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特開2023-153423単純ヘルペスウイルス糖タンパク質をコードする修飾mRNAワクチン及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153423
(43)【公開日】2023-10-17
(54)【発明の名称】単純ヘルペスウイルス糖タンパク質をコードする修飾mRNAワクチン及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/245 20060101AFI20231005BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20231005BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20231005BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20231005BHJP
   C12N 15/38 20060101ALN20231005BHJP
【FI】
A61K39/245
A61K31/7105
A61K31/7115
A61P31/22
A61P37/04
C12N15/38 ZNA
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023138084
(22)【出願日】2023-08-28
(62)【分割の表示】P 2020509054の分割
【原出願日】2018-08-17
(31)【優先権主張番号】62/546,648
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/701,019
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500429103
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ハーベイ フリードマン
(72)【発明者】
【氏名】ドリュー ワイスマン
(72)【発明者】
【氏名】シタ アワスティ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー コーエン
(57)【要約】
【課題】単純ヘルペスウイルス糖タンパク質をコードする修飾mRNAワクチン及びその使用の提供。
【解決手段】本発明は、ウイルス進入と免疫回避とに関与するものを含めて単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾mRNAを含む、性器ヘルペスの予防及び治療のための組成物及びその使用方法を提供する。一実施形態においては、本発明は、1又は複数のヌクレオシド修飾mRNAを含む組成物であって、前記ヌクレオシド修飾mRNAのそれぞれが、単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記ヌクレオシド修飾mRNAは、1又は複数のプソイドウリジン残基を含むものである、組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を治療する又はHSV感染の発生を抑制、阻害若しくは低減するための、あるいは(ii)免疫反応を誘発するための組成物であって、
HSV糖タンパク質E(gE)のエクトドメインをコードするRNAを含み、前記RNAが、ヌクレオシド修飾RNAであり、
ここで、前記組成物は、(a)配列番号5と少なくとも98%同一である配列を含む単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質D(gD)のエクトドメインをコードするRNA、及び(b)配列番号11と少なくとも98%同一である配列を含むHSV糖タンパク質C(gC)のエクトドメインをコードするRNAを含む組成物を除く、組成物。
【請求項2】
前記ヌクレオシド修飾RNAが、1又は複数のプソイドウリジン残基を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記1又は複数のプソイドウリジン残基は、m1Ψ(1-メチルプソイドウリジン)、m1acp3Ψ(1-メチル-3-(3-アミノ-5-カルボキシプロピル)プソイドウリジン、Ψm(2’-O-メチルプソイドウリジン、m5D(5-メチルジヒドロウリジン)、m3Ψ(3-メチルプソイドウリジン)、又はこれらの任意の組合せを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
HSV糖タンパク質I(gI)をコードするヌクレオシド修飾RNAをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
a)HSV糖タンパク質B(gB)若しくはその免疫原性断片、b)HSV糖タンパク質H(gH)若しくはその免疫原性断片、c)HSV糖タンパク質L(gL)若しくはその免疫原性断片、又はd)これらの任意の組合せをコードする1又は複数のRNAをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記糖タンパク質のうちの1又は複数が、HSV-1由来である、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記糖タンパク質のうちの1又は複数が、HSV-2由来である、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記RNAは、
i)ポリA尾部、
ii)m7GpppGキャップ、3’-O-メチル-m7GpppGキャップ、若しくはアンチリバースキャップアナログ、
iii)キャップ非依存性翻訳エンハンサー、
iv)翻訳を促進する5’及び3’の非翻訳領域、
v)又はこれらの組合せ
をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記RNAが、ナノ粒子、脂質、ポリマー、コレステロール、又は細胞透過性ペプチドの中にカプセル化される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ナノ粒子が、リポソームナノ粒子である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記エクトドメインが、配列番号17と少なくとも98%同一である配列からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記HSV gEの前記エクトドメインをコードする前記RNAが、配列番号16のヌクレオチド200~1348に対して少なくとも75%の同一性を有するヌクレオチド配列からなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記ヌクレオシド修飾RNAのうちの1又は複数が、シグナル配列をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記シグナル配列が、
a.AUGACCCGCCUGACCGUGCUGGCCCUGCUGGCCGGCCUGCUGGCCUCCUCCCGCGCC(配列番号19)、
b.AUGCGCAUGCAGCUGCUGCUGCUGAUCGCCCUGUCCCUGGCCCUGGUGACCAACUCC(配列番号20)、又は
c.AUGGCCAUCUCCGGCGUGCCCGUGCUGGGCUUCUUCAUCAUCGCCGUGCUGAUGUCCGCCCAGGAGUCCUGGGCC(配列番号21)
を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を治療する又はHSV感染の発生を抑制、阻害若しくは低減するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記HSV感染が、HSV-1感染又はHSV-2感染を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記HSV感染が、一次HSV感染;一次HSV感染に続く、炎症、再発、又は口唇HSV;潜伏HSV感染の再活性化;あるいは、HSV脳炎、HSV新生児感染、性器HSV感染、又は経口HSV感染を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、筋肉内、皮下、皮内、鼻腔内、膣内、直腸内、又は局所の投与用に製剤される、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
免疫応答を誘発するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記免疫応答が、CD4免疫応答;CD8免疫応答;濾胞性ヘルパーT細胞免疫応答;胚中心B細胞免疫応答;gC2、gD2、gE2若しくはこれらの組合せに対するIgG抗体応答;又はこれらの組合せを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、筋肉内、皮下、皮内、鼻腔内、膣内、直腸内、又は局所の投与用に製剤される、請求項19に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス進入と免疫回避とに関与するものを含めて単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾mRNAを含む、性器ヘルペスの予防及び治療のための組成物並びにその使用方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
性器ヘルペスワクチンは、痛み及び苦痛を予防し、新生児ヘルペスの発生を低減し、かつ、HIV獲得及び性器感染を伴って起こる伝染のリスクを低下させることが至急要望されている。世界中でおよそ5億人が、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、性器ヘルペスを惹起するウイルスに感染している。一部の個体では、感染により痛みのある再発性の性器潰瘍を結果として生じる一方で、他の個体では、感染は静穏なままである。どちらの環境においても、感染した個体は、彼らの親密なパートナーに対してウイルス感染させ得る。性器ヘルペスにより、感染者が性交時に曝露すればHIVを獲得することとなるリスクが増大する。性器ヘルペスのワクチンは至急要望されており、いまだ利用可能なものはない。
【0003】
キロン社(Chiron Corp.)は、アジュバントとしてのMF59と共に与えられる、ウイルス進入に関与する2つのHSV-2糖タンパク質である、糖タンパク質B(gB2)及びD(gD2)を含有する予防ワクチンを調査した。このワクチンは、免疫化後はじめの5ヶ月にわたって、感染の発症を遅延させたが、血清陰性のパートナーはHSV-2感染から保護されなかった。グラクソスミスクライン社(GlaxoSmithKline)(GSK)は、アジュバントとしてモノホスホリル脂質A(MPL)及びミョウバンを含むgD2抗原を用いた予防ワクチンを評価した。全体的に、HSV-1及びHSV-2に二重に血清陰性の女性のサブグループにおいて有意な保護が認められたが、生殖器病変に対する保護は検出されなかった。性器ヘルペスに対する全体的な保護が見られなかった二重に血清陰性の女性に、追跡試験を実行した;しかしながら、ワクチンは、HSV-1に対して有効であった。HSV-1は対照群において性器ヘルペス感染の60%を占めていたことを理由に、この結果は注目に値した。これら研究は、HSV-2侵入を遮断するワクチンを狙うには十分でなかったことを示す。
【0004】
HSV-1及びHSV-2のgCは、補体カスケードの制御因子として機能する免疫回避分子である。補体活性化の間に、最も豊富である補体タンパク質C3がC3bに切断されて、ウイルス中和と感染細胞の溶解とを導く膜傷害性複合体を活性化する。C3bは、B-細胞応答及びT-細胞応答を刺激して、自然免疫と獲得免疫とのつながりとしての機能を果たす。HSV-1及びHSV-2のgCは、C3bを結合してC3bが介する活性を阻害する。gC1及びgC2を用いた免疫化により、糖タンパク質に結合してその免疫回避機能を遮断する抗体を産生する。
【0005】
HSV-1及びHSV-2の糖タンパク質E(gE)は、IgG分子であってそれの標的にそのF(ab’)2ドメインによって結合するIgG分子のFcドメインを結合することによって免疫回避分子として機能する。gE2サブユニット抗原を含有するワクチンは、gE2に結合してその免疫回避機能を遮断する抗体を産生する。HSV-2のgC2及びgE2は、哺乳類の補体及びIgGのFc制御タンパク質に類似の活性を果たすが、哺乳類受容体と配列相同性を共有せず、これは免疫化が自己免疫を誘導することとなる危険性がないことを事実上示唆する。
【0006】
我々の実験室よりのこれまでの研究で、gC、gD及びgEを含有するワクチンを試験し、こうしたワクチンがHSV感染に対する保護を提供することを見出した。しかしながら、HSVのgC、gD及びgEをコードするmRNAワクチンが、HSV感染に対する保護に有効となるかどうかはわかっていない。
【0007】
ワクチンとして核酸を用いることには、複数の利点がある。核酸ワクチンは、液性免疫応答及び細胞性免疫応答の両方を誘導可能であり;低有効投与量であり;取り扱いが簡単で;急速な検査に役立ち;大規模な製造及び単離の点で費用対効果が高く再現可能であり;高頻度で産生可能で単離しやすく;従来のワクチンよりも温度安定性であり;貯蔵期間が長く;保存及び輸送がし易く;コールドチェーンを必要とすることはないようである(Shedlock & Weiner, J Leukocyte Biol. Vol 68, 2000)。
【0008】
原則として、外来性のDNAやRNAはいずれも哺乳類の身体においてタンパク質を発現可能である。DNA及びmRNA発現による両タンパク質を用いて同様の免疫活性を生じることが可能であるか否かは、不明である。DNAは、その安定性及び使い易さのために、ワクチンの作製及び遺伝子療法より優れているというのが定説である。
【0009】
DNAは、ワクチンにおいてうまく用いられてきた。DNAは、かなり安定かつ非反応性であり、長期間保存可能である。しかしながら、DNAは、自己複製し、紫外線照射によって容易に損傷し得る。DNAに基づくワクチンはまた、ゲノムへのDNAの起こり得る挿入、遺伝子の起こり得る中断及び抗DNA抗体の形成が原因で、安全性に対する懸念を引き起こすものでもあり得る。
【0010】
RNAワクチンは、重要な安全上の特徴を呈する。RNAは、DNAよりも反応性が高く、不安定であるが、紫外線照射に耐性がある。mRNAは宿主の染色体内に組み込まれない。mRNAの送達により、関心の抗原のより速い発現を結果として生じ、発現のために必要であるコピー数はより少ない。mRNA発現は一過性であり、これはその安全性を大きくする。mRNAは、DNAが核メンバー及び形質膜を介したトランスロケーションを必要とする一方でmRNAは形質膜のみを介したトランスロケーションを必要とすることを理由に、有糸核分裂後で非分裂性の細胞内でのタンパク質産生に関して、DNAより有効である。mRNAは翻訳のための鋳型であるだけでなくToll様受容体のリガンドとしても作用し、またヌクレアーゼ感受性であり;そのため、水平伝染に関する懸念はあまりない。
さらに、RNAワクチンは、アジュバント活性及び抗原発現をエレガントに組み込み、それによってウイルス感染の関連性のある様相を模倣する。このことが、アジュバントの使用を必要とする不活性化ワクチンと比較してRNAワクチンの効能を増大させ、取り扱いと産生とが簡単化する。RNAは、Toll様受容体3、7、及び8、RIG-I、MDA5、PKR、並びに相乗的に作用し抗原特異性の適応B細胞応答及びT細胞応答の誘発を高める働きをし得る他の受容体を含む、ある範囲の特化された免疫性パターン認識受容体に対処可能である。重要なことには、トランスフェクト宿主細胞における抗原合成によって、mRNAワクチンが細胞抗原のプロセシング及び提示経路に抗原を直接導入し、MHC分子への接近を確立して、宿主MHCハプロタイプに関係なくT細胞応答を誘発する。これにより、B細胞を含めて、他の免疫応答と共に相乗的に作用し得るポリクローナルT細胞応答の誘発が可能になる。また、内因性の抗原産生が、免疫原性に積極的に影響し得る、忠実な翻訳後修飾(例えば、タンパク質プロセシング、グリコシレーション等)を確実にする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Shedlock & Weiner, J Leukocyte Biol. Vol 68, 2000
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態においては、本発明は、1又は複数のヌクレオシド修飾mRNAを含む組成物であって、前記ヌクレオシド修飾mRNAのそれぞれが、単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記ヌクレオシド修飾mRNAは、1又は複数のプソイドウリジン残基を含むものである、組成物を提供する。
【0013】
別の実施形態においては、本発明は、1又は複数のヌクレオシド修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれが、単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記ヌクレオシド修飾mRNAは1-メチルプソイドウリジンを含むものである、組成物を提供するものであって、当該プソイドウリジン残基は、macpΨ(1-メチル-3-(3-アミノ-5-カルボキシプロピル)プソイドウリジン、mΨ(1-メチルプソイドウリジン)、Ψm(2’-O-メチルプソイドウリジン、mD(5-メチルジヒドロウリジン)、mΨ(3-メチルプソイドウリジン)、又はこれらの任意の組合せを含む。
【0014】
別の実施形態においては、本発明は、1又は複数のプソイドウリジン残基を含む修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれが、a)HSV糖タンパク質D(gD)若しくはその免疫原性断片、b)HSV糖タンパク質C(gC)若しくはその免疫原性断片、c)HSV糖タンパク質E(gE)若しくはその免疫原性断片、又はこれらの任意の組合せをコードするものである、組成物を提供する。
【0015】
別の実施形態においては、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を治療する方法であって、前記対象に、1又は複数の修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記修飾mRNAはプソイドウリジン残基を含むものである、組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0016】
別の実施形態においては、本発明は、対象における免疫応答を誘導する方法であって、前記対象に、1又は複数の修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記修飾mRNAはプソイドウリジン残基を含むものである、組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0017】
さらなる実施形態においては、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染の発生を抑制、阻害、又は低減する方法であって、前記対象に、1又は複数の修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれがHSV糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記修飾mRNAはプソイドウリジン残基を含むものである、組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0018】
さらに別の実施形態においては、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を治療する方法であって、前記対象に、a)HSV糖タンパク質D(gD)若しくはその免疫原性断片、b)HSV糖タンパク質C(gC)若しくはその免疫原性断片、c)HSV糖タンパク質E(gE)若しくはその免疫原性断片、又はこれらの任意の組合せをコードする1又は複数の修飾mRNAを含む組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0019】
またさらなる実施形態においては、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染の発生を抑制、阻害、又は低減する方法であって、前記対象に、1から3の修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれが、a)HSV糖タンパク質D(gD)若しくはその免疫原性断片、b)HSV糖タンパク質C(gC)若しくはその免疫原性断片、及びc)HSV糖タンパク質E(gE)若しくはその免疫原性断片、又はこれらの任意の組合せをコードするものである、組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明の詳細な説明の実施例及び図面から明らかになることとなる。しかしながら、当業者にとっては、この発明の詳細な説明から、発明の趣旨及び範囲内における種々の変更及び変形が明らかになることとなるため、発明の詳細な説明及び具体的な実施例は、発明の好ましい実施形態を示しつつ、説明のみとして与えられるものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示の特定の態様をさらに実証するために含まれて、その発明は、本明細書に示す特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせてこれら図面のうちの1又は複数を参照することによってより良好に理解することができる。特許又は出願のファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含有する。カラー図面を含む本特許又は本願の公報の写しは、申請して必要な手数料を納付すれば、特許庁により提供されることとなる。
【0022】
図1図1Aから1Cは、Vero細胞におけるgC2-、gD2-、及びgE2-修飾mRNAのエクトドメインの翻訳後産物の特徴決定である。
【0023】
図1Aは、修飾mRNAによるgC2の発現を示すウエスタンブロットである。
【0024】
図1Bは、修飾mRNAによるgD2の発現を示すウエスタンブロットである。
【0025】
図1Cは、修飾mRNAによるgE2の発現を示すウエスタンブロットである。
【0026】
図2図2Aは、gD2 mRNA;又は異なる皮内部位においてそれぞれ与えられる、gC2 mRNA、gD2 mRNA及びgE2 mRNA(三価-I);又は組合せで与えられる、gC2 mRNA、gD2 mRNA及びgE2 mRNA(三価-C)、で免疫化したマウスにおける、抗原特異性ELISAにより決定したgC2抗体(Ab)応答である。Iは第一の免疫化を示し;IIは第二の免疫化を示す。
【0027】
図2Bは、gD2 mRNA;又は異なる皮内部位においてそれぞれ与えられる、gC2 mRNA、gD2 mRNA及びgE2 mRNA(三価-I);又は組合せで与えられる、gC2 mRNA、gD2 mRNA及びgE2 mRNA(三価-C)、で免疫化したマウスにおける、抗原特異性ELISAにより決定したgD2 Ab応答である。Iは第一の免疫化を示し;IIは第二の免疫化を示す。
【0028】
図2Cは、gD2 mRNA;又は異なる皮内部位においてそれぞれ与えられる、gC2 mRNA、gD2 mRNA及びgE2 mRNA(三価-I);又は組合せで与えられる、gC2 mRNA、gD2 mRNA及びgE2 mRNA(三価-C)、で免疫化したマウスにおける、抗原特異性ELISAにより決定したgE2 Ab応答である。Iは第一の免疫化を示し;IIは第二の免疫化を示す。
【0029】
図3図3Aは、mRNAワクチン接種されたマウスにおける抗原特異性IgG1応答である。IgG1応答に関して、第一及び第二の免疫化後に抗体を評価した。Iは第一の免疫化を示し;IIは第二の免疫化を示す。
【0030】
図3Bは、mRNAワクチン接種されたマウスにおける抗原特異性IgG2a応答である。IgG2a応答に関して、第一及び第二の免疫化後に抗体を評価した。Iは第一の免疫化を示し;IIは第二の免疫化を示す。
【0031】
図4図4は、mRNAワクチン接種されたマウスにおける中和抗体価である。第二の免疫化後、血清の50%エンドポイントの中和価を得た。力価は、10%ヒト補体を用いて行った。三価-Iの動物は、異なる部位においてそれぞれ与えられるgC2/リポソームナノ粒子(LNP)、gD2/LNP、及びgE2/LNPで免疫化した。三価-Cの動物は、単一のLNPに合わせたgC2、gD2及びgE2で免疫化した。P値は、50%エンドポイントの中和価を比較して、以下のとおりであった:三価-I対gD2でp=0.04;三価-C対gD2でp=0.002;三価-I対三価-Cで、p-0.026。
【0032】
図5図5は、異なる皮内部位においてそれぞれ投与される、gC2、gD2及びgE2 mRNAに対するCD4T細胞応答である。サブユニット抗原糖タンパク質(図5A)で、又はHSV-2特異性T細胞応答を刺激する11個の重複アミノ酸を伴う15個のアミノ酸ペプチド(図5B)で、脾細胞を刺激した。*は、gC、gD又はgEをPBS刺激CD4T細胞又はDMSO刺激CD4T細胞と比較したp<0.05(t検定)を示す。エラーバーはSDを表す。
【0033】
図6図6は、異なる皮内部位においてそれぞれ投与される、gC2、gD2及びgE2 mRNAに対するCD8T細胞応答である。サブユニット抗原糖タンパク質(図6A)で、又はHSV-2特異性T細胞応答を刺激する11個の重複アミノ酸を伴う15個のアミノ酸ペプチド(図B)で、脾細胞を刺激した。*は、gEプール2をDMSO対照と比較したp<0.05を示す。エラーバーはSDを表す。
【0034】
図7図7Aは、28日の間隔で2回mRNAにより免疫化してHSV-2で膣内にチャレンジしたBALB/cマウスの生存率である。三価-Iは、異なる皮内部位においてそれぞれ与えられる、gC2/LNP、gD2/LNP、及びgE2/LNPで免疫化した動物を表す。三価-Cは、免疫化のために単一のLNPに合わせたgC2、gD2及びgE2で免疫化した動物を表す。
【0035】
図7Bは、28日の間隔で2回mRNAにより免疫化してHSV-2で膣内にチャレンジしたBALB/cマウスの、体重減少(-)又は増加(+)及び神経学的徴候である。三価-Iは異なる皮内部位においてそれぞれ与えられる、gC2/LNP、gD2/LNP、及びgE2/LNPで免疫化した動物を表す。三価-Cは、免疫化のために単一のLNPに合わせたgC2、gD2及びgE2で免疫化した動物を表す。
【0036】
図8図8Aから8Bは、HSV-2による膣内チャレンジ後のmRNAワクチン接種されたマウスにおける膣のウイルス力価である。膣スワブ力価は、チャレンジ後の2日目(図8A)及び4日目(図B)に取得した。点線は、7PFU/mlでのアッセイの検出限界を示す。
【0037】
図9図9は、HSV-2膣内チャレンジ後のmRNAワクチン接種されたマウスにおける生殖器疾患である。マウスは、対照としての多価Cで、又はgD2 mRNA/LNP、各糖タンパク質mRNAについて別個の部位における三価(三価-I)又は3つ全てのmRNAを組み合わせた三価(三価-C)で免疫化した。28日間、生殖器疾患を得点付けした。多価C群の全動物が10日目までに死亡した。***は、多価C群を他の3群と比較したp<0.001を示す。
【0038】
図10図10は、チャレンジ後4日目のmRNAワクチン接種されたマウスの後根神経節(DRG)におけるHSV-2 DNAのコピー数である。DRGにおけるHSV-2 DNAは、qPCRで測定した。群あたり4~5匹の動物よりのDRGを、チャレンジ後4日目にHSV-2 DNAに関して評価した。バーは群あたりの平均値を表す。
【0039】
図11図11Aでは、三価mRNA-LNPワクチンが、マウスにおける強力な濾胞性ヘルパーT細胞応答を誘導する。BALB/cメスマウスを、ナイーブ対照動物として免疫化しないままにし、又は多価C mRNA-LNP、又は三価修飾mRNA-LNPで、28日の間隔で2回皮内に免疫化した。多価C mRNA対照は、4アリコートに分割し4つの別個の部位において投与される10μgの多価C mRNA-LNPを受けた。三価修飾mRNA群は、それぞれ2アリコートに分けてそれぞれ2つの部位において与えられる10μgのgC2 mRNA-LNP、10μgのgD2 mRNA-LNP及び10μgのgE2 mRNA-LNPを受けた。第二の免疫化後2週間で、群あたり5匹の動物から脾臓を採取し、フローサイトメトリーを実行して濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞応答を検出した(p<0.05)。
【0040】
図11Bでは、三価mRNA-LNPワクチンが、マウスにおける強力な胚中心B細胞応答を誘導する。BALB/cメスマウスを、ナイーブ対照動物として免疫化しないままにし、又は多価C mRNA-LNP、又は三価修飾mRNA-LNPで、28日の間隔で2回皮内に免疫化した。多価C mRNA対照は、4アリコートに分割し4つの別個の部位において投与される10μgの多価C mRNA-LNPを受けた。三価修飾mRNA群は、それぞれ2アリコートに分けてそれぞれ2つの部位において与えられる10μgのgC2 mRNA-LNP、10μgのgD2 mRNA-LNP及び10μgのgE2 mRNA-LNPを受けた。第二の免疫化後2週間で、群あたり5匹の動物から脾臓を採取し、フローサイトメトリーを実行して胚中心B細胞応答を検出した(p<0.05)。
【0041】
図12図12AからCは、生殖器粘膜IgG抗体応答である。BALB/cマウスを、10μgの多価C mRNA-LNP、10μgのgD2 mRNA-LNP、又はそれぞれ10μgのgC2、gD2、gEの三価修飾mRNA-LNPで、28日の間隔で2回皮内に免疫化した。三価mRNAは、LNPに合わせて、4アリコートに分けて4つの部位において与えられる、10μgのgC2 mRNA及び10μgのgD2 mRNA及び10μgのgE2 mRNAとして、組み合わせて投与した。第二の免疫化後1ヶ月で、60μlの培地を膣腔内に導入して回収した。IgGの力価を、膣洗浄液の1:50希釈で、gC2(図12A)、gD2(図12B)、及びgE2(図12C)に対してELISAにより決定した(多価C群でn=10マウス、gD2 mRNA群でn=10、及び三価mRNA群でn=25;***p<0.001;**p<0.01)。
【0042】
図13図13では、三価mRNA-LNPワクチンが、gC2が補体成分C3bに結合するのをブロックする抗体を産生する。BALB/cマウスを、非免疫IgGソースとして免疫化しないままにし、又は多価C mRNA-LNP若しくは三価mRNA-LNPで皮内に免疫化した。多価C mRNA対照は、4アリコートに分けて4つの別個の部位において投与される10μgの多価C mRNA-LNPを受けた。gD2 mRNA群は、多価C mRNA-LNPについて説明したとおり投与される10μgのgD2 mRNA-LNPを受けた。三価修飾mRNA群は、LNPに合わせて、4アリコートに分けて4つの部位において与えられる10μgのgC2 mRNA-LNP、10μgのgD2 mRNA-LNP、及び10μgのgE2 mRNA-LNPを受けた。各群は、10匹のマウスであった。10匹のマウスよりの血清を貯留し、IgGを精製した。このIgGを、補体成分C3bのgC2への結合をブロックするその能力に関して12μg/200μlで評価した(****p<0.0001)。
【0043】
図14-1】図14Aから14Fでは、三価mRNAワクチンは、当該ワクチンが筋肉内に投与されたときにマウスにおいて目立った保護を提供する。BALB/cマウスは、対照(15/群)として多価C mRNA-LNPで、又はそれぞれ10μgのgC2、gD2及びgE2 mRNA-LNPを含有する三価mRNAで(20/群)、筋肉内に免疫化した。図14Aは、マウス生存率のデータを表し、;図14Bは体重減少のデータを表し;図14Cは生殖器疾患のデータを表す。DRGを、9匹の多価C動物より、感染後7日目から12日目の間の安楽死時に採取し、又は三価mRNA群において28日目の実験終了時に採取した。図14Dは、DRGのHSV-2 DNAデータを表す。図14Eは、2日目の膣ウイルス培養物のデータを表し、図14Fは、4日目の膣ウイルス培養物のデータを表す。多価C群と三価群との相違は有意であり、図14A~14Fではp<0.001であった。
図14-2】図14Aから14Fでは、三価mRNAワクチンは、当該ワクチンが筋肉内に投与されたときにマウスにおいて目立った保護を提供する。BALB/cマウスは、対照(15/群)として多価C mRNA-LNPで、又はそれぞれ10μgのgC2、gD2及びgE2 mRNA-LNPを含有する三価mRNAで(20/群)、筋肉内に免疫化した。図14Aは、マウス生存率のデータを表し、;図14Bは体重減少のデータを表し;図14Cは生殖器疾患のデータを表す。DRGを、9匹の多価C動物より、感染後7日目から12日目の間の安楽死時に採取し、又は三価mRNA群において28日目の実験終了時に採取した。図14Dは、DRGのHSV-2 DNAデータを表す。図14Eは、2日目の膣ウイルス培養物のデータを表し、図14Fは、4日目の膣ウイルス培養物のデータを表す。多価C群と三価群との相違は有意であり、図14A~14Fではp<0.001であった。
【0044】
図15図15Aから15Cでは、三価mRNAワクチンが、モルモット生殖器感染モデルにおいて高度に有効である。Hartley株メスモルモットを、免疫化せず感染させないままとし(ナイーブ群、n=10)、20μgの多価C mRNA-LNP(n=10)で又はそれぞれ20μgのgC2、gD2、gE修飾mRNA-LNP(n=10)で、1ヶ月間隔で3回皮内に免疫化した。最終免疫化後1ヶ月に、多価C群及び三価mRNA群の動物を5×10PFUのHSV-2株MSで膣内に感染させた(50LD50)。死亡、感染の急性期(1~14日目)における生殖器病変、及び感染の再発期(15~60日目)における生殖器病変について、動物を観察した。図15Aは、生存率のデータを表し、;図15Bは膣疾患(急性期)のデータを提供し;また図15Cは膣疾患(再発期)のデータを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0045】
組成物
一実施形態においては、本発明は、1又は複数の修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれが、単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードするものである、組成物を提供する。
【0046】
一実施形態においては、本発明は、1又は複数のヌクレオシド修飾mRNAを含む組成物であって、当該修飾mRNAのそれぞれが、単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記修飾mRNAは、1又は複数のプソイドウリジン若しくはプソイドウリジンファミリー残基を含むものである、組成物を提供する。
【0047】
一実施形態においては、HSV糖タンパク質は、糖タンパク質D(gD)、糖タンパク質C(gC)、糖タンパク質E(gE)、糖タンパク質B(gB)、糖タンパク質H(gH)、糖タンパク質L(gL)、糖タンパク質I(gI)、又はこれらの組合せを含む。
【0048】
すなわち、一実施形態においては、本発明は、HSVのgD、gC、gE、gB、gH、gL、gI、若しくはその免疫原性断片をコードする1又は複数の修飾mRNAを含む組成物を提供する。一実施形態においては、修飾mRNAはプソイドウリジン修飾mRNAを含む。
【0049】
一実施形態においては、本発明は、HSVのgD又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSVのgC又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSVのgE又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSVのgB又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSVのgH又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSVのgL又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSVのgI又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。
【0050】
一実施形態においては、本発明は、(a)HSVのgD又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSVのgC又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0051】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSVのgD又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSVのgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0052】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSVのgC又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSVのgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0053】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSVのgD又はその断片をコードする修飾mRNA、(b)HSVのgC又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(c)HSVのgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0054】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSVのgD又はその断片をコードする修飾mRNA、(b)HSVのgC又はその断片をコードする修飾mRNA、(c)HSVのgE又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(d)HSVのgB又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0055】
一実施形態においては、HSV糖タンパク質は、HSV-2糖タンパク質である。別の実施形態においては、HSV糖タンパク質は、HSV-1糖タンパク質である。一実施形態においては、HSV糖タンパク質は、HSV-2糖タンパク質及びHSV-1糖タンパク質の両方を含む。別の実施形態においては、HSV糖タンパク質は、HSV-2糖タンパク質及びHSV-1糖タンパク質の混合物を含む。
【0056】
一実施形態においては、本発明は、HSV-2のgD又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-2のgC又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-2のgE又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-2のgE又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-2のgB又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-2のgH又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-2のgL又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-2のgI又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。
【0057】
一実施形態においては、本発明は、(a)HSV-2のgD又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSV-2のgC又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0058】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSV-2のgD又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSV-2のgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0059】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSV-2のgC又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSV-2のgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0060】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSV-2のgD又はその断片をコードする修飾mRNA、(b)HSV-2のgC又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(c)HSV-2のgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0061】
一実施形態においては、本発明は、HSV-1のgD又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-1のgC又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-1のgE又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-1のgE又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-1のgB又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-1のgH又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-1のgL又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。別の実施形態においては、本発明は、HSV-1のgI又はその断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。
【0062】
一実施形態においては、本発明は、(a)HSV-1のgD又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSV-1のgC又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0063】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSV-1のgD又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSV-1のgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0064】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSV-1のgC又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(b)HSV-1のgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0065】
別の実施形態においては、本発明は、(a)HSV-1のgD又はその断片をコードする修飾mRNA、(b)HSV-1のgC又はその断片をコードする修飾mRNA、及び(c)HSV-1のgE又はその断片をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。
【0066】
一実施形態においては、本明細書に記載の組成物のいずれかは、本質的に1又は複数の修飾mRNAからなるものであって、前記修飾mRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードする。別の実施形態においては、本明細書に記載の組成物のいずれかは、1又は複数の修飾mRNAからなるものであって、前記修飾mRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードする。
【0067】
別の実施形態においては、本発明は、HSVのgDタンパク質をコードする修飾mRNA、HSVのgCタンパク質をコードする修飾mRNA、HSVのgEタンパク質をコードする修飾mRNA、及び1又は複数のさらなるHSV糖タンパク質をコードする修飾mRNA、を含む組成物を提供する。一実施形態においては、前記さらなるHSV糖タンパク質は、gB若しくはその免疫原性断片、gH若しくはその免疫原性断片、gL若しくはその免疫原性断片、gI若しくはその免疫原性断片、又はこれらの任意の組合せを含む。一実施形態においては、前記さらなるHSV糖タンパク質は、糖タンパク質M(gM)、糖タンパク質N(gN)、糖タンパク質K(gK)、糖タンパク質G(gG)、糖タンパク質J(gJ)、又はその免疫原性断片を含む。
【0068】
一実施形態においては、本発明の及び本発明の方法において使用する組成物は、HSV-2糖タンパク質又は糖タンパク質断片とHSV-1糖タンパク質又は糖タンパク質断片との両方を含む。別の実施形態においては、本発明の及び本発明の方法において使用する組成物は、HSV-2の糖タンパク質又は糖タンパク質断片とHSV-1の糖タンパク質又は糖タンパク質断片との混合物を含む。例えば、一実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-2のgC、HSV-1のgD、及びHSV-2のgE、またはその断片を含む。別の実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-1のgC、HSV-2のgD、及びHSV-2のgE又はその断片を含む。別の実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-2のgC、HSV-2のgD、及びHSV-1のgE、又はその断片を含む。別の実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-1のgC、HSV-1のgD、及びHSV-2のgE、又はその断片を含む。別の実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-1のgC、HSV-2のgD、及びHSV-1のgE、又はその断片を含む。別の実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-2のgC、HSV-1のgD、及びHSV-1のgE、又はその断片を含む。
【0069】
別の実施形態においては、本発明の組成物は、本明細書に記載するように、1又は複数のさらなるHSV-1糖タンパク質若しくはHSV-2糖タンパク質又はHSV-1及びHSV-2の糖タンパク質の両方を含む。例えば、一実施形態においては、HSV-2のgC、HSV-1のgD、及びHSV-2のgEを含む本発明の組成物は、HSV-1のgIをさらに含んでもよい。別の実施形態においては、HSV-2のgC、HSV-2のgD、及びHSV-2のgEを含む本発明の組成物は、HSV-1のgBをさらに含んでもよい。HSV-1及びHSV-2の糖タンパク質のあり得る組合せのそれぞれが、本発明の個々の実施形態を表す。
【0070】
一実施形態において、「コードすること」は、関心のタンパク質をコードする遺伝子を含有するRNA分子を指す。別の実施形態においては、RNA分子は、関心のタンパク質をコードするタンパク質コード配列を含む。別の実施形態においては、1又は複数の他のタンパク質もコードされる。別の実施形態においては、関心のタンパク質が、コードされる唯一のタンパク質である。各可能性が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0071】
別の実施形態において、「免疫原性断片」は、免疫原性であり、かつ、対象に投与されたときに防御免疫応答を誘発するタンパク質の一部分を指す。
【0072】
一実施形態においては、「免疫原性」又は「免疫原性の」は、本明細書において、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体が動物に投与される場合に、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体がもつ動物における免疫応答を誘発する生得の能力を指す。ゆえに、一実施形態において「免疫原性を促進すること」は、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体が動物に投与される場合に、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体がもつ動物における免疫応答を誘発する能力を増大することを指す。タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体がもつ免疫応答を誘発する能力の増大は、一実施形態においては、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体に対する抗体数の増大、抗原又は有機体に対する抗体の多様性の増大、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体に特異なT細胞数の増大、タンパク質、ペプチド、核酸、抗原又は有機体に対する細胞傷害性又はヘルパーT細胞応答の増大等によって測定可能である。
【0073】
一実施形態においては、免疫原性ポリペプチドはまた抗原性である。「抗原性」は、別の実施形態において、例えば免疫グロブリン(抗体)又はT細胞抗原受容体である、免疫系の抗原認識分子と特異的に相互作用することが可能なペプチドを指す。抗原ペプチドは、別の実施形態において、少なくとも約8個のアミノ酸(AA)のエピトープを含有する。本明細書で一実施形態においてはエピトープとも呼ばれるポリペプチドの抗原性部分は、抗体若しくはT細胞受容体認識のために免疫優勢であるその部分とすることが可能であり、又は、抗原性部分を免疫化のためにキャリアポリペプチドに接合することによって、分子に対する抗体を生成するために用いられる部分とすることが可能である。抗原性である分子は、それ自体が免疫原性、すなわちキャリアなしで免疫応答を誘発することが可能、である必要はない。
【0074】
一実施形態においては、この発明の意味の範囲内の「機能」は、タンパク質、ペプチド、核酸、その断片又は変異体がもつ生物学的活性又は機能を呈する生得の能力を指す。一実施形態においては、こうした生物学的機能は、例えば膜結合性受容体である、相互作用の相手に対するその結合特性であり、別の実施形態においては、その三量体形成特性である。この発明の機能断片及び機能変異体の場合では、これら生物学的機能は、例えばそれらの特異性又は選択性に応じて実際には変化してもよいが、基本的な生物学的機能は保持した状態である。
【0075】
一実施形態においては、「断片」の語は、本明細書においては、完全長のタンパク質若しくはポリペプチドよりも短いものである又は少ないアミノ酸を含む、タンパク質又はポリペプチドを指すために用いられる。別の実施形態においては、断片は、完全長の核酸よりも短いものである又は少ないヌクレオチドを含むタンパク質断片をコードする核酸を指す。別の実施形態においては、断片は、N末端断片である。別の実施形態においては、断片は、C末端断片である。一実施形態においては、断片は、タンパク質、ペプチド、又は核酸の配列内セクションである。別の実施形態においては、断片は、タンパク質、ペプチド、又は核酸の免疫原性の配列内セクションである。別の実施形態においては、断片は、タンパク質、ペプチド、又は核酸の範囲内の機能性の配列内セクションである。別の実施形態においては、断片はN末端の免疫原性断片である。一実施形態においては、断片はC末端の免疫原性断片である。別の実施形態においては、断片はN末端の機能断片である。別の実施形態においては、断片はC末端の機能断片である。別の実施形態においては、断片は、共に結合するタンパク質の片又は共に結合する複数のタンパク質の片を含有する。
【0076】
ゆえに、一実施形態においては、本発明に記載されるタンパク質の「免疫原性断片」は、免疫原性であり、一部の実施形態において及び別の実施形態においては、対象に投与された場合に防御免疫応答を誘発する、タンパク質の一部分を指す。
【0077】
別の態様においては、本発明は、修飾mRNAを含む組成物を提供し、前記修飾mRNAのそれぞれが、a)HSV糖タンパク質D(gD)若しくはその免疫原性断片、b)HSV糖タンパク質C(gC)若しくはその免疫原性断片、c)HSV糖タンパク質E(gE)若しくはその免疫原性断片、又はこれらの任意の組合せをコードする。
【0078】
一実施形態においては、本発明は、HSVのgD又はその免疫原性断片をコードする修飾mRNA、HSVのgC又はその免疫原性断片をコードする修飾mRNA、及びHSVのgE又はその免疫原性断片をコードする修飾mRNAを含む組成物を提供する。
【0079】
一実施形態においては、gD-1をコードする修飾mRNAの組成物は、HSV-1感染に対して防御的である。また、gC-1/gD-1/gE-1をコードする修飾mRNAの組み合わせ組成物は、gC-1を単独で、gD-1を単独で、又はgE-1を単独でコードする修飾mRNAを含有する組成物と比較して、優れた防御を与える。また、本明細書において提供するように、gD-2をコードする修飾mRNAの組成物は、HSV-2感染に対して防御的である(図7から10)。また、gC-2/gD-2/gE-2をコードする修飾mRNAの組み合わせ組成物は、gC-2を単独で、gD-2を単独で、又はgE-2を単独でコードする修飾mRNAを含有する組成物と比較して、優れた防御を与える。
【0080】
別の実施形態においては、本発明の組成物にgCをコードする修飾mRNA及び/又はgEをコードする修飾mRNAを含むことで、当該組成物によって誘発される抗-gD抗体の効果が増大する。別の実施形態においては、本発明の組成物にgCをコードする修飾mRNA及び/又はgEをコードする修飾mRNAを含むことで、gDが細胞受容体に結合するのを阻害する抗体を誘発するのに必要とされる、gDをコードする修飾mRNAの用量が増える。別の実施形態においては、本発明の組成物にgCをコードする修飾mRNA及び/又はgEをコードする修飾mRNAを含むことで、gDをコードする修飾mRNAが、gCタンパク質又はgEタンパク質をコードする修飾mRNAとは別に投与される場合に、gDが細胞受容体に結合するのを阻害する抗体を誘発するのに必要とされる、gDをコードする修飾mRNAの用量が減る。
【0081】
別の実施形態においては、本発明の組成物にgCをコードする修飾mRNA及び/又はgEをコードする修飾mRNAを含むことで、自然免疫応答の効果を高める。別の実施形態においては、自然免疫応答は抗体媒介性の免疫応答である。別の実施形態においては、自然免疫応答は非抗体媒介性の免疫応答である。別の実施形態においては、自然免疫応答はNK(ナチュラルキラー)細胞応答である。別の実施形態においては、自然免疫応答は、当技術分野で公知のその他の自然免疫応答である。
【0082】
別の実施形態においては、本発明の組成物にgCをコードする修飾mRNA及び/又はgEをコードする修飾mRNAを含むことで、上記の糖タンパク質のうちの1つに対する、組成物によって誘発される抗体の効果が増大する。別の実施形態においては、本発明の組成物にgCをコードする修飾mRNA及び/又はgEをコードする修飾mRNAを含むことで、糖タンパク質のうちの1つが他の糖タンパク質のうちの1つとは別に投与される場合に、糖タンパク質がその細胞受容体に結合するのを阻害する抗体を誘発するのに必要とされる、上記の糖タンパク質のうちの1つの用量が減る。
糖タンパク質D
【0083】
一実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-1のgDタンパク質をコードする修飾mRNAを含む。別の実施形態においては、組成物は、HSV-1のgDタンパク質の断片をコードする修飾mRNAを含む。
【0084】
一実施形態においては、HSV-1のgDの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、以下を含む:
【化1】
【化2】
【化3】
【0085】
一実施形態においては、全てのウリジン残基が1-メチル-プソイドウリジンである。一実施形態においては、下線の残基は5’非翻訳配列を表す。一実施形態においては、太字の残基はgD1断片の発現を補助するシグナル配列(リーダー配列)を表す。一実施形態においては、斜体の残基は3’非翻訳配列及びポリアデニル化尾部を表す。
【0086】
別の実施形態においては、HSV-1のgDの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、5’非翻訳配列、シグナル配列、3’非翻訳配列、ポリアデニル化尾部、又はこれらの組合せを欠いている。
【0087】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-1のgDの断片は、以下のアミノ酸配列に明記するHSV-1のPatton株よりのgDのアミノ酸26~331を含む:KYALADASLKMADPNRFRGKDLPVLDQLTDPPGVRRVYHIQAGLPDPFQPPSLPITVYYAVLERACRSVLLNAPSEAPQIVRGASEDVRKQPYNLTIAWFRMGGNCAIPITVMEYTECSYNKSLGACPIRTQPRWNYYDSFSAVSEDNLGFLMHAPAFETAGTYLRLVKINDWTEITQFILEHRAKGSCKYALPLRIPPSACLSPQAYQQGVTVDSIGMLPRFIPENQRTVAVYSLKIAGWHGPKAPYTSTLLPPELSETPNATQPELAPEDPEDSALLEDPVGTVAPQIPPNWHIPSIQDAATPY(配列番号2)
【0088】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされる完全長のHSV-1のgDは、以下のアミノ酸配列を含む:MGGAAARLGAVILFVVIVGLHGVRGKYALADASLKLADPNRFRRKDLPVLDQLTDPPGVRRVYHIQAGLPDPFQPPSLPITVYYAVLERACRSVLLNAPSEAPQIVRGASEDVRKQPYNLTIAWFRMGGNCAIPITVMEYTECSYNKSLGACPIRTQPRWNYYDSFSAVSEDNLGFLMHAPAFETAGTYLRLVKINDWTEITQFILEHRAKGSCKYALPLRIPPSACLSPQAYQQGVTVDSIGMLPRFIPENQRTVAVYSLKIAGWHGPKAPYTSTLLPPELSETPNATQPELAPEAPEDSALLEDPVGTVAPQIPPNWHIPSIQDAATPYHPPATPNNMGLIAGAVGGSLLAALVICGIVYWMRRRTQKAPKRIRLPHIREDDQPSSHQPLFY(配列番号3)
【0089】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-1のgDは、以下のGenBank寄託番号のうちのいずれか1つに明記するアミノ酸配列を含む:AAL90884.1(KHS2株)、AAL90883.1(KHS1株)、AAK93950.1(F株)、AAB59754.1(F株)、AAA19631.1(同定されていない変異体株)、AAA19630.1(同定されていない変異体株)、又はAAA19629.1(同定されていない株)。
【0090】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-1のgDは、以下のGenBank寄託番号のうちのいずれかに明記するアミノ酸配列を含む:A1Z0Q5.2、AAA45780.1、AAA45785.1、AAA45786.1、AAA96682.1、AAK19597.1、AAN74642.1、ABI63524.1、ABM52978.1、ABM52979.1、ABM52980.1、ABM52981.1、ABM66847.1、ABM66848.1、ACM62295.1、ADD60053.1、ADD60130.1、ADM22389.1、ADM22466.1、ADM22542.1、ADM22619.1、ADM22696.1、ADM22773.1、ADM22849.1、ADM22926.1、ADM23003.1、ADM23079.1、ADM23155.1、ADM23231.1、ADM23309.1、ADM23383.1、ADM23457.1、ADM23531.1、ADM23605.1、ADM23680.1、ADM23755.1、ADM23831.1、AEQ77097.1、AER37647.1、AER37715.1、AER37786.1、AER37857.1、AER37929.1、AER38000.1、AER38070.1、AFE62894.1、AFH41180.1、AFI23657.1、AFK50415.1、AFP86430.1、AGZ01928.1、AIR95858.1、AJE60009.1、AJE60080.1、AJE60151.1、AJE60222.1、AJE60293.1、AJE60439.1、AKE48645.1、AKG59246.1、AKG59318.1、AKG59391.1、AKG59462.1、AKG59536.1、AKG59609.1、AKG59682.1、AKG59755.1、AKG59826.1、AKG59898.1、AKG59972.1、AKG60046.1、AKG60118.1、AKG60189.1、AKG60261.1、AKG60334.1、AKG60404.1、AKG60474.1、AKG60546.1、AKG60620.1、AKG60692.1、AKG60763.1、AKG60835.1、AKG60906.1、AKG60978.1、AKG61050.1、AKG61123.1、AKG61194.1、AKG61267.1、AKG61339.1、AKG61411.1、AKG61484.1、AKG61556.1、AKG61629.1、AKG61703.1、AKG61774.1、AKG61847.1、AKG61920.1、AKG61993.1、AKH80463.1、AKH80536.1、ALM22635.1、ALM22709.1、ALM22783.1、ALM22857.1、ALO18662.1、ALO18738.1、AMB65662.1、AMB65735.1、AMB65809.1、AMB65885.1、AMB65956.1、AMN09832.1、ANN83964.1、ANN84041.1、ANN84117.1、ANN84194.1、ANN84271.1、ANN84348.1、ANN84424.1、ANN84500.1、ANN84577.1、ANN84653.1、ANN84730.1、ANN84806.1、ANN84883.1、ANN84959.1、ANN85036.1、ANN85112.1、ANN85187.1、ANN85264.1、ANN85341.1、ANN85416.1、ANN85494.1、ANN85571.1、ANN85648.1、ANN85724.1、ANN85801.1、AOY34093.1、AOY34141.1、AOY34243.1、AOY34271.1、AOY34337.1、AOY36685.1、ARB08957.1、AR037961.1、ARO37962.1、ARO37963.1、ARO37964.1、ARO37965.1、ARO37966.1、ARO37967.1、ARO37968.1、ARO37969.1、ARO37970.1、ARO37971.1、ARO37972.1、ARO37973.1、ARO37974.1、ARO37975.1、ARO37976.1、ARO37977.1、ARO37978.1、ARO37979.1、ARO37980.1、ARO37981.1、ARO37982.1、ARO37983.1、ARO37984.1、ARO37985.1、ARO37986.1、ARO37987.1、ARO37988.1、ARO37989.1、ARO37990.1、ARO37991.1、ARO37992.1、ARO37993.1、ARO37994.1、ARO37995.1、ARO37996.1、ARO37997.1、ARO37998.1、ARO37999.1、ASM47664.1、ASM47741.1、ASM47818.1、ASM47893.1、BAM73419.1、CAA26060.1、CAA32283.1、CAA32284.1、CAA32289.1、CAA38245.1、CAT05431.1、P06476.1、P36318.1、P57083.1、P68331.1、Q05059.1、Q69091.1、SBO07792.1、SBO07819.1、SBO07855.1、SBO07869.1、SBO07887.1、SBO07908.1、SBS69553.1、SBS69561.1、SBS69579.1、SBS69625.1、SBS69688.1、SBS69694.1、SBS69717.1、SBS69727.1、SBS69811.1、SBT69395.1、SCL76902.1、VGBEDZ、又はYP_009137141.1。
【0091】
別の実施形態においては、組成物は、HSV-2のgDタンパク質をコードする修飾mRNAを含む。別の実施形態においては、組成物は、HSV-2のgDタンパク質の断片をコードする修飾mRNAを含む。
【0092】
一実施形態においては、HSV-2のgDの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は以下を含む:
【化4】
【化5】
【0093】
一実施形態においては、全てのウリジン残基が1-メチル-プソイドウリジンである。一実施形態においては、下線の残基は5’非翻訳配列を表す。一実施形態においては、太字の残基はgD2断片の発現を補助するシグナル配列(リーダー配列)を表す。一実施形態においては、斜体の残基は3’非翻訳配列及びポリアデニル化尾部を表す。
【0094】
別の実施形態においては、HSV-2のgDの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、5’非翻訳配列、シグナル配列、3’非翻訳配列、ポリアデニル化尾部、又はこれらの組合せを欠いている。
【0095】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-2のgDの断片は、以下のアミノ酸配列に明記するHSV-2
333株よりのgDのアミノ酸26~331を含む:KYALADPSLKMADPNRFRGKNLPVLDQLTDPPGVKRVYHIQPSLEDPFQPPSIPITVYYAVLERACRSVLLHAPSEAPQIVRGASDEARKHTYNLTIAWYRMGDNCAIPITVMEYTECPYNKSLGVCPIRTQPRWSYYDSFSAVSEDNLGFLMHAPAFETAGTYLRLVKINDWTEITQFILEHRARASCKYALPLRIPPAACLTSKAYQQGVTVDSIGMLPRFIPENQRTVALYSLKIAGWHGPKPPYTSTLLPPELSDTTNATQPELVPEDPEDSALLEDPAGTVSSQIPPNWHIPSIQDVAPHH(配列番号5)。
【0096】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされる完全長のHSV-2のgDは、以下のアミノ酸配列を含む:MGRLTSGVGTAALLVVAVGLRVVCAKYALADPSLKMADPNRFRGKNLPVLDQLTDPPGVKRVYHIQPSLEDPFQPPSIPITVYYAVLERACRSVLLHAPSEAPQIVRGASDEARKHTYNLTIAWYRMGDNCAIPITVMEYTECPYNKSLGVCPIRTQPRWSYYDSFSAVSEDNLGFLMHAPAFETAGTYLRLVKINDWTEITQFILEHRARASCKYALPLRIPPAACLTSKAYQQGVTVDSIGMLPRFIPENQRTVALYSLKIAGWHGPKPPYTSTLLPPELSDTTNATQPELVPEDPEDSALLEDPAGTVSSQIPPNWHIPSIQDVAPHHAPAAPSNPGLIIGALAGSTLAVLVIGGIAFWVRRRAQMAPKRLRLPHIRDDDAPPSHQPLFY(配列番号6)。
【0097】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-2のgDは、以下のGenBank寄託番号に明記するアミノ酸配列を含む:1003204A、AAA45841.1、AAA45842.1、AAB60552.1、AAB60553.1、AAB60554.1、AAB60555.1、AAB72102.1、AAS01730.1、AAW23130.1、AAW23131.1、AAW23132.1、AAW23133.1、AAW23134.1、ABS84899.1、ABU45433.1、ABU45434.1、ABU45435.1、ABU45461.1、ABU45462.1、ACA28831.1、AEV91405.1、AFM93876.1、AFS18198.1、AFS18199.1、AFS18200.1、AFS18201.1、AFS18202.1、AFS18203.1、AFS18204.1、AFS18205.1、AFS18206.1、AFS18207.1、AFS18208.1、AFS18209.1、AFS18210.1、AFS18211.1、AFS18212.1、AFS18213.1、AFS18214.1、AFS18215.1、AFS18216.1、AFS18217.1、AFS18218.1、AFS18219.1、AFS18220.1、AFS18221.1、AHG54730.1、AIL27720.1、AIL27721.1、AIL27722.1、AIL27723.1、AIL27724.1、AIL27725.1、AIL27726.1、AIL27727.1、AIL27728.1、AIL27729.1、AIL27730.1、AIL27731.1、AIL28069.1、AIL28070.1、AKC42828.1、AKC59305.1、AKC59376.1、AKC59447.1、AKC59518.1、AKC59589.1、AMB66102.1、AMB66171.1、AMB66244.1、AMB66321.1、AMB66394.1、AMB66463.1、AQZ55754.1、AQZ55825.1、AQZ55896.1、AQZ55967.1、AQZ56038.1、AQZ56109.1、AQZ56180.1、AQZ56251.1、AQZ56322.1、AQZ56393.1、AQZ56464.1、AQZ56535.1、AQZ56606.1、AQZ56677.1、AQZ56748.1、AQZ56819.1、AQZ56890.1、AQZ56961.1、AQZ57032.1、AQZ57103.1、AQZ57174.1、AQZ57245.1、AQZ57316.1、AQZ57387.1、AQZ57458.1、AQZ57529.1、AQZ57600.1、AQZ57671.1、AQZ57742.1、AQZ57813.1、AQZ57884.1、AQZ57955.1、AQZ58026.1、AQZ58097.1、AQZ58168.1、AQZ58239.1、AQZ58310.1、AQZ58381.1、AQZ58452.1、AQZ58523.1、AQZ58594.1、AQZ58665.1、AQZ58736.1、AQZ58807.1、AQZ58878.1、AQZ58949.1、AQZ59020.1、AQZ59091.1、AQZ59162.1、ARO38000.1、ARO38001.1、ARO38002.1、ARO38003.1、ARO38004.1、ARO38005.1、ARO38006.1、ARO38007.1、ARO38008.1、ARO38009.1、ARO38010.1、ARO38011.1、ARO38012.1、ARO38013.1、ARO38014.1、ARO38015.1、ARO38016.1、ARO38017.1、ARO38018.1、ARO38019.1、AR038020.1、ARO38021.1、ARO38022.1、ARO38023.1、ARO38024.1、ARO38025.1、ARO38026.1、ARO38027.1、ARO38028.1、ARO38029.1、ARO38030.1、ARO38031.1、ARO38032.1、ARO38033.1、ARO38034.1、ARO38035.1、ARO38036.1、ARO38037.1、ARO38038.1、ARO38039.1、ARO38040.1、ARO38041.1、ARO38042.1、ARO38043.1、ARO38044.1、CAA26025.1、CAB06713.1、CAC33573.1、CAT05432.1、P03172.2、Q69467.1、又はYP_009137218.1。
【0098】
別の実施形態においては、gDタンパク質又は断片はY63を含む。別の実施形態においては、gDタンパク質又は断片はR159を含む。別の実施形態においては、gDタンパク質又は断片はD240を含む。別の実施形態においては、gDタンパク質又は断片はP246を含む。別の実施形態においては、gDタンパク質又は断片はY63、R159、D240、及びP246から選択される残基を含む。別の実施形態においては、これら残基のうちの1つを含むことで、ネクチン-1への結合を阻害する抗体を誘発する。
【0099】
gDアミノ酸残基に関して本明細書において用いる名称は、シグナル配列の残基を含む。ゆえに、成熟タンパク質の残基のものは「26」と称する。
【0100】
gD-1及びgD-2のタンパク質又はその断片をコードする各修飾mRNAが、本発明の個々の実施形態を表す。
【0101】
別の実施形態においては、本明細書に開示される修飾mRNAによってコードされるHSVのgD、gC、及びgEタンパク質並びにその断片は、米国特許公開公報第2013-0028925-A1号に記載されており、これはその全体が参照により本明細書で援用される。
【0102】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgDタンパク質の断片は、免疫原性断片である。別の実施形態においては、gD免疫防御抗原はタンパク質全体である必要はない。別の実施形態において、防御免疫応答は概して、抗体応答を伴う。別の実施形態においては、gDの変異体、配列保存変異体、及び機能保存変異体が、本発明の方法及び組成物において有用であるが、ただしこうした変異体の全ては、必要な免疫防御効果を保持する。別の実施形態においては、免疫原性断片は、HSVの任意の株よりの免疫防御gD抗原を含むことが可能である。別の実施形態においては、免疫原性断片は、感染個体で見られるような、HSVの配列変異体を含むことが可能である。
糖タンパク質C
【0103】
別の実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-1のgCタンパク質をコードする修飾mRNAを含む。別の実施形態においては、組成物は、HSV-1のgCタンパク質の断片をコードする修飾mRNAを含む。
【0104】
一実施形態においては、HSV-1のgCの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、以下を含む:
【化6】
【化7】
【化8】
【0105】
一実施形態においては、全てのウリジン残基が1-メチル-プソイドウリジンである。一実施形態においては、下線の残基は5’非翻訳配列を表す。一実施形態においては、太字の残基はgC1断片の発現を補助するシグナル配列(リーダー配列)を表す。一実施形態においては、斜体の残基は3’非翻訳配列及びポリアデニル化尾部を表す。
【0106】
別の実施形態においては、HSV-1のgCの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、5’非翻訳配列、シグナル配列、3’非翻訳配列、ポリアデニル化尾部、又はこれらの組合せを含まない。
【0107】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-1のgCの断片は、以下のアミノ酸配列に明記するHSV-1
KOS株よりのgCのアミノ酸27~457を含む:ETASTGPTITAGAVTNASEAPTSGSPGSAASPEVTPTSTPNPNNVTQNKTTPTEPASPPTTPKPTSTPKSPPTSTPDPKPKNNTTPAKSGRPTKPPGPVWCDRRDPLARYGSRVQIRCRFRNSTRMEFRLQIWRYSMGPSPPIAPAPDLEEVLTNITAPPGGLLVYDSAPNLTDPHVLWAEGAGPGADPPLYSVTGPLPTQRLIIGEVTPATQGMYYLAWGRMDSPHEYGTWVRVRMFRPPSLTLQPHAVMEGQPFKATCTAAAYYPRNPVEFDWFEDDRQVFNPGQIDTQTHEHPDGFTTVSTVTSEAVGGQVPPRTFTCQMTWHRDSVTFSRRNATGLALVLPRPTITMEFGVRHVVCTAGCVPEGVTFAWFLGDDPSPAAKSAVTAQESCDHPGLATVRSTLPISYDYSEYICRLTGYPAGIPVLEHH(配列番号8)。
【0108】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgCの断片は、HSV-1株よりのgCのアミノ酸27~457を含む。
【0109】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされる完全長のHSV-1のgCは、以下のアミノ酸配列を含む:MAPGRVGLAVVLWGLLWLGAGVAGGSETASTGPTITAGAVTNASEAPTSGSPGSAASPEVTPTSTPNPNNVTQNKTTPTEPASPPTTPKPTSTPKSPPTSTPDPKPKNNTTPAKSGRPTKPPGPVWCDRRDPLARYGSRVQIRCRFRNSTRMEFRLQIWRYSMGPSPPIAPAPDLEEVLTNITAPPGGLLVYDSAPNLTDPHVLWAEGAGPGADPPLYSVTGPLPTQRLIIGEVTPATQGMYYLAWGRMDSPHEYGTWVRVRMFRPPSLTLQPHAVMEGQPFKATCTAAAYYPRNPVEFDWFEDDRQVFNPGQIDTQTHEHPDGFTTVSTVTSEAVGGQVPPRTFTCQMTWHRDSVTFSRRNATGLALVLPRPTITMEFGVRHVVCTAGCVPEGVTFAWFLGDDPSPAAKSAVTAQESCDHPGLATVRSTLPISYDYSEYICRLTGYPAGIPVLEHHGSHQPPPRDPTERQVIEAIEWVGIGIGVLAAGVLVVTAIVYVVRTSQSRQRHRR(配列番号9)。
【0110】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-1のgCは、以下のGenBank寄託番号のうちのいずれかに明記するアミノ酸配列を含む:AAA45779.1、AAA96680.1、ABI63505.1、ABM52973.1、ABM52976.1、ABM52977.1、ACM62267.1、ADD60042.1、ADD60119.1、ADM22367.1、ADM22444.1、ADM22520.1、ADM22597.1、ADM22674.1、ADM22751.1、ADM22827.1、ADM22904.1、ADM22981.1、ADM23057.1、ADM23133.1、ADM23210.1、ADM23287.1、ADM23361.1、ADM23435.1、ADM23509.1、ADM23583.1、ADM23658.1、ADM23733.1、ADM23809.1、AEQ77075.1、AEQ77099.1、AER37628.1、AER37697.1、AER37767.1、AER37838.1、AER37910.1、AER37981.1、AER38051.2、AFA36179.1、AFA36180.1、AFA36181.1、AFA36182.1、AFA36183.1、AFA36184.1、AFA36185.1、AFA36186.1、AFA36187.1、AFA36188.1、AFA36189.1、AFA36190.1、AFA36191.1、AFA36192.1、AFA36193.1、AFA36194.1、AFA36195.1、AFA36196.1、AFA36197.1、AFA36198.1、AFA36199.1、AFA36200.1、AFA36201.1、AFA36202.1、AFA36203.1、AFE62872.1、AFH78104.1、AFI23635.1、AFK50391.1、AFP86408.1、AGZ01906.1、AIR95840.1、AJE59989.1、AJE60060.1、AJE60131.1、AJE60202.1、AKE48623.1、AKE98415.1、AKE98416.1、AKE98417.1、AKE98418.1、AKE98419.1、AKE98420.1、AKE98421.1、AKE98422.1、AKE98423.1、AKE98424.1、AKE98425.1、AKE98426.1、AKE98427.1、AKE98428.1、AKE98429.1、AKE98430.1、AKE98431.1、AKE98432.1、AKE98433.1、AKE98434.1、AKE98435.1、AKG59227.1、AKG59299.1、AKG59372.1、AKG59444.1、AKG59516.1、AKG59591.1、AKG59663.1、AKG59736.1、AKG59807.1、AKG59879.1、AKG59953.1、AKG60027.1、AKG60099.1、AKG60170.1、AKG60243.1、AKG60316.1、AKG60386.1、AKG60456.1、AKG60528.1、AKG60601.1、AKG60674.1、AKG60745.1、AKG60817.1、AKG60887.1、AKG60959.1、AKG61032.1、AKG61104.1、AKG61175.1、AKG61248.1、AKG61321.1、AKG61392.1、AKG61464.1、AKG61537.1、AKG61611.1、AKG61684.1、AKG61756.1、AKG61828.1、AKG61902.1、AKG61974.1、AKH80444.1、AKH80517.1、AKM76368.1、ALM22613.1、ALM22687.1、ALM22761.1、ALM22835.1、ALO18641.1、ALO18717.1、AMB65642.1、AMB65715.1、AMB65862.1、AMN09813.1、ANN83942.1、ANN84019.1、ANN84095.1、ANN84172.1、ANN84249.1、ANN84326.1、ANN84403.1、ANN84478.1、ANN84555.1、ANN84632.1、ANN84708.1、ANN84785.1、ANN84861.1、ANN84938.1、ANN85014.1、ANN85091.1、ANN85167.1、ANN85242.1、ANN85319.1、ANN85396.1、ANN85472.1、ANN85549.1、ANN85626.1、ANN85703.1、ANN85779.1、AOY34308.1、AOY36663.1、AOY36687.1、ARB08935.1、ARO38059.1、ARO38060.1、ARO38061.1、ARO38062.1、ARO38063.1、ARO38064.1、ARO38065.1、ARO38066.1、ASM47642.1、ASM47719.1、ASM47796.1、ASM47871.1、BAM73394.1、CAA32294.1、CAB40083.1、CAD13356.1、CAD13357.1、CAD13358.1、CAD13359.1、CAD13360.1、CAD13361.1、CAD13362.1、CAD13363.1、CAD13364.1、CAD13365.1、CAD13366.1、CAD13367.1、CAD13368.1、CAD13369.1、CAD13370.1、CAD13371.1、CAD13372.1、CAD13373.1、CAD13374.1、CAD13375.1、CAD13376.1、CAD13377.1、CAD13378.1、P04290.1、P04488.1、P09855.1、P10228.1、P28986.1、SBO07729.1、SBO07793.1、SBO07798.1、SBO07812.1、SBO07880.1、SBS69375.1、SBS69379.1、SBS69440.1、SBS69448.1、SBS69560.1、SBS69599.1、SBS69602.1、SBS69637.1、SBS69790.1、SBT69374.1、SCL76887.1、YP_009137119.1、又はYP_009137143.1。
【0111】
別の実施形態においては、組成物は、HSV-2のgCタンパク質をコードする修飾mRNAを含む。別の実施形態においては、組成物は、HSV-2のgCタンパク質の断片をコードする修飾mRNAを含む。
【0112】
一実施形態においては、HSV-2のgCの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、以下を含む:
【化9】
【化10】
【化11】
【0113】
一実施形態においては、全てのウリジン残基が1-メチル-プソイドウリジンである。一実施形態においては、下線の残基は5’非翻訳配列を表す。一実施形態においては、太字の残基はgC2断片の発現を補助するシグナル配列(リーダー配列)を表す。一実施形態においては、斜体の残基は3’非翻訳配列及びポリアデニル化尾部を表す。
【0114】
別の実施形態においては、HSV-2のgCの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、5’非翻訳配列、シグナル配列、3’非翻訳配列、ポリアデニル化尾部、又はこれらの組合せを欠いている。
【0115】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-2のgCの断片は、以下のアミノ酸配列に明記するHSV-2
333株よりのgCのアミノ酸27~426を含む:ASPGRTITVGPRGNASNAAPSASPRNASAPRTTPTPPQPRKATKSKASTAKPAPPPKTGPPKTSSEPVRCNRHDPLARYGSRVQIRCRFPNSTRTESRLQIWRYATATDAEIGTAPSLEEVMVNVSAPPGGQLVYDSAPNRTDPHVIWAEGAGPGASPRLYSVVGPLGRQRLIIEELTLETQGMYYWVWGRTDRPSAYGTWVRVRVFRPPSLTIHPHAVLEGQPFKATCTAATYYPGNRAEFVWFEDGRRVFDPAQIHTQTQENPDGFSTVSTVTSAAVGGQGPPRTFTCQLTWHRDSVSFSRRNASGTASVLPRPTITMEFTGDHAVCTAGCVPEGVTFAWFLGDDSSPAEKVAVASQTSCGRPGTATIRSTLPVSYEQTEYICRLAGYPDGIPVLEHH(配列番号11)。
【0116】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされる完全長のHSV-2のgCは、以下のアミノ酸配列を含む:MALGRVGLAVGLWGLLWVGVVVVLANASPGRTITVGPRGNASNAAPSASPRNASAPRTTPTPPQPRKATKSKASTAKPAPPPKTGPPKTSSEPVRCNRHDPLARYGSRVQIRCRFPNSTRTEFRLQIWRYATATDAEIGTAPSLEEVMVNVSAPPGGQLVYDSAPNRTDPHVIWAEGAGPGASPRLYSVVGPLGRQRLIIEELTLETQGMYYWVWGRTDRPSAYGTWVRVRVFRPPSLTIHPHAVLEGQPFKATCTAATYYPGNRAEFVWFEDGRRVFDPAQIHTQTQENPDGFSTVSTVTSAAVGGQGPPRTFTCQLTWHRDSVSFSRRNASGTASVLPRPTITMEFTGDHAVCTAGCVPEGVTFAWFLGDDSSPAEKVAVASQTSCGRPGTATIRSTLPVSYEQTEYICRLAGYPDGIPVLEHHGSHQPPPRDPTERQVIRAVEGAGIGVAVLVAVVLAGTAVVYLTHASSVRYRRLR(配列番号12)。
【0117】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-2のgCは、以下のGenBank寄託番号のうちのいずれかに明記するアミノ酸配列を含む:AAA20532.1、AAA66442.1、AAB60549.1、AAB60550.1、AAB60551.1、AAB72101.1、ABU45429.1、ABU45430.1、ABU45431.1、ABU45432.1、ABU45459.1、ABU45460.1、AEV91348.1、AEV91383.1、AEV91407.1、AFM93864.1、AHG54708.1、AKC42808.1、AKC59285.1、AKC59357.1、AKC59428.1、AKC59499.1、AKC59570.1、AMB66008.1、AMB66079.1、AMB66151.1、AMB66224.1、AMB66252.1、AMB66253.1、AMB66368.1、AMB66441.1、AQZ55735.2、AQZ55806.1、AQZ55877.1、AQZ55948.1、AQZ56019.1、AQZ56090.1、AQZ56161.2、AQZ56232.2、AQZ56303.2、AQZ56374.2、AQZ56445.1、AQZ56516.1、AQZ56587.1、AQZ56658.1、AQZ56729.2、AQZ56800.1、AQZ56871.1、AQZ56942.2、AQZ57013.1、AQZ57084.2、AQZ57155.1、AQZ57226.1、AQZ57297.1、AQZ57368.1、AQZ57439.1、AQZ57510.1、AQZ57581.1、AQZ57652.1、AQZ57723.1、AQZ57794.2、AQZ57865.2、AQZ57936.1、AQZ58007.2、AQZ58078.1、AQZ58149.2、AQZ58220.1、AQZ58291.1、AQZ58362.1、AQZ58433.1、AQZ58504.1、AQZ58575.1、AQZ58646.1、AQZ58717.2、AQZ58788.2、AQZ58859.2、AQZ58930.1、AQZ59001.2、AQZ59072.1、AQZ59143.1、ARO38067.1、ARO38068.1、ARO38069.1、ARO38070.1、ARO38071.1、ARO38072.1、CAA25687.1、CAA26025.1、CAB06730.1、CAB06734.1、CAB96544.1、P03173.1、P06475.1、P89475.1、Q89730.1、YP_009137161.1、YP_009137196.1、又はYP_009137220.1。
【0118】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgCタンパク質の断片は、一実施形態においては、宿主C3b分子が宿主プロパージン分子と結合するのをブロック又は阻害するドメインを指すあるプロパージン干渉ドメイン「プロパージン干渉ドメイン(properdin-interfering domain)」を
含む。別の実施形態においては、この語は、宿主プロパージン分子との宿主C3b分子の相互作用をブロック又は阻害するドメインを指す。
【0119】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgCタンパク質の断片は、C5干渉ドメインである。別の実施形態においては、gCタンパク質の断片は、C5干渉ドメインの一部分である。別の実施形態において、「C5干渉ドメイン」は、宿主C3b分子が宿主C5分子と結合するのを干渉するドメインを指す。別の実施形態においては、この語は、宿主C5分子との宿主C3b分子の相互作用を干渉するドメインを指す。
【0120】
gC-1若しくはgC-2のタンパク質又はその断片をコードする各修飾mRNAが、本発明の個々の実施形態を表す。
【0121】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgCタンパク質の断片は、免疫原性断片である。別の実施形態においては、gC免疫防御抗原はタンパク質全体である必要はない。別の実施形態において、防御免疫応答は概して、抗体応答を伴う。別の実施形態においては、gCの変異体、配列保存変異体、及び機能保存変異体が、本発明の方法及び組成物において有用であるが、ただしこうした変異体の全ては、必要な免疫防御効果を保持する。別の実施形態においては、免疫原性断片は、HSVの任意の株よりの免疫防御gC抗原を含むことが可能である。別の実施形態においては、免疫原性断片は、感染個体で見られるような、HSVの配列変異体を含むことが可能である。
糖タンパク質E
【0122】
別の実施形態においては、本発明の組成物は、HSV-1のgEタンパク質をコードする修飾mRNAを含む。別の実施形態においては、組成物は、HSV-1のgEタンパク質の断片をコードする修飾mRNAを含む。
【0123】
一実施形態においては、HSV-1のgDの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、以下を含む:
【化12】
【化13】
【化14】
【0124】
一実施形態においては、全てのウリジン残基が1-メチル-プソイドウリジンである。一実施形態においては、下線の残基は5’非翻訳配列を表す。一実施形態においては、太字の残基はgE1断片の発現を補助するシグナル配列(リーダー配列)を表す。一実施形態においては、斜体の残基は3’非翻訳配列及びポリアデニル化尾部を表す。
【0125】
別の実施形態においては、HSV-1のgEの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、5’非翻訳配列、シグナル配列、3’非翻訳配列、ポリアデニル化尾部、又はこれらの組合せを欠いている。
【0126】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-1のgEの断片は、以下のアミノ酸配列に明記するHSV-1
NS株よりのgEのアミノ酸24~409を含む:KTSWRRVSVGEDVSLLPAPGPTGRGPTQKLLWAVEPLDGCGPLHPSWVSLMPPKQVPETVVDAACMRAPVPLAMAYAPPAPSATGGLRTDFVWQERAAVVNRSLVIYGVRETDSGLYTLSVGDIKDPARQVASVVLVVQPAPVPTPPPTPADYDEDDNDEGEGEDESLAGTPASGTPRLPPSPAPPRSWPSAPEVSHVRGVTVRMETPEAILFSPGEAFSTNVSIHAIAHDDQTYTMDVVWLRFDVPTSCAEMRIYESCLYHPQLPECLSPADAPCAASTWTSRLAVRSYAGCSRTNPPPRCSAEAHMEPFPGLAWQAASVNLEFRDASPQHSGLYLCVVYVNDHIHAWGHITINTAAQYRNAVVEQPLPQRGADLAEPTHPHVGA(配列番号14)。
【0127】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgEの断片は、HSV-1株よりのgEのアミノ酸24~409を含む。
【0128】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされる完全長のHSV-1のgEは、以下のアミノ酸配列を含む:MDRGAVVGFLLGVCVVSCLAGTPKTSWRRVSVGEDVSLLPAPGPTGRGPTQKLLWAVEPLDGCGPLHPSWVSLMPPKQVPETVVDAACMRAPVPLAMAYAPPAPSATGGLRTDFVWQERAAVVNRSLVIYGVRETDSGLYTLSVGDIKDPARQVASVVLVVQPAPVPTPPPTPADYDEDDNDEGEGEDESLAGTPASGTPRLPPSPAPPRSWPSAPEVSHVRGVTVRMETPEAILFSPGEAFSTNVSIHAIAHDDQTYTMDVVWLRFDVPTSCAEMRIYESCLYHPQLPECLSPADAPCAASTWTSRLAVRSYAGCSRTNPPPRCSAEAHMEPFPGLAWQAASVNLEFRDASPQHSGLYLCVVYVNDHIHAWGHITINTAAQYRNAVVEQPLPQRGADLAEPTHPHVGAPPHAPPTHGALRLGAVMGAALLLSALGLSVWACMTCWRRRAWRAVKSRASGKGPTYIRVADSELYADWSSDSEGERDQVPWLAPPERPDSPSTNGSGFEILSPTAPSVYPRSDGHQSRRQLTTFGSGRPDRRYSQASDSSVFW(配列番号15)。
【0129】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-1のgEは、以下のGenBank寄託番号のうちのいずれかに明記するアミノ酸配列を含む:AAA45779.1、AAA96680.1、ABI63526.1、ACM62297.1、ADD60055.1、ADD60132.1、ADM22391.1、ADM22468.1、ADM22544.1、ADM22621.1、ADM22698.1、ADM22775.1、ADM22851.1、ADM22928.1、ADM23005.1、ADM23081.1、ADM23157.1、ADM23233.1、ADM23311.1、ADM23385.1、ADM23459.1、ADM23533.1、ADM23607.1、ADM23682.1、ADM23757.1、ADM23833.1、ADN34689.1、ADN34692.1、ADN34695.1、AEQ77099.1、AER37649.1、AER37717.1、AER37788.1、AER37859.1、AER37931.1、AER38002.1、AER38072.1、AFA36179.1、AFA36180.1、AFA36181.1、AFA36182.1、AFA36183.1、AFA36184.1、AFA36185.1、AFA36186.1、AFA36187.1、AFA36188.1、AFA36189.1、AFA36190.1、AFA36191.1、AFA36192.1、AFA36193.1、AFA36194.1、AFA36195.1、AFA36196.1、AFA36197.1、AFA36198.1、AFA36199.1、AFA36200.1、AFA36201.1、AFA36202.1、AFA36203.1、AFE62896.1、AFI23659.1、AFK50417.1、AFP86432.1、AGZ01930.1、AIR95859.1、AJE60011.1、AJE60082.1、AJE60153.1、AJE60224.1、AJE60295.1、AKE48647.1、AKE98373.1、AKE98374.1、AKE98375.1、AKE98376.1、AKE98377.1、AKE98378.1、AKE98379.1、AKE98380.1、AKE98381.1、AKE98382.1、AKE98383.1、AKE98384.1、AKE98385.1、AKE98386.1、AKE98387.1、AKE98388.1、AKE98389.1、AKE98390.1、AKE98391.1、AKE98392.1、AKE98393.1、AKG59248.1、AKG59320.1、AKG59393.1、AKG59464.1、AKG59538.1、AKG59611.1、AKG59684.1、AKG59757.1、AKG59828.1、AKG59900.1、AKG59974.1、AKG60048.1、AKG60120.1、AKG60191.1、AKG60263.1、AKG60336.1、AKG60406.1、AKG60476.1、AKG60548.1、AKG60622.1、AKG60694.1、AKG60765.1、AKG60837.1、AKG60908.1、AKG60980.1、AKG61052.1、AKG61125.1、AKG61196.1、AKG61269.1、AKG61341.1、AKG61413.1、AKG61486.1、AKG61558.1、AKG61631.1、AKG61705.1、AKG61776.1、AKG61849.1、AKG61922.1、AKG61995.1、AKH80465.1、AKH80538.1、ALM22637.1、ALM22711.1、ALM22785.1、ALM22859.1、ALO18664.1、ALO18740.1、AMB65664.1、AMB65737.1、AMB65811.1、AMB65887.1、AMB65958.1、AMN09834.1、ANN83966.1、ANN84043.1、ANN84119.1、ANN84196.1、ANN84273.1、ANN84350.1、ANN84426.1、ANN84502.1、ANN84579.1、ANN84655.1、ANN84732.1、ANN84808.1、ANN84885.1、ANN84961.1、ANN85038.1、ANN85114.1、ANN85189.1、ANN85266.1、ANN85343.1、ANN85418.1、ANN85496.1、ANN85573.1、ANN85650.1、ANN85726.1、ANN85803.1、AOY34085.1、AOY36687.1、ARB08959.1、ARO38073.1、ARO38074.1、ARO38075.1、ARO38076.1、ARO38077.1、ARO38078.1、ARO38079.1、ARO38080.1、ASM47642.1、ASM47666.1、ASM47743.1、ASM47820.1、ASM47895.1、BAM73421.1、CAA26062.1、CAA32272.1、CAF24756.1、CAF24757.1、CAF24758.1、CAF24759.1、CAF24760.1、CAF24761.1、CAF24762.1、CAF24763.1、CAF24764.1、CAF24765.1、CAF24766.1、CAF24767.1、CAF24768.1、CAF24769.1、CAF24770.1、CAF24771.1、CAF24772.1、CAF24773.1、CAF24774.1、CAF24775.1、CAF24776.1、CAF24777.1、CAF24778.1、CAF24779.1、CAF24780.1、CAF24781.1、CAF24782.1、CAF24783.1、CAF24784.1、CAF24785.1、P04290.1、P04488.1、P28986.1、Q703F0.1、SBO07910.1、SBS69571.1、SBS69576.1、SBS69595.1、SBS69636.1、SBS69693.1、SBS69701.1、SBS69722.1、SBS69732.1、SBS69813.1、SBT69397.1、又はYP_009137143.1。
【0130】
別の実施形態においては、組成物は、HSV-2のgEタンパク質をコードする修飾mRNAを含む。別の実施形態においては、組成物は、HSV-2のgEタンパク質の断片をコードする修飾mRNAを含む。
【0131】
一実施形態においては、HSV-2のgEの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、以下を含む:
【化15】
【化16】
【化17】
【0132】
一実施形態においては、全てのウリジン残基が1-メチル-プソイドウリジンである。一実施形態においては、下線の残基は5’非翻訳配列を表す。一実施形態においては、太字の残基はgE2断片の発現を補助するシグナル配列(リーダー配列)を表す。一実施形態においては、斜体の残基は3’非翻訳配列及びポリアデニル化尾部を表す。
【0133】
別の実施形態においては、HSV-2のgEの断片をコードする修飾mRNAのヌクレオチド配列は、5’非翻訳配列、シグナル配列、3’非翻訳配列、ポリアデニル化尾部、又はこれらの組合せを欠いている。
【0134】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-2のgEの断片は、以下のアミノ酸配列に明記するHSV-2株2.12よりのgEのアミノ酸24~405を含む:RTSWKRVTSGEDVVLLPAPAGPEERTRAHKLLWAAEPLDACGPLRPSWVALWPPRRVLETVVDAACMRAPEPLAIAYSPPFPAGDEGLYSELAWRDRVAVVNESLVIYGALETDSGLYTLSVVGLSDEARQVASVVLVVEPAPVPTPTPDDYDEEDDAGVSERTPVSVPPPTPPRRPPVAPPTHPRVIPEVSHVRGVTVHMETPEAILFAPGETFGTNVSIHAIAHDDGPYAMDVVWMRFDVPSSCAEMRIYEACLYHPQLPECLSPADAPCAVSSWAYRLAVRSYAGCSRTTPPPRCFAEARMEPVPGLAWLASTVNLEFQHASPQHAGLYLCVVYVDDHIHAWGHMTISTAAQYRNAVVEQHLPQRQPEPVEPTRPHVRA(配列番号17)。
【0135】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされる完全長HSV-2のgEは、以下のアミノ酸配列を含む:MARGAGLVFFVGVWVVSCLAAAPRTSWKRVTSGEDVVLLPAPAERTRAHKLLWAAEPLDACGPLRPSWVALWPPRRVLETVVDAACMRAPEPLAIAYSPPFPAGDEGLYSELAWRDRVAVVNESLVIYGALETDSGLYTLSVVGLSDEARQVASVVLVVEPAPVPTPTPDDYDEEDDAGVTNARRSAFPPQPPPRRPPVAPPTHPRVIPEVSHVRGVTVHMETLEAILFAPGETFGTNVSIHAIAHDDGPYAMDVVWMRFDVPSSCADMRIYEACLYHPQLPECLSPADAPCAVSSWAYRLAVRSYAGCSRTTPPPRCFAEARMEPVPGLAWLASTVNLEFQHASPQHAGLYLCVVYVDDHIHAWGHMTISTAAQYRNAVVEQHLPQRQPEPVEPTRPHVRAPHPAPSARGPLRLGAVLGAALLLAALGLSAWACMTCWRRRSWRAVKSRASATGPTYIRVADSELYADWSSDSEGERDGSLWQDPPERPDSPSTNGSGFEILSPTAPSVYPHSEGRKSRRPLTTFGSGSPGRRHSQASYPSVLW(配列番号18)。
【0136】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV-2のgEは、以下のGenBank寄託番号のうちのいずれかに明記するアミノ酸配列を含む:ABU45436.1、ABU45437.1、ABU45438.1、ABU45439.1、ABW83306.1、ABW83308.1、ABW83310.1、ABW83312.1、ABW83314.1、ABW83316.1、ABW83318.1、ABW83320.1、ABW83322.1、ABW83324.1、ABW83326.1、ABW83328.1、ABW83330.1、ABW83332.1、ABW83334.1、ABW83336.1、ABW83338.1、ABW83340.1、ABW83342.1、ABW83344.1、ABW83346.1、ABW83348.1、ABW83350.1、ABW83352.1、ABW83354.1、ABW83356.1、ABW83358.1、ABW83360.1、ABW83362.1、ABW83364.1、ABW83366.1、ABW83368.1、ABW83370.1、ABW83372.1、ABW83374.1、ABW83376.1、ABW83378.1、ABW83380.1、ABW83382.1、ABW83384.1、ABW83386.1、ABW83388.1、ABW83390.1、ABW83392.1、ABW83394.1、ABW83396.1、ABW83398.1、ABW83400.1、ABZ04069.1、AEV91407.1、AHG54732.1、AKC42830.1、AKC59307.1、AKC59378.1、AKC59449.1、AKC59520.1、AKC59591.1、AMB66104.1、AMB66173.1、AMB66246.1、AMB66465.1、AQZ55756.1、、AQZ55827.1、AQZ55898.1、AQZ55969.2、AQZ56040.2、AQZ56111.2、AQZ56182.1、AQZ56253.2、AQZ56324.1、AQZ56395.1、AQZ56466.2、AQZ56537.1、AQZ56608.1、AQZ56679.1、AQZ56750.1、AQZ56821.2、AQZ56892.1、AQZ56963.2、AQZ57034.2、AQZ57105.1、AQZ57176.1、AQZ57247.2、AQZ57318.2、AQZ57389.2、AQZ57460.2、AQZ57531.2、AQZ57602.2、AQZ57673.1、AQZ57744.2、AQZ57815.1、AQZ57886.1、、AQZ57957.2、AQZ58028.2、AQZ58099.1、AQZ58170.2、AQZ58241.2、AQZ58312.2、AQZ58383.2、、AQZ58454.2、AQZ58525.2、AQZ58596.1、AQZ58667.1、AQZ58738.2、AQZ58809.2、AQZ58880.2、AQZ58951.2、AQZ59022.2、AQZ59093.1、AQZ59164.1、ARO38081.1、ARO38082.1、、ARO38083.1、ARO38084.1、ARO38085.1、ARO38086.1、、CAB06715.1、P89436.1、P89475.1、又はYP_009137220.1。
【0137】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgEの断片は、gEタンパク質のIgGのFc結合ドメインを含む。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgEドメインは、IgGのFcへの結合を媒介する、当技術分野において公知のその他のgEドメインである。
【0138】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgEタンパク質は、細胞間伝播に関与するgEドメインを含む。
【0139】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNA断片によってコードされるgE断片は、免疫回避ドメインを含む。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNA断片によってコードされるgE断片は、免疫回避ドメインの一部分を含む。
【0140】
gE-1若しくはgE-2のタンパク質又はその断片をコードする各修飾mRNAが、本発明の個々の実施形態を表す。
【0141】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるgEタンパク質の断片は、免疫原性断片である。別の実施形態においては、gE免疫防御抗原はタンパク質全体である必要はない。別の実施形態において、防御免疫応答は概して、抗体応答を伴う。別の実施形態においては、gEの変異体、配列保存変異体、及び機能保存変異体が、本発明の方法及び組成物において有用であるが、ただしこうした変異体の全ては、必要な免疫防御効果を保持する。別の実施形態においては、免疫原性断片は、HSVの任意の株よりの免疫防御gE抗原を含むことが可能である。別の実施形態においては、免疫原性断片は、感染個体で見られるような、HSVの配列変異体を含むことが可能である。
【0142】
一実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV糖タンパク質は、本明細書で提供される配列の相同体である。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV糖タンパク質は、本明細書で提供される配列のアイソフォームである。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV糖タンパク質は、本明細書で提供される配列の変異体である。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNAによってコードされるHSV糖タンパク質は、本明細書で提供される配列の断片である。
【0143】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAによってコードされる糖タンパク質の断片は、糖タンパク質のエクトドメインを含む。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAによってコードされる糖タンパク質の断片は、糖タンパク質のエクトドメインからなる。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAによってコードされる糖タンパク質の断片は、糖タンパク質のエクトドメインの断片を含む。別の実施形態においては、糖タンパク質の断片は、当技術分野で公知の任意の糖タンパク質の断片であってもよい。
【0144】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNA断片によってコードされる糖タンパク質又は免疫原性断片は、HSVの任意の株からであり得る。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物において用いられる修飾mRNA断片によってコードされる免疫原性断片は、感染個体で見られるような、HSVの配列変異体を含み得る。
【0145】
一実施形態においては、「変異体」は、母集団の大多数とは異なるが、それでもそれらのうちの1つとしてみなされる一般的な形態と十分に類似するような、例えばスプライスバリアントである、アミノ酸又は核酸配列(又は他の実施形態においては、有機体又は組織)を指す。一実施形態においては、変異体は、配列保存変異体であり得る一方で、別の実施形態においては、変異体は、機能保存変異体であり得る。一実施形態においては、変異体は、1又は複数のアミノ酸の付加、欠失又は置換を含み得る。
【0146】
一実施形態において、「免疫回避ドメイン」は、抗HSV抗体(例えば、抗gD抗体)のインビボでの抗HSV有効性を干渉する又は低減するドメインを指す。別の実施形態においては、このドメインは、抗HSV免疫応答のインビボでの抗HSV有効性を干渉する又は低減する。別の実施形態においては、このドメインは、後に続く感染の間、HSVタンパク質(例えば、gD)の免疫原性を低減する。別の実施形態においては、このドメインは、後に続くチャレンジの間、HSVタンパク質の免疫原性を低減する。別の実施形態においては、このドメインは、後に続くチャレンジの間、HSVの免疫原性を低減する。別の実施形態においては、このドメインは、発症中のHSV感染の文脈で、HSVタンパク質の免疫原性を低減する。別の実施形態においては、このドメインは、発症中のHSV感染の文脈で、HSVの免疫原性を低減する。別の実施形態においては、このドメインは、IgGのFc受容体として機能する。別の実施形態においては、このドメインは、抗体の二極(bipolar)の架橋を促進するものであり、これは一実施形態においては、そのF
abドメインによってHSV抗原に結合し、かつ、そのFcドメインによって例えば一実施形態においてはgEである離れたHSV抗原に結合し、それによってFcドメインがもつ補体を活性化する能力を遮断する、抗体分子を指す語である。
【0147】
本発明はまた、HSVのタンパク質若しくはポリペプチド又はその断片のアナログをコードする修飾mRNAを提供する。アナログは、保存アミノ酸配列の置換によって又は配列に影響を及ぼさない修飾によって又は両方によって自然に発生するタンパク質又はペプチドと異なり得る。
【0148】
別の実施形態においては、本発明の修飾mRNAによってコードされるHSV糖タンパク質は、明文で又はGenBankのエントリーへの言及によって上記に明記した配列に対する相同体である。任意のタンパク質又はペプチドに言及する場合の「相同」、「相同体」等の語は、一実施形態においては、配列をアラインしてギャップを導入し、必要であれば最大のパーセント相同性を達成した後で、対応する天然ポリペプチドの残基と一致する候補配列におけるアミノ酸残基の割合を指し、またいずれの保存的置換も配列同一性の一部とみなさない。アラインメントの方法及びコンピュータプログラムは、当技術分野で周知である。
【0149】
別の実施形態においては、「相同性」は、本明細書で開示される配列に対する、70%を超える、修飾mRNAによってコードされるタンパク質配列の同一性を指す。別の実施形態においては、同一性は、72%を超える。別の実施形態においては、同一性は、75%を超える。別の実施形態においては、同一性は、78%を超える。別の実施形態においては、同一性は、80%を超える。別の実施形態においては、同一性は、82%を超える。別の実施形態においては、同一性は、83%を超える。別の実施形態においては、同一性は、85%を超える。別の実施形態においては、同一性は、87%を超える。別の実施形態においては、同一性は、88%を超える。別の実施形態においては、同一性は、90%を超える。別の実施形態においては、同一性は、92%を超える。別の実施形態においては、同一性は、93%を超える。別の実施形態においては、同一性は、95%を超える。別の実施形態においては、同一性は、96%を超える。別の実施形態においては、同一性は、97%を超える。別の実施形態においては、同一性は、98%を超える。別の実施形態においては、同一性は、99%を超える。別の実施形態においては、同一性は、100%である。
【0150】
一実施形態においては、「アイソフォーム」は、例えばタンパク質である、分子の変型であって、同一のタンパク質の別のアイソフォームとほんのわずかな差異による、分子の変型を指す。一実施形態においては、アイソフォームは、異なるが関連する遺伝子から産生され得、又は別の実施形態においては、選択的スプライシングによって同じ遺伝子から発生し得る。別の実施形態においては、アイソフォームは、単一のヌクレオチドの多型によって生じる。
【0151】
別の実施形態においては、本明細書において記載される糖タンパク質又は糖タンパク質の断片をコードする修飾mRNAは、抗原性のタグをさらにコードする。一実施形態においては、このタグは、ヒスチジン(「His」)タグである。一実施形態においては、Hisタグは5個のヒスチジン残基を含む。別の実施形態においては、Hisタグは6個のヒスチジン残基を含む。
【0152】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物は、キメラ分子を利用するものであって、これは抗タグ抗体が選択的に結合可能であるエピトープを提供するタグポリペプチドをコードする修飾mRNAとの、HSVタンパク質をコードする修飾mRNAの融合物を含む。他の実施形態において、エピトープタグは、タンパク質のアミノ末端若しくはカルボキシ末端に、又はその中の内部の場所に配置される。組換え型HSVタンパク質のこうしたエピトープ標識形態の存在は、別の実施形態においては、タグポリペプチドに対する抗体によって、検出される。別の実施形態においては、エピトープタグを含むことで、抗タグ抗体を用いた又はエピトープタグに結合する別の種類の親和性マトリックスを用いた親和性精製によって、組換え型HSVタンパク質を容易に精製することが可能になる。種々のタグポリペプチド及びそれらそれぞれの抗体が、当技術分野で公知である。
【0153】
一実施形態においては、本発明の組成物は、アジュバントを含む一方で、別の実施形態においては、組成物はアジュバントを含まない。「アジュバント」は、別の実施形態において、個体に投与される又はインビトロで試験するときに、抗原が投与される個体又は試験系において抗原に対する免疫応答を増加させる化合物を指す。別の実施形態においては、免疫アジュバントは、単独で投与されるときに弱免疫原性である抗原に対する免疫応答を促進する、すなわち、抗体価を誘発しない若しくは弱い抗体価を誘発する又は、細胞媒介性の免疫応答を誘発する。別の実施形態においては、アジュバントは、抗原に対する抗体価を増大する。別の実施形態においては、アジュバントは、個体における免疫応答を達成するのに有効な抗原の用量を減らす。複数の種類のアジュバントが、当技術分野で公知であり、また米国特許公開公報第2013/0028925号に詳細に記載されており、これは本明細書において参照することによりここに援用される。
修飾mRNA
【0154】
一実施形態においては、本発明は、修飾mRNAを含む組成物及びその使用方法を提供する。一実施形態においては、修飾mRNAは、1又は複数の修飾ヌクレオシド残基を含む。
【0155】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾ヌクレオシドは、m5C(5-メチルシチジン)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、m5U(5-メチルウリジン)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、m6A(N6-メチルアデノシン)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、s2U(2-チオウリジン)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、Ψ(プソイドウリジン)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、Um(2’-O-メチルウリジン)である。
【0156】
他の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、mA(1-メチルアデノシン)、mA(2-メチルアデノシン)、mA(N6-メチルアデノシン)、Am(2’-O-メチルアデノシン)、msA(2-メチルチオ-N6-メチルアデノシン)、iA(N6-イソペンテニルアデノシン)、msA(2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデノシン)、ioA(N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン)、msioA(2-メチルチオ-N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン)、gA(N6-グリシニルカルバモイルアデノシン)、tA(N6-トレオニルカルバモイルアデノシン)、msA(2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン)、mA(N6-メチル-N6-トレオニルカルバモイルアデノシン)、hnA(N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン)、mshnA(2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイルアデノシン)、Ar(p)(2’-O-リボシルアデノシン(ホスフェート))、I(イノシン)、mI(1-メチルイノシン)、mIm(1,2’-O-ジメチルイノシン)、mC(3-メチルシチジン)、mC(5-メチルシチジン)、Cm(2’-O-メチルシチジン)、sC(2-チオシチジン)、acC(N4-アセチルシチジン)、fC(5-ホルミルシチジン)、mCm(5,2’-O-ジメチルシチジン)、acCm(N4-アセチル-2’-O-メチルシチジン)、kC(リシジン)、mG(1-メチルグアノシン)、mG(N2-メチルグアノシン)、mG(7-メチルグアノシン)、Gm(2’-O-メチルグアノシン)、m G(N2,N2-ジメチルグアノシン)、mGm(N2,2’-O-ジメチルグアノシン)、m Gm(N2,N2,2’-O-トリメチルグアノシン)、Gr(p)(2’-O-リボシルグアノシン(ホスフェート))、yW(ワイブトシン)、oyW(ペロキシワイブトシン)、OHyW(ヒドロキシワイブトシン)、OHyW(修飾したヒドロキシワイブトシン)、imG(ワイオシン)、mimG(メチルワイオシン)、Q(クエオシン)、oQ(エポキシクエオシン)、galQ(ガラクトシル-クエオシン)、manQ(マンノシル-クエオシン)、preQ0(7-シアノ-7-デアザグアノシン)、preQ1(7-アミノメチル-7-デアザグアノシン)、G(アルカエオシン(archaeosine))、Ψ(プソイドウリジン)
、D(ジヒドロウリジン)、mU(5-メチルウリジン)、Um(2’-O-メチルウリジン)、mUm(5,2’-O-ジメチルウリジン)、mΨ(1-メチルプソイドウリジン)、Ψm(2’-O-メチルプソイドウリジン)、sU(2-チオウリジン)、sU(4-チオウリジン)、mU(5-メチル-2-チオウリジン)、sUm(2-チオ-2’-O-メチルウリジン)、acpU(3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン)、hoU(5-ヒドロキシウリジン)、moU(5-メトキシウリジン)、cmoU(ウリジン5-オキシ酢酸)、mcmoU(ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル)、chmU(5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン)、mchmU(5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジンメチルエステル)、mcmU(5-メトキシカルボニルメチルウリジン)、mcmUm(5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチルウリジン)、mcmU(5-メトキシカルボニルメチル-2-チオウリジン)、nmU(5-アミノメチル-2-チオウリジン)、mnmU(5-メチルアミノメチルウリジン)、mnmU(5-メチルアミノメチル-2-チオウリジン)、mnmseU(5-メチルアミノメチル-2-セレノウリジン)、ncmU(5-カルバモイルメチルウリジン)、ncmUm(5-カルバモイルメチル-2’-O-メチルウリジン)、cmnmU(5-カルボキシメチルアミノメチルウリジン)、cmnmUm(5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチルウリジン)、cmnmU(5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン)、m A(N6,N6-ジメチルアデノシン)、Im(2’-O-メチルイノシン)、mC(N4-メチルシチジン)、mCm(N4,2’-O-ジメチルシチジン)、hmC(5-ヒドロキシメチルシチジン)、mU(3-メチルウリジン)、macpΨ(1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン)、cmU(5-カルボキシメチルウリジン)、mAm(N6,2’-O-ジメチルアデノシン)、m Am(N6,N6,2’-O-トリメチルアデノシン)、m2,7G(N2,7-ジメチルグアノシン)、m2,2,7G(N2,N2,7-トリメチルグアノシン)、mUm(3,2’-O-ジメチルウリジン)、mD(5-メチルジヒドロウリジン)、mΨ(3-メチルプソイドウリジン)、fCm(5-ホルミル-2’-O-メチルシチジン)、mGm(1,2’-O-ジメチルグアノシン)、mAm(1,2’-O-ジメチルアデノシン)、τmU(5-タウリノメチルウリジン)、τmU(5-タウリノメチル-2-チオウリジン)、imG-14(4-脱メチルワイオシン(4-demethylwyosine))、imG2(イソワイオシン)、acA(N
6-アセチルアデノシン)、inmU(5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン)、inms2U(5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオウリジン)、inmUm(5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチルウリジン)、m2,7Gm(N2,7,2’-O-トリメチルグアノシン)、m Cm(N4,N4,2’-O-トリメチルシチジン)、C(アグマチジン(agmatidine))、mA(8-メチルアデノシン)、gmnmU(ゲラニル化5-メチルアミノメチル-2-チオウリジン(geranylated 5-methylaminomethyl-2-thiouridine))、gcmnmU(ゲラニル化5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン)、又はcnmU(5-シアノメチル-ウリジン)である。
【0157】
一実施形態においては、修飾ヌクレオシド残基は、プソイドウリジン又はプソイドウリジンファミリー残基である。
【0158】
一実施形態においては、修飾mRNAは、プソイドウリジン残基を含む。一実施形態においては、プソイドウリジンは、ヌクレオシドウリジンのC-グリコシドアイソマーを指す。一実施形態においては、プソイドウリジン残基は、macpΨ(1-メチル-3-(3-アミノ-5-カルボキシプロピル)プソイドウリジン、mΨ(1-メチルプソイドウリジン)、Ψm(2’-O-メチルプソイドウリジン、mD(5-メチルジヒドロウリジン)、mΨ(3-メチルプソイドウリジン)、又はこれらの組合せを含む。一実施形態においては、前記プソイドウリジン残基は、ウリジンの代わりに1-メチルプソイドウリジン残基を含む。
【0159】
一実施形態においては、修飾ヌクレオシド残基は、プソイドウリジンアナログである。一実施形態においては、「プソイドウリジンアナログ」は、プソイドウリジンの任意の修飾、変異体、アイソフォーム、又は誘導体である。例えば、プソイドウリジンアナログは、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、1-メチルプソイドウリジン(mΨ)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(mΨ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(mΨ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロプソイドウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acpΨ)、及び2’-O-メチル-プソイドウリジン(Ψm)を含むが、これに限定されない。
【0160】
一部の実施形態においては、修飾核酸塩基は、修飾ウラシルである。修飾ウラシルを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドは、プソイドウリジン(Ψ)、ピリジン-4-オン リボヌクレオシド(pyridin-4-one ribonucleoside)、5-アザ-ウリジン、6-
アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ウリジン(sU)、4-チオ-ウリジン(sU)、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン(hoU)、5-アミノアリル-ウリジン、5-ハロ-ウリジン(例えば、5-ヨード-ウリジン又は5-ブロモ-ウリジン)、3-メチル-ウリジン(mU)、5-メトキシ-ウリジン(moU)、ウリジン5-オキシ酢酸(cmoU)、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル(mcmoU)、5-カルボキシメチル-ウリジン(cmU)、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン(chmU)、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジンメチルエステル(mchmU)、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン(mcmU)、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウリジン(mcmU)、5-アミノメチル-2-チオ-ウリジン(nmU)、5-メチルアミノメチル-ウリジン(mnmU)、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(mnmU)、5-メチルアミノメチル-2-セレノ-ウリジン(mnmseU)、5-カルバモイルメチル-ウリジン(ncmU)、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウリジン(cmnmU)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(cmnmU)、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-ウリジン(τcmU)、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン(τrmU)、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、5-メチル-ウリジン(mU、すなわち、核酸塩基デオキシチミンを有する)、1-メチルプソイドウリジン(mΨ)、5-メチル-2-チオ-ウリジン(mU)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(mΨ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(mΨ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロプソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-メチル-ジヒドロウリジン(mD)、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシ-ウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン(1-メチルプソイドウリジン(mΨ)としても知られる、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン(acpU)、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acpΨ)、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inmU)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウリジン(inmU)、α-チオ-ウリジン、2’-O-メチル-ウリジン(Um)、5,2’-O-ジメチル-ウリジン(mUm)、2’-O-メチル-プソイドウリジン(Ψm)、2-チオ-2’-O-メチル-ウリジン(sUm)、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(mcmUm)、5-カルバモイルメチル-2’-β-メチル-ウリジン(ncmUm)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチル-ウリジン(cmnmUm)、3,2’-O-ジメチル-ウリジン(mUm)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-β-メチル-ウリジン(inmUm)、1-チオ-ウリジン、デオキシチミジン、2’-F-ara-ウリジン(2'-F-ara-uridine)、2’-F-ウリジン、2’-OH-ara-ウリジン、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジン、及び5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)ウリジンを含む。
【0161】
一部の実施形態においては、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。修飾シトシンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドは、5-アザ-シチジン、6-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン(mC)、N4-アセチル-シチジン(acC)、5-ホルミル-シチジン(fC)、N4-メチル-シチジン(mC)、5-メチル-シチジン(mC)、5-ハロ-シチジン(例えば、5-ヨード-シチジン)、5-ヒドロキシメチル-シチジン(hmC)、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロール-シチジン、ピロール-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン(sC)、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、リシジン(kC)、α-チオ-シチジン、2’-O-メチル-シチジン(Cm)、5,2’-O-ジメチル-シチジン(mCm)、N4-アセチル-2’-O-メチル-シチジン(acCm)、N4,2’-O-ジメチル-シチジン(mCm)、5-ホルミル-2’-O-メチル-シチジン(fCm)、N4,N4,2’-O-トリメチル-シチジン(m Cm)、1-チオ-シチジン、2’-F-ara-シチジン、2’-F-シチジン、及び2’-OH-ara-シチジンを含む。
【0162】
一部の実施形態においては、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドは、2-アミノ-プリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-ハロ-プリン(例えば、2-アミノ-6-クロロ-プリン)、6-ハロ-プリン(例えば、6-クロロ-プリン)、2-アミノ-6-メチル-プリン、8-アジド-アデノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザ-アデニン、7-デアザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチル-アデノシン(mA)、2-メチル-アデニン(mA)、N6-メチル-アデノシン(mA)、2-メチルチオ-N6-メチル-アデノシン(msA)、N6-イソペンテニル-アデノシン(iA)、2-メチルチオ-N6-イソペンテニル-アデノシン(msA)、N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(ioA)、2-メチルチオ-N6-(cis-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(msioA)、N6-グリシニルカルバモイル-アデノシン(gA)、N6-トレオニルカルバモイル-アデノシン(tA)、N6-メチル-N6-トレオニルカルバモイル-アデノシン(mA)、2-メチルチオ-N6-トレオニルカルバモイル-アデノシン(msA)、N6,N6-ジメチル-アデノシン(m A)、N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン(hnA)、2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン(mshnA)、N6-アセチル-アデノシン(ac6A)、7-メチル-アデニン、2-メチルチオ-アデニン、2-メトキシ-アデニン、α-チオ-アデノシン、2’-O-メチル-アデノシン(Am)、N6,2’-O-ジメチル-アデノシン(mAm)、N6,N6,2’-O-トリメチル-アデノシン(m Am)、1,2’-O-ジメチル-アデノシン(mAm)、2’-β-リボシルアデノシン(ホスフェート)(Ar(p))、2-アミノ-N6-メチル-プリン、1-チオ-アデノシン、8-アジド-アデノシン、2’-F-ara-アデノシン、2’-F-アデノシン、2’-OH-ara-アデノシン、及びN6-(19-アミノ-ペンタオキサノナデシル)-アデノシンを含む。
【0163】
一部の実施形態においては、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例示的な核酸塩基及びヌクレオシドは、イノシン(I)、1-メチル-イノシン(mI)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4-脱メチル-ワイオシン(imG-14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペロキシワイブトシン(oyW)、ヒドロキシワイブトシン(OHyW)、修飾したヒドロキシワイブトシン(OHyW)、7-デアザ-グアノシン、クエオシン(Q)、エポキシクエオシン(oQ)、ガラクトシル-クエオシン(galQ)、マンノシル-クエオシン(manQ)、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ)、アルカエオシン(G)、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン(mG)、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチル-イノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチル-グアノシン(mG),N2-メチル-グアノシン(mG)、N2,N2-ジメチル-グアノシン(m G)、N2,7-ジメチル-グアノシン(m,7G)、N2,N2,7-ジメチル-グアノシン(m,2,7G),8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、α-チオ-グアノシン、2’-O-メチル-グアノシン(Gm)、N2-メチル-2’-O-メチル-グアノシン(mGm)、N2,N2-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン(m Gm)、1-メチル-2’-O-メチル-グアノシン(mGm)、N2,7-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン(m2’7Gm)、2’-O-メチル-イノシン(Im)、1,2’-O-ジメチル-イノシン(mIm)、及び2’-O-リボシルグアノシン(ホスフェート)(Gr(p))を含む。
【0164】
ヌクレオチドの核酸塩基は、プリン、ピリミジン、プリン又はピリミジンアナログから独立に選択することが可能である。例えば核酸塩基は、それぞれ、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル又はヒポキサンチンから独立に選択することが可能である。別の実施形態においては、核酸塩基はまた、例えば、ピラゾール[3,4-d]ピリミジン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ(例えば、8-ブロモ)、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシ及び他の8-置換のアデニン及びグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、デアザグアニン、7-デアザグアニン、3-デアザグアニン、デアザアデニン、7-デアザアデニン、3-デアザアデニン、ピラゾール[3,4-d]ピリミジン、イミダゾ[1,5-a]1,3,5トリアジノン、9-デアザプリン、イミダゾ[4,5-d]ピラジン、チアゾロ[4,5-d]ピリミジン、ピラジン-2-オン、1,2,4-トリアジン、ピリダジン;並びに1,3,5トリアジンを含む、塩基の、自然に発生する誘導体及び合成誘導体を含むことが可能である。ヌクレオチドが短縮形A、G、C、T又はUを用いて示される場合、各文字は、代表的な塩基及び/又はその誘導体を指すものであり、例えばAはアデニン又はアデニンアナログ、例えば7-デアザアデニン)を含む。
ヌクレオシド間結合における修飾
【0165】
修飾ヌクレオチドは、ポリヌクレオチド、一次コンストラクト、又はmRNA分子に組み込まれ得、ヌクレオシド間結合(例えば、リン酸骨格)において修飾することが可能である。本明細書においては、ポリヌクレオチド骨格の文脈で、「リン酸塩(ホスフェート)」及び「リン酸ジエステル(ホスホジエステル)」という句を区別なく用いる。骨格のリン酸基は、酸素原子のうちの1つ又は複数を異なる置換基で置換することによって修飾することが可能である。また、修飾ヌクレオシド及びヌクレオチドは、修飾していないリン酸部分の、本明細書において記載するような別のヌクレオシド間結合との大規模な置換を含むことが可能である。修飾リン酸基の例として、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェート、ボラノホスフェートエステル、ホスホン酸水素(hydrogen
phosphonate)、ホスホロアミダート、ホスホロジアミダート、アルキル又はアリール
ホスホネート、及びホスホトリエステルが挙げられるがこれに限定されない。ホスホロジチオエートは、結合していない酸素の両方が硫黄で置換されている。リン酸リンカーはまた、結合している酸素を、窒素(架橋ホスホロアミダート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)、及び炭素(架橋メチレン-ホスホネート)で置換することによって修飾することも可能である。
【0166】
α-チオ置換したリン酸部分は、非天然のホスホロチオエート骨格結合を介してRNA及びDNAポリマーに安定性を与えるために提供される。ホスホロチオエートDNA及びRNAは、ヌクレアーゼ耐性が増し、次いで細胞環境においてより長い半減期となる。ホスホロチオエート結合したポリヌクレオチド、一次コンストラクト、又はmmRNA分子は、細胞の自然免疫分子のより弱い結合/活性化により自然免疫応答が低減することも予期される。
【0167】
特定の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、アルファ-チオ-ヌクレオシド(例えば、5’-O-(1-チオホスフェート)-アデノシン、5’-O-(1-チオホスフェート)-シチジン(α-チオ-シチジン)、5’-O-(1-チオホスフェート)-グアノシン、5’-O-(1-チオホスフェート)-ウリジン、又は5’-O-(1-チオホスフェート)-プソイドウリジン)を含む。
【0168】
リン原子を含有しないヌクレオシド間結合を含む、本発明により採用され得る他のヌクレオシド間結合は、本明細書において以下に記載する。
修飾した糖、核酸塩基、及びヌクレオシド間結合の組合せ
【0169】
この発明のポリヌクレオチド、一次コンストラクト、及びmmRNAは、糖、核酸塩基、及び/又はヌクレオシド間結合に対する修飾の組合せを含むことが可能である。
【0170】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物のRNA、オリゴリボヌクレオチド、又はポリリボヌクレオチドの精製された製剤は、上記した修飾のうちの2つ以上の組合せを含む。別の実施形態においては、RNA又はオリゴリボヌクレオチドの精製された製剤は、上記した修飾のうちの3つ以上の組合せを含む。別の実施形態においては、RNA又はオリゴリボヌクレオチドの精製された製剤は、上記した修飾のうちの3つより多い組合せを含む。
【0171】
一実施形態においては、修飾mRNAは、インビトロで合成された修飾mRNAを含む。
【0172】
一実施形態においては、本発明は、HSV糖タンパク質をコードする1又は複数の修飾mRNAを含む。一実施形態においては、修飾RNAは、プソイドウリジン又はプソイドウリジンファミリー残基を含む。別の実施形態においては、本発明の修飾mRNAは、それにコードされたHSV糖タンパク質のタンパク質発現を支配することが可能である。
【0173】
別の実施形態においては、本発明は、プソイドウリジンを含む、HSV糖タンパク質をコードするインビトロで転写されたmRNA分子を提供する。別の実施形態においては、本発明は、プソイドウリジンを含む、HSV糖タンパク質をコードする合成mRNA分子を提供する。
【0174】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物のインビトロで転写されたmRNA分子は、T7ファージRNAポリメラーゼにより合成する。別の実施形態においては、分子は、SP6ファージRNAポリメラーゼにより合成する。別の実施形態においては、分子は、T3ファージRNAポリメラーゼにより合成する。別の実施形態においては、分子は、上記したポリメラーゼから選択されるポリメラーゼにより合成する。別の実施形態においては、mRNAは、DNAに類似の円柱上で化学的に合成する。
【0175】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物のRNA、オリゴリボヌクレオチド、又はポリリボヌクレオチドにおいて修飾されるヌクレオシドは、ウリジン(U)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、シチジン(C)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、アデニン(A)である。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、グアニン(G)である。
【0176】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、ポリ-A尾部をさらに含む。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、ポリ-A尾部を含まない。各可能性が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0177】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、m7GpppGキャップを含む。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、m7GpppGキャップを含まない。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、3’-O-メチル-m7GpppGを含む。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、リバーシブルでないキャップアナログを含み、これは一実施形態においてはmRNAの転写中に付加される。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、アンチリバースキャップアナログを含む。各可能性が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0178】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、キャップ非依存性翻訳エンハンサーをさらに含む。別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、キャップ非依存性翻訳エンハンサーを含まない。別の実施形態においては、キャップ非依存性翻訳エンハンサーは、タバコエッチ病ウイルス(tobacco etch virus)(TEV)のキャップ非依存性翻訳エンハンサーである。別の実施形態においては、キャップ非依存性翻訳エンハンサーは、当技術分野で公知のその他のキャップ非依存性翻訳エンハンサーである。各可能性が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0179】
一実施形態においては、「プソイドウリジン」は、macpΨ(1-メチル-3-(3-アミノ-5-カルボキシプロピル)プソイドウリジンを指す。別の実施形態においては、この語は、mΨ(1-メチルプソイドウリジン)を指す。別の実施形態においては、この語は、Ψm(2’-O-メチルプソイドウリジンを指す。別の実施形態においては、この語は、mD(5-メチルジヒドロウリジン)を指す。別の実施形態においては、この語は、mΨ(3-メチルプソイドウリジン)を指す。別の実施形態においては、修飾ヌクレオシドは、4’(プソイドウリジン)である。別の実施形態においては、この語は、さらに修飾されていないプソイドウリジン部分を指す。別の実施形態においては、この語は、上記したプソイドウリジンのうちのいずれかの一リン酸塩、二リン酸塩、又は三リン酸塩を指す。別の実施形態においては、この語は、当技術分野で公知のその他のプソイドウリジンを指す。各可能性が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0180】
別の実施形態においては、修飾RNAは修飾ヌクレオシドを含み、これは一実施形態においては、mC、m5U、mA、sU、Ψ、2’-O-メチル-U、2’-O-メチルプソイドウリジン、又はこれらの組合せを含む。
【0181】
別の実施形態においては、本発明は、組換え型タンパク質を対象に送達する方法であって、対象を本発明の方法及び組成物の修飾mRNAと接触させてそれによって組換え型タンパク質を対象に送達する工程を含む方法、を提供する。
【0182】
別の実施形態においては、本発明の方法は、RNA分子における、修飾ウリジンヌクレオシドの数、割合又は頻度を増加して、免疫原性を低下又は翻訳の効率を増すことを含む。一実施形態においては、RNA、オリゴリボヌクレオチド又はポリリボヌクレオチド分子における修飾ウリジン残基の数が、本発明において観察される効果の規模を決定する。
【0183】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAにおけるウリジン残基のうちの0.1%~100%が、修飾される(例えば、プソイドウリジンの存在によって)。別の実施形態においては、当該残基の0.1%が修飾される。別の実施形態においては、0.2%である。別の実施形態においては、割合は0.3%である。別の実施形態においては、割合は0.4%である。別の実施形態においては、割合は0.5%である。別の実施形態においては、割合は0.6%である。別の実施形態においては、割合は0.8%である。別の実施形態においては、割合は1%である。別の実施形態においては、割合は1.5%である。別の実施形態においては、割合は2%である。別の実施形態においては、割合は2.5%である。別の実施形態においては、割合は3%である。別の実施形態においては、割合は4%である。別の実施形態においては、割合は5%である。別の実施形態においては、割合は6%である。別の実施形態においては、割合は8%である。別の実施形態においては、割合は10%である。別の実施形態においては、割合は12%である。別の実施形態においては、割合は14%である。別の実施形態においては、割合は16%である。別の実施形態においては、割合は18%である。別の実施形態においては、割合は20%である。別の実施形態においては、割合は25%である。別の実施形態においては、割合は30%である。別の実施形態においては、割合は35%である。別の実施形態においては、割合は40%である。別の実施形態においては、割合は45%である。別の実施形態においては、割合は50%である。別の実施形態においては、割合は60%である。別の実施形態においては、割合は70%である。別の実施形態においては、割合は80%である。別の実施形態においては、割合は90%である。別の実施形態においては、割合は100%である。
【0184】
別の実施形態においては、割合は5%未満である。別の実施形態においては、割合は3%未満である。別の実施形態においては、割合は1%未満である。別の実施形態においては、割合は2%未満である。別の実施形態においては、割合は4%未満である。別の実施形態においては、割合は6%未満である。別の実施形態においては、割合は8%未満である。別の実施形態においては、割合は10%未満である。別の実施形態においては、割合は12%未満である。別の実施形態においては、割合は15%未満である。別の実施形態においては、割合は20%未満である。別の実施形態においては、割合は30%未満である。別の実施形態においては、割合は40%未満である。別の実施形態においては、割合は50%未満である。別の実施形態においては、割合は60%未満である。別の実施形態においては、割合は70%未満である。
【0185】
別の実施形態においては、所与のウリジンヌクレオチドの残基の0.1%が修飾される。別の実施形態においては、ヌクレオチドの割合は0.2%である。別の実施形態においては、割合は0.3%である。別の実施形態においては、割合は0.4%である。別の実施形態においては、割合は0.5%である。別の実施形態においては、割合は0.6%である。別の実施形態においては、割合は0.8%である。別の実施形態においては、割合は1%である。別の実施形態においては、割合は1.5%である。別の実施形態においては、割合は2%である。別の実施形態においては、割合は2.5%である。別の実施形態においては、割合は3%である。別の実施形態においては、割合は4%である。別の実施形態においては、割合は5%である。別の実施形態においては、割合は6%である。別の実施形態においては、割合は8%である。別の実施形態においては、割合は10%である。別の実施形態においては、割合は12%である。別の実施形態においては、割合は14%である。別の実施形態においては、割合は16%である。別の実施形態においては、割合は18%である。別の実施形態においては、割合は20%である。別の実施形態においては、割合は25%である。別の実施形態においては、割合は30%である。別の実施形態においては、割合は35%である。別の実施形態においては、割合は40%である。別の実施形態においては、割合は45%である。別の実施形態においては、割合は50%である。別の実施形態においては、割合は60%である。別の実施形態においては、割合は70%である。別の実施形態においては、割合は80%である。別の実施形態においては、割合は90%である。別の実施形態においては、割合は100%である。
【0186】
別の実施形態においては、所与のウリジンヌクレオチドの割合は、8%未満である。別の実施形態においては、割合は10%未満である。別の実施形態においては、割合は5%未満である。別の実施形態においては、割合は3%未満である。別の実施形態においては、割合は1%未満である。別の実施形態においては、割合は2%未満である。別の実施形態においては、割合は4%未満である。別の実施形態においては、割合は6%未満である。別の実施形態においては、割合は12%未満である。別の実施形態においては、割合は15%未満である。別の実施形態においては、割合は20%未満である。別の実施形態においては、割合は30%未満である。別の実施形態においては、割合は40%未満である。別の実施形態においては、割合は50%未満である。別の実施形態においては、割合は60%未満である。別の実施形態においては、割合は70%未満である。
【0187】
別の実施形態においては、「リボヌクレオチド」、「オリゴリボヌクレオチド」及びポリリボヌクレオチドの語は、一実施形態において、糖部分がリボースであるヌクレオチドを含む化合物を指す。別の実施形態においては、この語は、骨格が修飾されているRNA及びRNA誘導体の両方を含む。様々なRNA骨格修飾が、当技術分野で公知であるので、本発明で検討される。一実施形態においては、修飾RNAは、PNA(ペプチド核酸)である。ペプチド骨格及びヌクレオチド塩基を含有するPNAは、別の実施形態においてDNA及びRNAの両分子と結合することができる。別の実施形態においては、ヌクレオチドは、1又は複数のリン酸ジエステル結合のホスホロチオエート結合との置換によって修飾される。別の実施形態においては、人工核酸は、当技術分野で公知の天然核酸のリン酸骨格のその他の変異体を含有する。それぞれの核酸の誘導体が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0188】
修飾骨格を有する核酸の産生方法は、当技術分野で周知であり、また例えば、Hutchersonらに対して発行された米国特許第5,723,335号及び第5,663,153号と、関連のPCT公報である国際公開第95/26204号に記載されている。各方法が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0189】
関心の核酸は、核酸の製剤から夾雑物を除去して、それによって実質的に核酸製剤の免疫原性性能を低減する方法であれば、当技術分野で公知の任意の方法、又は開発されようとする任意の方法によって精製することができる。一実施形態においては、関心の核酸は、高速液体クロマトグライフィー(HPLC)により精製する。別の実施形態においては、関心の核酸は、関心の核酸を細菌酵素RNアーゼIIIと接触させることによって精製する。別の種々の実施形態においては、核酸製剤の免疫原性を実質的に低減する任意の核酸精製方法を、用いることが可能である。本発明の組成物及び方法と共に用いることが可能である精製方法の非限定的な例は、液体クロマトグラフィーによる分離及び酵素消化であり、それぞれを単独で又は、任意の組合せで同時に若しくは任意の順で、用いられる。液体クロマトグラフィーによる分離の非限定的な例は、HPLC及び高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)を含む。本発明のHPLC及びFPLC法で有用な材料は、架橋ポリスチレン/ジビニルベンゼン(PS/DVB)、PS/DVB-C18、PS/DVB-アルキル化、Helix DNAカラム(バリアン社(Varian))、Eclipse dsDNA Analysisカラム(アジレントテクノロジー社(Agilent
Technologies))、逆相5(RPC-5)交換材料、DNAPac、ProSwift、及びbio-inert UltiMate(登録商標)3000チタニウムカラム(ダイオネクス社(Dionex))を含むがこれに限定されない。本発明の酵素消化法で有用な酵素は、この発明の核酸製剤における、例えばdsRNA夾雑物等である任意の夾雑物を消化できる任意の酵素を含み、またRNアーゼIII、RNアーゼVI、Dicer、及びChipper(Fruscoloni et al., 2002, PNAS 100:1639を参照のこと)を含
むがこれに限定されない。関心の核酸の純度を評価するアッセイの非限定的な例は、本明細書の他の場所に記載する、ドットブロットアッセイ、ノーザンブロットアッセイ、及び樹状細胞活性化アッセイを含む。
【0190】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、同一の配列をもつ非修飾のインビトロ合成mRNA分子よりも免疫原性が有意に低い。別の実施形態においては、修飾mRNA分子は、その非修飾の同等物よりも免疫原性が2倍低い。別の実施形態においては、免疫原性は3倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は5倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は7倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は10倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は15倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性はある倍率で低減する。別の実施形態においては、免疫原性は50倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は100倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は200倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は500倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は1000倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は2000倍低減する。別の実施形態においては、免疫原性は別の倍率の差だけ低減する。
【0191】
別の実施形態においては、「有意に低い免疫原性」は、免疫原性における検出可能な低下を指す。別の実施形態においては、この語は、免疫原性のある倍率での低下することを指す(例えば、上記に列挙した倍率での低下のうちの1つ)。別の実施形態においては、この語は、検出可能な免疫応答を誘発せずに修飾mRNAの有効量を投与することが可能であるような低下を指す。別の実施形態においては、この語は、組換え型タンパク質の発現を検出可能に低減させるのに十分な免疫応答を誘発せずに修飾mRNAを繰り返し投与することが可能であるような低下を指す。別の実施形態においては、組換え型タンパク質の検出可能な発現を誘発するのに十分な免疫応答を誘発せずに修飾mRNAを繰り返し投与することが可能であるような低下である。
【0192】
免疫原性を決定する方法は、当技術分野で周知であり、また米国特許第8,278,036号に詳細に記載されており、これは本明細書において参照によりここに援用される。
【0193】
別の実施形態においては、本発明の方法及び組成物の修飾mRNAは、同一の配列をもつ非修飾mRNA分子よりも効率的に細胞内で翻訳される。別の実施形態においては、修飾mRNAは、標的細胞によって翻訳される能力の促進を呈する。別の実施形態においては、翻訳は、その非修飾同等物と比較して2倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、3倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、5倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、7倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、10倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、15倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、20倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、50倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、100倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、200倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、500倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、1000倍促進される。別の実施形態においては、翻訳は、2000倍促進される。別の実施形態においては、その率は10~1000倍である。別の実施形態においては、その率は10~100倍である。別の実施形態においては、その率は10~200倍である。別の実施形態においては、その率は10~300倍である。別の実施形態においては、その率は10~500倍である。別の実施形態においては、その率は20~1000倍である。別の実施形態においては、その率は30~1000倍である。別の実施形態においては、その率は50~1000倍である。別の実施形態においては、その率は100~1000倍である。別の実施形態においては、その率は200~1000倍である。別の実施形態においては、翻訳は、その他の有意な量又は量の範囲だけ促進される。各可能性が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0194】
翻訳効率の決定方法は、当技術分野で周知であり、また例えばコードされたレポータータンパク質の活性を測定すること(例えば、ルシフェラーゼ又はウミシイタケ又は緑色蛍光のタンパク質[Wall A A, Phillips A M et al, Effective translation of
the second cistron in two Drosophila dicistronic transcripts is determined by the absence of in-frame AUG codons in the first cistron. J
Biol Chem 2005; 280(30): 27670-8])、又は翻訳されたタンパク質に組み込まれる放射性標識を測定すること(Ngosuwan J, Wang N M et al, Roles of cytosolic Hsp70 and Hsp40 molecular chaperones in post-translational translocation of pre-secretory proteins into the endoplasmic reticulum. J Biol Chem 2003; 278(9): 7034-42)を含む。各方法が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0195】
別の実施形態においては、本発明の方法の標識細胞は、樹状細胞である。別の実施形態においては、本発明の方法の標識細胞は、マクロファージである。別の実施形態においては、本発明の方法の標識細胞は、B細胞である。別の実施形態においては、本発明の方法の標識細胞は、別の抗原提示細胞である。別の実施形態においては、本発明の方法の標識細胞は、粘膜細胞である。別の実施形態においては、本発明の方法の標識細胞は、上皮細胞である。別の実施形態においては、細胞は、皮膚細胞である。別の実施形態においては、細胞は、上皮細胞である。別の実施形態においては、細胞は、角化細胞である。別の実施形態においては、細胞は、メルケル細胞、メラニン形成細胞又はランゲルハンス細胞である。各方法が、本発明の個々の実施形態を表す。
【0196】
治療方法及び組成物の使用方法
本発明はまた、本発明の組成物を投与する工程を含む、HSVに対して対象をワクチン接種し、HSV感染またはその症状もしくは徴候を治療する、妨害する、阻害する、その発生低減する、または抑制する方法を提供する。
【0197】
1つの実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染を治療する方法であって、当該対象を1つまたは複数の改変されたmRNAを含む組成物と接触させる工程を含み、当該改変されたmRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質またはその免疫原性断片をコードする、方法を提供する。
【0198】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染を抑制する方法であって、当該対象を1つまたは複数の改変されたmRNAを含む組成物と接触させる工程を含み、当該改変されたmRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質またはその免疫原性断片をコードする、方法を提供する。
【0199】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染を阻害する方法であって、当該対象を1つまたは複数の改変されたmRNAを含む組成物と接触させる工程を含み、当該改変されたmRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質またはその免疫原性断片をコードする、方法を提供する。
【0200】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染の発生を低減する方法であって、当該対象を1つまたは複数の改変されたmRNAを含む組成物と接触させる工程を含み、当該改変されたmRNAのそれぞれが、HSV糖タンパク質またはその免疫原性断片をコードする、方法を提供する。
【0201】
1つの実施形態において、HSV感染は、HSV-1感染である。別の実施形態において、HSV感染は、HSV-2感染である。
【0202】
1つの実施形態において、対象は、HSV-1感染を治療する方法、阻害する方法、抑制する方法などのためHSV-1糖タンパク質が投与される。別の実施形態において、対象は、HSV-2感染を治療する方法、阻害する方法、抑制する方法などのためHSV-2糖タンパク質が投与される。別の実施形態において、対象は、HSV-1感染、HSV-2感染、またはその組み合わせを治療する方法、阻害する方法、抑制する方法などのためHSV-1糖タンパク質が投与される。別の実施形態において、対象は、HSV-1感染、HSV-2感染、またはその組み合わせを治療する方法、阻害する方法、抑制する方法などのためHSV-2糖タンパク質が投与される。1つの実施形態において、HSV-1糖タンパク質(例えば、gC1、gD1、gE1、またはその組み合わせ)の投与は、HSV-1およびHSV-2感染を治療するか、または予防する。別の実施形態において、HSV-2糖タンパク質(例えば、gC2、gD2およびgE2、またはその組み合わせ)の投与は、HSV-1およびHSV-2感染を治療するか、または予防する。
【0203】
この態様により、1つの実施形態において、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス1(HSV-1)感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象を1つまたは複数の改変されたmRNAを含む組成物と接触させる工程を含み、当該改変されたmRNAのそれぞれが、HSV-1糖タンパク質またはその免疫原性断片をコードする、方法を提供する。
【0204】
1つの実施形態において、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス2(HSV-2)感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象を1つまたは複数の改変されたmRNAを含む組成物と接触させる工程を含み、当該改変されたmRNAのそれぞれが、HSV-2糖タンパク質またはその免疫原性断片をコードする、方法を提供する。
【0205】
1つの実施形態において、当該接触させる工程は、当該対象への投与を介してである。
【0206】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象に(a)HSV gDもしくはその免疫原性断片;(b)本明細書において記載されるHSV gCもしくはその断片;(c)本明細書において記載されるHSV gEもしくはその断片、またはその組み合わせをコードする改変されたmRNAを含む免疫原性組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0207】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象に(a)HSV-2 gDもしくはその免疫原性断片;(b)本明細書において記載されるHSV-2 gCもしくはその断片;(c)本明細書において記載されるHSV-2 gEもしくはその断片、またはその組み合わせをコードする改変されたmRNAを含む免疫原性組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0208】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象に(a)HSV-1 gDもしくはその免疫原性断片;(b)本明細書において記載されるHSV-1 gCもしくはその断片;(c)本明細書において記載されるHSV-1 gEもしくはその断片、またはその組み合わせをコードする改変されたmRNAを含む免疫原性組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0209】
別の実施形態において、本発明は、対象における抗HSV免疫応答を誘導する方法であって、当該対象に(a)HSV gDもしくはその免疫原性断片;(b)本明細書において記載されるHSV gCもしくはその断片;(c)本明細書において記載されるHSV
gEもしくはその断片、またはその組み合わせをコードする改変されたmRNAを含む免疫原性組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0210】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象に(a)HSV-2 gDもしくはその免疫原性断片;(b)本明細書において記載されるHSV-2 gCもしくはその断片;(c)本明細書において記載されるHSV-2 gEもしくはその断片、またはその組み合わせをコードする改変されたmRNAを含む免疫原性組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0211】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象に(a)HSV-1 gDもしくはその免疫原性断片;(b)本明細書において記載されるHSV-1 gCもしくはその断片;(c)本明細書において記載されるHSV-1 gEもしくはその断片、またはその組み合わせをコードする改変されたmRNAを含む免疫原性組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0212】
別の実施形態において、本発明は、対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、対象における初発のHSV感染を阻害する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染を治療する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における初発のHSV感染後の炎症を阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0213】
1つの実施形態において、本発明は、初発のHSV感染および/または二次的なHSV感染を治療および/または抑制する方法を提供する。1つの実施形態において、「初発の」感染は、1回目の感染を指す。1つの実施形態において、「二次的な」感染は、HSV感染の再発を指す。
【0214】
1つの実施形態において、「炎症」または「再発」は、潜伏した神経細胞のHSV感染後の皮膚組織の再感染を指す。別の実施形態において、用語は、潜伏期間後のHSVの再活性化を指す。別の実施形態において、用語は、非症候性潜伏期間後の症候性HSV病変を指す。
【0215】
別の実施形態において、本発明は、HSVの伝播を阻害する方法を提供する。1つの実施形態において、DRGから皮膚への伝播は、阻害される。1つの実施形態において、HSVの細胞から細胞への伝播は、阻害される。1つの実施形態において、順行性伝播は、阻害される。1つの実施形態において、逆行性伝播は、阻害される。「DRG」は、1つの実施形態において、神経細胞体を指し、別の実施形態において、神経線維の神経細胞体を含有する。別の実施形態において、用語は、当該技術分野において使用される「DRG」の任意の他の定義を指す。別の実施形態において、HSVの神経組織への伝播は、阻害される。
【0216】
別の実施形態において、本発明は、対象における初発のHSV感染後の再発を阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における初発のHSV感染後の再発を予防する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0217】
別の実施形態において、本発明は、対象における初発のHSV感染後のHSV口唇を阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0218】
別の実施形態において、本発明は、HSV感染の再発を予防する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HSV感染の再発の重症度を投与する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HSV感染の再発の頻度を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。1つの実施形態において、本発明は、HIV感染した対象において記載される方法のいずれかを提供する。
【0219】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV脳炎を治療する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV脳炎の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。「HSV脳炎」は、1つの実施形態において、単純ヘルペスウイルス-1(HSV)により引き起こされる脳炎を指す。別の実施形態において、用語は、HSVと関連する脳炎を指す。別の実施形態において、用語は、任意の他のタイプの当該技術分野において公知のHSVにより仲介される脳炎を指す。
【0220】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV新生児感染を治療または低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0221】
別の実施形態において、本発明は、HSV糖タンパク質を対象の細胞に導入する方法であって、当該細胞を組換えタンパク質をコードするin vitroで転写されたmRNA分子と接触させる工程を含み、当該in vitroで転写されたmRNA分子が、改変されたヌクレオシドをさらに含み、これにより、当該HSV糖タンパク質を当該対象の当該細胞に導入する、方法を提供する。
【0222】
別の実施形態において、本発明は、哺乳類細胞を導入して、HSV糖タンパク質を産生する方法であって、当該哺乳類細胞をHSV糖タンパク質をコードするin vitroで合成されたmRNA分子を接触させる工程を含み、in vitroで合成されたmRNA分子が、プソイドウリジンを含み、これにより、当該哺乳類細胞を誘導して、当該HSV糖タンパク質を産生させる、方法を提供する。
【0223】
本明細書におけるHSVへの言及は、1つの実施形態において、HSV-1を指し、一方、別の実施形態において、HSV-2を指し、一方、別の実施形態において、HSV-1およびHSV-2を指す。
【0224】
「HSV-1」は、別の実施形態において、単純ヘルペスウイルス-1を指す。別の実施形態において、用語は、KOS株を指す。別の実施形態において、用語は、F株を指す。別の実施形態において、用語は、NS株を指す。別の実施形態において、用語は、CL101株を指す。別の実施形態において、用語は、「17」株を指す。別の実施形態において、用語は、「17+syn」株を指す。別の実施形態において、用語は、MacIntyre株を指す。別の実施形態において、用語は、MP株を指す。別の実施形態において、用語は、HF株を指す。別の実施形態において、用語は、当該技術分野において公知の任意の他のHSV-1株を指す。
【0225】
「HSV-2」は、別の実施形態において、単純ヘルペスウイルス-2を指す。別の実施形態において、用語は、HSV-2 333株を指す。別の実施形態において、用語は、2.12株を指す。別の実施形態において、用語は、HG52株を指す。別の実施形態において、用語は、MS株を指す。別の実施形態において、用語は、G株を指す。別の実施形態において、用語は、186株を指す。別の実施形態において、用語は、当該技術分野において公知の任意の他のHSV-2株を指す。
【0226】
別の実施形態において、本発明は、HSV感染に対して対象をワクチン接種する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染を抑制する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染を妨害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における初発のHSV感染を妨害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における神経細胞のHSV伝播を妨害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0227】
用語、「HSV感染を妨害する」および「初発のHSV感染を妨害する」は、別の実施形態において、感染性ウイルスのタイターを低減することを指す。別の実施形態において、用語は、ウイルスの複製の程度を減少することを指す。
【0228】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV介在性ヘルペス性眼疾患の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV-1角膜感染またはヘルペス性角膜炎を治療する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV-1角膜感染またはヘルペス性角膜炎の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0229】
別の実施形態において、本発明は、HSV性器感染を治療するか、抑制するか、または阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、再発HSV感染の任意の徴候を治療するか、抑制するか、または阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0230】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV介在性生殖器潰瘍性疾患の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における潜伏HSV感染の確立を妨害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0231】
1つの実施形態において、本発明は、対象における性器ヘルペス感染を治療するか、抑制するか、またはを阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における口腔ヘルペス感染を治療するか、抑制するか、またはを阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0232】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV介在性脳炎の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0233】
別の実施形態において、本発明の方法により治療されるか、または予防されるヘルペス性脳炎は、局所性ヘルペス脳炎である。別の実施形態において、ヘルペス性脳炎は、新生児ヘルペス脳炎である。別の実施形態において、ヘルペス性脳炎は、当該技術分野において公知の任意の他のタイプのヘルペス性脳炎である。
【0234】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV性脳炎に関連するまたは二次的に関連する疾患、障害、または症状の発生を治療するか、または低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0235】
別の実施形態において、本発明は、対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、対象におけるHSV感染を治療するか、HSV感染の病原性を低減するか、HSV感染の症状を回復させるか、HSV感染の二次的な症状を回復させるか、HSV感染の発生を低減するか、HSV感染の再発までの潜伏を延長する方法を提供する。
【0236】
別の実施形態において、本発明は、ヒト対象における帯状疱疹病変または類似の大流行の形成に対して対象を保護する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、ヒト対象におけるHSV帯状疱疹病変または類似の大流行の形成を阻害する方法を提供する。
【0237】
「帯状疱疹」は、1つの実施形態において、特に、再活性化感染中のHSV感染の皮膚病変特徴を指し、1つの実施形態において、発疹として始まり、続いてデルマトーム付近で分布し、条片またはベルト様パターンで一般に生じる。1つの実施形態において、発疹は、小胞または漿液で満たされた小さい水疱に発展する。1つの実施形態において、帯状疱疹病変は、マウスにおいて、HSVとの接触の結果として形成する。別の実施形態において、帯状疱疹病変は、ヒトにおいて、HSVとの接触の結果として形成する。「帯状疱疹伝播」は、1つの実施形態において、結節腫からデルマトーム内の二次的皮膚部位内に伝播するHSV感染を指す。別の実施形態において、用語は、感染の開始部位と同じデルマトーム内での伝播を指す。別の実施形態において、用語は、当該技術分野において公知の「帯状疱疹伝播」の任意の他の定義を指す。「大流行」は、別の実施形態において、疾患の症状における、または疾患の伝播もしくは蔓延における突然の増大を指し、1つの実施形態において、帯状疱疹病変における突然の増大を指し、一方、別の実施形態において、「大流行」は、帯状疱疹病変の突然の噴出を指す。
【0238】
1つの実施形態において、本発明は、対象におけるデルマトーム病変または類似の状態の形成を妨害する方法を提供する。1つの実施形態において、デルマトーム病変は、HSVとの接触の結果として形成する。別の実施形態において、デルマトーム病変は、ウイルスが、結節腫において潜伏から再活性化するとき、最も頻繁に発生し、1つの実施形態において、伝播は、神経を下り、1つの実施形態において、再発感染を引き起こす。
【0239】
本発明の方法を使用して、対象のHSVへの曝露後のHSV感染またはかかる感染と関連する初発もしくは二次的な症状を治療し、阻害し、抑制などし得ることは、理解されるべきである。別の実施形態において、対象は、ワクチン接種前にHSVに感染している。別の実施形態において、対象は、HSV感染のリスクがある。別の実施形態において、対象が、ワクチン接種時にHSVに感染しているかどうかに関わらず、本発明の方法によるワクチン接種は、HSV感染またはかかる感染と関連する初発もしくは二次的な症状を治療し、阻害し、抑制などするのに有効である。
【0240】
1つの実施形態において、「治療すること」は、治療処置または予防的もしくは予防処置を指し、目的は、本明細書において上で記載される標的にされる病的な状態または障害を予防するか、または和らげることである。従って、1つの実施形態において、治療することは、直接的に、疾患、障害もしくは状態、またはその組み合わせと関連する症状に影響するかもしくは治癒する、抑制する、阻害する、予防する、重症度を低減する、開始を遅延させる、低減し得る。従って、1つの実施形態において、「治療すること」は、とりわけ、進行を遅延させること、寛解を促進すること、寛解を誘導すること、寛解を増大させること、回復を加速すること、代替治療の有効性を増大させること、または代替治療に対する抵抗性を減少すること、またはその組み合わせを指す。1つの実施形態において、「予防すること」は、とりわけ、症状の開始を遅延させること、疾患への再発を予防すること、再発エピソードの回数もしくは頻度を減少すること、症候性エピソード間の潜伏を増大させること、またはその組み合わせを指す。1つの実施形態において、「抑制すること」または「阻害すること」は、とりわけ、症状の重症度を低減すること、急性エピソードの重症度を低減すること、症状の回数を低減すること、疾患に関連する症状の発生を低減すること、症状の潜伏を低減すること、症状を回復させること、二次的な症状を低減すること、二次的な感染を低減すること、患者生存を延長すること、またはその組み合わせを指す。
【0241】
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、HSV獲得の割合、HSV感染の持続時間、HSV再活性化の頻度、またはその組み合わせを下げるのに有効である。別の実施形態において、本発明の組成物および方法は、生殖器潰瘍性疾患を治療するか、または阻害するのに有効であり、1つの実施形態において、HSV生殖器潰瘍性疾患の重症度または頻度を減少することを必要とする。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、補体からの免疫回避をブロックする。1つの実施形態において、mRNAによりコードされるHSVサブユニットを用いたワクチン接種は、高いタイターの中和抗体または強力なT細胞応答を生じ得るが、続く感染の際、HSV免疫回避分子が、抗体またはT細胞の活性をブロックし、これにより、組成物の有効性を低減するかもしれない。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、1つの実施形態において、補体からの免疫回避を予防するためにgC-1を使用して、例えば、gD-1サブユニット組成物の有効性を増強することにより、ウイルス仲介性免疫回避をブロックするストラテジーを取り込む。
【0242】
1つの実施形態において、モルモットおよびマウスにおける研究は、結節腫におけるウイルス量が、再発HSV感染の頻度と相関することを示唆する。従って、1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、再発HSV感染を予防または阻害するのに有用である。1つの実施形態において、例えば、gC-1に対する抗体は、免疫回避に関与するドメインをブロックし、補体活性を増強し、抗gD-1の中和活性を改善し、抗体および補体依存性細胞傷害活性を増大させ、補体介在性中和および感染した細胞の溶解を増大する。
【0243】
1つの実施形態において、症状は初発であり、一方、別の実施形態において、症状は二次的である。1つの実施形態において、「初発の」は、対象のウイルス感染の直接的な結果である症状を指し、一方、1つの実施形態において、「二次的な」は、初発の原因からもたらされるか、または結果である症状を指す。1つの実施形態において、本発明における使用のための組成物および株は、HSV感染と関連する初発もしくは二次的な症状または二次的な合併症を治療する。
【0244】
別の実施形態において、「症状」は、女性における尿道、子宮頸部、大腿上部、および/もしくは肛門または男性における陰茎、尿道、陰嚢、大腿上部、および肛門の水疱、潰瘍、または病変、舌、口または口唇の炎症、膨潤、発熱、インフルエンザ様症状、口内炎、咽喉炎、咽頭炎、疼痛、水膨れ、潰瘍、口唇ヘルペス、頸部痛、肥大したリンパ節、発赤、出血、そう痒、排尿障害、頭痛、筋痛など、あるいはその組み合わせを含む、HSV感染の任意の徴候であってもよい。
【0245】
別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、発熱である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、頭痛である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、肩こりである。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、発作である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、半身不随である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、昏迷である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、昏睡である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、ヘルペス性脳炎と関連するか、または二次的である、当該技術分野において公知の任意の他の疾患、障害、または症状である。
【0246】
ヘルペス性脳炎の存在および重症度を決定する方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Bonkowsky JLら、(Herpes simplex virus central nervous system relapse during treatment of infantile spasms with corticotropin、Pediatrics、2006年5月;117(5):e1045~8頁)およびKhan OAら、(Herpes encephalitis presenting as mild aphasia: case report、BMC
FamPract、2006年3月24日;7:22頁)において記載される。それぞれの方法は、本発明の別々の実施形態を表す。
【0247】
別の実施形態において、本発明は、対象におけるHSV感染と関連する疾患、障害、または症状の発生を治療するか、または低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0248】
別の実施形態において、HSV感染の二次的な疾患、障害、または症状は、口腔病変である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、生殖器病変である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、口腔の潰瘍である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、生殖器潰瘍である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、発熱である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、頭痛である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、筋痛である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、鼠径部における肥大した腺である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、痛みを伴う尿排せつである。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、おりものである。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、水疱形成である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、インフルエンザ様倦怠感である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、角膜炎である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、疱疹性ひょう疽である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、ベルまひである。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、ヘルペス性多形性紅斑である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、腰の症状(例えば、無感覚、臀部または肛門周辺範囲の刺痛、尿閉、便秘、および不能)である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、局所性ヘルペス性湿疹である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、播種性ヘルペス性湿疹である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、闘技ヘルペスである。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、ヘルペス性毛瘡である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、食道の症状(例えば、困難な嚥下または灼熱、嚥下中の圧迫する喉の疼痛、体重減少、嚥下中の上胸部中または裏の疼痛)である。別の実施形態において、疾患、障害、または症状は、当該技術分野において公知である任意の他の疾患、障害、または症状である。それぞれの疾患、障害、および症状は、本発明の別々の実施形態を表す。
【0249】
従って、1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、感染自体の発生を治療するか、抑制するか、阻害するか、または低減し、一方、別の実施形態において、本発明の組成物および方法は、感染の初発の症状の発生を治療するか、抑制するか、阻害するか、または低減し、一方、別の実施形態において、本発明の組成物および方法は、感染の二次的な症状の発生を治療するか、抑制するか、阻害するか、または低減する。本発明の組成物および方法が、感染、感染により引き起こされる初発の症状、および感染に関連する二次的な症状の任意の組み合わせに影響し得ることは、理解されるべきである。
【0250】
本発明の方法および組成物により治療されるか、または改善されるHSV感染は、別の実施形態において、生殖器HSV感染である。別の実施形態において、HSV感染は、口腔HSV感染である。別の実施形態において、HSV感染は、眼のHSV感染である。別の実施形態において、HSV感染は、皮膚科のHSV感染HSV感染である。
【0251】
別の実施形態において、本発明は、対象における播種性HSV感染の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0252】
別の実施形態において、本発明は、対象の子孫における新生児HSV感染の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0253】
別の実施形態において、本発明は、対象からその子孫へのHSV感染の伝染を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0254】
別の実施形態において、子孫は、乳児である。別の実施形態において、低減されるか、または阻害される伝染は、出生中の伝染である。別の実施形態において、母乳栄養中の伝染は、低減されるか、または阻害される。別の実施形態において、低減されるか、または阻害される伝染は、当該技術分野において公知の、任意の他のタイプの親から子孫への伝染である。
【0255】
別の実施形態において、本発明は、対象の子孫における新生児HSV感染の重症度を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0256】
1つの実施形態において、本発明は、HIVに感染した対象におけるHSV感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象に(a)HSV gCタンパク質またはその断片をコードする改変されたmRNA;(b)HSV gEタンパク質またはその断片をコードする改変されたmRNA;および(c)アジュバントを含む組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HIVに感染した対象におけるHSV感染の発生を治療する、抑制する、阻害する、または低減する方法であって、当該対象に(a)HSV gCタンパク質またはその断片をコードする改変されたmRNA、当該断片は、そのC3b結合ドメイン、そのプロパージン干渉ドメイン、そのC5干渉ドメイン、または当該C3b結合ドメイン、プロパージン干渉ドメイン、もしくはC5干渉ドメインの断片のいずれかを含む;(b)HSV gEタンパク質またはその断片をコードする改変されたmRNA、当該断片は、AA 24-409またはその断片を含む;および(c)アジュバントを含む組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0257】
別の実施形態において、本発明は、HIVに感染した対象におけるHSV感染を治療する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HIVに感染した対象におけるHSV感染を抑制する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HIVに感染した対象におけるHSV感染を阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HIVに感染した対象におけるHSV感染の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HIV感染を予防する方法であって、当該対象に本発明のHSV組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。1つの実施形態において、HSV感染は、HIV感染のリスクを増大させ、HSV感染に対する防御は、HIV感染のリスクを減少する。従って、1つの実施形態において、本発明は、HIV感染のリスクを減少する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0258】
1つの実施形態において、本発明の方法における使用のための組成物は、HSVに対する免疫応答を誘発する。別の実施形態において、本発明の方法における使用のための組成物は、HSV-1に対する免疫応答を誘発する。別の実施形態において、本発明の方法における使用のための組成物は、HSV-2に対する免疫応答を誘発する。別の実施形態において、組成物は、gDおよびgCタンパク質をコードする改変されたmRNAを含む。別の実施形態において、組成物は、gEおよびgDタンパク質をコードする改変されたmRNAを含む。別の実施形態において、組成物は、gCおよびgEタンパク質をコードする改変されたmRNAを含む。別の実施形態において、組成物は、gE、gD、およびgCタンパク質をコードする改変されたmRNAを含む。別の実施形態において、組成物は、gE、gD、またはgCタンパク質をコードする改変されたmRNAを含む。別の実施形態において、改変されたmRNAによりコードされるタンパク質は、HSV-1タンパク質である。別の実施形態において、改変されたmRNAによりコードされるタンパク質は、HSV-2タンパク質である。別の実施形態において、改変されたmRNAによりコードされるタンパク質は、HSV-1とHSV-2タンパク質の両方を含む。
【0259】
1つの実施形態において、本明細書において記載される実施形態のいずれかによる対象は、HSVに感染した対象であってもよく、または別の実施形態において、HSVの感染が疑われる対象であってもよいことは、理解されるべきである。1つの実施形態において、対象は、少なくとも1つの他の病原体に感染していてもよく、または別の実施形態において、少なくとも1つの他の病原体の感染が疑われてもよい。1つの実施形態において、対象は、易感染性であってもよい。1つの実施形態において、対象は、HSVに感染し、一方、別の実施形態において、対象は、HSVによる感染のリスクがあり、1つの実施形態において、新生児である対象であり、別の実施形態において、易感染性であり、別の実施形態において、高齢者であり、別の実施形態において、易感染性の新生児または易感染性の高齢者対象である。
【0260】
別の実施形態において、本発明の組成物およびそれらの関連する使用は、対象におけるHIV感染を抑制するか、阻害するか、予防するか、または治療し得る。1つの実施形態において、本発明の組成物およびそれらの関連する使用は、1つの実施形態において、日和見感染、新生物、神経学的異常、または進行性免疫低下である、HIV感染の二次的な合併症を治療し得る。別の実施形態において、方法は、後天性免疫不全症候群(AIDS)を治療する工程を含む。別の実施形態において、方法は、CD4Tリンパ球の数における減少を治療する工程を含む。
【0261】
別の実施形態において、本発明は、子孫へのHIV-1伝染を低減する方法であって、対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。当該技術分野において公知の通り、HSV-2感染は、生殖器の分泌物におけるHIV-1ウイルス排出を増大させる(Nagot Nら、Reduction of HIV-1 RNA levels with therapy to suppress herpes simplex virus、N Engl J Med.、2007年2月22日;356(8):790~9頁)。従って、HSV-2感染を阻害する本発明の方法はまた、子孫へのHIV-1伝染を低減するのに有効である。別の実施形態において、変異体HSV株は、HSV-1株である。別の実施形態において、変異体HSV株は、HSV-2株である。
【0262】
別の実施形態において、本発明は、性的パートナーへのHIV-1伝染を低減する方法であって、対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。当該技術分野において公知の通り、HSV-2感染は、生殖器の分泌物におけるHIV-1ウイルス排出を増大させる。従って、HSV-2感染を阻害する本発明の方法はまた、性的パートナーへのHIV-1伝染を低減するのに有効である。別の実施形態において、変異体HSV株は、HSV-1株である。別の実施形態において、変異体HSV株は、HSV-2株である。
【0263】
別の実施形態において、本発明は、HIV-1に対する感受性を低減する方法であって、対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。当該技術分野において公知の通り、HSV-2感染は、HIV-1複製を増大させる(Ouedraogo Aら、Impact of suppressive herpes therapy on genital HIV-1 RNA among women taking antiretroviral therapy: a randomized controlled trial、AIDS、2006年11月28日;20(18):2305~13頁)。従って、HSV-2感染を阻害する本発明の方法はまた、HIV-1に対する感受性を低減するのに有効である。別の実施形態において、変異体HSV株は、HSV-1株である。別の実施形態において、変異体HSV株は、HSV-2株である。
【0264】
従って、1つの実施形態において、本発明は、HIV感染した対象における初発のHSV感染を阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HIV感染した対象におけるHSV感染の発生を低減する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、HIV感染した対象における初発のHSV感染後の炎症、再発、またはHSV口唇を阻害する方法であって、当該対象に本発明の組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。1つの実施形態において、本発明の組成物の投与は、抗HSV免疫応答を誘導する。
【0265】
別の実施形態において、本発明は、対象における免疫応答を誘導する方法であって、当該対象に本発明のヌクレオシドが改変されたmRNA組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、免疫応答は、CD4免疫応答を含む。別の実施形態において、免疫応答は、CD8免疫応答を含む。別の実施形態において、免疫応答は、濾胞性ヘルパーT細胞免疫応答を含む。別の実施形態において、免疫応答は、胚中心B細胞免疫応答を含む。別の実施形態において、免疫応答は、gC2、gD2、gE2またはその組み合わせに対するIgG抗体応答を含む。
【0266】
別の実施形態において、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を治療する方法であって、当該対象に本発明のヌクレオシドが改変されたmRNA組成物を筋肉内投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染の発生を抑制するか、阻害するか、または低減する方法であって、当該対象に本発明のヌクレオシドが改変されたmRNA組成物を筋肉内投与する工程を含む、方法を提供する。
【0267】
投与および医薬レジメン
本発明の組成物は、別の実施形態において、非経口、癌細胞近く(paracancerally)、経粘膜、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、皮下、腹膜内、心室内、頭蓋内、膣内、鼻腔内、腫瘍内、または局所のような、当業者に公知の任意の方法により対象に投与され得る。
【0268】
「投与すること」は、別の実施形態において、本発明の組成物の注射または他の手段による対象に直接導入することを指す。別の実施形態において、「投与すること」は、対象の免疫系の細胞を組成物もしくはHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAまたはその混合物と接触させることを指す。
【0269】
本発明の方法および組成物の別の実施形態において、組成物は、経口投与され、従って、経口投与に適当な形態、すなわち、固体または液体調製物に製剤される。適当な固体経口製剤は、錠剤、カプセル剤、ピル、顆粒剤、ペレットなどを含む。適当な液体経口製剤は、液剤、懸濁剤、分散剤、エマルジョン、オイルなどを含む。本発明の別の実施形態において、有効成分は、カプセル内に製剤される。この実施形態に従い、本発明の組成物は、有効な化合物、不活性な担体または希釈剤に加えて、硬ゼラチンカプセルを含む。
【0270】
他の実施形態において、医薬組成物は、液体調製物の静脈内、動脈内、または筋内注射により投与される。適当な液体製剤は、液剤、懸濁剤、分散剤、エマルジョン、オイルなどを含む。別の実施形態において、医薬組成物は、静脈内投与され、従って、静脈内投与に適当な形態で製剤される。別の実施形態において、医薬組成物は、動脈内投与され、従って、動脈内投与に適当な形態で製剤される。別の実施形態において、医薬組成物は、筋肉内投与され、従って、筋肉内投与に適当な形態で製剤される。
【0271】
別の実施形態において、医薬組成物は、身体表面に局所投与され、従って、局所投与に適当な形態で製剤される。適当な局所製剤は、ジェル剤、軟膏、クリーム剤、ローション剤、点眼剤などを含む。局所投与のため、組成物またはそれらの生理的に許容される誘導体は、医薬担体を含む、または含まない、生理的に許容される希釈剤における液剤、懸濁剤、またはエマルジョンとして調製され、適用される。
【0272】
別の実施形態において、組成物は、座剤、例えば、直腸の座剤または尿道の座剤として投与される。別の実施形態において、医薬組成物は、ペレットの皮下移植により投与される。別の実施形態において、ペレットは、長期間の薬剤の制御放出をもたらす。
【0273】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、筋肉内、皮下または皮内投与される。
【0274】
改変されたmRNAの「有効な投薬量」は、別の実施形態において、治療効果を発揮するのに十分な量を指す。別の実施形態において、用語は、コードされるタンパク質の検出可能な量の発現を誘発するのに十分な量を指す。それぞれの可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
【0275】
HSV糖タンパク質をコードする改変されたmRNAの用量を測定する方法(例えば、ヒト対象における)は、当該技術分野において周知であり、例えば、用量増量試験を含む。それぞれの方法は、本発明の別々の実施形態を表す。
【0276】
いくつかの実施形態において、本発明のHSV組成物および本発明の方法における使用のためのHSV組成物のいずれかは、本明細書において記載される任意の形態または実施形態において、本発明のHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAまたはHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、組成物および本発明の方法における使用のための組成物のいずれかは、本明細書において記載される任意の形態または実施形態において、本発明のHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAまたはHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、本明細書において記載される任意の形態または実施形態において、本発明のHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAまたはHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAの組み合わせから本質的になる。いくつかの実施形態において、用語「含む」は、他のHSVタンパク質をコードする改変されたmRNAの包含、ならびに当該技術分野において公知であり得る他のタンパク質をコードする改変されたmRNAの包含を指す。いくつかの実施形態において、用語「本質的になること」は、特定のHSVタンパク質またはその断片をコードする改変されたmRNAを有する、組成物を指す。しかしながら、HSVタンパク質(複数を含む)をコードする改変されたmRNA(複数を含む)の有用性に直接関与しない他の成分が、含まれてもよい。いくつかの実施形態において、用語「からなる」は、本明細書において記載される任意の形態または実施形態において、特定のHSVタンパク質もしくは断片をコードする改変されたmRNA、または本発明のHSVタンパク質もしくは断片をコードする改変されたmRNAの組み合わせを有する組成物を指す。
【0277】
別の実施形態において、本発明は、本発明の改変されたmRNAを含む、HSV-1またはその症状もしくは徴候を治療するための組成物を提供する。
【0278】
別の実施形態において、本発明は、本発明の改変されたmRNAを含む、HSV-2またはその症状もしくは徴候を治療するための組成物を提供する。
【0279】
本発明の組成物、および方法は、1つの実施形態において、HSV-1のgD、gE、またはgCタンパク質、または別の実施形態において、HSV-2のHSV-1のgD、gE、またはgCタンパク質である、1つの実施形態において、HSV-1のgD、gE、またはgCタンパク質、または別の実施形態において、HSV-2のHSV-1のgD、gE、またはgCタンパク質に対して、70%相同、別の実施形態において、80%相同、別の実施形態において、85%相同、別の実施形態において、90%相同、別の実施形態において、95%相同、別の実施形態において、98%相同、および別の実施形態において、100%相同である、非HSVヘルペスウイルスにおいて同様に使用され得ることは、理解されるべきである。1つの実施形態において、かかる組成物は、癌、または別の実施形態において、腫瘍を抑制するか、阻害するか、予防するか、または治療するのに有用であり得る。1つの実施形態において、非HSVヘルペスウイルスは、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、EBNA、サイトメガロウイルス(CMV)、およびヒトヘルペスウイルス-6(HHV-6)を含む。
【0280】
本発明の方法の別の実施形態において、本発明の組成物は、1回投与される。別の実施形態において、組成物は、2回投与される。別の実施形態において、組成物は、3回投与される。別の実施形態において、組成物は、4回投与される。別の実施形態において、組成物は、少なくとも4回投与される。別の実施形態において、組成物は、4回より多く投与される。
【0281】
別の実施形態において、投薬量は、1日用量である。別の実施形態において、投薬量は、週1回の用量である。別の実施形態において、投薬量は、月1回の用量である。別の実施形態において、投薬量は、年1回の用量である。別の実施形態において、用量は、一連の定義された数の用量であるものである。別の実施形態において、用量は、1回用量である。
【0282】
1つの実施形態において、本明細書において上で記載されたブースター投与のいずれかは、HSV-1タンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つまたは複数の改変されたmRNAを含む初回刺激投与後に投与される。別の実施形態において、本明細書において上で記載されたブースター投与のいずれかは、HSV-2タンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つまたは複数の改変されたmRNAを含む初回刺激ワクチン接種後に投与される。
【0283】
1つの実施形態において、対象は、組成物の1回投与で免疫される。別の実施形態において、対象は、1回投与で免疫される。別の実施形態において、対象は、2回投与で免疫される。別の実施形態において、対象は、3回投与で免疫される。別の実施形態において、対象は、4回投与で免疫される。別の実施形態において、対象は、5回投与で免疫される。
【0284】
1つの実施形態において、組成物の全ての成分は、等しい濃度で提供される。この態様により、1つの実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、1:1:1の比で提供される。別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、5:2:5の比で提供される。別の実施形態において、gCおよびgDをコードする改変されたmRNAは、1:1の比で提供される。別の実施形態において、gCおよびgEをコードする改変されたmRNAは、1:1の比で提供される。別の実施形態において、gDおよびgEをコードする改変されたmRNAは、1:1の比で提供される。
【0285】
1つの実施形態において、gC、gD、gE、もしくはその組み合わせ、または他のHSV糖タンパク質と組み合わされた改変されたmRNAは、単一の組成物において、同じ部位で、同じ経路により投与され、一方、別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、別々の組成物において、別々の部位だが、同じ投与経路により投与され、または別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、別々の組成物において、別々の部位で、異なる投与経路により投与され、または別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、別々の組成物において、同じ部位で、異なる投与経路(例えば、注射および局所)により投与される。
【0286】
1つの実施形態において、本発明の方法は、本発明の1つまたは複数のヌクレオシド改変されたmRNAを含む組成物の1回または単回投与を含む。別の実施形態において、本発明の方法は、初回およびブースターアプローチにおける1つまたは複数のヌクレオシド改変されたmRNAを含む組成物の投与を含む。1つの実施形態において、本発明の方法は、当該対象に、1回目の投与に続く、当該ヌクレオシド改変されたmRNA組成物の1回または複数回の追加投与を投与する工程をさらに含む。
【0287】
別の実施形態において、本発明の方法は、1回目の投与として1つまたは複数のHSV糖タンパク質をコードする1つまたは複数のヌクレオシド改変されたmRNAを含む組成物および2回目または連続投与として1つまたは複数のHSV糖タンパク質を含む組成物を投与する工程を含む。1つの実施形態において、1回目(または初回)投与におけるmRNAによりコードされるHSV糖タンパク質は、2回目または連続(もしくはブースト)投与において同じ糖タンパク質である。別の実施形態において、1つまたは複数のHSV糖タンパク質を含む組成物は、1回目の投与として投与され、1つまたは複数のHSV糖タンパク質をコードする1つまたは複数のヌクレオシド改変されたmRNAを含む組成物は、2回目または連続投与として投与される。それぞれの可能性は、本発明の別々の実施形態を表す。
【0288】
別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、gCまたはgEをコードする改変されたmRNAを含まない、gDをコードする改変されたmRNAのブースター投与に続き、同時に投与される。別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、gDまたはgEをコードする改変されたmRNAを含まない、gCをコードする改変されたmRNAのブースター投与に続き、同時に投与される。別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、gDまたはgCをコードする改変されたmRNAを含まない、gEをコードする改変されたmRNAのブースター投与に続き、同時に投与される。別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、gEをコードする改変されたmRNAを含まない、gCおよびgDをコードする改変されたmRNAのブースター投与に続き、同時に投与される。別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、gDをコードする改変されたmRNAを含まない、gCおよびgEをコードする改変されたmRNAのブースター投与に続き、同時に投与される。別の実施形態において、gC、gD、およびgEをコードする改変されたmRNAは、gEをコードする改変されたmRNAを含まない、gDおよびgEをコードする改変されたmRNAのブースター投与に続き、同時に投与される。1つの実施形態において、ブースター投与は、初回刺激投与と、同じ部位で、同じ投与様式により行われる。別の実施形態において、ブースター投与は、初回刺激投与と異なる部位だが、初回刺激投与と同じ投与様式により行われる。1つの実施形態において、ブースター投与は、初回刺激投与と、同じ部位だが、異なる投与様式により行われる。別の実施形態において、ブースター投与は、初回刺激投与と、異なる部位で、異なる投与様式により行われる。
【0289】
1つの実施形態において、改変されたmRNAは、同じ量の同じ配列を有する改変されていないRNAより検出可能に低い先天性免疫応答を誘導する。
【0290】
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法の有効性は、補体の存在に依存し、一方、別の実施形態において、本発明の組成物および方法は、補体の存在に依存しない。1つの実施形態において、本発明の方法における使用のための組成物の一部の有効性は、補体の存在に依存し、一方、他のものは、依存しない。1つの実施形態において、抗gC抗体は、HSVに対するその有効性について補体に依存する。
【0291】
1つの実施形態において、補体は、自然および獲得免疫にとって重要な関与因子である。1つの実施形態において、補体活性化は、粒子食作用および溶解によるウイルス中和を促進し、好中球およびマクロファージの化学誘引物質として機能し、BおよびT細胞応答を増強する。1つの実施形態において、HSV-1 gCは、補体C3bに結合し、C5、およびC3bとのプロパージン相互作用をブロックし、補体活性化および補体介在性ウイルス中和を阻害する。1つの実施形態において、補体と相互作用するgC-1ドメインは、アミノ酸33~133内に位置し、C5、およびC3bへのプロパージン結合をブロックし、1つの実施形態において、補体と相互作用するgC-1ドメインは、アミノ酸124~366から伸長し、C3bに直接結合する。1つの実施形態において、C3b結合ドメインが欠損したHSV-1 gC変異体ウイルスは、in vitroで補体仲介性ウイルス中和により感受性であり、マウス側腹モデルにおいて野生型(WT)ウイルスより病原性が低い。それ故、1つの実施形態において、gC-1とC3bの間の相互作用は、HSV-1病原性を増強し、1つの実施形態において、gC-1ドメインのブロッキングは、HSV-1感染の予防または治療において有効である。
【0292】
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、ヒト対象における使用のためである、一方、別の実施形態において、それらは、動物対象における使用のためである。別の実施形態において、対象は、哺乳類である。別の実施形態において、対象は、HSVによる感染が疑われる任意の生物である。1つの実施形態において、対象は、マウス、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ブタなどである。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、オス対象において有効である。別の実施形態において、本発明の組成物および方法は、メス対象において有効である。1つの実施形態において、本発明の組成物および方法は、血清陰性対象において有効である。別の実施形態において、本発明の組成物および方法は、血清陽性対象において有効である。
【0293】
医薬製剤
1つの実施形態において、本発明の方法は、接触工程に先立ち、改変されたmRNAをトランスフェクション試薬と混合する工程をさらに含む。別の実施形態において、本発明の方法は、トランスフェクション試薬と一緒に改変されたmRNAを投与する工程をさらに含む。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、陽イオン性脂質試薬である。
【0294】
別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、脂質ベースのトランスフェクション試薬である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、タンパク質ベースのトランスフェクション試薬である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、ポリエチレンイミンベースのトランスフェクション試薬である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、リン酸カルシウムである。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、Lipofectin(登録商標)またはLipofectamine(登録商標)である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、当該技術分野において公知の任意の他のトランスフェクション試薬である。
【0295】
別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、リポソームを形成する。リポソームは、別の実施形態において、細胞内安定性を増大させ、取り込み効率を増大させ、生物学的活性を改善する。
【0296】
別の実施形態において、リポソームは、細胞膜を成すこれらの脂質と同じ様式で配置された脂質を含む中空球状小胞である。これらは、別の実施形態において、水溶性化合物を封入するための内部の水性空間を有し、直径が0.05~数ミクロンのサイズの範囲にある。別の実施形態において、リポソームは、RNAを細胞に生物学的に活性な形態でデリバリーし得る(Langer、Science 249:1527~1533頁(1990年);Treatら、in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler(編)、Liss、New York、353~365頁(1989年);Lopez-Berestein、同書、317~327頁を参照;同書を一般的に参照)。
【0297】
それぞれのタイプのトランスフェクション試薬は、本発明の別々の実施形態を表す。
【0298】
別の実施形態において、本発明の改変されたmRNAは、ナノ粒子において封入される。ナノ粒子パッケージング方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Bose
Sら、(Role of Nucleolin in Human Parainfluenza Virus Type 3 Infection of Human Lung Epithelial Cells、J. Virol、78:8146頁、2004年);Dong Yら、Poly(d,l-lactide-co-glycolide)/montmorillonite nanoparticles for oral delivery of anticancer drugs、Biomaterials、26:6068頁、2005年);Lobenberg Rら(Improved body distribution of 14C-labelled AZT
bound to nanoparticles in rats determined by radio luminography、J Drug Target、5:171頁、1998年);Sakuma S Rら(Mucoadhesion of
polystyrene nanoparticles having surface hydrophilic polymeric chains in the gastrointestinal tract、Int J Pharm、177:161頁、1999年);Virovic Lら(Novel delivery methods for treatment of viral hepatitis: an update、Expert Opin Drug Deliv、2:707頁、2005年);およびZimmermann Eら、(Electrolyte- and pH-stabilities of aqueous solid lipid nanoparticle (SLN) dispersions in artificial gastrointestinal media、Eur J Pharm Biopharm、52:203頁、2001年)において記載される。それぞれの方法は、本発明の別々の実施形態を表す。
【0299】
1つの実施形態において、ψmRNAをナノ粒子において封入して、デリバリーの効率およびψmRNAの発現を改善する。ナノ粒子パッケージングは、RNAを濃縮し、ポリ-L-リジンおよびポリエチレングリコールを含む化学物質を使用して、核膜の孔より小さい粒子に封入することを含む。1つの実施形態において、RNAは、4種のナノ粒子製剤(PEI、PLL、PAE、およびCK30PEG10k)の1種にパッケージングされる。
【0300】
脂質ナノ粒子
1つの実施形態において、本発明の組成物および方法において使用されるナノ粒子は、Cullis, P.、およびHope, M、(日付なし)、Lipid Nanoparticle Systems for Enabling Gene Therapies. Molecular therapy.、25(7)において記載される脂質ナノ粒子を含み、その全体が、本明細書において参照により取り込まれる。
【0301】
1つの実施形態において、ヌクレオシドが改変されたRNAのデリバリーは、本明細書において他で記載される典型的なRNAトランスフェクション方法を含む、任意の適当なデリバリー方法を含む。ある種の実施形態において、ヌクレオシドが改変されたRNAの対象へのデリバリーは、接触工程に先立ち、ヌクレオシドが改変されたRNAをトランスフェクション試薬と混合することを含む。別の実施形態において、本発明の方法は、トランスフェクション試薬と一緒にヌクレオシドが改変されたRNAを投与する工程をさらに含む。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、陽イオン性脂質試薬である。
【0302】
別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、脂質ベースのトランスフェクション試薬である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、タンパク質ベースのトランスフェクション試薬である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、ポリエチレンイミンベースのトランスフェクション試薬である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、リン酸カルシウムである。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、Lipofectin(登録商標)、Lipofectamine(登録商標)、またはTransIT(登録商標)である。別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、当該技術分野において公知の任意の他のトランスフェクション試薬である。
【0303】
別の実施形態において、トランスフェクション試薬は、リポソームを形成する。
【0304】
リポソームは、別の実施形態において、細胞内安定性を増大させ、取り込み効率を増大させ、生物学的活性を改善する。別の実施形態において、リポソームは、細胞膜を成すこれらの脂質と同じ様式で配置された脂質を含む中空球状小胞である。これらは、別の実施形態において、水溶性化合物を封入するための内部の水性空間を有し、直径が0.05~数ミクロンのサイズの範囲にある。別の実施形態において、リポソームは、RNAを細胞に生物学的に活性な形態でデリバリーすることができる。
【0305】
1つの実施形態において、組成物は、脂質ナノ粒子(LNP)および本明細書において記載される1つまたは複数の核酸分子を含む。例えば、1つの実施形態において、組成物は、LNPおよび1つもしくは複数の抗原をコードする1つもしくは複数のヌクレオシドが改変されたRNA分子、アジュバント、またはその組み合わせを含む。
【0306】
用語「脂質ナノ粒子」は、1つまたは複数の脂質、例えば、全体が本明細書において参照により取り込まれる、国際公開第2016176330A1号において記載される、式(I)、(II)または(III)の脂質を含む、ナノメーターのオーダー(例えば、1~1,000nm)の少なくとも1次元を有する粒子を指す。
【0307】
いくつかの実施形態において、脂質ナノ粒子は、本明細書において記載されるヌクレオシドが改変されたRNAを含む製剤において含まれる。いくつかの実施形態において、かかる脂質ナノ粒子は、陽イオン性脂質ならびに中性脂質、荷電脂質、ステロイドおよびポリマー結合脂質(例えば、化合物IVaのような、構造(IV)のペグ化脂質のペグ化脂質)から選択される1つまたは複数の賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、ヌクレオシドが改変されたRNAは、脂質ナノ粒子の脂質部分または脂質ナノ粒子の脂質部分の一部もしくは全てにより覆われる水性空間において封入され、これにより、これにより、これを、宿主生物または細胞の機序により誘導される酵素切断または他の不所望な作用、例えば、有害な免疫応答から保護する。
【0308】
様々な実施形態において、脂質ナノ粒子は、約30nm~約150nm、約40nm~約150nm、約50nm~約150nm、約60nm~約130nm、約70nm~約110nm、約70nm~約100nm、約80nm~約100nm、約90nm~約100nm、約70~約90nm、約80nm~約90nm、約70nm~約80nm、または約30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、もしくは150nmの平均直径を有し、実質的に無毒性である。ある種の実施形態において、ヌクレオシドが改変されたRNAは、脂質ナノ粒子に存在するとき、ヌクレアーゼを用いた分解に対して、水溶液において抵抗性である。
【0309】
LNPは、1つまたは複数の核酸分子が結合するか、1つまたは複数の核酸分子が封入される、粒子を形成する能力がある任意の脂質を含んでもよい。用語「脂質」は、脂肪酸の誘導体(例えば、エステル)であり、水において不溶解性であるが、多くの有機溶媒において溶解性であることにより一般に特徴付けられる、有機化合物の群を指す。脂質は、通常、少なくとも3種のクラス:(1)脂肪および油ならびにワックスを含む「単純脂質」;(2)リン脂質および糖脂質を含む「化合物脂質」;ならびに(3)ステロイドのような「誘導体脂質」に分けられる。
【0310】
1つの実施形態において、LNPは、1つまたは複数の陽イオン性脂質、および1つまたは複数の安定化脂質を含む。安定化脂質は、中性脂質およびペグ化脂質を含む。
【0311】
1つの実施形態において、LNPは、陽イオン性脂質を含む。本明細書において使用される、用語「陽イオン性脂質」は、pHが、脂質のイオン性基のpKより低いので、陽イオンであるか、または陽イオン性(プロトン化)になるが、より高いpH値において徐々により中性である脂質を指す。pK未満のpH値において、次に、脂質は、負に荷電した核酸と結合することができる。ある種の実施形態において、陽イオン性脂質は、pHが減少するにつれ、正に荷電とみなす、両性イオン脂質を含む。
【0312】
ある種の実施形態において、陽イオン性脂質は、生理学的pHのような、選択pHにおいて正味の正電荷を有する多数の脂質空間のいずれかを含む。かかる脂質は、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC);N-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB);N-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP);3-(N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル)コレステロール(DC-Choi)、N-(1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル)-N-2-(スペルミンカルボキサミド)エチル)-N,N-ジメチルアンモニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、オクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(DOGS)、1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、N,N-ジメチル-2,3-ジオレオイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、およびN-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)を含むが、これらに限定されない。加えて、本発明において使用され得る、陽イオン性脂質の多数の市販の調製物は、入手可能である。これらは、例えば、LIPOFECTIN(登録商標)(GIBCO/BRL、Grand Island、N.Y.から市販されている、DOTMAおよび1,2-ジオレオイル-sn-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)を含む陽イオン性リポソーム);LIPOFECTアミン(登録商標)(GIBCO/BRLから市販されている、N-(l-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N-(2-(スペルミンカルボキサミド)エチル)-N,N-ジメチルアンモニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)および(DOPE)を含む陽イオン性リポソーム);およびTRANSFECTAM(登録商標)(Promega Corp.、Madison、Wis.から市販されている、エタノール中でジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(DOGS)を含む陽イオン性脂質)を含む。次の脂質は、陽イオン性であり、生理学的pH未満において正の荷電を有する。
【0313】
DODAP、DODMA、DMDMA、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジリノールエニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)。
【0314】
1つの実施形態において、陽イオン性脂質は、アミノ脂質である。本発明において有用な適当なアミノ脂質は、全体が参照により本明細書において取り込まれる、国際公開第2012/016184号において記載されるものを含む。代表的なアミノ脂質は、1,2-ジリノレイオキシ-3-(ジメチルアミノ)アセトキシプロパン(DLin-DAC)、1,2-ジリノレイオキシ-3-モルホリノプロパン(DLin-MA)、1,2-ジリノレオイル-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDAP)、1,2-ジリノレイルチオ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-S-DMA)、1-リノレオイル-2-リノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-2-DMAP)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-トリメチルアミノプロパンクロライド塩(DLin-TMA.C1)、1,2-ジリノレオイル-3-トリメチルアミノプロパンクロライド塩(DLin-TAP.C1)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-(N-メチルピペラジノ)プロパン(DLin-MPZ)、3-(N,N-ジリノレイルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DLinAP)、3-(N,N-ジオレイルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DOAP)、1,2-ジリノレイルオキソ-3-(2-N,N-ジメチルアミノ)エトキシプロパン(DLin-EG-DMA)、および2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)を含むが、これらに限定されない。
【0315】
ある種の実施形態において、陽イオン性脂質は、約30~約95モルパーセントの量でLNPに存在する。1つの実施形態において、陽イオン性脂質は、約30~約70モルパーセントの量でLNPに存在する。1つの実施形態において、陽イオン性脂質は、約40~約60モルパーセントの量でLNPに存在する。1つの実施形態において、陽イオン性脂質は、約50モルパーセントの量でLNPに存在する。1つの実施形態において、LNPは、陽イオン性脂質のみを含む。ある種の実施形態において、L Pは、粒子の形成をそれらの形成中に安定化する1つまたは複数の追加の脂質を含む。
【0316】
適当な安定化脂質は、中性脂質および陰イオン性脂質を含む。
【0317】
用語「中性脂質」は、生理学的pHにて、荷電していないまたは中性両性イオン形態のいずれかで存在する多数の脂質種のいずれか1つを指す。
【0318】
代表的な中性脂質は、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、ケファリン、およびセレブロシドを含む。
【0319】
典型的な中性脂質は、例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジパルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、ジパルミトイルオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE)およびジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-トランスPE、1-ステアリオイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)、ならびに1,2-ジエライドイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(transDOPE)を含む。1つの実施形態において、中性脂質は、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロール-3-ホスホコリン(DSPC)である。
【0320】
いくつかの実施形態において、LNPは、DSPC、DPPC、DMPC、DOPC、POPC、DOPEおよびSMから選択される中性脂質を含む。様々な実施形態において、陽イオン性脂質(例えば、式(I)の脂質)の中性脂質に対するモル比は、約2:1~約8:1の範囲である。
【0321】
様々な実施形態において、LNPは、ステロイドまたはステロイド類似体をさらに含む。
【0322】
ある種の実施形態において、ステロイドまたはステロイド類似体は、コレステロールである。これらの実施形態のいくつかにおいて、陽イオン性脂質(例えば、式(I)の脂質)のコレステロールに対するモル比は、約2:1~1:1の範囲である。
【0323】
用語「陰イオン性脂質」は、生理学的pHにて負に荷電している任意の脂質を指す。これらの脂質は、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N-ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N-スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N-グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リジルホスファチジルグリセロール、パルミトイルオレオールホスファチジルグリセロール(POPG)、および中性脂質に結合した他の陰イオン性修飾基を含む。
【0324】
ある種の実施形態において、LNPは、糖脂質(例えば、モノシアロガングリオシドGmi)を含む。ある種の実施形態において、LNPは、コレステロールのような、ステロールを含む。
【0325】
いくつかの実施形態において、LNPは、ポリマー結合脂質を含む。用語「ポリマー結合脂質」は、脂質部分とポリマー部分の両方を含む分子を指す。ポリマー結合脂質の例は、ペグ化脂質である。用語「ペグ化脂質」は、脂質部分とポリエチレングリコール部分の両方を含む分子を指す。ペグ化脂質は、当該技術分野において公知であり、1-(モノメチルメトキシ-ポリエチレングリコール)-2,3-ジミリストイルグリセロール(PEG-s-DMG)などを含む。
【0326】
ある種の実施形態において、LNPは、ポリエチレングリコール-脂質(ペグ化脂質)である、追加の安定化脂質を含む。適当なポリエチレングリコール脂質は、PEG改変ホスファチジルエタノールアミン、PEG改変ホスファチジン酸、PEG改変セラミド(例えば、PEG-CerC14またはPEG-CerC20)、PEG改変ジアルキルアミン、PEG改変ジアシルグリセロール、PEG改変ジアルキルグリセロールを含む。
【0327】
代表的なポリエチレングリコール脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-c-DMA、およびPEG-s-DMGを含む。1つの実施形態において、ポリエチレングリコール脂質は、N-[(メトキシポリ(エチレングリコール)OOO)カルバミル]-1,2-ジミリスチルオキシルプロピル-3-アミン(PEG-c-DMA)である。1つの実施形態において、ポリエチレングリコール脂質は、PEG-c-DOMGである。他の実施形態において、LNPは、1-(モノメトキシ-ポリエチレングリコール)-2,3-ジミリストイルグリセロール(PEG-DMG)のようなペグ化ジアシルグリセロール(PEG-DAG)、ペグ化ホスファチジルエタノロアミン(PEG-PE)、4-O-(2’,3’-ジ(テトラデカノイルオキシ)プロピル-1-O-(コ-メトキシ(ポリエトキシ)エチル)ブタネジオエート(PEG-S-DMG)のようなPEGスクシネートジアシルグリセロール(PEG-S-DAG)、ペグ化セラミド(PEG-cer)、またはQ-メトキシ(ポリエトキシ)エチル-N-(2,3-ジ(テトラデカノキシ)プロピル)カルバメートもしくは2,3-ジ(テトラデカノキシ)プロピル-N-(コ-メトキシ(ポリエトキシ)エチル)カルバメートのようなPEGジアルコキシプロピルカルバメートを含む。様々な実施形態において、陽イオン性脂質のペグ化脂質に対するモル比は、約100:1~約25:1の範囲である。
【0328】
ある種の実施形態において、追加の脂質は、約1~約10モルパーセントの量でLNPに存在する。1つの実施形態において、追加の脂質は、約1~約5モルパーセントの量でLNPに存在する。1つの実施形態において、追加の脂質は、約1モルパーセントまたは約1.5モルパーセントの量でLNPに存在する。
【0329】
ある種の実施形態において、LNPは、LNPを細胞または細胞集団に標的化する能力がある1つまたは複数の標的部位を含む。例えば、1つの実施形態において、標的部分は、細胞表面において見られる受容体にLNPを向けるリガンドである。
【0330】
ある種の実施形態において、LNPは、1つまたは複数の内部移行ドメインを含む。例えば、1つの実施形態において、LNPは、細胞に結合して、LNPの内部移行を誘導する1つまたは複数のドメインを含む。例えば、1つの実施形態において、1つまたは複数の内部移行ドメインは、脂肪表面に見られる受容体に結合して、LNPの受容体介在性取り込みを誘導する。ある種の実施形態において、LNPは、in vivoで分子に結合する能力があり、ここで、次に、LNP結合分子を、細胞表面受容体が認識して、内部有効を誘導し得る。例えば、1つの実施形態において、LNPは、全身性ApoEに結合し、LNPおよび付随するカーゴの取り込みを誘導する。
【0331】
他の例となるLNPおよびそれらの製造は、例えば、国際公開第2016176330A1号、米国特許公開第US20120276209号、Sempleら、2010年、Nat Biotechnol.、28(2):172~176頁;Akincら、2010年、Mol Ther.、18(7):1357~1364頁;Bashaら、2011年、Mol Ther、19(12):2186~2200頁;Leungら、2012年、J Phys Chem C Nanomater Interfaces、116(34):18440~18450頁;Leeら、2012年、Int J Cancer.、131(5):E781~90頁;Belliveauら、2012年、Mol Ther nucleic Acids、1:e37;Jayaramanら、2012年、Angew Chem Int Ed Engl.、51(34):8529~8533頁;Muiら、2013年、Mol Ther Nucleic Acids.、2、e139;Maierら、2013年、Mol Ther.、21(8):1570~1578頁;およびTarnら、2013年、Nanomedicine、9(5):665~74頁において当該技術分野において記載され、これらのそれぞれが、これらの全体が参照により取り込まれる。
【0332】
別の実施形態において、本発明の方法は、HSV糖タンパク質をコードする改変されたmRNAおよび医薬的に許容される担体または希釈剤を投与する工程を含む。他の実施形態において、液体製剤のための医薬的に許容される担体は、水性もしくは非水性溶液、懸濁液、エマルジョンまたは油であってもよい。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルである。水性担体は、食塩水および緩衝媒体を含む、水、アルコール性/水性溶液、エマルジョンまたは懸濁液を含む。油の例は、石油、動物、植物、または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、オリーブ油、ひまわり油、および魚肝油である。
【0333】
本明細書において使用される、「医薬的に許容される担体または希釈剤」は、当業者に周知である。
【0334】
別の実施形態において、本明細書において提供される医薬組成物は、制御放出組成物、すなわち、化合物が、投与後長期間に渡り放出される、組成物である。放出制御または持続放出組成物は、脂溶性デポー(例えば、脂肪酸、ワックス、油)中の製剤を含む。別の実施形態において、組成物は、即効放出組成物、すなわち、化合物全体が、投与直後に放出される組成物である。
【0335】
添加剤、賦形剤、製剤および投与方法のそれぞれは、本発明の別々の実施形態を表す。
【0336】
別の実施形態において、本発明は、本発明の方法の実施において利用される試薬を含むキットを提供する。別の実施形態において、本発明は、本発明の組成物、ツール、または指示書を含むキットを提供する。
【0337】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより完全に説明するために提示される。これらは、しかしながら、本発明の広い範囲を制限すると決して解釈されるべきではない。
【実施例0338】
実施例1:材料および実験方法
HSV-2糖タンパク質C、DおよびE(gC2/gD2/gE2)外部ドメインを発現する改変したmRNA。改変したmRNA(gC2(配列番号10)をコードする、gD2(配列番号4)をコードする、およびgE2(配列番号16)をコードする)を、HSV-2 333株由来のHSV-2糖タンパク質C(gC2)アミノ酸27~426(配列番号11)、HSV-2 333株由来の糖タンパク質D(gD2)アミノ酸26~331(配列番号5)、およびHSV-2株2.12由来の糖タンパク質E(gE2)アミノ酸24~405(配列番号17)をコードするDNAコード配列に基づき調製した。
【0339】
改変したmRNAを、Acuitas Therapeuticsによりリポソームナノ粒子(LNP)に取り込み、次の免疫原:(a)LNP中の多価CmRNA;(b)LNP中のgC2改変したmRNA;(c)LNP中のgD2改変したmRNA;(d)LNP中のgE2改変したmRNA;(e)LNP中のgC2およびgD2およびgE2改変したmRNAを調製した。
【0340】
免疫群は、次の通りであった:
a)対照(多価C群):4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与した多価CmRNA/LNP。
b)gD2単独(gD2群):4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与したgD2mRNA/LNP10μg。
c)個々の三価(三価-I群):それぞれ2つのアリコートに分け、それぞれ2ヶ所の部位にて投与したgC2mRNA/LNP10μg、gD2mRNA/LNP10μg、gE2mRNA/LNP10μg。
d)組み合わせた三価(三価-C群):LNPに組み合わせ、4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与したgC2mRNA10μgおよびgD2mRNA10μgおよびgE2mRNA10μg。
【0341】
実験手法。電気レーザーおよびナイルを使用して、6~8週齢のBALB/cマウスの背から毛を除去した。1回目および2回目の免疫に先立ち、および膣内負荷に先立ち、マウスを出血させた。2回の免疫を、28日の間隔で皮内で行った。皮内免疫を、露出した背中にて行った。個々の部位にて三価のワクチン接種を受けた5匹のマウス(上の群c)を、2回目の免疫の14日後に屠殺した。gC2、gD2およびgE2サブユニット抗原に対する、またはそれぞれ11個の重複するアミノ酸を含む15種のアミノ酸ペプチドに対するCD4およびCD8T細胞応答のため、脾臓を回収した。2回目の免疫の28日後、マウスを、Depo-Provera2mgで皮下処理し、5日後、5×10PFUHSV-2株MS(約400LD50)で膣内感染させた。負荷後2および4日目において、膣スワブをウイルス培養のために得た。負荷後4日目において、それぞれのワクチン接種群における数匹のマウスを屠殺し、後根神経節(DRG)を、HSV-2DNAqPCRのため切除した。残る動物を、10日間の体重減少および後肢衰弱について評価し、一方、生存および生殖器疾患を、28日間モニターした。
【0342】
実施例2:gC2、gP2、およびgE2改変したMRNAが産生した翻訳産物の特徴
哺乳類細胞に遺伝子導入したとき、予想分子量のタンパク質を発現する改変したmRNAの能力を検証した。gC2、gD2、またはgE2改変したmRNA0.1μgを、遺伝子導入のためのTransIT-mRNA(Mirus Bio LLC)を使用して、293T細胞に遺伝子導入した。18時間後、細胞を回収し、ウエスタンブロットのため抽出物を調製した。gC2、gD2およびgE2の外部ドメイン(標識mRNA-ecto)を発現するよう、mRNAを設計した。予想分子量についての対照として、mRNAコンストラクト(標識Bac-ecto)と同じアミノ酸を発現する精製バキュロウイルスタンパク質gC2、gD2、およびgE2を使用した(図1A~C)。
【0343】
結論:哺乳類細胞に遺伝子導入したとき、HSV-2 gC2(図1A)、gD2(図1B)およびgE2(図1C)の外部ドメインをコードする改変したmRNAは、ウエスタンブロットにおいて糖タンパク質に対する抗体と反応した適当な分子のタンパク質を産生した。
【0344】
実施例3:gD2または三価改変したMRNAワクチン接種で免疫した対象におけるELISA抗体応答
ELISAエンドポイントタイターを、1回目および2回目の免疫の28日後に採取した血清において評価した。免疫群は、次の通りであった: 多価C(4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与した多価CmRNA/LNP10μg)(対照);gD2(4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与したgD2mRNA/LNP10μg);三価-I(それぞれ2つのアリコートに分け、それぞれ2ヶ所の部位にて投与したgC2mRNA/LNP10μg、gD2mRNA/LNP10μg、gE2mRNA/LNP10μg);および三価-C(LNPに組み合わせ、4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与したgC2bmRNA10μgおよびgD2mRNA10μgおよびgE2mRNA10μg)。
【0345】
4匹の動物を、それぞれの群において評価した。1回目の免疫(ローマ数字Iとして印をつけた;図2A~C)後に、それぞれの免疫原に対して高いELISAタイターを得て、2回目の免疫(ローマ数字IIとして印をつけた;図2A~C)後に、タイターはより高くブーストした。gD2改変したmRNAワクチン接種を用いた免疫は、非常に高いタイターのgD2に対するELISA抗体を選択的に誘導し(図2B)、一方、三価改変したmRNAワクチン接種を用いた免疫は、非常に高いタイターのgC2に対するELISA抗体(図2A)およびgD2に対するELISA抗体(図2B)、ならびに高いタイターのgE2に対するELISA抗体(図2C)を産生した。全ての非対照群において、2回目の免疫は、1回目と比較してELISAタイターを有意にブーストした。2回目の免疫におけるタイターと1回目の免疫におけるタイターの間の差は、有意であった、p<0.05(t検定、1回目および2回目の免疫後の抗体タイターを比較する)。
【0346】
結論:gD2mRNAならびにgC2、gD2およびgE2mRNA免疫原は、1回目の免疫後に非常に高いタイターのELISA抗体を誘導し、それを2回目の免疫後に有意にブーストした。
【0347】
実施例4:改変したMRNA免疫により産生したバランスのとれたT1およびT2 IgGアイソタイプ
1またはT2免疫応答を主に刺激するmRNA免疫の能力を、IgG1(T2)またはIgG2a(T1)抗体を産生するかどうかを決定することにより試験した。全3種の抗原gC2、gD2およびgE2を用いてコーティングしたプレートにおいて、ELISAを行った。1回目または2回目の免疫後に得た血清を、抗原でコーティングしたプレートに加え、IgG1またはIgG2aを、HRP抗マウスIgG1またはIgG2aを使用して検出した。IgG1(図3A)およびIgG2a(図3B)タイターは、gD2および三価改変したmRNAワクチン接種を用いた免疫後に、有意に上昇した。さらに、IgG1(図3A)またはIgG2a(図3B)タイターは、1回目と比較して、2回目の改変したmRNA免疫後に有意に高かった、p<0.05(t検定)。
【0348】
結論:結果は、IgG1とIgG2aアイソタイプの両方に対する抗体のタイターを生じることを示し、これは、改変したgC2、gD2およびgE2mRNAを用いた免疫に対するバランスのとれたT1およびT2応答を示している。
【0349】
実施例5:改変したMRNA免疫後の高い中和抗体タイター
2回目の免疫の28日後に、血清を得て、1:25希釈から開始する、連続2倍希釈の血清、および補体の供給源としての10%ヒト血清を使用して、中和抗体タイターを決定した。HSV-1およびHSV-2についての個々の血清陰性から、ヒト血清を得た。改変したmRNA群は、それぞれ、多価C対照と有意に異なった(p<0.001;図4)。mRNA群のそれぞれは、互いに有意に異ならない一方、組み合わせた免疫原として投与した三価ワクチン接種(三価-C)を、3種のmRNA群のベストとして行った(図4)。
【0350】
結論:改変したmRNA群のそれぞれは、10%ヒト補体の存在下で非常に高いタイターの中和抗体を産生した。
【0351】
実施例6:改変したMRNA免疫後の脾細胞におけるCD4およびCD8T細胞応答
別々の部位にてそれぞれの糖タンパク質mRNAを用いて免疫した三価改変したmRNA群(三価-I群)の5匹の動物を、2回目の免疫の14日後に安楽死させた。T細胞アッセイのため、脾細胞を調製した。脾細胞を、バキュロウイルスにおいて調製した糖タンパク質サブユニット抗原または11個の重複するアミノ酸を含有する15種のアミノ酸ペプチドを用いて刺激した。CD4およびCD8T細胞応答を、それぞれ、図5および6において示す。
【0352】
CD4T細胞:改変したmRNA発現gC2、gD2、およびgE2サブユニット抗原は、それぞれ、多機能CD4T細胞応答を刺激した(図5A~5B)。免疫した対象から回収し、次に、サブユニット抗原糖タンパク質を用いて刺激した脾細胞は、多機能CD4T細胞応答を増大した(図5A)。免疫した対象から回収し、次に、15種のアミノ酸重複ペプチドを用いて刺激した脾細胞は、多機能CD4T細胞応答およびIFNγ応答を増大した(図5B)。CD8T細胞:gEペプチドプール2のみが、有意なIFNγCD8T細胞応答を刺激した(図6B)。
【0353】
実施例7:改変したMRNA免疫および膣内負荷後の生存、体重減少および神経学的徴候
2回目の免疫の33日後、動物に、5×10PFUのHSV-2株MS(約400LD50)を膣内接種した。生存、後肢脆弱または麻痺および猫背の歩調からなる神経学的徴候、ならびに体重減少または増加について、動物を毎日観察した。多価C対照群における全ての動物は死亡し、一方、gD2単独、個別に投与した三価(標識三価-I)または組み合わせて投与した三価(標識三価-C)における全ての動物は生存した(図7A;多価C対照を用いた3つのmRNA/LNP群と比較するLog-rank(Mantel-Cox)によりp=0.002)。図7Bは、28日の間隔で2回の改変したmRNAワクチンの投与およびHSV-2の膣内負荷は、神経学的徴候または体重減少をもたらさないことを示す。ワクチンを投与し、HSV-2を膣内負荷した対照対象は、体重減少および神経学的徴候を示した。
【0354】
mRNA/LNP群のそれぞれは、対照群より有意に優れた。改変したmRNAで免疫した全てのマウスは、HSV-2の約400LD50の膣内負荷後に、生存し、体重減少、神経学的疾患または生殖器病変の証拠を示さなかった。
【0355】
実施例8:改変したMRNA免疫および膣内負荷後のHSV-2膣タイター
負荷後2および4日目に、1群当たり10匹の動物から、膣スワブを得て、複製コンピテントHSV-2ウイルスについて培養した。図8に、結果を示す。多価C群における10匹中9匹の動物は、gD2群における10匹中3匹、および三価-Iまたは三価-C群における10匹中0匹と比較して、2日目(図8A)および4日目(図8B)にて陽性の培養物を有した(Fisher Exact試験によるP値は、三価群をgD2単独と比較して有意ではなかった;三価-Iまたは三価-Cを多価Cと比較して、p<0.001;gD2単独を多価Cと比較して、p=0.02)。
【0356】
mRNA/LNP群のそれぞれは、多価C対照群より有意に優れた。顕著には、負荷後の2日目および4日目の膣タイターは、別々の部位においてまたは組み合わせた免疫として投与したかどうかに関わらず、三価mRNAで免疫したマウスにおいて陰性であった。いずれかの三価群をgD2単独と比較して、有意差を検出しないが、gD2群における10匹のうち3匹のマウスは、膣スワブから単離したウイルスを有していたので、両方の三価群は、gD2単独群より優れていた。
【0357】
実施例9:改変したMRNA免疫および膣内負荷後の生殖器疾患
負荷後28日間、生殖器疾患について動物を毎日モニターした。スコア0を、疾患なしと指定し、1ポイントそれぞれを、肛門または生殖口周囲の毛の喪失、生殖紅斑、生殖器浸出液、および生殖組織の壊死と指定した(図9)。
【0358】
gD2または三価mRNA/LNP群における動物は、生殖器疾患を発症せず、多価C対照より有意に異なった(p<0.001、Kruskal-Wallis検定による一元配置分散分析、続いて有意性についてダンの多重比較)。
【0359】
実施例10:改変したMRNA免疫および膣内負荷後の後根神経節におけるHSV-2DNA
4匹の動物を安楽死させた三価の組み合わせた群を除き、1群当たり5匹の動物を、負荷の4日後に安楽死させた。Us9遺伝子を検出するためのqPCRによるHSV-2DNA定量のため、後根神経節(DRG)を回収した。多価C群における全5匹の動物は、DRGにおいて検出したHSV-2DNAを有し、一方、gDmRNAにおける5匹中2匹の動物、個々の部位での三価mRNAにおける5匹中1匹の動物、および同じ部位にて投与した4匹中1匹の三価mRNAは、HSV-2DNAについて陽性であった(図10;マン・ホイットニー検定:多価Cと比較したgD2、p=0.03;多価Cと比較した、異なる部位での三価、p<0.01;多価Cと比較した、同じ部位での三価、p=0.14)。改変したmRNAで免疫した群の間の差は、有意でなかった。
【0360】
結論:gD2単独または三価ワクチンで免疫した動物の75%~80%において感染後4日目において、後根神経節は、HSV-2DNAについて陽性であった。異なる部位での三価mRNA群およびgD2mRNA群は、多価CmRNA対照群より有意に優れており、一方、一緒に投与した全ての糖タンパク質を含む三価mRNA群は、恐らく三価組み合わせた群におけるより小さい試料サイズのため、多価C群と有意に異ならなかった。
【0361】
概要
gD2単独またはgC2、gD2およびgE2を発現する改変したmRNAワクチンは、HSV-2生殖器負荷に対する傑出した保護をもたらした。3種のタンパク質の発現は、負荷後2日目および4日目のタイターに基づき、gD2より有意に優れており、HSV-2DNAを用いた動物のより少ない数を、4日目のDRGにおいて検出した。
【0362】
実施例11:免疫したマウスにおける濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞および胚中心B細胞応答
BALB/cメスマウスを、負の対照の動物として免疫しないままにするか、または28日間の間隔にて多価CmRNA-LNPまたは価改変したmRNA-LNPで皮内免疫した。多価CmRNA対照は、4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与した多価CmRNA-LNP10μgを受け取った。三価改変したmRNA群は、それぞれ、2つのアリコートに分け、それぞれ2ヶ所の部位にて投与したgC2mRNA-LNP10μg、gD2mRNA-LNP10μg、およびgE2mRNA-LNP10μgを受け取った。2回目の免疫の2週間後、1つの群当たり5匹の動物から、脾臓を回収し、フローサイトメトリーを行って、濾胞性ヘルパーT(Tfh)細胞(図11Ap<0.05)および胚中心B細胞応答(図11Bp<0.05)を検出した。
【0363】
結論:三価mRNA-LNPワクチンは、強力なTfhおよび胚中心B細胞応答を誘導し、Tfhと胚中心B細胞応答の両方について多価C対照免疫(p<0.05)および負の群(p<0.05)より有意に優れていた。これらの免疫応答は、三価改変したmRNA-LNPワクチンは、永続性のある抗体応答を恐らく誘導することを示唆する。
【0364】
実施例12:マウスにおける改変したMRNA免疫に対する膣IgG応答
BALB/cマウスを、28日間の間隔にて、多価CmRNA-LNP10μg、gD2mRNA-LNP10μgまたはgC2、gD2、gE三価改変したmRNA-LNPそれぞれ10μgで2回皮内免疫した。三価mRNAを組み合わせ、LNPに組み合わせ、4つのアリコートに分け、4ヶ所の部位にて投与したgC2mRNA10μgおよびgD2mRNA10μgおよびgE2mRNA10μgを投与した。2回目の免疫の1ヶ月後、膣腔において、培地60μlを導入し、回復させた。gC2(図12A)、gD2(図12B)、およびgE2(図12C)に対するIgGタイターを、ELISAにより、1:50希釈の膣洗浄液にて決定した(図12A~C、多価C群においてn=10マウス、gD2mRNA群においてn=10および三価mRNA群においてn=25;***p<0.001;**p<0.01)。
【0365】
結論:三価mRNAは、gC2(図12A)およびgD2(図12B)に対して強い膣IgG応答を生じ、gE2に対してより中程度の応答を生じた(図12C)。gD2ELISAタイターは、改変したgD2mRNAワクチンを用いて免疫したマウスと比較して、改変した三価mRNAワクチンを用いて免疫したマウスにおいてより高かった(図12B)。
【0366】
実施例13:マウスの三価MRNA免疫により産生されたgC2に対する抗体はgC2上の免疫回避ドメインをブロックする
BALB/cマウスを、非免疫IgGの供給源として免疫しないままにするか、または多価CmRNA-LNPまたは三価mRNA-LNPを用いて皮内免疫した。多価CmRNA対照は、4つのアリコートに分け、4ヶ所の別々の部位にて投与した多価CmRNA-LNP10μgを受け取った。gD2mRNA群は、多価CmRNA-LNPについて記載した通り投与したgD2mRNA-LNP10μgを受け取った。三価改変したmRNA群は、1つのLNPに組み合わせ、4つのアリコートに分け、4ヶ所の部位にて投与したgC2mRNA-LNP10μg、gD2mRNA-LNP10μg、およびgE2mRNA-LNP10μgを受け取った。それぞれの群において10匹のマウスが存在した。10匹のマウス由来の血清をプールし、IgGを精製した。IgGを、12μg/200μlにて、gC2に結合している補体成分C3bをブロックするその能力について評価した。このブロッキングアッセイを使用して、免疫により産生された抗体が、gC2の免疫回避特性をブロックするかどうかを評価する。非免疫マウスIgG、多価CmRNA群由来のIgG、およびgD2mRNA群由来のIgGは、それぞれ、C3bに結合しているgC2をブロックしなかった。対照的に、三価mRNAで免疫したマウス由来のIgGは、gC2とC3bの間の相互作用を全体的にブロックした(図13****p<0.0001)。
【0367】
結論:三価mRNAワクチンは、gC2とC3bの間の相互作用をブロックすることにより決定した、gC2上の免疫回避ドメインをブロックする抗体を産生する。
【0368】
実施例14:改変したMRNAワクチン接種後のより高いタイターのHSV-2でのマウスの膣内感染
BALB/cマウス(n=5)を、それぞれ、2つのアリコートに分け、それぞれ2ヶ所の部位にて個々に投与したgC2mRNA-LNP10μg、gD2mRNA-LNP10μg、gE2mRNA-LNP10μgを使用して、三価改変したmRNAで免疫した。2回目の免疫の1ヶ月後、マウスを、メドロキシプロゲステロンを用いて処理し、5日後に、5×10PFU HSV-2株MS(2,000LD50)を膣内感染させた。動物を28日間続け、感染の2および4日後に、死亡、生殖器疾患、膣ウイルスタイターについて評価し、感染の28日後に、後根神経節(DRG)HSV-2DNAコピー数を評価した。三価mRNA-LNPワクチンを用いて免疫したマウスは、死亡せず、生殖器疾患を有さず、感染後2または4日目に検出したウイルスを有さないか、またはDRGにおいて検出したHSV-2DNAを有さなかった(表1)。
【表1】
【0369】
結論:マウスを、本明細書において記載した前の実験において使用したものより10倍高い用量のHSV-2を感染させた(図7~10)。マウスの保護は、このより高いタイターの負荷においてさえ傑出したままであった。本発明者らは、感染後2および4日後における死亡なし、生殖器疾患なし、負の膣ウイルスタイター、および28日目において腰仙部のDRGにおけるHSV-2DNAなしにより決定した通り、全5匹のマウスにおいて安定化免疫を達成した(表1)。
【0370】
実施例15:マウスにおける改変したMRNA免疫の筋肉内経路の評価
BALB/cマウスを、対照として多価CmRNA-LNPを用いて(15/群)またはgC2、gD2およびgE2mRNA-LNPのそれぞれ10μgを含有する三価mRNAを用いて(20/群)筋肉内免疫した。全多価C対照動物は、12日目までに死亡し、一方、三価mRNA群における全動物が生存した(図14A)。三価mRNA群において体重減少は生じず、一方、多価C対照動物は、体重の>15%を失った(図14B)。多価C群は、広大な生殖器疾患を発症し、一方、三価mRNAの動物は、生殖器疾患を有さなかった(図14C)。感染後7~12日目の安楽死の時に、9匹の多価C動物から、または三価mRNA群において28日目の実験の終わりに、DRGを回収した。多価C群における全動物は、DRGにおいて検出したHSV-2DNAを有し、一方、三価mRNA群においてHSV-2DNAについて陽性のものはいなかった(図14D)。2日目(図14E)および4日目(図14F)の膣ウイルス培養物は、多価C群において全15匹の動物において陽性であり、一方、培養物は、三価mRNA群における全20匹の動物において陰性であった。多価Cと三価群の間の差は、有意であり、それぞれの図についてp<0.001であった(図14A~14F)。
【0371】
結論:三価改変したmRNA-LNPは、筋肉内投与したとき、マウスにおいて傑出した保護をもたらす。本発明者らは、マウスを皮内免疫したとき、上で比較可能な知見を報告した。全体として、本発明者らは、ここで、皮内(図7~10)または筋肉内(図14)のいずれかで投与したそれぞれの免疫原10μgの三価mRNAで免疫した64匹のマウスを評価した。本発明者らは、死亡なし、生殖器疾患なし、体重減少なし、負の2および4日目の膣タイターならびにDRGにおける負のHSV-2DNAに基づき、63/64(98%)匹のマウスにおける安定化免疫を達成した。
【0372】
実施例16:BALB/cマウスにおける三価mRNA-LNPおよび三価サブユニット抗原CPG/ミョウバンを用いた免疫の比較の概要
本明細書において以下の表2において提示する結果は、gC2、gD2およびgE2mRNA-LNPのそれぞれ10μgを含有する三価mRNAを用いて皮内または筋肉内のいずれかで免疫したBALB/cマウスにおける全ての結果の概要を表す(計64匹のマウスを研究した)。本発明者らは、HSV-2 333株由来のgC2アミノ酸27~426を含有するbac-gC2(27-426t)、HSV-1 333株由来のgD2アミノ酸26~331を含有するbac-gD2(306t)、およびHSV-2株2.12由来のgE2アミノ酸24~405を含有するbac-gE2(24-405t)のそれぞれ5μgをもちいて免疫したBALB/cマウスにおいて得た結果との比較を示す。gC2、gD2、gE2サブユニット抗原を、アジュバントとしてタンパク質1μg当たりCpG150μgおよびミョウバン25μgと混合し、筋肉内投与した。本発明者らが、先の実験で行った通り、マウスを、28日間の間隔で2回、三価mRNA-LNPを用いて免疫し、14日間の間隔で3回、サブユニット抗原を用いて免疫した。mRNAおよびサブユニット抗原実験を、同時に行った。表2において概説する結果は、多くの免疫応答パラメーターにおいて、および最も重要なことには、ワクチン有効性において三価サブユニット抗原ワクチンより三価mRNA-LNPワクチンの有意な優位性を示す。三価mRNA-LNPワクチンは、サブユニット抗原群における15/20(75%)と比較して、63/64(98%)匹のマウスにおいて安定化免疫を達成した。
【表2-1】
【表2-2】
【0373】
実施例17:モルモットにおける三価MRNA-LNPワクチンの評価
ハートレイ系メスモルモットを、免疫せず、感染させないままにし(負の群、n=10)、1ヶ月の間隔で3回、多価CmRNA-LNP20μg(n=10)またはgC2、gD2、gE改変したmRNA-LNPのそれぞれ20μg(n=10)を用いて皮内免疫した。最終免疫の1ヶ月後、多価Cおよび三価mRNA群における動物に、5×10PFUのHSV-2株MS(50LD50)を膣内感染させた。死亡、感染の急性期(1~14日目)中の生殖器病変、および感染の再発期(15~60日目)中の生殖器病変について、動物を観察した。多価C対照群において、10匹中7匹の動物が死亡ししたか、または感染の7~20日後に人間的に安楽死させ、一方、三価群における動物および未処理(感染させていない)の動物のいずれも死亡しなかった(図15A)。多価C群は、急性生殖器疾患を発症している10匹中9匹の動物を含む、感染の急性期中の中央値6.4日目に生殖器病変を有し、一方、三価群または未処理(感染させていない)群における動物はいずれも、急性生殖器疾患を発症しなかった(図15B)。多価C動物は、再発生殖器病変を発症している3匹中2匹の動物を含む、感染の再発期中の中央値3.7日目に生殖器病変を有していた(図15C)。対照的に、三価で免疫したモルモットおよび未処理(感染させていない)の動物は、再発生殖器病変を有さなかった(図15C)。
結論:三価改変したmRNA-LNPは、モルモットにおいて急性および再発生殖器病変に対する傑出した保護をもたらした。
【0374】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を記載し、本発明が、正確な実施形態に制限されないこと、および様々な変更および改変が、添付の請求の範囲において定義される本発明の範囲または精神から逸脱することなく、当業者によりそこで達成され得ることは、理解されるべきである。
【0375】
本明細書において引用される全ての特許文書および参考文献は、完全に記載されるように、参照により組み込まれる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
1又は複数のヌクレオシド修飾mRNAを含む組成物であって、前記ヌクレオシド修飾mRNAのそれぞれが、単純ヘルペスウイルス(HSV)糖タンパク質又はその免疫原性断片をコードし、また前記ヌクレオシド修飾mRNAは、1又は複数のプソイドウリジン残基を含む、組成物。
(項目2)
前記1又は複数のプソイドウリジン残基は、m1Ψ(1-メチルプソイドウリジン)を含む、項目1記載の組成物。
(項目3)
前記1又は複数のプソイドウリジン残基は、macpΨ(1-メチル-3-(3-アミノ-5-カルボキシプロピル)プソイドウリジン、Ψm(2’-O-メチルプソイドウリジン、mD(5-メチルジヒドロウリジン)、mΨ(3-メチルプソイドウリジン)、又はこれらの任意の組合せを含む、項目1記載の組成物。
(項目4)
1又は複数の前記ヌクレオシド修飾mRNAが、a)HSV糖タンパク質D(gD)若しくはその免疫原性断片、b)HSV糖タンパク質C(gC)若しくはその免疫原性断片、及びc)HSV糖タンパク質E(gE)若しくはその免疫原性断片、又はこれらの任意の組合せをコードする、項目1から3のいずれか一項に記載の組成物。
(項目5)
前記HSV糖タンパク質は、HSV-1糖タンパク質を含む、項目4記載の組成物。
(項目6)
前記HSV糖タンパク質は、HSV-2糖タンパク質を含む、項目4記載の組成物。
(項目7)
HSVのgD免疫原性断片の前記免疫原性断片をコードする前記ヌクレオシド修飾mRNAは、HSV-2 333株由来のアミノ酸26~331又は別のHSV株由来の相同配列を含む、項目6記載の組成物。
(項目8)
前記ヌクレオシド修飾mRNAの核酸配列は、配列番号4に明記するとおりである、項目7記載の組成物。
(項目9)
HSV gCの前記免疫原性断片は、そのC3b結合ドメイン、そのプロパージン干渉ドメイン、そのC5干渉ドメイン、又は前記C3b結合ドメイン、プロパージン干渉ドメイン、若しくはC5干渉ドメインの断片のいずれかを含む、項目4から8のいずれか一項に記載の組成物。
(項目10)
HSV gCの前記免疫原性断片をコードする前記ヌクレオシド修飾mRNAは、HSV-2 333株由来のアミノ酸27~426又は別のHSV株由来の相同配列を含む、項目6から9のいずれか一項に記載の組成物。
(項目11)
前記ヌクレオシド修飾mRNAの核酸配列は、配列番号10に明記するとおりである、項目10記載の組成物。
(項目12)
HSV gEの前記免疫原性断片は、HSV-2 2.12株由来のアミノ酸24~405又は別のHSV株由来の相同配列を含む、項目6から11のいずれか一項に記載の組成物。
(項目13)
前記ヌクレオシド修飾mRNAの核酸配列は、配列番号16に明記するとおりである、項目12記載の組成物。
(項目14)
1又は複数の前記ヌクレオシド修飾mRNAが、a)HSV糖タンパク質B(gB)若しくはその免疫原性断片、b)HSV糖タンパク質H(gH)若しくはその免疫原性断片、c)HSV糖タンパク質L(gL)若しくはその免疫原性断片、d)HSV糖タンパク質I(gI)若しくはその免疫原性断片、又はe)これらの任意の組合せをコードする、項目1から13のいずれか一項に記載の組成物。
(項目15)
前記ヌクレオシド修飾mRNAのうちの1又は複数は、ポリA尾部をさらに含む、項目1から14のいずれか一項に記載の組成物。
(項目16)
前記ヌクレオシド修飾mRNAのうちの1又は複数は、m7GpppGキャップ、3’-O-メチル-m7GpppGキャップ、又はアンチリバースキャップアナログをさらに含む、項目1から15のいずれか一項に記載の組成物。
(項目17)
前記ヌクレオシド修飾mRNAのうちの1又は複数は、キャップ非依存性翻訳エンハンサーをさらに含む、項目1から16のいずれか一項に記載の組成物。
(項目18)
前記ヌクレオシド修飾mRNAのうちの1又は複数は、翻訳を促進する5’及び3’の非翻訳領域をさらに含む、項目1から17のいずれか一項に記載の組成物。
(項目19)
前記ヌクレオシド修飾mRNAのうちの1又は複数は、ナノ粒子、脂質、ポリマー、コレステロール、又は細胞透過性ペプチドの中にカプセル化される、項目1から18のいずれか一項に記載の組成物。
(項目20)
前記ナノ粒子は、リポソームナノ粒子である、項目19記載の組成物。
(項目21)
対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染を治療する方法であって、前記対象に、項目1から20のいずれか一項に記載のヌクレオシド修飾mRNAの組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目22)
対象における単純ヘルペスウイルス(HSV)感染の発生を抑制、阻害、又は低減する方法であって、前記対象に、項目1から20のいずれか一項に記載のヌクレオシド修飾mRNAの組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目23)
前記HSV感染は、HSV-1感染を含む、項目21から22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記HSV感染は、HSV-2感染を含む、項目21から22のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記HSV感染は、一次HSV感染を含む、項目21から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記HSV感染は、一次HSV感染に続く、炎症、再発、又は口唇HSVを含む、項目21から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記HSV感染は、潜伏HSV感染の再活性化を含む、項目21から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記HSV感染は、HSV脳炎、HSV新生児感染、性器HSV感染、又は経口HSV感染を含む、項目21から27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
対象における免疫応答を誘発する方法であって、前記対象に、項目1から20のいずれか一項に記載のヌクレオシド修飾mRNAの組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目30)
投与工程は、筋肉内投与を含む、項目21から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
投与工程は、皮下投与を含む、項目21から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
投与工程は、皮内投与を含む、項目21から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
投与工程は、鼻腔内、膣内、又は直腸内の投与を含む、項目21から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
投与工程は、局所投与を含む、項目21から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
投与工程は、a)第一のHSV糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾mRNAを含む第一の組成物を投与すること、b)第二のHSV糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾mRNAを含む第二の組成物を投与すること、及びc)第三のHSV糖タンパク質をコードするヌクレオシド修飾mRNAを含む第三の組成物を投与することを含む、項目21から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記第一の組成物、前記第二の組成物、及び前記第三の組成物は、単一の投与部位において前記対象に投与される、項目35記載の方法。
(項目37)
前記第一の組成物、前記第二の組成物、及び前記第三の組成物は、異なる投与部位において前記対象に投与される、項目35記載の方法。
(項目38)
前記第一の組成物、前記第二の組成物、及び前記第三の組成物は、同時に投与される、項目35から37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記第一の組成物、前記第二の組成物、及び前記第三の組成物は、連続して投与される、項目35から37のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記第一の組成物、前記第二の組成物、及び前記第三の組成物は、同一の投与経路で投与される、項目35から39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記第一の組成物、前記第二の組成物、及び前記第三の組成物は、異なる投与経路で投与される、項目35から39のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
第一の投与の後で、前記ヌクレオシド修飾mRNAの組成物の1又は複数の追加投与を前記対象に対して投与する工程をさらに含む、項目21から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記HSV糖タンパク質又はその免疫原性断片を含む組成物を前記対象に対して投与する工程をさらに含む、項目21から41のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記HSV糖タンパク質を含む前記組成物は、前記ヌクレオシド修飾mRNAの組成物の投与の後で投与される、項目43記載の方法。
(項目45)
前記HSV糖タンパク質を含む前記組成物は、前記ヌクレオシド修飾mRNAの組成物の投与の前に投与される、項目43記載の方法。
(項目46)
前記HSV糖タンパク質は、gD、gC、gE又はこれらの組合せを含む、項目43から45のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
前記免疫応答は、CD4免疫応答を含む、項目29から46のいずれか一項に記載の方法。
(項目48)
前記免疫応答は、CD8免疫応答を含む、項目29から46のいずれか一項に記載の方法。
(項目49)
前記免疫応答は、濾胞性ヘルパーT細胞免疫応答を含む、項目29から46のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記免疫応答は、胚中心B細胞免疫応答を含む、項目29から46のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記免疫応答は、gC2、gD2、gE2又はこれらの組合せに対するIgG抗体応答を含む、項目29から46のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14-1】
図14-2】
図15
【配列表】
2023153423000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
2023153423000001.app
【外国語明細書】