(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153450
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】エネルギー融通システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20231011BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20231011BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20231011BHJP
H01M 8/249 20160101ALI20231011BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20231011BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20231011BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20231011BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J3/38 170
H01M8/04 Z
H01M8/249
G06Q30/06 312
H01M8/12 101
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062727
(22)【出願日】2022-04-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.ECHONETLite
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石川 和民
(72)【発明者】
【氏名】立花 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】上野 幸男
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5H126
5H127
5L049
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA01
5G066AA04
5G066HA15
5G066HB07
5H126BB06
5H127AA03
5H127AA04
5H127AA06
5H127AA07
5H127AB11
5H127AB23
5H127BA02
5H127BA05
5H127BB02
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】エネルギーの収支を計算するために、各需要家の装置からエネルギーの融通に関する情報をサーバが取得する場合、サーバは通信装置を介して装置と通信を行う。所定期間における通信容量が通信装置に設定されている場合、その通信容量を超えないようにサーバと装置とが通信を行う必要がある。
【解決手段】本開示の一実施形態に係るエネルギー融通システムは、燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報を送信する通信装置である特定通信装置を決定する決定部を備える。前記エネルギー融通システムは、前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知する通知部を備える。前記エネルギー融通システムは、熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算する計算部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報送信すべき通信装置である特定通信装置を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知する通知部と、
熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算する計算部と、を備え、
前記決定部は、第1融通グループに属する第1燃料電池装置において前記特定通信装置として第1通信装置が決定された場合、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置の前記特定通信装置として前記第1通信装置を決定し、
前記通知部は、前記第1通信装置を示す前記第2情報を、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置に通知し、
前記計算部は、前記第1融通グループに属する前記燃料電池装置から、前記第1通信装置を介して前記第1情報を受信する、エネルギー融通システム。
【請求項2】
前記通知部は、前記第1融通グループと異なる第2融通グループに属する前記燃料電池装置に、前記第1通信装置を示す前記第2情報を通知しない、請求項1に記載のエネルギー融通システム。
【請求項3】
前記第1融通グループに第2燃料電池装置が追加された場合であって、前記第2燃料電池装置が追加される前に前記第1通信装置を示す情報が通知されていた場合、
前記通知部は、前記第2燃料電池装置に前記特定通信装置であることを示す前記第2情報を通知する、請求項1又は請求項2に記載のエネルギー融通システム。
【請求項4】
前記第1通信装置の通信量が閾値を超えた場合、
前記決定部は、前記第1通信装置以外の前記通信装置を前記特定通信装置に決定する、請求項1又は請求項2に記載のエネルギー融通システム。
【請求項5】
前記通知部が、前記第2情報を前記燃料電池装置に通知していない場合、
前記決定部は、前記第1融通グループに属する複数の前記燃料電池装置の内いずれかの前記燃料電池装置が最初に前記第1情報を送信した前記通信装置を、前記燃料電池装置の特定通信装置に決定する、請求項1又は請求項2に記載のエネルギー融通システム。
【請求項6】
前記燃料電池装置の動作を管理する管理部をさらに備え、
前記管理部が、前記第1融通グループに属する第3燃料電池装置に、運転を停止する指示を送信した場合
前記通知部は、前記第1融通グループに属する他の燃料電池装置に、前記第3燃料電池装置とのエネルギーの融通を停止する指示を通知する、請求項1又は請求項2に記載のエネルギー融通システム。
【請求項7】
燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報を送信すべき通信装置である特定通信装置を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知する通知部と、
熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算する計算部と、を備え、
前記決定部は、前記通信装置の通信量が閾値を超えないように前記特定通信装置を前記燃料電池装置に決定し、
前記計算部は、前記特定通信装置を介して前記燃料電池装置から前記第1情報及び前記
燃料電池装置の所属する融通グループを示す情報である第3情報を受信し、
前記計算部は、前記第3情報に基づいて前記収支の計算をする、エネルギー融通システム。
【請求項8】
前記燃料電池装置が集合住宅に備えられている場合、
前記集合住宅の同一の階に備えられる前記燃料電池装置の前記第1情報を、同じ前記特定通信装置を介して前記計算部は受信し、
前記集合住宅の異なる階に備えられる前記燃料電池装置の前記第1情報を、前記特定通信装置を介して前記計算部は受信しない、請求項7に記載のエネルギー融通システム。
【請求項9】
前記特定通信装置の通信量が閾値を超えた場合、
前記決定部は、通信量が閾値を超えた前記通信装置を前記特定通信装置に決定する、請求項7又は請求項8に記載のエネルギー融通システム。
【請求項10】
前記燃料電池装置の動作を管理する管理部をさらに備え、
前記管理部が、運転を停止する指示を前記燃料電池に送信した場合
前記通知部は、通知がされた前記燃料電池と同一の前記融通グループに属する他の前記燃料電池装置に、通知がされた前記燃料電池とのエネルギーの融通を停止する指示を通知する、請求項7又は請求項8に記載のエネルギー融通システム。
【請求項11】
決定部が、燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報を送信する通信装置である特定通信装置を決定するステップと、
通知部が、前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知するステップと、
計算部が、熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算するステップと、を備え、
前記決定するステップは、前記決定部が、第1融通グループに属する第1燃料電池装置において前記特定通信装置として第1通信装置が決定された場合、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置の前記特定通信装置として前記第1通信装置を決定するステップを含み、
前記通知するステップは、前記通知部が、前記第1通信装置を示す前記第2情報を、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置に通知するステップを含み、
前記計算するステップは、前記計算部が、前記第1融通グループに属する前記燃料電池装置から、前記第1通信装置を介して前記第1情報を受信するステップを含む、エネルギー融通システムの制御方法。
【請求項12】
決定部が、燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報を送信する通信装置である特定通信装置を決定するステップと、
通知部が、前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知するステップと、
計算部が、熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算するステップと、を備え、
前記決定するステップは、前記決定部が、前記通信装置の通信量が閾値を超えないように前記特定通信装置を前記燃料電池装置に決定するステップを含み、
前記計算するステップは、前記計算部が、前記特定通信装置を介して前記燃料電池装置から前記第1情報及び前記燃料電池装置の所属する融通グループを示す情報である第3情報を受信するステップを含み、
前記計算するステップは、前記計算部が、前記第3情報に基づいて前記収支を計算するステップを含む、エネルギー融通システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギー融通システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、需要家施設間でエネルギーを融通する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エネルギーの収支を計算するために、各需要家の装置からエネルギーの融通に関する情報をサーバが取得する場合、サーバは通信装置を介して装置と通信を行う。所定期間における通信容量が通信装置に設定されている場合、その通信容量を超えないようにサーバと装置とが通信を行う必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態に係るエネルギー融通システムは、燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報を送信する通信装置である特定通信装置を決定する決定部を備える。前記エネルギー融通システムは、前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知する通知部を備える。前記エネルギー融通システムは、熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算する計算部を備える。前記エネルギー融通システムにおいて、前記決定部は、第1融通グループに属する第1燃料電池装置において前記特定通信装置として第1通信装置が決定された場合、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置の前記特定通信装置として前記第1通信装置を決定する。前記エネルギー融通システムにおいて、前記通知部は、前記第1通信装置を示す前記第2情報を、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置に通知する。前記エネルギー融通システムにおいて、前記計算部は、前記第1融通グループに属する前記燃料電池装置から、前記第1通信装置を介して前記第1情報を受信する。
【0006】
本開示の一実施形態に係るエネルギー融通システムの制御方法は、決定部が、燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報を送信する通信装置である特定通信装置を決定するステップを含む。前記制御方法は、通知部が、前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知するステップを含む。前記制御方法は、計算部が、熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算するステップを含む。前記制御方法において、前記決定するステップは、前記決定部が、第1融通グループに属する第1燃料電池装置において前記特定通信装置として第1通信装置が決定された場合、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置の前記特定通信装置として前記第1通信装置を決定するステップを含む。前記制御方法において、前記通知するステップは、前記通知部が、前記第1通信装置を示す前記第2情報を、前記第1融通グループに属する他の前記燃料電池装置に通知するステップを含む。前記制御方法において、前記計算するステップは、前記計算部が、前記第1融通グループに属する前記燃料電池装置から、前記第1通信装置を介して前記第1情報を受信するステップを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係るエネルギー融通システムの制御方法は、決定部が、燃料電池装置がエネルギーの融通に関する情報である第1情報を送信する通信装置である特定通信装置を決定するステップを含む。前記制御方法は、通知部が、前記決定部が決定した前記特定通信装置を示す第2情報を、前記燃料電池装置に通知するステップを含む。前記制御方法は、計算部が、熱エネルギーを融通することができる前記燃料電池装置のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算するステップを含む。前記制御方法において、前記決定するステップは、前記決定部が、前記通信装置の通信量が閾値を超えないように前記特定通信装置を前記燃料電池装置に決定するステップを含む。前記制御方法において、前記計算するステップは、前記計算部が、前記特定通信装置を介して前記燃料電池装置から前記第1情報及び前記燃料電池装置の所属する融通グループを示す情報である第3情報を受信するステップを含む。前記制御方法において、前記計算するステップは、前記計算部が、前記第3情報に基づいて前記収支を計算するステップを含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、通信装置の通信量が閾値を超えないように、燃料電池装置が情報を送信する通信装置を決定する決定部をエネルギー融通システムが備える。これにより、通信装置の通信容量を超えないように、融通された熱エネルギーの収支を計算する計算部と燃料電池装置とが通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、エネルギー融通システムの模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るエネルギー融通システムの模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る需要家施設のブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る燃料電池装置のブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る燃料電池装置の表示部に表示される画像の一例である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る燃料電池装置の送信処理に係るフロー図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る燃料電池装置の決定処理に係るフロー図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係るローカル制御装置のブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係るローカル制御装置の特定通信装置の決定処理のフロー図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係るローカル制御装置の特定通信装置の監視処理のフロー図である。
【
図11】
図11は、実施形態1に係るローカル制御装置の通信装置の管理処理のフロー図である。
【
図12】
図12は、実施形態1に係る通信装置のブロック図である。
【
図13】
図13は、実施形態1に係る管理装置のブロック図である。
【
図14】
図14は、実施形態1に係る通信方法のシーケンス図である。
【
図15】
図15は、実施形態2に係るエネルギー融通システムの模式図である。
【
図16】
図16は、実施形態2に係る通信方法のシーケンス図である。
【
図17】
図17は、実施形態2に係る通信方法のシーケンス図である。
【
図18】
図18は、実施形態2に係る通信方法のシーケンス図である。
【
図19】
図19は、実施形態3に係るエネルギー融通システムの模式図である。
【
図20】
図20は、実施形態4に係るエネルギー融通システムの模式図である。
【
図21】
図21は、実施形態5に係るエネルギー融通システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面
は模式的なものである。
【0011】
(エネルギー融通システム)
以下において、本開示に係るエネルギー融通システム20について説明する。
図1に示すように、エネルギー融通システム20は、決定部21と、通知部22と、計算部23、管理部24とを備える。エネルギー融通システム20は、ネットワーク40及び通信装置30を介して燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13と接続される。
【0012】
図1では、一例として燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13を示している。以下の説明では、燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13をまとめて燃料電池装置10と呼称する。
図1では、一例として通信装置31、通信装置32、及び通信装置33を示している。以下の説明では、通信装置31、通信装置32、及び通信装置33をまとめて通信装置30と呼称する。燃料電池装置10、通信装置30、及びネットワーク40については、実施形態1の説明の中で詳しく説明する。
【0013】
決定部21は、エネルギー融通システム20が管理する燃料電池装置10の特定通信装置を決定する。燃料電池装置10は、燃料を用いて発電する装置である。特定通信装置は、燃料電池装置10が第1情報を送信する通信装置として特定された通信装置30である。また、特定通信装置は、燃料電池装置10が第1メッセージを送信する通信装置として定められた通信装置30であってもよい。第1メッセージは、エネルギーの融通に関する第1情報を含むメッセージである。なお、
図1においては、一例として、通信装置32が燃料電池装置10の特定通信装置になった場合を示している。
【0014】
なお、決定部21が特定通信装置を決定する処理の詳細については、実施形態1を例として、ローカル制御装置の特定通信装置の決定処理において後述する。
【0015】
第1情報は、エネルギーの融通に関する情報である。第1情報は、計算部23が融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算することに用いられてもよい。第1情報は、燃料電池装置10が作成してもよい。燃料電池装置10は、他の燃料電池装置10とエネルギーの融通を行うたびに第1情報を作成してもよく、所定期間ごとに第1情報を作成してもよい。
【0016】
燃料電池装置10は、後述する第1計測部11002、第2計測部11003、又は第3計測部11004の作成する計測情報を用いて、第1情報を作成してもよい。第1情報には、融通したエネルギーの量を示す情報が含まれてもよい。例えば、湯を用いて熱エネルギーを融通した場合、融通した湯の体積又は温度等を示す情報が含まれてもよい。第1情報には、融通した相手を示す情報が含まれてもよい。例えば、第1情報には、エネルギーを融通した燃料電池装置10を示す情報、エネルギーを融通した燃料電池装置10の所有者を示す情報、又はエネルギーを融通した燃料電池装置10が設置される需要家施設100を示す情報等が含まれていてもよい。
【0017】
エネルギーを融通することができる燃料電池装置10は、特定通信装置を介して計算部23に第1情報を送信する。
【0018】
決定部21は、燃料電池装置10ごとに特定通信装置を決めることができる。この場合、決定部21は、特定通信装置が決定された燃料電池装置10とは異なる他の燃料電池装置10の燃料電池装置10の特定通信装置として、決定された通信装置30を示す情報を通知してもよい。また、決定部21は、1つの燃料電池装置10に対して複数の特定通信
装置を決定してもよい。
【0019】
通知部22は、第2情報を燃料電池装置10に通知する。第2情報は、決定部21が決定した特定通信装置を示す情報である。通知部22は、特定通信装置が決定された燃料電池装置10に、決定された通信装置30を示す第2情報を通知することができる。例えば、
図1においては、通知部22は、特定通信装置が決定された燃料電池装置10に、その燃料電池装置10の特定通信装置に決定された通信装置32を示す第2情報を通知してもよい。通知部22は、第2情報を含む第2メッセージを燃料電池装置10に送信してもよい。
【0020】
計算部23は、熱エネルギーを融通することができる燃料電池装置10のグループである融通グループごとに熱エネルギーの収支を計算する。計算部23は、特定通信装置を介して燃料電池装置10から受信した第1情報に基づいて、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する。
【0021】
融通グループは、熱エネルギーを融通することができる燃料電池装置10のグループである。例えば、
図1において、燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13が互いに熱エネルギーを融通することができる場合、燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13は同じ融通グループに属すると考えることができる。
【0022】
融通グループは、燃料電池装置10同士でエネルギーを融通するための配管又は専用線に基づいて決められてもよい。例えば、燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13が互いに熱エネルギーとして湯を融通するための配管で接続されている場合、燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13は同じ融通グループに属すると決定してもよい。この場合、融通グループは、燃料電池装置10の施工時又は初回起動時に決定されてもよい。融通グループは、燃料電池装置10の施工業者又は燃料電池装置10の所有者が、燃料電池装置10に入力することによって決定されてもよい。
【0023】
融通グループは、契約に基づいて決められてもよい。この場合、燃料電池装置10同士でエネルギーを融通するための配管又は専用線が接続された燃料電池装置10であって、エネルギーの融通に係る契約で定められた燃料電池装置10が、同じ融通グループに属するとしてもよい。融通グループは、契約の締結時に決定されてもよい。融通グループは、燃料電池装置10の所有者が、燃料電池装置10に入力することによって決定されてもよい。
【0024】
管理部24は、エネルギー融通システム20が管理する燃料電池装置10の動作を管理する。管理部24は、燃料電池装置10の動作を停止する指示を出すことができる。管理部24は、エネルギー融通システム20が管理するすべての燃料電池装置10の動作を停止させてもよい。管理部24は、特定の場所に設置される燃料電池装置10の動作を停止させてもよい。管理部24は、特定の所有者が所有する燃料電池装置10の動作を停止させてもよい。管理部24は、特定の時間帯又は特定の時期に動作している燃料電池装置10の動作を停止させてもよい。管理部24は、運転開始時からの経過時間に基づいて、燃料電池装置10の動作を停止させてもよい。
【0025】
決定部21は、他の燃料電池装置10と熱エネルギーを融通することができる燃料電池装置10において特定通信装置が決定された場合、特定通信装置が決定された燃料電池装置10と同じ融通グループに所属する他の燃料電池装置10の特定通信装置として、特定通信装置に決定された通信装置30を決定してもよい。つまり、決定部21は、同じ融通グループに所属する燃料電池装置10が同じ通信装置30を特定通信装置とするように、特定通信装置を決定する。決定部21が特定通信装置を予め決定しておくことで、通信装置30に定められた通信容量を超えないように燃料電池装置10が計算部23に第1情報
を送信することができる。
【0026】
通信容量は、所定期間に置おける通信装置30の通信量に関して定められた閾値である。通信装置30の通信量が通信容量以上となった場合、通信容量を超えた通信装置30の通信が制限される。制限の内容は、通信速度を所定値以下にするものであってもよい。例えば、所定期間は、1ヶ月間であってもよく、3日間であってもよい。例えば、通信容量
は、通信装置30が通信したデータ量で定められてもよく、通信装置30が通信した回数で定められていてもよい。
【0027】
例えば、
図1において、燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13が同じ融通グループに属する場合において、燃料電池装置11の特定通信装置として通信装置32が決定された場合を考える。この場合、決定部21は、燃料電池装置11と同じ融通グループに所属する燃料電池装置12と燃料電池装置13の特定通信装置として、通信装置32を決定してもよい。
【0028】
通知部22は、特定通信装置が決定された燃料電池装置10とは異なる他の融通グループに所属する燃料電池装置に、特定通信装置として決定された通信装置30を示す第2情報を通知しないようにしてもよい。異なる融通グループに所属する燃料電池装置10が、特定通信装置として決定された通信装置30を利用することで、特定通信装置に決定された通信装置30の通信容量が超えてしまう事態を防ぐことができる。
【0029】
例えば、
図1において、同じ融通グループに所属する燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13に特定通信装置として通信装置32が決定されている場合において、
図1に図示されていない燃料電池装置14が存在する場合を考える。この場合、決定部21は、燃料電池装置14が燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13と異なる融通グループに所属する場合、通信装置32を示す第2情報を燃料電池装置14に送信しないようにしてもよい。
【0030】
通知部22は、融通グループに燃料電池装置10が追加された場合であって、その燃料電池装置10が追加される前に第2情報が通知されていた場合、追加された燃料電池装置10にすでに通知された第2情報を通知してもよい。このような構成とすることで、追加された燃料電池装置10であっても、所属する融通グループに既に定められた特定通信装置に第1情報を送信することができる。
【0031】
例えば、
図1において、燃料電池装置11と12が同じ融通グループに属する場合において、その融通グループに燃料電池装置13が追加された場合を考える。この場合、通知部22は、燃料電池装置13が追加される前に、燃料電池装置11と燃料電池装置12に通信装置32を示す第2情報をすでに通知していた場合、通信装置32を示す第2情報を燃料電池装置13に通知してもよい。
【0032】
決定部21は、特定通信装置に定めた通信装置30の通信量が閾値を超えた場合、通信量が閾値を超えた通信装置30以外の通信装置30を特定通信装置に決定してもよい。このような構成とすることで、特定通信装置に定められた通信装置30の通信量が、通信容量を超えてしまうことを防ぐことができる。
【0033】
例えば、
図1において、燃料電池装置10の特定通信装置として通信装置32が定められている場合において、通信装置32の通信容量が閾値を超えた場合を考える。この場合、決定部21は、通信装置31又は通信装置33を燃料電池装置10の特定通信装置に決定してもよい。
【0034】
決定部21は、通知部22が第2情報を燃料電池装置10に通知していない場合、同じ融通グループに属する燃料電池装置10の内いずれかの燃料電池装置10が最初に第1情報を送信した通信装置30を、その燃料電池装置10の特定通信装置に決定してもよい。このような構成とすることで、最初に第1情報を送信した燃料電池装置10が、改めて第1情報を送信する必要がなくなる。
【0035】
例えば、
図1において、通知部22が同じ融通グループに属する燃料電池装置10に第2情報を通知していない場合であって、燃料電池装置11が第1情報を通信装置32に送信した場合を考える。この場合、燃料電池装置11の特定通信装置として、通信装置32が決定されてもよい。また、同じ融通グループに属する燃料電池装置12及び燃料電池装置13の特定通信装置として通信装置32を決定してもよい。つまり、燃料電池装置11が第1情報を送信した通信装置32を、燃料電池装置11、燃料電池装置12及び燃料電池装置13の特定通信装置に決定してもよい。
【0036】
管理部24が運転の停止を指示した燃料電池装置10が融通グループに所属する場合、通知部22は、その融通グループに属する他の燃料電池装置10に、停止が指示された燃料電池装置10とのエネルギーの融通を停止する指示を通知してもよい。このような構成とすることで、エネルギーの融通ができない燃料電池装置10と熱エネルギーを融通しようとしてしまう不具合が発生することを防ぐことができる。
【0037】
例えば、
図1において、管理部24が燃料電池装置11に運転の停止を指示した場合において、燃料電池装置11、燃料電池装置12、及び燃料電池装置13が同じ融通グループに所属する場合を考える。この場合、通知部22は、停止が指示された燃料電池装置11とのエネルギーの融通を停止する指示を燃料電池装置12及び13に通知してもよい。
【0038】
決定部21は、いずれの通信装置30の所定期間における通信量も通信量の閾値を超えないように、燃料電池装置10の特定通信装置を決定することができる。この場合、計算部23は、第1メッセージに含まれる第3情報に基づいて収支の計算をする。第3情報は、前記燃料電池装置10の所属する融通グループを示す情報である。このような構成とすることで、通信装置30に定められた通信容量を超えないように燃料電池装置10が計算部23に第1情報を送信することができる。
【0039】
例えば、
図1において、決定部21は、通信装置31と通信装置32の通信量が閾値を超えないように、燃料電池装置11及び12の特定通信装置として通信装置31を、燃料電池装置13の特定通信装置として通信装置33を決定してもよい。
【0040】
なお、決定部21が特定通信装置を決定する処理の詳細については、実施形態1を例として、ローカル制御装置の特定通信装置の決定処理において後述する。
【0041】
燃料電池装置10が集合住宅に備えられている場合、計算部23は、集合住宅の同一の階に備えられる燃料電池装置10の第1メッセージを、同じ特定通信装置を介して受信してもよい。この場合、計算部23は、集合住宅の異なる階に備えられる燃料電池装置10の第1メッセージを、他の階の燃料電池装置10の特定通信装置である通信装置30を介して受信しない。このような構成とすることで、集合住宅の上下方向よりも横方向の方が住宅の障壁が薄いため、燃料電池装置10と通信装置30との通信を行いやすくなる。
【0042】
例えば、
図1において、決定部21は、通信装置31と燃料電池装置11及び12が同じ集合住宅の同じ階に備えられている場合、燃料電池装置11及び12の特定通信装置として通信装置31を決定してもよい。
【0043】
以下では、いくつかの実施形態に分けて、エネルギー融通システム20についてさらに説明する。
【0044】
[実施形態1]
実施形態1では、ローカル制御装置がLAN(Local Area Netwok)内でエネルギー融通システム20の動作を制御する場合の実施形態を説明する。実施形態1では、ローカル制御装置120が、エネルギー融通システム20の決定部21及び通知部22に相当する。また、管理装置140が、エネルギー融通システム20の計算部23及び管理部24に相当する。
【0045】
実施形態1では、同じ融通グループに所属する燃料電池装置(燃料電池装置111、燃料電池装置112、燃料電池装置113)が同じ特定通信装置(通信装置132)を使用する場合を例として説明する。
【0046】
(エネルギー融通システム)
以下において、実施形態1に係るエネルギー融通システム20について説明する。
図2示すように、エネルギー融通システム20は、2以上の需要家施設101、需要家施設102、及び需要家施設103と、燃料電池装置111、燃料電池装置112、及び燃料電池装置13と、ローカル制御装置120と、通信装置131、通信装置132、及び通信装置133と、管理装置140とを備える。以下の実施形態1の説明では、燃料電池装置111と燃料電池装置112と燃料電池装置113をまとめて燃料電池装置110と呼称する。また、需要家施設101と需要家施設102と需要家施設103をまとめて需要家施設100と呼称する。また、通信装置131と通信装置132と通信装置133をまとめて通信装置130と呼称する。
【0047】
燃料電池装置110は、燃料を用いて発電する装置である。燃料電池装置110は、発電時に熱エネルギーを提供する。ローカル制御装置120は、エネルギー融通システム20の動作を制御する装置である。通信装置130は、LAN(Local Area Netwok)とWAN(Wide Area Netwok)とを接続する装置である。管理装置140は、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する装置である。
【0048】
管理装置140と通信装置130とは、ネットワーク150を介して接続される。ネットワーク150は、情報のやり取りを行う通信網である。ネットワーク150は、無線による通信を含んでもよく、有線による通信を含んでもよい。ネットワーク150は、インターネット網を含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。ネットワーク150は、VPN(Virtual Private Network)を含んでもよい。
【0049】
燃料電池装置110同士もネットワーク150を介して接続されてもよい。また、燃料電池装置110同士は専用の通信線を介して接続されてもよい。
【0050】
燃料電池装置110とローカル制御装置120ともネットワーク150を介して接続されてもよい。また、燃料電池装置110とローカル制御装置120とは専用の通信線を介して接続されてもよい。
【0051】
ローカル制御装置120と通信装置130ともネットワーク150を介して接続されてもよい。また、ローカル制御装置120と通信装置130とは専用の通信線を介して接続されてもよい。ローカル制御装置120が複数存在する場合、ローカル制御装置120同士がネットワーク150を介して接続されてもよく、専用の通信線を介して接続されてもよい。
【0052】
燃料電池装置110と通信装置130ともネットワーク150を介して接続されてもよい。また、燃料電池装置110と通信装置130とは専用の通信線を介して接続されてもよい。
【0053】
ローカル制御装置120は、需要家施設100の1つに備えられていてもよい。また、
ローカル制御装置120は、需要家施設100から独立して設置されていてもよい。この場合、ローカル制御装置120は、例えば、後述する集合住宅の共用部分、又は集合住宅を管理する施設に設置されてもよい。また、ローカル制御装置120は複数存在してもよい。
【0054】
通信装置130は、いずれかの需要家施設100に備えられていてもよい。この場合、通信装置130は、需要家施設100の所有者が所有している通信装置130であってもよい。また、通信装置130は、いずれの需要家施設100から独立して設置されていてもよい。この場合、通信装置130は、例えば、後述する集合住宅の共用部分、又は集合住宅を管理する施設に設置されてもよい。
【0055】
二以上の需要家施設100は、集合住宅に備えられる需要家施設100であってもよい。集合住宅は、複数の需要家施設100が集合して建設された施設である。集合住宅は、需要家施設100同士が隣接して建築されていてもよい。集合住宅は、例えば、マンション、ホテルなどであってもよい。集合住宅は、二世帯住宅等を含んでもよい。また、二以上の需要家施設100は、オフィスビル、テナントビル、又は工場などに備えられる需要家施設100であってもよい。
【0056】
集合住宅は、需要家施設100同士が隣接していないが、近接している場合も含む。この場合、需要家施設100同士は、後述する熱エネルギーを融通するための経路で接続されていればよい。また、熱エネルギーを融通するための経路で接続されていない場合でも、他の需要家施設100又は通信装置130と有線のネットワーク150で接続されている場合も含む。この場合、例えば、同一区画内の分譲住宅同士、隣接するマンション同士、同じ敷地内の工場同士などを集合住宅と考えることができる。
【0057】
燃料電池装置110は、少なくとも1以上の他の燃料電池装置110と熱エネルギーを融通するための経路で接続されている。熱エネルギーを融通するための経路は、熱エネルギーを輸送するための熱媒体が通る配管であってもよい。熱媒体は、液体であってもよく、気体であってもよい。エネルギーを輸送するための媒体は、例えば、水(湯を含む)、水蒸気などであってもよい。
【0058】
燃料電池装置110は、少なくとも1以上の他の燃料電池装置110と電気エネルギーを融通するための経路で接続されていてもよい。電気エネルギーを融通するための経路は、電気配線であってもよい。電気エネルギーを融通するための経路には、蓄電池が接続されていてもよい。
【0059】
燃料電池装置110が固体酸化物型電解セル(SOEC:Solid Oxide electrolysis Cell)としての機能を有する場合、燃料電池装置110は、少なくとも1以上の他の燃料電池装置110と発生させた気体を融通するための経路で接続されている。機体を融通するための経路は、気体が通る配管であってもよい。例えば、気体は、メタン等のような炭化水素の気体であってもよい。気体は、電気分解で発生する、水素、酸素、又は一酸化炭素等の気体であってもよい。気体は、電気分解に用いる、水(水蒸気)又は二酸化炭素などであってもよい。
【0060】
燃料電池装置110は、エネルギーを融通することができる燃料電池装置110のグル
ープである融通グループに所属する。同一の融通グループに所属する燃料電池装置110は、熱エネルギーを融通するための経路で互いに接続されている。言い換えると、異なる融通グループに所属する燃料電池装置110は、熱エネルギーを融通するための経路で互いに接続されていない。
【0061】
熱エネルギーを融通するための経路は、需要家施設100が建築された際に設置されてもよい。また、熱エネルギーを融通するための経路は、需要家施設100が建築前に設置されてもよく、建築後に設置されてもよい。
図2においては、熱エネルギーを融通するための経路は、熱エネルギーを融通線として表示している。
【0062】
(需要家施設)
需要家施設100は、エネルギーを消費する施設である。需要家施設100は、
図3に示すように、少なくとも燃料電池装置110と負荷機器160とを備える。
【0063】
燃料電池装置110は、燃料を用いて発電するシステムである。燃料電池装置110は、発電時に熱エネルギーを提供する。提供する熱エネルギーは、熱媒体に蓄えられた状態で提供されてもよい。例えば、熱媒体が水である場合、燃料電池装置110内への水の取込み時よりも高い温度の水を提供することで、熱エネルギーを提供してもよい。燃料電池装置110については後述する。
【0064】
負荷機器160は、熱エネルギーを消費する機器である。例えば、負荷機器160は、空調機器、給湯器、床暖房機、浴室乾燥機などであってもよい。
【0065】
(燃料電池装置)
燃料電池装置110は、
図4に示すように、発電部11001と、第1計測部11002と、第2計測部11003と、第3計測部11004と、貯蔵部11005と、制御部11006と、通信部11007と、記憶部11008と、作成部11009と、表示部11010を備える。
【0066】
発電部11001は、燃料を用いて発電する。発電部11001は、発電時に熱エネルギーを発生させる。例えば、発電部11001は、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。また、発電部11001は、固体酸化物型電解セル(SOEC:Solid Oxide electrolysis Cell)としての動作できるものであってもよい。
【0067】
第1計測部11002は、発電部11001が発生させた熱エネルギーを計測する。第1計測部11002は、第1計測情報を作成する。第1計測情報は、第1計測部11002が計測した熱エネルギーに関する情報である。第1計測情報は、第1計測部11002が計測した熱量に関する情報を含んでもよい。第1計測情報は、第1計測部11002が計測した熱媒体の温度に関する情報と、熱媒体の体積に関する情報とを含んでもよい。また、第1計測情報には、第1計測部11002が計測をした日時又は時刻に関する情報が含まれてもよい。第1計測情報には、第1計測部11002が計測を開始した日時又は時刻に関する情報と、計測を終了した日時又は時刻に関する情報とが含まれてもよい。第1計測情報は、第1計測部11002が計測を行うたびに作成されてもよい。また、第1計測情報は、所定期間ごとに作成されてもよい。
【0068】
第2計測部11003は、発電部11001が負荷機器160に提供した熱エネルギーを計測する。第2計測部11003は、第2計測情報を作成する。第2計測情報は、第2計測部11003が計測した熱エネルギーに関する情報である。第2計測情報は、第2計測部11003が計測した熱量に関する情報を含んでもよい。第2計測情報は、第2計測部11003が計測した熱媒体の温度に関する情報と、熱媒体の体積に関する情報とを含んでもよい。また、第2計測情報には、第2計測部11003が計測をした日時又は時刻に関する情報が含まれてもよい。第2計測情報には、第2計測部11003が計測を開始した日時又は時刻に関する情報と、計測を終了した日時又は時刻に関する情報とが含まれてもよい。第2計測情報は、第2計測部11003が計測を行うたびに作成されてもよい。また、第2計測情報は、所定期間ごとに作成されてもよい。
【0069】
第3計測部11004は、発電部11001が他の発電部11001と融通した熱エネルギーを計測する。第3計測部11004は、第3計測情報を作成する。第3計測情報は、第3計測部11004が計測した熱エネルギーに関する情報である。第3計測情報は、第3計測部11004が計測した熱量に関する情報を含んでもよい。第3計測情報は、第3計測部11004が計測した熱媒体の温度に関する情報と、熱媒体の体積に関する情報とを含んでもよい。
【0070】
また、第3計測情報には、第3計測部11004が計測をした日時又は時刻に関する情報が含まれてもよい。第3計測情報には、第3計測部11004が計測を開始した日時又は時刻に関する情報と、計測を終了した日時又は時刻に関する情報とが含まれてもよい。
【0071】
第3計測情報には、熱エネルギーを融通した相手を示す情報が含まれてもよい。融通した相手を示す情報は、融通した熱エネルギーを提供した需要家施設100を示す情報であってもよい。融通した相手を示す情報は、融通した熱エネルギーを提供した燃料電池装置110を示す情報であってもよい。また、融通した相手を示す情報は、融通した熱エネルギーを受け取った需要家施設100を示す情報であってもよい。融通した相手を示す情報は、融通した熱エネルギーを受け取った燃料電池装置110を示す情報であってもよい。
【0072】
第3計測部11004は、発電部11001が他の発電部11001に提供した熱エネルギーと、発電部11001が他の発電部11001に受け取った熱エネルギーとを区別して計測してもよい。この場合、燃料電池装置110のもつ熱エネルギーが減少したという観点から、発電部11001が他の発電部11001に提供した熱エネルギーの計測値をマイナスとして扱ってもよい。一方で、燃料電池装置110のもつ熱エネルギーが増加したという観点から、発電部11001が他の発電部11001に受け取った熱エネルギーをプラスとして扱ってもよい。第3計測情報は、第3計測部11004が計測を行うたびに作成されてもよい。また、第3計測情報は、所定期間ごとに作成されてもよい。
【0073】
第1計測部11002、第2計測部11003又は第3計測部11004(以下、各計測部という。)は、発電部11001から独立した装置であってもよい。この場合、各計測部は需要家施設100の外部に備えられていてもよい。
【0074】
各計測部で作成された計測情報(第1計測情報、第2計測情報、第3計測情報)は、エネルギーの融通に関する第1情報に含まれてもよい。第1情報は、各計測部で作成された計測情報のいずれかであってもよい。第1情報は、各計測部で作成された計測情報を組み合わせた情報であってもよい。
【0075】
貯蔵部11005は、発電部11001が発生させた熱エネルギーを蓄える。例えば、発電部11001が熱エネルギーを輸送する媒体として水(湯)を用いる場合、貯蔵部11005はタンク等であってもよい。
【0076】
制御部11006は、送信先通信装置に第1メッセージをするように通信部11007を制御する。送信先通信装置は、燃料電池装置110が第1メッセージを管理装置140に送信する場合に、第1メッセージを送信する通信装置130である。制御部11006は、特定通信装置を介して第1メッセージを管理装置140に送信するように通信部11007を制御してもよい。実施形態1の場合であれば、制御部11006は、特定通信装置である通信装置132を送信先通信装置とする。第1メッセージを送信する際の処理については、後述する(燃料電池装置の送信処理)の項で説明する。
【0077】
制御部11006は、燃料電池装置110の動作を制御することができる。制御部11006は、発電部11001の動作を制御する。制御部11006は、第1計測情報に基づいて制御を行ってもよい。管理装置140の制御部1401から燃料電池装置110の停止が指示された場合、制御部11006は発電部11001の動作を停止させてもよい。
【0078】
通信部11007は、第1メッセージを通信装置130に送信する。通信部11007は、第1メッセージを特定通信装置に直接的に送信してもよい。また、通信部11007は、ローカル制御装置120に第1メッセージを送信することで、第1メッセージを特定通信装置に間接的に送信してもよい。また、通信部11007は、他の燃料電池装置110の通信部11007に第1メッセージを送信することで、第1メッセージを特定通信装置に間接的に送信してもよい。
【0079】
記憶部11008は、燃料電池装置110に関係する情報を記憶する。記憶部11008は、燃料電池装置110の特定通信装置として決定された通信装置130を示す情報を記憶してもよい。記憶部11008は、複数の特定通信装置を記憶してもよい。この場合、複数の特定通信装置の優先順位を記憶してもよい。
【0080】
記憶部11008は、第1計測情報、第2計測情報、又は第3計測情報を記憶してもよい。記憶部11008は、作成部11009が作成した第1メッセージを記憶してもよい。記憶部11008は、他の燃料電池装置110の作成部11009が作成した第1メッセージを記憶してもよい。
【0081】
作成部11009は、エネルギーの融通に関する情報を含む第1メッセージ を作成す
る。第1メッセージは、エネルギーの融通に関する情報として、第3計測情報を含んでもよい。第1メッセージは、エネルギーの融通に関する情報として、後述する表示部11010に入力された情報を含んでもよい。第1メッセージは、第1計測情報、又は第2計測情報を含んでもよい。第1メッセージは、燃料電池装置110の属する融通グループを示す情報を含んでもよい。
【0082】
作成部11009は、エネルギーの融通が行われた場合に、第1メッセージを作成してもよい。この場合、作成部11009は第3計測情報を第3計測部11004から受け取った後に第1メッセージを作成してもよい。作成部11009は表示部11010に入力された後に第1メッセージを作成してもよい。
【0083】
表示部11010は、燃料電池装置110に関する情報を燃料電池装置110の使用者が入出力するためのインターフェスである。表示部11010は、燃料電池装置110に関する情報を表示することで、燃料電池装置110の使用者に提供してもよい。表示部11010は、
図5に例示するような画像を表示してもよい。ただし、表示部11010に表示される画像はこれに限定されない。表示する情報の内容、表示する情報の配置又は表示する情報の大きさなどは、適宜変更が可能である。
【0084】
表示部11010には、燃料電池装置110が所属する融通グループを示す情報が表示されてもよい。
図5では、燃料電池装置110の所属する融通グループを示す情報として、“グループG―0001”が例示されている。
【0085】
表示部11010には、同一の融通グループに所属する燃料電池装置110を示す情報が表示されてもよい。
図5では、燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する燃料電池装置110を示す情報として、“燃料電池装置FC―001、燃料電池装置FC―002、燃料電池装置FC―003”が例示されている。また、表示部11010には、同一の融通グループに所属する燃料電池装置110の数を示す情報が表示されてもよい。
【0086】
表示部11010には、同一の融通グループに所属する他の燃料電池装置110の運転状態を示す情報が表示されてもよい。
図5では、燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する燃料電池装置110で運転中の燃料電池装置110を示す情報として、“燃料電池装置FC―001、燃料電池装置FC―002”が例示されている。また、他の燃料電池装置110がエネルギーの融通をすることが可能か否かを示す情報が表示されてもよい。
図5では、燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する燃料電池装置110でエネルギーの融通が可能な燃料電池装置110を示す情報として、“燃料電池装置FC―001、燃料電池装置FC―002”が例示されている。または、他の燃料電池システムが融通可能なエネルギー量を示す情報が表示されてもよい。
【0087】
表示部11010には、特定通信装置である通信装置130を示す情報が表示されてもよい。
図5では、燃料電池装置110の特定通信装置である通信装置130を示す情報として、“通信装置C―001”が例示されている。
【0088】
表示部11010には、特定通信装置である通信装置130の通信容量、又は所定期間における通信量を示す情報が表示されてもよい。
図5では、特定通信装置である通信装置130に1月の期間で通信容量として10.0GBの通信量が定められており、その月の間に既に使用された通信量が2.3GBである場合を示す情報として、“2.3(GB)/10.0(GB/月)”が例示されている。
【0089】
表示部11010は、燃料電池システムの制御に関する情報を、燃料電池装置110の使用者が入力するための入力手段を備えていてもよい。入力手段は、ボタンであってもよく、タッチパネルであってもよい。燃料電池装置110の使用者は、入力手段を介して、エネルギーを融通する燃料電池装置110を指定してもよい。燃料電池装置110の使用者は、入力手段を介して、融通するエネルギーの量を指定してもよい。燃料電池装置110の使用者は、入力手段を介して、燃料電池装置110の動作を指示してもよい。例えば、燃料電池装置110の使用者は、入力手段によって、燃料電池装置110の起動又は停止を指示してもよい。
【0090】
(燃料電池装置の送信処理における動作)
以下では、
図6を用いて、燃料電池装置110の送信処理における動作フローを説明する。燃料電池装置110の送信処理は、燃料電池装置110が送信先通信装置を定める処理である。送信先通信装置は、送信処理後に第1メッセージを送信する通信装置130である。言い換えると、送信先通信装置は、送信処理後に燃料電池装置110が第1メッセージを送信した通信装置130である。
【0091】
また、以下では、燃料電池装置110、ローカル制御装置120、通信装置130を用いて説明する。
【0092】
なお、ローカル制御装置120が燃料電池装置110に備えられている場合、以下の説明では、ローカル制御装置120が行う処理は、ローカル制御装置120が備えられている燃料電池装置110が行う。ローカル制御装置120が複数の燃料電池装置110に備えられている場合、ローカル制御装置120が行う処理は、いずれかの燃料電池装置110が行えばよい。
【0093】
ステップS610において、燃料電池装置110は、燃料電池装置110に特定通信装置が定められているかを判断する。燃料電池装置110に特定通信装置が定められている場合、燃料電池装置110はステップS630に進む。燃料電池装置110に特定通信装置が定められていない場合、燃料電池装置110はステップS620に進む。燃料電池装置110は、燃料電池装置110の記憶部11008が特定通信装置を記憶している場合、特定通信装置が定められていると判断してもよい。燃料電池装置110は、第2メッセージを受信していた場合、第2メッセージに基づいて特定通信装置が定められていると判断してもよい。
【0094】
第2メッセージは、燃料電池装置110の特定通信装置に決定された通信装置130を示す第2情報を含むメッセージである。第2メッセージは、ローカル制御装置120が作成する。第2メッセージは、燃料電池装置110が第1メッセージを送信する通信装置130を決定する際に用いられる。
【0095】
ステップS610において、燃料電池装置110は、燃料電池装置110に特定通信装置が定められているかを判断する。燃料電池装置110に特定通信装置が定められている場合、燃料電池装置110はステップS630に進む。燃料電池装置110に特定通信装置が定められていない場合、燃料電池装置110はステップS620に進む。
【0096】
ステップS620において、燃料電池装置110は、第1メッセージを送信可能な通信装置130が存在するかを判断する。燃料電池装置110が第1メッセージを送信可能な通信装置130が存在すると判断した場合、燃料電池装置110はステップS621に進む。燃料電池装置110が第1メッセージを送信可能な通信装置130が存在しないと判断した場合、燃料電池装置110はステップS622に進む。燃料電池装置110は、燃料電池装置110が接続されているLANに接続されている通信装置130がある場合、第1メッセージを送信可能な通信装置130が存在すると判断してもよい。燃料電池装置110は、燃料電池装置110が接続されているLANに接続されている通信装置130が存在するが、それらすべてがローカル制御装置120から第3メッセージで指定された通信装置130である場合、第1メッセージを送信可能な通信装置130が存在しないと判断してもよい。
【0097】
第3メッセージは、燃料電池装置110が第1メッセージを送信することを禁止された通信装置130を示す情報を含むメッセージである。第3メッセージは、ローカル制御装置120が作成してもよい。第3メッセージは、燃料電池装置110が第1メッセージを送信する通信装置130を決定する際に用いられる。
【0098】
ステップS621において、第1メッセージを送信可能な通信装置130から送信先通信装置を選択する。この場合、燃料電池装置110は選択処理をする。選択処理は、選択候補の通信装置130から、1つの通信装置130を選択する処理である。選択処理の処理フローは、(燃料電池装置の選択処理における動作)のステップS730の項目で後述する。ステップS621では、選択候補の通信装置130は、ステップS620での送信可能な通信装置130である。ステップS621で選択された通信装置130が送信先通信装置となる。燃料電池装置110は、ステップS621の終了後、ステップS632に進む。
【0099】
ステップS621において、燃料電池装置110は、燃料電池装置110の特定通信装置として、ステップS621で選択された通信装置130を定める。この場合、燃料電池装置110は、特定通信装置として定めた通信装置130を示す情報をローカル制御装置120に送信してもよい。
【0100】
ステップS622において、燃料電池装置110は、ローカル制御装置120に第1メッセージを送信可能な通信装置130がないことを通知する。この場合、ローカル制御装置120は、ローカル制御装置120が接続されているLAN内に存在する通信装置130を燃料電池装置110に送信してもよい。ローカル制御装置120は、ローカル制御装置120が接続されているLAN内に存在する通信装置130を指定する第2メッセージを燃料電池装置110に送信してもよい。ローカル制御装置120は、ローカル制御装置120が接続されているLAN内に通信装置130が存在しない場合、第1メッセージをローカル制御装置120に送信することを指示するメッセージを燃料電池装置110に送信してもよい。
【0101】
ステップS630において、燃料電池装置110は、燃料電池装置110に特定通信装置が複数定められているかを判断する。燃料電池装置110に特定通信装置が複数定められている場合、燃料電池装置110はステップS640に進む。燃料電池装置110に特定通信装置が複数定められていない場合、燃料電池装置110はステップS631に進む。言い換えると、燃料電池装置110に特定通信装置が1台だけ定められている場合、燃料電池装置110はステップS631に進む。燃料電池装置110は、ローカル制御装置120から受信した第2メッセージに複数の通信装置130が特定通信装置として指定されていた場合、燃料電池装置110に特定通信装置が複数定められていると判断してもよい。燃料電池装置110は、ローカル制御装置120から受信した第2メッセージに一の通信装置130が特定通信装置として指定されていた場合、燃料電池装置110に特定通信装置が複数定められていないと判断してもよい。
【0102】
ステップS631において、燃料電池装置110は、燃料電池装置110に定められた特定通信装置を送信先通信装置に定める。
【0103】
ステップS632において、燃料電池装置110は、送信先通信装置に第1メッセージを送信する。送信先通信装置は、管理装置140に第1メッセージを送信する。
【0104】
ステップS632において、燃料電池装置110は、送信先通信装置に第1メッセージを送信した際に、送信先通信装置の通信容量が閾値を超えた場合、ローカル制御装置120は、変更処理を行う。変更処理は、燃料電池装置110の特定通信装置を変更する処理である。変更処理の処理フローは、(ローカル制御装置の変更処理における動作)の項目で後述する。ローカル制御装置120は、変更後の特定通信装置を指定する第2メッセージを燃料電池装置110に送信する。
【0105】
ステップS640において、燃料電池装置110は、燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置に優先順位が定められているかを判断する。燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置に優先順位が定められていると判断した場合、燃料電池装置110はステップS641に進む。燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置に優先順位が定められていないと判断した場合、燃料電池装置110はステップS642に進む。燃料電池装置110は、複数の特定通信装置の優先順位に関する情報が第2メッセージに含まれている場合、燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置に優先順位が定められていると判断してもよい。燃料電池装置110は、燃料電池装置110の記憶部11008が優先順位に関する情報を記憶している場合、特定通信装置が定められ
ていると判断してもよい。燃料電池装置110は、優先順位に関する情報が第2メッセージに含まれていない場合、燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置に優先順位が定められていないと判断してもよい。
【0106】
ステップS641において、燃料電池装置110は、燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置の中で優先順位が最も高い通信装置130を、送信先通信装置として定める。燃料電池装置110は、ステップS641の終了後、ステップS643に進む。優先順位が最も高い通信装置130が複数ある場合は、燃料電池装置110は、ステップS642に進んでもよい。
【0107】
ステップS642において、特定通信装置から送信先通信装置を選択する。この場合、燃料電池装置110は選択処理をする。選択処理の処理フローは、(燃料電池装置の選択処理における動作)の項目で後述する。ステップS642では、選択候補の通信装置130は、燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置である。ステップS642で選択された通信装置130が送信先通信装置となる。燃料電池装置110は、ステップS642の終了後、ステップS643に進む。
【0108】
ステップS642において、燃料電池装置110は、ステップS642で選択された通信装置130を、燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置の中で優先順位が最も高い特定通信装置として定める。この場合、燃料電池装置110は、燃料電池装置110に定められた複数の特定通信装置の中で優先順位が最も高い特定通信装置として定めた通信装置130を示す情報をローカル制御装置120に送信してもよい。
【0109】
ステップS643において、燃料電池装置110は、送信先通信装置に第1メッセージを送信する。送信先通信装置は、管理装置140に第1メッセージを送信する。
【0110】
ステップS643において、燃料電池装置110は、送信先通信装置に第1メッセージを送信した際に、送信先通信装置の通信容量が閾値を超えた場合、ローカル制御装置120は、変更処理を行う。ローカル制御装置120は、通信容量が閾値を超えた特定通信装置の優先順位を一番下に変更してもよい。ローカル制御装置120は、通信容量が閾値を超えた特定通信装置を特定通信装置から除くように変更してもよい。ローカル制御装置120は、変更後の特定通信装置を指定する第2メッセージを燃料電池装置110に送信する。
【0111】
なお、本処理における処理フローは、本実施形態に限定されない。処理フローの順番などは適宜変更が可能である。
【0112】
実施形態1において、燃料電池装置110と特定通信装置である通信装置132とを例に、送信処理を説明する。ステップS610において、燃料電池装置110は、特定通信装置として通信装置132が定められているため、ステップS630に進む(ステップS610でYES)。ステップS610において、燃料電池装置110は、特定通信装置として通信装置132が1台だけ定められているため、ステップS631に進む(ステップS630でNO)。ステップS631において、制御部11006が、送信先通信装置として特定通信装置である通信装置132を決定する。そして、通信部11007が、通信装置132に第1メッセージを送信する。
【0113】
(燃料電池装置の選択処理における動作)
以下では、
図7を用いて、燃料電池装置110の選択処理における動作フローを説明する。燃料電池装置110の選択処理は、燃料電池装置110が選択候補の通信装置130から、1つの通信装置130を選択する処理である。
【0114】
また、以下では、燃料電池装置110、ローカル制御装置120、通信装置130、管理装置140を用いて説明する。
【0115】
なお、ローカル制御装置120が燃料電池装置110に備えられている場合、以下の説明では、ローカル制御装置120が行う処理は、ローカル制御装置120が備えられている燃料電池装置110が行う。ローカル制御装置120が複数の燃料電池装置110に備えられている場合、ローカル制御装置120が行う処理は、いずれかの燃料電池装置110が行ってもよい。
【0116】
ステップS710において、燃料電池装置110は、選択候補の通信装置130を認識する。選択候補の通信装置130は、選択処理で選択され得る通信装置130である。例えば、燃料電池装置110が特定通信装置を選択する選択処理であれば、燃料電池装置110が第1メッセージを送信可能な通信装置130が選択候補の通信装置130となる。例えば、燃料電池装置110が複数の特定通信装から優先順位の最も高い特定通信装置を選択する選択処理であれば、燃料電池装置110に定められた特定通信装置が選択候補の通信装置130となる。
【0117】
ステップS720において、燃料電池装置110は、ローカル制御装置120から第1メッセージを送信することが禁止されている通信装置130が定められているかを判断する。第1メッセージを送信することが禁止されている通信装置130が定められている場合、燃料電池装置110はステップS721に進む。第1メッセージを送信することが禁止されている通信装置130が定められていない場合、燃料電池装置110はステップS730に進む。燃料電池装置110は、第1メッセージを送信することが禁止されている通信装置130を記憶している場合、特定通信装置が定められていると判断してもよい。燃料電池装置110は、第3メッセージを受信していた場合、第3メッセージに基づいて特定通信装置が定められていると判断してもよい。
【0118】
ステップS721において、燃料電池装置110は、第1メッセージを送信することが禁止されている通信装置130を選択候補の通信装置130から除く。選択候補の通信装置130の数が0になった場合、燃料電池装置110は、送信処理でのステップS622と同様の処理を行う。選択候補の通信装置130が1以上ある場合、燃料電池装置110は、ステップS730に進む。
【0119】
ステップS730において、燃料電池装置110は、選択候補の通信装置130から1の通信装置130を選択する。燃料電池装置110は、ローカル制御装置120又は管理装置140に問い合わせを行い、ローカル制御装置120又は管理装置140の応答に基づいて通信装置130を選択してもよい。燃料電池装置110は、各通信装置130との距離を把握している場合、距離が最も近い通信装置130を選択してもよい。燃料電池装置110は、各通信装置130の通信容量を把握している場合、通信容量が最も大きい通信装置130を選択してもよい。燃料電池装置110は、各通信装置130の所定期間における通信量を把握している場合、所定期間における通信量が最も小さい通信装置130を選択してもよい。燃料電池装置110は、各通信装置130の所定期間における通信量を把握している場合、通信容量の残容量が最も大きい通信装置130を選択してもよい。燃料電池装置110は、各通信装置130のファームウェアバージョンを把握している場合、ファームウェアバージョンが最も新しい通信装置130を選択してもよい。燃料電池装置110は、燃料電池装置110の入力部からのユーザの入力に基づいて通信装置130を選択してもよい。燃料電池装置110は、ローカル制御装置の特定通信装置の決定処理でのステップS950と同様の処理を行ってもよい。
【0120】
ステップS740において、燃料電池装置110は、選択した通信装置130を示す情報をローカル制御装置120に送信する。なお、ステップS740は実行が省略されてもよい。
【0121】
ステップS750において、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110から受信した情報に基づいて、第2メッセージを燃料電池装置110及び/又は燃料電池装置110以外の燃料電池装置に送信する。例えば、燃料電池装置110が特定通信装置として通信装置130を示す情報をローカル制御装置120に送信した場合、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する燃料電池装置に通信装置130を示す第2メッセージを送信してもよい。
【0122】
(ローカル制御装置)
ローカル制御装置120は、エネルギー融通システム20の動作を制御する装置である。ローカル制御装置120は、通信装置130によってWAN(Wide Area Network)と接続されたLAN(Local Area Netwok)内に設置される。ローカル制御装置120は、CPU(Computer Process Unit)を有する装置で構成されてもよい。また、ローカル制御装置120は、LAN内のネットワーク150に接続されたパソコン上のアプリケーションであってもよい。また、ローカル制御装置120は、複数の装置から構成され、LAN内に分散して設置されていてもよい。
【0123】
ローカル制御装置120は、
図8に示すように、制御部1201と、通信部1202と、記憶部1203と、作成部1204と、表示部1205を備える。
【0124】
制御部1201は、LAN内でのエネルギー融通システム20の動作を制御する。制御部1201は、特定通信装置を決定してもよい。制御部1201は、通信部1202を介して、燃料電池装置110に対して特定通信装置を通知してもよい。制御部1201は、燃料電池装置110に対して、ローカル制御装置120の通信部1202に第1メッセージを送信することを指示してもよい。
【0125】
制御部1201は、同一の融通グループに所属する燃料電池装置の内のいずれかの燃料電池装置110において特定通信装置が定まった場合に、当該融通グループに所属する他の燃料電池装置110に対して、その特定通信装置を示す情報を送信してもよい。この場合、当該融通グループに所属する他の燃料電池装置110は、特定通信装置に第1メッセージを送信する。
【0126】
制御部1201は、燃料電池装置110に対して、ローカル制御装置120の通信部1202に第1メッセージを送信することを指示してもよい。この場合、その燃料電池装置110は、ローカル制御装置120の通信部1202に第1メッセージを送信する。
【0127】
制御部1201は、燃料電池装置110の動作を制御してもよい。管理装置140の制御部1501から燃料電池装置110の停止が指示された場合、制御部1201は発電部11001の動作を停止させてもよい。この場合、制御部1201は、制御部11006に発電部11001の停止を指示してもよい。
【0128】
制御部1201は、管理装置140の制御部1501から同じ融通グループに所属する需要家施設100の燃料電池装置110の停止が指示された場合、発電部11001に停止が指示された燃料電池装置110とのエネルギーの融通の停止を指示してもよい。この場合、制御部1201は、制御部306に停止が指示された燃料電池装置110とのエネルギーの融通の停止を指示してもよい。このような制御をすることで、エネルギーの融通
ができない燃料電池装置110とエネルギーの融通をしようとしてしまう誤作動を防ぐことができる。
【0129】
通信部1202は、ローカル制御装置120の通信インターフェスである。通信部1202は、ネットワーク150を介して、燃料電池装置110又は通信装置130と通信してもよい。通信部1202は、燃料電池装置110又は通信装置130と通信することができる。通信部1202は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、EchonetLiteなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0130】
記憶部1203は、ローカル制御装置120に関する情報を記憶する。記憶部1203は、燃料電池装置110と融通グループとの対応関係を記憶してもよい。記憶部1203は、燃料電池装置110とその燃料電池装置110の特定通信装置に決定された通信装置130との対応関係、又は融通グループとその融通グループに所属する燃料電池装置110の特定通信装置に決定された通信装置130との対応関係を記憶してもよい。記憶部1203は、燃料電池装置110から受信した第1メッセージを記憶してもよい。
【0131】
作成部1204は、ローカル制御装置120が複数の第1メッセージを受信した場合に、それらをまとめた第1メッセージを作成する。例えば、作成部1204は、2つの第1メッセージの内容に重複する部分がある場合、重複を解消するために、重複する部分の一方を削除した第1メッセージを作成してもよい。重複する内容としては、例えば、第1メッセージの日付、第1メッセージの暗号化に関する情報である。作成部1204が重複を削除することで、特定通信装置の通信量の低減をすることができる。
【0132】
表示部1205は、エネルギー融通システム20に関する情報をエネルギー融通システム20の使用者が入出力するためのインターフェスである。表示部1205は、燃料電池装置110の表示部11010と同様の構成をとってもよい。エネルギー融通システム20の使用者は、表示部1205の入力手段を介して、燃料電池装置110の起動又は停止する制御をしてもよい。エネルギー融通システム20の使用者は、表示部1205の入力手段を介して、燃料電池装置110間のエネルギーの融通を停止又は禁止する制御をしてもよい。
【0133】
(ローカル制御装置の決定処理における動作)
以下では、
図9を用いて、ローカル制御装置120の決定処理における動作フローを説明する。ローカル制御装置120の決定処理は、ローカル制御装置120が第2メッセー
ジで指定する特定通信装置を決定する処理である。特定通信装置は、決定処理後に第2メッセージで第1メッセージを送信するべき通信装置130として指定される通信装置130である。
【0134】
また、以下では、燃料電池装置110、ローカル制御装置120、通信装置130、管理装置140を用いて説明する。
【0135】
なお、ローカル制御装置120が燃料電池装置110に備えられている場合、以下の説明では、ローカル制御装置120が行う処理は、ローカル制御装置120が備えられている燃料電池装置110が行う。ローカル制御装置120が複数の燃料電池装置110に備えられている場合、ローカル制御装置120が行う処理は、いずれかの燃料電池装置110が行ってもよい。
【0136】
ステップS910において、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110からの通
知の有無を判断する。燃料電池装置110からの通知が有ると判断した場合、ローカル制御装置120はステップS950に進む。燃料電池装置110からの通知が無いと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS920に進む。ローカル制御装置120は、燃料電池装置110から通信装置を示す情報を受信していた場合、燃料電池装置110からの通知が有ると判断してもよい。
【0137】
ローカル制御装置120は、ステップS910を省略してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、ステップS910を経ずに、ステップS920に進んでもよい。
【0138】
ステップS920において、ローカル制御装置120は、通信装置130からの通知の有無を判断する。通信装置130からの通知が有ると判断した場合、ローカル制御装置120はステップS950に進む。通信装置130からの通知が無いと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS930に進む。ローカル制御装置120は、通信装置130から燃料電池装置110を示す情報を受信していた場合、通信装置130からの通知が有ると判断してもよい。
【0139】
ローカル制御装置120は、ステップS920を省略してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、ステップS920を経ずに、ステップS930に進んでもよい。
【0140】
ステップS930において、ローカル制御装置120は、管理装置140からの通知の有無を判断する。管理装置140からの通知が有ると判断した場合、ローカル制御装置120はステップS950に進む。管理装置140からの通知が無いと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS940に進む。ローカル制御装置120は、管理装置140から第2メッセージを受信していた場合、管理装置140からの通知が有ると判断してもよい。
【0141】
ローカル制御装置120は、ステップS930を省略してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、ステップS930を経ずに、ステップS940に進んでもよい。
【0142】
ステップS940において、ローカル制御装置120は、通信装置130に第1メッセージを新たに送信した燃料電池装置110が存在するかの問合せを行う。ローカル制御装置120は、ステップS940の後、ステップS950に進む。ローカル制御装置120は、通信装置130に第1メッセージを新たに送信した燃料電池装置110を問い合わせることで、通信装置130に第1メッセージを新たに送信した燃料電池装置110を特定してもよい。ローカル制御装置120は、所定期間ごとに通信装置130に問合せをする場合、通信装置130によって新たにIPアドレスを付与された燃料電池装置110を問い合わせることで、通信装置130に第1メッセージを新たに送信した燃料電池装置110を特定してもよい。ローカル制御装置120は、通信装置130に所定期間における燃料電池装置110との通信履歴を問い合わせる場合、ステップS940の前の通信装置130の通信履歴と通信装置130から得られた通信履歴とを比較することで、通信装置130に第1メッセージを新たに送信した燃料電池装置110を特定してもよい。
【0143】
ステップS950において、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110の特定通信装置を決定する。例えば、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110に対して送信する第2メッセージで特定通信装置として指定する通信装置130を決定してもよい。ローカル制御装置120は、ステップS950の後、ステップS960に進む。
【0144】
ステップS950において、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と特定通信装置との対応関係である第1対応関係をローカル制御装置120の記憶部1203に記憶してもよい。第1対応関係は、特定通信装置と燃料電池装置110が備えられる需要家
との対応関係を含んでもよい。第1対応関係は、特定通信装置と燃料電池装置110が所属する融通グループとの対応関係を含んでもよい。第1対応関係は、後述する特定通信装置の優先順位を示す情報を含んでもよい。
【0145】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110から通信装置130を示す情報を受信していた場合(ステップS910でYESの場合)、燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定してもよい。ローカル制御装置120は、通信装置130から燃料電池装置110を示す情報を受信していた場合(ステップS920でYESの場合)、燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定してもよい。ローカル制御装置120は、管理装置140から燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を指定する第2メッセージを受信していた場合(ステップS930でYESの場合)、燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定してもよい。ローカル制御装置120は、第1メッセージを新たに送信した燃料電池装置110を示す情報を通信装置130から受信した場合(ステップS940の場合)、燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定してもよい。以上の構成とすることで、最初に第1情報を送信した燃料電池装置110が、改めて第1情報を通信装置130に送信する必要がなくなる。
【0146】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110の特定通信装置として複数の通信装置130を決定することができる。例えば、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110から通信装置130を示す情報を受信していた場合(ステップS910でYESの場合)、燃料電池装置110の特定通信装置として、通信装置130に加えて別の通信装置130も決定してもよい。複数の通信装置130を特定通信装置として決定することで、通信装置130の通信容量が閾値を超えた場合に再度特定通信装置を決定する必要がなくなる。これにより、ローカル制御装置120と燃料電池装置110の間の通信回数を低減することができる。
【0147】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定した場合、燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する他の燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定することができる。同じ融通グループに所属する燃料電池装置110が同じ通信装置130を使用することを決めておくことで、燃料電池装置110毎に第1メッセージを送信する通信装置130を決定する必要がなくなる。
【0148】
この場合、ローカル制御装置120は、同じ融通グループに所属する各燃料電池装置110との距離の合計が最小となるように特定通信装置となる通信装置130を決定してもよい。例えば、集合住宅において、同じ融通グループに所属する燃料電池装置110が1階から3階まで1台ずつ備えられている場合、ローカル制御装置120は、2階に備えられる通信装置130を特定通信装置としてよい。このようにすることで、各燃料電池装置110と通信装置130との通信を円滑に行うことができる。
【0149】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定した場合であって、燃料電池装置110が集合住宅に備えられている場合、燃料電池装置110と同じ階に備えられる他の燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定することができる。同じ階に備えられる燃料電池装置110が同じ通信装置130を使用することで、集合住宅の上下階方向の壁の厚みよりも左右方向の壁の厚みが小さく、燃料電池装置110と通信装置130とが通信できる距離が広くなるため、通信装置130の数を少なくすることができる。
【0150】
この場合、ローカル制御装置120は、同じ階に備えられる各燃料電池装置110との
距離の合計が最小となるように特定通信装置となる通信装置130を決定してもよい。例えば、通路に沿って5つの需要家が1つの階に並ぶ集合住宅において、燃料電池装置110が各需要家に1台ずつ備えられている場合、ローカル制御装置120は、中央の需要家に備えられている通信装置130を特定通信装置としてよい。言い換えると、この場合、右端又は左端の需要家から3番目の需要家に備えられている通信装置130を特定通信装置としてよい。このようにすることで、各燃料電池装置110と通信装置130との通信を円滑に行うことができる。
【0151】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と通信装置130との距離が最小になるように特定通信装置となる通信装置130を決定してもよい。例えば、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110に最も近い位置に存在する通信装置130を特定通信装置に決定してもよい。
【0152】
ローカル制御装置120は、特定通信装置に決定されていない通信装置130の中で通信容量が最も大きい通信装置130を、特定通信装置となる通信装置130に決定してもよい。また、ローカル制御装置120は、特定通信装置に決定されていない通信装置130の中で通信容量の残容量が最も大きい通信装置130を、特定通信装置となる通信装置130に決定してもよい。また、ローカル制御装置120は、特定通信装置に決定されていない通信装置130の中でファームウェアバージョンが最も新しい通信装置130を、特定通信装置となる通信装置130に決定してもよい。
【0153】
ステップS960において、ローカル制御装置120は、特定通信装置が複数決定されているかを判断する。特定通信装置が複数決定されていると判断した場合、ローカル制御装置120はステップS961に進む。特定通信装置が複数決定されていないと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS970に進む。言い換えると、特定通信装置として1つの通信装置130だけが決定されている場合、ローカル制御装置120はステップS970に進む。ローカル制御装置120は、ステップS950において燃料電池装置110の特定通信装置として複数の通信装置130を決定されていた場合、特定通信装置が複数決定されていると判断してもよい。
【0154】
ステップS961において、ローカル制御装置120は、複数の特定通信装置の優先順位を決定する。優先順位は、燃料電池装置110が特定通信装置の中から、送信先通信装置を選択する際の優先順位である。優先順位は、通信装置130の通信容量、通信装置130の位置、燃料電池装置110と通信装置130との距離などに基づいて決められてもよい。例えば、通信容量が大きい通信装置130から順に、優先順位を上から決定してもよい。例えば、燃料電池装置110と通信装置130との距離が小さい通信装置130から順に、優先順位を上から決定してもよい。例えば、同じ融通グループに所属する燃料電池装置110に同じ特定通信装置が決定された場合、それぞれの燃料電池装置110までの距離の合計値が小さい通信装置130から順に、優先順位を上から決定してもよい。
【0155】
ステップS961において、ローカル制御装置120は、第1対応関係に、決定した優先順位を示す情報を追加してもよい。
【0156】
ステップS970において、ローカル制御装置120は第2メッセージの送信を行う。ローカル制御装置120は、複数の特定通信装置を決定した場合、複数の特定通信装置の優先順位に関する情報を第2メッセージに含めることができる。ローカル制御装置120は、第1対応関係を第2メッセージに含めてもよい。
【0157】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110の特定通信装置を決定した場合、燃料電池装置110に第2メッセージを送信する。ローカル制御装置120は、燃料電池装置
110から通信装置130を示す情報を受信していた場合(ステップS910でYESの場合)、燃料電池装置110に第2メッセージを送信することを省略してもよい。ローカル制御装置120は、燃料電池装置110から通信装置130を示す情報を受信していた場合(ステップS910でYESの場合)であっても、通信装置130に加えて他の通信装置130も燃料電池装置110の特定通信装置に決定した場合は、燃料電池装置110に第2メッセージを送信してもよい。
【0158】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する他の燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定した場合、燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する他の燃料電池装置110に、通信装置130を指定する第2メッセージを送信することができる。言い換えると、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と異なる融通グループに所属する燃料電池装置に、通信装置130を指定する第2メッセージを送信しない。また、この場合、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と異なる融通グループに所属する燃料電池装置に、通信装置130を指定する第3メッセージを送信してもよい。このようにすることで、融通グループと特定通信装置とを対応させることができる。
【0159】
ローカル制御装置120は、燃料電池装置110が集合住宅に備えられている場合であって、燃料電池装置110と同じ階に備えられる他の燃料電池装置110の特定通信装置として通信装置130を決定した場合、燃料電池装置110と同じ階に備えられる他の燃料電池装置110に、通信装置130を指定する第2メッセージを送信することができる。言い換えると、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と異なる階に備えられる燃料電池装置110に、通信装置130を指定する第2メッセージを送信しない。また、この場合、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110と異なる階に備えられる燃料電池装置110に、通信装置130を指定する第3メッセージを送信してもよい。このようにすることで、燃料電池装置110が備えられる集合住宅の階と特定通信装置とを対応させることができる。
【0160】
(ローカル制御装置の監視処理における動作)
以下では、
図10を用いて、ローカル制御装置120の監視処理における動作フローを説明する。ローカル制御装置120の監視処理は、ローカル制御装置120が通信装置130の所定期間における通信量を確認する処理である。ローカル制御装置120が通信装置130の所定期間における通信容量の残容量を確認する処理であってもよい。
【0161】
また、以下では、燃料電池装置111、ローカル制御装置120、通信装置132、管理装置140を用いて説明する。通信装置132は、燃料電池装置111の特定通信装置である。
【0162】
なお、ローカル制御装置120が燃料電池装置110に備えられている場合、以下の説明では、ローカル制御装置120が行う処理は、ローカル制御装置120が備えられている燃料電池装置110が行う。ローカル制御装置120が複数の燃料電池装置110に備えられている場合、ローカル制御装置120が行う処理は、いずれかの燃料電池装置110が行ってもよい。
【0163】
ステップS1010において、ローカル制御装置120は、前回の監視処理から第2所定期間が経過したかを判断する。第2所定期間は、ローカル制御装置120が監視処理を行う期間の長さである。第2所定期間が経過したと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1020に進む。第2所定期間が経過していないと判断した場合、ローカル制御装置120は第2所定期間が経過するまで待機する。第2所定期間は、例えば、60分、12時間、1日、又は3日等であってもよい。
【0164】
ステップS1020において、ローカル制御装置120は、通信装置132から第4メッセージを受信しているかを判断する。第4メッセージは、通信装置の第1所定期間における通信量が第3所定期間における閾値を超えたことを示すメッセージである。第1所定期間は、通信装置の通信容量が定められた期間の長さである。第3所定期間は、第1所定期間における通信装置の通信量との比較に用いられる閾値が定められた期間の長さである。第4メッセージは、通信装置132から第4メッセージを受信していると判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1040に進む。通信装置132から第4メッセージを受信していないと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1021に進む。第1所定期間は、例えば、1日、3日、又は1月等であってもよい。第3所定期間は、例えば、第1所定期間と同じであってもよく、第1所定期間よりも短い期間であってもよい。第1所定期間が1月である場合、第3所定期間は2週間であってもよい。
【0165】
ローカル制御装置120は、ステップS1020を省略してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、ステップS1020を経ずに、ステップS1021に進んでもよい。
【0166】
ステップS1021において、ローカル制御装置120は、通信装置132に第1所定期間における通信量を問い合わせる。ローカル制御装置120は、通信装置132に問い合わせることで、第1所定期間における通信量を把握する。ローカル制御装置120は、通信装置132の通信容量の残容量を問い合わせることで、第1所定期間における通信量を把握してもよい。
【0167】
ステップS1030において、ローカル制御装置120は、第1所定期間における通信量が閾値を超えているかを判断する。閾値を超えていると判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1040に進む。閾値を超えていないと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1010に戻ってもよい。この場合、ローカル制御装置120は、監視処理を終了してもよい。閾値は、通信容量であってもよく、通信容量よりも小さい通信量であってもよい。例えば、閾値は、通信容量から、管理装置140からの一括指示があった場合に一括指示に対応する通信量を引いた通信量であってもよい。
【0168】
ステップS1040において、ローカル制御装置120は、通信装置132に関する第1対応関係を確認する。ローカル制御装置120は、通信装置132が特定通信装置である燃料電池装置111を確認することができる。ローカル制御装置120は、通信装置132の優先順位に関する情報を確認することができる。
【0169】
ステップS1050において、ローカル制御装置120は、通信装置132を特定通信装置とする燃料電池装置111に複数の特定通信装置が決定されているかを判断する。複数の特定通信装置が決定されていると判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1051に進む。複数の特定通信装置が決定されていないと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1052に進む。
【0170】
ステップS1051において、ローカル制御装置120は、通信装置132が閾値を超えたことを示す第4メッセージを燃料電池装置111に送信する。第4メッセージを受信した燃料電池装置111は、通信装置132の優先順位を一番下に変更することができる。このようにすることで、通信装置132の通信量の増加を抑えることができる。
【0171】
ステップS1052において、ローカル制御装置120は、燃料電池装置111の特定通信装置を変更する。ステップS1052は、(ローカル制御装置の決定処理)と同様の処理によって行われる。ローカル制御装置120は、特定通信装置を決定後、第2メッセ
ージを燃料電池装置111に送信する。
【0172】
以上のように、ローカル制御装置120が特定通信装置として定められた通信装置132の通信量を監視することで、特定通信装置に定められた通信装置132の通信量が、通信容量を超えてしまうことを防ぐことができる。
【0173】
(ローカル制御装置の管理処理における動作)
以下では、
図11を用いて、ローカル制御装置120の管理処理における動作フローを説明する。ローカル制御装置120の管理処理は、ローカル制御装置120が接続しているLANに接続されている燃料電池装置110を管理する処理である。
【0174】
また、以下では、燃料電池装置110、ローカル制御装置120、通信装置130、管理装置140を用いて説明する。ここでは、燃料電池装置110がLANに新たに接続されたとする。
【0175】
なお、ローカル制御装置120が燃料電池装置110に備えられている場合、以下の説明では、ローカル制御装置120が行う処理は、ローカル制御装置120が備えられている燃料電池装置110が行う。ローカル制御装置120が複数の燃料電池装置110に備えられている場合、ローカル制御装置120が行う処理は、いずれかの燃料電池装置110が行ってもよい。
【0176】
ステップS1210において、ローカル制御装置120は、LANに新たに接続した燃料電池装置110からの通知の有無を判断する。通知が有ったと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1250に進む。通知がないと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1220に進む。例えば、第1対応関係にない燃料電池装置110から融通グループ情報を受信した場合、ローカル制御装置120は、LANに新たに接続した燃料電池装置110からの通知が有ったと判断してもよい。融通グループ情報は、燃料電池装置110の所属する融通グループを示す情報である。例えば、燃料電池装置110から融通グループ情報を受信した場合、ローカル制御装置120は、LANに新たに接続した燃料電池装置110からの通知が有ったと判断してもよい。このような構成とすることで、追加された燃料電池装置110であっても、所属する融通グループに既に定められた特定通信装置に第1情報を送信することができる。
【0177】
ローカル制御装置120は、ステップS1210を省略してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、ステップS1210を経ずに、ステップS1220に進んでもよい。
【0178】
ステップS1220において、ローカル制御装置120は、LANに新たに燃料電池装置110が接続されることを示す通知を管理装置140から受信したかを判断する。受信したと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1250に進む。受信していないと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1230に進む。例えば、管理装置140から燃料電池装置110が追加されたことを示す情報を受信した場合、ローカル制御装置120は受信したと判断してもよい。
【0179】
ローカル制御装置120は、ステップS1220を省略してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、ステップS1220を経ずに、ステップS1230に進んでもよい。
【0180】
ステップS1230において、ローカル制御装置120は、ローカル制御装置120の入力部からの、LANに新たに接続した燃料電池装置110を示す情報の入力の有無を判
断する。入力があったと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1250に進む。入力がないと判断した場合、ローカル制御装置120はステップS1240に進む。例えば、第1対応関係にない燃料電池装置110を示す情報が入力された場合、ローカル制御装置120は、LANに新たに接続した燃料電池装置110を示す情報の入力が有ったと判断してもよい。第1対応関係に燃料電池装置110が記録されていない場合であって、ローカル制御装置120の入力部に燃料電池装置110が接続されることを示す入力がされた場合に、ローカル制御装置120は、LANに新たに接続した燃料電池装置110を示す情報の入力が有ったと判断してもよい。
【0181】
ローカル制御装置120は、ステップS1230を省略してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、ステップS1230を経ずに、ステップS1240に進んでもよい。
【0182】
ステップS1240において、ローカル制御装置120は、LANに新たな燃料電池装置110が接続されたかを通信装置130に問い合わせる。ローカル制御装置120は、通信装置130が新たにIPアドレスを設定した燃料電池装置110を問い合わせることができる。ローカル制御装置120は、IPアドレスを付与された燃料電池装置110を、新たにLANに接続された燃料電池装置110と決定する。
【0183】
ステップS1250において、ローカル制御装置120は、LANに新たに接続された燃料電池装置110を第1対応関係に追加する。
【0184】
ステップS1250において、ローカル制御装置120が燃料電池装置110の融通グループ情報を把握していない場合、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110に融通グループ情報を送信することを指示することができる。燃料電池装置110は、ローカル制御装置120に融通グループ情報を送信する。ローカル制御装置120は、第1対応関係に燃料電池装置110の融通グループを追加する。ステップS1250において、ローカル制御装置120は、燃料電池装置110、通信装置130、又は管理装置140に第1対応関係を送信してもよい。
【0185】
(通信装置)
通信装置130は、LAN(Local Area Netwok)とWAN(Wide Area Netwok)とを接続する装置である。通信装置130は、無線LANルーターであってもよく、有線LANルーターであってもよい。例えば、Wi-Fi(登録商標)のルーターであってもよい。
【0186】
通信装置は、
図12に示すように、制御部1301と、通信部1302と、記憶部1303と、計測部1304とを備える。
【0187】
制御部1301は、通信装置130の動作を制御する。
【0188】
通信部1302は、通信装置130の通信インターフェスである。通信部1302は、燃料電池装置110、ローカル制御装置120、又は管理装置140と通信することができる。通信部1302は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、EchonetLiteなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0189】
記憶部1303は、通信装置130に関する情報を記憶する。記憶部1303は、通信装置130と通信を行った装置に関する情報を記憶することができる。例えば、記憶部1
303は、燃料電池装置110を識別する情報を記憶してもよい。例えば、記憶部1303は、燃料電池装置110に付与されたIPアドレスを記憶してもよい。
【0190】
計測部1304は、通信装置130の通信量を計測する。例えば、計測部1304は、通信容量が定められている第1所定期間における通信量を計測してもよい。
【0191】
通信装置130には、第1所定期間における通信容量が定められている。通信容量は、通信装置130の通信量に関して定められた閾値である。通信装置130の通信量が通信容量以上となった場合、通信容量を超えた通信装置130の通信が制限される。制限の内容は、通信速度を所定値以下にするものであってもよい。例えば、通信容量は、通信装置130が通信したデータ量で定められてもよく、通信装置130が通信した回数で定められていてもよい。
【0192】
第1所定期間は、通信装置130に通信容量が定められている期間である。例えば、第1所定期間は、1ヶ月間であってもよく、3日間であってもよい。第1所定期間は、通信
装置130の所有者と通信回線事業者との契約に基づいて定められてもよい。
【0193】
通信装置130は、通信容量が閾値を超えた場合、ローカル制御装置120に警告メッセージを送信してもよい。この場合、ローカル制御装置120は、通信装置130を特定通信装置とする融通グループに所属する燃料電池装置110に警告メッセージを送信してもよい。ローカル制御装置120は、当該融通グループに複数の特定通信装置が定まっている場合に、閾値を超えた特定通信装置以外で最も優先順位が高い特定通信装置に第1メッセージを送信することを指示してもよい。ローカル制御装置120は監視処理に従って特定通信装置を決定してもよい。
【0194】
(管理装置)
管理装置140は、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する装置である。管理装置140の機能は、1つのサーバで実現されてもよい。管理装置140の機能は、複数
のサーバによって実現されてもよく、クラウド上で実現されてもよい。
【0195】
管理装置140は、
図13に示すように、制御部1501と、記憶部1502と、通信部1503を備える。
【0196】
記憶部1502は、第1情報を記憶する。記憶部1502は、不揮発性メモリなどのメモリ又は/及びHDD(Hard disc drive)などの記憶媒体によって構成されてもよい。記憶部1502は、第1情報以外の様々な情報を記憶してもよい。例えば、記憶部1502は、燃料電池装置110とその燃料電池装置110の所属する融通グループとの対応関係を記憶してもよい。
【0197】
制御部1501は、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する。例えば、第1情報に熱量が含まれる場合は、融通グループごとに熱量の収支を計算してもよい。
【0198】
制御部1501は、エネルギーの収支が合わない融通グループが存在する場合、収支が合わない融通グループに所属する燃料電池装置110に第1情報を送るように指示してもよい。これにより、エネルギーの融通の収支の正確性を高めることができる。
【0199】
制御部1501は、燃料電池装置110の動作を制御してもよい。例えば、異常事態の予報が出された場合に、異常事態の予報が出された地域に備えられた燃料電池装置110に運転を停止する指示をその燃料電池装置110に送信してもよい。また、燃料電池装置110の表示部11010にその旨を表示させてもよい。異常事態は、例えば、洪水、地
震、台風、火山噴火、定期メンテナンス、需要家施設100のメンテナンス等であってもよい。例えば、異常事態が洪水の場合であれば、浸水が予測される地域の燃料電池装置110に、運転を停止する指示を燃料電池装置110に送信してもよい。
【0200】
記憶部1502が対応関係を記憶している場合、制御部1501は、燃料電池装置110の運転を停止させた場合、対応関係にもとづいて、同一の融通グループに所属する他の燃料電池装置110にエネルギーの融通の停止を指示してもよい。また、燃料電池装置110の表示部11010にその旨を表示させてもよい。このような構成とすることで、エネルギーの融通ができない燃料電池装置110と同じ融通グループに所属する他の燃料電池装置110が、エネルギーの融通ができない燃料電池装置110と熱エネルギーを融通しようとしてしまう不具合が発生することを防ぐことができる。
【0201】
制御部1501は、第1情報に日時情報とエネルギーの発生情報と消費情報が含まれる場合、エネルギーの融通に関する提案に関する情報を、融通グループに所属する燃料電池装置110に送信してもよい。ある燃料電池装置110に、特定の時間帯に他の燃料電池装置110からエネルギーの融通を受ける提案であってもよい。
【0202】
通信部1503は、管理装置140の通信インターフェスである。通信部1503は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、EchonetLiteなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0203】
次に、実施形態1におけるエネルギー融通システム20での通信シーケンスについて説明する。なお、以下の通信シーケンスは、燃料電池装置111、燃料電池装置112及び燃料電池装置113が同一の融通グループに所属する場合だけに限定されるものではない。例えば、燃料電池装置111、燃料電池装置112及び燃料電池装置113が異なる融通グループに所属する場合であっても、適宜変更した上で適用可能である。
【0204】
(同じ融通グループに所属する燃料電池装置が、同じ通信装置を使用する場合の通信シーケンス)
以下では、
図14を用いて、同じ融通グループに所属する燃料電池装置が、同じ通信装置を使用する場合の通信シーケンスを説明する。
図14は、同じ融通グループに所属する燃料電池装置が、同じ通信装置を使用する場合の通信シーケンス図である。
【0205】
また、以下では、燃料電池装置111、燃料電池装置112、ローカル制御装置120、通信装置132、管理装置140を用いて説明する。ここでは、燃料電池装置111と燃料電池装置112は同じ融通グループに所属する燃料電池装置であるとする。また、通信装置132が燃料電池装置111の特定通信装置であるとする。
【0206】
なお、ローカル制御装置120が燃料電池装置110に備えられている場合、以下の説明では、ローカル制御装置120が行う処理は、ローカル制御装置120が備えられている燃料電池装置110が行う。ローカル制御装置120が複数の燃料電池装置110に備えられている場合、ローカル制御装置120が行う処理は、いずれかの燃料電池装置110が行ってもよい。
【0207】
ステップS1610において、ローカル制御装置120は、管理処理を行う。
【0208】
ステップS1620において、燃料電池装置111は送信処理を行う。燃料電池装置111は通信装置132に第1メッセージを送信する。
【0209】
ステップS1630において、ローカル制御装置120は監視処理と決定処理を行う。ローカル制御装置120は、燃料電池装置111の特定通信装置として通信装置132を決定する。
【0210】
ステップS1630において、ローカル制御装置120は、通信装置132を指定する第1メッセージを、燃料電池装置111と同じ融通グループに所属する燃料電池装置112に送信する。ローカル制御装置120は、通信装置132を指定する第1メッセージを、燃料電池装置111に送信してもよい。つまり、ローカル制御装置120は、同じ融通グループに所属する燃料電池装置111と燃料電池装置112とが同じ通信装置132を特定通信装置とするように特定通信装置を決定する。ローカル制御装置120が特定通信装置を予め決定しておくことで、通信装置132に定められた通信容量を超えないように燃料電池装置111と燃料電池装置112とが管理装置140に第1情報を送信することができる。
【0211】
ステップS1630において、ローカル制御装置120は、特定通信装置が決定された燃料電池装置110とは異なる他の融通グループに所属する燃料電池装置に、特定通信装置として決定された通信装置132を示す第2情報を通知しないようにしてもよい。このような構成とすることで、特定通信装置を決定した後に、異なる融通グループに所属する燃料電池装置が、特定通信装置として決定された通信装置132を利用することで、その通信装置132の通信容量が超えてしまう事態を防ぐことができる。
【0212】
ステップS1640において、燃料電池装置112は送信処理を行う。燃料電池装置112は通信装置132に第1メッセージを送信する。
【0213】
ステップS1650において、管理装置140は、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する。
【0214】
[実施形態2]
実施形態2では、実施形態1との相違点を中心に説明する。実施形態2では、異なる融通グループに所属する燃料電池装置(例えば、燃料電池装置211と燃料電池装置212)が同じ特定通信装置を使用する場合を説明する。
【0215】
図16においては、燃料電池装置211、燃料電池装置212及び燃料電池装置213はそれぞれ異なる融通グループに所属する場合を一例として示しているが、実施形態2はこの場合に限定されない。例えば、実施形態2では、同じ特定通信装置を使用する燃料電池装置210がそれぞれ異なる融通グループに所属していてもよい。実施形態2では、同
じ特定通信装置を使用する燃料電池装置210の全てが同じ融通グループに所属していてもよい。実施形態2では、同じ特定通信装置を使用する燃料電池装置210のうち一部の
燃料電池装置210が同じ融通グループに所属し、それ以外の燃料電池装置210が異なる融通グループに所属していてもよい。
【0216】
(エネルギー融通システム)
以下において、実施形態2に係るエネルギー融通システム20について説明する。
図15示すように、エネルギー融通システム20は、2以上の需要家施設201から需要家施設209と、燃料電池装置211から燃料電池装置219と、ローカル制御装置221からローカル制御装置223と、通信装置231から通信装置239と、管理装置140とを備える。
【0217】
以下の実施形態2の説明では、需要家施設201から需要家施設209をまとめて需要
家施設200と呼称する。また、燃料電池装置211から燃料電池装置219をまとめて燃料電池装置210と呼称する。また、ローカル制御装置221からローカル制御装置223をまとめてローカル制御装置220と呼称する。また、通信装置231から通信装置239をまとめて通信装置230と呼称する。
【0218】
ローカル制御装置220は、
図16において一例として、各列の需要家施設200ごとに記載(例えば、燃料電池装置211から燃料電池装置213の列にローカル制御装置221が配置)されているが、ローカル制御装置220の配置はこれに限定されない。ローカル制御装置220は、1つだけであってもよい。また、複数のローカル制御装置220
が連携して、1つのローカル制御装置として動作してもよい。
【0219】
図16では、熱エネルギー融通線が縦方向に記載(例えば、燃料電池装置211と燃料電池装置214と燃料電池装置217とが熱エネルギー融通線で結ばれるように記載)されているが、実施形態2ではこれに限定されない。
【0220】
例えば、需要家施設201から需要家施設203が3階、需要家施設204から需要家施設206が2階、需要家施設207から需要家施設209が1階となるような集合住宅である場合、燃料電池装置214と燃料電池装置215とが熱エネルギー融通線で結ばれるように、同一階に備えられる燃料電池装置210同士が同じ融通グループに所属してもよい。例えば、
図16の燃料電池装置211と燃料電池装置214が熱エネルギー融通線で結ばれるように、異なる階に備えられる燃料電池装置210同士が同じ融通グループに所属してもよい。例えば、燃料電池装置211から燃料電池装置215までが熱エネルギー融通線で結ばれるように、同一の階に備えられる複数の燃料電池装置210が異なる階に備えられる燃料電池装置210と同じ融通グループに所属してもよい。
【0221】
次に、実施形態2におけるエネルギー融通システム20での通信シーケンスについて説明する。なお、以下の通信シーケンスは、実施形態2ように、燃料電池装置211から燃料電池装置213が同一の融通グループに所属する場合だけに限定されるものではない。
【0222】
(異なる融通グループに所属する燃料電池装置が、同じ通信装置を使用する場合の通信シーケンス)
以下では、
図16を用いて、異なる融通グループに所属する燃料電池装置が、同じ通信装置を使用する場合の通信シーケンスを説明する。
【0223】
また、以下では、燃料電池装置211、燃料電池装置212、燃料電池装置213、ローカル制御装置221、通信装置231、通信装置232、管理装置240を用いて説明する。
【0224】
ここでは、燃料電池装置211、燃料電池装置212が同じ融通グループに所属する燃料電池装置ではないとする。燃料電池装置211と燃料電池装置212とが同じ通信装置231を使用するとする。燃料電池装置213が通信装置231に第1メッセージを送信すると、通信装置231の第1所定期間における通信量が閾値を超えてしまうとする。
【0225】
ステップS1610において、燃料電池装置211は送信処理を行う。燃料電池装置211は通信装置231を介して管理装置240に第1メッセージを送信する。
【0226】
ステップS1620において、燃料電池装置212は送信処理を行う。燃料電池装置212は通信装置231を介して管理装置240に第1メッセージを送信する。
【0227】
ステップS1630において、燃料電池装置213は送信処理を行う。燃料電池装置2
13は通信装置231に第1メッセージを送信する。
【0228】
ステップS1640において、ローカル制御装置221は監視処理を行う。
【0229】
ステップS1640において、燃料電池装置213が通信装置231を介して管理装置240に第1メッセージを送信すると通信装置231の第1所定期間における通信量が閾値を超えてしまう場合、ローカル制御装置221は、通信装置231を指定する第3メッセージを燃料電池装置213に送信する。つまり、ローカル制御装置221は、燃料電池装置213が通信装置231に第1メッセージを送ることを禁止する。このようにすることで、通信装置231の第1所定期間における通信量が閾値を超えてしまうことを防ぐことができる。
【0230】
ステップS1650において、燃料電池装置213は送信処理を行う。燃料電池装置213は通信装置232を介して管理装置240に第1メッセージを送信する。
【0231】
ステップS1660において、管理装置240は、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する。なお、この場合、第1メッセージには、融通グループ情報が含まれている。管理装置240は、融通グループ情報に基づいて融通グループごとにエネルギーの収支を計算することができる。
【0232】
(ローカル制御装置が、燃料電池装置の使用する通信装置を事前に決定する場合の通信シーケンス)
以下では、
図17を用いてローカル制御装置220を介して、燃料電池装置210が通信装置230に第1メッセージを送信する場合の通信シーケンスを説明する。
【0233】
また、以下では、燃料電池装置211、燃料電池装置212、燃料電池装置213、ローカル制御装置221、通信装置231、通信装置232、管理装置240を用いて説明する。
【0234】
ステップS1710において、ローカル制御装置221は管理処理を行う。
【0235】
ステップS1720において、ローカル制御装置221は決定処理を行う。ローカル制御装置221は、燃料電池装置211、燃料電池装置212,及び燃料電池装置213の第1対応関係を作成したとする。ローカル制御装置221は、燃料電池装置211と燃料電池装置212に通信装置231を指定する第2メッセージを送信する。また、ローカル制御装置221は燃料電池装置213に通信装置232を指定する第2メッセージを送信する。
【0236】
ステップS1720において、ローカル制御装置221は、通信装置231と232の通信量が閾値を超えないように特定通信装置を燃料電池装置211から燃料電池装置213に決定してもよい。このような構成とすることで、通信装置231と通信装置232とに定められた通信容量を超えないように燃料電池装置211から燃料電池装置213が管理装置240に第1情報を送信することができる。
【0237】
ステップS1730において、燃料電池装置211は送信処理を行う。燃料電池装置211は通信装置231に第1メッセージを送信する。
【0238】
ステップS1740において、燃料電池装置212は送信処理を行う。燃料電池装置212は通信装置231に第1メッセージを送信する。
【0239】
ステップS1750において、燃料電池装置213は送信処理を行う。燃料電池装置213は通信装置232に第1メッセージを送信する。
【0240】
ステップS1760において、管理装置257は、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する。なお、この場合、第1メッセージには、融通グループ情報が含まれている。管理装置257は、融通グループ情報に基づいて融通グループごとにエネルギーの収支を計算することができる。
【0241】
(ローカル制御装置を介して、燃料電池装置が通信装置に第1メッセージを送信する場合の通信シーケンス)
以下では、
図18を用いて、燃料電池装置210の使用する通信装置230を、ローカル制御装置220が事前に決定する場合の通信シーケンスを説明する。
【0242】
また、以下では、燃料電池装置211、燃料電池装置212、ローカル制御装置221、通信装置231、管理装置240を用いて説明する。
【0243】
ここでは、燃料電池装置211、燃料電池装置212が同じ融通グループに所属する燃料電池装置ではないとする。燃料電池装置211と燃料電池装置212とが同じ通信装置231を使用するとする。
【0244】
ステップS1810において、ローカル制御装置221は管理処理を行う。
【0245】
ステップS1820において、ローカル制御装置221は決定処理を行う。ローカル制御装置221は、燃料電池装置211、燃料電池装置212の第1対応関係を作成したとする。ローカル制御装置221は、燃料電池装置211と燃料電池装置212の特定通信装置に通信装置231を決定する。ローカル制御装置221は、燃料電池装置211と燃料電池装置212にローカル制御装置221を指定する第2メッセージを送信する。
【0246】
ステップS1830において、燃料電池装置211は送信処理を行う。燃料電池装置211はローカル制御装置221に第1メッセージを送信する。
【0247】
ステップS1840において、燃料電池装置212は送信処理を行う。燃料電池装置212はローカル制御装置221に第1メッセージを送信する。
【0248】
ステップS1850において、ローカル制御装置221は、第1メッセージを作成する。ローカル制御装置221が作成する第1メッセージは、燃料電池装置211の第1メッセージと燃料電池装置212の第1メッセージとを含んでもよい。ローカル制御装置221が作成する第1メッセージは、燃料電池装置211の第1メッセージと燃料電池装置212の第1メッセージとが異なる第1メッセージに含まれてもよい。
【0249】
ステップS1850において、ローカル制御装置221は、燃料電池装置211の第1メッセージと燃料電池装置212の第1メッセージとを圧縮することで、通信費の小さい第1メッセージ作成してもよい。これにより、通信装置231の通信量を低減することができる。例えば、ローカル制御装置221は、燃料電池装置211の第1メッセージと燃料電池装置212の第1メッセージの暗号化に係る部分の重複を排除することで、燃料電池装置211の第1メッセージと燃料電池装置212の第1メッセージの圧縮をしてもよい。
【0250】
ステップS1860において、ローカル制御装置221は、第1メッセージを送信する。
【0251】
ステップS1870において、管理装置240は、融通グループごとにエネルギーの収支を計算する。なお、この場合、第1メッセージには、融通グループ情報が含まれている。管理装置240は、融通グループ情報に基づいて融通グループごとにエネルギーの収支を計算することができる。
【0252】
[実施形態3]
以下において、実施形態3について説明する。以下においては、実施形態1に対する相違点について主として説明する。
【0253】
実施形態1及び実施形態2では、ローカル制御装置がLAN内でのエネルギー融通システム20の動作を制御する場合の実施形態を説明した。実施形態3では、ローカル制御装置の機能を燃料電池装置が実行する場合の実施形態を説明する。
【0254】
以下において、実施形態3に係るエネルギー融通システム20について説明する。
図19に示すように、エネルギー融通システム20は、2以上の需要家施設301、需要家施設302、及び需要家施設303と、燃料電池装置311、燃料電池装置312及び燃料電池装置313と、通信装置331、通信装置332、及び通信装置333と、管理装置340とを備える。以下の実施形態3の説明では、燃料電池装置311と燃料電池装置312と燃料電池装置313をまとめて燃料電池装置310と呼称する。また、需要家施設301と需要家施設302と需要家施設303をまとめて需要家施設300と呼称する。また、通信装置331と通信装置332と通信装置333をまとめて通信装置330と呼称する。
【0255】
実施形態3の燃料電池装置310は、実施形態1でのローカル制御装置の機能を実行することができる。なお、実施形態3では、ローカル制御装置の機能を果たすことができる燃料電池装置310とローカル制御装置の機能を果たすことができない燃料電池装置310とが混在してもよい。ローカル制御装置の機能は、燃料電池装置310の制御部31006が実行してもよい。
【0256】
LAN内に、実施形態1でのローカル制御装置の機能を実行することができる燃料電池装置310が1台だけ存在する場合、その燃料電池装置がローカル制御装置の機能を実行する。この場合、ローカル制御装置としての機能を実行する燃料電池装置310を、プライマリ燃料電池装置とする。ローカル制御装置としての機能を実行しない燃料電池装置310を、セカンダリ燃料電池装置とする。
【0257】
LAN内に、実施形態1でのローカル制御装置の機能を実行することができる燃料電池装置310が複数存在する場合、それらの燃料電池装置310のいずれかの燃料電池装置310がローカル制御装置の機能を実行する。この場合も、ローカル制御装置としての機能を実行する燃料電池装置310を、プライマリ燃料電池装置とする。ローカル制御装置としての機能を実行しない燃料電池装置310を、セカンダリ燃料電池装置とする。
【0258】
燃料電池装置310のユーザーが指定によって、複数の燃料電池装置310のうちいずれかの燃料電池装置310をプライマリ燃料電池装置にするかを決定してもよい。また、エネルギー融通システム20のユーザーが指定することによって決定してもよい。
【0259】
プライマリ燃料電池装置は、特定通信装置を自ら決定することができる。例えば、プライマリ燃料電池装置は、第1メッセージを送信した通信装置330を、特定通信装置として決定してもよい。
【0260】
燃料電池装置310のユーザーが指定によって、プライマリ燃料電池装置とセカンダリ燃料電池装置とを変更してもよい。この場合、変更前にプライマリ燃料電池装置であった燃料電池装置310は、セカンダリ燃料電池装置となる。変更後のプライマリ燃料電池装置は、セカンダリ燃料電池装置に対して、プライマリ燃料電池装置が変更されたことを通知する。通知を受信したセカンダリ燃料電池装置は、変更後のプライマリ燃料電池装置をプライマリ燃料電池装置として動作する。プライマリ燃料電池装置を変更することができるようにすることで、プライマリ燃料電池装置がメンテナンスなどで停止する場合であっても、ローカル制御装置としての機能が実行されなくなる事態を防ぐことができる。
【0261】
[実施形態4]
以下において、実施形態4について説明する。以下においては、実施形態2に対する相違点について主として説明する。
【0262】
実施形態1及び実施形態2では、ローカル制御装置がLAN内でのエネルギー融通システム20の動作を制御する場合の実施形態を説明した。実施形態4では、ローカル制御装置の機能を燃料電池装置が実行する場合の実施形態を説明する。
【0263】
以下において、実施形態4に係るエネルギー融通システム20について説明する。
図20に示すように、エネルギー融通システム20は、2以上の需要家施設401、需要家施設402、及び需要家施設403と、燃料電池装置411、燃料電池装置412,及び燃料電池装置413と、通信装置431、通信装置432、及び通信装置433と、管理装置440とを備える。以下の実施形態1の説明では、燃料電池装置411と燃料電池装置412と燃料電池装置413をまとめて燃料電池装置410と呼称する。また、需要家施設401と需要家施設402と需要家施設403をまとめて需要家施設400と呼称する。また、通信装置431と通信装置432と通信装置433をまとめて通信装置430と呼称する。
【0264】
実施形態4の燃料電池装置410は、実施形態1でのローカル制御装置の機能を実行することができる。なお、実施形態3では、ローカル制御装置の機能を果たすことができる燃料電池装置410とローカル制御装置の機能を果たすことができない燃料電池装置410とが混在してもよい。ローカル制御装置の機能は、燃料電池装置410の制御部31006が実行してもよい。
【0265】
LAN内に、実施形態1でのローカル制御装置の機能を実行することができる燃料電池装置410が1台だけ存在する場合、その燃料電池装置がローカル制御装置の機能を実行する。この場合、ローカル制御装置としての機能を実行する燃料電池装置410を、プライマリ燃料電池装置とする。ローカル制御装置としての機能を実行しない燃料電池装置410を、セカンダリ燃料電池装置とする。
【0266】
LAN内に、実施形態1でのローカル制御装置の機能を実行することができる燃料電池装置410が複数存在する場合、それらの燃料電池装置410のいずれかの燃料電池装置410がローカル制御装置の機能を実行する。この場合も、ローカル制御装置としての機能を実行する燃料電池装置410を、プライマリ燃料電池装置とする。ローカル制御装置としての機能を実行しない燃料電池装置410を、セカンダリ燃料電池装置とする。
【0267】
燃料電池装置410のユーザーが指定によって、複数の燃料電池装置410のうちいずれかの燃料電池装置410をプライマリ燃料電池装置にするかを決定してもよい。また、エネルギー融通システム20のユーザーが指定することによって決定してもよい。
【0268】
プライマリ燃料電池装置は、特定通信装置を自ら決定することができる。例えば、プラ
イマリ燃料電池装置は、第1メッセージを送信した通信装置430を、特定通信装置として決定してもよい。
【0269】
燃料電池装置410のユーザーが指定によって、プライマリ燃料電池装置とセカンダリ燃料電池装置を変更してもよい。この場合、変更前にプライマリ燃料電池装置であった燃料電池装置410は、セカンダリ燃料電池装置となる。変更後のプライマリ燃料電池装置は、セカンダリ燃料電池装置に対して、プライマリ燃料電池装置が変更されたことを通知する。通知を受信したセカンダリ燃料電池装置は、変更後のプライマリ燃料電池装置をプライマリ燃料電池装置として動作する。プライマリ燃料電池装置を変更することができるようにすることで、プライマリ燃料電池装置がメンテナンスなどで停止する場合であっても、ローカル制御装置としての機能が実行されなくなる事態を防ぐことができる。
【0270】
[実施形態5]
以下において、実施形態5について説明する。以下においては、実施形態1に対する相違点について主として説明する。
【0271】
実施形態1では、需要家施設100同士が隣接する集合住宅の場合の実施形態を説明した。実施形態5では、需要家施設500同士が隣接はしていないが、専用の通信線で接続されている実施形態を説明する。
【0272】
以下において、実施形態5に係るエネルギー融通システム20について説明する。
図21に示すように、エネルギー融通システム20は、2以上の需要家施設501、需要家施設502、及び需要家施設503と、燃料電池装置511、燃料電池装置512、及び燃料電池装置513と、通信装置531、通信装置532、及び通信装置533と、管理装置550とを備える。以下の実施形態5の説明では、燃料電池装置511と燃料電池装置512と燃料電池装置513をまとめて燃料電池装置510と呼称する。また、需要家施設501と需要家施設502と需要家施設503をまとめて需要家施設500と呼称する。また、通信装置531と通信装置532と通信装置533をまとめて通信装置530と呼称する。
【0273】
実施形態5に係る例としては、例えば、バーチャルパワープラント(VPP:Virtual Power Plant)における、分散電源を備える需要家施設間でのエネルギーの融通を管理するエネルギー融通システ20である。
【0274】
実施形態5に係るエネルギー融通システム20では、燃料電池装置510が第1メッセージを特定通信装置に送信する場合、燃料電池装置510は、特定通信装置を備える需要家施設500に備えられる燃料電池装置510を経由して特定通信装置に第1メッセージを送信する。
【0275】
例えば、
図21において、特定通信装置が通信装置532である場合を考える。この場合、燃料電池装置511が第1メッセージを送信する場合、燃料電池装置511は、通信装置532が備えられる需要家施設502に備えられる燃料電池装置512に第1メッセージを送信する。このような構成とすることで、需要家施設501と需要家施設502が隣接していない場合であって、燃料電池装置511と通信装置532との距離が通信可能な距離を超えている場合であっても、燃料電池装置511は特定通信装置である通信装置532を介して第1メッセージを送信することができる。
【0276】
[その他の実施形態]
本開示を諸図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づいた種々の変形および修正を行うことが可能であることに留意されたい。したがって、こ
れらの変形および修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本開示の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することも可能である。