(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153451
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】Web会議システム、ネットワーク監視装置及び電話制御装置
(51)【国際特許分類】
H04M 3/56 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
H04M3/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062731
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】永田 将人
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA05
5K201BB09
5K201BC12
5K201CB09
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】 Web会議の参加者であれば当該Web会議とは別手段を通じて、容易に呼び出しを行うことができるようにする。
【解決手段】呼び出し先電話番号取得部622は、呼び出し先の1以上の電話番号を取得し、呼び出し元電話番号取得部623は、呼び出し元の1以上の電話番号を取得する。呼び出し先発信部624は、取得された1以上の呼び出し先の電話番号に発信し、応答があった電話端末との間の接続のみを維持する。呼び出し先から応答があった場合に、呼び出し制御部625は、取得された1以上の呼び出し元の電話番号を用いて呼び出しを行い、応答があった電話端末との接続のみを維持する。接続制御部は、接続が維持されている呼び出し先の電話端末と呼び出し元の電話端末との間に通話回線を接続する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の情報処理装置が接続されると共に、IP(Internet Protocol)網に接続されるネットワーク監視装置と、複数の内線電話端末が接続されて内線電話システムを構築すると共に、広域電話網に接続される電話制御装置とが接続されて構成されるWeb会議システムであって、
前記ネットワーク監視装置は、
IP網上の会議サーバとの間にリンクを接続し、Web会議に参加している前記情報処理装置からの送信情報を監視して、未参加者を呼び出す呼び出し要求が生じた場合に、呼び出し元と呼び出し先の双方のアカウント情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を、前記電話制御装置に通知する通知手段と
を備え、
前記電話制御装置は、
電話を掛ける可能性のある相手先について、前記アカウント情報と前記相手先の1以上の電話番号とを対応付けた連絡先情報を記憶する連絡先記憶手段と、
前記ネットワーク監視装置からの前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記呼び出し先の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し先の1以上の電話番号を取得する呼び出し先電話番号取得手段と、
前記取得手段で取得された前記呼び出し元の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し元の1以上の電話番号を取得する呼び出し元先電話番号取得手段と、
前記呼び出し先電話番号取得手段で取得された前記呼び出し先の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられている1以上の電話端末のそれぞれに電話を掛けるようにする発信手段と、
前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し先の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への発信を中止する発信中止手段と、
前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、前記呼び出し元電話番号取得手段で取得された前記呼び出し元の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられた1以上の電話端末のそれぞれを呼び出すようにする呼び出し制御手段と、
前記呼び出し制御手段を通じて呼び出すようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し元の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への呼び出しを中止する呼び出し中止手段と、
応答があった呼び出し先の前記電話端末と応答があった呼び出し元の前記電話端末との間に通話回線を接続し、通話を行えるようにする接続制御手段と
を備えることを特徴とするWeb会議システム。
【請求項2】
請求項1に記載のWeb会議システムであって、
前記Web会議に参加する可能性のある者ごとに、前記アカウント情報あるいは前記アカウント情報と紐づいた識別情報と、所在を示す情報と対応付けて管理する就業管理装置と、前記電話制御装置とが接続されて、前記電話制御装置が前記就業管理装置の情報を参照することができるようにされており、
前記呼び出し先の前記アカウント情報に応じて、前記就業管理装置の前記所在を示す情報を参照し、前記呼び出し先電話番号取得手段あるいは前記呼び出し先発信手段に対して、用いる電話番号について指示を出す就業管理手段を備える
ことを特徴とするWeb会議システム。
【請求項3】
請求項1に記載のWeb会議システムであって、
前記Web会議に参加する可能性のある者ごとに、前記アカウント情報あるいは前記アカウント情報と紐づいた識別情報と、所在を示す情報と対応付けて管理する就業管理装置と、前記電話制御装置とが接続されて、前記電話制御装置が前記就業管理装置の情報を参照することができるようにされており、
前記呼び出し先の前記アカウント情報に応じて、前記就業管理装置の前記所在を示す情報を参照し、前記呼び出し元電話番号取得手段あるいは前記呼び出し制御手段に対して、用いる電話番号について指示を出す就業管理手段を備える
ことを特徴とするWeb会議システム。
【請求項4】
1以上の情報処理装置が接続されると共に、IP(Internet Protocol)網に接続されるネットワーク監視装置と、複数の内線電話端末が接続されて内線電話システムを構築すると共に、広域電話網に接続される電話制御装置とが接続されて構成されるWeb会議システムの前記ネットワーク監視装置であって、
前記電話制御装置は、電話を掛ける可能性のある相手先について、前記ネットワーク監視装置から通知されるアカウント情報と前記相手先の1以上の電話番号とを対応付けた連絡先情報を記憶する連絡先記憶手段と、前記ネットワーク監視装置からの前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された前記呼び出し先の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し先の1以上の電話番号を取得する呼び出し先電話番号取得手段と、前記取得手段で取得された前記呼び出し元の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し元の1以上の電話番号を取得する呼び出し元先電話番号取得手段と、前記呼び出し先電話番号取得手段で取得された前記呼び出し先の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられている1以上の電話端末のそれぞれに電話を掛けるようにする発信手段と、前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し先の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への発信を中止する発信中止手段と、前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、前記呼び出し元電話番号取得手段で取得された前記呼び出し元の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられた1以上の電話端末のそれぞれを呼び出すようにする呼び出し制御手段と、前記呼び出し制御手段を通じて呼び出すようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し元の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への呼び出しを中止する呼び出し中止手段と、応答があった呼び出し先の前記電話端末と応答があった呼び出し元の前記電話端末との間に通話回線を接続し、通話を行えるようにする接続制御手段と、をそなえるものであり、
IP網上の会議サーバとの間にリンクを接続し、Web会議に参加している前記情報処理装置からの送信情報を監視して、未参加者を呼び出す呼び出し要求が生じた場合に、呼び出し元と呼び出し先の双方の前記アカウント情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を、前記電話制御装置に通知する通知手段と
を備えることを特徴とするネットワーク監視装置。
【請求項5】
1以上の情報処理装置が接続されると共に、IP(Internet Protocol)網に接続されるネットワーク監視装置と、複数の内線電話端末が接続されて内線電話システムを構築すると共に、広域電話網に接続される電話制御装置とが接続されて構成されるWeb会議システムの前記電話制御装置であって、
前記ネットワーク監視装置は、IP網上の会議サーバとの間にリンクを接続し、Web会議に参加している前記情報処理装置からの送信情報を監視して、未参加者を呼び出す呼び出し要求が生じた場合に、呼び出し元と呼び出し先の双方のアカウント情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を、前記電話制御装置に通知する通知手段と、を備えるものであり、
電話を掛ける可能性のある相手先について、前記アカウント情報と前記相手先の1以上の電話番号とを対応付けた連絡先情報を記憶する連絡先記憶手段と、
前記ネットワーク監視装置からの前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記呼び出し先の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し先の1以上の電話番号を取得する呼び出し先電話番号取得手段と、
前記取得手段で取得された前記呼び出し元の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し元の1以上の電話番号を取得する呼び出し元先電話番号取得手段と、
前記呼び出し先電話番号取得手段で取得された前記呼び出し先の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられている1以上の電話端末のそれぞれに電話を掛けるようにする発信手段と、
前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し先の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への発信を中止する発信中止手段と、
前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、前記呼び出し元電話番号取得手段で取得された前記呼び出し元の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられた1以上の電話端末のそれぞれを呼び出すようにする呼び出し制御手段と、
前記呼び出し制御手段を通じて呼び出すようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し元の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への呼び出しを中止する呼び出し中止手段と、
応答があった呼び出し先の前記電話端末と応答があった呼び出し元の前記電話端末との間に通話回線を接続し、通話を行えるようにする接続制御手段と
を備えることを特徴とする電話制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、PC(Personal Computer)などの通信端末を用い、インターネットを介して会議を行うようにするWeb会議システム、当該システムで用いられる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PCやタブレットPCなどの通信端末を用い、インターネットを介して、離れた場所にいる者同士が会議を行うWeb会議が広く利用されている。Web会議は、通信端末に内蔵されたあるいは接続された、マイクロホンからの音声やカメラからの映像を、インターネットを通じて会議サーバに送信し、これを参加者が自己の通信端末を用いて共有することでリアルタイムに会議を行う仕組みである。Web会議については、例えば後に記す特許文献1などに開示されているように、種々の利用者が容易に利用できるようにする種々の改良が行われている。
【0003】
Web会議を行う際には、事前に日時を指定した会議開催通知を会議招集者が、例えば電子メールにて参加者に対し送信し、その日時に会議体が形成され、会議を行うことができる。開催されたWeb会議上では、いわゆる会議アプリを利用して、招集されているメンバーや参加者を一覧で見ることができ、まだ参加していないメンバー(参加予定者)に対しては、当該Web会議上から個別で呼び出しを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、Web会議の開始時刻になっても参加していないメンバー(参加予定者)に対しては、会議アプリを利用してWeb会議上で個別に呼び出しが可能である。しかしながら、当該Web会議に参加していないメンバーを同じ手段であるWeb会議上で呼び出しても応答しない場合が多々ある。そのため、電話や電子メールといった別手段で呼び出すことがあるが、電話番号や電子メールアドレスを探すのが煩雑で、会議招集者が呼び出していては会議の開始、進行の妨げになる。
【0006】
そのため、招集者が他の参加者に呼び出しの代行をお願いすることもがあるが、会議招集者以外は、不参加メンバーと面識がない場合も多く、電話番号や電子メールアドレスを調べようにも所属やフルネームを知らないので探せないことが多々ある。この場合には、結局会議招集者が、代行をお願いした他の参加者に電話番号や電子メールアドレスを教えることになり、会議に支障を来たすという問題を生じる。
【0007】
以上のことに鑑み、この発明は、Web会議に召集された参加予定者が、当該Web会議に参加して来ない場合に、当該Web会議の参加者であれば当該Web会議とは別手段を通じて、容易に呼び出しを行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のWeb会議システムは、
1以上の情報処理装置が接続されると共に、IP(Internet Protocol)網に接続されるネットワーク監視装置と、複数の内線電話端末が接続されて内線電話システムを構築すると共に、広域電話網に接続される電話制御装置とが接続されて構成されるWeb会議システムであって、
前記ネットワーク監視装置は、
IP網上の会議サーバとの間にリンクを接続し、Web会議に参加している前記情報処理装置からの送信情報を監視して、未参加者を呼び出す呼び出し要求が生じた場合に、呼び出し元と呼び出し先の双方のアカウント情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出された前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を、前記電話制御装置に通知する通知手段と
を備え、
前記電話制御装置は、
電話を掛ける可能性のある相手先について、前記アカウント情報と前記相手先の1以上の電話番号とを対応付けた連絡先情報を記憶する連絡先記憶手段と、
前記ネットワーク監視装置からの前記呼び出し元と前記呼び出し先の双方の前記アカウント情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記呼び出し先の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し先の1以上の電話番号を取得する呼び出し先電話番号取得手段と、
前記取得手段で取得された前記呼び出し元の前記アカウント情報に基づいて、前記連絡先記憶手段を参照し、前記呼び出し元の1以上の電話番号を取得する呼び出し元先電話番号取得手段と、
前記取得手段で取得された前記呼び出し先の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられている1以上の電話端末のそれぞれに電話を掛けるようにする発信手段と、
前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し先の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への発信を中止する発信中止手段と、
前記発信手段を通じて電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、前記呼び出し元電話番号取得手段で取得された前記呼び出し元の1以上の電話番号のそれぞれが割り当てられた1以上の電話端末のそれぞれを呼び出すようにする呼び出し制御手段と、
前記呼び出し制御手段を通じて呼び出すようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、応答があった呼び出し元の電話端末との接続を維持し、他の電話端末への呼び出しを中止する呼び出し中止手段と、
応答があった呼び出し先の前記電話端末と応答があった呼び出し元の前記電話端末との間に通話回線を接続し、通話を行えるようにする接続制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明のWeb会議システムによれば、ネットワーク監視装置の抽出手段により、Web会議に参加している情報処理装置からの送信情報が監視され、未参加者の呼び出し要求が検知されると呼び出し元と呼び出し先のアカウント情報が抽出される。抽出されたアカウント情報は、通知手段により電話制御装置に通知される。電話制御装置の連絡先記憶手段には、電話を掛ける可能性のある相手先のアカウント情報と相手先の1以上の電話番号とを対応付けた連絡先情報が記憶されている。取得手段によって、ネットワーク監視装置からの呼び出し元と呼び出し先の双方のアカウント情報が取得される。呼び出し先電話番号取得手段により、呼び出し先のアカウント情報に基づいて、連絡先記憶手段が参照され、呼び出し先の1以上の電話番号が取得される。呼び出し元先電話番号取得手段により、呼び出し元のアカウント情報に基づいて、連絡先記憶手段が参照され、呼び出し元の1以上の電話番号が取得される。
【0010】
電話制御装置の発信手段により、呼び出し先の1以上の電話番号の1以上の電話端末のそれぞれに電話が掛けられる。当該1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、発信中止手段によって、応答があった呼び出し先の電話端末との接続が維持され、他の電話端末への発信が中止される。また、電話を掛けるようにした1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、呼び出し制御手段により、呼び出し元の1以上の電話番号の1以上の電話端末のそれぞれが呼び出される。当該1以上の電話端末の1つから応答があった場合に、呼び出し中止手段により、応答があった呼び出し元の電話端末との接続が維持され、他の電話端末への呼び出しが中止される。この後、接続制御手段によって、応答があった呼び出し先の電話端末と応答があった呼び出し元の電話端末との間に通話回線が接続され、通話が可能にされる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、Web会議上で未参加者が呼び出すようにされたことを契機として、呼び出し先の電話端末と呼び出し元の電話端末との間に通話回線を接続して通話を行うことができるようにされる。これにより、簡単かつ確実にWeb会議が行われている経路とは異なる、通話回線を接続して、電話端末を用いて通話によりWeb会議への参加を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態のWeb会議システムの構成例を説明するための図である。
【
図2】実施の形態のUTM装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図3】実施の形態の電話制御装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図4】電話制御装置の社員連絡先DB(Data Base)の格納データの例を説明するための図である。
【
図5】電話制御装置の電話帳DB(Data Base)の格納データの例を説明するための図である。
【
図6】実施の形態のWeb会議システムで行われる処理を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながら、この発明によるシステム、装置の実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、この発明によるWeb会議システムを、例えば会社のオフィスに構成する場合を例にして説明する。当該Web会議システムは、この発明によるネットワーク監視装置、電話制御装置を用いて構成されるものである。
【0014】
[Web会議システムの構成例]
図1は、実施の形態のWeb会議システムの構成例を説明するための図である。
図1において、中央部分に示した広域ネットワーク7は、外線電話網71と、IP(Internet Protocol)網72とを含む。外線電話網71は、公衆交換電話網、携帯電話網などを含み、主に音声通話サービスを実現するものである。IP網72は、インターネット・プロトコル・スイート技術を利用して相互接続されたコンピュータネットワークを意味し、いわゆる「インターネット」と等価のものである。
【0015】
IP網72に接続されたUTM(Unified Threat Management)装置3には、LAN(Local Area Network)2を介して、複数のPC1(1)、1(2)、1(3)、…が接続されることにより、LANシステムを構成している。UTM装置3は、コンピュータウイルスやハッキングなどの脅威から自社内に形成したLANシステムを効率的かつ包括的に保護するものであり、統合脅威管理装置とも呼ばれるものである。この実施の形態において、UTM装置3が、ネットワーク監視装置としての機能を実現している。
【0016】
PC1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、UTM装置3を介して、IP網72上に設けられたWebサーバに蓄積されているWebページを参照したり、IP網72を通じて電子メールの送信/受信を行ったりすることができる。また、PC1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、UTM装置3を介して、IP網72上に設けられた会議サーバにアクセスし、Web会議を設定したり、また、設定されたWeb会議に参加したりすることができる。すなわち、PC1(1)、1(2)、1(3)、…のそれぞれは、通信機能を備えた情報処理装置である。
【0017】
外線電話網71とIP網72とに接続された電話制御装置6には、内線電話網5を介して、複数の内線電話端末(以下、内線電話と記載する。)4(1)、4(2)、4(3)、…が接続されて、ビジネスホンシステムを構成している。電話制御装置6は、内線と外線との間の接続や内線内の接続を制御する。すなわち、電話制御装置6は、複数の内線電話4(1)、4(2)、4(3)、…が接続されたものであり、内線と外線の間や内線内の通信の接続、切断、転送等のいわゆる呼制御を行うものである。なお、電話制御装置6が、IP網72にも接続されているのは、IP網72を通じて、VoIP技術を利用したIP電話サービスの利用も可能にしているためである。
【0018】
この実施の形態においては、
図1に示すように、UTM装置3と電話制御装置6とは、LAN2通じて接続され、相互にデータ等の送受信を行うことができる。これにより、UTM装置3から電話制御装置6に対して、必要情報の提供を可能にしている。必要情報は、後述もするが、UTM装置3の配下のPC1(1)、PC1(2)、PC1(3)、…がWeb会議に参加している状態にあるときに、未参加者を呼び出した場合の呼び出し元と呼び出し先のアカウント情報である。なお、
図1においては、LAN2を通じて、UTM装置3と電話制御装置6とを接続しているが、UTM装置3と電話制御装置6とを直接に接続することももちろん可能である。
【0019】
PC1(1)、1(2)、1(3)、…及び内線電話4(1)、4(2)、4(3)、…のそれぞれは、会社のオフィスの机上に設置されるものである。
図1に示したように、例えば、PC1(1)と内線電話4(1)は、1階の営業部のAさんの机の上に配置されたAさん用のものであるとする。また、
図1に示したように、PC1(2)と内線電話4(2)は、2階の開発部のBさんの机の上に配置されたBさん用のものであり、また、PC1(3)と内線電話4(3)とは、3階の企画部のCさんの机の上に配置された、Cさん用のものであるとする。すなわち、この実施の形態において、PC1(1)と内線電話4(1)、PC1(2)と内線電話4(2)、PC1(3)と内線電話4(3)は、同じ会社内であるが、階が異なるなど、対面では会話をすることができない離れた場所に設置されているものである。
【0020】
図1に示すように、広域ネットワーク7には、ルータ8(1)を介してPC9(1)及び固定電話端末10(1)が接続されると共に、基地局BSを介して、携帯電話端末11(1)が接続されている。同様に、広域ネットワーク7には、ルータ8(2)を介してPC9(2)及び固定電話端末10(2)が接続されると共に、基地局BSを介して、携帯電話端末11(2)が接続されている。
図1において、基地局BSは、通信不能エリアが生じないように各地に設置される携帯電話網の多数の基地局の代表として示している。
【0021】
図1に示したように、PC9(1)及び固定電話端末10(1)は、この実施の形態では、Aさんの自宅に設置されて使用されるものであり、携帯電話端末11(1)は、営業部のAさんが所持するものである。営業部のAさんは、上述したように、この実施の形態のWeb会議システムが構築される会社のオフィスにおいて、PC1(1)及び内線電話4(1)を使用する者でもある。また、PC9(2)及び固定電話端末10(2)は、開発部のBさんの自宅に設置されているものであり、携帯電話端末11(2)は、Bさんが所持するものである。なお、開発部のBさんは、上述したように、この実施の形態のWeb会議システムが構築される会社のオフィスにおいて、PC1(2)及び内線電話4(2)を使用する者でもある。
【0022】
図1に示したネットワークシステムにおいては、PC1(1)、1(2)、1(3)、9(1)、9(2)を通じて、所定の会議アプリを用いてIP網72上に設けられた所定の会議サーバにアクセスして、Web会議を設定することができる。もちろん、自分が設定したWeb会議については、PC1(1)、1(2)、1(3)、9(1)、9(2)などを通じて参加することができる。また、会議サーバに設定されたWeb会議に招待されている場合(参加を依頼されている場合)には、PC1(1)、1(2)、1(3)、9(1)、9(2)などを通じて、当該Web会議に参加することができる。なお、Web会議に招待されているとは、例えば、電子メールを通じてWeb会議のURL(Uniform Resource Locator)や会議ID及びパスワードが通知されており、これらを用いて当該Web会議に参加できる状態にあることをいう。
【0023】
従って、設定されたWeb会議に参加する場合、PC1(1)、1(2)、1(3)からは、LAN2及びUTM装置3を通じてIP網72上の会議サーバにアクセスすることになる。また、PC9(1)からはルータ8(1)を通じて、IP網72上の会議サーバにアクセスし、PC9(2)からはルータ8(2)を通じて、IP網72上の会議サーバにアクセスすることになる。
【0024】
また、この実施の形態のWeb会議システムにおいては、LAN2に対して、就業管理装置12が接続されている。就業管理装置12は、社員の日々の出勤時刻、退勤時刻、外出時刻、帰社時刻、外出先に関する情報、出張開始日時、出張終了日時、出張先に関する情報などを管理する。具体的に、就業管理装置12は、LAN2に接続されたカードリーダー(図示せず)に社員証(ICカード)をかざすことにより読み取られた社員IDと読み取り時刻を、日々の出勤時刻、退勤時刻、外出時刻、帰社時刻などとして、社員IDごとに管理する。また、就業管理装置12は、PC1(1)、PC1(2)、PC1(3)などを通じて入力され、LAN2を通じて提供される外出先に関する情報、出張開始日時、出張終了日時、出張先に関する情報を管理する。就業管理装置12で管理される情報により、会社にいるのか、外出先なのか、出張先なのか、あるいは、自宅にいるのか、といった社員の大まかな所在位置を把握できる。
【0025】
図1に示したように構成されるWeb会議システムにおいて、例えば、営業部のAさんが、開発部のBさんと企画部のCさんとを参加メンバーとするWeb会議を設定して開催したとする。この場合に当該Web会議の開催日時を過ぎても、開発部のBさんだけが当該Web会議に参加して来なかったとする。一般的には、当該Web会議を設定した営業部のAさんが、PC1(1)から所定の会議アプリを用いて、LAN2及びUTM装置3を通じてIP網72上の会議サーバにアクセスし、開発部のCさんのPC1(2)を通じてBさんを呼び出すことができる。しかし、開発部のBさんがPC1(2)を使用していなかったり、自席に居なかったりする場合には、当該Web会議を行うルートと同一ルートで呼び出しても、呼び出しの意味をなさない。
【0026】
そこで、この実施の形態のWeb会議システムでは、上述したように、UTM装置3がネットワーク監視装置として機能する。UTM装置3は、配下のPC1(1)、1(2)、1(3)、…がWeb会議に参加している場合の送信情報を監視し、未参加者を呼び出す呼び出し要求が送信された場合に、呼び出し元のアカウント情報と呼び出し先のアカウント情報とを抽出する。UTM装置3は、この抽出したアカウント情報を電話制御装置6に通知する。アカウント情報は、所定の会議サーバを介して提供されるWeb会議サービスを利用するための認証情報であり、利用者を特定するための識別情報である。この実施の形態において、アカウント情報は、電子メールアドレスであるものとする。これにより、電話制御装置6は、開催されたWeb会議において、誰が誰を呼び出しているのかを把握することができる。
【0027】
電話制御装置6では、UTM装置3からのアカウント情報に基づいて、自機が保持する連絡先情報を参照して、呼び出し先の電話番号と呼び出し元の電話番号とを特定する。電話制御装置6は、まず、呼び出し先の電話番号を用いて呼び出し先の電話端末に発信して電話を掛け、電話通信によっても呼び出し先を呼び出す。当該発信に応じて呼び出し先が当該電話端末を通じて応答した場合に、電話制御装置6は、呼び出し元の電話番号を用いて呼び出し元の電話端末を呼び出す。この呼び出しに呼び出し元が当該電話端末を通じて応答したとする。この場合に、電話制御装置6は、呼び出し先の当該電話端末と呼び出し元の当該電話端末との間に通話回線を接続し、音声通話により呼び出し元が呼び出し先に対して、Web会議への参加を促すことができるようにしている。
【0028】
なお、呼び出し元と呼び出し先は、一般に、会社の内線電話、自分の携帯電話、自宅の固定電話といった異なる電話番号が割り当てられた複数の電話端末が利用できる場合が多い。いわゆるリモートワークの普及もあり、自宅で仕事をする場合もあり、呼び出し元、呼び出し先とも、電話制御装置6では、その居場所を把握できない。特に、Web会議に未参加となっているため呼び出される呼び出し先となる者の所在位置は把握できない。このため、電話制御装置6は、呼び出し先、呼び出し元とも、電話番号が異なる利用可能な電話端末が複数存在する場合には、それらの複数の電話番号を用いて呼び出す。この後、応答があった電話端末との接続を維持して、その他の電話端末への呼び出しはキャンセルする。これにより、呼び出し先の者と呼び出し元の者とが、確実に音声通話により会話ができる状態を形成するようにしている。
【0029】
また、就業管理装置12に管理情報を利用することにより、出勤しているのか否か、出勤していても外出や出張をしているのか否かなどを把握することができる。この場合には、呼び出し先や呼び出し元の電話番号を絞り込むことができる。すなわち、出勤しており、外出や出張に出ていない場合には、内線電話と携帯電話端末とに電話を掛け、出勤していても、外出や出張に出ている場合には、携帯電話端末に電話を掛けるといったように、電話を掛ける先を絞り込むことができる。また、出勤していない場合には、携帯電話端末と自宅の固定電話に電話を掛けるといったように、電話を掛ける先を絞り込むことができる。また、就業管理装置12において、外出先や出張先の電話番号が登録されている場合には、外出先や出張先に電話を掛けることも可能になる。
【0030】
以下、この実施の形態のWeb会議システムを構成するUTM装置3、電話制御装置6の構成例と動作について説明する。なお、内線電話4(1)、4(2)、4(3)のそれぞれは、一般的なビジネスホンとしての構成を備えるものであるため、その構成例についての説明は省略する。また、区別して示す必要がある場合を除き、内線電話4(1)、4(2)、4(3)のそれぞれを総称して内線電話4と記載する。同様に、PC1(1)、1(2)、1(3)、9(1)、9(2)は、いわゆる市販のもので対応可能であるため、その構成例についての説明は省略し、区別して示す必要がある場合を除き、PC1、PC9と総称する。
【0031】
また、固定電話端末10(1)、10(2)については、いわゆる市販のもので対応可能であるので、その構成例についての説明は省略し、区別して示す必要がある場合を除き、固定電話10と総称する。同様に、携帯電話端末11(1)、11(2)についても、いわゆる市販のもので対応可能であるので、その構成例についての説明は省略し、区別して示す必要がある場合を除き、携帯電話端末11と総称する。
【0032】
[UTM装置3の構成例]
図2は、実施の形態のUTM装置3の構成例を説明するためのブロック図である。上述もしたように、UTM装置3は、Web会議システムにおけるネットワーク監視装置として機能するものである。UTM装置3の接続端301Tは、IP網72への接続端部を構成する。通信I/F301は、IP網72を通じて自機宛てに送信されてきたデータを自機において処理可能な形式のデータに変換して取り込む処理を行う。また、通信I/F301は、自機から送信するデータを送信する形式のデータに変換し、IP網72を通じて目的とする相手先に送信する処理を行う。従って、IP網72に接続されたサーバ装置等との通信は、接続端301T及び通信I/F301を通じて行うことになる。
【0033】
制御部302は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリがバスを介して接続されて構成されたマイクロプロセッサであり、UTM装置3の各部を制御する機能を実現する。記憶装置303は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の記録媒体とそのドライバとからなる装置部であり、種々のデータの記録媒体への記録、読み出し、変更、削除等を行う。記憶装置303は、必要となるデータやプログラムを記憶保持する他、種々の処理において生じる中間データを一時記憶する作業領域としても用いられる。時計回路304は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供することができると共に、所定の時間範囲を計測するタイマー機能をも実現することができるものである。
【0034】
接続端305Tは、LAN2への接続端部を構成する。LANI/F(interface)305は、LAN2を通じて配下の端末装置から自機宛てに送信されてきたデータを自機において処理可能な形式のデータに変換して取り込む処理を行う。また、LANI/F305は、自機から配下の端末装置に送信するデータを送信する形式のデータに変換し、LAN2を通じて目的とする端末装置に送信する処理を行う。従って、LAN2に接続された配下の端末装置との通信は、接続端305T及びLANI/F305を通じて行うことになる。
【0035】
図2において、P2P対策部311と、HPアクセス制御部312と、ウィルス対策部313と、メール対策部314と、IPS/IDS部315と、ファイアウォール部316とが、セキュリティ機能部310を構成する。P2P対策部311は、セキュリティ対策を行っていない相手や悪意のある相手とのP2P接続を禁止する機能を実現する。なお、「P2P」とは、「Peer to Peer」を意味し、インターネットを介して対等なもの同士が直接に通信を行うことを意味する。P2P対策部311の機能により、例えば画像等のファイル交換を問題のある相手との間において1対1で行うことを防止し、相手からのウィルス感染を防止する等の機能を実現する。
【0036】
HP(Home Page)アクセス制御部312は、例えば、予め目的とするホームページカテゴリを選択しておくことにより、当該カテゴリに該当するホームページへのアクセスを禁止する機能を実現する。例えば、ギャンブルサイト、アダルトサイト、麻薬関連サイト等の不適切サイトへのURLフィルタリングが可能となる。ウィルス対策部313は、Webページのレスポンスの検証(ウィルスチェック)を行う。具体的にウィルス対策部313は、Webページを閲覧するときの通信を監視し、閲覧しようとしている画像やダウンロードするファイルにウィルスが混入していないかを検証(チェック)する機能を実現する。
【0037】
メール対策部314は、受信した電子メールに関し、不要な広告やウィルスが添付された電子メールをブロックする機能を実現する。IPS/IDS部315は、不適切な侵入を防止したり、不適切な侵入を通知したりする機能を実現する。ここで、IPSは、侵入防止システム(Intrusion Prevention System)の略称であり、IDSは、侵入検知システム(Intrusion Detection System)の略称である。IPS/IDS部315は、ワームやトロイの木馬といったいわゆるマルウェアによる攻撃に対して防御を行うことができる。ファイアウォール部316は、データ通信の状況や利用するソフトウェア等により、LAN2にデータを供給するか否かを判断し、外部のネットワークからの攻撃や不正なアクセスから自システムを防御する機能を実現する。
【0038】
図2において、アカウント抽出部321と、アカウント通知部322とが、会議呼び出し監視部320を構成する。アカウント抽出部321は、LAN2を通じて接続された配下のPC1(1)、1(2)、1(3)、…からIP網72に送出される送信情報を監視する。アカウント抽出部321は、送信情報の内容を解析することにより、Webページの閲覧要求、Web会議への参加要求、Web会議への送信情報など、どのような情報を送信しているのかが把握できる。このため、アカウント抽出部321は、Web会議に参加しているPC1からの送信情報であって、未参加者を呼び出す呼び出し要求を検知した場合に、当該呼び出し要求に含まれる呼び出し元のアカウント情報と、呼び出し先のアカウント情報とを抽出する。アカウント抽出部321は、抽出した呼び出し元のアカウント情報と、呼び出し先のアカウント情報とを、それぞれ区別可能にしてアカウント通知部に提供する。
【0039】
アカウント通知部322は、アカウント抽出部321からの呼び出し元のアカウント情報と呼び出し先のアカウント情報を、電話制御装置に通知するための通知情報を形成する。この場合、電話制御装置自体のLAN2上の所在を示すアドレス情報は、記憶装置303に作成されたアドレスDB(Data Base)(図示せず)に格納されており、これを参照して用いる。アカウント通知部322は、形成した通知情報を、LANI/F305及び接続端305Tを通じてLAN2に送出し、電話制御装置6に送信(通知)する。
【0040】
このように、UTM装置3の会議呼び出し監視部320は、配下のPC1がWeb会議に参加している場合に、Web会議に参加している当該PC1からの送信情報を監視する。会議呼び出し監視部320は、Web会議に参加している当該PC1から呼び出し要求が送信された場合に、当該呼び出し要求に含まれる呼び出し元と呼び出し先の双方のアカウント情報を抽出し、これらを電話制御装置6に通知する機能を実現する。
【0041】
[電話制御装置6の構成例]
図3は、実施の形態の電話制御装置6の構成例を説明するためのブロック図である。接続端601Tは、外線電話網71への接続端部を構成する。通信I/F601は、外線電話網71を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、通信I/F601は、外線電話網71を介して送信されて来る自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、通信I/F601は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれを外線電話網71に送出して相手先に送信する。従って、外線電話網71を通じた通信は、接続端601T及び通信I/F601を通じて行うことになる。
【0042】
制御部602は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどを備えたマイクロプロセッサであり、電話制御装置6の各部を制御する。記憶装置603は、例えば、SSD等の記録媒体とそのドライバとからなる装置部であり、種々のデータの記録、変更、削除、読み出しなどを行う。記憶装置603は、必要となるデータやプログラムを記憶保持する他、種々の処理において生じる中間データを一時記憶する作業領域としても用いられる。時計回路604は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供することができると共に、所定の時間範囲を計測するタイマー機能をも実現することができるものである。
【0043】
社員連絡先DB605は、この実施の形態のWeb会議システムが構成される会社の社員の連絡先に関する情報を記憶保持する。
図4は、電話制御装置6の社員連絡先DB605の格納データの例を説明するための図である。
図4に示すように、社員連絡先DB605は、当該会社に所属する者(当該会社の社員)の名前、名前のフリガナ、所属部署、社員ID、電子メールアドレス、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号が記憶保持される。所属部署は、営業部、企画部、開発部といった、どの部署に所属しているのかを示す情報であり、実際には、〇〇本部□□部△△課のように、詳細な所属部署の管理が可能である。社員IDは、各社員を一意に特定することができる社員識別情報である。
【0044】
電子メールアドレス、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号は、当該社員と連絡を取りたい場合に利用できる電子メールアドレスや電話番号を示している。例えば、社員「青山一郎」は、「営業部」に所属しており、社員IDは「2010003」で、当該社員の電子メールアドレス、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号が特定できるようになっている。
図4を見ると分かるように、電子メールアドレスに基づいて、社員連絡先DB605を参照すれば、名前はもちろん、社員ID、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号まで特定することができる。
【0045】
なお、社員IDに基づいて、就業管理装置12の管理情報を参照すれば、当該社員の会社にいるのか、外出しているのか、出張しているのか、自宅にいるのかといった、おおよその所在が特定できる。また、会社電話番号は、通常は、会社の代表電話番号であるが、部署ごとに設けられた電話番号が存在する場合もあり、その場合には部署ごとに設けられた電話番号が記録される。また、
図4を用いて説明した社員連絡先DB605の格納データの例は、あくまでも一例であり、例えば、住所、親会社や子会社などの実際の所属会社などといった種々の情報を管理することももちろん可能である。
【0046】
電話帳DB606は、
図1に示したビジネスホンシステムの利用者が、内線電話4(1)、4(2)、4(3)、…を通じてよく電話を掛ける相手の連絡先に関する情報を記憶保持する。
図5は、電話制御装置の電話帳DBの格納データの例を説明するための図である。
図5に示すように、電話帳DB606は、当該電話帳データの登録に用いられた内線電話4の内線番号、当該電話帳データを登録した社員である登録者の氏名を有する。これらの情報は、誰が登録して利用するデータであるのかを管理するために用いられる。すなわち、電話帳DB606の登録データは、基本的には登録を行った内線電話4を通じて登録者によって利用されるものである。
【0047】
更に、電話帳DB606は、相手先の名前、当該相手先の名前のフリガナ、会社名、所属部署、電子メールアドレス、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号、その他の情報が記憶保持される。会社名は、当該相手先が所属する会社の会社名であり、所属部署は当該相手先が所属する部署の名称である。電子メールアドレス、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号は、当該相手先と連絡を取りたい場合に利用できる電子メールアドレスや電話番号である。
【0048】
例えば、よく電話を掛ける相手先である「鈴木太郎」は、「株式会社△△△」の「営業部」に所属しており、当該相手先の電子メールアドレス、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号が特定できるようになっている。
図5を見ると分かるように、電子メールアドレスに基づいて、電話帳DB606を参照すれば、名前はもちろん、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号まで特定できる。なお、
図5を用いて説明した電話帳DB606の格納データの例は、あくまでも一例であり、例えば、所属する会社の住所などといった種々の情報を管理することももちろん可能である。また、電話帳DB606には、基本的に外線電話をかけて通話を行う相手先についての情報が記憶保持されることになるが、内線電話の相手先についても、登録して利用することも可能である。
【0049】
接続端608Tは、内線電話網5への接続端部を構成する。接続I/F(Interface)608は、電話制御装置6と、内線電話網5を通じて電話制御装置6に収容される内線電話4のそれぞれとの間の通信を可能にする。従って、内線電話4からの信号は、接続I/F608において自機において処理可能な形式の信号に変換されて取り込まれる。また、電話制御装置6から内線電話4への信号は、接続I/F608において送信用の形式の信号に変換されて、内線電話4に送信される。従って、内線電話網5を通じた通信は、接続端608T及び接続I/F608を通じて行うことになる。
【0050】
接続端609Tは、LAN2への接続端部を構成する。LANI/F(Interface)609は、電話制御装置6と、LAN2を通じてUTM装置3との間の通信を可能にする。従って、電話制御装置6からUTM装置3への信号は、LANI/F609において送信用の形式の信号に変換されて、UTM装置3に送信される。また、UTM装置3からの信号は、LANI/F609において自機において処理可能な形式の信号に変換されて取り込まれる。従って、LAN2を通じた通信は、接続端609T及びLANI/F609を通じて行うことになる。
【0051】
呼制御部610は、制御部602の制御の下、配下の内線電話4の発信、着信、応答、切断等の呼制御を行う。呼制御部610は、
図3に示すように、発信制御部611と、着信制御部612とを備えている。呼制御部610は、配下の内線電話4から発信(発信要求)を受け付けると、発信制御部611が機能して、指示された相手先を呼び出すようにし、当該相手先が応答してきたら通話回線を接続して通話を可能にする。
【0052】
また、呼制御部610は、自機宛ての着信(相手先からの発信通知)を受け付けた場合には、着信制御部612が機能して、配下の内線電話4に着信通知を行う。これにより、内線電話4では、呼び出し音が放音され、着信の発生が通知される。内線電話4において、着信に応答する操作(オフフック操作)がされると、着信制御部612は、これを検知して、着信に応答し、オフフックがされた配下の内線電話4との間に通話回線を接続して通話を可能にする。
【0053】
なお、この実施の形態の電話制御装置6において、接続した通話回線を保留にしたり、転送したり、解放したりする処理は、配下の内線電話4からの要求に応じて、制御部602の制御の下に処理される。この他、制御部602は、配下の内線電話4が備えるLED(Light Emitting Diode)の点灯/消灯制御やディスプレイへの表示制御なども行う。従って、制御部602は、呼制御部610からの通知を受信して、通話回線の接続、保持、解放の状態についても把握している。
【0054】
アカウント取得部621、呼び出し先電話番号取得部622、呼び出し元電話番号取得部623、呼び出し先発信部624、呼び出し制御部625、接続制御部626、就業管理部627が、会議呼び出し対策部620を構成する。アカウント取得部621は、上述したように、UTM装置3から送信されて来る電話制御装置6宛の呼び出し元のアカウント情報と呼び出し先のアカウント情報とを、接続端609T及びLANI/F609を通じて受信して取得する機能を実現する。また、アカウント取得部621は、取得した呼び出し先のアカウント情報を、呼び出し先電話番号取得部622に供給し、呼び出し元のアカウント情報を、呼び出し元電話番号取得部623に供給する。
【0055】
呼び出し先電話番号取得部622は、アカウント取得部621から供給された呼び出し先のアカウント情報(電子メールアドレス)を用いて、社員連絡先DB605あるいは電話帳DB606を参照して呼び出し先の電話番号を取得する。呼び出し先電話番号取得部622は、取得した電話番号を呼び出し先発信部624に供給する。この場合、呼び出し先電話番号取得部622は、社員連絡先DB605を参照して電話番号を取得する場合には、内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号のそれぞれを取得して、呼び出し先発信部624に供給する。また、呼び出し先電話番号取得部622は、電話帳DB606を参照して電話番号を取得する場合には、会社電話番号、内線番号、携帯電話番号のそれぞれを取得して、呼び出し先発信部624に供給する。このため、呼び出し先電話番号取得部622は、取得した電話番号について、社員の電話番号か、外部の電話番号かの区別を可能にして、呼び出し先発信部624に供給する。
【0056】
なお、呼び出し先の電子メールアドレスの「@(アットマーク)」以降のいわゆる、メールサーバ名やプロバイダ名により、当該会社の社員か外部の者かを区別できる。このため、呼び出し先の電子メールアドレスにより、当該会社の社員である場合には社員連絡先DB605を参照して連絡先となる電話番号を特定し、外部の者である場合には、電話帳DB606を参照して連絡先となる電話番号を特定する。
【0057】
呼び出し元電話番号取得部623は、アカウント取得部621から供給された呼び出し元のアカウント情報(電子メールアドレス)を用いて、社員連絡先DB605を参照して呼び出し元の電話番号を取得する。呼び出し元電話番号取得部623は、取得した電話番号を呼び出し制御部625に供給する。呼び出し元となるのは、UTM装置3の配下のPC1(1)、PC1(2)、PC1(3)、…を使用する社員であるため、呼び出し元電話番号取得部623は、社員連絡先DB605だけを参照すればよい。呼び出し元電話番号取得部623は、社員連絡先DB605を参照して、内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号のそれぞれを取得し、呼び出し制御部625に供給する。
【0058】
呼び出し先発信部624は、呼び出し先電話番号取得部622からの呼び出し先の電話番号を用いて、呼び出し先の電話端末に対して発信を行う。呼び出し先発信部624は、呼び出し先が社員連絡先DB605から取得した内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号を用いて発信を行う場合には、そのそれぞれを用いて発信を行う。また、呼び出し先発信部624は、呼び出し先が電話帳DB606から取得した会社電話番号、内線番号、携帯電話番号を用いて発信を行う場合には、会社電話番号と内線番号とを用いて、相手先の内線電話に着信させるいわゆる個別着信を行うようにする。同時に、呼び出し先発信部624は、携帯電話番号を用いた発信も行う。個別着信を行うようにするのは、呼び出し先となる者を直接呼び出すようにして応答操作を行わせるためである。
【0059】
発信後において、呼び出し先発信部624は、発信先からの応答を待ち、応答があった場合には、当該応答があった呼び出し先の電話端末との間の接続を維持して、呼び出し先の他の電話端末(電話番号)への発信はキャンセル(中止)する。この場合に、呼び出し先発信部624は、呼び出し制御部625に対して、呼び出し元を呼び出すように指示を出す。このように、この実施の形態において、呼び出し先発信部624は、呼び出し先の複数の電話端末への発信→呼び出し先の電話端末からの応答の受信→呼び出し先の応答があった電話端末と接続を維持し、他の発信はキャンセル→呼び出し元の呼び出しを指示。という一連の処理を行う。
【0060】
呼び出し制御部625は、呼び出し先発信部624からの呼び出し元を呼び出すことの指示を受けた場合に機能する。呼び出し制御部625は、呼び出し元電話番号取得部623が社員連絡先DB605から取得した内線番号、携帯電話番号、自宅電話番号を用いて、そのそれぞれに対して呼び出しを行う。ここで発信ではなく呼び出しとしているのは、通常の発信とは異なり、Web会議の未参加者を電話で呼び出す処理の一環であり、呼び出し先の電話端末からの応答に対応することを呼び出し元に通知する呼び出しであるためである。従って、呼び出し制御部625は、呼び出すようにしている呼び出し元の電話端末のそれぞれに対して、Web会議の未参加者の呼び出し中である旨の表示を行うようにする。
【0061】
呼び出し元の呼び出し及び呼び出し先の呼び出し中表示を行うようにした後において、呼び出し制御部625は、呼び出し元からの応答を待つ。応答があった場合には、当該応答があった呼び出し元の電話端末との間の接続を維持して、呼び出し元の他の電話端末(電話番号)への呼び出しはキャンセル(中止)する。この場合に、呼び出し制御部625は、接続制御部626に対して、応答してきた呼び出し先の電話端末と応答してきた呼び出し元の電話端末との間に通話回線を接続することの指示を出す。このように、この実施の形態において、呼び出し制御部625は、呼び出し元の複数の電話端末への呼び出し→呼び出し元の電話端末からの応答の受信→呼び出し元の応答があった電話端末と接続を維持し、他の呼び出しはキャンセル→通話回線の接続指示。という一連の処理を行う。
【0062】
接続制御部626は、呼び出し制御部625からの接続指示に応じて、応答してきた呼び出し先の電話端末と、応答してきた呼び出し元の電話端末との間に通話回線を接続する。ここで、呼び出し先の電話端末は、呼び出し先発信部624により接続が維持さされている呼び出し先の応答があったものである。また、呼び出し元の電話端末は、呼び出し制御部625により接続が維持さされている呼び出し元の応答があったものである。これにより、Web会議が行われているWeb会議ルートとは異なる電話通信ルートで、未参加者である呼び出し先を呼び出して、音声通話を行い、Web会議への参加を促すことができる。
【0063】
上述したように、呼び出し元は、従来通り、Web会議において、未参加者を呼び出す操作を行うだけで、未参加者に電話を掛けて、Web会議への参加を促すことができる。この場合に、電話番号を調べたり、電話番号を入力したりするといった追加作業を行うことはなく、自動的に接続される通話回線を使用して、音声通話により未参加者に対して、Web会議への参加を促すことができる。
【0064】
就業管理部627は、この実施の形態のWeb会議システムに設けられている就業管理装置12を利用する機能を実現する。上述したように、呼び出し先電話番号取得部622は、呼び出し先のアカウント情報(電子メールアドレス)を用いて社員連絡先DB605を参照して呼び出し先の電話番号を取得する。この場合に、呼び出し先電話番号取得部622は、参照した社員のデータの社員IDを読み取り、就業管理部627に通知する。就業管理部627は、呼び出し先電話番号取得部622からの社員IDに基づいて、就業管理装置12の社員情報を参照し、当該社員の所在位置を把握する。
【0065】
すなわち、就業管理部627は、呼び出し先の社員が、会社にいるのか、外出しているのか、出張しているのか、出社しておらず自宅にいるのかを把握する。この把握結果に基づいて、就業管理部627は、呼び出し先電話番号取得部622に対して、呼び出し先の電話番号の絞り込みの指示を出す。すなわち、就業管理部627は、呼び出し先の社員が、出勤しており、外出や出張に出ていない場合には、内線番号と携帯電話番号を取得するように指示を出し、出勤していても、外出や出張に出ている場合には、携帯電話番号を取得するように指示を出す。また、出勤していない場合には、携帯電話番号と自宅の固定電話番号を取得するように指示を出す。
【0066】
また、就業管理部627は、呼び出し先の社員が、外出や出張をしており、その外出先や出張先の電話番号が登録されている場合には、当該外出先や出張先の電話番号を取得し、呼び出し先発信部624に通知することもできる。従って、就業管理部627が、呼び出し先電話番号取得部622に抽出する電話番号の指示を出すのではなく、呼び出し先発信部624に対して、用いる電話番号の指示を出すようにすることも可能である。この場合、呼び出し先発信部624は、就業管理部627からの指示に応じた電話番号を用いて、呼び出し先の電話端末に対して発信を行うことになる。
【0067】
また、呼び出し元電話番号取得部623は、呼び出し元のアカウント情報(電子メールアドレス)を用いて社員連絡先DB605を参照して呼び出し元の電話番号を取得する。このため、就業管理部627は、上述した呼び出し先電話番号取得部622や呼び出し先発信部624に対して指示する場合と同様にして、呼び出し元の社員の所在位置を把握して、取得する電話番号を指示したり、呼び出しに用いる電話番号を指示したりできる。
【0068】
このように、この実施の形態の電話制御装置6は、通常の発信、着信を制御する呼制御部610の他に、会議呼び出し対策部620を備える。この会議呼び出し対策部620の機能によって、Web会議の未参加者に対して自動的に電話を掛けて通話回線を接続し、Web会議への参加を促すことができる。もちろん、呼び出し元となるWeb会議の参加者が、未参加者の電話番号を調べたり、未参加者の電話番号を入力したりする必要はない。すなわち、会議呼び出し対策部620は、Web会議の未参加者の呼び出しが行われたことを契機として、未参加者との間で通話を行うことができるようにする、Web会議の呼び出し専用の呼制御部としての機能を実現する。
【0069】
[Web会議システムで行われる処理のまとめ]
図6、
図7は、この実施の形態のWeb会議システムで行われる処理を説明するためのシーケンス図である。
図6、
図7のシーケンス図は、
図1に示したように構成されるWeb会議システムの場合を例にして説明する。具体的には、営業部のAさんが、開発部のBさんと企画部のCさんとを参加メンバーとするWeb会議を設定して開催し、開催日時を過ぎても開発部のBさんだけが当該Web会議に参加して来なかった場合を例にして説明する。
【0070】
図6に示すように、所定の会議サーバには、Aさんによって開発部のBさんと企画部のCさんとを参加メンバーとするWeb会議が設定され(ステップS1)、開催日時が到来して、既にAさんとCさんは当該Web会議に参加しているものとする。この場合に、開発部のBさんが参加してこないために当該会議を始められないAさんは、自己のPC1(1)を用いて、当該Web会議上で開発部のBさんを呼び出すようにしたとする(ステップS2)。通常、Bさんが自己のPC1(2)を使用していれば、Aさんからの呼び出しが届くので、Bさんは呼び出しに気が付くが、Bさんが自席を離れ、例えば実験室に居たために、Aさんの呼び出しに気が付かなかったとする。
【0071】
UTM装置3においては、会議呼び出し監視部320のアカウント抽出部321が機能する。アカウント抽出部321は、AさんのPC1(1)からのBさんを呼び出すための呼び出し要求から、呼び出し元のAさんのアカウント情報と呼び出し先のBさんアカウント情報とを抽出する(ステップS3)。抽出された呼び出し元のアカウント情報と呼び出し先のアカウント情報とは、アカウント通知部322が機能し、LAN2を通じて電話制御装置6に通知される(ステップS4)。
【0072】
電話制御装置6においては、会議呼び出し対策部620が機能して、電話通信によるルートで、呼び出し先となる開発部のBさんの呼び出しが行われる。すなわち、UTM装置3からの呼び出し元(Aさん)と呼び出し先(Bさん)のアカウント情報(電子メールアドレス)は、アカウント取得部621によって取得される。アカウント取得部621は、取得した呼び出し先のアカウント情報を呼び出し先電話番号取得部622に通知し、呼び出し元のアカウント情報を呼び出し元電話番号取得部623に通知する。
【0073】
呼び出し先電話番号取得部622は、呼び出し先(Bさん)のアカウント情報(電子メールメールアドレス)に基づいて、社員連絡先DB605を参照し、Bさんについての内線番号と携帯電話番号と自宅電話番号とを取得する(ステップS5)。一方、呼び出し元電話番号取得部623、呼び出し元(Aさん)のアカウント情報(電子メールメールアドレス)に基づいて、社員連絡先DB605を参照し、Aさんについての内線番号と携帯電話番号と自宅電話番号とを取得する(ステップS6)。
【0074】
この後、電話制御装置6の会議呼び出し対策部620の呼び出し先発信部624が機能する。呼び出し先発信部624は、呼び出し先電話番号取得部622により取得されたBさんの内線番号を用いて、Bさんの使用する内線電話4(2)に発信する(ステップS7)。更に、呼び出し先発信部624は、呼び出し先電話番号取得部622により取得されたBさんの携帯電話番号を用いて、Bさんが所持する携帯電話端末11(2)に発信する(ステップS8)。更に、呼び出し先発信部624は、呼び出し先電話番号取得部622により取得されたBさんの自宅電話番号を用いて、Bさんの自宅の固定電話10(2)に発信する(ステップS9)。
【0075】
電話制御装置6の呼び出し先発信部624は、発信先からの応答を待つが、Bさんの所持する携帯電話端末11(2)から応答が送信されてきたとする(ステップS10)。この場合、呼び出し先発信部624は、携帯電話端末11(2)との間の接続を維持すると共に、Bさんの使用する内線電話4(2)への発信をキャンセルし(ステップS11)、Bさんの自宅の固定電話10(2)への発信をキャンセルする(ステップS12)。更に、呼び出し先発信部624は、呼び出し元のAさんの使用する電話端末への呼び出しを呼び出し制御部625に指示する。これにより、Web会議システムの処理は、
図7に示す処理に進む。
【0076】
この場合、電話制御装置6の会議呼び出し対策部620の呼び出し制御部625が機能する。呼び出し制御部625は、呼び出し元電話番号取得部623により取得されたAさんの内線番号を用いて、Aさんの使用する内線電話4(1)を呼び出すようにする(ステップS13)。このステップS13の呼び出し処理においては、内線電話4(1)のディスプレイに未参加者の呼び出し処理の実行中であることを示す表示も行われる。更に、呼び出し制御部625は、呼び出し元電話番号取得部623により取得されたAさんの携帯電話番号を用いて、Aさんが所持する携帯電話端末11(1)を呼び出すようにする(ステップS14)。このステップS14の呼び出し処理においては、携帯電話端末11(1)のディスプレイに未参加者の呼び出し処理の実行中であることを示す表示も行われる。更に、呼び出し制御部625は、呼び出し元電話番号取得部623により取得されたAさんの自宅の電話番号を用いて、Aさんの自宅の固定電話10(1)を呼び出すようにする(ステップS15)。このステップS15の呼び出し処理においては、Aさんの自宅の固定電話10(1)のディスプレイに未参加者の呼び出し処理の実行中であることを示す表示も行われる。
【0077】
電話制御装置6の呼び出し制御部625は、発信先からの応答を待つが、Aさんが使用する内線電話4(1)から応答が送信されてきたとする(ステップS16)。この場合、呼び出し制御部625は、内線電話4(1)との間の接続を維持し、Aさんの所持する携帯電話端末11(1)への呼び出しをキャンセルすると共に(ステップS17)、Aさんの自宅の固定電話10(1)への呼び出しをキャンセルする(ステップS18)。更に、呼び出し制御部625は、接続制御部626に対して、呼び出し元のAさんの内線電話4(1)と、呼び出し先のBさんの携帯電話端末11(2)との間に通話回線を接続するようにする指示を出す。
【0078】
これにより、接続制御部626は、接続が維持されているAさんの内線電話4(1)と、接続が維持されているBさんの携帯電話端末11(2)との間に通話回線を接続する(ステップS19)。これにより、Aさんの内線電話4(1)とBさんの携帯電話端末11(2)との間に接続された通話回線を通じて、呼び出し元のAさんと呼び出し先のBさんとが音声通話を行うことができるようにされる(ステップS20)。AさんはBさんに対して音声通話により、Web会議に参加するように促すことができる。実験室にいたBさんは、自席に戻り自己のPC1(2)を用いて、当該Web会議に参加することになる(ステップS21)。
【0079】
[実施の形態の効果]
この実施の形態のWeb会議システムによれば、AさんのPC1(1)を用いてWeb会議上でのBさんを呼び出すようにしたことを契機として、自動的にBさんが使用する複数の電話端末に電話をかけて応答を待ち、応答してきた電話端末との接続を維持する。Bさんの応答を契機として、自動的にAさんの使用する複数の電話端末を呼び出して応答を待ち、応答してきた電話端末との接続を維持する。このようにして接続を維持している呼び出し先の電話端末と呼び出し元の電話端末との間に通話回線を接続し、音声通話によりWeb会議への参加を促すことができる。
【0080】
すなわち、特別な操作を一切行うことなく、従来通りWeb会議上で未参加者を呼び出すだけで、Web会議とは別経路である電話ルートを通じて、呼び出し元と呼び出し先との間に通話回線を接続し、音声通話によりWeb会議への参加を促すことができる。これにより、手間をかけず、Web会議の未参加者がPC1を使える環境に居ない場合であっても、できるだけ確実にWeb会議の未参加者との間で音声通話をできる環境を整え、音声通話によりWeb会議への参加を促すことができる。
【0081】
[変形例]
上述した実施の形態では、同じ会社に所属するAさんがBさんを呼び出す場合を例にして説明したが、これに限るものではない。Web会議の未参加者が社外の人であっても、上述もしたように、電話帳DB606の情報を用いることにより、社外の人が使用する1以上の電話端末の電話番号を取得し、社内の未参加者を呼び出す場合と同様にして呼び出すことも可能である。すなわち、呼び出すことができるWeb会議の未参加者は、社内の人に限るものではなく、社外の人であってもよい。要は、Web会議で用いられているアカウント情報により電話番号の特定が可能な人であれば、電話ルートによる呼び出しが可能である。
【0082】
また、上述した実施の形態では、Web会議で用いられるアカウント情報は、電子メールアドレスであるものとして説明したが、これに限るものではない。アカウント情報は、例えば、Web会議の開催を可能にする会議サーバに対して、事前に登録した名前、ハンドルネーム、電話番号といった、Web会議の参加者や参加予定者を一意に特定可能な情報であればよい。この場合、名前、ハンドルネーム、電話番号といった参加者や参加予定者を一意に特定可能な情報(アカウント情報)が、社員連絡先DB605や電話帳DB606に登録されていればよい。
【0083】
また、上述した実施の形態では、社内の人の連絡先については社員連絡先DB605により特定し、社外の人の連絡先については電話帳DB606で特定するようにしたが、これに限るものではない。Web会議の参加者についての連絡先を予め登録したデータファイルを作成しておき、これを参照するようにしてもよい。要は、アカウント情報に基づいて、連絡先(1以上の電話番号)が特定できれば、どのような情報を用いるようにしてもよい。
【0084】
また、呼び出し先発信部624、呼び出し制御部625、接続制御部626の処理は、上述した実施の形態の場合とは異なるようにすることももちろん可能である。例えば、電話制御装置6においては、呼び出し先発信部624が、呼び出し先の複数の電話端末への発信を行うようにする。呼び出し制御部625は、呼び出し先の電話端末からの応答の受信し、呼び出し先の応答があった電話端末と接続を維持し、他の発信はキャンセルして、呼び出し元の複数の電話端末への呼び出しを行うようにする。接続制御部626は、呼び出し元の電話端末からの応答の受信するようにし、呼び出し元の応答があった電話端末と接続を維持して、他の呼び出しはキャンセルし、接続を維持している、呼び出し先の電話端末と呼び出し元の電話端末との間に通話回線を接続する。というように処理を行わせることも可能である。
【0085】
また、上述した実施の形態では、基本的に、Web会議の未参加者に電話をかけるため、内線番号を用いる場合には、社内、社外を問わず、その内線番号の内線電話に着信を発生させるいわゆる個別着信を行わせるようにした。しかし、これに限るものではない。一定時間、いずれの電話端末からも応答がない場合には、例えば、内線番号を用いる発信や呼び出しについては、グループ着信に変更するようにしてもよい。グループ着信は、内線番号毎に複数の内線電話をグループ化し着信させることができる機能である。内線番号ごとにグループ化する登録を、電話制御装置6に対して行っておくことにより、例えば、部署や複数の机からなるいわゆる島ごとに、着信を発生させることができるので、第三者に未参加者の呼び出しを依頼することが可能になる。
【0086】
また、上述した実施の形態では、呼び出し元の電話端末を呼び出す場合に、呼び出された電話端末に、未参加者の呼び出し処理の実行中であることを示す表示を行うようにした。しかし、これに限るものではない。呼び出し元の電話端末に対して発信する場合においても、未参加者の呼び出し処理の実行中であることを示す表示を行うようにしてももちろんよい。
【0087】
また、呼び出し先に発信したり、呼び出し元を呼び出したりした場合に、必ずしも応答があるとは限らない。この場合、所定回、例えば10回コールしても応答がない場合には、発信や呼び出しをキャンセルし、Web会議において、再度、呼び出しが行われた場合に、繰り返して電話による呼び出しを行うことができるようにすればよい。
【0088】
また、上述した実施の形態では、呼び出し先、呼び出し元とも、複数の電話番号が存在する場合に、それらの複数の電話番号を用いて、一斉に発信したり呼び出しを行ったりしたが、これに限るものではない。例えば、(1)内線電話→(2)携帯電話端末→自宅の固定電話というように、発信したり、呼び出したりする順番を事前に電話制御装置に登録しておく。これにより、呼び出し先発信部624は、まず、内線電話に発信し、所定回コールしても応答がない場合に、携帯電話端末に発信し、所定回コールしても応答がない場合に、自宅の固定電話に対して発信するというように制御する構成としてもよい。呼び出し制御部625についても同様である。
【0089】
また、上述した実施の形態では、Web会議に参加する場合には、通信端末、すなわち通信機能を備えた情報処理装置としてPC(Personal Computer)を用いるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、タブレットPCやスマートホン等のIP網に接続可能な通信機能を備えた種々の情報処理装置を用いることができる。この場合において、IP網への接続は、Wi-Fi(登録商標)方式の無線LANを通じて接続するようしてももちろんよい。
【0090】
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項のネットワーク監視装置の抽出手段、通知手段の機能は、実施の形態のUTM装置3のアカウント抽出部321、アカウント通知部322が実現している。
【0091】
また、請求項の電話制御装置の連絡先記憶手段の機能は、実施の形態の電話制御装置6の社員連絡先DB605、電話帳DB606が実現し、請求項の電話制御装置の取得手段の機能は、電話制御装置6のアカウント取得部621が実現している。また、請求項の電話制御装置の呼び出し先電話番号取得手段、呼び出し元電話番号取得手段の機能は、実施の形態の電話制御装置6の呼び出し先電話番号取得部622、呼び出し元電話番号取得部が実現している。
【0092】
また、請求項の電話制御装置の発信手段、発信中止手段の機能は、実施の形態の電話制御装置6の呼び出し先発信部624が実現している。また、請求項の電話制御装置の呼び出し制御手段、呼び出し中止手段の機能は、実施の形態の電話制御装置6の呼び出し制御部625が実現している。また、請求項の電話制御装置の接続制御手段の機能は、実施の形態の電話制御装置6の接続制御部626が実現している。
【符号の説明】
【0093】
1、1(1)、1(2)、1(3)…PC、2…LAN、3…UTM装置、301T…IP網への接続端、301…通信I/F、302…制御部、303…記憶装置、304…時計回路、305T…LANへの接続端、305…LANI/F、310…セキュリティ機能部、320…会議呼び出し監視部、321…アカウント抽出部、322…アカウント通知部、4、4(1)、4(2)、4(3)…内線電話、5…内線電話網、6…電話制御装置、601T…外線電話網への接続端、601…通信I/F、602…制御部、603…記憶装置、604…時計回路、605…社員連絡先DB、606…電話帳DB、608T…内線電話網への接続端、608…接続I/F、609T…LANへの接続端、609…LANI/F、610…呼制御部、611…発信制御部、612…着信制御部、620…会議呼び出し対策部、621…アカウント取得部、622…呼び出し先電話番号取得部、623…呼び出し元電話番号取得部、624…呼び出し先発信部、625…呼び出し制御部、626…接続制御部、627…就業管理部、7…広域ネットワーク、71…外線電話網、72…IP網、8(1)、8(2)…ルータ、9(1)、(2)…PC、10(1)、10(2)…固定電話、11(1)、11(2)…携帯電話端末