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特開2023-153706影響度分析システム、その方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023153706
(43)【公開日】2023-10-18
(54)【発明の名称】影響度分析システム、その方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231011BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063146
(22)【出願日】2022-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】515008689
【氏名又は名称】株式会社ミリオンダウト
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】赤星 亘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンテンツの価値に対する、当該コンテンツに付されたワード情報が与える影響についての客観的な指針を提供可能とする影響度分析システム、その方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】コンテンツの価値に対する、前記コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する影響度分析システム1は、コンテンツの価値を取得する価値取得手段10と、コンテンツに対するワード情報を取得するワード情報取得手段30と、コンテンツに対するワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する分析手段40と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの価値に対する、前記コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する影響度分析システムであって、
前記コンテンツの価値を取得する価値取得手段と、
前記コンテンツに付された前記ワード情報を取得するワード情報取得手段と、
前記コンテンツに付された前記ワード情報の当該コンテンツの価値に対する前記影響度を分析する分析手段と、を備えることを特徴とする影響度分析システム。
【請求項2】
前記ワード情報取得手段は、前記コンテンツに付された複数の前記ワード情報を取得し、
前記分析手段は、前記コンテンツに付された複数の前記ワード情報の組み合わせによる当該コンテンツの価値に対する前記影響度を分析することを特徴とする請求項1に記載の影響度分析システム。
【請求項3】
前記分析手段は、時系列で複数の前記影響度を分析し、
複数の前記影響度の推移に基づき、現在から所定期間後の前記影響度を推測する推測手段を、更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の影響度分析システム。
【請求項4】
前記コンテンツに対する文章情報の中から、前記ワード情報を抽出するワード情報抽出手段を、更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の影響度分析システム。
【請求項5】
コンテンツの価値に対する、前記コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する影響度分析システムが実行する方法であって、
前記コンテンツの価値を取得するステップと、
前記コンテンツに付された前記ワード情報を取得するステップと、
前記コンテンツに付された前記ワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析するステップと、を含むことを特徴とする影響度分析方法。
【請求項6】
コンテンツの価値に対する、前記コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する影響度分析システムを、
前記コンテンツの価値を取得する価値取得手段、
前記コンテンツに付された前記ワード情報を取得するワード情報取得手段、
前記コンテンツに付された前記ワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する分析手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、影響度分析システム、その方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理対象とする第1のキーワードの入力と、第2のキーワード群に含める範囲を特定する情報を受け、2つのキーワード間の関係の近さを示す値と対応付けてキーワード同士の階層的な関係を示す関連語データを参照し、第1のキーワードを起点として、範囲を特定する情報により特定される階層までにあるキーワード群を抽出して第2のキーワード群に設定し、コンテンツに関する情報を参照し、第1のキーワードと、第2のキーワード群とに対する合致度が所定以上のコンテンツの情報を抽出する情報出力システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-142669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インターネット上で提供されるコンテンツには、このコンテンツの特徴や内容を示すワード情報(例えば、タグや説明等)が付されている場合がある。このコンテンツに対応付けられたワード情報を、キーワードを用いて検索することで、特許文献1のように、コンテンツを抽出することが可能となる。
【0005】
このようなワード情報は、コンテンツを提供する者等により決定され、当該コンテンツに付される。また、コンテンツを提供する者は、当該コンテンツの価値(売上げ等の金銭的価値や、第三者の評価等)を向上したいという要望がある。このため、コンテンツを提供する者は、コンテンツに関して市場分析や特徴の分析等を行う。
【0006】
ところが、従来の市場分析は、大味に各セグメント(例えば「軽自動車」等)毎に「業界が右肩上がりか、右肩下がりか」という切り口を人間が恣意的にデータを選択して行っていた。また、先行事例の商品の特徴の分析も、人間が恣意的に行い、成功事例と失敗事例の特徴を抽出していた。このため、市場分析の分析結果から、「評価されるコンテンツはどの分野/特徴なのか?」という問いに定量的に回答することができなかった。
【0007】
そこで本発明では、上記のような課題に鑑み、人間の恣意性を排除し、定量的にコンテンツの特徴を評価可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の影響度分析システムは、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
(1) コンテンツの価値に対する、前記コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する影響度分析システムであって、
前記コンテンツの価値を取得する価値取得手段と、
前記コンテンツに付された前記ワード情報を取得するワード情報取得手段と、
前記コンテンツに付された前記ワード情報の当該コンテンツの価値に対する前記影響度を分析する分析手段と、を備えることを特徴とする影響度分析システム。
【0010】
(1)の構成では、影響度分析システムは、価値取得手段と、ワード情報取得手段と、分析手段と、を備え、コンテンツの価値に対する、コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する。
価値取得手段は、コンテンツの価値を取得する。
ワード情報取得手段は、コンテンツに付されたワード情報を取得する。
分析手段は、コンテンツに付されたワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する。
【0011】
(1)の構成によれば、コンテンツ(例えば、ゲーム等)の価値(例えば、売上げ等)を取得し、このコンテンツに付されたワード情報(例えば、タグ等)を取得し、コンテンツに付されたワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する。
これにより、例えば、価値が比較的高いコンテンツに対応づけられたワード情報や、逆に、価値が比較的低いコンテンツに対応づけられたワード情報を、人間の恣意性が介入することなく定量的に分析することが可能となる。
したがって、人間の恣意性を排除し、定量的にコンテンツの特徴を評価可能となる。
【0012】
(2) 前記ワード情報取得手段は、前記コンテンツに付された複数の前記ワード情報を取得し、
前記分析手段は、前記コンテンツに付された複数の前記ワード情報の組み合わせによる当該コンテンツの価値に対する前記影響度を分析することを特徴とする(1)に記載の影響度分析システム。
【0013】
ここで、コンテンツには、一般的に複数のワード情報(例えば、タグ等)が対応付けられている。そして、これらの複数のワード情報の1つは、例えば、コンテンツのジャンル等の主となるワード情報であり、その他は、コンテンツの内容等を示す補足的なワード情報である。例えば、コンテンツを提供する者(以下、「提供者」ともいう。)には、主となるワード情報については選択の余地が限られているものの、補足的なワード情報はコンテンツの価値を向上するものにしたいとの要望がある。
【0014】
しかしながら、コンテンツに付されたワード情報の影響度を、補足的なワード情報だけで判断しても、必ずしも提供者の要望する結果に至らない可能性がある。即ち、ある補足的なワード情報は、ある主となるワード情報(例えば、あるジャンル)との組み合わせでは、価値が比較的高いコンテンツに対応づけられていたとしても、別の主となるワード情報(例えば、別のジャンル)との組み合わせでは、価値が比較的低いコンテンツに対応づけられている場合もある。
【0015】
(2)の構成によれば、コンテンツに付された複数のワード情報を取得し、コンテンツに付された複数のワード情報の組み合わせによる当該コンテンツの価値に対する影響度を分析するので、複数のワード情報の組み合わせで、コンテンツに対する影響度を分析することが可能となる。
【0016】
(3) 前記分析手段は、時系列で複数の前記影響度を分析し、
複数の前記影響度の推移に基づき、現在から所定期間後の前記影響度を推測する推測手段を、更に備えることを特徴とする(1)又は(2)に記載の影響度分析システム。
【0017】
(3)の構成では、影響度分析システムは、推測手段を、更に備える。
分析手段は、時系列で複数の影響度を分析する。
推測手段は、複数の影響度の推移に基づき、現在から所定期間後の影響度を推測する。
【0018】
(3)の構成によれば、時系列で複数の影響度を分析し、複数の影響度の推移に基づき、現在から所定期間後の影響度を推測するので、未来(例えば、現在開発中のコンテンツの発売時期等)における、コンテンツの価値に対する、当該コンテンツに付されたワード情報が与える影響についての客観的な指針を提供可能となる。
【0019】
(4) 前記コンテンツに付された文章情報の中から、前記ワード情報を抽出するワード情報抽出手段を、更に備えることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の影響度分析システム。
【0020】
(4)の構成によれば、コンテンツに付された文章情報(例えば、コンテンツの説明文)の中から、ワード情報(例えば、コンテンツを示すキーワード等であり、タグになり得るワード)を抽出する。これにより、文章情報に含めるワード情報のコンテンツに対する影響度を分析することが可能となる。
【0021】
(5) コンテンツの価値に対する、前記コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する影響度分析システムが実行する方法であって、
前記コンテンツの価値を取得するステップと、
前記コンテンツに付された前記ワード情報を取得するステップと、
前記コンテンツに付された前記ワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析するステップと、を含むことを特徴とする影響度分析方法。
【0022】
(6) コンテンツの価値に対する、前記コンテンツに付されたワード情報の影響度を分析する影響度分析システムを、
前記コンテンツの価値を取得する価値取得手段、
前記コンテンツに付された前記ワード情報を取得するワード情報取得手段、
前記コンテンツに付された前記ワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する分析手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
【0023】
(5)及び(6)の構成によれば、(1)の構成と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、人間の恣意性を排除し、定量的にコンテンツの特徴を評価可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る影響度分析システムの概要を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る影響度分析システムの機能構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る影響度分析システムのコンテンツDBを模式的に示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る影響度分析システムのワード情報DBを模式的に示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る影響度分析システム1が実行する影響度分析処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0027】
(基本概念/基本構成)
図1は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムの概要を説明する図である。
影響度分析システム1は、コンテンツ(例えば、ゲーム等のインターネット上で販売される商品やサービス等、クラウドファンディングにおいて資金を募るプロジェクト等)を提供するサーバ(コンテンツ提供サーバ)に、ネットワークを介して接続されている。なお、コンテンツは、デジタルコンテンツに限定されるものではなく、例えば、白物家電等の現実の商品やサービスも含まれる。
【0028】
影響度分析システム1は、上記サーバにより提供されるコンテンツ毎の複数のコンテンツ提供ページにアクセスし、コンテンツの価値(例えば、売上げや、クラウドファンディングにおいて支援された総資金額、等)に対する、コンテンツに付されたワード情報(例えば、タグや、コンテンツの説明文に含まれるワード等)の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する。
【0029】
詳細には、影響度分析システム1は、コンテンツ毎に、コンテンツの価値を取得する。例えば、影響度分析システム1は、コンテンツ提供ページや、その他の外部サーバで提供されるページ等から、コンテンツの価値(売上げや、支援された総資金額等)を直接的に取得できれば取得する。また、影響度分析システム1は、コンテンツの価値を直接的に取得できない場合、例えば、コンテンツの単価(価格)に、当該コンテンツに対するレビュー数や評価数を乗算した値を、コンテンツの価値とし、記憶手段に記憶する。
【0030】
例えば、図1に示す例では、影響度分析システム1は、コンテンツ(タイトル:XXXストーリー)の価値を、価格(10,000円)にレビュー数(800)を乗算した値(8,000,000円)とする。
【0031】
また、影響度分析システム1は、コンテンツ毎に、コンテンツに付されたワード情報を取得する。影響度分析システム1は、コンテンツ提供ページにおいて、コンテンツに対して付されているワード情報(例えば、タグ等)を取得し、取得したコンテンツの価値に、当該ワード情報を対応づけたコンテンツDBを、記憶手段に記憶する。
【0032】
例えば、図1に示す例では、影響度分析システム1は、タグ(「シューティング」、「マルチプレイヤー」、・・・)を取得し、コンテンツの価値(8,000,000円)に、タグ(「シューティング」、「マルチプレイヤー」、・・・)を対応づけたコンテンツDBを、記憶手段に記憶する。
【0033】
また、影響度分析システム1は、コンテンツ提供ページにおいて使用されている複数種類のワード情報を抽出し、記憶手段に記憶する。
【0034】
そして、影響度分析システム1は、全てのコンテンツのコンテンツDBを読み出し、これらを、例えば、線形回帰を用いた回帰モデルによって、抽出した各ワード情報のコンテンツの価値に対する重みパラメータ(影響度)を算出する。
【0035】
図2は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
上述のとおり、影響度分析システム1は、コンテンツ提供ページから抽出した各ワード情報による、コンテンツの価値に対する影響度を算出する。そして、影響度分析システム1は、複数種類のワード情報の影響度を配列した分析結果情報を生成する。
【0036】
図2に示す例では、影響度分析システム1は、コンテンツ提供ページから抽出したワード情報のうち、コンテンツの価値に対する影響度が大きいものから順に、所定数(例えば、50個)ピックアップし、これらを影響度が大きい順に配列した分析結果情報を生成する。
【0037】
例えば、図2に示す例では、ワード情報「マルチプレイヤー」が、コンテンツ(ゲーム等)の価値(売上げ等)に対する影響度が最も大きいことを示している。
【0038】
このように、影響度分析システム1によれば、例えば、価値が比較的高いコンテンツに対応づけられたワード情報や、逆に、価値が比較的低いコンテンツに対応づけられたワード情報を、人間の恣意性が介入することなく定量的に分析することが可能となる。
したがって、人間の恣意性を排除し、定量的にコンテンツの特徴を評価可能となる。
【0039】
(機能構成)
図3は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムの機能構成を示す図である。
影響度分析システム1(以下、「本システム」ともいう。)は、コンテンツ(例えば、ゲーム等のインターネット上で販売される商品やサービス等、クラウドファンディングにおいて資金を募るプロジェクト等)を提供するサーバ(コンテンツ提供サーバ100)に、ネットワークを介して接続され、価値取得手段10と、ワード情報抽出手段20と、ワード情報取得手段30と、分析手段40と、推測手段50と、記憶手段60と、を備える。
【0040】
なお、本実施形態において、「取得」は、本システムが自動的又は能動的に情報やデータを取得するものに限らず、ユーザの操作により入力された情報、データ等の取得や、他のシステムから送信された情報、データ等の取得も含まれる。
【0041】
価値取得手段10は、コンテンツの価値を取得する。詳細には、価値取得手段10は、コンテンツ提供サーバ100に提供されるコンテンツ提供ページ(図1参照)や、その他の外部サーバで提供されるページ等から、コンテンツの価値(売上げや、支援された総資金額等)を取得する。
【0042】
また、価値取得手段10は、コンテンツの価値を直接的に取得できない場合、例えば、コンテンツの単価(価格)と、レビュー数や評価数とを取得し、当該コンテンツに対するレビュー数や評価数を乗算した値を、コンテンツの価値として取得する。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムのコンテンツDBを模式的に示す図である。
価値取得手段10は、取得したコンテンツ(図4に示す例ではゲーム)の価値(図4に示す例では売上げ)を、当該コンテンツ識別情報(図4に示す例ではゲームのタイトル)に対応付けて、記憶手段60に記憶されたコンテンツDBに記憶する。
【0044】
図3に戻って、ワード情報抽出手段20は、コンテンツ提供ページにおいて、コンテンツに付された文章情報(例えば、コンテンツの説明文を示す情報)の中から、ワード情報を抽出する。例えば、ワード情報抽出手段20は、文章情報をAI(Artificial Intelligence)によりテキストマイニングして、コンテンツの内容や特徴を示すワード情報を学習・分析し、この分析結果を、ワード情報として取得する。ワード情報抽出手段20は、取得したワード情報を、当該コンテンツ識別情報に対応付けて、記憶手段60に記憶されたコンテンツDB(図4参照)に記憶する。
【0045】
図5は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムのワード情報DBを模式的に示す図である。
ワード情報抽出手段20は、複数のコンテンツを提供するコンテンツ提供ページにおいて、複数のコンテンツにそれぞれ付された文章情報全体から、ワード情報を抽出する。ワード情報抽出手段20は、複数のコンテンツの文章情報から抽出したワード情報をリストアップし、記憶手段60に記憶されたワード情報DBに記憶する。
【0046】
なお、影響度分析システム1は、ワード情報取得手段30を備えれば(コンテンツ提供ページにおいてコンテンツにワード情報(タグ)が付されていれば)、ワード情報抽出手段20を省略してもよい。また、影響度分析システム1において、コンテンツ提供ページにおいてコンテンツにワード情報(タグ)が付されていない場合には、ワード情報抽出手段20をワード情報取得手段として機能させてもよい。
【0047】
図3に戻って、ワード情報取得手段30は、コンテンツ提供ページにおける各コンテンツに付された複数種類のワード情報(タグ)を取得する。ワード情報取得手段30は、取得したワード情報を、当該コンテンツ識別情報に対応付けて、記憶手段60に記憶されたコンテンツDB(図4参照)に記憶する。
【0048】
また、ワード情報取得手段30は、複数のコンテンツを提供するコンテンツ提供ページにおいて、複数のコンテンツにそれぞれ付されたワード情報(タグ)全体から、ワード情報を取得する。ワード情報取得手段30は、複数のコンテンツのワード情報(タグ)から取得したワード情報をリストアップし、記憶手段60に記憶されたワード情報DB(図5参照)に記憶する。
【0049】
分析手段40は、コンテンツに付されたワード情報の当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する。詳細には、分析手段40は、記憶手段60を参照して、全てのコンテンツのコンテンツDB(図4参照)を読み出し、これらを、ワード情報DB(図5参照)にリストアップされたワード情報毎に、機械学習のモデル(例えば、線形回帰(例えば、説明変数:ワード情報のコンテンツの価値に対する重みパラメータ、目的変数:ワード情報とコンテンツの価値)を用いた回帰モデル)によって、各ワード情報のコンテンツの価値に対する重みパラメータ(影響度)を分析する。なお、分析手段40は、線形回帰に限らず、RandomForestや決定木等の任意の分析手法により、各ワード情報のコンテンツの価値に対する影響度を分析することができる。
【0050】
また、分析手段40は、ワード情報毎に分析したコンテンツの価値に対する影響度を、所定の基準(例えば、ユーザに指定された基準)に基づき、所定数(例えば、50個)ピックアップした分析結果情報を生成し、記憶手段60に記憶する。影響度分析システム1は、このような分析結果情報を、例えば、ユーザの操作に基づき、表示手段に表示する。
【0051】
上述した図2に示す例は、分析手段40が、所定の基準として、ワード情報のコンテンツの価値に対する影響度が大きい順に、複数のワード情報と影響度(図2に示す例では横軸に延びる棒グラフで示している。)を上から配列した分析結果情報を示している。図2に示す例は、横軸において、棒グラフの長さが長いほど、影響度が大きいことを示している。
このような影響度が大きい順に配列した分析結果情報は、コンテンツに付するワード情報を検討する際に利用することができる。
【0052】
図6は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
図6に示す例は、分析手段40が、所定の基準として、ワード情報のコンテンツの価値に対する影響度が小さい順に、複数のワード情報と影響度(図6に示す例では横軸に延びる棒グラフで示している。)を下から配列した分析結果情報を示している。図6に示す例は、横軸において、棒グラフの長さが長いほど、影響度が小さいことを示している。すなわち、図6の棒グラフは、マイナスの影響度の大きさを示している。
このような影響度が小さい順に配列した分析結果情報は、コンテンツに付してはいけないワード情報を検討する際に利用することができる。
【0053】
また、分析手段40は、コンテンツに付された複数のワード情報の組み合わせによる当該コンテンツの価値に対する影響度を分析する。詳細には、分析手段40は、例えば、ユーザの操作に基づき指定された主ワード情報を受け付ける。そして、分析手段40は、記憶手段60を参照して、全てのコンテンツのコンテンツDB(図4参照)を読み出し、これらを、主ワード情報とワード情報DB(図5参照)にリストアップされた主ワード情報とは異なるワード情報(他ワード情報)毎に、機械学習のモデル(例えば、線形回帰(例えば、説明変数:主ワード情報と他ワード情報との組み合わせのコンテンツの価値に対する重みパラメータ、目的変数:主ワード情報と他ワード情報との組み合わせとコンテンツの価値)を用いた回帰モデル)によって、主ワード情報と他ワード情報との組み合わせのコンテンツの価値に対する重みパラメータ(影響度)を分析する。即ち、分析手段40は、主ワード情報を固定し、この主ワード情報と複数種類の他ワード情報とのそれぞれの組み合わせのコンテンツの価値に対する影響度をそれぞれ分析する。なお、分析手段40は、線形回帰に限らず、RandomForestや決定木等の任意の分析手法により、主ワード情報と他ワード情報との組み合わせのコンテンツの価値に対する影響度を分析することができる。
【0054】
また、分析手段40は、主ワード情報と他ワード情報との組み合わせ毎に分析したコンテンツの価値に対する影響度を、所定の基準(例えば、ユーザに指定された基準)に基づき、所定数(例えば、50個)ピックアップした分析結果情報を生成し、記憶手段60に記憶する。影響度分析システム1は、このような分析結果情報を、例えば、ユーザの操作に基づき、表示手段に表示する。
【0055】
図7は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
図7に示す例は、分析手段40が、所定の基準として、主ワード情報(「シューティング」)と他ワード情報(「マルチプレイヤー」、「アイソメトリック」等)との組み合わせのコンテンツの価値に対する影響度が大きい順に、複数の他ワード情報と影響度(図7に示す例では横軸に延びる棒グラフで示している。)を上から配列した分析結果情報を示している。図7に示す例は、横軸において、棒グラフの長さが長いほど、影響度が大きいことを示している。
このような影響度が大きい順に配列した分析結果情報は、コンテンツに付する主ワード情報と共に使用する他ワード情報を検討する際に利用することができる。
【0056】
図8は、本発明の実施形態に係る影響度分析システムによる分析結果情報の表示例を示す図である。
図8に示す例は、分析手段40が、所定の基準として、主ワード情報(「シューティング」)と他ワード情報(「3D」、「2Dプラットフォーム」等)との組み合わせのコンテンツの価値に対する影響度が小さい順に、複数の他ワード情報と、主ワード情報と組み合わせた場合の各他ワード情報の影響度(図8に示す例では横軸に延びる棒グラフで示している。)を下から配列した分析結果情報を示している。図8に示す例は、横軸において、棒グラフの長さが長いほど、影響度が小さいことを示している。すなわち、図8の棒グラフは、マイナスの影響度の大きさを示している。
このような影響度が小さい順に配列した分析結果情報は、コンテンツに付する主ワード情報と共に使用してはいけないワード情報を検討する際に利用することができる。
【0057】
なお、分析手段40は、全てのコンテンツのコンテンツDBを、AIにより、ワード情報やワード情報の組み合わせのコンテンツの価値に対する影響度を学習・分析し、各ワード情報やあるワード情報と他のワード情報の組み合わせが、コンテンツの価値に与える影響度を分析してもよい。
【0058】
ここで、ワード情報(タグ等)は、コンテンツ(例えば、ゲーム等)のジャンルや特徴を示すものが選択される。図2図6に示す分析結果情報は、ユーザが、コンテンツを新たに開発や製作する場合に、ワード情報から、どのジャンルで、どのような特徴を持たせることで、より価値を向上できるか(売上げを伸ばせるか)を検討する際に利用できる。
一方、図7図8に示す分析結果情報は、例えば、コンテンツのある要素(例えば、ジャンル等)が既に決まっている場合、この決まっている要素を示すワード情報を軸に、他の要素を検討する際や、このコンテンツに付する他ワード情報を検討する際に利用できる。
【0059】
このような主ワード情報と他ワード情報との組み合わせ毎に分析したコンテンツの価値に対する影響度は、ワード情報(タグ等)の相性の良し悪しを示唆するものである。例えば、図7に示すように表示することで、あるワード情報と相性が良い順に他のワード情報を配列することが可能となり、図8に示すように表示することで、あるワード情報と相性が悪い順に他のワード情報を配列することが可能となる。
【0060】
また、分析手段40は、時系列で複数の影響度を分析してもよい。
この場合、価値取得手段10、ワード情報抽出手段20及びワード情報取得手段30は、所定間隔(例えば、1週間、1月等)毎に、コンテンツの価値を取得し、ワード情報を抽出し、ワード情報を取得し、コンテンツDB(図4参照)を生成する。即ち、影響度分析システム1は、所定間隔毎にコンテンツDBを生成し、これらのコンテンツDBを時系列で記憶手段60に記憶する。
【0061】
そして、分析手段40は、時系列で記憶されている複数のコンテンツDBをそれぞれ読み出し、各コンテンツDBを、ワード情報DB(図5参照)にリストアップされたワード情報毎に、各ワード情報のコンテンツの価値に対する影響度をそれぞれ分析した分析結果を、それぞれ記憶手段60に記憶する。即ち、分析手段40は、所定間隔毎の分析結果を時系列で記憶手段60に記憶する。
【0062】
推測手段50は、複数の影響度の推移に基づき、現在から所定期間(例えば、1年等)後の影響度を推測する。詳細には、推測手段50は、例えば、ユーザに指定されたワード情報について、記憶手段60から、時系列で記憶されている複数の分析結果(所定間隔(例えば、1週間、1月等)毎の分析結果)を読み出し、当該ワード情報のコンテンツの価値に対する影響度の推移を示す係数を算出し、現在の当該ワード情報のコンテンツの価値に対する影響度と算出した係数に基づき、所定期間後の影響度を算出する。
【0063】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶手段)に格納されたコンピュータ・プログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0064】
(処理フロー)
図9は、本発明の実施形態に係る影響度分析システム1が実行する影響度分析処理フローを示す図である。
【0065】
ステップS1において、価値取得手段10は、コンテンツ提供サーバ100に提供されるコンテンツ提供ページ(図1参照)や、その他の外部サーバで提供されるページ等から、コンテンツの価値(売上げや、支援された総資金額等)を取得し、取得したコンテンツの価値を、当該コンテンツ識別情報に対応付けて、記憶手段60に記憶されたコンテンツDB(図4参照)に記憶する。
【0066】
ステップS2において、ワード情報取得手段30は、コンテンツ提供ページにおける各コンテンツに付された複数種類のワード情報(タグ)を取得し、取得したワード情報を、当該コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けて、記憶手段60に記憶されたコンテンツDB(図4参照)に記憶する。
【0067】
また、ワード情報取得手段30は、本ステップにおいて、複数のコンテンツを提供するコンテンツ提供ページにおいて、複数のコンテンツにそれぞれ付されたワード情報(タグ)全体から、ワード情報を取得し、取得したワード情報をリストアップし、記憶手段60に記憶されたワード情報DB(図5参照)に記憶する。
【0068】
ステップS3において、記憶手段60を参照して、ステップS1及びステップS2で、価値取得手段10及びワード情報取得手段30に記憶された全てのコンテンツのコンテンツDB(図4参照)を読み出し、これらを、ステップS2でワード情報取得手段30が記憶したワード情報DB(図5参照)にリストアップされたワード情報毎に、各ワード情報のコンテンツの価値に対する影響度を分析する。
【0069】
ステップS4において、分析手段40は、ステップS3で分析したワード情報毎のコンテンツの価値に対する影響度を、所定の基準に基づき、所定数ピックアップした分析結果情報を生成し、記憶手段60に記憶する。影響度分析システム1は、このような分析結果情報を、例えば、表示手段に表示する。
【0070】
以上、影響度分析システム1によれば、価値が比較的高いコンテンツに対応づけられたワード情報や、逆に、価値が比較的低いコンテンツに対応づけられたワード情報を、人間の恣意性が介入することなく定量的に分析することが可能となる。
したがって、人間の恣意性を排除し、定量的にコンテンツの特徴を評価可能となる。
【0071】
このような人間の恣意性を排除した定量的なコンテンツの特徴の評価は、当該コンテンツに付するワード情報が与える影響についての客観的な指針となる。
【0072】
そして、このような分析結果を参考にすれば、分析対象であるコンテンツ(ゲーム)と同じ種類のコンテンツを販売する場合、当該コンテンツに、影響度が比較的大きいと分析されたワード情報(タグ)を付することで、売上げの向上が期待できる。
【0073】
また、影響度分析システム1によれば、コンテンツに付された複数のワード情報を取得し、コンテンツに付された複数のワード情報の組み合わせに関する影響度を分析するので、複数のワード情報の組み合わせで、コンテンツに対する影響度を分析することが可能となる。
【0074】
また、影響度分析システム1によれば、時系列で複数の影響度を分析し、複数の影響度の推移に基づき、現在から所定期間後の影響度を推測するので、未来(例えば、現在開発中のコンテンツの発売時期等)における、コンテンツの価値に対する、当該コンテンツに付されたワード情報が与える影響についての客観的な指針を提供可能となる。
【0075】
また、影響度分析システム1によれば、コンテンツに付された文章情報(例えば、コンテンツの説明文)の中から、ワード情報(例えば、コンテンツを示すキーワード等であり、タグになり得るワード)を抽出する。これにより、文章情報に含めるワード情報のコンテンツに対する影響度を分析することが可能となる。
【0076】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、影響度分析システムについて説明したが、本発明において影響度分析システムが実行する方法や、影響度分析システムを各種手段として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0077】
1 影響度分析システム
10 価値取得手段
20 ワード情報抽出手段
30 ワード情報取得手段
40 分析手段
50 推測手段
60 記憶手段
100 コンテンツ提供サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9