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特開2023-153469ゲームプログラムおよびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153469
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/54 20140101AFI20231011BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20231011BHJP
   A63F 13/537 20140101ALI20231011BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/58
A63F13/537
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062762
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 澄生
(72)【発明者】
【氏名】薮下 剛史
(72)【発明者】
【氏名】岩本 卓也
(57)【要約】
【課題】出力されるセリフに多様性を持たせつつ、そのゲーム状況に適したセリフを出力する。
【解決手段】ゲームプログラムは、コンピュータを、ゲーム空間に配置されたキャラクタの行動を制御するキャラクタ制御手段、キャラクタの所定の行動に起因して変化する所定のパラメータを管理するパラメータ管理手段、キャラクタが所定の行動を開始した場合に、所定の行動に起因して変化させた後のパラメータの値として想定されるパラメータ想定値を算出する想定値算出手段、所定の行動によって生じた結果である行動結果を表示する結果表示手段、パラメータ想定値に応じたセリフデータを選択し、行動結果が表示される前に、選択したセリフデータに対応するセリフを出力するセリフ出力手段、として機能させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセリフデータが記憶された記憶部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
ゲーム空間に配置されたキャラクタの行動を制御するキャラクタ制御手段、
前記キャラクタの所定の行動に起因して変化する所定のパラメータを管理するパラメータ管理手段、
前記キャラクタが前記所定の行動を開始した場合に、前記所定の行動に起因して変化させた後の前記パラメータの値として想定されるパラメータ想定値を算出する想定値算出手段、
前記所定の行動によって生じた結果である行動結果を表示する結果表示手段、
前記パラメータ想定値に応じた前記セリフデータを選択し、前記行動結果が表示される前に、選択した前記セリフデータに対応するセリフを出力するセリフ出力手段、
として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲーム空間には、前記キャラクタである第1キャラクタと対戦する第2キャラクタが配置されており、
前記パラメータは、前記第1キャラクタの行動によって変化する前記第2キャラクタの体力値に関連する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記セリフ出力手段は、前記パラメータ想定値が所定の範囲にある場合に、前記所定の範囲に対応する前記セリフデータを選択する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記所定の範囲は、所定の負の値以上またはゼロ以上で、且つ、所定の正の値以下の範囲である、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、前記キャラクタが前記所定の行動を開始するときに、前記所定の行動に応じた行動演出を表示する演出表示手段、として更に機能させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記キャラクタ制御手段は、前記行動演出が表示されている間、前記キャラクタの行動を制御するためのユーザの操作を受け付けない、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記結果表示手段は、前記行動演出の表示が終了した後に、前記行動結果を表示する、請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記所定のパラメータは、前記所定の行動に起因して複数回に分けて変化し、
前記行動結果は、前記所定の行動に起因する複数回の変化の全てが反映された結果である、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記キャラクタの前記所定の行動は、前記キャラクタの連続した複数の動作を含み、
前記セリフ出力手段は、前記連続した複数の動作のうちの最後の動作を前記キャラクタが行った時点より前に、前記セリフを出力し、
前記結果表示手段は、前記キャラクタが前記連続した複数の動作のうちの最後の動作を行った時点以降に、前記行動結果を表示する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
請求項1に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザがプレイするゲームの進行に合わせて、ゲーム内に登場するキャラクタなどのセリフを出力するゲームが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3962079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のゲームにおいて、毎回決まったセリフが出力されると、その出力されるセリフがユーザには機械的で人間味に欠けるように感じとられることがある。
【0005】
そこで本発明は、出力されるセリフに多様性を持たせつつ、そのゲーム状況に適したセリフを出力することができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るゲームプログラムは、複数のセリフデータが記憶された記憶部と、コンピュータとを備えるゲームシステムにおいて、前記コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、前記コンピュータを、ゲーム空間に配置されたキャラクタの行動を制御するキャラクタ制御手段、前記キャラクタの所定の行動に起因して変化する所定のパラメータを管理するパラメータ管理手段、前記キャラクタが前記所定の行動を開始した場合に、前記所定の行動に起因して変化させた後の前記パラメータの値として想定されるパラメータ想定値を算出する想定値算出手段、前記所定の行動によって生じた結果である行動結果を表示する結果表示手段、前記パラメータ想定値に応じた前記セリフデータを選択し、前記行動結果が表示される前に、選択した前記セリフデータに対応するセリフを出力するセリフ出力手段、として機能させる。
【0007】
上記のゲームプログラムによれば、行動結果が表示される前に出力されるセリフを、パラメータ想定値に応じたセリフとすることにより、ゲームをプレイしているユーザやゲームを見ている第三者に違和感を生じさせることを抑制できる。
【0008】
前記ゲーム空間には、前記キャラクタである第1キャラクタと対戦する第2キャラクタが配置されており、前記パラメータは、前記第1キャラクタの行動によって変化する前記第2キャラクタの体力値に関連してもよい。これにより、複数のキャラクタ同士が戦う対戦ゲームに適用できる。
【0009】
前記セリフ出力手段は、前記パラメータ想定値が所定の範囲にある場合に、前記所定の範囲に対応する前記セリフデータを選択してもよい。
【0010】
前記所定の範囲は、所定の負の値以上またはゼロ以上で、且つ、所定の正の値以下の範囲であってもよい。行動の結果、パラメータが、負またはゼロになるのか、それともゼロより大きい値になるのか結果を予測しづらい状況に適したセリフの出力が可能である。
【0011】
上記のゲームプログラムは、前記コンピュータを、前記キャラクタが前記所定の行動を開始するときに、前記所定の行動に応じた行動演出を表示する演出表示手段、として更に機能させてもよい。
【0012】
前記キャラクタ制御手段は、前記行動演出が表示されている間、前記キャラクタの行動を制御するためのユーザの操作を受け付けなくてもよい。これにより、所定の行動を開始したキャラクタが、途中で行動を変えないため、計算されたパラメータ想定値に対応した行動結果が表示される可能性が高くなる。このため、行動結果が表示される前に出力されるセリフと、セリフ出力後に表示される行動結果との整合性をとりやすい。
【0013】
前記結果表示手段は、前記行動演出の表示が終了した後に、前記行動結果を表示してもよい。これにより、行動演出の表示が終了するまで行動結果を表示しないため、行動結果の表示前にパラメータ想定値に応じたセリフを出力する時間を確保しやすくなる。
【0014】
前記所定のパラメータは、前記所定の行動に起因して複数回に分けて変化し、前記行動結果は、前記所定の行動に起因する複数回の変化の全てが反映された結果であってもよい。
【0015】
前記キャラクタの前記所定の行動は、前記キャラクタの連続した複数の動作を含み、前記セリフ出力手段は、前記連続した複数の動作のうちの最後の動作を前記キャラクタが行った時点より前に、前記セリフを出力し、前記結果表示手段は、前記キャラクタが前記連続した複数の動作のうちの最後の動作を行った時点以降に、前記行動結果を表示してもよい。
【0016】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、上記のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータと、を備える。
【0017】
なお、前記ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部は、ゲームシステムが含む装置に内蔵または外付けされる読み書き可能または読み取り可能な記憶装置または記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等を用いることができる。前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムは、前記プログラム記憶部が直接接続される装置において実行されてもよいし、前記プログラム記憶部とネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続された装置においてダウンロードされて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、出力されるセリフに多様性を持たせつつ、そのゲーム状況に適したセリフを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態におけるゲームシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】ゲーム装置のコントローラを示す外観図である。
図3】対戦画面の一例を示す図である。
図4】ゲームシステムの制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
図5】試合進行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】時間の流れに沿ったゲーム画面の切り替わりの一例を説明するための模式図である。
図7】発動演出画面の一例を示す図である。
図8】行動実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】行動実行演出画面の一例を示す図である。
図10】パラメータ想定値の範囲とセリフとの対応関係の一例を示す表である。
図11】行動結果の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステムおよびゲームプログラムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
[ハードウェア構成]
まず本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の構成について説明する。図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のゲーム装置2と、これら複数のゲーム装置2の各々と通信ネットワークNWを介して通信接続可能なサーバ装置4とを備える。
【0022】
ゲーム装置2は、ゲーム装置本体20と、ゲーム装置本体20に有線または無線で接続される一以上のコントローラ31(操作部に対応)、ディスプレイ32(表示部,出力部に対応)およびスピーカ33(音響出力部,出力部に対応)を備えている。
【0023】
ゲーム装置本体20は、その動作を制御するコンピュータである制御部21を備える。制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部21には、メディアI/F部22、記憶部23、ネットワークI/F部24(通信部)、無線通信制御部25、グラフィック処理部26およびオーディオ処理部27が、それぞれバス21aを介して接続されている。
【0024】
メディアI/F部22は、ゲームを実行するためのゲームメディア34を装填可能なインターフェースである。ゲームメディア34は、例えばDVD-ROM等のディスク型記録媒体であり、その中にゲームの実行に必要なゲームプログラム34aおよびゲームデータ34bが記録されている。このゲームデータ34bには、ゲームを実行するために必要な各種データが含まれる。
【0025】
記憶部23は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部23には、ゲームメディア34から読み込んだゲームプログラム34aおよびゲームデータ34b、並びにセーブデータ等が記録される。なお、本実施形態では、ゲーム起動時にゲームメディア34内の全てのゲームデータ34bを読み込まず、ゲームの進行状況(例えばゲームシーンの変わり目など)に応じて適宜必要となるゲームデータを読み込む。
【0026】
ネットワークI/F部24は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してゲーム装置2を接続するインターフェースである。ゲーム装置2は、他のゲーム装置2およびサーバ装置4との間で通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。例えば、ゲーム装置2は、外部と通信しながらゲームを進行させる場合に、通信ネットワークNWを介して、他のゲーム装置2との間および/またはサーバ装置4との間でデータの送受信を行う。
【0027】
無線通信制御部25は、ゲーム装置本体20に付属するコントローラ31との間で無線により接続され、コントローラ31との間でデータの送受信が可能となっている。コントローラ31は、ユーザによる操作を受け付ける操作装置である。コントローラ31がユーザにより操作されることにより、その操作に対応した入力情報が、無線通信制御部25を介してコントローラ31からゲーム装置2の制御部21に送られる。制御部21は、コントローラ31からの入力情報に基づきゲームを進行させる。
【0028】
図2は、図1に示すコントローラ31を示す外観図である。コントローラ31は、略U字形をしており、ユーザが両翼部のハンドル201L,201Rを左右両手で把持して操作する。コントローラ31は、複数の操作子を有する。例えば、コントローラ31の左右上面には操作ボタン群210,220、アナログスティック212,222が設けられており、コントローラ31の右前面には右ショルダーボタン211、左前面には左ショルダーボタン221がそれぞれ設けられている。操作ボタン群210およびアナログスティック212はユーザの右手親指で操作され、操作ボタン群220およびアナログスティック222はユーザの左手親指で操作される。また、右ショルダーボタン211、左ショルダーボタン221は、それぞれユーザの右手人指し指、左手人指し指で操作される。
【0029】
さらに、コントローラ31は、操作ボタン群210と操作ボタン群220との間にタッチパッド230を備えている。タッチパッド230は、横長の長方形状を成しており、周知のように、ユーザがタッチパッド230の表面に指先等を接触または近接させることで、接触または近接点(入力点)の位置情報(座標)を、図1の制御部21へ出力するものである。さらに、タッチパッド230は、全体を押し込むことで操作ボタンとしても機能する。本明細書において、コントローラ31に対するユーザの一連の操作を、「コマンド」と称することがある。
【0030】
図1に戻って、グラフィック処理部26は、制御部21の指示に従ってゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部26によって描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ32に表示される。ディスプレイ32は、ゲーム画像を表示する表示装置である。ディスプレイ32は、例えば液晶ディスプレイである。
【0031】
オーディオ処理部27は、制御部21の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部27は、外部のスピーカ33と接続される。オーディオ処理部27により再生および合成されたゲーム音声は、音響出力部としてのスピーカ33から外部へ出力される。例えばスピーカ33は、据え置き型のスピーカや、ヘッドフォンなどのウェアラブルスピーカであり得る。
【0032】
サーバ装置4は、その動作を制御するコンピュータである制御部41を備える。制御部41は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部41には、記憶部42およびネットワークI/F部43が、それぞれバス41aを介して接続されている。なお、サーバ装置4は、必要に応じてキーボード等の入力装置、および液晶ディスプレイ等の出力装置を備えていてもよい。
【0033】
記憶部42は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMで構成される。記憶部42には、ゲームプログラム42aおよびゲームデータ42bが記憶されている。ネットワークI/F部43は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワークNWに対してサーバ装置4を接続するインターフェースである。サーバ装置4は、複数のゲーム装置2との間で通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。
【0034】
[ゲームの概要]
次に、本実施形態におけるゲームシステム1により実現されるゲームの一例について説明する。以下に説明されるゲームは、ユーザが一のキャラクタを操作して、別のキャラクタと仮想のゲーム空間内で1対1の格闘を行わせる対戦型格闘ゲームである。
【0035】
図3は、ゲームシステム1により行われる対戦ゲームの対戦画面D1の一例を示す図である。3次元の仮想のゲーム空間Sに、2つのキャラクタP1,P2が配置される。2つのキャラクタP1,P2のうちの一方のキャラクタは、ユーザが操作するキャラクタ(以下、ユーザキャラクタ)であり、他方のキャラクタは、ユーザキャラクタの対戦相手であるキャラクタ(以下、対戦相手キャラクタ)である。このゲームでは、ユーザが操作するユーザキャラクタは、予め定めた複数の種類のキャラクタの中からユーザにより選択可能となっている。
【0036】
以下、説明の便宜上、2つのキャラクタP1,P2のうちの任意の1のキャラクタを、ユーザキャラクタであるか否かに関わらず、第1キャラクタP1と称し、第1キャラクタP1と対戦するキャラクタを第2キャラクタP2と称することとする。
【0037】
本ゲームには、いくつかのゲームモードが用意されており、ユーザは、それらのゲームモードの中から選択したゲームモードでゲームをプレイする。例えば本ゲームのゲームモードには、オンライン対戦モード、CPU対戦モードなどが含まれる。
【0038】
オンライン対戦モードは、周知のマッチング処理により他のゲーム装置2と同期し、ユーザが操作するユーザキャラクタと他のユーザが操作するプレイヤキャラクタとしての対戦相手キャラクタとが互いに戦うゲームモードである。CPU対戦モードは、ユーザがコンピュータと対戦を行うゲームモードである。すなわち、CPU対戦モードでは、ユーザが操作するユーザキャラクタと、コンピュータにより自動制御されるノンプレイヤキャラクタとしての対戦相手キャラクタとが互いに戦う。
【0039】
対戦画面D1は、仮想カメラによって撮像されたゲーム空間Sの画像を含む。仮想カメラは、ゲーム空間S内に配置されている。仮想カメラは、2つのキャラクタP1,P2の位置に応じて、例えば2つのキャラクタP1,P2を撮像画像に含むように、ゲーム空間S内を移動したり、ズームしたりする。基本的に、仮想カメラは、互いに向き合って格闘する2つのキャラクタP1,P2の側方から2つのキャラクタP1,P2を撮像する。このため、対戦画面D1において、2つのキャラクタP1,P2のうちの一方が画面右側に位置し、他方が画面左側に位置する。
【0040】
対戦画面D1における上部には、2つの体力表示領域61,62が左右方向に間隔をあけて配置されている。2つの体力表示領域61,62は、それぞれ、2つのキャラクタP1,P2の体力値を示す。本ゲームにおいて、体力表示領域61,62は、体力の最大値に対する体力残量の割合を棒状のグラフで示す体力ゲージ(体力バー)である。体力表示領域61,62は、体力残量に対応する残量領域61a,62aと、最大体力値からの減少分に対応するダメージ累積領域61b,62bとを含む。
【0041】
第1キャラクタP1の攻撃が第2キャラクタP2にヒットすると、第2キャラクタP2の体力残量が減少する。具体的には、各キャラクタP1,P2には、当たり判定領域が配置されている。また、キャラクタが攻撃を行う場合、攻撃動作中のキャラクタの所定の部分には、攻撃判定領域が配置される。なお、当たり判定領域および攻撃判定領域は、通常、対戦画面D1においてユーザに視認不能となっている。第1キャラクタP1の攻撃判定領域が、第2キャラクタP2の当たり判定領域に接触した場合、第1キャラクタP1の攻撃が第2キャラクタP2にヒットしたと判定される。攻撃がヒットしたと判定されると、第2キャラクタP2の体力残量が、その攻撃に応じたダメージ量だけ減少する。すなわち、ダメージ累積領域61b,62bが増加し、残量領域61a,62aが減少する。
【0042】
本ゲームでは、試合に時間制限がある。対戦画面D1における2つの体力表示領域61,62の間に時間表示領域63が配置されている。本ゲームでは、時間表示領域63に試合の残り時間が制限時間からカウントダウンして示されるが、残り時間はゼロから制限時間までカウントアップすることで間接的に示されてもよい。試合では、制限時間内に体力値がゼロになったキャラクタ、あるいは残り時間がゼロになったときに体力残量が少ないキャラクタが、その試合の敗者となり、他方がその試合の勝者となる。
【0043】
ユーザキャラクタの動作は、コントローラ31に対するユーザの操作に応じて決定される。具体的には、コントローラ31が有する各操作子(つまり、各操作子に対する操作)には、予め定めたユーザキャラクタの動作が割り当てられている。例えば、操作ボタン群210が含む4つのボタンには、それぞれ、「弱パンチ」、「強パンチ」、「弱キック」、「強キック」などの動作が割り当てられている。例えば、操作ボタン群220が含む4つのボタンには、それぞれ、「画面右への移動」、「画面左への移動」、「ジャンプ」、「しゃがむ」などの動作が割り当てられている。
【0044】
また、このゲームでは、コントローラ31に対して所定のコマンドを入力されることにより、ユーザキャラクタは、必殺技を発動する。必殺技は、キャラクタの種類に応じて異なり得る。本ゲームでは、必殺技には、通常の必殺技と、所定の技ポイントを消費することで通常の必殺技より与えるダメージ量が大きい超必殺技とがある。
【0045】
対戦画面D1における下部に、2つの技ポイント表示領域64,65が左右方向に間隔をあけて配置されている。2つの技ポイント表示領域64,65は、それぞれ、2つのキャラクタP1,P2の溜まった技ポイントを示す。本ゲームにおいて、技ポイント表示領域64,65は、ゼロから上昇する棒状のグラフで示す技ゲージである。技ポイントは、所定の規則に基づいて増減する。例えば第1キャラクタP1が通常の攻撃動作を行なったり、第1キャラクタP1が第2キャラクタP2の攻撃をガードしたりすると、第1キャラクタP1の技ポイントが増加する。
【0046】
通常の必殺技は、各キャラクタに対応する技ポイントを消費させることなく発動可能な技である。他方、超必殺技は、各キャラクタに対応する技ポイントを消費させることにより発動可能な技である。例えば超必殺技は、技ポイントが最大値まで溜まったときに、技ポイントを全て消費することで発動する。
【0047】
超必殺技は、連続した複数の攻撃を含む。本ゲームでは、例えば第1キャラクタP1の超必殺技が含む連続した複数の攻撃のうちの1撃目が第2キャラクタP2にヒットした場合、超必殺技が含む複数の攻撃のうちの2撃目以降の全ての攻撃が第2キャラクタP2にヒットすることが確約されている。本明細書において、この超必殺技のように、1撃目がヒットしたキャラクタを残りの連続攻撃を回避不能にロックする技を、「ロック技」と称することとする。
【0048】
また、本ゲームには、対戦の実況を解説する仮想の実況解説者(以下、仮想話者)が登場する。具体的には、ゲーム進行中にスピーカ33から出力されるゲーム音声に、対戦の実況を解説する仮想の実況解説者のセリフ(言葉)が含まれる。例えば、試合が開始した直後に、スピーカ33から例えば「さあ、試合が始まりました。」といったセリフが出力されたり、キャラクタP1,P2のうちの一方が超必殺技を発動したときに、スピーカ33から例えば「超必殺技を発動させたぞ!」といったセリフが出力されたりする。
【0049】
[機能的構成]
図4は、本実施の形態におけるゲームシステム1の機能的な構成を示すブロック図である。図4に示すように、ゲーム装置2の制御部21とサーバ装置4の制御部41とが協動することにより構成されるゲームシステム1の制御部5(コンピュータ)は、ゲームプログラム34a,42aを実行することで、ゲーム進行手段50、ゲーム空間生成手段51、キャラクタ制御手段52、演出表示手段53、パラメータ管理手段54、想定値算出手段55、結果表示手段56、およびセリフ出力手段57として機能する。
【0050】
ゲーム進行手段50は、ゲームを進行させる。ゲーム進行手段50は、対戦の開始や終了、対戦中のゲームの進行などを実行する。例えば、ゲーム進行手段50は、複数のゲームモードの中から1つのゲームモードをユーザが選択するための選択画面をディスプレイ32に表示したり、試合中には試合の残り時間をカウントしたりする。
【0051】
ゲーム空間生成手段51は、3次元の仮想のゲーム空間Sを生成する。ただし、ゲーム空間生成手段51は、2次元の仮想のゲーム空間Sを生成してもよい。ゲーム空間Sには、上述したユーザキャラクタおよび対戦相手キャラクタを含む第1キャラクタP1および第2キャラクタP2が配置されている。ゲーム空間Sには、上述した仮想カメラが配置されている。
【0052】
キャラクタ制御手段52は、ユーザの操作に基づいて、プレイヤキャラクタであるユーザキャラクタの行動を制御する。すなわち、キャラクタ制御手段52は、コントローラ31に対するユーザの操作内容を示す入力情報に基づき、入力情報に対応する行動を行うようユーザキャラクタを制御する。例えば、ユーザはコントローラ31を操作することにより、ユーザキャラクタをゲーム空間S内で移動させたり、ユーザキャラクタに対戦相手キャラクタを攻撃させたり、ユーザキャラクタに対戦相手キャラクタの攻撃をガードさせたりすることができる。
【0053】
また、ゲームモードがオンライン対戦モードである場合、キャラクタ制御手段52は、対戦相手ユーザのゲーム装置2から受信した、対戦相手ユーザの操作内容を示す入力情報に基づき、対戦相手キャラクタの行動を制御する。すなわち、ゲームモードがオンライン対戦モードである場合、対戦相手キャラクタは、プレイヤキャラクタである。
【0054】
また、ゲームモードがCPU対戦モードなどである場合、キャラクタ制御手段52は、所定のゲームプログラムに基づき対戦相手キャラクタの行動を制御する。すなわち、ゲームモードがCPU対戦モードである場合、対戦相手キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタである。
【0055】
ただし、後述の演出表示手段53により行動演出が表示されている間、キャラクタ制御手段52は、プレイヤキャラクタの行動を制御するためのユーザ(対戦相手ユーザを含む)の操作を受け付けない。
【0056】
演出表示手段53は、キャラクタが所定の行動を開始したときに、所定の行動に応じた行動演出を表示する。本実施形態では、所定の行動は、超必殺技である。例えば演出表示手段53は、キャラクタが所定行動(すなわち超必殺技)を発動したときに、その所定行動の発動に応じた行動演出(以下、発動演出)を表示する。また、例えば演出表示手段53は、発動されたキャラクタの所定行動が相手キャラクタにヒットしたときに、その所定行動に応じた行動演出(以下、行動実行演出)を表示する。
【0057】
パラメータ管理手段54は、キャラクタの所定の行動(すなわち超必殺技)に起因して変化する所定のパラメータを管理する。本ゲームにおいて、パラメータ管理手段54は、試合をする2つのキャラクタP1,P2ごとにパラメータを管理する。例えば第2キャラクタP2に対応するパラメータは、第1キャラクタP1の行動によって変化する第2キャラクタP2の体力値に関連するパラメータである。より詳しくは、第2キャラクタP2に対応するパラメータは、第1キャラクタP1の攻撃による第2キャラクタP2の体力残量の減少に伴い、減少するパラメータである。
【0058】
想定値算出手段55は、キャラクタが所定の行動(すなわち超必殺技)を開始した場合に、所定の行動に起因して変化させた後のパラメータの値として想定されるパラメータ想定値を算出する。本ゲームでは、想定値算出手段55は、キャラクタが超必殺技を開始(発動)させ、且つ所定の実行条件が満たされたときに、パラメータ想定値を算出する。実行条件について、詳細は後述する。
【0059】
以下の説明では、パラメータ管理手段54により管理されるパラメータの値を、パラメータ想定値と区別して、「パラメータ実際値」と称することとする。また、パラメータ想定値を単に想定値と称し、パラメータ実際値を単に実際値と称し得る。
【0060】
本ゲームでは、パラメータ想定値は、第1キャラクタP1の超必殺技を第2キャラクタP2が受けたことにより到達すると想定される第2キャラクタP2の体力残量に関連するパラメータの値である。また、パラメータ実際値は、第1キャラクタP1の超必殺技を第2キャラクタP2が受けた結果として到達した実際の第2キャラクタP2の体力残量に関連するパラメータの値である。
【0061】
パラメータ実際値およびパラメータ想定値について、より詳しく説明する。本実施形態において、実際値は、キャラクタの体力の最大値に対する割合である。パラメータ管理手段54は、-100%以上で100%以下の範囲で変化するよう実際値を管理する。実際値が0%より大きく且つ100%以下の例えばX%であることは、キャラクタの体力残量が、キャラクタの体力の最大値のX%であることを示す。実際値が-100%以上で0%以下であることは、キャラクタの残り体力がなくなったことを示す。
【0062】
実際値は、体力表示領域61,62に反映される。例えば、実際値が0%より大きく且つ100%以下である場合、実際値が示すキャラクタの体力の最大値に対する割合は、体力表示領域61,62の残量領域61a,62aに反映される。実際値が-100%以上で0%以下のいずれの値であっても、体力表示領域61,62には、体力残量がゼロであるように、言い換えれば残量領域61a,62aが存在しないように反映される。ただし、実際値が-100%以上で0%未満である場合に、実際値が0%よりどれだけ小さいかは、体力表示領域61,62には反映されない。
【0063】
第1キャラクタP1が通常の攻撃を行い、第1キャラクタP1の攻撃判定領域が、第2キャラクタP2の当たり判定領域に接触した場合、パラメータ管理手段54は、攻撃を受けた第2キャラクタP2に対応するパラメータ実際値を、攻撃に応じたダメージ量だけ減少させる。ただし、パラメータ管理手段54は、超必殺技に起因して実際値を変化させる場合には、通常の攻撃に起因して実際値を変化させる態様とは異なる態様で実際値を変化させる。
【0064】
例えば、第1キャラクタP1が超必殺技を行い、第1キャラクタP1の超必殺技の1撃目の攻撃判定領域が、第2キャラクタP2の当たり判定領域に接触した場合、例えばパラメータ管理手段54は、第2キャラクタP2に対応するパラメータ実際値を、超必殺技の1撃目に応じた値だけ減少させる。超必殺技はロック技であるため、行動実行演出中において、第1キャラクタP1の超必殺技の2撃目以降の攻撃がなされるたびに、パラメータ管理手段54は、第2キャラクタP2に対応するパラメータ実際値を、超必殺技の2撃目以降の各攻撃に応じた値だけ減少させる。なお、本ゲームにおいて、超必殺技が含む複数の攻撃の各々に、各攻撃に応じた固定のダメージ量が設定されている。
【0065】
パラメータ実際値が-100%以上で100%以下の範囲で変化するため、パラメータ想定値も、-100%以上で100%以下の範囲のいずれかの値をとる。パラメータ想定値は、所定の行動(超必殺技)が含む複数の動作(攻撃)の全てが終了した後のパラメータ実際値として想定される値である。本ゲームでは、超必殺技はロック技であるため、1撃目がヒットした場合に2撃目以降の全ての攻撃が第2キャラクタP2にヒットすることが確約されている。このため、超必殺技が含む複数の攻撃の全てが終了する前に算出されたパラメータ想定値と、超必殺技が含む複数の攻撃の全てが終了した後のパラメータ実際値とは必ず一致する。
【0066】
結果表示手段56は、所定の行動(すなわち超必殺技)によって生じた結果である行動結果を表示する。行動結果は、所定の行動に起因して変化させた後のパラメータの値に応じた結果である。本実施形態では、結果表示手段56は、第1キャラクタP1の超必殺技が含む複数の攻撃の全てを受けた後の第2キャラクタP2の体力残量(ゼロを含む)を、第2キャラクタP2に対応する体力表示領域に行動結果として表示する。
【0067】
セリフ出力手段57は、パラメータ想定値に応じたセリフデータを選択する。また、セリフ出力手段57は、結果表示手段56により行動結果が表示される前に、選択したセリフデータに対応するセリフを出力する。セリフデータについて、詳細は後述する。
【0068】
[試合進行処理]
試合進行処理について、図5および6を参照して説明する。図5は、試合進行処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す試合進行処理は、第1キャラクタP1と第2キャラクタP2との試合が開始してから終了するまでのゲーム処理である。図6は、試合中の時間の流れに沿ったゲーム画面の切り替わりの一例を説明するための模式図であり、右に行くにつれ時間が経過することを示す。
【0069】
試合が開始すると、キャラクタ制御手段52は、第1キャラクタP1と第2キャラクタP2の行動を制御する。試合中、ディスプレイ32には、基本的に、第1キャラクタP1と第2キャラクタP2のうちの一方が画面右側に位置し、他方が画面左側に位置する通常の対戦画面D1が表示される(図3参照)。
【0070】
試合中、キャラクタ制御手段52は、第1キャラクタP1が所定の行動、すなわち超必殺技を発動するか否かを判定する(ステップS1)。例えばキャラクタ制御手段52は、ユーザによりコントローラ31に対して超必殺技を発動するためのコマンド入力がなされたか否かを判定する。キャラクタ制御手段52が、第1キャラクタP1が所定の行動を発動しないと判定した場合(ステップS1:No)、ステップS2~S5はスキップされ、ステップS6に移行する。
【0071】
キャラクタ制御手段52が、第1キャラクタP1が所定の行動を発動すると判定した場合(ステップS1:Yes)、演出表示手段53は、所定の行動の発動に応じた行動演出である発動演出の表示を開始する(ステップS2)。
【0072】
図7は、発動演出画面D2の一例を示す図である。発動演出画面D2では、第1キャラクタP1の超必殺技に特有の演出が表示される。図7に示すように、発動演出画面D2では、ゲーム空間S内で仮想カメラが移動して、第1キャラクタP1をズームインして撮像した画像を表示する。
【0073】
また、図6に示すように、第1キャラクタP1の所定の行動(すなわち超必殺技)が発動された時点において、セリフ出力手段57が、所定の行動の発動に応じたセリフデータを選択し、選択したセリフデータに対応するセリフを出力してもよい。例えば、セリフ出力手段57が、スピーカ33から例えば「超必殺技を発動させたぞ!」といったセリフを出力させてもよい。
【0074】
図5に戻って、ゲーム進行手段50は、発動した第1キャラクタP1の所定の行動に関する実行条件が満たされたか否かを判定する(ステップS3)。本ゲームでは、実行条件は、第1キャラクタP1の超必殺技が含む複数の攻撃のうちの1撃目が、対戦相手である第2キャラクタP2に当たるという条件である。
【0075】
ゲーム進行手段50が、発動した第1キャラクタP1の所定の行動の実行条件が満たされると判定した場合(ステップS3:Yes)、行動実行処理が開始する(ステップS4)。行動実行処理について、詳細は後述する。
【0076】
ゲーム進行手段50が、発動した第1キャラクタP1の所定の行動の実行条件が満たされないと判定した場合(ステップS3:No)、演出表示手段53は、発動演出の表示を終了し(ステップS5)、ステップS6に移行する。
【0077】
ステップS6において、ゲーム進行手段50は、試合終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS6)。本ゲームでは、試合終了条件では、第1キャラクタP1と第2キャラクタP2のどちらかの体力残量がゼロになること(言い換えればどちらかのキャラクタに対応するパラメータ実際値が0%以下になること)、あるいは、残り時間がゼロになることである。試合終了条件が満たされたと判定した場合(ステップS6:Yes)、ゲーム進行手段50は、試合進行処理を終了する。試合終了条件が満たされないと判定した場合(ステップS6:No)、ステップS1に戻る。
【0078】
[行動実行処理]
次に、ステップS4の行動実行処理について、図6を適宜参照しつつ、図8に沿って説明する。図8は、行動実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0079】
上述のとおり、行動実行処理は、実行条件を満たした時点、すなわち本例では、第1キャラクタP1の超必殺技が含む複数の攻撃のうちの1撃目が第2キャラクタP2に当たったときに開始する(図6も参照)。
【0080】
行動実行処理では、まず想定値算出手段55が、所定行動である超必殺技に起因して変化させた後のパラメータ実際値として想定されるパラメータ想定値を算出する(ステップS11)。
【0081】
また、演出表示手段53が、発動演出画面D2の表示を終了し、発動された超必殺技に応じた行動実行演出画面の表示を開始する(ステップS12)。
【0082】
図9は、行動実行演出画面D3の一例を示す図である。行動実行演出画面D3では、第1キャラクタP1の超必殺技に特有の演出が表示される。図9に示すように、行動実行演出画面D3では、ゲーム空間S内で仮想カメラが移動して、第1キャラクタP1が第2キャラクタP2に攻撃している状況を様々な角度からズームインして撮像した画像を表示する。
【0083】
なお、所定の行動である超必殺技は、第1キャラクタP1の連続した複数の攻撃を含む。超必殺技に含まれる複数の攻撃の種類は、全て同じでもよいし、異なってもよい。超必殺技に含まれる複数の攻撃の種類は、キャラクタの種類や超必殺技の種類などに応じて異なる。例えば、超必殺技に含まれる攻撃の種類は、キャラクタの立ち状態、しゃがみ状態、ジャンプ状態のいずれかの状態でのパンチやキックの打撃技、投げ技、飛び道具、馬乗り攻撃、締め技、武器を用いた技などであり得る。
【0084】
行動実行演出画面D3は、体力表示領域61,62を含む。行動実行演出画面D3の表示中、攻撃を受けたキャラクタの体力表示領域に示す体力値は、複数の攻撃を含む超必殺技に起因して複数回に分けて変化する。行動実行演出画面D3の表示中、超必殺技の攻撃が行われるごとに、体力表示領域に示す体力残量が減少する。
【0085】
なお、図9に示すように、行動実行演出画面D3の体力表示領域62では、所定の行動によるダメージ量を示すダメージ変化領域62cが、所定の行動前のダメージ量であるダメージ累積領域62bと識別可能に示される。例えばダメージ変化領域62cとダメージ累積領域62bとは、色やエフェクトにより識別可能に示される。すなわち、行動実行演出画面D3の表示中、ダメージ累積領域62bは変化せず、超必殺技の攻撃が行われるごとに、体力表示領域におけるダメージ変化領域62cが増大し、残量領域62aは減少する。
【0086】
行動実行演出画面D3の表示中に、セリフ出力手段57は、ステップS11で算出されたパラメータ想定値に応じたセリフデータを選択する。そして、セリフ出力手段57は、選択したセリフデータに対応するセリフ音声をスピーカ33から出力させる(ステップS13、図6および8参照)。
【0087】
記憶部23には、セリフデータが、ステップS13で出力されるセリフとして選択される条件を示す条件情報(以下、第1条件情報)と対応付けて記憶されている。本実施形態において、セリフデータは、仮想の実況解説者によって話されるセリフとしてのゲーム音声を示すゲーム音声データである。第1条件情報には、パラメータ想定値の範囲を示す情報が含まれる。例えば、セリフ出力手段57は、算出されたパラメータ想定値が所定の範囲にある場合に、所定の範囲に対応するセリフデータを選択する。例えば所定の範囲は、所定の負の値またはゼロ以上で、且つ、所定の正の値以下の範囲である。
【0088】
図10は、パラメータ想定値X0の範囲を示す情報とセリフとの対応関係の一例を示す表である。例えばセリフ出力手段57は、パラメータ想定値X0が10%より大きく且つ100%以下の範囲にある場合、「怒涛の攻めだ!」というセリフのセリフデータを選択し、そのセリフをスピーカ33から出力させる。また、例えばセリフ出力手段57は、パラメータ想定値X0が-10%以上で且つ10%以下の範囲にある場合、「相手の体力は残りわずかだ!倒しきれるか?」というセリフのセリフデータを選択し、そのセリフをスピーカ33から出力させる。また、例えばセリフ出力手段57は、パラメータ想定値X0が-100%以上で且つ-10%未満の範囲にある場合、「これはきれいに決まった!勝負あった!」というセリフのセリフデータを選択し、そのセリフをスピーカ33から出力させる。
【0089】
なお、図10は例として、1つのパラメータ想定値の範囲に対して1つのセリフが対応していることを示したが、1つのパラメータ想定値の範囲に対して複数のセリフが対応していてもよい。この場合、セリフ出力手段57は、パラメータ想定値X0がある範囲にある場合に、その範囲に対応する複数のセリフの中から、出力させるセリフを、ランダムでまたは所定の規則に基づいて選択する。
【0090】
図8に示すように、パラメータ想定値に応じたセリフが出力された後、結果表示手段56は、所定の行動である超必殺技によって生じた結果である行動結果を表示する(ステップS14)。行動結果は、所定の行動に起因する複数回の変化の全てが反映された結果である。図11は、行動結果の表示画面D4の一例を示す図である。図11が示す行動結果の表示画面D4は、行動実行演出の終了時点間近の行動実行演出の一部であるが、行動結果の表示は、行動実行演出の後に表示されてもよい。
【0091】
結果表示手段56は、第1キャラクタP1の超必殺技が含む複数の攻撃の全てを受けた後の第2キャラクタP2の体力残量(ゼロを含む)を、第2キャラクタP2に対応する体力表示領域62に行動結果として表示する。すなわち、ステップS13のセリフの出力は、超必殺技に含まれる連続した複数の動作のうちの最後の動作(最後の一撃)が行われた時点より前に実行され、ステップS14の行動結果の表示は、超必殺技に含まれる連続した複数の動作のうちの最後の動作(最後の一撃)が行われた時点以降に実行される。
【0092】
セリフ出力手段57は、行動結果、すなわち攻撃を受けた第2キャラクタP2の体力残量に応じたセリフデータを選択し、選択したセリフデータに対応するセリフを出力する(ステップS15)。あるいは、セリフ出力手段57は、行動結果である体力残量に関連するパラメータ実際値に応じたセリフデータを選択し、選択したセリフデータに対応するセリフを出力する。
【0093】
記憶部23には、セリフデータが、ステップS15で出力されるセリフとして選択される条件を示す条件情報(以下、第2条件情報)と対応付けて記憶されている。本実施形態において、セリフデータは、仮想の実況解説者によって話されるセリフとしてのゲーム音声を示すゲーム音声データである。第2条件情報には、行動結果である攻撃を受けた第2キャラクタP2の体力残量の範囲を示す情報、または、パラメータ実際値の範囲を示す情報が含まれる。
【0094】
例えばセリフ出力手段57は、パラメータ実際値(すなわち、第2キャラクタP2の体力の最大値に対する体力残量の割合)が0%より大きく且つ10%以下の範囲にある場合、「残った!」というセリフのセリフデータを選択し、そのセリフをスピーカ33から出力させる。また、例えばセリフ出力手段57は、パラメータ実際値が-10%以上で且つ0%以下の範囲にある場合、「なんとか倒しきった!」というセリフのセリフデータを選択し、そのセリフをスピーカ33から出力させる。
【0095】
例えば第2条件情報は、攻撃を与えた第1キャラクタP1の体力残量の範囲を示す情報を含んでもよい。例えばセリフ出力手段57は、攻撃を受けた第2キャラクタP2の体力残量がゼロで、且つ、攻撃を与えた第1キャラクタP1の体力残量が最大である場合、「パーフェクト!完全勝利だ!」というセリフのセリフデータを選択し、そのセリフをスピーカ33から出力させる。
【0096】
ステップS15において、セリフ出力手段57は、ステップS11で算出したパラメータ想定値X0に応じたセリフデータを選択し、選択したセリフデータに対応するセリフを出力してもよい。超必殺技がロック技であるため、パラメータ想定値X0とパラメータ実際値とが必ず一致するためである。
【0097】
ステップS15が終了すると、行動実行処理は終了する。行動実行演出画面D3の表示が終了し、通常の対戦画面に戻る。また、ダメージ変化領域61c,62cは、ダメージ累積領域61b,62bに変化する。言い換えればダメージ変化領域61c,62cは、ダメージ累積領域61b,62bに組み込まれる。
【0098】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラムは、複数のセリフデータが記憶された記憶部23と、制御部5(コンピュータ)とを備えるゲームシステム1において、コンピュータに実行されるゲームプログラムであって、コンピュータを、ゲーム空間Sに配置されたキャラクタの行動を制御するキャラクタ制御手段52、キャラクタの超必殺技(所定の行動)に起因して変化する所定のパラメータを管理するパラメータ管理手段54、キャラクタが超必殺技(所定の行動)を開始した場合に、超必殺技(所定の行動)に起因して変化させた後のパラメータの値として想定されるパラメータ想定値を算出する想定値算出手段55、超必殺技(所定の行動)によって生じた結果である行動結果を表示する結果表示手段56、パラメータ想定値に応じたセリフデータを選択し、行動結果が表示される前に、選択したセリフデータに対応するセリフを出力するセリフ出力手段57、として機能させる。
【0099】
例えば、キャラクタに所定の行動を行わせたときのあるゲーム状況では、キャラクタが所定の行動を終える前に、その所定の行動によって生じる結果をユーザが想定しやすい場合がある。また、別のあるゲーム状況では、ユーザが、行動結果を確認するまでは、その所定の行動によって生じる結果をユーザが想定しづらい場合もある。行動結果が表示される前に出力されるセリフが、ゲームをプレイしているユーザやゲームを見ている第三者の気持ちとかけ離れた内容であると、ユーザや第三者に違和感を生じさせることにつながる。本実施形態によれば、行動結果が表示される前に出力されるセリフを、パラメータ想定値に応じたセリフとすることにより、ゲームをプレイしているユーザやゲームを見ている第三者に違和感を生じさせることを抑制できる。
【0100】
また、本実施形態では、ゲーム空間Sには、キャラクタである第1キャラクタP1と対戦する第2キャラクタP2が配置されており、パラメータは、第1キャラクタP1の行動によって変化する第2キャラクタP2の体力値に関連するため、複数のキャラクタ同士が戦う対戦ゲームに適用できる。
【0101】
また、本実施形態では、セリフ出力手段57は、パラメータ想定値が所定の範囲にある場合に、所定の範囲に対応するセリフデータを選択してもよい。また、所定の範囲は、所定の負の値以上またはゼロ以上で、且つ、所定の正の値以下の範囲であってもよい。行動の結果、パラメータが、負またはゼロになるのか、それともゼロより大きい値になるのか結果を予測しづらい状況に適したセリフの出力が可能である。
【0102】
例えばパラメータ想定値が第2キャラクタP2の体力残量を想定した値である場合、所定の範囲が、所定の負の値以上またはゼロ以上で、且つ、所定の正の値以下の範囲であることは、第2キャラクタP2の体力残量がゼロになる可能性があるゲーム状況と、第2キャラクタP2の体力残量が残る可能性があるゲーム状況の双方に対して共通の同じセリフが割り当てられることになる。このため、第1キャラクタP1の攻撃によって第2キャラクタP2を倒せるか否かの判断がつきにくいようなゲーム状況に適したセリフ(例えば「倒しきれるか?」等のセリフ)の出力が可能となる。
【0103】
また、本実施形態では、キャラクタ制御手段52は、行動演出が表示されている間、キャラクタの行動を制御するためのユーザの操作を受け付けない。これにより、所定の行動を開始したキャラクタが、途中で行動を変えないため、計算されたパラメータ想定値に対応した行動結果が表示される可能性が高くなる。このため、行動結果が表示される前に出力されるセリフと、セリフ出力後に表示される行動結果との整合性をとりやすい。
【0104】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0105】
例えばゲームプログラム34aは、ゲームメディア34に記録されていなくてもよく、例えば、外部から通信ネットワークNWを介してゲーム装置2にダウンロードされてもよい。例えば、本発明のゲームシステムが備えるゲーム装置2は、スマートフォンなどの携帯情報端末であってもよい。また、ゲーム画面を表示する表示部は、据え置きのディスプレイでなくてもよく、タッチスクリーンやヘッドマウントディスプレイなどであってもよい。ユーザの操作を受け付ける操作部は、ゲーム装置専用のコントローラでなくてもよく、キーボードやタッチスクリーンなどであってよい。
【0106】
また、上記実施形態では、ゲームシステム1は、ゲーム装置2およびサーバ装置4を備えていたが、本発明のゲームシステムは、サーバ装置4を備えない構成であってもよい。本発明は、オンラインゲームだけでなく、オフラインゲームにも適用可能である。また、本発明は、対戦型格闘ゲームだけでなく、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、レースゲーム、育成ゲームなどにも適用可能である。例えば、本発明は、ゲーム空間に2つのキャラクタが配置されなくてもよく、1つのキャラクタのみが配置されたり3以上のキャラクタが配置されたりするゲームにも適用可能である。
【0107】
また、上記実施形態では、サーバ装置4の制御部41が、記憶部42に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、機能部50~57の一部または全部として機能してもよい。この場合、本発明のゲームプログラムは、サーバ装置4に記憶され、またはゲーム装置2およびサーバ装置4に分散して記憶されており、このようなゲームプログラムを実行する制御部21および制御部41が本発明のゲームプログラムを実行する「コンピュータ」に対応する。
【0108】
また、上記実施形態では、ゲーム装置2の制御部21は、ゲームプログラム34aを実行することにより、ゲーム進行手段50、ゲーム空間生成手段51、キャラクタ制御手段52、パラメータ管理手段54、想定値算出手段55、結果表示手段56、結果表示手段56、演出表示手段53、およびセリフ出力手段57として機能したが、これら機能部50~57の一部の機能部については機能しなくてもよい。
【0109】
また、セリフデータは、ゲーム装置2の記憶部23に記憶されていなくてもよく、例えばサーバ装置4の記憶部42などの別の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、セリフ出力手段57がセリフをゲーム音声として出力する態様が説明されたが、本発明は、セリフ出力手段57によりセリフを出力させる出力機器(出力部)は音響出力部に限定されない。例えば、本発明は、セリフ出力手段57がセリフを表示部に文字として出力するものにも適用可能である。すなわち、セリフの出力部は、スピーカ、ヘッドフォン、イヤフォンなどの音響出力部でもよいし、ディスプレイ単体、タッチスクリーン、ヘッドマウントディスプレイなどの表示部でもよい。セリフデータは、セリフとしてのゲーム音声を示すゲーム音声データでもよいし、セリフとしての文字を示す文字データでもよい。また、本発明は、セリフ出力手段57が音響出力部と表示部の一方を介してではなく、双方を介してセリフを出力してもよい。
【0111】
また、本発明は、ゲームのプレイ動画の配信にも適用可能である。つまり、セリフの出力部は、ゲームをプレイするプレイヤに対して出力するものに限らず、配信されるゲームのプレイ動画を視聴する視聴者に対して出力するものであってもよい。例えば、ゲームをプレイするプレイヤ(例えば配信者)のための出力部からは、セリフを出力しなくてもよく、ゲームのプレイ動画を視聴する視聴者のための出力部からのみセリフを出力するようにしてもよい。例えば、ゲームのプレイ動画を視聴する視聴者のための出力部からだけセリフを出力するために、(実況セリフありの動画を視聴するために)、何らかの対価が必要であってもよい。例えば、対価は、課金することであったり、サブスクリプション契約を行うことであったり、配信者に対する金銭の寄付(いわゆる投げ銭)を行うことであったりしてもよい。
【0112】
上記実施形態では、セリフ出力手段57は、対戦の実況を解説する仮想の実況解説者のセリフを決定したが、セリフ出力手段57は、実況解説者とは異なる種類の仮想話者のセリフを出力してもよい。例えば、セリフ出力手段57は、例えばゲーム空間に配置されるキャラクタのセリフを出力してもよい。
【0113】
本発明は、複数の仮想話者の中から、セリフを出力する仮想話者が選択されるゲームにも適用可能である。例えば複数の仮想の実況解説者の中から、試合を実況解説する仮想の実況解説者が、ユーザの選択により、または、ランダムで決定されてもよい。記憶部には、複数の仮想話者にそれぞれ対応する複数のセリフデータが記憶されていてもよい。セリフデータに対応付けて記憶された条件情報(パラメータ想定値の範囲を示す情報など)は、仮想話者ごとに異なってもよい。
【0114】
上記実施形態では、キャラクタが所定行動を開始させ、且つ所定の実行条件が満たされたとき(超必殺技の1撃目がヒットしたとき)に、想定値算出手段が、パラメータ想定値を算出したが、パラメータ想定値の算出タイミングは、これに限られない。例えば、想定値算出手段は、キャラクタが所定の行動を発動したタイミング、すなわち超必殺技が発動したタイミングでパラメータ想定値を算出してもよい。
【0115】
想定値算出手段が算出するパラメータ想定値と、パラメータ管理手段により管理されるパラメータの値(パラメータ実際値)とは、互いに異なってもよい。
【0116】
例えば、パラメータ想定値の算出タイミングが第1キャラクタの超必殺技が発動したタイミングである場合、想定値算出手段が、超必殺技発動のタイミングでパラメータ想定値を算出したとしても、その超必殺技が第2キャラクタにヒットしない可能性がある。この場合、想定値算出手段は、第1キャラクタが発動した超必殺技が第2キャラクタに仮に当たったとした場合に想定されるパラメータの値を、パラメータ想定値として算出してもよい。この場合、セリフ出力手段は、所定の行動に起因して変化した後のパラメータの値がパラメータ想定値と一致しない可能性を加味したセリフ(例えば「この超必殺技が当たれば勝負が決まるぞ!」などのセリフ)を出力するようにしてもよい。
【0117】
上記実施形態では、想定値算出手段によるパラメータ想定値の算出のきっかけとなる所定の行動が、超必殺技であったが、所定の行動は、これに限定されない。
【0118】
例えば上記実施形態では、第1キャラクタの所定の行動が、第1キャラクタの連続した複数の攻撃動作を含み、且つ、連続した複数の攻撃動作の1撃目がヒットした場合に2撃目以降の全ての攻撃が第2キャラクタにヒットすることが確約されたロック技であったが、所定の行動はロック技でなくてもよい。例えば、第1キャラクタの所定の行動は、第1キャラクタの所定の行動が含む連続した複数の攻撃の一部が第2キャラクタにヒットしないものであってもよい。例えば第1キャラクタの連続した複数の攻撃の1撃目がヒットした場合でも、第1キャラクタの連続した複数の攻撃の途中から第2キャラクタに攻撃がヒットしない状況が生じてもよい。また、例えば、第1キャラクタの連続した複数の攻撃の1撃目がヒットしない場合でも、第1キャラクタの連続した複数の攻撃の途中から攻撃が第2キャラクタにヒットしてもよい。
【0119】
この場合、想定値算出手段は、第1キャラクタが発動した所定の行動が含む複数の攻撃が仮に全て第2キャラクタに当たったとした場合に想定されるパラメータの値を、パラメータ想定値として算出してもよい。セリフ出力手段は、所定の行動(例えば超必殺技)が含む複数の攻撃のうちの一部の攻撃が第2キャラクタに当たらない可能性を加味したセリフ(例えば「この連続攻撃が全てヒットすれば倒しきれそうだ!」や「全てヒットするか?!どうだ?!」などのセリフ)を出力するようにしてもよい。
【0120】
なお、上記実施形態のように、想定値算出手段が算出するパラメータ想定値と、パラメータ管理手段により管理されるパラメータの値(パラメータ実際値)とが確実に一致する場合、行動結果が表示される前に出力されるセリフと、セリフ出力後に表示される行動結果との整合性をとりやすい。つまり、行動結果の表示前に出力されるセリフも違和感が生じない内容のセリフを設定しやすい。
【0121】
また、所定の行動は、キャラクタの1回の攻撃動作であってもよい。
【0122】
所定の行動に起因して変化するパラメータの変化の度合いは、所定の行動に応じて固定でもよいし、例えばランダムで変動してもよい。例えばある超必殺技のダメージ量は、「30」という固定の値であってもよいし、超必殺技が出るたびに「25」から「35」までの範囲においてランダムで決定されるものであってもよい。パラメータの変化度合い(例えば超必殺技により与えるダメージ量の変化度合い)が、ランダムで変動する値である場合、パラメータの変化度合いが決定されるタイミングは、想定値算出手段によりパラメータ想定値を算出するタイミングに一致していてもよいし、パラメータ想定値を算出するタイミングより後でもよい。
【0123】
パラメータ管理手段により管理されるパラメータは、体力値に関連する値に限定されない。例えば、パラメータは、ゲーム内容に応じて適宜設定される。例えば、パラメータは、スタミナや、マジックポイント、気絶値、状態異常蓄積値(所定の値に到達すると、キャラクタに何らかの状態異常を発生するように制御するためのパラメータ)などであってもよい。例えば、ゲーム空間に配置された第1キャラクタの所定の行動によって、ゲーム空間に配置されたあるオブジェクトを破壊するまたは何らかの影響を与えるゲームでは、パラメータは、オブジェクトに対する破壊度や影響与えた度合いなどであってもよい。例えば、ゲーム空間に配置された第1キャラクタの所定の行動によって、第1キャラクタを育成するまたは別の第2キャラクタを育成する育成ゲームでは、パラメータは、育成対象であるキャラクタの成長度合いであってもよい。
【0124】
上記実施形態では、結果表示手段は、行動演出中に行動結果を表示したが(図11参照)、結果表示手段は、行動演出中の表示が終了した後に、行動結果を表示してもよい。これにより、行動演出中の表示が終了するまで行動結果を表示しないため、行動結果の表示前にパラメータ想定値に応じたセリフを出力する時間を確保しやすくなる。
【0125】
上記実施形態では、キャラクタ制御手段52は、行動演出が表示されている間、キャラクタの行動を制御するためのユーザの操作を受け付けなかったが、キャラクタ制御手段は、行動演出が表示されている間、プレイヤキャラクタの行動を制御するためのユーザ(対戦相手ユーザを含む)の操作を受け付けてもよい。例えば、行動演出中に、ユーザに対して所定の操作が要求されてもよい。例えば行動演出の動画再生中に、制限時間内におけるユーザの所定の操作を受け付けるイベント、いわゆるQTE(Quick Time Event)が実行されてもよい。行動演出中(例えば発動演出中)に、超必殺技を発動させたユーザが所定の操作の入力に成功すると、超必殺技が成功し、操作の入力に失敗すると、超必殺技が失敗するように制御してもよい。この場合、セリフ出力手段は、ユーザの所定の操作の入力が成功した後にセリフを出力してもよいし、所定の操作の入力前に(入力が成功するものとして)セリフを出力してもよい。また、行動演出中(例えば発動演出中)に、超必殺技を発動させたユーザの対戦相手ユーザに対し、所定の操作を受け付けるイベントが実行されてもよい。
【0126】
上記実施形態では、行動結果であるキャラクタの体力残量が、棒状のグラフで表示されたが、行動結果の表示態様は、このようなバー表示に限定されない。例えば、行動結果は、体力残量を示す数またはパラメータ実際値など、パラメータに対応する数値で表示されてもよい。また、例えば、複数のハート形のアイコンの数で体力残量を示すゲームなどでは、行動結果は、パラメータに対応する複数のアイコンで表示されてもよい。
【0127】
また、行動結果は、パラメータに対応する状態や様子を示すキャラクタの画像で示されてもよい。例えば、行動結果が、超必殺技などの攻撃を受けた後の体力残量に応じた結果である場合、行動結果は、上記したようなバー、数値、アイコン数など体力値を直接的に示す態様で表示されなくてもよい。例えば体力残量が残りわずかであるといった行動結果を表示する場合に、行動結果として、傷を負ったキャラクタや瀕死の状態のキャラクタの画像(例えば動画像)を表示させることにより現在の体力残量をほのめかすようにしてもよい。
【0128】
また、行動結果は、ゲーム画面中のゲーム要素に付された、パラメータ実際値に対応する色情報やエフェクト情報であってもよい。ゲーム画面に表示される通常は白色のテキストが、例えばパラメータが所定の範囲になったことを示す行動結果として、赤色のテキストで表示されてもよい。例えば、キャラクタの体力残量が少なくなった場合に、画面中のテキストが白色から赤色に変わったり、背景画像の内容またはその色が変化したりすることも行動結果の表示に含まれる。
【0129】
上記実施形態では、演出表示手段が、キャラクタが所定の行動を開始したときに、所定の行動に応じた行動演出を表示したが、本発明は、行動演出が表示されないゲームにも適用可能である。また、演出表示手段は、発動演出を表示しなくてもよく、行動実行演出ののみ表示してもよい。演出表示手段は、所定の行動が発動し且つ所定の実行条件が満たされたときに、発動演出と行動実行演出の双方を表示してもよい。実行条件も上記実施形態で説明されたものに限定されず、適宜設定される。
【0130】
上記実施形態では、パラメータ管理手段54は、-100%以上で100%以下の範囲で変化するようパラメータを管理したが、パラメータの範囲などは一例にすぎない。例えば、パラメータは、0以上の範囲に制限されてもよい。パラメータがキャラクタの体力残量に関連する場合、パラメータは、体力残量自体であってもよい。この場合、パラメータは、0以上で且つ体力の最大値以下の範囲にある。
【0131】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 :ゲームシステム
2 :ゲーム装置
4 :サーバ装置
5 :制御部
21 :制御部
23 :記憶部
31 :コントローラ
32 :ディスプレイ
33 :スピーカ
41 :制御部
42 :記憶部
50 :ゲーム進行手段
51 :ゲーム空間生成手段
52 :キャラクタ制御手段
52a :キャラクタ制御手段
53 :演出表示手段
54 :パラメータ管理手段
55 :想定値算出手段
56 :結果表示手段
57 :セリフ出力手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11