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特開2023-153416動画配信サービスを提供するためのシステム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153416
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】動画配信サービスを提供するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137910
(22)【出願日】2023-08-28
(62)【分割の表示】P 2020200178の分割
【原出願日】2020-12-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年6月3日、https://report.pococha.com/n/n328b53f179a0
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年6月29日、https://helpfeel.com/pococha-help/エール・コアファン-5ee1e727485a430038254c4c,https://helpfeel.com/pococha-help/エール-5ee836f725047f0020a8dd5a,https://helpfeel.com/pococha-help/コアファン-5ee8395d6f1c9e001eb47a44,https://helpfeel.com/pococha-help/プチファン-5ee839d37f144a001eaa8f98,https://helpfeel.com/pococha-help/コアファンの条件-5ef44583457f73001e2df882
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年7月1日、<Android版>https://play.google.com/store/apps/details?id=com.dena.pokota,<iOS版>https://apps.apple.com/jp/app/id1175969205
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】柴田 順任
(57)【要約】
【課題】 配信者と視聴者との間の関係の強化を促進する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る動画配信サーバ10は、通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されており、動画を配信及び視聴するための動画配信サービスを、ユーザ端末30を介してユーザに提供する。当該サーバ10は、グレード条件の充足状況に基づいて配信者に対する視聴者のグレードを判定し、複数の視聴者の各々のグレードに基づいて当該配信者に対して報酬を付与するから、例えば、視聴者のグレードアップが配信者に対する直接的な利益となり、視聴者との間の関係を強化することへのモチベーションが配信者に対して与えられる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、動画配信サービスを提供するためのシステムであって、
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
動画の配信者に対する視聴者のグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記視聴者による充足状況に少なくとも基づいて判定するステップと、
前記配信者に対する複数の視聴者の各々のグレードに少なくとも基づいて前記配信者に対して報酬を付与するステップと、を実行する、
システム。
【請求項2】
前記グレード条件は、前記配信者の動画に対する前記視聴者によるアクションの実行に応じて充足する条件を含む、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記グレード条件は、前記配信者に対する前記視聴者による定期課金の適用に応じて充足する条件を含む、
請求項1又は2のシステム。
【請求項4】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記配信者の動画に対する前記視聴者による所定アクションの実行を制御するステップを実行し、
前記所定アクションは、個別課金、又は、前記定期課金に基づいて実行される、
請求項3のシステム。
【請求項5】
前記グレード条件は、前記配信者に関する配信者情報、前記視聴者に関する視聴者情報、及び、前記配信者及び前記視聴者の組合せに関する組合せ情報のうちの少なくとも1つに基づいて変動するように構成されている、
請求項1ないし4何れかのシステム。
【請求項6】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記配信者の動画を視聴するための視聴者画面を前記視聴者に対して提示するステップを実行し、
前記視聴者画面は、前記配信者の動画の複数の視聴者の少なくとも一部の前記グレード条件の充足状況を表示するように構成されている、
請求項1ないし5何れかのシステム。
【請求項7】
前記視聴者画面は、前記配信者の動画の複数の視聴者のうち、前記視聴者画面が提示される前記視聴者以外の他の視聴者の前記グレード条件の充足状況を第1詳細度で表示する一方、前記視聴者画面が提示される前記視聴者の前記グレード条件の充足状況を前記第1詳細度よりも詳しい第2詳細度で表示するように構成されている、
請求項6のシステム。
【請求項8】
前記判定するステップは、所定期間における前記グレード条件の前記視聴者による充足状況に少なくとも基づいて、前記所定期間における前記視聴者のグレードを判定することを含む、
請求項1ないし7何れかのシステム。
【請求項9】
前記付与するステップは、所定のグレード以上の視聴者の数に少なくとも基づいて前記報酬を付与することを含む、
請求項1ないし8何れかのシステム。
【請求項10】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記視聴者に関連付けられた配信者別の所定パラメータであって対応する配信者の動画に対する前記視聴者によるアクションの実行に応じて増加する前記所定パラメータの値を更新するステップを実行し、
前記付与するステップは、前記複数の視聴者の各々のグレードに加えて、前記複数の視聴者の各々の前記配信者に対応する前記所定パラメータの値に少なくとも基づいて、前記配信者に対して前記報酬を付与することを含む、
請求項1ないし9何れかのシステム。
【請求項11】
1又は複数のコンピュータによって実行され、動画配信サービスを提供するための方法であって、
動画の配信者に対する視聴者のグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記視聴者による充足状況に少なくとも基づいて判定する工程と、
前記配信者に対する複数の視聴者の各々のグレードに少なくとも基づいて前記配信者に対して報酬を付与する工程と、を備える、
方法。
【請求項12】
動画配信サービスを提供するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
動画の配信者に対する視聴者のグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記視聴者による充足状況に少なくとも基づいて判定するステップと、
前記配信者に対する複数の視聴者の各々のグレードに少なくとも基づいて前記配信者に対して報酬を付与するステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画配信サービスを提供するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、動画の配信を行うための様々な動画配信サービスが提供されている(例えば、下記特許文献1を参照)。こうしたサービスでは、配信者と視聴者との間の関係(「繋がり」又は「絆」等と言うこともできる。)を強化するための様々な仕組みが導入されており、例えば、対応する配信者の動画を視聴するほど増加するランク等のパラメータを配信者及び視聴者の組合せ毎に設定し、当該パラメータの値を用いて、配信者と視聴者との間の関係の強さを可視化することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-022219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような仕組みは、配信者と視聴者との間の関係の強さを可視化するものの、視聴者との間の関係を強化することが、配信者にとっての直接的な利益となるような仕組みではなかった。言い換えると、従来の仕組みでは、視聴者との間の関係を強化することへのモチベーションが配信者に対して十分に与えられているとは言えなかった。
【0005】
本発明の実施形態は、配信者と視聴者との間の関係の強化を促進することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、動画配信サービスを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、動画の配信者に対する視聴者のグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記視聴者による充足状況に少なくとも基づいて判定するステップと、前記配信者に対する複数の視聴者の各々のグレードに少なくとも基づいて前記配信者に対して報酬を付与するステップと、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、動画配信サービスを提供するための方法であって、動画の配信者に対する視聴者のグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記視聴者による充足状況に少なくとも基づいて判定する工程と、前記配信者に対する複数の視聴者の各々のグレードに少なくとも基づいて前記配信者に対して報酬を付与する工程と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、動画配信サービスを提供するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、動画の配信者に対する視聴者のグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記視聴者による充足状況に少なくとも基づいて判定するステップと、前記配信者に対する複数の視聴者の各々のグレードに少なくとも基づいて前記配信者に対して報酬を付与するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、配信者と視聴者との間の関係の強化を促進し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る動画配信サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
図2】動画配信サーバ10の機能を概略的に示すブロック図。
図3】ユーザ情報テーブル411において管理される情報を例示する図。
図4】ランクを説明するための図。
図5】配信管理テーブル412において管理される情報を例示する図。
図6】グレード管理テーブル413において管理される情報を例示する図。
図7】トップ画面60を例示する図。
図8】個別表示領域641の表示内容を例示する図。
図9】選択領域62において「話題」が選択されている場合のトップ画面60を例示する図。
図10】個別表示領域642の表示内容を例示する図。
図11】配信準備画面100を例示する図。
図12】配信者画面70を例示する図。
図13】視聴者画面80を例示する図。
図14】アイテム選択画面200を例示する図。
図15】複数のファンレベルの各々の条件を説明するための図。
図16】視聴者情報表示画面300を例示する図。
図17】条件充足度詳細画面400を例示する図。
図18】ランクを更新する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
図19】特別ファンの人数と配信ポイントボーナス(倍率)との対応関係を例示する図。
図20】ランクメータ値の更新ルールを説明するための図。
図21】ランクの更新内容と必要なランクメータ値との対応関係を説明するための図。
図22】ダイヤを付与する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る動画配信サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。動画配信サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されている。図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。サーバ10は、動画を配信及び視聴するための動画配信サービスを、ユーザ端末30を介してユーザに提供する。本実施形態において、ユーザ端末30を操作するユーザは、配信者として動画を配信することができ、また、視聴者として他のユーザの動画を視聴することもできる。動画配信サーバ10は、本発明のシステムの一部又は全部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、動画配信サーバ10のハードウェア構成について説明する。動画配信サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム、及び各種データ等を記憶する。
【0018】
本実施形態において、動画配信サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、動画配信サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成された動画配信サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、この場合、ユーザ端末30にインストールされているウェブブラウザ及びその他のアプリケーション(例えば、動画配信サービス用のアプリケーション)からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が表示され得る。
【0020】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。
【0025】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、及び、ウェアラブルデバイス等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35等にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介した動画配信サーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供する動画配信サービスを利用することができる。
【0027】
次に、このように構成された動画配信サーバ10が有する機能について説明する。図2は、動画配信サーバ10が有する機能を概略的に示すブロック図である。サーバ10は、図示するように、様々な情報を記憶及び管理する情報記憶管理部41と、動画配信サービスの管理機能を制御する管理機能制御部43と、動画配信サービスを制御する動画配信サービス制御部45とを有する。これらの機能は、コンピュータプロセッサ11及びメインメモリ12等のハードウェア、並びに、ストレージ15等に記憶されている各種プログラムやデータ等が協働して動作することによって実現され、例えば、メインメモリ12に読み込まれたプログラムに含まれる命令をコンピュータプロセッサ11が実行することによって実現される。また、図2に示すサーバ10の機能の一部又は全部は、サーバ10とユーザ端末30とが協働することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。
【0028】
情報記憶管理部41は、ストレージ15等において様々な情報を記憶及び管理するように構成されている。例えば、情報記憶管理部41は、図2に示すように、動画配信サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル411と、個別の動画配信に関する情報を管理する配信管理テーブル412と、配信者に対する(配信者別の)視聴者のグレードを管理するグレード管理テーブル413とを有する。
【0029】
管理機能制御部43は、動画配信サービスの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部43は、管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30で表示される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に送信する。管理機能制御部43によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、ユーザ管理(例えば、ユーザ情報テーブル411の更新等)等を含む。
【0030】
動画配信サービス制御部45は、動画配信サービスの制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、動画配信サービス制御部45は、配信者が提供する動画を複数の視聴者に対して配信するように構成されている。例えば、動画のリアルタイムでの配信(ライブ配信)を行う場合において、動画配信サービス制御部45は、配信者のユーザ端末30(以下、「配信者端末30」と言うことがある。)から送信されるリアルタイムの動画を受信して、当該動画を複数の視聴者の各々のユーザ端末30(以下、「視聴者端末30」と言うことがある。)に送信する。視聴者端末30においては、動画を視聴するための視聴者画面において動画が表示(再生)される。リアルタイムの動画は、例えば、配信者端末30のカメラを介して入力される画像、及び、マイクを介して入力される音声によって構成される。また、リアルタイムの動画は、例えば、配信者端末30において実行中のアプリケーション(例えば、ゲームアプリケーション等)を介して出力される画像及び音声によって構成される。こうした動画のライブ配信は、例えば、HTTP Live Streaming(HLS)等のプロトコルを用いたストリーミング方式で行われ得る。また、動画配信サービス制御部45は、配信者によって提供される動画を情報記憶管理部41(ストレージ15等)に記録し、当該動画を、視聴者からの個別の要求に応じて配信するように構成され得る。
【0031】
本実施形態において、動画配信サービス制御部45は、動画の配信者に対する視聴者のグレードを判定するように構成されている。当該グレードは、予め定められた複数のグレードの各々に対応するグレード条件の視聴者による充足状況に少なくとも基づいて判定される。例えば、動画配信サービス制御部45は、特定の配信者の動画を視聴している視聴者の当該特定の配信者に対するグレードを、当該動画の視聴中においてリアルタイムに判定する。また、例えば、動画配信サービス制御部45は、視聴者としての各ユーザのグレードを一括して判定する。グレードは、ランク及びレベル等の他の名称で表現され得る。
【0032】
また、動画配信サービス制御部45は、配信者に対する複数の視聴者の各々のグレードに少なくとも基づいて当該配信者に対して報酬を付与するように構成されている。例えば、配信者に対する報酬は、当該配信者に対する視聴者のグレードが上がるほど当該配信者にとっての価値が向上する。当該報酬は、例えば、配信者にとって利益となり得る様々な電子的及び仮想的な報酬を含む。
【0033】
このように、本実施形態における動画配信サーバ10は、グレード条件の充足状況に基づいて配信者に対する視聴者のグレードを判定し、複数の視聴者の各々のグレードに基づいて当該配信者に対して報酬を付与するから、例えば、視聴者のグレードアップが配信者に対する直接的な利益となり、視聴者との間の関係を強化することへのモチベーションが配信者に対して与えられる。つまり、動画配信サーバ10は、配信者と視聴者との間の関係の強化を促進し得る。
【0034】
本実施形態において、グレード条件は、配信者の動画に対する視聴者によるアクションの実行に応じて充足する条件を含み得る。動画に対するアクションは、これらに限定されないが、例えば、動画の視聴、コメントの入力、アイテムの入力、及び、いいねの入力等を含む。こうした構成は、視聴者によるアクションの実行を促進し得る。
【0035】
また、グレード条件は、配信者に対する視聴者による定期課金の適用に応じて充足する条件を含み得る。配信者に対する定期課金(サブスクリプション)は、これに限定されないが、例えば、当該配信者の動画に対する課金を伴う所定アクション(例えば、アイテムの入力等)を、一定期間、可能とするために適用される。例えば、動画配信サービス制御部45は、配信者の動画に対する視聴者によるアクションの実行を制御するように構成され、当該アクションは、個別課金、又は、定期課金に基づいて実行される。例えば、動画配信サービス制御部45は、定期課金が適用されていない視聴者である場合には、アクションの実行に応じて対応する数量の有料アイテムを当該視聴者に消費させる一方、定期課金が適用されている視聴者である場合には、アクションの実行に応じて有料アイテムを当該視聴者に消費させない。こうした構成は、視聴者による定期課金の適用を促進し得る。
【0036】
また、グレード条件は、配信者に関する配信者情報、視聴者に関する視聴者情報、及び、配信者及び視聴者の組合せに関する組合せ情報のうちの少なくとも1つに基づいて変動するように構成され得る。例えば、グレード条件は、配信者の配信履歴、レベル、居住エリア等に基づいて変動し、例えば、配信者が初心者であるほど充足し易くなり、グレードが上がり易くなる。また、例えば、グレード条件は、視聴者の視聴履歴、レベル、居住エリア等に基づいて変動し、例えば、特定の居住エリアの視聴者であるほど充足し易くなり、グレードが上がり易くなる。また、例えば、グレード条件は、対応する配信者の動画に対する視聴者による視聴履歴、配信者と視聴者との関係(フォローの有無等)等に基づいて変動し、例えば、対応する配信者の動画の視聴回数が少ない視聴者であるほど充足し易くなり、グレードが上がり易くなる。こうした構成は、個別の事情に応じたグレード条件を実現し得る。
【0037】
本実施形態において、動画を視聴するための視聴者画面において、視聴者のグレード条件の充足状況を表示するようにしてもよい。例えば、視聴者画面は、動画の複数の視聴者(例えば、動画を視聴中の複数の視聴者等)の少なくとも一部のグレード条件の充足状況を表示するように構成される。例えば、視聴者画面は、少なくとも一部の視聴者の現在のグレードを表示すると共に、次の(1つ上位の)グレードに対応するグレード条件の充足状況を表示するように構成される。こうした構成は、視聴者が、グレード条件の充足状況を知ることを可能とする。
【0038】
この場合、視聴者画面は、当該視聴者画面が提示される視聴者のグレード条件の充足状況を、当該視聴者以外の他の視聴者よりも詳しく表示するように構成してもよい。つまり、視聴者画面は、動画の複数の視聴者のうち、当該視聴者画面が提示される視聴者以外の他の視聴者のグレード条件の充足状況を第1詳細度で表示する一方、当該視聴者画面が提示される視聴者のグレード条件の充足状況を第1詳細度よりも詳しい第2詳細度で表示するように構成され得る。ここで言う「詳細度」とは、グレード条件の充足状況について視聴者にどの程度の情報を与えているかの度合いであり、一例では、視聴者画面において視聴者に表示される情報の種類又は量が多いほど高くなる。こうした構成は、視聴者が、視聴者自身のグレード条件の充足状況の詳細を知ると共に、他の視聴者のグレード条件の充足状況の概要を知ることを可能とする。
【0039】
本実施形態において、各視聴者のグレードを、一定の期間毎に管理するようにしてもよい。例えば、動画配信サービス制御部45は、所定期間(例えば、毎月)におけるグレード条件の視聴者による充足状況に少なくとも基づいて、当該所定期間における視聴者のグレードを判定するように構成される。この場合、例えば、期間が切り替わるタイミング(例えば、所定期間の始点)において、前回の期間におけるグレード(グレード条件の充足状況)がクリアされる。こうした構成は、配信者と視聴者との間の関係の強化を一定の期間毎に促進することを可能とする。
【0040】
本実施形態において、複数の視聴者の各々のグレードに基づく報酬の付与は、様々な態様で実現され得る。例えば、動画配信サービス制御部45は、所定のグレード以上の視聴者の数に少なくとも基づいて報酬を付与するように構成される。この場合、例えば、所定のグレード以上の視聴者の数が多いほど、配信者に対して付与される報酬の価値が高くなる。こうした構成は、例えば、多数の視聴者との間で一定の強さの関係性を構築することへのモチベーションを配信者に対して付与し得る。
【0041】
また、動画配信サービス制御部45は、視聴者に関連付けられた配信者別の所定パラメータであって、対応する配信者の動画に対する当該視聴者によるアクションの実行に応じて増加する所定パラメータの値を更新するように構成することができ、この場合、複数の視聴者の各々のグレードに加えて、これらの複数の視聴者の各々の当該配信者に対応する所定パラメータの値に少なくとも基づいて、当該配信者に対して報酬を付与するように構成され得る。例えば、配信者に対する報酬は、複数の視聴者の所定パラメータの値の合計値が大きいほど、配信者にとっての価値が高くなる。こうした構成は、視聴者によるアクションの実行が促進され得る。
【0042】
次に、このような機能を有する本実施形態の動画配信サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この例における動画配信サービスは、配信者端末30のカメラを介して入力される画像、及び、マイクを介して入力される音声によって構成される動画のライブ配信、及び、その視聴が可能なライブ配信サービスとして構成されている。
【0043】
図3は、この例において、ユーザ情報テーブル411において管理される情報を例示する。ユーザ情報テーブル411は、ライブ配信サービスのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」に対応付けて、アカウント名、年齢、性別、居住エリア、及び、プロフィール情報等を含む「基本情報」、配信者としての配信履歴に関する情報である「配信履歴情報」、視聴者としての視聴履歴に関する情報である「視聴履歴情報」、このユーザがフォローしている他のユーザに関する情報である「フォローユーザ情報」、このユーザをフォローしている他のユーザ(フォロワー)に関する情報である「フォロワー情報」、このユーザがファミリーメンバーとして加入しているファミリーに関する情報である「ファミリー情報」、配信者としてのユーザのランクを示す「ランク」、ランクアップ/ダウンを判定するためのパラメータ値である「ランクメータ値」、ライブ配信サービスにおいて利用可能な仮想的なコインの保有数を示す「コイン保有数」、同じく仮想的なダイヤの保有数を示す「ダイヤ保有数」、ユーザ自身が設定する配信者としての分類である「分類用テキスト」等の情報を管理する。
【0044】
この例において、ファミリーは、配信者を応援するファンのコミュニティであり、配信者又はファミリー管理者からの招待に応じて加入することができ、また、ユーザによる加入申請に対する配信者又はファミリー管理者による承認に応じて加入することができる。
【0045】
また、この例において、コインは、様々な契機で無償及び有償でユーザに付与される。例えば、ユーザは、ログインボーナス等の報酬として無償でコインを獲得することができる。また、例えば、ユーザは、有償で(現実の通貨で)コインを購入することができる。
【0046】
図4は、この例における配信者の「ランク」を説明するための図である。図示するように、この例では、「S」、「A」、「B」、「C」、「D」及び「E」の6つのランク帯が存在し、「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5つのランク帯の各々は、3つのランク(例えば、「S+」、「S」、「S-」のように、ランク帯を示すアルファベットに「+」を付加したランク、当該アルファベットのみのランク、及び、当該アルファベットに「-」を付加したランク)によって構成されている。また、「E」のランク帯は、1つのランク「E」によって構成されている。つまり、この例では、16段階(3×5+1=16)のランクが存在している。
【0047】
また、ランク帯は、「S」側が最上位であって「E」側が最下位である。また、同一のランク帯内のランクは、「+」側が最上位であって「-」側が最下位である。この例では、ユーザのランクは、初期値として「D-」が設定される。
【0048】
図5は、この例において、配信管理テーブル412において管理される情報を例示する。配信管理テーブル412は、個別のライブ配信(動画)に関する情報を管理し、図示するように、個別のライブ配信を識別する「配信ID」に対応付けて、配信者を識別する「配信者ユーザアカウント」、「配信開始日時」、配信の継続時間を示す「配信時間」、「視聴者数(現在値及び最大値)」、視聴者によって入力されたコメントの数である「コメント数」、視聴者によって入力された「いいね」の数である「いいね数」、視聴者によるアイテムの入力に応じて増加する「アイテムポイント数」、この配信に対して付与されるポイントである「配信ポイント数」、この配信に対して付与されたタグに関する情報である「タグ情報」等の情報を管理する。
【0049】
図6は、この例において、グレード管理テーブル413において管理される情報を例示する。グレード管理テーブル413は、対象年月における配信者に対する(配信者別の)視聴者のファンレベル(グレード)に関する情報を管理し、図示するように、配信者を識別する「配信者ユーザアカウント」、視聴者を識別する「視聴者ユーザアカウント」、及び「対象年月」の組合せに対応付けて、対象年月における対応する配信者に対する対応する視聴者の「ファンレベル」、対応するライブ配信に対する当該視聴者の「消費コイン数」、「視聴時間」、「視聴日数」、「入力コメント数」、当該配信者に対する当該視聴者による定期課金の適用の有無を示す「定期課金適用フラグ」、対応するライブ配信において当該視聴者が獲得した「エールポイント数」等の情報を管理する。このように、この例では、配信者に対する視聴者のファンレベルは、月単位で管理される。
【0050】
エールポイント数は、消費コイン数、視聴時間、視聴日数、及び、入力コメント数に基づく計算式を用いて算出され、これらの各パラメータの値が大きいほど、エールポイント数の値も大きくなる。
【0051】
図7は、ユーザ端末30において表示されるライブ配信サービスのトップ画面60を例示する。当該画面60は、ライブ配信サービスを利用するユーザの起点となる画面であり、図示するように、「フォロー」、「人気」、「話題」及び「すべて」と表示された選択領域62と、当該領域62の下側に位置する一覧表示領域64と、画面右上隅に位置する円形の配信ボタン66とを有する。
【0052】
選択領域62は、一覧表示領域64における表示内容を選択するための領域である。具体的には、選択領域62において「フォロー」が選択されると、一覧表示領域64において、ユーザがフォローしている他のユーザのライブ配信(配信中の動画)が一覧表示される。同様に、選択領域62において「人気」が選択されると、一覧表示領域64において、人気のあるライブ配信を抽出するための所定の抽出条件に従って抽出されたライブ配信(例えば、視聴者数(現在値)が閾値以上である配信等)が一覧表示される。また、選択領域62において「話題」が選択されると、一覧表示領域64において、ライブ配信に付与されたタグが、対応する配信と共に時系列で(付与時刻順に)一覧表示される。また、選択領域62において「すべて」が選択されると、一覧表示領域64において、全てのライブ配信が一覧表示の対象となる。
【0053】
図7のトップ画面60は、選択領域62において「人気」が選択されている場合に対応している。この場合の一覧表示領域64には、図示するように、各々が個別のライブ配信に関する情報を表示する複数の個別表示領域641が2列で配置される。個別表示領域641は、ユーザによる選択に応じて、対応する配信の視聴を開始できる(対応する動画の再生が開始される)ように構成されている。一覧表示領域64は、上下方向へのフリック操作又はスライド操作等によって、表示される個別表示領域641が切り替わるように構成されている。選択領域62において「フォロー」又は「すべて」が選択されている場合の一覧表示領域64の構成は、「人気」が選択されている場合の上述した構成と同様である。
【0054】
図8は、個別表示領域641の表示内容を例示する。個別表示領域641は、ライブ配信の配信者によって予め設定されている画像、配信者のアカウント名、及び、視聴者数(現在値)等を表示すると共に、図示するように、その下端部において、第1タグオブジェクト6411及び第2タグオブジェクト6412が左右方向に並べて配置されている。第1タグオブジェクト6411は、配信者自身が設定した配信者の分類である分類用テキスト(ユーザ情報テーブル411において管理されている。)をハッシュタグの形式(文字列の先頭に「#」が付加された形式)で表示する(図8の例では、「#大食い配信」と表示されている。)。また、第2タグオブジェクト6412は、対応するライブ配信に視聴者によって付与されている最新のタグを同じくハッシュタグの形式で表示する(図8の例では、「#カレー」と表示されている。)。
【0055】
図9は、選択領域62において「話題」が選択されている場合のトップ画面60を例示する。この場合のトップ画面60は、図示するように、一覧表示領域64において、任意のライブ配信に付与されたタグが、当該配信と共に時系列で一覧表示される。つまり、選択領域62において「話題」が選択されている場合の一覧表示領域64には、付与時刻の降順で並べられたタグ及び対応するライブ配信(当該タグが付与された配信)が一覧表示される。
【0056】
この場合の一覧表示領域64には、各々が個別のタグ及び対応するライブ配信に関する情報を表示する複数の個別表示領域642が上下方向に並べて配置されている。任意のライブ配信に新たにタグが付与されると、対応する個別表示領域642が、一覧表示領域64の最上部に追加される。
【0057】
図10は、個別表示領域642の表示内容を例示する。当該領域642は、図示するように、左上隅にタグオブジェクト6421が配置されていると共に、対応する(当該タグが付与された)ライブ配信の配信者のプロフィール画像及びアカウント名等を表示する。個別表示領域642には、対応するライブ配信へのリンクが設定されており、ユーザは、一覧表示領域64において表示されている複数の個別表示領域642の何れかを選択することにより、対応する配信の視聴を開始することができる。
【0058】
トップ画面60の配信ボタン66は、ユーザが、配信者として動画のライブ配信を行うためのオブジェクトである。当該配信ボタン66がユーザによって選択されると、図11に例示する配信準備画面100がトップ画面60に重ねて表示される。当該画面100は、図示するように、配信タイトルを入力するための配信タイトル入力領域102と、おしのび配信モードを設定するためのおしのび配信設定スイッチ104と、配信中に自動的に行われるツイート(SNSへのメッセージの投稿)に関する設定を行うためのツイート設定ボタン106と、「開始!」と表示された配信開始ボタン108とを有する。おしのび配信は、新参の視聴者(具体的には、対応する配信者についての所定期間における視聴時間の合計が所定値未満である視聴者)のみが視聴可能なライブ配信の配信モードである。
【0059】
配信開始ボタン108が選択されると、ライブ配信が開始され、具体的には、ユーザ端末30のカメラを介して入力される画像、及び、同じくユーザ端末30のマイクを介して入力される音声によって構成される動画のサーバ10への送信が開始される。また、ライブ配信の開始に応じて、配信管理テーブル412において新たなレコードが作成される。
【0060】
図12は、配信開始ボタン108の選択(つまり、ライブ配信の開始)に応じて配信者端末30において表示される配信者画面70を例示する。当該画面70は、図示するように、画面全体に対応する動画表示領域71と、画面左上隅に位置する基本情報表示領域72と、画面左下に位置するコメント表示領域73と、当該領域73の上側に位置するタグ表示領域74と、画面右上隅に位置する視聴者情報表示領域75と、画面下端部中央に位置する円形の配信停止ボタン76とを有する。
【0061】
動画表示領域71は、ライブ配信される動画、つまり、配信者端末30のカメラを介して入力される画像が表示される。配信者は、通常は、配信者端末30のインカメラ等を介して配信者自身を被写体とするので、配信される動画には配信者自身の画像が含まれる。
【0062】
基本情報表示領域72は、この配信の基本情報を表示し、具体的には、配信者情報(プロフィール画像等)、この配信の視聴者数(現在値)、及び、この配信に対して視聴者によって入力された「いいね」の数等を表示する。
【0063】
コメント表示領域73は、視聴者によって入力されたユーザコメント、又は、サーバ10によって自動的に入力されたシステムコメントを表示するための領域である。具体的には、当該領域73には、各々が個別のコメントに対応する複数のコメントオブジェクト731が上下方向に並べて配置される。コメント表示領域73は、新たなコメントが入力されると、対応するコメントオブジェクト731が下側に追加され、既存のコメントオブジェクト731が順に上方向に移動するように構成されている。コメント表示領域73は、上下方向へのフリック操作又はスライド操作等によって、表示されるコメントオブジェクト731が切り替わるように構成されている。
【0064】
タグ表示領域74は、この配信に対して付与されているタグに関する情報を表示し、具体的には、当該領域74には、各々が個別のタグに対応する複数のタグオブジェクト741が左右方向に並べて配置される。
【0065】
視聴者情報表示領域75は、対応するライブ配信を視聴中である複数の視聴者に関する情報を表示し、具体的には、当該領域75には、各々が視聴者に対応する複数のアイコンオブジェクト751が左右方向に並べて配置される。当該オブジェクト751は、円形の形状を有し、対応する視聴者のプロフィール画像を表示する。複数のアイコンオブジェクト751は、所定ルールに従う順序で並び、例えば、上述したエールポイント数が多い視聴者が左側となるように並ぶ。
【0066】
配信停止ボタン76は、配信者がライブ配信を停止するためのオブジェクトである。当該配信停止ボタン76が配信者によって選択されると、ライブ配信(配信者端末30からサーバ10への動画の送信)が停止される。
【0067】
図13は、視聴者端末30において表示される視聴者画面80を例示する。例えば、トップ画面60の一覧表示領域64等を介して任意のライブ配信が視聴者によって選択されると、選択された配信を視聴するための視聴者画面80が視聴者端末30において表示される。当該画面80は、図示するように、上述した配信者画面70と同様に、動画表示領域81と、基本情報表示領域82と、コメント表示領域83と、タグ表示領域84と、視聴者情報表示領域85とを有する。また、視聴者画面80は、画面下端部において、入力モード切り替えボタン86と、コメント入力領域87と、ハートマークが表示された「いいね」ボタン88と、プレゼントの図柄が表示されたアイテム入力ボタン89とを有する。
【0068】
コメント入力領域87は、視聴者がコメント又はタグを入力するための領域である。入力モード切り替えボタン86が非選択状態である間、コメント入力領域87は通常のコメント入力モードとなる。コメント入力モードでは、コメント入力領域87の右端部に配置されている送信オブジェクト871が選択されると、領域87に入力されている文字列がユーザコメントとして送信され、対応する配信者端末30(視聴中のライブ配信の配信者のユーザ端末30)及び各視聴者端末30(視聴中のライブ配信の複数の視聴者の各々のユーザ端末30)では、配信者画面70及び視聴者画面80のコメント表示領域73、83において、ユーザコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。ユーザコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、当該コメントを入力した視聴者のアカウント名と共に、コメントの内容(文字列)が表示される。また、ユーザコメントが送信されると、サーバ10は、配信管理テーブル412の対応するレコードのコメント数を更新(1加算)する。また、ユーザコメントが送信されると、サーバ10は、グレード管理テーブル413の対応するレコードの入力コメント数を更新(1加算)する。
【0069】
また、入力モード切り替えボタン86が選択状態になると、コメント入力領域87はタグ入力モードとなる。タグ入力モードでは、送信オブジェクト871が選択されると、コメント入力領域87に入力されている文字列がタグとして送信され、当該タグがライブ配信に対して付与される(関連付けられる)。この例では、タグの入力が可能な視聴者は、対応する配信者のファミリーメンバーに限定されている。具体的には、視聴者画面80の入力モード切り替えボタン86は、視聴者が配信者のファミリーメンバーである場合には選択可能となる(有効化される)一方、視聴者が配信者のファミリーメンバーでない場合には選択不可能となる(無効化される)。また、この例では、所定期間において1つのライブ配信に対して付与可能なタグの数が制限されており、具体的には、5分間で付与可能なタグの数は3つまでとなっている。
【0070】
タグが付与されると、対応する配信者画面70及び視聴者画面80のタグ表示領域74、84において、対応するタグオブジェクト741、841が追加される。タグ表示領域74、84には、左側の方が新しくなる(付与時刻が遅くなる)ように、タグオブジェクト741、841が左右方向に並べて配置される。したがって、新たに付与されたタグに対応するタグオブジェクト741、841は、タグ表示領域74、84における左端に追加される。なお、付与されてから5分が経過したタグに対応するタグオブジェクト741、841は削除される(例えば、右方向に移動するアニメーション効果を伴って消える。)。
【0071】
この例におけるタグオブジェクト741、841は、タグの内容を、文字列の先頭部分に「#」が付加されたハッシュタグの形式で表示する。例えば、タグの内容が「東京観光」である場合には、タグオブジェクト741、841において「#東京観光」と表示される。タグオブジェクト741、841は、その左右方向の長さが、表示する文字列の長さに応じて自動調整される。
【0072】
また、タグが付与されると、対応する配信者画面70及び視聴者画面80のコメント表示領域73、83において、タグの付与を通知するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。当該システムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、タグを付与(入力)した視聴者のアカウント名と共に、付与されたタグの内容が表示され、例えば、「xxさんが配信に「#東京観光」をタグ付けしました。」というコメントが表示される。また、タグが付与されると、配信管理テーブル412の対応するレコードのタグ情報が更新される。
【0073】
いいねボタン88は、視聴者が配信者(ライブ配信)に対して「いいね」を入力するためのオブジェクトである。当該ボタン88が視聴者によって選択されると、「いいね」の入力が行われ、対応する配信者画面70及び視聴者画面80のコメント表示領域73、83において、「いいね」の入力を通知するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。当該システムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、「いいね」を入力した視聴者のアカウント名と共に、「いいね」の入力を示すテキストが表示される。また、「いいね」が入力されると、配信者画面70及び視聴者画面80の動画表示領域71、81において、所定の視覚効果(例えば、ハート型のオブジェクトが画面下側から上側に向かって流れるように表示されるアニメーション効果等)が付加される。また、「いいね」が入力されると、サーバ10は、配信管理テーブル412の対応するレコードの「いいね数」を更新(1加算)する。
【0074】
アイテム入力ボタン89は、視聴者がアイテムを入力するためのオブジェクトである。当該ボタン89が視聴者によって選択されると、図14に例示するアイテム選択画面200が視聴者画面80に重ねて表示される。当該画面200は、図示するように、各々がアイテムに関する情報を表示する複数の個別表示領域202を一覧表示する。個別表示領域202は、アイテムに対応する画像、及び、当該アイテムの入力に必要なコイン数を表示する。
【0075】
この例では、視聴者によって入力可能な複数のアイテムが予め定められており、各アイテムには、その価格(価値又は対価と言うこともできる。)としてのコイン数が予め設定されている。アイテム選択画面200は、これらの入力可能な複数のアイテムを一覧表示する。視聴者によってアイテム選択画面200を介して何れかのアイテムが選択されると、選択されたアイテムの入力が行われる。
【0076】
アイテムが入力されると、対応する配信者画面70及び視聴者画面80のコメント表示領域73、83において、アイテムの入力を通知するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。当該システムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、アイテムを入力した視聴者のアカウント名と共に、入力されたアイテムの名称が表示される。また、アイテムが入力されると、対応する配信者画面70及び視聴者画面80の動画表示領域71、81において、入力されたアイテムに対応する視覚効果が付加される。また、アイテムが入力されると、サーバ10は、入力されたアイテムのコイン数に応じた数量のアイテムポイント(例えば、コイン数が多くなるほどポイント数も多くなる。)をこの配信に対して付与し、具体的には、配信管理テーブル412において、コイン数に応じたポイント数を、対応するレコードのアイテムポイント数に加算する。また、アイテムが入力されると、サーバ10は、ユーザ情報テーブル411において、入力されたアイテムのコイン数を、対応するレコード(アイテムを入力した視聴者のレコード)のコイン保有数から減じる。また、アイテムが入力されると、サーバ10は、グレード管理テーブル413において、入力されたアイテムのコイン数を、対応するレコードの消費コイン数に加算する。
【0077】
この例では、対応する配信者(視聴中のライブ配信の配信者)に対する定期課金を適用している視聴者は、一部のアイテムについて、個別のコインの消費なしで、何回でも入力することができる。こうしたアイテムは、例えば、アイテム選択画面200の個別表示領域202において、定期課金によって個別のコインの消費が不要である旨が表示される。また、この例では、定期課金が適用されている場合、グレード管理テーブル413の対応するレコードにおいて、定期課金の金額に対応する数量のコイン数が、毎月、消費コイン数に一括して加算される。
【0078】
また、新たに視聴者が視聴を開始する(ライブ配信ルームに入室する)と、対応する配信者画面70及び視聴者画面80のコメント表示領域73、83において、視聴者の入室を通知するシステムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831が追加される。当該システムコメントに対応するコメントオブジェクト731、831には、視聴を開始した(入室した)ユーザのアカウント名等が表示される。また、今回の視聴が、対応する配信者のライブ配信の当日の初回の視聴である場合、サーバ10は、グレード管理テーブル413において、対応するレコードの視聴日数を更新(1加算)する。
【0079】
ここで、配信者に対する視聴者のファンレベルの管理に関する動作について説明する。図15は、この例における複数のファンレベルの各々の条件(グレード条件)を説明するための図である。図示するように、この例では、ファンレベル毎に2つ又は3つの条件が設定されており、これらの2~3つの条件のうちの何れか1つを充足したユーザは、対応するファンレベルとなる(レベルが上がる。)。例えば、ファンレベル「1」には、「10コイン以上消費し、1.5時間以上視聴し、且つ、4コメント以上入力する」という条件1、及び、「100コイン以上消費する」という条件2の2つの条件が設定されており、これらの2つの条件の何れか1つを充足したユーザは、ファンレベル「1」の視聴者となる。また、例えば、ファンレベル「4」には、「1000コイン以上消費し、5時間以上視聴し、4日以上視聴し、且つ、35コメント以上入力する」という条件1、「3000コイン以上消費し、2時間以上視聴し、且つ、5コメント以上入力する」という条件2、及び、「5500コイン以上消費する」という条件3の3つの条件が設定されており、これらの3つの条件の何れか1つを充足したユーザは、ファンレベル「4」の視聴者となる。
【0080】
こうしたファンレベルの判定は、ライブ配信中においてリアルタイムで行われる。具体的には、ライブ配信中において、サーバ10は、各視聴者について、グレード管理テーブル413の消費コイン数、視聴時間、視聴日数、及び、入力コメント数をリアルタイムで更新し、これらの情報に基づいてファンレベルのレベルアップの有無を判定する。ファンレベルが上がると、グレード管理テーブル413の対応するレコードのファンレベルの値が更新される。
【0081】
この例では、配信者に対する定期課金では、6000コインに相当する金額の毎月の課金が行われる。したがって、定期課金が適用されている視聴者は、図15に例示したファンレベル「4」の条件3(5500コイン以上消費する)を直ちに充足することになる。
【0082】
この例では、視聴者のアクション(具体的には、入室(視聴の開始)、コメント、タグ、いいね、及びアイテムの入力)に対応するコメントオブジェクト731、831には、当該視聴者のファンレベルに応じた装飾が施される。例えば、こうしたコメントオブジェクト731、831には、視聴者のファンレベルに対応するアイコンが付加されると共にファンレベルに対応する文字色が適用される。
【0083】
また、この例では、配信者画面70及び視聴者画面80の視聴者情報表示領域75、85を介して、各視聴者のファンレベルの条件の充足状況が表示される。図16は、視聴者情報表示領域75、85のアイコンオブジェクト751、851の選択に応じて、配信者画面70及び視聴者画面80に重ねて表示される視聴者情報表示画面300を例示する。当該画面300は、図示するように、対応する視聴者のプロフィール画像、アカウント名、及び、プロフィール等を表示すると共に、その下側において、ファンレベルに関する情報を表示するファンレベル情報表示領域302を有する。
【0084】
ファンレベル情報表示領域302は、図示するように、現在のレベルに対応するアイコン画像、及び、エールポイント数等を表示すると共に、その右側において、次の(1つ上位の)ファンレベルに上がるための2~3つの条件の各々の充足状況を表示する条件充足度オブジェクト3021が左右方向に並べて配置される。図16の視聴者情報表示画面300においては、条件1~3の3つの条件にそれぞれ対応する3つの条件充足度オブジェクト3021が配置されているが、次のファンレベルに対応する条件が2つである場合には、2つの条件充足度オブジェクト3021が左右方向に並べて配置される。
【0085】
条件充足度オブジェクト3021は、円環部分において条件の充足度を表示し、具体的には、条件の充足度が上がるに従って12時の位置から時計回りに延びる円形のプログレスバーの形式によって当該充足度を表示する。条件の充足度は、条件に対応するパラメータ(消費コイン数、視聴時間、視聴日数、又は、入力コメント数)の条件値(最大値)に対する現在値の割合として設定される。ユーザは、視聴者情報表示画面300(ファンレベル情報表示領域302)を介して、他のユーザを含む各視聴者の現在のファンレベル及び次のファンレベルへ上がるための条件の充足状況の概要を知ることができる。
【0086】
また、この例では、視聴者画面80の視聴者情報表示領域85において、対応するユーザ自身のアイコンオブジェクト851が選択されてユーザ自身の情報を表示する視聴者情報表示画面300が表示されている場合において、ファンレベル情報表示領域302が選択されると、図17に例示する条件充足度詳細画面400が表示される。当該画面400は、図示するように、次のファンレベルに対応する条件毎に、対応するサブ条件の充足度を表示するサブ条件インジケータ402を有する。
【0087】
サブ条件インジケータ402は、条件の充足度が上がるに従って右方向に延びる棒状のプログレスバーの形式によって当該充足度を表示する。また、サブ条件インジケータ402の右下側において、対応するサブ条件の充足度に関するテキストが表示され、具体的には、サブ条件を充足するまでに必要な数量に関するテキスト(例えば、「あと1,256コイン」)が表示され、又は、既にサブ条件を充足している場合には、「CLEAR!」というテキストが表示される。
【0088】
図17の例における「条件1」は、コイン数に関するサブ条件、視聴時間に関するサブ条件、コメント数に関するサブ条件、及び、視聴日数に関するサブ条件の4つのサブ条件を有しており、4つのサブ条件にそれぞれ対応する4つのサブ条件インジケータ402が上下方向に並べて配置されている。条件充足度詳細画面400は、左右方向へのフリック操作又はスライド操作等によって、表示される条件が切り替わるように構成されている。ユーザは、条件充足度詳細画面400を介して、ユーザ自身が次のファンレベルへ上がるための条件の充足状況の詳細を知ることができる。
【0089】
以上、配信者に対する視聴者のファンレベルの管理に関する動作について説明した。次に、配信者がライブ配信を終了する際の動作について説明する。上述したように、配信者が、配信者画面70の配信停止ボタン76を選択すると、ライブ配信が終了する。ライブ配信が終了すると、サーバ10は、当該配信に対する配信ポイント数を算出して設定する。この例では、視聴者数(最大値)、いいね数、コメント数、及び、アイテムポイント数に基づいて配信ポイント数が算出される。配信ポイント数は、視聴者数(最大値)、いいね数、コメント数、及び、アイテムポイント数が多いほど、多くなる。算出された配信ポイント数は、配信管理テーブル412の対応するレコードに設定される。
【0090】
以上、配信者がライブ配信を終了する際の動作について説明した。次に、配信者のランクを決定する際の動作について説明する。この例では、ユーザが前日に獲得した配信ポイント数に基づいて当日のランクが決定(更新)される。図18は、各ユーザのランクを更新する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。これらの処理は、毎日深夜(例えば、毎日午前3時)に実行される。
【0091】
サーバ10は、まず、図示するように、各ユーザが前日に獲得した配信ポイント数を算出する(ステップS300)。特定のユーザが前日に獲得した配信ポイント数は、配信管理テーブル412の配信者ユーザアカウント、配信開始日時、及び、配信ポイント数を参照することによって算出される。なお、ユーザが1日に複数の配信を行っている場合、複数の配信でそれぞれ獲得した配信ポイント数が合算される。
【0092】
こうして各配信者の前日の配信ポイント数を算出すると、続いて、サーバ10は、配信ポイント数に対するボーナスを加算する(ステップS310)。具体的には、この例では、ファンレベルが「4」以上である「特別ファン」の人数に応じて、配信ポイント数にボーナスが加算される。図19は、特別ファンの人数と配信ポイントボーナス(倍率)との対応関係を例示する。この例では、図示するように、特別ファンの人数が2~4である場合、配信ポイントボーナスとして、配信ポイント数が101%となる(1.01倍される)。言い換えると、特別ファンの人数が2~4人である場合、算出された配信ポイント数の1%がボーナスとして加算される。同様に、特別ファンの人数が5~9人である場合、配信ポイントボーナス(倍率)は102%であり、その後、特別ファンの人数が増加するに従って配信ポイントボーナス(倍率)が大きくなり、配信者にとって有利となる。
【0093】
また、上述したように、この例では、定期課金が適用される視聴者は、自動的に、ファンレベルが「4」以上である特別ファンとなるから、定期課金が適用される視聴者を多く獲得することは、配信者にとって有利となる。
【0094】
また、この例では、複数の視聴者の各々のエールポイント数の合計値に応じて、配信ポイントにボーナスが加算される。例えば、エールポイント数の合計値が5000ポイント以上になると、配信ポイントに500ポイントのボーナスが加算され、エールポイント数の合計値が10000ポイント以上になると、配信ポイントに1000ポイントのボーナスが加算される。当該ボーナスは、エールポイント数が増加するに従って大きくなり、配信者にとって有利となる。なお、本実施形態の他の例では、エールポイント数に基づく配信ポイントのボーナスは適用されず、特別ファンの人数に基づく配信ポイントのボーナスのみが適用され得る。
【0095】
こうして配信ポイント数に対するボーナスが加算されると、次に、サーバ10は、各ユーザのランクメータ値を更新する(ステップS320)。図20は、ランクメータ値の更新ルールを説明するための図である。図示するように、この例では、各ユーザの前日の配信ポイント数の当該ユーザが属するランク帯内での順位に基づいてランクメータ値が変動する。
【0096】
ランクメータ値の更新ルールは、具体的には、図20に示すように、まず、ランク帯内の配信ポイント数の順位が上位10%に含まれる場合には、ランクメータ値の変動は「+2」(2ポイント増加)である。同様に、当該順位が上位11~30%(上位30%から上位10%を除いた残りの20%)に含まれる場合の変動は「+1」であり、当該順位が中位30%(上位31~60%)に含まれる場合の変動は「±0」(増減なし)であり、当該順位が下位40%に含まれる場合の変動は「-1」(1ポイント減少)である。なお、前日の配信が行われなかった場合には、ランク帯内の順位にかかわらず、ランクメータ値の変動は「-1」となる。
【0097】
ステップS320では、図20に例示される更新ルールに従って、各ユーザのランクメータ値が更新される。
【0098】
図18のフロー図に戻り、各ユーザのランクメータ値を更新すると、次に、サーバ10は、更新後のランクメータ値に基づいてランクを更新する(ステップS330)。図21は、ランクの更新内容と必要なランクメータ値との対応関係を説明するための図である。図示するように、まず、ランク帯をまたいでランクアップする場合(言い換えると、各ランク帯内の最上位のランクからランクアップする場合)に必要なランクメータ値は+4である。つまり、各ランク帯内の最上位のランク(例えば、A+)に属するユーザは、ランクメータ値が+4になると、直上のランク帯内の最下位のランク(例えば、S-)にランクアップする。また、同一のランク帯内でランクアップする場合(言い換えると、各ランク帯内の中位又は最下位のランクからランクアップする場合)に必要なランクメータ値は+2である。つまり、各ランク帯内の中位又は最下位のランク(例えば、B又はB-)に属するユーザは、ランクメータ値が+2になると、同一のランク帯内の直上のランク(例えば、B+又はB)にランクアップする。
【0099】
同様に、図21に例示するように、同一のランク帯内でランクダウンする場合(言い換えると、各ランク帯内の最上位又は中位のランクからランクダウンする場合)に必要なランクメータ値は-2である。つまり、各ランク帯内の最上位又は中位のランク(例えば、B+又はB)に属するユーザは、ランクメータ値が-2になると、同一のランク帯内の直下のランク(例えば、B又はB-)にランクダウンする。また、ランク帯をまたいでランクダウンする場合に必要なランクメータ値は-6である。つまり、各ランク帯内の最下位のランク(例えば、A-)に属するユーザは、ランクメータ値が-6になると、直下のランク帯の最上位のランク(例えば、B+)にランクダウンする。このように、この例では、ランク帯をまたいだランクアップ/ダウンは、同一のランク帯内でのランクアップ/ダウンと比較して、必要なランクメータ値の絶対値が大きくなっている。この結果、短期間での急激なランクアップ/ダウンが抑制される。
【0100】
ステップS330においては、図21に例示した対応関係に従って、ランクメータ値に基づくランクの更新が行われる。なお、ランクの更新が行われたユーザ(ランクアップ/ダウンが発生したユーザ)のランクメータ値は0にクリアされる。
【0101】
以上、配信者のランクを決定する際の動作について説明した。次に、ユーザにダイヤを付与する際の動作について説明する。この例では、前日の配信時間とランク(前日におけるランク)とに基づいて配信者としてのユーザに対する報酬であるダイヤが付与される。図22は、各配信者にダイヤを付与する際にサーバ10が実行する処理を例示するフロー図である。これらの処理は、毎日深夜に実行され、例えば、図18に例示した各ユーザのランクを更新する際に実行され処理よりも前の時刻(例えば、毎日午前0時)に実行される。
【0102】
サーバ10は、まず、図示するように、各ユーザの前日の配信時間を算出する(ステップS400)。特定のユーザの前日の配信時間は、具体的には、配信管理テーブル412の配信者ユーザアカウント、配信開始日時、及び、配信時間を参照することによって算出される。ユーザが1日に複数の配信を行っている場合、複数の配信の各々の配信時間が合算される。
【0103】
続いて、サーバ10は、算出した配信時間及び基準ダイヤ数に基づく数のダイヤを各ユーザに付与する(ステップS410)。具体的には、算出した配信時間に基準ダイヤ数を乗じた数のダイヤが各ユーザに付与される。基準ダイヤ数は、ランクが上位であるほど多くなるように、ランク毎に予め設定されており、各ユーザの前日のランクに対応する基準ダイヤ数が適用される。ユーザに対してダイヤが付与されると、ユーザ情報テーブル411の対応するレコードのダイヤ保有数が更新される。この例では、ダイヤは、コイン又は現実の通貨に交換することができる。
【0104】
上述した例において、ファンレベルに対応する条件が、配信者に関する配信者情報、視聴者に関する視聴者情報、又は、配信者及び視聴者の組合せに関する組合せ情報等に基づいて変動するようにしてもよい。例えば、ファンレベルに対応する条件は、配信者のランクが低いほど、充足し易くなる(例えば、条件値が低くなる。)。また、例えば、ファンレベルに対応する条件は、視聴者の居住エリアに応じて変動する(例えば、特定の居住エリアの視聴者の条件は充足し易くなる)。また、例えば、ファンレベルに対応する条件は、対応する配信者のライブ配信を初めて視聴した対象年月において充足し易くなる。
【0105】
上述した例において、所定の上位のファンレベルについては、各月の始点から一定期間は無効とし、途中の特定のタイミングから有効となるようにしてもよい。この場合、例えば、各月の特定のタイミング(例えば、15日)に有効となるファンレベルに対応する条件を、当該ファンレベルが有効となる前に充足した視聴者は、当該ファンレベルが有効となるまで(特定のタイミングとなるまで)は当該ファンレベルに上がらない。こうすれば、各月の早い段階で上位のファンレベルの視聴者が過剰に多く発生し、他の一般の視聴者が委縮してしまうことが抑制され得る。
【0106】
上述した例では、ファンレベルが「4」以上である「特別ファン」の人数に応じて配信ポイント数にボーナスが加算されるようにしたが、特別ファンの人数に応じた報酬は、複数の視聴者の各々のファンレベルに基づく報酬の一例であって、本実施形態の他の例では、その他のルールが適用される。例えば、ファンレベルの値の合計値に応じて配信ポイント数にボーナスが加算されるようにしてもよい。
【0107】
また、配信ポイント数に対するボーナスの加算は、配信者に対する報酬の一例であって、本実施形態の他の例では、複数の視聴者の各々のファンレベルに基づいて様々な報酬が配信者に対して付与され得る。例えば、配信者に対する報酬として、基準ダイヤ数に対するボーナスを加算したり、特別なイベントに参加する権利を付与したりしてもよい。
【0108】
上述した例では、配信者端末30のカメラを介して入力される画像、及び、マイクを介して入力される音声によって構成される動画のライブ配信、及び、その視聴が可能なライブ配信サービスを提供するようにしたが、本実施形態の他の例では、配信者から提供される動画を予め記憶しておき、当該動画を、視聴者からの要求に応答して個別に配信するオンデマンド型の動画配信サービスが提供される。この場合であっても、配信者(動画の提供者)に対する視聴者のファンレベルが管理されると共に、複数の視聴者の各々のファンレベルに少なくとも基づいて、当該配信者に対して報酬が付与され得る。
【0109】
以上説明した本実施形態の動画配信サーバ10は、グレード条件の充足状況に基づいて配信者に対する視聴者のグレード(例えば、ファンレベル)を判定し、複数の視聴者の各々のグレード(例えば、ファンレベルが「4」以上である特別ファンの数)に基づいて当該配信者に対して報酬(例えば、配信ポイント数に対するボーナスの加算)を付与するから、例えば、視聴者のグレードアップが配信者に対する直接的な利益となり、視聴者との間の関係を強化することへのモチベーションが配信者に対して与えられる。つまり、動画配信サーバ10は、配信者と視聴者との間の関係の強化を促進し得る。
【0110】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0111】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0112】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 動画配信サーバ
11 コンピュータプロセッサ
15 ストレージ(記憶装置)
20 通信ネットワーク
30 ユーザ端末
41 情報記憶管理部
411 ユーザ情報テーブル
412 配信管理テーブル
413 グレード管理テーブル
43 管理機能制御部
45 動画配信サービス制御部
60 トップ画面
70 配信者画面
75 視聴者情報表示領域
80 視聴者画面
85 視聴者情報表示領域
100 配信準備画面
200 アイテム選択画面
300 視聴者情報表示画面
302 ファンレベル情報表示領域
3021 条件充足度オブジェクト
400 条件充足度詳細画面
402 サブ条件インジケータ
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図15
図16
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図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者の動画をユーザに対して配信する手段と、
前記配信者に対する前記ユーザのグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記ユーザによる充足状況に少なくとも基づいて設定する手段と、
前記ユーザに設定されている前記グレードに関する情報を前記配信者の動画の所定画面を介して表示する手段と、を有し、
前記グレード条件は、各グレードに複数設定されており、前記複数設定されたグレード条件の少なくとも1つは、前記ユーザによる前記配信者の動画におけるアイテムの入力に基づいて充足する条件である、
システム。
【請求項2】
配信者の動画をユーザに対して配信する手段と、
前記配信者に対する前記ユーザのグレードを、複数のグレードの各々に対応するグレード条件の前記ユーザによる充足状況に少なくとも基づいて設定する手段と、
前記ユーザに設定されている前記グレードに関する情報を前記配信者の動画の所定画面を介して表示する手段と、を有し、
前記グレード条件は、各グレードに複数設定されており、前記複数設定されたグレード条件の少なくとも1つは、前記ユーザによる前記配信者の動画の視聴時間又は視聴日数に関する条件である、
システム。
【請求項3】
前記グレードに関する情報を表示する手段は、前記所定画面において、前記ユーザのアクションに対応するコメントオブジェクトを、前記ユーザに設定されている前記グレードに応じた装飾を施して表示する、
請求項1又は2のシステム。
【請求項4】
前記複数のグレードの少なくとも一部は、設定されている前記グレード条件の数が相互に異なっており、
前記グレードを設定する手段は、前記複数設定されたグレード条件の少なくとも1つを前記ユーザが充足すると、対応するグレードを前記ユーザに対して設定する、
請求項1又は2のシステム。
【請求項5】
前記グレードを設定する手段は、前記配信者の動画の配信中において、前記ユーザの前記グレードを設定する、
請求項1又は2のシステム。
【請求項6】
前記グレードは、所定期間ごとに管理され、
前記ユーザに対して設定されている前記グレードを、所定のタイミングにおいてクリアする手段をさらに有する、
請求項1又は2のシステム。
【請求項7】
前記複数のグレードの少なくとも一部は、前記所定期間の始点から一定期間が経過した特定のタイミングから有効となる、
請求項6のシステム。
【請求項8】
前記所定画面は、所定ルールに従って、前記配信者の動画を視聴する複数のユーザのアイコンを並べて表示し、
前記グレードに関する情報を表示する手段は、前記ユーザのアイコンを選択すると、前記所定画面に重ねて、前記ユーザに設定されている前記グレードに関する情報を表示する、
請求項1又は2のシステム。
【請求項9】
前記配信者に対する前記グレードが所定グレード以上の特定ユーザの数を算出し、前記特定ユーザの数に応じて、前記配信者に対して報酬を付与する手段をさらに有し、
前記報酬は、前記配信者の動画の配信に対して付与されるポイントの数%をボーナスとして前記ポイントに加算することを含む、
請求項1又は2のシステム。
【請求項10】
前記配信者の動画の配信に対して付与される前記ポイントに基づいて、前記配信者のランクを設定する手段をさらに有する、
請求項9のシステム。
【請求項11】
サーバと端末装置とを含むシステムであって、
前記各手段は、前記サーバ又は前記端末装置のいずれか一方によって実現され、又は、前記サーバと前記端末装置とが協働することによって実現される、
請求項1ないし10何れかのシステム。
【請求項12】
請求項1ないし10何れかのシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。