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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153500
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】建物の壁構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20231011BHJP
【FI】
E04B1/94 K
E04B1/94 L
E04B1/94 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062814
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】木下 晃一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 良清
(72)【発明者】
【氏名】針金 奏一郎
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ バン ニー
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001DE04
2E001FA03
2E001FA10
2E001FA53
2E001FA63
2E001FA71
2E001GA52
2E001GA56
2E001HA03
2E001HB01
2E001KA05
2E001MA08
(57)【要約】
【課題】上下に配置された内装ボードの端面間の横目地が火災の熱で広がっても、当該横目地を的確に塞ぐことができる建物の壁構造を提供する。
【解決手段】この壁構造は、内装ボードである石こうボード1が下側の石こうボード1と上側の石こうボード1とに分かれており、上記下側の石こうボード1の上辺部と上記上側の石こうボード1の下辺部が、下地材における横下地材3の屋内側面にビス固定された建物の壁構造であって、上記下側の石こうボード1の上端面と上記上側の石こうボード1の下端面との間の横目地に、熱により膨張する熱膨張性耐火材7を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装ボードが下側の内装ボードと上側の内装ボードとに分かれており、上記下側の内装ボードの上辺部と上記上側の内装ボードの下辺部が、下地材における横下地材の屋内側面に固定された建物の壁構造であって、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に、熱により膨張する熱膨張性耐火材を備えることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項2】
請求項1に記載の建物の壁構造において、上記下側の内装ボードの屋外側面の上辺部と上記上側の内装ボードの屋外側面の下辺部の少なくとも一方に、上記熱膨張性耐火材を備えることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項3】
請求項1に記載の建物の壁構造において、上記横下地材の屋内側面に接合される接合部位と、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する突出部位と、を有する略L字形または略T字形の支持部材を備えており、
上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する上記熱膨張性耐火材が、上記突出部位によって支持されることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項4】
請求項2に記載の建物の壁構造において、上記横下地材の屋内側面に接合される接合部位と、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する突出部位と、を有する略L字形または略T字形の支持部材を備えており、
上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する上記熱膨張性耐火材が、上記突出部位によって支持され、
上記下側の内装ボードの屋外側面の上辺部と上記上側の内装ボードの屋外側面の下辺部の少なくとも一方に位置する上記熱膨張性耐火材が、上記接合部位の屋内側面で支持されることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項5】
請求項3に記載の建物の壁構造において、上記支持部材は、短尺物で上記横下地材に点在配置されており、複数の上記支持部材によって長尺の上記熱膨張性耐火材が支持されることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項6】
請求項3~請求項5のいずれか1項に記載の建物の壁構造において、上記内装ボードの屋内側からねじ込まれたビスが、上記支持部材の上記接合部位および上記横下地材にねじ込まれることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項7】
請求項2に記載の建物の壁構造において、上記熱膨張性耐火材自体が、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する第1部位と、上記下側の内装ボードの屋外側面の上辺部と上記上側の内装ボードの屋外側面の下辺部の少なくとも一方に位置する第2部位とを有して断面が略L字形または略T字形であることを特徴とする建物の壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防耐火性を有する建物の壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、縦方向に継がれた石こうボードの横目地に発生した隙間における耐火性能を向上させる耐火壁が開示されている。すなわち、この耐火壁は、図8および図9に示すように、下側の石こうボード83と上側の石こうボード83とに分けられて配置されている壁構造であって、縦下地材81の他に、下側の石こうボード83の上辺部および上側の石こうボード83の下辺部が固定される横下地材82も備えている。そして、横下地材82の屋内側面と石こうボード83との間に、シート状の熱膨張性耐火材85を設けている。
【0003】
このような耐火壁に対して屋外で発生した火災の熱が伝わると、この耐火壁の縦下地材81が線膨張し、下側の石こうボード83の上端面と上側の石こうボード83の下端面との間の横目地が広がるが、火災の熱で上記熱膨張性耐火材85が膨張することで、上記横目地における横下地材82の側を塞ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-66680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構造では、火災の熱で上記熱膨張性耐火材85が膨張しても、上記横目地における横下地材82の側が封止されるだけであるため、必要とされる防耐火性能を確保できないおそれがある。
【0006】
この発明は、上下に配置された内装ボードの端面間の横目地が火災の熱で広がっても、当該横目地を的確に塞ぐことができる建物の壁構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の建物の壁構造は、内装ボードが下側の内装ボードと上側の内装ボードとに分かれており、上記下側の内装ボードの上辺部と上記上側の内装ボードの下辺部が、下地材における横下地材の屋内側面に固定された建物の壁構造であって、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に、熱により膨張する熱膨張性耐火材を備えることを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、屋外の火災の熱によって当該壁構造の上記下地材が線膨張し、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地が広がったとしても、この横目地に位置する上記熱膨張性耐火材が上記熱で膨張して当該横目地を的確に塞ぐことができる。すなわち、上記横目地における横下地材に近い側だけでなく当該横目地の屋内側までの全体が、上記熱膨張性耐火材によって封止されるので、上記横目地部位での屋内側の表面温度上昇および燃え抜けを抑制することができる。
【0009】
上記下側の内装ボードの屋外側面の上辺部と上記上側の内装ボードの屋外側面の下辺部の少なくとも一方に、上記熱膨張性耐火材を備えてもよい。これによれば、上記横下地材と上記内装ボードの屋外側面との間に生じる隙間も、上記熱膨張性耐火材の膨張によって塞ぐことができる。
【0010】
上記横下地材の屋内側面に接合される接合部位と、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する突出部位と、を有する略L字形または略T字形の支持部材を備えており、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する上記熱膨張性耐火材が、上記突出部位によって支持されてもよい。これによれば、上記内装ボードの端面に直に上記熱膨張性耐火材を貼り付けることが難しい場合でも、上記支持部材によって、上記熱膨張性耐火材を上記内装ボードの端面に位置させることができる。また、上記支持部材が熱伝導性の良い金属(鋼板等)からなれば、屋外の火災の熱が上記接合部位から上記突出部位に素早く伝わり、早期に上記熱膨張性耐火材を膨張させることができ、また、上記熱膨張性耐火材を極力均一に膨張させることも可能になる。また、柱前位置で横下地材が途切れる構造の場合でも、上記支持部材を柱前に位置させて、当該柱前位置の耐火性能の向上を図ることができる。
【0011】
上記横下地材の屋内側面に接合される接合部位と、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する突出部位と、を有する略L字形または略T字形の支持部材を備えており、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する上記熱膨張性耐火材が、上記突出部位によって支持され、上記下側の内装ボードの屋外側面の上辺部と上記上側の内装ボードの屋外側面の下辺部の少なくとも一方に位置する上記熱膨張性耐火材が、上記接合部位の屋内側面で支持されていてもよい。これによれば、上記横下地材と上記内装ボードの屋外側面との間に生じる隙間も、上記熱膨張性耐火材の膨張によって塞ぐことができる。
【0012】
上記支持部材は、短尺物で上記横下地材に点在配置されており、複数の上記支持部材によって長尺の上記熱膨張性耐火材が支持されてもよい。これによれば、上記支持部材として使用する材料量を削減することができる。
【0013】
上記内装ボードの屋内側からねじ込まれたビスが、上記支持部材の上記接合部位および上記横下地材にねじ込まれてもよい。これによれば、上記内装ボードを上記横下地材にビス固定する作業で上記支持部材も同時に上記横下地材にビス固定されるので、壁施工の作業性が向上する。
【0014】
上記熱膨張性耐火材自体が、上記下側の内装ボードの上端面と上記上側の内装ボードの下端面との間の横目地に位置する第1部位と、上記下側の内装ボードの屋外側面の上辺部と上記上側の内装ボードの屋外側面の下辺部の少なくとも一方に位置する第2部位とを有して断面が略L字形または略T字形をなしてもよい。これによれば、上記支持部材を用いなくて済むので使用材料量を低減できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明であれば、屋外の火災の熱によって下地材が線膨張し、上下の内装ボード間の横目地が広がったとしても、熱膨張性耐火材の膨張による上記横目地の広がりを適切に封止し、上記横目地の箇所での屋内側の表面温度上昇および燃え抜けを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の建物の壁構造の室内側から見た正面図およびこの正面図のA-A矢視断面図である。
図2】実施形態の建物の壁構造で用いることができる縦下地材と横下地材の金物による相互固定を示した説明図である。
図3】実施形態の建物の壁構造の部分縦断面の拡大図である。
図4図3のB矢示部の拡大図である。
図5図4に示された支持部材および熱膨張性耐火材の概略の斜視図である。
図6】他の実施形態の建物の壁構造の室内側から見た正面図である。
図7】他の実施形態を示す図であって、支持部材を用いずに配置された熱膨張性耐火材を示した概略の斜視図である。
図8】従来の建物の壁構造の室内側から見た正面図およびこの正面図のC-C矢視断面図である。
図9】従来の建物の壁構造の部分縦断面の概略の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。この建物の壁構造は、図1に示すように、外壁部101と内壁部102とを備えており、上記内壁部102においては、内装ボードである石こうボード1が、下側の石こうボード1と上側の石こうボード1とに分けられて配置されている。このように上下に分離配置される石こうボード1を備える構造では、下地材として、縦下地材2の他、下側の石こうボード1の上辺部および上側の石こうボード1の下辺部がビス固定される横下地材3も備えている。また、柱4が位置する箇所では、縦下地材2は、当該柱4に対して横方向に離間している。
【0018】
上記石こうボード1における縦下地材2および横下地材3への固定は、室内側から石こうボード1にねじ込んだボード固定ビス5を、当該縦下地材2および横下地材3にさらにねじ込むことにより行われる。また、上記下側の石こうボード1の上辺部と上記上側の石こうボード1の下辺部が上記横下地材3の屋内側面にビス固定されるため、これら上下配置の石こうボード1間には、横目地が形成される。なお、縦下地材2および横下地材3は、木材或いは軽量鉄骨からなる。木材の場合、縦下地材2に横下地材3が例えばステープラにより固定される。軽量鉄骨の角パイプの場合は、例えば、図2に示すように、固定金物31を用いることができる。この固定金物31の両側の平板部は、縦下地材2の側面にビス固定される。そして、固定金物31の中央側部分が横下地材3の端部開口に挿入されることで、この固定金物31を介して、横下地材3が縦下地材2に保持される。
【0019】
上記横下地材3の屋内側面には、支持部材6(図1では黒塗りで示している)が設けられている。この支持部材6は、長尺物であり、複数の柱4および縦下地材2を跨いで位置している。
【0020】
支持部材6は、この実施形態では、図3および図4に示すように、縦断面が略T字形の鋼材であり、上記横下地材3の屋内側面に接合される接合部位61と、下側の石こうボード1の上端面と上側の石こうボード1の下端面との間の横目地に位置する突出部位62と、を有している。上記接合部位61は、例えば、接着剤や両面テープ等によって、上記横下地材3の屋内側面に仮止めされる。
【0021】
図5にも示すように、上記支持部材6によって熱膨張性耐火材7が支持されている。この熱膨張性耐火材7は、例えば、200℃以上の熱を受けて、数倍から数十倍に膨張するゴム系或いは樹脂系のシート状断熱材である。上記接合部位61の屋内側面には、熱膨張性耐火材7における縦配置部71が貼付されている。縦配置部71は、下側の石こうボード1の屋外側面の上辺部と上側の石こうボード1の屋外側面の下辺部に対向する。また、突出部位62の上面および下面には、熱膨張性耐火材7における横配置部72が貼付されている。下面の横配置部72は、下側の石こうボード1の上端面(上小口)に対向し、上面の横配置部72は、上側の石こうボード1の下端面(下小口)に対向する。なお、熱膨張性耐火材7が貼付済の支持部材6が現場に搬入されることで、現場で支持部材6に熱膨張性耐火材7を貼付する作業を省くことができる。
【0022】
支持部材6は、石こうボード1を縦下地材2および横下地材3へ固定するためにねじ込まれたボード固定ビス5によって、横下地材3に固定される。
【0023】
上記の壁構造であれば、屋外の火災の熱によって当該壁構造の上記縦下地材2が線膨張し、上記下側の石こうボード1の上端面と上記上側の石こうボード1の下端面との間の横目地が広がったとしても、この横目地に位置する上記熱膨張性耐火材7の横配置部72が上記熱で膨張して当該横目地を的確に塞ぐことができる。すなわち、上記横目地における横下地材3に近い側だけでなく当該横目地の屋内側までの全体が、熱膨張性耐火材7の横配置部72によって封止されるので、上記横目地部位での屋内側の表面温度上昇および燃え抜けを抑制することができる。
【0024】
また、上記下側の石こうボード1の屋外側面の上辺部と上記上側の石こうボード1の屋外側面の下辺部に、熱膨張性耐火材7における縦配置部71を備えるので、上記横下地材3と上記石こうボード1の屋外側面との間に生じる隙間も、縦配置部71の膨張によって塞ぐことができる。なお、上記下側の石こうボード1の屋外側面の上辺部と上記上側の石こうボード1の屋外側面の下辺部の両方ではなく、一方に熱膨張性耐火材7における縦配置部71を備えてもよい。
【0025】
上記支持部材6の突出部位62に熱膨張性耐火材7の横配置部72が支持される構造であれば、石こうボード1の端面に直に熱膨張性耐火材7を貼り付けることが難しい場合でも、上記支持部材6によって、横配置部72を石こうボード1の端面に位置させることができる。また、支持部材6が熱伝導性の良い金属(鋼板等)からなれば、屋外の火災の熱が上記接合部位61から上記突出部位62に素早く伝わり、早期に上記熱膨張性耐火材7を膨張させることができ、また、上記熱膨張性耐火材7を極力均一に膨張させることも可能になる。また、横下地材3が途切れる柱前位置でも、上記支持部材6を位置させて、当該柱前位置の耐火性能の向上を図ることもできる。なお、支持部材6は、上記のような略T字形に限らず、略L字形であっても、その突出部位62の上面および下面に熱膨張性耐火材7の横配置部72を支持することができる。
【0026】
また、上記ボード固定ビス5によって、支持部材6が横下地材3に固定される構造であると、石こうボード1を上記横下地材3にビス固定する作業で上記支持部材6も同時に上記横下地材3にビス固定されるので、壁施工の作業性が向上する。なお、支持部材6を横下地材3に接着剤や両面テープ等で仮固定しておくと、壁施工の作業性がさらに向上する。
【0027】
図6に示すように、複数の支持部材6Aを用いる構造としてもよい。すなわち、支持部材6Aは短尺物で横下地材3に点在配置されており、複数の上記支持部材6Aによって長尺の熱膨張性耐火材7が支持されてもよい。これによれば、上記支持部材6Aに必要な材料量を削減することができる。
【0028】
上記の例は、支持部材6、6Aを用いる壁構造例であったが、支持部材6、6Aを用いない構造とすることもできる。例えば、図7に示すように、断面が略T字形である熱膨張性耐火材7Aを用いる。この熱膨張性耐火材7Aは、例えば、熱膨張性耐火シートを略T字形に折り曲げることで作製されたものであり、下側の石こうボード1の上端面と石こうボード1の下端面との間の横目地に位置する第1部位7A1(横配置部72に相当)と、上記下側の石こうボード1の屋外側面の上辺部と上記上側の石こうボード1の屋外側面の下辺部の両方に位置する第2部位7A2(縦配置部71に相当)とを有する。
【0029】
熱膨張性耐火材7Aは、片面にアルミ箔等の金属箔7A3が形成された熱膨張性耐火シートを折り曲げて作製されており、第1部位7A1・7A1間に金属箔7A3を備える構造になっている。これにより、金属箔7A3によって、第1部位7A1にも火災時の熱が良好に伝わり、火災時に第1部位7A1を素早く膨張させることができる。
【0030】
熱膨張性耐火材7Aは、略T字形であったが、これに限らず、上記下側の石こうボード1の屋外側面の上辺部と上記上側の石こうボード1の屋外側面の下辺部の一方のみに第2部位7A2(縦配置部71に相当)を位置させる略L字形であってもよい。この略L字形とする構成において、第1部位7A1・7A1間に金属箔7A3が位置する構造としてもよい。
【0031】
また、支持部材6、6Aを用いず且つ熱膨張性耐火材を略T字形や略L字形としない壁構造としてもよい。すなわち、上記下側の石こうボード1の上端面と上記上側の石こうボード1の下端面との間に、熱膨張性耐火シートを直接配置する壁構造としてもよい。さらに、この壁構造において、上記下側の石こうボード1の屋外側面の上辺部と上記上側の石こうボード1の屋外側面の下辺部の少なくとも一方に、熱膨張性耐火シートを直接配置する壁構造としてもよいものである。
【0032】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 :石こうボード(内装ボード)
2 :縦下地材
3 :横下地材
4 :柱
5 :ボード固定ビス
6 :支持部材
6A :支持部材
7 :熱膨張性耐火材
7A :熱膨張性耐火材
7A1 :第1部位
7A2 :第2部位
7A3 :金属箔
31 :固定金物
61 :接合部位
62 :突出部位
71 :縦配置部
72 :横配置部
101 :外壁部
102 :内壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9