(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153586
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】在庫管理装置、在庫管理方法、及び、在庫管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231011BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062949
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 雄大
(72)【発明者】
【氏名】森下 壮一
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】商品の過剰発注を防止する。
【解決手段】取得部が、今回の計算対象期間の商品の今回仕入計画金額、及び、前回の計算対象期間の、仕入計画金額と実績金額との差額の前回繰越調整金額を取得する。算出部は、今回仕入計画金額と前回繰越調整金額の加算金額から、今回の計算対象期間の発注済金額、及び、今回の発注予定金額を減算処理し、今回の計算対象期間の残高金額を算出する。また、算出部は、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間における実績金額を減算処理し、次回の計算対象期間に対して繰越可能な次回仕入枠増減金額を算出する。警告処理部は、残金が無いことを示す残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う。表示制御部は、算出部により算出された次回仕入枠増減金額、及び、次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次回の計算対象期間に繰越可能な次回繰越調整金額を表示部に表示する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
今回の計算対象期間に対応する商品の仕入計画金額である今回仕入計画金額を取得すると共に、前回の計算対象期間における、仕入計画金額と実績金額との差額となる前回繰越調整金額を取得する取得部と、
前記今回仕入計画金額に前記前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用した金額である発注済金額、及び、今回、商品を発注することで使用予定となる金額である発注予定金額を減算処理することで、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用可能な残高金額を算出し、前記今回仕入計画金額に前記前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間における実績金額を減算処理することで、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回仕入枠増減金額を算出する算出部と、
残金が無いことを示す前記残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う警告処理部と、
前記算出部で算出された前記次回仕入枠増減金額、及び、前記次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回繰越調整金額を表示部に表示する表示制御部と、
を有する在庫管理装置。
【請求項2】
操作者の操作に応じて、前記次回繰越調整金額を変更処理する変更処理部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記警告処理部は、前記警告処理として、前記表示制御部を介して所定のアラートを表示し、
前記アラートの発生を承認者に通知する通知処理部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項4】
前記警告処理部は、前記警告処理として、前記表示制御部を介して所定のアラートを表示し、
前記アラートの発生を承認者に通知する通知処理部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項2に記載の在庫管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記商品の商品分類毎の前記仕入計画金額を取得すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の在庫管理装置。
【請求項6】
取得部が、今回の計算対象期間に対応する商品の仕入計画金額である今回仕入計画金額を取得すると共に、前回の計算対象期間における、仕入計画金額と実績金額との差額となる前回繰越調整金額を取得する取得ステップと、
算出部が、前記今回仕入計画金額に前記前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用した金額である発注済金額、及び、今回、商品を発注することで使用予定となる金額である発注予定金額を減算処理することで、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用可能な残高金額を算出し、前記今回仕入計画金額に前記前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間における実績金額を減算処理することで、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回仕入枠増減金額を算出する算出ステップと、
警告処理部が、残金が無いことを示す前記残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う警告処理ステップと、
表示制御部が、前記算出ステップで算出された前記次回仕入枠増減金額、及び、前記次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回繰越調整金額を表示部に表示する表示制御ステップと、
を有する在庫管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
今回の計算対象期間に対応する商品の仕入計画金額である今回仕入計画金額を取得すると共に、前回の計算対象期間における、仕入計画金額と実績金額との差額となる前回繰越調整金額を取得する取得部と、
前記今回仕入計画金額に前記前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用した金額である発注済金額、及び、今回、商品を発注することで使用予定となる金額である発注予定金額を減算処理することで、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用可能な残高金額を算出し、前記今回仕入計画金額に前記前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間における実績金額を減算処理することで、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回仕入枠増減金額を算出する算出部と、
残金が無いことを示す前記残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う警告処理部と、
前記算出部で算出された前記次回仕入枠増減金額、及び、前記次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回繰越調整金額を表示部に表示する表示制御部として機能させること、
を特徴とする在庫管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理装置、在庫管理方法、及び、在庫管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日における在庫管理は、商品の現在の在庫数を認識すると共に、次月の販売数を予測して商品の仕入発注を行うかたちで行われることが多い。売れ残りの在庫が多くなると、商品の賞味期限切れ等を発生し損失を招く。また、在庫がなくなってしまった場合には、商品の販売機会を失うこととなる。このため、在庫管理は、重要である。
【0003】
在庫管理に関する先行技術としては、特許文献1(特開2002-024350号公報)に、店舗情報を管理し、商品の発注業務を中核に、販売計画、在庫管理、製造・加工及び従業員の出勤スケジュール、作業時間等の管理、予算管理などを店舗単位、部門単位で処理し、単品単位の、リアルタイムでの損益状況を把握可能とした小売店舗管理システムが開示されている。
【0004】
この小売店舗管理システムは、曜日、天候等のコーザル情報に基づいて来客数予測から商品別の販売数予測を行う手段と、明日の販売数予測と当日の在庫数予測に基づいて明日の発注管理を行う手段を備える。また、当日の在庫数の管理を行う手段と、明日の販売数予測と当日閉店時の繰越見込在庫数に基づいて商品別の製造数の決定を行う手段と、利益管理を行う手段とを備える。
【0005】
そして、条件指定した曜日、天候等のコーザル情報に一致した来店客数実績をデータベースから抽出し、この過去の来店客数実績を予測値として商品発注、販売計画、陳列フェイシング、製造・加工、在庫管理等の作業を展開し、かつ、従業員の効率的な労働力の配分、商品粗利の即時把握、在庫量の適時把握等を図る。
【0006】
ここで、商品(製品)の小売、卸売りを行っている企業等において、在庫不足による販売の機会損失を防止するために、各担当者が自由に商品の発注を行うことを許容している場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、各担当者が自由に商品の発注を行うことを許容した場合、例えば複数の担当者が同じ商品を重複して仕入発注するような過剰発注が発生し、商品の余剰在庫が発生する問題がある。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、過剰発注を防止して、適正な在庫管理を行うことができるような在庫管理装置、在庫管理方法、及び、在庫管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫管理装置は、今回の計算対象期間に対応する商品の仕入計画金額である今回仕入計画金額を取得すると共に、前回の計算対象期間における、仕入計画金額と実績金額との差額となる前回繰越調整金額を取得する取得部と、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用した金額である発注済金額、及び、今回、商品を発注することで使用予定となる金額である発注予定金額を減算処理することで、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用可能な残高金額を算出し、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間における実績金額を減算処理することで、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回仕入枠増減金額を算出する算出部と、残金が無いことを示す残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う警告処理部と、算出部で算出された次回仕入枠増減金額、及び、次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回繰越調整金額を表示部に表示する表示制御部と、を有する。
【0011】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫管理方法は、取得部が、今回の計算対象期間に対応する商品の仕入計画金額である今回仕入計画金額を取得すると共に、前回の計算対象期間における、仕入計画金額と実績金額との差額となる前回繰越調整金額を取得する取得ステップと、算出部が、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用した金額である発注済金額、及び、今回、商品を発注することで使用予定となる金額である発注予定金額を減算処理することで、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用可能な残高金額を算出し、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間における実績金額を減算処理することで、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回仕入枠増減金額を算出する算出ステップと、警告処理部が、残金が無いことを示す残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う警告処理ステップと、表示制御部が、算出ステップで算出された次回仕入枠増減金額、及び、次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回繰越調整金額を表示部に表示する表示制御ステップと、を有する。
【0012】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫管理プログラムは、コンピュータを、今回の計算対象期間に対応する商品の仕入計画金額である今回仕入計画金額を取得すると共に、前回の計算対象期間における、仕入計画金額と実績金額との差額となる前回繰越調整金額を取得する取得部と、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用した金額である発注済金額、及び、今回、商品を発注することで使用予定となる金額である発注予定金額を減算処理することで、今回の計算対象期間において商品の仕入に使用可能な残高金額を算出し、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、今回の計算対象期間における実績金額を減算処理することで、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回仕入枠増減金額を算出する算出部と、残金が無いことを示す残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う警告処理部と、算出部で算出された次回仕入枠増減金額、及び、次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次回の計算対象期間に繰越可能な金額である次回繰越調整金額を表示部に表示する表示制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、過剰発注を防止して、適正な在庫管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施の形態の在庫管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、仕入枠の設定単位を説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施の形態の在庫管理装置における商品の発注動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態の在庫管理装置における、仕入計画金額の変更動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、品種別仕入枠設定マスタに対する仕入枠の設定動作を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の在庫管理装置の商品の発注動作における、主となる動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、仕入枠の算出の仕方を説明するための模式図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の在庫管理装置の月次確定処理を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の在庫管理装置における、残高金額が0円以下となる発注に対する警告動作を説明するための図である。
【
図10】
図10は、発注入力画面及び警告画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、発注承認チェック表の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、売上仕入予実比較表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施の形態となる在庫管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0016】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の在庫管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この
図1に示す在庫管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0017】
通信インターフェース部4には、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網であるネットワーク8を介して、発注金額が仕入枠を超過した際に承認を得る承認者の承認者端末装置9が接続されている。
【0018】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、記憶領域である品種別仕入枠設定マスタ11が設けられている。また、この記憶部2には、在庫管理装置1による在庫管理動作を実現するための在庫管理プログラムが記憶されている。
【0019】
また、一例ではあるが、この実施の形態の在庫管理装置1の場合、一月毎に在庫管理を行うこととして説明を進める。すなわち「一月」が計算対象期間の一例となっている。そして、記憶部2には、月末を迎えた月毎の発注済金額を示す実績データ、及び、まだ月末を迎えていない月である当月内における発注済金額を示す発注済データが記憶されている。また、記憶部2には、発注金額が仕入枠を超過する場合に、商品の発注に必要となる承認を得るために承認者の承認者端末装置9に送信される発注承認チェックデータが記憶されている。また、記憶部2には、月毎の売上仕入予実を比較した売上仕入予実比較表のデータである売上仕入予実比較データが記憶されている。
【0020】
(在庫管理装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている在庫管理プログラムを実行することで、取得部21、算出部22、警告処理部23、表示制御部24、変更処理部25及び通信処理部26として機能する。
【0021】
取得部21は、当月に対応する商品の仕入計画金額である今回仕入計画金額を取得すると共に、前月における、仕入計画金額と実績金額との差額となる前回繰越調整金額を取得する。
【0022】
算出部22は、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、当月内において商品の仕入に使用した金額である発注済金額、及び、今回、商品を発注することで使用予定となる金額である発注予定金額を減算処理することで、当月において商品の仕入に使用可能な残高金額を算出する。
【0023】
また、算出部22は、今回仕入計画金額に前回繰越調整金額を加算処理した値から、当月における実績金額を減算処理することで、次月に繰越可能な金額である次回仕入枠増減金額を算出する。
【0024】
警告処理部23は、残金が無いことを示す残高金額が算出された場合、所定の警告処理を行う。一例として、警告画面に所定のエラーメッセージを表示する。このエラーメッセージを見た業務オペレータは、承認者に対して発注の承認を得るための発注承認チェック表を生成する。通信処理部26は、通知処理部の一例であり、生成された発注承認チェック表を承認者端末装置9に送信する。
【0025】
表示制御部24は、算出部22で算出された次回仕入枠増減金額、及び、次回仕入枠増減金額と同じ金額であり、次月に繰越可能な金額である次回繰越調整金額を、表示部の一例となる出力装置7を介して表示する。仕入枠増減金額は、前月の予実を表す金額となる。この仕入枠増減金額を表示することで、異常な増減を示す仕入金額を即座に検出できるうえ、その要因を分析できる。
【0026】
変更処理部25は、業務オペレータの操作に応じて、次回繰越調整金額を変更処理する。これにより、在庫状況等に応じて臨機応変に繰越金額を調整して発注制御を行うことができる。
【0027】
(仕入枠の設定単位)
図2は、仕入枠の設定単位を説明するための図である。この
図2の例において、会社側が年間1億円の売上計画を行い、その売上原価を年間6千万円とする計画を立てたとする。会社は、商品部及び販売部を備えている。また、商品部は、商品1課及び商品2課を備えている。販売部は、百貨店1部1課及び百貨店1部2課を備えている。年間6千万円の売上原価は、商品部に対して設定される。商品部は、年間6千万円の売上原価のうち、年間4千万円の売上原価を商品1課に対して設定し、残り年間2千万円の売上原価を商品2課に対して設定する。
【0028】
商品1課及び商品2課は、6千万円の売上原価の範囲で、商品分類毎に仕入枠を設定する(仕入計画)。
図2の例は、商品1課により、商品分類Aに対して、5月度の仕入枠として200万円が設定され、商品分類Bに対して、5月度の仕入枠として250万円が設定された例である。また、
図2の例は、商品2課により、商品分類Cに対して、5月度の仕入枠として180万円が設定され、商品分類Dに対して、5月度の仕入枠として150万円が設定された例である。
【0029】
商品単位で仕入枠の管理を行おうとすると、管理の粒度が細かくなり、運用上の設定及び管理が困難となる。しかし、実施の形態の在庫管理装置1は、商品分類毎に仕入枠を設けて在庫管理を行うようにしている。これにより、適度な粒度で容易かつ正確に在庫管理可能となっている。
【0030】
(発注動作)
次に、
図3のフローチャートを用いて、実施の形態の在庫管理装置1における商品の発注動作を説明する。この
図3のフローチャートのステップS1~ステップS4の処理は、決定された仕入計画金額が承認者により承認されるまでの処理を示している。また、
図3のフローチャートのステップS5~ステップS9は、承認された仕入計画金額に基づいて、商品を発注するまでの処理を示している。
【0031】
まず、
図2を用いて例示した1億円等のように売上計画金額が決定すると(ステップS1)、商品分類毎の仕入計画金額が検討される(ステップS2)。そして、ステップS3において、通信処理部26により、検討された商品分類毎の仕入計画金額が承認者端末装置9に送信される。承認者は、承認者端末装置9を介して受信された商品分類毎の仕入計画金額の承認結果を在庫管理装置1に送信する。ステップS4では、承認者端末装置9から受信した承認結果に基づいて、業務オペレータが承認の可否を判別する(ステップS4)。そして、承認が得られなかった場合は(ステップS4:No)、仕入計画金額の再検討が行われる。
【0032】
図4は、再検討による、仕入計画金額の変更動作の流れを示すフローチャートである。仕入計画金額の再検討を行う場合、ステップS2において、仕入計画金額の修正を行い、ステップS3で、通信処理部26が、修正された仕入計画金額を、再度、承認者端末装置9に通知する。承認者は、承認者端末装置9を介して受信された、再検討された仕入計画金額の承認結果を在庫管理装置1に送信する。再検討された仕入計画金額が承認されると(ステップS4:Yes)、
図5に示すように品種別仕入枠設定マスタ11に対して、仕入計画金額が設定される(ステップS5)。
【0033】
図5に示すように、品種別仕入枠設定マスタ11には、部門、品種、会計年月、仕入計画金額、仕入枠増減金額、及び、繰越調整金額等が設定(記憶)される。仕入計画金額は、上述のように当初の仕入計画による仕入金額である。仕入枠増減金額は、前月の仕入計画金額と実績金額との差額である。また、繰越調整金額も、前月の仕入計画金額と実績金額との差額である。仕入枠増減金額及び繰越調整金額は、デフォルト値としては同じ金額となるが、実施の形態の在庫管理装置1の場合、繰越調整金額を、業務オペレータが所望の金額に調整可能となっている点が異なる。
【0034】
図5の例は、商品1課により商品分類Aに対して設定された2021年12月度~2022年9月度までの仕入計画金額を示している。この
図5の例は、2021年12月度及び2022年1月度の仕入計画金額としてそれぞれ「50万円」が設定され、2022年2月度の仕入計画金額は「70万円」が設定された例である。また、この
図5の例は、2022年3月度~2022年5月度の仕入計画金額としてそれぞれ「90万円」が設定され、2022年6月度の仕入計画金額は「50万円」が設定された例である。さらに、
図5の例は、2022年7月度~2022年9月度の仕入計画金額としてそれぞれ「20万円」が設定された例である。
【0035】
また、
図5において、2021年12月度の「15万円」の仕入枠増減金額及び繰越調整金額は、2021年11月度の残金に相当する金額である。同様に、2022年1月度の「20万円」の仕入枠増減金額及び繰越調整金額は、2021年12月度の残金に相当する金額である。このうち、2022年1月度の繰越調整金額が「20万円→10万円」に調整されているが、これは、業務オペレータが、次回に繰り越す金額を20万円から10万円に調整した例を示している。実施の形態の在庫管理装置1は、このように業務オペレータが、現在の在庫数及び来月の売れ行き予想等に応じて、繰越調整金額の変更が可能となっている。詳しくは、後述する。
【0036】
このように品種別仕入枠設定マスタ11に仕入計画金額が設定されると(ステップS5)、業務オペレータは、後述する発注入力画面を介して所望の商品分類、商品及び仕入数を入力し登録ボタンを操作して発注を指定する(発注入力:ステップS6)。発注が指定されると、算出部22は、「当月における仕入計画金額と前月からの繰越調整金額との加算金額から、当月内における発注済金額を減算処理した金額である仕入枠(残高金額)」と、「発注が指定された商品の仕入金額」との差額を算出する。
【0037】
この算出された差額が0円未満となるということは、発注が指定された商品の仕入金額が、当月における残高金額を超過することを意味する(ステップS7:NG)。このため、警告処理部23は、表示制御部24を介してエラーメッセージを含む警告画面を表示する。この警告画面を見た業務オペレータは、承認者に発注の承認を得るための発注承認チェック表の生成を指定する。表示制御部24は、この指定により、発注承認チェック表を生成し、通信処理部26は、生成された発注承認チェック表(
図11参照)を、発注承認ワークフローに乗せる。これにより、発注承認チェック表の発注承認チェックデータが、承認者端末装置9に送信され、承認者による承認可否の判断が行われる(ステップS9)。
【0038】
この承認可否の判断により、発注を却下する承認結果が承認者端末装置9から返信された場合、業務オペレータは、発注内容及び発注金額を再検討して、再度、発注入力を行う(ステップS6)。これにより、発注が指定されている商品及び金額等が、承認者により、再度、判断される(ステップS7、ステップS9)。
【0039】
これに対して、算出部22で算出された差額が0円以上となるということは、発注が指定された商品の仕入金額が、当月における残高金額内であり、発注しても良いことを意味する(ステップS7:OK)。また、ステップS9で、承認者により承認が得られた場合には、そのまま発注しても良いことを意味する。このため、業務オペレータは、通信処理部26を介して所望の商品の発注を行い、入荷予定入力画面を介して入荷予定となる商品の入荷予定入力を行う(ステップS8)。これにより、商品の適正な発注が完了する。
【0040】
(発注時の主要動作)
次に、
図3のフローチャートステップS6、ステップS7及びステップS9における発注時の主要動作を説明する。
図6は、実施の形態の在庫管理装置1の発注時における主要動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている在庫管理プログラムに基づいて、この
図6のフローチャートの処理を実行する。
【0041】
まず、
図3のフローチャートのステップS5において、商品分類毎の仕入計画金額が設定されることで、この
図6のフローチャートがスタートとなり、ステップS11から順に処理が実行される。ステップS11では、取得部21が、
図5に例示した品種別仕入枠設定マスタ11から当月分として設定されている仕入計画金額である今回仕入計画金額、及び、前月からの繰越調整金額である前回繰越調整金額を取得する。なお、この前回繰越調整金額は、後述のように、業務オペレータにより所望の金額に調整されている場合もある。
【0042】
また、ステップS12では、取得部21が、当月内において前回の発注で発注済となっている金額である前回発注済金額(=当月発注済金額)を記憶部2に記憶されている発注済データに基づいて取得すると共に、業務オペレータにより発注入力画面に対して発注入力された商品の仕入金額である今回発注予定金額を取得する。
【0043】
次に、ステップS13では、算出部22が、当月内において、現時点で残っている残高金額に相当する仕入枠を算出する。
図7は、この仕入枠の算出の仕方を説明するための模式図である。この
図7は、商品分類Bの5月分として250万円の仕入計画金額が設定された例を示している。業務オペレータは、この仕入計画金額から、5月内における発注済金額を減算処理した残高金額に相当する「仕入枠」の範囲内で、商品分類Bの商品の発注が可能となっている。具体的には、算出部22は、以下の演算式に基づいて「仕入枠(残高金額」を算出する。
【0044】
仕入枠=(今回仕入計画金額+前回繰越調整金額)-前回発注済金額-今回発注予定金額)
【0045】
例えば、
図8の例を用いて説明すると、
図8(b)に例示するように、2022年1月度における仕入計画金額は40万円であり、2021年12月度からの繰越調整金額は15万円である。このため、2022年1月度においては、「40万円+15万円=55万円」が仕入枠の初期値となる。これに対して、2022年1月度において
図8(a)に示すように30万円の発注が行われ、さらに、2022年1月度に5万円分の発注が行われたとすると、2022年1月度の仕入枠増減金額及び繰越調整金額は、
図8(b)に示すように「55万円-35万円=20万円」となる。
【0046】
ここで、この「20万円」の繰越調整金額を、業務オペレータが
図8(b)に示すように「10万円」に調整したとする。これにより、2022年2月度の仕入枠の初期値は、「70万円+10万円=80万円」となる。2022年2月度において、60万円分が発注済となったとすると、2022年2月度における残りの仕入枠は、
図8(b)に示すように20万円となる(80万円-60万円=20万円)。この残りの仕入枠の金額は、算出部22により、
図8(b)に示すように仕入枠増減金額及び繰越調整金額として、品種別仕入枠設定マスタ11に記憶される。算出部22は、当月内に発注が行われる毎に、その発注金額を減算処理した金額に、品種別仕入枠設定マスタ11の仕入枠増減金額及び繰越調整金額を更新する。
【0047】
次に、算出部22は、ステップS14において、上述の演算式で算出された仕入枠の金額である当月内における残高金額が、0円未満となったか否かを判別する。例えば、
図9(a)は、2022年2月度における、既に発注済の発注金額を示す発注済データである。この
図9(a)の例は、2022年2月度において「40万円」が発注済となっていることを示している。また、
図9(b)は、2022年2月度の15日の日付で、今回、30万円の発注を新たに予定していることを示している。
【0048】
この場合において、算出部22は、
図9(b)に示すように「(今回仕入計画金額+前回繰越調整金額)-前回発注済金額-今回発注予定金額」の演算を行うことで、「(70万円+20万円)-40万円-30万円=20万円」の演算を行う。この演算の算出結果となる20万円は、0円以上の金額となる。これは、今回予定している発注を行っても、仕入枠として20万円残ることを意味する。このため、業務オペレータは、そのまま商品の発注を行い、
図3のステップS8に示したように入荷予定入力を行う。
【0049】
また、算出部22は、このように算出した仕入枠の残金を、ステップS18において、仕入枠増減金額及び繰越調整金額として品種別仕入枠設定マスタ11に設定(更新)する。この品種別仕入枠設定マスタ11は、業務オペレータによる表示指定操作により表示される。また、品種別仕入枠設定マスタ11の繰越調整金額は、業務オペレータの操作により変更可能となっている。この繰越調整金額の変更処理は、ステップS19及びステップS20の処理として後述する。
【0050】
一方、
図9(a)に示すように、2022年2月度において「40万円」が発注済となっている状態において、
図9(c)に示すように、2022年2月度の15日の日付で、今回、60万円の発注が予定されている場合、上述の演算式に基づいて算出部22で行われる演算は、「(70万円+20万円)-40万円-60万円=-10万円」となる。この演算結果となる「-10万円」は、0円未満の金額である。これは、今回予定している発注は、仕入枠を超過する発注であることを意味する。このため、警告処理部23は、ステップS15において、警告画面を介してエラーメッセージを表示する等の所定の警告処理を行う。
【0051】
再度、具体的に説明すると、
図10(a)は、業務オペレータが発注入力を行う発注入力画面の一例である。業務オペレータは、このような発注入力画面に基づいて、「S00001(メーカA)」等の仕入先及び「B00001(商品1課)」等の仕入部門を選択すると共に、2022年2月15日等の発注日、及び、2022年2月21日等の仕入予定日を入力する。そして、発注を行う商品の明細情報として、商品分類、商品名、仕入数、仕入単価を入力する。これにより、算出部22は、商品の仕入数及び仕入単価に基づいて仕入金額を算出し、仕入金額の入力欄に入力する。この
図10(a)の例の場合、商品分類Aの40万円及び20万円が仕入枠を超過したか否かのチェック対象金額となる。
【0052】
図10(b)は、仕入枠を超過した発注が予定されている場合に、警告処理部23により、表示制御部24を介して表示される警告画面の一例を示す図である。この
図10(b)に示すように、仕入枠を超過した発注が指定された場合、警告処理部23は、例えば「仕入枠を超えています。登録を続行しますか?(登録を行った場合、上長の承認が必要です。)」等のエラーメッセージを含む警告画面を生成し、これを、表示制御部24を介して表示する。業務オペレータは、上長(承認者)の承認を得る場合、
図10(b)の警告画面上に表示された「YES」のボタンを操作する。
【0053】
「YES」のボタンが操作されると、警告処理部23は、
図11に例示する発注承認チェック表を生成する。この
図11に示すように、警告処理部23は、仕入計画金額、繰越調整金額、仕入可能枠、発注済金額、今回発注金額(今回発注予定金額)、発注金額、及び、上述の演算式による演算結果となる仕入可能枠残金額を含むように発注承認チェック表を生成する。また、警告処理部23は、承認者に対する「参考」として、当月、及び、当月の前後2カ月の目標仕入枠金額、繰越調整額、仕入可能枠である「計画(仕入可能枠)」、また、発注済金額、今回発注金額、発注金額である「実績(発注金額)」、及び、仕入可能枠金額である「計画」を含むように、発注承認チェック表を生成する。
【0054】
このような発注承認チェック表は、発注承認ワークフローに乗せられ、通信処理部26により承認者端末装置9に送信される。これにより、承認者による承認可否の判断が行われる(ステップS16)。
【0055】
この承認可否の判断により、発注を却下する承認結果が承認者端末装置9から返信された場合(ステップS17:No)、業務オペレータは、発注内容及び発注金額を再検討して、再度、発注入力を行う(
図3:ステップS6)。これにより、発注が指定されている商品及び金額等が、承認者により、再度、判断される(
図3:ステップS7、ステップS9)。
【0056】
これに対して、承認者より、発注を承認する承認結果が得られた場合(ステップS17:Yes)、業務オペレータは、そのまま商品の発注を行い、
図3のステップS8に示したように入荷予定入力を行う。また、算出部22は、仕入枠の残金を算出し、ステップS18において、仕入枠増減金額及び繰越調整金額として品種別仕入枠設定マスタ11に設定(更新)する。
【0057】
次に、品種別仕入枠設定マスタ11の繰越調整金額は、業務オペレータの操作により変更可能となっている。すなわち、業務オペレータは、次月に繰越を行う繰越金額を増加又は削減する場合、入力装置6を操作して、繰越調整金額の変更操作を行う。この変更操作が行われると、変更処理部25は、
図5を用いて説明したように、繰越調整金額を、業務オペレータの変更操作に応じて、例えば20万円から10万円に変更処理(更新処理)する(ステップS20)。この変更処理された繰越調整金額等は、業務オペレータの表示操作により表示される。
【0058】
このように、繰越調整金額を変更可能とすることで、例えば先月からの繰越金額が20万円であり、多めに発生しているが、今月は、それほど仕入を行わなくてもよいことが予想されるため、繰越金額を10万円に減らすように調整する等のように、臨機応変に繰越金額を調整できる。
【0059】
最後に、実施の形態の在庫管理装置1は、
図12に例示する売上仕入予実比較表も生成して表示可能となっている。業務オペレータにより、この売上仕入予実比較表の生成が指定されると、表示制御部24は、例えば過去3か月分の売上及び仕入の予実を比較するための売上仕入予実比較表を生成する。
【0060】
図12の例は、業務オペレータにより、商品分類として「商品分類A」が選択され、「商品1課」が部門として選択された例である。この選択が行われると、表示制御部24は、
図12に示すように2021年12月度、2022年1月度、及び、2022年2月度の計3か月分の売上仕入予実比較表を生成する。この売上仕入予実比較表には、各月の売上計画金額、売上実績金額、売上予実金額、仕入可能枠金額、当初仕入計画金額、仕入枠増減金額、繰越調整変動額、仕入実績金額、及び、仕入予実金額が含まれる。
【0061】
業務オペレータ及び承認者等は、このような売上仕入予実比較表により、より正確な在庫管理及び経営判断を行うことができる。
【0062】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の在庫管理装置1は、仕入枠を超える発注に対しては警告を行い、承認者の承認を得た後に発注可能としている。このため、過剰発注を防止して、適正な在庫管理を行うことができると共に、キャッシュフローを改善できる。また、余剰在庫の発生を防止できるため、在庫の管理コストを削減できる。
【0063】
また、商品単位で仕入枠の管理を行おうとすると、管理の粒度が細かくなり、運用上の設定及び管理が困難となる。しかし、実施の形態の在庫管理装置1は、商品分類毎に仕入枠を設けて在庫管理を行うようにしているため、適度な粒度で容易かつ正確に在庫管理することができる。
【0064】
また、実施の形態の在庫管理装置1は、繰越調整金額と共に、仕入枠増減金額を生成して表示する。仕入枠増減金額は、前月の予実を表す金額となる。この仕入枠増減金額を表示することで、異常な増減を示す仕入金額を即座に検出できるうえ、その要因を分析できる。
【0065】
また、実施の形態の在庫管理装置1は、このような仕入枠増減金額と共に、初期値は仕入枠増減金額と同じ金額であり、業務オペレータにより所望の値に修正可能な繰越調整金額を表示する。これにより、例えば先月からの繰越金額が20万円であり、多めに発生しているが、今月は、それほど仕入を行わなくてもよいことが予想されるため、繰越金額を10万円に減らす調整を行う等のように、臨機応変に繰越金額を調整して発注制御を行うことができる。
【0066】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0069】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0070】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0071】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0072】
また、在庫管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0073】
例えば、在庫管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0074】
また、この在庫管理装置1の在庫管理プログラムは、在庫管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0075】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための在庫管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0076】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した在庫管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0077】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0078】
また、在庫管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0079】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、商品の小売業の在庫管理に適用して好適である。
【符号の説明】
【0081】
1 在庫管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 ネットワーク
9 承認者端末装置
11 品種別仕入枠設定マスタ
21 取得部
22 算出部
23 警告処理部
24 表示制御部
25 変更処理部
26 通信処理部