(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153470
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】撮像装置、検査装置、検査方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062763
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】菱谷 大輔
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB05
2G051AC15
2G051BA01
2G051BB01
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA03
(57)【要約】
【課題】半導体ウエハなどの被撮像物の周縁部を良好に撮像することができる優れた汎用性を有する撮像装置、当該撮像装置を用いて被撮像物の周縁部を検査することができる検査技術、ならびに当該撮像装置を装備する基板処理装置を提供する。
【解決手段】この発明は、被撮像物から離れた位置より被撮像物の周縁部を撮像する撮像位置に向けて照明光を照射する光源と、撮像位置において、光源からの照明光を拡散反射させることで発生する拡散光により周縁部を照明する拡散照明部と、拡散光により照明された周縁部で反射された反射光を被撮像物から離れた位置に導光するガイド部と、を有するヘッド部と、被撮像物から離れた位置でガイド部により導光された反射光を受光して周縁部の像を取得する撮像部と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被撮像物の周縁部を撮像する撮像装置であって、
前記被撮像物から離れた位置より前記被撮像物の周縁部を撮像する撮像位置に向けて照明光を照射する光源と、
前記撮像位置において、前記光源からの前記照明光を拡散反射させることで発生する拡散光により前記周縁部を照明する拡散照明部と、前記拡散光により照明された前記周縁部で反射された反射光を前記被撮像物から離れた位置に導光するガイド部と、を有するヘッド部と、
前記被撮像物から離れた位置で前記ガイド部により導光された前記反射光を受光して前記周縁部の像を取得する撮像部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記拡散照明部は、前記照明光を拡散反射させることで前記周縁部の上面に向う上面拡散光を前記拡散光として発生させる第1上方拡散面を有する撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置であって、
前記第1上方拡散面は、前記周縁部の上面に近づくにしたがって前記照明光が進む方向に傾斜した傾斜面である撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置であって、
前記ガイド部は、前記上面拡散光を受けた前記周縁部の上面で反射された光をさらに反射させることで前記反射光として前記撮像部に導光する上方反射面を有する撮像装置。
【請求項5】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記拡散照明部は、前記照明光を拡散反射させることで前記周縁部の側面に向う側面拡散光を前記拡散光として発生させる側方拡散面を有する撮像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の撮像装置であって、
前記側方拡散面は、前記周縁部の側面に近づくにしたがって前記照明光が進む方向に傾斜した傾斜面である撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の撮像装置であって、
前記ガイド部は、前記側面拡散光を受けた前記周縁部の側面で反射された光をさらに反射させることで前記反射光として前記撮像部に導光する側方反射面を有する撮像装置。
【請求項8】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記拡散照明部は、前記照明光を拡散反射させることで前記周縁部の下面に向う下面拡散光を前記拡散光として発生させる第1下方拡散面を有する撮像装置。
【請求項9】
請求項8に記載の撮像装置であって、
前記第1下方拡散面は、前記周縁部の下面に近づくにしたがって前記照明光が進む方向に傾斜した傾斜面である撮像装置。
【請求項10】
請求項9に記載の撮像装置であって、
前記ガイド部は、前記下面拡散光を受けた前記周縁部の下面で反射された光をさらに反射させることで前記反射光として前記撮像部に導光する下方反射面を有する撮像装置。
【請求項11】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記ヘッド部は、前記拡散照明部および前記ガイド部を一体的に保持する保持部を有する撮像装置。
【請求項12】
請求項11に記載の撮像装置であって、
前記保持部は、前記照明光を拡散反射させることで前記周縁部の上面に向う上面拡散光を前記拡散光として発生させる第2上方拡散面を有する撮像装置。
【請求項13】
請求項12に記載の撮像装置であって、
前記保持部は、前記照明光を拡散反射させることで前記周縁部の下面に向う下面拡散光を前記拡散光として発生させる第2下方拡散面を有する撮像装置。
【請求項14】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記撮像位置と前記被撮像物から退避する退避位置との間で、前記ヘッド部を移動させて前記撮像位置または前記退避位置に位置決めするヘッド駆動部と、
前記被撮像物の周縁部を撮像しない間においては前記ヘッド部が前記退避位置に位置決めされる一方、前記被撮像物の周縁部を撮像する際には前記ヘッド部が前記撮像位置に位置決めるように、前記ヘッド駆動部を制御する位置決め制御部と、
をさらに備える撮像装置。
【請求項15】
被撮像物の周縁部を検査する検査装置であって、
請求項14に記載の撮像装置と、
前記ヘッド部が前記撮像位置に位置決めされた状態で、前記ヘッド部に対して前記被撮像物を一定方向に移動させる移動部と、
前記移動部により前記ヘッド部に対して前記被撮像物が相対移動している間に前記撮像部が取得した前記複数の周縁部の像から前記一定方向に沿った前記被撮像物の周縁部画像を取得する画像取得部と、
前記周縁部画像に基づき前記周縁部を検査する検査部と、
を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項16】
被撮像物の周縁部を検査する検査方法であって、
請求項1ないし14のいずれか一項に記載の撮像装置の前記ヘッド部を前記撮像位置に位置決めしながら前記ヘッド部に対して前記被撮像物を一定方向に相対移動させる工程と、
前記ヘッド部に対して前記被撮像物が相対的に移動している間に前記撮像部が取得した前記複数の周縁部の像を合成して前記一定方向に沿った前記被撮像物の周縁部画像を取得する工程と、
前記周縁部画像に基づき前記周縁部を検査する工程と、
を備えることを特徴とする検査方法。
【請求項17】
基板を保持して回転させる回転機構と、
前記回転機構により回転される前記基板の周縁部に処理液を供給して前記基板の周縁部を処理する処理機構と、
前記周縁部を処理する前または処理した後に前記周縁部を撮像する撮像装置と、を備え、
前記撮像装置は、
前記基板の周縁部から離れた位置より前記基板の周縁部を撮像する撮像位置に向けて照明光を照射する光源と、
前記撮像位置において、前記光源からの前記照明光を拡散反射させることで発生する拡散光により前記周縁部を照明する拡散照明部と、前記拡散光により照明された前記周縁部で反射された反射光を前記基板から離れた離間位置に導光するガイド部と、を有するヘッド部と、
前記基板の周縁部から離れた位置で前記ガイド部により導光された前記反射光を受光して前記周縁部の像を取得する撮像部と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハなどの被撮像物の周縁部を撮像する撮像装置、当該撮像装置により撮像した周縁部画像に基づいて被撮像物を検査する検査技術、ならびに当該撮像装置を装備する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの被撮像物の周縁部に対して種々の処理を施す処理システムが知られている。例えば特許文献1では、基板に塗布材が塗り広げられた後で、基板のベベル部が洗浄される。また、ベベル洗浄工程後に、ベベル部の表面状態を検査してベベル部における塗布材の有無を判定する検査工程が実行される。この検査工程は、ベベル洗浄工程を実行する装置とは異なる装置で実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のシステムでは、ベベル洗浄工程を実行する基板処理装置と、検査工程を実行する検査装置とが相互に分離されている。このため、基板処理装置での不良発生時と検査装置での不良発見に時間差が生じる。これが、歩留まり低下の要因となることがあった。
【0005】
そこで、上記問題を解消するために、基板処理装置に検査装置を組み込むことが考えられる。しかしながら、検査装置は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを基板の周縁部に配置し、当該カメラにより基板の周縁部を撮像する。また、ベベル部の表面状態を検査する場合、様々な方向からベベル部を観察するためのカメラと、カメラに対応して様々な方向からベベル部を照明するための光源が必要となる。つまり、従来の検査装置では、基板の周縁部近傍に配置する構成要素は比較的大きく、基板処理装置への検査装置の組込は困難であった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、半導体ウエハなどの被撮像物の周縁部を良好に撮像することができる優れた汎用性を有する撮像装置、当該撮像装置を用いて被撮像物の周縁部を検査することができる検査技術、ならびに当該撮像装置を装備する基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、被撮像物の周縁部を撮像する撮像装置であって、被撮像物から離れた位置より被撮像物の周縁部を撮像する撮像位置に向けて照明光を照射する光源と、撮像位置において、光源からの照明光を拡散反射させることで発生する拡散光により周縁部を照明する拡散照明部と、拡散光により照明された周縁部で反射された反射光を被撮像物から離れた位置に導光するガイド部と、を有するヘッド部と、被撮像物から離れた位置でガイド部により導光された反射光を受光して周縁部の像を取得する撮像部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の第2の態様は、被撮像物の周縁部を検査する検査装置であって、上記撮像装置と、ヘッド部が撮像位置に位置決めされた状態で、ヘッド部に対して被撮像物を一定方向に相対移動させる移動部と、移動部によりヘッド部に対して被撮像物が相対的に移動している間に撮像部が取得した複数の周縁部の像から一定方向に沿った被撮像物の周縁部画像を取得する画像取得部と、周縁部画像に基づき周縁部を検査する検査部と、を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の第3の態様は、被撮像物の周縁部を検査する検査方法であって、上記撮像装置のヘッド部を撮像位置に位置決めしながらヘッド部に対して被撮像物を一定方向に相対的に移動させる工程と、ヘッド部に対して被撮像物が相対的に移動している間に撮像部が取得した複数の周縁部の像を合成して一定方向に沿った被撮像物の周縁部画像を取得する工程と、周縁部画像に基づき周縁部を検査する工程と、を備えることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明の第4の態様は、基板処理装置であって、基板を保持して回転させる回転機構と、回転機構により回転される基板の周縁部に処理液を供給して基板の周縁部を処理する処理機構と、周縁部を処理する前または処理した後に周縁部を撮像する撮像装置と、を備え、撮像装置は、基板の周縁部から離れた位置より基板の周縁部を撮像する撮像位置に向けて照明光を照射する光源と、撮像位置において、光源からの照明光を拡散反射させることで発生する拡散光により周縁部を照明する拡散照明部と、拡散光により照明された周縁部で反射された反射光を基板から離れた離間位置に導光するガイド部と、を有するヘッド部と、基板の周縁部から離れた位置でガイド部により導光された反射光を受光して周縁部の像を取得する撮像部と、を備えることを特徴としている。
【0011】
このように構成された発明では、光源および撮像部が基板などの被撮像物から離れた位置に配置される一方、ヘッド部が撮像位置に配置される。そして、光源からの照明光を拡散照明部により拡散反射することで発生した拡散光が周縁部を照明する。また、拡散光により照明された周縁部で反射された反射光がガイド部により撮像部に導光される。こうして撮像部により周縁部が撮像される。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、半導体ウエハなどの被撮像物の周縁部を良好に撮像することができ、しかも優れた汎用性を有する撮像装置が得られる。また、この撮像装置を用いることで検査装置の小型化も可能であり、基板処理装置への組み込みも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る基板処理装置の第1実施形態を装備する基板処理システムを示す図である。
【
図2】基板処理装置の第1実施形態の構成を概略的に示す図である。
【
図3】基板処理装置の一部を上方から見た平面図である。
【
図4】
図2および
図3に示す基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】
図5に示すヘッド部の分解組立斜視図である。
【
図7A】上面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。
【
図7C】下面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。
【
図7D】側面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。
【
図8】撮像部により撮像された基板の周縁部および隣接領域の画像を模式的に示す図である。
【
図9】
図1に示す基板処理装置で実行される基板処理を示すフローチャートである。
【
図10】撮像部を用いた基板の全周縁画像の取得動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図10に示す全周縁画像の取得動作にしたがって取得されたベベルエッチング処理後の全周縁画像の一例を示す模式図である。
【
図12】全周縁画像に対して残渣を強調する画像処理を施して取得された残渣強調画像の一例を示す模式図である。
【
図13】本発明に係る撮像装置の第2実施形態に装備されるヘッド部を示す斜視図である。
【
図15】
図13に示すヘッド部のアームへの取付状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明に係る基板処理装置の第1実施形態を装備する基板処理システムを示す図である。基板処理システム200は、基板Sに対して処理を施す基板処理部210と、この基板処理部210に結合されたインデクサ部220とを備えている。インデクサ部220は、基板Sを収容するための容器C(複数の基板Sを密閉した状態で収容するFOUP(Front Opening UnifiedPod)、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッド、OC(Open Cassette)など)を複数個保持することができる容器保持部221と、この容器保持部221に保持された容器Cにアクセスして、未処理の基板Sを容器Cから取り出したり、処理済みの基板Sを容器Cに収納したりするためのインデクサロボット222を備えている。各容器Cには、複数枚の基板Sがほぼ水平な姿勢で収容されている。本明細書では、基板Sの両主面のうちパターンが形成されているパターン形成面(一方主面)を「表面」と称し、その反対側のパターンが形成されていない他方主面を「裏面」と称する。また、下方に向けられた面を「下面」と称し、上方に向けられた面を「上面」と称する。また、本明細書において「パターン形成面」とは、基板において、任意の領域に凹凸パターンが形成されている面を意味する。
【0015】
インデクサロボット222は、装置筐体に固定されたベース部222aと、ベース部222aに対し鉛直軸まわりに回動可能に設けられた多関節アーム222bと、多関節アーム222bの先端に取り付けられたハンド222cとを備える。ハンド222cはその上面に基板Sを載置して保持することができる構造となっている。このような多関節アームおよび基板保持用のハンドを有するインデクサロボットは公知であるので詳しい説明を省略する。
【0016】
基板処理部210は、平面視においてほぼ中央に配置された基板搬送ロボット211と、この基板搬送ロボット211を取り囲むように配置された複数の処理ユニット1とを備えている。具体的には、基板搬送ロボット211が配置された空間に面して複数の処理ユニット1が配置されている。これらの処理ユニット1に対して基板搬送ロボット211はランダムにアクセスして基板Sを受け渡す。一方、各処理ユニット1は基板Sに対して所定の処理を実行する。本実施形態では、これらの処理ユニット1の一つが本発明に係る基板処理装置に相当している。
【0017】
図2は基板処理装置の第1実施形態の構成を概略的に示す図である。
図3は基板処理装置の一部を上方から見た平面図である。
図4は
図2および
図3に示す基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図2、
図3および以下に参照する各図では、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。また、各図には方向関係を明確にするため、Z軸を鉛直方向とし、XY平面を水平面とする座標系を適宜付している。
【0018】
基板処理装置(処理ユニット)1は、回転機構2、飛散防止機構3、処理機構4、周縁加熱機構5および撮像機構6を備えている。これら各部2~6は、処理チャンバ100の内部空間101に収容された状態で、装置全体を制御する制御ユニット9と電気的に接続されている。そして、各部2~6は、制御ユニット9からの指示に応じて動作する。
【0019】
制御ユニット9としては、例えば、一般的なコンピュータと同様のものを採用できる。すなわち、制御ユニット9においては、プログラムに記述された手順に従って主制御部としてのCPUが演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を制御する。これによって、基板処理装置1は、処理チャンバ内で基板Sの上面の周縁部に処理液を供給してベベルエッチング処理を本発明の「処理」の一例として実行する。なお、制御ユニット9の詳しい構成および動作については、後で詳述する。また、本実施形態では、各基板処理装置1に対して制御ユニット9を設けているが、1台の制御ユニットにより複数の基板処理装置1を制御するように構成してもよい。また、基板処理システム200全体を制御する制御ユニット(図示省略)により基板処理装置1を制御するように構成してもよい。
【0020】
回転機構2は、基板Sを、その表面を上方に向けた状態で、略水平姿勢に保持しつつ回転方向AR1(
図3)に回転させる。回転機構2は、基板Sの主面中心を通る鉛直な回転軸AXまわりに回転させる。回転機構2は、基板Sより小さい円板状の部材であるスピンチャック21を備えている。スピンチャック21は、その上面が略水平となり、その中心軸が回転軸AXに一致するように設けられている。スピンチャック21の下面には、回転軸部22が連結されている。回転軸部22は、その軸線を回転軸AXと一致させた状態で、鉛直方向に延設されている。また、回転軸部22には、回転駆動部(例えば、モータ)23が接続されている。回転駆動部23は、制御ユニット9からの回転指令に応じて回転軸部22をその軸線周りに回転駆動する。したがって、スピンチャック21は、回転軸部22とともに回転軸AXまわりに回転可能である。回転駆動部23と回転軸部22とは、スピンチャック21を回転軸AX中心に回転させる機能を担っている。
【0021】
スピンチャック21の中央部には、図示省略の貫通孔が設けられており、回転軸部22の内部空間と連通している。内部空間には、バルブ(図示省略)が介装された配管を介してポンプ24(
図4)が接続されている。ポンプ24およびバルブは、制御ユニット9に電気的に接続されており、制御ユニット9からの指令に応じて動作する。これによって、負圧と正圧とが選択的にスピンチャック21に付与される。例えば基板Sがスピンチャック21の上面に略水平姿勢で置かれた状態でポンプ24が負圧をスピンチャック21に付与すると、スピンチャック21は基板Sを下方から吸着保持する。一方、ポンプ24が正圧をスピンチャック21に付与すると、基板Sはスピンチャック21の上面から取り外し可能となる。また、ポンプ24の吸引を停止すると、スピンチャック21の上面上で基板Sは水平移動可能となる。
【0022】
飛散防止機構3は、
図3に示すように、スピンチャック21に保持された基板Sの外周を囲むように設けられた概略筒状のカップ31と、カップ31の外周部の下方に設けられた液受け部32とを有している。制御ユニット9からの制御指令に応じてガード駆動部33(
図4)が作動することで、カップ31が昇降する。カップ31が下方位置に位置決めされると、
図2に示すように、カップ31の上端部はスピンチャック21に保持された基板Sの周縁部Ssよりも下方に位置する。逆に、カップ31が上方位置に位置決めされると、カップ31の上端部は基板Sの周縁部Ssよりも上方に位置する。
【0023】
カップ31が下方位置にあるときには、
図2に示すように、スピンチャック21に保持される基板Sがカップ31外に露出した状態になっている。このため、例えばスピンチャック21への基板Sの搬入および搬出時にカップ31が障害となることが防止される。
【0024】
一方、カップ31が上方位置にあるときには、カップ31の内周面はスピンチャック21に保持される基板Sの外周を取り囲む。これにより、後述するベベルエッチング処理時に基板Sの周縁部Ssから振り切られる処理液の液滴が処理チャンバ100内に飛散するのを防止することができる。また、処理液を確実に回収することが可能となる。すなわち、基板Sが回転することで基板Sの周縁部Ssから振り切られる処理液の液滴はカップ31の内周面に付着して下方へ流下し、カップ31の下方に配置された液受け部32により集められて回収される。
【0025】
処理機構4は、ベース41と、回動支軸42と、アーム43と、処理液ノズル44とを有している。ベース41は処理チャンバ100に固定されている。このベース41に対し、回動支軸42が回動自在に設けられている。回動支軸42からアーム43が水平に伸びており、その先端に処理液ノズル44が取り付けられている。回動支軸42が制御ユニット9からの制御指令に応じて回動することによりアーム43が揺動し、アーム43先端の処理液ノズル44が、
図3に示すように基板Sの上方から側方へ退避した退避位置(
図3中の2点鎖線位置)と、基板Sの周縁部上方の処理位置(
図3中の実線位置)との間を移動する。
【0026】
処理液ノズル44は処理液供給部45(
図4)に接続されている。そして、制御ユニット9からの供給指令に応じて処理液供給部45が処理液を処理液ノズル44に向けて供給すると、処理液ノズル44から処理開始位置Psに向けて処理液が吐出される。この処理開始位置Psは、基板Sの周縁部Ssが移動する経路上の1点である。したがって、処理液ノズル44が処理液を吐出しつつスピンチャック21が回転することで、基板Sの周縁部Ssの各部は処理開始位置Psを通過する間に処理液の供給を受ける。その結果、基板Sの周縁部Ss全体に対し、処理液によるベベルエッチング処理が実行される。
【0027】
周縁加熱機構5は環状のヒーター51で構成されている。ヒーター51は、基板Sの下面周縁部に沿って基板Sの周方向に延在された発熱体を内蔵している。このヒーター51に対して制御ユニット9から加熱指令が与えられると、発熱体から放出される熱によって基板Sの周縁部Ssが下方から加熱される。それによって、周縁部Ssの温度がベベルエッチング処理に適した値に昇温される。
【0028】
撮像機構6は、本発明の「撮像装置」の第1実施形態に相当している。撮像機構6は、ベース6Aと、回動支軸6Bと、アーム6Cと、ヘッド駆動部6Dと、光源6Eと、撮像部6Fと、ヘッド部6Gと、を有している。ベース6Aは処理チャンバ100に固定されている。このベース6Aに対し、回動支軸6Bが回動自在に設けられている。回動支軸6Bからアーム6Cが水平に伸びており、その先端にヘッド部6Gが取り付けられている。そして、アーム6Cを駆動するヘッド駆動部6D(
図4)に対して制御ユニット9から制御指令が与えられると、当該指令に応じてヘッド駆動部6Dは
図3中の1点鎖線で示すようにアーム6Cを揺動する。これによって、アーム6C先端に取り付けられたヘッド部6Gが、基板Sの上方から側方へ退避した退避位置P1(
図3中の実線位置)と、基板Sの周縁部Ssを撮像する撮像位置P2(
図3中の1点鎖線位置)との間で往復移動する。
【0029】
図3に示すように、撮像位置P2からX方向に離間した離間位置P3に光源6Eおよび撮像部6Fが設けられている。この離間位置P3は、基板Sやカップ31などのベベルエッチング処理を行う各部(回転機構2、飛散防止機構3、処理機構4、周縁加熱機構5)から離間している。光源6Eは、カップ31の外側から撮像位置P2に向けて照明光L1を照射する。このとき、カップ31は下方位置に位置決めされるとともに、ヘッド部6Gが撮像位置P2に位置決めされており、照明光L1がヘッド部6Gに入射する。この照明光L1はヘッド部6Gで拡散反射される。こうして発生する拡散光で基板Sの周縁部Ssは照明される。そして、基板Sの周縁部Ssで反射された反射光L2がさらにヘッド部6Gで反射される。反射光L2はヘッド部6Gから離間位置P3に向けて導光され、撮像部6Fに入射される。これによって、撮像部6Fは基板Sの周縁部Ssの像を取得し、その画像データを制御ユニット9に送る。
【0030】
上記したように、ヘッド部6Gは、光源6Eからの照明光L1を受けて拡散光を発生させ、当該拡散光により基板Sの周縁部Ssを照明する拡散照明機能と、周縁部Ssで反射された反射光L2を撮像部6Fにガイドするガイド機能とを兼ね備えている。以下、ヘッド部6Gの構成および動作を
図5ないし
図8を参照しつつ説明する。
【0031】
図5は撮像機構のヘッド部を示す斜視図である。
図6は
図5に示すヘッド部の分解組立斜視図である。ヘッド部6Gは、3つの拡散面61a~61cを有する拡散照明部61と、3枚のミラー部材62a~62cで構成されるガイド部62と、2つの拡散面63a、63bを有する保持部63と、支持部64とを有している。なお、
図5(および後で説明する
図7A、
図7Cないし
図7D)においては、保持部63を明示するために、保持部63に該当する領域にドットを付している。また、
図5(および後で説明する
図7A、
図7Cないし
図7D)中の太破線領域は、照明光L1により照明される範囲、つまり光源6Eによる照明領域を示している。
【0032】
保持部63は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン:polyetheretherketone)で構成されており、
図6に示すように、X方向と直交する水平方向Yに延設されたプレート部位631と、プレート部位631の(+Y)方向側、つまり基板側で(+X)方向に突出した突出部位632とを有している。保持部63では、
図5および
図6に示すように、突出部位632の(+Y)方向側の端面からプレート部位631の一部領域にかけてY方向に延びる切欠部636が設けられている。切欠部636の鉛直方向サイズは基板Sの厚みよりも幅広であり、
図5に示すように、ヘッド部6Gが撮像位置P2に位置決めされると、切欠部636が基板Sの周縁部Ssおよび周縁部Ssからさらに径方向内側(同図の右手側)に入った領域まで入り込む。このように位置決めされた状態で、プレート部位631のうち切欠部636の鉛直上方領域、(-Y)方向側の領域および鉛直下方領域がそれぞれ基板Sの周縁部Ssの上面Ssu、側面Sseおよび下面Ssdと対向している。切欠部636の鉛直上方領域、(-Y)方向側の領域および鉛直下方領域では、それぞれミラー取付部位633~635が設けられている。そして、ミラー取付部位633~635にミラー部材62a~62cがそれぞれ取り付けられている。なお、本実施形態では、耐薬性や耐熱性などを考慮して、ミラー部材62a~62cはSi(シリコン)で構成されている。
【0033】
一方、突出部位632では、切欠部636の鉛直上方領域においてミラー部材62aに向かって傾斜した傾斜面が形成されており、当該傾斜面が拡散面63aとして機能する。すなわち、拡散面63aは、照明光L1の一部を拡散反射させることで基板Sの周縁部Ssの上面Ssuに向う上面拡散光を発生させるものであり、本発明の「第2上方拡散面」の一例に相当している。なお、拡散面63aにおいて発生する拡散光について、本発明の「第1上方拡散面」として機能する拡散面61aにおいて発生する拡散光と一緒に後で
図7Aを参照しつつ説明する。
【0034】
また、切欠部636の鉛直下方領域においてミラー部材62cに向かって傾斜した傾斜面が形成されており、当該傾斜面が拡散面63bとして機能する。すなわち、拡散面63bは、照明光L1の一部を拡散反射させることで基板Sの周縁部Ssの下面Ssdに向う下面拡散光を発生させるものであり、本発明の「第2下方拡散面」の一例に相当している。なお、拡散面63bにおいて発生する拡散光について、本発明の「第1下方拡散面」として機能する拡散面61cにおいて発生する拡散光と一緒に後で
図7C(周縁部Ssに対して径方向内側に隣接する上面領域)を参照しつつ説明する。
【0035】
このようにミラー部材62a~62cが取り付けられた保持部63が、その(+X)方向側に配置される拡散照明部61と、その(-X)方向側に配置される支持部64とで挟み込まれた状態で一体化されている。
【0036】
拡散照明部61は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン:polytetrafluoroethylene)で構成されている。拡散照明部61は、
図5および
図6に示すように、水平方向Yに延設されたプレート形状を有しており、(+Y)方向側の端部に切欠部611が形成されている。この切欠部611は、(+X)方向側から見てU字を時計方向に90゜回転させた形状を有している。また、拡散照明部61では、切欠部611に沿って傾斜面が設けられている。傾斜面は切欠部611に近づくにしたがって照明光L1が進む方向(-X)方向に傾斜するように仕上げられたテーパー面である。特に、このテーパー面のうち切欠部611の鉛直上方領域、(-Y)方向側の領域および鉛直下方領域がそれぞれ拡散面61a~61cとして機能する。そして、
図5に示すように、拡散面61a~61cが光源6Eによる照明領域(
図5の太破線領域)に位置するとともに拡散面61a、61cがそれぞれ拡散面63a、63bと隣接するように、拡散照明部61は保持部63に対して位置決めされている。
【0037】
図7Aは上面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。
図7Bは
図7Aの部分断面拡大図である。拡散面61aおよび拡散面63aは、
図7Aおよび
図7Bに示すように、照明光L1の一部を拡散反射させることで周縁部Ssを含む基板Sの上面に向う上面拡散光Laを発生させるものであり、本発明の「第1上方拡散面」の一例に相当している。また、拡散面63aも拡散面61aと同様に、上面拡散光Laを発生させる。そして、これらの上面拡散光Laの一部は周縁部Ssの上面および周縁部Ssの隣接領域(周縁部Ssに対して径方向内側に隣接する上面領域)で反射され、反射光L2が発生する。この反射光L2には、周縁部Ssの上面Ssuで反射された反射光(
図7A中の点線矢印参照)と、周縁部Ssの隣接領域の上面で反射された反射光(
図7A中の破線矢印参照)とが含まれており、それらの反射光L2は、さらにミラー部材62aの反射面62a1で反射された後で、離間位置P3に導光される。つまり、なお、反射面62a1は、本発明の「上方反射面」として機能する。そして、反射光は撮像部6Fで受光される。その結果、撮像部6Fによって、周縁部Ssおよび隣接領域の上面の像(以下「上面画像」という)を撮像することが可能となっている。
【0038】
図7Cは下面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。拡散面61cおよび拡散面63bは、基板Sを挟んで、拡散面61aおよび拡散面63aの下方側に位置しており、周縁部Ssおよび隣接領域の下面を下面拡散光で照明する。つまり、拡散面61cは、本発明の「第1下方拡散面」の一例に相当するものであり、
図7Cに示すように、照明光L1の一部を拡散反射させることで周縁部Ssを含む基板Sの下面に向う下面拡散光Lcを発生させる。下面拡散光Lcを発生させる点は、拡散面63bも同様である。そして、これらの下面拡散光Lcの一部は基板Sの周縁部Ssおよび上記隣接領域の下面で反射され、反射光L2が発生する。この反射光L2には、周縁部Ssの下面Ssdで反射された反射光(
図7C中の点線矢印参照)と、周縁部Ssの隣接領域の下面で反射された反射光(
図7C中の破線矢印参照)とが含まれており、それらの反射光L2は、さらにミラー部材62cの反射面62c1で反射された後で、離間位置P3に導光される。つまり、なお、反射面62c1は、本発明の「下方反射面」として機能する。そして、反射光L2は撮像部6Fで受光される。その結果、撮像部6Fによって、周縁部Ssおよび隣接領域の下面の像(以下「下面画像」という)を撮像することが可能となっている。
【0039】
図7Dは側面撮像に寄与する光の進み方を模式的に示す図である。拡散面61bは、
図7Dに示すように、照明光L1の一部を拡散反射させることで基板Sの側面Sse(
図5)に向う側面拡散光Lbを発生させるものであり、本発明の「側方拡散面」の一例に相当している。そして、側面拡散光Lbの一部は基板Sの側面Sseで反射され、反射光L2が発生する。この反射光L2には、基板Sの側面Sseで反射された反射光(
図7A中の点線矢印参照)が含まれており、この反射光は、さらにミラー部材62bの反射面62b1で反射された後で、離間位置P3に導光される。このように反射面62a1は、本発明の「側方反射面」として機能する。
【0040】
撮像部6Fは、物体側テレセントリックレンズで構成される観察レンズ系と、CMOSカメラとを有している。したがって、上記反射光L2のうち観察レンズ系の光軸に平行な光線のみがCMOSカメラのセンサ面に入射され、基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域の像がセンサ面上に結像される。こうして撮像部6Fは基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域を撮像し、例えば
図8に示す画像(=上面画像Ma+側面画像Mb+下面画像Mc)を取得する。そして、その画像を示す画像データを撮像部6Fは制御ユニット9に送信する。
図8は撮像部により撮像された基板の周縁部および隣接領域の画像を模式的に示す図であり、(a)はベベルエッチング処理前の画像を示し、(b)はベベルエッチング処理後の画像を示している。これらの画像から明らかなように、当該画像を解析することで、周方向における基板Sの周縁部の形状やエッチング状況などを示す情報を取得することができる。そして、これらの情報から、スピンチャック21に載置された基板Sの回転軸AXに対する偏心量、基板Sの反り量やベベルエッチング結果(エッチング幅)などを検査することができる。
【0041】
そこで、上記のように構成された撮像機構6を装備する基板処理装置1では、制御ユニット9が、装置各部を制御し、(A)ベベルエッチング処理前の基板検査、(B)アライメント処理、(C)アライメント処理後のベベルエッチング処理および(D)ベベルエッチング処理後の基板検査を実行する。この制御ユニット9は、
図4に示すように、各種演算処理を行う演算処理部91、基本プログラムや画像データを記憶する記憶部92および各種情報を表示するとともに操作者からの入力を受け付ける入力表示部93を有している。そして、制御ユニット9においては、プログラムに記述された手順にしたがって主制御部としての演算処理部91が演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を以下のように制御する。すなわち、演算処理部91は、
図4に示すように、ヘッド部6Gの位置決めを行う位置決め制御部、全周縁画像を取得する全周縁画像取得部、ベベルエッチング処理前の全周縁画像から基板Sの偏心量を導出する偏心量導出部、ベベルエッチング処理前の全周縁画像から基板Sの反り量を導出する反り量導出部、ベベルエッチング処理後の全周縁画像からエッチング幅を導出するエッチング幅導出部、および全周縁画像を画像処理して得られる残渣強調画像から残渣を分析する残渣分析部として機能する。
【0042】
なお、
図4中の符号7は上記偏心量だけ基板Sを移動させて回転軸AXに対する基板Sの偏心を補正する偏心補正機構である。偏心補正機構については、従来周知のものを使用することができるため、ここでは偏心補正機構7の詳しい構成については説明を省略する。
【0043】
図9は
図1に示す基板処理装置で実行される基板処理を示すフローチャートである。基板処理装置1により基板Sにベベルエッチング処理を施す際には、演算処理部91は、ガード駆動部33によりカップ31を下方位置に位置決めし、照明光L1および反射光L2がカップ31により遮光される、いわゆるケラレが発生するのを防止する。また、演算処理部91は、ヘッド駆動部6Dによりヘッド部6Gを退避位置P1(
図3中の1点鎖線位置)に位置決めする。これにより、スピンチャック21の上方に基板搬送ロボット211のハンドが進入するのに十分な搬送空間が形成される。そして、搬送空間の形成完了を確認すると、演算処理部91は、基板搬送ロボット211に基板Sのローディングリクエストを行い、
図1に示すように未処理の基板Sが基板処理装置1に搬入されてスピンチャック21の上面に載置されるのを待つ。そして、スピンチャック21上に基板Sが載置される(ステップS1)。これに続いて、ポンプ24が作動して基板Sがスピンチャック21に吸着保持される。
【0044】
基板Sのローディングが完了すると、基板搬送ロボット211が基板処理装置1から退避する。それに続いて、演算処理部91は、基板Sの全周縁画像を取得する(ステップS2)。
図10は撮像部を用いた基板の全周縁画像の取得動作を示すフローチャートである。演算処理部91は、記憶部92に予め記憶された偏心量取得プログラムにしたがって撮像部6Fの各部およびスピンチャック21を制御する。
【0045】
演算処理部91は、基板Sを吸着保持したスピンチャック21を回転させることで、基板Sを基準位置(回転角度がゼロの位置)に位置決めする(ステップS201)。演算処理部91は、ヘッド駆動部6Dによりヘッド部6Gを退避位置P1から撮像位置P2に移動させ、位置決めする(ステップS202)。これにより、
図5に示すように、ヘッド部6Gの切欠部636が基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域を挟み込むように、位置決めされる。これにより、撮像準備が完了する。
【0046】
次のステップS203で、演算処理部91は光源6Eを点灯させ、ヘッド部6Gによる基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域の拡散照明を開始する。それに続いて、演算処理部91は回転駆動部23に回転指令を与え、スピンチャック21に保持された基板Sの回転を開始する(ステップS204)。その後、基板Sが所定角度だけ回転するごとに、ステップS205~S207が実行される。つまり、撮像部6Fにより例えば
図8(a)に示す画像が取得される(ステップS205)。この画像には、上面画像Ma、側面画像Mbおよび下面画像Mcが含まれており、各画像Ma~Mcを演算処理部91は抽出する(ステップS206)。そして、演算処理部91は、抽出した画像毎に回転などの画像処理を加えながら画像を繋ぎ合わせる(ステップS207)。このような処理は、基板Sが回転軸AXまわりに1回転するまでの間、つまりステップS208で「YES」と判定されるまで実行される。これによって、基板Sの周縁部Ssの上面Ssuを周方向に展開した上面全周縁画像IMa、側面Sseを周方向に展開した側面全周縁画像IMbおよび下面Ssdを周方向に展開した下面全周縁画像IMcを含む基板Sの全周縁画像IMが得られる。
【0047】
演算処理部91は、全周縁画像IMの保存(ステップS209)と並行して、回転駆動部23に回転停止指令を与え、スピンチャック21に保持された基板Sの回転を停止するとともに、光源6Eを消灯させ、照明を停止する(ステップS210)。これに続いて、演算処理部91は、ヘッド駆動部6Dによりヘッド部6Gを撮像位置P2から退避位置P1に移動させ、位置決めする(ステップS211)。
【0048】
こうして取得された全周縁画像IMのうち上面全周縁画像IMaまたは下面全周縁画像IMcには、回転軸AXに対する基板Sの偏心を反映した情報が含まれている。また、側面全周縁画像IMbには、基板Sの反りを反映した情報が含まれている。
【0049】
そこで、本実施形態では、演算処理部91は、全周縁画像IMから基板Sの偏心量および反り量を算出し(ステップS3)、それらの算出値(=偏心量および反り量)の少なくとも一方が許容値以内であるか否かを判定する(ステップS4)。なお、偏心量および反り量の算出方法については、従来より多用されているものを用いることができるため、これでは、それらの算出方法についての説明は省略する。
【0050】
ステップS4で、算出値が許容値を超えていると判定した場合(ステップS4で「NO」)、演算処理部91は、基板Sが不良品である旨を入力表示部93に表示し(ステップS5)、基板Sに対するベベルエッチング処理を中止する。一方、偏心量および反り量が許容値以内であり、基板Sが良品であることを確認すると、演算処理部91は基板Sの偏心を補正する、いわゆるアライメント処理を実行する(ステップS6)。より具体的には、演算処理部91は、スピンチャック21を回転させることで偏心補正機構7によるアライメント補正を実行可能な回転位置に基板Sを位置決めした後、ポンプ24の吸引を停止してスピンチャック21の上面上で基板Sを水平移動可能にする。そして、演算処理部91は偏心補正機構7によりアライメント補正を実行した後で、ポンプ24の吸引を再開してアライメント補正された基板Sをスピンチャック21で吸着保持する。これにより、基板Sの主面中心が鉛直な回転軸AX上に位置し、偏心が解消されている。
【0051】
次に、演算処理部91は、ガード駆動部33によりカップ31を上方位置に上昇させる。これによって、カップ31の内周面はスピンチャック21に保持される基板Sの外周を取り囲む。こうして基板Sへの処理液の供給準備が完了すると、演算処理部91は、回転駆動部23に回転指令を与え、基板Sを保持するスピンチャック21の回転を開始する。また、演算処理部91は周縁加熱機構5のヒーター51を作動させる。これに続いて、演算処理部91は、処理液ノズル44を処理開始位置Psに位置決めした後で、処理液供給部45を制御して処理液を供給する。これにより、基板Sの周縁部Ssの各部が処理開始位置Psを通過する間に、処理液の供給を受ける。その結果、基板Sの周縁部Ss全体に対し、処理液によるベベルエッチング処理が実行される(ステップS7)。そして、演算処理部91は、基板Sのベベルエッチング処理に要する処理時間の経過などを検出すると、処理液供給部45に供給停止指令を与え、処理液の吐出を停止する。それに続いて、演算処理部91は、回転駆動部23に回転停止指令を与え、スピンチャック21の回転を停止させるとともに、ヒーター51による加熱も停止させる。
【0052】
こうしてベベルエッチング処理が完了すると、演算処理部91は、ステップS2と同様に、撮像機構6により、例えば
図11に示すようなベベルエッチング処理後の全周縁画像IMを取得する(ステップS8)。この全周縁画像IMは、上面全周縁画像IMaと、側面全周縁画像IMbと、下面全周縁画像IMcとを含んでいる。特に、上面全周縁画像IMaには、ベベルエッチング処理された領域の像を含んでいる。そこで、本実施形態では、全周縁画像IMの上面全周縁画像IMaに基づき演算処理部91は基板Sを検査する(ステップS9)。つまり、基板Sの周縁部Ssが所望のエッチング幅でベベルエッチングされているか否かを検査し、その検査結果を入力表示部93に表示するとともに、記憶部92に記憶する。また、当該全周縁画像IMに対して残渣を強調する画像処理を加えることで、演算処理部91は、例えば
図12に示すような残渣強調画像IMrを取得する。そして、残渣強調画像IMrに基づき演算処理部91は基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域に残留する残渣Rを検出し、サイズ毎の残渣数を計測してベベルエッチング結果のひとつとして報告する(残渣分析)。
【0053】
検査後、演算処理部91は、基板搬送ロボット211に基板Sのアンローディングリクエストを行い、処理済の基板Sが基板処理装置1から搬出される(ステップS10)。なお、これら一連の工程は繰り返して実行される。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、光源6Eおよび撮像部6Fがベベルエッチング処理を行う装置各部から離れた離間位置P3に配置される一方、ヘッド部6Gのみが撮像位置P2に配置されている。そして、光源6Eが照明光L1をヘッド部6Gの照明領域に向けて照射するとともに、基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域で反射された反射光L2を撮像部6Fに導光することで、周縁部Ssの画像を撮像している。したがって、周縁部Ssを良好に撮像することができる。
【0055】
また、ヘッド部6Gのみを撮像位置P2に配置し、それ以外の光源6Eおよび撮像部6Fがベベルエッチング処理を行う装置各部(=回転機構2+飛散防止機構3+処理機構4+周縁加熱機構5)から離れるように、配置することができる。したがって、装置各部との干渉を回避しながら狭所領域に撮像機構6を組み込むことができ、優れた汎用性が得られる。
【0056】
また、撮像位置P2はベベルエッチング処理を行う処理液の環境下およびヒーター51による加熱環境下にある。この点を考慮し、ヘッド部6GがPEEK、PTFE、Siなどの耐薬性および耐熱性を有する材料で構成されている。したがって、基板処理装置1において、安定して基板Sの周縁部Ssの画像を撮像することができる。その結果、基板Sの偏心量、反り量、エッチング幅などを高精度に検出することができ、優れた検査精度が得られる。また、残渣分析を高精度に行うことができる。
【0057】
さらに、ヘッド部6Gを用いることで、基板Sの周縁部Ssの上面Ssu、側面Sseおよび下面Ssdに対して拡散照明するとともに、上面画像、側面画像および下面画像を一括して撮像することができる。したがって、優れた効率で基板Sの周縁部Ssを多面的に撮像することができる。
【0058】
図13は本発明に係る撮像装置の第2実施形態に装備されるヘッド部を示す斜視図である。
図14は
図13に示すヘッド部の分解組立斜視図である。
図15は
図13に示すヘッド部のアームへの取付状態を模式的に示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違するのは、2点である。一つ目は、保持部63に設けられていた拡散面63a、63bに相当する拡散面61d、61eが拡散照明部61に設けられる一方で、保持部63から拡散面63a、63bが取り除かれている点である。二つ目は、拡散照明部61と保持部63とが相互に嵌合して一体化可能に構成される一方、支持部64を省略している点である。なお、その他の構成は、基本的に第1実施形態と同一である。このため、同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
第2実施形態では、
図13に示すように、(+Y)方向側の端部が(+X)方向側から見て略C字状の切欠部611が形成されている。また、拡散照明部61では、切欠部611に沿って傾斜面が設けられている。傾斜面は切欠部611に近づくにしたがって照明光L1が進む方向(-X)方向に傾斜するように仕上げられたテーパー面である。特に、このテーパー面のうち切欠部611の鉛直上方領域、(-Y)方向側の領域および鉛直下方領域がそれぞれ拡散面61a~61cとして機能する。また、(+Y)方向の斜め上方領域および斜め下方領域が拡散面61d,61eとして機能する。つまり、拡散面61d,61eは第1実施形態における拡散面63a、63bと同様に機能し、拡散面は拡散照明部61に集約されている。
【0060】
このような拡散面の集約に応じて保持部63から突出部位632が取り除かれている。また、保持部63は拡散照明部61と相互に嵌合可能な形状に仕上げられている。すなわち、拡散照明部61と保持部63とは、相互に嵌合されることで、ミラー部材62a~62cを保持しながら一体化される。こうして、第1実施形態よりも少ない部品点数で、ヘッド部6Gが構成される。このヘッド部6Gは、
図15に示すように(-Y)方向側の端部がアーム6Cに取り付けられた状態で、撮像位置P2に位置決めされる。そして、ベベルエッチング処理前(ステップS2)および処理後(ステップS8)、ヘッド部6Gの拡散照明部61が光源6Eからの照明光L1を拡散反射し、拡散光La~Lcによって基板Sの周縁部Ssおよび隣接領域を照明する。また、ヘッド部6Gのガイド部62が、周縁部Ssおよび隣接領域で反射された反射光L2をさらに反射して撮像部6Fに導光する。そして、撮像部6Fが周縁部Ssおよび隣接領域の像を撮像する。
【0061】
以上のように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。また、第2実施形態では、第1実施形態よりも少ない部品点数でヘッド部6Gが構成されている。したがって、撮像機構6の製造コストを低減することができる。
【0062】
また、本発明の「第1上方拡散面」および「第2上方拡散面」にそれぞれ相当する拡散面61a、61dが同一のテーパー面に存在しているため、第1実施形態よりも有利な作用効果が得られる。すなわち、第1実施形態では、拡散面61a、63aがそれぞれ本発明の「第1上方拡散面」および「第2上方拡散面」に相当しており、互いに異なる材質(PTFEとPEEK)で、しかも互いに独立した部品(拡散照明部61、保持部63)に設けられている。したがって、基板Sの周縁部Ssの上面Ssuにおいて比較的大きな照度分布が生じることがある。これに対し、第2実施形態では、同一部材(PTFE)で、しかも連続するテーパー面に設けられているため、照度分布を抑えることができ、上面全周縁画像IMaをより良好に取得することができる。この点については、下面側でも同様である。
【0063】
上記した実施形態では、半導体ウエハなどの基板Sが本発明の「被撮像物」の一例に相当している。離間位置P3が本発明の「被撮像物から離れた位置」の一例に相当している。回転方向AR1が本発明の「一定方向」の一例に相当している。回転機構2が本発明の「移動部」として機能している。全周縁画像取得部が本発明の「画像取得部」として機能している。偏心量導出部、反り量導出部、エッチング幅導出部および残渣分析部が本発明の「検査部」として機能している。このように本実施形態では、回転機構2、撮像機構6および演算処理部91の組み合わせが本発明の「検査装置」として機能している。
【0064】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば実施形態では、基板Sのベベルエッチング幅に対応し、Y方向における上方拡散面61a、61d、63a、下方拡散面61c、61e、63b、ミラー部材62a、62cの長さを設定しているが、例えば
図15に示すように、撮像機構6により撮像すべき範囲に応じて各部の長さを変更してもよい。また、このように拡散面およびミラー部材のY方向長さが互いに異なるヘッド部6Gを用意しておき、撮像対象範囲に応じてヘッド部6Gを選択使用するように構成してもよい。また、拡散面のY方向長さが互いに異なるヘッド部6Gを用意する場合には、ヘッド部6Gの拡散面は連続的な曲面から構成されていてもよい。また、拡散面のY方向長さが互いに異なるヘッド部6Gを用意する場合には、ヘッド部6Gの拡散面は一部が平面から構成されていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、撮像部6Fの観察レンズ系は、物体側テレセントリックレンズで構成しているが、撮像部6Fの観察レンズ系の構成はこれに限られるものではない。撮像部6Fの観察レンズ系は、他のレンズで構成されてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、拡散照明部61および保持部63は、ベベルエッチング処理を行う処理液の環境下およびヒーター51による加熱環境下にあるため、耐薬性および耐熱性を有する材料から構成されることとしている。拡散照明部61および保持部63をそれぞれPTFEおよびPEEKで構成しているが、構成材料はこれらに限定されるものではない。拡散照明部61は、PTFE以外の耐薬性および耐熱性を有する材料から構成されてもよい。保持部63は、PEEK以外の耐薬性および耐熱性を有する材料から構成されてもよい。拡散照明部61および保持部63は、例えば、金属材料、樹脂材料、またはセラミック材料等の表面にPFA等のフッ素樹脂材料がコーティングされる構成でもよい。また、拡散照明部61および保持部63を互いに異なる材料で構成しているが、同一材料で構成してもよい。また、拡散照明部61および保持部63は、耐薬性および耐熱性が要求されない環境下で使用される場合、構成材料は限定されない。拡散照明部61および保持部63は、耐薬性および耐熱性を有しない材料から構成されてもよい。
【0067】
また、拡散照明部61の拡散面61a~61c、拡散面61d、61e、および保持部63の拡散面63a、63bの構成は限定されない。例えば、拡散照明部61または保持部63の少なくとも一部が金属材料から構成される場合、拡散面61a~61c、拡散面61d、61e、または拡散面63a、63bは、金属材料の表面にショットブラスト加工が施されたものでもよい。
【0068】
また、ミラー部材62a~62cについても、Si(シリコン)に限定されるものではない。すなわち、処理液に対する耐薬性および処理温度に対する耐熱性を有する材料であれば、他の材料を用いてもよい。ミラー部材62a~62cは、例えば、耐薬性および耐熱性を有する材料の表面に金属材料が蒸着される構成でもよい。また、ミラー部材62a~62cは、耐薬性および耐熱性が要求されない環境下で使用される場合、構成材料は限定されない。ミラー部材62a~62cは、耐薬性および耐熱性を有しない材料から構成されてもよい。ミラー部材62a~62cは、例えば、耐薬性および耐熱性を有しない材料の表面に金属材料が蒸着される構成でもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、常に全周縁画像IM(
図11)を取得しているが、検査内容に応じて取得すべき画像を選択してもよい。例えば基板Sの偏心を検査する場合、上面全周縁画像IMaのみを取得するように構成してもよい。また、基板Sの反りを検査する場合、側面全周縁画像IMbのみを取得するように構成してもよい。また、基板Sの1回転分の周縁画像を取得しているが、全周縁に限定されるものではなく、例えば検査内容に応じて1回転未満あるいは複数回転分の周縁画像を取得するように構成してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、撮像機構6を固定配置するのに対し、被撮像物である基板Sを移動させることで周縁部を撮像しているが、基板Sを固定しつつ撮像機構6を移動させるように構成してもよい。また、基板Sおよび撮像機構6の両者を移動させてもよい。すなわち、撮像装置(撮像機構6)に対し、被撮像物(基板S)を相対移動させながら撮像装置により被撮像物の周縁部を撮像するように構成してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、基板Sの周縁部Ssをベベルエッチングする基板処理装置1に本発明に係る撮像装置に相当する撮像機構6を組み込んでいるが、撮像装置(撮像機構6)の適用対象はこれに限定されるものではない。被撮像物の周縁部を撮像する撮像装置、当該撮像装置により撮像した周縁部画像に基づいて被撮像物を検査する検査技術などについても、本発明を適用可能である。また、本発明に係る撮像装置に相当する撮像機構6と検査装置は、例えば、塗布膜が形成された基板Sの周縁部に塗布膜の除去液を供給して、基板Sの周縁部の塗布膜を除去する基板処理装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
この発明は、半導体ウエハなどの被撮像物の周縁部を撮像する撮像装置全般、当該撮像装置により撮像した周縁部画像に基づいて被撮像物を検査する検査技術全般、ならびに当該撮像装置を装備する基板処理装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1…基板処理装置
2…回転機構(移動部)
4…処理機構
6…撮像機構(撮像装置)
6D…ヘッド駆動部
6E…光源
6F…撮像部
6G…ヘッド部
9…制御ユニット
61…拡散照明部
61a…第1上方拡散面
61b…側方拡散面
61c…第1下方拡散面
61d…第2上方拡散面
61e…第2下方拡散面
62…ガイド部
62a~62c…ミラー部材
62a1…上方反射面
62b1…側方反射面
62c1…下方反射面
63…保持部
63a…第2上方拡散面
63b…第2下方拡散面
91…演算処理部
AR1…回転方向(一定方向)
AX…回転軸
L1…照明光
L2…反射光
La…上面拡散光
Lb…側面拡散光
Lc…下面拡散光
P1…退避位置
P2…撮像位置
P3…離間位置
S…基板
Ss…(基板の)周縁部
Ssd…(周縁部の)下面
Sse…(周縁部の)側面
Ssu…(周縁部の)上面