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特開2023-153413ゲームを提供するためのプログラム、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153413
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】ゲームを提供するためのプログラム、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20231005BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/422 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/75 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20231005BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/79 510
A63F13/422
A63F13/53
A63F13/55
A63F13/75
A63F13/822
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137861
(22)【出願日】2023-08-28
(62)【分割の表示】P 2021153936の分割
【原出願日】2016-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】山口 誠
(57)【要約】
【課題】 ゲームの自動進行に関する操作性を向上させる。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るユーザ端末10は、プレイヤに対してゲームを提供する装置として機能する。当該ユーザ端末10は、プレイヤによる所定の操作状態を維持する第1の操作に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始し、プレイヤによる所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、当該自動モードを終了する。この結果、自動モードの開始及び終了が簡易な連続する操作によって実現され、ゲームの自動進行に関する操作性が向上する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを提供するためのプログラムであって、
コンピュータ上で実行されることに応じて、前記コンピュータに、
プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、
プレイヤによる所定の操作状態を維持する第1の操作に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始するステップと、
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、
プレイヤによる前記所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、前記自動モードを終了するステップと、を実行させる、
プログラム。
【請求項2】
前記所定の操作状態は、画面に表示される所定のオブジェクトに対するタッチ状態である請求項1のプログラム。
【請求項3】
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップは、プレイヤによる前記所定のオブジェクトに対する第3の操作に応じて、前記自動モードの制御態様を設定することを含む請求項2のプログラム。
【請求項4】
前記制御態様は、自動的にゲームを進行させるルールを含む請求項3のプログラム。
【請求項5】
前記制御態様は、自動的にゲームを進行させる速度を含む請求項3又は4のプログラム。
【請求項6】
請求項3ないし5何れかのプログラムであって、
前記第3の操作は、スワイプ操作であり、
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップは、前記所定のオブジェクトに対するスワイプ操作の方向に基づいて前記制御態様を設定することを含む、
プログラム。
【請求項7】
請求項3ないし6何れかのプログラムであって、
前記第3の操作は、スワイプ操作であり、
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップは、前記所定のオブジェクトに対するスワイプ操作の距離に基づいて前記制御態様を設定することを含む、
プログラム。
【請求項8】
前記自動モードを終了するステップは、前記第2の操作が前記所定のオブジェクトに対する第4の操作を伴う場合には、前記自動モードを継続することを含む請求項2ないし7何れかのプログラム。
【請求項9】
前記自動モードを終了するステップは、ゲームの状態に応じて前記自動モードを終了することを含む請求項1ないし8何れかのプログラム。
【請求項10】
請求項1ないし9何れかのプログラムであって、
前記ゲームは、コマンドの実行に応じて進行するように構成され、
前記手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップは、プレイヤによる操作に応じてコマンドを実行することを含み、
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップは、自動的に特定されるコマンドの実行を繰り返し行うことを含む、
プログラム。
【請求項11】
請求項10のプログラムであって、
前記所定の操作状態は、画面に表示される所定のオブジェクトに対するタッチ状態であり、
前記手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップは、前記所定のオブジェクトに対するタップ操作に応じて、自動的に特定されるコマンドの実行を1回行うことを含む、
プログラム。
【請求項12】
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップは、自動的に特定されたコマンドを表示することを含む請求項10又は11のプログラム。
【請求項13】
前記ゲームは、コマンドの実行に少なくとも基づいてプレイヤ側が行動するターンと、敵側が自動的に行動するターンとが交互に繰り返し行われることによって進行する請求項10ないし12何れかのプログラム。
【請求項14】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、
プレイヤによる所定の操作状態を維持する第1の操作に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始するステップと、
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、
プレイヤによる前記所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、前記自動モードを終了するステップと、を実行する、
システム。
【請求項15】
1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、
プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、
プレイヤによる所定の操作状態を維持する第1の操作に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始するステップと、
前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、
プレイヤによる前記所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、前記自動モードを終了するステップと、を備える、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを提供するためのプログラム、システム、及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動的にゲームを進行させる技術が提案されている。例えば、下記特許文献1が開示するRPGは、ゲーム画面における任意の位置のタップ操作に応じて、プレイヤキャラクタが所定の目的地に向かって自動的に移動するように構成されている。この自動移動は、プレイヤキャラクタが目的地に到達すると解除され、又は、自動移動中に、プレイヤキャラクタをタッチしてスライドさせるマニュアル操作が行われると解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-029520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のゲームでは、移動中における自動移動の解除に上述したマニュアル操作(プレイヤキャラクタをタッチしてスライドさせる操作)が必要となり、当該操作を手間と感じるプレイヤも存在し得る。また、例えば、自動移動の解除を速やかに行いたい場合(例えば、自動移動中に発見したアイテムを取得したい場合等)において、上述したマニュアル操作は、自動移動の速やかな解除を阻害してしまう。このように、従来のゲームでは、ゲームの自動進行に関する操作性に改善の余地がある。
【0005】
本発明の実施形態は、ゲームの自動進行に関する操作性を向上させることを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、ゲームを提供するためのプログラムであって、コンピュータ上で実行されることに応じて、前記コンピュータに、プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、プレイヤによる所定の操作状態を維持する第1の操作に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始するステップと、前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、プレイヤによる前記所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、前記自動モードを終了するステップと、を実行させる。
【0007】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、プレイヤによる所定の操作状態を維持する第1の操作に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始するステップと、前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、プレイヤによる前記所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、前記自動モードを終了するステップと、を実行する。
【0008】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる手動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、プレイヤによる所定の操作状態を維持する第1の操作に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始するステップと、前記自動モードにおけるゲームの進行を制御するステップと、プレイヤによる前記所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、前記自動モードを終了するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、ゲームの自動進行に関する操作性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るユーザ端末10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
図2】ユーザ端末10が有する機能を概略的に示すブロック図。
図3】ユーザ端末10が実行する処理を例示するフロー図。
図4】ゲーム画面50を例示する図。
図5】俯瞰モードにおけるゲーム画面50を例示する図。
図6】自動モードにおけるゲーム画面50を例示する図。
図7】スワイプ操作に応じて変化する自動ボタン541の表示態様を例示する図。
図8】スワイプ操作に応じて変化する自動ボタン1541の表示態様を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。ユーザ端末10は、図示するように、インターネット等のネットワーク20を介してゲーム管理サーバ30と通信可能に接続されている。ユーザ端末10は、プレイヤに対してゲームを提供する装置として機能する。ユーザ端末10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
ユーザ端末10は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、CPU(コンピュータプロセッサ)11と、メインメモリ12と、ユーザI/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
CPU11は、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
ユーザI/F13は、ユーザとの間で情報をやり取りするための各種の入出力装置である。ユーザI/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)、ゲームパッド、モーション認識システム(人体や手の動作を認識するシステム)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、ユーザI/F13は、ディスプレイ等の情報出力装置(表示装置)、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ15が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。本実施形態において、ストレージ15が記憶するプログラムは、本発明の一実施形態に係るゲームプログラム40を含む。ゲームプログラム40は、ユーザ端末10を、ゲームを提供する装置として機能させるためのプログラムである。
【0018】
本実施形態において、ユーザ端末10は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、ゲーム専用端末、及びVR(Virtual Reality)装置(ヘッドマウントディスプレイ等)等として構成され得る。
【0019】
ゲーム管理サーバ30は、ユーザ端末10と同様に、一般的なコンピュータとしての構成を有する。ゲーム管理サーバ30は、ユーザ端末10が提供するゲームに関する情報を記憶及び管理する。例えば、ゲーム管理サーバ30は、プレイヤ毎のゲームの進行状況、及び、ゲームデータ(例えば、ステージ毎のゲームデータ等)等を管理する。ゲーム管理サーバ30は、それぞれが一般的なコンピュータとしての構成を有する複数のサーバ装置を用いて構成され得る。
【0020】
例えば、ユーザ端末10は、ゲームプログラム40の起動に応じて、プレイヤのゲームの進行状況及びゲームデータをゲーム管理サーバ30から取得する。また、例えば、ユーザ端末10は、ゲームプログラム40の実行中において、ゲームデータをゲーム管理サーバ30から取得し(例えば、特定のステージをクリアした後に、後続するステージのゲームデータを取得し)、及び、プレイヤの最新のゲームの進行状況をゲーム管理サーバ30に対して送信する。
【0021】
次に、本実施形態のユーザ端末10が有する機能について説明する。図2は、ユーザ端末10が有する機能を概略的に示すブロック図である。ユーザ端末10は、図示するように、情報を記憶及び管理する情報記憶管理部41と、ゲームの進行を制御するゲーム進行制御部43とを有する。これらの機能は、CPU11及びメインメモリ12等のハードウェア、並びに、ストレージ15等に記憶されている各種プログラム(ゲームプログラム40を含む)やデータ等が協働して動作することによって実現され、例えば、メインメモリ12に読み込まれたプログラムに含まれる命令をCPU11が実行することによって実現される。また、図2に示す機能の一部又は全部は、ユーザ端末10とゲーム管理サーバ30とが協働することによって実現され、又は、ゲーム管理サーバ30によって実現され得る。
【0022】
情報記憶管理部41は、ストレージ15等において様々な情報を記憶及び管理する。ゲーム進行制御部43は、ゲームの進行の制御に関する様々な処理を実行する。例えば、ゲーム進行制御部43は、ゲームの進行に関する様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた様々な画面を表示する。
【0023】
本実施形態において、ゲーム進行制御部43は、プレイヤによる操作に応じてゲームを進行させる手動モードにおけるゲームの進行を制御するように構成されている。例えば、ゲーム進行制御部43は、手動モードにおいて、プレイヤによる操作を待機し、プレイヤによる操作に応じて対応する処理を実行し、当該処理の結果に応じてゲームを進行させることを繰り返す。プレイヤによる操作は、例えば、上述した情報入力装置、音声入力装置、又は、画像入力装置等の様々な入力手段を介して行われる。
【0024】
また、ゲーム進行制御部43は、自動的にゲームを進行させる自動モードにおけるゲームの進行を制御するように構成されている。例えば、ゲーム進行制御部43は、自動モードにおいて、ゲームを進行させる処理を自動的に特定し、特定した処理を実行し、当該処理の結果に応じてゲームを進行させることを繰り返す。このように、自動モードは、プレイヤによる個別の操作なしに自動的にゲームが進行するモードであると言える。
【0025】
また、ゲーム進行制御部43は、プレイヤによる第1の操作に応じて自動モードを開始し、プレイヤによる第2の操作に応じて自動モードを終了するように構成されている。第1の操作は、所定の操作状態を維持する操作であり、第2の操作は、当該所定の操作状態を解消する操作である。つまり、プレイヤによる所定の操作状態を維持する操作に応じて開始する自動モードは、当該所定の操作状態を解消する操作に応じて終了する。
【0026】
このように、本実施形態のユーザ端末10は、所定の操作状態を維持する操作に応じて自動モードを開始し、当該所定の操作状態を解消する操作に応じて自動モードを終了するから、自動モードの開始及び終了が簡易な連続する操作によって実現される。このように、本実施形態のユーザ端末10は、ゲームの自動進行に関する操作性を向上させる。
【0027】
本実施形態において、上記所定の操作状態は、プレイヤによる操作に基づく様々な状態を含む。例えば、所定の操作状態は、画面に表示される所定のオブジェクトに対するタッチ状態(プレイヤの指先等がタッチパネルを介して所定のオブジェクトに触れている状態)である。この場合、ゲーム進行制御部43は、例えば、所定のオブジェクトに対するタッチ状態が所定時間維持されたときに自動モードを開始し、当該タッチ状態が解消されたとき(所定のオブジェクトからプレイヤの指等が離れたとき)に自動モードを終了する。タッチ状態を維持する操作は、ロングタップ操作と呼ばれることがある。
【0028】
また、ゲーム進行制御部43は、自動モードにおいて、プレイヤによる所定のオブジェクトに対する第3の操作に応じて、自動モードの制御態様を設定するように構成され得る。自動モードにおいては、所定のオブジェクトに対するタッチ状態が維持されているから、第3の操作は、所定のオブジェクトに対するタッチ状態から始まる操作であると言える。こうした構成は、プレイヤが、自動モードにおいて、その制御態様を簡易な操作で設定することを支援する。自動モードの制御態様は、例えば、自動的にゲームを進行させるルール、及び、自動的にゲームを進行させる速度を含む。
【0029】
本実施形態において、上記第3の操作は、例えば、スワイプ操作(所定のオブジェクトに触れている指等をスライドさせる操作)である。この場合、ゲーム進行制御部43は、スワイプ操作の方向に基づいて制御態様を設定するように構成され得る。例えば、ゲーム進行制御部43は、自動的にゲームを進行させるルールとして、スワイプ操作の方向が第1の方向(例えば、右方向)である場合には第1のルール(例えば、RPGにおいて敵キャラクタとの対戦を優先するルール)を設定し、スワイプ操作の方向が第2の方向(例えば、左方向)である場合には第2のルール(例えば、RPGにおいてアイテムの使用を優先するルール)を設定する。
【0030】
また、ゲーム進行制御部43は、スワイプ操作の距離に基づいて制御態様を設定するように構成され得る。例えば、ゲーム進行制御部43は、自動的にゲームを進行させる速度として、スワイプ操作の距離が第1の範囲である場合には(通常の速度の)1.5倍の速度を設定し、スワイプ操作の距離が第1の範囲よりも長い第2の範囲である場合には2.0倍の速度を設定する。
【0031】
ここで、スワイプ操作は、第3の操作の例示であって、当該第3の操作は、スワイプ操作以外の様々な操作を含む。例えば、第3の操作は、タッチパネルを強く押す操作(「3Dタッチ」と呼ばれることがある。)を含み、この場合、ゲーム進行制御部43は、所定のオブジェクトが押される強さに基づいて制御態様を設定するように構成され得る。
【0032】
ここで、本実施形態における所定の操作状態は、上述した所定のオブジェクトに対するタッチ状態に限定されず、例えば、スマートフォン等が有するタッチパネルを介して画面の任意の位置がロングタップ(長押し)されている状態、ゲームパッド等の物理的なコントローラが有する特定のボタンが押されている状態、モーション認識システムを介して認識される人体や手の動作が特定の姿勢に保たれている状態、及び、モーション認識システムを介して認識される人体や手に対応するゲーム空間内のオブジェクトが、同じくゲーム空間内に存在する特定のオブジェクトに触れている状態等を含む。このように、本実施形態における所定の操作状態は、上述した様々な入力手段を介したプレイヤによる様々な操作に基づく様々な状態を含む。
【0033】
また、ゲーム進行制御部43は、所定のオブジェクトに対するタッチ状態を解消する第2の操作が、所定のオブジェクトに対する第4の操作を伴う場合には、自動モードを継続するように構成され得る。当該第4の操作は、例えば、スワイプ操作である。この場合、ゲーム進行制御部43は、所定のオブジェクトに対するタッチ状態がスワイプ操作を介さずに解消された場合には自動モードを終了する一方、当該タッチ状態がスワイプ操作を伴って解消された場合には自動モードを維持することになる。こうした構成は、タッチ状態の長時間の維持を好まないプレイヤが自動モードを継続することを支援し得る。
【0034】
また、ゲーム進行制御部43は、ゲームの状態に応じて自動モードを終了するように構成され得る。例えば、ゲーム進行制御部43は、ゲームの状態が、プレイヤに対して警告を要する状態である場合(例えば、プレイヤキャラクタのHP等のパラメータ値が所定値以下である場合等)に、第2の操作にかかわらず、自動モードを終了するように構成される。
【0035】
本実施形態におけるゲームは、例えば、コマンドの実行に応じて進行するように構成される。この場合、ゲーム進行制御部43は、手動モードにおいては、プレイヤによる操作に応じてコマンドを実行し、自動モードにおいては、自動的に特定されるコマンドの実行を繰り返し行うように構成される。また、ゲーム進行制御部43は、手動モードにおいて、プレイヤによる所定のオブジェクトに対するタップ操作に応じて、自動的に特定されるコマンドの実行を1回行うように構成され得る。この場合、ゲーム進行制御部43は、所定のオブジェクトに対するロングタップ操作に応じて自動モードを開始する一方、手動モードにおいても、所定のオブジェクトに対するタップ操作に応じて、自動的に特定されるコマンドの実行を1回行うように構成され得る。こうした構成は、プレイヤが、1回で終了するコマンドの自動実行と、タッチ状態を解消するまで繰り返し行われるコマンドの自動実行とを容易に使い分けることを支援し得る。
【0036】
また、ゲーム進行制御部43は、自動モードにおいて、自動的に特定されたコマンドを表示するように構成され得る。例えば、ゲーム進行制御部43は、直近に実行された1又は複数のコマンド、又は、自動的に特定されてこれから実行する1又は複数のコマンドを、ゲームの画面に表示するように構成される。こうした構成は、プレイヤが、自動的に特定されたコマンドを認識することを支援する。
【0037】
ここで、コマンドの実行に応じて進行するように構成されたゲームは、例えば、プレイヤ側が行動するターンと、敵側が行動するターンとが交互に繰り返し行われることによって進行するターン制のゲームを含む。こうしたターン制のゲームの1つとして、プレイヤキャラクタを少なくとも含むプレイヤ側のキャラクタが行動するターンと、敵キャラクタが行動するターンとが交互に繰り返し行われるターン制のRPGが例示される。本実施形態におけるゲームは、上述したターン制のRPGに限定されず、アクションRPG等の他の形式のRPG、及び、シミュレーションゲーム等の他の様々なジャンルのゲームを含む。
【0038】
次に、このような機能を有する本実施形態のユーザ端末10の動作について、本実施形態に従う具体例を用いて説明する。この例においてユーザ端末10が提供するゲームは、プレイヤキャラクタがゲーム空間を探検し、当該ゲーム空間内に存在する敵キャラクタとの対戦、及び、同じくゲーム空間内に存在するアイテムの収集等を行いながら、目的地を目指すRPGである。ゲーム空間は、例えば、複数階から成るダンジョンとして構成され、最深部に存在するボスキャラクタを倒すことが、当該ダンジョン(ステージ)をクリアする条件とされる。
【0039】
また、この例のゲームは、プレイヤ側のキャラクタが行動するターンと、敵キャラクタが行動するターンとが交互に繰り返し行われるターン制のRPGとして構成されている。こうしたRPGは、ローグライクゲームと呼ばれることがある。プレイヤ側のキャラクタは、プレイヤキャラクタの他、コンピュータ(ゲーム進行制御部43)によって制御されるノンプレイヤキャラクタを含む。
【0040】
図3は、この例において、ユーザ端末10が実行する処理を例示するフロー図である。この例のRPGは、ゲームの進行モードとして、プレイヤによる操作に応じてゲームが進行する手動モードと、プレイヤによる個別の操作なしに自動的にゲームが進行する自動モードとがある。まず、ゲームの進行モードが手動モードである場合には、プレイヤによるコマンドの実行に対応する操作が受け付けられる(ステップS100-S110)。コマンドの実行に対応する操作は、ユーザ端末10に表示されるゲーム画面50を介して行われる。ここで、図4に例示されるゲーム画面50について説明する。
【0041】
ゲーム画面50は、図4に示すように、画面略中央に位置しゲーム空間を表示するゲーム空間表示領域52と、画面下端に位置しプレイヤによる操作を受け付ける操作領域54とを有する。ゲーム空間表示領域52は、図示するように、ゲーム空間全体のうち、プレイヤキャラクタが略中央に位置する視界に対応する画像を表示する。具体的には、ゲーム空間表示領域52には、ゲーム空間内の仮想カメラを介した画像が表示され、当該仮想カメラは、プレイヤキャラクタを追随して移動するように制御される。
【0042】
上述したように、プレイヤ側のキャラクタは、プレイヤキャラクタの他、ノンプレイヤキャラクタが含まれる。図4のゲーム画面50のゲーム空間表示領域52においては、プレイヤキャラクタPCの他、3つのノンプレイヤキャラクタNPC1-3が表示されている。詳しくは後述するが、ノンプレイヤキャラクタは、プレイヤキャラクタの行動に応じて自動的に行動するように制御される。
【0043】
また、上述したように、ゲーム空間には、敵キャラクタ及びアイテムが存在する。図4のゲーム画面50のゲーム空間表示領域52においては、4つの敵キャラクタEC1-4が表示されている。敵キャラクタ及びアイテムは、ゲーム空間内の予め定められた位置に配置されている。
【0044】
図4に示すように、ゲーム空間表示領域52において、ゲーム空間における地面の一部の領域は、グリッド状(格子状)のマス目が表示されている。当該マス目が表示されている領域は、キャラクタが移動できる移動可能領域521である。ゲーム空間の地面のうち、建造物等の障害物が存在する領域にはマス目が表示されておらず、当該領域は、キャラクタが移動できない領域である。また、プレイヤ側のキャラクタは、移動可能領域521であっても、敵キャラクタが存在するマス目を通過することはできない。つまり、プレイヤ側のキャラクタは、移動可能領域521のうち敵キャラクタが存在しないマス目を移動することができる。
【0045】
プレイヤが、ゲーム空間表示領域52に表示されている移動可能領域521に対するタップ操作を行うと、プレイヤキャラクタPCは、当該タップ操作に対応するマス目の位置に移動する。つまり、移動可能領域521に対するタップ操作は、プレイヤキャラクタに対する移動コマンドの実行に対応する操作である。なお、移動する経路が敵キャラクタによって塞がれている場合には、プレイヤキャラクタPCは、当該敵キャラクタに対面する位置まで移動して停止する。
【0046】
操作領域54には、図4に示すように、左右略中央に位置し二重丸の形状を有する自動ボタン(所定のオブジェクト)541と、自動ボタン541の左下方向に位置する攻撃ボタン543と、自動ボタン541の右下方向に位置する道具ボタン544と、攻撃ボタン543の左上方向に位置し「GRID」と表示されたグリッド表示切り替えボタン545と、道具ボタン544の右上方向に位置し「CAMERA」と表示されたカメラ切り替えボタン547とが配置されている。
【0047】
自動ボタン541は、コマンドの自動実行に関する操作を行うためのオブジェクトである。プレイヤが、手動モードにおいて、自動ボタン541に対するロングタップ操作(第1の操作)を行うと、自動的にゲームが進行する自動モードが開始される。また、プレイヤが、自動モードにおいて、自動ボタン541に対するタッチ状態を解消する操作(第2の操作)を行うと、自動モードが終了する(手動モードへと戻る)。更に、プレイヤが、手動モードにおいて、自動ボタン541に対するタップ操作(第4の操作)を行うと、プレイヤキャラクタに対するコマンドの自動実行が1回行われる。つまり、自動ボタン541に対するタップ操作は、プレイヤキャラクタに対する自動的に特定されたコマンドの1回の実行に対応する操作である。
【0048】
攻撃ボタン543は、プレイヤキャラクタに対する攻撃コマンドを入力するためのオブジェクトである。プレイヤが攻撃ボタン543に対するタップ操作を行うと、プレイヤキャラクタの攻撃可能範囲(例えば、周囲の8つのマス目)に位置する敵キャラクタに対する攻撃が行われる。つまり、攻撃ボタン543に対するタップ操作は、プレイヤキャラクタに対する攻撃コマンドの実行に対応する操作である。例えば、図4のゲーム画面50において、攻撃ボタン543に対するタップ操作が行われると、プレイヤキャラクタPCの右側に隣接する敵キャラクタEC1に対する攻撃が行われる。なお、攻撃可能範囲に複数の敵キャラクタが存在する場合に、攻撃ボタン543のタップ操作の後に、攻撃する敵キャラクタを選択するためのタップ操作を受け付けるようにしても良い。なお、攻撃ボタン543は、プレイヤキャラクタの攻撃可能範囲に敵キャラクタが存在しない場合には機能しないように構成されている。
【0049】
敵キャラクタに対する攻撃は、敵キャラクタに対してダメージを与える処理である。当該ダメージは、例えば、相互のキャラクタに設定されているパラメータ値(例えば、攻撃力及び防御力等)の比較に基づいて算出され、算出されたダメージが敵キャラクタのHPから減じられる。攻撃の結果、敵キャラクタを倒す(例えば、敵キャラクタのHPが0になる)と、敵キャラクタは消滅し、プレイヤキャラクタは経験値等の報酬を獲得する。敵キャラクタが移動する経路を塞いでいた場合には、当該敵キャラクタを倒すことにより、当該経路が開通する。
【0050】
道具ボタン544は、プレイヤキャラクタに対する道具コマンドを入力するためのオブジェクトである。プレイヤが道具ボタン544に対するタップ操作を行うと、プレイヤキャラクタが保有するアイテムの中から使用するアイテムを選択するための画面が表示され、当該画面を介して選択されたアイテムが使用される。つまり、道具ボタン544に対するタップ操作は、プレイヤキャラクタに対する道具コマンドの実行に対応する操作である。当該アイテムの使用に伴って、例えば、プレイヤキャラクタ、及び/又は、ノンプレイヤキャラクタのパラメータ値が変化し(例えば、攻撃力、攻撃力、又は、HPが増加し)、或いは、敵キャラクタに対する特殊攻撃が行われる。当該特殊攻撃は、例えば、攻撃ボタン543に対応する通常の攻撃と比較して、攻撃可能範囲が広く、及び/又は、与えるダメージが大きい攻撃である。
【0051】
グリッド表示切り替えボタン545及びカメラ切り替えボタン547は、ゲーム空間表示領域52におけるゲーム空間の表示態様を変更するためのオブジェクトである。プレイヤがグリッド表示切り替えボタン545に対するタップ操作を行うと、ゲーム空間表示領域52におけるグリッド状のマス目の表示/非表示が切り替えられる。例えば、操作性よりも、ゲーム空間表示領域52に表示されるゲーム空間の美観を優先するプレイヤは、マス目を非表示とする。
【0052】
また、カメラ切り替えボタン547のタップ操作が行われると、ゲーム空間表示領域52にゲーム空間の画像を表示するための仮想カメラの位置が、通常モードと俯瞰モードとの間で切り替えられる。図4に例示したゲーム画面50は、仮想カメラの位置が通常モードである場合に対応している。また、図5は、仮想カメラの位置が俯瞰モードである場合のゲーム画面50を例示する。俯瞰モードにおける仮想カメラの位置は、通常モードにおける仮想カメラの位置と比較して、プレイヤキャラクタまでの距離が離れており、高いアングル(ゲーム空間における地面に対して略垂直のアングル)を有する。この結果、図5に例示される俯瞰モードにおけるゲーム空間表示領域52には、図4に例示される通常モードにおけるゲーム空間表示領域52と比較して、より広い視野の画像が表示され、プレイヤは、ゲーム空間のより広い範囲を確認することができる。例えば、図5におけるゲーム空間表示領域52には、図4におけるゲーム空間表示領域52に表示されていない敵キャラクタEC5-8が表示されており、プレイヤは、俯瞰モードのゲーム空間表示領域52を見ることにより、これらの敵キャラクタEC5-8の存在を知ることができる。なお、この例において、俯瞰モードにおけるゲーム画面50は、プレイヤキャラクタに対するコマンドの実行に対応する操作を行うことができないように構成されている。
【0053】
図3のフロー図に戻り、ステップS110では、プレイヤキャラクタに対するコマンドの実行に対応する操作が受け付けられる。当該コマンドの実行に対応する操作は、具体的には、移動コマンドの実行に対応する操作(移動可能領域521のタップ操作)、攻撃コマンドの実行に対応する操作(攻撃ボタン543のタップ操作)、道具コマンドの実行に対応する操作(道具ボタン544のタップ操作)、及び、自動的に特定されたコマンドの1回の実行に対応する操作(自動ボタン541のタップ操作)の何れかである。
【0054】
プレイヤによる操作が自動ボタン541のタップ操作である場合には、移動コマンド、攻撃コマンド、及び、道具コマンドの中から、プレイヤキャラクタに対して実行するコマンドが自動的に特定される(ステップS115、S120)。
【0055】
この例において、コマンドを自動的に特定するためのコマンド特定ルールとして4つのルールが設定されている。具体的には、移動コマンド、攻撃コマンド及び道具コマンドのバランスを重視したバランス重視ルール、攻撃コマンドを優先した攻撃優先ルール、道具コマンドを優先した道具優先ルール、及び、移動コマンドを優先した移動優先ルールの4つのルールが設定されている。既定のコマンド特定ルールはバランス重視ルールであり、手動モードにおいて自動ボタン541のタップ操作が行われた場合には、このバランス重視ルールに従って自動的にコマンドが特定される。なお、他の3つのルールは、詳しくは後述するが、自動モードにおけるプレイヤの操作に応じて設定され、自動モードにおいてのみ適用可能なルールである。コマンド特定ルールは、自動的にゲームを進行させるルールの一例である。
【0056】
こうしてコマンドの実行に対応する操作が受け付けられると、プレイヤキャラクタに対するコマンドが実行される(ステップS130)。具体的には、移動可能領域521のタップ操作が行われた場合には移動コマンドが実行され、攻撃ボタン543のタップ操作が行われた場合には攻撃コマンドが実行され、道具ボタン544のタップ操作が行われた場合には道具コマンドが実行され、及び、自動ボタン541のタップ操作が行われた場合には自動的に特定されたコマンドが実行される。コマンドの実行に応じて、プレイヤキャラクタは、移動、攻撃、又は、アイテムの使用の何れかの行動を行う。
【0057】
プレイヤキャラクタに対するコマンドが実行されると、次に、ノンプレイヤキャラクタの行動が行われる(ステップS140)。ノンプレイヤキャラクタの行動は、移動、又は、攻撃であり、ステップS130においてプレイヤキャラクタに対して実行されたコマンドに基づいて自動的に特定される。例えば、プレイヤキャラクタに対して移動コマンドが実行された場合には、ノンプレイヤキャラクタは、当該プレイヤキャラクタに追随するように移動する。
【0058】
また、例えば、プレイヤキャラクタに対して攻撃コマンド又は道具コマンドが実行された場合には、ノンプレイヤキャラクタは、攻撃可能範囲に存在する敵キャラクタに対する攻撃を行う。例えば、図4のゲーム画面50において、プレイヤキャラクタPCに対して敵キャラクタEC1に対する攻撃コマンドが実行された場合には、ノンプレイヤキャラクタNPC1は、上側に隣接する敵キャラクタEC2に対する攻撃を行い、ノンプレイヤキャラクタNPC2は、左側に隣接する敵キャラクタEC3に対する攻撃を行い、ノンプレイヤキャラクタNPC3は、右側に障害物を介して位置する敵キャラクタEC4に対する攻撃を行う。なお、ノンプレイヤキャラクタの攻撃可能範囲に敵キャラクタが存在しない場合には、当該ノンプレイヤキャラクタは、最も近い敵キャラクタの位置まで移動し、又は、何もせずに待機する。このように、ノンプレイヤキャラクタの行動には、何もせずに待機することが含まれる。
【0059】
こうしてノンプレイヤキャラクタの行動が行われると、プレイヤ側のターンが終了し、次に、敵キャラクタの行動が行われる(ステップS150)。この例において、敵キャラクタは、プレイヤキャラクタ又はノンプレイヤキャラクタから攻撃を受けた場合には反撃し、当該攻撃を受けていない場合には何もせずに待機する。反撃は、攻撃と同様に、反撃対象のキャラクタに対してダメージを与える処理である。なお、攻撃を受けていない敵キャラクタが、所定のルールに従って移動するようにしても良い。
【0060】
敵キャラクタの行動が行われると、敵側のターンが終了し、ゲームの終了条件が成立していない場合(ステップS160においてNO)には、ステップS100へと戻り、再度、プレイヤ側のターンが行われる。ゲームの終了条件は、例えば、プレイヤキャラクタのHPが0となること、及び、ステージをクリアすること等である。このように、この例のゲームは、ゲームの終了条件が成立するまでの間、プレイヤ側のターンと、敵側のターンとが交互に繰り返し行われる。
【0061】
手動モードにおいて、自動ボタン541のロングタップ操作が行われると、自動モードが開始される。自動モードが開始されると、プレイヤによるコマンドの実行に対応する操作を受け付けることなしに、実行するコマンドが自動的に特定されるようになる(ステップS100、S120)。その後、自動ボタン541に対するタッチ状態が解消されるまでの間、当該自動モードは継続する。
【0062】
ここで、上述したように、ノンプレイヤキャラクタ、及び、敵キャラクタは、その行動が自動的に制御されるから、自動モードにおいては、プレイヤキャラクタを含む全てのキャラクタの行動が自動的に行われ、プレイヤは、ゲームが自動的に進行する様子を、ゲーム画面50のゲーム空間表示領域52を介して見ることになる。
【0063】
この例において、自動モードにおける仮想カメラの位置は、手動モードにおける仮想カメラの位置と異なる。図6は、自動モードにおけるゲーム画面50を例示する。自動モードにおける仮想カメラの位置は、図4に対応する手動モードにおける仮想カメラの位置と比較して、プレイヤキャラクタPCまでの距離が近づいており、低いアングルを有する。この結果、図6に例示した自動モードにおけるゲーム空間表示領域52には、図4に例示した通常モードにおけるゲーム空間表示領域52と比較して、狭い視野の画像が表示され、臨場感に優れた画像が表示される。
【0064】
また、図6に示すように、自動モードにおけるゲーム画面50には、ゲーム空間表示領域52の下端部付近(自動ボタン541の上側)に、コマンド表示領域522が表示される。コマンド表示領域522は、プレイヤキャラクタに対して自動的に直前に実行された1つのコマンドが表示される(図6の例では「モンスター攻撃」という攻撃コマンドに対応するテキストが表示されている。)。ここで、他の具体例におけるコマンド表示領域522は、直前に実行された1つのコマンドに代えて、直近に実行された2以上の所定数のコマンド、及び/又は、実行前の所定数のコマンドを表示するように構成され得る。また、図6に示すように、自動モードにおけるゲーム画面50においては、二重丸形状の自動ボタン541の外側の円環部5411の表示態様(例えば、色)が変化する。そして、自動モードの解除(終了)に伴い、円環部5411の表示態様が元の状態に戻る。
【0065】
この例において、ゲーム画面50は、自動モードにおける自動ボタン541に対するスワイプ操作(第3の操作)に応じて、自動モードにおけるコマンド特定ルールの設定、及び、自動モードの固定化が行われるように構成されている。図7は、スワイプ操作に応じて変化する自動ボタン541の表示態様を例示する図である。自動ボタン541は、左右方向及び下方向へのスワイプ操作によって、スワイプ操作の方向に対応するコマンド特定ルールが設定されるように構成されている。図7(A)は、左方向にスワイプ操作が行われた場合の自動ボタン541を例示しており、この場合、二重丸形状の自動ボタン541の内側の円が左方向に偏ると共に、左側に「攻撃」と表示された短冊状の表示領域541Aが表示される。左方向のスワイプ操作は、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと戦う際に攻撃コマンドが優先される攻撃優先ルールを設定する操作であり、左方向にスワイプ操作された状態が維持されている間、当該攻撃優先ルールに従って自動的にコマンドが特定される。
【0066】
また、同様に、図7(B)は、右方向にスワイプ操作された場合の自動ボタン541を例示しており、この場合、自動ボタン541の内側の円が右方向に偏ると共に、右側に「道具」と表示された短冊状の表示領域541Bが表示される。右方向のスワイプ操作は、プレイヤキャラクタが敵キャラクタと戦う際に道具コマンドが優先される道具優先ルールを設定する操作であり、右方向にスワイプ操作された状態が維持されている間、当該道具優先ルールに従って自動的にコマンドが特定される。また、同様に、図7(C)は、下方向にスワイプ操作された場合の自動ボタン541を例示しており、この場合、自動ボタン541の内側の円が下方向に偏ると共に、下側に「最短距離」と表示された短冊状の表示領域541Cが表示される。下方向のスワイプ操作は、ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの現在地から目的地(ダンジョンの出口等)へ向けて最短距離で移動するように移動コマンドを優先した移動優先ルールを設定する操作であり、下方向にスワイプ操作された状態が維持されている間、当該移動優先ルールに従って自動的にコマンドが特定される。
【0067】
ここで、上述したコマンド特定ルールは例示であって、例えば、敵優先ルール(ゲーム空間に出現する敵キャラクタとの対戦を優先するルール)、及び、アイテム取得優先ルール(ゲーム空間に配置されたアイテムの取得を優先するルール)等の様々なコマンド特定ルールが適用され得る。
【0068】
また、自動ボタン541は、上方向へのスワイプ操作によって、自動モードの固定化が行われるように構成されている。図7(D)は、上方向にスワイプ操作された場合の自動ボタン541を例示しており、この場合、自動ボタン541の内側の円が上方向に偏ると共に、上側に「固定」と表示された短冊状の表示領域541Dが表示される。自動ボタン541が上方向にスワイプ操作された状態から自動ボタン541のタッチ状態が解除されると、自動モードは、終了することなく継続される(自動モードが固定化される)。なお、自動モードが固定化された場合、プレイヤキャラクタに対するコマンドの実行に対応する操作(具体的には、移動可能領域521、攻撃ボタン543、道具ボタン544、又は、自動ボタン541に対するタップ操作の何れか)が行われると、自動モードが終了する。
【0069】
上述した例では、自動モードにおける自動ボタン541に対するスワイプ操作に応じて、自動モードにおけるコマンド特定ルールの設定、及び、自動モードの固定化が行われるようにしたが、本実施形態に従う他の具体例においては、コマンド特定ルールの設定に代えて、ゲームを自動的に進行する速度の設定が行われる。図8は、当該他の具体例における自動ボタン1541のスワイプ操作に応じて変化する表示態様を例示する図である。自動ボタン1541は、左右方向及び下方向へのスワイプ操作によって、スワイプ操作の方向に対応するゲームの進行速度が設定されるように構成されている。図8(A)は、左方向にスワイプ操作された場合の自動ボタン1541を例示しており、この場合、左側に「x1.5」と表示された短冊状の表示領域1541Aが表示され、ゲームの進行速度として通常の速度(自動ボタン541に対するスワイプ操作を行わない場合の速度)の1.5倍の速度が設定される。また、同様に、図8(B)は、右方向にスワイプ操作された場合の自動ボタン1541を例示しており、この場合、右側に「x3.0」と表示された短冊状の表示領域1541Bが表示され、ゲームの進行速度として通常の速度の3.0倍の速度が設定される。また、同様に、図8(C)は、下方向にスワイプ操作された場合の自動ボタン1541を例示しており、この場合、下側に「x2.0」と表示された短冊状の表示領域1541Cが表示され、ゲームの進行速度として通常の速度の2.0倍の速度が設定される。このようにゲームの進行速度が設定されると、設定された速度に従ってゲーム空間表示領域52における画像の表示が行われる。自動モードにおけるゲームの進行速度は、ゲーム空間表示領域52におけるゲーム空間に対応する動画の再生速度と言うこともできる。なお、自動ボタン1541は、上述した自動ボタン541と同様に、上方向へのスワイプ操作によって、自動モードの固定化が行われるように構成されている(図8(D)を参照。)。
【0070】
上述した例では、スワイプ操作の方向に基づいて自動モードの制御態様(コマンド特定ルール又はゲームの進行速度)の設定、及び、自動モードの固定化を行うように構成したが、本実施形態に従う他の具体例においては、スワイプ操作の距離に基づいて、制御態様の設定、及び/又は、自動モードの固定化が行われ得る。また、スワイプ操作に代えて、タッチパネルを強く押す操作に基づいて自動モードの制御態様の設定、及び/又は、自動モードの固定化が行われるようにしても良い。
【0071】
上述した例では、自動ボタン541に対するタッチ状態を解消する操作に応じて自動モードを終了するようにしたが、これに加えて、プレイヤに対する警告を要する状態となった場合(プレイヤキャラクタのHPが所定値以下となった場合等)に、自動モードを終了するようにしても良い。
【0072】
以上説明した本実施形態のユーザ端末10は、プレイヤによる所定の操作状態(例えば、自動ボタン154に対するタッチ状態)を維持する第1の操作(例えば、自動ボタン154に対するロングタップ操作)に応じて、自動的にゲームを進行させる自動モードを開始し、プレイヤによる所定の操作状態を解消する第2の操作に応じて、当該自動モードを終了する。このように、本発明の実施形態は、所定の操作状態を維持する操作に応じて自動モードを開始し、当該所定の操作状態を解消する操作に応じて自動モードを終了するから、自動モードの開始及び終了が簡易な連続する操作によって実現される。この結果、ゲームの自動進行に関する操作性が向上する。
【0073】
本発明の他の実施形態においては、ゲーム管理サーバ30において管理される情報は、ユーザ端末10において管理され、ゲーム管理サーバ30の機能は、ユーザ端末10に統合され得る。
【0074】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0075】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又はより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0076】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数の何れか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数の何れとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数の何れであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 ユーザ端末
20 ネットワーク
30 ゲーム管理サーバ
41 情報記憶管理部
43 ゲーム進行制御部
50 ゲーム画面
521 移動可能領域
541 自動ボタン
543 攻撃ボタン
544 道具ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッド状の複数のマス目を含むゲーム空間であって、前記複数のマス目の何れかにプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ及びアイテムが配置される前記ゲーム空間を含む画面を表示する手段と、
プレイヤによる操作に応じて決定されるコマンドに基づいて、前記プレイヤキャラクタの行動を行う手段と、
前記プレイヤキャラクタの行動が終了した後に、前記敵キャラクタの行動を行う手段と、
前記プレイヤキャラクタのコマンドを手動で選択するモードと、自動で選択するモードと、を切り替える手段と、を有し、
前記自動で選択するモードは、複数のルールの中から前記プレイヤによって指定されたルールに基づいて前記プレイヤキャラクタのコマンドを選択するモードであり、
前記複数のルールは、前記ゲーム空間における前記敵キャラクタとの対戦よりも前記アイテムの収集を優先するルールを含む、
システム。
【請求項2】
前記ゲーム空間は、前記複数のマス目の何れかに目的地がさらに配置されており、
前記複数のルールは、前記プレイヤキャラクタの現在地から前記目的地へ向けて最短距離で移動するルールを含む、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記画面は、前記ゲーム空間内の仮想カメラを介した画像を表示し、
前記仮想カメラの位置は、前記手動で選択するモードと、前記自動で選択するモードとの間で、相互に異なる、
請求項1のシステム。
【請求項4】
前記自動で選択するモードにおいて表示される前記画像は、前記手動で選択するモードにおいて表示される前記画像と比較して、視野が狭い、
請求項3のシステム。
【請求項5】
前記画面は、前記自動で選択するモードにおいて、直前に実行されたコマンドを表示する、
請求項1のシステム。
【請求項6】
1又は複数のコンピュータを、
グリッド状の複数のマス目を含むゲーム空間であって、前記複数のマス目の何れかにプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ及びアイテムが配置される前記ゲーム空間を含む画面を表示する手段、
プレイヤによる操作に応じて決定されるコマンドに基づいて、前記プレイヤキャラクタの行動を行う手段、
前記プレイヤキャラクタの行動が終了した後に、前記敵キャラクタの行動を行う手段、及び、
前記プレイヤキャラクタのコマンドを手動で選択するモードと、自動で選択するモードと、を切り替える手段、として機能させるプログラムであって、
前記自動で選択するモードは、複数のルールの中から前記プレイヤによって指定されたルールに基づいて前記プレイヤキャラクタのコマンドを選択するモードであり、
前記複数のルールは、前記ゲーム空間における前記敵キャラクタとの対戦よりも前記アイテムの収集を優先するルールを含む、
プログラム。
【請求項7】
1又は複数のコンピュータによって実行される方法であって、
グリッド状の複数のマス目を含むゲーム空間であって、前記複数のマス目の何れかにプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ及びアイテムが配置される前記ゲーム空間を含む画面を表示するステップと、
プレイヤによる操作に応じて決定されるコマンドに基づいて、前記プレイヤキャラクタの行動を行うステップと、
前記プレイヤキャラクタの行動が終了した後に、前記敵キャラクタの行動を行うステップと、
前記プレイヤキャラクタのコマンドを手動で選択するモードと、自動で選択するモードと、を切り替えるステップと、を備え、
前記自動で選択するモードは、複数のルールの中から前記プレイヤによって指定されたルールに基づいて前記プレイヤキャラクタのコマンドを選択するモードであり、
前記複数のルールは、前記ゲーム空間における前記敵キャラクタとの対戦よりも前記アイテムの収集を優先するルールを含む、
方法。