(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153645
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】物品管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20231011BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20231011BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
B65G61/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063034
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 遥香
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 健人
(72)【発明者】
【氏名】河村 賢一
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 渉
(72)【発明者】
【氏名】志田 来夢
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC52
(57)【要約】
【課題】所定のエリアに置かれた物品を適正な順序で保管場所に搬送できる物品管理装置を提供すること。
【解決手段】本実施形態に係る物品管理装置10は、所定のエリアに置かれた物品の状況を示す物品情報を取得する物品情報取得部21と、物品情報に基づき、物品の保管場所を決定する保管場所決定部22と、物品情報に基づき、保管場所へ搬送する物品の優先順位を判定する優先順位判定部23と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアに置かれた物品の状況を示す物品情報を取得する物品情報取得部と、
前記物品情報に基づき、前記物品の保管場所を決定する保管場所決定部と、
前記物品情報に基づき、前記保管場所へ搬送する前記物品の優先順位を判定する優先順位判定部と、を備える物品管理装置。
【請求項2】
前記優先順位判定部は、前記物品情報としての前記物品の温度が前記エリアの雰囲気温度よりも低い場合、前記優先順位を基準よりも高く判定する、請求項1に記載の物品管理装置。
【請求項3】
前記優先順位判定部は、前記物品情報としての前記物品の大きさが所定基準よりも大きい場合、前記優先順位を基準よりも高く判定する、請求項1または2に記載の物品管理装置。
【請求項4】
前記エリアに置かれた前記物品の映像、音声、及び状態量の少なくとも1つに基づき、前記物品が屋外から前記エリアに持ち込まれた物品であるか否かを判定する物品判定部を備える、請求項1または2に記載の物品管理装置。
【請求項5】
前記優先順位に従い、前記物品を対応する保管場所に搬送する搬送情報を生成する搬送情報生成部を備える、請求項1または2に記載の物品管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来、家屋内の物品や人等の情報を蓄積する物品移動体データベースと、家屋内のマップを蓄積する環境マップと、物品を移動させるための把持手段を具備する作業ロボットと、物品の移動先の設置位置を指定する物品操作手段と、作業ロボットが把持した物品の姿勢と設置位置を設置位置付近の状況に応じて決定する設置姿勢決定手段及び設置位置決定手段を備えた物品管理システムが記載されている。この物品管理システムでは、例えば家庭やオフィス等の居住空間内において、作業ロボットに物品の移動作業を行わせる際に、移動対象物品を指定された位置に適切な状態で設置するができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、上記した居住空間のような所定のエリアに置かれた複数の物品を無作為に移動して指定された位置に設置するだけであり、例えば、低温環境下で保管することが適している物品のように、物品に応じた保管場所への移動が考慮されていない点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、所定のエリアに置かれた物品を適正な順序で保管場所に搬送できる物品管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る物品管理装置は、所定のエリアに置かれた物品の状況を示す物品情報を取得する物品情報取得部と、物品情報に基づき、物品の保管場所を決定する保管場所決定部と、物品情報に基づき、保管場所へ搬送する物品の優先順位を判定する優先順位判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定のエリアに置かれた物品を適正な順序で保管場所に搬送できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る物品管理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る物品管理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る物品管理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る物品管理装置の構成例を示すブロック図である。物品管理装置10は、コンピュータを用いて構成されており、例えばサーバ装置により実現できる。なお、物品管理装置10を複数のコンピュータを用いて構成してもよい。その場合、
図1の一部の機能ブロックをあるコンピュータが処理し、その他の機能ブロックを他のコンピュータが処理する、といったように、機能別に処理を分散してもよい。
【0011】
本実施形態に係る物品管理装置10は、所定エリア(例えば玄関ホール)に置かれた物品の状況を示す物品情報を取得し、この物品情報から保管場所と、保管場所へ搬送する優先順位とを決定することで、物品を適正な順序で保管する。
図1に示すように、カメラ11と、マイク12と、センサ13と、記録部14と、搬送部15と、制御部20とを備える。なお、物品管理装置10は、各種操作指示を入力するための操作部を備えていてもよい。制御部20は、演算装置すなわちCPU(Central Processing Unit)であり、物品管理装置10の全体を制御する。制御部20の詳細については後述する。
【0012】
カメラ11は、例えば家の玄関ホールに設置され、玄関ホールに配置された物品を撮影する。カメラ11は、玄関ホールに配置された物品を取り囲むように複数設けられ、この物品を複数方向から撮影する。本実施形態では、物品は、屋外から玄関ホールに持ち込まれたものであり、例えばこの家の住人が買い物をした荷物や、この家に配送された宅配物である。カメラ11は、物品を撮影した映像を制御部20の物品情報取得部21および物品判定部24に出力する。
【0013】
マイク12は、カメラ11と一体または別体に玄関ホールに設置され、玄関ホールの音声を収音する。マイク12は、例えば、この家の住人が買い物をした荷物(物品)を玄関ホールに置いた際の住人の話し声や、宅配物が玄関ホールに配達された際の住人と配達業者との話し声を含む音声を収音する。マイク12は、収音した音声を制御部20の物品情報取得部21および物品判定部24に出力する。
【0014】
センサ13は、玄関ホールに設置され、玄関ホールに配置された物品の温度(状態量)と室温(雰囲気温度)とを測定する。このセンサ13としては、例えば、赤外線を利用して物品の温度を測定する放射温度センサを用いることができる。また、センサ13は、物品の臭気や組成を検知するセンサをさらに設けても良い。センサ13は、測定した温度(状態量)や臭気、組成を制御部20の物品情報取得部21および物品判定部24に出力する。
【0015】
記録部14は、各種情報を記録するものであり、例えば、メモリカードなどの記録媒体や、HDDやSSDなどの不揮発性の外部記録媒体を用いることができる。記録部14は、住居マップ14aと、保管場所データベース14bとを記録している。住居マップ14aは、対象となる家の見取り図であり、物品の保管場所となる冷蔵庫、倉庫、各住人の部屋などの位置と、玄関ホールから各保管場所までの搬送ルートがそれぞれ表示されている。保管場所データベース14bは、物品の状況を示す物品情報と保管場所との対応関係を規定する。ここで、物品の状況とは、例えば「物品の種別」、「物品の個数」、「物品の形状・大きさ・重さ」、「物品の所有者(購入者、使用者)」、「物品の位置」、「物品の滞在時間」などを含み、物品の特性や置かれた状況などを示す。物品情報は、物品の状況を示す情報であり、例えば「物品の種別」を示す物品情報としては、物品名、物品画像、物品の温度、物品の臭気などが挙げられる。また、例えば「物品の所有者(購入者、使用者)」を示す物品情報としては、配送された宅配物の伝票に記載された宛先人名が挙げられる。また、例えば「物品の形状・大きさ・重さ」を示す物品情報としては、物品画像(物品の容器・包装・梱包の画像を含む)、物品の最大長さなどが挙げられる。
【0016】
本実施形態では、保管場所データベース14bには、各物品情報について対応する保管場所が規定されており、例えば「物品の温度」が0°C以下の物品については保管場所が冷凍庫と定められ、「物品の温度」が10°C以下の物品については保管場所が冷蔵庫と定められている。また、「物品の購入者」が記載されている物品(宅配便)については保管場所が購入者の部屋と定められている。また、「物品の大きさ」が所定基準よりも大きい物品については、保管場所が倉庫と定められている。このように、保管場所データベース14bは、物品の状況を示す物品情報と保管場所との対応関係を規定しているため、物品情報を取得することで、この物品情報に対応する保管場所が判別できるようになっている。また、物品情報として、物品の容器・包装・梱包に記載されている情報(例えば商品の名称・サイズ・重さ・保存方法、バーコード、送り状など)や物品に取付けた電子タグ(無線認識)に含まれる情報(例えば物品種類、製造年月日、形状、重さ、物品画像などの属性データ)を用いてもよい。
【0017】
搬送部15は、玄関ホールから保管場所まで物品を搬送する、例えば搬送ロボットである。搬送部15は、制御部20の制御により、玄関ホールにある物品を適切な順序で適切な保管場所に搬送する。搬送部15は、例えば、住居マップ14aの搬送ルートに沿って自走可能な駆動機構と物品を保持する保持機構とを備えた構成となっている。搬送部15は、例えば、冷蔵庫などの保管場所に物品を収納するための動作機構を備えてもよい。また、物品を確認するためのカメラやセンサを備えていてもよい。また、本実施形態では、物品管理装置10が搬送部15を備えた構成としたが、この搬送部を外部機器として制御してもよい。
【0018】
制御部20は、物品情報取得部21、保管場所決定部22、優先順位判定部23、物品判定部24、搬送情報生成部25、搬送制御部26と、を有する。
【0019】
物品情報取得部21は、例えば玄関ホールに置かれた物品の状況を示す物品情報を取得する。具体的には、買い物袋などに入った複数の物品について、カメラ11の撮影映像、マイク12の音声、およびセンサ13の測定値に基づき、各物品の物品情報を取得する。取得する物品情報は、一つの物品について一つでなくてもよく、複数の物品情報を取得すことが好ましい。例えば、買い物袋の中に冷凍食品が入っている場合、カメラ11の撮影画像から物品情報として、例えば物品の包装に記載されている商品名やバーコードを取得することができる。また、センサ13が測定した温度から物品情報として、例えば0°C以下の商品温度を取得することができる。また、宅配物が配送された場合、マイク12が収音した宅配業者の発話やカメラ11の撮影画像から物品情報として、宅配物の宛先人名を取得することができる。また、カメラ11の撮影画像から物品情報として、宅配物の大きさ(最大長さ)を取得することができる。
【0020】
保管場所決定部22は、取得した物品情報に基づいて物品の保管場所を決定する。具体的には、保管場所決定部22は、記録部14に記録された保管場所データベース14bを用いて、取得した物品情報に対応付けられた保管場所を選択し、この保管場所を決定する。また、保管場所決定部22は、物品情報に基づいて「誰が」、「いつ」、「どの場所」で、物品を使用するかを推測して保管場所を決定してもよい。例えば、物品(園芸用スコップ)を使用する場所が玄関ホールの近くで、直ぐに使用する(玄関から運び出して屋外で使用する)場合には、物品を玄関ホールに置いたままとしてもよい。また、秘匿性の高い個人宛の荷物は個人の部屋を保管場所と決定する。なお、個人が所持する携帯端末機器から保管場所を指示してもよい。また、同じ種別の物品が複数あっても、これら物品の使用者が異なる場合は、各々の物品を区別して使用者ごとに保管場所を決定することが好ましい。
【0021】
優先順位判定部23は、取得した物品情報に基づいて保管場所へ物品を搬送する優先順位を判定する。具体的には、優先順位判定部23は、物品情報に基づいて物品を玄関ホールに暫くの間放置すると、物品が劣化(要冷蔵冷凍)、紛失する(貴重品)おそれがあるか、また、住居環境を損なうおそれがあるか(臭気、通行の妨げ)の程度に応じて優先順位を判定する。例えば、物品情報としての物品の温度が玄関ホールの室温(雰囲気温度)よりも低い場合、優先順位を中間順位(基準)よりも高く判定する。すなわち、物品が劣化するおそれがある場合には、優先順位を例えば1位に判定し、優先的に冷蔵庫または冷凍庫に搬送する。また、例えば、物品情報としての物品の大きさが所定基準よりも大きい場合、優先順位を中間順位(基準)よりも高く判定する。すなわち、物品は放置されると、通行が妨げられるため、優先順位を例えば1位に判定し、優先的に倉庫に搬送する。同様に、物品情報として、例えば、包装紙または紙袋に貴金属店名が表示されている物品については、紛失のおそれがあるため、優先順位を高く判定して優先的に物品を貴重品保管庫に搬送してもよい。また、上記した物品情報と優先順位との対応関係を規定した優先順データベースを作成しておき、優先順位判定部23は、この優先順データベースを用いて、物品情報に基づく優先順位を判定してもよい。
【0022】
物品判定部24は、例えば玄関ホールに置かれた物品が、屋外から玄関ホールに持ち込まれたものであるか否かを判定する。より具体的には、物品判定部24は、カメラ11の撮影映像、マイク12の音声、およびセンサ13の測定値に基づき、家の住人が買い物をした荷物または配送された宅配物であるか否かを判定する。例えば、カメラ11の撮影映像により、住人が玄関扉を開けて買い物した荷物を屋内に持ち込んで玄関ホールに置いた場合、物品判定部24は、物品が屋外から玄関ホールに持ち込まれたものと判定する。また、例えば、カメラ11の撮影映像またはマイク12の音声により、宅配業者が宅配物を配送した場合、物品判定部24は、物品が屋外から玄関ホールに持ち込まれたものと判定する。
【0023】
搬送情報生成部25は、判定された優先順位に従って、対象となる物品を対応の保管場所に搬送する搬送情報を生成する。この搬送情報は、対象物品ごとに優先順位と保管場所とを少なくとも含み、さらには保管場所への搬送ルートを含んでもよい。
【0024】
搬送制御部26は、生成された搬送情報に従って、搬送部15の動作を制御する。すなわち、搬送制御部26は、搬送部15に対して、優先順位の高い物品から対応する保管場所に搬送する作業を実行させる。これにより、所定のエリアに置かれた物品を適正な順序で保管場所に搬送することができる。なお、本実施形態では、搬送部15を用いて、物品の搬送を行ったが、上記した搬送情報を表示部に表示したり、音声で報知したりすることにより、住人に物品の搬送作業を行わせてもよい。
【0025】
次に、制御部20における処理の流れについて説明する。
図2は、本実施形態に係る物品管理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0026】
制御部20は、玄関ホールに物品があるか否かを判定する(ステップS11)。より詳しくは、制御部20は、物品判定部24により、カメラ11の撮影映像、マイク12の音声、およびセンサ13の測定値の少なくとも1つに基づき、家の住人が買い物をした荷物または配送された宅配物が玄関ホールにあるか否かを判定する。この判定において、玄関ホールに対象となる物品がない(ステップS11;No)場合には、制御部20は処理を終了する。また、玄関ホールに対象となる物品がある(ステップS11;Yes)場合には、制御部20はステップS12に進む。
【0027】
制御部20は、各物品の物品情報を取得する(ステップS12)。より詳しくは、制御部20は、物品情報取得部21により、カメラ11の撮影映像、マイク12の音声、およびセンサ13の測定値に基づき、物品情報を取得する。例えば、買い物袋の中に冷凍食品が入っている場合、カメラ11の撮影画像から物品情報として、物品の包装に記載されている商品名を取得することができる。また、センサ13が測定した温度から物品情報として、例えば0°C以下の商品温度を取得することができる。
【0028】
次に、制御部20は、物品情報に基づいて物品の保管場所を決定する(ステップS13)。より詳しくは、制御部20は、保管場所決定部22により、記録部14に記録された保管場所データベース14bを用いて、取得した物品情報に対応付けられた保管場所を選択し、この保管場所を決定する。例えば、物品情報として冷凍食品の商品名や0°C以下の商品温度を取得した場合、この物品情報に基づいて冷凍庫を保管場所に決定する。
【0029】
次に、制御部20は、物品情報に基づいて保管場所に物品を搬送する優先順位を判定する(ステップS14)。より詳しくは、制御部20は、優先順位判定部23により、物品を玄関ホールに放置した際の物品の劣化のおそれの程度に応じて優先順位を判定する。例えば、物品情報として、玄関ホールの室温(雰囲気温度)よりも低い0°C以下の温度を取得した場合、物品(商品)が解凍されて劣化するおそれがあるため、優先順位を高く(例えば1位に)判定する。
【0030】
次に、制御部20は、優先順位に従い、物品を保管場所に搬送する搬送情報を生成する(ステップS15)。より詳しくは、制御部20は、搬送情報生成部25により、優先順位に従って、対象となる物品ごとに、優先順位と搬送される保管場所とを含む搬送情報を生成する。この搬送情報により、物品の保管場所と優先順位とが対応付けられるため、この物品を適切な順序で適切な場所に保管できる。
【0031】
最後に制御部20は、搬送情報に従って、すべての物品を保管場所に搬送する。制御部20は、搬送制御部26により、搬送部15に対して、優先順位の高い物品から対応する保管場所に搬送する作業を実行させる。これにより、玄関ホールに置かれた物品を簡単かつ適正に保管場所に搬送することができる。すべての物品が保管場所に搬送されると、制御部20は処理を終了する。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る物品管理装置10は、玄関ホール(所定のエリア)に置かれた物品の状況を示す物品情報を取得する物品情報取得部21と、物品情報に基づき、物品の保管場所を決定する保管場所決定部22と、物品情報に基づき、保管場所へ搬送する物品の優先順位を判定する優先順位判定部23と、を備えるため、玄関ホールに置かれた物品を適正な順序で保管場所に搬送することができる。
【0033】
本実施形態に係る物品管理装置10において、優先順位判定部23は、物品情報としての物品の温度が玄関ホールの室温よりも低い場合、優先順位を基準よりも高く判定するため、物品が玄関ホールに放置されたことによる該物品の劣化を防止することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る物品管理装置10において、優先順位判定部23は、物品情報としての物品の大きさが所定基準よりも大きい場合、優先順位を基準よりも高く判定するため、物品が玄関ホールに放置されたことによる通行の妨げを早期に解消することができる。
【0035】
また、本実施形態に係る物品管理装置10は、玄関ホールに置かれた物品の映像、音声、及び温度の少なくとも1つに基づき、この物品が、家の住人が買い物をした荷物または配送された宅配物であるか否かを判定する物品判定部24を備えるため、対象となる物品を、玄関ホールに元からあった物品または屋内から玄関ホールに移動した物品と区別することができ、対象となる物品を適切な順序で適切な場所に保管できる。
【0036】
また、本実施形態に係る物品管理装置10は、優先順位に従い、物品を対応する保管場所に搬送する搬送情報を生成する搬送情報生成部25を備えため、この搬送情報により、物品の保管場所と優先順位とを対応付けることができ、対象の物品を適切な順序で適切な場所に保管できる。
【0037】
これまで本発明に係る物品管理装置について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0038】
図示した物品管理装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0039】
物品管理装置の制御部の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0040】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0041】
なお、本開示は以下の発明を包含するものとする。
発明(1):所定のエリアに置かれた物品の状況を示す物品情報を取得する物品情報取得部と、前記物品情報に基づき、前記物品の保管場所を決定する保管場所決定部と、前記物品情報に基づき、前記保管場所へ搬送する前記物品の優先順位を判定する優先順位判定部と、を備える物品管理装置。
【0042】
発明(2):前記優先順位判定部は、前記物品情報としての前記物品の温度が前記エリアの雰囲気温度よりも低い場合、前記優先順位を基準よりも高く判定する、発明(1)に記載の物品管理装置。
【0043】
発明(3):前記優先順位判定部は、前記物品情報としての前記物品の大きさが所定基準よりも大きい場合、前記優先順位を基準よりも高く判定する、発明(1)または(2)に記載の物品管理装置。
【0044】
発明(4):前記エリアに置かれた前記物品の映像、音声、及び状態量の少なくとも1つに基づき、前記物品が屋外から前記エリアに持ち込まれた物品であるか否かを判定する物品判定部を備える、発明(1)から(3)のいずれか1つに記載の物品管理装置。
【0045】
発明(5):前記優先順位に従い、前記物品を対応する保管場所に搬送する搬送情報を生成する搬送情報生成部を備える、発明(1)から(4)のいずれか1つに記載の物品管理装置。
【符号の説明】
【0046】
10 物品管理装置
11 カメラ
12 マイク
13 センサ
14 記録部
14a 住居マップ
14b 保管場所データベース
15 搬送部
20 制御部
21 物品情報取得部
22 保管場所決定部
23 優先順位判定部
24 物品判定部
25 搬送情報生成部
26 搬送制御部