーカーを更に含み、前記細長い穿刺デバイスが、肉眼で可視である近位マーカーと、撮像システムの下で可視である遠位先端マーカーとを有し、前記イントロデューサが、前記撮像システムの下で可視である遠位端マーカーを有する、付記65~69のいずれか一つに記載のキット。
(付記73)
前記遠位先端マーカー及び遠位端マーカーが、蛍光透視下で可視である、付記72に記載のキット。
(付記74)
前記細長い穿刺デバイスの前記近位マーカーが、前記イントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、前記細長い穿刺デバイスの先端が、前記イントロデューサシャフトのシャフトの遠位に延在する、付記72に記載のキット。
(付記75)
前記細長い穿刺デバイスの前記近位マーカーが、前記イントロデューサのハブの近位端に位置決めされるときに、前記細長い穿刺デバイスの先端が、前記イントロデューサシャフトのシャフトの遠位端と一直線上にある、付記72に記載のキット。
(付記76)
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む、付記1~5、11~15、21、33及び43のいずれか一つに記載の方法。
(付記77)
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む、付記45~53のいずれか一つに記載の細長い穿刺デバイス。
(付記78)
前記細長い穿刺デバイスが、高周波ガイドワイヤを含む、付記65~69のいずれか一つに記載のキット。