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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153491
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】画像解析装置
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/20 20220101AFI20231011BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20231011BHJP
   G06V 20/52 20220101ALI20231011BHJP
【FI】
G06V40/20
G06V10/70
G06V20/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062801
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】眞貝 維摩
(72)【発明者】
【氏名】井戸 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 由紀
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA02
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA02
5L096DA02
5L096FA02
5L096HA11
5L096JA16
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】画像から乳幼児の発達状況を把握する画像解析装置を提供する。
【解決手段】画像解析システム1において、画像解析装置であるサーバ装置2は、乳幼児が撮影された画像データと、当該乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析する機械学習部50と、判定対象の乳幼児が撮影された画像データが入力される入力部51と、機械学習部50で分析した関係に基づいて、入力された判定対象の乳幼児の画像データを入力として、当該判定対象の乳幼児が所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定する推定部52と、推定された判定対象の乳幼児の基準行動を出力する出力部55と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像から乳幼児の発達状況を把握する画像解析装置において、
前記画像解析装置は、
乳幼児が撮影された画像データと、当該乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析する機械学習部と、
判定対象の乳幼児が撮影された画像データが入力される入力部と、
前記機械学習部で分析した関係に基づいて、入力された前記判定対象の乳幼児の画像データを入力として、当該判定対象の乳幼児が前記所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定する推定部と、
推定された前記判定対象の乳幼児の基準行動を出力する出力部と、
を備える、画像解析装置。
【請求項2】
前記機械学習部は、前記乳幼児の画像データおよび前記乳幼児の月齢を示すデータと、当該乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析し、
前記入力部には、前記判定対象の乳幼児の画像データおよび前記判定対象の乳幼児の月齢を示すデータが入力され、
前記推定部は、前記機械学習部で分析した関係に基づいて、入力された前記判定対象の乳幼児の画像データおよび前記判定対象の乳幼児の月齢を示すデータを入力として、当該判定対象の乳幼児が前記所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定する、請求項1に記載の画像解析装置。
【請求項3】
前記乳幼児の発達の目安を示す基準行動と、前記乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報とが、対応づけて記憶されているデータベース部を備え、
前記出力部は、前記判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報を出力する、請求項1または請求項2に記載の画像解析装置。
【請求項4】
前記出力部から出力された前記判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報を、ユーザに対して通知する通知部と、
前記通知に対する応答として、前記ユーザが前記事故への対策を行ったか否かを示す確認情報を受け付ける受付部と、
を備え、
前記通知部は、前記事故への対策を行った確認情報を受け付けたユーザに対しては、前記判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報を再通知しない、請求項3に記載の画像解析装置。
【請求項5】
前記入力部から入力された画像データに顔認識を施すことにより、前記判定対象の乳幼児の画像データを抽出する顔認識部を備え、
前記入力部には、前記顔認識部により抽出された前記判定対象の乳幼児の画像データが入力される、請求項1~請求項4のいずれかに記載の画像解析装置。
【請求項6】
画像から乳幼児の発達状況を把握する画像解析装置で実行される方法であって、
前記方法は、
乳幼児が撮影された画像データと、当該乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析するステップと、
判定対象の乳幼児が撮影された画像データが入力されるステップと、
前記機械学習で分析した関係に基づいて、入力された前記判定対象の乳幼児の画像データを入力として、当該判定対象の乳幼児が前記所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定するステップと、
推定された前記判定対象の乳幼児の基準行動を出力するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像から乳幼児の発達状況を把握する画像解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭内における不慮の事故を未然に防止するシステムが提案されている(特許文献1参照)。従来のシステムでは、監視領域内に存在する危険対象物を認識し、監視領域内に侵入した対象者(乳幼児)が危険対象物へ接近するのを検出し、対象者の保護者が危険対象物から対象者(乳幼児)を遠ざける行動をとれるように支援情報を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-78304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、乳幼児の写っている画像からその乳幼児の発達状況を把握する装置については、何ら提案されていない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、画像から乳幼児の発達状況を把握することのできる画像解析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像解析装置は、画像から乳幼児の発達状況を把握する画像解析装置において、前記画像解析装置は、乳幼児が撮影された画像データと、当該乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析する機械学習部と、判定対象の乳幼児が撮影された画像データが入力される入力部と、前記機械学習部で分析した関係に基づいて、入力された前記判定対象の乳幼児の画像データを入力として、当該判定対象の乳幼児が前記所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定する推定部と、推定された前記判定対象の乳幼児の基準行動を出力する出力部と、を備えている。
【0007】
この構成によれば、機械学習を利用することにより、判定対象の乳幼児が撮影された画像データから、判定対象の乳幼児が所定の基準行動(乳幼児の発達の目安を示す基準行動)のうち何れの基準行動をとっているかを推定して出力することができる。例えば、所定の基準行動には、「首すわり、寝返り、ひとりすわり、はいはい、つかまり立ち、ひとり歩き、階段をのぼる、その場でジャンプする、・・・」などが含まれる。これにより、乳幼児の画像データからその乳幼児の発達状況を把握することができる。
【0008】
また、本発明の画像解析装置では、前記機械学習部は、前記乳幼児の画像データおよび前記乳幼児の月齢を示すデータと、当該乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析し、前記入力部には、前記判定対象の乳幼児の画像データおよび前記判定対象の乳幼児の月齢を示すデータが入力され、前記推定部は、前記機械学習部で分析した関係に基づいて、入力された前記判定対象の乳幼児の画像データおよび前記判定対象の乳幼児の月齢を示すデータを入力として、当該判定対象の乳幼児が前記所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定してもよい。
【0009】
この構成によれば、機械学習を利用することにより、判定対象の乳幼児が撮影された画像データおよび判定対象の乳幼児の月齢を示すデータから、判定対象の乳幼児が所定の基準行動(乳幼児の発達の目安を示す基準行動)のうち何れの基準行動をとっているかを推定することができる。この場合、判定対象の乳幼児が撮影された画像データに加えて、判定対象の乳幼児の月齢を示すデータを用いるため、基準行動の推定の精度を高めることができる。
【0010】
また、本発明の画像解析装置は、前記乳幼児の発達の目安を示す基準行動と、前記乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報とが、対応づけて記憶されているデータベース部を備え、前記出力部は、前記判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報を出力してもよい。
【0011】
この構成によれば、判定対象の乳幼児が所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかが出力されるのに加えて、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報が出力される。これにより、その乳幼児が起こしやすい事故や事故への対策を知ることができる。例えば、乳幼児が起こしやすい事故には、「チャイルドシート未着用による事故や死亡、ベッドやソファから寝返りをして落ちる、・・・」などが含まれる。また、事故への対策には、「チャイルドシートの着用の義務付け、ひとりにしない、・・・」などが含まれる。
【0012】
また、本発明の画像解析装置は、前記出力部から出力された前記判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報を、ユーザに対して通知する通知部と、前記通知に対する応答として、前記ユーザが前記事故への対策を行ったか否かを示す確認情報を受け付ける受付部と、を備え、前記通知部は、前記事故への対策を行った確認情報を受け付けたユーザに対しては、前記判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または前記事故への対策に関する情報を再通知しなくてもよい。
【0013】
この構成によれば、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報がユーザに通知され、その通知をうけたユーザが事故への対策を行った場合、そのユーザには、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報が再通知されない。これにより、ユーザにとって不要な情報が何度も通知されるのを防ぐことができる。
【0014】
また、本発明の画像解析装置は、前記入力部から入力された画像データに顔認識を施すことにより、前記判定対象の乳幼児の画像データを抽出する顔認識部を備え、前記入力部には、前記顔認識部により抽出された前記判定対象の乳幼児の画像データが入力されてもよい。
【0015】
この構成によれば、入力された画像データから顔認識によって判定対象の乳幼児の画像データが抽出されて、入力部に入力される。例えば、入力された画像データに複数の乳幼児が写っていた場合でも、その画像データから顔認識によって判定対象の乳幼児の画像データが抽出され、判定対象の乳幼児が所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定して出力することができる。
【0016】
本発明の方法は、画像から乳幼児の発達状況を把握する画像解析装置で実行される方法であって、前記方法は、乳幼児が撮影された画像データと、当該乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析するステップと、判定対象の乳幼児が撮影された画像データが入力されるステップと、前記機械学習で分析した関係に基づいて、入力された前記判定対象の乳幼児の画像データを入力として、当該判定対象の乳幼児が前記所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定するステップと、推定された前記判定対象の乳幼児の基準行動を出力するステップと、を含んでいる。
【0017】
この方法によっても、上記の装置と同様に、機械学習を利用することにより、判定対象の乳幼児が撮影された画像データから、判定対象の乳幼児が所定の基準行動(乳幼児の発達の目安を示す基準行動)のうち何れの基準行動をとっているかを推定して出力することができる。例えば、所定の基準行動には、「首すわり、寝返り、ひとりすわり、はいはい、つかまり立ち、ひとり歩き、階段をのぼる、その場でジャンプする、・・・」などが含まれる。これにより、乳幼児の画像データからその乳幼児の発達状況を把握することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像から乳幼児の発達状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態における画像解析システムの構成を示すブロック図である。
図2】乳幼児の基準行動と起こりやすい事故に関する情報の一例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態における画像解析システムの動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態の画像解析装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、画像から乳幼児の発達状況を把握するシステム等に用いられる画像解析装置の場合を例示する。
【0021】
本発明の実施の形態の画像解析装置の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の画像解析システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像解析システム1は、サーバ装置2と、ユーザ装置3で構成されている。サーバ装置2とユーザ装置3は、ネットワーク4で互いに通信可能に接続されている。例えば、サーバ装置2は、画像から乳幼児の発達状況を把握するサービスの提供者が所有するクラウドサーバ等であり、ユーザ装置3は、サービスの利用者(例えば、乳幼児の保護者)が所有するスマートフォン等の端末装置である。本実施の形態では、サーバ装置2が画像解析装置に相当する。
【0022】
図1に示すように、サーバ装置2は、画像解析処理部5と、ユーザ通知処理部6を備えている。画像解析処理部5は、乳幼児の画像解析に関する機能として、機械学習部50と、入力部51と、推定部52と、顔認識部53と、データベース部54と、出力部55を備えている。また、ユーザ通知処理部6は、ユーザ通知に関する機能として、通知部60と、受付部61を備えている。
【0023】
機械学習部50は、乳幼児が撮影された画像データおよび乳幼児の月齢を示すデータと、その乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係を、機械学習により分析する機能を備えている。この機械学習には、ニューラルネットワークによるディープラーニング等の任意の手法が用いられる。
【0024】
例えば、ニューラルネットワークであれば、乳幼児が撮影された画像データおよび乳幼児の月齢を示すデータを入力層に入力し、その乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動を出力層から出力するように構成する。そして、入力層に入力するデータと出力層から出力されるデータとが紐付けられた分析用データ(教師データ)を用いた教師あり学習によって、ニューラルネットワークのニューロン間の重み付け係数が最適化される。
【0025】
入力部51には、判定対象の乳幼児が撮影された画像データおよび判定対象の乳幼児の月齢を示すデータが入力される。判定対象の乳幼児の画像データは、ユーザ装置3のカメラ機能を用いて、判定対象の乳幼児を撮影することによって取得することができる。なお、判定対象の乳幼児の画像データは、静止画像の画像データに限らず、動画像の画像データ(動画データ)であってもよい。判定対象の乳幼児の月齢は、現在の日付(年月日)とユーザデータ登録(後述する)された乳幼児の誕生日から算出することができる。
【0026】
推定部52は、機械学習部50で分析した関係に基づいて、入力された判定対象の乳幼児の画像データおよび判定対象の乳幼児の月齢を示すデータを入力として、その判定対象の乳幼児が所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定する機能を備えている。例えば、上記のニューラルネットワークであれば、判定対象の乳幼児の画像データおよび判定対象の乳幼児の月齢を示すデータを入力層に入力し、その判定対象の乳幼児がとっている基準行動を推定して出力を出力層から出力することにより、判定対象の乳幼児の基準行動の推定が行われる。
【0027】
顔認識部53は、入力部51から入力された画像データに顔認識を施すことにより、判定対象の乳幼児の画像データを抽出する機能を備えている。例えば、画像データに複数の乳幼児が写っている場合には、顔認識によって判定対象の乳幼児の画像データを抽出することができる。顔認識が行われた場合、入力部51には、顔認識部53により抽出された判定対象の乳幼児の画像データが入力される。なお、乳幼児の顔認識には、公知の技術を利用することができる。
【0028】
データベース部54には、乳幼児の発達の目安を示す基準行動と、乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報とが、対応づけて記憶されている。図2には、乳幼児の基準行動と起こりやすい事故に関する情報の一例が示される。図2の例では、乳幼児の基準行動として、例えば「首すわり」「寝返り」「ひとりすわり」「はいはい」などが示されている。また、図2の例では、起こりやすい事故として、例えば「交通事故(チャイルドシート未着用、車内での熱中症)」「誤飲・窒息(枕などによる窒息、ヒモなどが首にからまる、小さなものを誤飲する)」「火傷(熱いお風呂に入れてしまう、熱いものに手を入れる、熱いものをひっくりかえす)」「転倒・転落(抱っこヒモから落下、ベッドやソファから寝返りで落下)」「水の事故(お風呂などに落としてしまう)」などが示されている。
【0029】
なお、図2はあくまで一例であり、乳幼児の基準行動と起こりやすい事故に関する情報は、これに限定されない。また、図2の例では、事故への対策に関する情報が示されていないが、データベース部54には、乳幼児の基準行動と起こりやすい事故に関する情報とあわせて、事故への対策に関する情報(例えば「チャイルドシートをしっかり着用する」など)も記憶されていてもよい。
【0030】
出力部55からは、推定部52で推定された判定対象の乳幼児の発達の目安を示す基準行動や、乳幼児が起こしやすい事故および/またはその事故への対策に関する情報(以下、基準行動・事故対策情報ともいう)が出力される。
【0031】
通知部60は、出力部55から出力された判定対象の乳幼児の発達の目安を示す基準行動や、乳幼児が起こしやすい事故および/またはその事故への対策に関する情報(基準行動・事故対策情報)を、ユーザ装置3に送信することによって、ユーザへの通知を行う機能を備えている。受付部61は、上記ユーザへの通知に対する応答として、ユーザが事故への対策を行ったか否かを示す確認情報をユーザ装置3から受信する機能を備えている。また、通知部60は、事故への対策を行った確認情報を受け付けたユーザに対しては、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報を再通知しない機能を備えている。
【0032】
ユーザ装置3は、撮影部7と、ユーザ入力部8と、表示部9を備えている。撮影部7は、カメラ機能を備えており、乳幼児の画像データを撮影することができる。ユーザ入力部8からは、乳幼児の誕生日などのユーザデータ登録が行われる。表示部9には、乳幼児の発達の目安を示す基準行動や、乳幼児が起こしやすい事故および/またはその事故への対策に関する情報(基準行動・事故対策情報)が表示される。ユーザ入力部8からは、ユーザが表示部9に表示された基準行動・事故対策情報を確認したことを示す確認情報などのユーザ入力を行うことができる。
【0033】
以上のように構成された画像解析システム1について、図3のシーケンス図を参照してその動作を説明する。
【0034】
図3に示すように、本実施の形態の画像解析システム1では、サーバ装置2の機械学習部50で、乳幼児が撮影された画像データおよび乳幼児の月齢を示すデータと、その乳幼児の発達の目安を示す所定の基準行動との関係が、機械学習により分析される(S1)。また、ユーザ装置3のユーザ入力部8で、乳幼児の誕生日などのユーザデータ登録が行われる(S2)。登録されたユーザデータ(乳幼児の誕生日など)は、ユーザ装置3からサーバ装置2へ送信される(S3)。
【0035】
ユーザ装置3の撮影部7で、判定対象の乳幼児の画像データを撮影すると(S4)、撮影された乳幼児の画像データが、ユーザ装置3からサーバ装置2へ送信される(S5)。サーバ装置2の入力部51に画像データが入力されると(S6)、入力された画像データに顔認識が施され、判定対象の乳幼児の画像データが抽出される(S7)。そして、サーバ装置2の推定部52で、機械学習部50で分析した関係に基づいて、入力された判定対象の乳幼児の画像データおよび判定対象の乳幼児の月齢を示すデータを入力として、その判定対象の乳幼児が所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかが推定される(S8)。
【0036】
判定対象の乳幼児の基準行動が推定されると、サーバ装置2では、その基準行動に対応づけられている乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報(事故対策情報)が、データベース部54から抽出される(S9)。そして、サーバ装置2からは、推定部52で推定された判定対象の乳幼児の発達の目安を示す基準行動とともに、データベース部54から抽出された乳幼児が起こしやすい事故および/またはその事故への対策に関する情報(基準行動・事故対策情報)が出力される(S10)。
【0037】
出力部55から出力された基準行動・事故対策情報は、サーバ装置2からユーザ装置3へ送信され(S11)、ユーザ装置3の表示部9に表示される(S12)。ユーザ装置3で、ユーザが事故への対策を行ったか否かを示す確認情報が入力されると(S13)、入力された確認情報は、ユーザ装置3からサーバ装置2へ送信される(S14)。事故への対策を行った確認情報を受け付けたユーザに対しては、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報が再通知されない。
【0038】
このような本実施の形態の画像解析装置によれば、機械学習を利用することにより、判定対象の乳幼児が撮影された画像データから、判定対象の乳幼児が所定の基準行動(乳幼児の発達の目安を示す基準行動)のうち何れの基準行動をとっているかを推定して出力することができる。例えば、所定の基準行動には、「首すわり、寝返り、ひとりすわり、はいはい、つかまり立ち、ひとり歩き、階段をのぼる、その場でジャンプする、・・・」などが含まれる。これにより、乳幼児の画像データからその乳幼児の発達状況を把握することができる。
【0039】
本実施の形態では、機械学習を利用することにより、判定対象の乳幼児が撮影された画像データおよび判定対象の乳幼児の月齢を示すデータから、判定対象の乳幼児が所定の基準行動(乳幼児の発達の目安を示す基準行動)のうち何れの基準行動をとっているかを推定することができる。この場合、判定対象の乳幼児が撮影された画像データに加えて、判定対象の乳幼児の月齢を示すデータを用いるため、基準行動の推定の精度を高めることができる。
【0040】
また、本実施の形態では、判定対象の乳幼児が所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかが出力されるのに加えて、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報が出力される。これにより、その乳幼児が起こしやすい事故や事故への対策を知ることができる。例えば、乳幼児が起こしやすい事故には、「チャイルドシート未着用による事故や死亡、ベッドやソファから寝返りをして落ちる、・・・」などが含まれる。また、事故への対策には、「チャイルドシートの着用の義務付け、ひとりにしない、・・・」などが含まれる。
【0041】
また、本実施の形態では、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報がユーザに通知され、その通知をうけたユーザが事故への対策を行った場合、そのユーザには、判定対象の乳幼児が起こしやすい事故および/または事故への対策に関する情報が再通知されない。これにより、ユーザにとって不要な情報が何度も通知されるのを防ぐことができる。
【0042】
また、本実施の形態では、入力された画像データから顔認識によって判定対象の乳幼児の画像データが抽出されて、入力部51に入力される。例えば、入力された画像データに複数の乳幼児が写っていた場合でも、その画像データから顔認識によって判定対象の乳幼児の画像データが抽出され、判定対象の乳幼児が所定の基準行動のうち何れの基準行動をとっているかを推定して出力することができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0044】
例えば、以上の説明では、画像解析システム1が、サーバ装置2とユーザ装置3で構成される例(サーバ装置2とユーザ装置3がネットワーク通信を介して動作する例)について説明したが、本発明の画像解析システム1は、ユーザ装置3のみで構成されてもよい。すなわち、ユーザ装置3が画像解析処理部5の機能を備えており、ユーザ装置3が(サーバ装置2とのネットワーク通信を必要とすることなく)スタンドアローンで動作することが可能であってもよい。
【0045】
また、画像解析システム1は、乳幼児のいる場所や近くにあるものを画像認識で推定して、乳幼児がどのような状況にあるか(例えば、乳幼児が車内にいるか否か、乳幼児が沐浴しているか否か、等)を判定する機能を備えてもよい。
【0046】
さらに、画像解析システム1は、すでに一度、起こりやすい事故(例えば「熱いものをひっくりかえす」など)をユーザに通知した後であっても、乳幼児の近くに事故の原因となり得るもの(例えば「味噌汁」など)が画像認識で検知された場合には、起こりやすい事故(例えば「熱いものをひっくりかえす」など)をユーザに改めて通知(再通知)してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかる画像解析装置は、画像から乳幼児の発達状況を把握することができるという効果を有し、画像から乳幼児の発達状況を把握するシステム等として有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 画像解析システム
2 サーバ装置(画像解析装置)
3 ユーザ装置
4 ネットワーク
5 画像解析処理部
50 機械学習部
51 入力部
52 推定部
53 顔認識部
54 データベース部(DB部)
55 出力部
6 ユーザ通知処理部
60 通知部
61 受付部
7 撮影部
8 ユーザ入力部
9 表示部
図1
図2
図3